JP3539493B2 - キャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータ - Google Patents

キャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置や工作機のテーブル送りに使われると共に、低温度上昇と一定速送り精度が要求されるキャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体製造装置や工作機のテーブル送りに用いられると共に、低温度上昇と一定速送り精度が要求されるキャンド・リニアモータは、例えば、実公平06−041381号公報や実公平06−070484号公報に開示されているものがある。
図6は従来技術を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図である。
図6において、10が固定子、11が固定子ベース、12がキャン、13がヘッダ、14が冷媒供給口、15が冷媒排出口、20が可動子、21が可動子ベース、22が界磁ヨーク、23が永久磁石である。可動子20を構成する永久磁石23、23間に固定子10を構成する逆T字形の形状を成した電機子が配置される。可動子20は、図示しないリニアガイド等によって固定子10に対して支持されている。所定の電流を電機子巻線に流すことにより、永久磁石23の作る磁界と作用して可動子20には推力が発生する。そして、可動子20は矢印で示す進行方向に移動する。
【0003】
図7は図6のA−A線に沿うキャンド・リニアモータの正断面図である。
図7において、固定子10は逆T字形の形状を成している。固定子10は、固定子ベース11、固定子ベース11の窪みに上向きに支持されているキャン12、このキャン12を密封しているヘッダ13(図6参照)、このキャン12及びヘッダ13で作られる空間内に配置される巻線固定枠16、巻線固定枠16の長手方向に沿って固定される3相の電機子巻線17、キャン12の中を冷媒が通過する冷媒通路18により構成されている。
電機子巻線17は、例えば複数の集中巻コイルを3相分用意したもので構成され、巻線固定枠16の左右両側に貼り付けられている。また、巻線固定枠16はそれ自身の強度を要求されるため、ステンレスが使われている。
キャン12は、コの字形に形成された2個のステンレス製の薄板を対称的に配置し、それら接合端面を溶接して構成されており、電機子巻線17,巻線固定枠16を密封している。同じくステンレス製の鋳物で形成された2個のヘッダ13は、キャン12の両端のうち、一方端に冷媒を通すための冷媒供給口14を持ち、他端に冷媒排出口15を各々持っている。キャン12とヘッダ13は接合面で溶接によって接合されている。
また、冷媒を冷媒供給口14より供給して、冷媒排出口15より排出することにより、冷媒は電機子巻線17とキャン12の間にある冷媒通路18を流れる。一方、可動子20の形状は、図7に示すように、固定子10の電機子部を挟み込むようにして凹字形を成している。可動子20は、固定子10のキャン12の両側に磁気的空隙を介して配置された永久磁石23、永久磁石23の作る磁束を通すための磁性体で作られた界磁ヨーク22、それらを支持する可動子ベース21により構成されている。また、永久磁石23は、可動子の移動方向に沿って(紙面と垂直方向)、極ピッチごとに交互に極性が異なるように複数配置されている。
このように構成されたキャンド・リニアモータは、可動子20と固定子10の電気的相対位置に応じた所定の電流を電機子巻線17に流すことにより、可動子20となる永久磁石23の作る磁界と作用して可動子20に推力が発生する。この際、銅損によって発熱した電機子巻線17を冷媒により冷却し、固定子10の表面の温度上昇を低く抑えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来技術では、キャン12、巻線固定枠16はステンレスで構成されており、これらステンレスで構成された部材には、可動子20の永久磁石23がその表面上を通過すると、レンツの法則により渦電流が発生する。そして、この渦電流と永久磁石23の作る磁束とが鎖交し、可動子20の進行方向とは逆方向に粘性制動力が発生する。粘性制動力の大きさは、ステンレスの厚さや幅、可動子の移動速度、磁極数、磁束密度の2乗におおよそ比例する。このような粘性制動力の発生により次のような問題が起きた。
(1) ある推力発生に必要な電機子電流を流しても、粘性制動力分だけ推力は小さくなる。粘性制動力分だけ電機子電流を流さなければならないため、電機子巻線の銅損が増加し、キャン表面の温度上昇が大きくなった。
