JP3555575B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍サイクルを行う冷凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、冷媒回路で冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷凍装置が知られており、空調機等として広く利用されている。上記冷凍装置の冷媒回路には、冷媒を圧縮するための圧縮機が設けられる。この圧縮機としては、電動機により駆動されるものが一般的である。また、電動機の回転数を変更する等によって、圧縮機の容量を可変とする場合も多い。上記冷凍装置では、電動機により圧縮機を駆動すると、冷媒回路で冷媒が相変化しつつ循環して冷凍サイクルが行われる。
【0003】
ここで、オフィスビル等の商工業施設の場合、消費電力のピーク値(最大値)に基づいて電気料金が設定されるといった事情がある。このため、冷凍装置の消費電力を所定以下とするための制御が求められており、従来は、圧縮機の容量を制限することで対応していた。つまり、例えば消費電力を50%削減する必要がある場合には、圧縮機の容量、具体的には圧縮機を駆動する電動機の回転速度(1秒間あたりの回転数)の上限を強制的に最大回転速度の50%に制限し、電動機での消費電力を削減するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の圧縮機容量を制限する制御では、圧縮機の電動機における消費電力が確実に所定値以下となっているかどうかの保証は無く、電力ピークカットの要請に充分に応えられないという問題があった。つまり、圧縮機を駆動する電動機の消費電力は、その回転速度のみによって定まるものではなく、冷凍サイクルにおける冷媒の蒸発温度や凝縮温度等の運転条件によっても左右される。従って、単に電動機の回転速度を半分に落としたとしても、電動機の消費電力が半分になるとは限らない。このため、電動機の消費電力の削減量が不明となり、上述のような問題を招いていた。
【0005】
また、従来の制御では電動機の消費電力の削減量が不明なため、消費電力が上限値を超えないように圧縮機の容量を小さく制限し過ぎてしまう場合も多い。つまり、必要以上に消費電力を削減した運転を行うおそれもあり、この点でも適切な電力ピークカットが困難であった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電力ピークカットの要請による消費電力の削減を確実に行うことのできる冷凍装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明が講じた第1の解決手段は、電動機で駆動される圧縮機(41,42)を1つ以上有する容量可変の圧縮機手段(40)を備え、該圧縮機手段(40)の圧縮機(41,42)が接続される冷媒回路(15)で冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷凍装置を対象としている。そして、冷凍サイクルにおける冷媒の蒸発温度及び凝縮温度を検出するための冷媒状態検出手段(74,76)と、少なくとも上記冷媒状態検出手段(74,76)の検出値と圧縮機(41,42)の特性とに基づき、上記圧縮機手段(40)で電動機が消費する電力の値を算出する消費電力検出手段(91)と、上記消費電力検出手段(91)の検出電力値が所定の設定値以下となるように上記圧縮機手段(40)の容量を制御する制御手段(92,93)とを備える一方、上記消費電力検出手段( 91 )は、圧縮機( 41,42 )の特性に基づいて予め定められた特性関数に対して冷媒状態検出手段( 74,76 )が検出する冷媒の蒸発温度及び凝縮温度の値を代入して得られた値を算出値とし、該算出値を蒸発器出口における実際の冷媒の過熱度で補正して得られた値を上記圧縮機( 41,42 )の電動機が消費する電力の値として出力するように構成されるものである。
【0008】
本発明が講じた第2の解決手段は、上記第1の解決手段において、制御手段(92,93)は、消費電力検出手段(91)の検出電力値が設定値未満の場合には利用側の負荷に応じて圧縮機手段(40)の容量を制御する負荷対応動作と、上記負荷対応動作により圧縮機手段(40)の容量を調節すると消費電力検出手段(91)の検出電力値が設定値を上回る場合には該検出電力値が設定値となるように圧縮機手段(40)の容量を制御する消費電力規制動作とを行うように構成されるものである。
【0009】
本発明が講じた第3の解決手段は、上記第1又は第2の解決手段において、少なくとも圧縮機手段(40)及び冷媒状態検出手段(74,76)が設けられる本体部(11)と、少なくとも消費電力検出手段(91)が設けられて上記本体部(11)とは別体に形成される運転管理部(95)と、上記本体部(11)と上記運転管理部(95)の間で信号の授受を行わせる通信手段(96)とを備えるものである。
【0010】
本発明が講じた第4の解決手段は、上記第1又は第2の解決手段において、消費電力検出手段(91)は、特性関数の係数を外部信号により変更可能に構成されるものである。
【0011】
本発明が講じた第5の解決手段は、上記第1又は第2の解決手段において、制御手段(92,93)は、設定値を外部信号により変更可能に構成されるものである。
【0012】
−作用−
上記第1の解決手段では、冷凍装置の冷媒回路(15)に圧縮機手段(40)の圧縮機(41,42)が接続される。圧縮機(41,42)は、電動機によって駆動されて冷媒を圧縮する。この圧縮機(41,42)としては、圧縮機構と電動機とが1つのハウジングに収納される全密閉型のものや、圧縮機構と電動機とが別体に構成されて互いに駆動軸で連結されるものが例示される。圧縮機手段(40)は、1台又は複数台の圧縮機(41,42)により構成される。圧縮機手段(40)は、例えば圧縮機(41,42)を駆動する電動機の回転数を変更することにより、その容量を変更できるように構成される。また、圧縮機手段(40)が複数台の圧縮機(41,42)で構成される場合には、圧縮機(41,42)の運転台数を変更することで圧縮機手段(40)の容量を変更してもよい。
