JP2728607B2 - 熱伝導性複合シートの製造方法 - Google Patents

熱伝導性複合シートの製造方法

Info

Publication number
JP2728607B2
JP2728607B2 JP4331133A JP33113392A JP2728607B2 JP 2728607 B2 JP2728607 B2 JP 2728607B2 JP 4331133 A JP4331133 A JP 4331133A JP 33113392 A JP33113392 A JP 33113392A JP 2728607 B2 JP2728607 B2 JP 2728607B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
silicone rubber
liquid silicone
thermally conductive
insulating sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4331133A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06155517A (ja
Inventor
昭生 中野
勉 米山
登喜男 関矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP4331133A priority Critical patent/JP2728607B2/ja
Publication of JPH06155517A publication Critical patent/JPH06155517A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2728607B2 publication Critical patent/JP2728607B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2083/00Use of polymers having silicon, with or without sulfur, nitrogen, oxygen, or carbon only, in the main chain, as moulding material
    • B29K2083/005LSR, i.e. liquid silicone rubbers, or derivatives thereof

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発熱性の電子部品等の
放熱用として好適な熱伝導性複合シートの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、パワートランジスタ、サイリスタ
等の発熱性部品は熱の発生により特性が低下するので、
設置の際、放熱器を取り付け熱を逃がす方法がとられ
る。このとき、電気絶縁性と放熱性を向上させるため、
発熱性部品と放熱器の間にシリコーンゴムに熱伝導性充
填剤を配合した放熱絶縁シートが介在させられる。この
放熱絶縁シートとしてはゴム単独のものとガラスクロス
等の網目状補強材で補強したものがある。
【0003】また、コンピューター、ワードプロセッサ
ー等の電子機器の高集積化が進み、機器内のIC、LS
I等の集積回路素子の発熱量が増加したため、冷却ファ
ンによる強制空冷方式では不十分な場合がある。さら
に、持ち運び可能なラップトップ型やノートブック型の
パーソナルコンピューターの場合、強制空冷方式以外の
冷却方法が必要になっている。これらの電子機器ではプ
リント基板上に集積回路素子が設置されるが、基板の材
質に熱伝導性のやや悪いガラス補強エポキシ樹脂やポリ
イミド樹脂が用いられるので、従来のように放熱絶縁シ
ートを介して基板に熱を逃がすことができない。
【0004】そこで、集積回路素子の近傍に自然冷却タ
イプあるいは強制冷却タイプの放熱器を設置し、素子で
発生した熱を放熱器に伝える方式が用いられる。この方
式で、素子と放熱器を直接接触させると表面の凹凸のた
め熱伝導が悪く、さらに放熱絶縁シートを介して取り付
けても放熱絶縁シートの柔軟性がやや劣るため、熱膨張
により素子と基板との間に応力がかかり破損する恐れが
ある。また、各集積回路素子ごとに放熱器を取り付けよ
うとすると余分なスペースが必要になり機器の小型化が
難しくなるので、いくつかの素子をひとつの放熱器に組
み合わせる方式がとられる。この場合、素子ごとに高さ
が異なるので種々の隙間を埋められる熱伝導性材が必要
になる。上記の課題に対して、熱伝導性に優れ、柔軟性
があり、種々の隙間に対応できるものとしていくつかの
熱伝導性材が提案されている。
【0005】特公昭57−36302号公報には、シリ
コーンオイルにシリカファイバー、酸化亜鉛、窒化アル
ミニウム等の熱伝導性充填剤を配合した熱伝導性グリー
スを用いる方法が開示されている。しかし、シリカファ
イバーがしみ出し防止剤として働くとされるものの若干
のしみ出しの恐れがあり、また組立作業性の悪いものと
なる。さらにグリースの充填量の変動により伝熱量が変
わり信頼性が劣ることがある。
【0006】米国特許第4979074号公報には、プ
リント基板の下に熱伝導性電気絶縁エラストマー層、そ
の下に放熱器を設置して、基板上の集積素子回路から発
生した熱を下方向に逃がす方法が開示されている。しか
し、集積素子回路と熱伝導性電気絶縁エラストマー層の
間に基板があるため、熱がやや逃げにくい構造になって
いる。
【0007】特開平2−166755号公報には、シリ
コーン樹脂のゲルに金属酸化物等の熱伝導性材料を混入
したものをシート状に成形し、このシートの片面あるい
は両面に溝を設けたものを用いる方法が開示されてい
る。溝があることにより変形量が大きくなり接触面積が
広くなることが図られている。しかし、このシートは非
常に柔らかいので、成形後の取扱性が悪く大量生産が難
しい。また強度が不足しており、組立作業に手間がかか
る。
【0008】特開平2−196453号公報には、シリ
コーン樹脂に金属酸化物等の熱伝導性材料を混入したも
のを成形したシートで、取扱に必要な強度を持たせたシ
リコーン樹脂層の上に柔らかく変形しやすいシリコーン
樹脂層が積層されているシートが開示されている。この
シートは取扱いやすくはなっているが、成形方法が難し
くあまり大量生産に向かない。これは、シリコーン樹脂
層だけでは強度を持たせていても柔らかいシリコーン樹
脂層を一体成形する際、成形時の応力により変形するた
めである。すなわち、自動射出成形、連続コーティング
成形等の成形方法に向いていないので生産性が劣りコス
トの高いものとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記の状況に鑑み、本
発明は、熱伝導性に優れ、発熱性素子と放熱器の種々の
隙間に設置可能で、組立作業に適合した熱伝導性複合シ
ートの大量生産が容易な製造方法を見出すことを目的と
してなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の課題を解
決したものであり、これは、網目状補強材に熱伝導性充
填剤配合のシリコーンゴムを被覆硬化させた放熱絶縁シ
ートと、熱伝導性充填剤を配合した硬化後の硬さがアス
カーF硬度計で10〜95の範囲である未硬化の段落
[0018]記載の付加型液状シリコーンゴムをモール
ド成形、射出成形あるいはコーティング成形により一体
成形し、液状シリコーンゴムを硬化させ放熱絶縁シート
と複合化することを特徴とするものである。
【0011】本発明の構成のうち、網目状補強材に熱伝
導性充填剤配合のシリコーンゴムを被覆硬化させた放熱
絶縁シートとしては下記平均組成式のオルガノポリシロ
キサン Rn SiO(4-n)/2 ・・・・・(1) (式中、nは1.95〜2.05の正数、Rは非置換または置換
の一価炭化水素基を表し、具体的にはメチル基、エチル
基、プロピル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリ
ル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリ
ール基、あるいはこれらの基の水素原子が部分的に塩素
原子、フッ素原子などで置換されたハロゲン化炭化水素
基等が例示されるが、一般的にはオルガノポリシロキサ
ンの主鎖がジメチルシロキサン単位からなるもの、ある
いはこのオルガノポリシロキサンの主鎖にビニル基、フ
ェニル基、トリフルオロプロピル基などを導入したもの
が好ましい。)に酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化
アルミニウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、石英、水酸化ア
ルミニウム等の熱伝導性充填剤を配合し、これをガラス
クロス、セラミッククロスあるいはナイロン、ポリエス
テルなどの有機質繊維布等の網目状補強材の両面にコー
ティングし、硬化させたものを用いる。
【0012】熱伝導性充填剤の配合量としては、種類に
よって異なるが、オルガノポリシロキサン 100重量部に
対して 100〜1000重量部の範囲が好ましい。
【0013】硬化方法としては通常シリコーンゴムに使
用される公知のものでよく、これにはラジカル反応に使
用されるジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド等の有機過酸化物による方法、付加反応
硬化剤としてケイ素原子に結合した水素原子を1分子中
に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンと白金系触媒を組み合わせて使用する方法、
あるいは縮合硬化剤として多官能のアルコキシシランま
たはシロキサンと有機酸金属塩を組み合わせて使用する
方法が例示される。硬化剤の添加量は従来と同様でよ
い。
【0014】その他、必要に応じてシリカヒドロゲル
(含水ケイ酸)、シリカエアロゲル(無水ケイ酸)等の
補強性シリカ充填剤、クレイ、炭酸カルシウム、二酸化
チタン等の充填剤、酸化鉄、酸化セリウム等の耐熱性向
上剤、無機顔料、有機顔料等の着色剤、白金化合物等の
難燃性付与剤などを添加してもよい。
【0015】この放熱絶縁シートを製造するには、オル
ガノポリシロキサンの重合度の低い上記組成物を用いた
場合はそのまま、あるいは粘度調整のため少量の有機溶
剤を添加したもの、ゴムコンパウンド状の場合は有機溶
剤に溶解したものを用い、網目状補強材にディップコー
ティング、ナイフコーティング、ブレードコーティング
等の方式で塗布し、有機溶剤乾燥後、加熱硬化させる。
【0016】補強された放熱絶縁シートの厚さは0.05〜
2mm の範囲が好ましい。0.05mm未満では強度が不足し成
形時破壊する恐れがある。2mm を超えると最終的な熱伝
導性複合シートが硬くなり、圧縮しにくくなる。
【0017】補強された放熱絶縁シートとしては、一般
に上市されている信越化学工業(株)製のガラスクロス
補強の放熱絶縁シートTC−AG、TC−BG、TC−
CGタイプを使用することができる。
【0018】低硬度熱伝導性シリコーンゴム層を形成す
るための付加型液状シリコーンゴムの組成物としては A)1分子中にアルケニル基を平均して 0.5個以上含ん
でいるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、 B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なく
とも2個含んでいるオルガノハイドロジェンポリシロキ
サン、 C)白金族金属系触媒および D)熱伝導性充填剤 を含有し、さらに、上記D)成分の配合割合が全体の25
〜90重量%で、A)、B)成分に含まれるSi-H基とア
ルケニル基のモル比が 0.1/1〜1.5/1 のものが用いられ
る。
【0019】A)成分のアルケニル基含有オルガノポリ
シロキサンは平均組成式(1)式で表され、1分子中に
アルケニル基を平均して 0.5個以上含んでいることが必
要である。このアルケニル基は硬化時に架橋点となるた
め、基本的にはアルケニル基を1分子中に2個以上含ん
でいる分子がないとこの組成物は硬化しない。したがっ
て、ここでいうアルケニル基の数は、A)成分が1分子
中にアルケニル基を0、1、2個またはそれ以上含んで
いる分子の混合物である場合の平均的なアルケニル基の
数であり、A)成分の分子間のアルケニル基の分布が均
一化されている場合には、1分子中にアルケニル基を2
個以上含んでいることが必要である。平均組成式中のR
は前述のいずれの基であってもよいが、アルケニル基と
してはビニル基が好ましい。A)成分の平均重合度とし
ては1500以下が好ましく、これを超えると組成物の流動
性が悪くなってくる。
【0020】B)成分のオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンは、1分子中にケイ素原子に直接結合している
水素原子を少なくとも2個以上含んでいる直鎖状、分岐
状または環状の分子からなるものである。このB)成分
は、A)成分と反応し架橋剤として作用するものであ
る。このB)成分の添加量は、A)成分に含まれるアル
ケニル基1個に対して通常0.1 〜1.5 当量、好ましくは
0.2〜1.2 当量である。0.1 当量より少ない場合には架
橋密度が少なくなりすぎ、硬化した組成物の強度が不足
し、また耐熱性が悪くなる。1.5 当量より多い場合には
脱水素反応による発泡問題が生じたり、硬化物の柔軟性
がなくなる。
【0021】C)成分である白金族金属系触媒は付加反
応を促進するためのものである。具体的には白金ブラッ
ク、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化
白金酸とオレフィン、ビニルシロキサンまたはアセチレ
ンアルコールとの錯体等が例示される。このC)成分の
添加量は、希望する硬化速度に応じて選択すればよい
が、通常はA)成分に対して白金量で 0.1〜500ppm、好
ましくは 1〜200ppmの範囲とすればよい。
【0022】D)成分である熱伝導性充填剤は放熱絶縁
シートに用いるものと同じでよく、その添加量は組成物
全体に対し25〜90重量%である。添加量が25重量%未満
であると熱伝導性が不充分となる。90重量%を超えると
組成物の流動性が悪くなり、また硬化物が硬くなり柔軟
性がなくなる。
【0023】その他の添加成分として、組成物の硬化速
度、保存安定性を調節する目的で、例えばメチルビニル
シクロテトラシロキサン等のビニル基含有オルガノポリ
シロキサン、トリアリルイソシアヌレート、アセチレン
アルコール及びそのシロキサン変性物などがあげられ
る。また、本発明の効果を損なわない程度の補強性シリ
カ、着色剤、耐熱性向上剤、接着助剤等を添加してもよ
い。
【0024】前述の組成物を硬化させた低硬度熱伝導性
シリコーンゴム層の硬さはアスカーF硬度計で10〜9
5の範囲であることが必要とされる。好ましくは30〜
90の範囲である。硬度10未満ではゴム層の強度が乏
しいため成形が難しくなり量産性が悪くなる。硬度95
を超えると柔軟性が悪くなり、圧縮率の大きい場合の使
用ができなくなる。低硬度シリコーンゴム層の硬さの測
定方法としては針入度を用いることが多いが、本発明に
係る組成物の場合にはアスカーF硬度計を用いる方が測
定値が安定する。
【0025】低硬度熱伝導性シリコーンゴム層の厚さは
0.4〜20mmの範囲が好ましい。 0.4mm未満の厚さでは柔
軟性が不足し、20mmを超えると熱伝導性がやや悪くな
る。
【0026】本発明は、網目状補強材で補強された放熱
絶縁シートと熱伝導性充填剤を配合した未硬化の前記
硬度付加型液状シリコーンゴムをモールド成形、射出成
形あるいはコーティング成形により一体成形し、液状シ
リコーンゴムを硬化することにより複合化する製造方法
であるが、各成形法について説明すると、
【0027】i)モールド成形 金型の中に放熱絶縁シートを設置し、この上に熱伝導性
充填剤を配合した未硬化の液状シリコーンゴムを流し込
み、金型を締めてから熱プレス機により圧力と熱をか
け、液状シリコーンゴムを成形硬化する。
【0028】ii) 射出成形 射出成形機上の加熱した金型の中に放熱絶縁シートを設
置し、金型を締める。次にノズルから熱伝導性充填剤を
配合した未硬化の液状シリコーンゴムを金型のスプルー
を通して射出し型内に充填する。硬化後金型を開け、製
品を取り出す。放熱絶縁シートを金型内に自動的に連続
的に供給できるようにすると自動成形化が可能である。
【0029】iii)コーティング成形 コーティング装置にテープ状の放熱絶縁シートを供給
し、熱伝導性充填剤を配合した未硬化の液状シリコーン
ゴムをナイフコーター等により放熱絶縁シート上に一定
厚さに塗布してから、加熱炉を通して液状シリコーンゴ
ムを硬化させる。低硬度熱伝導性シリコーンゴム層の上
にセパレーターをはさみ製品を巻き取る。等がある。こ
れらの成形方法は、網目状補強材で補強された放熱絶縁
シートを用いることにより可能になるもので、補強材が
なければ変形、破損等が発生し製造が難しくなる。
【0030】次に、本発明を図面に基づいて説明する。
図1、図2は本発明の方法によって製造された熱伝導性
複合シートの断面構成の例を示したものであり、図1の
ようにガラスクロス3で補強された放熱絶縁シート1の
片面に低硬度熱伝導性シリコーンゴム層2を設けたも
の、図2のように放熱絶縁シート1の両面に低硬度熱伝
導性シリコーンゴム層2を設けたものがあげられる。ま
た、図3は熱伝導性複合シートを集積回路素子の放熱に
用いた場合の例を示したものである。図4、図5は本発
明の熱伝導性複合シートの製造方法の例を示したもので
ある。図4はテープ状の放熱絶縁シート1上に未硬化の
液状シリコーンゴム8をナイフコーター11により一定
厚さに塗布してから加熱炉12で硬化させる方法であ
る。図5は射出成形機上の金型9にテープ状の放熱絶縁
シート1を供給して低硬度熱伝導性シリコーンゴム層2
を成形する方法である。
【0031】
【実施例】
実施例1 25℃における粘度が 800cpのジメチルビニルシロキシ両
末端封止のジメチルポリシロキサン27重量部、25℃にお
ける粘度が 800cpのトリメチルシロキシ両末端封止のジ
メチルポリシロキサン40重量部、25℃における粘度が 8
00cpのトリメチルシロキシおよびジメチルビニルシロキ
シで各末端を封止されたジメチルビニルシロキシ片末端
封止のジメチルポリシロキサン33重量部、および酸化ア
ルミニウム粉末、アルミナAS−30[商品名、昭和電
工(株)製] 350重量部を 150℃で1時間混練した。冷
却後、エチニルシクロヘキサノール 0.015重量部を均一
に混合した後に、塩化白金酸のビニルシロキサン錯体
(白金含有量1重量%)0.05重量部を添加混合し、さら
に25℃における粘度が 8cpのケイ素原子に結合した水素
原子を 0.54mol%含有するジメチルハイドロジェンシロ
キシ両末端封止のメチルハイドロジェンポリシロキサン
1.0重量部を均一に混合して、付加型液状シリコーンゴ
ム組成物を調製した。
【0032】この液状シリコーンゴム組成物を図4に示
した構成のコーティング装置を用いて、厚さ 0.2mmで幅
1mのガラスクロス補強放熱絶縁シート、TC−20A
G[商品名、信越化学工業(株)製]の上にナイフコー
ターで厚さ2mmに塗布してから、180 ℃の加熱炉を5分
間通して液状シリコーンゴムを硬化し放熱絶縁シートと
複合化した。低硬度熱伝導性シリコーンゴム層の上にポ
リエチレンのセパレーターをはさみ製品を巻き取った。
1.5m/minの速度で製造が可能で生産コストを大幅に低減
できた。得られた製品の低硬度熱伝導性シリコーンゴム
層の硬さはアスカーF硬度計で35、熱伝導性複合シート
の熱伝導率は 2.5×10-3cal/cm・sec・℃であった。
【0033】実施例2 ジメチルシロキサン単位 95mol%、メチルビニルシロキ
サン単位5mol%からなる25℃における粘度が4000cpのビ
ニル基含有オルガノポリシロキサン 100重量部、および
酸化アルミニウム粉末、アドマファインアルミナAO−
40R[商品名、アドマテックス(株)製] 400重量
部、平均粒径1μmの水酸化アルミニウム粉末50重量部
を 160℃で3時間混練し、ベースを作成した。冷却後、
Aサイドとしてベース 100重量部に塩化白金酸のビニル
シロキサン錯体(白金含有量1重量%)0.1 重量部、25
℃における粘度が 400cpのジメチルビニルシロキシ両末
端封止のジメチルポリシロキサン 1.6重量部を均一に混
合した。Bサイドとしてベース 100重量部にエチニルシ
クロヘキサノール0.02重量部、式 HSi(CH3)2O[Si(CH3)2O]18Si(CH3)2H で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン 1.7重
量部を均一に混合した。このようにして、AサイドとB
サイドを1対1で混合することにより硬化する2液タイ
プの付加型液状シリコーンゴム組成物を調製した。
【0034】図5に示した構成の装置を用い、この液状
シリコーンゴム組成物を2液混合型射出成形機にセット
した。厚さ 0.2mmで幅 400mmのガラスクロス補強放熱絶
縁シート、TC−20CG[商品名、信越化学工業
(株)製]を 150℃に加熱したフッ素樹脂コート金型に
供給し、型締めしてからAサイド、Bサイドの液状シリ
コーンゴムを1対1で計量し、スタティックミキサーで
混合してからノズルを通して金型内へ射出した。40秒後
金型を開け、ガラスクロス補強放熱絶縁シートを移動す
ることにより、放熱絶縁シートの上に厚さ5mmの低硬度
熱伝導性シリコーンゴム層が成形された複合シートを取
り出した。これを繰り返すことにより連続的に成形を行
うことができた。得られた熱伝導性複合シートを乾燥機
中で 150℃、1時間熱処理して製品とした。得られた製
品の低硬度熱伝導性シリコーンゴム層の硬さはアスカー
F硬度計で75、熱伝導性複合シートの熱伝導率は 3.2×
10-3cal/cm・sec・℃であった。
【0035】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、網目
状補強材に熱伝導性充填剤配合のシリコーンゴムを被覆
硬化させた放熱絶縁シートと、熱伝導性充填剤を配合し
た硬化後の硬さが非常に柔らかい未硬化の付加型液状シ
リコーンゴムを一体成形し、液状シリコーンゴムを硬化
することにより熱伝導性複合シートを製造する方法であ
る。これによれば、一体成形時の応力により放熱絶縁シ
ートが変形することがなく、自動射出成形、連続コーテ
ィング成形等により大量生産が可能であり、生産コスト
を大幅に下げることができた。本発明の方法によって製
造される熱伝導性複合シートの低硬度熱伝導性シリコー
ンゴム層は低荷重で圧縮できるので、集積回路素子と放
熱器の種々の隙間に設置可能であり、集積回路素子から
発生する熱を効率よく放熱器に逃がすことができる。ま
た、補強された放熱絶縁シートがあるので容易に組立作
業ができ、低硬度熱伝導性シリコーンゴム層の粘着性に
より熱伝導性複合シートを集積回路素子上に固定可能
で、設置が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によって製造された熱伝導性複合
シートの断面構成の一例を示した図である。
【図2】本発明の方法によって製造された熱伝導性複合
シートの断面構成の一例を示した図である。
【図3】本発明の方法によって製造された熱伝導性複合
シートを集積回路素子の放熱に用いた場合の一例を示し
た図である。
【図4】本発明の熱伝導性複合シートの製造方法の一例
を示した説明図である。
【図5】本発明の熱伝導性複合シートの製造方法の一例
を示した説明図である。
【符号の説明】
1 放熱絶縁シート 2 低硬度熱伝導性シリコーンゴム層 3 ガラスクロス 4 集積回路素子 5 プリント基板 6 放熱器 7 スタティックミキサー 8 未硬化液状シリコーンゴム 9 金型 10 ノズル 11 ナイフコーター 12 加熱炉 13 セパレーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 83:00 105:06 B29L 9:00 31:34 (72)発明者 関矢 登喜男 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 米国特許4602678(US,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 網目状補強材に熱伝導性充填剤配合のシ
    リコーンゴムを被覆硬化させた放熱絶縁シートと、熱伝
    導性充填剤を配合した硬化後の硬さがアスカーF硬度計
    で10〜95の範囲である未硬化の下記付加型液状シリ
    コーンゴムをモールド成形、射出成形あるいはコーティ
    ング成形により一体成形し、液状シリコーンゴムを硬化
    させ放熱絶縁シートと複合化することを特徴とする熱伝
    導性複合シートの製造方法。(ただし、上記付加型液状
    シリコーンゴムは、 A)1分子中にアルケニル基を平均して 0.5個以上含ん
    でいるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、 B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なく
    とも2個含んでいるオルガノハイドロジェンポリシロキ
    サン、 C)白金族金属系触媒および D)熱伝導性充填剤 を含有し、さらに、上記D)成分の配合割合が全体の25
    〜90重量%で、A)、B)成分に含まれるSi-H基とア
    ルケニル基のモル比が 0.1/1〜1.5/1 である組成物。)
  2. 【請求項2】 網目状補強材により補強された放熱絶縁
    シート未硬化の付加型液状シリコーンゴムを射出成形
    あるいはコーティング成形し複合化することを特徴とす
    る請求項1に記載の熱伝導性複合シートの製造方法。
JP4331133A 1992-11-17 1992-11-17 熱伝導性複合シートの製造方法 Expired - Fee Related JP2728607B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4331133A JP2728607B2 (ja) 1992-11-17 1992-11-17 熱伝導性複合シートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4331133A JP2728607B2 (ja) 1992-11-17 1992-11-17 熱伝導性複合シートの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06155517A JPH06155517A (ja) 1994-06-03
JP2728607B2 true JP2728607B2 (ja) 1998-03-18

Family

ID=18240242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4331133A Expired - Fee Related JP2728607B2 (ja) 1992-11-17 1992-11-17 熱伝導性複合シートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2728607B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6046907A (en) * 1998-09-17 2000-04-04 Kitigawa Industries Co., Ltd. Heat conductor
KR101400030B1 (ko) * 2013-04-04 2014-05-28 김선기 열 전도성 적층체
CN109997423A (zh) * 2016-09-30 2019-07-09 电化株式会社 具有高耐负荷性及高导热性的散热片

Families Citing this family (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5679457A (en) * 1995-05-19 1997-10-21 The Bergquist Company Thermally conductive interface for electronic devices
JP3280224B2 (ja) 1996-02-06 2002-04-30 東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社 熱伝導性シリコーンゲルシートおよびその製造方法
EP0805618B1 (en) * 1996-04-30 2002-01-23 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Heat dissipating spacer for electronic equipments
US6083853A (en) * 1996-11-06 2000-07-04 Fuji Polymer Industries Co., Ltd. Formed sheet of thermoconductive silicone gel and method for producing the same
US6284363B1 (en) 1998-03-23 2001-09-04 Fuji Polymer Industries Co., Ltd. Electromagnetic wave absorbing thermoconductive silicone gel molded sheet and method for producing the same
JP2001168246A (ja) * 1999-11-30 2001-06-22 Three M Innovative Properties Co 熱伝導性シート及びその製造方法
JP3562713B2 (ja) * 2001-01-26 2004-09-08 富士高分子工業株式会社 放熱シート積層体の巻回体、及び放熱シートの貼り付け方法
KR100769939B1 (ko) * 2001-12-21 2007-10-24 주식회사 성진케미칼 실리콘원단 성형장치
CN100375276C (zh) 2002-06-06 2008-03-12 富士高分子工业株式会社 导热片材及其制造方法
JP3920746B2 (ja) 2002-09-02 2007-05-30 信越化学工業株式会社 熱伝導性複合シートおよびその製造方法
JP4569405B2 (ja) * 2005-07-08 2010-10-27 オムロン株式会社 放熱機能を備えた部品実装基板構造及びこの放熱機能を備えた部品実装基板構造の製造方法
US7695819B2 (en) * 2005-09-30 2010-04-13 Wacker Chemical Corporation Two piece curable HCR silicone elastomers
JP5132122B2 (ja) * 2006-10-31 2013-01-30 電気化学工業株式会社 粘着性放熱シート
JP5022742B2 (ja) * 2007-03-13 2012-09-12 日東シンコー株式会社 自己融着性シリコーンゴムシート及び自己融着性シリコーンゴムシートの製造方法
JP5001068B2 (ja) * 2007-06-01 2012-08-15 三菱電機株式会社 放熱用部材の製造方法
JP2009114299A (ja) * 2007-11-06 2009-05-28 Sliontec Corp 両面粘着テープ又はシート及びその製造方法
US8076773B2 (en) * 2007-12-26 2011-12-13 The Bergquist Company Thermal interface with non-tacky surface
JP5471180B2 (ja) * 2008-09-11 2014-04-16 信越化学工業株式会社 シリコーン積層基板、その製造方法、シリコーン積層基板製造用シリコーン樹脂組成物及びled装置
KR101524506B1 (ko) * 2009-12-21 2015-06-01 생-고뱅 퍼포먼스 플라스틱스 코포레이션 열전도성 폼 재료
US8658263B2 (en) 2010-04-30 2014-02-25 Mitsui Chemicals, Inc. Shape-retaining film, process for producing same, laminate for packaging, packaging material and process for producing same, shape-retaining fiber, and anisotropic heat-conductive film
JP5942641B2 (ja) * 2012-07-02 2016-06-29 日立化成株式会社 樹脂シート及びその製造方法、樹脂シート硬化物、並びに放熱用部材
JP6136952B2 (ja) 2013-02-28 2017-05-31 信越化学工業株式会社 熱伝導性複合シリコーンゴムシート
JP5766335B2 (ja) * 2013-07-01 2015-08-19 デクセリアルズ株式会社 熱伝導シートの製造方法、熱伝導シート、及び放熱部材
CN109564906B (zh) * 2016-07-26 2023-08-15 信越化学工业株式会社 导热性片材
CN109844048B (zh) 2016-10-14 2021-10-15 信越化学工业株式会社 导热性复合硅橡胶片及其制造方法
JP2018078272A (ja) * 2016-10-31 2018-05-17 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 三次元形状熱伝導性成形体、及びその製造方法
EP3668290B1 (en) * 2017-08-10 2021-10-27 Denka Company Limited Heat dissipation sheet having high thermal conductivity and high electric insulation property
KR102268405B1 (ko) 2018-01-29 2021-06-24 주식회사 엘지에너지솔루션 이차 전지용 절연판 및 그의 제조 방법
JP7050704B2 (ja) 2019-02-07 2022-04-08 信越化学工業株式会社 熱伝導性粘着層を有する熱伝導性シリコーンゴムシート
US12014971B2 (en) * 2021-06-01 2024-06-18 Nxp Usa, Inc. Thermal interface structures, electrical systems with thermal interface structures, and methods of manufacture thereof

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6046907A (en) * 1998-09-17 2000-04-04 Kitigawa Industries Co., Ltd. Heat conductor
KR101400030B1 (ko) * 2013-04-04 2014-05-28 김선기 열 전도성 적층체
CN109997423A (zh) * 2016-09-30 2019-07-09 电化株式会社 具有高耐负荷性及高导热性的散热片
CN109997423B (zh) * 2016-09-30 2021-02-02 电化株式会社 具有高耐负荷性及高导热性的散热片

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06155517A (ja) 1994-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2728607B2 (ja) 熱伝導性複合シートの製造方法
JP2938340B2 (ja) 熱伝導性複合シート
JP3444199B2 (ja) 熱伝導性シリコーンゴム組成物及びその製造方法
JP3543663B2 (ja) 熱伝導性シリコーンゴム組成物及びその製造方法
KR102364992B1 (ko) 축열성 조성물
CN101544089B (zh) 导热层压材料及其制造方法
JP5015436B2 (ja) 熱伝導性シリコーンエラストマー、熱伝導媒体および熱伝導性シリコーンエラストマー組成物
JP4144998B2 (ja) 放熱用部材
JP3952184B2 (ja) 熱伝導性シート
JP6032359B2 (ja) 熱伝導性複合シート及び放熱構造体
JP3425521B2 (ja) 低硬度熱伝導性シリコーンゴムシートの表面粘着性低減方法
JP2007119588A (ja) 熱伝導性シリコーンゴム組成物
JPH091738A (ja) 熱伝導性複合シリコーンゴムシート
JP3521781B2 (ja) 放熱部材
JP2010120979A (ja) 熱伝導性シリコーンゲル硬化物
JP2018193491A (ja) 熱伝導性シリコーンゴム複合シート
JPS58219034A (ja) 電気絶縁性放熱ゴムシ−トの製造方法
KR20220123417A (ko) 경화성 오가노폴리실록산 조성물 및 그의 경화물, 보호제 또는 접착제 및 전기·전자 기기
JP2006089675A (ja) 熱伝導性シリコーンエラストマーおよび熱伝導性シリコーンエラストマー組成物
JPH08319425A (ja) 熱伝導性シリコーンゴム組成物
JPH1025417A (ja) 硬化性液状組成物、その硬化物、および電子部品
JP2000233907A (ja) 熱伝導性窒化ほう素微粉末、該微粉末を含有する熱伝導性シリコーン組成物、及び絶縁放熱シート
EP3310142A1 (en) Device heat dissipation method
JP2021021047A (ja) 熱伝導性組成物及びその製造方法
JP2004176016A (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及びその成形体

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071212

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081212

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081212

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091212

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101212

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101212

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees