JP3530003B2 - アウターロータモータ及びアウターロータモータ操舵台車 - Google Patents

アウターロータモータ及びアウターロータモータ操舵台車

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JP3530003B2
JP3530003B2 JP04082798A JP4082798A JP3530003B2 JP 3530003 B2 JP3530003 B2 JP 3530003B2 JP 04082798 A JP04082798 A JP 04082798A JP 4082798 A JP4082798 A JP 4082798A JP 3530003 B2 JP3530003 B2 JP 3530003B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば各種の曲線半
径の軌道上を走る鉄道車両に用いられ、通常の路線に設
けられたスラックの範囲で小さな曲線レールでも自由に
滑らかに走行することが可能なアウターロータモータ及
びこのアウターロータモータを使用したアウターロータ
モータ操舵台車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の鉄道車両では、直線レール上を走
行する他に、曲線レール上を走行する必要があり、この
場合特に曲線レールをスムーズに通過できる鉄道車両の
開発が望まれていた。
【0003】このような要望を満足する鉄道車両として
本発明者が経験した試験車両としての海上コンテナ搬送
車がある。この海上コンテナ搬送車は、船で運搬してき
た海上コンテナを、港で陸揚げすることを専門に行う車
両を自動運転するシステムである。
【0004】ところが、このシステムは、船の上で先端
や後端までぎっしりと積み込んだコンテナをクレーンで
吊り上げ、地上の搬送車に降ろす時、同じバースの隣に
停泊した船でも同じような設備を用意するには、地上の
搬送車は例えば半径が18mの曲線レールを通過できる
ことが推定できた。この場合、鉄車輪、鉄レールで搬送
車を立案したが、はたして脱線せずにこの搬送車が曲線
を通過できるか否かが大きな問題となり、どのような走
行装置にしたら良いかが検討された。
【0005】一つの問題点としては、車輪が問題なく曲
線レール上を通過できるのかが論議され、台車のホイル
ベースをできるだけ小さくすると同時に車輪径をある値
以下におさえれば、車輪での2点接触が防げ、車輪の異
常磨耗は防止され、なんとか脱線もしないで曲線レール
の通過が可能であることが解明された。
【0006】しかし、この時にはかなりの横圧は避ける
ことは不可能で、車輪のフランジの磨耗はどうしても通
常の車両よりは激しいことが予測された。
【0007】この時点で、まだ世間ではほとんど論議さ
れたことの無い操舵台車についての検討も進められ、車
軸の中心線延長を曲線レールの中心に向ける構造は割合
簡単に工夫できた。ところが、一般のスラックの考えに
よりながら、曲線レールの内軌半径と外軌半径に車輪径
が比例するようにしてみると、車輪踏面の勾配が1/3
と、ほとんど実現不可能な値になってしまうことが推定
され、車輪の踏面を1/3にすることは断念し、車軸の
中心線延長を曲線の中心に向けることを行い試験車を走
行させてみたが、車輪の横圧はほとんど誤差の範囲内で
しか下がらなかった。
【0008】その後、一般に操舵台車が普及してきた時
点では、操舵台車は単に前後の軸を相互に逆方向に首が
振れるように連結した2軸蛇行動型の操舵台車と、1軸
だけを自由に振らせる1軸蛇行動型、台車の首振り角度
を検出して、前後の軸の首振り角度を制御する強制操舵
型や、超過遠心力により左右の軸箱間隔を変化させ、結
果的に台車の前後の軸の首振り角度を変化させる型、そ
してその相互の型の折衷案など非常に多くの形が試作さ
れたり、実用に供されている。
【0009】しかし、これらの台車の左右の車輪は固定
結合されているので、曲線レールで通過できる曲線半径
にはいくら車輪の踏面形状を変化させても自ずと限界が
あった。
【0010】この問題点を解決する方法として、カナダ
のUTDCの技術を国内に導入したある社が新交通とし
て使用できるようにするため、半径が30mの曲線レー
ル上を走行させようとして、曲線レールのスラックを通
常の値より非常に大きくとり、一般の車輪では通常使用
しないような非常に幅の広い車輪を採用して、曲線の外
軌と内軌のレールの半径と比例する車輪径になるような
工夫を行った例がある。
【0011】いずれにせよ半径が30mの曲線レールで
も台車構造的にはかなりの無理があり、これ以下の曲線
半径で台車の走行中に無理無く通過できる物を作るのは
不可能であると考えられている。
【0012】これに対して台車の左右の車輪を自由に回
転できる独立車輪であれば、台車としての蛇行動は発生
しないことから、独立車輪を使用することが検討された
が、この場合、車輪が車輪踏面の効果により軌道の中心
を走る機能が無くなり、わずかの台車構造精度の差で右
又は左に片寄って走行することが確認され、これでは片
方の車輪のフランジが瞬く間に磨耗してしまうことが推
定され、試験だけは行われたが実用にはならなかった。
【0013】このことからある程度曲線レールの走行に
対しては、操舵台車の構造の発達により、問題が解決し
つつあるが、更に急曲線レールを走行するには、又は車
輪の踏面が最初に製作した時から大幅にくずれた時の安
定走行などに対してはまだまだ未解決の問題が山積して
いる状態であり、これからの検討の継続を期待している
段階である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】車輪を駆動するモータ
としてアウターロータモータを使用することはすでに検
討され始めており、操舵台車を使用することも公知であ
る。しかしアウターロータモータを使用するだけでは、
又操舵台車を使用するだけでは共に曲線をスムーズに走
行できることにならないことはすでに多くの実績で示さ
れている。ここでアウターロータモータと操舵台車をど
の様な組み合わせをしてゆけばその機能を十分に発揮で
きるのかと言うことをテーマにして突き詰めて行くと、
かなり色々な制約があることが見えてくる。この制約を
明らかにして行くことにより、アウターロータモータ付
き操舵台車は、こう構成しなければならないと言うこと
を明らかになってくるが、このようなことを明らかにし
なければ、アウターロータモータとは、操舵台車とはと
言う話しだけから一歩も脱することができない。
【0015】以上述べたように、アウターロータモータ
の独特の車輪構造と、操舵台車独特の構造を組み合わ
せ、一つのイメージを描いてみると同時に、この二つの
制御をどの様に組み合わせるべきかが問題点として浮か
び上がってくる。つまり、車両が路線上のどの位置でど
の程度の曲線に入るかと言うことを制御器に有するメモ
リーに記憶しておき、アウターロータモータの左右の回
転数指示と、台車がどのような車体に対する回転角度を
とるかも、これはアウターロータモータの左右の回転数
指示に必要な情報を検出する手段であり、この二つの情
報をどの様に組み合わせてこの台車の制御を行えば良い
のかは鉄道車両として極めて重要な制御方法の決定手段
である。
【0016】しかし、車輪の路面には車両が走行すると
きに安定化させるために若干の勾配を持たせているが、
この勾配が0であると車輪は片方のレールに寄り、常に
車輪のフランジがこすりながら走行することになり、す
ぐに車輪のフランジが磨耗してしまう危険性があるた
め、必ず若干の勾配を付ける。
【0017】このことは適当な勾配が付いていれば、こ
れと操舵台車構造との組み合わせによりあえて左右のア
ウターロータモータの回転数を変化させなくても、台車
はスムーズに曲線レールを通過できることになってく
る。このことから車輪の踏面の勾配の選び方がアウター
ロータモータの左右のモータの回転数制御に大きく影響
を与えることになる。
【0018】この他に、アウターロータモータの場合に
は車軸に相当する部分をうまく固定しないと、モータの
回転を行なわせることができない。しかし、操舵台車の
場合には一番外側の軸箱に相当する部分は操舵台車特有
の前後方向には移動可能にしなければならないので、簡
単に回転方向に固定することはできない。
【0019】この二つの問題点を解決しなければアウタ
ーロータモータ付きの操舵台車は構成できない。
【0020】この問題点の解決方法の一つとして、左右
のアウターロータモータの外側に配置された軸箱体を軸
ばねの機能を害さないで回転方向に拘束することができ
れば、アウターロータモータの固定軸がうまく拘束でき
るので、アウターロータモータと操舵台車と組み合わせ
れば極めて都合の良い操舵台車が構成できる。
【0021】ここで、走行する路線の曲線形状を車両の
制御器に有するメモリーに記憶しておき、その記憶内容
に従って左右のアウターロータモータの回転数を制御す
ることは、すでに行われている技術から容易に推測でき
る。
【0022】しかし、現在走行している路線上の位置は
地上からの信号と車輪の回転数から積算して判断する以
外に方法が無い。ところが、車輪の回転数を基礎にした
積算推定位置は車輪径の管理や回転数積算装置の精度に
より微妙に誤差を発生する。また路線が計画上真っ直ぐ
のはずが微妙に狂っている場合も存在する。この場合、
台車の車体に対する回転角度は正確に曲線レールの存在
を検知することになる。しかし急な曲線レールを通過す
る時には前台車が曲線レールに進入しても、後の台車が
直線レールの上に残ることになり、台車の車体に対する
回転角度が必ずしも正しい路線の曲率を示すことにはな
らない。このため、車両の制御器に有するメモリーされ
た曲線形状と台車の車体との回転角度の両方を使用しな
いと正確なアウターロータモータを使用した操舵台車の
制御は構成できないことがわかる。
【0023】これらの微妙に絡み合う制御器のメモリー
と台車の車体に対する回転角度の制御方法をまとめて車
両の構成を行いたい。
【0024】その他に、アウターロータモータの回転力
を受ける機構をどの様に構成するのかと同時に牽引力を
受ける機構と組み合わせられれば、操舵台車を構成する
ことが極めて合理的にできるので、左右の車輪回転数の
制御と車輪の方向制御が合さって鉄道車両として一番の
問題点である曲線レールを滑らかに走行することができ
るようになる。
【0025】そこで、本発明は、通常の路線レールに設
けられたスラックの範囲でかなり小さな曲線レールでも
自由に滑らかに走行することができ、また制御器のメモ
リーに記憶されていない路線に入ったり、距離積算の機
能に若干の差を確実に検出できるアウターロータモータ
及びアウターロータモータ操舵台車を提供することを目
的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に対応する発明は、支持台枠に固定支持さ
れた第1、第2の固定軸のそれぞれに互いに離間して装
着された第1、第2のアウターロータモータ固定子と、
前記固定軸の各端部側にそれぞれ回転可能に支持され
た被駆動体と、前記各被駆動体に一側が支承され、他
側が前記各固定軸に装着された軸受を介して支承され
第1、第2のアウターロータモータ回転子と、前記両
固定軸の両端部にそれぞれ固定された回転止めツバと、
前記各回転止めツバに一端部が連結され、他端部が前記
支持台枠に有する一対の操舵機構に連結され、前記被駆
動体の回転方向と、この回転方向と直角な方向に力が伝
達可能であって、前記各回転子が発生する牽引力や制動
力などの前後方向力を前記支持台枠に直接伝達すると同
時に、この牽引力による回転力の反力も前記支持台枠に
伝達する回転止めアームとを備えたことを特徴とするア
ウターロータモータである。
【0027】請求項1に対応する発明によれば、左右の
アウターロータモータの外側に配置された例えば軸箱体
を軸ばねの機能を害さないで、回転方向に拘束すること
ができ、これによりアウターロータモータの固定軸がう
まく拘束できるので、例えば操舵台車と組み合わせるの
に都合の良いアウターロータモータが得られる。
【0028】前記目的を達成するため、請求項2に対応
する発明は、台車台枠に固定された第1、第2の車軸の
両端部側にそれぞれ左右独立に回転可能に支持された
輪と、前記車軸毎に離間して装着された第1、第2の
アウターロータモータ固定子と、前記車輪に一端側が支
承され、他端側が前記車軸に装着された軸受を介して支
承された第1、第2のアウターロータモータ回転子と、
前記両車軸の両端部に夫々固定された第1、第2の回転
止めツバと、前記各回転止めツバに一端部が連結され、
他端部が前記台車台枠に有する一対の操舵機構に固定さ
れ、前記各車輪の回転方向と、この回転方向と直角な方
向に力が伝達可能であって、前記各回転子が発生する牽
引力や制動力などの前後方向の力を前記台車台枠に直接
伝達すると同時に、この牽引力による回転力の反力も前
記支持台枠に伝達する第1、第2の回転止めアームと
備えたことを特徴とするアウターロータモータ操舵台車
である。
【0029】請求項2に対応する発明によれば、アウタ
ーロータモータの回転子が発生する牽引力や制動力など
の前後方向力を台車台枠に直接伝達すると同時に、この
牽引力による回転力の反力も台車台枠に伝達できる。
【0030】前記目的を達成するため、請求項3に対応
する発明は、次のようにしたものである。すなわち、
記操舵機構は、前記各回転止めアーム近くであって、前
記台車台枠に各々が回転可能に支持され、前記各回転止
めアームの他端部に連結された4個の操舵三角リンク
と、前記台車台枠に回転可能に支持され、かつ前記台車
台枠に回転可能に連結された操舵車体結合リンクと連結
された第1の操舵アームと、前記回転止めアームと前記
操舵三角リンクとの連結部の一つと、前記第1の操舵ア
ームに両端部が連結された第2の操舵リンクと、前記操
舵三角リンクのうち、前記各車軸の動作によって動作す
る操舵三角リンク同士を連結する連結リンクと、前記操
舵三角リンクのうち、前記各車軸間に位置する操舵三角
リンク同士を連結する操舵連結リンクとから構成したこ
とを特徴とする請求項2記載のアウターロータモータ操
舵台車である。
【0031】前記目的を達成するため、請求項4に対応
する発明は、前記回転止めツバを前記車軸両端に上下に
離間した位置にゴムブッシュ又は球面ブッシュを配置
し、前記回転止めアームと前記台車台枠との連結部に
ムブッシュ又は球面ブッシュを配置したことを特徴とし
た請求項2記載のアウターロータモータ操舵台車であ
る。
【0032】前記目的を達成するため、請求項5に対応
する発明は、前記車軸端に前記回転止めアームの前記台
車台枠との結合部にゴムブッシュ又は球面ブッシュなど
の半径方向と軸方向には十分に剛で軸の回転方向とこじ
り力に対してはある程度許容する結合構造により構成し
たことを特徴とした請求項2記載のアウターロータモー
タ操舵台車である。
【0033】前記目的を達成するため、請求項6に対応
する発明は、前記各回転止めツバに設けられる4個のゴ
ムブッシュのうち、1個だけ特殊ゴムブッシュとし、該
特殊ゴムブッシュの剛性は、前記車軸に対して直交する
前後方向の剛性が、前記車軸に対して直交する上下方向
剛性に比べて大幅に小さくなるように構成し、前記同
一車軸に設けられている車輪の輪重抜けを一定の範囲に
納めるようにしたことを特徴とする請求項4記載のアウ
ターロータモータ操舵台車である。
【0034】前記目的を達成するため、請求項7に対応
する発明は、前記回転止めアームは、前記第1及び第2
