JP3531980B2 - トナー用結着樹脂及びそれを含有する正帯電性トナー - Google Patents

トナー用結着樹脂及びそれを含有する正帯電性トナー

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JP3531980B2 JP22580894A JP22580894A JP3531980B2 JP 3531980 B2 JP3531980 B2 JP 3531980B2 JP 22580894 A JP22580894 A JP 22580894A JP 22580894 A JP22580894 A JP 22580894A JP 3531980 B2 JP3531980 B2 JP 3531980B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トナー用結着樹脂及び
該結着樹脂を含有する正帯電性トナーに関し、更に詳し
くは、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電潜
像を現像するために用いられる正帯電性トナーに関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
電子写真法としては、米国特許第2297691 号、第235780
9 号明細書等に記載されている如く、光導電性絶縁層を
一様に帯電させ、次いでその層を露光させ、その露光さ
れた部分上の電荷を消散させる事により電気的な潜像を
形成し、更に該潜像にトナーと呼ばれる着色された電荷
をもった微粉末を付着させることによって可視化させ
(現像工程)、得られた可視像を転写紙等の転写材に転
写させた後(転写工程)、加熱、圧力あるいはその他適
当な定着法により永久定着させる(定着工程)工程から
なる。
【0003】この様にトナーは単に現像工程のみなら
ず、転写工程、定着工程の各工程において要求される機
能を備えていなければならない。
【0004】一般に正帯電性トナーを得るために、用い
られる結着樹脂として正帯電の得易いスチレン・アクリ
ル樹脂を用いるがスチレン・アクリル樹脂は機械的強度
が弱いため連続印字に耐え難く、またその改善のために
比較的高分子量の樹脂を用いると定着性が極めて悪くな
るという問題が生じる。また、機械的強度に優れたポリ
エステル樹脂は定着性と連続印字時の安定性の両立が可
能であるが、負帯電性が強いために正帯電性が得られに
くい。
【0005】そこで、これらの問題を解決するために、
定着性に優れたポリエステル樹脂と、高温高湿下でも常
温常湿下と比べて帯電量の変動率の小さいスチレンアク
リル樹脂を混合して用いる検討がなされてきている。例
えば、次のような方法が挙げられる。 ポリエステル樹脂とスチレンアクリル樹脂を混合する
方法(特開昭49−6931号、特開昭54−1142
45号、特開昭57−70523号、特開平2−161
464号); ポリエステル樹脂とスチレンアクリル樹脂を化学的に
結合する方法(特開昭56−116043号); 不飽和ポリエステルにビニル系のモノマーを共重合せ
しめる方法(特開昭57−60339号、特開昭63−
279265号、特開平1−156759号、特開平2
−5073号); (メタ)アクリロイル基を有するポリエステル樹脂に
ビニル系モノマーを共重合させる方法(特開昭59−4
5453号); ポリエステル樹脂存在下で反応性ポリエステルとビニ
ル系モノマーを共重合させる方法(特開平2−2966
4号);及び ポリエステル樹脂とビニル系樹脂をエステル結合でブ
ロック化させる方法(特開平2−881号)。
【0006】しかしながら、ポリエステル樹脂とスチレ
ンアクリル樹脂は、本来相溶性が悪く、単に機械的に混
合を行う場合には、混合比率によっては、トナー化を行
う際に樹脂及びカーボンブラック等の内添剤の分散が悪
くなり、帯電性が不均一となる事で、画像評価において
地汚れ等、弊害が生じる事がある。また、二種類の樹脂
の分子量が異なる場合には、双方の溶融粘度に差異が生
じることがある。すると分散相の樹脂の分散粒径を細か
くすることが困難となり、トナー化を行うとカーボンブ
ラック等の内添剤の分散が非常に悪く、大きく画像安定
性に欠ける。更に、反応性ポリエステルにビニル系モノ
マーを重合させる場合、ゲル化を防ぐためには組成が制
限があった。
【0007】本発明の目的は、かかる課題を解決すべ
く、良好に均一に帯電すると共に帯電の立ち上がりが速
いトナーを得るためのトナー用結着樹脂を提供するもの
である。本発明のもう一つの目的は、このような結着樹
脂を用いることにより、良好に均一に帯電すると共に、
帯電の立ち上がりが速く、逆帯電の少ない正帯電性トナ
ーを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の目的
を達成するため鋭意研究した結果、特定の樹脂の組み合
わせを結着樹脂として用いることにより低温定着性及び
耐オフセット性に優れ、帯電量、画質の環境安定性が良
好で現像剤の耐久性が優れた正帯電性トナーを得られる
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明の要旨は、 (1) ポリエステル樹脂のモノマー、ビニル系樹脂の
モノマー、及びそれらモノマーのいずれとも反応し得る
化合物を用いて、縮重合及び付加重合を同一の反応容器
中で並行して行う方法により得られる、ポリエステル樹
脂とビニル系樹脂のハイブリッド樹脂からなる連続相を
形成る樹脂(1)及び正帯電性の官能基を有するビニ
ル系樹脂からなり、前記連続相中に分散して分散相を形
る樹脂(2)よりなる正帯電性トナー用結着樹脂、(2) 樹脂(1)のビニル系樹脂が1種又は2種以上
のスチレン系モノマーを用いた重合により得られるもの
である前記(1)記載の結着樹脂、(3) 樹脂(2)の正帯電性の官能基を有するビニル
系樹脂が、窒素および/またはリンを含有する官能基を
有するポリスチレンまたはスチレン−アクリル共重合体
である前記(1)又は(2)記載の結着樹脂、(4) 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有してなる
正帯電性トナーにおいて、該結着樹脂が前記(1)〜
(3)いずれか記載の結着樹脂であることを特徴とする
正帯電性トナー、(5) さらに下記に示す一般式(I)および/または
一般式(II)で表される化合物を含有してなる前記
(4)記載の正帯電性トナー、に関する。
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1 、R2 、R3 、及びR4 は同
一または異なって、各々アルキル基、アルコキシ基、ア
リール基、またはアリル基を示し、それは各々環を形成
しても良く、A- は陰イオンを示す。)
【0012】本発明の結着樹脂は、トナー中において連
続相を形成しうる樹脂(1)と該樹脂(1)により形成