【0013】
電動機に通電して圧縮機(41,42)を駆動すると、冷媒回路(15)で冷媒が相変化しつつ循環して冷凍サイクルが行われる。つまり、冷媒回路(15)では、圧縮、凝縮、膨張、蒸発を順に繰り返しつつ冷媒が循環する。そして、冷媒が対象物から吸熱して蒸発する冷却動作や、冷媒が対象物へ放熱して凝縮する加熱動作が行われる。
【0014】
本解決手段に係る冷凍装置には、冷媒状態検出手段(74,76)、消費電力検出手段(91)、及び制御手段(92,93)が設けられる。この冷媒状態検出手段(74,76)は、冷凍サイクル時に冷媒回路(15)を循環する冷媒の蒸発温度及び凝縮温度を検出するためのものである。消費電力検出手段(91)は、圧縮機(41,42)の特性と、冷媒状態検出手段(74,76)の検出値とを少なくとも用いて、圧縮機手段(40)において電動機が消費する電力を算出する。例えば、圧縮機手段(40)が複数台の圧縮機(41,42)で構成されて電動機が複数存在する場合、消費電力検出手段(91)は、各電動機における消費電力の合計値を検出電力値とする。一方、制御手段(92,93)は、消費電力検出手段(91)により検出された電力の値、即ち消費電力検出手段(91)の検出電力値が設定値を超えないように、圧縮機手段(40)の容量を適宜調節する。従って、電動機の消費電力は、所定の設定値以下に維持される。
【0015】
また、本解決手段では、圧縮機(41,42)の特性に基づき定められた特性関数を利用して、消費電力検出手段(91)が電動機の消費電力を算出する。つまり、消費電力検出手段(91)は、冷媒状態検出手段(74,76)により検出された冷媒の蒸発温度及び凝縮温度の値を特性関数へ代入して算出値を得る。そして、消費電力検出手段( 91 )は、得られた算出値を蒸発器出口における実際の冷媒の過熱度で補正し、補正後の値をから電動機の消費電力として出力する
【0016】
上記第2の解決手段では、制御手段(92,93)が負荷対応動作を行う。負荷対応動作では、利用側の負荷変動に応じて、制御手段(92,93)が圧縮機手段(40)の容量を変更する。例えば、対象物の冷却を行う場合には、冷却負荷が増加すると圧縮機手段(40)の容量を増大させ、冷却負荷が低下すると圧縮機手段(40)の容量を削減する。この負荷対応動作は、消費電力検出手段(91)で検出される電動機の消費電力が所定の設定値未満の場合に行われる。
【0017】
本解決手段に係る制御手段(92,93)は、負荷対応動作を行う一方で、消費電力規制動作も行う。この消費電力規制動作は、負荷対応動作によって圧縮機手段(40)の容量を利用側の負荷に対応したものとすると、消費電力検出手段(91)により検出される電動機の消費電力が所定の設定値を超えてしまう場合に行われる。このような場合、制御手段(92,93)は、消費電力規制動作として、消費電力検出手段(91)の検出電力値が設定値に保たれるように圧縮機手段(40)の容量を調節する動作を行う。この消費電力規制動作により、圧縮機手段(40)は、電動機の消費電力が設定値を超えない範囲における最大の容量で運転される。
【0018】
上記第3の解決手段では、本体部(11)、運転管理部(95)、及び通信手段(96)が設けられる。本体部(11)には、圧縮機手段(40)及び冷媒状態検出手段(74,76)が少なくとも設けられる。運転管理部(95)には、消費電力検出手段(91)が少なくとも設けられる。尚、制御手段(92,93)については、本体部(11)に設けてもよいし、運転管理部(95)に設けてもよい。本体部(11)と運転管理部(95)とは、別体に形成されて別個の箇所に設置される。本体部(11)と運転管理部(95)の間では、通信手段(96)を介して信号のやりとりが行われる。つまり、本体部(11)と運転管理部(95)とは、通信手段(96)によって相互に通信可能となっている。
【0019】
上記第4の解決手段では、消費電力検出手段(91)における特性関数の係数が、外部信号によって変更可能とされる。この外部信号は、冷凍装置に設けられた入力装置等から入力されるものであってもよいし、電話回線やインターネット等を通じて遠隔地から入力されるものであってもよい。
【0020】
上記第5の解決手段では、制御手段(92,93)における設定値が、外部信号によって変更可能とされる。この外部信号は、冷凍装置に設けられた入力装置等から入力されるものであってもよいし、電話回線やインターネット等を通じて遠隔地から入力されるものであってもよい。
【0021】
【発明の効果】
本発明では、冷凍装置に消費電力検出手段(91)を設けて電動機の消費電力を検出している。このため、冷凍装置の運転中に電動機で実際に消費される電力の値を把握した上で、電動機の消費電力を設定値以下とするための動作を制御手段(92,93)に行わせることができる。従って、電力ピークカットの要請があった場合には、電動機の消費電力を確実に設定値以下に抑制でき、冷凍装置の消費電力を削減して電力ピークカットの要請に的確に応えることが可能となる。
【0022】
更に、本発明では、冷媒状態検出手段(74,76)が検出した値を用いて、消費電力検出手段(91)が電動機の消費電力を算出している。ここで、冷凍装置の運転を制御するためには、冷凍サイクル時における冷媒の蒸発温度や凝縮温度の値が必要である。つまり、通常は、従来の冷凍装置においても、冷媒の蒸発温度や凝縮温度を検出するための冷媒状態検出手段(74,76)が設けられる。
【0023】
このため、本発明によれば、従来の冷凍装置にも設けられる冷媒状態検出手段(74,76)の検出値を用いて、電動機の消費電力を検出することができる。従って、冷凍装置の部品点数の増加や製造コストの上昇を招くことなく、電動機の消費電力を検出して電力ピークカットの要請に的確に応えることが可能となる。
【0024】
また、上記第2の解決手段では、制御手段(92,93)が消費電力規制動作を行うように構成される。このため、電動機の消費電力を設定値以下とする制約の下において可能な最大容量で圧縮機手段(40)を運転でき、消費電力を設定値以下に抑えつつ、可能な範囲で最大の冷凍能力を発揮させることができる。従って、電力ピークカットの要請に応えつつ、これに伴う冷却能力の不足を最小限に留めることができる。
