JP3544143B2 - 密封容器詰ゼリー状食品及びその製造方法、並びに、密封容器詰ゼリー状食品を用いたデザート食品 - Google Patents

密封容器詰ゼリー状食品及びその製造方法、並びに、密封容器詰ゼリー状食品を用いたデザート食品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デザート類として用いられる長期保存可能な密封容器詰ゼリー状食品及びその製造方法、並びに、密封容器詰ゼリー状食品を用いたデザート食品に関し、特に、杏仁豆腐様ゼリーや牛乳羹様ゼリーに関する。
【0002】
【従来の技術】
デザートとしてのゼリー状食品は、その食感がソフトなことから、子供から老人まで大衆に親しまれており、すでに長期間保存可能な密封容器詰の酸味のあるゼリー状食品が市販されている。また、中華料理のデザートとして人気の高い杏仁豆腐は、家庭で調理するのは手間がかかるため、簡便に食べられるよう菱形にカットし酸味のあるpHの低いシラップとともに容器に密封され100℃以下の加熱殺菌された製品が市販されている。
また、殺菌のために100℃以下の加熱処理を施しても、ゼリー状食品が解けたり、くずれたりしないように、ジェランガムを添加する技術が、特開昭64−55152号公報、特開昭64−60335号公報に紹介されている。
【0003】
しかしながら、上記のゼリー状食品は、いずれも日持ちのため、あるいは、味付けのために、pHが4.6以下程度の酸味のあるものとしており、このため、加熱殺菌及び保管中に酸により、ゼリーが硬くなり、ソフト感が不充分であった。また、シラップやゼリー状食品そのもののpHが低くなると、ゼリー状食品が硬化するだけではなく、酸味により、ゼリー状食品、特に杏仁豆腐や牛乳羹が持つ「本来の風味、美味しさ」を損なうものとなっていた。
【0004】
そこで、酸味がなく、ゼリー状食品自体が持つ本来の風味、美味しさを呈し、口の中で解けるような非常にソフトな食感を有し、かつ、長期間保存できる密封容器詰ゼリー状食品及びその製造方法、並びに、密封容器詰ゼリー状食品を用いたデザート食品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の目的を達成するために種々検討した結果本発明に到達した。すなわち、本発明は、(1)デザートに用いる密封容器詰ゼリー状食品であって少なくとも寒天及びゼラチンと、キサンタンガムを含有し、ゲル強度が60〜200g、かつ、pHが4.6超8.5以下であり、容器に充填密封後に100℃を超える温度で加圧加熱殺菌してなる密封容器詰ゼリー状食品、(2)ゼリー状食品におけるゼリー状凝固物に対し、寒天及びゼラチンをその合計量が0.25〜1.60%含有し、寒天とゼラチンの重量比率が1:5〜3:1であり、キサンタンガムを0.001〜0.10%含有してなる(1)項記載の密封容器詰ゼリー状食品、(3)ゼリー状食品が、ゼリー状食品におけるゼリー状凝固物の全量に対し、脱脂粉乳及び/又は脂肪分を0.1〜5.0%含有してなる(1)項又は(2)項に記載の密封容器詰ゼリー状食品、(4)(1)項乃至(3)項のいずれかに記載の密封容器詰ゼリー状食品と、他の容器に密封してなる具材及び/又はシラップとを一体にしたことを特徴とするデザート食品、(5)pH4.6以下の具を含まない(1)項乃至(3)項のいずれかに記載の密封容器詰ゼリー状食品、及び、(6)デザートに用いる密封容器詰ゼリー状食品の製造方法であって少なくとも寒天及びゼラチンと、キサンタンガムを混合溶解し、pHを4.6超8.5以下に調整して、容器に充填密封後、100℃を超える温度で加圧加熱した後、冷却して凝固させ、得られた凝固物のゲル強度が60〜200gである密封容器詰ゼリー状食品の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、「%」はすべて「重量%」、また、「部」はすべて「重量部」を意味する。
【0007】
本発明の容器詰ゼリー状食品とは、ほぼ均一の成分が容器の中で一つの固まりとして凝固してなるデザート用のゼリー状凝固物であり、ゼリー状凝固物は、フルーツや栗、小豆等を、適宜、具材として含んでいてもよい。ゼリー状凝固物は、一つの固まりであれば、容器に満杯充填されていても、空間を有していてもよい。そして本発明のゼリー状食品は、ゼリー状凝固物のゲル強度が60〜200gであり、かつ、pHが4.6超8.5以下であり、100℃を超える温度で加圧加熱殺菌を施されている。
【0008】
そして、そのまま単独で食する態様でもよく、その他、好みに応じ別途フルーツや、栗、小豆等の具材と交ぜて食してもよい。場合によっては、ゼリー状食品を、加熱して溶解後、冷却して再度凝固させてから供してもよい。また、ゼリー状凝固物を収容する容器とは別に、他の容器にフルーツやシラップを収容し、食する時にそれぞれを交ぜ合わせる態様にすることもできる。この場合、フルーツやシラップに含まれる酸とゼリー状食品とは接触することなく保管できるので、ゼリー状食品の硬化を防止でき、商品形態として特に有効である。なお、ゼリー状食品はpH4.6以下のフルーツ等の具を含んでいても良いが、より望ましくは、含めないほうが良い。ゼリー状食品にpH4.6以下の具が入ると、具周辺のゼリーが、加熱殺菌及び保存期間中に、若干硬さを感じられるようになるからである。
【0009】
ここでゲル強度とは、ゼリー状凝固物が破断するときの応力のことをいい、レオメーターによりゼリー状凝固物が破断するときの応力を測定して数値化したものである。その値が低い、つまりゲル強度が低いと、軟らかな食感を呈し、逆に数値が高い、つまりゲル強度が高いと、硬い食感を呈する。具体的には、ゼリー状凝固物(10℃)を4cm×4cm×3cmにカットし、レオメーター(プランジャー:球型、直径20mm、上昇速度:6cm/分)で測定した場合、その破断応力の値が60〜200gがよく、70〜120gであるとより好ましい。後の試験例で詳しく述べるが、ゼリー状凝固物のゲル強度が60〜200gであると、軟らかな食感を呈するが、ゲル強度が60g未満では保存期間中に水分が分離し商品価値が下がり、逆に、200gを超えて高くなると、軟らかさが失われ、硬い食感を呈するゼリー状凝固物となる。
【0010】
次にゼリー状食品のpHとしては、後の試験例で詳しく述べるが、4.6超8.5以下にするとよく、6.0〜8.0であるとより好ましい。この範囲であると、3ヶ月間や半年間保存後も、変色せず、ゼリー状凝固物は軟らかく、口の中で解けるようなソフトな食感を保持することができる。pHが4.6以下であると、酸により、ソフト感が失われ、硬い食感となる。pHが8.5を超えて高くなると、色が褐変して商品価値が下がるものとなる。
【0011】
また、本発明のゼリー状食品はpHが低くないので、酸味がなく、長期間保管してもゼリー状食品本来の風味を保持できるものである。特に杏仁豆腐様ゼリーや牛乳羹様ゼリーの場合、本来有する風味を保持でき、特に好ましい製品を得ることができる。
【0012】
なお、ゼリー状食品のpH測定方法としては、具を含む場合は具を除いたゼリー状凝固物部分のみを、ミキサーで充分にペースト状とした後、pHメーターで測定する。このようにして測定した本発明のゼリー状食品のpHが4.6超8.5以下である。ゼリー状食品が、このpH域であると、100℃を超える温度という過酷な条件で加圧加熱殺菌しても、そして、これを3ヶ月、半年、あるいは1年と長期間保存しても、変色せず、かつ、硬化しないソフトな食感を維持するゼリー状食品を得ることができる。
【0013】
次に、本発明に用いる容器としては、密封でき、加熱処理に耐え、また、形状を保つ程度の剛性を有する材質で、少なくともスプーンなどの器具を使用し得る程度の口部を有する形状であれば、通常用いられているものでよい。形状を保つ程度の剛性を有する材質とは、容器を持った程度の軽い力では変形しない強度を有することをいい、容器が軽い力で自由自在に変形してしまうと、凝固したゼリー状食品が崩れてしまい、商品として望ましくないからである。
ただし、容器単独では容易に変形するが、容器内部にゼリー状食品を満杯充填しているために、ゼリー状食品が崩れない場合でも、本発明の容器として用いることができるものとする。
【0014】
本発明のゼリー状食品の原料としては、少なくとも寒天及びゼラチンを用いる。寒天のみでは、ゲル強度が60〜200gでも、口解け感が不充分であり、ゼラチンのみでは、ゲル強度を60〜200gにすると、保管や運搬中に、水分を分離し易く、特に夏場等、気温が高くなると液状になりやすく、商品価値が損なわれるものとなる。
【0015】
寒天及びゼラチンを用いる量としては、その合計量が、ゼリー状食品におけるゼリー状凝固物に対して、0.25〜1.60%であるとより望ましい。この量であるとゲル強度を60〜200gに調整でき、保管中もこのゲル強度を維持することができる。また、食した時、口解けのよいソフトな食感のゼリー状凝固物となる。
特に、寒天とゼラチンの比率を1:5〜3:1であると、長期間保管しても、より口解け感がありソフトな食感を保持できるゼリー状凝固物が得られる。
【0016】
本発明に用いるゼラチンとしては、通常用いられる板ゼラチンや粉末ゼラチン等でよく、寒天としては、通常用いられる粉末寒天、フレーク寒天、固形寒天等である。
【0017】
また、本発明のゼリー状食品の原料にガム類を用いるとよく、ガム類としては、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドガムの1種又は2種以上を混合して用いるとよい。これらのなかでも特にキサンタンガムは少量の添加で水分分離の抑制効果が得られ、食感にあまり影響しないことから、特に望ましい。ガム類を用いることで、寒天及びゼラチンからなるゼリー状食品を100℃を超える温度で加圧加熱処理しても、加圧加熱処理時及び保存中の水分分離をより抑制することができる。
【0018】
ガム類の添加量としては、ゼリー状食品のゼリー状凝固物に対して0.001〜0.10%含有させるとよい。添加量がこの範囲より少ないと、水分分離の抑制効果がさほど得られず、逆に多く添加すると粘度が高くなり、食感が悪くなる。
【0019】
本発明のゼリー状食品の中でも、特に好ましい態様として、杏仁豆腐様ゼリー又は牛乳羹様ゼリーがあげられる。杏仁豆腐や牛乳羹は元来例えばアーモンド風味あるいは乳風味を呈するものであるが、pH4.6以下のシラップや具材と共に100℃以上の加圧加熱や長期間保存すると、その風味が酸により損なわれてしまうものとなる。よって、本発明のゼリー状食品として、杏仁豆腐様ゼリー又は牛乳羹様ゼリーは好適である。
【0020】
杏仁豆腐様ゼリーあるいは牛乳羹様ゼリーとするには、脱脂粉乳及び/又は脂肪分を、ゼリー状食品におけるゼリー状凝固物の全量に対し、0.5〜5.0%を含有させるとよい。ここで、本発明に用いる脂肪分としては、乳脂肪、植物油脂、乳化油脂、牛乳であり、添加量は、それぞれに含まれる脂肪分で換算して0.5〜5.0%となるように配合するとよい。
【0021】
脱脂粉乳及び/又は脂肪分を用いることで、口当たりがまろやかで、不透明なゼリー状食品が得らる。植物油脂を直接使用する場合は、混合しよく攪拌して乳化させるとよい。また、適宜好みに応じ着色することもできる。例えば、イチゴやオレンジ、黄桃等の果汁又は果肉や、ニンジン、カボチャ、トマト等の野菜汁やその砕片、その他、食用色素を用いてカラフルなゼリー状食品を得ることができる。
【0022】
杏仁豆腐や牛乳羹に通常用いられる牛乳を用い、100℃を超える温度で加圧加熱殺菌を施すと、メイラード反応によると思われる褐変が生じるので、乳糖などの還元糖が極力入らない配合にしたり、あるいは、褐変を抑制する方法として、クエン酸や乳酸、リンゴ酸などの有機酸を配合するとよい。特に、牛乳を用いる場合には、有機酸を添加することにより褐変を抑制でき、有効である。
【0023】
次に、本発明のゼリー状食品の代表的な製造方法としては、寒天とゼラチンをその合計量で0.25〜1.60%、ガム類を0.001〜0.10%、好みに応じ、グラニュー糖などの糖類を5〜10%程度、牛乳や脱脂粉乳、乳脂肪、植物油脂、乳化油脂等を用いるとよい。この場合、油脂類が分離するのを抑制するため、ショ糖脂肪酸エステル、カゼインナトリウム、大豆レシチン、卵黄レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤を0.05〜1.0%程度添加するとよい。そして香料を混合し、清水を加え加熱溶解する。そのままでは、褐変が生じ易くなる場合があるので、クエン酸、乳酸、リンゴ酸等の有機酸を用いて、pHを4.6超8.5以下に調整するとよい。このときに、pHが4.6以下にならないようにすることが肝要である。pHが4.6以下であると加熱殺菌及び保存期間中にゼリー状凝固物は硬くなるからである。加熱溶解して90〜98℃に達したところで、125℃程度の温度に耐えうる広口の剛性又は準剛性の容器に充填密封し、100〜130℃程度、5〜60分程度の加圧加熱処理を施し、冷却するとよい。加圧加熱処理中は、容器内に充填密封されいるゼリー状凝固物の状態は液状となる。これを冷却して、一つの固まりとして全体を凝固させ、ゲル強度60〜200gの長期間保存可能な密封容器詰ゼリー状食品を得る。必要に応じ、フルーツ等の具材及び/又はシラップを別の容器に充填密封し、密封容器詰ゼリー状食品とセットにして梱包し、食する時に交ぜ合わせる態様にするとよい。また、10℃以下に保管すると、デザートとして良好な口当たりの非常にソフトな食感のゼリー状食品となる。
【0024】
杏仁豆腐様ゼリー又は牛乳羹様ゼリーを製する場合は、脱脂粉乳及び/又は脂肪分を、ゼリー状食品におけるゼリー状凝固物の全量に対し、0.5〜5.0%程度添加すればよい。また、フルーツなどの具を入れる場合には、容器にゼリー状凝固物を充填する時に入れればよい。
【0025】
【実施例】
実施例1 コーヒーゼリー
下記配合の原料を準備し、まず、粉体原料を予めよく混合した後、清水を加えて加熱し溶解する。微沸したら、液原料を投入し、よく攪拌する。レトルト耐性の広口容器に満杯充填し、蓋をシールする。貯湯式のレトルト殺菌機で、105℃、30分間の加熱殺菌を施し、冷却して、本発明のコーヒーゼリーを得た。
10℃で1ヶ月間保管後開封し、食したところ口の中で解けるような、非常にソフトな食感であった。ゲル強度をレオメーター(プランジャー:球型、直径20mm、上昇速度:6cm/分)で測定したところ110g、pH=7.0であった。
【0026】
Figure 0003544143
【0027】
実施例2 杏仁豆腐様ゼリー
下記配合の内、粉体原料を予めよく混合した後、清水を加えて加熱し溶解する。微沸したら、液原料を投入し、よく攪拌する。レトルト耐性の容器に満杯充填し、蓋をシールする。貯湯式のレトルト殺菌機で、105℃、30分間の加熱殺菌を施し、冷却し、本発明の杏仁豆腐様ゼリー状食品が得られた。
10℃で6ヶ月間保管後開封したところ褐変しておらず、食したところアーモンド風味がよく感じられ、口の中で解けるような、非常にソフトな食感であった。実施例1と同様にゲル強度を測定したところ70g、pH=7.2であった。
【0028】
Figure 0003544143
【0029】
実施例3 フルーツ イン 牛乳羹様ゼリー
下記配合により、実施例2と同様の方法で、牛乳羹様ゼリー状食品を製した。
ただし、パイナップルは、生のものを一口大にカットし、予め容器に充填しておき、そこに、粉体原料を加熱溶解し液原料とよく攪拌したものを満杯充填した。また、116℃、20分間、加圧加熱殺菌を施した。
10℃で3ヶ月保管し、開封してみたところ、褐変しておらず、また、口の中で解けるような、非常にソフトな食感であった。また、乳風味があり、まろやかでコク味が感じられた。パイナップル周辺のゼリー部分がほんのわずかに硬く感じられた。
ゲル強度は120g、pH=5.0であった。
【0030】
Figure 0003544143
【0031】
実施例4
実施例2で得られた、容器詰のゼリー状食品を開封し、スプーンですくって、一口大にカットした黄桃、パイナップル、みかん、グレープフルーツなどの果実と混合し、デザートを製した。
【0032】
実施例5
実施例2で得た容器に充填密封したままの杏仁豆腐様ゼリーとは別の容器に、生のみかん、ブドウ、黄桃、サクランボ、水煮した栗と小豆を、pH=4.0のシラップとともに充填密封し、90℃、30分加熱して殺菌した。杏仁豆腐様ゼリーとフルーツ類を、別々の容器のままセットにして、食するときに、混ぜて食する態様の製品とした。
15℃で2ヶ月保管してから、混ぜて食したところ、杏仁豆腐様ゼリーはアーモンド風味が感じられ、口解けのよいソフトな食感で、フルーツ類はフレッシュ感があり、美味しいものであった。
【0033】
試験例1.
下記基本配合に寒天及びゼラチンの量を変えて配合し、ゲル強度と食感、及び離水しにくさを試験した。まず、粉体原料を予めよく混合した後、清水を加えて加熱し溶解する。微沸したら、液原料を投入し、よく攪拌する。レトルト耐性の容器に満杯充填し、蓋をシールする。貯湯式のレトルト殺菌機で、110℃、20分間の加熱殺菌を施し、冷却して、10℃で1ヶ月保管した牛乳羹様ゼリー状食品を準備した。これらを専門のパネラー10人より、食感と水分の分離について評価し、平均点を小数点以下四捨五入して、評価値とした。
【0034】
ゲル強度は、ゼリー状凝固物(10℃)を4cm×4cm×3cmにカットし、不動工業株式会社製レオメーターNRM−2010J−CW(プランジャー:球型、直径20mm、上昇速度:6cm/分)で測定した。水分分離の測定方法は、ゼリー状食品を容器から皿にだし、目で確認した。
結果を表1に示す。
【0035】
表1より、ゲル強度が60g未満であると水分が分離し、200gを超えると硬さを感じるようになる。ゲル強度が60〜200gであると商品として良好であり、70〜120gであるとより良好であることが判る。また、寒天及びゼラチンを0.25〜1.60%含有させるとよいことが判る。
【0036】
Figure 0003544143
※ 基本配合に寒天、ゼラチンの量を変えて配合し、清水を加えて100%とする。
【0037】
【表1】
Figure 0003544143
【0038】
試験例2.