された連続相中に分散する分散相を形成しうる樹脂
(2)とを含有してなる。樹脂(1)は、ポリエステル
樹脂とビニル系樹脂のハイブリッド樹脂であり、樹脂
(2)は、正帯性の官能基を有するビニル系樹脂であ
る。先ず、樹脂(1)の好ましい態様について詳細に説
明する。
【0013】樹脂(1)は、ポリエステル樹脂とビニル
系樹脂のハイブリッド樹脂であって、ポリエステル樹脂
とビニル系樹脂が部分的に化学結合された樹脂である。
ポリエステル樹脂のモノマー、ビニル系樹脂のモノマ
ー、及びそのいずれとも反応し得る化合物等を用いて製
造される。ポリエステル樹脂のモノマーとしては、2価
又は3価以上のアルコールとカルボン酸、もしくはカル
ボン酸無水物、カルボン酸エステル等の2価又は3価以
上のカルボン酸成分が用いられる。
【0014】2価アルコールとしては、例えばポリオキ
シプロピレン(2.2) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェ
ニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3) −2,2 −
ビス(4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシ
エチレン(2.0) −2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0) −ポリオキシ
エチレン(2.0) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニ
ル) プロパン、ポリオキシプロピレン(6) −2,2 −ビス
(4−ヒドロキシフェニル) プロパン等のビスフェノー
ルAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2 −プロピレングリコール、1,3 −プロピレングリコ
ール、1,4 −ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4 −ブテンジオール、1,5 −ペンタンジオール、
1,6 −ヘキサンジオール、1,4 −シクロヘキサンジメタ
ノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのプ
ロピレン付加物、ビスフェノールAのエチレン付加物、
水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
【0015】3価以上のアルコールとしては、例えばソ
ルビトール、1,2,3,6 −ヘキサンテトロール、1,4 −ソ
ルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
ール、トリペンタエリスリトール、1,2,4 −ブタントリ
オール、1,2,5 −ペンタントリオール、グリセロール、
2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−
ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン
等が挙げられる。これらのアルコールのうち、ポリオキ
シプロピレン(2.2) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェ
ニル) プロパン及びポリオキシエチレン(2.0) −2,2 −
ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパンが好ましく用
いられる。本発明においては、これらの2価のアルコー
ル単量体及び3価以上の多価アルコール単量体から単独
であるいは複数の単量体を併用して用いることができ
る。
【0016】また、酸成分としては、カルボン酸成分で
2価の単量体として、例えばマレイン酸、フマル酸、シ
トラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セ
バチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコ
ハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク
酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、
n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソ
オクチルコハク酸、及びこれらの酸の無水物、もしくは
低級アルキルエステル等が挙げられる。これらの2価の
カルボン酸成分のうち、マレイン酸、フマル酸、テレフ
タル酸、イソドデセニルコハク酸、及びこれらの酸の無
水物、もしくは低級アルキルエステルが好ましく用いら
れる。
【0017】3価以上のカルボン酸成分としては、例え
ば1,2,4 −ベンゼントリカルボン酸、2,5,7 −ナフタレ
ントリカルボン酸、1,2,4 −ナフタレントリカルボン
酸、1,2,4 −ブタントリカルボン酸、1,2,5 −ヘキサン
トリカルボン酸、1,3 −ジカルボキシル−2−メチル−
2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4 −シクロヘキ
サントリカルボン酸、テトラ (メチレンカルボキシル)
メタン、1,2,7,8 −オクタンテトラカルボン酸、ピロメ
リット酸、エンポール三量体酸及びこれらの酸無水物、
低級アルキルエステル等が挙げられる。これらのうち、
特に1,2,4 −ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメ
リット酸又はその誘導体が安価で、反応制御が容易であ
るため、好ましく用いられる。本発明においては、これ
らの2価のカルボン酸単量体及び3価以上の多価カルボ
ン酸単量体から単独であるいは複数の単量体を併用して
用いることができる。
【0018】一方、ビニル系樹脂の単量体としては、例
えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−
エチルスチレン、2,4 −ジメチルスチレン、p−クロル
スチレン、ビニルナフタレン等のスチレン若しくはスチ
レン誘導体;例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、
イソブチレン等のエチレン系不飽和モノオレフィン類;
例えば塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル、カプロン酸ビ
ニル等のビニルエステル類;例えばアクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピ
ル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、
アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル
酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸メトキシ
エチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸
グリシジル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸
フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸tert−ブチル、メタクリル酸アミル、メタク
リル酸シクロヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メ
タクリル酸イソオクチル、メタクリル酸デシル、メタク
リル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸ステアリル、メタクリル酸メトキシエチル、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリ
シジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチル
アミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等の
エチレン性モノカルボン酸及びそのエステル;例えばア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
等のエチレン性モノカルボン酸置換体;例えばマレイン
酸ジメチル等のエチレン性ジカルボン酸及びその置換
体;例えばビニルメチルケトン等のビニルケトン類;例
えばビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、例え
ばビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物が挙
げられる。これらのうち、着色剤、ワックス等の分散性
が良いという点から、本発明ではスチレンとアクリル酸
又はそのエステル等の組み合わせ及びスチレンとメタク
リル酸又はそのエステル等の組み合わせが好適に用いら
れる。
【0019】また、必要に応じて架橋剤を使用すること
もでき、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレ
ン、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、トリエチレングリコー
ルジアクリレート、1,3 −ブチレングリコールジメタク
リレート、1,6 −ヘキシレングリコールジメタクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロ
ピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレング
リコールジメタクリレート、2,2'−ビス(4−メタクリ
ロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4
−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテ
トラアクリレート、ジブロムネオペンチルグリコールジ
メタクリレート、フタル酸ジアリルなど、一般の架橋剤
を適宜(必要に応じて2種以上組み合わせて)用いるこ
とができる。好ましくは、ジビニルベンゼン、ポリエチ
レングリコールジメタクリレートが用いられる。
【0020】これらの架橋剤の使用量は、ビニル重合性
単量体を基準にして0.001 〜15重量%、好ましくは0.1
〜10重量%で使用するのが良い。これらの架橋剤の使用
量が15重量%より多いと得られるトナーが熱で溶融しに
くくなり、熱定着性又は熱圧力定着性が劣ることとな
る。また使用量が0.001 重量%より少ないと、熱圧力定
着において、トナーの一部が紙に完全に固着しないでロ
ーラー表面に付着し、次の紙に転移するというオフセッ
ト現象を防ぎにくくなる。
【0021】また、ビニル系樹脂のモノマーの重合に使
用される重合開始剤としては、例えば2,2'−アゾビス
(2,4 −ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイ
ソブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−
1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ
−2,4 −ジメチルバレロニトリル、その他のアゾ系又は
ジアゾ系重合開始剤、又はベンゾイルパーオキサイド、
メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパー
オキシカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、
2,4 −ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の過酸化物
系重合開始剤が挙げられる。
【0022】重合体の分子量及び分子量分布を調節する
目的で、又は反応時間を調節する目的等で、二種類又は
それ以上の重合開始剤を混合して使用することもでき
る。
【0023】重合開始剤の使用量は、ビニル系樹脂の単
量体100 重量部に対して0.1 〜20重量部、好ましくは1
〜10重量部である。
【0024】本発明においては、ポリエステル樹脂とビ
ニル系樹脂が化学結合された樹脂を得るため、両樹脂の
モノマーのいずれとも反応しうる化合物(以下「両反応
性化合物」という)を用いて重合を行う。このような両
反応性化合物としては、前記のポリエステル樹脂のモノ
マー及びビニル系樹脂のモノマー中の、フマル酸、アク
リル酸、メタクリル酸、シトラコン酸、マレイン酸、及
びフマール酸ジメチル等の化合物が挙げられる。これら
のうち、フマール酸、アクリル酸、及びメタクリル酸が
好ましく用いられる。両反応性化合物の使用量は、全原
料モノマー中0.1 〜20重量%、好ましくは0.5 〜10重量
%である。
【0025】重合反応は、例えば、付加重合反応に適し
た温度条件下でポリエステルの原料モノマーの混合物中
に、ビニル系樹脂の原料モノマー混合物を滴下して両反
応性化合物の存在下、付加重合反応と並行して縮重合反
応を部分的に行う工程と、得られた混合物の温度を前記
条件下で保持して付加重合反応のみを完結させる工程
と、次いで反応温度を上昇させて縮重合反応の重合度を
上昇させる工程とからなる方法により行われる。
【0026】ここで、付加重合反応に適した温度条件
は、用いられる重合開始剤の種類にもよるが、50〜1
80℃の温度範囲で通常行われる。また、縮重合反応の