【0025】
特に、上記第4の解決手段では、消費電力検出手段(91)における特性関数の係数を外部信号によって変更可能としている。このため冷凍装置の設置後においても、その運転状況に応じた適切な特性関数の係数を消費電力検出手段(91)へ入力することができ、電動機の消費電力の算出値を一層正確なものとすることができる。
【0026】
また、上記第5の解決手段では、制御手段(92,93)における設定値を外部信号によって変更可能としている。このため冷凍装置の設置後において設定値を変更が必要となった場合にも、そのような利用者の要求に的確に応えることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態は、本発明に係る冷凍装置を構成する空調機(10)である。この空調機(10)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行う。
【0028】
図1に示すように、上記空調機(10)は、1台の室外機(11)と2台の室内機(12,13)とを備え、いわゆるマルチ型に構成されている。また、上記空調機(10)は、冷媒回路(15)とコントローラ(90)とを備えている。尚、本実施形態では室内機(12,13)を2台としたが、これは一例であり、室外機(11)の能力や用途に応じて室内機(12,13)の台数を適宜定めればよい。
【0029】
《冷媒回路の構成》
上記冷媒回路(15)は、1つの室外回路(20)と、2つの室内回路(60,65)と、液側連絡管(16)と、ガス側連絡管(17)とにより構成されている。室外回路(20)には、液側連絡管(16)及びガス側連絡管(17)を介して、2つの室内回路(60,65)が並列に接続されている。
【0030】
上記室外回路(20)は、室外機(11)に収納されている。この室外回路(20)には、圧縮機ユニット(40)、四路切換弁(21)、室外熱交換器(22)、室外膨張弁(24)、レシーバ(23)、液側閉鎖弁(25)、及びガス側閉鎖弁(26)が設けられている。
【0031】
上記圧縮機ユニット(40)は、第1圧縮機(41)と第2圧縮機(42)を並列に接続したものであって、圧縮機手段を構成している。第1,第2圧縮機(41,42)は、何れも密閉型のスクロール圧縮機である。つまり、これら圧縮機(41,42)は、圧縮機構と該圧縮機構を駆動する電動機とを、円筒状のハウジングに収納して構成されている。尚、圧縮機構及び電動機は、図示を省略する。第1圧縮機(41)は、電動機が常に一定回転数で駆動される一定容量のものである。第2圧縮機(42)は、電動機の回転数が段階的に又は連続的に変更される容量可変のものである。そして、上記圧縮機ユニット(40)は、第1圧縮機(41)の発停や第2圧縮機(42)の容量変更によって、ユニット全体の容量が可変となっている。
【0032】
上記圧縮機ユニット(40)は、吸入管(43)及び吐出管(44)を備えている。吸入管(43)は、その入口端が四路切換弁(21)の第1のポートに接続され、その出口端が2つに分岐されて各圧縮機(41,42)の吸入側に接続されている。吐出管(44)は、その入口端が2つに分岐されて各圧縮機(41,42)の吐出側に接続され、その出口端が四路切換弁(21)の第2のポートに接続されている。また、第1圧縮機(41)に接続する吐出管(44)の分岐管には、吐出側逆止弁(45)が設けられている。この吐出側逆止弁(45)は、第1圧縮機(41)から流出する方向への冷媒の流通のみを許容する。
【0033】
また、上記圧縮機ユニット(40)は、油分離器(51)、油戻し管(52)、及び均油管(54)を備えている。油分離器(51)は、吐出管(44)の途中に設けられている。この油分離器(51)は、圧縮機(41,42)の吐出冷媒から冷凍機油を分離するためのものである。油戻し管(52)は、その一端が油分離器(51)に接続され、その他端が吸入管(43)に接続されている。この油戻し管(52)は、油分離器(51)で分離された冷凍機油を、圧縮機(41,42)の吸入側へ戻すためのものであって、油戻し電磁弁(53)を備えている。均油管(54)は、その一端が第1圧縮機(41)に接続され、その他端が吸入管(43)における第2圧縮機(42)の吸入側近傍に接続されている。この均油管(54)は、各圧縮機(41,42)のハウジング内に貯留される冷凍機油の量を平均化するためのものであって、均油電磁弁(55)を備えている。
【0034】
上記四路切換弁(21)は、その第3のポートがガス側閉鎖弁(26)と配管接続され、その第4のポートが室外熱交換器(22)の上端部と配管接続されている。四路切換弁(21)は、第1のポートと第3のポートが連通し且つ第2のポートと第4のポートが連通する状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通し且つ第2のポートと第3のポートが連通する状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。この四路切換弁(21)の切換動作によって、冷媒回路(15)における冷媒の循環方向が反転する。
【0035】
上記レシーバ(23)は、円筒状の容器であって、冷媒を貯留するためのものである。このレシーバ(23)は、流入管(30)及び流出管(33)を介して、室外熱交換器(22)と液側閉鎖弁(25)とに接続されている。
【0036】
流入管(30)は、その入口端側が2つの分岐管(30a,30b)に分岐され、その出口端がレシーバ(23)の上端部に接続されている。流入管(30)の第1分岐管(30a)は、室外熱交換器(22)の下端部に接続されている。この第1分岐管(30a)には、第1流入逆止弁(31)が設けられている。第1流入逆止弁(31)は、室外熱交換器(22)からレシーバ(23)へ向かう冷媒の流通のみを許容する。流入管(30)の第2分岐管(30b)は、液側閉鎖弁(25)に接続されている。この第2分岐管(30b)には、第2流入逆止弁(32)が設けられている。第2流入逆止弁(32)は、液側閉鎖弁(25)からレシーバ(23)へ向かう冷媒の流通のみを許容する。
【0037】