の車軸の一方の近くに配設されたものにおいて、前記操
舵機構は、前記回転止めアーム近く及び前記車輪に固定
されている前記車軸端部近くであって、前記台車台枠に
各々が回転可能に支持され、前記回転止めアームの他端
部及び前記車軸の端部に連結された4個の操舵三角リン
クと、前記台車台枠に回転可能に支持され、かつ前記台
車台枠に回転可能に連結された操舵車体結合リンクと連
結された第1の操舵アームと、前記回転止めアームと前
記操舵三角リンクとの連結部の一つと、前記第1の操舵
アームに両端部が連結された第2の操舵リンクと、前記
操舵三角リンクのうち、前記各車軸の動作によって動作
する操舵三角リンク同士を連結する連結リンクと、前記
操舵三角リンクのうち、前記各車軸間に位置する操舵三
角リンク同士を連結する操舵連結リンクとから構成した
ことを特徴とする請求項2記載のアウターロータモータ
操舵台車である。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】請求項2〜請求項7のいずれかに記載の発
明によれば、アウターロータモータで左右の車輪を独立
に駆動する機構で発生する牽引力や制動力を伝達する機
構を輪軸の両端部に配置し、同時に回転力も受ける機構
も合わせて配置することによりアウターロータモータの
固定部を構成できる。
【0039】前記目的を達成するため、請求項8に対応
する発明は、支持台枠に固定支持された2本の固定軸の
それぞれに互いに離間して装着された2個のアウターロ
ータモータ固定子と、前記各固定軸の各端部側にそれぞ
れ回転可能に支持される被駆動体と、この被駆動体に一
側が支承され、他側が前記固定軸に装着された軸受を介
して支承されたアウターロータモータ回転子とを備え、
前記各固定軸の両端部にそれぞれ回転止め部材を固定
し、該各回転止め部材の先端で前記被駆動体の外径より
外側に前記回転止め部材を結合する連結部材を配置し、
該連結部材に連結機構により前記支持台枠と結合し、前
記各回転子が発生する牽引力や制動力などの前後方向力
を前記支持台枠に直接伝達すると同時に、この牽引力に
よる回転力の反力も前記支持台枠に伝達することを特徴
としたアウターロータモータである。
【0040】請求項8に対応する発明によれば、左右の
アウターロータモータの外側に配置された例えば軸ばね
座を車輪の回転方向にある程度自由度を持たせる様に
し、軸ばねに無理な作用力が作用しない様にした上で固
定軸を回転方向に拘束することができるので、例えば操
舵台車と組み合わせるのに都合の良いアウターロータモ
ータが得られる。
【0041】前記目的を達成するため、請求項に対応
する発明は、台車台枠に固定された2本の車軸のそれぞ
れに左右独立に回転可能に車輪を支持し、該各車輪を各
々アウターロータモータの回転子に発生する回転力によ
りそれぞれ駆動するように構成し、前記各車軸の両端部
にそれぞれ回転止めアームを固定し、該各回転止めアー
ムの先端で前記車輪の外径より外側に前記回転止めアー
ムを結合する連結部材を配置し、該連結部材の中央部に
連結機構により台車台枠と結合し、前記回転子が発生す
る牽引力や制動力などの前後方向力を台車台枠に直接伝
達すると同時に、この牽引力や制動力により発生する回
転力も台車台枠に伝達できるように連結機構を構成する
ため、複数の連結機構により前記回転止めアームの連結
部材と前記台車台枠の間を拘束したことを特徴としたア
ウターロータモータ操舵台車である。
【0042】前記目的を達成するため、請求項10に対
応する発明は、軸ばねを軸ばね座の前後に配置し、この
軸ばねに等しい荷重をかける様に、軸ばね座が車軸の固
定部分に対し、前後方向には若干の量の範囲で許容する
構造としたことを特徴とした請求項9記載のアウターロ
ータモータ操舵台車である。
【0043】前記目的を達成するため、請求項11に対
応する発明は、軸ばね座を車軸に対し前後方向に若干の
変位を許容するために、軸ばね座と車軸の間に緩衝ゴム
を配置したことを特徴とした請求項10記載のアウター
ロータモータ操舵台車である。
【0044】請求項10、11のいずれかに記載の発明
によれば、左右のアウターロータモータの回転数比を、
曲線メモリーに記憶し、そのメモリーに従って制御する
様にすれば、列車として曲線を自由に走行できるばかり
でなく、曲線メモリーに無い路線に入ったり、距離積算
の機能に若干の差が発生したりすることも操舵台車の操
舵レバーの動きを監視してやればこの差を確実に検出で
きるので、バックアップ機構付きのアウターロータモー
タ操舵台車を構成することができる。
【0045】前記目的を達成するため、請求項12に対
応する発明は、支持台枠に固定支持された2本の固定軸
のそれぞれに互いに離間して装着された2個のアウター
ロータモータ固定子と、前記各固定軸の各端部側にそれ
ぞれ回転可能に支持される被駆動体と、この被駆動体に
一側が支承され、他側が前記固定軸に装着された軸受を
介して支承されたアウターロータモータ回転子とを備
え、前記回転子の対向する側の前記固定軸に固定部材を
固定し、該固定部材と前記支持台枠を連結機構に連結
し、前記被駆動体の回転方向と、この回転方向と直角な
前後方向に力が伝達可能な連結機構により連結し、前記
各回転子が発生する牽引力や制動力などの前後方向力を
前記支持台枠に直接伝達すると共に、この牽引力による
回転力の反力も前記支持台枠に伝達することを特徴とし
たアウターロータモータである。
【0046】請求項12に対応する発明によれば、左右
のアウターロータモータの外側に配置された例えば軸箱
体を軸ばねの機能を害さないで、回転方向に拘束するこ
とができ、これによりアウターロータモータの固定軸が
うまく拘束できるので、例えば操舵台車と組み合わせる
のに都合の良いアウターロータモータが得られる。
【0047】前記目的を達成するため、請求項13に対
応する発明は、台車台枠に固定された2本の車軸のそれ
ぞれに左右独立に回転可能に車輪を支持し、該各車輪を
各々アウターロータモータの回転子に発生する回転力に
よりそれぞれ駆動するように構成し、前記左右のアウタ
ーロータモータ間に固定された回転止めアームをリンク
などの連結機構により台車台枠と結合し、前記回転子が
発生する牽引力や制動力などの前後方向力を台車台枠に
直接伝達すると同時に、この牽引力や制動力により発生
する回転力も台車台枠に伝達できるように連結機構を構
成するため、複数の連結機構によりアウターロータモー
タよりの前記回転止めアームを拘束したことを特徴とし
たアウターロータモータ操舵台車である。
【0048】前記目的を達成するため、請求項14に対
応する発明は、前記車軸中央に配置する複数の連結機構
をほぼ平行で、ほぼ同じ長さのアンカーリンクにより構
成したことを特徴とした請求項9または13記載のアウ
ターロータモータ操舵台車である。
【0049】前記目的を達成するため、請求項15に対
応する発明は、前記車軸中央に配置する複数の連結機構
を一本をほぼ水平のアンカーリンクで構成し、他のアン
カーリンクは車軸が回転しようとするのを阻止する様に
車軸中心から離れた位置で垂直又はある程度傾斜し、か
つ主として横方向には変位可能なリンクにより構成した
ことを特徴とした請求項2、9、13のいずれかに記載
のアウターロータモータ操舵台車である。
【0050】前記目的を達成するため、請求項16に対
応する発明は、前記車軸中央に配置する連結機構の車軸
固定板を、該車軸に取り付けたフランジに固定し、かつ
左右のアウターロータモータ構造の間を薄い板で構成し
たことを特徴とした請求項13記載のアウターロータモ
ータ操舵台車である。
【0051】前記目的を達成するため、請求項17に対
応する発明は、前記車軸中央に配置する連結機構のアウ
ターロータ固定リンクは、その両端部にゴムブッシュま
たは球面ブッシュなどを構成し車軸中央を中心に水平面
内で首振り可能にしたことを特徴とした請求項2、9、
13のいずれかに記載のアウターロータモータ操舵台車
である。
【0052】請求項13〜17のいずれかに記載の発明
によれば、アウターロータモータで左右の車輪を独立に
駆動する機構で発生する牽引力や制動力を伝達する機構
を輪軸の両端部に配置し、同時に回転力も受ける機構も
合わせて配置することによりアウターロータモータの固
定部を構成できる。
【0053】前記目的を達成するため、請求項18に対
応する発明は、支持台枠に固定支持された2本の固定軸
のそれぞれに互いに離間して装着された2個のアウター
ロータモータ固定子と、前記各固定軸の各端部側にそれ
ぞれ回転可能に支持される被駆動体と、この被駆動体に
一側が支承され、他側が前記固定軸に装着された軸受を
介して支承されたアウターロータモータ回転子とを備
え、前記支持台枠に前記固定軸の首振り角度を制御可能
な一対の操舵機構を固定し、該各操舵機構と該各回転子
との間を、前記被駆動体の回転方向と、この回転方向と
直角な前後方向に力が伝達可能な連結機構により連結
し、前記各回転子が発生する牽引力や制動力を、回転止
めアームと、これをその中心線延長が前記固定軸の中心
に交差するように配置されたアンカーとにより、前後方
向力を前記支持台枠に直接伝達すると同時に、この牽引
力による回転力の反力も前記支持台枠に伝達することを
特徴としたアウターロータモータである。
【0054】前記目的を達成するため、請求項19に対
応する発明は、台車台枠に固定された2本の車軸のそれ
ぞれに左右独立に回転可能に車輪を支持し、該各車輪を
各々アウターロータモータの回転子に発生する回転力に
よりそれぞれ駆動するように構成し、前記各車軸の両端
部にそれぞれ回転止めアームを固定し、該各回転止めア
ーム間を連結部材により結合し、複数のアンカーの中心
線延長が前記車軸の中心近辺で交差するように、該各ア
ンカーの一端を前記台車台枠にそれぞれ固定し、該各ア
ンカーの他端を前記連結部材にそれぞれ結合し、前記台
車台枠に組み込まれ前後方向と上下方向に前記台車を支
持する台車台枠と拘束した操舵機構を、前後方向の力と
回転方向の力を伝達可能な連結機構により連結させ、前
記回転子が発生する牽引力や制動力などの前後方向力を
前記台車台枠に直接伝達すると同時に、この牽引力によ
る回転力の反力も前記台車台枠に伝達することを特徴と
したアウターロータモータ操舵台車である。
【0055】前記目的を達成するため、請求項20に対
応する発明は、次のように構成したものである。すなわ
ち、前記アンカーは首振り方向に自由度を有し、且つ先
端部にはゴムブッシュまたは円筒ブッシュにより構成
し、さらに上下方向にも自由度を有するアンカー端には
金属製球面ブッシュ又はゴムブッシュにより球面接手の
機能を有するものにより構成し、前記車軸の中央を中心
に水平面内で首振り可能にしたことを特徴とした請求項
19記載のアウターロータモータ操舵台車である。
【0056】
【0057】前記目的を達成するため、請求項21に対
応する発明は、軸ばねを軸ばね座の前後に配置し、軸ば
ねに等しい荷重をかける様に、該軸ばね座が車軸の固定
部分に対し、上下方向には所定範囲内で許容するように
したことを特徴とする請求項19記載のアウターロータ
モータ操舵台車である。
【0058】前記目的を達成するため、請求項22に対
応する発明は、予め曲線メモリーに、車輪踏面の勾配毎
に曲線レールの曲線半径と、曲線レールに入った時に該
曲線レールの半径のある範囲毎に段階的に、設定された
スラックを考慮して左右のアウターロータモータ回転子
の回転数比を記憶させておき、実際に曲線レールを走行
する際に前記曲線メモリーに記憶された内容に基づき前
記左右のアウターロータモータの回転子の回転数比を選
択することを特徴とした請求項2、9、13、19記載
のアウターロータモータ操舵台車である。
【0059】前記目的を達成するため、請求項23に対
応する発明は、車体と台車の相対首振り回転角度によ
り、前後の輪軸の首振り角度を制御する手段と組み合わ
せた台車を使用したことを特徴とした請求項22記載の
アウターロータモータ操舵台車である。
【0060】前記目的を達成するため、請求項24に対
応する発明は、前記操舵台車の輪軸の方向制御を行う車
体と台車の相対首振り回転角度により、前後の輪軸の首
振り角度を制御する機構を台車の片側にだけ配置したこ
とを特徴とした請求項22記載のアウターロータモータ
操舵台車である
【0061】前記目的を達成するため、請求項25に対
応する発明は、前記車体と前記台車の相対首振り角度を
伝える操舵車体結合リンクにより動く台車操舵アームの
移動角度を検出する変位検出器を配設し、該変位検出器
で検出された検出値と、予め曲線メモリーに、車輪踏面
の勾配毎に曲線レールの曲線半径と、曲線レールに入っ
た時に該曲線レールの半径のある範囲毎に段階的に、設
定されたスラックを考慮して左右のアウターロータモー
タ回転子の回転数比を記憶させておき、該曲線メモリー
に記憶されている曲線データと前記変位検出器で検出さ
れた検出値を常時比較し、この比較結果が一定の範囲で
収まっていれば、該メモリーの曲線データを使用し、ま
た前記変位検出器により検出した検出値が、曲線の方向
の差や前記曲線メモリーに無いような曲線レールに進入
したことを検出した場合には、該変位検出器で検出した
検出値を優先的に使用することを特徴とした請求項22
記載のアウターロータモータ操舵台車である。
【0062】請求項18〜21のいずれかに記載の発明
によれば、アウターロータモータで左右の車輪を独立に
駆動する機構で発生する牽引力や制動力を伝達する回転
止めアームと回転止めパイプを配置し、しかもこの回転
止めパイプを中心線延長が輪軸の中心にて交差するアー
ムを配置し、車体と台車の相互首振り角度により前後の
輪軸の首振り角度を制御する操舵機構を組み込み、左右
のアウターロータモータの回転数比を変化させ、車輪の
踏面に適当な勾配を与える様に構成することにより、通
常の路線に設けられたスラックの範囲でかなり小さな曲
線でも自由に滑らかに走行することができる。
【0063】しかも、この左右のアウターロータモータ
の回転数比を列車の統括コントローラにメモリーとして
記憶し、そのメモリーに従って制御する様にすれば、列
車として曲線を自由に走行できるが、メモリーに無い路
線に入ったり、距離積算の機能に若干の差が発生したり
することも操舵台車の操舵レバーの動きを監視してやれ
ばこの差を確実に検出できるので、バックアップ機構付
きの操舵台車機構を構成することができる。
【0064】請求項23、24のいずれかに記載の発明
によれば、台車に操舵機構を組み込み、左右のアウター
ロータモータの回転数比を変化させ、車輪の踏面に適当
な勾配を与える様にすれば通常の路線に設けられたスラ
ックの範囲でかなり小さな曲線でも自由に滑らかに走行
することができる。
【0065】
【0066】前記目的を達成するため、請求項26に対
応する発明は、前記車軸の両端又は中央に、操舵機構又
は前後方向の拘束機構を配置して車輪の前後方向力を伝
えるが、軸箱体には前後方向には台車台枠と結合させな
いで、車体荷重を受ける軸ばねには上下方向に適当なば
ね常数で、左右方向にはある程度硬いばね常数で、前後
方向にはかなり柔らかなばね常数として構成し、軸箱体
が異常な変位はしないようなストッパーを持つことを特
徴とした請求項22記載のアウターロータモータ操舵台
車である。
【0067】請求項29、30のずれかに記載の発明に
よれば、左右のアウターロータモータの回転数比を、曲
線メモリーに記憶し、そのメモリーに従って制御する様
にすれば、列車として曲線を自由に走行できるばかりで
なく、曲線メモリーに無い路線に入ったり、距離積算の