重合度を上昇させるのに最適な温度範囲は通常190〜
270℃である。このように反応容器中で独立した2つ
の反応を並行して進行させる方法により、ハイブリッド
樹脂が得られる。ここで、ハイブリッド樹脂とは、化学
結合よりポリエステル樹脂とビニル系樹脂とを部分的に
結合することにより得られる樹脂をいう。かかるハイブ
リッド樹脂は2つの態様がある。1つの態様において、
ポリエステル樹脂がビニル系樹脂と均一に混合されてい
る。もう1つの態様において、ビニル系樹脂がポリエス
テル樹脂中に分散され、ビニル系樹脂と共に海・島構造
を形成している。
【0027】尚、樹脂(1)中におけるポリエステル樹
脂の割合は、特に限定されないが、好ましくは51〜95重
量%、更に好ましくは60〜80重量%である。
【0028】次に、樹脂(2)の好ましい態様について
詳細に説明する。本発明において、樹脂(2)として
は、正帯電性の官能基を有するビニル系樹脂が用いられ
る。特に、正帯電性の官能基としては窒素および/また
はリンを含有する官能基が好ましい。正帯電性の官能基
を有するビニル系樹脂は、例えば、樹脂(1)に用いら
れるビニル系樹脂のモノマーの内から選ばれる1種もし
くは2種以上の単量体と1種以上の窒素を含有するモノ
マーおよび/または1種以上のリンを含有するモノマー
とを共重合することで得られる。ここでビニル系樹脂の
モノマーとしては、ポリスチレン、またはスチレン−ア
クリル共重合体のモノマーを用いることが、樹脂のガラ
ス転位点の調節の容易性及び経済性の点から好ましい。
窒素を含むモノマーとしては、例えばN,N−ジメチル
アミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリレート等のN,N−ジアル
キルアミノアルキル(メタ)アクリレート類;N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の
N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルア
ミド類;N−ビニルピロール、N−ビニルピロリドン、
N−ビニルカルバゾール等のN−ビニル化合物;ビニル
ピリジン;モルフォリンエチル(メタ)アクリレート;
塩化トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、塩
化トリメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等
の4級化モノマー類等が挙げられる。リンを含むモノマ
ーとしては、例えばアリルトリフェニルホスホニウムブ
ロマイド、アリルトリフェニルホスホニウムクロライド
等が挙げられる。これらの内、N,N−ジアルキルアミ
ノアルキル(メタ)アクリレート類、N,N−ジアルキ
ルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、及びN−
ビニルピロリドンが好ましく用いられる。
【0029】分子中に窒素原子を有する化合物を樹脂
(2)の製造における重合開始剤として使用することで
樹脂(2)の分子の末端に官能基を導入しても良く、そ
のことにより、トナー中において安定な正帯電性を付与
することができる。分子中に窒素原子を有する化合物と
しては、例えば、2,2'−アゾビス(2−メチル−N−フ
ェニルプロピオンアミジン)、2,2'−アゾビス〔N−
(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジ
ン〕、2,2'−アゾビス〔N−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−メチルプロピオンアミジン〕、2,2'−アゾビ
ス〔N−(4−アミノフェニル)−2−メチルプロピオ
ンアミジン〕、2,2'−アゾビス〔2−メチル−N−(フ
ェニルメチル)プロピオンアミジン〕、2,2'−アゾビス
(2−メチル−N−2−プロペニルプロピオンアミジ
ン)、2,2'−アゾビス(2−メチル−N−プロピオンア
ミジン)、2,2'−アゾビス〔N−(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−メチル−プロピオンアミジン〕等のアゾアミ
ジン化合物及びその塩酸塩、メタンスルホン酸塩、p−
トルエンスルホン酸塩;2,2'−アゾビス〔2−(5−メ
チル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2'
−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロ
パン〕、2,2'−アゾビス〔2−(4,5,6,7−テトラヒドロ
−1H−1,3 −ジアゼピン−2−イル)プロパン〕、2,
2'−アゾビス〔2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン
−2−イル)プロパン〕、2,2'−アゾビス〔2−(5−
ヒドロキシ−3,4,5,6 −テトラヒドロピリミジン−2−
イル)プロパン〕、2,2'−アゾビス〔2−{1−(2−
ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル}プ
ロパン〕等のサイクリックアゾアミジン化合物及びその
塩酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トリスルホン酸塩等
が挙げられる。
【0030】樹脂(2)は、前記のモノマーを用いて通
常の溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合
法、分散重合法により得られる。
【0031】本発明において樹脂(1)と樹脂(2)の
混合比(重量部)は(1)/(2)=99/1 〜50/50、
好ましくは95/5〜70/30である。
【0032】樹脂(2)の分散相の平均粒径の制御は、
下記のような方法によりなされる。(a)樹脂(1)の
ビニル系樹脂成分と樹脂(2)の相溶性を変えることに
よる方法、(b)樹脂(1)と樹脂(2)の混合比を変
えることによる方法等が挙げられる。(a)の樹脂
(1)と樹脂(2)の混合比を変えることによる方法の
場合は、トナーが適正帯電量から外れることがあるの
で、樹脂(1)は55〜98重量部、樹脂(2)は45〜2重
量部が好ましい。
【0033】樹脂(2)よりなる分散相の粒径としては
0.05〜1.0 μmが好ましい。分散相の粒径が細かくなり
すぎると、帯電の立ち上がりが遅くなり、帯電量分布も
幅広くなる。また、分散相の粒径が大きくなりすぎると
帯電の立ち上がりは速くなるものの帯電量分布は幅広く
なり中には逆帯電するものも現れてくる。また分散相が
大きくなるとトナーの機械的強度が弱くなり過ぎて印字
を続けると結着樹脂が割れて微粉が増えてしまい経時安
定性が悪くなる。ここで、分散相の直径は、直径約0.