流出管(33)は、その入口端がレシーバ(23)の下端部に接続され、その出口端側が2つの分岐管(33a,33b)に分岐されている。流出管(33)の第1分岐管(33a)は、室外熱交換器(22)の下端部に接続されている。この第1分岐管(33a)には、上記室外膨張弁(24)が設けられている。流出管(33)の第2分岐管(33b)は、液側閉鎖弁(25)に接続されている。この第2分岐管(33b)には、流出逆止弁(34)が設けられている。流出逆止弁(34)は、レシーバ(23)から液側閉鎖弁(25)へ向かう冷媒の流通のみを許容する。
【0038】
上記室外熱交換器(22)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。この室外熱交換器(22)では、冷媒回路(15)を循環する冷媒と室外空気とが熱交換を行う。
【0039】
上記室外回路(20)には、更にガス抜き管(35)と均圧管(37)とが設けられている。ガス抜き管(35)は、その一端がレシーバ(23)の上端部に接続され、その他端が吸入管(43)に接続されている。また、ガス抜き管(35)には、ガス抜き電磁弁(36)が設けられている。一方、均圧管(37)は、その一端がガス抜き管(35)におけるガス抜き電磁弁(36)とレシーバ(23)の間に接続され、その他端が吐出管(44)に接続されている。また、均圧管(37)には、その一端から他端に向かう冷媒の流通のみを許容する均圧用逆止弁(38)が設けられている。この均圧管(37)は、空調機(10)の停止中に外気温が異常に上昇してレシーバ(23)の圧力が高くなりすぎた場合に、ガス冷媒を逃がすことでレシーバ(23)の破裂を防止するためのものである。従って、空調機(10)の運転中において、均圧管(37)を冷媒が流れることは無い。
【0040】
上記室内回路(60,65)は、各室内機(12,13)に1つずつ設けられている。具体的には、第1室内回路(60)が第1室内機(12)に収納され、第2室内回路(65)が第2室内機(13)に収納されている。
【0041】
第1室内回路(60)は、第1室内熱交換器(61)と第1室内膨張弁(62)とを直列に接続したものである。第1室内膨張弁(62)は、第1室内熱交換器(61)の下端部に配管接続されている。第2室内回路(65)は、第2室内熱交換器(66)と第2室内膨張弁(67)とを直列に接続したものである。第2室内膨張弁(67)は、第2室内熱交換器(66)の下端部に配管接続されている。
【0042】
第1及び第2室内熱交換器(61,66)は、共にクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成されている。各室内熱交換器(61,66)では、冷媒回路(15)を循環する冷媒と室内空気とが熱交換を行う。
【0043】
上記液側連絡管(16)は、その一端が液側閉鎖弁(25)に接続されている。この液側連絡管(16)は、他端側で2つに分岐されており、その一方が第1室内回路(60)における第1室内膨張弁(62)側の端部に接続され、他方が第2室内回路(65)における第2室内膨張弁(67)側の端部に接続されている。上記ガス側連絡管(17)は、その一端がガス側閉鎖弁(26)に接続されている。このガス側連絡管(17)は、他端側で2つに分岐されており、その一方が第1室内回路(60)における第1室内熱交換器(61)側の端部に接続され、他方が第2室内回路(65)における第2室内熱交換器(66)側の端部に接続されている。
【0044】
上記室外機(11)には、室外ファン(70)が設けられている。この室外ファン(70)は、室外熱交換器(22)へ室外空気を送るためのものである。一方、第1,第2室内機(12,13)には、それぞれ室内ファン(80)が設けられている。この室内ファン(80)は、室内熱交換器(61,66)へ室内空気を送るためのものである。
【0045】
上記空調機(10)には、温度や圧力のセンサが設けられている。具体的に、室外機(11)には、室外空気の温度を検出するための外気温センサ(71)が設けられている。室外熱交換器(22)には、その伝熱管温度を検出するための室外熱交換器温度センサ(72)が設けられている。吸入管(43)には、圧縮機(41,42)の吸入冷媒温度を検出するための吸入管温度センサ(73)と、圧縮機(41,42)の吸入冷媒圧力を検出するための低圧圧力センサ(74)とが設けられている。吐出管(44)には、圧縮機(41,42)の吐出冷媒温度を検出するための吐出管温度センサ(75)と、圧縮機(41,42)の吐出冷媒圧力を検出するための高圧圧力センサ(76)と、高圧圧力スイッチ(77)とが設けられている。各室内機(12,13)には、室内空気の温度を検出するための内気温センサ(81)が1つずつ設けられている。各室内熱交換器(61,66)には、その伝熱管温度を検出するための室内熱交換器温度センサ(82)が1つずつ設けられている。各室内回路(60,65)における室内熱交換器(61,66)の上端近傍には、室内回路(60,65)を流れるガス冷媒温度を検出するためのガス側温度センサ(83)が1つずつ設けられている。
【0046】
《コントローラの構成》
上記コントローラ(90)は、消費電力検出部(91)と、負荷対応部(92)と、消費電力規制部(93)とを備えている。このコントローラ(90)は、上記のセンサ類からの信号やリモコン等からの指令信号を受けて空調機(10)の運転制御を行うものである。具体的に、コントローラ(90)は、室外膨張弁(24)及び室内膨張弁(62,67)の開度調節や、四路切換弁(21)の切換、ガス抜き電磁弁(36)、油戻し電磁弁(53)、及び均油電磁弁(55)の開閉操作、更には圧縮機ユニット(40)の容量制御を行う。コントローラ(90)の消費電力検出部(91)は消費電力検出手段を構成し、負荷対応部(92)及び消費電力規制部(93)は制御手段を構成している。
【0047】
消費電力検出部(91)は、第1及び第2圧縮機(41,42)の電動機において消費される電力を、いわゆるコンプレッサ・カーブ法と同様の手法で算出するように構成されている。消費電力検出部(91)には、圧縮機(41,42)の特性に基づいて定められる特性関数が予め記録されている。また、消費電力検出部(91)には、冷媒状態検出手段を構成する低圧圧力センサ(74)及び高圧圧力センサ(76)の検出値が入力されている。消費電力検出部(91)は、低圧圧力センサ(74)の検出値PEにおける冷媒の相当飽和温度を冷媒の蒸発温度TEとし、高圧圧力センサ(76)の検出値PCにおける冷媒の相当飽和温度を冷媒の凝縮温度TCとする。そして、消費電力検出部(91)は、圧力センサ(74,76)の検出値から得られる冷媒の蒸発温度TE及び凝縮温度TCを記録されている特性関数へ代入することで各圧縮機(41,42)の電動機の消費電力をそれぞれ算出し、圧縮機(41,42)の電動機ごとに算出した消費電力の合計値を検出電力値として出力する。
【0048】
消費電力検出部(91)に記録されている特性関数について、図2を参照しながら説明する。蒸発器出口の冷媒の過熱度SH及び凝縮器出口の冷媒の過冷却度SCを、適当な値に固定しておく。冷媒の蒸発温度TEが分かれば、過熱度SHが固定されていることから、圧縮機の吸入冷媒の温度及び圧力を特定できる。また、冷媒の凝縮温度TCが分かれば、圧縮機の吐出冷媒の温度及び圧力を特定できる。従って、圧縮機の吸入側及び吐出側における冷媒圧力を特定でき、圧縮機について予め行った性能試験の結果より、圧縮機から吐出される冷媒の流量や圧縮機の電動機で消費される電力が求められる。つまり、冷媒の過熱度SH及び過冷却度SCを固定すれば、式<1>に示すように、圧縮機の電動機の消費電力Wiは、冷凍サイクルにおける冷媒の凝縮温度TC及び蒸発温度TEの関数として表される。
【0049】
i=f(TC,TE) … <1>
i:電動機の消費電力
C:冷媒の凝縮温度
E:冷媒の蒸発温度
上記式<1>で示される特性関数の具体例としては、式<2>で示されるようなものが挙げられる。この式<2>で示される特性関数は、圧縮機(41,42)として採用される機種について予め行った性能試験の結果を二次近似式として表したものである。
【0050】
i=R(1)+R(2)TC+R(3)TE+R(4)TC 2+R(5)TCE+R(6)TE 2 … <2>
R(i),i=1〜6:係数
本実施形態に係るコントローラ(90)の消費電力検出部(91)は、上記式<2>で示される特性関数と係数R(i)とを予め記憶している。この係数R(i)については、第1圧縮機(41)に関するものと、第2圧縮機(42)に関するものとを別個に記憶している。
【0051】
ここで、容量可変に構成された第2圧縮機(42)については、第2圧縮機(42)の電動機の回転速度(1秒間あたりの回転数)によって係数R(i)の値が異なる。このため、消費電力検出部(91)は、下記の表1に示すように、3つの回転速度30,60,90[1/s]ごとに6つの係数R(i)を記憶している。具体的には、回転速度30[1/s]の場合の係数R(i)としてr11,…,r61を、回転速度60[1/s]の場合の係数R(i)としてr12,…,r62を、回転速度90[1/s]の場合の係数R(i)としてr13,…,r63をそれぞれ記憶している。
【0052】
【表1】
Figure 0003555575
【0053】
そして、第2圧縮機(42)の電動機の消費電力を算出する場合、消費電力検出部(91)は、その時の電動機の回転速度に対応する係数R(i)を補完により求め、得られた係数R(i)の値を用いて消費電力を算出する。尚、冷媒の凝縮温度TC及び蒸発温度TEだけでなく、電動機の回転速度をも変数として含む特性関数により、消費電力Wiを表してもよい。
【0054】
尚、上記特性関数の係数R(i)は、空調機(10)の出荷時から消費電力検出部(91)に記憶させておいてもよいし、空調機(10)を試運転した後に消費電力検出部(91)へ入力するようにしてもよい。また、空調機(10)の設置後に、遠隔地のサービスセンターから電話回線等を通じて外部信号を入力することで、消費電力検出部(91)が記憶している係数R(i)の値を変更するようにしてもよい。
【0055】
負荷対応部(92)は、利用側の負荷、即ち室内の冷房負荷や暖房負荷に応じて圧縮機ユニット(40)の容量を制御する負荷対応動作を行うように構成されている。具体的に、負荷対応部(92)は、リモコン等により入力された室内の設定温度と上記内気温センサ(81)の検出温度との差に基づき、第1圧縮機(41)の発停や第2圧縮機(42)の容量変更を行って圧縮機ユニット(40)の容量を調節する。
【0056】
消費電力規制部(93)は、上記負荷対応部(92)の負荷対応動作に割り込むかたちで、消費電力規制動作を行う。この消費電力規制動作は、負荷対応動作に基づく圧縮機ユニット(40)の容量とすると消費電力検出部(91)の検出電力値が設定値を上回ってしまう場合に限って行われる。そして、消費電力規制部(93)は、消費電力規制動作として、消費電力検出部(91)の検出電力値が設定値に保たれるように圧縮機ユニット(40)の容量を調節する動作を行う。
【0057】
上記消費電力規制部(93)の設定値は、空調機(10)を設置する際に適宜設定されるものである。ただし、空調機(10)の設置後に、遠隔地のサービスセンターから電話回線等を通じて外部信号を入力することで、消費電力規制部(93)の設定値を変更するようにしてもよい。
【0058】
−運転動作−
上記空調機(10)の運転時には、冷媒回路(15)において冷媒が相変化しつつ循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。また、空調機(10)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行う。
【0059】
《冷房運転》
冷房運転時には、室内熱交換器(61,66)が蒸発器となる冷却動作が行われる。この冷房運転時において、四路切換弁(21)は、図1に実線で示す状態となる。室外膨張弁(24)は全閉とされ、第1,第2室内膨張弁(62,67)はそれぞれ所定の開度に調節される。ガス抜き電磁弁(36)は閉鎖状態に保持され、油戻し電磁弁(53)及び均油電磁弁(55)は適宜開閉される。これら弁の操作は、コントローラ(90)により行われる。その際、コントローラ(90)は、各室内熱交換器(61,66)から流出するガス冷媒の過熱度が一定となるように、各室内膨張弁(62,67)の開度を調節する。
