JP3521781B2 - 放熱部材 - Google Patents

放熱部材

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JP3521781B2
JP3521781B2 JP00473699A JP473699A JP3521781B2 JP 3521781 B2 JP3521781 B2 JP 3521781B2 JP 00473699 A JP00473699 A JP 00473699A JP 473699 A JP473699 A JP 473699A JP 3521781 B2 JP3521781 B2 JP 3521781B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱性部品の放熱
に有効に用いられる低硬度熱伝導性シリコーンゴムより
なる放熱シートの放熱部材に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
パワートランジスタ、サイリスタ等の発熱性部品は、熱
の発生により特性が低下するので、設置の際、ヒートシ
ンクを取り付け熱を放散したり、機器の金属製のシャー
シに熱を逃がす対策が取られている。このとき、電気絶
縁性と熱伝導性を向上させるため、発熱性部品とヒート
シンクの間にシリコーンゴムに熱伝導性充填剤を配合し
た放熱絶縁性シートが用いられる。
【0003】また、パーソナルコンピューター、ワード
プロセッサ、CD−ROMドライブ等の電子機器の高集
積化が進み、装置内のLSI、MPU等の集積回路素子
の発熱量が増加したため、従来の冷却方法では不十分な
場合がある。特に、携帯用のノート型のパーソナルコン
ピューターの場合、機器内部の空間が狭いので、大きな
ヒートシンクや冷却ファンを取り付けることができな
い。これらの機器ではプリント基板上に集積回路素子が
搭載されており、基板の材質に熱伝導性の悪いガラス補
強エポキシ樹脂やポリイミド樹脂が用いられるので、従
来のように放熱絶縁シートを介して基板に熱を逃がすこ
とができない。
【0004】そこで、集積回路素子の近傍に自然冷却タ
イプ或いは強制冷却タイプの放熱部品を設置し、素子で
発生した熱を放熱部品に伝える方式が用いられる。この
方式で、素子と放熱部品を直接接触させると表面の凹凸
のため熱の伝わりが悪くなり、更に放熱絶縁シートを介
して取り付けても放熱絶縁シートの柔軟性がやや劣るた
め、熱膨張により素子と基板との間に応力がかかり、破
損するおそれがある。また、各回路素子ごとに放熱部品
を取り付けようとすると、余分なスペースが必要とな
り、機器の小型化が難しくなるので、いくつかの素子を
ひとつの放熱部品に組み合わせて冷却する方式がとられ
る。特にノート型のパーソナルコンピューターで用いら
れているTCPタイプのMPUは、高さが他の素子に比
べて低く、発熱量が大きいため、冷却方式を十分考慮す
る必要がある。
【0005】また、年々駆動周波数の高周波化に伴いM
PUの性能は向上するが、発熱量が増大するため、より
高熱伝導性の材料が求められている。
【0006】そこで、素子ごとに高さが異なることに対
して、種々の隙間を埋められる低硬度の高熱伝導性シー
トが必要になる。このような課題に対して、熱伝導性に
優れ、柔軟性があり、種々の隙間に対応できる熱伝導性
シートが提案されている。
【0007】特開平2−196453号公報には、シリ
コーン樹脂に金属酸化物等の熱伝導性材料を混入したも
のを成形したシートで、取り扱いに必要な強度を持たせ
たシリコーン樹脂層の上に柔らかく変形し易いシリコー
ン層が積層されているシートが開示されている。
【0008】特開平7−266356号公報には、熱伝
導性充填剤を含有し、アスカーC硬度が5〜50である
シリコーンゴム層と直径0.3mm以上の孔を有する多
孔性補強材層を組み合わせた熱伝導性複合シートが開示
されている。
【0009】特開平8−238707号公報には、可撓
性の三次元網状体又はフォーム体の骨格格子表面を熱伝
導性シリコーンゴムで被覆したシートが開示されてい
る。
【0010】特開平9−1738号公報には、補強性を
有したシート或いはクロスを内蔵し、少なくとも一方の
面が粘着性を有してアスカーC硬度が5〜50である厚
さ0.4mm以下の熱伝導性複合シリコーンシートが開
示されている。
【0011】特開平9−296114号公報には、付加
反応型液状シリコーンゴムと熱伝導性絶縁性セラミック
粉末を含有し、その硬化物のアスカーC硬度が25以下
で熱抵抗が3.0℃/W以下である放熱スペーサーが開
