JP3537209B2 - 窒素酸化物除去用触媒およびその触媒を用いた窒素酸化物の除去方法 - Google Patents

窒素酸化物除去用触媒およびその触媒を用いた窒素酸化物の除去方法

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JP3537209B2 JP06634495A JP6634495A JP3537209B2 JP 3537209 B2 JP3537209 B2 JP 3537209B2 JP 06634495 A JP06634495 A JP 06634495A JP 6634495 A JP6634495 A JP 6634495A JP 3537209 B2 JP3537209 B2 JP 3537209B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒素酸化物を含有する
排ガスから窒素酸化物を除去(以下、「脱硝」と略す)
する方法に関する、詳しくはガスエンジン、ガスタービ
ン、ボイラー、ディーゼルエンジンなどのほかに各種工
業プロセスから排出される高温排ガス中に含まれる窒素
酸化物(以下、「NOx」という)を、還元剤としてア
ンモニアまたは尿素、メラミン、シアヌル酸、炭酸アン
モニウム、炭酸水素アンモニウムなどの固体還元剤を用
いて接触還元するに好適な脱硝触媒、脱硝用触媒の製造
方法、およびその触媒を用いた脱硝方法に関する。
【0002】本発明の「脱硝触媒」とは、排ガス中のN
Oxを上記還元剤を用いて接触還元し無害な窒素と水と
に変換するための触媒を意味する。
【0003】
【従来の技術】現在、排ガス中のNOxを除去する方法
としては、高濃度の酸素を含む排ガスでもNOxを選択
的に除去でき、また使用する還元剤も少量ですみ、経済
的であるため、アンモニアを還元剤として用いる接触還
元法が主流となっている。
【0004】この接触還元法に用いられる触媒として
は、アルミナ、シリカ、ゼオライト、酸化チタンなどと
バナジウム、銅、タングステン、モリブデン、鉄などの
酸化物とを組み合わせた触媒がこれまでに数多く提案さ
れている。このなかでも、酸化チタンを主成分とする触
媒は、排ガス中の硫黄酸化物(SOx)の影響を受け
ず、また排ガス中のSO2からSO3への酸化能力が低い
ことから、現在では広く実用化されている。反応温度は
通常250〜400℃程度である。
【0005】上記のような酸化チタンを主成分とする触
媒の調製方法としては、例えば可溶性チタン化合物の水
溶液にアンモニア水を加えて得られる水酸化チタン沈澱
物ゲルに可溶性タングステン化合物の水溶液を添加、混
合した後、成型、乾燥そして焼成して、あるいは成型に
際し触媒混合物の一部または全部を予め加熱分解し酸化
物の混合物としてから成型し、乾燥、焼成する方法があ
る(特公昭52−35342号公報)。
【0006】また水和した酸化チタンのスラリーにアン
モニア水を加え、PH調整した後、タングステン化合物
を添加し、混合、乾燥、焼成してチタン−タングステン
の二元系酸化物を得、該二元系酸化物に酸型ゼオライト
またはCeイオン交換型ゼオライトを加え成形乾燥する
方法(特開平5−123577号公報)も知られてい
る。
【0007】一方、ガスタービン排ガスやディーゼルエ
ンジン排ガスのように、排ガス温度が400℃を超える
ものもあり、このような高温排ガス中のNOxを除去す
るためには比較的幅広い温度領域で優れた活性を示す脱
硝触媒が必要である。
【0008】しかし、上記特公昭52−35342号公
報に記載の方法により得られる酸化チタンと酸化タング
ステンとを主成分とする触媒は、同公報の実施例1に示
されるように、400℃の温度で最も高い触媒活性を示
し、500℃ではすでに脱硝率が低下する温度領域にな
っている。脱硝率を上げるためには、NOxに対するア
ンモニアのモル比を高くすることが考えられるが、アン
モニアが過剰に存在する条件下では、アンモニアの消費
量が増大し、経済性が低下するばかりでなく、負荷変動
時には排ガス中にアンモニアが多量にリークする危険性
がある。
【0009】また、特開平5−123577号公報に記
載の方法から得られる触媒は、低温で使用する場合には
従来の方法より得られる触媒より高い初期活性を示す
が、高温で使用する場合には耐久性に問題を残すもので
あった。
【0010】つまり、従来公知の脱硝触媒は、400℃
を超える高温排ガスのNOxを接触還元する場合、還元
剤としてのアンモニアの酸化(または分解)反応がNO
xの還元と同時に起こるため、脱硝率が低く、また高い
脱硝率を得るためにはNOxに対するアンモニアのモル
比を大きくする必要があり、このためアンモニアの消費
が増大して経済性が低下するなどの問題が生じ、さらに
は高温での耐久性に問題があって実用触媒としては決し
て満足できるものではなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、幅広
い温度領域、特に400℃を超える高温度領域で、しか
も低いアンモニア/NOxモル比の条件下でも高い脱硝
活性を示し、なおかつ優れた耐久性を有する脱硝触媒、
該触媒の製造方法および該触媒を用いた脱硝方法を提供
することである。
【0012】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは、チタ
ン、タングステンおよびゼオライトを含む触媒において
チタン、タングステンおよびゼオライトを所定の調製方
法により得られる触媒成分を含有する触媒を用いること
により、排ガスの温度が高温であっても高い脱硝率を生
じることを見出し本発明を完成するに到った。すなわ
ち、本発明は、以下の記載の通りに特定されるものであ
る。
【0013】(1) チタン酸化物とタングステン酸化
物とSiO /Al (モル比)が8以上である酸
型ゼオライト及び/又はCeイオン交換型ゼオライトと
からなる触媒成分を含む窒素酸化物除去用触媒であっ
て、酸化チタン(TiO )/酸化タングステン(WO
)の重量比が20/1〜1/1、酸化チタン(TiO
)/ゼオライトの重量比が10/1〜1/10であ
り、チタン酸化物およびタングステン酸化物がゼオライ
ト上に高分散されていることを特徴とする窒素酸化物除
去用触媒。 (2) 水性媒体に可溶なチタン化合物と水性媒体に
溶なタングステン化合物SiO/Al(モル
比)が8以上である酸型ゼオライト及び/又はCeイオ
ン交換型ゼオライトを含む水性液を沈殿し得られる沈
殿物を焼成してなる触媒成分を含有することを特徴とす
る窒素酸化物除去用触媒。
【0014】()水性媒体に可溶なチタン化合物と水
性媒体に可溶なタングステン化合物とSiO/Al
(モル比)が8以上である酸型ゼオライト及び/又
はCeイオン交換型ゼオライトとを含む水性液を塩基性
物質で、当該液の温度60℃以下、pH5〜8で中和し
沈殿させて得られる沈殿物を焼成し、かつ当該焼成後の
酸化チタン(TiO )/酸化タングステン(WO
の重量比が20/1〜1/1、酸化チタン(TiO
/ゼオライトの重量比が10/1〜1/10となる割合
で用いてなる触媒成分を含有することを特徴とする窒素
酸化物除去用触媒の製造方法。
【0015】以下に本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明で使用する可溶なチタン化合物の種
類については、水性媒体に可溶であれば特に制限はな
く、四塩化チタン、硫酸チタンなどの無機チタン化合
物、およびシュウ酸チタン、テトライソプロピルチタネ
ートなどの有機チタン化合物を用いることができる。ま
た、可溶なタングステン化合物の種類についても特に制
限はなく、例えばメタタングステン酸アンモニウム、パ
ラタングステン酸アンモニウムなどを用いることができ
る。可溶なチタン化合物と可溶なタングステン化合物と
の割合については、乾燥・焼成した時、酸化チタン/酸
化タングステン(TiO2/WO3、以下同じ)の重量比
が20/1〜1/1、特に20/1〜1.5/1の範囲
となるようにするのが、得られる脱硝触媒の活性が高く