【0060】
圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)を運転すると、これら圧縮機(41,42)で圧縮された冷媒が吐出管(44)へ吐出される。この冷媒は、四路切換弁(21)を通って室外熱交換器(22)へ流入する。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(22)で凝縮した冷媒は、流入管(30)の第1分岐管(30a)へ流入し、第1流入逆止弁(31)を通過してレシーバ(23)へ流入する。その後、冷媒は、レシーバ(23)から流出管(33)へ流入し、流出逆止弁(34)を通過して液側連絡管(16)へ流入する。
【0061】
液側連絡管(16)へ流入した冷媒は、二手に分流されて、一方が第1室内回路(60)へ流入し、他方が第2室内回路(65)へ流入する。各室内回路(60,65)では、流入した冷媒が室内膨張弁(62,67)で減圧された後に室内熱交換器(61,66)へ流入する。室内熱交換器(61,66)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。つまり、室内熱交換器(61,66)では、室内空気が冷却される。
【0062】
各室内熱交換器(61,66)で蒸発した冷媒は、ガス側連絡管(17)へ流入し、合流した後に室外回路(20)へ流入する。その後、冷媒は、四路切換弁(21)を通過し、吸入管(43)を通って圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)に吸入される。これら圧縮機(41,42)は、吸入した冷媒を圧縮して再び吐出する。冷媒回路(15)では、このような冷媒の循環が繰り返される。
【0063】
《暖房運転》
暖房運転時には、室内熱交換器(61,66)が凝縮器となる加熱動作が行われる。この暖房運転時において、四路切換弁(21)は、図1に破線で示す状態となる。室外膨張弁(24)、及び第1,第2室内膨張弁(62,67)は、それぞれ所定の開度に調節される。油戻し電磁弁(53)及び均油電磁弁(55)は、適宜開閉される。ガス抜き電磁弁(36)は、加熱動作が行われている間は常に開放状態に保持される。これら弁の操作は、コントローラ(90)により行われる。
【0064】
圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)を運転すると、圧縮された冷媒が圧縮機(41,42)から吐出管(44)へ吐出される。吐出管(44)を流れる冷媒は、四路切換弁(21)を通過してガス側連絡管(17)へ流入し、各室内回路(60,65)へ分配される。
【0065】
第1室内機(12)の第1室内回路(60)へ流入した冷媒は、第1室内熱交換器(61)で室内空気に放熱して凝縮する。第1室内熱交換器(61)では、冷媒の放熱により室内空気が加熱される。第1室内熱交換器(61)で凝縮した冷媒は、第1室内膨張弁(62)で減圧された後に液側連絡管(16)へ流入する。
【0066】
第2室内機(13)の第2室内回路(65)へ流入した冷媒は、第2室内熱交換器(66)で室内空気に放熱して凝縮する。第2室内熱交換器(66)では、冷媒の放熱により室内空気が加熱される。第2室内熱交換器(66)で凝縮した冷媒は、第2室内膨張弁(67)で減圧された後に液側連絡管(16)へ流入する。
【0067】
第1室内回路(60)及び第2室内回路(65)から液側連絡管(16)へ流入した冷媒は、合流した後に室外回路(20)へ流入する。室外回路(20)へ流入した冷媒は、流入管(30)の第2分岐管(30b)を流れ、第2流入逆止弁(32)を通過してレシーバ(23)へ流入する。レシーバ(23)へ流入する冷媒は気液二相状態であり、この冷媒のうち液冷媒がレシーバ(23)の下部に溜まり、ガス冷媒がレシーバ(23)の上部に溜まる。つまり、レシーバ(23)では、流入した気液二相状態の冷媒が、液冷媒とガス冷媒とに分離される。
【0068】
レシーバ(23)に貯留する液冷媒は、流出管(33)を通って室外膨張弁(24)で減圧される。減圧された冷媒は、室外熱交換器(22)へ送られ、室外空気から吸熱して蒸発する。この蒸発した冷媒は、四路切換弁(21)を通過して吸入管(43)へ流入する。一方、レシーバ(23)に貯留するガス冷媒は、ガス抜き管(35)へ流入する。ガス抜き管(35)を流れる冷媒は、ガス抜き電磁弁(36)を通過する際に減圧され、その後に吸入管(43)へ流入する。吸入管(43)では、室外熱交換器(22)からのガス冷媒とガス抜き管(35)からのガス冷媒とが合流する。そして、合流後のガス冷媒が、圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)に吸入される。これら圧縮機(41,42)は、吸入した冷媒を圧縮して再び吐出する。冷媒回路(15)では、このような冷媒の循環が繰り返される。
【0069】
《コントローラの動作》
コントローラ(90)の消費電力検出部(91)は、圧縮機(41,42)の電動機で消費される電力の値を算出する動作を行う。具体的に、消費電力検出部(91)は、入力された低圧圧力センサ(74)及び高圧圧力センサ(76)の検出値から、冷凍サイクルにおける冷媒の蒸発温度及び凝縮温度を求める。そして、消費電力検出部(91)は、得られた冷媒の蒸発温度及び凝縮温度の値を上記式<2>で示される特性関数へ代入して各圧縮機(41,42)における電動機の消費電力をそれぞれ算出し、各電動機について得られた値の合計値を検出電力値として出力する。
【0070】
ここで、上記式<2>の特性関数における係数R(i)を定めるときに仮定した冷媒の過熱度SH及び過冷却度SCの値と、実際に行われている冷凍サイクルでの冷媒の過熱度SH及び過冷却度SCの値とが異なる場合もある。このような場合、消費電力検出部(91)は、冷媒の蒸発温度及び凝縮温度を上記式<2>へ代入して得られた値を、実際の冷媒の過熱度SH及び過冷却度SCの値を用いて補正する。
【0071】