(2) 渦電流はいわゆる渦電流損として発生場所で熱に変換される。つまり、発生場所であるキャン、巻線固定枠が発熱し、さらなる温度上昇を引き起こした。
したがって温度上昇が非常に制限される用途には使用することができなかった。
(3) 上記したように速度の2乗で粘性制動力が増加するので、(1)の問題により、高速度の送りが要求される用途には使用できなかった。
(4) 粘性制動力を低減するためにキャンの厚さを薄くすると、冷媒通路を通過する冷媒の圧力によってキャンの変形(空隙へのキャンの膨らみ量)が大きくなった。その結果、冷媒流量を上げることができず、キャン表面の温度上昇が大きくなった。
(5) 粘性制動力を低減するために巻線固定枠の厚さを薄くすると、巻線固定枠の強度が著しく低下した。その結果、推力の反作用を受ける巻線固定枠が、振動または変形し、所定の推力、応答性や信頼性を確保することができなくなった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、粘性制動力を低減するとともに、推力の反作用に耐えうる強度を持ち、さらには、可動子と固定子の磁気的空隙へのキャン変形を抑えることができるキャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、請求項1記載のキャンド・リニアモータ電機子の発明は、巻線固定枠と、前記巻線固定枠の長手方向に沿って固定される電機子巻線と、前記巻線固定枠を額縁状に囲むように設けた金属製の筐体と、前記筐体の両開口部を密封するキャンと、前記電機子巻線の周囲に冷媒を流すことができるように前記筐体と前記キャンとで構成される密閉空間内に形成される冷媒通路と、前記キャンの両端のうち一方端側と他方端側の何れかに設けた冷媒供給口と冷媒排出口とを具備してなるキャンド・リニアモータ電機子において、前記キャンが樹脂で構成してあることを特徴とする。
請求項1記載の構成により、従来キャンと巻線固定枠に発生していた渦電流が無くなり、渦電流によるキャン部の発熱、粘性制動力分の推力増加による電機子巻線の発熱を無くすことができる。また、速度に関係無く粘性制動力は発生しないので、高速度の用途にも使用することができ、さらには、推力の反作用を受ける巻線固定枠を金属製の筐体で固定していることにより、巻線固定枠の振動を抑えることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のキャンド・リニアモータ電機子において、前記キャンを予め湾曲させて、前記湾曲の凸面が互いに対向するように前記キャンを前記筐体の両開口部に配置したことを特徴とする。
請求項2記載の構成により、冷媒の圧力による可動子に対向した空隙へのキャン変形を抑えることができるが小さくなるため、冷媒流量を増加することができ、請求項1記載の構成よりも、さらにキャン表面の温度上昇を低減できる。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2記載のキャンド・リニアモータ電機子において、前記電機子巻線を複数の集中巻コイルで構成し、前記集中巻コイルの空心に非磁性材の支柱を設け、前記支柱と前記キャンを締結して構成したことを特徴とする。
請求項3記載の構成により、請求項2記載と同じく、冷媒流量を増加することができ、キャン表面の温度上昇を低減できる。
さらに、請求項4の発明によると、請求項1〜3のいずれか1項記載のキャンド・リニアモータ電機子において、前記キャンおよび前記巻線固定枠を、ガラス繊維又はカーボン繊維を充填した樹脂で構成したことを特徴とする。
請求項4記載の構成により、冷媒の圧力による可動子に対向する空隙へのキャン変形を抑えることができる。請求項2及び3と同じく冷媒流量の増加が図れ、温度上昇を低減することができる。
また、請求項5のキャンド・リニアモータの発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の電機子と、前記電機子と磁気的空隙を介して対向配置されると共に交互に極性が異なる複数の永久磁石を隣り合わせに並べて配置した界磁ヨークとを備え、前記前記電機子と前記界磁ヨークの何れか一方を固定子に、他方を可動子として、前記界磁ヨークと前記電機子を相対的に走行するようにしたことを特徴とする。
請求項5記載の構成により、キャンに発生していた渦電流が無くなるので渦電流によるキャン部の発熱のない電機子が得られ、これに界磁ヨークを対向配置させることで発熱のないキャンド・リニアモータを得ることができる。
【0006】
【発明の実施形態】
