JP3503683B2 - 複数個の紡糸ステーションを有する紡糸機械 - Google Patents

複数個の紡糸ステーションを有する紡糸機械

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】本発明は複数個の紡糸ステーションを有す
る紡糸機械に関し、各紡糸ステーションはドラフトされ
た繊維ストランドを集束する装置を有し、この装置は吸
引装置の吸引スリットにわたり繊維ストランドを案内す
る輸送面を含む。
【０００２】この種の紡糸機械は従来技術のものであ
り、例えば米国特許5,600,872に開示されている。かか
る紡糸機械の場合、全紡糸ステーションにわたり延びる
中央吸引チャンネルが設けられるので、各集束装置に対
して吸引接続部が配置される。特に、長い紡糸機械の場
合、真空発生ファンから離れた場所にある紡糸ステーシ
ョンで真空が減衰する危険性があり、これは紡糸される
糸の品質に差異を生じさせるものである。
【０００３】本発明の目的は許容できない減圧の差異を
生じないようにし、糸の品質差異を回避することであ
る。
【０００４】この目的は、複数個の吸引装置を設け、吸
引装置の各々は複数個の紡糸ステーションに対して配置
され、これら各吸引装置に対してファンを配置したこと
で、本発明により達成される。
【０００５】吸引装置は、ファンの寸法又は紡糸機械の
形態に応じて、より多数の又はより少数の紡糸ステーシ
ョンに対して配置できる。各ファンから個々の紡糸ステ
ーションへの経路が短いので、絞り損失及び減圧差異が
最小限に抑えられる。このように紡糸される糸の品質差
異は許容レベルまで減らすことができる。
【０００６】本発明の目的としては、ファンを含む各吸
引装置を機械の両側の複数個の紡糸ステーションに対し
て配置することである。例えば、機械の各側の八つの紡
糸ステーションに対して共同ファンを１台配置できる。
【０００７】本発明の実施例において、吸引装置は中空
プロフィルを含み、この中空プロフィルには、配置され
る紡糸ステーションの数に応じて吸引スリットが設けら
れ、前記中空プロフィルは輸送面を含む多孔ベルト用の
摺動案内装置として役立つ。
【０００８】ファンを含む吸引装置の存在している数に
従い、また中空プロフィルは同数の紡糸ステーションに
対して配置され、前記中空プロフィルは各紡糸ステーシ
ョンに対して吸引スリットを有するが、配置される全紡
糸ステーションに対して一つだけ吸引開口を有し、これ
は吸引装置の吸引管へ接続できる。
【０００９】複数個の紡糸ステーションに沿って延びる
中空プロフィルはスナップロックにより各吸引管へ密封
状態で締め付けることができる。これは特に多孔ベルト
が摩耗した時、それを交換する際に役立つ。
【００１０】本発明の更なる実施例では、使用済み空気
の共同チャンネルが全ての吸引装置に対して配置され
る。これにより、集束装置上で吸い出される不可避の繊
維フライを紡糸機械の個々の構成要素へ到達しないよう
にする。
【００１１】真空状態及び糸の品質を監視するために、
圧力測定装置を各吸引管に対して配置できる。真空状態
は本発明の目的のために調整できる。機能不良の場合、
関連する機械部分は停止される。
【００１２】本発明のこれらの及び更なる目的、特徴及
び利点は添付図面に関する以下の詳細な説明から更に容
易に明らかになろう。
【００１３】図１〜図４に示す紡糸機械は好ましくはリ
ング紡糸機械であるが、必ずしもそうである必要はな
い。機械の両側部１及び２の各側で、複数個の紡糸ステ
ーション３を互いに隣接させて列状に配置している。好
ましくは各紡糸ステーション３はリングスピンドルとし
て設計可能なスピンドル４を含む。ある一定数の紡糸ス
テーション３に対して吸引装置５又は６が配置される
が、その機能は以下で述べる。
【００１４】図１、図２に関して述べると、各紡糸ステ
ーション３にはドラフトユニット７が見られ、このドラ
フトユニット７の内、前方ローラ対８並びにその上流に
配置されたエプロンローラ対９だけが示されている。ド
ラフトユニット７においてスライバ又は粗糸１０が周知
の方法で所望の繊度までドラフトされる。既にドラフト
された繊維ストランド１１はドラフトユニット７のすぐ
下流の装置１２で空気的に集束されるので、結果として
横断面利用率が向上しまた紡糸される糸１３の毛羽立ち
も減り、これは引裂抵抗を更に増加させ、さらに均一化
もなされる。装置１２の下流で、撚糸される糸１３は各
スピンドル４へ図示の矢印方向に進む。
【００１５】中空プロフィル１４又は１５は複数個の紡
糸ステーション３、例えば八つの紡糸ステーション３か
ら成る区分に対して配置され、この中空プロフィル１４
又は１５は集束装置１２並びに吸引装置５又は６の構成
部分である。この場合、軽金属又はステンレス製の低摩
擦プロフィルを含むことができ、あるいは代わりに高摩
耗抵抗を有する摺動可能なプラスチックプロフィルを含
むことができる。この中空プロフィル１４又は１５は後
述する開口を除いて全ての側面が閉鎖されており、また
中空プロフィルは真空を受ける。各中空プロフィル１
４，１５は後述の方法によりその両端がローラスタンド
１６，１７に支持され、またこれらにはドラフトユニッ
ト７の底部シリンダも支持されている。
【００１６】中空プロフィル１４又は１５は複数個の多
孔ベルト１８の摺動案内装置として設計され、これらの
ベルトは各一つが紡糸ステーション３に対して配置され
る。機械の二つの異なる側部１，２で互いに対面して配
置された二つの中空プロフィル１４が共同の吸引装置５
又は６に属している。多孔ベルト１８の場合、極めて微
細なパーホレーションを有する非常に目の細い織物ベル
トが用いられ、故に多孔ベルト１８は空気透過性であ
る。これは集束される繊維ストランド１１用の輸送面と
して役立つ。
【００１７】前方ローラ対８から離れたところで、例え
ばステープル長さに相当する距離だけ離れたところで、
各多孔ベルト１８は被駆動ニップローラ１９により中空
プロフィル１４へ押圧される。これを行うには比較的低
圧、例えば２０ニュートンで十分である。このように多
孔ベルト１８は中空プロフィル１４に関して摺動態様で
駆動され、多孔ベルト１８はドラフトされた繊維ストラ
ンド１１を輸送する。
【００１８】ニップローラ１９の駆動力は前方ローラ対
８の前方頂部ローラ２０から引出される。一方で前方頂
部ローラ２０へ他方でニップローラ１９へ摩擦を用いて
配置された移送ローラ２１により、集束される繊維スト
ランド１１は前方ローラ対８のニップ線における速度と
ほぼ同じ速度に達する。関連する摩擦直径を選択するこ
とにより、僅かな引張ドラフトを得ることができる。
【００１９】前方頂部ローラ２０並びにニップローラ１
９はロッカー２２内に配置され、これは頂部加重アーム
２４の負荷ばね２３により負荷される。形状を対応させ
ることにより、前方頂部ローラ２０の負荷がニップロー
ラ１９の負荷よりも高くなることが保証される。
【００２０】中空プロフィル１４又は１５が配置されて
いる紡糸ステーション３の数に応じて、中空プロフィル
１４は数本の吸引スリット２５を含み、各スリットは多
孔ベルト１８により覆われている。吸引スリット２５は
前方ローラ対８のニップ線のすぐ下流から始まり、ニッ
プローラ１９のニップ線まで延びる。吸引スリット２５
は輸送方向に対して横方向に約２０°の角度で延び、そ
れにより吸引スリット２５にわたり輸送されるドラフト
された繊維ストランド１１は僅かに仮撚りされ、このこ
とが集束の効果を高める。
【００２１】吸引開口２６はローラスタンド１６と１７
との間のほぼ中央で各中空プロフィル１４又は１５に対
して配置され、吸引開口２６は真空源へ接続される。中
空プロフィル１４又は１５ごとに一つだけ単一の吸引開
口２６が存在する。各吸引開口２６は吸引管２７又は２
８へ密封態様で接続できる。中空プロフィル１４は、後
述するように、中空プロフィル１４の吸引開口２６と各
吸引管２７又は２８との間の分離点で開放可能に付与さ
れている。
【００２２】紡糸に必要な真空状態を監視する圧力測定
装置が各吸引管２７，２８に対して配置される。
【００２３】ファン３０又は３１が各吸引装置５又は６
に対して配置され、機械区分ごとに一つのファン３０，
３１が存在する。しかしながら、有利にはファン３０，
３１は両機械側１及び２に対して共同使用状に配置さ
れ、またそれにより二つの中空プロフィル１４及び１５
が一つのファン３０又は３１に対して配置される。個々
のファン３０，３１並びに更なるファン（図示せず）の
使用した空気は使用済み空気用共同チャンネル３２内へ
送られ、このチャンネルは有利には紡糸機械の全長に沿
って中央平面内を延びる。これにより多孔ベルト１８の
輸送面で吸引される繊維フライが機械の如何なる構成要
素に到達することも防止される。
【００２４】図１に単に示され、また図３から明らかな
ように、各中空プロフィル１４，１５は各ローラスタン
ド１６及び１７でその端部に付与されたスナップロック
３３により支持される。図３において、別個に示されて
いるが、紡糸ステーション３の多孔ベルト１８並びにロ
ーラスタンド１６の端部は明瞭に見ることができる。ロ
ーラスタンド１６，１７には断面矩形の対応テークアッ
プ装置３４が設けられ、前記テークアップ装置は頂部が
凹所開口の形態でありその内部に対応保持ベッグ３５が
挿入され、これらのペッグは中空プロフィル１４，１５
の両端に位置している。保持ペッグ３５はテークアップ
装置３４の輪郭と合致しており、前記保持ペッグ３５は
それらの端が楕円形又は半円筒形である。締付けレバー
３６を用いて中空プロフィル１４，１５はローラスタン
ド１６，１７のテークアップ装置３４における保持ペッ
グ３５により固定できる。
【００２５】個々の締付けレバー３６は各ローラスタン
ド１６，１７のスイベル軸３７の回りをリミットストッ
プ４１に達するまで旋回できる。締付けレバー３６の非
係合位置３８は一点鎖線で示される。締付け面３９によ
り、係合時に締付けレバー３６が保持ペッグ３５の対応
輪郭にわたり配置されることがわかる。このようにセル
フロッキングが行われる。
【００２６】スナップロック３３は、例えば紡糸ステー
ション３の多孔ベルト１８が摩耗したり又は欠陥がある
時に、中空プロフィル１４又は１５を迅速に交換するの
に役立つ。多孔ベルト１８の交換のために、締付けレバ
ー３６はその非係合位置３８へ案内され、それにより関
連中空プロフィル１４又は１５は各ローラスタンド１６
及び１７のテークアップ装置３４から上方へ取り外しが
できる。古い多孔ベルト１８を容易に新しい多孔ベルト
１８に交換できる。中空プロフィル１４，１５は再びロ
ーラスタンド１６及び１７内へ挿入され、締付けレバー
３６により錠止される。
【００２７】図４において、吸引装置５又は６が複数個
の紡糸ステーション３に対してどのように配置されてい
るかを概略的に縮尺で示す。各吸引装置５，６は機械の
異なる側１，２で対面して配置された二つの中空プロフ
ィル１４又は１５へ接続される。
【００２８】吸引開口２６、吸引管２７，２８、ファン
３０，３１並びに使用済み空気用チャンネル３２が図４
に示されている。尚、小さな電動モータ４０が各ファン
３０，３１に対して配置される。あるいは、全てのファ
ン３０，３１は機械の長手方向に延びる連続駆動軸によ
り駆動できる。
【００２９】見うる如く、一つの吸引装置５又は６が機
械側部１及び２ごとに八つ一区分の紡糸ステーション３
の各区分に対して配置される。このように配分すること
により、長い紡糸機械の場合に特に、紡糸ステーション
３に沿って真空状態を均質化できる。ドラフトされた繊
維ストランド１１用の集束装置１２のために特に寸法の
大きい別個の真空チャンネルを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１はドラフトされた繊維ストランドを集束す
る装置の部域における紡糸ステーションの部分断面側面
図である。
【図２】図２はドラフトされた繊維ストランドを集束す
る装置の、図１の矢印IIの方向に見た図であり、この装
置は複数個の紡糸ステーションに沿って延びる。
【図３】図３はスナップロックを有する集束装置の部域
における図１の側面図であり、スナップロックは集束装
置を交換するのに用いられる。
【図４】図４は図１の矢印IVの方向に見た縮尺概略図で
あり、紡糸機械の紡糸ステーションに対してどのように
個々の吸引装置が配置されているかを示す。
【符号の説明】
１，２ 機械側部 ３ 紡糸ステーション ４ スピンドル ５，６ 吸引装置 ７ ドラフト装置 ８ 前方ローラ対 ９ エプロンローラ対 １０ スライバ又は粗糸 １１ ドラフトされた繊維ストランド １２ 集束装置 １３ 糸 １４，１５ 中空プロフィル １６，１７ ローラスタンド １８ 多孔ベルト １９ 被駆動ニップローラ ２０ 前方頂部ローラ ２１ 輸送ローラ ２２ ロッカー ２３ 負荷ばね ２４ 頂部加重アーム ２５ 吸引スリット ２６ 吸引開口 ２７，２８ 吸引管 ２９ 圧力測定装置 ３０，３１ ファン ３２ 使用済み空気用共同チャンネル ３３ スナップロック ３４ テークアップ装置 ３５ 保持ペッグ ３６ 締付けレバー ３７ スイベル軸 ３８ 非係合位置 ３９ 締付け面 ４０ 電動モータ ４１ リミットストップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハンス・シュターレッカー ドイツ連邦共和国73079 ズッセン、ハ ルデンシュトラーセ 20 (56)参考文献 特開 平２−289135（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−238425（ＪＰ，Ａ) 特公 平６−104936（ＪＰ，Ｂ２) 特公 平３−6253（ＪＰ，Ｂ２) 実公 昭44−750（ＪＰ，Ｙ１) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) D01H 5/00 - 5/88

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 複数個の紡糸ステーションを有し、各紡
    糸ステーションはドラフトされた繊維ストランドを集束
    する集束装置を有し、この集束装置は吸引装置の吸引ス
    リットにわたり繊維ストランドを案内する輸送面を含
    み、複数個の吸引装置が設けられ、各吸引装置は複数個
    の紡糸ステーションに操作可能に接続される紡糸機械で
    あって、 ファンが吸引装置の各々に対して設けられ、 吸引装置は連結される紡糸ステーションの数に応じて数
    本の吸引スリットが設けられる中空プロフィルを含み、
    また中空プロフィルは前記輸送面を含む多孔ベルト用の
    摺動案内装置として役立つ紡糸機械。
  2. 【請求項２】 請求項１の紡糸機械であって、各中空プ
    ロフィルは中空プロフィルの全吸引スリットに対する共
    同の吸引開口を含み、前記吸引開口は吸引装置の吸引管
    へ接続できる紡糸機械。
  3. 【請求項３】 請求項２の紡糸機械であって、各中空プ
    ロフィルを各吸引管へスナップロックにより密封態様で
    締め付けることができる紡糸機械。
  4. 【請求項４】 使用済み空気用の共同チャンネルを前記
    吸引装置のすべてに対して設ける請求項２の紡糸機械。
  5. 【請求項５】 圧力測定装置を各吸引管に対して設ける
    請求項２の紡糸機械。
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