2mmの樹脂をミクロトームで100〜300nmの厚
さにカットし、得られた薄片を透過型走査電子顕微鏡
(例えば、JEOL(日本電子(株))製、「JEM−
2000」)で観測し、周知の方法で画像解析すること
により測定することができる。
【0034】本発明において、本発明の結着樹脂は樹脂
(1)と樹脂(2)とを含有してなり、それ以外の樹
脂、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、スチ
レン・アクリル系樹脂、エポキシ樹脂等を結着樹脂に対
して30重量%までさらに含有してもよい。
【0035】本発明のトナーは、少なくとも、樹脂
(1)と(2)を含有してなる上記結着樹脂と着色剤か
らなる正帯電性トナーである。さらに、帯電安定性の観
点から、本発明の正帯電トナーは下記一般式(I)及び
/又は(II)をさらに含有してもよい。
【0036】
【化3】
【0037】(式中、R1 、R2 、R3 、及びR4 は同
一または異なって、各々アルキル基、アルコキシ基、ア
リール基、またはアリル基を示し、それは各々環を形成
しても良く、A- は陰イオンを示す。)
【0038】本発明に使われる一般式(I)または一般
式(II)の構造式を有する化合物において、R1 、R
2 、R3 、及びR4 は同一または異なって、炭素数12
以上の各々アルキル基、アルコキシ基、アリール基、お
よびアリル基を示し、それは各々環を形成しても良い。
- は陰イオンであり、その代表例としては、ハロゲ
ン、ナフトールスルホネート、ヘテロポリ酸アニオン、
メチルスルホネート、p−トルエンスルホネート、テト
ラフルオロボレート、テトラフェニルボレート等が挙げ
られる。
【0039】一般式(I)又は(II)より表わされる化
合物としては、例えば、4級アンモニウム塩化合物、例
えば「ボントロンP−51」(オリエント化学社製)、
セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARG
E PX VP435」(ヘキスト社製)、「TP−415」、
「TP−302」(以上、保土ケ谷化学社製)、セチル
ピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイ
ド、ベンジルセチルジメチルアンモニウムクロライド、
ベンジルセチルジメチルアンモニウムブロマイド、等が
挙げられ、好ましくはボントロンP−51及びTP−4
15が用いられる。
【0040】本発明に使われる一般式(I)または一般
式(II)の構造式を有する化合物を結着樹脂に対して
0.1〜8.0 重量%、好ましくは 0.2〜5.0 重量%添加す
ることにより、より均一な帯電量分布が与えられると共
に帯電の立ち上がり性を良好にすることができる。
【0041】本発明では、前記の結着樹脂を用いて正帯
電性トナーを得るが、トナー調製時には、例えば該樹脂
(1)及び(2)と、着色剤、必要に応じて荷電制御
剤、磁性体等が添加される。
【0042】本発明に用いられる着色剤としては、サー
マルブラック法、アセチレンブラック法、チャンネルブ
ラック法、ランプブラック法等により製造される各種の
カーボンブラック、ニグロシン染料、フタロシアニンブ
ルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファース
トスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−
Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146
、ソルベントブルー35等及びそれらの混合物等を挙げ
る事ができ、通常、結着樹脂 100重量部に対して1〜15
重量部程度が使用するのか好ましい。
【0043】本発明に必要に応じて用いられる下記の荷
電制御剤を併用しても構わない。その具体例としては、
例えばニグロシン染料として「ニグロシンベースE
X」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックS
O」、「ボントロンN−01」、「ボントロンN−0
4」、「ボントロンN−07」、「ボントロンN−1
1」、「ボントロンN−13」(以上、オリエント化学
社製)等;「COPY BLUE PR」(ヘキスト社製)等3級ア
ミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料;
ポリアミン樹脂、例えば「AFP−B」(オリエント化
学社製)、イミダゾール誘導体、例えば「PLZ−20
01」、「PLZ−8001」(以上、四国化成社製)
等を挙げることができる。以上の荷電制御剤は結着樹脂
に対して0.1 〜8.0 重量%、好ましくは0.2 〜5.0 重量
%使用する。
【0044】トナーを製造する際には、オフセット防止
剤としてポリオレフィン等のワックス、流動性向上剤と
して疎水性シリカ、酸化チタン、アルミナ等の無機微粒
子、特性改良剤を添加することもできる。
【0045】本発明における結着樹脂を必須成分とし
て、着色剤、場合によっては特性改良剤とを均一分散し
た後、公知の方法により溶融混練、冷却、粉砕、分級す
ることにより、平均粒径5〜15μmのトナーを得るこ
とができ、該トナーは磁性粉体、すなわち、酸化鉄系キ
ャリアー、真球状酸化鉄系キャリアー又はフェライト系
キャリアーをそのまま、もしくは樹脂等でコートしたも
のと混合することにより、乾式2成分現像剤とすること
ができる。
【0046】また、圧接部材によって押しつけられるこ
とによって帯電することを特徴とした1成分現像剤とし
て用いられる。
【0047】磁性トナーを生成させるには、結着樹脂に
磁性粒子を添加すれば良い。磁性粒子としては、例え
ば、フェライト、マグネタイトを始めとする鉄、コバル
ト、ニッケルなどの強磁性を示す金属もしくは合金又は
これらの元素を含む化合物、あるいは強磁性元素を含ま
ないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すよ