なるので好ましい。
【0017】本発明に係る酸型ゼオライト(以下、H型
ゼオライトとも記載する)とは、ゼオライトの対イオン
が水素で置換されているものであり、この酸型ゼオライ
トのうちSiO2/Al23(モル比)が8以上であ
り、好ましくは10以上のゼオライトである。SiO2
/Al23(モル比)が8未満である場合は脱硝効率が
低く、さらには耐熱性が劣り、加えて酸型のゼオライト
にイオン交換する場合に構造安定性も低くなるからであ
る。SiO2/Al23(モル比)が8以上である酸型
ゼオライトとは、具体的にはモルデナイト、ZSM−
5、Y型ゼオライトまたはフェリエライト等の酸型ゼオ
ライトである。
【0018】また、本発明に係るCeイオン交換型ゼオ
ライトとは、SiO2/Al23(モル比)が8以上で
あるゼオライトであって、このゼオライトをCeの水性
溶液を加え適宜、撹拌、加熱することにより得ることが
できる。具体的にはモルデナイト、ZSM−5、Y型ゼ
オライトまたはフェリエライト等のゼオライトのSiO
2/Al23(モル比)が8以上であるゼオライトに、
Ceの水溶性化合物、例えば、硝酸第1セリウム、硝酸
第2セリウム、硫酸第1セリウム、硫酸第2セリウム、
炭酸セリウム等の無機化合物、酢酸第1セリウム等の有
機化合物の水性液を加え加熱すること等により得られる
ものである。該Ceイオン交換型ゼオライトに含まれる
Ceの含有量は、交換前のH型のゼオライトに対して酸
化セリウム換算で0.5〜30重量%であることが好ま
しい。この範囲外の場合には脱硝効率が低下し好ましく
はないらである。
【0019】本発明に係る触媒ゼオライトの含有量は、
酸化チタンに対し重量比で、該酸型ゼオライトおよびC
eイオン交換型ゼオライトの合計で10/1〜1/10
の範囲であることが好ましいものである。10/1より
ゼオライト成分が少なくなると高温での脱硝効率が低く
好ましくなく、また1/10よりもゼオライト成分が多
くなると触媒の成形性が低くなること、および450℃
以下の温度域での脱硝効率が低くなり好ましくはないも
のとなるからである。
【0020】また該酸型ゼオライトおよびCeイオン交
換型ゼオライトとも、アルカリ金属、アルカリ土類金属
はできるだけ含まれないほうが好ましい。アルカリ金属
等が含まれるとゼオライトの構造安定性が低くなるから
である。
【0021】水性媒体としては、通常、水が用いられ
る。
【0022】本発明に係る触媒の調製における沈殿法と
しては、該酸型ゼオライト及び/又はCeイオン交換型
ゼオライト、水溶性チタン化合物、水溶性タングステン
化合物を含む水性液を、熱加水分解法、加熱分解法、塩
基性化合物を用いた中和法など従来公知の方法を用いる
ことができるが、特に塩基性化合物を添加して沈澱させ
る方法が好適に用いられ、またチタンおよびタングステ
ンを沈殿させるとより好ましい。この塩基性化合物の種
類については特に制限はなく、例えばアンモニア、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウムなどを用いることができる。これらのうち、沈
澱物スラリーの洗浄性および取扱性から、アンモニアま
たはその水溶液(アンモニア水)が好適に用いられる。
【0023】以下に、水性媒体として水を用い、酸型ゼ
オライトまた塩基性化合物としてアンモニア水を用いて
沈澱させる方法を例として、本発明を具体的に説明す
る。
【0024】先ず、可溶なチタン化合物、例えば四塩化
チタンおよび可溶なタングステン化合物、例えばメタタ
ングステン酸アンモニウムを水に溶解して酸性のチタン
−タングステン含有水溶液とする。この溶液にH型ゼオ
ライトの粉末を添加し攪拌しながら、この溶液の温度を
60℃以下、好ましくは50〜0℃の範囲保持する。
次いでアンモニア水を、最終pHが5〜8、好ましくは
5以上で7未満の範囲となるように添加して沈殿させ
る。なお、タングステン化合物の水溶液が塩基性の場合
には、タングステン含有水溶液をアンモニア水と同時に
