JP3543313B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット式記録装置に関し、詳しくは、記録ヘッドから空吐出、もしくは吸引されたインクを吸収するインク吸収材を備えたインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録ヘッドを搭載した記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、カラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。このような記録装置は、圧力発生室で加圧したインクをノズルからインク滴として記録用紙に吐出させてドットを形成している。このため、印字品質の向上を図るためには記録用紙上での滲みを防止する必要があり、インク溶媒の割合を可及的に少なくしたり、蒸発しやすい材料が使用されている。そのため、印刷中にノズル開口からインク溶媒が蒸発してインクの粘度が上昇したり、また非印刷時においてもノズル開口からインク溶媒が蒸発してノズル開口のインクの粘度が上昇し、インクの吐出に支障を来す。
【0003】
これを防止するため、従来のインクジェット式記録ヘッドでは、非印刷時には記録ヘッドに対してキャップ装置を密着させ、インク溶媒の蒸発を防止すると共に、印刷時には前記キャップ装置に対してインクの空吐出を行い、ノズル開口の先端部のインク粘度の増加を抑えている。そして、このようなインクジェット式記録装置にあっては、密着状態から、また回復動作後、キャップ装置を記録ヘッドから引き離す際に、ノズル開口内へ気泡が侵入しないこと、キャップ装置からのインクの飛散がないこと等が要求されている。これら要求に答えるため、各種提案がなされ、例えば、特公平3−43066号公報に記載されているような、キャップ装置内にインクを吸収するための吸収部材を備えたものも提案されている。
【0004】
次に従来のインクジェット式記録装置に装着されているキャップ装置及びインク吸収材について、図14乃至図16に基づいて説明する。なお、図14は従来のキャップ装置の一例を示す平面図、図15は図14のA−A線による断面図(インク吸収材が装着された状態図)、図16は図14のB−B線による断面図(インク吸収材を省略した状態図)である。
【0005】
これらの図において、キャップ装置を構成するキャップ部材101は、記録ヘッド100のノズル開口を囲い、かつその先端部分が記録ヘッド100に密着する周壁部101aと、前記周壁部101aの下端部を閉塞する底壁部101bとで構成されている。そしてまた、前記周壁部101aの内側には、2枚のインク吸収材102,103を積層した状態で固定保持するための爪部102cが、前記周壁部101aの上部の周縁部に沿って複数設けられている。
【0006】
前記インク吸収材102,103は記録ヘッド100から空吐出、もしくは吸引されたインクを吸収するため、通常ポリビニ−ルアルコ−ル、不織布、紙等からなる有機材料のインク吸収材が用いられている。
【0007】
また図において、爪部102cは8か所設けられ、前記底壁部101bには、ポンプ(図示せず)よってノズルより吸引されたインクをキャップ装置外に排出するためのインク吸引口104と、弁(図示せず)によって大気と連通あるいは遮断される開放口105が設けられている。なお、図中、106は接続管を示し、インク吸引口104にその一端が嵌合し、他端は図示しないポンプに接続されている。図示しないが同様に開放口105には、弁と接続された接続管が嵌合している。また、101cはインク吸収材102,103を収容する収容部を示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のインクジェット式記録装置に用いられているインク吸収材は、前記したように有機材料であるポリビニ−ルアルコ−ル、不織布、紙等が用いられ、インクを吸収するようになされている。しかし、インク吸収材に吸収されたインクはインク吸収体に滞留する傾向にあり、前記したポンプによる吸引によって、初めてキャップ部材の外に排出される。
【0009】
一方、インクを吸収する能力の低い吸収材を用いた場合、キュップ部材内部を大気に開放した際に発生するインクの泡が吸収されずに記録ヘッド下面、すなわちノズル形成面に付着し、吐出不良の原因となっていた。
【0010】
また、従来のインク吸収材として、有機材料であるポリビニ−ルアルコ−ル、不織布、紙等が用いられているため、インクを吸収することにより膨潤する。そのため、前記インク吸収材の外形寸法は、前記膨潤を考慮してキャップ部材に形成されたインク吸収材の収容部の寸法より、小さく設定される。すなわち、キャップ部材とインク吸収材との間に、インク吸収材の変形(膨潤)を吸収する隙間を設ける必要があり、また前記インク吸収材をキャップ部材に固定するための爪部を設ける必要がある。
【0011】
このように構成された従来のインクジェット式記録装置にあっては、爪部の上面と記録ヘッドの下面間に、図15において二点鎖線で示すように、インク滴Iが付着して残ることがある。このインク滴Iは前述したインク吸収部材と接しないため、前記インク吸収部材によっては前記インク滴Iを吸収することはできない。このように爪部の上面にインク滴Iが残ると、ノズルの回復動作後、記録ヘッドを印字動作状態に復帰させるためにキャリッジを移動させ、キャップ周壁部101aを密着状態から開放する際、前記インク滴Iが飛散し、記録ヘッド下面、すなわちノズル形成面にインクが付着し、時としてノズル開口に達し、吐出不良を起こしたり、またキャップ装置の周辺をインクで汚すという不都合があった。
【0012】
更に、インク吸収材の膨潤によって、インク吸収材の表面の平坦度が変わり、その結果、記録ヘッド(ノズル形成面)との距離が変わり、ノズルから吐出したインクがノズル形成面に付着する、あるいは膨潤してインク吸収材とキャップ部材、特に底壁部の間に隙間が発生し、キャップ部材内のインクが泡立つ等の不都合があった。
【0013】
本発明は、上記したような技術的課題を解決するためになされたものであり、キャップの周壁部内面及び密着面にインクが付着しにくく、インク吸収体にインクが移動しやすく、しかもインク吸収体に移動したインクを速やかにキャップ部材の外部に排出することができるインクジェット式記録装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記インクジェット式記録ヘッドのノズル形成面と密着状態を確保するキャップ部材と、ノズルから吐出されたインクを吸引する吸引手段を備えると共に、前記キャップ部材内にインク吸収材を収容したインクジェット式記録装置において、前記インク吸収材は1枚のインク吸収材からなり、このインク吸収材のキャップ部材底壁部側に位置する部分の濡れ性が、ノズル形成面側に位置する部分の濡れ性より、大きいことを基本的構成としている。
