JP3504201B2 - ロータリーカッタの制御装置 - Google Patents

ロータリーカッタの制御装置

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JP3504201B2
JP3504201B2 JP34407499A JP34407499A JP3504201B2 JP 3504201 B2 JP3504201 B2 JP 3504201B2 JP 34407499 A JP34407499 A JP 34407499A JP 34407499 A JP34407499 A JP 34407499A JP 3504201 B2 JP3504201 B2 JP 3504201B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、連続的に高速で
送られる鋼板,アルミニウム板,紙,段ボール等の材料
を、数値制御により回転する刃物が材料に追従しながら
切断し、切断と切断との間は、数値制御により刃物の回
転を変速させて切断長を設定長に一致させるロータリー
カッタの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続的に高速で送られる鋼板,アルミニ
ウム板,紙,段ボール等の材料を切断する従来のロータ
リーカッタの制御装置のブロック図を図15に、従来の
速度指令特性線図を図9に示す。
【0003】図15に示すように、軸方向周面に刃を有
する一対のロータリーカッタ2があり、このロータリー
カッタ2の主軸3には減速ギヤー4が取りつけられ、ロ
ータリーカッタ2を駆動するための電動機5が結合され
ている。この電動機5には、電動機の回転速度と電動機
回転角、即ち、ロータリーカッタ2の主軸3の回転角を
検出するためのパルスジェネレータ(PG)6が備えら
れている。
【0004】一方、走行する材料1の移動量を検出する
ための測長ホイール8が備えられ、この測長ホイール8
の軸には、移動量を検出するためのパルスジェネレータ
(PG)9が備えられている。さらに、ロータリーカッ
タ2により走行する材料1を切断する毎に、切断完了位
置を検出する切断完了位置センサ70が備えられてい
る。このロータリーカッタ2の数値制御装置30は、特
公昭61−33679号公報に開示されているように、
大きく分けて定尺切断回路部40と、停止制御回路部6
0と、比較部53とにより構成されている。
【0005】定尺切断回路部40は、材料1を設定され
た所定の長さに正確に切断するための回路であり、切断
寸法設定部41,第1演算部42,切断完了センサ4
3,タイミング信号発生部44,周長設定部45,材料
走行距離検出回路46,モータ回転数検出回路47,第
2演算部48,D/A変換器49,関数発生器50,F
/V変換器51,演算増幅器52で構成される。
【0006】この定尺切断回路部では、ロータリーカッ
タ2により走行する材料1を切断する毎に、切断完了位
置センサ70により切断完了位置を検出し、切断完了位
置信号を発生する毎に、切断長L0 とロータリーカッタ
2の周長B0 との差L=L0 −B0 に相当するパルス数
を定尺切断回路部40の演算部48に読込む。
【0007】材料1の走行に伴いパルスジェネレータ9
より発生するパルス数Φa (即ち、材料の移動量)と、
ロータリーカッタ2の回転に伴いパルスジェネレータ6
より発生するΦb (ロータリーカッタ2の回転量)との
差Φa −Φb 、即ち、R=L0 −B0 −(Φa −Φb
を計算しながら、差Rに相当する補償電圧Vc =f
(R)と、パルスジェネレータ(PG)9の出力を周波
数−電圧(F/V)変換して得られる電圧、即ち、材料
1の移動量を表す電圧Va との差V0 =Va −Vc を、
0 >0の時だけ、電動機5の駆動制御回路7に速度指
令として与える。
【0008】停止制御回路部60は、停止距離設定部6
1,可逆カウンタ62,D/A変換器63,関数発生器
64,比較部65により構成される。
【0009】このような停止制御回路部では、ロータリ
ーカッタ2の刃が切断完了位置センサ70を通過し、切
断完了信号が発生する度に、可逆カウンタ62は、あら