チタン含有水溶液に添加し、沈殿させる。なお、「最終
pH」とは、沈殿操作を終了した時点における沈殿物ス
ラリーもしくはゲルのpHを意味する。
【0025】沈澱操作における温度が60℃を超えると
得られる脱硝触媒の活性は低くなって好ましくない。最
終pHが5より低いと得られる脱硝触媒の活性は低下
し、また8を超えると活性は低下し、そのうえタングス
テンの再溶解も起こるため好ましくない。
【0026】上記沈澱操作により得られたチタン−タン
グステン−ゼオライト沈澱物は、沈澱物スラリーから分
離し、よく洗浄し、乾燥した後、焼成することにより本
発明に係る触媒成分を得ることができる。上記分離、洗
浄、乾燥および焼成は、この種の触媒の調製に一般に用
いられている条件下に行うことができるが、酸化チタン
/酸化タングステンの重量比が20/1〜1/1、特に
20/1〜1.5/1かつ酸化チタン/ゼオライトの重
量比が10/1〜1/10のものを400〜750℃、
特に450〜700℃の範囲で加熱焼成すると、耐久性
に優れた触媒成分となるため好ましいものである。ま
た、焼成処理についても、(イ)チタン−タングステン
−ゼオライト沈澱物を乾燥し、焼成した後に成型する方
法、(ロ)チタン−タングステン−ゼオライト沈澱物を
成型した後に焼成する方法、あるいは(ハ)上記方法
(イ)、(ロ)を組み合わせた方法などのいずれも用い
ることができる。なお、方法(ロ)の場合、後段におけ
る熱処理により成型体の収縮、触媒物性の変化などが起
こることもあるので、方法(イ)または方法(ハ)が好
ましく、方法(ハ)の場合にも後段の焼成を前段の焼成
と同じ温度か、あるいはそれより低い温度で行うのが好
ましい。
【0027】本発明に係る脱硝触媒が優れた脱硝活性を
示し、かつ優れた耐久性を有する理由は明らかではない
が、上記特定の条件下で沈澱を行うことにより、それ自
体脱硝活性を有する該ゼオライト上に酸化チタンおよび
酸化タングステンが高分散することにより生じるものと
推定される。
【0028】本発明に係る脱硝触媒は、アルミナ、シリ
カ、ジルコニア、チタニア、チタニア−シリカなどの複
合酸化物などと組み合わせて使用することもできる。
【0029】本発明に係る脱硝触媒は、そのまま一体成
型しても、あるいは担体に担持して使用することもでき
る。担体としては、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミ
ナ、チタニア−シリカなどの複合酸化物、ベントナイ
ト、ケイソウ土、シリコンカーバイト、チタニア、ジル
コニア、マグネシア、コーディライト、ムライト、軽
石、無機繊維、あるいはステンレスなどの金属の板や網
などを使用することができる。担持方法については特に
制限はなく、例えば粒状のシリコンカーバイトに脱硝触
媒のスラリーを含浸させて担持させる方法、ステンレス
波板に脱硝触媒のスラリーをコートして担持させる方法
などを用いることができる。
【0030】本発明に係る脱硝触媒(担体担持触媒も含
む)の形状については特に制限はなく、ハニカム状、板
状、円筒状、リボン状、パイプ状、ドーナツ状、格子
状、円柱状、波板状、粒状などのいずれでもよい。
【0031】本発明に係る触媒の表面積は低すぎると脱
硝活性が低く、高すぎるとアンモニア分解が促進される
ため、10〜120m2/g、好ましくは15〜100
2/gが選ばれ、また細孔容積は低すぎると活性が低
く、高すぎると触媒強度が低下するため0.1〜0.6
cc/g、好ましくは0.2〜0.5cc/gが選ばれ
る。
【0032】本発明の脱硝触媒を用いて処理する排ガス
の組成については特に制限はなく、本発明の脱硝触媒は
NOxを含有する各種排ガスの処理に用いることができ
る。例えば、SOx0〜3000ppm、酸素1〜20
容量%、炭酸ガス1〜15容量%、水蒸気5〜15容量
%、煤塵0.001〜30g/Nm3およびNOx(主
としてNO)20〜10000ppm程度を含有する排
ガスの処理の用いられる。さらに、本発明の脱硝触媒
