JP3543629B2 - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソリッドコアと包囲層と中間層とカバーとを備えた少なくとも4層構造のマルチピースソリッドゴルフボールに関し、反発性(飛び性能)に優れると共に、非常に軟らかく良好な打感を有するマルチピースソリッドゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、数多く提案されているツーピースゴルフボール等のソリッドゴルフボールは、糸巻きゴルフボールに比べるとドライバーショット、アイアンショットともにいわゆる棒球と言われる弾道を有すると共に、そのスピンがかかりにくい構造特性により、ランが多く出ることからトータル飛距離が増大するという利点を備えている。
【0003】
その反面、ソリッドゴルフボールは、糸巻きゴルフボールに比べて、アイアンではスピンがかかりにくいためにグリーン上で止まりづらく、コントロール性の点で劣る傾向がある。
【0004】
一方、ゴルフボールは、飛距離の増大と共に、打撃時の打感が必須の要素であり、これがないと商品価値が損なわれてしまうものである。そして、一般に糸巻きゴルフボールは、ソリッドゴルフボールに比べて非常に軟らかく良好な打感が得られる構造特性を有している。
【0005】
このため、コアとカバーからなるツーピースソリッドゴルフボールにおいて、打撃時の軟らかい打感を達成すべく、ボール構造を軟化させることが一般に行われているが、未だ十分要望に応えたものは得られておらず、更にコアとカバーとの間に中間層を設けた数多くのスリーピースソリッドゴルフボールが提案されているが、これらの提案によってもツーピースソリッドゴルフボールの飛距離と糸巻きゴルフボールの打感を併せ持ったゴルフボールを得ることは極めて困難であった。
【0006】
また最近において、4層構造以上のマルチピースソリッドゴルフボールが提案されている(特開平9−266959号公報、同10−127818号公報、同10−127819号公報等)。
【0007】
これらの提案は、内部層、中間層、外被層の3層構造からなるソリッドコアと、該ソリッドコアを被覆するカバーとからなる4層構造のソリッドゴルフボールにおいて、これら各層に硬度差を設けることにより、打感やコントロール性の向上を図ったものである。
【0008】
しかしながら、各層の硬度差が大きい場合や各層の厚みや材料が適正でない場合には、打撃時の変形量が各層間で大きく異なるため、各層の界面でエネルギーロスが生じて反発性が低下し、結果として飛距離の低下を生じてしまう上に、連続打撃時の耐久性も悪化するという問題がある。
【0009】
特に、隣り合う層の材料が異なり、その接着性が低い場合には、その傾向は顕著であると共に、隣り合う層の硬度差を小さくすると、却って打感の向上効果が損なわれてしまうという問題がある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ソリッドコアと、該コアを被覆する包囲層と、該包囲層を被覆する少なくとも一層の中間層と、この中間層を被覆する少なくとも一層のカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、ソリッドゴルフボールの優れた飛び性能を維持しつつ、非常に軟らかく良好な打感を備えたマルチピースソリッドゴルフボールを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ソリッドコアと包囲層と中間層とカバーとを備えた少なくとも4層構造のマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、各層の硬度や厚み、材料、更には各層を被せる前後の状態における各球状体の変形量の変化率を一定の範囲を満たすように調整することにより、反発性、コントロール性に優れ、かつ非常に軟らかく良好な打感を有するマルチピースソリッドゴルフボールが得られることを知見した。
【0012】
即ち、ソリッドコアと、該コアを被覆する熱可塑性樹脂を主材とする包囲層と、該包囲層を被覆する少なくとも一層の中間層と、この中間層を被覆する少なくとも一層のカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、▲1▼包囲層及び中間層のショアD硬度が10〜50であり、カバーのショアD硬度が50〜65であり、これら包囲層及び中間層のショアD硬度とカバーのショアD硬度とが、包囲層のショアD硬度≦中間層のショアD硬度≦カバーのショアD硬度の関係を満たすように形成すること、つまりカバー、中間層、包囲層と内側に行くほど軟らかくなるように形成することにより、打撃時の変形によるエネルギーロスを可及的に小さく抑えることができ、反発性が向上すること、▲2▼ソリッドコアの100kg荷