機能に若干の差が発生したりすることも操舵台車の操舵
レバーの動きを監視してやればこの差を確実に検出でき
るので、バックアップ機構付きのアウターロータモータ
操舵台車を構成することができる。
【0068】
【発明の実施の形態】<第1の実施形態> [構成]図1は本発明のアウターロータモータ機構の実
施形態を示す断面図である。車輪1は車輪軸受4により
車軸6に回転可能に取り付けられている。アウターロー
タモータ回転子2は一端が、アウターロータモータ組み
付け部7に示す位置で車輪1と組み付けられており、他
端がアウターロータモータ軸受5により支持されてい
る、いわゆる1軸受方式構造を構成している。
【0069】車軸6は一般の鉄道車両に見られる車軸と
異なり、回転を行わず、車両の重量を支持する。車軸6
は軸端部に回転止めツバ12を持ち、この回転止めツバ
12は図3の台車台枠26から拘束された腕により回転
方向に固定されている。
【0070】アウターロータモータ回転子2には、永久
磁石15が取り付けられており、アウターロータモータ
固定子3の固定子巻線16により構成される磁極により
駆動され、同期モータとして作動するが、この同期モー
タの回転数制御のためにレゾルバ8により回転速度と位
相の検知を行う様に構成される。
【0071】この実施形態では車軸6の中心部を中空に
した中空風冷ダクト9を持ち、送風口17からの冷却風
をモータ内部に送り込み、該冷却風を冷却風出口13か
ら排出する例を示しているが、他の冷却方法でも何等差
し支えない。
【0072】左右の各車輪1のブレーキとして、それぞ
れ内拡式ドラムブレーキ10を使用した例を示している
が、他のブレーキ方式でも何等差し支えない。この内拡
式ドラムブレーキ10はアウターロータモータ組み付け
部7と同じボルトで固定可能であることと、このアウタ
ーロータモータは全体として軽量化のため車輪径を小さ
くしているためにブレーキデイスクを用いる場合には直
径が小さくなり、十分な容量が確保できないことから、
自動車などで実績が多い内拡式ドラムブレーキ10を採
用したもので、内拡式ブレーキシュー11は軸受相当部
14から出たフランジから支持されている。
【0073】左右の軸受相当部14は通常の軸受である
必要は無く、固定構造で台車の図3の軸ばね27と結合
させれば良いので、単にこの軸端に軸ばね座19を嵌め
込めば良い。この場合には軸端ナット18を車軸6の両
端部にそれぞれ螺合させ、回転止めツバ12の固定を考
えれば良い。
【0074】車軸6の軸端部は、回転方向に拘束され、
単純な上下方向だけの運動は行わないので、図3の軸ば
ね27の作用をうまく行なわせるために、軸ばね座19
と軸受相当部14の間に緩衝ゴム20を挿入して軸ばね
27が均等に荷重を負担できる様にしてある。
【0075】ホーンステイ21は軸ばね座19が逆U字
形をしていて軸ばね座19が変形しやすいので、この変
形を阻止するためのものである。
【0076】回転止めツバ12に、2本のボルト23の
先端がそれぞれ螺合され、このボルト23にゴムブッシ
ュ22が取り付けられ、更に回転止めツバ12に回転止
めアーム24が連結されている。
【0077】次に、図2について説明する。この図は車
軸6の軸端部での側面図に相当し、回転方向に拘束さ
れ、単純な上下方向だけの運動は行わないので、回転止
めツバ12の上下に離間した位置にボルト23が配置さ
れ、そのボルト23に嵌まる様に配置されたゴムブッシ
ュ22と、このゴムブッシュ22と結合した回転止めア
ーム24が配置され、この回転止めアーム24の先端に
ゴムブッシュ25が配置されている。
【0078】ゴムブッシュ22,25は半径方向の力を
受けるだけでなく、こじり力を受けて一定の範囲内の変
位が可能な様に構成されており、球面接手の様な作用を
一切の潤滑剤無しで磨耗が発生しないように構成されて
いる。ゴムブッシュ22,25は、例えば球受け座と、
ほぼ球状の金属の可動体からなる球面ブッシュにおい
て、該可動体と該球受け座の間に、環状のゴム体を配設
したものである。
【0079】回転止めアーム24により車輪1が駆動さ
れる又は制動力が作用した時に発生する前後方向の力と
回転力による反力を受けることが可能になり、車軸6が
上下した時にはゴムブッシュ25を中心として揺動す
る。又車軸6が僅かの量でも横方向に移動する時にその
横動を許容することができるように構成されているの
で、台車の構成上の問題点を解決することができる。
【0080】次に、図3、図4及び図5によって、図1
のアウターロータモータを使用した操舵台車構造、例え
ばボルスタレス台車について説明する。
【0081】図3はこのアウターロータモータ使用操舵
台車の側面図を示している。図3において、符号の末尾
のA,Bは異なる車軸に対応した構成であり、1A,1
Bは車輪、24A,24Bは回転止めアームである。
【0082】台車台枠26は、図1の軸ばね座19で軸
受相当部14に緩衝ゴム20を介して保持され、軸ばね
座19の前後には軸ばね27が配置され車体の重量をア
ウターロータモータの車軸6に作用させる。
【0083】軸ばね27としては、次のようなばね常数
のものを使用する。すなわち、上下方向のばね常数は台
車として必要な柔らかさと、左右方向のばね常数は軌道
の不整や車両にかかる超過遠心力などの左右方向力を受
けても一定の変位以下に収まる様な適当な硬さを持ち、
前後方向のばね常数は操舵台車として曲線により必要な
首振りによる前後方向変位を可能とするかなり柔らかな
ばねとなる様な3方向にそれぞれ異なるばね常数となる
特殊なゴムばねで構成される。
【0084】軸ばね座19は、図1の回転止めツバ12
が配置されている関係上、軸端から挿入することができ
ないので構造上逆U字形になっており、軸ばね27に作
用する力で中央が凸になる曲げ力が作用するので、この
曲げ力に対応する強度を保持するためにホーンステイ2
1を持つ様にしてある。
【0085】軸ばね座19の上に軸箱落ち止め35が取
り付けられており、台車台枠26から突出した軸箱落ち
止め爪36と嵌まり合い、台車台枠26が吊り上げられ
たり、脱線などの不都合な状態の時に台車台枠26と輪
軸1が不用意に分離するのを防止する機能を持ってい
る。
【0086】図3はボルスタレス台車を示しており、こ
のため枕ばね28として大変位型空気ばねを使用してい
る。心皿29は台車の中央に設けられ、心皿29の下端
には心皿リンク30を介して台車中梁42に結合してい
る。
【0087】前後の車軸6の両端部にそれぞれ固定され
た回転止めアーム24A,24Bは、台車台枠26から
突出した操舵三角リンク受け34により保持された操舵
三角リンク31,32と結合してアウターロータモータ
回転子2の回転力反力や牽引力を台車台枠26に伝える
様になっている。これらの操舵三角リンク31,32類
の構造の詳細を図6に示している。
【0088】図4は図3の台車の軸ばね27と台車中梁
42の間での断面から、台車中央方向を見た図である。
台車台枠26は、図5に示すよう2つの台車側梁43と
2つの台車中梁42が互いに交差するように構成されて
おり、両台車中梁42の中央部にはそれぞれ心皿29が
挿入支持され、心皿29に心皿リンク30が連結されて
いる。
【0089】台車中梁42の左右下部には、それぞれ操
舵三角リンク受け34が配置固定され、各操舵三角リン
ク受け34にはそれぞれブラケット44が固定され、両
ブラケット44にはそれぞれピン45と操舵三角リンク
支点33により操舵三角リンク31,32が回動可能に
固定されている。この場合、ピン45が上下に離間した
位置で操舵三角リンク31,32を支持し、ブラケット
44の上下面で操舵三角リンク31,32に作用する作
用力に耐える様になっている。
【0090】そして、操舵アーム支点40を中心に操舵
アーム38の一端部が回転可能に支持され、操舵アーム
38の他端部には台車台枠26の外側に配置された操舵
車体結合リンク37の一端部が回動可能に連結され、操
舵車体結合リンク37の他端部が前記台車台枠26に回
動可能に連結されている。
【0091】操舵アーム38の一端部には、操舵リンク
39の一端部が回動可能に連結され、操舵リンク39の
他端部が、前述した車軸6と異なる例えば車両進行方向
の前側の車軸に回転止めツバを介して固定された回転止
めアーム24Aに有するゴムブッシュ側が回動可能に連
結されている。この結果、曲線レールにより台車が首振
りをすると、その首振り角度より曲線半径を判断し、適
正な軸箱の前後方向変位を与えることができる。
【0092】次に、図5(台車の上面図)について説明
すると、図3の台車台枠26は2本の台車側梁43と2
本の台車中梁42とにより構成され、この台車中梁42
を結ぶ中梁結合材46により結合される。又台車中梁4
3が図3の台車台枠26を貫通して外側に台車張り出し
部47が形成され、台車張り出し部47に枕ばね28が
形成されている。
【0093】中梁結合材46には左右ストッパー48が
配置され、車体床から突出した心皿29の側面と当た
り、過度の横変位がしない様に構成されている。
【0094】図3、図4、図5では、図の中にアウター
ロータモータの冷却風を送り込む機構が示されていない
が、図1に示したアウターロータモータ機構の例では車
軸6の端部から冷却風を送り込まないと、アウターロー
タモータの冷却ができないので、各種箱体に小型の送風
機を取り付けたり、車体に取り付けた送風機から適当な
ダクトを接続する必要があるが、図1以外の方法でアウ
ターロータモータ自体で冷却能力のある構造の場合に
は、図3、図4、図5の通りで何等さしつかえがない。
【0095】この図5には操舵台車のリンク機構とアウ
ターロータモータが発生する前後方向力、回転方向力を
受けながら、アウターロータモータを含む輪軸の左右変
位を許容し、同時に操舵台車としての必要なリンク機構
が全て組み込まれており、アウターロータモータ組み込
み操舵台車として構成されている。
【0096】図6は図3、図4、図5に組み込まれた操
舵機構の概略構成を示す図で、車体中心線49から操舵
車体結合リンク37までの距離をd、操舵車体結合リン
ク37と操舵アーム支点40までの距離をe、操舵アー
ム支点40から操舵リンク39のまでの距離をf、車軸
6A,6Bの操舵リンク39又は24A,24Bの取り
付け中心間隔を2a、台車軸距離を2l、図示しない車
体の心皿29の間隔を2Lとして軌間を2bとすると、 e=f(dL/al) となり、完全に車両が円曲線上に乗った時各車軸6A,
6Bの中心線延長が曲線レールの中心にくることが知ら
れている。このことは、すでに公知であるので、ここで
はその説明を省略する。尚変位検出器41は曲線レール
通過の時にバックアップとして使用する。
【0097】この操舵リンク39は回転止めアーム24
Aと結合し、操舵三角リンク32と連結し、更に連結リ
ンク50を介し反対側の操舵三角リンク31と連結して
いる。軸端部に車輪1Bを有する車軸6Bも、軸端部に
車輪1Aを有する車軸6Aと同様に、操舵機構が構成さ
れ、左右の操舵三角リンク31の間には操舵連結リンク
51が配置され、前後の車軸は逆方向に同じ量だけ旋回
して操舵台車の機能を発揮できる様になっている。この
操舵三角リンク31,32は、アウターロータモータ回
転子2から得られる前後方向力だけでなく、回転方向力
も受けられるように構成されている。
【0098】尚、この操舵機構は車両全体が曲線レール
上に乗ったときに車軸6A,6Bの中心線の延長線の方
向が曲線レールの中心点に合致するようにしてあるの
で、曲線レールに半分乗った状態では若干誤差が出るこ
とから操舵車体結合リンク37などの車体と操舵と操舵
リンクの間に初圧縮を与えたばねなどを組み込んだ若干
の誤差を吸収する機構を配置し、この誤差による分を解
決する方法などが考えられる。
【0099】次に、図7は車輪とレールの関係を明確化
するために、標準の車輪面と、レール例えば50Nレー
ルの頭部の詳細について図示したもので、しかもレール
には曲線レールの半径に応じてスラックが与えられるの
で、その関連をあわせて表示している。
【0100】車輪1A,1Bの断面については、図7で
は標準断面で先ず表示したが、実際には車輪踏面の勾配
が異なっていたり、特に操舵台車の場合などでは車輪踏
面の形状により台車の操舵性能が大幅に変わるので、各
種の曲率の異なる形状を組み合わせた円弧踏面が採用さ
れたりしているが、これらの全てについての特性を説明
するのは極めて困難であるので、踏面勾配が1/20の
標準断面の場合と、1/40の勾配が小さい場合につい
ての二通りについて説明する。
【0101】ところが、円弧踏面などの各種の異なる断
面の場合は踏面勾配が1/20の場合より楽になると解
釈できるので、ここでの説明では各種の断面の場合のケ
ースも含まれているものと解釈する。
【0102】図中1A,1Bは左右車輪であり、52
A,52Bはそれぞれ左右レールを示している。この場
合、レール52Bは曲線半径に応じてスラックが与えら
れ、5〜25mmの範囲で拡げられるので、その場合仮
に1067mmゲージにおいて、1067mmの場合を
A寸法、+5mmの場合をB寸法、+10mmの場合を
C寸法、+15mmの場合をD寸法、+20mmの場合
をE寸法、+25mmの場合をF寸法とし、各スラック
が設けられた場合、車輪自体の持つ踏面勾配の影響でど
の程度の曲線走行特性があるのか確認する。
【0103】この場合、のレール断面についても各種の
レールが存在するが、50Nレールについて示され、そ
の他のレールでも軌間が同じであればレール頭部から1
6mm下がった位置で同じ軌間が保持されるので、問題
は発生しないものと考える。
【0104】この場合、レール52A,52Bが磨耗し
たり、車輪踏面が磨耗したりすると、図7に示した様な
関係はかなり変化するが、一般的には車輪1A,1Bと
レール52A,52Bの間の遊間が増えるので、大きく
とれる方向である横方向への移動により左右の車輪径差
は大きくなるのが普通であり、車輪踏面の勾配が1/2
0の場合と、1/40の場合について考慮しておけばほ
ぼ問題は無いものと考える。
【0105】図8(a)はこの曲線通過車両の列車全体
と、図8(b)は列車全体としての搭載する制御システ
ムを説明するための図で、この図では3両編成の列車と
して説明されているが、単車でも、もっと長い構成でも
成立するものである。
【0106】図8(a)において、53A,53B,5
3Cは列車編成の1号車、2号車、3号車を示してお
り、これらの各々には、それぞれ前後台車54A,54
B,55A,55B,56A,56Bを持っている。
【0107】図8(b)において、57は前後車両の運
転台に備え付けられた統括コントローラで、それぞれの
進行方向の前方向になった車両の統括コントローラ57
が曲線通過の時の制御を受け持つ様になる。両端の車両
に搭載された統括コントローラ57は、伝送ライン61
で連結され、各車両にそれぞれ搭載された曲線走行制御
装置62A,62B,62Cに必要な制御指令を伝達す
る。この統括コントローラ57は車両の走行速度を速度
計発電機59から得る他に、曲線の進入点と終了点に設
置され、後述する地上子SS ,SE よりの地点検知情報
により車両の持つメモリ(図示しない)から曲線の情報
と車両の速度から、各台車がいつ曲線に進入するかの予
測を行う他、台車に設けた操舵機構から何時台車が曲線
レールに進入したか、又曲線は右曲線か、左曲線か曲線
半径はなどの情報を操舵機構よりの曲線通過検出機構の
変位検出器41よりの情報として得る様にしている。
【0108】この検出は、図6の変位検出器41、例え
ば差動トランスなどの公知の検出器によって可能であ