示されている。
【0012】特開平10−150132号公報には、熱
伝導性フィラーを含有するシリコーン固化物からなり、
荷重30g/cm2時の圧縮率が10%以上で、熱伝導
率が0.8W/mK以上である放熱スペーサーが開示さ
れている。
【0013】しかし、このような低硬度熱伝導性シリコ
ーンゴムシートを高熱伝導化するため、熱伝導性充填剤
を多量に配合すると、硬化後の硬さが硬くなり易く、安
定して低硬度品を得るのが難しくなる。つまり、付加硬
化型の低硬度熱伝導性シリコーンゴム組成物では、Si
H基とビニル基のモル比の僅かな違いにより硬度が大き
く変化する。
【0014】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、大量に熱伝導性付与剤を配合しても低硬度であり、
しかも硬度のばらつきが少ないので、熱抵抗が少なく、
放熱特性の安定した放熱部材を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、ベースポリマーとして、下記一般式(1)で示され
る側鎖にビニル基等の脂肪族不飽和基を有するオルガノ
ポリシロキサン(A)と、必要に応じ下記一般式(2)
で示される両末端にビニル基等の脂肪族不飽和基を有す
るオルガノポリシロキサン(B)及び下記一般式(3)
で示されるビニル基等の脂肪族不飽和基を含まないか又
は片末端のみに1個含有するオルガノポリシロキサン
(C)とを使用することにより、SiH基とビニル基等
の脂肪族不飽和基のモル比の違いによる硬度変化を小さ
くすることができることを知見した。即ち、大量の熱伝
導性付与剤を配合した付加硬化型低硬度熱伝導性シリコ
ーンゴム組成物において、ベースポリマーとして分子鎖
両末端にビニル基を有するオルガノポリシロキサンのみ
を用いると、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの
添加量により硬さが大きく変動し、安定して低硬度品を
得ることができない。これに対し、上記のようにベース
ポリマーに側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキ
サンを用いることにより、オルガノハイドロジェンポリ
シロキサンの添加量による硬度変化が小さくなり、熱特
性が安定した低硬度熱伝導性シリコーンゴム(アスカー
C硬度で50以下)が得られ、大量に熱伝導性付与剤を
配合しても低硬度化できると共に、硬度がばらつかない
ので成形品を発熱性部品に用いた場合の熱抵抗が安定す
ることを知見し、本発明をなすに至った。
【0016】従って、本発明は、 (D)熱伝導性付与剤(A)、(B)、(C)成分の合
計100重量部に対し100〜2,000重量部、 (E)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合し
た水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキ
サン (E)成分に含まれるSiH基と(A)成分、(B)成
分及び(C)成分に含まれる全脂肪族不飽和基とのモル
比が0.02/1〜3/1の範囲となる量 (F)白金金属系触媒
触媒量を主成分とするシリコ
ーンゴム組成物を硬化することにより得られ、アスカー
C硬度が1〜50の範囲にあるシリコーンゴム単層シー
トよりなることを特徴とする放熱部材を提供する。
【0017】
【化4】 (式中、R1は脂肪族不飽和基以外の1価炭化水素基、
2は1価の脂肪族不飽和基、R3は1価炭化水素基を示
し、m,nは、m/(m+n)=0.0005〜0.
5、m+n=50〜2,000を満足する数を示す。)
【0018】
【化5】 (式中、R1,R2,R3は上記と同じであり、kは50
〜2,000の数を示す。)
【0019】
【化6】 (式中、R1,R3は上記と同じであり、pは50〜2,
000の数を示す。)
【0020】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の放熱部材において、ベースポリマーとしては下
記(A)成分のみ、(A)成分と(B)成分の混合系、
(A)成分と(C)成分の混合系又は(A)成分と
(B)成分と(C)成分との混合系である。
【0021】(A)下記一般式(1)で示され、側鎖に
脂肪族不飽和基を有するオルガノポリシロキサン。
【0022】
【化7】 (式中、R1は脂肪族不飽和基以外の1価炭化水素基、
2は1価の脂肪族不飽和基、R3は1価炭化水素基を示
し、m,nは、m/(m+n)=0.0005〜0.
5、m+n=50〜2,000を満足する数を示す。)
【0023】(B)下記一般式(2)で示される両末端
に脂肪族不飽和基を有するオルガノポリシロキサン。
【0024】
【化8】 (式中、R1,R2,R3は上記と同じであり、kは50
〜2,000の数を示す。)
【0025】(C)下記一般式(3)で示され、脂肪族
不飽和基を含まないか又は1個含有するオルガノポリシ
ロキサン。
【0026】
【化9】 (式中、R1,R3は上記と同じであり、pは50〜2,
000の数を示す。)
【0027】ここで、R3の1価炭化水素基は、特に炭
素数1〜12、より好ましくは1〜10のものであり、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、ビ
ニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセ
ニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のア
リール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキ
ル基などの非置換1価炭化水素基や、これらの基の水素
原子の一部又は全部をフッ素原子、塩素原子等のハロゲ
ン原子、シアノ基、アミノ基などで置換した置換1価炭
化水素基が挙げられるが、メチル基、フェニル基、ビニ
ル基、トリフルオロプロピル基が好ましい。
【0028】また、R1は、上記R3の非置換又は置換1
価炭化水素基のうち、アルケニル基を除いたものが挙げ
られ、好ましくはメチル基、フェニル基、トリフルオロ
プロピル基である。R2は、上記アルケニル基が典型的
な例として挙げられ、特にビニル基が好ましい。
【0029】m,nは、上記した通り、m/(m+n)
=0.0005〜0.5、好ましくは0.001〜0.
1であり、m+n=50〜2,000、好ましくは10
0〜1,000を満足する数である。m/(m+n)が
0.0005未満では硬さ変化が大きくなり、0.5を
超えると低硬度化が難しくなると共にビニル基が酸化さ
れ易く、耐熱性が低下する。また、m+nが50未満で
は重合度が低すぎ、低硬度化が難しくなり、2,000
を超えると粘度が高くなり、組成物の流動性が低下し加
工性が悪くなる。
【0030】また、k、pは、上述した通り、50〜
2,000の数であり、好ましくは100〜1,000
である。50未満では重合度が低すぎ、低硬度化が難し
くなり、2,000を超えると粘度が高くなり、組成物
の流動性が低下し加工性が悪くなる。
【0031】上記(A)成分の側鎖に脂肪族不飽和基を
有するオルガノポリシロキサンは、SiH基とビニル基
等の脂肪族不飽和基のモル比の違いによる硬度変化を小
さくする目的で使用するものであり、これは液状オルガ
ノポリシロキサンである。また分子鎖末端がトリオルガ
ノシリル基で封鎖されたもので、このトリオルガノシリ
ル基としてはトリメチルシリル基、ジメチルビニルシリ
ル基、トリビニルシリル基などが例示される。一方、
(B)、(C)成分のオルガノポリシロキサンも液状で
ある。
【0032】本発明の組成物においては、(A)成分、
(B)成分及び(C)成分のオルガノポリシロキサンを
合計で100重量部使用する。この場合、(A)成分、
(B)成分、(C)成分の配合割合は、(A)成分を1
00〜2重量部、好ましくは100〜5重量部、より好
ましくは95〜5重量部、(B)成分を0〜98重量
部、好ましくは0〜95重量部、より好ましくは5〜9
5重量部、(C)成分を0〜90重量部、好ましくは0
〜80重量部、より好ましくは0〜70重量部の範囲で
添加する。なお、(C)成分の配合により組成物の低硬
度化が可能になる。(C)成分の配合量が90重量部を
超えると組成物が硬化しにくくなる。(C)成分を配合
する場合、その下限は5重量部とすることが好ましい。
【0033】本発明において、(D)成分の熱伝導性付
与剤は、従来放熱シート等の放熱部材で使用されている
ものでよく、具体的には酸化アルミニウム、酸化ケイ
素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化ア
ルミニウム、炭化ケイ素等のセラミックス粉末、導電性
を有していても問題のない箇所で用いられる場合はアル
ミニウム、銅、銀等の金属粉末、カーボンブラック、グ
ラファイト等から選択することができる。好ましくは上
記セラミックス粉末である。また、2種以上の熱伝導性
付与剤を組み合わせて使用してもよい。この配合量は熱
伝導性付与剤の種類により比重、粒径、粒子形状等が異
なるので一概に決められないが、上記オルガノポリシロ
キサンの合計量100重量部に対し、100〜2,00
0重量部の範囲、好ましくは150〜1,500重量部
の範囲とすればよい。100重量部未満では十分な熱伝
導性が得られず、2,000重量部を超えると配合が困
難になり、組成物の流動性が低下し加工性が悪くなる。
【0034】(E)成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンは、1分子中にケイ素原子に直接結合してい
る水素原子を2個以上含んでいる直鎖状、分岐状又は環
状の分子からなるものであり、25℃における粘度が1
〜1,000csの範囲であることが好ましい。
【0035】この(E)成分は、上記オルガノポリシロ
キサンの脂肪族不飽和基と付加反応する架橋剤として作
用する。(E)成分の添加量は、(A)成分、(B)成
分及び(C)成分の脂肪族不飽和基1個に対して通常
0.02〜3当量、好ましくは0.05〜2当量(即
ち、(E)成分に含まれるSiH基と(A)、(B)、
(C)成分に含まれる全脂肪族不飽和基とのモル比が
0.02/1〜3/1、好ましくは0.05/1〜2/
1の範囲となる量)である。0.02当量より少ない場
合には架橋密度が低くなりすぎ、硬化した組成物の硬さ
が低くなり、成形及び取り扱いが難しくなる。3当量よ
り多い場合は硬化した組成物の硬さが高くなり、低硬度
の放熱部材ができなくなる。
【0036】(F)成分の白金金属系触媒は付加反応を
促進するためのものであり、具体的には白金ブラック、
塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金
酸とオレフィン、ビニルシロキサン或いはアセチレンア
ルコールとの錯体等の白金又は白金化合物などが例示さ
れる。この(F)成分の添加量は、希望する硬化速度及
び可使時間に応じて選択すればよいが、通常はオルガノ
ポリシロキサンベースに対して白金量で0.1〜1,0
00ppm、好ましくは1〜200ppmの範囲とすれ
ばよい。
【0037】その他添加成分として、組成物の硬化速
度、保存安定性を調節する付加反応制御剤、例えば、テ
トラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等の低
分子量ビニル基含有オルガノポリシロキサン、トリアリ
ルイソシアヌレート、アセチレンアルコール及びそのシ
ロキサン変性物、エチニルシクロヘキサノールなどが挙
げられる。また、本発明の効果を損なわない程度の補強
性シリカ、着色剤、酸化鉄、酸化セリウム等の耐熱性向
上剤、シランカップリング剤等の接着助剤を添加しても
よい。
【0038】本発明の組成物の製造方法は、最初に
(A)成分、(B)成分及び(C)成分のオルガノポリ
シロキサンと(D)成分の熱伝導性付与剤をプラネタリ
ミキサー、ニーダー、品川ミキサー等の混合機で室温或
いは加熱しながら混練りする。次に、組成物の冷却後、
(E)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンと
(F)成分の白金金属系触媒を添加配合することにより
低硬度熱伝導性シリコーンゴム組成物を製造することが
できる。
【0039】本発明に係る放熱部材は、上記シリコーン
ゴム組成物の硬化物(低硬度熱伝導性シリコーンゴム成
形品)からなるものであるが、この場合、この硬化物の
硬さは、アスカーC硬度計で1〜50の範囲、好ましく
は1〜40の範囲である。ここで、アスカーC硬度と
は、SRIS0101(日本ゴム協会規格)及びJIS
S6050に基づき、スプリング式硬さ試験機アスカー
C型を使用して厚さ6mmのシートを2枚重ねて測定し
た硬度である。硬度1未満ではゴム層の強度が乏しいた
め成形が難しくなり、量産性が悪くなる。硬度50を超
えると硬くなり、発熱性部品との密着性が低下し、部品
形状への追従性が悪くなるため、接触熱抵抗が上昇す
る。
【0040】
【0041】低硬度熱伝導性シリコーンゴム成形品の成
形方法としては次の方法が例示される。 モールド成形:金型中に未硬化の液状組成物を流し込
み、金型を締めてから熱プレス機により圧力と熱をか
け、液状組成物を硬化させる。 射出成形:射出成形機上の加熱した金型の中にノズルか
ら未硬化の液状組成物を射出して金型のキャビティ内に
充填する。硬化後金型を開け、成形品を取り出す。 コーティング成形:コーティング装置に連続的にセパレ
ータフィルム(例えば、PET)を供給し、この上に未