重負荷時の変形量A(mm)が5.0〜6.8mmであり、このソリッドコアの周囲に0.5〜4.0mmの厚みを有する包囲層を被覆した球状体の100kg荷重負荷時の変形量B(mm)が2.3〜7.0mmであり、包囲層の周囲に0.5〜4.0mmの厚みを有する中間層を被覆した球状体の100kg荷重負荷時の変形量C(mm)が2.3〜6.5mmであり、中間層の周囲に1.0〜3.5mmの厚みを有するカバーを被覆したボール全体の100kg荷重負荷時の変形量D(mm)が2.3〜6.0mmであり、かつそれぞれ0.98≦B/A≦1.01、0.96≦C/B≦0.98、0.79≦D/C≦0.83の関係を満たすことにより、各層を被せる前後の状態における各球状体の変形量の変化率(B/A、C/B、D/C)を1に近い値となるように設定することができ、打撃時の各層表面におけるエネルギーロスを最小限に抑えることができ、反発性の低下を抑えることができること、更に好ましくは▲3▼包囲層及び中間層を同種の熱可塑性樹脂を主材として形成することにより、包囲層と中間層の密着性が向上し、反発性に優れること、そして、これら▲1▼〜▲3▼が相乗的に作用して、今までにはない優れた飛び性能と非常に軟らかく良好な打感を有するマルチピースソリッドゴルフボールが得られることを見出し、本発明を完成したものである。
【0013】
従って、本発明は、
(1)ソリッドコアと、該コアを被覆する熱可塑性樹脂を主材とする包囲層と、該包囲層を被覆する少なくとも一層の中間層と、この中間層を被覆する少なくとも一層のカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記包囲層及び中間層のショアD硬度が10〜50であり、カバーのショアD硬度が50〜65であり、これら包囲層及び中間層のショアD硬度とカバーのショアD硬度とが、包囲層のショアD硬度≦中間層のショアD硬度≦カバーのショアD硬度の関係を満たすと共に、上記ソリッドコアの直径が25.7〜37.7mm、該ソリッドコアの100kg荷重負荷時の変形量A(mm)が5.0〜6.8mmであり、このソリッドコアの周囲に0.5〜4.0mmの厚みを有する包囲層を被覆した球状体の100kg荷重負荷時の変形量B(mm)が2.3〜7.0mmであり、包囲層の周囲に0.5〜4.0mmの厚みを有する中間層を被覆した球状体の100kg荷重負荷時の変形量C(mm)が2.3〜6.5mmであり、中間層の周囲に1.0〜3.5mmの厚みを有するカバーを被覆したボール全体の100kg荷重負荷時の変形量D(mm)が2.3〜6.0mmであり、かつそれぞれ0.98≦B/A≦1.01、0.96≦C/B≦0.98、0.79≦D/C≦0.83の関係を満たすことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール、
(2)包囲層と中間層とを合わせた厚みが2.0〜5.0mmである(1)記載のマルチピースソリッドゴルフボール、及び
(3)包囲層と中間層とが同種の熱可塑性樹脂を主材として形成された(1)又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール
を提供する。
【0014】
以下、本発明につき更に詳しく説明すると、本発明のマルチピースゴルフボールGは、図1に示したように、ソリッドコア1と、該コア1を被覆する包囲層2と、該包囲層2を被覆する少なくとも一層の中間層3と、この中間層3を被覆する少なくとも一層のカバー4とを備えたものである。
【0015】
上記ソリッドコア1は、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴムを主成分とする基材ゴムを主材とするゴム組成物から形成することができるが、特に反発性を向上させるためにはポリブタジエンゴムが好ましい。ポリブタジエンゴムとしては、シス構造を少なくとも40%以上有するシス−1,4−ポリブタジエンが好適である。また、この基材ゴム中には、所望により上記ポリブタジエンに天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどを適宜配合することができるが、ポリブタジエンゴム成分を多くすることによりゴルフボールの反発性を向上させることができるので、これらポリブタジエン以外のゴム成分はポリブタジエン100重量部に対して10重量部以下とすることが好ましい。
【0016】
上記ゴム組成物には、ゴム成分以外に架橋剤としてメタクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛等の不飽和脂肪酸の亜鉛塩,マグネシウム塩やトリメチルプロパンメタクリレート等のエステル化合物などを配合し得るが、特に反発性の高さからアクリル酸亜鉛を好適に使用し得る。これら架橋剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対し10〜40重量部であることが好ましい。
