JP3510774B2 - 水中油型オルガノポリシロキサン乳化物及びその製造方法 - Google Patents

水中油型オルガノポリシロキサン乳化物及びその製造方法

Info

Publication number
JP3510774B2
JP3510774B2 JP31509697A JP31509697A JP3510774B2 JP 3510774 B2 JP3510774 B2 JP 3510774B2 JP 31509697 A JP31509697 A JP 31509697A JP 31509697 A JP31509697 A JP 31509697A JP 3510774 B2 JP3510774 B2 JP 3510774B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
oil
parts
water
viscosity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31509697A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11148011A (ja
Inventor
晃司 作田
森三 中里
輝喜 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP31509697A priority Critical patent/JP3510774B2/ja
Priority to EP98402752A priority patent/EP0916690B1/en
Priority to DE69803740T priority patent/DE69803740T2/de
Priority to US09/192,581 priority patent/US5973066A/en
Publication of JPH11148011A publication Critical patent/JPH11148011A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3510774B2 publication Critical patent/JP3510774B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Colloid Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水中油型オルガノポ
リシロキサン乳化物及びその製造方法に関するものであ
り、得られる乳化物はリンス、コンディショナー、トリ
ートメント剤などの毛髪用化粧品、艶出し剤、離型剤、
繊維処理剤等に利用出来る。
【0002】
【従来の技術】オルガノポリシロキサン乳化物は毛髪用
化粧品、艶出し剤、離型剤、繊維処理剤などの原料とし
て広く使用されている。特に毛髪用化粧品に使用する場
合は、毛髪への付着性を高めるために、低粘度シリコー
ンよりも高重合度シリコーンの乳化物が用いられる。例
えばこれをシャンプー組成物に配合することが提案され
ており(特開平4-36226 号、同4-224309号参照)、ここ
ではオルガノポリシロキサン乳化物の粒径は2μm未満
が好ましいこと、これを用いると起泡性を損なわないシ
ャンプー組成物が得られることなどが記載されている。
またオルガノポリシロキサン乳化物をマイクロエマルジ
ョンとして添加する方法も提案されている。(特開昭63
-130512 号、特開平5-13994 号、同5-163122号参照)。
【0003】更にこれらの比較的粒径の小さいオルガノ
ポリシロキサン乳化物は毛髪への付着性に劣るので、毛
髪から洗い流され易い。そのため毛髪への付着性を改善
する目的で、粒径が3〜 100μmのオルガノポリシロキ
サン乳化物を使用することも提案されている(特開平7-
188557号参照)。しかしこのオルガノポリシロキサン乳
化物は乳化剤としてアニオン性界面活性剤を用いている
ので、シャンプー用原料には適するが、リンス、コンデ
ィショナー、トリートメント剤等のカチオン性毛髪用化
粧品に配合すると、成分が分離したり沈殿したりするた
め、安定な分散物を得ることが困難である。
【0004】これらの点を改善するために、カチオン性
界面活性剤によるオルガノポリシロキサン乳化物も提案
されている(特願平9-71336 号参照)。上記特願平9-71
336 号ではオルガノポリシロキサンの乳化剤として4級
アンモニウム塩の基を有するカチオン性界面活性剤を使
用している。このカチオン性界面活性剤に含有されるア
ルキル基またはアルケニル基の炭素数が小さいほど活性
が強く、安定性に優れた乳化物を得ることが出来る。し
かしこのアルキル基の炭素数が小さいカチオン性界面活
性剤は抗菌作用を有することが知られており、刺激性も
強いので化粧品用とする場合、眼の粘膜への刺激性を考
慮すると炭素数18以上のアルキル基を有していることが
望ましい。しかし炭素数が16程度のアルキル基を有する
カチオン性界面活性剤を用いたときは安定性の良い乳化
物が得られるが、炭素数18以上のアルキル基を有するカ
チオン性界面活性剤を用いると、得られる乳化物の粒径
が大きくなり過ぎるため、安定性が低下してしまうとい
う問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のことから高重合
度シリコーンを基剤とし、刺激性の低い炭素数のアルキ
ル基またはアルケニル基を有する4級アンモニウム塩型
カチオン性界面活性剤を用いても、保存安定性に優れて
いるオルガノポリシロキサン乳化物が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような従来
技術の欠点、問題点を解決することができる水中油型オ
ルガノポリシロキサン乳化物及びその製造方法に関する
ものであり、これは、(A)(イ)一般式 R1 aSiO
(4-a)/2(ここでR1は炭素数1〜20の非置換または置換
の1種あるいは2種以上の1価炭化水素基、 1.8≦a≦
2.2 である)で示される、25℃における粘度が 100万mm
2/s 以上の高重合度シリコーン10〜90重量%、(ロ)一
般式 R1 aSiO(4-a)/2(ここでR1は炭素数1〜20の非置換
または置換の1種あるいは2種以上の1価炭化水素基、
1.8 ≦a≦2.2 である)で示される、25℃における粘度
が2〜1,000mm2/sであるシリコーンオイル、または沸点
が60〜 260℃の炭化水素溶剤のいずれか1種10〜90重量
%からなり、25℃における粘度が1万mm2/s 以上のオル
ガノポリシロキサン混合物100 重量部、(B)一般式
[R2 4N]+・X-[ここで、4つのR2のうちの少なくとも1
つは炭素数22のアルキル基またはアルケニル基であり、
残余は炭素数1〜5のアルキル基またはベンジル基であ
り、X-はハロゲンイオンである]で示される4級アンモ
ニウム塩のカチオン性界面活性剤1〜20重量部、(C)
多価アルコール1〜20重量部、(D)水10〜300 重量部
からなる水中油型オルガノポリシロキサン乳化物であ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明における(A)の(イ)及び(ロ)のオルガ
ノポリシロキサンの一般式中のR1としてはメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ド
デシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデ
シル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリ
ール基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシク
ロアルキル基;3、3、3−トリフルオロプロピル基、
3、3、4、4、5、5、6、6、6−ノナフルオロヘ
キシル基、3、3、4、4、5、5、6、6、7、7、
8、8、9、9、10、10、10−ヘプタデカフルオ
ロデシル基等のフッ素置換アルキル基;3−アミノプロ
ピル基、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル基
等のアミノ置換アルキル基;エポキシ基、メルカプト
基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、アシロキシア
ルキル基、カルボキシル基、水酸基、エーテル基を含む
炭化水素基から選択されるものが挙げられ、これらの中
ではメチル基及びまたはフェニル基及びまたはアミノ置
換アルキル基が特に好ましく、50モル%以上がメチル基
であるものが最も好ましい。本発明における(A)の
(イ)の高重合度シリコーンは、毛髪への付着性をよく
するために高粘度であることが好ましく、25℃における
粘度が 100万mm2/s 以上であることが好ましい。より好
ましくは粘度が1,000 万mm2/s 以上である。
【0008】本発明における(A)の(ロ)のシリコー
ンオイルは、25℃における粘度が2〜1,000mm2/sである
ことが好ましい。より好ましくは10〜500mm2/sのシリコ
ーンオイルである。2mm2/s 未満であると皮膚への刺激
性が強いため化粧品用には好ましくなく、1,000mm2/sを
超えると(イ)成分の高重合度シリコーンの(ロ)への
溶解性が低下する。(ロ)のシリコーンオイルは直鎖
状、環状の何れでも差し支えない。環状シリコーンの例
としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタ
メチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペン
タシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、
1、3、5−トリ−(3、3、3−トリフルオロプロピ
ル)−1、3、5−トリメチルシクロトリシロキサン、
1、3、5、7−テトラ−(3、3、3−トリフルオロ
プロピル)−1、3、5、7−テトラメチルシクロテト
ラシロキサン、1、3、5、7、9−ペンタ−(3、
3、3−トリフルオロプロピル)−1、3、5、7、9
−ペンタメチルシクロペンタシロキサンが挙げられ、な
かでもオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチ
ルシクロペンタシロキサンが好ましい。
【0009】本発明における炭化水素溶剤は沸点が60〜
260℃であることが好ましい。沸点が60℃未満であると
溶剤臭が強すぎるため化粧品用として好ましくなく、沸
点が260℃を超えると(イ)成分の高重合度シリコーン
の溶解性が低下する。使用可能な具体例としては、アイ
ソパーC、E、G、H、L、M(エクソン社製)、IP
ソルベント1016、1620、2028(出光石油化
学社製)、マルカゾールR(丸善石油化学社製)、日石
アイゾール300、400(日本石油化学社製)、シェ
ルゾール71(シェル化学社製)、ソルトール100、
130、220(フィリップス社製)、イソヘキサデカ
ン(バイエルジャパン社製)などを挙げることができ
る。
【0010】本発明における(A)の(イ)と(ロ)か
らなるオルガノポリシロキサン混合物は、25℃における
粘度が10,000 mm2/s以上であることが好ましい。この粘
度を10,000mm2/s 未満であるように混合すると(イ)の
高重合度シリコーンの比率が低くなってしまい、毛髪へ
の付着性が低下する。(イ)及び(ロ)の両者がジメチ
ルポリシロキサンである場合、これらからなるオルガノ
ポリシロキサン混合物の粘度が100,000mm2/s以上となる
ように(イ)の高重合度シリコーンの比率を高くするこ
とが好ましい。
【0011】本発明における(B)の4級アンモニウム
塩のカチオン性界面活性剤は、4つのR2基のうちの少な
くとも1つは炭素数が22のアルキル基またはアルケニル
基であり、残余はベンジル基または炭素数1〜5のアル
キル基を、X-はハロゲンイオンである。ここでアルキル
トリメチルアンモニウムクロライド(アルキル基の炭素
数が12〜22)を例にとって、アルキル基の炭素数による
安全性に視点を絞って比較すると、C12の場合は殺菌、
消毒剤として使用され、当然刺激性が強く、化粧品添加
用乳化物には使用できない。C16のときはLD50(ラッ
ト)250 〜300mg /kg であるから安全性、刺激性の面で
問題がある。C18のときはLD50(ラット)1,000 mg /
kgであることが知られている。アルキル基の炭素数が22
の時のLD50(ラット)>1,000 mg /kgと推定される。
従って化粧品用としてはC18以上のものが好ましいが、
安全性の点からはC18よりもC22がより好ましい。一方
保存安定性のから面から見ると、C18の場合はポリエー
テル変性シリコーンの添加により保存安定性に優れたオ
ルガノポリシロキサン乳化物が得られるが、C22の場合
はポリエーテル変性シリコーンの添加効果は得られず、
多価アルコールの添加により保存安定性に優れたオルガ
ノポリシロキサン乳化物が得られた。本発明における
(B)の具体例としてはベヘニルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ジベヘニルジメチルアンモニウムクロラ
イド、ベヘニルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ドなどが挙げられ、中でもベヘニルトリメチルアンモニ
ウムクロライドが好ましい。本発明における(B)の含
有量は1〜20重量部であるが、1重量部未満では乳化物
が得られず、20重量部を超えると得られた乳化物を使用
した毛髪用化粧品を毛髪に塗布した後の乾燥皮膜がべた
つき性を帯びるため好ましくない。
【0012】本発明における(C)の多価アルコールは
活性助剤として必須成分であり、この活性助剤を使用せ
ずに、(B)のカチオン性界面活性剤のみで乳化した場
合、活性力が弱過ぎるために良好な乳化物が得られな
い。(C)の多価アルコールの具体例はエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコ
ール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ト
リメチロールプロパン等が挙げられ、中でもグリセリ
ン、1,3−ブチレングリコールが好ましい。本発明の
乳化物における(C)の多価アルコールの添加量は1〜
20重量部である。1重量部未満であると十分な活性が得
られず、目的とする粒径の乳化物を得るのに時間がかか
り過ぎてしまう。20重量部を超えると乳化粒子が破壊さ
れ易くなるため、乳化物が不安定になる。
【0013】本発明においては活性助剤補助成分として
(C)の多価アルコールとともに、一般式R1 bR3 cSiO
(4-b-c)/2[ここでR3は一般式 -(CdH2d)O(C2H4O)e(C3H6
O)fR4で示される。また、b、c、d、e及びfはそれ
ぞれ 1.0≦b≦2.5 、 0.005≦c≦1.2 、dは2〜15の
整数、eは3〜 200の整数、fは0〜 100の整数、R4
水素原子または炭素数1〜20の1価アルキル基またはア
シル基である]で示されるポリエーテル変性シリコーン
を配合してもよい。但し配合量が多いと乳化物の粒径が
20μm を超えるため5重量部以下が好ましい。b が1.0
未満であるとポリオキシアルキレン含有量が高くなりす
ぎるため、オルガノポリシロキサン混合物への分散性が
悪くなり、活性助剤としての作用が低下する。また、
2.5を超えると親水性が乏しくなるため、同様に活性助
剤としての作用が低下する。より好ましくは 1.2〜2.3
である。cは 0.005〜1.2 であるが、0.005 より小さい
と親水性が乏しくなり、また 1.2より大きいとポリオキ
シアルキレン含有量が高すぎるために、活性助剤として
の作用が低下する。より好ましくは、0.01〜1.0 であ
る。dは2〜15であるが、より好ましくは3〜12であ
る。eは3〜200 であるが、より好ましくは5〜100 で
ある。eが3より小さいと十分な親水性が得られない。
また、fは0〜100 であるが、水への溶解性を得るため
にはe/fが1以上であることが好ましい。
【0014】ポリエーテル変性シリコーンの分子量が高
いとオルガノポリシロキサン混合物への分散性が悪くな
り、HLBが低いと水への溶解性が低くなる。またこの
水溶液の表面張力が高いと界面活性力が低下する。その
ため、分子量が3,000 以下であり、HLBが7以上であ
り、 0.1重量%水溶液の表面張力が 30dyne/cm以下であ
ることがより好ましい。構造的には直鎖状、環状、分岐
状の何れであってもよい。
【0015】本発明における(D)の水は10〜300 重量
部であるが10重量部未満であると、得られた乳化物の粘
度が高すぎるため、取扱が面倒になり、300 重量部を超
えると得られた乳化物の安定性に乏しくなる。好ましく
は20〜100 重量部である。
【0016】本発明のオルガノポリシロキサン乳化物の
製造方法は例えば、各成分の重量比(A)/(B)/
(C)/(D)が 100/1〜20/1〜20/0.5 〜20の混
合物を高剪断力下に油中水型から水中油型に転相、乳化
し、さらに(B)の水溶液及びまたは水で希釈すること
によって得られる。この製造方法において(B)が1よ
り小さいと油中水型から水中油型へ転相せず、20より大
きいと、この乳化物を使用した毛髪用化粧品を毛髪に塗
布した後の乾燥皮膜がべたつき性を帯びるために好まし
くない。(C)が1より小さいと油中水型から水中油型
へ転相せず、20より大きいと粒径が20μm を超えてしま
う。また(B)、(C)、(D)は別個に添加してもよ
いし、混合物として添加してもよい。
【0017】本発明における(A)の(イ)のR1がメチ
ル基であり、25℃における粘度が、1,000 万mm2/s 以上
の高重合度シリコーン20〜80重量%と、(ロ)における
R1がメチル基であり、25℃における粘度が20〜500mm2/s
であるシリコーンオイル20〜80重量%からなり、25℃に
おける粘度が100,000 mm2/s 以上であるオルガノポリシ
ロキサン混合物を、(B)のカチオン性界面活性剤で乳
化する場合、各成分の混合割合は(A)/(B)/
(C)/(D)を 100/1〜10/1〜10/0.5 〜20(重
量比)とし、高剪断力下に油中水型から水中油型に転
相、乳化し、さらに(B)の水溶液及びまたは水で希釈
して乳化物を得る。
【0018】また、本発明における(A)の(イ)成分
のR1の90モル%以上がメチル基であり、残余がアミノ基
含有アルキル基であり、かつ25℃における粘度が1,000
万mm2/s 以上の高重合度シリコーン10〜80重量%と、
(ロ)成分におけるR1がメチル基であり、25℃における
粘度が10〜500mm2/sであるシリコーンオイル20〜90重量
%からなり、25℃における粘度が10,000 mm2/s以上であ
るオルガノポリシロキサン混合物を、(B)のカチオン
性界面活性剤で乳化する場合も同じく各成分の混合割合
は(A)/(B)/(C)/(D)を 100/1〜10/1
〜10/0.5 〜20(重量比)とし、高剪断力下に油中水型
から水中油型に転相乳化し、さらに(B)の水溶液及び
または水で希釈して乳化剤を得る。
【0019】本発明のオルガノポリシロキサン乳化物粒
子の粒径は1〜20μmである。1μm未満であるとこれ
を配合した毛髪用化粧品の毛髪への付着性が低下し、20
μmを超えるとこれを配合した毛髪用化粧品の安定性が