かじめ設定されたロータリーカッタ2の刃の停止距離に
相当するパルス数Φs を読込むとともに、ロータリーカ
ッタ2の回転量を表すパルス数Φb を減算し、D/A変
換器64は、これに比例した直流電圧Vb に変換する。
【0010】比較部53は、停止制御回路部60の比較
部65の出力電圧V1 と、定尺切断回路40の演算増幅
器52の出力する速度指令電圧V0 とを比較し、いずれ
か高い方を、最終指令電圧V2 として、駆動制御回路7
に与える。
【0011】以上のような数値制御装置30では、材料
1の速度電圧Va に対して補償電圧Vc を減算して、差
Rに従い材料1の速度に対して補償すると共に、切断時
には差Rが零となってVc =0、即ち、Vc =Va とし
てロータリーカッタ2の速度を材料1の速度に同期さ
せ、且つ、この間に、Φa ,Φb の何れか一方が他方に
対して進みあるいは遅れると、その差を零にするように
電動機を加減速制御をするデジタルサーボ制御を行うこ
とによって、材料1を所定の長さに正確に定尺切断する
ことができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のロ
ータリーカッタ制御装置には、次のような問題がある。
すなわち、図9に示すように、加減速レートの速度指令
(折線曲線)VR に対する電動機の速度応答VB は、制
御応答の遅れのために、遅れる。この遅れの時間をtS
で示す。したがって、カッタの速度が材料速度に同調す
る際に、tS 分遅れることになる。このような制御応答
の遅れがあると切断長に誤差を生じるという問題があ
る。以下、この明細書では、前記遅れ時間tS を、整定
時間と言うものとする。
【0013】また、従来のロータリーカッタ制御装置で
は、加速および減速は直線的に行われ、加速時の加速レ
ート、および減速時の減速レートは、D/A変換器のゲ
インによって決定されるため、固定値となる。
【0014】加減速レートが固定値であると、切断長、
材料の走行速度に関係なく加減速レートが一定のため、
効率的な切断ができない問題があった。
【0015】さらに、加速および減速が直線的である
と、減速から加速に移行するような場合には、衝撃的な
力が発生し、ギヤーの騒音,摩耗,破損等の障害を生じ
る。
【0016】本発明者は、このような問題を解決するた
めに、定速領域間の変速領域での速度指令を折線曲線で
はなく、正弦曲線,2次曲線などの特性になるようにす
る制御装置を考案した。以降、本明細書では、変速領域
での速度指令を表す曲線を変速曲線と言うものとする。
【0017】変速曲線が折線曲線、あるいは上記のよう
な正弦曲線,2次曲線等であろうと、制御応答の遅れは
共通の問題である。
【0018】本発明の目的は、上述のような問題を解決
するためになされたもので、カッタ速度指令を整定時間
相当早く生成して与え、電動機の速度応答を理想的な応
答に一致させ、また、各々の変速曲線の特徴に応じた効
率的な切断ができるロータリーカッタの制御装置を提供
することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、走行する材料
に追従して、材料を切断するロータリーカッタを減速,
加速,定速駆動する電動機を制御する際に、制御応答の
遅れにより、前記電動機の応答速度が速度指令に対して
遅れるロータリーカッタ制御装置において、前記速度指
令に対する前記電動機の応答速度の遅れ分である整定時
間を補償するために、前記整定時間に相当する時間だけ
早く速度指令を生成し、この速度指令による電動機の応
答速度に前記整定時間の遅れがないようにすることを特
徴とする。
【0020】本発明は、さらに、走行する材料の移動速
度を検出して、前記移動速度を時間積分して材料の移動
距離を求め、前記検出された移動速度から前記整定時間
を補償する整定時間補償値を生成し、前記材料の移動距
離と前記整定時間補償値とを加算し、この加算した値
と、前記走行する材料を切断するために必要な諸条件で
ある材料切断長,ロータリーカッタ切断領域の周長,お
よびロータリーカッタ周長の値とから、位置指令を演算
し、この演算した位置指令を時間微分して前記速度指令
を生成することを特徴とする。
【0021】本発明は、さらに、前記速度指令が、定速
間の変速領域において、減速から加速に移行させる速度
指令である場合に、前記速度指令は、ロータリーカッタ
を減速から加速に移すときに、徐々に減速させた後、徐
々に加速する速度指令であることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のロータリーカッ
タの制御装置の構成を示すブロック図である。図1に示
すように、軸方向周面に刃を有する一対のロータリーカ
ッタ2があり、このカッタ2を駆動するための電動機5
がギヤー4によりカッタの主軸3に結合されている。こ
の電動機5には、電動機の回転角、即ち、カッタ2の回
転角を検出するためのパルスジェネレータ(PG)6が
備えられている。
【0023】一方、走行する材料1の速度を検出するた
めの測長ロール8が備えられ、この測長ロール8の軸に
は、パルスジェネレータ(PG)9が備えられている。
【0024】測長ロール8は、走行する材料1の速度を
検出するために、走行する材料1の両面を上下2本の測
長ロール8で加圧接触、即ち、ニップし、材料の走行に
したがって生ずる測長ロール8の回転により、パルスジ
ェネレータ9から単位回転毎にパルスを発生させ、その
パルスを計数することにより、連続走行する材料の速度
L を検出している。
【0025】次に、数値制御装置80について説明す
る。この数値制御装置80は、整定時間補償器10、積
分器11、位置指令発生器12、微分器13、積分器1
4、位置制御器15、速度制御器16、微分器18,1
9、乗算器17,20、機械定数乗算器21、加算器3
1〜37によって構成されている。
【0026】材料1の走行に伴いパルスジェネレータ9
より発生する材料速度VL を、数値制御装置80の整定
時間補償器10(後に詳細に説明する)および積分器1
1に同時に入力する。整定時間補償器10に入力された
L は、電動機の応答速度の遅れ分(tS )に相当する
整定時間補償信号を出力し、積分器11の出力と共に加
算器31により加算し、加算した値は、材料移動距離x
として位置指令発生器12に入力される。この位置指令
発生器12は、材料移動距離xの関数として位置指令f
(x)を与える。微分器13は、位置指令f(x)を時
間微分することにより、カッタ速度指令df(x)/d
tを出力する。
【0027】一方、ロータリーカッタ2の回転に伴いパ
ルスジェネレータ6より発生するパルスからロータリー
カッタ2の移動速度VB が得られる。
【0028】加算器32により、速度指令df(x)/
dfと、材料速度VL と、カッタ速度VB とが加算さ
れ、積分器14に入力され、位置偏差eとして出力す
る。この位置偏差eは、
【0029】
【数1】
【0030】で与えられる。この位置偏差eは、位置制
御器15に入力され補償速度Vc として出力される。
【0031】一方、乗算器17で、カッタ速度指令df
(x)/dtにフィードフォワード定数αとを乗算する
ことにより、速度指令フィードフォワード信号として、
加算器36で材料速度VL を共に加算する。さらに、加
算器33で補償速度VC と加算され、加算器34でさら
に、カッタ速度VB と加算されて、速度偏差ΔVが求め
られる。速度偏差ΔVは、
【0032】
【数2】
【0033】で与えられる。
【0034】この速度偏差ΔVは、速度制御器16に入
力され補正トルク指令τA として出力される。
【0035】一方、材料速度VL を微分器18で時間微
分して材料加速度dVL /dtを得る。また、カッタ速
度指令df(x)/dtを微分器19で時間微分してカ
ッタ加速度指令d2 f(x)/dt2 を得る。このカッ
タ加速度指令d2 f(x)/dt2 にフィードフォワー
ドβ定数を乗算器20で乗算することにより加速度指令
フィードフォワード信号とする。この加速度指令フィー
ドフォワード信号と、材料加速度dVL /dtとを加算
器37で加算し、機械定数乗算器21に入力し、機械定
数Jを乗算して基準トルク指令τB として出力する。
【0036】このように基準トルク指令τB は、機械定
数(J)を乗算することにより求めているが、これは変