【0015】
このように、このインク吸収材のキャップ部材底壁部側に位置する部分の濡れ性が、ノズル形成面側に位置する部分の濡れ性より大きいため、インク吸収体に吸収されたインクはキャップ部材底壁部側へ速やかに移動し、ポンプによって速やかにキャップ部材の外に排出される。
【0016】
なお、濡れ性は、構成部材の表面に滴下した水滴の接触角度で決定されるものであって、接触角が0度の場合が濡れ性が最も大きく、180度の場合が濡れ性が最も小さくなる。すなわち、濡れ性が大きいほど親水性が高く、また濡れ性が小さいほど撥水性が高い。
【0017】
また、前記インク吸収材の、ノズル形成面側に位置するインク吸収材部分の濡れ性が、前記キャップ部材の周壁部内面の濡れ性より、大きく、かつ前記キャップ部材底壁部側に位置するインク吸収材部分の濡れ性が、ノズル形成面側に位置するインク吸収材の濡れ性より、大きいことが望ましい。
【0018】
このように、ノズル形成面側に位置するインク吸収材部分の濡れ性が、前記キャップ部材の周壁部内面の濡れ性より大きいために、インク滴がキャップ部材の周壁部内面とインク吸収材とに架橋した状態にある場合には、直ちにノズル形成面側に位置するインク吸収材に導かれ吸収される。
すなわち、本発明の第1の態様は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記インクジェット式記録ヘッドのノズル形成面と密着状態を確保するキャップ部材と、ノズルから吐出されたインクを吸引する吸引手段を備えると共に、前記キャップ部材内にインク吸収材を収容したインクジェット式記録装置であって、前記キャップ部材の周壁部内面には、該キャップ部材の先端側から底壁部にまでわたるインク誘導手段としての複数の溝が互いに間隔をあけて形成され、前記インク吸収材は1枚のインク吸収材からなり、このインク吸収材のキャップ部材底壁部側に位置する部分には親水処理による親水層が形成され、ノズル形成面側に位置する部分には撥水処理によるノズル側撥水層が形成され、前記キャップ部材の周壁部内面には前記ノズル側撥水層より撥水性が高くなる撥水処理による周壁部撥水層が形成されていることを特徴とする。
【0019】
また上記目的を達成するためになされた本発明は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記インクジェット式記録ヘッドのノズル形成面と密着状態を確保するキャップ部材と、ノズルから吐出されたインクを吸引する吸引手段を備えると共に、前記キャップ部材内にインク吸収材を収容したインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記インク吸収材は複数のインク吸収材からなり、前記インク吸収材のキャップ部材底壁部側に位置するインク吸収材の濡れ性が、ノズル形成面側に位置するインク吸収材の濡れ性より、大きいことを基本的構成としている。
【0020】
このように、前記インク吸収材のキャップ部材底壁部側に位置するインク吸収材の濡れ性が、ノズル形成面側に位置するインク吸収材の濡れ性より、大きいため、ノズル形成面側に位置するインク吸収体に導かれたインクはキャップ部材底壁部側に位置するインク吸収材へ速やかに移動し、ポンプによって速やかにキャップ部材の外に排出される。
【0021】
ここで、前記インク吸収材は複数のインク吸収材からなり、ノズル形成面側に位置するインク吸収材の濡れ性が、前記キャップ部材の周壁部内面の濡れ性より大きく、かつ前記キャップ部材底壁部側に位置するインク吸収材の濡れ性が、ノズル形成面側に位置するインク吸収材の濡れ性より、大きいことが望ましい。
【0022】
このように、ノズル形成面側に位置するインク吸収材の濡れ性が、前記キャップ部材の周壁部内面の濡れ性より大きいために、インク滴が、キャップ部材の周壁部内面とインク吸収材とに架橋した状態にある場合には、直ちにノズル形成面側に位置するインク吸収材に導かれ吸収される。
【0023】
また、前記インク吸収材のキャップ部材底壁部側に位置する部分あるいはキャップ部材底壁部側に位置するインク吸収材に親水処理が施され、またはノズル形成面側に位置する部分あるいはノズル形成面側に位置するインク吸収材に撥水処理が施されていることが望ましい。また、インク吸収材のキャップ部材底壁部側に位置する部分あるいはキャップ部材底壁部側に位置するインク吸収材に親水処理が施され、かつノズル形成面側に位置する部分あるいはノズル形成面側に位置するインク吸収材に撥水処理が施されていることが望ましい。
【0024】
このように、インク吸収材のキャップ部材底壁部側に位置する部分あるいはキャップ部材底壁部側に位置するインク吸収材に親水処理を施し、または/及びノズル形成面側に位置する部分あるいはノズル形成面側に位置するインク吸収材に撥水処理を施すことによって、インク吸収材の濡れ性の関係を前記した関係に形成することができる。
【0025】
更に、前記キャップ部材には、少なくともその周壁部内面に撥水処理が施されていることが望ましい。このように、キャップ部材の、少なくともその周壁部内面に撥水処理を施すことによって、キャップ部材とインク吸収材の濡れ性の関係を前記した関係に形成することができると共に、キャップ部材の周壁部内面上部に付着した、インク吸収材と架橋状態にないインク滴をインク吸収体に落下させ、前記インク滴をインク吸収材に速やかに導くことができる。
すなわち、本発明の第2の態様は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記インクジェット式記録ヘッドのノズル形成面と密着状態を確保するキャップ部材と、ノズルから吐出されたインクを吸引する吸引手段を備えると共に、前記キャップ部材内にインク吸収材を収容したインクジェット式記録装置であって、前記キャップ部材の周壁部内面には、該キャップ部材の先端側から底壁部にまでわたるインク誘導手段としての複数の溝が互いに間隔をあけて形成され、前記インク吸収材は複数のインク吸収材からなり、前記インク吸収材のキャップ部材底壁部側に位置するインク吸収材には親水処理による親水層が形成され、ノズル形成面側に位置するインク吸収材には撥水処理によるノズル側撥水層が形成され、前記キャップ部材の周壁部内面には前記ノズル側撥水層より撥水性が高くなる撥水処理による周壁部撥水層が形成されていることを特徴とする