硬化の液状組成物をナイフコータ等により一定の厚さに
塗布してから加熱炉を通して液状組成物を硬化させる。
【0042】ここで、硬化条件は適宜選定されるが、通
常100〜170℃の温度で1〜15分間の加熱であ
る。
【0043】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0044】[実施例1〜3、比較例1,2](A)成
分として下記平均組成式(i)で示される側鎖にビニル
基を有するオルガノポリシロキサンと、(B)成分とし
て下記平均組成式(ii)、(iii)で示される分子
鎖両末端にビニル基を有するオルガノポリシロキサン
と、(C)成分として下記平均組成式(iv)で示され
るビニル基を含まないオルガノポリシロキサンと、
(D)成分として高純度球状アルミナであるアドマファ
インAO−41R(株式会社アドマテック製)を表1の
配合量でプラネタリミキサーを用いて室温で30分間混
練りした後、温度120℃で加熱しながら1時間混練り
した。
【0045】
【化10】
【0046】各組成物を冷却後、塩化白金酸のビニルシ
ロキサン錯体(白金含有量1%)0.36重量部を均一
に混合し、次いでエチニルシクロヘキサノール0.09
重量部を添加混合し、更に25℃の粘度が18csの下
記平均組成式(v)で示されるオルガノハイドロジェン
ポリシロキサン(SiH含有量0.0031mol/
g)を表1の添加量で均一に混合して、低硬度熱伝導性
シリコーンゴム組成物を調製した。
【0047】
【化11】
【0048】これらの低硬度熱伝導性シリコーンゴム組
成物をモールド成形により150℃で10分間加熱し
て、厚さ6mmのシートを作製し、アスカーC硬度計で
硬さを測定した。
【0049】また、次の方法で熱抵抗及び熱伝導率を測
定した。 (a)厚さ1mmのシートをモールド成形で作製し、こ
れをトランジスタTO−3タイプの形状に打抜き、ヒー
ター(TO−3形状)とヒートシンクの間に挟む。圧縮
荷重300gf/cm2をかけた状態でヒーターに28
Wの電力を印加してからヒーター温度T1とヒートシン
ク温度T2を測定し、次式から熱抵抗Kを求める。 K=(T1−T2)/28 (b)厚さ20mmのブロック体をモールド成形で作製
し、熱伝導率計(商品名:Shotherm QTM迅
速熱伝導率計、昭和電工株式会社製)を使用して熱伝導
率を測定する。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】[実施例4,5](A)成分として下記平
均組成式(vi)で示される側鎖にビニル基を有するオ
ルガノポリシロキサン90重量部と、(B)成分として
下記平均組成式(vii)で示される分子鎖両末端にビ
ニル基を有するオルガノポリシロキサン10重量部と、
(D)成分として球状アルミナAS−30(昭和電工株
式会社製)、酸化亜鉛粉末亜鉛華1号(三井金属鉱業株
式会社製)及び窒化ホウ素粉末KBN(h)−10(信
越化学工業株式会社製)を表2の配合量でプラネタリミ
キサーを用いて室温で30分間混練りした後、温度12
0℃で加熱しながら1時間混練りした。
【0052】
【化12】
【0053】各組成物を冷却後、塩化白金酸のビニルシ
ロキサン錯体(白金含有量1%)0.36重量部を均一
に混合し、次いでエチニルシクロヘキサノール0.09
重量部を添加混合し、更に25℃の粘度が20csの下
記平均組成式(viii)で示されるオルガノハイドロ
ジェンポリシロキサン(SiH含有量0.00136m
ol/g)を表2の添加量で均一に混合して、低硬度熱
伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。これらを実施
例1〜3と同様に成形し、硬さ及び熱伝導率を測定し
た。結果を表2に示す。
【0054】
【化13】
【0055】
【表2】
【0056】[実施例6](A)成分として実施例1〜
3で用いた側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキ
サン(i)30重量部と、(C)成分として下記平均組
成式(ix)で示される分子鎖片末端にビニル基を有す
るオルガノポリシロキサン70重量部と、(D)成分と
して二酸化ケイ素粉末クルスタライトVX−ST(株式
会社龍森製)150重量部をプラネタリミキサーを用い
て室温で30分間混練りした後、温度150℃で加熱し
ながら1時間混練りした。
【0057】
【化14】
【0058】冷却後、塩化白金酸のビニルシロキサン錯
体(白金含有量1%)0.2重量部を均一に混合し、次
いでエチニルシクロヘキサノール0.1重量部を添加混
合し、更にオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(v)を表3の添加量で均一に混合して、低硬度熱伝導
性シリコーンゴム組成物を調製した。これらを実施例1
〜3と同様に成形し、硬さ及び熱伝導率を測定した。結
果を表3に示す。
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】本発明の放熱部材によれば、低硬度熱伝
導性シリコーンゴム(アスカーC硬度で50以下)が安
定して得られ、大量に熱伝導性付与剤を配合しても低硬
度化でき、硬度がばらつかないのでシートの成形品を発
熱性部品に用いた場合の熱抵抗が安定する。
【0061】従って、本発明はパーソナルコンピュータ
ー、ワードプロセッサ、CD−ROMドライブ等の電子
機器のLSI、MPU等の集積回路素子の放熱に最適に
用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 3/28 C08K 3/28 3/34 3/34 3/38 3/38 C08L 83/05 C08L 83/05 // C08L 83:07 83:07 (72)発明者 桜井 祐貴 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平7−266356(JP,A) 特開 平9−1738(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/00 - 83/16 C08K 3/00 - 13/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は脂肪族不飽和基以外の1価炭化水素基、
    2は1価の脂肪族不飽和基、R3は1価炭化水素基を示
    し、m,nは、m/(m+n)=0.0005〜0.
    5、m+n=50〜2,000を満足する数を示す。) (B)下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1,R2,R3は上記と同じであり、kは50
    〜2,000の数を示す。) (C)下記一般式(3) 【化3】 (式中、R1,R3は上記と同じであり、pは50〜2,
    000の数を示す。) (D)熱伝導性付与剤(A)、(B)、(C)成分の合
    計100重量部に対し100〜2,000重量部、 (E)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合し
    た水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキ
    サン (E)成分に含まれるSiH基と(A)成分、(B)成
    分及び(C)成分に含まれる全脂肪族不飽和基とのモル
    比が0.02/1〜3/1の範囲となる量 (F)白金金属系触媒
    触媒量を主成分とするシリコ
    ーンゴム組成物を硬化することにより得られ、アスカー
    C硬度が1〜50の範囲にあるシリコーンゴム単層シー
    トよりなることを特徴とする放熱部材。
  2. 【請求項2】 (A)成分の配合量が95〜5重量部、
    (B)成分の配合量が0〜95重量部、(C)成分の配
    合量が0〜70重量部であり、(A),(B),(C)
    成分の合計量が100重量部である請求項1記載の放熱
    部材。
  3. 【請求項3】 熱伝導性シリコーンゴム組成物の硬化物
    の熱伝導率が0.6W/mK以上であることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の放熱部材。
  4. 【請求項4】 (D)成分の熱伝導性付与剤が、酸化ア
    ルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウ
    ム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、アル
    ミニウム、銅、銀、カーボンブラック、グラファイトか
    ら選択される少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項1、2又は3記載の放熱部材。
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