は、SOxを含まないNOx含有排ガス、ハロゲン化合
物を含むNOx含有排ガスなどの特殊な排ガスの処理に
も用いることができる。
【0033】本発明の脱硝触媒を用いた排ガスの処理条
件については、排ガスの種類、性状、要求脱硝率などに
より異なるので一概に特定できないが、実施に際して
は、これら条件を考慮して適宜決定すればよい。
【0034】還元剤としては、アンモニアや分解してア
ンモニアを生成する尿素、メラミン、シアヌル酸、炭酸
アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなどが用いられ
る。取扱性やコストの点からアンモニアや安全性の面か
ら尿素が好ましく用いられる。還元剤の排ガスの注入形
態としては特に限定されないが、排ガス中への還元剤の
分散性および取扱性からアンモニアガス、液体アンモニ
ア、アンモニア水、尿素水溶液、炭酸アンモニウム水溶
液、炭酸水素アンモニウム水溶液など気体または液体で
注入することが好ましい。分解してアンモニアを生成す
る還元剤を用いる場合には、その還元剤から生成するア
ンモニア量によって還元剤の添加量がきまり、例えば尿
素ではアンモニアの1/2モル、メラミンでは1/3モ
ルの注入量となる。
【0035】還元剤としてのアンモニアの使用量は脱硝
率、リークアンモニア量などを考慮して、アンモニア/
NOx(NO換算)モル比が0.3/1〜3/1の範囲
内、好ましくは0.3/1〜1.5/1で適宜選択する
ことができる。特に、本発明の脱硝触媒の場合、アンモ
ニア/NOx(NO換算)モル比が1.5/1以下の範
囲でも高い脱硝率が得られ、効率よくNOxを分解除去
することができる。例えば、ボイラーの排ガス処理の場
合、この排ガス中に含まれるNOxの大部分はNOであ
るので、アンモニア/NOx(NO換算)モル比は1の
近辺が特に好ましいが、要求される脱硝率、リークアン
モニア量などを考慮して、2/1以下程度の範囲内で適
宜選択される。
【0036】反応温度は400〜700℃であるが、特
に450〜650℃とするのが好ましい。空間速度は通
常1000〜100000Hr~1であり、特に3000
〜80000Hr~1の範囲が好ましい。圧力については
特に制限はないが、通常、0.01〜10kg/cm2
の範囲が好ましい。
【0037】排ガスの処理に用いる反応器の形式につい
ても特に制限はなく、通常の固定床、移動床、流動床な
どの反応器を用いることができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0039】(実施例1)水80リットル(以下、Lで
表示する)に四塩化チタン(TiCl4)11.4kg
を氷冷・攪拌下に徐々に滴下して溶解し、この水溶液に
日本無機化学工業(株)製メタタングステン酸アンモニ
ウム水溶液(酸化タングステンとして50重量%含有)
2.4kgを加えた。この水溶液を温度約30℃に保持
しつつ、市販の合成H型ゼオライト(モルデナイト、S
iO2/Al23のモル比が15.4/1)4.8Kg
を添加し、よく攪拌しながら、アンモニア水をpHが6
となるまで加え、更にそのまま放置して2時間熟成し
た。
【0040】このようにして得られたチタン−タングス
テン−ゼオライト沈澱物スラリーをろ過し、得られたチ
タン−タングステン−ゼオライト沈澱物を水洗して、1
50℃で10時間乾燥した後、600℃で5時間焼成し
て酸化チタン/酸化タングステン=4/1(重量)およ
び酸化チタン/ゼオライト=1/1(重量)のチタン−
タングステン酸化物−ゼオライトを得た。
【0041】ニーダーを用い、上記チタン−タングステ
ン酸化物粉体1kgに適量の水を添加しつつ、よく混練
した後、押出成型機で直径4mm、長さ5mmのペレッ
ト状に成型した。次いで、このペレットを60℃で乾燥
した後、600℃で5時間空気流通下で焼成し、酸化チ
タン/酸化タングステン=4/1(重量)の触媒(A)
を調製した。
【0042】(実施例2)チタン源として硫酸チタニル
の硫酸水溶液(TiO2換算で250g/L)を19.