る。これらの曲線通過情報は運転士の前の表示装置58
により運転士に表示され、運転士は常時車両の曲線通過
状況を監視することができる。
【0109】[作用]次に、以上述べた実施形態の作用
について説明を行う。始めに、図1に示したアウターロ
ータモータ機構の作用について説明する。例えば、右側
のアウターロータモータ固定子3の固定子巻線16に、
図示しない交流電源を投入接続すると、固定子3が励磁
され、これから発生する磁力線と、アウターロータモー
タ回転子2の内周面に固定されている永久磁石15の磁
力線の相互の作用により回転子2が所定方向に回転する
と共に、回転子2の一端部に固定されているアウターロ
ータモータ組み付け部7と、モータ組み付け部7に固定
されている車輪1が回転する牽引力が得られる。
【0110】一方、車輪1には内拡式ブレーキ10が固
定され、内拡式ブレーキ10の内周側に内拡式ブレーキ
シュー11が配設されているので、車輪1の制動力を得
ることができる。
【0111】また、アウターロータモータとして発生す
る回転力は、車軸6の端部に設けられている軸受相当部
14に連結されている回転止めアーム24で受けること
ができ、この結果アウターロータモータは左右の車輪
1,1の中央部を中心にして自由に首振りが可能にな
る。以上述べた作用は、図の右側のアウターロータモー
タについてであるが、図の左側のアウターロータモータ
も同様である。
【0112】図2に示した回転止めアーム24は、アウ
ターロータモータ回転子2から発生する駆動力や、制動
力によるトルクが回転止めアーム24の作用により全て
受けることが可能になると同時に、操舵台車としての必
要な前後の輪軸の方向制御が可能である。
【0113】回転止めアーム24は操舵三角リンク3
1,32によりゴムブッシュ25により拘束されてい
る。さらに左右の操舵三角リンク31,32は連結リン
ク50により連結されているので、前後方向には拘束さ
れているが、水平面内では自由に首振ることが可能であ
る。また、前後の操舵三角リンク31,32は操舵連結
リンク51により拘束されているので、操舵台車として
の前後の輪軸が同時に逆方向に首を振ることが可能にな
る。この操舵三角リンク31,32は水平面内で首振り
を行うが、回転止めアーム24は軸ばね27の変位によ
り上下に回動する他に輪軸の左右動により左右方向にも
回動するが、これらはゴムブッシュ22,25が適当な
量であれば許容することができる。
【0114】又、ゴムブッシュ22,25は半径方向の
力にはかなり大きい力にも耐えることができるので、操
舵三角リンク31,32や回転止めアーム24に作用す
る主とした力にはゴムブッシュ22,25の半径方向の
力として受けることが可能である。
【0115】このため、この台車構造では、通常の台車
が持つ軸箱守の様な軸箱を前後に拘束し、上下動のみを
許容するような構造は配設していないが、過度の変位が
発生した時には軸箱体落ち止め爪36と軸箱体落ち止め
35が当たり過度の前後と上下変位は防止される。
【0116】この場合、軸ばね座19に対し前後左右動
を適切な範囲で可能にするには軸ばね27は前後方向に
は柔らかく、左右方向にはかなり硬く、上下方向には適
当な柔らかさを持つ特性を有する必要があり、例えば山
形の積層ゴムなどを台車の長手方向に向けて配置するな
どすれば、前後方向にかなりの量の変位が可能な軸ばね
27が構成できる。
【0117】しかし、この軸ばね27が前後共に同じ変
位ができる様にするため、緩衝ゴム20が配置され、回
転止めアーム24の回動と無関係に前後の軸ばね27に
等しい荷重がかかるようにしてある。
【0118】次に、図7について説明すると、曲線レー
ルでは曲線レールの半径に応じて軌間にはスラックが与
えられ、台車の輪軸が滑らかに曲線レールを通過できる
ようにスラックが算出されなされている。このようにス
ラックの算出された理由は、一定の軸距離の台車が前軸
が外軌側と接し、後軸が内軌に接し、後軸がレールにア
タック角度が無い条件で接触した時に前軸がレールをど
れだけ広げれば、接触しないですむかとして拡幅量を計
算したものである。
【0119】ところが、最近の操舵台車ではこのスラッ
クに期待して車輪踏面に与えられた勾配などの影響によ
り、車輪径差が発生するのを利用して車輪が曲線レール
に追従するように工夫されたものであるが、最近開発さ
れている操舵台車用車輪踏面では円弧踏面などと呼ばれ
てかなり横動すると急激に車輪の直径が増加し、曲線レ
ールを追従しやすくなる様にされた例が多く見られる。
【0120】しかしながら、今回の説明では単純な勾配
による影響だけを考え、円弧踏面などの効果を利用すれ
ば更に改善されるものであるとして説明する。
【0121】鉄道の保線の規定によると、スラック量は
次の如く規定されている。
【0122】 曲線半径(m) 200未満 スラック 25mm 200以上 240未満 20mm 240以上 320未満 15mm 320以上 440未満 10mm 440以上 600未満 5mm この車輪1A,1Bとレール52A,52Bの関係で、
スラックが0mmのときをA、5mmのときをB、10
mmのときをC、15mmのときをD、20mmのとき
をE、25mmのときをFとし、各条件での車輪1A,
1Bの横動がどれだけとれるかを検討してみると、スラ
ックが0mmのとき7mm横に動く範囲では、車輪1
A,1Bのフランジと、レール52A,52Bは接触し
ない。ので、スラックが0mmのとき(中立のとき)か
ら7mm横動したときに車輪径が800mmのときに左
右の車輪径差が何mmあるのか、この時曲線半径が何m
なのかを調べてみると、次の表1のようになる。
【0123】
【表1】
【0124】つまり、車輪踏面の勾配の影響により特に
車輪踏面の効果のみにより車輪は曲線レールを通過可能
な範囲が上に示した表1に示す範囲で、この表1の範囲
内であれば、アウターロータモータの左右の回転数を変
化させなくとも通過可能であることを示している。
【0125】ここで、車輪踏面に勾配が無いとしたと
き、左右のアウターロータモータ回転数の比は次の表2
に示す様な具合になる。
【0126】
【表2】
【0127】この1/40の踏面勾配を有するアウター
ロータモータでは、表2に示された速度系列に従って左
右のアウターロータモータの速度比を与えれば、この表
の範囲では30mの曲線半径までは問題無く走行でき、
更にもっと小さな曲線半径でも速度比を大きくすれば走
行することができる。
【0128】この様な曲線レール上でも、輪軸の方向は
図5に示した操舵機構を使用することにより、曲線レー
ルの内外のレールの長さに応じて車輪が回転し、同時に
輪軸の方向が曲線の方向と合致し、滑らかに曲線レール
上を走行することが可能である。
【0129】次に、車輪踏面の勾配が1/20の場合に
ついて、左右のアウターロータモータの回転数比と、曲
線カバー範囲を調べてみると表3の如くなる。
【0130】
【表3】
【0131】このように200mの曲線レールまでは、
左右のアウターロータモータの回転数比を1.0017
2に固定しておいても曲線レールによるスラックによれ
ば自動的に滑りがなく滑らかに走行可能である。一方、
100m以下の曲線では左右のアウターロータモータ回
転子2の回転数比を変化させてやれば非常に小さな曲線
半径でも問題無く走行可能である。
【0132】しかし、ここで問題になるのは走行線路状
況をメモリー(図示せず)に入れておいても、正しい位
置で正しい制御がなされないと、間違った場所で間違っ
た動作を行う可能性があるのと、該メモリー自体が不完
全であった場合も考慮する必要がある。
【0133】しかし、該メモリーの不完全さと場所のず
れが問題になるのに対し、図6に示した操舵リンク39
などの機構はこれらのメモリーの不具合や、曲線の開始
点の間違いなどは関係無く正確に開始点などに追従する
と考えられるし、曲線半径の検出などもできるが、台車
の間隔により片方の台車が曲線に進入しても他方の台車
が直線上にいるなどの検出誤差などは防ぎようがない。
【0134】この不具合を解消するために考えられたの
が、図8の制御システムの説明図で、図9はその作用を
説明するためのフロー図であり、以下このフロー図を参
照して説明する。台車に組み込まれたアウターロータモ
ータ回転子2の回転数制御は、基本的には列車のメモリ
ーにより制御されるが、大きな誤差が検出された場合に
は操舵リンクの変位により検出された曲線条件を優先的
に採用する方法をとり、不具合の解消のバックアップ機
構としている。ところが、又1両の中でも前後の台車が
曲線レールに進入する時間のずれも正しく制御してやる
必要がある。
【0135】その他に、アウターロータモータの左右の
回転数をある一定の比におさえておいても、車輪の踏面
の勾配で左右のアウターロータモータの回転数をスラッ
クとの関係により、車輪フランジが接触すること無く通
過できる曲線の範囲があることは、すでに表2、表3で
示した通りである。
【0136】ここで、これらの機能を図9に示したフロ
ー図により説明する。
【0137】列車は常時自分の速度vを演算(S1,S
2)しており、車両の走行するルートのすべての曲線の
情報である位置と曲線半径が、図示しない曲線半径メモ
リーに記憶されている。この曲線の位置は、車両の走行
中に特定の地点での車両の持つ位置情報と、地上の定点
とを比較して補正し、かなり正確な位置を車両として持
ちながら走行している。
【0138】具体的には、曲線レールの入り口(開始
点)と曲線レールの出口(終了点)には、それぞれ地上
子SS ,SE が配置され、車両としてはこの地上子
S ,SEを検知して各台車が曲線レールへの進入時期
に応じて左右のアウターロータモータ回転子2の回転数
比の変更を行う。しかし、車両に搭載した距離の積算機
がかなり正確であれば、必ずしもこの地上子の必要性は
無い。
【0139】このように、軌道の条件を正確に知るには
曲線レールの入口に地上子SS と曲線出口に地上子SE
があれば、正確に左右のアウターロータモータ回転子2
の回転数比を制御することができる。
【0140】先ず、この曲線レールに進入する場所が地
上子SS の検出により判明したならば(S3)、列車の
各台車の位置に応じて何時曲線レールに進入するかを判
断して、遅れ時間に当たるt1 、t2 、t3 …を計算し
て(S4)、曲線半径によるアウターロータモータ回転
子2の回転数比を演算し、各車両の曲線走行制御装置6
2A,62B,62Cに指示する(S5)。
【0141】S5において指示された曲線方向指示と検
出した曲線方向は合致するかどうかを判断する(S
6)。
【0142】この場合、注意しなければならないのは同
じ曲線半径でも右曲線と左曲線でアウターロータモータ
の回転数比は逆数関係になるが、この曲線方向の判断は
操舵リンクの変位から判断できるので、制御装置のバッ
クアップ検証としてメモリーの適否を比較する(S
7)。
【0143】S7において、曲線半径メモリと検出した
半径は合致する場合は、時刻t1 、t2 、t3 に回転数
比を変更して出力する(S8)。そして、曲線を通過し
たときは曲線レールの出口の地上子SE を検知したどう
かを判断し(S9)、地上子SE を検知したと判断した
とき、回転数比を1に戻す時刻t1 ´、t2 ´、t3´
を出力し(S10)、その後制御を完了する(S1
1)。
【0144】なお、S3において、地上子SS がないと
きは、曲線進入が検出されたかどうかが判断され(S1
2)、曲線進入が検出されないときはS2に戻り、曲線
進入が検出されたと判断したとき、曲線進入時刻t1 ´
´、t2 ´´、t3 ´´を出力すると共に、曲線方向お
よび半径の検出値により回転数比を出力し(S14)、
この後S10へ進む。さらに、S6において、曲線方向
指示と検出した曲線方向が不一致のときは、左右回転比
変更を行い(S15)、S10へ進む。また、S7にお
いて、曲線半径メモリと検出した半径は合致しないとき
は、検出曲線半径は許容値内かどうかが判断され(S1
6)、許容値内のときはS8へ進み、さらに許容値内で
ないときは、曲線半径検出値により回転数比を出力し
(S17)、S10へ進む。
【0145】しかし、場合によっては運行の都合によ
り、この列車が保有している路線形状メモリーと異なる
路線に進入せざるを得ないようなことが発生するが、こ
の検出は操舵台車のリンク機構の位置検出により判断で
きる。
【0146】この場合には、曲線方向と曲線半径の判断
は操舵リンクからの検出に従うようになる。このように
すれば、路線形状のメモリーの無い路線にもこの列車は
進入することができることになる。
【0147】この列車の場合、統括コントローラ57は
列車の両方の端に設置されるが、進行方向前側の統括コ
ントローラ57が作動すると同時に、作動状況を運転士
に表示装置58により監視させることができる。
【0148】[効果]以上述べた第1の実施形態によれ
ば、その作用は前述の通りであり、アウターロータモー
タ回転子2の発生する牽引力と制動力は2組のアウター
ロータモータの両端部で受け、かつモータとして発生す
る回転力は回転止めアーム24で受けるようにしたため
に、アウターロータモータは左右の車輪1の中央部を中
心にして自由に首振りが可能となる。
【0149】この効果は,台車を操舵台車として構成し
たときに極めて都合の良い構造であり、特に車輪を含む
アウターロータモータ構造で、複雑な牽引力や制動力を
受ける構造や、回転トルクを受ける構造を用意する必要
性が無くなり、非常に都合の良い台車構造を準備するこ
とが可能になる。
【0150】ここで、左右のアウターロータモータ回転
子2の回転数比を変化させると、非常に小さい曲線レー
ルでも無理無く自由に通過可能になる。この場合特に大
きいスラックを与えなくても、問題は発生しないし、車
輪6などの輪軸としての方向制御については、操舵機構
により輪軸の方向制御が自由にできることも極めて重要
な特性である。
【0151】<第2の実施形態>図10、図11は本発
明の第2の実施形態を説明するための図である。前述し
たように、図2では上下のゴムブッシュ22は同じもの
を使用しているが、この構造ではゴムブッシュ25を中
心にして左右の軸ばねが異なる変位をすると、ゴムブッ
シュ22と25の弾性により一種のアンチロール装置を
構成しており、このアンチロール装置が目的としている
アウターロータモータの前後方向力と回転方向力を受け
たときにあまり大きく変位しては具合が悪いので、ゴム
ブッシュ自体をあまり柔らかにすることは好ましく無
い。このため、ある程度の硬さにすると、左右の車輪1
にかかる荷重が大きく相違してしまい、一種の輪重抜け
が発生してしまう。この輪重抜けが発生してしまうと、
車両としてカント低減区間にいるとき、特定の車輪1の
輪重が軽くなってしまい不安定となる。このため、鉄道
車両としてはこの輪重抜けを一定の範囲内に収める様な
ゴムブッシュの半径方向に剛性を持たすように設計しな
ければならない。
【0152】図10は、この目的から考えられた構造で
あり、左右の回転止めアーム24Aに取り付けられた4
個のゴムブッシュ22の内1個だけ特殊なゴムブッシュ
63を使用したものである。
【0153】図11は該特殊ゴムブッシュ63を示した
図で、外側リング66と内側のブッシュ67の間には、
ゴム充填部65と、長孔からなるゴム欠落部64が配置
され、図11に示すx方向とy方向のゴムブッシュ63
の剛性が大幅に異なる様に構成されている。
【0154】この場合、当然のこととして、x方向のゴ
ムブッシュ63の剛性はy方向に比して非常に小さい値
を示すことになり、このゴムブッシュ63の作用により