【0026】
また、前記インク吸収材は、金属もしくは無機質の多孔質材料からなることが望ましく、また前記キャップ部材に収納される金属もしくは無機質の多孔質材料からなるインク吸収材の外形の少なくとも一部が、キャップ部材に形成された収容部よりも大きく形成されていることが望ましい。このように、インク吸収材の外形の少なくとも一部が、キャップ部材に形成された収容部よりも大きく形成されているため、キャップ部材をわずかに変形させることによりインク吸収材を固定することができ、キャップ部材に爪部を形成する必要がない。その結果、爪部にインクが付着することもなく、そのインク等による飛散も解消される。
【0027】
また、前記キャップ部材に複数枚のインク吸収材を収容するものにあっては、前記記録ヘッドのノズル形成面側に金属もしくは無機質の材料からなるインク吸収材を配置すると共に、キャップ部材の底壁部側に有機材料からなるインク吸収材を配置することが望ましい。このように、ノズル形成面側に、膨潤しない金属もしくは無機質の材料からなるインク吸収材を配置したため、インク吸収材がインクを吸収しても、記録ヘッドとの距離は変わらず、膨潤に伴うインクの泡立ちを防止することができる。
【0028】
また、前記金属材料からなるインク吸収材は、ニッケルもしくはニッケルクロム多孔質体であり、無機質の材料からなるインク吸収材はセラミックス多孔質体もしくはガラス多孔質体であることが望ましく、前記有機材料からなるインク吸収材は、ポリビニ−ルアルコ−ル、紙、不織布、ポリウレタン多質体であることが望ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1の実施形態を図1乃至図9に基づいて説明する。ここで、図1はインクジェット記録装置の概略を示す斜視図、図2はインクジェット記録装置の回復機構部分を示す平面図、図3は回復機構の一例を示す平面図、図4および図5は動作説明図である。また図6はこの発明の第1実施形態であるキャップ部材を示す平面図、図7は図6に示したキャップ部材の底面図、図8は図6のキャップ部材(インク吸収材を収納した状態)のC−C線による断面図、図9は図6のD−D線による断面図である。
【0030】
まず、図1乃至図5に基づいてインクジェット記録装置の概略及びキャップ装置の回復機構について説明する。図中、符号1はキャリッジで、ガイド部材2に支持されるとともに、タイミングベルト3を介してパルスモータ23に接続されていて、プラテン5に平行に往復動可能に構成されている。
【0031】
キャリッジ1には黒色インクを吐出するノズル開口列を備えた第1インクジェット式記録ヘッド7と、カラーインクを吐出するノズル開口列を備えた第2インクジェット式記録ヘッド8(図4)とが、印刷方向、キャリッジ1の移動方向に一定の間隔で設けられ、これら各記録ヘッド7、8の上部には黒色インクカートリッジ9と、カラーインクカートリッジ10が着脱自在に搭載されている。また、印刷領域外には各記録ヘッド7、8を封止するキャップ装置12が設けられている。
【0032】
このような構成によりフレキシブルケーブル11を介して図示しないヘッド駆動回路からの駆動信号を受けると、インクカートリッジ9、10からインクの供給を受けながら記録ヘッド7、8が対向配置された印刷用紙6に黒色、及び有色のドットを形成する。
【0033】
図2は、前述のキャップ装置近傍の上面を示す図であって、図中符号20は、紙送りローラで、回転軸21の一端に固定された歯車22により紙送りとポンプ駆動を兼ねたパルスモータ24に接続されていて、印刷用紙6を印刷工程に合わせて搬送するものである。図中符号12は、前述のキャップ装置で、キャリッジ1の移動に連動して2つの記録ヘッド7、8のノズル開口面を覆うキャッピング位置と、ノズル開口面から離れる非キャッピング位置との2位置を占めるスライダ30に、弾性材料によりカップ状に形成された第1キャップ部材31、第2キャップ部材32が設けられている。これらキャップ部材31、32は、それぞれ対応する第1記録ヘッド7と第2記録ヘッド8を密封可能で、しかも離間した状態で各記録ヘッド7、8から吐出されるインク滴を確実に受け止めることができる開口面積に設定されている。なお、図示しないが、前記第1キャップ部材31、第2キャップ部材32は、キャップ受け部材を介してスライダ30に設けても良い。
【0034】
第1、第2キャップ部材31、32は、その吸引口31a、32a(図3)をそれぞれポンプ37、38の一部を構成するチューブ33、34の一端に接続されていて吸引力を受けるようになっている。
【0035】
第1、第2のチューブポンプ37、38は、輪列40を介してパルスモータ24に選択的に接続されて、モータ24の逆転時には第1チューブポンプ37だけが吸引動作を、また正転時には第2チューブポンプ38だけが吸引動作を行うようになっている。
【0036】
図3、及び図4は、それぞれ上述したキャップ装置12の一例を示すものであって、図中符号30はスライダで、キャリッジ1に搭載された2つの記録ヘッド7、8の間隔に一致させて第1、第2のキャップ部材31、32が、軸31c、32cにより揺動可能に設けられている。
【0037】
図中符号41、42は、第1、第2ガイド片で、キャリッジ1の第1、第2記録ヘッド7、8の幅に合わせて両側に配置され、またキャリッジ1が所定位置にセットされた時、各記録ヘッド7、8をキャップ部材31、32に対して位置決めする機能を有する。またスライダ30の先端、図中では右端には、キャリッジ1が第1、第2キャップ部材31、32と第1、第2の記録ヘッド7、8とが対向する位置に移動したとき、キャリッジ1の下端の突起44に当接するフラッグ片45がさらに先端には係合片46が設けられていて、基台53に取り付けられたガイド部材47に当接し、案内、支持されるようになっている。
【0038】
ガイド部材47には、スライダ30の抜けを防止する凸部47aと、スライダ30を記録ヘッド7、8の下端と空吐出に適した一定の間隔を形成する平面47bと、キャップ部材31、32を記録ヘッド7、8に弾接する位置を形成する平面47cとが形成されている。
【0039】
一方、スライダ30は、その下部の中央にキャリッジ1の移動方向に直交する軸50が設けられていて、この軸50の両側を、下端が長溝52aを介して基台53の軸54に揺動可能に取り付けられたレバー52に遊嵌されている。そしてスライダ30は、下端が基台53に固定されて印刷領域側に傾斜して非印刷領域側に座屈ぎみにセットされたコイルバネ56の上端に取り付けられている。