低下する。好ましくは2〜15μmである。本発明の乳化
物を得るために使用される装置としては、ウルトラミキ
サー、プラネタリーミキサー、コンビミキサー(以上商
品名)に代表されるような高剪断力が得られる乳化機が
挙げられる。油中水型から水中油型に転相、乳化する際
に、転相後の攪拌時間が短過ぎると、粒径の分散度が広
くなり易く、結果として安定性が不十分となる。転相後
の攪拌時間が長過ぎると、転相物の粒子破壊が起こるた
め水で希釈してもオイルが分離してしまい、均一な水中
油型乳化物が得られない。そのため攪拌時間は20分以
上、3時間以下であることが好ましい。
【0020】本発明の乳化物と類似するものとして、
(A)のオルガノポリシロキサン混合物をポリオキシエ
チレンアルキルエーテルで代表されるノニオン性界面活
性剤と(B)のカチオン性界面活性剤で乳化するか、
(A)のオルガノポリシロキサン混合物をポリオキシエ
チレンアルキルエーテルで代表されるノニオン性界面活
性剤で乳化し、希釈時にカチオン性界面活性剤を添加す
ることによって得られるものがある。しかしこれらの乳
化物を配合して得られる毛髪用化粧品は、本発明の乳化
物を配合して得られる毛髪用化粧品と比較すると毛髪へ
の付着性が不十分である。従って本発明は(B)のカチ
オン性界面活性剤、または(B)とポリエーテル変性シ
リコーンとの組み合わせだけを使用し、これ以外のノニ
オン性界面活性剤、ベタイン性活性剤、アニオン性界面
活性剤を添加することは好ましくない。しかし増粘剤、
防腐剤、香料、染料、顔料等を本発明の目的を損なわな
い範囲内で添加することは任意である。また乳化物が低
温時に増粘あるいはペースト化して流動性が悪化するこ
とを防止する目的で、エタノール、2−プロパノール、
ブタノール等のアルコール類を10重量部以下の量で添加
することも任意である。
【0021】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれによって限定されるものではない。
調製例における粘度は25℃における値であり、表1〜2
の組成の数値は重量部である。
【0022】(調製例1)粘度2,000 万mm2/s の高重合
度ジメチルポリシロキサン40重量部、ジメチルポリシロ
キサン(粘度 20mm2/s)60重量部を均一に溶解し、粘度
80万mm2/s のオルガノポリシロキサン混合物を得た(以
下混合物1とする)。 (調製例2)粘度1,500 万mm2/s の高重合度メチルフェ
ニルポリシロキサン(フェニル基含有量5モル%)50重
量部、ジメチルポリシロキサン(粘度200mm2/s)50重量
部を均一に溶解し、粘度 100万mm2/s のオルガノポリシ
ロキサン混合物を得た(以下混合物2とする)。 (調製例3)粘度3,000 万mm2/s のアミノ基含有高重合
度ジメチルポリシロキサン(アミノ基単位は3−アミノ
プロピル基、アミン当量は70万g/モル)20重量部、ジメ
チルポリシロキサン(粘度 10mm2/s)80重量部を均一に
溶解し、粘度20,000mm2/s のオルガノポリシロキサン混
合物を得た(以下混合物3とする)。 (調製例4)粘度1,000 万mm2/s の高重合度ジメチルポ
リシロキサン20重量部、デカメチルシクロペンタシロキ
サン(粘度4.0mm /s )80重量部を均一に溶解し、粘度
10,000mm2/s のオルガノポリシロキサン混合物を得た
(以下混合物4とする)。
【0023】容器内全体を撹拌できる錨型撹拌機と周縁
に歯形突起が上下方向に向けて交互に設けられている円
板型撹拌機を有する高剪断力負荷装置を備えた内容積5
リットルのステンレス製複合乳化機・TKコンビミック
スM型[特殊機化工業(株)製商品名]に、表1に示し
た配合比で各成分を仕込み、錨型撹拌機を 40rpm、円板
型撹拌機を 1,500rpm で同時に攪拌して転相し乳化物を
得た。次に円板型撹拌機だけを停止し、残部の精製水及
び界面活性剤水溶液を添加し、錨型撹拌機で均一溶解
し、目的の乳化物を得た。なお平均粒径はコールターカ
ウンター・TA(米国コールターエレクトロニクス社製
商品名)で測定した。
【0024】また乳化物の保存安定性は、各乳化物100g
をガラスビンに取り、45℃の恒温槽に1か月間静置保存
した後に外観を観察し、下記の基準により評価した。 ○:油相と水相の分離が認められない △:僅かに分離層を生じた ×:完全に二層に分離した
【0025】(参考例)従来技術についての実証試験 (表1)に示した組成物を乳化した。なお転相時の撹拌
時間を30分とした。
【0026】
【表1】
【0027】表1から、高重合度シリコーンを含有する
オルガノポリシロキサン混合物は、単品のジメチルポリ
シロキサンに比較して乳化物が得られ難い。また高重合
度シリコーンを含有したオルガノポリシロキサン混合物
であっても、カチオン性界面活性剤としてセチルトリメ
チルアンモニウムクロライド(アルキル基として炭素数