うになる合金、例えはマンガン−銅−アルミニウム、マ
ンガン−銅−錫などのマンガンと銅とを含むホイスラー
合金と呼ばれる種類の合金、又は二酸化クロム、その他
を挙げることができる。好ましくは、強磁性を示す金属
を含む化合物が用いられ、特にマグネタイトが好ましく
用いられる。これらの磁性体は平均粒径0.1 〜1μm の
微粉末の形で芯材中に均一に分散される。そしてその含
有量は、結着樹脂100 重量部当たり20〜70重量部、好ま
しくは30〜70重量部である。
【0048】
【実施例】以下、製造例、実施例、比較例および試験例
により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれ
らの実施例等によりなんら限定されるものではない。
尚、実施例等に示す組成割合は特に明示しない限り重量
部を表す。
【0049】本発明にて、得られた樹脂及びトナーのガ
ラス転移温度(Tg)、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(以下「GPC」と略す)による分子量を測
定したが、条件は以下に従って行った。
【0050】ガラス転移温度(Tg) 示差走査熱量計(「DSC 200型」、セイコー電子
工業社製)を用いて100℃まで昇温し、その温度で3
分間放置した後、降温速度10℃/min.で室温まで冷却
したサンプルを、昇温速度10℃/min.で測定した際
に、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線とピー
クの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大
傾斜を示す接線との交点の温度を、ガラス転移温度(T
g)とした。
【0051】GPCによる分子量測定 40℃の恒温槽中でカラムを安定させ、溶離液としてク
ロロホルムを毎分1mlの流速で流し、試料濃度0.05
〜0.5重量%に調整した試料のクロロホルム溶液を1
00μl注入して測定を行った。試料の分子量は、あら
かじめ作成した検量線に基づき、リテンションタイムか
ら決定したその分子量分布より算出した。このときの検
量線は、数種類の単分散ポリスチレンを標準試料として
作成したものである。 分析カラム:GMHLX+G3000HXL (東ソ
ー(株)社製)
【0052】樹脂製造例1〔樹脂(1)〕 ビニル系樹脂の単量体として、スチレン410g、2−
エチルヘキシルアクリレート90g及び重合開始剤とし
てアゾビスイソブチロニトリル20gを滴下ロートに入
れる。ポリオキシプロピレン (2.2)−2,2 −ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン780g、フマル酸24
g、イソドデセニル無水コハク酸76g、テレフタル酸
250g及びジブチル錫オキシド2gを、ガラス製5リ
ットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪
拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付け、
マントルヒーター中で窒素雰囲気下、135℃の温度で
攪拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系樹脂の単量体
及び重合開始剤を1時間かけて滴下した。135℃に保
持したまま2時間熟成し、230℃に昇温して反応させ
た。
【0053】重合度は、ASTM E28−67に準拠
した軟化点より追跡を行い、軟化点が120℃に達した
ときに反応を終了した。得られた樹脂のガラス転移温度
(Tg)はピーク1本で60℃であった。またビニル系
樹脂の平均分散粒径は0.5μmと良好な分散状態を示
した。ここで、分散粒径は、直径0.2mmの樹脂をミ
クロトームで150nmの厚さにカットし、得られた薄
片を透過型走査電子顕微鏡(JEOL(日本電子
(株))製、「JEM−2000」)で観測を行うこと
により測定した。また、反応温度を230℃に昇温する
前でビニル系樹脂の重合は完結しているが、その時のビ
ニル系樹脂はGPC測定によると数平均分子量が10,
000であった。得られた樹脂を樹脂1aとする。
【0054】樹脂製造例2〔樹脂(1)〕 ビニル系樹脂の単量体として、スチレン350g、ブチ
ルメタクリレート150g、重合開始剤としてジクミル
パーオキサイド25gを滴下ロートに入れる。ポリオキ
シプロピレン (2.2)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン780g、イソフタル酸240g、 1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸76g、フマル酸22g
及びジブチル錫オキシド2gを、ガラス製5リットルの
4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪拌棒、流
下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付けた。以下の
操作及び重合条件は、樹脂製造例1と同様である。
【0055】得られた樹脂を樹脂製造例1と同様に評価
したところ、そのガラス転移温度はピーク1本で62
℃、ビニル系樹脂の分散粒径は2.0μmであった。反
応温度230℃昇温前のビニル系樹脂の数平均分子量は
17,000であった。当該樹脂を樹脂1bとする。
【0056】樹脂製造例3 温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び
窒素導入管を取り付けた2リットルのガラス製4口フラ
スコにキシレン550gを入れ、窒素置換後135℃に
昇温した。ビニル系樹脂の単量体としてスチレン700
g、及びブチルメタクリレート300g、重合開始剤と
してジクミルパーオキサイド30gを滴下ロートに入
れ、1時間かけて滴下を行い、135℃のままで2時間
熟成した。その後、200℃まで昇温し、減圧下でキシ
レンを留去してバットに抜き出し、冷却後粉砕した。
【0057】得られた樹脂を樹脂製造例1と同様に評価
したところ、そのASTM E28−67に準拠した軟
化点は110℃、ガラス転移温度は66℃であった。ま
た、GPCによる樹脂の数平均分子量は28,000で
あった。当該樹脂を樹脂cとする。
【0058】樹脂製造例4 樹脂製造例2で用いたポリオキシプロピレン (2.2)−2,
2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン780
g、イソフタル酸240g、 1,2,4−ベンゼントリカル
ボン酸76g及びジブチル錫オキシド2gを、ガラス製
5リットルの4口フラスコに入れ、温度計、ステンレス
製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付
け230℃にて樹脂製造例2と同様な方法で単独重合し
た。得られた樹脂を樹脂製造例1と同様に評価したとこ
ろ、その軟化点が130℃、ガラス転移温度が60.3
℃であった。これを樹脂dとする。
【0059】樹脂製造例5〔樹脂(2)〕 攪拌機、流下式コンデンサー、温度計、窒素導入管を備
えた2リットルの4口フラスコにキシレン900gを加
えた。80℃に保ちつつビニル系樹脂の単量体として、
スチレン765g、アクリル酸2−エチルヘキシル18
0g、及びメタクリル酸ジメチルアミノメチル27g、
及び重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル1
8gの混合液を滴下ロートに入れ、2時間かけてガラス
フラスコ中の混合物に先の滴下ロートより滴下した。滴
下終了後80℃にて4時間熟成後200℃にて減圧下で
キシレンを留去してバットに抜き出し、冷却後粉砕し、
透明な樹脂を得た。得られた樹脂を樹脂製造例1と同様
に評価したところ、その軟化点が128℃、ガラス転移
点が66℃であった。これを樹脂2aとする。
【0060】樹脂製造例6〔樹脂(2)〕 攪拌機、流下式コンデンサー、温度計、窒素導入管を備
えた2リットルの4口フラスコにイオン交換水1400
g、セチルトリメチルアンモニウムクロライド7gを加
え70℃まで昇温したところで、イオン交換水50gに
2,2'−アゾビス(2−メチル−N−プロピオンアミジ
ン)二塩酸塩7gを溶かして投入し、投入後スチレン1
75g、メチルメタクリレート52.5g、n−ブチル
メタクリレート122.5gの混合液を滴下ロートに入
れ、1時間かけてガラスフラスコ中の混合物に先の滴下
ロートより滴下する。滴下後1.5時間70℃で熟成し
た後塩析、洗浄、乾燥して樹脂を得た。得られた樹脂を
樹脂製造例1と同様に評価したところ、その軟化点が1
53℃、ガラス転移点が65℃であった。これを樹脂2
bとする。
【0061】実施例1〜4、比較例1〜2 下記組成の材料をヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株)製)で予備混合後、2軸押し出し機で溶融混練
し、冷却後通常の粉砕、分級工程を経て平均粒径10.
5μmの未処理トナーを調製した。
【0062】 組 成 実施例1 樹脂1a 70重量部 樹脂2a 30重量部 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部 低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製) 2重量部
【0063】 実施例2 樹脂1b 70重量部 樹脂2a 30重量部 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部 低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製) 2重量部
【0064】 実施例3 樹脂1a 70重量部 樹脂2b 30重量部 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部 低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製) 2重量部
【0065】 実施例4 樹脂1a 70重量部 樹脂2a 30重量部 4級アンモニウム塩「P-51」(オリエント化学社製) 0.5重量部 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部 低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製) 2重量部
【0066】 比較例1 樹脂c 70重量部 樹脂2a 30重量部 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部 低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製) 2重量部
【0067】 比較例2 樹脂d 70重量部 樹脂2a 30重量部 カーボンブラック「Regal 330R」(キャボット社製) 6重量部 低分子量ポリプロピレン「NP-055」(三井石油化学社製) 2重量部
【0068】以上の実施例1〜4、及び比較例1〜2で
得られた未処理トナーをそれぞれ100重量部に対して
ヘキサメチルジシラザンで疎水処理を施したアルミナ微
粒子0.3重量部をヘンシェルミキサーを用いて混合付
着させトナーを完成させた。以上のトナー各々39重量
部と、シリコーン樹脂被覆されたフェライト粉(平均粒
径100μm)1261重量部とを混合して現像剤を調
製した。これらの現像剤について、下記の方法により帯
電量を測定した。
【0069】30秒間と10分間における帯電量は、ボ
ールミル(花王(株)社製、容器:35mmφ、深さ4
0mm、回転速度250rpm)にて30秒間及び、1
0分間混合することにより測定した。