コントローラ(90)の負荷対応部(92)及び消費電力規制部(93)の動作について、図3を参照しながら説明する。この図3は、夏期に冷房運転を行う際の空調機(10)の消費電力、即ち圧縮機(41,42)における電動機の消費電力について、1日のうちにおける時間変化を示したものである。
【0072】
8時頃に電源が投入されると、圧縮機(41,42)の電動機に対して電力が供給され、空調機(10)の冷房運転が開始される。圧縮機ユニット(40)の容量は、負荷対応部(92)の負荷対応動作により冷房負荷の変化に応じて変更される。圧縮機ユニット(40)の容量が変化すると、消費電力検出部(91)の検出電力値、即ち、圧縮機ユニット(40)において圧縮機(41,42)の電動機が消費する電力の値も変化する。午前中は冷房負荷がさほど大きくなく、消費電力検出部(91)の検出電力値が所定の設定値A(kW)以下であるため、負荷対応部(92)による圧縮機ユニット(40)の容量制御が継続される。
【0073】
その後、外気温の上昇に伴って冷房負荷が増大し、消費電力検出部(91)の検出電力値も増加してゆく。そして、12時過ぎに消費電力検出部(91)の検出電力値が設定値Aに達すると、負荷対応部(92)の負荷対応動作に代えて、消費電力規制部(93)の消費電力規制動作により圧縮機ユニット(40)の容量が制御される。つまり、消費電力検出部(91)の検出電力値が設定値Aに保たれるように、圧縮機ユニット(40)の容量が調節される。
【0074】
ここで、消費電力規制部(93)が圧縮機ユニット(40)の容量を制御する間は、冷房負荷に対して空調機(10)の冷房能力が不足するため、室内の快適性が損なわれることとなる。しかしながら、消費電力規制部(93)は、消費電力検出部(91)の検出電力値が設定値Aとなるように圧縮機ユニット(40)の容量を調節しているため、圧縮機ユニット(40)の容量は、電動機の消費電力が設定値Aを超えない範囲内で最大となっている。つまり、空調機(10)は、電動機の消費電力を設定値A以下に保つという制約の下で得られる最大の冷房能力を発揮する。従って、消費電力を制限することによる快適性の低下は、最小限に抑制される。
【0075】
14時頃を過ぎて外気温が下がりはじめると、それにつれて室内の冷房負荷も低下してゆく。16時頃になると、負荷対応部(92)により圧縮機ユニット(40)の容量を制御する場合であっても、消費電力検出部(91)の検出電力値が設定値Aを下回るようになる。そこで、消費電力規制部(93)の消費電力規制動作に代えて、負荷対応部(92)の負荷対応動作による圧縮機ユニット(40)の容量制御を再開する。その後は負荷対応部(92)によって圧縮機ユニット(40)の容量を制御しつつ冷房運転を継続し、20時頃に空調機(10)の電源が落とされる。
【0076】
−実施形態の効果−
本実施形態では、コントローラ(90)の消費電力検出部(91)へセンサの検出値を入力し、圧縮機(41,42)における電動機の消費電力を消費電力検出部(91)で算出している。このため、空調機(10)の運転中に圧縮機(41,42)の電動機で実際に消費される電力の値を把握した上で、電動機の消費電力を設定値以下とするための動作をコントローラ(90)に行わせることができる。従って、電力ピークカットの必要がある場合には、消費電力検出部(91)の検出電力値を考慮しながら圧縮機ユニット(40)の容量制御を行うことができ、圧縮機(41,42)における電動機の消費電力を確実に設定値以下に抑制して電力ピークカットの要請に的確に応えることが可能となる。
【0077】
また、本実施形態では、低圧圧力センサ(74)及び高圧圧力センサ(76)の検出値を利用することで、消費電力検出部(91)において圧縮機(41,42)の電動機が消費する電力を算出している。ここで、低圧圧力センサ(74)や高圧圧力センサ(76)は、電動機の消費電力の算出を行わない従来の空調機においても、その運転制御のために設けられるセンサである。従って、本実施形態によれば、従来の空調機にも設けられるセンサの検出値を利用して、消費電力検出部(91)において電動機の消費電力を算出できる。このため、空調機(10)の部品点数の増加や製造コストの上昇を招くことなく、電動機の消費電力を検出して電力ピークカットの要請に的確に応えることができる。
【0078】
また、本実施形態では、コントローラ(90)の消費電力規制部(93)によって、圧縮機(41,42)における電動機の消費電力が設定値に保たれるように圧縮機ユニット(40)の容量制御を行っている。このため、本実施形態によれば、電力ピークカットの要請に対応することで生じる快適性の低下を最小限に留めることができる。
【0079】
この効果について説明すると、上述のように、従来は、電動機の消費電力が設定値を下回るであろうと見込まれる容量にまで圧縮機ユニット(40)の容量を一律に制限し、電動機の消費電力を設定値以下に保とうとしていた。ところが、例えば圧縮機ユニット(40)の容量を半分にしたからといって電動機の消費電力が半分になるとは限らない。このため、この従来の手法によれば、図4に示すように、圧縮機ユニット(40)の容量を必要以上に小さな値に制限してしまうおそれがあり、空調機(10)の冷房能力が小さくなりすぎて快適性を大幅に損なう場合が多かった。
【0080】
これに対して、本実施形態によれば、消費電力規制部(93)の消費電力規制動作により、圧縮機(41,42)の電動機に対して可能な限り最大の電力を供給できる。このため、電動機の消費電力を設定値A以下に制限した場合における最大の容量で圧縮機ユニット(40)を運転でき、可能な範囲で最大の冷房能力を得ることができる。従って、本実施形態によれば、電動機の消費電力を設定値A以下に保って電力ピークカットの要請に応えつつ、それに伴う快適性の低下を最小限に抑えることができる。
【0081】
−実施形態の変形例−
上記実施形態では、室外機(11)のコントローラ(90)に消費電力検出部(91)を設けるようにしているが、これに代えて、図5に示すように、本体部である室外機(11)とは別体の運転管理部(95)を設置し、この運転管理部(95)に消費電力検出部(91)を設けるようにしてもよい。
【0082】