化する速度指令に対して、その変化率である加速度を機
械イナーシャを乗じて電動機トルク指令としてフィード
フォーワード補償することにより、イナーシャ負荷であ
るカッタの変化する速度指令に対する追従性を向上させ
るためである。
【0037】この基準トルク指令τB と補正トルク指令
τA とが加算器35により加算され、電動機トルク指令
τR
【0038】
【数3】
【0039】となって、駆動制御回路7を通して電動機
5に指令を与える。
【0040】ここで、整定時間を補償した変速曲線のう
ち、図7に示す折線曲線について説明する。図におい
て、VL はロータリーカッタの定速領域での速度を示
す。定速領域では、ロータリーカッタの速度は、材料速
度に同期する。時刻Tは、ロータリーカッタが定速にな
る時刻を示す。
【0041】一般的には、ロータリーカッタは、機械の
構成上、機械損失が少なく電動機にとってはイナーシャ
負荷となっている。また、図1に示す駆動制御回路7
は、高速の電流ループを有した制御回路を使用している
ため、トルク応答は速度制御応答に比べ十分速いので、
速度制御器16により得られる速度応答は1次遅れ応答
となり、電動機を含めた機械定数をJ、速度制御ループ
ゲインをKV 、時定数Tm =J/KV とするとカッタ速
度VB は、
【0042】
【数4】
【0043】となる。
【0044】通常、図1に示した速度指令フィードフォ
ワードゲインαを1、および加速度指令フィードフォワ
ードゲインβを1とすることは過補償となり、図7に示
すカッタ速度VB は、折線コーナの部分でオーバシュー
ト(図示しない)を生じて精度不良を招くため、α<1
およびβ<1とせざるを得ない。この場合は、オーバー
シュートを抑制することが可能である反面、応答遅れが
生じることになるが、本発明では整定時間を補償してい
るので、応答遅れを生じない。
【0045】遅れのない応答について、図1の制御装置
に基づいて説明をする。カッタ速度指令df(x)/d
tに対して、カッタ速度VB は、
【0046】
【数5】
【0047】となる。KP =α(1−α)/Tm であ
る。
【0048】ここで、補償器10による整定時間補償を
【0049】
【数6】
【0050】とすると(但し、tS =(1−α)/K
P )、カッタ速度指令は、
【0051】
【数7】
【0052】となり、df(x)/dt=df(x)/
dx・dx/dtと表せるので、
【0053】
【数8】
【0054】となり、遅れのない応答が得られることに
なる。ここで、β=0とすると、
【0055】
【数9】
【0056】となる。
【0057】整定時間補償器10がない場合は、df
(x)/dt=VL であるため、
【0058】
【数10】
【0059】となり、カッタ速度VB が速度指令df
(x)/dx・VL に対し整定時間tS 遅れた応答にな
る。このため、整定時間補償器10は、遅れ伝達特性の
逆特性を与えることになるが、この実施例では、tS
L が材料移動距離にフィードフォワード補償されてd
x/dt=(1+tS S)VL となり、図8の速度指令
(1+tS S)・df(x)/dx・VL が与えられ、
カッタ速度VB は、
【0060】
【数11】
【0061】となり、図8に示すような遅れのない応答
が得られる。なお、図7および図8において、(1)〜
(5)は、同じタイミングを示している。
【0062】次に、本発明の整定時間補償を適用できる
変速曲線の他の例について説明する。ロータリーカッタ
2が直線状に減速して速度が零になると直ちに直線状に
加速を始める折線曲線について説明する。
【0063】この折線曲線を求めると、カッタ速度指令
df(x)/dtは、0≦t/T≦1/2の時、−(2
/T)VL tとなり、1/2≦t/T≦1の時、VL
{1−(2/T)(t−(T/2))}となる。ここ
で、VL T=2(L0 −B0 )であるから、位置指令f
(x)は、
【0064】
【数12】
【0065】となる。これにt=X/VL 、T=(L0
−Bw )/VL を代入すると、位置指令f(x)は、
【0066】
【数13】
【0067】となる。但し、Bw は、図6に示すカッタ
