JP3528430B2 - 車両用エアクリーナの支持構造 - Google Patents

車両用エアクリーナの支持構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は車両用エアクリー
ナの支持構造に係り、特に、車両用エアクリーナにより
マスダンパやダイナミックダンパの効果を得て、専用の
マスダンパやダイナミックダンパを不要とし得て、部品
点数の減少や重量の軽減、組付工数の削減を果たし得
て、コストダウンを果たし得る車両用エアクリーナの支
持構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】車両に搭載されるエンジンは、車両のフ
レームにエンジンマウント装置によりフローティング状
態で支持している。このエンジンには、大気の塵埃を除
去する車両用エアクリーナを設けている。車両用エアク
リーナは、車両のフレーム等に支持して設けている。
【０００３】このような車両用エアクリーナの支持構造
としては、実公平７−５２７４３号公報に開示されるも
のがある。
【０００４】この公報に開示される車両用エアクリーナ
の支持構造は、エンジンを取付けたエンジンマウントメ
ンバを車体フレームにフローティングマウント構造によ
り支持するとともに、前記エンジンマウントメンバから
上方に向けてクリーナブラケットを突出させ、このクリ
ーナブラケットによりエアクリーナケース下部を支持し
たものである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両は、運
転時に、エンジンの回転数の変動に伴う振動がフレーム
に伝播し、共振を発生する問題がある。そこで、車両に
は、低振動・静粛性を確保するために、マスダンパやダ
イナミックダンパ等を追加して設けている。
【０００６】ところが、車両にマスダンパやダイナミッ
クダンパ等の部品を設けることは、部品点数の増加や重
量の増大、組付工数の増加を招き、コストアップとなる
不都合がある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述の不都合を除去すべく、車両のフレームにエンジンを
支持するエンジンマウント装置の車体側マウントブラケ
ットにエアクリーナ支持ブラケットを取付けて設け、こ
のエアクリーナ支持ブラケットに車両用エアクリーナを
支持して設けたことを特徴とし、また、前記エアクリー
ナ支持ブラケットには、所定のバネ定数を有する弾性部
材を介して前記車両用エアクリーナを支持して設けたこ
とを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】この発明の車両用エアクリーナの
支持構造は、車両のフレームにエンジンを支持するエン
ジンマウント装置の車体側マウントブラケットにエアク
リーナ支持ブラケットを取付けて設け、このエアクリー
ナ支持ブラケットに車両用エアクリーナを支持して設け
たことにより、車両用エアクリーナの荷重がエンジンマ
ウント装置に作用することになり、車両用エアクリーナ
の荷重によりマスダンパの効果を得ることができる。
【０００９】また、この車両用エアクリーナの支持構造
は、エアクリーナ支持ブラケットには、所定のバネ定数
を有する弾性部材を介して車両用エアクリーナを支持し
て設けたことにより、弾性部材によってダイナミックダ
ンパの効果を得ることができる。
【００１０】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を説明
する。図１〜図３は、この発明の実施例を示すものであ
る。図１において、２は図示しない車両のフレーム、４
は図示しないエンジンのエンジンマウント装置、６は車
両用エアクリーナである。車両のフレーム２には、エン
ジンをエンジンマウント装置４によりフローティング状
態で支持して設けている。エンジンマウント装置４は、
車体側マウントブラケット８と弾性部材からなるエンジ
ンマウント部材１０とエンジン側マウントブラケット１
２とを有している。
【００１１】車体側マウントブラケット８は、フレーム
２に取付けられている。車体側マウントブラケット８に
は、車体側支持孔１４を設けている。エンジンマウント
部材１０には、マウント支持孔１６を設けている。エン
ジンマウント部材１０は、車体側支持孔１４及びマウン
ト支持孔１６にマウント支持ボルト１８を挿通してマウ
ント支持ナット２０を螺着することにより、車体側マウ
ントブラケット８に支持される。前記エンジンマウント
部材１０には、エンジン側マウントブラケット１２を取
付けている。エンジン側マウントブラケット１２は、図
示しないエンジンに取付けられる。
【００１２】前記エンジンマウント装置４の車体側マウ
ントブラケット８には、エアクリーナ支持ブラケット２
２を取付けて設けている。エアクリーナ支持ブラケット