【0017】
また、ゴム組成物中には、通常、ジクミルパーオキサイド等の加硫剤が配合されており、この加硫剤の配合量は基材ゴム100重量部に対し0.1〜5重量部とすることができる。
【0018】
上記ゴム組成物には、更に必要に応じて、老化防止剤や比重調整用の充填剤として酸化亜鉛や硫酸バリウム等を配合することができ、これら充填剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対し0〜130重量部である。
【0019】
本発明におけるコア用ゴム組成物の好適な実施態様は、以下に示す通りである。
【0020】
シス−1,4−ポリブタジエン 100重量部
酸化亜鉛 0〜50重量部
アクリル酸亜鉛 10〜40重量部
硫酸バリウム 0〜50重量部
パーオキサイド 0.1〜5.0重量部
老化防止剤 適量
加硫条件:好ましくは150±10℃の条件で5〜20分間加硫を行う。
【0021】
そして、上記コア用ゴム組成物は、通常の混練機(例えばバンバリーミキサー、ニーダー及びロール等)を用いて混練し、得られたコンパウンドをコア用金型を用いてインジェクション成形又はコンプレッション成形により形成する。
【0022】
このようにして得られたソリッドコアは、その直径が25.7〜37.7mm、好ましくは28〜37mmである。
【0023】
また、コアの100kg荷重負荷時の変形量A(mm)が5.0〜6.8mmであり、好ましくは5.0〜6.5mmである。変形量が5.0mm未満では、特にドライバーショットなどの大変形打撃時の打感が硬くなることがあり、一方6.8mmを超えると反発性が落ちて良好な飛び性能が得られなくなる。
【0024】
なお、コアは一種類の材料からなる単層構造としてもよく、異種の材料からなる層を積層した二層以上からなる多層構造としても構わない。
【0025】
本発明においては、上記コア1の周囲に包囲層2を被覆形成する。この包囲層2は熱可塑性樹脂を主成分として形成され、例えばアイオノマー樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマー及びこれらの混合物などが挙げられるが、特に所望の硬度で反発性が良好な熱可塑性ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーが好適である。具体的には、「ハイトレル」(東レ・デュポン社製)、「パンデックス」(大日本インキ化学工業社製)、「プリマロイ」(三菱化学工業(株)製)等の市販品を用いることができる。
【0026】
なお、包囲層組成物には、必要に応じて酸化防止剤、金属石鹸等の分散剤などを添加することもでき、包囲層は異種の材料からなる複数層に形成しても構わない。
【0027】
上記包囲層をコアの周囲に被覆する方法としては、特に制限はなく、通常のインジェクション成形又はコンプレッション成形を採用することができる。
【0028】
このようにして成形された包囲層の厚みは0.5〜4.0mm、好ましくは0.7〜3.5mmであり、そのショアD硬度は10〜50、好ましくは15〜47である。
【0029】
コアに包囲層を被覆形成してなる球状体の100kg荷重負荷時の変形量B(mm)が2.3〜7.0mm、好ましくは2.5〜6.5mmである。
【0030】
次に、上記包囲層2の周囲に少なくとも一層、好ましくは一層又は二層の中間層3を被覆形成する。この中間層3は上記包囲層と同種の熱可塑性樹脂を主材として形成することが好ましく、このように包囲層と中間層を同種の材料から形成することにより、両者の密着性が高くなり、耐久性、反発性が向上するものである。なお、中間層材には、必要に応じてUV吸収剤、酸化防止剤、金属石鹸等の分散剤などを添加することもできる。
【0031】
上記中間層を包囲層の周囲に被覆する方法としては、特に制限はなく、通常のインジェクション成形又はコンプレッション成形を採用することができる。
【0032】
このようにして成形された中間層の厚みは0.5〜4.0mm、好ましくは0.7〜3.5mmであり、包囲層と中間層とを合わせた合計厚みが好ましくは2.0〜5.0mm、より好ましくは2.0〜4.5mmである。この包囲層と中間層とを合わせた合計厚みが、上記範囲より薄くなると打感向上効果が小さくなる場合があり、一方、上記範囲より厚くなると反発性が低下する場合がある。
【0033】
また、中間層のショアD硬度は10〜50、好ましくは15〜47であり、中間層が多層の場合は各層それぞれのショアD硬度が上記硬度範囲となる。
【0034】
