JP3544950B2 - 可変利得増幅回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変利得増幅回路に関し、さらに言えば、広い利得可変幅を有するとともに、低周波の入力信号に対して直流結合が可能な(つまり容量結合が不要な)可変利得増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
W−CDMA(Code-Division Multiple Access)などの移動体通信方式では、移動局と基地局との間の距離に応じて電力制御を行なうため、当該方式で使用される携帯端末には80dB以上にわたる高精度の送信電力制御特性が必要とされる。また、近年、この種の携帯端末には、長い通話可能時間や良好な通話品質だけでなく、小型で軽量であることも、商品価値を左右する重要な要素となっている。このため、この種の携帯端末では、従来、利得可変幅や消費電流、ノイズ、歪みを各々最適化した複数段の可変利得増幅回路を縦続接続することにより、これらの要求を満たしている。その例を図14に示す。
【0003】
図14の例では、第1段の可変利得増幅回路(Valuable Gain Amplifier, VGA)201の次に、レベルシフタ回路203と、容量素子からなる結合回路204とを介して、第2段の可変利得増幅回路202が接続されている。一対の入力端子INとINXの間に入力電圧VINが差動入力され、第1段の可変利得増幅回路201はそれを増幅して出力電圧VOUT’として出力する。レベルシフタ回路203は、こうして出力された出力電圧VOUT’の直流電位を調整する。結合回路204は、その出力電圧VOUT’の直流分をカットして電圧VIN’を生成する。こうして生成された電圧VIN’は、バイアス回路205によって生成された所定のバイアス電圧と共に、第2段の可変利得増幅回路202に入力される。第2段の可変利得増幅回路202は、電圧VIN’を増幅して出力電圧VOUTを一対の出力端子OUTとOUTXの間に生成する。
【0004】
上述した要求を満たす従来の可変利得増幅回路の例としては、特開平11−136051号公報、特開平11−055054号公報、特開平11−239034号公報に記載されているものが挙げられる。以下、これら従来の回路について説明する。
【0005】
(従来例1)
図7は、特開平11−136051号公報に記載された可変利得増幅回路を示す。
【0006】
図7に示すように、この従来の可変利得増幅回路は、エミッタ結合された二個のnpn型バイポーラ・トランジスタ51、52と定電流源49を含む入力差動回路A1と、四個のnpn型バイポーラ・トランジスタ53、54、55、56を含む利得制御差動回路A2と、六個の負荷抵抗器71、72、73、74、75、76とを備えている。この可変利得増幅回路は、電源端子47と接地端子48との間に接続されており、一対の利得制御端子41、42間に入力される利得制御電圧Vdに従って、一対の入力端子43、44間に入力される入力電圧VINを差動増幅し、一対の出力端子45、46間に出力電圧VOUTを出力する。
【0007】
入力差動回路A1では、トランジスタ51と52の結合エミッタが定電流源49の一端に接続されており、それらのベースが入力端子43と44にそれぞれ接続されている。定電流源49の他端は接地端子48に接続されている。
【0008】
利得制御差動回路A2では、トランジスタ53と55の結合エミッタが、入力差動回路A1のトランジスタ51のコレクタに接続され、トランジスタ54と56の結合エミッタが、入力差動回路A1のトランジスタ52のコレクタに接続されている。トランジスタ53と54のベースは、利得制御端子41に共通接続され、トランジスタ55と56のベースは、利得制御端子42に共通接続されている。トランジスタ53と55のコレクタは、負荷抵抗器71と73を介して電源端子47にそれぞれ接続されている。トランジスタ54と56のコレクタは、負荷抵抗器72と74を介して電源端子47にそれぞれ接続されている。換言すれば、負荷抵抗器71と73は、トランジスタ53と55のコレクタと電源端子47との間に各々接続され、負荷抵抗器72と74は、トランジスタ54と56のコレクタと電源端子47との間に各々接続されている。さらに、トランジスタ53と55のコレクタの間には、負荷抵抗器75が接続され、トランジスタ54と56のコレクタの間には、負荷抵抗器76が接続されている。
【0009】
一方の出力端子45は、トランジスタ53のコレクタに接続され、他方の出力端子46は、トランジスタ54のコレクタに接続されている。
【0010】
以上の構成を持つ図7の従来の可変利得増幅回路は、次のように動作する。
【0011】
すなわち、一対の入力端子43と44の間に差動入力される入力電圧VINは、入力差動回路A1においてトランジスタ51と52によって二個の差動電流に変換される。そして、一方の差動電流は、利得制御差動回路A2のトランジスタ53と55の結合エミッタに入力される。他方の差動電流は、利得制御差動回路A2のトランジスタ54と56の結合エミッタに入力される。こうして利得制御差動回路A2に入力された二個の差動電流は、一対の利得制御端子41と42の間に入力される利得制御電圧Vdに従って、トランジスタ53と55のコレクタとトランジスタ54と56のコレクタにそれぞれ分配される。
【0012】
ここで、利得制御差動回路A2のトランジスタ53、54、55、56のコレクタ電流の交流成分を各々、iCQ3、iCQ4、iCQ5、iCQ6とし、トランジスタ51、52のコレクタ電流の交流成分を各々i0、−i0とすると、iCQ3、iCQ4、iCQ5、iCQ6は次の数式(1a)、(1b)で表される。
【0013】
【数1】
Figure 0003544950
【0014】
ここで、トランジスタ53と55のコレクタ電流の交流成分iCQ3とiCQ5によって生成される二つの出力電圧における負荷抵抗器71、73、75の抵抗値の寄与分RL3、RL5を求めるために、全交流成分ioに対するiCQ3とiCQ5の比を以下の数式(2a)と(2b)のように設定する。
【0015】
【数2】
Figure 0003544950
【0016】
負荷抵抗器71、73、75の抵抗値を各々R1、R3、R2とすると、iCQ3によって生成される出力電圧に対する負荷抵抗器71、73、75の寄与分RL3と、iCQ5によって生成される出力電圧に対する負荷抵抗器71、73、75の寄与分RL5は、それぞれ次の数式(3a)、(3b)のように表される。
【0017】
【数3】
Figure 0003544950
【0018】
数式(3a)と(3b)でそれぞれ表されるRL3とRL5の和が、入力差動回路A1に対する等価的な負荷抵抗値と考えることができる。そこで、この等価的な負荷抵抗値をRLeqとすれば、RLeqは数式(3a)、(3b)より次の数式(4)のようになる。
【0019】
【数4】
Figure 0003544950
【0020】
ここで、入力差動回路A1の伝達コンダクタンスをGmとすれば、入力差動回路A1の利得Gは、次の数式(5)で表される。
【0021】
【数5】
Figure 0003544950
【0022】
また、数式(5)より、図7の従来の可変利得増幅回路の最大利得Gmaxと最小利得Gminは、各々、次の数式(6a)、(6b)のように表される。
【0023】
【数6】
Figure 0003544950
【0024】
したがって、図7の従来の可変利得増幅回路の利得可変幅ΔGは、数式(6a)、(6b)を用いて次の数式(7)で与えられる。
【0025】
【数7】
Figure 0003544950
【0026】
数式(7)より、図7の従来の可変利得増幅回路の利得可変幅ΔGは、負荷抵抗器73、74、75、76の抵抗値R2、R3の比のみで決定されることが分かる。
【0027】
出力端子46における出力直流電位VOUT(DC)は、上記数式(5)を用いて次の数式(8)で与えられる。
【0028】
【数8】
Figure 0003544950
【0029】
よって、最大利得時および最小利得時の出力直流電位VOUT(DC)は、上記数式(8)を用いて、各々次の数式(9a)、(9b)のように表される。
【0030】
【数9】
Figure 0003544950
【0031】
上記数式(9a)、(9b)より、図7の従来の可変利得増幅回路では、利得可変幅ΔGを大きくすると、つまり数式(7)における抵抗値の比[1+(R2/R3)]を大きくすると、出力端子46の直流電位VOUT(DC)の変動が大きくなることが分かる。
【0032】
図8に、図7に示した従来の可変利得増幅回路の利得制御電圧−利得制御特性および利得制御電圧−出力直流電位特性の一例を示す。利得Gの変化を実線で、出力直流電位VOUT(DC)の変化を破線で示してある。
【0033】
図8の例では、負荷抵抗器71と72、73と74、75と76の抵抗値R1、R2、R3を各々230Ω、23Ω、2300Ωとし、トランジスタ51、52のエミッタ電流I0を各々1mAとしている。この場合、利得可変幅ΔGは約40dB、最大利得Gmaxは約12dBである。また、出力端子46の直流電位VOUT(DC)の変動は、約207mVとかなり大きな値となっている。
【0034】
(従来例2)
図9は、特開平11−055054号公報に記載された従来の可変利得増幅回路を示す。
【0035】