【0040】
これにより図5に示すように、非キャッピング時には、スライダ30は、一端をガイド部材47の斜面47bの最下端に、また中央部をレバー52に規制されながらコイルバネ56により印字領域側に付勢されて、各キャップ部材31、32を記録ヘッド7、8に接しさせることなく、空吐出に適した間隔gを形成できる位置を維持することができる。
【0041】
また、スライダ30は、そのケース61側に各キャップ部材31、32に設けられている大気開放口31b、32bと接続するバルブユニット60が設けられていて、バルブユニット60からは作動杵62が突出している。これによりスライダ30をキャッピング位置まで移動させることにより、作動杵62をケース61に弾接させて、常時開放状態にあるバルブユニット60を閉弁させて大気開放口31b、32bを閉塞できる。
【0042】
次に、キャップ部材31、32の構造について、図6乃至図9に基づいて説明する。なお、キャップ部材31とキャップ部材32とは基本的に同一の構成を有するため、キャップ部材31を例にとって説明する。ここで、図6はキャップ部材の一例を示す平面図、図7は図6に示したキャップ部材の底面図、図8は図6のC−C線による断面図(インク吸収材を収容した状態)、図9は図6のD−D線による断面図である。
【0043】
これらの図において、キャップ部材31の構成は、前記した従来のキャップ部材と同様、記録ヘッドのノズル開口を囲い、かつその先端部分が記録ヘッドに密着する周壁部31cと、前記周壁部31cの下端部を閉塞する底壁部31dとで構成され、また前記底壁部31dには、ポンプ(図示せず)よって空吐出されたインクをキャップ装置外に排出するためのインク吸引口31aと、弁(図示せず)によって大気と連通あるいは遮断される開放口31bが設けられている。
【0044】
また、前記周壁部31cには、2枚のインク吸収材82,83を積層した状態で保持するためのアンダ−カット部31eが、前記周壁部31cの内側側部に複数設けられている。図6には、前記アンダ−カット部31eが6か所設けられた例を示している。このアンダ−カット部31eは、前記した周壁部31cの内側側部を切欠いたものであって、前記アンダ−カット部31eに対して、インク吸収材82、83の周縁部から突出した突出部82a、83aが挿入され、アンダ−カット部31eが前記突出部82a、83aを保持することによって、インク吸収材82、83がキャップ部材31に固定される。
【0045】
前記キャップ部材31は、通常ゴム材によって形成され、アンダ−カット部31e含む周壁部内面には撥水処理が施されている。この処理は一般に知られている方法によって行えば良く、特にその処理方法は限定されない。
【0046】
具体的に一例を挙げれば、シリコン被膜層、あるいは界面活性剤層をコ−ティング等の方法により、キャップ部材31の周壁部内面に形成することができる。また、撥水処理は周壁部内面以外に、キャップ部材31の底壁部にも処理を施しても良い。更に、キャップ部材31の材質として、濡れ性の小さいシリコン、フッ素ゴムを使用してもよい。
【0047】
なお、図に示すように、周壁部31cの内周面には略一定の間隔をもって複数のインク誘導手段としての溝31fが形成されている。前記溝31fは周壁部31cの内側に対して開拡した三角形状をなし、第1、第2記録ヘッド7、8に接触する周壁部31cの先端側から底壁部31d至るように形成されている。この溝31fの形状は特に限定されるものではないが、インク滴Iが誘導され易い形状であればよい。
【0048】
また溝31fは必ずしも第1、第2記録ヘッド7、8に接触する周壁部31cの先端側から底壁部31dにわたって形成される必要はなく、少なくとも第1、第2記録ヘッド7、8に接触する周壁部31cの先端側から上側に配置されたインク吸収材83と接する位置まで形成されていればよい。前記溝31fを伝わって誘導されたインク滴Iがインク吸収材83に円滑に吸収されるためである。誘導されたインク滴がインク吸収材82、83により円滑に、より早く吸収されるために、好ましくは、前記溝31fは底壁部31dまで形成されるのがよい。このように、インク誘導手段が設けられていることにより、前記周壁部内面の撥水処理と相まって、インクをインク吸収体83に速やかに導くことができる。
【0049】
また、キャップ部材31の底壁部31dの外面にはインク吸引口31aを囲んで第1凹部31gが形成され、また開放口31bを囲んで第2凹部31hが形成されている。このように、インク吸引口31a、開放口31bの周囲には凹部31g、31hが形成されているため、その周囲は肉薄になる。
【0050】
このインク吸引口31aには、一端側にチューブ33が接続された接続管26の他端側が圧入されることによって、チューブ33はキャップ部材31に取り付けられる。また同様に、この開放口31bには、弁と接続される接続管(図示せず)が圧入されることによって、キャップ部材31に取り付けられる。
【0051】
次に、前記インク吸収材82、83について説明すると、インク吸収材82、83は金属多孔質体あるいはセラミックスのような無機質多孔質体から構成されている。このインク吸収材82、83の両者を金属多孔質体で形成しても良く、また両者をセラミックスのような無機質多孔質体で形成しても良い。また、インク吸収材82とインク吸収材83のいずれか一方を金属多孔質体とし、他方を無機質多孔質体の多孔質体としてもよい。
【0052】
この金属多孔質体は、例えば発泡樹脂に導電処理を施した後、前記発泡樹脂の表面に対して、例えばニッケル等の金属をメッキし、その後、発泡樹脂を熱処理によって消失させることによって作成される。このインク吸収材としての金属多孔質体は、孔径0.1mm〜0.3mm、セル数(個/インチ)80〜230、の特性を有するのが好ましい。
【0053】
なお前記セル数とは、直線1インチ間に並んでいる金属の骨格で形成されるセルの数を意味する。また金属の種類としては、特に限定されないが、インクとの関係から腐食等が発生しないものであれば良い。例えばニッケル、ニッケル−クロ−ムを例示することができる。
【0054】
また、無機質多孔質体としては、ガラス質多孔質体、セラミックス多孔質体を例示することができる。例えばセラミックス多孔質体は、ポリウレタンフォ−ム等の発泡樹脂をセラミックスのスラリ−液に浸漬し、乾燥後焼成することによって作成される。このインク吸収材としての無機質多孔質体は、孔径0.1mm〜0.3mm、セル数(個/インチ)80〜230の特性を有するのが好ましい。
【0055】
なお前記セル数とは、金属多孔質体の場合と同様、直線1インチ間に並んでいるセラミックス、ガラスの骨格で形成されるセルの数を意味する。またセラミックスの種類としては、特に限定されないが、例えばアルミナ質、ジルコニア質、ジルコニア−ムライト質、ムライトSiC質をを例示することができる。
【0056】
また、インク吸収材83の記録ヘッドのノズル形成面に対峙する面(ノズル形成面側)に、テフロン層あるいはシリコン層をコ−ティング処理等によって撥水層を形成し、濡れ性を小さくするのが好ましい。但、この面の濡れ性はキャップ部材の周壁面の濡れ性より大きく形成する必要がある。キャップ部材の周壁面の濡れ性より小さく形成すると、キャップ部材に付着したインクをインク吸収部材83に速やかに導くことができないためである。前記テフロン層あるいはシリコン層等の撥水層は、記録ヘッドのノズル形成面側以外にインク吸収材83の全体に形成しても良い。
【0057】
更に、インク吸収材82のキャップ部材の底面壁に対峙する面(キャップ部材底面部壁側)に、化学研磨で表面を緻密化処理、あるいは濡れ性の大きい染料液を用いて高温エ−ジングを行い染料層を形成する処理等によって、親水性を高める親水層を形成するのが好ましい。但、この面の濡れ性はノズル形成面側のインク吸収体83の濡れ性より大きく形成する必要がある。ノズル形成面側のインク吸収体83の濡れ性より小さく形成すると、ノズル形成面側のインク吸収体83に吸収されたインクをキャップ部材底面側のインク吸収体82に速やかに導くことができないためである。前記親水性を高める(濡れ性を大きくする)処理は、前記緻密化処理等に限定されるものではなく、一般に知られている方法を用いることができる。また、インク吸収材82のキャップ部材の底面壁に対峙する面(キャップ部材底面部壁側)に、親水性を高める処理を施したが、インク吸収材82の全体に前記親水性を高める処理を施しても良い。
【0058】
また、上記の場合は、キャップ部材の周壁面、インク吸収材83の記録ヘッドのノズル形成面に対峙する面に撥水処理を、またインク吸収材82のキャップ部材の底面壁に対峙する面に親水処理を施したが、特に限定されるものではなく、濡れ性がキャップ部材の周壁面より、インク吸収材83の方が大きく、またインク吸収材83の濡れ性より、インク吸収材82の方が大きくなるように、撥水、親水処理を選択し、所定の処理を施せば良い。また、キャップ部材、インク吸収材の材質特質が、適当な濡れ性を備えている場合には、前記処理を省略しても良い。撥水、親水処理は化学的な処理以外に、構成部材の表面粗さを変化させる等の物理的処理も含まれる。
【0059】
なお、記録ヘッド側に配置されるインク吸収材83のセル数は、インク吸収材82のセル数よりも小さい。このように記録ヘッド側に配置されるインク吸収材83のセル数がインク吸収材82のセル数よりも小さいため、すなわち記録ヘッド側に配置されるインク吸収材83の孔径の方がインク吸収材82の孔径よりも大きいため、ポンプの吸引力の他、毛細管力の差によってもインクをインク吸収材83の表面からキャップ部材31の底壁部側に移動させることができ、より効率よくインクをキャップ部材31の外へ排出することができる。
【0060】
次に、記録ヘッドのノズル開口からのインクの空吐出動作について説明する。
【0061】
まず、第1、第2記録ヘッド7、8を搭載したキャリッジ1が、印刷領域から図5の矢印方向へ、すなわち印刷領域外方向へ移動し、キャリッジ1が印刷領域外に位置するスライダ30に到達すると、第1記録ヘッド7が第2ガイド片42に係合する。
【0062】
この状態でさらにキャリッジ1が移動すると、第1記録ヘッド7が第1ガイド片41に、また第2記録ヘッド8が第2ガイド片42に係合することにより、スライダ30がキャリッジ1に対応する姿勢に整列される。
【0063】
さらに、キャリッジ1が移動すると、突起44がフラッグ片45に当接することにより、図5に示すように、第1、第2キャップ装置31,32は、第1、第2記録ヘッド7、8のノズル開口を覆うことが可能な位置に、一定の間隔gを隔てて第1、第2記録ヘッド7、8と対向する。
【0064】
この状態でインクの空吐出が行われる。すなわち、印刷工程中に所定時間経過した場合に、ノズル開口のインク溶媒の蒸発を防止するため、第1、第2記録ヘッド7、8からのインクの空吐出をキャップ部材31、32に対して行う。
【0065】
このとき、従来のようなキャップ部材に爪部が形成されていないため、爪部と記録ヘッド7、8の間につながるようなインク滴Iは形成されない。また、万一、周壁部31c、32cの内側上方にインク滴Iが付着しても、前記周壁部31c、32cの内面は濡れ性が小さい(撥水性の高い)ため、インク滴が溜まることなく落下し、インク吸収材83に吸収される。更に、インク滴Iは溝31f、32fによってインク吸収材82、83に誘導され、周壁部31c、32cの内側上方にインク滴が溜まることもない。
【0066】
次に、記録ヘッドのノズル開口からインクを吸引排出する動作を説明する。 まず、第1、第2記録ヘッド7、8を搭載したキャリッジ1が、印刷領域から図5の矢印方向へ、すなわち印刷領域外方向へ移動すると、図2に示されるようにレバー72が斜面73に接触して軸71を中心に回動することにより、スライド歯車74がコイルスプリング75の付勢力に抗して移動し、輪列40に係合する。
【0067】
このようにスライド歯車74が輪列40に係合すると、紙送り兼ポンプモータ24の動力が第1ポンプ37または第2ポンプ38へ伝達される状態になる。
【0068】
そして、この状態からさらにキャリッジ1が移動すると、スライダ30は、フラッグ片45が突起44で押されることにより、スライダ30は、軸50を回動支点として後部(印刷領域側)が持ち上がり、第2キャップ装置32が第2記録ヘッド8に当接する。このとき、第2キャップ装置32は、スライダ30に揺動可能に取り付けられ、スライダ30もレバー52を介して基台53に揺動可能に取り付けられているので、第2記録ヘッド8にガイドされながら上昇し、第2記録ヘッド8のノズル開口を覆うように当接する。
【0069】
さらに、キャリッジ1がケース61側へ移動すると、コイルスプリング56はキャリッジ1の力に抗し切れなくなって座屈し始め、スライダ30を持ち上げることになるので、スライダ30は、第2キャップ装置32を第2記録ヘッド8に嵌装させたまま持ち上げられ、第1キャップ装置31を第1記録ヘッド7に当接させる。このようにしてさらにキャリッジ1が移動すると、スライダ30は、第1、第2記録ヘッド7、8に規制されながら水平にケース61側へ移動し、作動杆62がケース61に当接することにより、第1、第2キャップ装置31,32の開放口31b,32bを閉塞し大気と遮断する。
【0070】
この状態ではコイルスプリング56が大きく座屈し、スライダ30をコイルスプリング56の付勢力で持ち上げるため、第1、第2キャップ部材31,32は第1、第2記録ヘッド7、8に弾接し、確実に密封する。このように記録ヘッド7、8に対してキャップ部材31、32装置を密着させ、インク溶媒の蒸発を防止している。
【0071】
このように第1、第2キャップ部材31,32が第1、第2記録ヘッド7、8に弾接している状態では、レバー72によって紙送り兼ポンプモータ24が輪列40に接続され、図示を省略した切換機構によって紙送り兼ポンプモータ24の正逆転により、第1ポンプ37または第2ポンプ38が作動され、インク吸引動作が行われる。このようにして吸引されたインクは、第1チューブ32または第2チューブ33を通過して図示を省略した廃インクタンクに排出される。
【0072】
以上説明したように、前記キャップ部材31、32にはインク吸収材82とインク吸収材83とが収容され、前記記録ヘッドから吐出されたインクを吸収する。
【0073】
しかも、ノズル形成面側に位置するインク吸収材の濡れ性が、キャップ部材の周壁部の内面の濡れ性より大きく、またキャップ部材の底壁部側に位置するインク吸収材の濡れ性がノズル形成面側に位置するインク吸収材の濡れ性より大きく形成されているため、キャップ部材の周壁部の内面に付着したインクは、ノズル形成面側に位置するインク吸収材に速やかに移動し、またノズル形成面側に位置するインク吸収材に吸収されたインクは、キャップ部材の底壁部側に位置するインク吸収材に速やかに移動する。その結果、吐出されたインクは、速やかにキャッフ部材の外に排出される。
【0074】
更に、インク吸収材82、インク吸収材83は金属多孔質体、あるいは無機質多孔質体によって構成されているため、インクによって膨潤せず、従来のインク吸収材のような膨潤による変形が生じないため、インク吸収材83の平坦度は変わらず、記録ヘッドとの距離を一定に保つことができる。その結果、インク吸収材83と記録ヘッドのノズル形成面との接触あるいは、吸引動作中のインクの泡立ちによる記録ヘッドのノズル形成面へのインクの付着を極力抑制することができる。
【0075】
また、記録ヘッドのノズル形成面側に配置されるインク吸収材83の孔径の方が、インク吸収材82の孔径のよりも大きいため、前記ポンプ37、38の吸引力の他、毛細管力の差によってもインクをインク吸収材83の表面からキャップ部材31、32の底壁部に移動させることができる。
【0076】
更に、このインク吸引動作において、インク吸収材がキャップ部材に対して隙間なく収容されているため、インクの泡立ちを防止することができる。また仮にインクが泡立ち、インクが飛散しても、従来のような爪部が形成されていないため、爪部にはインク滴が付着するようなこともない。
【0077】
そして、所定時間のインク吸引動作が終了した後、キャリッジ1を印刷領域側へ移動させると、作動杆62がケース61から離れるため、開放口31b,32bが大気に開放され、元の状態に戻る。この密着状態から移動する際、従来のような爪部が形成されていないため、爪部と記録ヘッド7、8の間につながるようなインク滴は形成されない。したがって、そのようなインク滴が飛散して、記録ヘッドのノズル開口へインクが付着することがなく、またキャップ部材周辺をインクによって汚すこともない。
【0078】
この後、前述と反対方向へ、すなわち印刷領域方向へキャリッジ1が移動することにより、第1、第2記録ヘッド7、8が記録領域へ移動し、元の状態になる。
【0079】
上述したように、この発明の第1の実施形態によれば、ノズル形成面側に位置するインク吸収材の濡れ性が、キャップ部材の周壁部の内面の濡れ性より大きく、またキャップ部材の底壁部側に位置するインク吸収材の濡れ性がノズル形成面側に位置するインク吸収材の濡れ性より大きく形成されているため、キャップ部材の周壁部の内面に付着したインクは、ノズル形成面側に位置するインク吸収材に速やかに移動し、またノズル形成面側に位置するインク吸収材に吸収されたインクは、キャップ部材の底壁部側に位置するインク吸収材に速やかに移動する。
【0080】
その結果、吐出されたインクは、速やかにキャップ部材の外に排出されるため、キャップ部材内を大気に開放した際のインクの泡立ち、インクの飛散等を防止することができる。
【0081】
また、周壁部31c、32fの内側の周方向に複数のアンダーカット部31e、32eを設け、このアンダーカット部31e、32eに突出部82a,83aを挿入してインク吸収材82、83を固定させたので、従来のようにインク吸収材82,83を固定させるための爪部を設ける必要がない。
【0082】
このように爪部102cを形成しないことにより、周壁部の内側にインク滴Iの付着防止を図ることができるため、インク滴Iが飛散することがなく、第1、第2記録ヘッド7、8のノズル開口へインクが付着することはない。またキャップ部材周辺をインクで汚すこともない。その結果、安定したインクの吐出を確保し、印刷用紙6を汚さず、高品質の記録を得ることができる。また、万一周壁部ににインクが付着したとしても、キャップ部材の内面は濡れ性が小さいため、インク滴はインク吸収材に速やかに導かれる。
【0083】
また、インク吸引口31a,32aの周囲に第1凹部31g,32gを設けてインク吸引口31a,32a部分の変形が他の部分へ伝わらないように構成され、インク吸引口31a,32aへ接続管26を圧入しても周壁部31c、32cが変形しないため、周壁部31c、32cの第1、第2記録ヘッド7、8への密着性を確保して確実に負圧とすることができ、確実なキャッピングおよび回復動作を行わせることができる。また同様に、開放口31b、32bに接続管を圧入することによって取り付けられるが、開放口31b、32bと接続管との間に位置ずれが生じたとしても、開放口31b、32bの部分(凹部31h、32h)が変形し、開放口31b、32b部分の変形がキャップ部材31、32の他の部分に対して悪影響を及ぼすことがない。特に、記録ヘッド7、8とキャップ部材31、32の周壁部31c、32c上部との密着性に悪影響を及ぼすことがない。
【0084】