16のセチル 基を含有する)を使用すると安定性に優れた乳
化物を得ることができるが、炭素数が小さいため皮膚刺
激性が強い。炭素数が大きいと皮膚刺激性は弱くなる
が、その分乳化力も弱くなるので、例えばこの参考例の
ように乳化剤として単に炭素数22のアルキル基を1個含
有するベヘニルトリメチルアンモニウムクロライドを用
いただけでは所望の粒径及び安定性の良い目的物が得ら
れないことが解る。本発明はこれらの問題点を解決する
ためにこれに加えて(C)の多価アルコールを添加する
ものである。
【0028】(実施例1〜4、比較例1〜4)(表2)
に示した各組成の組成物を前記と同じ乳化機で転相、乳
化して乳化物を得た。なお転相時の攪拌時間は1時間と
し、攪拌終了後の平均粒径を前記方法で測定し表2に示
した。またここで使用したポリエーテル変性シリコーン
の化学式を(化1)に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
【化1】
【0031】実施例1では良好な乳化物が得られるが、
比較例1のように多価アルコールの添加量が少ないと乳
化物が得られなかった。また比較例3のように多価アル
コールの添加量が多過ぎると粒径が20μm を超えるため
安定性の良い乳化物が得られなかった。実施例2は多価
アルコールとポリエーテル変性シリコーンの両方を添加
しているが、この場合は目的とする乳化物が得られた。
しかし比較例2のように多価アルコールを使用せず、ポ
リエーテル変性シリコーンだけを使用しても目的とする
乳化物が得られなかった。以上から本発明においては多
価アルコールは必須成分であり、その添加量には最適範
囲が存在することがわかる。また比較例4のように転相
時及び希釈時の水の量が多過ぎると安定な乳化物が得ら
れなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明の水中油型オルガノポリシロキサ
ン乳化物は、使用する界面活性剤に起因する刺激性が小
さく、粒径の大きな乳化物でありながら安定性に優れ、
リンス、コンディショナー、トリートメント剤等の毛髪
用化粧品に配合すると分離したり、沈殿が発生したりせ
ず、安定な分散物とすることができ、毛髪保護力に優れ
た毛髪用化粧品を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5/053 C08K 5/053 5/19 5/19 (72)発明者 池田 輝喜 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平6−234918(JP,A) 特開 平9−316331(JP,A) 特開 平7−285836(JP,A) 特開 平9−278626(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/00 - 83/16 C08K 3/00 - 13/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(イ)一般式 R1 aSiO(4-a)/2(こ
    こでR1は炭素数1〜20の非置換または置換の1種あるい
    は2種以上の1価炭化水素基、 1.8≦a≦2.2 である)
    で示される、25℃における粘度が 100万mm2/s 以上の高
    重合度シリコーン10〜90重量%、(ロ)一般式 R1 aSiO
    (4-a)/2(ここでR1は炭素数1〜20の非置換または置換
    の1種あるいは2種以上の1価炭化水素基、1.8 ≦a≦
    2.2 である)で示される、25℃における粘度が2〜1,00
    0mm2/sであるシリコーンオイル、または沸点が60〜 260
    ℃の炭化水素溶剤のいずれか1種10〜90重量%からな
    り、25℃における粘度が10,000mm2/s 以上のオルガノポ
    リシロキサン混合物100 重量部、(B)一般式[R2 4N]
    +・X-[ここで、4つのR2のうちの少なくとも1つは炭素
    数22のアルキル基またはアルケニル基であり、残余は炭
    素数1〜5のアルキル基またはベンジル基であり、X-
    ハロゲンイオンである]で示される4級アンモニウム塩
    のカチオン性界面活性剤1〜20重量部、(C)多価アル
    コール1〜20重量部、(D)水10〜300 重量部からなる
    水中油型オルガノポリシロキサン乳化物。
  2. 【請求項2】 (A)における(イ)のR1がメチル基で
    あり、25℃における粘度が1,000 万mm2/s 以上の高重合
    度シリコーン20〜80重量%、(ロ)におけるR1がメチル
    基であり、25℃における粘度が2〜500mm2/sであるシリ
    コーンオイル20〜80重量%からなり、25℃における粘度
    が100,000mm2 /s 以上であるオルガノポリシロキサン混
    合物100 重量部、(B)4級アンモニウム塩のカチオン