図9に示す可変利得増幅回路は、図7に示した従来の可変利得増幅回路と同じ構成の入力差動回路A1と、六個のnpn型バイポーラ・トランジスタ63、64、65、66、67、68を含む利得制御差動回路A2と、四個の負荷抵抗器81、82、83、84とを備えている。この可変利得増幅回路は、図7に示した従来の可変利得増幅回路と同様に、電源端子47と接地端子48との間に接続されており、一対の利得制御端子41、42間に入力される利得制御電圧Vdに従って、一対の入力端子43、44間に入力される入力電圧VINを差動増幅し、一対の出力端子45、46間に出力電圧VOUTを出力する。
【0036】
図9の入力差動回路A1の構成と動作は、図7のそれと同じであるから、それらに関する説明は省略する。
【0037】
図9の利得制御差動回路A2では、トランジスタ63と65と67の結合エミッタが、入力差動回路A1のトランジスタ51のコレクタに接続され、トランジスタ64と66と68の結合エミッタが、入力差動回路A1のトランジスタ52のコレクタに接続されている。トランジスタ63と64のベースは、利得制御端子41に共通接続され、トランジスタ65と66と67と68のベースは、利得制御端子42に共通接続されている。トランジスタ63のコレクタは、直列接続された負荷抵抗器81と83を介して電源端子47に接続され、トランジスタ65のコレクタは、負荷抵抗器83を介して電源端子47に接続されている。トランジスタ64のコレクタは、直列接続された負荷抵抗器82と84を介して電源端子47に接続され、トランジスタ66のコレクタは、負荷抵抗器84を介して電源端子47に接続されている。トランジスタ67と68のコレクタは、負荷抵抗器を介さずに直接、電源端子47に接続されている。換言すれば、負荷抵抗器81は、トランジスタ63のコレクタとトランジスタ65のコレクタの間に接続され、負荷抵抗器83は、トランジスタ65のコレクタと電源端子47の間に接続されている。負荷抵抗器82は、トランジスタ64のコレクタとトランジスタ66のコレクタの間に接続され、負荷抵抗器84は、トランジスタ66のコレクタと電源端子47の間に接続されている。
【0038】
一方の出力端子45は、トランジスタ63のコレクタに接続され、他方の出力端子46は、トランジスタ64のコレクタに接続されている。
【0039】
トランジスタ63と64のエミッタ面積は互いに同一であり、トランジスタ65と66のエミッタ面積も互いに同一であり、トランジスタ67と68のエミッタ面積も互いに同一である。トランジスタ63と64のエミッタ面積とトランジスタ65、66のエミッタ面積とトランジスタ67、68のエミッタ面積との比は任意であり、ここではl:m:nに設定されているとする(l、m、nは正の定数)。
【0040】
負荷抵抗器81と82の抵抗値は互いに同一(R1)であり、負荷抵抗器83、84の抵抗値も互いに同一(R2)である。R1とR2との比は任意である。
【0041】
図9の従来の可変利得増幅回路は、次のように動作する。
【0042】
利得制御差動回路A2のトランジスタ63、64、65、66、67、68のコレクタ電流の交流成分を各々iCQ3、iCQ4、iCQ5、iCQ6、iCQ7、iCQ8とし、入力差動回路A1のトランジスタ51、52のコレクタ電流の交流成分を各々iO、−iOとすると、iCQ3、iCQ4、iCQ5、iCQ6、iCQ7、iCQ8は次の数式(10a)、(10b)、(10c)で与えられる。
【0043】
【数10】
Figure 0003544950
【0044】
また、トランジスタ63と65のコレクタ電流の交流成分iCQ3とiCQ5による出力電圧における負荷抵抗器81と83の抵抗値の寄与分RL3とRL5は、次のようにして求められる。
【0045】
すなわち、まず、全交流成分ioに対するiCQ3とiCQ5の比を、次の数式(11a)、(11b)のように設定する。
【0046】
【数11】
Figure 0003544950
【0047】
すると、トランジスタ67と68のコレクタ電流の交流成分iCQ7とiCQ8は出力に寄与しないため無視できるから、負荷抵抗器81、83の抵抗値の寄与分RL3、RL5は次の数式(12a)、(12b)のように表される。
【0048】
【数12】
Figure 0003544950
【0049】
入力差動回路A1に対する等価的な負荷抵抗値RLeqは、負荷抵抗器81、83の抵抗値の寄与分RL3とRL5の和で与えられるから、数式(12a)、(12b)を用いると、次の数式(13)のようになる。
【0050】
【数13】
Figure 0003544950
【0051】
入力差動回路A1の伝達コンダクタンスをGmとおくと、図9の従来の可変利得増幅回路の利得Gは、数式(13)を用いて次の数式(14)で与えられる。
【0052】
【数14】
Figure 0003544950
【0053】
また、図9の従来の可変利得増幅回路の最大利得Gmaxと最小利得Gminは、各々、次の数式(15a)、(15b)のようになる。
【0054】
【数15】
Figure 0003544950
【0055】
よって、数式(15a)、(15b)を用いて、その利得可変幅ΔGは次の数式(16)で与えられる。
【0056】
【数16】
Figure 0003544950
【0057】
数式(16)より、図9の従来の可変利得増幅回路では、利得可変幅ΔGは、抵抗値の比[1+(R2/R1)]と利得制御差動回路A2のトランジスタのエミッタ面積比[l+(n/m)]との積で決まることが分かる。
【0058】
また、出力端子45、46の直流電位VOUT(DC)は、次の数式(17)で与えられる。
【0059】
【数17】
Figure 0003544950
【0060】
よって、最大利得時および最小利得時の出力直流電位は、数式(17)を用いて、次の数式(18a)、(18b)のように表される。
【0061】
【数18】
Figure 0003544950
【0062】
数式(18a)、(18b)より、数式(16)で与えられる利得可変幅ΔGを大きくすると、つまりエミッタ面積比[1+(n/m)]を大きくすると、出力端子の直流電位VOUT(DC)の変動が大きくなることが分かる。
【0063】
図10に、図9に示した従来の可変利得増幅回路の利得制御電圧−利得制御特性および利得制御電圧−出力直流電位特性の一例を示す。利得Gの変化を実線、出力端子の直流電位VOUT(DC)の変化を破線で示している。
【0064】
この例では、負荷抵抗器81と82、83と84の抵抗値R1、R2を各々200Ω、20Ωとし、トランジスタ63、65、67のエミッタ面積比を1:1:8とし、トランジスタ64、66、68のエミッタ面積比を同じく1:1:8とし、トランジスタ51、52のエミッタ電流I0を各々1mAとしている。この場合、利得可変幅ΔGは約40dBであり、最大利得Gmaxは約12.5dBである。出力直流電位VOUT(DC)の変動は、約217mVと大きな値になっている。
【0065】
(従来例3)
図11は、特開平11−239034号公報に記載された従来の可変利得増幅回路を示す。
【0066】
図11に示す可変利得増幅回路は、図7に示した従来の可変利得増幅回路と同じ構成の入力差動回路A1と、六個のnpn型バイポーラ・トランジスタ93、94、95、96、97、98を含む利得制御差動回路A2と、二個の負荷抵抗器101、102とを備えている。この可変利得増幅回路は、図7に示した従来の可変利得増幅回路と同様に、電源端子47と接地端子48との間に接続されており、一対の利得制御端子41、42間に入力される利得制御電圧Vdに従って、一対の入力端子43、44間に入力される入力電圧VINを差動増幅し、一対の出力端子45、46間に出力電圧VOUTを出力する。
【0067】
利得制御差動回路A2では、トランジスタ93と95と97のエミッタが、入力差動回路A1のトランジスタ51のコレクタに共通接続され、トランジスタ94と96と98のエミッタが、入力差動回路A1のトランジスタ52のコレクタに共通接続されている。トランジスタ93と94のベースは、利得制御端子41に共通接続され、トランジスタ95と96と97と98のベースは、利得制御端子42に共通接続されている。トランジスタ93のコレクタは、負荷抵抗器101を介して電源端子47に接続され、トランジスタ95のコレクタも、負荷抵抗器101を介して電源端子47に接続されている。トランジスタ97のコレクタは、負荷抵抗器102を介して電源端子47に接続されている。トランジスタ94のコレクタは、負荷抵抗器102を介して電源端子47に接続され、トランジスタ96のコレクタも、負荷抵抗器102を介して電源端子47に接続されている。トランジスタ98のコレクタは、負荷抵抗器101を介して電源端子47に接続されている。換言すれば、負荷抵抗器101は、トランジスタ93、95、98の結合コレクタと電源端子47の間に接続され、負荷抵抗器102は、トランジスタ94、96、97の結合コレクタと電源端子47の間に接続されている。
【0068】
一方の出力端子45は、トランジスタ93、95、98の結合コレクタに接続され、他方の出力端子46は、トランジスタ94、96,97の結合コレクタに接続されている。
【0069】
トランジスタ93と94のエミッタ面積は同一であり、トランジスタ95と96のエミッタ面積も同一であり、トランジスタ97と98のエミッタ面積も同一である。トランジスタ95と96のエミッタ面積は、トランジスタ97と98のエミッタ面積よりも大きい。トランジスタ93と94のエミッタ面積とトランジスタ95、96のエミッタ面積とトランジスタ97、98のエミッタ面積との比は任意であり、ここではl:m:nに設定されているとする(l、m、nは正の定数)。
【0070】
負荷抵抗器101と102の抵抗値は、互いに同一(R1)である。
【0071】
図11の従来の可変利得増幅回路は、次のように動作する。
【0072】
