JP3541798B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷媒と流体(空気等)とを熱交換させる熱交換器を備えた冷凍装置においては、流体に含まれる不純物(例えば空気に含まれる塵や埃など)等が長期間にわたって熱交換器に付着すると、それらの不純物等が堆積し、熱交換器にいわゆる汚れが生じる場合がある。汚れが生じると熱交換器の伝熱性能は低下する。そのため、熱交換器の汚れをそのまま放置しておくと、冷凍装置の効率は徐々に低下していくことになる。そこで、冷凍装置の効率低下を防止するためには、熱交換器の洗浄を行う必要がある。
【0003】
例えば、都市部のビルディングに設置された空気調和装置などでは、室外熱交換器は汚れやすいため、洗浄を行わないと空気調和装置の効率は徐々に低下していき、やがては所定の能力を発揮できなくなる。そこで従来は、一定期間毎に熱交換器の洗浄を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、熱交換器の汚れ状態は設置環境に大きく影響される。つまり、同一の熱交換器であっても、例えば空気のきれいな場所に設置されると長期間にわたって汚れることがないが、その逆に、粉塵の多い場所などに設置されると、短期間のうちに汚れることになる。
【0005】
従来は設置環境にかかわりなく一定期間毎に洗浄を行っていたため、清浄な環境下に設置された熱交換器にとっては、未だ汚れていない状態であるにも拘わらず洗浄が行われることとなり、洗浄作業の無駄が生じていた。一方、粉塵の多い環境下に設置された熱交換器にとっては、洗浄が行われるよりも相当以前に既に定格能力を発揮できなくなっており、比較的長期間にわたって低効率の運転を行う結果を招いていた。つまり、従来は、熱交換器の設置環境に応じた適切な時期に洗浄を行うことができなかったため、洗浄作業の無駄または装置の運転効率の低下といった問題を避けることができなかった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、熱交換器の汚れ状態に応じた適切な時期に洗浄を行うことを可能にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、熱交換器の熱通過率に基づいて汚れ状態を検出することとした。
【0008】
第1の発明に係る冷凍装置は、空気と冷媒とを熱交換させる熱交換器を有する冷媒回路を備えた冷凍装置であって、上記熱交換器の熱交換量を検出する熱交換量検出手段と、上記熱交換器によって熱交換される空気の温度を検出する流体温度検出手段と、上記熱交換器の冷媒温度を検出する冷媒温度検出手段と、上記熱交換量と上記空気温度と上記冷媒温度と上記熱交換器の伝熱面積とから該熱交換器の熱通過率を算出する熱通過率算出手段と、該熱通過率算出手段が算出した据付初期の運転時における上記熱交換器の熱通過率を初期値とし、上記熱通過率算出手段が据付初期の運転後に算出した熱交換器の熱通過率を初期値と比較して該熱交換器の汚れ状態を検出する汚れ検出手段とを備えているものである。
【0009】
上記第1の発明によれば、まず熱交換器の熱交換量Qと、空気温度Taと、冷媒温度Trと、熱交換器の伝熱面積Aとから、熱通過率κ=Q/A(|Ta−Tr|)を算出する。次に、据付初期の運転時における熱通過率κを初期値とし、この熱通過率κの経時変化を検出し、熱通過率κが初期値と比較して低下すると汚れが生じたものと判断する。このことにより、熱交換器の汚れ状態が正確に検出され、熱交換器の設置環境に拘わらず適切な時期に洗浄を行うことが容易になる。
【0010】
なお、上記および下記において「熱通過率の算出」とは、上記のような熱通過率κの値自体の算出だけを意味するのではなく、熱通過率κの大小に相関関係のある値(例えば、熱通過率κに伝熱面積Aを乗じた値κA等)を算出することも含まれる。つまり、実質的に熱通過率の算出と見なし得ること全般を意味するものとする。
【0011】
また、上記および下記において、熱交換量検出手段、熱通過率算出手段および汚れ検出手段のうちの1または2以上の手段は、冷媒回路の近傍に設けられていてもよく、冷媒回路から離れた場所(例えば、サービスセンター等)に設けられていてもよい。つまり、上記手段は、冷媒回路等と一体的に設けられていてもよく、また、有線または無線の信号を介して情報伝達が自在な遠隔地に設けられていてもよい。
【0012】
第2の発明に係る冷凍装置は、前記第1の発明に係る冷凍装置において、圧縮機(41,42)と、冷媒回路(15)の冷媒の凝縮温度および蒸発温度を検出するための冷媒状態検出手段(74,76)とを備え、熱交換量検出手段(91)は、上記冷媒状態検出手段(74,76)の検出値と上記圧縮機(41,42)の特性とに基づいて熱交換量を算出するように構成されているものである。
【0013】
なお、上記および下記において、冷媒の凝縮温度および蒸発温度の検出には、温度センサ等の検出器によって直接検出することの他、冷媒回路の高圧側圧力および低圧側圧力等から算出することも含まれる。
【0014】
また、圧縮機の特性には、例えば圧縮機の運転特性、冷媒の凝縮温度と蒸発温度に対する能力の特性、冷媒の凝縮温度と蒸発温度に対する圧縮機入力の特性、凝縮温度と蒸発温度に対する圧縮機入力電流の特性等、様々な特性が含まれる。
【0015】
第3の発明に係る冷凍装置は、前記第1の発明に係る冷凍装置において、圧縮機と、冷媒回路の冷媒の凝縮温度および蒸発温度を検出するための冷媒状態検出手段とを備え、熱交換量検出手段は、上記圧縮機の特性に応じて冷媒の凝縮温度および蒸発温度を用いて定式化された所定の関数を記憶しており、上記冷媒状態検出手段によって検出された凝縮温度および蒸発温度の値を上記関数に代入することによって熱交換量を算出するように構成されているものである。
【0016】
上記第2および第3の各発明によれば、熱交換器の熱交換量は、冷媒の凝縮温度および蒸発温度に基づいて算出されることになり、熱交換量を直接検出する必要がなくなる。
【0017】
第4の発明に係る冷凍装置は、前記第1〜第3のいずれか一の発明に係る冷凍装置において、熱交換器の熱通過率が所定値以下になると、該熱交換器の洗浄を促す表示または信号を発生する通知手段を備えているものである。
【0018】
上記第4の発明によれば、熱交換器の熱通過率が所定値以下になると、熱交換器は汚れたものと判断され、熱交換器の洗浄を促す表示または信号が発せられる。その結果、冷凍装置の保守点検等を行う者(いわゆるサービスマン)は当該表示または信号により、熱交換器の汚れ状態を早期かつ簡便に検知することになる。その後、サービスマンが上記熱交換器の洗浄を行うことにより、熱交換器は再び本来の能力を発揮することになり、冷凍装置の効率低下は抑制される。
【0019】
第5の発明に係る冷凍装置は、空気と冷媒とを熱交換させる熱交換器を有する冷媒回路を備え、該熱交換器の汚れ状態を検出する外部の監視制御手段と通信自在な冷凍装置であって、上記熱交換器の熱交換量を検出する熱交換量検出手段と、上記熱交換器によって熱交換される空気の温度を検出する流体温度検出手段と、上記熱交換器の冷媒温度を検出する冷媒温度検出手段と、上記熱交換器の汚れ状態を検出するために上記監視制御手段に対して上記熱交換量、上記空気温度および上記冷媒温度のデータを出力するデータ出力手段と、上記監視制御手段に設けられ、上記熱交換量と上記空気温度と上記冷媒温度と上記熱交換器の伝熱面積とから該熱交換器の熱通過率を算出する熱通過率算出手段と、上記監視制御手段に設けられ、上記熱通過率算出手段が算出した据付初期の運転時における上記熱交換器の熱通過率を初期値とし、上記熱通過率算出手段が据付初期の運転後に算出した熱交換器の熱通過率を初期値と比較して該熱交換器の汚れ状態を検出する汚れ検出手段とを備えているものである。
【0020】
第6の発明に係る冷凍装置は、空気と冷媒とを熱交換させる熱交換器を有する冷媒回路を備え、該熱交換器の汚れ状態を検出する外部の監視制御手段と通信自在な圧縮式冷凍装置であって、上記熱交換器によって熱交換される空気の温度を検出する流体温度検出手段と、上記冷媒回路の冷媒の凝縮温度および蒸発温度を検出するための冷媒状態検出手段と、上記熱交換器の汚れ状態を検出するために上記監視制御手段に対して上記空気温度および上記冷媒温度のデータを出力するデータ出力手段と、上記監視制御手段に設けられ、圧縮機の特性に応じて冷媒の凝縮温度および蒸発温度を用いて定式化された所定の関数を記憶しており、上記冷媒状態検出手段によって検出された凝縮温度および蒸発温度の値を上記関数に代入することによって熱交換量を算出するように構成されている熱交換量検出手段と、上記監視制御手段に設けられ、上記熱交換量と上記空気温度と上記冷媒温度と上記熱交換器の伝熱面積とから該熱交換器の熱通過率を算出する熱通過率算出手段と、上記監視制御手段に設けられ、上記熱通過率算出手段が算出した据付初期の運転時における上記熱交換器の熱通過率を初期値とし、上記熱通過率算出手段が据付初期の運転後に算出した 熱交換器の熱通過率を初期値と比較して該熱交換器の汚れ状態を検出する汚れ検出手段とを備えているものである。
【0021】
上記第5および第6の各発明によれば、熱交換器の汚れ検出は外部の監視制御手段(例えばサービスセンター等)によって行われるので、装置側において汚れ検出を行わなくてもよい。そのため、装置の機器構成を簡単化することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、熱交換器の熱通過率を算出し、当該熱通過率に基づいて汚れ状態を検出することとしたので、熱交換器の汚れ状態を正確に検出することができる。したがって、熱交換器の設置環境に拘わらず適切な時期に熱交換器の洗浄を実行することができる。そのため、無駄な洗浄作業を防止することができる。また、冷凍装置の運転効率を長期間にわたって高効率に維持することができる。
【0023】
特に、第2および第3の各発明によれば、熱交換器の熱交換量を冷媒の凝縮温度および蒸発温度に基づいて算出するので、熱交換量を特別な検出装置を用いて直接検出する必要はなくなる。したがって、冷凍装置の部品点数の増加や製造コストの上昇を招くことなく、汚れ状態の検出を行うことができる。
【0024】
また、第4の発明によれば、熱交換器の汚れを検出したときに洗浄を促す表示または信号を発することとしたので、サービスマンは適切な洗浄時期を迅速かつ簡便に認識することができる。
【0025】
第5および第6の各発明によれば、汚れ検出が外部の監視制御手段によって行われるので、装置の構成を簡単化することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る冷凍装置は、ヒートポンプ式の空調機(10)である。この空調機(10)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行う。
【0027】
−空調機の構成−
図1に示すように、上記空調機(10)は、1台の室外機(11)と2台の室内機(12,13)とを備え、いわゆるマルチ型に構成されている。また、上記空調機(10)は、冷媒回路(15)とコントローラ(90)とを備えている。尚、本実施形態では室内機(12,13)を2台としたが、これは一例であり、室外機(11)の能力や用途に応じて室内機(12,13)の台数を適宜定めればよい。
【0028】
上記冷媒回路(15)は、1つの室外回路(20)と、2つの室内回路(60,65)と、液側連絡管(16)と、ガス側連絡管(17)とにより構成されている。室外回路(20)には、液側連絡管(16)及びガス側連絡管(17)を介して、2つの室内回路(60,65)が並列に接続されている。
【0029】
上記室外回路(20)は、室外機(11)に収納されている。室外回路(20)には、圧縮機ユニット(40)、四路切換弁(21)、室外熱交換器(22)、室外膨張弁(24)、レシーバ(23)、液側閉鎖弁(25)、及びガス側閉鎖弁(26)が設けられている。
【0030】
上記圧縮機ユニット(40)は、第1圧縮機(41)と第2圧縮機(42)を並列に接続したものである。これら圧縮機(41,42)は、何れも密閉型のスクロール圧縮機である。つまり、これら圧縮機(41,42)は、圧縮機構と該圧縮機構を駆動する電動機とを、円筒状のハウジングに収納して構成されている。尚、圧縮機構及び電動機については、図示を省略する。第1圧縮機(41)は、電動機が常に一定回転数で駆動される一定容量のものである。第2圧縮機(42)は、電動機の回転数が段階的に又は連続的に変更される容量可変のものである。そして、上記圧縮機ユニット(40)は、第1圧縮機(41)の発停や第2圧縮機(42)の容量変更によって、ユニット全体の容量が可変となっている。
【0031】
上記圧縮機ユニット(40)は、吸入管(43)及び吐出管(44)を備えている。吸入管(43)は、その端が四路切換弁(21)の第1のポートに接続され、その出口端が2つに分岐されて各圧縮機(41,42)の吸入側に接続されている。吐出管(44)は、その入口端が2つに分岐されて各圧縮機(41,42)の吐出側に接続され、その出口端が四路切換弁(21)の第2のポートに接続されている。また、第1圧縮機(41)に接続する吐出管(44)の分岐管には、吐出側逆止弁(45)が設けられている。この吐出側逆止弁(45)は、第1圧縮機(41)から流出する方向への冷媒の流通のみを許容する。
【0032】
また、上記圧縮機ユニット(40)は、油分離器(51)、油戻し管(52)、及び均油管(54)を備えている。油分離器(51)は、吐出管(44)の途中に設けられている。この油分離器(51)は、圧縮機(41,42)の吐出冷媒から冷凍機油を分離するためのものである。油戻し管(52)は、その一端が油分離器(51)に接続され、その他端が吸入管(43)に接続されている。この油戻し管(52)は、油分離器(51)で分離された冷凍機油を、圧縮機(41,42)の吸入側へ戻すためのものであって、油戻し電磁弁(53)を備えている。均油管(54)は、その一端が第1圧縮機(41)に接続され、その他端が吸入管(43)における第2圧縮機(42)の吸入側近傍に接続されている。この均油管(54)は、各圧縮機(41,42)のハウジング内に貯留される冷凍機油の量を平均化するためのものであって、均油電磁弁(55)を備えている。
【0033】
上記四路切換弁(21)は、その第3のポートがガス側閉鎖弁(26)と配管接続され、その第4のポートが室外熱交換器(22)の上端部と配管接続されている。四路切換弁(21)は、第1のポートと第3のポートが連通し且つ第2のポートと第4のポートが連通する状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通し且つ第2のポートと第3のポートが連通する状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。この四路切換弁(21)の切換動作によって、冷媒回路(15)における冷媒の循環方向が反転する。
【0034】
上記レシーバ(23)は、円筒状の容器であって、冷媒を貯留するためのものである。このレシーバ(23)は、流入管(30)及び流出管(33)を介して、室外熱交換器(22)と液側閉鎖弁(25)とに接続されている。
【0035】
流入管(30)は、その入口端側が2つの分岐管(30a,30b)に分岐され、その出口端がレシーバ(23)の上端部に接続されている。流入管(30)の第1分岐管(30a)は、室外熱交換器(22)の下端部に接続されている。この第1分岐管(30a)には、第1流入逆止弁(31)が設けられている。第1流入逆止弁(31)は、室外熱交換器(22)からレシーバ(23)へ向かう冷媒の流通のみを許容する。流入管(30)の第2分岐管(30b)は、液側閉鎖弁(25)に接続されている。この第2分岐管(30b)には、第2流入逆止弁(32)が設けられている。第2流入逆止弁(32)は、液側閉鎖弁(25)からレシーバ(23)へ向かう冷媒の流通のみを許容する。
【0036】
流出管(33)は、その入口端がレシーバ(23)の下端部に接続され、その出口端側が2つの分岐管(33a,33b)に分岐されている。流出管(33)の第1分岐管(33a)は、室外熱交換器(22)の下端部に接続されている。この第1分岐管(33a)には、上記室外膨張弁(24)が設けられている。流出管(33)の第2分岐管(33b)は、液側閉鎖弁(25)に接続されている。この第2分岐管(33b)には、流出逆止弁(34)が設けられている。流出逆止弁(34)は、レシーバ(23)から液側閉鎖弁(25)へ向かう冷媒の流通のみを許容する。
【0037】
室外熱交換器(22)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。この室外熱交換器(22)では、冷媒回路(15)を循環する冷媒と室外空気とが熱交換を行う。
【0038】
上記室外回路(20)には、更にガス抜き管(35)と均圧管(37)とが設けられている。
【0039】
ガス抜き管(35)は、その一端がレシーバ(23)の上端部に接続され、その他端が吸入管(43)に接続されている。このガス抜き管(35)は、レシーバ(23)のガス冷媒を各圧縮機(41,42)の吸入側へ導入するための連通路を構成している。また、ガス抜き管(35)には、ガス抜き電磁弁(36)が設けられている。このガス抜き電磁弁(36)は、ガス抜き管(35)におけるガス冷媒の流れを断続するための開閉機構を構成している。
【0040】
上記均圧管(37)は、その一端がガス抜き管(35)におけるガス抜き電磁弁(36)とレシーバ(23)の間に接続され、その他端が吐出管(44)に接続されている。また、均圧管(37)には、その一端から他端に向かう冷媒の流通のみを許容する均圧用逆止弁(38)が設けられている。この均圧管(37)は、空調機(10)の停止中に外気温が異常に上昇してレシーバ(23)の圧力が高くなりすぎた場合に、ガス冷媒を逃がしてレシーバ(23)が破裂するのを防止するためのものである。従って、空調機(10)の運転中において、均圧管(37)を冷媒が流れることは無い。
【0041】
上記室内回路(60,65)は、各室内機(12,13)に1つずつ設けられている。具体的には、第1室内回路(60)が第1室内機(12)に収納され、第2室内回路(65)が第2室内機(13)に収納されている。
【0042】
第1室内回路(60)は、第1室内熱交換器(61)と第1室内膨張弁(62)とを直列に接続したものである。第1室内膨張弁(62)は、第1室内熱交換器(61)の下端部に配管接続されている。第2室内回路(65)は、第2室内熱交換器(66)と第2室内膨張弁(67)とを直列に接続したものである。第2室内膨張弁(67)は、第2室内熱交換器(66)の下端部に配管接続されている。
【0043】
第1及び第2室内熱交換器(61,66)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。各室内熱交換器(61,66)では、冷媒回路(15)を循環する冷媒と室内空気とが熱交換を行う。
【0044】
上記液側連絡管(16)は、その一端が液側閉鎖弁(25)に接続されている。この液側連絡管(16)は、他端側で2つに分岐されており、その一方が第1室内回路(60)における第1室内膨張弁(62)側の端部に接続され、他方が第2室内回路(65)における第2室内膨張弁(67)側の端部に接続されている。上記ガス側連絡管(17)は、その一端がガス側閉鎖弁(26)に接続されている。このガス側連絡管(17)は、他端側で2つに分岐されており、その一方が第1室内回路(60)における第1室内熱交換器(61)側の端部に接続され、他方が第2室内回路(65)における第2室内熱交換器(66)側の端部に接続されている。
【0045】
上記室外機(11)には、室外ファン(70)が設けられている。この室外ファン(70)は、室外熱交換器(22)へ室外空気を送るためのものである。一方、第1,第2室内機(12,13)には、それぞれ室内ファン(80)が設けられている。この室内ファン(80)は、室内熱交換器(61,66)へ室内空気を送るためのものである。
【0046】
上記空調機(10)には、温度や圧力のセンサ等が設けられている。具体的に、室外機(11)には、室外空気の温度を検出するための外気温センサ(71)が設けられている。室外熱交換器(22)には、その伝熱管温度を検出するための室外熱交換器温度センサ(72)が設けられている。吸入管(43)には、圧縮機(41,42)の吸入冷媒温度を検出するための吸入管温度センサ(73)と、圧縮機(41,42)の吸入冷媒圧力を検出するための低圧圧力センサ(74)とが設けられている。吐出管(44)には、圧縮機(41,42)の吐出冷媒温度を検出するための吐出管温度センサ(75)と、圧縮機(41,42)の吐出冷媒圧力を検出するための高圧圧力センサ(76)と、高圧圧力スイッチ(77)とが設けられている。各室内機(12,13)には、室内空気の温度を検出するための内気温センサ(81)が1つずつ設けられている。各室内熱交換器(61,66)には、その伝熱管温度を検出するための室内熱交換器温度センサ(82)が1つずつ設けられている。各室内回路(60,65)における室内熱交換器(61,66)の上端近傍には、室内回路(60,65)を流れるガス冷媒温度を検出するためのガス側温度センサ(83)が1つずつ設けられている。
【0047】
上記コントローラ(90)は、上記のセンサ類からの信号やリモコン等からの指令信号を受けて空調機(10)の運転制御を行うものである。具体的に、コントローラ(90)は、室外膨張弁(24)及び室内膨張弁(62,67)の開度調節や、四路切換弁(21)の切換、更にはガス抜き電磁弁(36)、油戻し電磁弁(53)、及び均油電磁弁(55)の開閉操作、圧縮機ユニット(40)の容量制御を行う。また、コントローラ(90)は、後述するように、室外熱交換器(22)の汚れ検出を行い、室外熱交換器(22)が汚れると洗浄を促す表示および信号を送信するものでもある。
【0048】
図2に示すように、コントローラ(90)は、室外熱交換器(22)の熱交換量を検出する熱交換量検出部(91)と、室外熱交換器(22)の熱通過率κを算出する熱通過率算出部(92)と、熱通過率κの値を記憶する熱通過率記憶部(93)と、熱通過率κに基づいて室外熱交換器(22)の汚れを検出する汚れ検出部(94)と、室外熱交換器(22)の汚れを検出すると所定の表示または信号を発生させる通知部(95)を備えている。ただし、これらの要素(91,92,93,94,95)は便宜上、機能的に分離して図示しているだけに過ぎず、これらの要素(91,92,93,94,95)が物理的に分離されている必要がないことは勿論である。例えば、これらの要素(91,92,93,94,95)の一部または全部が一つの物理的構成要素(半導体等)によって構成されていてもよい。また、上記要素(91,92,93,94,95)をソフトウェア的に構築することも可能である。
【0049】
熱交換量検出部(91)は、室外熱交換器(22)の熱交換量Qをいわゆるコンプレッサカーブ法と同様の手法により算出するように構成されている。この熱交換量検出部(91)は、圧縮機(41,42)の特性に基づいて定められる熱交換量算出用の関数を予め記憶している。また、熱交換量検出部(93)は、冷媒状態検出手段を構成する低圧圧力センサ(74)および高圧圧力センサ(76)の検出値が入力されるように構成されている。そして、熱交換量検出部(93)は、低圧圧力センサ(74)の検出値(低圧側圧力)Peに対する冷媒の相当飽和温度を冷媒の蒸発温度Teとする一方、高圧圧力センサ(76)の検出値(高圧側圧力)Pcに対する冷媒の相当飽和温度を冷媒の凝縮温度Tcとし、これら検出値から得られる冷媒の蒸発温度Teおよび凝縮温度Tcを上記関数に代入することによって、室外熱交換器(22)の熱交換量を算出する。
【0050】
熱交換量検出部(91)に記憶されている関数について、図3を参照しながら説明する。まず、蒸発器出口の冷媒の過熱度SH及び凝縮器出口の冷媒の過冷却度SCを、適当な値に固定しておく。このことにより、冷媒の蒸発温度Teが分かれば、過熱度SHが固定されていることから、蒸発器出口の冷媒の状態を特定することができる。また、冷媒の凝縮温度Tcが分かれば、蒸発器入口の冷媒の状態を特定することができる。従って、蒸発器の出入口における冷媒状態(エンタルピ差)を特定することができる。また、圧縮機について予め行った性能試験の結果より、圧縮機から吐出される冷媒の流量が求められる。つまり、冷媒の過熱度SH及び過冷却度SCを固定すれば、式(1)に示すように、蒸発器の熱交換量Qeは、冷凍サイクルにおける冷媒の凝縮温度Tcおよび蒸発温度Teの関数として定式化される。
【0051】
Qe=f(Tc,Te) …(1)
Qe:蒸発器の熱交換量
Tc:冷媒の凝縮温度
Te:冷媒の蒸発温度
なお、圧縮機の電動機の消費電力Wiも同様に、冷凍サイクルにおける冷媒の凝縮温度Tc及び蒸発温度Teの関数として表される。したがって、消費電力Wiに相当する熱量をQwとすると、凝縮器の熱交換量QcはQc=Qe+Qwと表すことができるので、凝縮器の熱交換量Qcも、冷媒の凝縮温度Tcおよび蒸発温度Teの関数として定式化することができる。
【0052】
上記式(1)で示される関数の具体例としては、式(2)で示されるようなものが挙げられる。この式(2)で示される関数は、圧縮機(41,42)として採用される機種について予め行った性能試験の結果を二次近似式として表したものである。
【0053】
Wi=R(1)+R(2)Tc+R(3)Te+R(4)Tc2+R(5)TcTe+R(6)Te2(2)
R(i),i=1〜6:係数
本実施形態に係るコントローラ(90)の熱交換量検出部(91)は、上記式(2)で示される関数と係数R(i)とを予め記憶している。
【0054】
ここで、係数R(i)の値は、第2圧縮機(42)の電動機の回転速度(1秒間あたりの回転数)によって異なっている。このため、熱交換量検出部(91)は、下記の表1に示すように、3つの回転速度30,60,90[1/s]ごとに6つの係数R(i)を記憶している。具体的には、回転速度30[1/s]の場合の係数R(i)としてr11,…,r61を、回転速度60[1/s]の場合の係数R(i)としてr12,…,r62を、回転速度90[1/s]の場合の係数R(i)としてr13,…,r63をそれぞれ記憶している。
【0055】
【表1】
Figure 0003541798
そして、室外熱交換器(22)の熱交換量Qを算出する場合、熱交換量検出部(91)は、その時の電動機の回転速度に対応する係数R(i)を補完により求め、得られた係数R(i)の値を用いて熱交換量Qを算出する。尚、冷媒の凝縮温度Tc及び蒸発温度Teだけでなく、電動機の回転速度をも変数として含む関数に基づいて、熱交換量Qを算出するようにしてもよい。
【0056】
次に、空調機(10)の運転動作を説明し、その後に室外熱交換器(22)の汚れ検出について説明する。
【0057】
−運転動作−
上記空調機(10)の運転時には、冷媒回路(15)において冷媒が相変化しつつ循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが形成される。また、空調機(10)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行う。
【0058】
《冷房運転》
冷房運転時には、室内熱交換器(61,66)が蒸発器となる冷却動作が行われる。この冷房運転時において、四路切換弁(21)は、図1に実線で示す状態となる。室外膨張弁(24)は全閉とされ、第1,第2室内膨張弁(62,67)はそれぞれ所定の開度に調節される。ガス抜き電磁弁(36)は閉鎖状態に保持され、油戻し電磁弁(53)及び均油電磁弁(55)は適宜開閉される。これら弁の操作は、コントローラ(90)により行われる。
【0059】
圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)を運転すると、これら圧縮機(41,42)で圧縮された冷媒が吐出管(44)へ吐出される。この冷媒は、四路切換弁(21)を通って室外熱交換器(22)へ流入する。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(22)で凝縮した冷媒は、流入管(30)の第1分岐管(30a)へ流入し、第1流入逆止弁(31)を通過してレシーバ(23)へ流入する。その後、冷媒は、レシーバ(23)から流出管(33)へ流入し、流出逆止弁(34)を通過して液側連絡管(16)へ流入する。
【0060】
液側連絡管(16)へ流入した冷媒は、二手に分流されて、一方が第1室内回路(60)へ流入し、他方が第2室内回路(65)へ流入する。各室内回路(60,65)では、流入した冷媒が室内膨張弁(62,67)で減圧された後に室内熱交換器(61,66)へ流入する。室内熱交換器(61,66)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。つまり、室内熱交換器(61,66)では、室内空気が冷却される。
【0061】
各室内熱交換器(61,66)で蒸発した冷媒は、ガス側連絡管(17)へ流入し、合流した後に室外回路(20)へ流入する。その後、冷媒は、四路切換弁(21)を通過し、吸入管(43)を通って圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)に吸入される。これら圧縮機(41,42)は、吸入した冷媒を圧縮して再び吐出する。冷媒回路(15)では、このような冷媒の循環が繰り返される。
【0062】
《暖房運転》
暖房運転時には、室内熱交換器(61,66)が凝縮器となる加熱動作が行われる。この暖房運転時において、四路切換弁(21)は、図1に破線で示す状態となる。室外膨張弁(24)、及び第1,第2室内膨張弁(62,67)は、それぞれ所定の開度に調節される。油戻し電磁弁(53)及び均油電磁弁(55)は、適宜開閉される。ガス抜き電磁弁(36)は、加熱動作が行われている間は常に開放状態に保持される。これら弁の操作は、コントローラ(90)により行われる。
【0063】
圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)を運転すると、圧縮された冷媒が圧縮機(41,42)から吐出管(44)へ吐出される。吐出管(44)を流れる冷媒は、四路切換弁(21)を通過してガス側連絡管(17)へ流入し、各室内回路(60,65)へ分配される。
【0064】
第1室内機(12)の第1室内回路(60)へ流入した冷媒は、第1室内熱交換器(61)で室内空気に放熱して凝縮する。第1室内熱交換器(61)では、冷媒の放熱により室内空気が加熱される。第1室内熱交換器(61)で凝縮した冷媒は、第1室内膨張弁(62)で減圧された後に液側連絡管(16)へ流入する。
【0065】
第2室内機(13)の第2室内回路(65)へ流入した冷媒は、第2室内熱交換器(66)で室内空気に放熱して凝縮する。第2室内熱交換器(66)では、冷媒の放熱により室内空気が加熱される。第2室内熱交換器(66)で凝縮した冷媒は、第2室内膨張弁(67)で減圧された後に液側連絡管(16)へ流入する。
【0066】
第1室内回路(60)及び第2室内回路(65)から液側連絡管(16)へ流入した冷媒は、合流した後に室外回路(20)へ流入する。室外回路(20)へ流入した冷媒は、流入管(30)の第2分岐管(30b)を流れ、第2流入逆止弁(32)を通過してレシーバ(23)へ流入する。レシーバ(23)へ流入する冷媒は気液二相状態であり、この冷媒のうち液冷媒がレシーバ(23)の下部に溜まり、ガス冷媒がレシーバ(23)の上部に溜まる。つまり、レシーバ(23)では、流入した気液二相状態の冷媒が、液冷媒とガス冷媒とに分離される。
【0067】
レシーバ(23)に貯留する液冷媒は、流出管(33)を通って室外膨張弁(24)で減圧される。減圧された冷媒は、室外熱交換器(22)へ送られ、室外空気から吸熱して蒸発する。この蒸発した冷媒は、四路切換弁(21)を通過して吸入管(43)へ流入する。一方、レシーバ(23)に貯留するガス冷媒は、ガス抜き管(35)へ流入する。ガス抜き管(35)を流れる冷媒は、ガス抜き電磁弁(36)を通過する際に減圧され、その後に吸入管(43)へ流入する。吸入管(43)では、室外熱交換器(22)からのガス冷媒とガス抜き管(35)からのガス冷媒とが合流する。そして、合流後のガス冷媒が、圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)に吸入される。これら圧縮機(41,42)は、吸入した冷媒を圧縮して再び吐出する。冷媒回路(15)では、このような冷媒の循環が繰り返される。
【0068】
−汚れ検出−
次に、汚れ検出方法の一例として、冬期における室外熱交換器(22)の汚れ検出について説明する。つまり、室外熱交換器(22)が蒸発器として使用される場合について説明する。
【0069】
図4に示すように、まず圧縮機(41,42)の特性に基づいて、室外熱交換器(22)の熱交換量Qを算出する(ステップST1)。熱交換量Qの算出方法は、前述した通りである。ただし、前記式(2)の関数における係数R(i)を定めるときに仮定した冷媒の過熱度SHおよび過冷却度SCの値と、実際に行われている冷凍サイクルでの冷媒の過熱度SHおよび過冷却度SCの値とが異なる場合もある。そこで、このような場合には、冷媒の蒸発温度および凝縮温度を上記式(2)に代入して得られた値を、実際の冷媒の過熱度SHおよび過冷却度SCの値を用いて補正するようにしてもよい。
【0070】
次に、室外空気の温度Taと、室外熱交換器(22)の冷媒温度、すなわち冷媒の蒸発温度Teとを検出する(ステップST2)。なお、冷媒蒸発温度Teは、上記の熱交換量Qの算出過程において導出された値を用いればよい。ただし、室外熱交換器温度センサ(72)によって、冷媒蒸発温度Teを直接検出することも可能である。
【0071】
次に、熱交換器についての一般式Q=κA(Ta−Te)から、κAの値を逆算する(ステップST3)。すなわち、κA=Q/(Ta−Te)を算出する。なお、ここでκは室外熱交換器(22)の熱通過率、Aは室外熱交換器(22)の伝熱面積である。伝熱面積Aは一定の値をとるので、ここでは取り扱いの容易のために、熱通過率κの代わりに、熱通過率κに伝熱面積Aを乗じた値であるκAを用いることとした。ただし、熱通過率κに基づいて汚れ判定を行うことも勿論可能である。
【0072】
次に、現在の運転が、室外熱交換器(22)に汚れが生じていない据付初期の運転であるか否かを判定する(ステップST4)。判定結果がYesの場合には、上記κAを初期値κ0Aとして記憶する(ステップST5)。この初期値κ0Aは、室外熱交換器(22)に汚れが生じていないときのκAの値であり、後の汚れ判定の基準となる値である。
【0073】
ステップST4の判定結果がNoの場合には、上記κAが所定値以下か否かを判定する。本実施形態では、上記κAが初期値κ0Aの80%以下であるか否かを判定することとした(ステップST6)。
【0074】
ステップST6の判定結果がNoの場合には、室外熱交換器(22)は汚れていないと判断し、ステップST1に戻る。一方、ステップST6の判定結果がYesの場合には、室外熱交換器(22)は汚れていると判断し、所定の表示または信号を発生させ、室外熱交換器(22)が汚れていることおよび洗浄が必要であることをサービスマンまたはサービスセンター等に通知する(ステップST7)。なお、汚れ状態等の表示は、例えばモニター画面への表示、または表示ランプの点灯等であってもよい。汚れ状態等を表す信号には、有線信号、無線信号、または音声信号等の各種の信号を利用することができる。
【0075】
その後は、汚れ状態に基づいて、メンテナンス時期が判断される。メンテナンスの際には、サービスマン等が洗浄を行うことにより、室外熱交換器(22)の汚れは除去され、室外熱交換器(22)は再び初期の性能を発揮するようになる。
【0076】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、室外熱交換器(22)の熱通過率に基づいて汚れ状態を検出することとしたので、図5に示すように、汚れによって室外熱交換器(22)の性能が低下したときに合わせて洗浄を行うことができる。そのため、室外熱交換器(22)の設置環境の如何に拘わらず、常に適切な時期に洗浄を実行することが可能となる。したがって、無駄な洗浄作業はなくなる。また、汚れによって熱交換器の性能が低下しているにも拘わらず長期間にわたって低効率の運転を継続するようなことを回避することができる。その結果、長期間にわたって装置の運転効率を高いレベルに維持することができる。
【0077】
また、本実施形態では、低圧圧力センサ(74)及び高圧圧力センサ(76)の検出値を利用することで、熱交換量検出部(91)において室外熱交換器(22)の熱交換量を算出している。ここで、低圧圧力センサ(74)や高圧圧力センサ(76)は、熱交換量の算出を行わない従来の空調機においても、通常その運転制御のために設けられているセンサである。従って、本実施形態によれば、従来から設けられているセンサの検出値を利用して、室外熱交換器(22)の熱交換量を算出することができる。このため、空調機(10)の部品点数の増加や製造コストの上昇を招くことなく、室外熱交換器(22)の熱交換量を検出することができる。
【0078】
なお、上記実施形態では冬期の汚れ判定について説明したが、本発明に係る汚れ判定方法は、室外熱交換器(22)が凝縮器として使用される場合、つまり夏期の場合にも適用できることは勿論である。その場合には、冷媒温度として冷媒凝縮温度Tcを算出し、熱通過率κはκ=Qc/A(Tc−Ta)によって算出すればよい。前述したように、室外熱交換器(22)の熱交換量Qcは、室内熱交換器(61,66)の熱交換量Qeに圧縮機(41,42)の消費電力Wiに相当する熱量Qwを加算した量として算出することもできる。つまり、Qc=Qe+Qwとして算出してもよい。冬期には前記冬期の汚れ判定方法を用い、夏期には上記夏期の汚れ判定方法を用いることにより、一年を通じて汚れ判定を行うことができる。もちろん、汚れ判定を複数年にわたって継続的に行うこともできる。
【0079】
なお、本実施形態では室外熱交換器(22)の汚れ検出および洗浄について説明したが、室内熱交換器(61,65)の汚れ検出に本発明を適用することも勿論可能である。
【0080】
汚れ検出は、冷凍装置と通信自在に構成された外部の監視制御手段(例えばサービスセンター等)で行ってもよい。熱交換量検出部(91)、熱通過率算出部(92)、熱通過率記憶部(93)、汚れ検出部(94)、通知部(95)のうちの1または2以上は、外部の監視制御手段に含まれていてもよい。
【0081】
本発明の適用対象は空気調和装置に限定されず、ここでいう冷凍装置は、広義の冷凍装置であり、狭義の冷凍装置はもちろん、空気調和装置、冷蔵装置、除湿機等を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】空調機の冷媒回路図である。
【図2】コントローラのブロック図である。
【図3】熱交換量算出用の関数を説明するためのモリエル線図である。
【図4】汚れ検出方法のフローチャートである。
【図5】熱交換器の熱通過率の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
(10) 空調機(冷凍装置)
(15) 冷媒回路
(16) 液側連絡管
(17) ガス側連絡管
(22) 室外熱交換器(熱交換器)
(23) レシーバ
(24) 室外膨張弁
(41) 第1圧縮機
(42) 第2圧縮機
(61) 第1室内熱交換器
(62) 第1室内膨張弁
(66) 第2室内熱交換器
(67) 第2室内膨張弁
(71) 外気温センサ(空気温度検出手段)
(72) 室外熱交換器温度センサ(冷媒温度検出手段)
(90) コントローラ
(91) 熱交換量検出部(熱交換量検出手段)
(92) 熱通過率算出部(熱通過率算出手段)
(93) 熱通過率記憶部
(94) 汚れ検出部(汚れ検出手段)
(95) 通知部(通知手段)

Claims (6)

  1. 空気と冷媒とを熱交換させる熱交換器(22)を有する冷媒回路(15)を備えた冷凍装置であって、
    上記熱交換器(22)の熱交換量を検出する熱交換量検出手段(91)と、
    上記熱交換器(22)によって熱交換される空気の温度を検出する流体温度検出手段(71)と、
    上記熱交換器(22)の冷媒温度を検出する冷媒温度検出手段(72)と、
    上記熱交換量と上記空気温度と上記冷媒温度と上記熱交換器(22)の伝熱面積とから該熱交換器(22)の熱通過率を算出する熱通過率算出手段(92)と、
    該熱通過率算出手段( 92 )が算出した据付初期の運転時における上記熱交換器( 22 )の熱通過率を初期値とし、上記熱通過率算出手段( 92 )が据付初期の運転後に算出した熱交換器( 22 )の熱通過率を初期値と比較して該熱交換器(22)の汚れ状態を検出する汚れ検出手段(94)と
    を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1に記載の冷凍装置において、
    圧縮機(41,42)と、冷媒回路(15)の冷媒の凝縮温度および蒸発温度を検出するための冷媒状態検出手段(74,76)とを備え、
    熱交換量検出手段(91)は、上記冷媒状態検出手段(74,76)の検出値と上記圧縮機(41,42)の特性とに基づいて熱交換量を算出するように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1に記載の冷凍装置において、
    圧縮機(41,42)と、冷媒回路(15)の冷媒の凝縮温度および蒸発温度を検出するための冷媒状態検出手段(74,76)とを備え、
    熱交換量検出手段(91)は、上記圧縮機(41,42)の特性に応じて冷媒の凝縮温度および蒸発温度を用いて定式化された所定の関数を記憶しており、上記冷媒状態検出手段(74,76)によって検出された凝縮温度および蒸発温度の値を上記関数に代入することによって熱交換量を算出するように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の冷凍装置において、
    熱交換器(22)の熱通過率が所定値以下になると、該熱交換器(22)の洗浄を促す表示または信号を発生する通知手段(95)を備えている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  5. 空気と冷媒とを熱交換させる熱交換器(22)を有する冷媒回路(15)を備え、該熱交換器(22)の汚れ状態を検出する外部の監視制御手段と通信自在な冷凍装置であって、
    上記熱交換器(22)の熱交換量を検出する熱交換量検出手段(91)と、
    上記熱交換器(22)によって熱交換される空気の温度を検出する流体温度検出手段(71)と、
    上記熱交換器(22)の冷媒温度を検出する冷媒温度検出手段(72)と、
    上記熱交換器(22)の汚れ状態を検出するために上記監視制御手段に対して上記熱交換量、上記空気温度および上記冷媒温度のデータを出力するデータ出力手段と、
    上記監視制御手段に設けられ、上記熱交換量と上記空気温度と上記冷媒温度と上記熱交換器( 22 )の伝熱面積とから該熱交換器( 22 )の熱通過率を算出する熱通過率算出手段( 92 )と、
    上記監視制御手段に設けられ、上記熱通過率算出手段( 92 )が算出した据付初期の運転時における上記熱交換器( 22 )の熱通過率を初期値とし、上記熱通過率算出手段( 92 )が据付初期の運転後に算出した熱交換器( 22 )の熱通過率を初期値と比較して該熱交換器( 22 )の汚れ状態を検出する汚れ検出手段( 94
    を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  6. 空気と冷媒とを熱交換させる熱交換器(22)を有する冷媒回路(15)を備え、該熱交換器(22)の汚れ状態を検出する外部の監視制御手段と通信自在な圧縮式冷凍装置であって、
    上記熱交換器(22)によって熱交換される空気の温度を検出する流体温度検出手段(71)と、
    上記冷媒回路(15)の冷媒の凝縮温度および蒸発温度を検出するための冷媒状態検出手段(74,76)と、
    上記熱交換器(22)の汚れ状態を検出するために上記監視制御手段に対して上記空気温度および上記冷媒温度のデータを出力するデータ出力手段と、
    上記監視制御手段に設けられ、圧縮機( 41 42 )の特性に応じて冷媒の凝縮温度および蒸発温度を用いて定式化された所定の関数を記憶しており、上記冷媒状態検出手段( 74 76 )によって検出された凝縮温度および蒸発温度の値を上記関数に代入することによって熱交換量を算出するように構成されている熱交換量検出手段( 91 )と、
    上記監視制御手段に設けられ、上記熱交換量と上記空気温度と上記冷媒温度と上記熱交換器( 22 )の伝熱面積とから該熱交換器( 22 )の熱通過率を算出する熱通過率算出手段( 92 )と、
    上記監視制御手段に設けられ、上記熱通過率算出手段( 92 )が算出した据付初期の運転時における上記熱交換器( 22 )の熱通過率を初期値とし、上記熱通過率算出手段( 92 )が据付初期の運転後に算出した熱交換器( 22 )の熱通過率を初期値と比較して該熱交換器( 22 )の汚れ状態を検出する汚れ検出手段( 94
    を備えていることを特徴とする冷凍装置。
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