以下、本発明の第1の実施例を図1〜図3を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施例を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図である。図において、100が固定子、101が筐体、102がキャン、103がキャン固定用ボルト、104が押え板、105が端子台、106が冷媒供給口、107が冷媒排出口、200が可動子、201が界磁ヨーク支持部材、202が界磁ヨーク、203が永久磁石である。
可動子200は、界磁ヨーク支持部材201の長さ分の距離を隔てて上下に界磁ヨーク202を備え、その四隅に界磁ヨーク支持部材201を配置し、界磁ヨーク202の互いの対向面に永久磁石203をそれぞれ取り付けて成るものである。
そして、可動子200の中空空間内に固定子100が挿入され、その場合、永久磁石203が固定子100の電機子108と対向するように配置される。可動子200は、図示しないリニアガイド等によって支持されている。
そこで、所定の電流を電機子巻線108に流すと永久磁石203の作る磁界との作用により可動子100に推力が発生し、可動子10は矢印で示す進行方向に移動することとなる。
【0007】
図2は、図1のA−A線に沿う本発明におけるキャンド・リニアモータの正断面図である。また、図3は図2のキャンを除いた固定子内部の構造を示す。
図2および図3において、固定子100は、内部を中空とするロの字形(額縁状)の金属製筐体101と、このロの字形筐体101の中空を覆うため筐体101の外形を象(かたちど)った板状のキャン102と、キャン102を筐体101に固定するためのキャン固定用ボルト103と、キャン固定用ボルト103の通し穴を持ちキャンを均等な荷重でもって押さえるための押え板104と、筐体101の中空内に配置された3相の電機子巻線108と、電機子巻線108を固定している巻線固定枠109と、筐体101とキャン102の中を冷媒が通過する冷媒通路110と、筐体101の縁よりも少し大き目に象られたOリング111と、巻線固定枠109と筐体101を固定するための巻線固定用ボルト112と、により構成されている。そして、キャン102の材質は、従来技術ではステンレス製であったが、本発明によって樹脂製とされており、ここでは熱硬化性樹脂である例えばエポキシ樹脂や熱可塑性樹脂である例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)を使用している。
筐体101の空洞部の形状は、電機子巻線108の外周を囲うように象られている。電機子巻線108は板状に形成された巻線固定枠109の両面に配置されている。電機子巻線108と一体になった巻線固定枠109は、筐体101の中空内に配置され、巻線固定用ボルト112で筐体101と固定される。筐体101の表裏の縁には、周回した溝が設けられており、そこにOリング111が配置される。そして、筐体101にふたをするようにキャン102が筐体101の表裏に配置される。キャン102の上から筐体101の縁に沿って押え板104が敷かれ、キャン固定用ボルト103にて締め付けられ、キャン102と筐体101は固定される。
電機子巻線108は、複数の集中巻コイルを3相分用意したもので構成され、巻線固定枠109の左右両側に貼り付けられている。電機子巻線108への電力供給は、筐体101に取り付けられた端子台105から行われる。端子台105と電機子巻線108はリード線(図示しない)で各々電気的に接続されている。また、冷媒は筐体101に設けた冷媒供給口106より供給され、冷媒排出口107より排出される。その間に、冷媒は電機子巻線108とキャン102の間にある冷媒通路110を流れ、発熱する電機子巻線108を冷却する。
【0008】
一方、可動子200の進行方向から見た断面形状は、図2に示すように、固定子100の電機子部を挟み込むようにしてロの字形を成している。可動子200は、固定子100のキャン102の両側に磁気的空隙を介して配置された永久磁石203、永久磁石203の作る磁束を通すための磁性体で作られた界磁ヨーク202、それらを支持する界磁ヨーク支持部材201により構成されている。
また、永久磁石203は、可動子の移動方向に沿って(紙面と垂直)、極ピッチごとに交互に異極になるように複数配置されている。
このように構成されたキャンド・リニアモータは、可動子200と固定子100の電気的相対位置に応じた所定の電流を電機子巻線108に流すことにより、可動子200となる永久磁石203の作る磁界と作用して可動子200に推力が発生する。
この際、銅損によって発熱した電機子巻線108は冷媒通路を流れる冷媒により冷却されるので、従来技術同様、キャン102の表面の温度上昇を抑えることができる。