ここで、包囲層の周囲に中間層を被覆した球状体の100kg荷重負荷時の変形量C(mm)が2.3〜6.5mm、好ましくは2.5〜6.0mmである。上記カバー4は、通常の熱可塑性樹脂を主材として形成することができ、例えばアイオノマー樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマー及びこれらの混合物などが挙げられるが、特にアイオノマー樹脂を主材として形成することが好ましく、具体的には「ハイミラン」(三井・デュポンポリケミカル社製)、「サーリン」(デュポン社製)が挙げられる。なお、カバー材には、着色のための二酸化チタン、必要に応じてUV吸収剤、酸化防止剤、金属石鹸等の分散剤などを添加することもできる。
【0035】
このカバーは少なくとも一層以上、好ましくは一層又は二層に形成することができ、このカバーを被覆する方法としては、特に制限はなく、通常のインジェクション成形又はコンプレッション成形を採用することができる。
【0036】
このようにして成形されたカバーの厚みは1.0〜3.5mm、好ましくは1.0〜3.0mmであり、そのショアD硬度は50〜65である。
【0037】
ここで、中間層の周囲にカバーを被覆形成した球状体(即ち、ボール全体)の100kg荷重負荷時の変形量D(mm)が2.3〜6.0mm、好ましくは2.5〜5.5mmである。
【0038】
本発明においては、包囲層、中間層及びカバーのショアD硬度が、包囲層のショアD硬度≦中間層のショアD硬度≦カバーのショアD硬度の関係を満たすことが必要である。好ましくは、包囲層のショアD硬度は中間層のショアD硬度より3〜30低く形成され、中間層のショアD硬度はカバーのショアD硬度より5〜35低く形成される。
【0039】
このようにボールを構成する各層が上記ショアD硬度の範囲を満たすこと、つまり、カバー、中間層、包囲層と内側に行くほど軟らかくなるように形成することにより、打撃時の変形によるエネルギーロスを可及的に小さく抑えることができ、反発性が向上し、飛距離が増大するものである。
【0040】
また、本発明においては、各層を被せる前後の状態における各球状体の100kg荷重負荷時の変形量A〜Dの変化率(B/A、C/B、D/C)を1に近い値となるように設定する。
【0041】
即ち、ソリッドコアの100kg荷重負荷時の変形量A(mm)と、ソリッドコアの周囲に包囲層を被覆した球状体の100kg荷重負荷時の変形量B(mm)と、包囲層の周囲に中間層を被覆した球状体の100kg荷重負荷時の変形量C(mm)と、ボール全体の100kg荷重負荷時の変形量D(mm)とが、以下の関係を満たすことが必要である。
【0042】
0.98≦B/A≦1.01、
0.96≦C/B≦0.98、
0.79≦D/C≦0.83、
これら各球状体の変形量の変化率が、上記関係を外れると打撃時の変形量が各層間で大きく異なり、各層の界面でエネルギーロスが生じて反発性が低下し、飛距離の増大を図ることができなくなる。
【0043】
本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、以上の構成を有し、多層間の材料、硬度、厚み、各層を被せる前後の状態の各球状体の変形量の変化率などを最適なものに調整することにより、エネルギーロスの少ないボール構造を形成することができ、反発性の向上により優れた飛び性能を有すると共に、大変形打撃時(ドライバー)でも小変形打撃時(パター)でも非常に軟らかな打感を有するものである。
【0044】
本発明のゴルフボールは、その表面に多数のディンプルが形成されており、必要に応じて表面に塗装及びスタンプなどの仕上げ処理を施すことができる。また、ボール直径及び重量はR&Aのゴルフ規則に従い、直径42.67mm以上、重量45.93g以下に形成することができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた飛び性能と非常に軟らかい打感を併せ持ったマルチピースソリッドゴルフボールが得られる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、表1の配合量は総て重量部である。
【0047】
〔実施例、比較例〕
表1に示した配合処方のコア用ゴム組成物をニーダーで混練し、コア用金型内で155℃の温度で約15分間加硫することにより実施例1〜5、比較例1〜3のソリッドコアを作成した。
【0048】
得られたコアの周囲に表1に示した包囲層材、中間層材及びカバー材をそれぞれ射出成形により被覆形成して、実施例1〜5及び比較例3の4層構造のソリッドゴルフボールを作成した。なお、比較例1は包囲層、中間層のないコアとカバーからなるツーピースゴルフボール、比較例2は包囲層のないスリーピースゴルフボールである。
【0049】
次いで、得られたゴルフボールについて、下記に示した方法により諸特性を評価した。結果を表2に示す。なお、ソリッドコア硬度A、コアの周囲に包囲層を被覆した球状体の硬度B、包囲層の周囲に中間層を被覆した球状体の硬度C、ボール硬度Dは成形過程において各層を被覆形成した状態でそれぞれ測定を行った。