２２は、図３に示す如く、車体側マウントブラケット８
に取付けられるマウント用取付部２４を設け、車両用エ
アクリーナ６を支持するエアクリーナ用支持部２６を設
けている。マウント用取付部２４には、取付孔２８を設
けている。エアクリーナ用支持部２６には、支持孔３０
を設けている。
【００１３】前記車両用エアクリーナ６は、アッパケー
ス３２とロアケース３４とを有し、フィルタエレメント
（図示せず）を内蔵している。アッパケース３２には、
アッパ側接続パイプ３６を設けている。ロアケース３４
には、ロア側接続パイプ３８を設けている。ロアケース
３４の下面には、前記エアクリーナ支持ブラケット２２
のエアクリーナ用支持部２６に支持される支持部４０を
設けている。
【００１４】前記エアクリーナ支持ブラケット２２は、
マウント用取付部２４の取付孔２８に前記エンジンマウ
ント装置４のマウント支持ボルト１８を挿通してマウン
ト支持ナット２０を螺着することにより、車体側マウン
トブラケット８に共締めされて取付けて設けている。
【００１５】前記エアクリーナ支持ブラケット２２のエ
アクリーナ用支持部２６の支持孔３０には、円環形状の
弾性部材４２を外周面の周溝４４により嵌装している。
この弾性部材４２は、所定のバネ定数を有し、中心の貫
装孔４６に車両用エアクリーナ６のロアケース３４の下
面に設けた支持部４０を貫装している。これにより、車
両用エアクリーナ６は、エアクリーナ支持ブラケット２
２に弾性部材４２を介してフローティング状態に支持し
て設けている。
【００１６】なお、符号４８は、取付部材である。取付
部材４８は、一端側に車体用取付部５０を設けるととも
に他端側に平行するようにエアクリーナ用取付部材５２
を設け、車体用取付部５０に車体用取付孔５４を設け、
エアクリーナ用取付部材５２にエアクリーナ用取付孔５
６を設けている。車両用エアクリーナ６のロアケース３
４の側面には、平行にするようにエアクリーナ側支持部
５８を設け、夫々エアクリーナ側支持孔６０を設けてい
る。エアクリーナ側支持孔６０には、夫々円環形状の弾
性部材６２を外周面の周溝６４により嵌装している。弾
性部材６２には、中心に貫装孔６６を設けている。
【００１７】前記取付部材４８は、一端側の車体用取付
部５０の車体用取付孔５４に挿通した車体用取付ボルト
６８を、フレーム２の取付孔（図示せず）に螺着するこ
とにより取付けて設けている。前記車両用エアクリーナ
６は、ロアケース３４の側面に設けたエアクリーナ側支
持部５８のエアクリーナ側支持孔６０に円環形状の弾性
部材６２を嵌装し、この弾性部材６２の貫装孔６６に貫
装したエアクリーナ用取付ボルト７０を取付部材４８の
他端側のエアクリーナ用取付孔５６に螺着することによ
り、自重がロアケース３４の下面の支持部４０に作用す
るように取付部材４８に弾性部材６２を介してフローテ
ィング状態に支持して設けている。
【００１８】次に作用を説明する。
【００１９】車両に搭載されたエンジン（図示せず）
は、駆動時に車両用エアクリーナ６により塵埃を除去さ
れた大気を吸気として供給される。この車両のフレーム
２には、エンジンを支持するエンジンマウント装置４を
設けている。
【００２０】エンジンマウント装置４の車体側マウント
ブラケット８には、エアクリーナ支持ブラケット２２を
マウント支持ボルト１８及びマウント支持ナット２０に
より取付けて設けている。このエアクリーナ支持ブラケ
ット２２には、車両用エアクリーナ６を弾性部材４２を
介して支持して設けている。
【００２１】また、車両用エアクリーナ６は、自重がロ
アケース３４の下面の支持部４０に作用するように、一
端側がフレーム２に取付けられた取付部材４８の他端側
に弾性部材６２を介してロアケース３４の側面を支持し
て設けている。
【００２２】これにより、この車両用エアクリーナ６
は、荷重がエンジンマウント装置４に作用することにな
り、車両用エアクリーナ６の荷重によりマスダンパの効
果を得ることができる。
【００２３】また、この車両用エアクリーナ６は、エア
クリーナ支持ブラケット２２に所定のバネ定数を有する
弾性部材４２を介して支持して設け、また、取付部材４
８に弾性部材６２を介して支持して設けたことにより、
弾性部材４２・６２によってダイナミックダンパの効果
を得ることができる。
【００２４】この場合に、図３に示す如く、固有振動数
をｆ（Ｈｚ）、質量をｍ（分担荷重／重力加速度：
〓）、バネ定数をＫ（ｋｇｆ／ｍ）とし、例えば、ｆ＝
２５Ｈｚ（エンジンのアイドル時、振動低減周波数）、
ｍ＝０．５ｋｇｆ／９．８＝０．０５１ｋｇ（分担質
量）とすると、図３に示す式Ａより、Ｋ＝４ｍπ2 ｆ2
＝１２５９ｋｇｆ／ｍ＝１．２６ｋｇｆ／ｍｍとなる。
【００２５】よって、弾性部材３８のバネ定数を１．２
６ｋｇｆ／ｍｍに設定することにより、エンジンのアイ
ドリング運転付近におけるダイナミックダンパとして作
用させることができる。
【００２６】このように、この車両用エアクリーナ６の
支持構造は、車両用エアクリーナ６の支持に必要不可欠
なエアクリーナ支持ブラケット２２を利用して、このエ
アクリーナ支持ブラケット２２をエンジンマウント装置
４の車体側マウントブラケット８に取付け、このエアク
リーナ支持ブラケット２２に車両用エアクリーナ６を弾
性部材４２を介して支持して設けたことにより、マスダ
ンパやダイナミックダンパを設けることなく、ダンパ効
果を発生させることができ、マスダンパやダイナミック
ダンパの効果を得て、低振動、静粛性を確保することが
できる。
【００２７】このため、この車両用エアクリーナ６の支
持構造は、車両用エアクリーナ６によりマスダンパやダ
イナミックダンパの効果を得て、低振動、静粛性を確保
し得て、これにより、専用のマスダンパやダイナミック
ダンパを不要として、部品点数の減少や重量の軽減、組
付工数の削減を果たし得て、コストダウンを果たすこと
ができるものである。
【００２８】なお、この実施例においては、車両用エア
クリーナ６を利用してダンパの効果を得ているが、車両
用エアクリーナ６以外にも、車両のエンジンルームに配
設されるある程度以上の重量を有する他の車両構成部材
にも適用が可能である。
【００２９】また、ダンパ効果のチューニングに際して
は、車両用エアクリーナ６自体の重量の調整及び車両用
エアクリーナ６へのマスの追加、あるいは弾性部材４２
・６２のバネ定数の調整等によって行うことができる。
【００３０】
【発明の効果】このように、この発明の車両用エアクリ
ーナの支持構造は、エンジンマウント装置の車体側マウ
ントブラケットに取付けたエアクリーナ支持ブラケット
に車両用エアクリーナを支持して設けたことにより、車
両用エアクリーナの荷重によりマスダンパの効果を得る
ことができ、また、車体側マウントブラケットに取付け
たエアクリーナ支持ブラケットに所定のバネ定数を有す
る弾性部材を介して車両用エアクリーナを支持して設け
たことにより、弾性部材によってダイナミックダンパの
効果を得ることができる。
【００３１】このため、この車両用エアクリーナの支持
構造は、車両用エアクリーナによりマスダンパやダイナ
ミックダンパの効果を得て、低振動、静粛性を確保し得
て、これにより、専用のマスダンパやダイナミックダン
パを必要とせず、部品点数の減少や重量の軽減、組付工
数の削減を果たし得て、コストダウンを果たすことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の車両用エアクリーナの支持構造の斜
視図である。
【図２】エアクリーナ支持ブラケットの取付状態を示す
正面図である。
【図３】車両用エアクリーナの支持状態を示す組立図で
ある。
【符号の説明】
２ フレーム ４ エンジンマウント装置 ６ 車両用エアクリーナ ８ 車体側マウントブラケット １０ エンジンマウント部材 １２ エンジン側マウントブラケット １８ マウント支持ボルト ２０ マウント支持ナット ２２ エアクリーナ支持ブラケット ２４ マウント用取付部 ２６ エアクリーナ用支持部 ２８ 取付孔 ３０ 支持孔 ３２ アッパケース ３４ ロアケース ４０ 支持部 ４２ 弾性部材 ４６ 貫装孔
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−85716（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−221236（ＪＰ，Ａ) 実開 平３−8649（ＪＰ，Ｕ) 実開 平４−87043（ＪＰ，Ｕ) 実開 平５−57479（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−106166（ＪＰ，Ｕ) 実公 平７−52743（ＪＰ，Ｙ２) 欧州特許出願公開348618（ＥＰ，Ａ ２) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F02M 35/04 B60K 1/00 - 15/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 車両のフレームにエンジンを支持するエ
    ンジンマウント装置の車体側マウントブラケットにエア
    クリーナ支持ブラケットを取付けて設け、このエアクリ
    ーナ支持ブラケットに車両用エアクリーナを支持して設
    けたことを特徴とする車両用エアクリーナの支持構造。
  2. 【請求項２】 前記エアクリーナ支持ブラケットには、
    所定のバネ定数を有する弾性部材を介して前記車両用エ
    アクリーナを支持して設けたことを特徴とする請求項１
    に記載の車両用エアクリーナの支持構造。
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