【0070】帯電量について、次に述べるブローオフ式
帯電量測定装置、すなわち、ファラデーケージとコンデ
ンサー、エレクトロメーターを備えた比電荷測定装置に
よって測定を行った。測定方法は、まず、先に調製した
現像剤をW(g)(0.15〜0.20g) を500メッ
シュ (キャリアー粒子の通過しない大きさに適宜変更可
能) のステンレスメッシュを備えた真鍮性の測定セルに
入れる。次に吸引口から5秒間吸引した後、気圧レギュ
レーターが0.6kg/cm2 を示す気圧で5秒間ブロ
ーを行い、トナーのみをセルから除去する。この時のブ
ロー開始から2秒後の電位計の電圧をV(volt)と
する。ここでコンデンサーの電気容量をC (μF)とす
ると、このトナーの比電荷Q/mは下式の如く求められ
る。 Q/m(μC/g)=C×V/m ここで、mはW(g)中の現像剤中に含まれるトナーの
重量であるが、現像剤中のトナーの重量をT(g)、現
像剤の重量をD(g)とした場合、試料のトナーの濃度
はT/D×100(%)と表され、mは下式の如く求め
られる。 m(g)=W×(T/D) 10分間における帯電量の結果を表1に示す。
【0071】又、帯電量の10分値に対する30秒値の
割合から現像剤の帯電の立ち上がり性についても測定し
た。すなわち、帯電量の立ち上がり値は、下記の式で計
算した値である。 帯電量の立ち上がり=30秒後の帯電量/10分後の帯
電量
【0072】また、イースパート・アナライザ(ホソカ
ワミクロン社製)を用いて帯電量分布を測定し、逆帯電
トナー量について評価した。更に、樹脂(1)と樹脂
(2)の分散性について次のように評価した。すなわ
ち、分散粒径は、直径0.2mmの樹脂をミクロトーム
で150nmの厚さにカットし、得られた薄片を透過型
走査電子顕微鏡(JEOL(日本電子(株))製、「J
EM−2000」)で観測を行うことにより測定した。
結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】表1に示すとおり、本発明のトナー(実施
例1〜4)は、良好に帯電すると共に、帯電の立ち上が
りが速く、逆帯電の少ないトナーを得ることができた。
特に、第四級アンモニウム塩を用いた場合(実施例4)
には帯電の立ち上がりは他の場合よりも顕著に速かっ
た。これに対し、結着樹脂中に樹脂(1)の代わりにス
チレン・アクリル系樹脂を用いた場合(比較例1)に
は、均一に分散してしまい帯電の立ち上がりが遅くなっ
てしまった。また、樹脂(1)の代わりにポリエステル
樹脂を用いた場合(比較例2)では、帯電の立ち上がり
は速いものの帯電量は高くならず、逆帯電のトナー量が
多くなってしまった。
【0075】印刷試験 市販の電子写真複写機シヤープ社製SF−8350の改
造機を用いて本発明の実施例1のトナーに付いて画像出
しを行い、耐刷性の評価を行ったところ、100,00
0枚の連続複写を行ったところ、安定で画像かぶりも少
ない良好な画像を提供した。
【0076】又、定着性も耐刷性試験に用いた複写機と
トナーを定着温度を可変させながら評価した。本発明の
トナーは、低温定着性及び耐オフセット性に優れてい
た。
【0077】
【発明の効果】本発明による結着樹脂を含有する正帯電
性トナーは、良好に均一に帯電すると共に、帯電の立ち
上がりが速く、逆帯電の少ないトナーを得ることが可能
となる。更に、ヒートローラ定着方式において、オフセ
ット防止液を使用しないで、低い温度で定着が可能なト
ナーを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川地 宏之 和歌山県和歌山市金龍寺丁4−1 (72)発明者 丸田 将幸 大阪府阪南市舞4−34−22 (56)参考文献 特開 平3−221966(JP,A) 特開 平4−142301(JP,A) 特開 昭62−21169(JP,A) 特開 平5−188646(JP,A) 特開 昭60−213960(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂のモノマー、ビニル系
    樹脂のモノマー、及びそれらモノマーのいずれとも反応
    し得る化合物を用いて、縮重合及び付加重合を同一の反
    応容器中で並行して行う方法により得られる、ポリエス
    テル樹脂とビニル系樹脂のハイブリッド樹脂からなる
    続相を形成る樹脂(1)及び正帯電性の官能基を有す
    るビニル系樹脂からなり、前記連続相中に分散して分散
    相を形成る樹脂(2)よりなる正帯電性トナー用結着
    樹脂。
  2. 【請求項2】 樹脂(1)のビニル系樹脂が1種又は2
    種以上のスチレン系モノマーを用いた重合により得られ
    るものである請求項1記載の結着樹脂。
  3. 【請求項3】 樹脂(2)の正帯電性の官能基を有する
    ビニル系樹脂が、窒素および/またはリンを含有する官
    能基を有するポリスチレンまたはスチレン−アクリル共
    重合体である請求項1又は2記載の結着樹脂。
  4. 【請求項4】 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有し
    てなる正帯電性トナーにおいて、該結着樹脂が請求項1
    いずれか記載の結着樹脂であることを特徴とする正
    帯電性トナー。
  5. 【請求項5】 さらに下記に示す一般式(I)および/
    または一般式(II)で表される化合物を含有してなる請
    求項記載の正帯電性トナー。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、及びR4 は同一または異な
    って、各々アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ま
    たはアリル基を示し、それは各々環を形成しても良く、
    - は陰イオンを示す。)
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