    性界面活性剤1〜 10 重量部(C)多価アルコール1〜
    10重量部、(D)水10〜300 重量部からなり、平均粒子
    径1〜20μmを有することを特徴とする請求項1記載の
    水中油型オルガノポリシロキサン乳化物。
  3. 【請求項3】 (A)における(イ)のR1の90モル%以
    上がメチル基であり、残余がアミノ基含有アルキル基で
    あり、かつ25℃における粘度が1,000 万mm2/s 以上の高
    重合度シリコーン10〜80重量%、(ロ)におけるR1がメ
    チル基であり、25℃における粘度が2〜 500mm2/s であ
    るシリコーンオイル20〜90重量%からなり、25℃におけ
    る粘度が1万mm2/s 以上であるオルガノポリシロキサン
    混合物100 重量部、(B)4級アンモニウム塩のカチオ
    ン性界面活性剤1〜10 重量部、(C)多価アルコール
    1〜10 重量部、(D)水10〜300 重量部からなり、平
    均粒子径1〜20μmを有することを特徴とする請求項1
    記載の水中油型オルガノポリシロキサン乳化物。
  4. 【請求項4】 (A)/(B)/(C)/(D)の重量
    比が 100/1〜20/1〜20/0.5 〜20の混合物を高剪断
    力下に油中水型から水中油型に転相、乳化し、さらに
    (B)の水溶液及びまたは水で希釈することを特徴とす
    る請求項1記載の水中油型オルガノポリシロキサン乳化
    物の製造方法。
  5. 【請求項5】 (A)/(B)/(C)/(D)の重量
    比が 100/1〜10/1〜10/0.5 〜20の混合物を高剪断
    力下に油中水型から水中油型に転相、乳化し、さらに
    (B)の水溶液及びまたは水で希釈することを特徴とす
    る請求項1記載の水中油型オルガノポリシロキサン乳化
    物の製造方法。
JP31509697A 1997-11-17 1997-11-17 水中油型オルガノポリシロキサン乳化物及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3510774B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31509697A JP3510774B2 (ja) 1997-11-17 1997-11-17 水中油型オルガノポリシロキサン乳化物及びその製造方法
EP98402752A EP0916690B1 (en) 1997-11-17 1998-11-05 Oil-in-water aqueous organopolysiloxane emulsion and method for the preparation thereof
DE69803740T DE69803740T2 (de) 1997-11-17 1998-11-05 Wasser-in-Öl Polysiloxanemulsion und Verfahren zu ihrer Herstellung
US09/192,581 US5973066A (en) 1997-11-17 1998-11-17 Oil-in-water aqueous organopolysiloxane emulsion and method for the preparation thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31509697A JP3510774B2 (ja) 1997-11-17 1997-11-17 水中油型オルガノポリシロキサン乳化物及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11148011A JPH11148011A (ja) 1999-06-02
JP3510774B2 true JP3510774B2 (ja) 2004-03-29

Family

ID=18061373

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31509697A Expired - Fee Related JP3510774B2 (ja) 1997-11-17 1997-11-17 水中油型オルガノポリシロキサン乳化物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3510774B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5969038A (en) * 1998-03-20 1999-10-19 Dow Corning Corporation Salt stable cationic silicone oil-in-water microemulsion
JP5551341B2 (ja) 2008-03-19 2014-07-16 東レ・ダウコーニング株式会社 水中油型オルガノポリシロキサンエマルジョン組成物、それからなる化粧料原料およびそれを用いた頭髪化粧料の製造方法
JP5583906B2 (ja) 2008-12-22 2014-09-03 東レ・ダウコーニング株式会社 部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサン、その製造方法、及び、当該ポリシロキサンを含む化粧料
JP2010144157A (ja) 2008-12-22 2010-07-01 Dow Corning Toray Co Ltd 乳化物、その製造方法および該乳化物からなる化粧料原料
JP5430142B2 (ja) 2008-12-22 2014-02-26 東レ・ダウコーニング株式会社 乳化物の製造方法
JP5585509B2 (ja) * 2011-03-28 2014-09-10 信越化学工業株式会社 オルガノポリシロキサンエマルションの製造方法
US10959937B2 (en) 2015-10-05 2021-03-30 Dow Toray Co., Ltd. Oil-in-water type organopolysiloxane emulsion and method for producing same, cosmetic raw material, and cosmetic product

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11148011A (ja) 1999-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6238656B1 (en) Cosmetic raw materials, cosmetic products, and methods of manufacturing cosmetic products
JP4299145B2 (ja) 水中シリコーン油型エマルション、塩、アルコール、および溶媒を含有する組成物
EP1010717B1 (en) Oil-in-water emulsion of organopolysiloxane and method for the preparation thereof
JPH11193331A (ja) 溶剤の粘度を調整する方法
JP5723986B2 (ja) アミノ官能性シリコーンのエマルション
EP0916690B1 (en) Oil-in-water aqueous organopolysiloxane emulsion and method for the preparation thereof
JP5697150B2 (ja) シリコーンエマルジョン
JP4141003B2 (ja) 高分子量ポリオルガノシロキサンエマルジョンおよびそれを含有する化粧料
JPH1171522A (ja) ポリオルガノシロキサンエマルジョンおよびそれを用いる化粧料
JP3510774B2 (ja) 水中油型オルガノポリシロキサン乳化物及びその製造方法
JP4425396B2 (ja) 水中油型オルガノポリシロキサン乳化物及びその製造方法
JP3539851B2 (ja) 水中油型オルガノポリシロキサン乳化物及びその製造方法
WO2002085316A1 (fr) Composition de preparation cosmetique capillaire
JP3948666B2 (ja) 水中油型オルガノポリシロキサン乳化物及びそれを用いた毛髪化粧料
JP4694005B2 (ja) 架橋シリコーン粒子の水系分散液
JP3698853B2 (ja) 水中油型オルガノポリシロキサン乳化物及びその製造方法
JP4800035B2 (ja) 毛髪化粧料組成物
JP2000351900A (ja) オルガノポリシロキサン乳化物及びその製造方法
JPH0925412A (ja) 乳化組成物
JP4190176B2 (ja) 有機ケイ素重合体エマルジョンおよびその製造方法
JP3499077B2 (ja) シリコーン樹脂エマルジョン組成物
JP2003012930A (ja) ポリオルガノシロキサンエマルジョン組成物および化粧料原料
JP3495109B2 (ja) アミノ基含有オルガノポリシロキサンマイクロエマルジョンおよびその製造方法
JP2001089316A (ja) 化粧品原料
JPWO2002072703A1 (ja) ポリオルガノシロキサンエマルジョン、その製造方法および化粧料原料

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031226

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140109

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees