JP2004223733A - インクジェット記録装置の吸引回復機構 - Google Patents

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Abstract

【目的】吸引回復動作のために記録手段を覆うキャップ内のインク吸収体に反り等の変形がある場合でも、吐出口から排出されたインクを吐出口面から素早く引き剥がすとともにキャップ外へ素早く排出することで、キャップ内を大気に開放する際の吐出口面へのインク付着を阻止し、もって異なるインクを吐出する吐出口間の混色を防止し、安定した吸引回復動作を可能にする。
【構成】キャップ16の内部にインク吸収体203が位置決め状態で装填され、キャップ16の内部を負圧発生手段207に連通するための吸引口205は、その頭頂部を該キャップの底面より所定高さHだけ突出させた状態で形成されている。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置において、記録手段の吐出口を覆うことで密閉空間を形成するための凹部を有するキャップと該キャップに流路を介して接続された負圧発生手段とを用いて該吐出口からインクを吸引するように構成されたインクジェット記録装置の吸引回復機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭やオフィスで用いられる記録装置としてはパーソナルコンピュータに接続して使用されるプリンタや、ワードプロセッサのプリンタ部、ファクシミリ、複写機などがある。これらの記録装置に用いられる記録方式として電子写真方式やインクジェット記録方式などが採用されている。
記録手段としての記録ヘッドに形成された吐出口から吐出される微小なインク液滴を記録用紙等の被記録材に付着させることで記録物(印刷物等)を得るインクジェット記録方式の記録装置(インクジェット記録装置)は、電子写真方式等の他の記録方式に比べて装置が安価であり、小型化が容易であり、普通紙への事務文書の記録から専用紙や布等の被記録材への写真画像の記録まで幅広い記録物を手軽に得ることができることから、広く普及している。また、小型化に有利な点を生かして携帯型のインクジェット記録装置も提案されている。
【0003】
このようなインクジェット記録装置においては、記録情報に基づいて記録ヘッドの吐出口に通じる流路に設けられた吐出エネルギー発生手段を駆動することで該流路中の記録液(以下でインクという)に吐出エネルギーを付与し、吐出口からインク滴を吐出することにより被記録材上に記録がなされる。
その際、インク吐出に伴って発生する微小気泡が前記液路内に滞留したり、あるいは、インク供給系やその接続部等を介して混入する気泡が記録ヘッドの長期放置によって大気泡に成長し、この大気泡がインク供給系内等に滞留する場合がある。これらの滞留気泡は、記録ヘッドのインク吐出に悪影響を与え、インクの吐出方向の偏向や吐出不良等の吐出状態の乱れに起因する記録画像の画質低下の原因になることがある。
【0004】
また、記録が行われない状態で放置されると、吐出口からインク中の水分が蒸発してインクの粘度が増加したり、インク中の染料濃度が増大することがあり、その結果、吐出口内のインクの増粘や固着による不吐出や記録濃度の変化(乱れ)を招くことになる。また、空気中に滞留しているゴミや被記録材の紙粉等が記録ヘッドの吐出口近傍に付着したり吐出口内に進入することによっても、同様のインク吐出不良を招くことがある。
【0005】
このようなインクの吐出不良を防止する手段として、例えば記録領域外に記録ヘッドの吐出口面に当接可能なキャップを配設し、該キャップで吐出口を覆うことによりインクの蒸発を低減したり、該キャップに接続された吸引ポンプ等の負圧発生手段によって吐出口からインクと共に気泡やゴミ等を吸引除去すること(吸引回復動作)が行われている。さらには、ワイパーブレード等の掃拭手段によって吐出口面に付着したインクやゴミ等を除去すること(ワイピングによる回復処理)を行うこともある。
【0006】
また、カラー画像を記録するインクジェット記録装置においては、例えばイエロー、シアン、マゼンタ等の複数色のインクを吐出する複数の記録ヘッドを設け、各々の記録ヘッドごとにキャップで吐出口を覆うキャッピング手段と該キャッピング手段を介して吐出口からインクを吸引する吸引ポンプ等の負圧発生手段とを配設することにより、吐出口におけるインクの増粘や固着によって発生する目詰まりを防止したり、このような目詰まりを解消して吐出性能を回復させることが行われている。
【0007】
しかしながら、イエロー、シアン及びマゼンタの3色の記録ヘッドごとにキャッピング手段及び吸引手段(負圧発生手段)を設ける構成では、吸引回復機構を含む吐出回復ユニットが大型化し、カラーインクジェット記録装置の小型化、軽量化の妨げになる。そこで、イエロー、シアン及びマゼンタのインクを吐出する各吐出口(吐出口列)を共通の(1つの)キャップで密封するキャッピング手段を設けることにより、カラーインクジェット記録装置の吸引回復機構の部分を小型化することで、記録装置の小型、軽量化及びコストダウンを図る方法が提案されている。
【0008】
また、キャップ内には吸引手段(吸引ポンプ等)に通じる吸引口が設けられており、さらに、吐出口から排出されたインクを素早く吐出口面から切り離す(引き剥がす)ためのインク吸収体をキャップ内に装填することも行なわれている。さらには、キャップ内のインク吸収体の表面と記録ヘッドの吐出口面との距離を一定に保つとともに該インク吸収体を所定位置に固定するために、該インク吸収体を上部から押さえる押さえリブをキャップ内壁面の数カ所に形成することも行なわれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記インク吸収体は製造及び組み付け等の様々な行程で形状が微小に変形することがあり、当該変形を前記キャップ内の押さえリブで抑えきれない場合、該キャップ内の吸引口とインク吸収体との間に隙間が生じてしまう。
また、インク吸収体には、インク中の水分や溶剤によって膨張するという膨潤が発生しやすく、そのため、通常では、該インク吸収体の形状は膨潤後のサイズを想定して設定されている。それ故、インク吸収体が膨潤しきるまでは、キャップ内のインク吸収体の周りに空間が生じることになり、さらにインク吸収体に反り等の変形がある場合には、前記押さえリブの効果もなくなり、キャップ内の前記吸引口と前記インク吸収体との間に隙間が生じてしまう。
【0010】
加えて、近年、インクジェット記録装置の高画質化及び高スループット化を実現するために記録ヘッドの吐出口をマルチ化(多数化、高密度化)する傾向にあり、それに伴う記録ヘッドの大型化によってキャップ及びインク吸収体も大型化する傾向にある。そのため、キャップ内におけるインク吸収体の変形量(変位量)も増大し、吸引口とインク吸収体との間に発生する隙間も大きくなる傾向にある。
【0011】
キャップ内の吸引口とインク吸収体との間に前述のような隙間が生じると、吸引ポンプ等の負圧発生手段によってキャップ内に負圧を発生させても、インク吸収体を介さずにキャップ内に負圧が発生するため、インク吸収体には十分な負圧が生じないことになる。インク吸収体に十分な負圧が発生しないと、吐出口から排出された廃インクをインク吸収体によって吸収しきれなくなり、インク吸収体の表面で廃インクが溢れ気味になり、これら廃インクが記録ヘッドの吐出口面とキャップ内のインク吸収体との間でインクの柱を形成するようになる。また、カラー用記録ヘッドの場合にイエロー、シアン及びマゼンタ等の複数色を共通のキャップでキャッピングする場合には、吐出口面上でこれらのインクが混じり合ってしまい、混色の問題が発生しやすくなる。