2Lとり、これに水80Lを加えた。この水溶液を温度
約30℃に保持しつつ、市販の合成H型ゼオライト(Z
SM−5、SiO2/Al23のモル比が54.5/
1)4.8Kgを添加し、よく攪拌しながら、モノエタ
ノールアミン0.54kgと水2.7Lとを混合し、パ
ラタングステン酸アンモニウム1.35kgを加えて溶
解した水溶液およびアンモニア水を徐々に滴下し、引続
きpHが6となるまでアンモニア水を加え、更にそのま
ま放置して2時間熟成した。以下、実施例1と同様にし
て同一組成の触媒(B)を調製した。
【0043】(実施例3〜6)実施例1において、酸化
チタン/酸化タングステンおよび酸化チタン/ゼオライ
トの重量の比を変えた以外は実施例1と同様にして触媒
(C)〜(F)を調製した。触媒組成は表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】(実施例7)実施例1において、モルデナ
イトに代えて、以下に示すCeイオン交換型ゼオライ
ト、即ち硝酸第1セリウム3Kgを水30リットルに溶
解し、実施例2で使用したゼオライト5Kgを添加し9
0〜100℃で加熱し3時間撹拌しながらイオン交換を
行った後、濾過、洗浄後150℃で1時間乾燥後、60
0℃で5時間焼成しCeO2として3重量%含有するゼ
オライトを使用した以外は、実施例1と同様にして触媒
(G)を得た。
【0046】(比較例1)実施例1において、チタン源
として市販のアナターゼ型酸化チタン粉末(ローンプー
ラン社製DT−50)4.8kgを用い、これにモノエ
タノールアミン0.54kgと水2.7Lとを混合し、
パラタングステン酸アンモニウム1.35kgを加えて
溶解した水溶液を加え、ニーダーで適量の水を添加しつ
つ、よく混合、混練した。以下、実施例1と同様にし
て、比較触媒(a)を調製した。
【0047】(比較例2)チタン源としてメタチタン酸
(水に不溶性の化合物)スラリーをTiO2として4.
8kg用い、これにモノエタノールアミン0.54kg
と水2.7Lとを混合し、パラタングステン酸アンモニ
ウム1.35kgを加えて溶解した水溶液を添加し、ニ
ーダー中で加熱しながら混練し、得られたスラリーを1
50℃で10時間乾燥した後、600℃で5時間焼成
し、酸化チタンと酸化タングステンの混合物の粉体を得
た。ニーダーを用いて、該酸化チタンと酸化タングステ
ンの混合物の粉体600gと実施例1で使用したと同様
のゼオライト480gを混合し、150℃で10時間乾
燥し、600℃で5時間で焼成し比較触媒(b)を得
た。
【0048】(評価例1)実施例1〜7および比較例1
〜2で得られた触媒(A)〜(G)および比較触媒
(a)〜(b)の各触媒について次のような方法により
脱硝率を求めた。
【0049】触媒20mlを電気炉内に設置した石英製
反応管に充填し、下記組成の合成ガスを下記条件下に触
媒層に導入した。反応管入口でのガス中のNOx濃度
(入口NOx濃度)および反応管出口でのガス中のNO
x濃度(出口NOx濃度)を柳本製作所製化学発光式N
Ox計(ECL−77A型)により測定し、次式に従っ
て脱硝率を算出した。
【0050】脱硝率(%)=(入口NOx濃度−出口N
Ox濃度)/(入口NOx濃度)(×100) 合成ガス組成 NOx:100ppm、O2:15%、SO2:200p
pm、H2O:10%、 N2:残余 反応条件 ガス量:3.33NL/min、空間速度(SV):1
000Hr-1、NH3/NOx(NO換算)モル比:
1.0、温度:表2に記載 得られた結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】(実施例8)実施例1において、沈澱時の
温度を約30℃から55℃に変更した以外は実施例1と
同様にして同一組成の触媒(H)を調製した。
【0053】(実施例9)実施例1において、沈澱時の
最終pHを6から5に変更した以外は実施例1と同様に
して同一組成の触媒(I)を調製した。
【0054】(実施例10)実施例1において、沈澱時
