JP3539342B2 - インクジェット記録方法、及びインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法、及びインクジェット式記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット式記録ヘッドにより記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録方法、及び、インクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式の記録ヘッドを備え、この記録ヘッドを走査することにより記録媒体上に記録を行うインクジェット式記録装置が良く知られている。
この種のインクジェット式記録装置(以下、記録装置と称す)は、記録ヘッドと、この記録ヘッドを主走査方向に移動させるヘッド走査機構と、記録紙等の記録媒体を紙送り方向に送り出して副走査する紙送り機構とを備えており、記録ヘッドの主走査と副走査とを繰り返し行うことで記録媒体上に画像を記録する。
【0003】
上記の記録ヘッドには、ノズル開口の径や圧力室の形状など量産過程で生じるばらつきがあり、このばらつきによって吐出インク量や着弾位置がノズル開口毎に異なってしまうという不具合がある。
この不具合によって画像上に白スジや色ムラが生じるため、主走査方向に沿った1ドットライン(1ラスタ)を、使用するノズル開口を異ならせた複数パス、つまり、複数回の主走査で記録することが行われている。
【0004】
そして、この種の記録装置では、「速いモード」や「きれいモード」といった記録モードが複数種類用意されており、記録モード毎にパス数、即ち、1ドットラインを記録するための主走査回数を定めている。例えば、「速いモード」では1ドットラインを1パスで記録するようにし、「きれいモード」では1ドットラインを4パスで記録するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の記録装置は、1ドットラインの記録に必要なパス数を記録モード毎に設定する構成であるため、パス数を増やせば画質の向上が図れるが記録速度が低下してしまうし、一方、記録速度の向上を図るためにはパス数を減らさなければならず、この場合には画質が損なわれてしまう。
要するに、従来の記録装置では、記録速度を優先させて画質を犠牲にするか、画質を優先させて記録速度を犠牲にするかのいずれかを選択する必要があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、画質を犠牲にすることなく記録速度の向上が図れるインクジェット記録方法、及びインクジェット式記録装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載の発明は、複数のノズル開口から構成されたノズル列を有する記録ヘッドをノズル列方向と交差する方向に移動させながらインク滴を吐出する主走査と、主走査方向と直交する方向に記録媒体を移動させる副走査とを繰り返して行うことにより、1ドットラインを異なるノズル開口による複数パスの主走査で記録し、記録媒体上に印刷データに基づく画像を記録するインクジェット記録方法において、
印刷データに基づいて全体領域の中に複数の個別領域を、主走査方向に並べた態様で設定可能とし、
設定された個別領域毎に主走査のパス数を、予め設定された異なるパス数の中から選択して定めると共に、主走査方向に隣り合う個別領域には異なるパス数を設定し、
主走査方向に隣り合う個別領域同士の境界からパス数を切り換えて記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法である。
【0008】
ここで、「印刷データ」とは、ホストコンピュータ等から送信されるデータを意味する。また、「全体領域」とは、印刷データで定められる記録領域の全体を意味し、「個別領域」とは、ノズル開口毎のばらつきに起因する色ムラ等の目立ち易さに基づいて区分けされた領域を意味する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記個別領域の設定は、印刷データを展開して得られたラスタデータを主走査方向及び副走査方向に分割することで、全体領域に複 数の矩形状ウィンドウを設定する段階と、ラスタデータに基づいて各ウィンドウ毎にランクを付与する段階と、付与されたランクの分布状態に応じ、主走査方向に隣り合うウィンドウをグループ化して個別領域を設定する段階とを順に経てなされることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法である。
【0010】
ここで、「ランク」とは、ノズル開口のばらつきに起因するムラ等の目立ち易さをウィンドウ単位で定めるための指標である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記ウィンドウは複数の微小ブロックから構成されており、
前記ランクを付与する段階は、当該ウィンドウを構成する各ブロックの記録密度をラスタデータに基づいて検出する段階と、検出した記録密度に基づいて各ブロックに記録密度に応じたブロックレベルを設定する段階と、ブロックレベルの分布状態に基づいて当該ウィンドウのランクを付与する段階とを順に経てなされることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録方法である。
【0012】
ここで、「ブロックレベル」とは、ノズル開口のばらつきに起因するムラ等の目立ち易さを表すための指標である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記個別領域の設定は、画像データが囲われるように全体領域を主走査方向及び副走査方向に分割して複数の矩形状ウィンドウを設定する段階と、画像データのウィンドウを含ませて主走査方向に隣り合うウィンドウをグループ化して画像個別領域を設定すると共に、残りのウィンドウをテキスト個別領域として設定する段階とを順に経てなされることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法である。
【0014】
請求項5に記載の発明は、複数のノズル開口から構成されたノズル列を有する記録ヘッドと、該記録ヘッドをノズル列方向と交差する方向に移動させながらインク滴を吐出させる主走査、及び主走査の方向と直交する方向に記録媒体を移動させる副走査を制御する印刷動作制御手段とを備え、
主走査と副走査とを繰り返して行うことにより、1ドットラインを異なるノズル開口を用いた複数パスの主走査で記録し、記録媒体上に印刷データに基づく画像を記録するようにしたインクジェット式記録装置において、
印刷データに基づいて全体領域の中に複数の個別領域を、主走査方向に並べた態様で設定可能な個別領域設定手段と、
個別領域設定手段が設定した各個別領域毎に主走査のパス数を、予め設定された異なるパス数の中から選択して定めると共に、主走査方向に隣り合う個別領域には異なるパス数を設定するパス数設定手段とを設け、
印刷動作制御手段は、パス数設定手段が定めた主走査のパス数に基づいて、主走査及び副走査を制御すると共に、主走査方向に隣り合う個別領域同士の境界からパス数を切り換えて記録を行うことを特徴とするインクジェット式記録装置である。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記個別領域設定手段は、印刷データを展開して得られたラスタデータを主走査方向及び副走査方向に分割することで、全体領域に複数の矩形状ウィンドウを設定するラスタデータ分割手段と、ラスタデータに基づいて各ウィンドウ毎にランクを付与するランク付与手段と、付与されたランクの分布状態に応じ、主走査方向に隣り合うウィンドウをグループ化して個別領域を設定するグループ化手段とを備えていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット式記録装置である。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記ウィンドウは複数の微小ブロックから構成され、
前記ランク付与手段は、当該ウィンドウを構成する各ブロックの記録密度をラスタデータに基づいて検出し、検出した記録密度に基づいて各ブロックに記録密度に応じたブロックレベルを設定し、ブロックレベルの分布状態に基づいてランクを付与することを特徴とする請求項6に記載のインクジェット式記録装置である。
【0017】
請求項8に記載の発明は、前記ランク付与手段が付与するランクを、主走査のパス数を示す数値にしたことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のインクジェット式記録装置である。
【0018】
請求項9に記載の発明は、前記個別領域設定手段は、印刷データに基づいて画像データを含む画像個別領域とテキストデータのみからなるテキスト個別領域とを設定し、
前記パス数設定手段は、画像個別領域のパス数がテキスト個別領域のパス数よりも多くなるように各個別領域のパス数を設定することを特徴とする請求項5に記載のインクジェット式記録装置である。
【0019】
請求項10に記載の発明は、前記個別領域設定手段は、画像データが囲われるように全体領域を主走査方向及び副走査方向に分割して複数の矩形状ウィンドウを設定するウィンドウ設定手段を備え、
画像データのウィンドウを含ませて主走査方向に隣り合うウィンドウをグループ化して画像個別領域を設定すると共に、残りのウィンドウをテキスト個別領域として設定することを特徴とする請求項9に記載のインクジェット式記録装置である。
【0020】
請求項11に記載の発明は、前記印刷動作制御手段は、副走査方向に隣接する個別領域同士に対して異なるパス数が設定されている場合に、境界部分のパス数を、各個別領域に設定されたパス数同士の間の数に変更することを特徴とする請求項5から請求項10の何れかに記載のインクジェット式記録装置である。
【0021】
請求項12に記載の発明は、前記印刷動作制御手段は、インク滴を吐出させ得る記録領域とインク滴を吐出させない空走領域とが1パスの主走査に混在する場合に、空走領域における記録ヘッドの走査速度を記録領域における記録ヘッドの走査速度よりも高速にすることを特徴とする請求項5から請求項11の何れかに記載のインクジェット式記録装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。まず、図1を参照して、代表的なインクジェット式記録装置であるインクジェット式プリンタ1(以下、単にプリンタ1と称する)の概略構成について説明する。
【0023】
例示したプリンタ1は、記録ヘッド2が取り付けられると共にインクカートリッジ3を交換可能に保持するキャリッジ4を備えている。このキャリッジ4は、筐体5に架設したガイド部材6に対して移動可能に取り付けられており、ヘッド走査機構によりこのガイド部材6に沿って(つまり、主走査方向に沿って)往復移動される。
【0024】
ヘッド走査機構は、筐体5の左右一端部に設けたパルスモータ7と、このパルスモータ7の回転軸に接続した駆動プーリー8と、筐体5の左右他端部に設けた遊転プーリー9と、駆動プーリー8と遊転プーリー9との間に架け渡されると共にキャリッジ4に接続されたタイミングベルト10と、パルスモータ7の回転を制御する制御部11(図3参照)等を備えて構成してある。
即ち、このヘッド走査機構は、パルスモータ7を動作させることにより、キャリッジ4、つまり記録ヘッド2を、印刷記録媒体の一種である記録紙12の幅方向に往復移動させる。また、このプリンタ1は、記録紙12を主走査方向とは直交する副走査方向に送り出す紙送り機構を備えている。この紙送り機構は、紙送りモータ13、紙送りローラ14、及び制御部11等から構成され、制御部11からの制御信号に基づいて記録紙12を紙送り方向に移動させる。
【0025】
次に、記録ヘッド2の構成について説明する。図2に例示した記録ヘッド2は、たわみ振動モードの圧電振動子21を備えた記録ヘッド2である。
この記録ヘッド2は、複数の圧力室22…を形成したアクチュエータユニット23と、ノズル開口24及び共通インク室25を形成した流路ユニット26と、圧電振動子21と備えている。そして、アクチュエータユニット23の前面には流路ユニット26を接合し、アクチュエータユニット23の背面には圧電振動子21を設ける。
【0026】
この記録ヘッド2には、共通インク室25から圧力室22を通ってノズル開口24に至る一連のインク流路がノズル開口24に対応して複数形成されている。そして、駆動電圧が供給されて圧電振動子21に電界が作用すると、この圧電振動子21が圧力室22側に突出するように撓み、圧力室22の容積を収縮させる。また、駆動電圧の供給を止めると電界が作用しないので圧電振動子21は定常状態に復帰し、収縮していた圧力室22も膨張する。
そして、ノズル開口24からインク滴を吐出させる場合には、例えば、駆動電圧を供給して圧力室22を急激に収縮させる。即ち、圧力室22が急激に収縮されると圧力室22内にはインク圧力の上昇が生じ、この圧力上昇に伴ってノズル開口24からはインク滴が吐出される。そして、インク滴の吐出後に、駆動電圧の供給を止めると、圧電振動子21が元の状態に戻る。これにより、収縮されていた圧力室22内が膨張し、共通インク室25からインク供給口を通して圧力室22内にインクが供給される。
【0027】
次に、プリンタ1の電気的構成について説明する。図3に示すように、例示したプリンタ1は、プリンタコントローラ31とプリントエンジン32とを備えている。
【0028】
プリンタコントローラ31は、ホストコンピュータ(図示せず)等からの印刷データ等を受信するインターフェース33と、各種データの記憶等を行うRAM34と、各種データ処理のための制御ルーチン等を記憶したROM35と、CPU等からなる制御部11と、発振回路36と、記録ヘッド2へ供給する駆動信号を発生する駆動信号発生回路37と、印刷データを展開することで得られたラスタデータ(ドットパターンデータ)や駆動信号等をプリントエンジン32に送信するためのインターフェース38とを備えている。
【0029】
インターフェース33は、例えばキャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータのいずれか1つのデータまたは複数のデータからなる印刷データをホストコンピュータ等から受信する。また、このインターフェース33は、ホストコンピュータに対してビジー(BUSY)信号やアクノレッジ(ACK)信号等を出力することができる。
【0030】
RAM34は、受信バッファ34a、中間バッファ34b、出力バッファ34cおよびワークメモリ(図示せず)等として利用されるものである。受信バッファ34aには、インターフェース33が受信したホストコンピュータからの印刷データが一時的に記憶される。中間バッファ34bには、中間コードデータが記憶される。出力バッファ34cには、中間コードデータを展開して得られたラスタデータが記憶される。
【0031】
ROM35は、制御部11によって実行される各種制御ルーチン、フォントデータ、及び、グラフィック関数等を記憶している。
【0032】
制御部11は、印刷データ展開手段として機能し、ホストコンピュータからの印刷データをラスタデータに展開する。また、制御部11は、個別領域設定手段及びパス数設定手段としても機能し、出力バッファ34cに記憶されたラスタデータを参照して、このラスタデータで規定される全体領域(2次元マップ)の中に複数の個別領域を設定し、各個別領域毎にパス数(1ドットラインを記録するための主走査の回数)を、予め設定された異なるパス数の中から選択して設定する。さらに、印刷動作制御手段としても機能し、設定されたパス数に応じて、上記のラスタデータを記録ヘッド2にシリアル伝送したり、キャリッジ4を移動させるためのパルス信号をパルスモータ7に出力したり、記録紙12を移動させるための信号を紙送りモータ13に出力したりして、主走査と副走査を繰り返し行わせ、記録紙12上に画像を記録させる。
【0033】
プリントエンジン32は、記録ヘッド2の電気回路系41と、紙送りモータ13と、パルスモータ7とから構成されている。
記録ヘッド2の電気回路系41は、ラスタデータがセットされるシフトレジスタ42と、シフトレジスタ42にセットされたラスタデータをラッチするラッチ回路43と、電圧増幅器として機能するレベルシフタ44と、圧電振動子21に対する駆動信号の供給を制御するスイッチ回路45とから構成されている。なお、図4に示すように、これらのシフトレジスタ42(42a〜42n)、ラッチ回路43(43a〜43n)、レベルシフタ44(44a〜44n)、及び、スイッチ回路45(45a〜45n)は、各圧電振動子21に対応させて複数設けられている。
【0034】
上記のラスタデータは印字データ(SI)として記録ヘッド2に伝送される。即ち、この印字データは、発振回路36からのクロック信号(CK)に同期して、インターフェース38を通じてシフトレジスタ42にシリアル伝送される。
このシリアル転送された印字データはラッチ回路43によってラッチされ、ラッチされた印字データはレベルシフタ44によってスイッチ回路45を駆動可能な電圧まで昇圧される。昇圧された印字データは、スイッチ回路45に供給される。このスイッチ回路45の入力側には、駆動信号発生回路37からの駆動信号(COM)が入力されており、スイッチ回路45の出力側には圧電振動子21が電気的に接続されている。
【0035】
この印字データは、スイッチ回路45の作動を制御する。例えば、ラッチされた印字データが「1」である期間中に亘り、レベルシフタ44からはスイッチ回路45をオンするのに十分な電圧信号が出力される。この電圧信号によってスイッチ回路45が接続状態になり、駆動信号が圧電振動子21へ供給されて圧電振動子21が変形する。一方、ラッチされた印字データが「0」である場合には、レベルシフタ44からは電圧信号が出力されないのでスイッチ回路45は非接続状態(オフ)になる。この場合、圧電振動子21への駆動信号の供給が遮断される。
従って、ラッチされた印字データが「1」である期間中に、インク滴を吐出させる波形の駆動信号を圧電振動子21に供給すると、対応するノズル開口24からはインク滴が吐出される。
【0036】
次に、上記構成を有するプリンタ1における記録動作について説明する。なお、以下の説明では、便宜上、印刷データが画像のデータであり、この印刷データを1頁分のラスタデータに展開した後に、記録ヘッド2へ伝送する構成について説明するが、本発明は、先頭から所定量、例えば、1/3頁、1/4頁、或いは、後述するバンドA〜F(図6参照)のラスタデータが得られた時点で、このラスタデータを記録ヘッド2に伝送する構成にも同様に適用できる。また、以下の記録動作は、1つの記録モードで行われる。
【0037】
ホストコンピュータからの印刷データを受信すると、制御部11でラスタデータを作成する。即ち、受信した印刷データは、まず、RAM34の受信バッファ34aに記憶される。制御部11は、受信バッファ34aに記憶された印刷データを読み出して中間コードデータに変換し、変換した中間コードデータを中間バッファ34bに記憶する。また、制御部11は、中間バッファ34bから読み出した中間コードデータを、ROM35内のフォントデータおよびグラフィック関数等を参照してラスタデータに展開し、出力バッファ34cに記憶する。
【0038】
このようにしてラスタデータが作成されたならば、続いて制御部11(個別領域設定手段)は、印刷データで定められる記録領域の全体である全体領域の中に、複数の個別領域を設定する。この個別領域は、ノズル開口24のばらつきに起因するムラ等の目立ち易さに基づいて区分けされた領域のことである。
【0039】
個別領域の設定は、ウィンドウWDに付与したランクに基づいて行う。このウィンドウWDは、図5(a)に示すように、全体領域を矩形状に分割することで設定した領域であり、一例を挙げると、全体領域がA4の縦サイズであった場合には、全体領域の横方向(主走査方向に相当)に3分割、全体領域の縦方向(副走査方向に相当)に6分割した横に少し長い長方形状の領域である。このことから、ウィンドウWDは、ラスタデータを主走査方向及び副走査方向に分割することで、全体領域の中に複数設定された矩形状領域と表現することができる。さらに、各ウィンドウWDは、図5(b)に示すように、複数の微小ブロックBKから構成されている。この微小ブロックBKは、使用するインク毎の記録密度(デューティ)を判断するための領域であり、本実施形態では、60画素×60画素からなる正方形の領域に設定してある。
【0040】
従って、制御部11は、個別領域を設定するにあたり、まず、各ウィンドウWD毎に、パス数についてのランク、即ち、ノズル開口24のばらつきに起因するムラ等の目立ち易さをウィンドウ単位で表すための指標を付与する。
即ち、そのウィンドウWD内に記録される画像について、ノズル開口24毎のばらつきの影響が出易いのかどうかの重み付けを行い、その重み付けを示す指標を付与する。
【0041】
このため制御部11は、まず、ラスタデータ分割手段として機能し、展開されたラスタデータを、図5(a)に示す各ウィンドウWD単位で分割する。
【0042】
ラスタデータを分割したならば、制御部11は、ランク付与手段として機能する。ここで、制御部11は、ランク付与の対象となるウィンドウWDについて、このウィンドウWDを構成する各ブロックBKの記録密度をラスタデータに基づいて検出する。つまり、インクの記録割合(例えば、ドットの形成密度)を、各ブロック単位で計算する。なお、色や色材などが相違する複数種類のインクで記録されるブロックについては、各種類のインクについて記録密度が計算される。つまり、そのブロック内に、どの種類のインクをどれだけ吐出させているかを計算する。
【0043】
記録密度を検出したならば、この検出した記録密度に基づき、記録密度に応じたブロックレベルを各ブロックBKに設定する。ブロックレベルとは、ノズル開口24のばらつきに起因するムラ等の目立ち易さを表すための指標であり、本実施形態では3段階である。一例を挙げると、「目立ち易い」、「中ぐらい」、「目立ち難い」に対応する3つのレベルが設定されている。
【0044】
そして、レベル付けは、検出した記録密度を参照式に照らし合わせることでなされる。ムラ等の目立ち易さに関しては、記録密度が極めて低かったり高かったりすると目立ち難く、中程度の場合に目立ち易いという特性がある。
そこで、「記録密度=1%未満」等の参照式を設定し、該当する場合には「目立ち難い」を示すレベルを設定する。同様に、「記録密度=100%以上」の参照式に該当する場合にも「目立ち難い」を示すレベルを設定する。一方、「記録密度=1%以上〜30%未満」或いは「記録密度=70%以上〜100%未満」の参照式に該当する場合には「中ぐらい」を示すレベルを設定し、「記録密度=30%以上〜70%未満」の参照式に該当する場合には「目立ち易い」を示すレベルを設定する。
また、ムラ等の目立ち易さは、インクの色によっても異なるという特性がある。例えば、ライトマゼンタインクは、マゼンタインクやシアンインクよりもムラ等の目立ち易さが顕著である。このため、各レベルに対応する記録密度の値はインクの種類毎に適宜設定される。
【0045】
各ブロックBKにブロックレベルを設定したならば、ウィンドウWDを構成する各ブロックBKのレベルの分布状態に基づき、そのウィンドウWDにランクを付与する。
【0046】
この場合、ランクは、付与対象となるウィンドウWD中の各ブロックレベルの存在比率や、各ブロックレベルの分布状態等を勘案して設定される。
例えば、ウィンドウWD中の存在比率が高ければそのブロックレベルの重みを増し、存在比率が低ければそのブロックレベルの重みを減らす。また、ウィンドウWD内において同じブロックレベル同士が密集している場合にはこのブロックレベルの重みを増し、逆にウィンドウWD内の全域に分散しているような場合にはこのブロックレベルの重みを減らす。
【0047】
そして、本実施形態では、最も重みが付されたブロックレベルに対応させてランクを付与する。例えば、図6に示すように、最も重みが付されたブロックレベルが「目立ち易い」を示すレベルであった場合には、このウィンドウWDにランク「4」を付与する。同様に、最も重みが付されたブロックレベルが「中ぐらい」を示すレベルであった場合にはこのウィンドウWDにランク「2」を付与し、「目立ち難い」を示すブロックレベルであった場合にはこのウィンドウWDにランク「1」を付与する。
【0048】
なお、これらのランクは、主走査のパス数に関連付けた数値としてある。即ち、ランク「4」は、このウィンドウWDを4パスで記録するのが最適であることを意味し、ランク「2」は2パスでの記録が最適であることを意味し、ランク「1」は1パスで記録すれば十分であることを意味する。
このように、ウィンドウWDに付与するランクとして主走査のパス数を用いたことにより、各ウィンドウWDをパス数で管理することが可能になり、以後になされる処理、例えばパス数の設定処理を簡素化することができる。
【0049】
各ウィンドウWDにランクを付与したならば、制御部11は、グループ化手段として機能し、付与されたランクの分布状態に応じて各ウィンドウWDをグループ化して個別領域を設定する。その後、制御部11は、パス数設定手段としても機能し、設定された各個別領域毎に主走査のパス数を定める。
【0050】
なお、以下の説明において、主走査方向に隣り合うウィンドウWD群をバンドと称することにする。従って、図6の例では、全体領域はバンドA〜バンドFからなる6つのバンドによって構成され、各バンドは3つのウィンドウWD…から構成される。また、説明の便宜上、符号Xで示すウィンドウWDをバンドAの第1ウィンドウと称してウィンドウA1で示し、符号Yで示すウィンドウWDをバンドCの第3ウィンドウと称してウィンドウC3で示し、符号Zで示すウィンドウWDをバンドEの第2ウィンドウと称してウィンドウE2で示すことにする。
【0051】
本実施形態において個別領域の設定、及び、個別領域に対する主走査のパス数の設定はバンド単位でなされる。即ち、各ウィンドウWDのグループ化は、主走査方向に隣り合うウィンドウWDが対象となる。
また、各ウィンドウWDをグループ化するにあたり、どのウィンドウWDとどのウィンドウWDをグループ化するのかは主走査のやり方によって異なる。例えば、単方向走査と双方向走査とではグループ化するウィンドウが異なる。ここでは、図6の左側(ホームポジションHP側)から右側に向けて単方向で走査する場合について説明することにする。
【0052】
まず、バンドAの処理について説明する。このバンドAは、ホームポジションHP側のウィンドウA1がランク「1」であり、その隣のウィンドウA2がランク「2」であり、ホームポジションHPから最も遠いウィンドウA3がランク「2」である。つまり、ランク「2」が付されたウィンドウが主走査方向に並んでいる。
このため、制御部11(グループ化手段)は、同一ランクのウィンドウをグループ化する。即ち、ランク「2」のウィンドウA2及びA3をグループ化して1つの個別領域(図7に符号R1で示す個別領域)を設定する。また、残りのウィンドウA1についても単一のウィンドウではあるがグループとみなして1つの個別領域R2を設定する。即ち、個別領域R1,R2を、主走査方向に並べた態様で設定している。そして、制御部11は、領域ランク付与手段として機能し、各個別領域R1,R2に対してランクを付与する。即ち、個別領域R1についてはランク「2」を付与し、個別領域R2についてはランク「1」を付与する。
【0053】
バンドAについて個別領域R1,R2が設定されると、制御部11は、パス数設定手段として機能し、これらの個別領域R1,R2のそれぞれにパス数を設定する。本実施形態では、各個別領域R1,R2に付与されたランクは、記録に適した主走査のパス数を示しているので、制御部11(パス数設定手段)は、各個別領域R1,R2のランクをパス数として認識し設定する。なお、ランクがパス数を示していない場合には、テーブル情報を参照する等によってランクをパス数に変換すればよい。
【0054】
バンドAに対して主走査のパス数を設定したならば、バンドBについての処理を行う。このバンドBは、ウィンドウB1、及び、ウィンドウB2がランク「4」であり、ウィンドウB3がランク「1」である。
そして、制御部11(グループ化手段)は、ランク「4」のウィンドウB1及びB2をグループ化して個別領域R3を設定する。また、残りのウィンドウB3についてもグループとみなして1つの個別領域R4を設定する。即ち、このバンドBでも個別領域R3,R4を、主走査方向に並べた態様で設定している。さらに、制御部11(領域ランク付与手段)は、個別領域R3についてはランク「4」を付与し、個別領域Rについてはランク「1」を付与する。
各個別領域R3,R4にランクが付与されたならば、制御部11(パス数設定手段)は、各個別領域R3,R4に付されたランクをパス数として認識し設定する。
【0055】
以下、同様にしてバンドC〜バンドFの処理を順次行う。ここで、バンドDについては、ウィンドウD1、及び、ウィンドウD3がランク「1」であり、ウィンドウD2がランク「2」である。つまり、ランク「1」のウィンドウ同士の間にランク「2」のウィンドウが挟まれた状態になっている。
このような場合、間に挟まれたウィンドウD2だけで個別領域を構成することが考えられるが、先のパス(主走査)から次のパスの間に紙送りが行えない状態が生じ、効率の良い記録が行い難い。このため、本実施形態では、制御部11(グループ化手段)は、バンドDを構成するウィンドウD1とウィンドウD2とをグループ化して個別領域R5を設定し、この個別領域R5のランクを上位のランク(パス数の多いランク)であるランク「2」に設定する。また、ウィンドウD3を個別領域R6としてランク「1」を設定する。
なお、本実施形態では、画質を重視してランク「2」の個別領域R5と、ランク「1」の個別領域R6とに分けたがこれに限定されない。例えば、次に述べるバンドEの設定のように3つのウィンドウD1〜D3をグループ化して単一の個別領域とし、この個別領域にランク「1」を設定して印字速度を重視するようにしてもよい。
【0056】
また、バンドEについては、ウィンドウE1、及び、ウィンドウE3がランク「2」であり、ウィンドウE2がランク「1」である。つまり、ランク「2」のウィンドウ同士の間にランク「1」のウィンドウが挟まれた状態になっている。このような場合、本実施形態では、制御部11(グループ化手段)は、バンドEを構成する3つのウィンドウE1〜E3をグループ化して単一の個別領域R6を設定する。そして、この個別領域R6のランクについては、両サイドのウィンドウE1,E3のランクにウィンドウE2のランクを揃えて、ランク「2」を付与する。
【0057】
上記のようにして個別領域と、この個別領域についての主走査のパス数とが設定されたならば、制御部11は、印刷動作制御手段として機能し、定められたパス数に基づいて主走査及び副走査を制御して記録紙12上に画像を記録する。この主走査及び副走査は、主走査方向に隣り合う個別領域のパス数や、主走査のやり方によって異なり、そのパターンは多岐に亘る。ここでは、典型的な例をいくつか説明することにする。
【0058】
まず、図8〜図19を参照して第1例を説明する。この第1例では、図8に示すように、ホームポジションHP側の第1個別領域がパス数=「1」の1パス領域であり、この第1個別領域に対してホームポジションHPから離隔する側に隣接する第2個別領域がパス数=「2」の2パス領域である。即ち、パス数の異なる個別領域同士が主走査方向に並んでいる。そして、これらの各個別領域を、ベタでホームポジションHP側からの単方向走査により記録する。
なお、説明の便宜上、この第1例において、ノズル列を構成するノズル開口24の数は「4」とし、紙送り方向(副走査方向)の上流端を#1のノズル開口24、下流端を#4のノズル開口24とする。また、ドットが形成されるドット領域、つまり、インク滴の着弾領域は、主走査方向に8領域、副走査方向に10領域とする。そして、特定のドット領域を示す場合には、ドット領域(主走査方向の領域番号,副走査方向の領域番号)で表し、例えば、符号αの領域を示す場合にはドット領域(2,4)で表し、符号βの領域を示す場合にはドット領域(5,8)で表すことにする。
【0059】
記録動作を開始するにあたり、まず図8に示すように、記録ヘッド2と記録紙12とを走査開始位置に位置付ける。この走査開始状態では、記録紙12における紙送り方向の第1領域と#2のノズル開口24とを、また、紙送り方向の第2領域と#1のノズル開口24とをそれぞれ位置合わせし、さらに、記録ヘッド2を第1走査基点P1(主走査方向の第1領域よりもホームポジションHP側の位置)に位置付ける。
走査開始位置に位置付けたならば、図9に示すように、1パス目の主走査を行う。この1パス目の主走査において、第1個別領域については主走査方向の1ドットラインを1パスで記録するので、8つのドット領域、即ち、ドット領域(1,1)〜(4,2)の各領域にドットを記録する。また、第2個別領域については、主走査方向の1ドットラインを2パスで記録するので、千鳥状に選択(言い換えれば、主走査方向に1つおきに選択)した4つのドット領域(5,1),(6,2),(7,1),(8,2)にドットを記録する。
【0060】
1パス目の主走査が終了したならば、図10に示すように、2パス目の主走査を行う準備をする。ここでは、紙送り機構を作動させて2ドット分の紙送りを行うと共に、記録ヘッド2をホームポジションHP側に移動(空送)させて第2走査基点P2(主走査方向の第4領域上の位置)に位置付ける。
準備が整ったならば、図11に示すように、2パス目の主走査を行う。この2パス目の主走査では、第2個別領域ついて、1パス目の主走査で記録されなかったドット領域を埋めるように千鳥状に選択した各ドット領域(5,2),(5,4),(6,1),(6,3),(7,2),(7,4),(8,1),(8,3)にドットを記録する。