本変形例において、運転管理部(95)は、空調機(10)が設けられる建物から離れた場所に設置されている。遠隔地に設置された運転管理部(95)と空調機(10)とは、通信手段である電話回線(96)により通信可能となっている。
【0083】
室外機(11)において低圧圧力センサ(74)及び高圧圧力センサ(76)が検出した値は、電話回線(96)を通じて運転管理部(95)へ送信される。運転管理部(95)の消費電力検出部(91)は、入力された検出値を特性関数へ代入することによって、圧縮機ユニット(40)において圧縮機(41,42)の電動機が消費する電力の値を算出する。消費電力検出部(91)で算出された消費電力の値は、電話回線(96)を通じて室外機(11)のコントローラ(90)へ送信される。コントローラ(90)では、入力された消費電力の値に基づき、負荷対応部(92)や消費電力規制部(93)によって圧縮機ユニット(40)の容量制御が行われる。
【0084】
尚、本変形例では、消費電力検出部(91)だけを運転管理部(95)に設けるようにしたが、消費電力検出部(91)及び消費電力規制部(93)の両方を運転管理部(95)に設けてもよい。この場合、運転管理部(95)では、消費電力検出部(91)における消費電力の算出と、消費電力規制部(93)における圧縮機ユニット(40)の容量の決定とが行われる。消費電力規制部(93)で決定された圧縮機ユニット(40)の容量は、電話回線(96)を通じて室外機(11)のコントローラ(90)へ送信される。そして、コントローラ(90)は、入力された信号に基づいて圧縮機ユニット(40)の容量制御を行う。
【0085】
また、本変形例では通信手段として電話回線(96)を用いているが、電話回線(96)に代えてインターネット等を利用してもよい。
【0086】
【発明のその他の実施の形態】
上記実施形態では、圧縮機(41,42)の電動機の消費電力Wiを冷凍サイクルにおける冷媒の凝縮温度TC及び蒸発温度TEの特性関数として表し(式<1>参照)、この特性関数をコントローラ(90)の消費電力検出部(91)に記憶させている。これに対し、圧縮機(41,42)の電動機に流れる電流値を冷凍サイクルにおける冷媒の凝縮温度TC及び蒸発温度TEの特性関数として表し、この特性関数を消費電力検出部(91)に記憶させてもよい。この場合、消費電力検出部(91)は、得られた凝縮温度TC及び蒸発温度TEを記憶する特性関数に代入して電動機に流れる電流値を算出し、得られた電流値から電動機の消費電力を導き出すこととなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る空調機における冷媒回路の配管系統図である。
【図2】実施形態に係るコントローラの消費電力検出部が記憶する特性関数を説明するためのモリエル線図である。
【図3】実施形態に係る空調機の冷房運転時における消費電力の変化を示す消費電力と時刻の関係図である。
【図4】従来技術に係る空調機の冷房運転時における消費電力の変化を示す消費電力と時刻の関係図である。
【図5】実施形態の変形例に係る空調機の概略構成図である。
【符号の説明】
(15) 冷媒回路
(40) 圧縮機ユニット(圧縮機手段)
(41) 第1圧縮機
(42) 第2圧縮機
(74) 低圧圧力センサ(冷媒状態検出手段)
(76) 高圧圧力センサ(冷媒状態検出手段)
(91) 消費電力検出部(消費電力検出手段)
(92) 負荷対応部(制御手段)
(93) 消費電力規制部(制御手段)
(95) 運転管理部
(96) 電話回線(通信手段)

Claims (5)

  1. 電動機で駆動される圧縮機(41,42)を1つ以上有する容量可変の圧縮機手段(40)を備え、該圧縮機手段(40)の圧縮機(41,42)が接続される冷媒回路(15)で冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷凍装置であって、
    冷凍サイクルにおける冷媒の蒸発温度及び凝縮温度を検出するための冷媒状態検出手段(74,76)と、
    少なくとも上記冷媒状態検出手段(74,76)の検出値と圧縮機(41,42)の特性とに基づき、上記圧縮機手段(40)で電動機が消費する電力の値を算出する消費電力検出手段(91)と、
    上記消費電力検出手段(91)の検出電力値が所定の設定値以下となるように上記圧縮機手段(40)の容量を制御する制御手段(92,93)とを備える一方、
    上記消費電力検出手段( 91 )は、圧縮機( 41,42 )の特性に基づいて予め定められた特性関数に対して冷媒状態検出手段( 74,76 )が検出する冷媒の蒸発温度及び凝縮温度の値を代入して得られた値を算出値とし、該算出値を蒸発器出口における実際の冷媒の過熱度で補正して得られた値を上記圧縮機( 41,42 )の電動機が消費する電力の値として出力するように構成されている冷凍装置。
  2. 請求項1記載の冷凍装置において、
    制御手段(92,93)は、
    消費電力検出手段(91)の検出電力値が設定値未満の場合には利用側の負荷に応じて圧縮機手段(40)の容量を制御する負荷対応動作と、
    上記負荷対応動作により圧縮機手段(40)の容量を調節すると消費電力検出手段(91)の検出電力値が設定値を上回る場合には該検出電力値が設定値となるように圧縮機手段(40)の容量を制御する消費電力規制動作とを行うように構成されている冷凍装置。
  3. 請求項1又は2記載の冷凍装置において、
    少なくとも圧縮機手段(40)及び冷媒状態検出手段(74,76)が設けられる本体部(11)と、
    少なくとも消費電力検出手段(91)が設けられて上記本体部(11)とは別体に形成される運転管理部(95)と、
    上記本体部(11)と上記運転管理部(95)の間で信号の授受を行わせる通信手段(96)と
    を備えている冷凍装置。
  4. 請求項1又は2記載の冷凍装置において、
    消費電力検出手段(91)は、特性関数の係数を外部信号により変更可能に構成されている冷凍装置。
  5. 請求項1又は2記載の冷凍装置において、
    制御手段(92,93)は、設定値を外部信号により変更可能に構成されている冷凍装置。
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