の切断領域の周長を示す。
【0068】上式において切断長L0 と切断領域の周長
w との差分L0 −Bw は、材料移動距離xに対するカ
ッタの変速領域を示し、あらかじめ切断長L0 に応じて
演算されている。また、切断長L0 とカッタ周長B0
の差分L0 −B0 も、材料移動の見送り量として切断長
0 に応じて演算して与えられる。
【0069】位置指令発生器12は、材料移動距離xに
応じて上式(数13)に基づいて実時間で高速で位置指
令f(x)を演算し出力する。この位置指令f(x)を
微分器13で微分すれば、前述した折線曲線の速度指令
が得られる。
【0070】このような速度指令では、減速から加速に
移るときに、衝撃が生じる。そこで、以下の例では、こ
のような衝撃の生じない変速曲線の例を説明する。
【0071】まず、正弦曲線の速度指令VR について説
明する。このような速度指令は、次式で与えられる。
【0072】
【数14】
【0073】従って、カッタ速度指令df(x)/dt
は、変速領域の速度指令として次式によって与えられ
る。
【0074】
【数15】
【0075】ここで、VL T=2(L0 −B0 )である
から、位置指令f(x)は、
【0076】
【数16】
【0077】となる。この式にt=X/VL 、T=(L
0 −Bw )/VL を代入すると位置指令f(x)は、
【0078】
【数17】
【0079】となる。但し、Bw は、図6に示すカッタ
の切断領域の周長を示す。
【0080】上式において切断長L0 と切断領域の周長
w との差分L0 −Bw は、材料移動距離xに対するカ
ッタの変速領域を示し、あらかじめ切断長L0 に応じて
演算されている。また、切断長L0 とカッタ周長B0
の差分L0 −B0 も、材料移動の見送り量として切断長
0 に応じて演算して与えられる。
【0081】位置指令発生器12は、材料移動距離xに
応じて上式(数17)に基づいて実時間で位置指令f
(x)を演算し出力する。この位置指令f(x)を微分
器13で微分すれば、前述した正弦曲線の速度指令が得
られる。
【0082】以上の速度指令の加速度は、
【0083】
【数18】
【0084】で表され、ピークの加速度は、
【0085】
【数19】
【0086】で表され、加速度の実効値(RMS)は、
【0087】
【数20】
【0088】で表され、半周期の加速度平均値は、
【0089】
【数21】
【0090】で表される。
【0091】比較のために、前述した減速から加速に移
行する折線曲線について検討する。折線曲線の場合の加
速度d2 f(x)/dt2 は、
【0092】
【数22】
【0093】で表され、加速度の実効値(RMS)は、
【0094】
【数23】
【0095】で表され、半周期の加速度平均値は、
【0096】
【数24】
【0097】で表される。
【0098】以上により、最大加速度変化率は、正弦曲
線の場合、0から(−π2 /4)(VL /T)、(π2
/4)(VL /T)から0であり、従って、(π2
4)(VL /T)となる。
【0099】また、折線曲線の場合、最大加速度変化率
は、(−2/T)VL から(2/T)VL であり、従っ
て、(4/T)VL となる。
【0100】従って、折線曲線の場合は、電動機が減速
から加速に転ずる時に発生する衝撃的な力は大きな加速
度変化比に依存するが、正弦曲線の場合は、加速度変化
比が小さく、更に、電動機が減速から加速に転ずる時に
発生する衝撃的な力はほぼ零となる。
【0101】図9で説明したように、いずれの変速曲線
も、ロータリーカッタの速度指令VR に対して、電動機
の応答速度(カッタ速度VB )の遅れ分(tS )が生じ
るため、整定時間(tS )分補償する必要がある。
【0102】従って、整定時間tS を位置指令発生器1
2の入力変数である材料移動距離に換算して補正するこ
とにより、カッタ速度指令VR を整定時間相当早く生成
して与えて、応答速度(カッタ速度VB )を理想的な応
答(tS =0)に一致させることができる。
【0103】以上のような折線曲線および正弦曲線の速
度指令について、本発明により整定時間補償を行って、
整定時間tS だけ早く生成した速度指令VR を図2およ
び図3に示す。また、正弦曲線の速度指令df(x)/
dfを図4に示す。速度応答VB に応答遅れがないこと
がわかる。図5は、整定時間補償された位置指令f
(x)を示す。
【0104】変速曲線の他の例としては、3次曲線、5
次曲線、サイクロイド曲線、変形台形曲線、変形正弦曲
線がある。
【0105】3次曲線における整定時間補償を行った速
度指令VR を図10に、5次曲線における整定時間補償
を行った速度指令VR を図11に、サイクロイド曲線に
おける整定時間補償を行った速度指令VR を図12に、
変形台形曲線における整定時間補償を行った速度指令V
R を図13に、変形正弦曲線における整定時間補償を行
った速度指令VR を図14に各々示す。
【0106】以上のように整定時間補償を行って、応答
速度(カッタ速度VB )を理想的な応答(tS =0)に
一致させ、加速度の実効値を低減させることができる。
【0107】例えば、変速曲線である各曲線に整定時間
補償を実施した場合の加速度の実効値を求めると、折線
曲線は(L0 −B0 )π2 /2(2)1/22 、3次曲
線は(L0 −B0 )2(3)1/2 /T2 、5次曲線は
(L0 −B0 )(120/7)1/2 /T2 を、サイクロ
イド曲線は(L0 −B0 )(2)1/2 π/T2 、変形台
形曲線は(L0 −B0 )4(3)1/2 π2 /{(π+
2)T2 }を、変形正弦曲線(L0 −B0 )2(2)
1/2 π2 /{(π+4)T2 }となる。
【0108】この求めた整定時間補償した各曲線の加速
度の実効値を各々1とし、整定時間を補償しない場合と
の比較を表1に示す。
【0109】
【表1】
【0110】表1に示すように、走行する材料を切断す
るための整定時間を補償した変速曲線を有する最適な加
減速レートにより電動機を制御し、ロータリーカッタの
加減速の加速度(トルク)の実効値を低減させることに
より、切断精度を落とすことなく整定時間領域を不要に
し、かつ不必要な急加減速をなくし加速度(トルク)の
実効値を低減させて生産性の向上を図ることができる。
【0111】
【発明の効果】本発明によれば、加減速レートの整定時
間を位置指令発生器の入力変数である材料の移動量に換
算して整定時間分を補償することにより、カッタ速度指
令を整定時間相当早く生成して与え、電動機の速度応答
を理想的な応答に一致させ、また、折線状の速度指令に
限定されることのない任意の速度指令を容易に生成でき
るので、各々の変速曲線の特徴に応じた効率的な切断が
できるロータリーカッタの制御装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロータリーカッタの制御構成を示すブ
ロック図である。
【図2】折線曲線の速度指令特性を示す図である。
【図3】正弦曲線の速度指令特性を示す図である。
【図4】正弦曲線の速度指令特性を示す図である。
【図5】正弦曲線の位置特性を示す図である。
【図6】カッタの移動と材料との関係を示す図である。
【図7】折線曲線における整定時間補償を含む速度指令
特性を示す図である。
【図8】折線曲線における整定時間補償を含む速度指令
特性を示す図である。
【図9】従来における折線曲線の整定時間との慣例を示
す図である。
【図10】3次曲線における整定時間補償との関連を示
す図である。
【図11】5次曲線における整定時間補償との関連を示
す図である。
【図12】サイクロイド曲線における整定時間補償との
関連を示す図である。
【図13】変形台形曲線における整定時間補償との関連
を示す図である。
【図14】変形正弦曲線における整定時間補償との関連
を示す図である。
【図15】従来のロータリーカッタの制御ブロックを示
す図である。
【符号の説明】