の最終pHを6から8に変更した以外は実施例1と同様
にして同一組成の触媒(J)を調製した。
【0055】(比較例3)実施例1において、沈澱時の
温度を約30℃から80℃に変更した以外は実施例1と
同様にして同一組成の比較触媒(c)を調製した。
【0056】(比較例4)実施例1において、沈澱時の
最終pHを6から4に変更した以外は実施例1と同様に
して同一組成の比較触媒(d)を調製した。
【0057】(比較例5)実施例1において、沈澱時の
最終pHを6から9.0に変更した以外は実施例1と同
様にして同一組成の比較触媒(e)を調製した。
【0058】(評価例2)実施例8〜10および比較例
3〜5で得られた完成触媒(H)〜(J)および比較触
媒(c)〜(e)について評価例1と同様にして脱硝率
を求めた。得られた結果を表3に示す。
【0059】
【表3】
【0060】(実施例11〜14)実施例1において、
チタン−タングステン−ゼオライト沈澱物の焼成温度を
表4に示すように変更した以外は実施例1と同様にして
同一組成の触媒(K)〜(N)を調製した。
【0061】(評価例3)実施例11〜14で得られた
触媒(K)〜(N)について評価例1と同様にして脱硝
率を求めた。得られた結果を表4に示す。
【0062】
【表4】
【0063】(評価例4)実施例1、5、9、13およ
び比較例2、3で得られた触媒(A)、(E)、
(I)、(M)および比較触媒(b)、(c)の耐久性
を下記方法により評価した。
【0064】各触媒を空気流通下、550℃に調整した
電気炉内に置き、所定時間経過後に取り出した。以下、
評価例1と同様にして、反応温度500℃での脱硝率を
測定した。得られた結果を結果を表5に示す。
【0065】
【表5】
【0066】
【発明の効果】本発明の脱硝触媒は、幅広い温度領域、
特に400℃以上の高温度領域において高い脱硝活性を
示し、また優れた耐久性を有する。このため、本発明の
脱硝触媒を用いることにより、ガスタービン、ボイラ
ー、ガスエンジン、ディーゼルエンジンなどのほかに各
種工業プロセスから排出される高温排ガス中のNOxを
効率よく分解除去することができる。
【0067】本発明の脱硝触媒は、幅広い温度領域、特
に400℃以上の高温度領域において、低いアンモニア
/NOxモル比でも優れた脱硝活性と耐久性を示す。こ
のため、本発明の脱硝触媒を用いることにより、アンモ
ニアの消費を最小限にとどめながら、つまり経済的に、
かつアンモニアのリークなどの問題を引き起こすことな
く、高温排ガス中のNOxを効率よく分解除去すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−123577(JP,A) 特開 平4−222633(JP,A) 特開 昭62−42744(JP,A) 特開 平4−310240(JP,A) 特開 平5−31368(JP,A) 特表 平2−500822(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86,53/94

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体に可溶なチタン化合物と水性媒
    体に可溶なタングステン化合物とSiO/Al
    (モル比)が8以上である酸型ゼオライト及び/又はC
    eイオン交換型ゼオライトとを含む水性液を塩基性物質
    、当該液の温度60℃以下、pH5〜8で中和し沈殿
    させて得られる沈殿物を焼成し、かつ当該焼成後の酸化
    チタン(TiO )/酸化タングステン(WO )の重
    量比が20/1〜1/1、酸化チタン(TiO )/ゼ
    オライトの重量比が10/1〜1/10となる割合で用
    いるてなる触媒成分を含有することを特徴とする窒素酸
    化物除去用触媒の製造方法。
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