下記配合を基本にして、粉体原料を予めよく混合した後、清水を加えて加熱し溶解し、微沸したら液原料を投入しよく攪拌する。ここで、10%クエン酸溶液と1%リン酸3ナトリウム溶液でpH調整し、レトルト耐性の容器に満杯充填し、蓋をシールする。貯湯式のレトルト殺菌機で、110℃、20分間の加圧加熱殺菌を施し、冷却して、4℃で3ヶ月保管した牛乳羹様ゼリー状食品を準備した。
これらの食感及び変色の度合いを、専門のパネラー10人により、評価基準に照らして評価し、その平均点の小数点以下を四捨五入し、評価値とした。なお、変色の度合いは、加圧加熱殺菌することなく冷却して得たゼリー状凝固物と比較して、目で確認して評価した。
結果を表2に示す。
【0039】
表2より、pHが4.6以下であると、酸により、ソフト感が失われ、硬い食感となり、pHが8.5を超えて高くなると、色が褐変して商品価値が下がることが判る。
【0040】
[基本配合] 重量部
寒天 0.25
ゼラチン 0.50
キサンタンガム 0.05
グラニュー糖 9.00
ショ糖脂肪酸エステル 0.30
食用植物油脂 1.00
香料 0.01
牛乳 15.00
清水 73.89
【0041】
【表2】
Figure 0003544143
【0042】
試験例3
下記配合に、寒天とゼラチンの配合比率を、表3のように変化させて得たゼリー状食品の食感と水分の分離を、専門のパネラー10人により評価した。まず、粉体原料を予めよく混合した後、清水を加えて加熱し溶解し、微沸したら、液原料を投入し、よく攪拌し、レトルト耐性の容器に満杯充填し、蓋をシールし、貯湯式のレトルト殺菌機で、105℃、30分間の加熱殺菌を施し、冷却し、杏仁豆腐様ゼリー状食品を準備した。
4℃で3ヶ月間保管後開封して評価に供した。結果を表3に示す。
【0043】
表3より、寒天とゼラチンの配合比率は1:5〜3:1、より望ましくは1:3〜2:1であるとよいことが判る。
【0044】
Figure 0003544143
【0045】
【表3】
Figure 0003544143
【0046】
【効果】
本発明によれば、長期間保存可能であり、また、pHが低くないので、加圧加熱及び長期間保存してもゼリー状食品は硬化することはなく、口の中で解けるようなソフトな食感を保持し、しかも、ゼリー状食品本来の風味のある密封容器詰ゼリー状食品を提供できる。

Claims (6)

  1. デザートに用いる密封容器詰ゼリー状食品であって少なくとも寒天及びゼラチンと、キサンタンガムを含有し、ゲル強度が60〜200g、かつ、pHが4.6超8.5以下であり、容器に充填密封後に100℃を超える温度で加圧加熱殺菌してなる密封容器詰ゼリー状食品。
  2. ゼリー状食品におけるゼリー状凝固物の全量に対し、寒天及びゼラチンをその合計量が0.25〜1.60%含有し、寒天とゼラチンの重量比率が1:5〜3:1であり、キサンタンガムを0.001〜0.10%含有してなる請求項1記載の密封容器詰ゼリー状食品。
  3. ゼリー状食品が、ゼリー状食品におけるゼリー状凝固物の全量に対し、脱脂粉乳及び/又は脂肪分を0.1〜5.0%含有してなる請求項1又は2に記載の密封容器詰ゼリー状食品。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の密封容器詰ゼリー状食品と、他の容器に密封してなる具材及び/又はシラップとを一体にしたことを特徴とするデザート食品。
  5. pH4.6以下の具を含まない請求項1乃至3のいずれかに記載の密封容器詰ゼリー状食品。
  6. デザートに用いる密封容器詰ゼリー状食品の製造方法であって少なくとも寒天及びゼラチンと、キサンタンガムを混合溶解し、pHを4.6超8.5以下に調整して、容器に充填密封後、100℃を超える温度で加圧加熱した後、冷却して凝固させ、得られた凝固物のゲル強度が60〜200gである密封容器詰ゼリー状食品の製造方法。
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