【0012】
また、通常では、記録ヘッドの吐出口にはインク供給系における水頭差やインク吸収体等による毛細管力によって常に弱い負圧が発生しているため、吸引回復動作が終了した後にキャップ内が大気圧に戻ったときに、前記インク吸収体の表面で溢れていたインクの柱が吐出口内の負圧によって該吐出口内へ侵入し、混色が発生するという不都合がある。
通常、このような混色の対策として、画像記録形成の前に吐出口からインクを吐出する予備吐出を行うことにより、吐出口内に浸透した廃インクを排出する方法が採られているが、これでは、前記混色の程度によっては大量の予備吐出を必要とし、インクの無駄な消費量が増大することになる。
【0013】
本発明は上述のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、インクを吐出して記録を行う記録手段の吸引回復動作において、キャップ内のインク吸収体に反り等の変形がある場合でも、吐出口から排出されたインクを吐出口面から素早く引き剥がすとともにキャップ外へ素早く排出することができ、それによって、キャップ内を大気に開放する際にキャップ内のインクが吐出口面に付着することに起因する混色を防止し、安定した吸引回復動作を実行することができるインクジェット記録装置の吸引回復機構を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、記録手段の吐出口を覆うことで密閉空間を形成するための凹部を有するキャップと該キャップに流路を介して接続された負圧発生手段とを用いて吐出口からインクを吸引するように構成されたインクジェット記録装置の吸引回復機構において、前記キャップは、前記吐出口面に当接した際に該吐出口面との間に密閉空間を形成するための凹部と、前記凹部内に装填されるインク吸収体と、前記凹部の底面に設けられ流路を介して負圧発生手段に連通された吸引口と、を備え、前記吸引口の頭頂部が前記凹部の底面よりも高くなっていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。
図1は本発明を適用した吸引回復機構を用いるのに好適なインクジェット記録装置の概略構成を示す模式的斜視図である。図1において、記録手段としての記録ヘッド(インクジェットユニット)11は、記録用紙等の被記録材Pに対して往復移動するキャリッジ13に搭載されている。この記録ヘッド11は記録情報に基づいて吐出口から被記録材Pへインク滴を吐出することにより該被記録材P上に画像(文字や記号等を含む)を記録していくものである。
【0016】
前記キャリッジ13は、装置本体に設置されたガイドシャフト12によって往復移動(主走査)可能に案内支持されており、キャリッジモータ15の駆動により駆動ベルト14を介して前記ガイドシャフト12に沿って往復移動させられる。前記ガイドシャフト12と平行に、前記キャリッジ13の駆動を制御するためにその位置を検知するエンコーダ(不図示)が配置されている。
記録用紙やプラスチック薄板等から成る前記被記録材Pは、搬送ローラ(不図示)により記録部を通して矢印方向に搬送されるとともに該記録部の下流側に配置された排紙ローラ17に挟持され、不図示の搬送モータの駆動に伴って搬送され記録された後に装置本体外へ排出される。
【0017】
図1において、キャリッジ13の移動範囲内であって記録領域を外れた位置には、キャリッジ13のホームポジション(HP)が選定され、該ホームポジションの近傍にはキャップ16及び負圧発生手段(不図示)を有する吐出回復ユニットが配設されている。記録を行わないときには、キャリッジ13をホームポジション(HP)へ移動させてキャップ部16により記録ヘッド11の吐出口を密閉することにより、吐出口からのインク溶剤蒸発に起因するインクの固着や紙粉等のホコリなどの異物の付着等に起因する吐出口の目詰まりを防止する。
【0018】
また、前記キャップ16の機能は、記録頻度の低い吐出口のインクの増粘や固着に起因する吐出不良や目詰まりを解消するために予備吐出される廃インクを受けたり、キャッピング状態で該キャップに接続された負圧発生手段を作動させて吐出口に負圧を作用させることにより該吐出口からインクを吸引することで、吐出不良を起こした吐出口の吐出性能を維持回復させる吸引回復動作を行うことである。また、通常、前記キャップ16の隣接位置にワイパーブレードから成るワイピング手段(拭き取り清掃手段)を設け、記録ヘッド11の吐出口をクリーニングすることが可能なように構成されている。
【0019】
前記記録手段(記録ヘッド)11は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。また、前記記録ヘッド11は前記電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰により気泡の成長、収縮により生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させることで記録を行うものである。
【0020】
図2は図1のインクジェット記録装置において使用するのに好適な記録手段のインク吐出部を被記録材側から見て示す模式的外観斜視図であり、図3は図1のインクジェット記録装置において使用するのに好適な記録手段のインク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図である。図2及び図3において、記録手段としての記録ヘッド11のフェイス面(吐出口面)81には複数の吐出口82が形成されており、各吐出口82に連通する液路(流路部分)84のそれぞれにはエネルギー発生素子85が配置されている。このエネルギー発生素子85は、吐出口82からインク滴を吐出するのに必要なエネルギーを発生するものであり、本実施形態では発熱素子等の電気熱変換体で構成されている。図2中の矢印yはキャリッジ13(記録ヘッド11)の走査方向を示す。また、図3中の符号86は記録ヘッド11の温度を検知するためのサーミスタを示す。
【0021】
図4はインクジェット記録装置の記録手段の吐出口を覆うためのキャッピング機構の一例を示す模式的斜視図である。図4において、図示の例では、記録ヘッド11の吐出口面81には3種類の異なる色のインク(例えばシアン、マゼンタ、イエローのインク)を吐出する3列の吐出口列88a、88b、88cが形成されており、このような複数色の吐出口を有する吐出口面81を共通のキャップ16でキャッピングするように構成されている。前記記録ヘッド11の内部には、前記3種類のインクのそれぞれを個別に貯留するための3つの独立した液室(不図示)が形成されている。前記キャップ16は、その周辺密封部を吐出口面81の周辺部に圧接することにより、前記複数色の吐出口列88a、88b、88cを同一凹部内に密閉するものである。また、このキャップ16の背面(凹部の底面)には吸引ポンプに連通されたチューブ208aと大気連通弁に連通されたチューブ208bが接続されている。
【0022】
次に本発明を適用したインクジェット記録装置の吸引回復機構の構成について説明する。
図5は本発明を適用したインクジェット記録装置の吸引回復機構(主としてキャップの部分)の第1実施例の要部構成を示す模式的縦断面図であり、図6は図5の吸引回復機構の模式的斜視図である。図5及び図6において、キャップ16の開放端面の周囲には記録ヘッド11の吐出口面81に当接する封止部となる当接リブ201が形成されている。この当接リブ201は、弾性変形可能なゴム状弾性材で作られている。つまり、前記当接リブ201は、これをフレキシブル性能を発揮するゴム状弾性材で作ることにより、吐出口面に凹凸があったり、僅かな吸引負圧が作用する場合でも、吐出口82を密閉するキャッピング状態をリークさせないように構成されている。
【0023】
キャップ16自体も、前記当接リブ201と同様のゴム状弾性材で形成されている。このキャップ16は、キャッピング時に負圧発生手段(吸引ポンプ等)を作動させて内部に負圧が発生した場合でも形状が変形しないように、その内部に硬質プラスチック等の強度部材が埋設されている。キャップ16の内部(吐出口面81に当接した際に該吐出口面との間に密閉空間を形成するための凹部)にはインク吸収体203が装填されている。このインク吸収体203は、例えばポリビニールアルコールの発泡体やパウダー焼結等による多孔質体などで形成されている。また、前記インク吸収体203は、キャップ16を吐出口面81に当接させた状態でもその表面が吐出口面81に当接せず、かつその表面と吐出口面81との間の距離が該吐出口面81に付着するインクの表面張力によって形成されるインク球(球状インク滴)の半径以下となるように選定されている。
【0024】
キャップ16の内壁面の複数箇所には該キャップと同じ材質の押さえリブ202が形成されている。この押さえリブ202は、前記インク吸収体203に被さるような位置に配置され、該インク吸収体203がキャップ16の内部で位置ずれしたり変形したりしないように押さえるとともに、キャッピング時における吐出口面81とインク吸収体203との間の距離を一定に保つためのものである。
前記押さえリブ202の配置は、例えば図6中に示すように、キャップ16の内周面の等間隔位置に均等に形成することにより、インク吸収体203を均一に押し付けて固定するように選定されている。
【0025】
キャップ16の凹部の底面(背面)には吸引口205と大気連通口206が形成されている。前記吸引口205はチューブ208aを介して負圧発生手段としての吸引ポンプ207に接続されており、該吸引口205の頭頂部はキャップ16の凹部の底面よりも高くなっている。ただし、該吸引口205の頭頂部の前記キャップ内底面からの高さHは、インク吸収体203がキャップ内底面(凹部の底面)から浮き上がらない程度に選定されている。例えば、インク吸収体203の弾力性が高い場合には、押さえリブ202によって該インク吸収体に下向きの力を加えることによって吸引口205の頭頂部を該インク吸収体の下面にめり込ませることで、該インク吸収体203がキャップ底面(キャップ内の凹部の底面)から浮き上がることがないように設定されている。その際、吸引口205のキャップ内底面からの突出高さHをある程度高く設定することにより、インク吸収体203と吸引口205との密着性を高めることが可能である。
【0026】
逆にインク吸収体203の弾力性が低い(乏しい)場合には、押さえリブ202によって該インク吸収体に下向きの力を加えても該インク吸収体203の変位量がわずかであるため、吸引口205のキャップ内底面からの突出高さHを大きく設定するとインク吸収体203が浮き上がってしまう。従って、この場合は、吸引口205のキャップ内底面からの突出高さHはインク吸収体203が持ち上げられないような適正な高さに設定する必要がある。本実施例においては、前記大気連通口206のキャップ内底面からの突出高さも、前述の吸引口205の場合と同様の観点から、該吸引口205の場合と同じ高さHに設定されている。
【0027】
前記吸引口205がチューブ208aを介して負圧発生手段としての吸引ポンプ207に接続されているのに対して、前記大気連通口206はチューブ208bを介して大気連通弁209に接続されている。そして、前記大気連通口206を前記大気連通弁209によって開閉することにより、キャップ16内を大気に開放したり大気から密閉するように構成されている。前記大気連通弁209の開閉手段としては種々の駆動手段を使用することができる。また、前記負圧発生手段(吸引ポンプ)207としては、キャップ16内に負圧を発生させ得るものであれば、どのような形式のものを使用しても良い。また、本実施例では、キャップ16内に大気を導入する手段として前記大気連通口206を用いる場合を例示したが、これに代えて、キャップを記録ヘッド11の吐出口面81からずらしてリークさせることによってキャップ内を大気に連通させる方法を採るキャップ構成を使用しても良い。
【0028】
図7は本発明によるインクジェット記録装置の吸引回復機構の動作のシーケンスを示すフローチャートである。次に、吸引回復動作におけるシーケンスを図7のフローチャートを用いて説明する。図7において、先ず、記録ヘッド11をキャップ16の真上(通常、ホームポジションHPに相当する)に移動させた後、キャップ16を記録ヘッド11の吐出口面81に当接させて吐出口82をキャッピングする(ステップ1)。次に大気連通弁209を閉にしてキャップ16内を密閉状態にする(ステップ2)。ここで、ステップ1のキャッピングの前に大気連通弁209を閉としない理由は、大気連通弁209が閉の状態でキャッピングすると、キャップ16の内部が加圧され、キャップ16内の空気が吐出口82内に押し込まれることから、このような吐出口82への空気の押し込みを防止するためである。
【0029】
次に、ステップ3で負圧発生手段(吸引ポンプ)207を作動させてキャップ16内に負圧を発生させる(ステップ3)。そして、吐出口82内の負圧よりもキャップ16内の負圧の方が大きく(強く)なると、該吐出口82からインクが吸引排出され始める。このときの吸引ポンプ207の吸引速度及び動作時間は、吸引回復動作としての機能を充分に発揮できるパラメータに設定する必要がある。所定時間の吸引回復動作を終えた後、吸引ポンプ(負圧発生手段)207を停止させる(ステップ4)。このとき、キャップ16内には吸引ポンプの吸引作動による負圧が残留しているため、しばらくこの状態でキャップ16内の負圧がある程度低く(弱く)なるまで待機する(ステップ5)。
【0030】
キャップ16内の負圧がある程度まで弱くなったところで大気連通弁209を開弁し、キャップ16内を大気に開放する(ステップ6)。この場合、前記ステップ5の待機時のキャップ16内負圧が充分残っている状態で大気連通弁209を開弁にすると、大気連通口206を通じて急激にキャップ16内に空気が入り込み、インク吸収体203に浸透している廃インクを飛び散らせ、この廃インクが吐出口面81に付着することで各色の吐出口に混色が発生することがある。そのため、ステップ6で大気連通弁209を開くタイミングは、キャップ16内の負圧が充分に低減するまで待機した後で実行するように選定する必要がある。本実施例では、ステップ5の待機時間を約1秒に選定することでキャップ16内負圧を充分に低下させることができたが、条件によっては、ステップ4で吸引ポンプ207を停止させた際のキャップ16内の負圧値、並びにその後の負圧減少の速度によってステップ5の待機時間を適正化することができる。
【0031】
次に、ステップ6の大気連通弁209の開放と同時又は直後に吸引ポンプ207を再び作動させる(ステップ7)。このときには、キャップ16の内部が大気に開放されているので、該キャップ16の内部に負圧を発生させることなく、インク吸収体203内に浸透している(しみ込んでいる)廃インクをキャップ16の外へ排出することができる(ステップ7)。最後に、ステップ8で、キャップ16を記録ヘッド11の吐出口面81から離脱させてキャッピングを解除した後、ステップ9で吸引ポンプ(負圧発生手段)207を停止する。以上により、一連の吸引回復動作を終了する。
【0032】
ここで、図23〜図27を用いて、本発明を適用する前のインクジェット記録装置の吸引回復機構のキャップ部の構成及び吸引回復動作時の状態を説明する。
ここでは、特にインク吸収体203の中央部が反りによってキャップ底面から僅かに浮いている場合(凸型)、並びに吸引口の頭頂部の高さとキャップ内部の底面の高さとが同じである場合(フラット型)に、吸引回復動作を実施したときの状態について説明する。
【0033】
図23は本発明を適用する前のインクジェット記録装置の吸引回復機構の吸引回復動作を行う前の初期状態を示す模式的縦断面図であり、図24はキャップ16を記録ヘッド11の吐出口面81に当接させてキャッピング状態で負圧発生手段としての吸引ポンプ207を作動させたときの状態を示す模式的縦断面図であり、図25は図24の状態からしばらく経ってキャップとインク吸収体との間の隙間へインクが流れ出した状態を示す模式的縦断面図であり、図26は図25の状態からさらに吸引して廃インクをキャップ外へ排出する状態を示す模式的縦断面図であり、図27は図26に示すようなインクの吸引動作を終了した後に大気連通弁209を開弁してキャップ16内を負圧から大気圧に戻したときの状態を示す模式的縦断面図である。
【0034】
図23に示すような吸引回復動作を行う前の初期状態では、キャップ16の押さえリブ202によってインク吸収体203の反りはある程度矯正されるが、インク吸収体203の表面と押さえリブ202との間のギャップ(隙間)がある場合や、該インク吸収体203の反りが該押さえリブ202では矯正しきれないような強い反りである場合には、該インク吸収体203とキャップ16内の底面との間に図示のような隙間が形成される。本実施例のようにインク吸収体203の中央部が反っている場合、該インク吸収体203とキャップ16内底面に形成された吸引口205及び大気連通口206との間に隙間が形成されてしまう。
【0035】
図23の状態からキャップ16を記録ヘッド11の吐出口面81に当接させてキャッピング状態で負圧発生手段としての吸引ポンプ207を作動させたときの状態(図24)では、キャップ16内に負圧が発生し、このキャップ16内の負圧が吐出口82内の負圧よりも強くなった時点で吐出口82からインクが吸引(排出)される。吸引口205からはキャップ16内の流路抵抗が小さい部位を通してインクや空気を吸引しようとするので、例えば図24中のインク吸収体203とキャップ16との間に形成される隙間(a)、(b)を通して積極的に空気が排出(吸引)されることになり、インク吸収体203の内部には負圧がほとんど発生しない。
【0036】
このようにインク吸収体203の内部には負圧がほとんど発生しないので、吐出口82から排出された廃インクは、吸引動作を開始した後しばらく経つと図25に示すようにキャップとインク吸収体との間の隙間へインクが流れ出すが、インク吸収体203にはあまり吸収されない。すなわち、吐出口82から排出された廃インクは、図25に示すように、インク吸収体203の表面に滞留した後、しばらくしてキャップ16内の前記隙間(a)、(b)内へ流れ出すことになる。さらに吸引すると、図26に示すように、吐出口82から吸い出された廃インクは吸引口205を介してキャップ16の外へ排出される。
【0037】
その後は、吸引ポンプ207によってキャップ16内から排出された分だけ吐出口82からインクが排出されることになり、インク吸収体203上で溢れているインク量は変わらず、従って、吐出口面81とインク吸収体203の表面との間には、インクの表面張力によって図26に示すようなインクの柱が形成される。そのため、イエロー、シアン及びマゼンタ等の複数色を用いるカラー用記録ヘッドを共通のキャップでキャッピングする場合には、吐出口81面上でこれらのインクが混じり合ってしまい、混色の問題が発生しやすくなる。
【0038】
吐出口面81とインク吸収体203との間にインクの柱が形成された図26の状態で大気連通弁209を開弁すると、その瞬間にキャップ16の内部は負圧から大気圧に戻される。その際、大気連通弁209の開弁と同時又は直後に吸引ポンプ207が作動されることから、吐出口面81とインク吸収体203の表面との間に形成されているインクの柱は消滅するが、このインクの柱が消滅するわずかの時間内に吐出口82内部の負圧によってキャップ16内の廃インクが該吐出口82内へ吸引され、キャップ16内から吐出口82内へ逆流するインクによって各色インクの吐出口の間で混色が発生する。つまり、記録ヘッド11の吐出口82にはインク供給系における水頭差やインク吸収体203等による毛細管力によって常に弱い負圧が発生しているため、吸引回復動作が終了した後にキャップ内が大気圧に戻されたときに、インク吸収体203の表面で溢れていたインクの柱が吐出口内の負圧によって該吐出口内へ侵入し、混色が発生するという不都合が生じることになる。
【0039】
次に、図8〜図13を用いて、本発明を適用したインクジェット記録装置の吸引回復機構の第1実施例(図5及び図6に示す第1実施例)の吸引回復動作時の状態を説明する。図8は本発明を適用したインクジェット記録装置の吸引回復機構の第1実施例においてキャップ16を記録ヘッド11の吐出口面81に当接させてキャッピング状態にしただけの吸引回復動作を行う前の初期状態を示す模式的縦断面図であり、図9は図8のキャッピング状態で負圧発生手段としての吸引ポンプ207を作動させたときの状態を示す模式的縦断面図であり、図10は図9の状態から吸引ポンプ207の作動によって吐出口82から排出された廃インクがインク吸収体203内に素早く吸収されていく状態を示す模式的縦断面図であり、図11は図10の状態からインク吸収体203に吸収された廃インクが吸引口205を通して素早くキャップ16から外部へ排出される状態を示す模式的縦断面図であり、図12は所定量のインク吸引を実行した後で吸引ポンプ207を停止させたときの状態を示す模式的縦断面図であり、図13は図12の状態(インクの吸引動作を終了した後)で大気連通弁209を開弁してキャップ16内を負圧から大気圧に戻したときの状態を示す模式的縦断面図である。
【0040】
図8に示すような吸引回復動作を行う前の初期状態では、吸引口205の突出高さHによってインク吸収体203に多少の反りが生じたり、インク吸収体203自体が多少浮き上がっても、該インク吸収体203と吸引口205とは確実に当接するができる。なお、本実施例では大気連通口206も吸引口205と同様にキャップ16の底面から高さHだけ突出しているが、この大気連通口206の方はキャップ16の底面と同じ高さであっても以下に説明するような本発明の作用効果を達成することができる。
【0041】
先ず、記録ヘッド11の吐出口面81にキャップ16を当接させて図9に示すように吐出口82を密閉した状態で吸引ポンプ207を作動させると、該吐出口82からインクが排出される。そして、本実施例においては、インク吸収体203に対して吸引口205が確実に当接しているので、吸引ポンプ207により生じた負圧が吸収体203の内部の全域に行き渡ることになり、従って、図10に示すように、吐出口82から排出された廃インクはインク吸収体203によって素早く吸収される。
【0042】
次いで、上記インク吸収体203に吸収された廃インクは、図11に示すように、該インク吸収体203に当接した吸引口205を通して素早くキャップ16から外部へ排出される。なお、図9〜図11の吸引動作の際には、図示のように、吐出口面81とインク吸収体203との間にインクの柱が形成されている。
次いで、所定量のインク吸引を実行した後で吸引ポンプ207を停止すると、吐出口面81とインク吸収体203との間に形成されていたインクの柱は図12に示すように消滅する。この吐出口面81とインク吸収体203との間のインクの柱が消滅する理由は、本実施例では、吐出口面81とインク吸収体203との間に溢れている廃インクが元々少量なのに加えて、吸引ポンプを停止させた時点でもインク吸収体203には充分な吸収能力が残されているためである。
【0043】
そして、上記図12の吸引動作を完了した後の状態で大気連通弁209を開弁して図13の状態にすると、キャップ16の内部は負圧状態から大気圧状態に戻される。本実施例では、図12及び図13に示すように吸引動作を完了した後に大気連通弁209を開弁してキャップ16の内部を大気開放状態にしても、記録ヘッド11の吐出口面81には廃インクは何ら付着しておらず、従って、カラー記録用の記録ヘッドを共通のキャップでキャッピングして吸引回復動作を行う場合でも、異なる色のインクが吐出口内に侵入することがなく、混色を生じることはない。
【0044】
図5、図6及び図8〜図13の第1実施例におけるキャップ構成によれば、インク吸収体203に多少の反り(変形)があっても、吸引口205とインク吸収体203とが常に当接しているため、該インク吸収体203の内部全域に負圧を発生させることができ、それによって、吐出口面81とインク吸収体203との間にインクの柱が形成される現象を無くすことができ、複数色のインクを用いる場合でも混色のない安定した吸引回復動作を実施することが可能になる。
【0045】
次に図14〜図18を用いて本発明を適用したインクジェット記録装置の吸引回復機構の第2実施例の構成及び吸引回復動作時の状態を説明する。図14は本発明を適用したインクジェット記録装置の吸引回復機構の第2実施例においてキャップ16を記録ヘッド11の吐出口面81に当接させてキャッピング状態にしただけの吸引回復動作を行う前の初期状態を示す模式的縦断面図であり、図15は図14のキャッピング状態で負圧発生手段としての吸引ポンプ207を作動させることにより吐出口からインクを排出させたときの状態を示す模式的縦断面図であり、図16は図15の状態からインク吸収体に吸収された廃インクが吸引口205を通して外部へ排出される状態を示す模式的縦断面図であり、図17は所定量のインク吸引を実行した後で吸引ポンプ207を停止させたときの状態を示す模式的縦断面図であり、図18は図17の状態(インクの吸引動作を終了した後)で大気連通弁209を開弁してキャップ16内を負圧から大気圧に戻したときの状態を示す模式的縦断面図である。
【0046】
図14において、インク吸収体203の下面部(底面部)に突起部212(図示の例では吸引口205及び大気連通口206に対応する2箇所)が形成されている。この突起部212は、吸引口205の内径部及び大気連通口206の内径部と略同じ形状寸法を有しており、該突起部212の組織構造を変形しない程度の圧力で吸引口205及び大気連通口206に挿入(嵌合)されている。なお、本実施例では吸引口205と同様に大気連通口206にも突起部212を挿入する構成にしたが、これは、吸引口205側のみに突起部212を設け、大気連通口206側には突起部を設けない構成にしても良い。つまり、吸引口205側に突起部212が形成されていれば、以下に述べる作用効果と同様の作用効果を達成することができる。
【0047】
図14において、通常では、キャップ16の内壁面の周囲の複数箇所に形成された押さえリブ202と吸引口205へ挿入されたインク吸収体203の突起部212によって、キャップ16内に装填されるインク吸収体203の通常の反りを矯正することでキャップ16の底面からの浮きを無くすことができる。しかし、インク吸収体203に強力な反りが形成されている場合には、図14に示すように、インク吸収体203の底面はキャップ16の内部の底面からある程度浮き上がっている。ただし、インク吸収体203の2箇所に形成された突起部212は吸引口205及び大気連通口206に対し所定の長さだけ挿入されている。
【0048】
図14の状態で吸引ポンプ207を作動させて吸引回復動作を実行すると、インク吸収体203の突起部212が吸引口205に挿入されていることから、図15に示すように、吸引ポンプ207により発生した負圧はインク吸収体203の内部の全域に均一に行き渡って作用し、そのため、記録ヘッド11の吐出口82から吸引排出された廃インクはインク吸収体203によって素早く吸い取られ(吸収され)、次いで、この廃インクは図16に示すように吸引口205を通してキャップ16の外部へスムーズに排出される。
図16のインク吸引を所定量実行した後に吸引ポンプ207を停止すると、吐出口面81とインク吸収体203との間に形成されていたインクの柱は図17に示すように消滅する。この吐出口面81とインク吸収体203との間のインクの柱が消滅する理由は、本実施例でも、吐出口面81とインク吸収体203との間に溢れている廃インクが元々少量なのに加えて、吸引ポンプ207を停止させた時点でもインク吸収体203には充分な吸収能力が残されているためである。
【0049】
そして、上記図17の吸引動作を完了した後の状態で大気連通弁209を開弁して図18の状態にすると、キャップ16の内部は負圧状態から大気圧状態に戻される。本実施例では、図17及び図18に示すように吸引動作を完了した後に大気連通弁209を開弁してキャップ16の内部を大気開放状態にしても、記録ヘッド11の吐出口面81には廃インクは何ら付着しておらず、従って、カラー記録用の記録ヘッドを共通のキャップでキャッピングして吸引回復動作を行う場合でも、異なる色のインクが吐出口内に侵入することがなく、混色を生じることはない。この場合、充分な待機後に大気連通弁209を開弁してキャップ16内を大気連通させても、吐出口面81に廃インクが付着することがないので、同様に異色インク間の混色を防止することができる。
【0050】
図14〜図18の第2実施例ではインク吸収体203の中央部に突起部212を形成したが、この突起部212の位置は特に限定されるものではなく、吸引口205にインク吸収体203の突起部が挿入されている構成であれば良い。図19は前述の第2実施例の変形例を示す模式的縦断面図であり、図19の構成では、前述の突起部212がインク吸収体203の端部(大気連通口206にも突起部212を挿入する図示の例では両端部)に形成されており、このような構成によっても図14〜図18の第2実施例の場合と同様の混色防止の作用効果を達成することができる。
【0051】
なお、前記インク吸収体203の突起部212の長さ(突出高さ)は、該インク吸収体203の反りを矯正するためにはある程度深く吸引口205内に挿入されていることが必要だが、必要以上に深く挿入すると、空気及びインクによる流路抵抗の増加により充分なインク吸引性能を発揮できなくなることがある。従って、前記突起部212の長さは吸引ポンプ(負圧発生手段)207のポンプ能力あるいはインク吸収体203の材質等の条件によって適宜所定の長さに選定することが好ましい。
【0052】
図20は本発明を適用したインクジェット記録装置の吸引回復機構の第3実施例の模式的斜視図であり、図21は図20の吸引回復機構の長手方向縦断面図であり、図22は図21中の線22−22に沿った縦断面図である。図20〜図22において、キャップ16の内部の凹部の底面(背面)には該キャップの長手方向に延びるリブ213が形成され、該リブ213の頂面に吸引口205及び大気連通口206が開口している。前記リブ213の頂面はキャップ16の内部底面よりも所定高さ(通常わずかの高さ)だけ高くなるように選定されており、キャップ16の内部にインク吸収体203を装填するとともに該インク吸収体203を押さえリブ202で保持した状態では、前記リブ213の頂面がインク吸収体203の底面と当接し、前記リブ213の頂面が図22に示すように前記インク吸収体の底面を変形させて該インク吸収体203内にめり込んだ状態(圧接状態)で接触する。従って、前記リブ213の頂面に形成された吸引口205及び大気連通口206は前述の第1実施例の場合と同様にインク吸収体203に所定の接触圧で当接することになる。
【0053】
図20〜図22の第3実施例は、以上説明した点で前述の第1実施例及び第2実施例と相違しているが、その他の部分は実質的に同じように構成されており、対応する部分を同じ符号で示し、それらの詳細説明は省略する。
図20〜図22の構成によっても、第1実施例及び第2実施例の場合と同様、インク吸収体203に反りなどの変形が存在する場合でも、吸引ポンプ207で生じた吸引負圧は必ずインク吸収体203の内部に作用することになり、インク吸収体203の内部を含む全域に安定した吸引能力を発生させることができ、それによって、前述の第1実施例及び第2実施例の場合と同様の作用、効果を発揮することができ、カラー用記録ヘッドを同一キャップでキャッピングして吸引回復動作を行うときでも、吐出口面81に付着した各色のインクによる混色を防止することができる。
【0054】
すなわち、本発明に係る吸引回復機構は、キャップ16内の吸引口205とインク吸収体203との密着性を向上させることにより、負圧発生手段(吸引ポンプ)207による吸引負圧をインク吸収体203の全体に行き渡らせ、記録ヘッド11の吐出口82から排出されたインクを素早く吐出口面81から順次引き剥がすとともに、引き剥がしたインクを素早くキャップ16から順次外部へ排出し、それによって、キャップ16内で廃インクが溢れないようにすることで、複数色の吐出口を共通のキャップでキャッピングして吸引回復動作を行う場合でも、混色のない安定した吸引回復動作を行うことを可能にするものである。
【0055】
そして、本発明に係る吸引回復機構によれば、インク吸収体203に製造工程あるいは経時変化などによる反りや変形があっても、吸引口205とインク吸収体203との密着性を高めることができるので、負圧発生手段(吸引ポンプ)207で生じた負圧をインク吸収体203の全体に安定して行き渡らせることができる。その結果、吸引負圧によって記録ヘッド11の吐出口82から排出された廃インクを吐出口面81から素早く引き剥がすことができ、さらにこの廃インクをキャップ16の外へ素早く排出することができ、それによって、吸引回復動作中の大気連通時に吐出口面81にキャップ内の廃インクが付着することを効果的に阻止することができ、異なるインク間の混色を効果的に防止することができるインクジェット記録装置の吸引回復機構が提供される。
【0056】
以上説明した実施例においては、以下に列挙するような本発明の実施態様が記載されている。
実施態様1:記録手段の吐出口を覆うことで密閉空間を形成するための凹部を有するキャップと該キャップに流路を介して接続された負圧発生手段とを用いて吐出口からインクを吸引するように構成されたインクジェット記録装置の吸引回復機構において、前記キャップは、前記吐出口面に当接した際に該吐出口面との間に密閉空間を形成するための凹部と、前記凹部内に装填されるインク吸収体と、前記凹部の底面に設けられ流路を介して負圧発生手段に連通された吸引口と、を備え、前記吸引口の頭頂部が前記凹部の底面よりも高くなっていることを特徴とするインクジェット記録装置の吸引回復機構。
【0057】
上記実施態様1の構成によれば、インクを吐出して記録を行う記録手段の吸引回復動作において、キャップ内のインク吸収体に反り等の変形がある場合でも、吐出口から排出されたインクを吐出口面から素早く引き剥がすとともにキャップ外へ素早く排出することができ、それによって、キャップ内を大気に開放する際にキャップ内のインクが吐出口面に付着することに起因する混色を防止し、安定した吸引回復動作を実行することができるインクジェット記録装置の吸引回復機構が提供される。
【0058】
実施態様2:記録手段の吐出口を覆うことで密閉空間を形成するための凹部を有するキャップと該キャップに流路を介して接続された負圧発生手段とを用いて吐出口からインクを吸引するように構成されたインクジェット記録装置の吸引回復機構において、前記キャップは、前記吐出口面に当接した際に該吐出口面との間に密閉空間を形成するための凹部と、前記凹部内に装填されるインク吸収体と、前記凹部の底面に設けられ流路を介して負圧発生手段に連通された吸引口と、を備え、前記インク吸収体の一部が前記吸引口の内部に挿入されていることを特徴とするインクジェット記録装置の吸引回復機構。
このような構成によっても、上記実施態様1の場合と同様の作用効果を達成することができる。
【0059】
実施態様3:記録手段の吐出口を覆うことで密閉空間を形成するための凹部を有するキャップと該キャップに流路を介して接続された負圧発生手段とを用いて吐出口からインクを吸引するように構成されたインクジェット記録装置の吸引回復機構において、前記キャップは、前記吐出口面に当接した際に該吐出口面との間に密閉空間を形成するための凹部と、前記凹部内に装填されるインク吸収体と、前記凹部の底面に設けられ流路を介して負圧発生手段に連通された吸引口と、を備え、前記凹部の底面に該凹部の長手方向に延びるリブを形成し、前記吸引口が該リブの部分に開口していることを特徴とするインクジェット記録装置の吸引回復機構。
このような構成によっても、上記実施態様1の場合と同様の作用効果を達成することができる。
【0060】
実施態様4:前記キャップの凹部の壁面に前記インク吸収体の浮きを押さえる押さえリブを設け、該押さえリブによって前記吸引口の頭頂部が前記インク吸収体に圧接されていることを特徴とする実施態様1又は3に記載されたインクジェット記録装置の吸引回復機構。
実施態様5:前記吐出口面に当接した際の前記吐出口と前記インク吸収体との距離は、該吐出口と該インク吸収体とが当接しない距離であって、インクの表面張力によって形成され得る球状インク滴の半径以下の距離であることを特徴とする実施態様1〜4のいずれかに記載されたインクジェット記録装置の吸引回復機構。
【0061】
実施態様6:記録手段から被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、記録手段の吐出口を覆うことで密閉空間を形成するための凹部を有するキャップと該キャップに流路を介して接続された負圧発生手段とを用いて吐出口からインクを吸引する吸引回復機構を備え、前記キャップの凹部にインク吸収体を装填するとともに該凹部の底面に前記流路を介して前記負圧発生手段に連通された吸引口を設け、該吸引口の頭頂部を前記凹部の底面よりも高くすることを特徴とするインクジェット記録装置。
【0062】
上記実施態様6の構成によれば、インクを吐出して記録を行う記録手段の吸引回復動作において、キャップ内のインク吸収体に反り等の変形がある場合でも、吐出口から排出されたインクを吐出口面から素早く引き剥がすとともにキャップ外へ素早く排出することができ、それによって、キャップ内を大気に開放する際にキャップ内のインクが吐出口面に付着することに起因する混色を防止し、安定した吸引回復動作を実行することができる吸引回復機構を備えたインクジェット記録装置が提供される。
【0063】
実施態様7:記録手段から被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、記録手段の吐出口を覆うことで密閉空間を形成するための凹部を有するキャップと該キャップに流路を介して接続された負圧発生手段とを用いて吐出口からインクを吸引する吸引回復機構を備え、前記キャップの凹部にインク吸収体を装填するとともに該凹部の底面に前記流路を介して前記負圧発生手段に連通された吸引口を設け、前記インク吸収体の一部が前記吸引口の内部に挿入されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
このような構成によっても、上記実施態様6の場合と同様の作用効果を達成することができる。
【0064】
実施態様8:記録手段から被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、記録手段の吐出口を覆うことで密閉空間を形成するための凹部を有するキャップと該キャップに流路を介して接続された負圧発生手段とを用いて吐出口からインクを吸引する吸引回復機構を備え、前記キャップの凹部にインク吸収体を装填するとともに該凹部の底面に前記流路を介して前記負圧発生手段に連通された吸引口を設け、前記凹部の底面に該凹部の長手方向に延びるリブを形成し、前記吸引口が該リブの部分に開口していることを特徴とするインクジェット記録装置。
このような構成によっても、上記実施態様6の場合と同様の作用効果を達成することができる。
【0065】
実施態様9:前記キャップの凹部の壁面に前記インク吸収体の浮きを押さえる押さえリブを設け、該押さえリブによって前記吸引口の頭頂部が前記インク吸収体に圧接されていることを特徴とする実施態様6又は8に記載されたインクジェット記録装置。
実施態様10:前記吐出口面に当接した際の前記吐出口と前記インク吸収体との距離は、該吐出口と該インク吸収体とが当接しない距離であって、インクの表面張力によって形成され得る球状インク滴の半径以下の距離であることを特徴とする実施態様6〜9のいずれかに記載されたインクジェット記録装置。
【0066】
実施態様11:吐出口から被記録材へインクを吐出して記録を行う記録手段の吐出口面に当接することで該吐出口を覆うキャップにおいて、前記吐出口面に当接した際に該吐出口面との間に密閉空間を形成するための凹部と、前記凹部内に装填されるインク吸収体と、前記凹部の底面に設けられ流路を介して負圧発生手段に連通された吸引口と、を備え、前記吸引口の頭頂部が前記凹部の底面よりも高くなっていることを特徴とするキャップ。
上記実施態様11の構成によれば、インクを吐出して記録を行う記録手段の吸引回復動作において、キャップ内のインク吸収体に反り等の変形がある場合でも、吐出口から排出されたインクを吐出口面から素早く引き剥がすとともにキャップ外へ素早く排出することができ、それによって、キャップ内を大気に開放する際にキャップ内のインクが吐出口面に付着することに起因する混色を防止し、安定した吸引回復動作を実行することができるキャップが提供される。
【0067】
実施態様12:吐出口から被記録材へインクを吐出して記録を行う記録手段の吐出口面に当接することで該吐出口を覆うキャップにおいて、前記吐出口面に当接した際に該吐出口面との間に密閉空間を形成するための凹部と、前記凹部内に装填されるインク吸収体と、前記凹部の底面に設けられ流路を介して負圧発生手段に連通された吸引口と、を備え、前記インク吸収体の一部が前記吸引口の内部に挿入されていることを特徴とするキャップ。
このような構成によっても、上記実施態様11の場合と同様の作用効果を達成することができる。
【0068】
実施態様13:吐出口から被記録材へインクを吐出して記録を行う記録手段の吐出口面に当接することで該吐出口を覆うキャップにおいて、前記吐出口面に当接した際に該吐出口面との間に密閉空間を形成するための凹部と、前記凹部内に装填されるインク吸収体と、前記凹部の底面に設けられ流路を介して負圧発生手段に連通された吸引口と、を備え、前記凹部の底面に該凹部の長手方向に延びるリブを形成し、前記吸引口が該リブの部分に開口していることを特徴とするキャップ。
このような構成によっても、上記実施態様11の場合と同様の作用効果を達成することができる。
【0069】
実施態様14:前記キャップの凹部の壁面に前記インク吸収体の浮きを押さえる押さえリブを設け、該押さえリブによって前記吸引口の頭頂部が前記インク吸収体に圧接されていることを特徴とする実施態様11又は13に記載されたキャップ。
実施態様15:前記吐出口面に当接した際の前記吐出口と前記インク吸収体との距離は、該吐出口と該インク吸収体とが当接しない距離であって、インクの表面張力によって形成され得る球状インク滴の半径以下の距離であることを特徴とする実施態様11〜14のいずれかに記載されたキャップ。
【0070】
なお、以上の実施例では、記録手段としての記録ヘッドを主走査方向に移動させながら記録するシリアル型のインクジェット記録装置を例に挙げて説明したが、本発明は、被記録材の全幅または一部をカバーする長さのラインタイプのインクジェットヘッドを用いて副走査(紙送り)のみで記録するライン方式のインクジェット記録装置の場合にも、同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。
【0071】
また、本発明は、記録ヘッドの数にも関わりなく自由に実施できるものであり、1個の記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置の他、異なる色のインクを使用する複数の記録ヘッドを用いるカラー記録用のインクジェット記録装置、あるいは同一色彩で異なる濃度のインクを使用する複数の記録ヘッドを用いる階調記録用のインクジェット記録装置、さらには、これらを組み合わせたインクジェット記録装置の場合にも、同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。
【0072】