さらに、周壁部31c、32cの内側に溝31f、32fが設けられてるので、周壁部31c、32cの内側上方にインク滴Iが付着しても、インク滴Iは溝31f、32fとキャップ部材の濡れ性とによって、インク吸収材82、83へ誘導されるため、周壁部31c、32cの内側上方にインク滴Iが溜まることはない。よって、インク滴Iの飛散を防止することができるため、第1、第2記録ヘッド7、8のノズル開口へインクが付着することがなく、またキャップ部材周辺のインク汚れを防止できるため、安定したインクの吐出を確保し、印刷用紙を汚さず、高品質の記録を得ることができる。
【0085】
なお、上記した実施形態ではアンダーカット部31eを一定の間隔をもって設けたが、アンダーカット部を周壁の内側に全周にわたって設けても、同様な効果を得ることができる。インク吸収材82、83に設ける突出部82a、83aは、アンダーカット部31eに対応して設ければ良いが、アンダーカット部を周壁の内側に全周にわたって設けた場合には、突出部82a、83aを全周にわたって設ける必要はなく、数か所設けたものであっても良い。
【0086】
また、2枚のインク吸収材を用いて説明したが、1枚のインク吸収材であっても、あるいは3枚以上のインク吸収材を用いてもよいことは言うまでもない。1枚のインク吸収材を用いた場合には、キャップ部材底壁部側に位置する部分の濡れ性が、ノズル形成面側に位置する部分の濡れ性より大きくなるように、構成部材を選択し、あるいは化学的、物理的処理により親水、撥水処理を行うのが好ましい。
【0087】
次に、本発明にかかるインクジェット記録装置にの第2の実施形態について、図10に基づいて説明する。図10は、図8と同様にキャップ部材(インク吸収材を収納した状態)の断面図である。なお、この第2の実施形態、その後の第3、4の実施形態の説明において、キャップ部31、32は基本的に同一の構成を有するため、キャップ部材31をとって説明する。
【0088】
この実施形態にあっては、図8に示された第1の実施形態と比べて、アンダーカット部31eが形成されていないこと、またアンダーカット部31eが形成されていないためキャップ部材31の先端部から略垂直な周壁部31cが形成されていること、更にはインク吸収材84、85が周壁部31cによって形成されるインク吸収材の収容部80の形状(寸法)より、わずかに大きな寸法をもって形成されていることが相違する。なお、キャップ部材31、インク吸収材84、85は、前記第1の実施形態と同様の関係をもって形成されている。
【0089】
またインク吸収材84、85は第1の実施形態のインク吸収材と同様、金属もしくは無機質の材料から構成されている。このように、インク吸収材84、85は、周壁部31cによって形成されるインク吸収材の収容部80の形状より、わずかに大きな寸法をもって形成されている。そのため、インク吸収材84、85をキャップ部材の収容部80の周壁部31cを変形させることによって装着することができ、アンダーカット部31eを省略することができる。その結果、金型等の作成を容易ならしめると共に、アンダーカット部31e上のインクの付着を防止することができる。
【0090】
また、キャップ部材はゴム等の弾性体からなり、インク吸収体は前記キャップ部材を変形させた場合にも変形しない剛性を有している。また、キャップ部材31に収容されるインク吸収体の外形は少なくともその一部が、キャップ部材の収容部の形状(寸法)より大きな寸法をもって形成されていれば良い。更に、第1実施形態に設けられている周壁部31cの内側の溝31fは、この実施形態にあっては設けられていないが、第1実施形態と同様、溝を形成してもよい。
【0091】
また、インク吸収体に剛性があるため、吸引装置によりキャップ部材内に負圧が発生した際に、周壁部が内側に変形することがなく、信頼性の高い吸引動作が実現できる。
【0092】
次に、本発明にかかるインクジェット記録装置にの第3の実施形態について、図11に基づいて説明する。図11は、図10と同様にキャップ部材(インク吸収材を収納した状態)の断面図である。
【0093】
この実施形態にあっては、図10に示された第2の実施形態と比べて、キャップ部材31の底壁部側のインク吸収材86は、従来のインク吸収材と同様、ポリビニ−ルアルコ−ル、不織布、紙、ポリウレタン多質体等の有機材料で構成されていることが相違する。
【0094】
これら有機材料についても、一般的に知られた方法により、親水処理(濡れ性を大きくする処理)を施すとよい。具体的に一例を挙げれば、紫外線照射、プラズマ処理によって行うことができる。
【0095】
なお、インク吸収材86を不織布、紙等の有機材料で構成した場合、従来と同様にアンダ−カット、あるいは爪部等のインク吸収材固定手段を設ける必要がある。しかし、この実施形態では記録ヘッド側の、金属もしくは無機質の材料によって構成されるインク吸収材85がインク吸収材の収容部の形状より、わずかに大きな寸法をもって形成され、キャップ部材31の収容部80の周壁部31cを変形させることによって、装着固定される。その結果、不織布、紙等の有機材料で構成されたインク吸収材86を、アンダ−カット、あるいは爪部等のインク吸収材固定手段を設けることなく、固定することができる。
【0096】
また、不織布、紙等の有機材料で構成されたインク吸収材86とキャップ部材の収容部80の周壁部31cとの間に、インク吸収材86の膨潤を考慮して、間隙111を形成する必要がある。しかし、インク吸収材86が膨潤した場合にも、その上部にインク吸収材85が装着されているため、平坦度は変化することはなく、記録ヘッドのノズル面との距離を一定に維持することができる。
【0097】
次に、本発明にかかるインクジェット記録装置にの第4の実施形態について、図12、図13に基づいて説明する。図12は、図11に対応する図であり、図13は、インク吸収材87、88の平面図である。
【0098】
この実施形態にあっては、図11に示された第3の実施形態と比べて、キャップ部材31の底壁部側の有機材料からなるインク吸収材88に舌片部88aが形成され、金属もしくは無機質の材料によって構成されるインク吸収材87の切欠部87aを挿通し、キャップ部材31の先端部まで、前記舌片部88aが延設されていることが相違する。
【0099】
このように、不織布、紙等の有機材料で構成されたインク吸収材88がキャップ部材31の先端部まで、前記舌片部88aが延設されているため、前記舌片部88aを記録ヘッドのノズル形成面に押し当て、ノズル形成面に付着したインクを吸収させることができ、この場合記録ヘッドのノズル形成面に傷を付けることもなく、記録ヘッドのノズル形成面の良好なクリ−ニングを行うことができる。
なお、舌片部及び切欠部は1つ限定されるものではなく、インク吸収材の周縁部に複数設けたものであっても良い。