このとき、副走査方向の第1ドット領域及び第2ドット領域については、1パス目で使用したノズル開口24(#1,#2)とは異なるノズル開口24(#3,#4)でドットが記録され、先に記録したドット同士の間に今回のドットが記録される。これにより、ノズル開口24毎のばらつきを目立たなくしている。
【0061】
2パス目の主走査が終了したならば、図12に示すように、3パス目の主走査を行う準備をする。即ち、2ドット分の紙送りを行うと共に、記録ヘッド2を第1走査基点P1に位置付ける。
準備が整ったならば、図13に示すように、3パス目の主走査を行う。この3パス目の主走査では、第1個別領域については、16のドット領域、即ち、ドット領域(1,3)〜(4,6)の各領域にドットを記録する。また、第2個別領域については、8つのドット領域、即ち、2パス目の主走査で記録されなかったドット領域を埋めるように千鳥状に選択した各ドット領域(5,3),(5,5),(6,4),(6,6),(7,3),(7,5),(8,4),(8,6)にドットを記録する。
【0062】
3パス目の主走査が終了したならば、図14に示すように、4パス目の主走査を行う準備をする。即ち、2ドット分の紙送りを行うと共に、記録ヘッド2を第2走査基点P2に位置付ける。
準備が整ったならば、図15に示すように、4パス目の主走査を行う。この主走査では、第2個別領域について、千鳥状に選択した8つのドット領域(5,6),(5,8),(6,5),(6,7),(7,6),(7,8),(8,5),(8,7)にドットを記録する。
【0063】
4パス目の主走査が終了したならば、図16に示すように、5パス目の主走査を行う準備をする。即ち、2ドット分の紙送りを行うと共に、記録ヘッド2を第1走査基点P1に位置付ける。
準備が整ったならば、図17に示すように、5パス目の主走査を行う。この主走査では、第1個別領域については、16のドット領域、即ち、ドット領域(1,7)〜(4,10)の各領域にドットを記録する。また、第2個別領域については、千鳥状に選択した8つのドット領域(5,7),(5,9),(6,8),(6,10),(7,7),(7,9),(8,8),(8,10)にドットを記録する。
【0064】
5パス目の主走査が終了したならば、図18に示すように、6パス目の主走査を行う準備をする。即ち、2ドット分の紙送りを行うと共に、記録ヘッド2を第2走査基点P2に位置付ける。
準備が整ったならば、図19に示すように、6パス目の主走査を行う。この主走査では、第2個別領域について、千鳥状に選択した4つのドット領域(5,10),(6,9),(7,10),(8,9)に対し、#3及び#4のノズル開口24を使用してドットを記録する。
【0065】
以上説明したように、全体領域にパス数の異なる複数の個別領域を設定することにより、ノズル開口24毎のばらつきが目立ちやすい領域については、4パスなどパス数を増やして記録が行われるので画質を損なわないで記録が行える。また、ノズル開口24毎のばらつきが目立ち難い領域については、パス数を減らして記録が行えるのでその分短時間で記録が行える。
【0066】
次に、図20〜図28を参照して第2例を説明する。この第2例では、ホームポジションHP側の第1個別領域がパス数=「2」の2パス領域であり、この第1個別領域に隣接する第2個別領域がパス数=「4」の4パス領域である。即ち、この例でもパス数の異なる個別領域同士が主走査方向に並んでいる。そして、これらの各個別領域をベタで、双方向走査により記録する。
なお、この第2例においても、ノズル列を構成するノズル開口24は、#1のノズル開口24から#4のノズル開口24からなる。また、ドット領域は、主走査方向に8領域、副走査方向に10領域とする。
【0067】
記録動作を開始するにあたり、まず図20に示すように、記録ヘッド2と記録紙12とを走査開始位置に位置付ける。この走査開始状態では、記録紙12における紙送り方向の第1領域と#1のノズル開口24とを位置合わせし、さらに、記録ヘッド2を第1走査基点P1に位置付ける。
走査開始位置に位置付けたならば、図21に示すように、1パス目の主走査を行う。この1パス目の主走査において、第1個別領域については主走査方向の1ドットラインを2パスで記録するので、2つのドット領域(1,1)及び(3,1)の各領域にドットを記録する。すなわち、主走査方向に対して1つおきに選択した領域にドットを記録する。また、第2個別領域については主走査方向の1ドットラインを4パスで記録するので、1つのドット領域(5,1)にドットを記録する。すなわち、主走査方向に対して3つおきに選択した領域にドットを記録する。なお、本実施形態の第2個別領域は、主走査方向に4つのドット領域しかないため、1つのドット領域に対して記録を行う。
【0068】
1パス目の主走査が終了したならば、図22に示すように、2パス目の主走査を行う準備をする。ここでは、紙送り機構を作動させて1ドット分の紙送りを行う。このとき、記録ヘッド2は1パス目の走査終了位置(主走査方向の第8領域よりもホームポジションHPから遠い側)、つまり、第3走査基点P3で待機させる。
準備が整ったならば、2パス目の主走査を行う。この2パス目の主走査では、第3走査基点P3から第2走査基点P2まで記録ヘッド2が移動する。これにより第2個別領域に対する主走査がなされ、#1のノズル開口24によりドット領域(7,2)へドットが記録され、#2のノズル開口24によりドット領域(6,1)へドットが記録される。
【0069】
2パス目の主走査が終了したならば、図23に示すように、3パス目の主走査を行う準備をする。ここでは、記録ヘッド2は2パス目の走査終了位置である第2走査基点P2で待機させたまま、1ドット分の紙送りを行う。
準備が整ったならば、3パス目の主走査を行う(図23)。この3パス目の主走査では、第2走査基点P2から第3走査基点P3まで記録ヘッド2が移動し、#1のノズル開口24によりドット領域(5,3)へドットが記録され、#2のノズル開口24によりドット領域(8,2)へドットが記録され、#3のノズル開口24によりドット領域(7,1)へドットが記録される。
【0070】
3パス目の主走査が終了したならば、図24に示すように、記録ヘッド2を3パス目の走査終了位置である第3走査基点P3で待機させたままで1ドット分の紙送りを行い、4パス目の主走査を行う準備をする。
準備が整ったならば、4パス目の主走査を行う。この4パス目の主走査では、第3走査基点P3から第1走査基点P1まで記録ヘッド2が移動する。この4パス目の主走査では、第2個別領域については主走査方向に3つおきに選択した各ドット領域にドットを記録し、第1個別領域については主走査方向に1つおきに選択した各ドット領域にドットを記録する。具体的には、#1のノズル開口24によってドット領域(7,4)、(3,4)、(1,4)にドットを記録し、#2のノズル開口24によってドット領域(6,3)、(4,3)、(2,3)にドットを記録し、#3のノズル開口24によってドット領域(5,2)、(3,2)、(1,2)にドットを記録し、#4のノズル開口24によってドット領域(8,1)、(4,1)、(2,1)にドットを記録する。
【0071】
4パス目の主走査が終了したならば、図25に示すように、記録ヘッド2を4パス目の走査終了位置である第1走査基点P1で待機させたままで1ドット分の紙送りを行い、5パス目の主走査を行う準備をする。
準備が整ったならば、5パス目の主走査を行う。この5パス目の主走査では、第1走査基点P1から第3走査基点P3まで記録ヘッド2が移動する。そして、第1個別領域に対しては、8つのドット領域(1,3),(1,5),(2,2),(2,4),(3,3),(3,5),(4,2),(4,4)にドットを記録する。また、第2個別領域に対しては、4つのドット領域(5,5),(6,2),(7,3),(8,4)にドットを記録する。
【0072】
5パス目の主走査が終了したならば、図26に示すように、6パス目の主走査を行う準備をし、準備が整ったならば、6パス目の主走査を行う。この6パス目の主走査では、第3走査基点P3から第2走査基点P2まで記録ヘッド2を移動させ、4つのドット領域(8,3),(7,6),(6,5),(5,4)にドットを記録する。
【0073】
そして、以後は、同様な手順で7パス目以降の記録を行う。そして、7パス目(図27)では、4つのドット領域(5,7),(6,4),(7,5),(8,6)にドットを記録し、8パス目(図28)では、図中網掛けを付して示した合計12のドット領域に対してドットを記録する。さらに、9パス目では、図28に点線で示した各ドットを記録する。
【0074】