さらに、本発明は、記録ヘッドとインクタンクを一体化した交換可能なヘッドカートリッジを用いる構成、記録ヘッドとインクタンクを別体にし、その間をインク供給用のチューブ等で接続する構成など、記録ヘッドとインクタンクの配置構成がどのような場合にも同様に適用することができ、同様の効果が得られるものである。
なお、本発明は、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式のインクジェット記録ヘッドを使用するインクジェット記録装置の他、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用いてインクを吐出する方式のインクジェット記録ヘッドを使用するインクジェット記録装置など、他のインク吐出方式を用いるインクジェット記録装置に対しても同様に提供することができ、同様の作用、効果を達成できるものである。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなごとく、本発明によれば、記録手段の吐出口を覆うことで密閉空間を形成するための凹部を有するキャップと該キャップに流路を介して接続された負圧発生手段とを用いて吐出口からインクを吸引するように構成されたインクジェット記録装置の吸引回復機構において、前記キャップは、前記吐出口面に当接した際に該吐出口面との間に密閉空間を形成するための凹部と、前記凹部内に装填されるインク吸収体と、前記凹部の底面に設けられ流路を介して負圧発生手段に連通された吸引口と、を備え、前記吸引口の頭頂部が前記凹部の底面よりも高くなっている構成としたので、
インクを吐出して記録を行う記録手段の吸引回復動作において、キャップ内のインク吸収体に反り等の変形がある場合でも、吐出口から排出されたインクを吐出口面から素早く引き剥がすとともにキャップ外へ素早く排出することができ、それによって、キャップ内を大気に開放する際にキャップ内のインクが吐出口面に付着することに起因する混色を防止し、安定した吸引回復動作を実行することができるインクジェット記録装置の吸引回復機構が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した吸引回復機構を用いるのに好適なインクジェット記録装置の概略構成を示す模式的斜視図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置において使用するのに好適な記録手段のインク吐出部を被記録材側から見て示す模式的外観斜視図である。
【図3】図1のインクジェット記録装置において使用するのに好適な記録手段のインク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の記録手段の吐出口を覆うためのキャッピング機構の一例を示す模式的斜視図である。
【図5】本発明を適用したインクジェット記録装置の吸引回復機構の第1実施例の要部構成を示す模式的縦断面図である。
【図6】図5の吸引回復機構の模式的斜視図である。
【図7】本発明によるインクジェット記録装置の吸引回復機構の動作のシーケンスを示すフローチャートである。
【図8】本発明を適用したインクジェット記録装置の吸引回復機構の第1実施例においてキャップを記録ヘッドの吐出口面に当接させてキャッピング状態にしただけの吸引回復動作を行う前の初期状態を示す模式的縦断面図である。
【図9】図8のキャッピング状態で負圧発生手段としての吸引ポンプを作動させたときの状態を示す模式的縦断面図である。
【図10】図9の状態から吸引ポンプの作動によって吐出口から排出された廃インクがインク吸収体内に素早く吸収されていく状態を示す模式的縦断面図である。
【図11】図10の状態からインク吸収体に吸収された廃インクが吸引口を通して素早くキャップから外部へ排出される状態を示す模式的縦断面図である。
【図12】第1実施例において所定量のインク吸引を実行した後で吸引ポンプを停止させたときの状態を示す模式的縦断面図である。
【図13】図12の状態(インクの吸引動作を終了した後)で大気連通弁を開弁してキャップ内を負圧から大気圧に戻したときの状態を示す模式的縦断面図である。
【図14】本発明を適用したインクジェット記録装置の吸引回復機構の第2実施例においてキャップを記録ヘッドの吐出口面に当接させてキャッピング状態にしただけの吸引回復動作を行う前の初期状態を示す模式的縦断面図である。
【図15】図14のキャッピング状態で負圧発生手段としての吸引ポンプを作動させることにより吐出口からインクを排出させたときの状態を示す模式的縦断面図である。
【図16】図15の状態からインク吸収体に吸収された廃インクが吸引口を通して外部へ排出される状態を示す模式的縦断面図である。
【図17】第2実施例において所定量のインク吸引を実行した後で吸引ポンプを停止させたときの状態を示す模式的縦断面図である。
【図18】図17の状態(インクの吸引動作を終了した後)で大気連通弁を開弁してキャップ内を負圧から大気圧に戻したときの状態を示す模式的縦断面図である。
【図19】本発明を適用したインクジェット記録装置の吸引回復機構の第2実施例の変形例を示す模式的縦断面図である。
【図20】本発明を適用したインクジェット記録装置の吸引回復機構の第3実施例の模式的斜視図である。
【図21】図20の吸引回復機構の長手方向縦断面図である。
【図22】図21中の線22−22に沿った縦断面図である。
【図23】本発明を適用する前のインクジェット記録装置の吸引回復機構の吸引回復動作を行う前の初期状態を示す模式的縦断面図である。
【図24】図23の吸引回復機構において記録手段をキャッピングして負圧発生手段を作動させたときの状態を示す模式的縦断面図である。
【図25】図24の状態からしばらく経ってキャップとインク吸収体との間の隙間へインクが流れ出した状態を示す模式的縦断面図である。
【図26】図25の状態からさらに吸引して廃インクをキャップ外へ排出する状態を示す模式的縦断面図である。
【図27】図26に示すようなインクの吸引動作を終了した後に大気連通弁を開弁してキャップ内を負圧から大気圧に戻したときの状態を示す模式的縦断面図である。
【符号の説明】
11 記録手段(記録ヘッド)
12 ガイドシャフト
13 キャリッジ
15 キャリッジモータ
16 キャップ
81 吐出口面
82 吐出口
83 液路
85 電気熱変換体
88a、88b、88c 吐出口列
201 当接リブ
202 押さえリブ
203 インク吸収体
205 吸引口
206 大気連通口
207 負圧発生手段(吸引ポンプ)
208a、208b チューブ
209 大気連通弁
212 突起部
213 リブ
P 被記録材(記録用紙等)
H 吸引口のキャップ内底面からの高さ

Claims (1)

  1. 記録手段の吐出口を覆うことで密閉空間を形成するための凹部を有するキャップと該キャップに流路を介して接続された負圧発生手段とを用いて吐出口からインクを吸引するように構成されたインクジェット記録装置の吸引回復機構において、
    前記キャップは、前記吐出口面に当接した際に該吐出口面との間に密閉空間を形成するための凹部と、前記凹部内に装填されるインク吸収体と、前記凹部の底面に設けられ流路を介して負圧発生手段に連通された吸引口と、を備え、
    前記吸引口の頭頂部が前記凹部の底面よりも高くなっていることを特徴とするインクジェット記録装置の吸引回復機構。
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