利得制御差動回路A2のトランジスタ93、94、95、96、97、98のコレクタ電流の交流成分を各々iCQ3、iCQ4、iCQ5、iCQ6、iCQ7、iCQ8とし、入力差動回路A1のトランジスタ51、52のコレクタ電流の交流成分を各々iO、−iOとすると、iCQ3、iCQ4、iCQ5、iCQ6、iCQ7、iCQ8は次の数式(19a)、(19b)、(19c)で与えられる。
【0073】
【数19】
Figure 0003544950
【0074】
ここで、負荷抵抗器101に流れる電流の交流成分iCOは、数式(19a)、(19b)、(19c)を用いて、次の数式(20)で与えられる。
【0075】
【数20】
Figure 0003544950
【0076】
よって、数式(20)より、入力差動回路A1に対する等価的な負荷抵抗値RLeqは、次の数式(21)で与えられる。
【0077】
【数21】
Figure 0003544950
【0078】
入力差動回路A1の伝達コンダクタンスをGmとすると、図11の可変利得増幅回路の利得Gは、数式(21)を用いて次の数式(22)で与えられる。
【0079】
【数22】
Figure 0003544950
【0080】
また、数式(22)より、この可変利得増幅回路の最大利得Gmaxと最小利得Gminは、各々、次の数式(23a)、(23b)で与えられる。
【0081】
【数23】
Figure 0003544950
【0082】
よって、利得可変幅ΔGは、数式(23a)、(23b)を用いて、次の数式(24)で与えられる。
【0083】
【数24】
Figure 0003544950
【0084】
数式(24)より、図11の従来の可変利得増幅回路では、利得可変幅ΔGは、利得制御差動回路A2のトランジスタのエミッタ面積比[(m+n)/(m−n)]で決まることが分かる。
【0085】
また、トランジスタ93、95、98のコレクタ電流の直流成分ICQ3、ICQ5、ICQ8は、次の数式(25a)、(25b)、(25c)で与えられる。
【0086】
【数25】
Figure 0003544950
【0087】
したがって、出力端子の直流電位VOUT(DC)は、数式(25a)、(25b)、(25c)を用いて次の数式(26)で与えられる。
【0088】
【数26】
Figure 0003544950
【0089】
数式(26)より、図11の従来の可変利得増幅回路では、出力端子の直流電位VOUT(DC)は、利得Gを変化させても変動しないことが分かる。
【0090】
図12に、図11の従来の可変利得増幅回路の利得制御電圧−利得制御特性および利得制御電圧−出力直流電位特性の一例を示す。利得Gの変化を実線、出力直流電位VOUT(DC)の変化を破線で示している。
【0091】
この例では、負荷抵抗器101、102の抵抗値R1を220Ωとし、トランジスタ93、95、97のエミッタ面積比を45:45:44、トランジスタ94、96、98のエミッタ面積比を同じく45:45:44とし、トランジスタ51、52のエミッタ電流I0を各々1mAとしている。この場合、利得可変幅ΔGは約39dB、最大利得Gmaxは約12.5dBである。出力直流電位VOUT(DC)の変動は見られない。
【0092】
なお、本発明に関連する他の従来技術として、次のものがある。すなわち、特開平8−51326号公報には、利得制御の際に出力直流電位の変動しない、バイポーラ・トランジスタを利用した利得制御回路が開示されている。また、特開平3−153113号公報には、利得を調整しても出力信号の直流変動がない、バイポーラ・トランジスタを利用した可変利得増幅器が開示されている。
【0093】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の可変利得増幅回路にはそれぞれ、次のような問題がある。
【0094】
すなわち、図7の可変利得増幅回路には、上記の数式(7)で与えられる利得可変幅ΔGを大きな値に設定しようとすると、ペレットサイズ(半導体チップのサイズ)が大きくなってしまう、という問題がある。これは、利得可変幅ΔGを大きくするには、数式(7)より明らかなように、抵抗値の比[1+(R2/R3)]の値を大きくしなければならないからである。
【0095】
例えば、100:1という大きな負荷抵抗器を通常の集積回路(IC)プロセスで実現しようとすれば、負荷抵抗器の面積(チップエリア)が非常に大きくなる。その結果、負荷抵抗器の面積に応じてペレットサイズが大きくなる。
【0096】
さらに、数式(9a)、(9b)から分かるように、利得制御信号Vdによって利得Gを最大にした場合と最小にした場合とでは、出力直流電位VOUT(DC)が大きく異なる。このため、例えば、図13に示すように、結合回路204を介さずに、レベルシフタ回路203のみを用いて縦続接続された2段の可変利得増幅回路201と202として、図7の可変利得増幅回路を使用すると、第2段の可変利得増幅回路202において入力差動回路A1のトランジスタ51、52が飽和状態で動作する恐れが生じる。
【0097】
そこで、この場合には、図14に示したように、容量素子を含む結合回路204を介して段間を結合すると共に、第2段の入力差動回路A1用に改めてバイアス回路205が必要となる。つまり、それらの結合回路204とバイアス回路205が占有する面積の分だけペレットサイズが大きくなるのである。
【0098】
図9の従来の可変利得増幅回路についても、図7の従来の可変利得増幅回路と同様に、結合回路204とバイアス回路205の面積だけペレットサイズが大きくなる、という問題がある。
【0099】
すなわち、図9の従来の可変利得増幅回路では、数式(16)から分かるように、利得可変幅ΔGが抵抗値の比[l+(R2/R3)]と利得制御差動回路A2のトランジスタのエミッタ面積比[l+(n/m)]との積で決まる。このため、大きな利得可変幅ΔGは、抵抗値比[l+(R2/R3)]だけでなく、エミッタ面積比[l+(n/m)]を大きくすることによっても実現できる。よって、図7の回路に比べて、ペレットサイズの増加は抑制できる。
【0100】
しかし、数式(18a)、(18b)より明らかなように、エミッタ面積比[l+(n/m)]を大きくすると、それに応じて出力直流電位VOUT(DC)の変動が大きくなってしまう。このため、図9の回路においても、図7の可変利得増幅回路の持つ出力直流電位VOUT(DC)の変動に関する問題を解消することはできない。
【0101】
これに対し、図11の従来の可変利得増幅回路では、図7と図9の従来の可変利得増幅回路とは異なり、出力直流電位VOUT(DC)の変動がないため、図13のように段間を直流結合できる。よって、結合回路204とバイアス回路205は不要となる。その反面、大きな利得可変幅ΔGを得るには、数式(24)より明らかなように、トランジスタのエミッタ面積比[(m+n)/(m−n)]を大きくする必要がある。
【0102】
しかし、例えば45:44というような、エミッタ面積がわずかに異なる2つの小トランジスタで、所望のエミッタ面積比[(m+n)/(m−n)]を実現することは難しい。そこで、実際には、最小エミッタ面積のトランジスタを複数個並べるか、または、僅かにエミッタ面積の異なる二つの大きいトランジスタを用いて実現することになる。
【0103】
よって、図11の従来の可変利得増幅回路においても、図7の可変利得増幅回路の持つペレットサイズに関する問題を解消することはできない。
【0104】
大きな利得可変幅ΔGを有する可変利得増幅回路は、入力周波数の低い中間周波数(IF)増幅段において必要性が高いため、この場合には上記問題の解決はより重要なものになる。
【0105】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ペレットサイズを増大することなく大きな利得可変幅が得られ、しかも出力端子における直流電位の変動も抑制できる可変利得増幅回路を提供することにある。
【0106】
本発明の他の目的は、利得可変幅が負荷抵抗器の抵抗値の比とトランジスタのエミッタ面積の比との積で決定され、しかも出力端子における直流電位の変動が少ない可変利得増幅回路を提供することにある。
【0107】
本発明のさらに他の目的は、大きな利得可変幅に設定しながら、直流結合して複数段に縦続接続できる可変利得増幅回路を提供することにある。
【0108】
本発明のさらに他の目的は、複数段に縦続接続する場合にペレットサイズの増加を抑制できる可変利得増幅回路を提供することにある。
【0109】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記目的を達成するために、本発明の可変利得増幅回路は、
(a) 一対の入力端子と、
(b) 一対の利得制御端子と、
(c) エミッタ結合された第1トランジスタと第2トランジスタを有し、且つ、定電流により駆動されて、前記一対の入力端子間に印加される入力電圧に応じて、前記第1トランジスタのコレクタと前記第2トランジスタのコレクタにそれぞれ第1出力電流と第2出力電流を生成する第1差動回路と、
(d) エミッタ結合された第3トランジスタ、第5トランジスタ、第7トランジスタおよび第9トランジスタを有すると共に、前記第1差動回路の前記第1出力電流で駆動される第2差動回路と、
(e) エミッタ結合された第4トランジスタ、第6トランジスタ、第8トランジスタおよび第10トランジスタを有すると共に、前記第1差動回路の前記第2出力電流で駆動される第3差動回路と、
(f) 前記第2差動回路の前記第3トランジスタのコレクタに接続された、互いに直列接続された第1負荷抵抗器および第3負荷抵抗器と、
(g) 前記第3差動回路の前記第4トランジスタのコレクタに接続された、互いに直列接続された第2負荷抵抗器および第4負荷抵抗器とを備えており、
前記第2差動回路の前記第5トランジスタのコレクタは、前記第1負荷抵抗器と前記第3負荷抵抗器の接続点に接続され、
前記第2差動回路の前記第7トランジスタのコレクタは、前記第3トランジスタのコレクタに接続され、
前記第2差動回路の前記第9トランジスタのコレクタは、前記第3差動回路の前記第4トランジスタのコレクタに接続され、
前記第3差動回路の前記第6トランジスタのコレクタは、前記第2負荷抵抗器と前記第4負荷抵抗器の接続点に接続され、
前記第3差動回路の前記第8トランジスタのコレクタは、前記第4トランジスタのコレクタに接続され、
前記第3差動回路の前記第10トランジスタのコレクタは、前記第2差動回路の前記第3トランジスタのコレクタに接続され、
前記一対の利得制御端子間に印加される利得制御電圧は、前記第2差動回路の前記第3トランジスタおよび前記第3差動回路の前記第4トランジスタの結合されたベースと、前記第2差動回路の前記第5トランジスタ、前記第7トランジスタ、前記第9トランジスタおよび前記第3差動回路の前記第6トランジスタ、前記第8トランジスタおよび前記第10トランジスタの結合されたベースとの間に印加され、
前記第2差動回路の前記第3トランジスタのコレクタと、前記第3差動回路の前記第4トランジスタのコレクタは、一対の出力端子を形成していて、出力電圧は前記一対の出力端子から取り出されるようにしている。
しかも、前記第2差動回路は第11トランジスタをさらに含むと共に、前記第3差動回路は第12トランジスタをさらに含んでおり、前記第11トランジスタのエミッタ、ベース、コレクタは、前記第3、第5、第7および第9のトランジスタの結合エミッタと、前記第3トランジスタのベースと、前記第5トランジスタのコレクタにそれぞれ接続され、前記第12トランジスタのエミッタ、ベース、コレクタは、前記第4、第6、第8および第10のトランジスタの結合エミッタと、前記第4トランジスタのベースと、前記第6トランジスタのコレクタにそれぞれ接続されている。
【0110】
(2) 本発明の可変利得増幅回路では、エミッタ結合された第1および第2のトランジスタを有し、且つ、定電流により駆動されて、一対の入力端子間に印加される入力電圧に応じて、それら第1および第2のトランジスタのコレクタにそれぞれ第1出力電流と第2出力電流を生成する第1差動回路を有している。そして、それら第1および第2の出力電流により、エミッタ結合された第3、第5、第7および第9のトランジスタを有する第2差動回路と、エミッタ結合された第4、第6、第8および第10のトランジスタを有する第3差動回路をそれぞれ駆動する。
【0111】
さらに、第2差動回路の第3、第5、第7および第9のトランジスタのベースと、第3差動回路の第4、第6、第8および第10のトランジスタのベースは、上記のように接続されていて、一対の利得制御端子間に印加される利得制御電圧は、それらベースの間に印加される。第2差動回路と第3差動回路は、こうして印加された利得制御電圧に応じてそれぞれ出力電流を生成し、それら出力電流が上記のように接続された第1負荷抵抗器および第3負荷抵抗器と第2負荷抵抗器および第4負荷抵抗器によって電圧にそれぞれ変換されて、一対の出力端子から出力電圧として取り出される。
【0112】
その結果、当該可変利得増幅回路の利得(入力電圧に対する出力電圧の比)の利得可変幅(利得の最小値に対する最大値の比)は、第1〜第4の負荷抵抗器の抵抗値の比と、第2および第3の差動回路を構成する第3〜第10のトランジスタのエミッタ面積の比との積で表される。しかも、利得可変幅を大きくしても、一対の出力端子における直流電位の変動は小さい、あるいはまったく生じない。
【0113】
よって、ペレットサイズを増大することなく大きな利得可変幅が得られ、しかも出力端子における直流電位の変動も抑制できる。また、このために、大きな利得可変幅に設定しながら、直流結合して複数段に縦続接続することが可能となる。よって、当該可変利得増幅回路を複数段に縦続接続した場合にも、ペレットサイズの増加を抑制できる。
【0114】
本発明の可変利得増幅回路は、さらに、前記第2差動回路が第11トランジスタをさらに含むと共に、前記第3差動回路が第12トランジスタをさらに含んでおり、前記第11トランジスタのエミッタ、ベース、コレクタは、前記第3、第5、第7および第9のトランジスタの結合エミッタと、前記第3トランジスタのベースと、前記第5トランジスタのコレクタにそれぞれ接続され、前記第12トランジスタのエミッタ、ベース、コレクタは、前記第4、第6、第8および第10のトランジスタの結合エミッタと、前記第4トランジスタのベースと、前記第6トランジスタのコレクタにそれぞれ接続されている。このため、前記一対の出力端子における直流電位の変動をゼロに設定することができる。
【0115】
(3) 本発明の可変利得増幅回路の好ましい例では、前記第1差動回路の前記第1トランジスタと前記第2トランジスタのエミッタが、前記第1差動回路を駆動する前記定電流を生成する共通の定電流源に共通に接続される。この場合、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタがそれぞれ第1エミッタ帰還抵抗器と第2エミッタ帰還抵抗器を有するのが好ましい。
【0116】
本発明の可変利得増幅回路の他の好ましい例では、前記第1差動回路の前記第1トランジスタと前記第2トランジスタのエミッタが、前記第1差動回路を駆動する前記定電流を生成する第1定電流源と第2定電流源にそれぞれ接続される。この場合、前記第1トランジスタのエミッタと前記第2トランジスタのエミッタの間に、共通のエミッタ帰還抵抗器が接続されるのが好ましい。
【0117】
本発明の可変利得増幅回路のさらに他の好ましい例では、前記第3トランジスタと前記第4トランジスタのエミッタ面積は同一とされ、前記第5トランジスタと前記第6トランジスタのエミッタ面積は同一とされ、前記第7トランジスタと前記第8トランジスタと前記第9トランジスタと前記第10トランジスタのエミッタ面積は同一とされる。また、前記第3トランジスタのエミッタ面積と、前記第5トランジスタエミッタ面積と、前記第7トランジスタのエミッタ面積は、l:m:nに設定される(l、m、nはそれぞれ任意の正の定数)。
【0118】
本発明の可変利得増幅回路のさらに他の好ましい例では、前記第3トランジスタと前記第4トランジスタのエミッタ面積は同一とされ、前記第5トランジスタと前記第6トランジスタのエミッタ面積は同一とされ、前記第7トランジスタと前記第8トランジスタと前記第9トランジスタと前記第10トランジスタのエミッタ面積は同一とされ、前記第11トランジスタと前記第12トランジスタのエミッタ面積は同一とされる。また、前記第3トランジスタのエミッタ面積と、前記第11トランジスタのエミッタ面積と、前記第5トランジスタのエミッタ面積と、前記第7トランジスタのエミッタ面積と、前記第9トランジスタのエミッタ面積は、l1:l2:m:n:nに設定される(l1、l2、m、nはそれぞれ任意の正の定数)。
【0119】
本発明の可変利得増幅回路のさらに他の好ましい例では、前記第1負荷抵抗器と前記第2負荷抵抗器の抵抗値は同一とされ、前記第3負荷抵抗器と前記第4負荷抵抗器の抵抗値は同一とされ、前記第1負荷抵抗器の抵抗値と前記第3負荷抵抗器の抵抗値とは、所定の比に設定される。
【0120】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0121】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の可変利得増幅回路を示す回路図である。
【0122】
図1に示すように、本発明の第1実施形態の可変利得増幅回路は、入力差動回路A1と、利得制御差動回路A2と、四個の負荷抵抗器31、32、33、34とを備えている。負荷抵抗器31と32の抵抗値は共にR2であり、負荷抵抗器33と34の抵抗値は共にR1である。
【0123】
この可変利得増幅回路は、電源端子(電圧値:VCC)7と接地端子(電位:0)8との間に接続されており、一対の利得制御端子1、2の間に印加される利得制御電圧Vdによって設定される利得で、一対の入力端子3、4の間に入力される入力電圧VINを差動増幅し、一対の出力端子5、6間に出力電圧VOUTを生成する。
【0124】
入力差動回路A1は、エミッタ結合された二つのnpn型バイポーラ・トランジスタ11、12からなる差動対と、この差動対を駆動する定電流源9(電流値:2I0)とを含んでいる。トランジスタ11、12のベースは、一対の入力端子3、4にそれぞれ接続されており、入力端子3、4の間に差動入力される入力電圧VINはトランジスタ11、12のベース間に印加される。トランジスタ11、12のエミッタ面積は同一である。トランジスタ11と12の結合エミッタは、定電流源9の一端に接続されている。定電流源9の他端は、接地端子8に接続されている。
【0125】
トランジスタ11、12からなる差動対と定電流源9は、「第1差動回路」を構成し、入力電圧VINに応じて第1および第2の差動出力電流をトランジスタ11、12のコレクタにそれぞれ生成する。
【0126】
利得制御差動回路A2では、八個のnpn型バイポーラ・トランジスタ13、14、15、16、17、18、19、20を有している。
【0127】
四個のnpn型バイポーラ・トランジスタ13、15、17、19のエミッタは、互いに結合されており、それらの結合エミッタはさらに入力差動回路A1のトランジスタ11のコレクタに接続されている。これらトランジスタ13、15、17、19は、「第2差動回路」を構成しており、第1差動回路の第1差動出力電流で駆動される。
【0128】
同様に、四個のトランジスタ14、16、18、20のエミッタは、互いに結合されており、それらの結合エミッタはさらに入力差動回路A1のトランジスタ12のコレクタに接続されている。これらトランジスタ14、16、18、20は、「第3差動回路」を構成しており、第1差動回路の第2差動出力電流で駆動される。
【0129】
「第2差動回路」と「第3差動回路」は協動して利得制御差動回路A2として機能するものであり、一対の利得制御端子1、2の間に印加される利得制御電圧Vdに応じて差動出力電流をそれぞれ生成する。これらの差動出力電流は、負荷抵抗器31、32、33、34によって電圧に変換され、一対の出力端子5、6間に生成される出力電圧VOUTとなる。
【0130】
第2差動回路と第3差動回路において、トランジスタ13、14のベースは、利得制御端子1に共通接続され、トランジスタ15、16、17、18、19、20のベースは、利得制御端子2に共通接続されている。その結果、利得制御端子1、2の間に印加される利得制御電圧Vdは、トランジスタ13、14の結合ベースと、トランジスタ15、16、17、18、19、20の結合ベースの間に差動入力される。
【0131】
また、トランジスタ13のコレクタは、直列接続された二つの負荷抵抗器31と33を介して電源端子7に接続され、トランジスタ15のコレクタは、負荷抵抗器33を介して電源端子7に接続されている。トランジスタ17のコレクタは、トランジスタ13のコレクタに接続されている。トランジスタ19のコレクタは、トランジスタ14のコレクタに接続されている。換言すれば、負荷抵抗器31は、トランジスタ13のコレクタとトランジスタ15のコレクタの間に接続され、負荷抵抗器33は、トランジスタ15のコレクタと電源端子7の間に接続されている。
【0132】
同様に、トランジスタ14のコレクタは、直列接続された二つの負荷抵抗器32と34を介して電源端子7に接続され、トランジスタ16のコレクタは、負荷抵抗器34を介して電源端子7に接続されている。トランジスタ18のコレクタは、トランジスタ14のコレクタに接続されている。トランジスタ20のコレクタは、トランジスタ13のコレクタに接続されている。換言すれば、負荷抵抗器32は、トランジスタ14のコレクタとトランジスタ16のコレクタの間に接続され、負荷抵抗器34は、トランジスタ16のコレクタと電源端子7の間に接続されている。
【0133】
一方の出力端子5は、トランジスタ13のコレクタに接続され、他方の出力端子6は、トランジスタ14のコレクタに接続されている。
【0134】
トランジスタ13と14のエミッタ面積は同一であり、トランジスタ15と16のエミッタ面積も同一であり、トランジスタ17と18と19と20のエミッタ面積も同一である。トランジスタ13のエミッタ面積とトランジスタ15のエミッタ面積とトランジスタ17のエミッタ面積との比は任意であるが、ここではl:m:nに設定されているとする(l、m、nは正の定数)。
【0135】
負荷抵抗器31と32の抵抗値は同一(R2)であり、負荷抵抗器33、34の抵抗値も同一(R1)である。R1とR2との比は任意である。
【0136】
次に、以上の構成を持つ第1実施形態の可変利得増幅回路の動作について説明する。
【0137】
一対の入力端子3、4の間に差動入力される入力電圧VINは、エミッタ結合されたトランジスタ11、12からなる差動対によって第1および第2の差動出力電流に変換される。これら第1および第2の差動出力電流は、トランジスタ11、12のコレクタにそれぞれ生成される。
【0138】
トランジスタ11のコレクタに生成された第1差動出力電流は、エミッタ結合されたトランジスタ13、15、17、19からなる第2差動回路に入力される。また、トランジスタ12のコレクタに生成された第2差動出力電流は、エミッタ結合されたトランジスタ14、16、18、20からなる第3差動回路に入力される。
【0139】
こうして、第2および第3の差動回路にそれぞれ入力された第1および第2の差動出力電流は、一対の利得制御端子1、2の間に印加される利得制御電圧Vdにしたがって、八つのトランジスタ13、14、15、16、17、18、19、20に分配される。こうして分配された電流のうち、トランジスタ13のコレクタに流れる電流は、直列接続された負荷抵抗器31と33によって電圧に変換され、トランジスタ14のコレクタに流れる電流は、直列接続された負荷抵抗器32と34によって電圧に変換される。また、トランジスタ15のコレクタに流れる電流は、負荷抵抗器33によって電圧に変換され、トランジスタ16のコレクタに流れる電流は、負荷抵抗器34によって電圧に変換される。
【0140】
第2差動回路において、トランジスタ13のコレクタに流れる電流によって生成された電圧と、トランジスタ15のコレクタに流れる電流によって生成された電圧は、負荷抵抗器31で互いに合成される。また、第3差動回路において、トランジスタ14のコレクタに流れる電流によって生成された電圧と、トランジスタ16のコレクタに流れる電流によって生成された電圧は、負荷抵抗器32で互いに合成される。そして、これら二つの合成電圧が出力電圧VOUTとなって、出力端子5、6間から差動出力される。
【0141】
以下において、上記第1実施形態の可変利得増幅回路の動作をさらに詳細に説明する。
【0142】
利得制御差動回路A2のトランジスタ13、14、15、16、17、18、19、20のコレクタ電流の交流成分を各々iCQ3、iCQ4、iCQ5、iCQ6、iCQ7、iCQ8、iCQ9、iCQ10とし、入力差動回路A1のトランジスタ11、12のコレクタ電流の交流成分を各々iO、−iOとする。すると、iCQ3、iCQ4、iCQ5、iCQ6、iCQ7、iCQ8、iCQ9、iCQ10は次の数式(27a)、(27b)、(27c)、(27d)で与えられる。
【0143】
【数27】
Figure 0003544950
【0144】
次に、第2および第3の差動回路の四つのトランジスタ13、17、20、15のコレクタ電流の交流成分iCQ3、iCQ7、iCQ10、iCQ5による第2差動回路の出力電流に対して、負荷抵抗器31、33の抵抗値の寄与分RL3、RL5は、次のようにして求められる。
【0145】
すなわち、全交流成分ioに対するiCQ3、iCQ7、iCQ10、iCQ5の比は、上記の数式(27a)、(27b)、(27c)、(27d)より、次の数式(28a)、(28b)、(28c)、(28d)で与えられる。
【0146】
【数28】
Figure 0003544950
【0147】
すると、第2差動回路における負荷抵抗器31、33の抵抗値の寄与分RL3、RL5は、それぞれ次の数式(29a)、(29b)のようになる。
【0148】
【数29】
Figure 0003544950
【0149】
よって、入力差動回路A1に対する等価的な負荷抵抗値RLeqは、次の数式(30)のようになる。
【0150】
【数30】
Figure 0003544950
【0151】
回路の対称性より、第3差動回路における負荷抵抗器32、34の抵抗値の寄与分は、第2差動回路におけるものと同じである。
【0152】
入力差動回路A1の伝達コンダクタンスをGmとおくと、第1実施形態の可変増幅回路の利得Gは、次の数式(31)で与えられる。
【0153】
【数31】
Figure 0003544950
【0154】
数式(31)より、第1実施形態の可変利得増幅回路の最大利得Gmaxと最小利得Gminは、各々、次の数式(32a)、(32b)のようになる。
【0155】
【数32】
Figure 0003544950
【0156】
よって、これら数式(32a)、(32b)より、第1実施形態の可変利得増幅回路の利得可変幅ΔGは、次の数式(33)のようになる。
【0157】
【数33】
Figure 0003544950
【0158】
数式(33)より明らかなように、利得可変幅ΔGは、負荷抵抗器31、32、33、34の抵抗値の比(R2/R1)と、利得制御差動回路A2のトランジスタ13、14、15、16、17、18、19、20のエミッタ面積の比[l+(2n/m)]との積で表される。
【0159】
次に、出力端子5、6の直流電位VOUT(DC)を以下のようにして求める。
【0160】
トランジスタ13、15、17、20のコレクタ電流の直流成分をICQ3、ICQ5、ICQ7、ICQ10とすれば、これらは次の数式(34a)、(34b)、(34c)、(34d)のように表される。
【0161】
【数34】
Figure 0003544950
【0162】
よって、出力端子5の直流電位VOUT(DC)は、次の数式(35)のようになる。
【0163】
【数35】
Figure 0003544950
【0164】
第3差動回路における出力端子6の直流電位VOUT(DC)も、上記数式(35)で与えられる。
【0165】
上記数式(35)より、最大利得時および最小利得時の出力端子5、6の直流電位VOUT(DCmax)、VOUT(DCmin)は、各々、次の数式(36a)、(36b)のようになる。
【0166】
【数36】
Figure 0003544950
【0167】
数式(36a)、(36b)より明らかなように、利得可変幅ΔGを大きくするために、エミッタ面積比[1+(2n/m)]を大きくすると、出力端子5、6の直流電位VOUT(DC)の変動は小さくなる。
【0168】
以上説明したところから明らかなように、本発明の第1実施形態の可変利得増幅回路では、利得可変幅ΔGは、負荷抵抗器31、32、33、34の抵抗値の比[1+(R2/R1)]と、利得制御差動回路A2のトランジスタ13、14、15、16、17、18、19、20のエミッタ面積の比[l+(2n/m)]との積で表される。しかも、利得可変幅ΔGを大きくしても、一対の出力端子5、6における直流電位VOUT(DC)の変動は低く抑えられる。
【0169】
よって、ペレットサイズを増大することなく大きな利得可変幅ΔGが得られ、しかも出力端子5、6における直流電位VOUT(DC)の変動も抑制できる。
【0170】
また、同じ理由により、大きな利得可変幅ΔGに設定しながら、図13に示したように、複数の当該可変利得増幅回路を直流結合して縦続接続することが可能となる。よって、段間の結合回路を省略でき且つバイアス回路を各段に設ける必要がないから、複数段に縦続接続した場合にもペレットサイズの増加を抑制できる。
【0171】
図2に、本発明の第1実施形態1の可変利得増幅回路の利得制御電圧−利得制御特性および利得制御電圧−出力直流電位特性の一例を示す。利得Gを実線、出力直流電位VOUT(DC)を点線で示してある。
【0172】
この例では、負荷抵抗器31、33の抵抗値R2、R1を各々200Ω、20Ωとし、トランジスタ13、15、17、19のエミッタ面積比を1:1:4:4、トランジスタ14、16、18、20のエミッタ面積比を同じく1:1:4:4とし、トランジスタ11、12のエミッタ電流I0を各々1mAとしている。この例では、利得可変幅ΔGは約40dB、最大利得Gmaxは12.5dBであるが、その場合でも、出力端子の直流電位VOUT(DC)の変動は約22mVに抑えられていることが分かる。
【0173】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態の可変利得増幅回路を示す回路図である。
【0174】
図3に示すように、本発明の第2実施形態の可変利得増幅回路は、図1に示す第1実施形態の可変利得増幅回路の八個のnpn型バイポーラ・トランジスタ13、14、15、16、17、18、19、20に代えて、十個のnpn型バイポーラ・トランジスタ21、22、23、24、25、26、27、28、29、30を用いて利得制御回路A2を構成したものである。
【0175】
第2実施形態のトランジスタ21と22は、第1実施形態のトランジスタ13と14にそれぞれ対応する。第2実施形態のトランジスタ25と26は、第1実施形態のトランジスタ15と16それぞれ対応する。第2実施形態のトランジスタ27と28は、第1実施形態のトランジスタ17と18にそれぞれ対応する。第2実施形態のトランジスタ29と30は、第1実施形態のトランジスタ19と20にそれぞれ対応する。したがって、第2実施形態の可変利得増幅回路は、第1実施形態の可変利得増幅回路の構成に、トランジスタ23と24を追加したものに相当する。
【0176】
入力差動回路A1の構成は、第1実施形態のそれと同じである。負荷抵抗器31、32、33、34も第1実施形態の場合と同じ接続である。
【0177】
この第2実施形態の可変利得増幅回路は、第1実施形態の場合と同様に、電源端子(電圧値:VCC)7と接地端子(電位:0)8との間に接続されており、一対の利得制御端子1、2の間に印加される利得制御電圧Vdに従って、一対の入力端子3、4の間に入力される入力電圧VINを差動増幅し、一対の出力端子5、6間に出力電圧VOUTを生成する。
【0178】
入力差動回路A1の構成と動作は、第1実施形態の場合と同じであるから、それらについての説明は省略する。
【0179】
利得制御差動回路A2では、トランジスタ21、23、25、27、29のエミッタが結合されており、それらの結合エミッタはさらに入力差動回路A1のトランジスタ11のコレクタに接続されている。トランジスタ21、23、25、27、29は、「第2差動回路」を構成しており、第1差動回路の第1差動出力電流で駆動される。
【0180】
同様に、トランジスタ22、24、26、28、30のエミッタが結合されており、それらの結合エミッタはさらに入力差動回路A1のトランジスタ12のコレクタに接続されている。トランジスタ22、24、26、28、30は、「第3差動回路」を構成しており、第1差動回路の第2差動出力電流で駆動される。
【0181】
「第2差動回路」と「第3差動回路」は協動して利得制御差動回路A2として機能するものであり、一対の利得制御端子1、2の間に印加される利得制御電圧Vdに応じて差動出力電流をそれぞれ生成する。これらの差動出力電流は、負荷抵抗器31、32、33、34によって電圧に変換されて、一対の出力端子5、6に生成される出力電圧VOUTとなる。
【0182】
第2差動回路と第3差動回路において、トランジスタ21、22、23、24のベースは、利得制御端子1に共通接続され、トランジスタ25、26、27、28、29、30のベースは、利得制御端子2に共通接続されている。その結果、利得制御端子1、2の間に印加される利得制御電圧Vdは、トランジスタ21、22、23、24の結合ベースと、トランジスタ25、26、27、28、29、30の結合ベースの間に差動入力される。
【0183】
また、トランジスタ21のコレクタは、直列接続された負荷抵抗器31と33を介して電源端子7に接続され、トランジスタ23、25のコレクタは負荷抵抗器33を介して電源端子7に共通接続されている。トランジスタ27のコレクタは、トランジスタ21のコレクタに接続されている。トランジスタ29のコレクタは、トランジスタ22のコレクタに接続されている。換言すれば、負荷抵抗器31は、トランジスタ21のコレクタと、トランジスタ23、25の結合コレクタの間に接続され、負荷抵抗器33は、トランジスタ23、25の結合コレクタと電源端子7の間に接続されている。
【0184】
同様に、トランジスタ22のコレクタは、直列接続された負荷抵抗器32と34を介して電源端子7に接続され、トランジスタ24、26のコレクタは、負荷抵抗器34を介して電源端子7に共通接続されている。トランジスタ28のコレクタは、トランジスタ22のコレクタに接続されている。トランジスタ30のコレクタは、トランジスタ21のコレクタに接続されている。換言すれば、負荷抵抗器32は、トランジスタ22のコレクタとトランジスタ24、26の結合コレクタの間に接続され、負荷抵抗器34は、トランジスタ24、26の結合コレクタと電源端子7の間に接続されている。
【0185】
一方の出力端子5は、トランジスタ21のコレクタに接続され、他方の出力端子6は、トランジスタ22のコレクタに接続されている。
【0186】
トランジスタ21と22のエミッタ面積は同一であり、トランジスタ23と24のエミッタ面積も同一であり、トランジスタ25と26のエミッタ面積も同一であり、トランジスタ27と28と29と30のエミッタ面積も同一である。また、トランジスタ21のエミッタ面積とトランジスタ23のエミッタ面積との比は、トランジスタ27のエミッタ面積およびトランジスタ29のエミッタ面積の和と、トランジスタ25のエミッタ面積との比に等しい。
【0187】
ここでは、トランジスタ21のエミッタ面積と、トランジスタ23のエミッタ面積と、トランジスタ25のエミッタ面積と、トランジスタ27のエミッタ面積と、トランジスタ29のエミッタ面積の比を、l1:l2:m:n:nに設定されているとする(l1、l2、m、nは正の定数)。
【0188】
負荷抵抗器31と32の抵抗値は同一(R2)であり、負荷抵抗器33、34の抵抗値も同一(R1)である。R1とR2との比は任意である。
【0189】
次に、以上の構成を持つ第2実施形態の可変利得増幅回路の動作について説明する。
【0190】
一対の入力端子3、4の間に差動入力される入力電圧VINは、エミッタ結合されたトランジスタ11、12からなる差動対によって第1および第2の差動出力電流に変換される。これら第1および第2の差動出力電流は、トランジスタ11、12のコレクタにそれぞれ生成される。この点は、第1実施形態の場合と同じである。
【0191】
トランジスタ11のコレクタに生成された第1差動出力電流は、五つのエミッタ結合されたトランジスタ21、23、25、27、29からなる第2差動回路に入力される。また、トランジスタ12のコレクタに生成された第2差動出力電流は、五つのエミッタ結合されたトランジスタ22、24、26、28、30からなる第3差動回路に入力される。
【0192】
こうして、第2および第3の差動回路にそれぞれ入力された第1および第2の差動出力電流は、一対の利得制御端子1、2の間に印加される利得制御電圧Vdにしたがって、十個のトランジスタ21、22、23、24、25、26、27、28、29、30に分配される。こうして分配された電流のうち、トランジスタ21のコレクタに流れる電流は、直列接続された負荷抵抗器31と33によって電圧に変換され、トランジスタ22のコレクタに流れる電流は、直列接続された負荷抵抗器32と34によって電圧に変換される。また、トランジスタ23と25のコレクタに流れる電流の和は、負荷抵抗器33によって電圧に変換され、トランジスタ24と26のコレクタに流れる電流の和は、負荷抵抗器34によって電圧に変換される。
【0193】
第2差動回路において、トランジスタ21のコレクタに流れる電流によって生成された電圧と、トランジスタ23と25のコレクタに流れる電流の和によって生成された電圧は、負荷抵抗器31で互いに合成される。また、第3差動回路において、トランジスタ22のコレクタに流れる電流によって生成された電圧と、トランジスタ24と26のコレクタに流れる電流の和によって生成された電圧は、負荷抵抗器32で互いに合成される。そして、これら二つの合成電圧が出力電圧VOUTとなって、出力端子5、6間から差動出力される。
【0194】
以下において、上記第2実施形態の可変利得増幅回路の動作をさらに詳細に説明する。
【0195】
利得制御差動回路A2の各トランジスタ21、22、23、24、25、26、27、28、29、30のコレクタ電流の交流成分をiCQ11、iCQ12、iCQ13、iCQ14、iCQ15、iCQ16、iCQ17、iCQ18、iCQ19、iCQ20は、入力差動回路A1の第1及び第2のトランジスタ11、12のコレクタ電流の交流成分iO、−iOを用いて、次の数式(37a)、(37b)、(37c)、(37d)、(37e)のように表される。
【0196】
【数37】
Figure 0003544950
【0197】
次に、第2および第3の差動回路の五つのトランジスタ21、27、30、23、25のコレクタ電流の交流成分iCQ11、iCQ17、iCQ20とiCQ13、iCQ15による第2差動回路の出力電流において、負荷抵抗器31、33の抵抗値の寄与分RL11、RL15は、次のようにして求められる。
【0198】
すなわち、全交流成分ioに対するiCQ11、iCQ17、iCQ20とiCQ13、iCQ15の比は、上記の数式(37a)、(37b)、(37c)、(37d)、(37e)より、次の数式(38a)、(38b)、(38c)、(38d)、(38e)で与えられる。
【0199】
【数38】
Figure 0003544950
【0200】
すると、第2差動回路における負荷抵抗器31、33の抵抗値の寄与分RL11、RL15は、次の数式(39a)、(39b)で与えられる。
【0201】
【数39】
Figure 0003544950
【0202】
よって、数式(39a)、(39b)、入力差動回路A1に対する等価的な負荷抵抗値RLeqは、次の数式(40)のようになる。
【0203】
【数40】
Figure 0003544950
【0204】
入力差動回路A1の伝達コンダクタンスをGmとおくと、第2実施形態の可変利得増幅回路の利得Gは、次の数式(41)で与えられる。
【0205】
【数41】
Figure 0003544950
【0206】
数式(41)より、第2実施形態の可変利得増幅回路の最大利得Gmaxと最小利得Gminは、各々、次の数式(42a)、(42b)のようになる。
【0207】
【数42】
Figure 0003544950
【0208】
よって、これら数式(42a)、(42b)より、第2実施形態の可変利得増幅回路の利得可変幅ΔGは、次の数式(43)のようになる。
【0209】
【数43】
Figure 0003544950
【0210】
この第2実施形態では、以下の数式(44)が成立している。
【0211】
【数44】
Figure 0003544950
【0212】
よって、数式(44)を用いて、上記の数式(43)は次の数式(45)のように書き換えられる。
【0213】
【数45】
Figure 0003544950
【0214】
数式(45)より明らかなように、利得可変幅ΔGは、負荷抵抗器31、32、33、34の抵抗値の比[1+(R2/R1)]と、利得制御差動回路A2のトランジスタ21、22、23、24、25、26、27、28、29、30のエミッタ面積の比(2n/m)との積で表される。
【0215】
次に、出力端子5、6の直流電位VOUT(DC)を求める。
【0216】
トランジスタ21、23、25、27、30のコレクタ電流の直流成分をICQ11、ICQ13、ICQ15、ICQ17、ICQ20とすれば、これらは次の数式(46a)、(46b)、(46c)、(46d)、(46e)のように表される。
【0217】
【数46】
Figure 0003544950
【0218】
よって、出力端子5の直流電位VOUT(DC)は、次の数式(47)のようになる。
【0219】
【数47】
Figure 0003544950
【0220】
ここで、利得Gの場合と同様に、上記数式(44)が成立するので、上記数式(47)は次の数式(48)のように書き換えられる。
【0221】
【数48】
Figure 0003544950
【0222】
第3差動回路は、第2差動回路と同じ構成であるから、出力端子6の直流電位VOUT(DC)も上記数式(48)で与えられる。
【0223】
上記数式(48)より明らかなように、出力端子5、6の直流電位VOUT(DC)は、利得Gを変化させても変動しない。
【0224】
以上説明したところから明らかなように、本発明の第2実施形態の可変利得増幅回路では、利得可変幅ΔGは、負荷抵抗器31、32、33、34の抵抗値の比[1+(R2/R1)]と、利得制御差動回路A2のトランジスタ21、22、23、24、25、26、27、28、29、30のエミッタ面積の比(2n/m)との積で表される。しかも、利得可変幅ΔGを大きくしても、一対の出力端子5、6における直流電位VOUT(DC)の変動はゼロである。
【0225】
よって、ペレットサイズを増大することなく大きな利得可変幅ΔGが得られ、しかも出力端子5、6における直流電位VOUT(DC)の変動も生じない。
【0226】
また、同じ理由により、大きな利得可変幅ΔGに設定しながら、図13に示したように、複数の当該可変利得増幅回路を直流結合して縦続接続することが可能となる。よって、段間の結合回路を省略でき且つバイアス回路を各段に設ける必要がないから、複数段に縦続接続した場合にもペレットサイズの増加を抑制できる。
【0227】
図4に、本発明の第2実施形態の可変利得増幅回路の利得制御電圧−利得制御特性および利得制御電圧−出力直流電位特性の一例を示す。利得Gを実線、出力直流電位VOUT(DC)を点線で示してある。
【0228】
この例では、負荷抵抗器31、33の抵抗値R2、R1を各々200Ω、20Ωとし、トランジスタ21、23、25、27、30のエミッタ面積比を8:1:1:4:4、トランジスタ22、24、26、28、29のエミッタ面積比を同じく8:1:1:4:4とし、さらに、トランジスタ11、12のエミッタ電流I0を各々1mAとしている。この場合、利得可変幅ΔGは39dB、最大利得Gmaxは11.6dBであるが、出力直流電位VOUT(DC)の変動はゼロである。
【0229】
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態の可変利得増幅回路を示す回路図である。
【0230】
図5に示すように、本発明の第3実施形態の可変利得増幅回路は、図1に示す第1実施形態の可変利得増幅回路において、入力増幅回路A1のトランジスタ11と12のエミッタにそれぞれエミッタ帰還抵抗器35、36を接続したものである。エミッタ帰還抵抗器35は、トランジスタ11のエミッタと定電流源9の間に接続され、エミッタ帰還抵抗器36は、トランジスタ12のエミッタと定電流源9の間に接続されている。それ以外の構成は、第1実施形態の可変利得増幅回路と同じであり、その動作も同じである。
【0231】
しかし、第3実施形態の可変利得増幅回路では、エミッタ帰還抵抗器35、36が挿入されたことにより、トランジスタ11、12のエミッタ電流を各々Ioとし、エミッタ帰還抵抗器35、36の抵抗値を共にREとすれば、入力差動回路の線形動作範囲が(2IO×RE)だけ広がる。このため、第1実施形態における効果に加えて、入力端子3、4からの入力信号VINの振幅が大きい場合でも歪み特性が劣化しない、という効果がある。
【0232】
(第4実施形態)
図6は、本発明の第4実施形態の可変利得増幅回路を示す回路図である。
【0233】
図6に示すように、本発明の第4実施形態の可変利得増幅回路は、図1に示す第1実施形態の可変利得増幅回路において、入力増幅回路A1のトランジスタ11と12のエミッタ間に共通のエミッタ帰還抵抗器37を接続し、さらに、定電流源9に代えて、トランジスタ11と12のエミッタに定電流源9aと9b(いずれも電流値:I0)をそれぞれ接続したものである。定電流源9aは、トランジスタ11のエミッタと接地端子8の間に接続され、定電流源9bは、トランジスタ12のエミッタと接地端子8の間に接続されている。それ以外の構成は、第1実施形態の可変利得増幅回路と同じであり、その動作も同じである。
【0234】
第4実施形態の可変利得増幅回路では、定電流源9に代えて、トランジスタ11と12をそれぞれ駆動する定電流源9aと9bが設けられているため、トランジスタ11、12のエミッタ電流を各々Ioとし、エミッタ帰還抵抗器37の抵抗値を2REとすれば、入力差動回路の線形動作範囲が(2IO×RE)だけ広がる。このため、第1実施形態における効果に加えて、入力端子3、4からの入力信号VINの振幅が大きい場合でも歪み特性が劣化しない、という効果がある。
【0235】
さらに、エミッタ帰還抵抗器37において直流電位降下が生じないため、第1および第3の実施形態の可変利得増幅回路よりも低い電源電圧VCCで動作が可能となる、という効果もある。
【0236】
(第5実施形態)
本発明の第3実施形態の可変利得増幅回路では、図1に示す第1実施形態の可変利得増幅回路において、入力増幅回路A1のトランジスタ11と12のエミッタにそれぞれエミッタ帰還抵抗器35、36を接続している。しかし、エミッタ帰還抵抗器35、36は、図3に示す第2実施形態の可変利得増幅回路にも適用できる。
【0237】
こうして得た第3実施形態の可変利得増幅回路(図示省略)においても、第2実施形態の可変利得増幅回路と同じ効果が得られる。
【0238】
(第6実施形態)
本発明の第4実施形態の可変利得増幅回路では、図1に示す第1実施形態の可変利得増幅回路において、入力増幅回路A1のトランジスタ11と12のエミッタ間に共通のエミッタ帰還抵抗器37を接続し、さらに、定電流源9に代えて、トランジスタ11と12のエミッタに定電流源9aと9b(いずれも電流値:I0)をそれぞれ接続している。しかし、エミッタ帰還抵抗器37と定電流源9aと9bは、図3に示す第2実施形態の可変利得増幅回路にも適用できる。
【0239】
こうして得た第4実施形態の可変利得増幅回路(図示省略)においても、第2実施形態の可変利得増幅回路と同じ効果が得られる。
【0240】
(変形例)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の可変利得増幅回路は上記第1〜第6の実施形態のみに限定されるものではなく、これら実施形態の構成に種々の修正や変更を施した可変利得増幅回路も本発明の範囲に含まれる。
【0241】
例えば、上記第1〜第6の実施形態ではnpn型バイポーラ・トランジスタを用いているが、pnp型バイポーラ・トランジスタを用いてもよいことは言うまでもない。また、負荷抵抗器の抵抗値の比やエミッタ面積の比についても、上記第1〜第6の実施形態で述べたものに限定されるものではなく、本発明の作用効果が得られるものであれば、任意に変更できる。
【0242】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の可変利得増幅回路は、利得可変幅が負荷抵抗器の抵抗値の比とトランジスタのエミッタ面積の比との積で決定され、しかも出力端子における直流電位の変動が少ない。したがって、ペレットサイズを増大することなく大きな利得可変幅が得られ、しかも出力端子における直流電位の変動も抑制できる。この直流電位の変動は、ゼロに設定することも可能である。
【0243】
さらに、大きな利得可変幅に設定しながら、直流結合して複数段に縦続接続することができる。よって、複数段に縦続接続した場合にもペレットサイズの増加を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の可変利得増幅回路の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第1実施形態の可変利得増幅回路において、利得の変化と出力端子の直流電位の変化を示す特性図である。
【図3】本発明の第2実施形態の可変利得増幅回路の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第2実施形態において、利得の変化と出力端子の直流電位の変化を示す特性図である。
【図5】本発明の第3実施形態の可変利得増幅回路の構成を示す回路図である。
【図6】本発明の第4実施形態の可変利得増幅回路の構成を示す回路図である。
【図7】従来の可変利得増幅回路の第1例の構成を示す回路図である。
【図8】図7の従来の可変利得増幅回路において、利得の変化と出力端子の直流電位の変化を示す特性図である。
【図9】従来の可変利得増幅回路の第2例の構成を示す回路図である。
【図10】図9の従来の可変利得増幅回路において、利得の変化と出力端子の直流電位の変化を示す特性図である。
【図11】従来の可変利得増幅回路の第3例の構成を示す回路図である。
【図12】図11の従来の可変利得増幅回路において、利得の変化と出力端子の直流電位の変化を示す特性図である。
【図13】複数の利得可変増幅回路を直流結合で縦続接続する場合の構成を示す回路図である。
【図14】複数の利得可変増幅回路を結合回路を介して縦続接続する場合の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1、2 利得制御端子
3、4 入力端子
5、6出力端子
7 電源端子
8 接地端子
9、9a、9b 定電流源
11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30 バイポーラ・トランジスタ
31、32、33、34 負荷抵抗器
35、36、37、 エミッタ帰還抵抗器

Claims (7)

  1. (a) 一対の入力端子と、
    (b) 一対の利得制御端子と、
    (c) エミッタ結合された第1トランジスタと第2トランジスタを有し、且つ、定電流により駆動されて、前記一対の入力端子間に印加される入力電圧に応じて、前記第1トランジスタのコレクタと前記第2トランジスタのコレクタにそれぞれ第1出力電流と第2出力電流を生成する第1差動回路と、
    (d) エミッタ結合された第3トランジスタ、第5トランジスタ、第7トランジスタおよび第9トランジスタを有すると共に、前記第1差動回路の前記第1出力電流で駆動される第2差動回路と、
    (e) エミッタ結合された第4トランジスタ、第6トランジスタ、第8トランジスタおよび第10トランジスタを有すると共に、前記第1差動回路の前記第2出力電流で駆動される第3差動回路と、
    (f) 前記第2差動回路の前記第3トランジスタのコレクタに接続された、互いに直列接続された第1負荷抵抗器および第3負荷抵抗器と、
    (g) 前記第3差動回路の前記第4トランジスタのコレクタに接続された、互いに直列接続された第2負荷抵抗器および第4負荷抵抗器とを備えており、
    前記第2差動回路の前記第5トランジスタのコレクタは、前記第1負荷抵抗器と前記第3負荷抵抗器の接続点に接続され、
    前記第2差動回路の前記第7トランジスタのコレクタは、前記第3トランジスタのコレクタに接続され、
    前記第2差動回路の前記第9トランジスタのコレクタは、前記第3差動回路の前記第4トランジスタのコレクタに接続され、
    前記第3差動回路の前記第6トランジスタのコレクタは、前記第2負荷抵抗器と前記第4負荷抵抗器の接続点に接続され、
    前記第3差動回路の前記第8トランジスタのコレクタは、前記第4トランジスタのコレクタに接続され、
    前記第3差動回路の前記第10トランジスタのコレクタは、前記第2差動回路の前記第3トランジスタのコレクタに接続され、
    前記一対の利得制御端子間に印加される利得制御電圧は、前記第2差動回路の前記第3トランジスタおよび前記第3差動回路の前記第4トランジスタの結合されたベースと、前記第2差動回路の前記第5トランジスタ、前記第7トランジスタ、前記第9トランジスタおよび前記第3差動回路の前記第6トランジスタ、前記第8トランジスタおよび前記第10トランジスタの結合されたベースとの間に印加され、
    前記第2差動回路の前記第3トランジスタのコレクタと、前記第3差動回路の前記第4トランジスタのコレクタは、一対の出力端子を形成していて、出力電圧は前記一対の出力端子から取り出され、
    前記第2差動回路は第11トランジスタをさらに含むと共に、前記第3差動回路は第12トランジスタをさらに含んでおり、
    前記第11トランジスタのエミッタ、ベース、コレクタは、前記第3、第5、第7および第9のトランジスタの結合エミッタと、前記第3トランジスタのベースと、前記第5トランジスタのコレクタにそれぞれ接続され、
    前記第12トランジスタのエミッタ、ベース、コレクタは、前記第4、第6、第8および第10のトランジスタの結合エミッタと、前記第4トランジスタのベースと、前記第6トランジスタのコレクタにそれぞれ接続されている可変利得増幅回路。
  2. 前記第1差動回路の前記第1トランジスタと前記第2トランジスタのエミッタが、前記第1差動回路を駆動する前記定電流を生成する共通の定電流源に共通に接続されている請求項1に記載の可変利得増幅回路。
  3. 前記第1トランジスタと前記第2トランジスタがそれぞれ第1エミッタ帰還抵抗器と第2エミッタ帰還抵抗器を有している請求項1または2に記載の可変利得増幅回路。
  4. 前記第1差動回路の前記第1トランジスタと前記第2トランジスタのエミッタが、前記第1差動回路を駆動する前記定電流を生成する第1定電流源と第2定電流源にそれぞれ接続され、且つ前記第1トランジスタのエミッタと前記第2トランジスタのエミッタの間に、共通のエミッタ帰還抵抗器が接続されている請求項1に記載の可変利得増幅回路。
  5. 前記第3トランジスタと前記第4トランジスタのエミッタ面積は同一とされ、前記第5トランジスタと前記第6トランジスタのエミッタ面積は同一とされ、前記第7トランジスタと前記第8トランジスタと前記第9トランジスタと前記第10トランジスタのエミッタ面積は同一とされ、
    前記第3トランジスタのエミッタ面積と、前記第5トランジスタエミッタ面積と、前記第7トランジスタのエミッタ面積は、l:m:nに設定されている(l、m、nはそれぞれ任意の正の定数)請求項1〜4のいずれか1に記載の可変利得増幅回路。
  6. 前記第3トランジスタと前記第4トランジスタのエミッタ面積は同一とされ、前記第5トランジスタと前記第6トランジスタのエミッタ面積は同一とされ、前記第7トランジスタと前記第8トランジスタと前記第9トランジスタと前記第10トランジスタのエミッタ面積は同一とされ、前記第11トランジスタと前記第12トランジスタのエミッタ面積は同一とされ、
    前記第3トランジスタのエミッタ面積と、前記第11トランジスタのエミッタ面積と、前記第5トランジスタのエミッタ面積と、前記第7トランジスタのエミッタ面積と、前記第9トランジスタのエミッタ面積は、l 1 :l 2 :m:n:nに設定されている(l 1 、l 2 、m、nはそれぞれ任意の正の定数)請求項1〜4のいずれか1に記載の可変利得増幅回路。
  7. 前記第1負荷抵抗器と前記第2負荷抵抗器の抵抗値は同一とされ、前記第3負荷抵抗器と前記第4負荷抵抗器の抵抗値は同一とされ、前記第1負荷抵抗器の抵抗値と前記第3負荷抵抗器の抵抗値とは所定の比に設定されている請求項1〜6のいずれか1に記載の可変利得増幅回路。
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