次に、図29〜図33を参照して第3例を説明する。この第3例では、副走査方向の前半部分(ドット領域1〜5)において、第1個別領域が2パス領域であり、第2個別領域が4パス領域である。そして、副走査方向の後半部分(ドット領域6〜10)においては、第1個別領域が4パス領域に、第2個別領域が2パス領域にそれぞれ切り替わる。そして、これらの各個別領域をベタで、双方向走査により記録する。
この第3例においても、ノズル列を構成するノズル開口24は、#1のノズル開口24から#4のノズル開口24からなり、ドット領域は、主走査方向に8領域、副走査方向に10領域とする。また、この第3例において制御部11(印刷動作制御手段)は、副走査方向側に隣接する個別領域同士の境界部分のパス数を、各個別領域に設定されたパス数同士の間の数に変更する。
なお、この第3例において、5パス目までの記録動作は、上記した第2例(図20〜図25)と同じであるため説明を省略する。
【0075】
5パス目の主走査が終了したならば、図29に示すように、記録紙12を1ドット分移動させて6パス目の主走査を行う準備をする。
準備が整ったならば、6パス目の主走査を行う。この6パス目の主走査では、第3走査基点P3から第1走査基点P1まで記録ヘッド2を移動させ、7つのドット領域(8,3),(6,5),(5,4),(5,6),(4,5),(2,5),(1,6)にドットを記録する。
【0076】
6パス目の主走査が終了したならば、図30に示すように、7パス目の主走査を行う準備をし、準備が整ったならば、7パス目の主走査を行う。この7パス目の主走査では、第1走査基点P1から第3走査基点P3まで記録ヘッド2を移動させ、8つのドット領域(2,6),(2,7),(5,7),(6,4),(6,6),(7,5),(7,7),(8,6)にドットを記録する。
【0077】
7パス目の主走査が終了したならば、図31に示すように、8パス目の主走査を行う準備をし、準備が整ったならば、8パス目の主走査を行う。この8パス目の主走査では、第3走査基点P3から第1走査基点P1まで記録ヘッド2を移動させ、8つのドット領域(8,5),(8,7),(7,6),(7,8),(6,7),(5,8),(4,8),(3,6),(3,7)にドットを記録する。ここで、第2個別領域における4パスと2パスの境界領域、即ち、図31に斜線を付して示したドット領域(5,6)から(8,6)の部分は、4パスと2パスの間のパス数である3パスで記録される。
【0078】
8パス目の主走査が終了したならば、図32に示すように、9パス目の主走査を行う準備をし、準備が整ったならば9パス目の主走査を行う。この9パス目の主走査では、第1走査基点P1から第2走査基点P2(主走査方向の第5領域上の位置)まで記録ヘッド2を移動させ、4つのドット領域(1,8),(2,9),(4,6),(4,7)にドットを記録する。
【0079】
9パス目の主走査が終了したならば、図33に示すように、10パス目の主走査を行う準備をし、準備が整ったならば10パス目の主走査を行う。この10パス目の主走査では、第2走査基点P2から第1走査基点P1まで記録ヘッド2を移動させ、4つのドット領域(4,10),(3,9),(2,8),(1,7)にドットを記録する。
そして、11パス目以降の記録動作では、第1個別領域については4パスで記録するため、ドットを記録する領域を主走査方向に3つおきに選択する。また、第2個別領域については2パスで記録するため、ドットを記録する領域を主走査方向に1つおきに選択する。
【0080】
次に、図34〜図40を参照して第4例を説明する。この第4例では、第1個別領域が2パス領域であり、第2個別領域が4パス領域である。そして、第1個別領域は単方向走査で記録され、第2個別領域は双方向走査で記録される。
この第4例においても、ノズル列を構成するノズル開口24は、#1のノズル開口24から#4のノズル開口24からなり、ドット領域は、主走査方向に8領域、副走査方向に10領域とする。
また、この第3例において制御部11(印刷動作制御手段)は、インク滴を吐出させ得る記録領域とインク滴を吐出させない空走領域とが1パスの主走査に混在する場合に、インク滴を吐出させない空走領域における記録ヘッド2の走査速度を、記録領域における記録ヘッド2の走査速度よりも高速にする。
【0081】
記録動作を開始するにあたり、まず図34に示すように、記録ヘッド2と記録紙12とを走査開始位置に位置付ける。この走査開始状態では、記録紙12における紙送り方向の第1領域と#1のノズル開口24と位置合わせし、記録ヘッド2を第1走査基点P1に位置付ける。
走査開始位置に位置付けたならば、1パス目の主走査を行う。この1パス目の主走査において、第1個別領域については主走査方向の1ドットラインを2パスで記録するので、2つのドット領域、即ち、ドット領域(1,1)と(3,1)にドットを記録する。また、第2個別領域については、主走査方向の1ドットラインを4パスで記録するので、主走査方向に3つおきに選択し(なお、この例の第2個別領域は、主走査方向に4つのドット領域で構成されているため、1つのドット領域(1,5)を選択し)、ドットを記録する。
【0082】
1パス目の主走査が終了したならば、図35に示すように、1ドット分の紙送りを行って2パス目の主走査を行う準備をし、準備が整ったならば、2パス目の主走査を行う。
この2パス目の主走査では、第3走査基点P3から第2走査基点P2まで記録ヘッド2が移動する。これにより第2個別領域に対する主走査がなされ、ドット領域(7,2)と(6,1)にドットが記録される。
【0083】
2パス目の主走査が終了したならば、3パス目の主走査を行う準備をする。ここでは、1ドット分の紙送りを行うと共に、ホームポジションHP側に記録ヘッド2を移動(空送)して第1走査基点P1に位置付ける。このとき、制御部11(印刷動作制御手段)は、インク滴を吐出させない空走領域(第2走査基点P2から第1走査基点P1までの領域)における記録ヘッド2の走査速度を、記録領域(第3走査基点P3から第2走査基点P2までの領域)における走査速度よりも高速にする。これにより、3パス目の準備が終了するまでの時間を短縮化することができる。なお、この時間の短縮化の効果は、A0等の大判記録紙12に記録を行う場合において顕著である。
【0084】
準備が整ったならば、図36に示すように、3パス目の主走査を行う。この3パス目の主走査では、第1個別領域ついては、1パス目の主走査で記録されなかったドット領域を埋めるように千鳥状に選択した各ドット領域(1,2),(2,1),(2,3),(3,2),(4,1),(4,3)にドットを記録する。また、第2個別領域ついては3つのドット領域(5,3),(7,1),(8,2)にドットを記録する。
【0085】
3パス目の主走査が終了したならば、図37に示すように、1ドット分の紙送りを行って2パス目の主走査を行う準備をし、準備が整ったならば4パス目の主走査を行う。
この4パス目の主走査では、第3走査基点P3から第2走査基点P2まで記録ヘッド2を移動させ、第2個別領域における4つのドット領域(8,1),(7,4),(6,3),(5,2)にドットを記録する。
【0086】
4パス目の主走査が終了したならば、5パス目の主走査を行う準備をする。ここでは、1ドット分の紙送りを行うと共に、ホームポジションHP側に記録ヘッド2を移動して第1走査基点P1に位置付ける。ここでも、制御部11(印刷動作制御手段)は、インク滴を吐出させない第1個別領域上の記録ヘッド2の走査速度を、第2個別領域における走査速度よりも高速にする。
【0087】
準備が整ったならば、図38に示すように、5パス目の主走査を行う。この5パス目の主走査は、3パス目の主走査と同様にしてなされ、第1個別領域ついては、千鳥状に選択した各ドット領域(1,3),(1,5),(2,2),(2,4),(3,3),(3,5),(4,2),(4,4)にドットを記録する。また、第2個別領域ついては4つのドット領域(5,5),(6,2),(7,3),(8,4)にドットを記録する。
以後は、6パス目の主走査を上記の4パス目と同様に行い(図39)、7パス目の主走査を上記の3パス目と同様に行う(図40)。
【0088】
ところで、上記の実施形態は、印刷データを展開して得られたラスタデータを各ウィンドウWD毎に分割し、各ウィンドウWD毎にランクを付与し、付与されたランクの分布状態に応じて各ウィンドウWDをグループ化することで各個別領域Rを設定するものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、画像データが囲われるように全体領域を格子状に分割して複数のウィンドウWDを設定した後、画像データのウィンドウWDを含ませて必要なウィンドウWDをグループ化して画像個別領域を設定し、残りのウィンドウをテキスト個別領域として設定し、画像個別領域のパス数をテキスト個別領域のパス数よりも多く設定するようにしてもよい。
【0089】
以下、このように構成した他の実施形態について説明する。この実施形態において、制御部11は、まず、個別領域設定手段として機能し、図41に示すように、ワードプロセッサソフト等によってホストコンピュータから送信されてくる印刷データに基づき、全体領域を構成する画像データ領域GD1,GD2とテキスト領域TDとを認識する。
【0090】
画像データ領域GD1,GD2とテキスト領域TDとを認識したならば、制御部11(ウィンドウ設定手段)は、画像データGD1,GD2が囲われるように全体領域を格子状に分割して、即ち、全体領域を主走査方向及び副走査方向に分割して、複数の矩形状ウィンドウWDを設定する。例えば、図42に示すように、画像データにおける副走査方向の両端でバンドを区画し、全体領域を4つのバンドA〜バンドDに分割する。ここで、テキストデータのみのバンドB,バンドDについては、バンド全体を1つのウィンドウに設定する。また、画像データを含むバンド(バンドA,バンドC)については、画像データのみのウィンドウWDとテキストデータのみのウィンドウWDとを別個に設定する。
【0091】
ウィンドウを設定したならば、制御部11(ランク付与手段)は、各ウィンドウWD毎にランクを付与する。図43に示すように、本実施形態では、テキストデータのウィンドウにランク「1」を付与し、バンドAの画像データのウィンドウにランク「4」を付与し、バンドCの画像データのウィンドウにランク「2」を付与する。なお、本実施形態においても、ランクにはパス数を示す値を用いている。
【0092】
各ウィンドウランクを付与したならば、図44に示すように、制御部11(グループ化手段)は、画像データのウィンドウWDを含ませるように、主走査方向に隣り合うウィンドウWDの中から必要なウィンドウWDをグループ化して画像個別領域GRを設定すると共に、残りのウィンドウをテキスト個別領域TRとして設定する。
【0093】
ここで、バンドAの画像データのウィンドウは主走査方向の端部に位置するので、単一のウィンドウではあるがグループとみなして1つの画像個別領域GR1を設定する。そして、この画像個別領域のランクを、そのウィンドウWDのランクである「4」に設定する。
また、バンドCの画像データのウィンドウWDは、主走査方向の両側をテキストデータのウィンドウWDで挟まれているので、バンドCを構成する3つのウィンドウをグループ化して単一の画像個別領域GR2を設定する。さらに、この画像個別領域のランクを、画像データのランクであるランク「2」に設定する。また、画像個別領域を除く他のウィンドウについては、主走査方向にグループ化してテキスト個別領域TRを設定し、テキストデータのランクであるランク「1」を設定する。
【0094】
以上のように、各個別領域GR,TRにランクが付与されたならば、制御部11(パス数設定手段)は、各個別領域GR,TRに付されたランクをパス数として認識し設定する。
そして、各個別領域GR,TRにパス数が付されたならば、制御部11は、印刷動作制御手段として機能し、定められたパス数に基づいて主走査及び副走査を制御して記録紙12上に画像を記録する。
【0095】
なお、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態ではウィンドウWDや個別領域Rに付与するランクをパス数を示す数値としたが、パス数との関連付けができればこれに限定されるものではない。例えば、1パス領域に対応するランクを「C」、2パス領域に対応するランクを「B」、4パス領域に対応するランクを「A」としてもよい。
【0096】
また、記録ヘッド2に関し、撓み振動モードの圧電振動子21を例示したが、縦振動モードの圧電振動子を用いた記録ヘッドであってもよい。また、発熱素子を備え、この発熱素子からの熱により気泡を膨張収縮させ、この気泡により必要な圧力を得る記録ヘッドであってもよい。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、以下の効果を奏する。
即ち、印刷データに基づいて全体領域の中に複数の個別領域を、主走査方向に並べた態様で設定可能とし、設定された個別領域毎に主走査のパス数を、予め設定された異なるパス数の中から選択して定めると共に、主走査方向に隣り合う個別領域には異なるパス数を設定し、主走査方向に隣り合う個別領域同士の境界からパス数を切り換えて記録を行うようにしたので、主走査方向に関し、ノズル開口毎のばらつきが目立ちやすい領域については、パス数を増やして記録が行われるので画質を損なわないで記録が行えるし、ノズル開口毎のばらつきが目立ち難い領域については、パス数を減らして記録が行えるのでその分短時間で記録が行える。その結果、画質を犠牲にすることなく記録速度の向上が図れる。
【0098】
また、個別領域の設定を、印刷データを展開して得られたラスタデータを主走査方向及び副走査方向に分割することで、全体領域に複数の矩形状ウィンドウを設定する段階と、ラスタデータに基づいて各ウィンドウ毎にランクを付与する段階と、付与されたランクの分布状態に応じ、主走査方向に隣り合うウィンドウをグループ化して個別領域を設定する段階とを順に経て行うようにした場合には、ラスタデータをウィンドウ単位で処理できるので、処理が容易である。従って、個別領域の設定を、簡単なアルゴリズムで行うことができる。
【0099】
また、個別領域の設定を、画像データが囲われるように全体領域を主走査方向及び副走査方向に分割して複数の矩形状ウィンドウを設定する段階と、画像データのウィンドウを含ませて主走査方向に隣り合うウィンドウをグループ化して画像個別領域を設定すると共に、残りのウィンドウをテキスト個別領域として設定する段階とを順に経て行うようにした場合には、画像個別領域とテキスト個別領域とに分けてパス数を設定できるので、ノズル開口毎のばらつきが目立ちやすい画像個別領域についてはパス数を増やすことで画質を損なわずに記録が行えるし、ノズル開口毎のばらつきが目立ち難いテキスト個別領域については、パス数を減らすことでその分短時間で記録が行える。その結果、画質を犠牲にすることなく記録速度の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット式プリンタの内部構成を説明する斜視図である。
【図2】記録ヘッドの構造を説明する断面図である。
【図3】プリンタの電気的構成を説明するブロック図である。
【図4】記録ヘッドの電気回路系を説明する図である。
【図5】(a)は全体領域に設定されるウィンドウを説明する模式図、(b)はウィンドウを構成するブロックを説明する模式図である。
【図6】ウィンドウとランクの関係、及び、ウィンドウとバンドの関係を示す模式図である。
【図7】設定された個別領域を説明する図である。
【図8】記録動作の第1例において、記録ヘッドと記録紙とを走査開始位置に位置付けた状態を説明する図である。
【図9】第1例における1パス目の主走査を説明する図である。
【図10】第1例における2パス目の主走査のための準備動作を説明する図である。
【図11】第1例における2パス目の主走査を説明する図である。
【図12】第1例における3パス目の主走査のための準備動作を説明する図である。
【図13】第1例における3パス目の主走査を説明する図である。
【図14】第1例における4パス目の主走査のための準備動作を説明する図である。
【図15】第1例における4パス目の主走査を説明する図である。
【図16】第1例における5パス目の主走査のための準備動作を説明する図である。
【図17】第1例における5パス目の主走査を説明する図である。
【図18】第1例における6パス目の主走査のための準備動作を説明する図である。
【図19】第1例における6パス目の主走査を説明する図である。
【図20】第2例において、記録ヘッドと記録紙とを走査開始位置に位置付けた状態を説明する図である。
【図21】第2例における1パス目の主走査を説明する図である。
【図22】第2例における2パス目の主走査を説明する図である。
【図23】第2例における3パス目の主走査を説明する図である。
【図24】第2例における4パス目の主走査を説明する図である。
【図25】第2例における5パス目の主走査を説明する図である。
【図26】第2例における6パス目の主走査を説明する図である。
【図27】第2例における7パス目の主走査を説明する図である。
【図28】第2例における8パス目の主走査を説明する図である。
【図29】第3例における6パス目の主走査を説明する図である。
【図30】第3例における7パス目の主走査を説明する図である。
【図31】第3例における8パス目の主走査を説明する図である。
【図32】第3例における9パス目の主走査を説明する図である。
【図33】第3例における10パス目の主走査を説明する図である。
【図34】第4例における1パス目の主走査を説明する図である。
【図35】第4例における2パス目の主走査を説明する図である。
【図36】第4例における3パス目の主走査を説明する図である。
【図37】第4例における4パス目の主走査を説明する図である。
【図38】第4例における5パス目の主走査を説明する図である。
【図39】第4例における6パス目の主走査を説明する図である。
【図40】第4例における7パス目の主走査を説明する図である。
【図41】他の実施形態において、画像データ領域とテキスト領域とを説明する模式図である。
【図42】他の実施形態におけるウィンドウ分割後の状態を説明する模式図である。
【図43】他の実施形態におけるウィンドウとランクとの関係を説明する模式図である。
【図44】他の実施形態における個別領域分割後の状態を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 インクジェット式プリンタ
2 記録ヘッド
3 インクカートリッジ
4 キャリッジ
5 筐体
6 ガイド部材
7 パルスモータ
8 駆動プーリー
9 遊転プーリー
10 タイミングベルト
11 制御部
12 記録紙
13 紙送りモータ
14 紙送りローラ
21 圧電振動子
22 圧力室
23 アクチュエータユニット
24 ノズル開口
25 流路ユニット
31 プリンタコントローラ
32 プリントエンジン
33 インターフェース
34 RAM
35 ROM
36 発振回路
37 駆動信号発生回路
38 インターフェース
41 記録ヘッドの電気回路系
42 シフトレジスタ
43 ラッチ回路
44 レベルシフタ
45 スイッチ回路

Claims (12)

  1. 複数のノズル開口から構成されたノズル列を有する記録ヘッドをノズル列方向と交差する方向に移動させながらインク滴を吐出する主走査と、主走査方向と直交する方向に記録媒体を移動させる副走査とを繰り返して行うことにより、1ドットラインを異なるノズル開口による複数パスの主走査で記録し、記録媒体上に印刷データに基づく画像を記録するインクジェット記録方法において、
    印刷データに基づいて全体領域の中に複数の個別領域を、主走査方向に並べた態様で設定可能とし、
    設定された個別領域毎に主走査のパス数を、予め設定された異なるパス数の中から選択して定めると共に、主走査方向に隣り合う個別領域には異なるパス数を設定し、
    主走査方向に隣り合う個別領域同士の境界からパス数を切り換えて記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記個別領域の設定は、印刷データを展開して得られたラスタデータを主走査方向及び副走査方向に分割することで、全体領域に複数の矩形状ウィンドウを設定する段階と、ラスタデータに基づいて各ウィンドウ毎にランクを付与する段階と、付与されたランクの分布状態に応じ、主走査方向に隣り合うウィンドウをグループ化して個別領域を設定する段階とを順に経てなされることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記ウィンドウは複数の微小ブロックから構成されており、
    前記ランクを付与する段階は、当該ウィンドウを構成する各ブロックの記録密度をラスタデータに基づいて検出する段階と、検出した記録密度に基づいて各ブロックに記録密度に応じたブロックレベルを設定する段階と、ブロックレベルの分布状態に基づいて当該ウィンドウのランクを付与する段階とを順に経てなされることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記個別領域の設定は、画像データが囲われるように全体領域を主走査方向及び副走査方向に分割して複数の矩形状ウィンドウを設定する段階と、画像データのウィンドウを含ませて主走査方向に隣り合うウィンドウをグループ化して画像個別領域を設定すると共に、残りのウィンドウをテキスト個別領域として設定する段階とを順に経てなされることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  5. 複数のノズル開口から構成されたノズル列を有する記録ヘッドと、該記録ヘッドをノズル列方向と交差する方向に移動させながらインク滴を吐出させる主走査、及び主走査の方向と直交する方向に記録媒体を移動させる副走査を制御する印刷動作制御手段とを備え、
    主走査と副走査とを繰り返して行うことにより、1ドットラインを異なるノズル開口を用いた複数パスの主走査で記録し、記録媒体上に印刷データに基づく画像を記録するようにしたインクジェット式記録装置において、
    印刷データに基づいて全体領域の中に複数の個別領域を、主走査方向に並べた態様で設定可能な個別領域設定手段と、
    個別領域設定手段が設定した各個別領域毎に主走査のパス数を、予め設定された異なるパス数の中から選択して定めると共に、主走査方向に隣り合う個別領域には異なるパス数を設定するパス数設定手段とを設け、
    印刷動作制御手段は、パス数設定手段が定めた主走査のパス数に基づいて、主走査及び副走査を制御すると共に、主走査方向に隣り合う個別領域同士の境界からパス数を切り換えて記録を行うことを特徴とするインクジェット式記録装置。
  6. 前記個別領域設定手段は、印刷データを展開して得られたラスタデータを主走査方向及び副走査方向に分割することで、全体領域に複数の矩形状ウィンドウを設定するラスタデータ分割手段と、ラスタデータに基づいて各ウィンドウ毎にランクを付与するランク付与手段と、付与されたランクの分布状態に応じ、主走査方向に隣り合うウィンドウをグループ化して個別領域を設定するグループ化手段とを備えていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット式記録装置。
  7. 前記ウィンドウは複数の微小ブロックから構成され、
    前記ランク付与手段は、当該ウィンドウを構成する各ブロックの記録密度をラスタデータに基づいて検出し、検出した記録密度に基づいて各ブロックに記録密度に応じたブロックレベルを設定し、ブロックレベルの分布状態に基づいてランクを付与することを特徴とする請求項6に記載のインクジェット式記録装置。
  8. 前記ランク付与手段が付与するランクを、主走査のパス数を示す数値にしたことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のインクジェット式記録装置。
  9. 前記個別領域設定手段は、印刷データに基づいて画像データを含む画像個別領域とテキストデータのみからなるテキスト個別領域とを設定し、前記パス数設定手段は、画像個別領域のパス数がテキスト個別領域のパス数よりも多くなるように各個別領域のパス数を設定することを特徴とする請求項5に記載のインクジェット式記録装置。
  10. 前記個別領域設定手段は、画像データが囲われるように全体領域を主走査方向及び副走査方向に分割して複数の矩形状ウィンドウを設定するウィンドウ設定手段を備え、
    画像データのウィンドウを含ませて主走査方向に隣り合うウィンドウをグループ化して画像個別領域を設定すると共に、残りのウィンドウをテキスト個別領域として設定することを特徴とする請求項9に記載のインクジェット式記録装置。
  11. 前記印刷動作制御手段は、副走査方向に隣接する個別領域同士に対して異なるパス数が設定されている場合に、境界部分のパス数を、各個別領域に設定されたパス数同士の間の数に変更することを特徴とする請求項5から請求項10の何れかに記載のインクジェット式記録装置。
  12. 前記印刷動作制御手段は、インク滴を吐出させ得る記録領域とインク滴を吐出させない空走領域とが1パスの主走査に混在する場合に、空走領域における記録ヘッドの走査速度を記録領域における記録ヘッドの走査速度よりも高速にすることを特徴とする請求項5から請求項11の何れかに記載のインクジェット式記録装置。
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