ソリッドコア硬度A
コアに100kgの荷重を負荷した時の変形量(mm)で表した。
コアの周囲に包囲層を被覆した球状体の硬度B
コアの周囲に包囲層を被覆した球状体に100kgの荷重を負荷した時の変形量(mm)で表した。
包囲層の周囲に中間層を被覆した球状体の硬度C
包囲層の周囲に中間層を被覆した球状体に100kgの荷重を負荷した時の変形量(mm)で表した。
ボール硬度D
ボールに100kgの荷重を負荷した時の変形量(mm)で表した。
飛び性能
ヘッドスピード45m/sec(HS45)にて、ミヤマエ社製スイングロボットにより、クラブはドライバー(「PRO230Titan ロフト10度」(ブリヂストンスポーツ株式会社製))を用いて実打した時のキャリー,トータル飛距離を測定した。
打感
プロゴルファー5名により、クラブとしてドライバーとパターを用いて実打した時の感触を下記基準で評価した。
◎:非常に軟らかい
○:軟らかい
△:普通
×:硬い
【0050】
【表1】
Figure 0003543629
*1:「ハイトレル」東レ・デュポン社製ポリエステル系エラストマー
*2:「プリマロイ」三菱化学工業(株)製ポリエステル系エラストマーを主成分とするアロイ材料
*3:「ペバックス」アトケム社製ポリアミド系エラストマー
*4:「パンデックス」大日本インキ化学工業(株)製ポリウレタン系エラストマー
*5:「ハイミラン」三井・デュポンポリケミカル社製アイオノマー樹脂
*6:「サーリン」デュポン社製アイオノマー樹脂
【0051】
【表2】
Figure 0003543629
【0052】
表2の結果から明らかなように、比較例1は一般的なツーピースソリッドゴルフボールであり、飛距離は比較的良好であるが、ドライバーとパターの打感がともに硬く劣るものである。
【0053】
比較例2は特開平9−313643号公報と同様のスリーピースソリッドゴルフボールであり、飛距離がやや低下する上に、ドライバーとパターの打感がともにやや硬く劣るものである。
【0054】
比較例3は特開平10−127819号公報と同様のフォーピースソリッドゴルフボールであるが、各層の硬度や厚さが適当なものではなく、各層の界面でエネルギーロスが生じ、このため飛距離が著しく劣る上に、小変形打撃時(パター)での打感が硬いものである。
【0055】
これに対して実施例1〜5のボールは、エネルギーロスのないボール構造を有するために反発性に優れ、飛距離が増大すると共に、ドライバーでもパターでも非常に軟らかく良好な打感が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るマルチピースソリッドゴルフボールの断面図である。
【符号の説明】
1 ソリッドコア
2 包囲層
3 中間層
4 カバー
G ゴルフボール

Claims (3)

  1. ソリッドコアと、該コアを被覆する熱可塑性樹脂を主材とする包囲層と、該包囲層を被覆する少なくとも一層の中間層と、この中間層を被覆する少なくとも一層のカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記包囲層及び中間層のショアD硬度が10〜50であり、カバーのショアD硬度が50〜65であり、これら包囲層及び中間層のショアD硬度とカバーのショアD硬度とが、包囲層のショアD硬度≦中間層のショアD硬度≦カバーのショアD硬度の関係を満たすと共に、上記ソリッドコアの直径が25.7〜37.7mm、該ソリッドコアの100kg荷重負荷時の変形量A(mm)が5.0〜6.8mmであり、このソリッドコアの周囲に0.5〜4.0mmの厚みを有する包囲層を被覆した球状体の100kg荷重負荷時の変形量B(mm)が2.3〜7.0mmであり、包囲層の周囲に0.5〜4.0mmの厚みを有する中間層を被覆した球状体の100kg荷重負荷時の変形量C(mm)が2.3〜6.5mmであり、中間層の周囲に1.0〜3.5mmの厚みを有するカバーを被覆したボール全体の100kg荷重負荷時の変形量D(mm)が2.3〜6.0mmであり、かつそれぞれ0.98≦B/A≦1.01、0.96≦C/B≦0.98、0.79≦D/C≦0.83の関係を満たすことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
  2. 包囲層と中間層とを合わせた厚みが2.0〜5.0mmである請求項1記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  3. 包囲層と中間層とが同種の熱可塑性樹脂を主材として形成された請求項1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
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