従来技術と異なる第1の実施例による効果は、従来ステンレスを採用していたキャンと巻線固定枠の材質を樹脂にしたことにより、その部分で発生していた渦電流を無くすことができたことである。つまり、渦電流によるキャン部の発熱、粘性制動力による推力低下といった問題を解決できる。速度が速くなったとしても渦電流は発生しないため、速度が速い用途にも使用できる。
また、キャンと巻線固定枠をステンレスから樹脂にただ変更するだけでは、固定子またはその部材自身の強度が劣化する。巻線固定枠は、推力の反作用を受けるため、それに耐えうるだけの強度、もしくは固有振動によって振動しないだけの剛性が必要である。第1の実施例では、金属製の筐体によって固定子自身の剛性を高めるとともに、各樹脂部材の厚さを大きくすることで、この問題を解消している。
【0009】
次に、本発明の第2の実施例を説明する。
図4は、本発明の第2の実施例を示すキャンド・リニアモータの固定子の正断面図である。100’は本発明による固定子である。固定子100’は、第1の実施例と同じく、内部を中空とする額縁状金属製筐体101と、この筐体101の中空を覆う板状の樹脂製キャン102aと、樹脂製キャン102aを筐体101に固定するためのキャン固定用ボルト103と、キャン固定用ボルト103の通し穴を持ちキャンを均等に押さえる押え板104と、筐体101の中空内に配置された3相の電機子巻線108と、電機子巻線108を固定している巻線固定枠109と、筐体101とキャン102aの中を冷媒が通過する冷媒通路110と、筐体101の縁よりも少し大き目に象られたOリング111と、巻線固定枠109と筐体101を固定するための巻線固定用ボルト112と、により構成されている。
このように第2の実施例における効果は、第1の実施例と同じく、キャン102aを樹脂製と構成したので、渦電流を無くすることができる。
そして、第2の実施例が第1の実施例と違う点は、第1の実施例のキャン102が真っ直ぐな板状であったのに対して、第2の実施例のキャン102aは予め湾曲して形成されていることである。すなわち、キャン102aは、冷媒通路110に冷媒が流れていないとき、その中央部で電機子巻線108にわずかに接触しない程度に予め湾曲した形状に形成されている。冷媒通路110に冷媒が流れると、キャン102aはその冷媒による圧力によって中央部が外側に張り出すように変形する。
このようにキャンを予め湾曲させた形状としたことにより、第1の実施例を凌ぐ効果として、冷媒の流量による可動子に対向する空隙へのキャン変形を抑えることができる。したがって第1の実施例よりも冷媒流量を増加でき、温度上昇をより低減することが可能となる。
【0010】
次に、本発明の第3の実施例を説明する。
図5は、第3の実施例を示すキャンド・リニアモータの固定子の正断面図である。100”は本発明による固定子である。固定子100”は、第1および第2の実施例と同じく、内部を中空とする額縁状金属製筐体101と、この筐体101の中空を覆う板状の樹脂製キャン102bと、樹脂製キャン102bを筐体101に固定するためのキャン固定用ボルト103と、キャン固定用ボルト103の通し穴を持ちキャンを均等に押さえる押え板104と、筐体101の中空内に配置された3相の電機子巻線108と、電機子巻線108を固定している巻線固定枠109と、筐体101とキャン102bの中を冷媒が通過する冷媒通路110と、筐体101の縁よりも少し大き目に象られたOリング111と、巻線固定枠109と筐体101を固定するための巻線固定用ボルト112と、により構成されている。そして、113が電機子巻線108の集中巻コイル空心内に設けられた非磁性材の支柱、114が支柱固定用ネジである。
第3の実施例が第1及び第2の実施例と違う点は、集中巻コイルの空心内を通る支柱113と支柱固定用ネジ114にて機械締結されていることである。すなわち、巻線固定枠109に固定された支柱113により、キャン102bはその中央で支持されている。冷媒通路110に冷媒が流れると、キャン102bは、支柱113と筐体101の中間が可動子に対向する空隙へ最も張り出す。
第3の実施例における効果は、第1及び第2の実施例と同じく、渦電流を無くしたことであり、さらに、第1の実施例を凌ぐ効果として、キャンの中央を支柱によって支持したことにより、冷媒の圧力に対する空隙へのキャン変形を抑えることができることである。第1の実施例よりも冷媒流量の増加できるので、第2の実施例と同様、冷媒流量を増加し、温度上昇をより低減することができる。
【0011】
次に、本発明の第4の実施例を説明する。
第4の実施例は、第1乃至第3の実施例において、キャンおよび巻線固定枠の材質として、ガラス繊維もしくはカーボン繊維を充填した樹脂を用いるようにしたことである。
一般に、一方向にガラス繊維を積層した熱硬化性樹脂(GFRP)のヤング率は約60,000N/mm2 であり、カーボン繊維を積層した熱硬化性樹脂(CFRP)のヤング率は約20,000N/mm2 にもなる。このようにGFRPやCFRPはアルミニウムやステンレス鋼並みのヤング率を得ることができるため、キャン変形率の低減、もしくは巻線固定枠の強度向上が可能である。本発明はキャンや巻線固定枠が平板状に形成されていることから、これらの材料を容易に適用することができる。
すなわち、第4の実施例における効果は、第1乃至第3の実施例と同じく、渦電流を無くし、可動子に対向する空隙へのキャン変形を抑えることができる。冷媒流量の増加が図れ、更なる温度上昇低減が可能となることである。
なお、以上の実施例では、可動子に電機子巻線、固定子に界磁とした永久磁石を持つ構造で説明したが、可動子に永久磁石を、固定子に電機子巻線を持つ逆の構造としても良い。
また、可動子の形状をロの字形としたが、従来技術と同じ凹形や片側に永久磁石を並べるだけの構造としても、本発明が成り立つことは言うまでもない。
【0012】
【発明の効果】
以上説明した本発明の実施例におけるキャンド・リニアモータにより、以下のような効果がある。
(1) 従来渦電流の発生個所であったステンレス製のキャンと巻線固定枠を樹脂製に変更したことにより、渦電流の発生を皆無にした。その際の強度劣化を、金属製の筐体を骨とする構造によって克服できる。
(2) 樹脂製キャンを予め湾曲した形状としたことにより、空隙へのキャン変形を抑えることができる。冷媒流量の増加が可能となり、さらに温度上昇を低減できる。
(3) 樹脂製キャンの中央部を集中コイルの空心を通る支柱によって支持することにより、(2)と同じ効果を得ることができる。
(4) キャンと巻線固定枠の材質をヤング率の高いガラス繊維もしくはカーボン繊維を充填した樹脂を使うことにより、さらに(2)(3)の効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図
【図2】図1のA−A線に沿うキャンド・リニアモータの正断面図
【図3】図2のキャンを取り除いた固定子内部の構造を示す図
【図4】本発明の第2の実施例を示すキャンド・リニアモータの固定子の正断面図
【図5】本発明の第3の実施例を示すキャンド・リニアモータの固定子の正断面図
【図6】従来技術を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図
【図7】図6のA−A線に沿うキャンド・リニアモータの正断面図
【符号の説明】
10、100 固定子
101 筐体
11 固定子ベース
12、102、102a、102b キャン
13 ヘッダ
14、106 冷媒供給口
15、107 冷媒排出口
16、109 巻線固定枠
17、108 電機子巻線
18、110 冷媒通路
103 キャン固定用ボルト
104 押え板
105 端子台
111 Oリング
112 巻線固定用ボルト
113 支柱
114 支柱固定用ネジ
20、200 可動子
21 可動子ベース
22、202 界磁ヨーク
23、203 永久磁石
202 界磁ヨーク支持部材

Claims (4)

  1. 巻線固定枠と、前記巻線固定枠の長手方向に沿って固定される電機子巻線と、前記巻線固定枠を額縁状に囲むように設けた金属製の筐体と、前記筐体の両開口部を密封する樹脂製のキャンと、前記電機子巻線の周囲に冷媒を流すことができるように前記筐体と前記キャンとで構成される密閉空間内に形成される冷媒通路と、前記キャンの両端のうち一方端側と他方端側の何れかに設けた冷媒供給口と冷媒排出口とを具備してなるキャンド・リニアモータ電機子において、
    前記キャンを予め湾曲させて、前記湾曲の凸面が互いに対向するように前記キャンを前記筐体の両開口部に配置したことを特徴とするキャンド・リニアモータ電機子。
  2. 前記電機子巻線を複数の集中巻コイルで構成し、前記集中巻コイルの空心に非磁性材の支柱を設け、前記支柱と前記キャンを締結して構成したことを特徴とする請求項1記載のキャンド・リニアモータ電機子。
  3. 前記キャンおよび前記巻線固定枠を、ガラス繊維又はカーボン繊維を充填した樹脂で構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のキャンド・リニアモータ電機子。
  4. 請求項1〜3の何れか1項記載の電機子と、前記電機子と磁気的空隙を介して対向配置されると共に交互に極性が異なる複数の永久磁石を隣り合わせに並べて配置した界磁ヨークとを備え、前記電機子と前記界磁ヨークの何れか一方を固定子に、他方を可動子として、前記界磁ヨークと前記電機子を相対的に走行するようにしたことを特徴とするキャンド・リニアモータ。
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