【0100】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかるインクジェット記録装置よれば、キャップ部材の周壁部内面、ノズル面側に位置するインク吸収材(インク吸収材の部分)、キャップ部材の底壁部側に位置するインク吸収材(インク吸収材の部分)の濡れ性に大小をつけ、キャップ部材の周壁部内面に付着したインクを速やかに、インク吸収材に導くと共に、インク吸収材に導かれたインクをキャップ部材の底壁部側に導き、キャップ部材の外部に速やかに排出するように構成されているため、記録ヘッドのノズル形成面に付着するインク量を極力減らし、前記インクがノズル開口内に逆流するのを防止する共に、またノズル開口内への気泡の侵入を防止し、更にはキャップ装置からのインクの飛散を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の概略を示す斜視図である。
【図2】図1に示されたインクジェット記録装置の回復機構部分を示す平面図である。
【図3】図2に示されたキャップ装置の一例を示す平面図である。
【図4】図3のキャップ装置の動作説明図である。
【図5】図3のキャップ装置の動作説明図である。
【図6】キャップ部材の一例を示す平面図である。
【図7】図6に示したキャップ装置の底面図である。
【図8】図6のC−C線による断面図(インク吸収材収容状態)である。
【図9】図6のD−D線による断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態を示す断面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態を示す断面図である。
【図12】本発明の第4の実施形態を示す断面図である。
【図13】図12に示したインク吸収材の平面図である。
【図14】従来のキャップ部材の断面図である。
【図15】図14のA−A線による断面図である。
【図16】図14のB−B線による断面図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
2 ガイド部材
5 プラテン
7 第1記録ヘッド
8 第2記録ヘッド
9 黒色インクカートリッジ
10 カラーインクカートリッジ
31 (第1)キャップ部材
31a インク吸引口
31b 開放口
31c 周壁部
31d 底壁部
31e アンダーカット部
31f 溝
31g 第1凹部
31h 第2凹部
31i リブ
32 (第2)キャップ部材
32a インク吸引口
32b 開放口
32c 周壁部
32d 底壁部
32e アンダーカット部
32f 溝
32g 第1凹部
32h 第2凹部
82 インク吸収材(金属もしくは無機質)
83 インク吸収材(金属もしくは無機質)
84 インク吸収材(金属もしくは無機質)
85 インク吸収材(金属もしくは無機質)
86 インク吸収材(有機質)
87 インク吸収材(金属もしくは無機質)
87a 切欠部
88 インク吸収材(有機質)
88a 舌片部

Claims (7)

  1. インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記インクジェット式記録ヘッドのノズル形成面と密着状態を確保するキャップ部材と、ノズルから吐出されたインクを吸引する吸引手段を備えると共に、前記キャップ部材内にインク吸収材を収容したインクジェット式記録装置であって
    前記キャップ部材の周壁部内面には、該キャップ部材の先端側から底壁部にまでわたるインク誘導手段としての複数の溝が互いに間隔をあけて形成され、
    前記インク吸収材は1枚のインク吸収材からなり、このインク吸収材のキャップ部材底壁部側に位置する部分には親水処理による親水層が形成され、ノズル形成面側に位置する部分には撥水処理によるノズル側撥水層が形成され前記キャップ部材の周壁部内面には前記ノズル側撥水層より撥水性が高くなる撥水処理による周壁部撥水層が形成されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  2. インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記インクジェット式記録ヘッドのノズル形成面と密着状態を確保するキャップ部材と、ノズルから吐出されたインクを吸引する吸引手段を備えると共に、前記キャップ部材内にインク吸収材を収容したインクジェット式記録装置であって
    前記キャップ部材の周壁部内面には、該キャップ部材の先端側から底壁部にまでわたるインク誘導手段としての複数の溝が互いに間隔をあけて形成され、
    前記インク吸収材は複数のインク吸収材からなり、前記インク吸収材のキャップ部材底壁部側に位置するインク吸収材には親水処理による親水層が形成され、ノズル形成面側に位置するインク吸収材には撥水処理によるノズル側撥水層が形成され前記キャップ部材の周壁部内面には前記ノズル側撥水層より撥水性が高くなる撥水処理による周壁部撥水層が形成されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  3. 前記インク吸収材は、金属もしくは無機質の多孔質材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載されたインクジェット式記録装置。
  4. 前記キャップ部材に収納される金属もしくは無機質の多孔質材料からなるインク吸収材の外形の少なくとも一部が、キャップ部材に形成された収容部よりも大きく形成されていること特徴とする請求項3に記載されたインクジェット式記録装置。
  5. 前記キャップ部材に複数枚のインク吸収材を収容し、前記記録ヘッドのノズル形成面側に金属もしくは無機質の材料からなるインク吸収材を配置すると共に、キャップ部材の底壁部側に有機材料からなるインク吸収材を配置したことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載されたインクジェット式記録装置。
  6. 前記金属材料からなるインク吸収材は、ニッケルもしくはニッケルクロム多孔質体であり、無機質の材料からなるインク吸収材はセラミックス多孔質体もしくはガラス多孔質体であることを特徴とする請求項3または請求項5に記載されたインクジェット式記録装置。
  7. 前記有機材料からなるインク吸収材は、ポリビニ−ルアルコ−ル、紙、不織布、ポリウレタン多質体であることを特徴とする請求項6に記載されたインクジェット式記録装置。
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