1 材料 2 ロータリーカッタ 3 主軸 4 減速ギヤー 5 電動機 6 パルスジェネレータ 7 駆動制御回路 8 測長ロール 9 パルスジェネレータ 10 整定時間補償器 11 積分器 12 位置指令発生器 13 微分器 14 積分器 15 位置制御器 16 速度制御器 17 速度指令フィードフォワード器(α) 18,19 微分器 20 加速度指令フィードフォワード器(β) 21 機械定数乗算器(J) 30 数値制御装置 31〜36 加算器 40 定尺切断回路部 41 切断寸法設定部 42 第1演算部 43 切断完了センサ 44 タイミング信号発生部 45 周長設定部 46 材料走行距離検出回路 47 モータ回転数検出回路 48 第2演算部 49,63 D/A変換器 50,64 関数発生器 51 F/V変換器 52 演算増幅器 53 切換回路 60 停止制御回路部 61 停止距離設定部 62 可逆カウンタ 65 比較部 70 切断完了センサ 80 数値制御装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行する材料に追従して、材料を切断する
    ロータリーカッタを減速,加速,定速駆動する電動機を
    制御する際に、制御応答の遅れにより、前記電動機の応
    答速度が速度指令に対して整定時間だけ遅れる制御装置
    において、 走行する材料の移動速度を検出する第1のパルスジェネ
    レータと、 ロータリカッタの移動速度を検出する第2のパルスジェ
    ネレータと、 前記検出した材料の移動速度を時間積分して材料の移動
    距離を生成する第1の積分器と、 前記検出した材料の移動速度から前記整定時間を補償す
    る整定時間補償値を生成する整定時間補償器と、 前記生成した材料の移動距離と前記生成した整定時間補
    償値とを加算する第1の加算器と、 前記第1の加算器の出力と、前記走行する材料を切断す
    るために必要な諸条件である材料切断長,ロータリーカ
    ッタ切断領域の周長,およびロータリーカッタ周長の値
    とから、位置指令を演算する位置指令発生器と、 前記演算した位置指令を時間微分して前記速度指令を生
    成する第1の微分器と、 前記検出した材料の移動速度と前記生成した速度指令と
    を加算し、前記検出したロータリカッタの移動速度を減
    算する第2の加算器と、 前記第2の加算器の出力を積分して位置偏差を生成する
    第2の積分器と、 前記生成した位置偏差から補償速度を生成する位置制御
    器と、 前記生成した速度指令にフィードフォワード定数を乗算
    して速度指令フィードフォワード信号を生成する第1の
    乗算器と、 前記生成した速度指令フィードフォワード信号と、前記
    検出した材料の移動速度とを加算する第3の加算器と、 前記第3の加算器の出力と、前記生成した補償速度とを
    加算する第4の加算器と、 前記第4の加算器の出力から、前記検出したロータリカ
    ッタの移動速度を減算して、速度偏差を生成する第5の
    加算器と、 前記生成した速度偏差から補正トルク指令を生成する速
    度制御器と、 前記検出した材料の移動速度を時間微分して材料加速度
    を生成する第2の微分器と、 前記生成した速度指令を時間微分してロータリカッタ加
    速度指令を生成する第3の微分器と、 前記生成したロータリカッタ加速度指令にフィードフォ
    ワード定数を乗算して加速度指令フィードフォワード信
    号を生成する第2の乗算器と、 前記生成した材料加速度と、前記生成した加速度指令フ
    ィードフォワード信号とを加算する第6の加算器と、 前記第6の加算器の出力に機械定数を乗算して基準トル
    ク指令を生成する機械定数乗算器と、 前記生成した補正トルク指令と、前記生成した基準トル
    ク指令とを加算し、電動機トルク指令を生成する第7の
    加算器と、 前記生成した電動機トルク指令に基づいて、前記電動機
    に指令を与える駆動制御回路と、を備えることを特徴と
    するロータリーカッタ制御装置。
  2. 【請求項2】前記生成した速度指令が、定速間の変速領
    域において、減速から加速に移行させる速度指令である
    場合に、前記速度指令は、ロータリーカッタを減速から
    加速に移すときに、徐々に減速させた後、徐々に加速す
    る速度指令であることを特徴とする請求項1に記載のロ
    ータリカッタ制御装置。
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