輪軸の台車台枠26に対しての変位は非常に楽に行える
様になり、台車として危険な輪重抜けを防止することが
可能である。
【0155】図12は図10、図11に示したゴムブッ
シュ63と同じ効果のものを実際に使用した操舵機構を
示す概略構成図であり、図6の操舵機構とは次の点が異
なる。すなわち、回転止めアーム24A,24Bの車軸
6A,6Bの位置での固定方法を変更したもので、上下
に離間したゴムブッシュ22を全てのアームに取り付け
ることを行わず、輪軸の左右端の片方にだけ配置し、ア
ウターロータモータ回転子2の回転方向の固定は片方の
端だけで行い、反対側は単純なリンク68だけで連結し
た例を示している。
【0156】<第3の実施形態> [構成]図13は本発明の第3の実施形態を説明するた
めの図で、図1と異なるアウターロータモータの固定機
構のみを示す図である。図13は、車軸のほぼ中央での
断面図に相当し、左右両端の回転止めツバ12に固定ボ
ルト23で固定された回転止めアーム24が車輪1より
少し外側に配置された回転止めパイプ87で左右連結さ
れ、そのほぼ中央にアンカー受け補強部材88が配置さ
れ、そのアンカー受け補強部材88の上下端にアンカー
受け86A,86Bが設けられ、両端にゴムブッシュ8
5を持つアンカー84A,84Bが配置される。
【0157】この2本のアンカー84A,84Bは同じ
長さで、しかもほぼ平行に配置されているので、ゴムブ
ッシュ85の作用で、上下の変位や車軸が水平面内での
首振りも許容し、各種一定量以下での変位に対して球面
ブッシュと同じ様な機能を持っている。その他アンカー
84A,84Bのリンク作用により、前後方向の牽引力
又は制動力を受けられるだけでなく、アウタロータモー
タ回転子2が発生する回転力も受けることが可能にな
る。
【0158】このアウタロータモータ機構全体の大きさ
は、アウターロータモータ回転子2の外径よりは若干は
み出すことになるが、台車とアウターロータモータの間
にうまく収まる様に構成されているので、台車構成上問
題は無い。
【0159】図14はこのアウターロータモータ機構使
用の操舵台車の側面図を示している。
【0160】26は台車台枠を示し、121A,121
Bは図1の軸ばね座19と同様の軸ばね座を示してお
り、車軸6の軸端に取り付けられた構造で,この軸ばね
座121A,121Bの前後には軸ばね27が配置され
車体の重量をアウターロータモータの車軸に作用させ
る。
【0161】この軸ばね27は、上下方向のばね常数は
台車として必要な柔らかさと、左右方向のばね常数は軌
道の不整や車両にかかる超過遠心力などの左右方向力を
受けても一定の変位以下に収まる様な適当な硬さを持
ち、前後方向のばね常数は操舵台車として曲線により必
要な首振りによる前後方向変位を可能とするかなり柔ら
かなばねとなる様な3方向にそれぞれ異なるばね常数と
なる特殊なゴムばねで構成されるのが一般的である。
【0162】軸箱体の上に軸箱体落ち止め35が取り付
けられており、台車台枠26から出た軸箱体落ち止め爪
36と嵌まり合い台車台枠26が吊り上げられたり、脱
線などの不都合な状態の時に台車台枠26と輪軸が不用
意に分離するのを防止する機能を持っている。
【0163】この場合も台車は、前述の実施形態と同様
にボルスタレス台車の場合であり、枕ばね28としては
大変位型空気ばねを使用している。心皿29は台車の中
央部に設けられ、心皿下端部には心皿リンク30を介し
て図15に示す台車中梁104に結合している。
【0164】アンカー84A,84Bはアウターロータ
モータの中央部より突出しており、これは台車中梁10
4から突出したリンク受け96,97,98と結合さ
れ、アウターロータモータの回転力反力や牽引力を台車
台枠に伝える様になっている。リンク受け98は心皿リ
ンク30とアンカー84Bの両方と結合している。
【0165】この台車の外側に操舵車体結合リンク99
が配置され、操舵アーム100と結合し、操舵アーム1
00はトーションバー101を中心に回転可能で、更に
操舵リンク102,103により軸ばね座121A,1
21Bと結合して曲線レールにより台車が首振りをする
と、その首振り角度より曲線半径を判断し、適正な軸箱
体の前後方向変位を与えることができる。
【0166】トーションバー101は台車の反対側まで
貫通しており、操舵リンク102,103は仮に右側の
軸ばね座121Aが前進したら、左側の軸ばね座121
Aは同じ量後進する様に接続する。
【0167】次に、図15について説明すると、図14
の台車台枠26は2本の台車中梁104とこの台車中梁
104を結ぶ台車中梁結合材105により構成される。
又台車中梁104が台車台枠26を貫通して外側に台車
張り出し部106が作成され、枕ばね28を構成する。
【0168】台車中梁結合材105には左右ストッパー
107が配置され、車体床から突出した心皿29の側面
と当たり、過度の横変位をしない様に構成されている。
【0169】図14では図の中に軸ばね座121A,1
21Bの位置にアウターロータモータの冷却風を送り込
む機構が示されていないが、図1に示したアウターロー
タモータ機構の例では、この位置から冷却風を送り組ま
ないとアウターロータモータの冷却ができないので、各
軸ばね座121A,121Bに小型の送風機を取り付け
たり車体に取り付けた送風機から適当なダクトを接続す
る必要があるが、図1以外の構成でアウターロータモー
タ自体で冷却能力のある構造の場合には図14、図15
の通りで何等さしつかえが無い。
【0170】図16は図14、図15に組み込まれた操
舵機構の概略構成を示す図で、車体中心108から操舵
リンク車体結合部109までの距離をd、操舵アーム1
00のトーションバー101までの距離をe、トーショ
ンバー101の中心から操舵リンク102、103まで
の距離をf、車軸6A,6Bの操舵リンク102、10
3の取り付け中心間隔を2b、台車軸距離を2l、車体
の心皿間隔を2Lとすると、 e=f(dL/b1) となる。このことから、完全に車両が円曲線上に乗った
時各車軸6A,6Bの中心線延長が曲線の中心にくるこ
とが知られている。この点は、すでに公知であるので、
ここではその説明を省略する。尚、変位検出器111は
曲線通過の時にバックアップとして使用する。
【0171】この操舵リンク102、103と操舵レバ
ー100、操舵車体結合リンク109の構成では、左右
の操舵リンク102、103がトーションバー101を
介して結合する操舵リンク110と操舵レバー100
で、車軸6A,6Bで発生する、前後方向の牽引力や制
動力がトーションバー101の捩じり力として作用し、
トーションバー101の捩り剛性により受けることがで
きる。
【0172】ところが、本実施形態によるアウターロー
タモータの固定リンクの作用により牽引力や制動力は中
梁に直接伝えられるので、トーションバー101は前後
力を受けることに対しては必要が無くなる。
【0173】尚、この操舵機構は車両全体が曲線上に乗
った時に車軸6A,6Bの中心線の延長線の方向が曲線
の中心点に合致するようにしてあるので、曲線に半分乗
った状態では若干誤差が出ることから操舵リンク車体結
合部109などの車体と操舵と操舵リンク103の間に
初圧縮を与えたばねなどを組み込んだ若干の誤差を吸収
する機構を配置し、この誤差による分を解決する方法な
どが考えられる。
【0174】<第4の実施形態>図17は操舵機構を単
純化した第4の実施形態の説明図を示している。図16
では操舵リンク類は輪軸で発生する牽引力や制動力は全
て図13に示したアンカーで台車に伝達されるので、ト
ーションバー101では受けないですむ。さらに輪軸が
輪軸の中心点を中心に首振りができるので、台車の片側
で操舵をしても、輪軸の両側で操舵をしてもほぼ同じ効
果が期待することができるので、操舵台車の操舵リンク
類を片側だけで構成した実施形態を示している。図中、
113は操舵アーム支点、114はアウタロータモータ
支持アーム、115はアウターロータモータ支持回転中
心、116は台車中梁支点であり、これ以外の点は図1
6と同一である。
【0175】<第5の実施形態>図18は第5の実施形
態を説明するためのアウターロータモータ固定機構を示
す図である。図13に示すアウターロータモータ固定リ
ンクは上下に2本同じ長さでしかも平行に配置した例を
示しており、輪軸が上下した時には全くアウターロータ
モータに回転が発生しないので構造的には理想に近い。
【0176】ところが、輪軸の上下変位がわずかである
ことから若干の回転を許容するとすれば、図18の様な
構造が成立することを示している。
【0177】つまり、アンカー84Aは上下の一方だけ
残し、一方のアウターロータモータ固定リンクが無くな
ることにより発生する回転方向のアンバランス力を固定
リンク117により受けるようにすれば、これでも図1
3に示した機構とほとんど同じ効果を示すことができ
る。この場合、固定リンク117は固定リンク受け11
8が左右方向に移動するので、固定リンク117は左右
方向の移動に容易に追従できるように考慮する必要があ
る。
【0178】<第6の実施形態>図19は本発明のアウ
ターロータモータ機構の実施形態を示す断面図である。
車輪1は車輪軸受4により車軸6に回転可能に取り付け
られている。アウターロータモータ回転子2は一端が、
アウターロータモータ組み付け部7に示す位置で車輪1
と組み付けられており、他端がアウターロータモータ軸
受5により支持されている、いわゆる1軸受方式構造を
構成している。
【0179】車軸は一般の鉄道車両に見られる車軸と異
なり、回転を行わず、車両の重量を支持する。車軸6は
中央部に車軸ツバ72を持ち、この車軸ツバ72に車軸
固定板73が取り付けられており、更にアウターロータ
モータ固定リンク74Aにより図21に示す台車台枠2
6に変位可能に取り付けられている。
【0180】アウターロータモータ回転子2には、図1
と同様に永久磁石15が取り付けられており、アウター
ロータモータ固定子3の固定子巻線16により構成され
る磁極により駆動され、同期モータとして作動する。こ
の同期モータの回転数制御のためにレゾルバ8により回
転速度と位相の検知を行う様に構成される。
【0181】この実施形態では車軸6の中を中空にした
中空風冷ダクト9を持ち、送風口17から冷却風をモー
タ内部に送り込み、冷却風出口13から排出した例を示
しているが、他の冷却方法でも何等差し支えない。
【0182】また左右の各車輪1のブレーキとして、図
1と同様にそれぞれ内拡式ドラムブレーキ10を使用し
た例を示しているが、他のブレーキ方式でも何等差し支
えない。この場合、内拡式ドラムブレーキ10はアウタ
ーロータモータ組み付け部7と同じボルトで固定可能で
あることと、このアウターロータモータは全体として軽
量化のため車輪径小さくしているためにブレーキディス
クを用いる場合には直径が小さくなり、十分な容量が確
保できないことから、自動車などで実績が多い内拡式ド
ラムブレーキを採用したもので、内拡式ブレーキシュー
11は軸受相当部76から突出しているフランジにより
支持されている。
【0183】軸受相当部76は通常の軸受である必要は
無く、固定構造で台車の軸ばねと結合させれば良いの
で、単にこの軸端にばね座を嵌め込めば良い。この場合
には左右の軸受相当部76はそれぞれ軸端ナット18を
使用して固定を考えれば良い。
【0184】次に、図20について説明する。図20は
車軸6のほぼ中央での断面図に相当し、車軸ツバ72に
固定ボルト120で固定された車軸固定板73の上下に
離間した位置にアウターロータモータ固定リンク74
A,74Bが取り付けられ、しかも同じ長さのリンク7
4A,74Bであれば、車輪1が上下しても回転するこ
とがなく、しかも車輪1に発生する牽引力やブレーキ力
を台車に伝えることができる。
【0185】車軸固定板73の上下に離間したリンクと
結合する位置には、アンカー受け86A,86Bが用意
され、アウターロータモータ固定リンク74A,74B
の中心ピンに設けられた穴に取り付けボルトが挿入され
てアンカー受け86A,86Bに固定される。アウター
ロータモータ固定リンク74A,74Bの両端に設けら
れたゴムブッシュ85はゴムの特性により車軸の上下の
変位や車軸が水平面内での首振りも許容する、各種の一
定量以下での変位に対し球面ブッシュと同じ様な機能を
持っている。
【0186】このアウターロータモータの固定機構全体
の大きさは、アウターロータモータ回転子2の外径より
は小さく構成されているので、台車構成上問題は無い。
【0187】次に、図21及び図22によって図19に
示すアウターロータモータ機構を使用した操舵台車構造
について説明する。
【0188】図21、図22はそれぞれ該アウターロー
タモータの側面図、上面図を示している。26は台車台
枠を示し、131A,131Bは軸箱体で車軸6の軸端
に取り付けられた構造で、軸箱体131A,131Bの
前後には軸ばね27が配置され、車体の重量をアウター
ロータモータの車軸6に作用させる。この軸ばね27は
上下方向のばね常数は台車として必要な柔らかさと、左
右方向のばね常数は軌道の不整や車両にかかる超過遠心
力などの左右方向力を受けても一定の変位以下に収まる
様な適当な硬さを持ち、前後方向のばね常数は操舵台車
として曲線レールにより必要な首振りによる前後方向変
位を可能とするかなり柔らかなばねとなる様な3方向に
それぞれ異なるばね常数となる特殊なゴムばねで構成さ
れるのが一般的である。
【0189】この軸箱体131A,131Bの上に軸箱
体落ち止め36が取り付けられており、台車台枠26か
ら出た爪と嵌まり合い台車台枠26が吊り上げられた
り、脱線などの不都合な状態の時に台車台枠と輪軸が不
用意に分離するのを防止する機能を持っている。
【0190】枕ばね28しては、図1と同様にボルスタ
レス台車を使用しているので、大変位型空気ばねを使用
した例である。
【0191】29は台車の中央に設けられた心皿で、心
皿29の下端部には心皿リンク30を介して台車中梁1
04に結合している。
【0192】74A,74Bはアウターロータモータ中
央部より突出したアウターロータモータ固定リンクで、
台車中梁104から突出したリンク受け96,97,9
8と結合して、アウターロータモータの回転力反力や牽
引力を台車台枠に伝える様になっている。リンク受け1
28は心皿リンク30とアウターロータモータ固定リン
ク74Bの両方と結合している。
【0193】この台車の外側に、操舵車体結合リンク9
9が配置され、操舵アーム100と結合し、操舵アーム
100はトーションバー101を中心に回転可能で、更
に操舵リンク102,103により軸箱体131A,1
31Bと結合して、曲線レールにより台車が首振りをす
るとその首振り角度より曲線半径を判断し、適正な軸箱
体の前後方向変位を与えることができる。
【0194】トーションバー101は台車の反対側まで
貫通しており、操舵リンク102,103は仮に右側の
軸箱体131Aが前進したら左側の軸箱体131Aは同
じ量後進する様に接続する。
【0195】次に、図22について説明すると、台車台
枠26は2本の台車中梁104とこの台車中梁104を
結ぶ台車中梁結合材105により構成される。又、台車
中梁104が台車台枠26を貫通して外側に台車張り出
し部106が作成され、枕ばね28の座を構成する。
【0196】台車中梁結合材105には左右ストッパー
122が配置され、車体床から出た心皿29の側面と当
たり、過度の横変位をしない様に構成されている。
【0197】図21,図22では、図の中に121A,
121Bの位置にアウターロータモータの冷却風を送り
込む機構が示されていないが、この図1に示したアウタ
ーロータモータの例ではこの位置から冷却風を送り組ま
ないとアウターロータモータの冷却ができないので、各
軸箱体に小型の送風機を取り付けたり車体に取り付けた
送風機から適当なダクトを接続する必要があるが、図1
9以外の方法でアウターロータモータ自体で冷却能力の
ある構造の場合には、図21,図22のとおりで何等さ
しつかえが無い。
【0198】<第7の実施形態>図20に示すアウター
ロータモータ固定リンクは上下に2本同じ長さでしかも
平行に配置した例を示しており、輪軸が上下した時には
全くアウターロータモータに回転が発生しないので構造
的には理想に近いが、輪軸の上下変位がわずかであるこ
とから若干の回転を許容するとすれば、図23の様な構
造が成立することを示している。
【0199】つまり、アウターロータモータ固定リンク
74Aは上下の一方だけ残し、一方のアウターロータモ
ータ固定リンク74Bが無くなることにより発生する回
転方向のアンバランス力を、固定リンク124により受
ける様にすれば、これでも図20に示した機構とほとん
ど同じ効果を示すことができる。この場合固定リンク1
24は固定リンク受け126が左右方向に移動するの
で、固定リンクは左右方向の移動に容易に追従できる様
に考慮する必要がある。以上述べた以外の構成は、図2
0と同一である。
【0200】[効果]以上述べた実施形態によれば、ア
ウターロータモータの発生する牽引力と制動力は2組の
アウターロータモータの中央部で受け、かつモータとし
て発生する回転力は上下に配置されたリンクにより受け
る様にしたためにアウターロータモータは左右の車輪の
中央部を中心にして自由に首振りが可能となる。この効
果はこの台車を操舵台車として構成した時に極めて都合
の良い構造であり、後特に車輪を含むアウターロータモ
ータ構造で、複雑な牽引力や制動力を受ける構造や、回
転トルクを受ける構造を用意する必要性が無くなり、非
常に都合の良い台車構造を準備することが可能になる。
【0201】ここで左右のアウターロータモータの回転
数比を変化させると非常に小さい曲線でも無理無く自由
に通過可能になる。この場合特に大きいスラックを与え
なくても、問題は発生しないし、車輪などの輪軸として
の方向制御については、操舵台車の機構により輪軸の方
向制御が自由にできることも極めて重要な特性である。
【0202】<第8の実施形態> [構成]図24により第8の実施形態について説明する
が、この図は図1の車軸のほぼ中央での断面図に相当し
ている。図1のアウターロータモータ機構については同
一であるので、その説明を省略する。
【0203】図1の左右両端の車軸ツバ12に、固定ボ
ルト23で固定された回転止めアーム24が車輪1より
少し外側に配置された連結部材の一例である回転止めパ
イプ227で左右連結され、その回転止めパイプ227
の中央部にアンカー受け補強228が配置され、そのア
ンカー受け補強228の左右にアンカー受け226A、
226Bが設けられ、3本の腕を持ち各端にゴムブッシ
ュを持つアンカー224A、224Bが配置される。こ
の2本のアンカー224A、224Bはほぼ同じ大きさ
で、しかも図25に示す様に、その中心線延長が車軸の
ほぼ中心点で、交差する様に台車中梁222にアンカー
受け225AA、225BA、(225AB、225B
B)が配置されており、ゴムブシュ229AA、229
BA、(229AB、229BB)と球面ブシュ230
で台車中梁222と連結している。
【0204】このアンカー224A、224Bは、台車
組み立て時点で台車台枠側に組み付けておいて、輪軸を
組み付ける時に球面ブシュ230の部分を組み付けるこ
とを行うので、アンカー224A、224Bに落下止め
231を配置して、落ち止めボルト232で、万がーで
も回転止めパイプ227が落下するのを防止している。
【0205】次に、図25について説明する。図25は
図24に示した台車とアウターロータモータの台車台枠
との結合方法を詳細に説明するための図であり、台車中
央部の平面図を示している。回転止めパイプ227と台
車中梁222との間に配置されたアンカー224A、2
24Bの中心線の延長交点が輪軸の中心に来る様に配置
されている。このアンカー224A、224Bは輪軸が
発生する牽引力や制動力を台車中梁に伝達する他に、ア
ウターロータモータが発生する牽引力や制動力に伴って
発生する回転力も受ける様に構成されている。
【0206】アンカー224A、224Bはゴムブシュ
229AA、229BA(229AB、229BB)を
中心に回転可能な様に垂直に配置され、アンカー受け2
25AA、225BA(225AB、25BB)に、ア
ンカー固定ボルト234で取り付けられているが、この
ゴムブシュ229AA、229BAは軸方向の力とこじ
り力による半径方向の力を受ける様になっている。
【0207】これに対し球面ブッシュ230は軸方向の
力を受けかつこの球面ブッシュ230を中心に車軸上下
するので球面に構成される必要がある。
【0208】次に、図26及び図27によってこのアウ
ターロータモータを使用した操舵台車構造について説明
する。図26はこのアウターロータモータ使用の操舵台
車の側面図を示している。図中236は台車台枠を示
し、237A,237Bは軸ばね座を示しており、車軸
6の軸端に取り付けられた構造で、この軸ばね座237
A,237Bの前後には軸ばね238が配置され、車体
の重量をアウターロータモータの車軸6に作用させる。
この軸ばね238は上下方向のばね常数は台車として必
要な柔らかさと、左右方向のばわ常数は軌道の不整や車
両にかかる超過遠心力などの左右方向力を受けても、一
定の変位以下に収まる様な適当な硬さを持ち、前後方向
のばね常数は操舵台車として曲線により必要な首振りに
よる前後方向変位を可能とするかなり柔らかなばねとな
る様な3方向にそれぞれ異なるばね常数となる特殊なゴ
ムばねで構成されるのが一般的である。
【0209】この軸箱体の上に、軸箱体落ち止め239
が取り付けられており、台車台枠236から出た落ち止
め爪240と嵌まり合い台車台枠236が吊り上げられ
たり、脱線などの不都合な状態の時に台車台枠236と
輪軸が不用意に分離するのを防止する機能を持ってい
る。枕ばね241は、この場合ボルスタレス台車として
構成した例を示しているので、大変位型空気ばねを使用
した例である。242は台車の中央に設けられた心皿
で、心皿242の下端には、心皿リンク243を介して
台車中梁222に結合している。
【0210】アンカー224A、(224B)はアウタ
ーロータモータの固定部から出た回転止めアーム24と
連結した回転止めパイプ227と、台車中梁222を連
結する部材でアウターロータモータが発生する牽引力と
制動力およびそれに伴う回転力を受け、台車台枠236
に伝える様になっている。
【0211】又アンカー224A、224Bの中心線延
長が、輪軸の中心で交差する様になっているため、輪軸
は各種の力を台車台枠236に伝えながら輪軸の中心を
中心にして垂直軸回りに首を振ることができる。
【0212】この台車台枠236の外側に操舵車体結合
リンク244が配置され、操舵アーム245と結合し、
操舵アーム245はトーションバー246を中心に回転
可能で、更に操舵リンク247、248により軸ばね座
237A、237Bと結合して曲線により台車が首振り
をすると、その首振り角度より曲線半径を判断し、適正
な軸箱体の前後方向変位を与えることができる。
【0213】トーションバー246は台車の反対側まで
貫通しており、操舵リンク247、248に相当する右
側の軸ばね座237Aが前進したら左側の軸ばね座23
7Aは同じ量後進する様に接続する。
【0214】次に、図27について説明すると、台車台
枠236は2本の台車中梁222とこの台車中梁222
を結ぶ2本の中梁結合材249及び2本の台車側梁によ
り構成される。又台車中梁232が台車台枠236を貫
通して外側に台車張り出し250が作成され、枕ばね2
41の座を構成する。中梁結合材249には左右ストッ
パ251が配置され、車体床から出た心皿242の側面
と当たり、過度の横変位をしない様にされている。
【0215】図26、図27では図1の中に、中空風冷
ダクト9の位置にアウターロータモータの冷却風を送り
込む機構が示されていないが、この図1に示したアウタ
ーロータモータの例ではこの位置から冷却風を送り込ま
ないとアウターロータモータの冷却ができないので各軸
ばね座に小型の送風機を取り付けたり車体に取り付けた
送風器から適当なダクトを接続する必要があるが、図1
以外の方法でアウターロータモータ自体で冷却能力のあ
る構造の場合には図26、図27の通りで何ら差し支え
がない。
【0216】ここで、操舵リンク247,248の構造
は、例えば前述した図6と同一であるので、その説明を
省略する。また、本実施形態に使用する車輪とレールの
関係についても、前述した図7と同一であるで、その説
明を省略する。また、列車の制御システムを説明するた
めの図も、図8と同一であり、また制御システムの制御
フローも図9と同一であるので、その説明を省略する。
【0217】[作用]次に、以上述べた第8の実施形態
の作用について説明を行う。図24及び図25に示した
回転止めアーム24と、これに連結した回転止めパイプ
227がアウターロータモータから発生する駆動力や制
動力によるトルクが、アンカー224AA、224BA
(224AB、224BB)により台車中梁222に伝
達されるので、輪軸は安定して保持されるがアンカー2
24AA、224BA(224AB、224BB)の中
心線延長が輪軸の中心点で交差する様にしているので駆
動力や制動力による前後力とトルクを受けながら、輪軸
は中心点を中心に垂直軸回りの首振りが可能になる。
【0218】この場合一般の操舵台車であれば、この条
件だけで輪軸の首振りによる操舵が可能であるが、アウ
ターロータモータの場合には、左、右の車輪の回転数が
変化するために、一般の操舵台車の様には動かない可能
性があり、これを補うために操舵リンクにより輪軸の方
向制御を付加することにより、操舵台車として成立させ
ている。
【0219】この場合前後の軸の首振り量を反対方向で
かつ同一にする方法はかなり色々あるが、図26では左
右の軸端に取り付けられた回転止めアーム24を、操舵
リンク247、248で操作することにより行う構造と
なっている。このため、この台車構造では特に軸箱には
前後方向に拘束する構造は配していないが、過度の変位
が発生した時には軸箱体落ち止め239と落ち止め爪2
40が当たり過度の前後変位は防止される。この場合、
軸ばね238の前後左右動を適切な範囲で可能にするに
は、軸ばね238は前後方向には柔らかく、左右方向に
はかなり硬く、上下方向には適当な柔らかさを持つ特性
を有する必要があり、例えば山形の積層ゴムなどを台車
の長手方向に向けて配置するなどすれば、前後方向にか
なりの量の変位が可能な軸ばね238が構成できる。
【0220】この様に車軸の中心点を中心に首振り可能
な輪軸と、図6に示した操舵機構は問題無く組み合わせ
が可能で、各アウターロータモータを持つ輪軸は自由に
首振りが可能であるばかりでなく、牽引力や制動力が作
用した時は、従来トーションバーの剛性でこの前後方向
の力を受けねばならなかったため、トーションバーがか
なり太くしないとならなかったのが、本実施形態によれ
ばアウターロータモータからの力は直接台車中梁に伝え
られるので、操舵台車の軸箱の保持構造についても一挙
に解決することが可能となる。
【0221】[効果]以上述べた第8の実施形態によれ
ば、アウターロータモータの発生する牽引力と制動力と
それに伴うトルクは回転止めアーム24、回転止めパイ
プ227とアンカー224A〜224Dにより台車中梁
222に伝達され、かつ輪軸の中心を中心に首振り可能
になっているため、操舵台車として必要な軸箱の保持の
難しい構追を構成してくれるので、非常に都合が良い
が、左右の車輪はアウターロータモータであるために、
車輪の踏面の勾配の効果により自動的に最適な方向に輪
軸を向ける機能を期待することが必ずしも期待できない
ことも考えなければならないので、この機構と操舵リン
ク機構を追加してやれば、良好な操舵台車を構成するこ
とが可能になる。
【0222】ここで、左右のアウターロータモータの回
転数比を変化させると非常に小さい曲線でも無埋無く、
自由に通過可能になる。この場合、特に大きいスラック
を与えなくても、一問題は発生しないし、車輪などの輪
軸としての方向制御については、操舵台車の機構により
輪軸の方向制御が自由にできることも極めて重要な特性
である。
【0223】<第9の実施形態>図28に示すように、
アンカー224C、(224D)は回転止めパイプ22
7から回転トルクを受けるため、ゴムブッシュ267
A,267Bの軸方向に作用力を受けることになるの
で、あまり大きい力でなければ問題は無いが、大きい力
を受けるとなるとゴムの剪断だけでは耐えられなくなる
可能性がある。この軸方向の力を受けることが可能なゴ
ムブッシュ267A,267Bを備えている。すなわ
ち、ゴムブッシュ267A、267Bは、円錐状の形状
で構成され、この円錐状ゴムブッシュを二つ組み合わせ
れば、上下方向の力を受けることが可能になる。
【0224】但し、ゴムブッシュは引っ張り力を受ける
と切れてしまう性質を持っているので、二つのゴムブッ
シュに初圧縮を与えておく必要がある。このために初圧
縮用テーパ270を設けたもので、これはこの初圧縮を
与えるためのものであり、アンカー固定ボルト269に
より締め上げるか、又は治具により最初に圧縮力を与え
て固定するなどの方法で取り付けることが可能である。
【0225】図29は、この円錐ゴムでなく、軸方向の
力を受けられるゴムブッシュの例を示しており、ゴム円
筒部273で軸半径方向の力を受け、ゴム平面部274
により軸方向の力を受けることが可能である。この様に
アンカーの台車中梁222に取り付けられたた部分部分
は首振りを行うだけでなく、軸方向の力も受ける必要が
ある。この回転止めパイプ227に取り付けられる球面
ブッシュ230は、首振りだけでなく軸ばね238の変
位によりピッチング方向にも変位せわばならない。
【0226】更に前後方向の力と軸方向の力も受けなけ
ればならない。このため、金属製の球面ブッシュでもゴ
ム製の球面ブッシュ230でもよいが、図30はゴム製
による球面ブッシュの構成方法の一例を示すもので、回
転止めパイプ補強276の一部と、アンカー構造277
の一部を示している。
【0227】球面座282は、固定ボルト283とナッ
ト284により固定され、二つ割りに構成された球面ゴ
ム281により球面座282を覆い、更にゴム押さえ2
78と固定ボルト279によりゴムによる球面ブッシュ
が構成される。更に、カバー280によりゴムに水など
から保護する様に構成されている。
【0228】この様に構成することにより、軸方向に力
と半径方向の力を受けられ、かつあらゆる軸まわりの動
きを許容することが可能になる。
【0229】図31は、前後の輪軸が反対方向でかつ同
じ量首を振る構造についての実施形態を示している。前
後の回転止めパイプ227には、腕285A、285B
が設けられ、相互に連結リンク286により連結される
ことにより、アンカー224が中心線の延長が輪軸の中
心点において交差する様にしてあるので、前後の輪軸は
中心点を中心に首振り可能になっており、更に腕285
A、285Bと連結リンク286の作用により前後の輪
軸が反対方向にしかも同じ量首振りが可能になる様に構
成されている。更に、操舵車体結合リンク244、操舵
アーム245、操舵リンク247、248を配すること
により、図26、図27に示したのと同じ機能を有する
操舵台車を構成することできる。
【0230】<第10の実施形態> [構成]図32は、第10の実施形態を示す図で、この
実施形態は図24と同じ位置での断面図である。図24
ではアンカー224A、224Bが2本設けられている
が、図32においても同じ様にアンカー287A、28
7Bの2本の中心線延長が輪軸のほほぼ中心で交差する
様に配置されていることは同じであるが、図24ではア
ンカー224A、224Bが回転止めパイプ227側で
は球面ブッシュ230がーつで、台車中梁222側で二
つのゴムブッシュ229AA、229BA(229A
B、229BB)で構成されていた。これに対して、図
32の場合には回転止めパイプ227側で二つのゴムブ
ッシュ288AA、288BA(288BA、288B
B)で支持され、台車中梁222側でーつの球面ブッシ
ュ289A(289B)により支持されている。図32
の場合には図28と同じテーパーゴムブッシュを使用し
ており、上下方向の力を受けやすい様にしている。この
アンカー287A(287B)の台車中梁222側の球
面ブッシュ取り付け座293に固定ボルト296により
固定された球面ブッシュ289A(289B)は、固定
ボルト298により固定され、アンカー287A、(2
87B)の一端に取り付けられ、ゴム押さえ295と固
定ボルト298により結合されている。この球面ブッシ
ュ構造は、図30に示された構造を上下転倒した形状
で、シール297は球面ブッシュ289A(289B)
へのごみの侵入を防止している。299は落ち止め座
で、台車中梁222から取り付けられている。落ち止め
座299に固定ボルト301により固定された落ち止め
300が回転止めパイプ227の下に配置され、これら
のゴムブッシュや固定ボルトなどの切断事故があって
も、回転止めアーム24が落下するのを防止している。
【0231】[作用効果]以上述べた第10の実施形態
によれば、次のような作用効果が得られる。図32と図
24、図28の相違点は球面ブッシュが回転止めパイプ
227の近くに配置しているか、又は台車中梁222の
近くに配置しているかの相違である。球面ブッシュ28
9A,289Bは輪軸の上下の時に球面ブッシュ289
A,289Bを中心にピッチングする様に工夫されてい
るので、図24、図28に比して図32の場合には同じ
輪軸の上下変位に対し、ピッチング角度が一番小さくな
るので、球面ブッシュ289A,289Bに対する負荷
が一番小さくなる。その他に軸ばねなどに対する軸ばね
座237と回転止めアーム227の相対変位も小さくな
り、台車構造的にも合理的になる。
【0232】<変形例>前述の実施形態では、車軸の両
端部に配置する回転止めアームにはゴムブッシュを配置
する場合について説明したが、これを環状のゴム体を備
えていない球面ブッシュに代えても、前述の実施形態と
同様な効果を得ることができる。
【0233】
【発明の効果】本発明によれば、アウターロータモータ
で左右の車輪を独立に駆動する機構で発生する牽引力や
制動力を伝達する機構を輪軸の両端部または輪軸の中央
部に配置し、同時に回転力も受ける機構も合わせて配置
することにより、アウターロータモータの固定部を構成
し、同時に台車に操舵機構を組み込み、左右のアウター
ロータモータの回転数比を変化させ、車輪の踏面に適当
な勾配を与える様にすることにより、通常の路線に設け
られたスラックの範囲でかなり小さな曲線レールでも自
由に滑らかに走行することができる。
【0234】しかも、左右のアウターロータモータの回
転数比を列車の統括コントローラにメモリーとして記憶
し、そのメモリーに従って制御する様にすれば、列車と
して曲線を自由に走行できるが、メモリーに無い路線に
入ったり、距離積算の機能に若干の差が発生したりする
ことも操舵台車の操舵レバーの動きを監視してやればこ
の差を確実に検出できるので、バックアップ機構付きの
アウターロータモータ操舵台車を構成することができ
る。
【0235】また、本発明によれば、アウターロータモ
ータで左右の車輪を独立に駆動する機構で発生する牽引
力や制動力を伝達する回転止めアームと回転止めパイプ
を配置し、しかもこの回転止めパイプを中心線延長が輪
軸の中心にて交差するアームを配置し、車体と台車の相
互首振り角度により前後の輪軸の首振り角度を制御する
操舵機構を組み込み、左右のアウターロータモータの回
転数比を変化させ、車輪の踏面に適当な勾配を与える様
に構成することにより、通常の路線に設けられたスラッ
クの範囲でかなり小さな曲線でも自由に滑らかに走行す
ることができる。
【0236】しかも、この左右のアウターロータモータ
の回転数比を列車の統括コントローラにメモリーとして
記憶し、そのメモリーに従って制御する様にすれば、列
車として曲線を自由に走行できるが、メモリーに無い路
線に入ったり、距離積算の機能に若干の差が発生したり
することも操舵台車の操舵レバーの動きを監視してやれ
ばこの差を確実に検出できるので、バックアップ機構付
きの操舵台車機構を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアウターロータモータ機構の第1の実
施形態を示す断面図。
【図2】図1のアウターロータモータの固定機構を説明
するための側面図。
【図3】図1のアウターロータモータ機構を使用した操
舵台車の側面図。
【図4】図3の台車の台車中央部で断面し該断面から端
部方向に見た断面図。
【図5】図3の台車を上から見た平面図。
【図6】図3の操舵機構の第1の例を説明するための概
略構成図。
【図7】図3の車輪とレールの関係を説明するための
図。
【図8】列車の制御システムを説明するための図。
【図9】図8の制御システムの制御フローを示す図。
【図10】本発明のアウターロータモータ機構の第2の
実施形態のアウターロータモータの固定機構を説明する
ための側面図。
【図11】図10の異方性ゴムブッシュを拡大して示す
正面図。
【図12】図10、図11の固定機構を有した操舵機構
の概略構成図。
【図13】本発明のアウターロータモータ機構の第3の
実施形態のアウターロータモータの固定機構を説明する
ための側面図。
【図14】図13のアウターロータモータの固定機構を
使用した操舵台車の側面図。
【図15】図14の操舵台車の上面図。
【図16】図14、図15に組み込まれた操舵機構の概
略構成図。
【図17】本発明のアウターロータモータ機構の第4の
実施形態の操舵機構の第4の例を説明するための概略構
成図。
【図18】本発明のアウターロータモータ機構の第5の
実施形態のアウターロータモータの固定機構を説明する
ための側面図。
【図19】本発明のアウターロータモータ機構の第6の
実施形態を示す断面図。
【図20】図19のアウターロータモータの固定機構の
説明するための側面図。
【図21】図19のアウターロータモータ機構を使用し
た操舵台車の側面図。
【図22】図21の操舵台車の上面図。
【図23】本発明のアウターロータモータ機構の第7の
実施形態のアウターロータモータの固定機構を説明する
ための側面図。
【図24】本発明のアウターロータモータ機構の第8の
実施形態のアウターロータモータの前後方向力と回転ト
ルクを受ける構造を説明するための説明図。
【図25】図24に示したアーム構造の平面図。
【図26】図24のアウターロータモータを使用した操
舵台車の側面図。
【図27】図24のアウターロータモータを使用した操
舵台車の平面図。
【図28】本発明のアウターロータモータ機構の第9の
実施形態のアウターロータモータの前後方向力と回転ト
ルクを受ける構造を説明するための説明図。
【図29】図28の実施形態で使用する軸方向の力を受
けられるゴムブッシュの構造の第2の異なる例を説明す
るため図。
【図30】図28の実施形態で使用する球面ブッシュ構
造の第3の異なる例を説明するための図。
【図31】図28の実施形態で使用する操舵機構の第2
の例を説明するための図。
【図32】本発明のアウターロータモータ機構の第10
の実施形態のアウターロータモータの前後方向力と回転
トルクを受ける構造を説明するための説明図。
【符号の説明】
1,1A,1B…車輪、2…アウターロータモータ回転
子、3…アウターロータモータ固定子、4…車輪軸受、
5…アウターロータモータ軸受、6,6A,6B…車
軸、7…アウターロータモータ組み付け部、8…レゾル
バ、9…中空風冷ダクト、10…内拡式ブレーキ、11
…内拡式ブレーキシュー、12…回転止めツバ、13…
冷却風出口、14…軸受相当部、15…永久磁石、16
…固定子巻線、17…送風口、18…軸端ナット、19
…軸ばね座、20…緩衝ゴム、21…ホーンステイ、2
2…ゴムブッシュ、23…ボルト、24,24A,24
B,24C…回転止めアーム、25…ゴムブッシュ、2
6…台車台枠、27…軸ばね、28…枕ばね、29…心
皿、30…心皿リンク、31…操舵三角リンク、32…
操舵三角リンク、33…操舵三角リンク支点、34…操
舵三角リンク受け、35…軸箱体落ち止め、36…軸箱
体落ち止め爪、37…操舵車体結合リンク、38…操舵
アーム、39…操舵リンク、40…操舵アーム支点、4
1…変位検出器、42…台車中梁、43…台車側梁、4
4…ブラケット、45…ピン、46…中梁結合材、47
…台車張り出し部、48…左右ストッパー、49…車体
中心線、50…連結リンク、51…操舵連結リンク、5
2,52A,52B…左右レール、53A,53B,5
3C…列車編成1、2、3号車、54A,54B,55
A,55B,56A,56B…編成列車1、2、3号車
前後台車、57…統括コントローラ、58…表示装置、
59…速度計発電機、60…送受信器、61…伝送ライ
ン、62A,62B,62C…曲線走行制御装置1、
2、3号車、63…異方向性ゴムブッシュ、64…ゴム
欠落部、65…ゴム充填部、66…外側リング、67…
内側ブッシュ、68…リンク、72…車軸ツバ、73…
車軸固定板、74A,74B…アウターロータモータ固
定リンク、76…軸受相当部、84A,84B…アンカ
ー、85…ゴムブッシュ、86A,86B…アンカー受
け、87…回転止めパイプ、88…アンカー受け補強部
材、89…台車台枠、96…リンク受け、97…リンク
受け、98…リンク受け、99…操舵車体結合リンク、
100…操舵アーム、101…トーションバー、102
…操舵リンク、103…操舵リンク、104…台車中
梁、105…台車中梁結合部材、106…台車張り出し
部、107…左右ストッパー、108…車体中心、10
9…操舵リンク車体結合部、110…操舵リンク、11
1…変位検出器、113…操舵アーム支点、114…ア
ウターロータモータ支持アーム、115…アウターロー
タモータ支持回転中心、116…台車中梁支点、117
…固定リンク、118…固定リンク受け、119…補強
アーム、120…固定ボルト、121A,121B…軸
ばね座、122…左右ストッパー、123A,123
B,123C,123D…操舵アーム、124…固定リ
ンク、125…ゴムブッシュ、126…固定リンク受
け、127…車軸固定板、128…リンク受け、131
A,131B…軸箱体、222…台車中梁、224A、
224B、224C、224D…アンカー、225A
A、225AB、225BA、225BB…アンカー受
け、226A、26B…アンカー受け、227…回転止
めパイプ、228…アンカー受け補強、229AA、2
29AB、229BA、229BB…ゴムブッシュ、2
30…球面ブッシュ、231…落下止め、232…落ち
止めボルト、233…台車測梁、234…アンカー固定
ボルト、235…アンカー固定ボルト、236…台車台
枠、237A、237B…軸ばね座、238…軸ばね、
239…軸箱体落ち止め、240…落ち止め爪、241
…枕ばね、242…心皿、243…心皿リンク、244
…操舵車体結合リンク、245…操舵アーム、246…
トーションバー、247…操舵リンク、248…操舵リ
ンク、249…中梁結合材、250…台車張り出し、2
51…左右ストッパ、267A、267B…ゴムブッシ
ュ、268…アンカー受け、269…アンカー固定ボル
ト、270…初圧縮用テーパ、271…外筒、272…
軸平面部、273…ゴム円筒部、274…ゴム平面部、
275…固定ボルト用孔、276…回転止めパイプ補
強、277…アンカー構造、278…ゴム押さえ、27
9…固定ボルト、280…カバー、281…球面ゴム、
282…球面座、283…固定ボルト、284…ナッ
ト、285A、85B…腕、286…連結リンク、28
7A、287B…アンカー、288AA、288BA、
288AB、288BB…ゴムブッシュ、289A、2
89B…球面ブッシュ、290…アンカー受け、291
…アンカー固定ボルト、292…初圧縮用テーパ、29
3…球面ブッシュ取り付け座、294…アンカー座、2
95…ゴム押さえ、296…固定ボルト、297…シー
ル、298…固定ボルト、299…落ち止め座、300
…落ち止め、301…固定ボルト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B61F 5/30 B61F 5/30 Z 5/32 5/32 A (72)発明者 齋間 亨 東京都府中市晴見町2丁目24番地の1 東芝トランスポートエンジニアリング株 式会社内 (72)発明者 白石 茂智 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝府中工場内 (72)発明者 木下 力 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝府中工場内 (56)参考文献 特開 平8−268277(JP,A) 特開 平7−9993(JP,A) 特開 平4−356270(JP,A) 特開 平1−266059(JP,A) 特開 平2−212263(JP,A) 特開 平9−109885(JP,A) 特開 昭62−175256(JP,A) 実開 平3−106208(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61F 5/44 B61C 9/46 B61C 9/44 B61F 3/16 B61F 5/30 B61F 5/32

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持台枠に固定支持された第1、第2の
    固定軸のそれぞれに互いに離間して装着された第1、第
    2のアウターロータモータ固定子と、 前記両固定軸の各端部側にそれぞれ回転可能に支持され
    た被駆動体と、 前記各被駆動体に一端側が支承され、他端側が前記各固
    定軸に装着された軸受を介して支承された第1、第2の
    アウターロータモータ回転子と、 前記両固定軸の両端部にそれぞれ固定された回転止めツ
    バと、 前記各回転止めツバに一端部が連結され、他端部が前記
    支持台枠に有する一対の操舵機構に連結され、前記被駆
    動体の回転方向と、この回転方向と直角な方向に力が伝
    達可能であって、前記各回転子が発生する牽引力や制動
    力などの前後方向力を前記支持台枠に直接伝達すると同
    時に、この牽引力による回転力の反力も前記支持台枠に
    伝達する回転止めアームと、 を備えたことを特徴とするアウターロータモータ。
  2. 【請求項2】 台車台枠に固定された第1、第2の車軸
    の両端部側にそれぞれ左右独立に回転可能に支持された
    車輪と、 前記両車軸毎に離間して装着された第1、第2のアウタ
    ーロータモータ固定子と、 前記車輪に一端側が支承され、他端側が前記車軸に装着
    された軸受を介して支承された第1、第2のアウターロ
    ータモータ回転子と、 前記両車軸の両端部に夫々固定された第1、第2の回転
    止めツバと、 前記各回転止めツバに一端部が連結され、他端部が前記
    台車台枠に有する一対の操舵機構に固定され、前記各車
    輪の回転方向と、この回転方向と直角な方向に力が伝達
    可能であって、前記各回転子が発生する牽引力や制動力
    などの前後方向の力を前記台車台枠に直接伝達すると同
    時に、この牽引力による回転力の反力も前記台車台枠
    伝達する第1、第2の回転止めアームと、 を備えたことを特徴とするアウターロータモータ操舵台
    車。
  3. 【請求項3】 前記操舵機構は、前記各回転止めアーム
    近くであって、前記台車台枠に各々が回転可能に支持さ
    れ、前記各回転止めアームの他端部に連結された4個の
    操舵三角リンクと、 前記台車台枠に回転可能に支持され、かつ前記台車台枠
    に回転可能に連結された操舵車体結合リンクと連結され
    た第1の操舵アームと、 前記回転止めアームと前記操舵三角リンクとの連結部の
    一つと、前記第1の操舵アームに両端部が連結された第
    2の操舵リンクと、 前記操舵三角リンクのうち、前記各車軸の動作によって
    動作する操舵三角リンク同士を連結する連結リンクと、 前記操舵三角リンクのうち、前記各車軸間に位置する操
    舵三角リンク同士を連結する操舵連結リンクとから構成
    したことを特徴とする請求項2記載のアウターロータモ
    ータ操舵台車。
  4. 【請求項4】 前記回転止めツバを前記車軸両端に上下
    に離間した位置にゴムブッシュ又は球面ブッシュを配置
    し、前記回転止めアームと前記台車台枠との連結部にゴ
    ムブッシュ又は球面ブッシュを配置したことを特徴とし
    た請求項2記載のアウターロータモータ操舵台車。
  5. 【請求項5】 前記車軸端に前記回転止めアームの前記
    台車台枠との結合部にゴムブッシュ又は球面ブッシュな
    どの半径方向と軸方向には十分に剛で軸の回転方向とこ
    じり力に対してはある程度許容する結合構造により構成
    したことを特徴とした請求項2記載のアウターロータモ
    ータ操舵台車。
  6. 【請求項6】 前記各回転止めツバに設けられる4個の
    ゴムブッシュのうち、1個だけ特殊ゴムブッシュとし、
    該特殊ゴムブッシュの剛性は、前記車軸に対して直交す
    る前後方向の剛性が、前記車軸に対して直交する上下
    向の剛性に比べて大幅に小さくなるように構成し、前記
    同一車軸に設けられている車輪の輪重抜けを一定の範囲
    に納めるようにしたことを特徴とする請求項4記載のア
    ウターロータモータ操舵台車。
  7. 【請求項7】 前記回転止めアームは、前記第1及び第
    2の車軸の一方の近くに配設されたものにおいて、 前記操舵機構は、前記回転止めアーム近く及び前記車輪
    に固定されている前記車軸端部近くであって、前記台車
    台枠に各々が回転可能に支持され、前記回転止めアーム
    の他端部及び前記車軸の端部に連結された4個の操舵三
    角リンクと、 前記台車台枠に回転可能に支持され、かつ前記台車台枠
    に回転可能に連結された操舵車体結合リンクと連結され
    た第1の操舵アームと、 前記回転止めアームと前記操舵三角リンクとの連結部の
    一つと、前記第1の操舵アームに両端部が連結された第
    2の操舵リンクと、 前記操舵三角リンクのうち、前記各車軸の動作によって
    動作する操舵三角リンク同士を連結する連結リンクと、 前記操舵三角リンクのうち、前記各車軸間に位置する操
    舵三角リンク同士を連結する操舵連結リンクとから構成
    したことを特徴とする請求項2記載のアウターロータモ
    ータ操舵台車。
  8. 【請求項8】 支持台枠に固定支持された2本の固定軸
    のそれぞれに互いに離間して装着された2個のアウター
    ロータモータ固定子と、前記各固定軸の各端部側にそれ
    ぞれ回転可能に支持される被駆動体と、この被駆動体に
    一側が支承され、他側が前記固定軸に装着された軸受を
    介して支承されたアウターロータモータ回転子とを備
    え、前記各固定軸の両端部にそれぞれ回転止め部材を固
    定し、該各回転止め部材の先端で前記被駆動体の外径よ
    り外側に前記回転止め部材を結合する連結部材を配置
    し、該連結部材に連結機構により前記支持台枠と結合
    し、前記各回転子が発生する牽引力や制動力などの前後
    方向力を前記支持台枠に直接伝達すると同時に、この牽
    引力による回転力の反力も前記支持台枠に伝達すること
    を特徴としたアウターロータモータ。
  9. 【請求項9】 台車台枠に固定された2本の車軸のそれ
    ぞれに左右独立に回転可能に車輪を支持し、該各車輪を
    各々アウターロータモータの回転子に発生する回転力に
    よりそれぞれ駆動するように構成し、前記各車軸の両端
    部にそれぞれ回転止めアームを固定し、該各回転止めア
    ームの先端で前記車輪の外径より外側に前記回転止めア
    ームを結合する連結部材を配置し、該連結部材の中央部
    に連結機構により前記台車台枠と結合し、前記回転子が
    発生する牽引力や制動力などの前後方向力を前記台車台
    枠に直接伝達すると同時に、この牽引力や制動力により
    発生する回転力も前記台車台枠に伝達できるように連結
    機構を構成するため、複数の連結機構により前記回転止
    めアームの連結部材と前記台車台枠の間を拘束したこと
    を特徴としたアウターロータモータ操舵台車。
  10. 【請求項10】 軸ばねを軸ばね座の前後に配置し、こ
    の軸ばねに等しい荷重をかける様に、軸ばね座が車軸の
    固定部分に対し、前後方向には若干の量の範囲で許容す
    る構造としたことを特徴とした請求項9記載のアウター
    ロータモータ操舵台車。
  11. 【請求項11】 軸ばね座を車軸に対し前後方向に若干
    の変位を許容するために、軸ばね座と車軸の間に緩衝ゴ
    ムを配置したことを特徴とした請求項10記載のアウタ
    ーロータモータ操舵台車。
  12. 【請求項12】 支持台枠に固定支持された2本の固定
    軸のそれぞれに互いに離間して装着された2個のアウタ
    ーロータモータ固定子と、前記各固定軸の各端部側にそ
    れぞれ回転可能に支持される被駆動体と、この被駆動体
    に一側が支承され、他側が前記固定軸に装着された軸受
    を介して支承されたアウターロータモータ回転子とを備
    え、前記回転子の対向する側の前記固定軸に固定部材を
    固定し、該固定部材と前記支持台枠を連結機構に連結
    し、前記被駆動体の回転方向と、この回転方向と直角な
    前後方向に力が伝達可能な連結機構により連結し、前記
    各回転子が発生する牽引力や制動力などの前後方向力を
    前記支持台枠に直接伝達すると共に、この牽引力による
    回転力の反力も前記支持台枠に伝達することを特徴とし
    たアウターロータモータ。
  13. 【請求項13】 台車台枠に固定された2本の車軸のそ
    れぞれに左右独立に回転可能に車輪を支持し、該各車輪
    を各々アウターロータモータの回転子に発生する回転力
    によりそれぞれ駆動するように構成し、前記左右のアウ
    ターロータモータ間に固定された回転止めアームをリン
    クなどの連結機構により前記台車台枠と結合し、前記回
    転子が発生する牽引力や制動力などの前後方向力を前記
    台車台枠に直接伝達すると同時に、この牽引力や制動力
    により発生する回転力も前記台車台枠に伝達できるよう
    前記連結機構を構成するため、複数の連結機構により
    アウターロータモータよりの前記回転止めアームを拘束
    したことを特徴としたアウターロータモータ操舵台車。
  14. 【請求項14】 前記車軸中央に配置する複数の連結機
    構をほぼ平行で、ほぼ同じ長さのアンカーリンクにより
    構成したことを特徴とした請求項9または13記載のア
    ウターロータモータ操舵台車。
  15. 【請求項15】 前記車軸中央に配置する複数の連結機
    構を一本をほぼ水平のアンカーリンクで構成し、他のア
    ンカーリンクは車軸が回転しようとするのを阻止する様
    に車軸中心から離れた位置で垂直又はある程度傾斜し、
    かつ主として横方向には変位可能なリンクにより構成し
    たことを特徴とした請求項2、9、13のいずれかに記
    載のアウターロータモータ操舵台車。
  16. 【請求項16】 前記車軸中央に配置する連結機構の車
    軸固定板を、該車軸に取り付けたフランジに固定し、か
    つ左右のアウターロータモータ構造の間を薄い板で構成
    したことを特徴とした請求項13記載のアウターロータ
    モータ操舵台車。
  17. 【請求項17】 前記車軸中央に配置する連結機構のア
    ウターロータ固定リンクは、その両端部にゴムブッシュ
    または球面ブッシュなどを構成し車軸中央を中心に水平
    面内で首振り可能にしたことを特徴とした請求項2、
    9、13のいずれかに記載のアウターロータモータ操舵
    台車。
  18. 【請求項18】 支持台枠に固定支持された2本の固定
    軸のそれぞれに互いに離間して装着された2個のアウタ
    ーロータモータ固定子と、前記各固定軸の各端部側にそ
    れぞれ回転可能に支持される被駆動体と、この被駆動体
    に一側が支承され、他側が前記固定軸に装着された軸受
    を介して支承されたアウターロータモータ回転子とを備
    え、前記支持台枠に前記固定軸の首振り角度を制御可能
    な一対の操舵機構を固定し、該各操舵機構と該各回転子
    との間を、前記被駆動体の回転方向と、この回転方向と
    直角な前後方向に力が伝達可能な連結機構により連結
    し、前記各回転子が発生する牽引力や制動力を、回転止
    めアームと、これをその中心線延長が前記固定軸の中心
    に交差するように配置されたアンカーとにより、前後方
    向力を前記支持台枠に直接伝達すると同時に、この牽引
    力による回転力の反力も前記支持台枠に伝達することを
    特徴としたアウターロータモータ。
  19. 【請求項19】 台車台枠に固定された2本の車軸のそ
    れぞれに左右独立に回転可能に車輪を支持し、該各車輪
    を各々アウターロータモータの回転子に発生する回転力
    によりそれぞれ駆動するように構成し、前記各車軸の両
    端部にそれぞれ回転止めアームを固定し、該各回転止め
    アーム間を連結部材により結合し、複数のアンカーの中
    心線延長が前記車軸の中心近辺で交差するように、該各
    アンカーの一端を前記台車台枠にそれぞれ固定し、該各
    アンカーの他端を前記連結部材にそれぞれ結合し、前記
    台車台枠に組み込まれ前後方向と上下方向に前記台車を
    支持する前記台車台枠と拘束した操舵機構を、前後方向
    の力と回転方向の力を伝達可能な連結機構により連結さ
    せ、前記回転子が発生する牽引力や制動力などの前後方
    向力を前記台車台枠に直接伝達すると同時に、この牽引
    力による回転力の反力も前記台車台枠に伝達することを
    特徴としたアウターロータモータ操舵台車。
  20. 【請求項20】 前記アンカーは首振り方向に自由度を
    有し、且つ先端部にはゴムブッシュまたは円筒ブッシュ
    により構成し、さらに上下方向にも自由度を有するアン
    カー端には金属製球面ブッシュ又はゴムブッシュにより
    球面接手の機能を有するものにより構成し、前記車軸の
    中央を中心に水平面内で首振り可能にしたことを特徴と
    した請求項19記載のアウターロータモータ操舵台車。
  21. 【請求項21】 軸ばねを軸ばね座の前後に配置し、軸
    ばねに等しい荷重をかける様に、該軸ばね座が車軸の固
    定部分に対し、上下方向には所定範囲内で許容するよう
    にしたことを特徴とする請求項19記載のアウターロー
    タモータ操舵台車。
  22. 【請求項22】 予め曲線メモリーに、車輪踏面の勾配
    毎に曲線レールの曲線半径と、曲線レールに入った時に
    該曲線レールの半径のある範囲毎に段階的に、設定され
    たスラックを考慮して左右のアウターロータモータ回転
    子の回転数比を記憶させておき、実際に曲線レールを走
    行する際に前記曲線メモリーに記憶された内容に基づき
    前記左右のアウターロータモータの回転子の回転数比を
    選択することを特徴とした請求項2、9、13、19記
    載のアウターロータモータ操舵台車。
  23. 【請求項23】 車体と台車の相対首振り回転角度によ
    り、前後の輪軸の首振り角度を制御する手段と組み合わ
    せた台車を使用したことを特徴とした請求項22記載の
    アウターロータモータ操舵台車。
  24. 【請求項24】 前記操舵台車の輪軸の方向制御を行う
    車体と台車の相対首振り回転角度により、前後の輪軸の
    首振り角度を制御する機構を台車の片側にだけ配置した
    ことを特徴とした請求項22記載のアウターロータモー
    タ操舵台車。
  25. 【請求項25】 前記車体と前記台車の相対首振り角度
    を伝える操舵車体結合リンクにより動く台車操舵アーム
    の移動角度を検出する変位検出器を配設し、該変位検出
    器で検出された検出値と、予め曲線メモリーに、車輪踏
    面の勾配毎に曲線レールの曲線半径と、曲線レールに入
    った時に該曲線レールの半径のある範囲毎に段階的に、
    設定されたスラックを考慮して左右のアウターロータモ
    ータ回転子の回転数比を記憶させておき、該曲線メモリ
    ーに記憶されている曲線データと前記変位検出器で検出
    された検出値を常時比較し、この比較結果が一定の範囲
    で収まっていれば、該メモリーの曲線データを使用し、
    また前記変位検出器により検出した検出値が、曲線の方
    向の差や前記曲線メモリーに無いような曲線レールに進
    入したことを検出した場合には、該変位検出器で検出し
    た検出値を優先的に使用することを特徴とした請求項2
    2記載のアウターロータモータ操舵台車。
  26. 【請求項26】 前記車軸の両端又は中央に、操舵機構
    又は前後方向の拘束機構を配置して車輪の前後方向力を
    伝えるが、軸箱体には前後方向には台車台枠と結合させ
    ないで、車体荷重を受ける軸ばねには上下方向に適当な
    ばね常数で、左右方向にはある程度硬いばね常数で、前
    後方向にはかなり柔らかなばね常数として構成し、軸箱
    体が異常な変位はしないようなストッパーを持つことを
    特徴とした請求項22記載のアウターロータモータ操舵
    台車。
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