JP3493927B2 - 車両用シート - Google Patents

車両用シート

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JP3493927B2
JP3493927B2 JP34209496A JP34209496A JP3493927B2 JP 3493927 B2 JP3493927 B2 JP 3493927B2 JP 34209496 A JP34209496 A JP 34209496A JP 34209496 A JP34209496 A JP 34209496A JP 3493927 B2 JP3493927 B2 JP 3493927B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用シートに係
り、詳しくは自動車等の車両のシートに着座した乗員
に、車両後方から所定値以上の衝撃が作用した場合に、
乗員頭部とヘッドレストとの隙間を減少させる車両用シ
ートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の車両のシート、例えば
ドライバーズシートにおいては、自車後方からの他車の
追突(後突)により、ドライバーに所定値以上の荷重が
作用した場合に、乗員頭部とヘッドレストとの隙間を減
少させることができる車両用シートが既に提案されてい
る。以下、この種の車両用シートを開示した・実開平6
−65076号公報に示される構成について説明する。
【0003】図11に示される如く、この車両用シート
100は、ヘッドレスト102を支持するヘッドレスト
支持フレーム104と、このヘッドレスト支持フレーム
104の前面に配置され、上部がヘッドレスト支持フレ
ーム104の上部と所定の隙間を形成するようにして、
下端部がヘッドレスト支持フレーム104の下端部に結
合されるシートバック支持フレーム106を備えてお
り、シートバック支持フレーム106に強い衝撃が加わ
ると、シートバック支持フレーム106の下端部に形成
した低剛性部108が屈曲すると共に、ヘッドレスト支
持フレーム104の上部とシートバック支持フレームの
上部との間に配設した衝撃吸収部材109が、衝撃を吸
収するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な車両用シート100においては、乗員110の上半身
110Bが骨盤部の下方(ヒップポイント)を中心にし
て後方に倒れることにより、乗員110の頭部110A
とヘッドレスト102との隙間を減少させることができ
るが、ヒップポイントを支点にした胸部の後方移動に伴
って頭部も胸部と一体で移動するものであるため、胸部
の後方移動量に対して頭部の後方移動量を大きくするこ
とができず、頭部とヘッドレストとの隙間を効率良く減
少させることができない。
【0005】本発明は上記事実を考慮し、乗員胸部の後
方移動量に対して頭部の後方移動量を大きくとれるよう
にすることで、乗員の頭部とヘッドレストとの隙間をよ
り早期に減少させることができる車両用シートを得るこ
とが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、シートバックの骨格部材としてのシートバックフレ
ームと、該シートバックフレームに支持されたシートバ
ッククッションとを備えた車両用シートにおいて、乗員
の胸部に対応する前記シートバックの上部位置に設けら
れ後突時の乗員荷重により胸部支持位置が後方へ移動す
る胸部支持手段と、乗員の骨盤上部に対応する前記シー
トバックの下部位置に設けられ、後突時に乗員の身体が
骨盤部の上部付近を支点として胸部が頭部とともに後方
へ傾動するように骨盤上部を支持してその後方移動を制
限する骨盤上部支持手段と、を有し、前記胸部支持手段
は乗員の胸部に対応するシートバッククッション上部で
あり、前記骨盤上部支持手段は乗員の骨盤上部に対応す
るシートバッククッション下部であって、シートバック
クッションの厚さが乗員の骨盤上部付近に対応する位置
から上方の部位において厚くなっていることを特徴とす
【0007】従って、後突時に乗員荷重がシートバック
に負荷されると、乗員の身体は、骨盤上部支持手段で支
持される骨盤部の上部付近を支点として胸部が頭部とと
もに後方へ傾動する。このため、骨盤部に対する胸部の
角度変化が大きくなるため、胸部の後方移動量に対して
頭部の後方移動量を大きくすることができ、乗員の頭部
とヘッドレストとの隙間を効率良く減少させることがで
きる。また、胸部の後方移動量を確保できる構造があれ
ば良いため、骨盤部に対応するシートバッククッション
下部の厚さを厚くする必要がなくなり、シートバック後
部の室内スペースを犠牲にすることなく実施することが
でき、特に、シートが運転席或いは助手席であれば、後
席乗員の膝スペースを広くすることができる。
【0008】請求項2に記載の本発明は、シートバック
の骨格部材としてのシートバックフレームと、該シート
バックフレームに支持されたシートバッククッションと
を備えた車両用シートにおいて、乗員の胸部に対応する
前記シートバックの上部位置に設けられ後突時の乗員荷
重により胸部支持位置が後方へ移動する胸部支持手段
と、乗員の骨盤上部に対応する前記シートバックの下部
位置に設けられ、後突時に乗員の身体が骨盤部の上部付
近を支点として胸部が頭部とともに後方へ傾動するよう
に骨盤上部を支持してその後方移動を制限する骨盤上部
支持手段と、を有し、前記胸部支持手段は乗員の胸部に
対応するシートバッククッション上部とシートバックフ
レームの胸部支持部との間に設けられた胸部衝撃吸収体
であり、前記骨盤上部支持手段は乗員の骨盤上部に対応
するシートバッククッション下部とシートバックフレー
ムの骨盤上部支持部との間に設けられた骨盤上部衝撃吸
収体であり、前記胸部衝撃吸収体の潰れ荷重が前記骨盤
上部衝撃吸収体の潰れ荷重より低いことを特徴とする。
【0009】従って、後突時に乗員荷重がシートバック
に負荷されると、乗員の身体は、骨盤上部支持手段で支
持される骨盤部の上部付近を支点として胸部が頭部とと
もに後方へ傾動する。このため、骨盤部に対する胸部の
角度変化が大きくなるため、胸部の後方移動量に対して
頭部の後方移動量を大きくすることができ、乗員の頭部
とヘッドレストとの隙間を効率良く減少させることがで
きる。 また、胸部衝撃吸収体が骨盤上部衝撃吸収体に対
して先に潰れるように設定されているため、頭部とヘッ
ドレストとの隙間が早期に減少されうる状態を維持しつ
つ、乗員の上体に対する衝撃吸収機能を向上させること
ができる。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕以下、図1〜図5を用いて、本発明の
車両用シートの第1実施形態について説明する。なお、
図中矢印FRは車両前方方向を、UPは車両上方方向
を、矢印INは車幅内側方向を示す。
【0021】図3に示される如く、本実施形態の車両用
シート10は、自動車のドライバーズシートであり、乗
員(ドライバー)11が着座する。
【0022】図1に示される如く、シート10のシート
バック12は、骨格部材としてのシートバックフレーム
14、シートバッククッション15及びシート表皮16
を備えた周知の構造となっている。シートバックフレー
ム14は逆U字状に屈曲されており、図2に二点鎖線で
示される如く、上部14Aが下部14Bに比べて車両後
方へ湾曲している。
【0023】このため、シートバッククッション15の
上部15Aの厚さが下部15Bの厚さに比べて厚くなっ
ている。また、シートバックフレーム14の上部14A
がシートバッククッション15の上部15Aの乗員支持
面に対して後方にあるので、シート10に着座した乗員
11の背上部11Aが、シートバック12に沈み込んだ
場合にも、乗員とシートバックフレーム14の上部14
Aとが当接し難い構造になっている。
【0024】シート10に着座した乗員の骨盤部に対応
するシートバック12の下部位置には、シートバックフ
レーム14の骨盤上部支持部としての骨盤部支持パネル
17が横設されており、この骨盤部支持パネル17の幅
方向両端部は、シートバックフレーム14に固定されて
いる。骨盤部支持パネル17の前面側には、乗員の骨盤
上部支持手段としての、骨盤部衝撃吸収体18が配設さ
れており、骨盤部支持パネル17の後面側には、緩衝材
20が配設されている。
【0025】シート10に着座した乗員の胸部に対応す
るシートバック12の上部位置には、シートバックフレ
ーム14の胸部支持部としての背上支持パネル22が横
設されており、この背上支持パネル22の幅方向両端部
は、シートバックフレーム14に固定されている。背上
支持パネル22の前面側には、乗員の胸部支持手段とし
ての、胸部衝撃吸収体24が配設されており、背上支持
パネル22の後面側には、緩衝材26が配設されてい
る。
【0026】なお、胸部衝撃吸収体24の潰れ荷重が骨
盤上部衝撃吸収体18の潰れ荷重より低いので、低速後
突では胸部衝撃吸収体24のみが潰れるようになってい
る。。また、高速後突では骨盤部衝撃吸収体18と胸部
衝撃吸収体24との双方が潰れて、シートバック12全
体の衝撃吸収量が増加すると共に、乗員の姿勢を起こし
た状態で支持できるようになっている。
【0027】シートバックフレーム14の上辺部14C
には、一対の支持ブラケット28が配設されている。こ
の支持ブラケット28は取付部28Aと、この取付部2
8Aの前部に形成された筒状のステー支持部28Bとで
構成されており、取付部28Aが、上辺部14Cの前側
面に溶着されている。支持ブラケット28のステー支持
部28Bには、ヘッドレスト30の下部から突出した一
対のステー32が挿入されている。ヘッドレスト30
は、パッド部30Aとインサート部30Bとで構成され
ており、シートバックフレーム14に対して、乗員の背
上部11Aが後方移動を終了したとき、乗員11の頭部
11Dがヘッドレスト30のパッド部30Aを圧縮し、
インサート部30B(図1参照)に支持される位置に設
定されている。また、図5に示される如く、ヘッドレス
ト30は鉛直方向(図5の矢印Y方向)に移動して、そ
の位置を調整する構成となっており、ヘッドレスト30
の前面30Cの形状が略鉛直線に沿った形状となってい
る。
【0028】次に、本実施形態の作用について説明す
る。本実施形態のシート10では、自車が他車に低速で
後突された場合には、乗員11は車両に対して後方へ移
動する。この時、シートバックフレーム14の上部14
Aがシートバッククッション15の上部15Aの乗員支
持面に対して後方配置されているため、乗員11の背上
部11Aは、シートバックフレーム14の上部14Aと
当接することなく、シートバッククッション15の上部
15Aを圧縮しながら後方へ移動する。
【0029】この時、図4に示される如く、胸部衝撃吸
収体24は乗員11の衝撃を吸収しつつ潰れるが、骨盤
部衝撃吸収体18が殆ど潰れないため、乗員11の背上
部11Aのみがシートバック12に沈み込む。
【0030】従って、乗員11は上半身が骨盤部11B
の上端付近を支点Pにして後傾し、乗員11の頭部11
Dがヘッドレスト30のパッド部30Aに当接してパッ
ド部30Aを圧縮する。なお、乗員11の胸部11C及
び頭部11Dの後方移動が終了した時、基線L(通常、
着座状態で乗員の頭部中心と足の付け根とを結んだ線)
に対する乗員11の上半身の後傾角はθ1となってい
る。
【0031】この様に、本実施形態のシート10では、
乗員11の上半身が骨盤部11Bの上端付近を支点Pに
して後傾し、乗員11の頭部11Dがヘッドレスト30
のパッド部30Aに当接するため、図11に示す従来の
車両用シートに比べ、後突時に、乗員11の頭部11D
とヘッドレスト30との隙間を効率良く減少させること
ができる。
【0032】一方、自車が他車に高速で後突された場合
には、胸部衝撃吸収体24が先に潰れ、その後骨盤部衝
撃吸収体18が潰れる。このため、この場合には、胸部
衝撃吸収体24の潰れにより、頭部11とヘッドレスト
30との隙間が効率良く減少され、その後骨盤部衝撃吸
収体18が潰れることになるため、隙間減少を早期に行
うことができ、且つシートバック12全体での衝撃吸収
量が増加すると共に、乗員11の姿勢を略元の姿勢(図
3の状態)のままに後方移動させることができる。
【0033】更に、低速後突時、胸部11Cに対する頭
部11Dの後方への角度変化が生じるとしても、乗員の
骨盤部上部付近を中心にして胸部11Dを後方に傾動さ
せる構成としているため、実質的に胸部11Cに対する
頭部11Dの角度変化が生じ難くなり、胸部11Cと共
に頭部11Dが一体的に傾動された状態で頭部11Dと
ヘッドレスト30との隙間が減少される。
【0034】更に、低速後突時、胸部衝撃吸収体24を
設けた構成によれば、胸部衝撃吸収体24の潰れによる
胸部11Cに対するシートバック30からの反力が小さ
くなるため、実質的に胸部11Cに対する頭部11Dの
角度変化が生じ難くなり、胸部11Cと共に頭部11D
が一体的に傾動(胸部11Cに対する頭部11Dの角度
変化を抑制)させることができる。
【0035】また、本実施形態のシート10では、胸部
衝撃吸収体24及び骨盤部衝撃吸収体18を配設するこ
とで、シートバッククッション15の厚さを薄くし、そ
の反発弾性を低減することができるため、後突後、乗員
11の上半身がシートバッククッション15から受ける
跳ね返し(リバウンド)量も低減できる。
【0036】さらに、本実施形態においては、ヘッドレ
スト30が鉛直方向に移動して、その位置を調整する構
成となっており、且つ、ヘッドレスト30の前面30C
の形状が略鉛直線に沿った形状となっているため、ヘッ
ドレスト30の位置が、体格の異なる乗員11の各頭部
11Dに対して上下にずれていても、頭部11Dとヘッ
ドレスト30との前後方向の間隙Sは略同じ長さにな
る。このため、体格の異なる乗員11の各頭部11Dに
対しても、ヘッドレスト30によって確実にこれを支持
することができる。 〔第2実施形態〕以下、図6を用いて、本発明の車両用
シートの第2実施形態について説明する。なお、第1実
施形態と同一部材については同一符号を付してその説明
を省略する。
【0037】図6に示される如く、本実施形態では、シ
ートバッククッション15の上部31の厚さT1は、シ
ートバッククッション15の下部33の厚さT2に比べ
て、骨盤部支持パネル17の上端部付近から厚くなって
いる。
【0038】次に、本実施形態の作用について説明す
る。本実施形態のシート10では、後突時、シートバッ
ククッション15の上部31と下部33との厚さの差に
よって、上部31の潰れが下部33の潰れに比べて大き
くなるため、乗員11の背上部11Aのシートバック1
2への沈み込みが骨盤部のシートバック12への沈み込
みに比べて大きくなる。従って、第1実施形態と同様
に、乗員11は上半身が骨盤部11Bの上端付近を支点
にして後傾し、乗員11の頭部11Dがヘッドレスト3
0のパッド部30Aに当接してパッド部30Aを圧縮す
る。
【0039】この様に、本実施形態のシート10では、
乗員11は上半身が骨盤部11Bの上端付近を支点Pに
して後傾し、乗員11の頭部11Dがヘッドレスト30
のパッド部30Aに当接するため、図11に示す従来の
車両用シートに比べ、後突時、乗員11の頭部11Dと
ヘッドレスト30との隙間を効率良く減少させることが
できる。
【0040】また、構造が簡単であるため、生産性が良
く、コスト的にも有利である。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】〔第3実施形態〕 以下、図7〜図10を用いて、本発明の車両用シートの
実施形態について説明する。なお、第1実施形態と
同一部材については同一符号を付してその説明を省略す
る。
【0052】図7に示される如く、本実施形態では、背
上支持パネル22の前方に所定の間隔を開けて、背上支
持パネル40が配設されている。この背上支持パネル4
0は、逆U字状に湾曲したパネル支持フレーム42の上
部42Aに横設されており、両端部がパネル支持フレー
ム42に固定されている。
【0053】パネル支持フレーム42はシートバックフ
レーム14の内側に入る大きさに設定されており、両下
端部42Bが、それぞれシートバックフレーム14の下
部14Bの内側面にビス等の固定手段44によって固定
されている。
【0054】図8に示される如く、パネル支持フレーム
42の両端部42Bの近傍となる位置、即ち、図9に示
される如く、乗員11の骨盤部11Bの上端付近と対向
する位置には、それぞれ、蛇腹部とされた衝撃吸収部4
2Cが形成されおり、後突時には、図10に示される如
く、乗員負荷により、これらの衝撃吸収部42Cにおい
て、パネル支持フレーム42が後方へ屈曲して衝撃を吸
収するとともに、乗員11の背上部11Aを後方へ移動
するようになっている。
【0055】次に、本実施形態の作用について説明す
る。本実施形態のシートでは、後突時、乗員11は車両
に対して後方へ移動する。この時、図10に示される如
く、パネル支持フレーム42は衝撃吸収部42Cにおい
て、上部42Aが後方へ屈曲し、乗員11の衝撃を吸収
するとともに、乗員11の背上部11Aを後方へ移動す
るが、骨盤部衝撃吸収体18が殆ど潰れないため、乗員
11の背上部11Aのみがシートバック12に沈み込
む。
【0056】従って、乗員11は上半身が骨盤部11B
の上端付近を支点Pにして後傾し、乗員11の頭部11
Dがヘッドレスト30のパッド部30Aに当接してパッ
ド部30Aを圧縮する。なお、乗員11の胸部11C及
び頭部11Dの後方移動が終了した時、基線L(通常、
着座状態で乗員の頭部中心と足の付け根とを結んだ線)
に対する乗員11の上半身の後傾角はθ1となってい
る。
【0057】この様に、本実施形態のシート10では、
乗員11の上半身が骨盤部11Bの上端付近を支点Pに
して後傾し、乗員11の頭部11Dがヘッドレスト30
のパッド部30Aに当接するため、図11に示す従来の
車両用シートに比べ、後突時に、乗員11の頭部11D
とヘッドレスト30との隙間を効率良く減少させること
ができる。
【0058】一方、自車が他車に高速で後突された場合
には、パネル支持フレーム42の上部42Aが後方へ屈
曲し、その後骨盤部衝撃吸収体18が潰れる。このた
め、この場合には、パネル支持フレーム42の上部42
Aの後方への屈曲により、乗員11の頭部11Dとヘッ
ドレスト30との隙間が効率良く減少され、その後骨盤
部衝撃吸収体18が潰れることになるため、隙間減少を
早期に行うことができ、且つシートバック12全体での
衝撃吸収量が増加すると共に、乗員11の姿勢を略元の
ままに後方へ移動させることができる。
【0059】以上に於いては、本発明を特定の実施形態
について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に
限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々
の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかで
ある。例えば、本発明の車両用シートはドライバーズシ
ート以外、即ち助手席、後部座席にも適用可能である。
【0060】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、シートバック
の骨格部材としてのシートバックフレームと、シートバ
ックフレームに支持されたシートバッククッションとを
備えた車両用シートにおいて、乗員の胸部に対応するシ
ートバックの上部位置に設けられ後突時の乗員荷重によ
り胸部支持位置が後方へ移動する胸部支持手段と、乗員
の骨盤上部に対応するシートバックの下部位置に設けら
れ、後突時に乗員の身体が骨盤部の上部付近を支点とし
て胸部が頭部とともに後方へ傾動するように骨盤上部を
支持してその後方移動を制限する骨盤上部支持手段と、
を有し、胸部支持手段は乗員の胸部に対応するシートバ
ッククッション上部であり、骨盤部上支持手段は乗員の
骨盤部に対応するシートバッククッション下部であっ
て、シートバッククッションの厚さが乗員の骨盤部上端
付近に対応する位置から上方の部位において厚くなって
いるため、乗員胸部の後方移動量に対して頭部の後方移
動量を大きくとれるようにすることで、乗員の頭部とヘ
ッドレストとの隙間をより早期に減少させることができ
るという優れた効果を有する。また、シートバック後部
の室内スペースを犠牲にすることなく実施することがで
き、特に、シートが運転席或いは助手席であれば、後席
乗員の膝スペースを広くすることができるという優れた
効果を有する。
【0061】請求項2に記載の本発明は、シートバック
の骨格部材としてのシートバックフレームと、シートバ
ックフレームに支持されたシートバッククッションとを
備えた車両用シートにおいて、乗員の胸部に対応するシ
ートバックの上部位置に設けられ後突時の乗員荷重によ
り胸部支持位置が後方へ移動する胸部支持手段と、乗員
の骨盤上部に対応するシートバックの下部位置に設けら
れ、後突時に乗員の身体が骨盤部の上部付近を支点とし
て胸部が頭部とともに後方へ傾動するように骨盤上部を
支持してその後方移動を制限する骨盤上部支持手段と、
を有し、胸部支持手段は乗員の胸部に対応するシートバ
ッククッション上部とシートバックフレームの胸部支持
部との間に設けられた胸部衝撃吸収体であり、骨盤上部
支持手段は乗員の骨盤上部に対応するシートバッククッ
ション下部とシートバックフレームの骨盤上部支持部と
の間に設けられた骨盤上部衝撃吸収体であり、胸部衝撃
吸収体の潰れ荷重が骨盤上部衝撃吸収体の潰れ荷重より
低いため、乗員胸部の後方移動量に対して頭部の後方移
動量を大きくとれるようにすることで、乗員の頭部とヘ
ッドレストとの隙間をより早期に減少させることができ
るという優れた効果を有する。また、頭部とヘッドレス
トとの隙間が早期に減少されうる状態を維持しつつ、乗
員の上体に対する衝撃吸収機能を向上させることができ
るという優れた効果を有する。
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用シートの要
部を一部を断面で示す車両斜め前方から見た斜視図であ
る。
【図2】本発明の第1実施形態に係る車両用シートの要
部を示す側断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る車両用シートの通
常状態を示す概略側面図ある。
【図4】本発明の第1実施形態に係る車両用シートの低
速後突状態を示す概略側面図ある。
【図5】本発明の第1実施形態に係る車両用シートのヘ
ッドレストと乗員頭部との位置関係を示す概略側面図あ
る。
【図6】本発明の第2実施形態に係る車両用シートの要
部を一部を断面で示す車両斜め前方から見た斜視図であ
る。
【図7】本発明の第3実施形態に係る車両用シートの要
部を一部を断面で示す車両斜め前方から見た斜視図であ
る。
【図8】本発明の第3実施形態に係る車両用シートの要
部を示す側断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る車両用シートの通
常状態を示す概略側面図ある。
【図10】本発明の第3実施形態に係る車両用シートの
低速後突状態を示す概略側面図ある。
【図11】従来の実施形態に係る車両用シートの概略側
面図である。
【符号の説明】
10 車両用シート 11 乗員 12 シートバック 14 シートバックフレーム(骨格部材) 14A シートバックフレームの上部 14B シートバックフレームの下部 15 シートバッククッション 17 骨盤部支持パネル(シートバックフレームの
盤上部支持部) 18 骨盤部衝撃吸収体(骨盤上部支持手段) 22 背上支持パネル(シートバックフレームの胸部
支持部) 24 胸部衝撃吸収体(胸部支持手段) 30 ヘッドレスト 31 シートバッククッションの上部(胸部支持手
段) 32 シートバッククッションの下部(骨盤部支持手
段) 40 背上支持パネル 42 パネル支持フレーム 42C パネル支持フレームの衝撃吸収部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/42 B60R 21/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートバックの骨格部材としてのシート
    バックフレームと、 該シートバックフレームに支持されたシートバッククッ
    ションとを備えた車両用シートにおいて、 乗員の胸部に対応する前記シートバックの上部位置に設
    けられ後突時の乗員荷重により胸部支持位置が後方へ移
    動する胸部支持手段と、 乗員の骨盤上部に対応する前記シートバックの下部位置
    に設けられ、後突時に乗員の身体が骨盤部の上部付近を
    支点として胸部が頭部とともに後方へ傾動するように骨
    盤上部を支持してその後方移動を制限する骨盤上部支持
    手段と、 を有し、前記胸部支持手段は乗員の胸部に対応するシー
    トバッククッション上部であり、前記骨盤上部支持手段
    は乗員の骨盤上部に対応するシートバッククッション下
    部であって、シートバッククッションの厚さが乗員の骨
    盤上部付近に対応する位置から上方の部位において厚く
    なっていることを特徴とする車両用シート。
  2. 【請求項2】 シートバックの骨格部材としてのシート
    バックフレームと、該シートバックフレームに支持され
    たシートバッククッションとを備えた車両用シートにお
    いて、 乗員の胸部に対応する前記シートバックの上部位置に設
    けられ後突時の乗員荷重により胸部支持位置が後方へ移
    動する胸部支持手段と、 乗員の骨盤上部に対応する前記シートバックの下部位置
    に設けられ、後突時に乗員の身体が骨盤部の上部付近を
    支点として胸部が頭部とともに後方へ傾動するように骨
    盤上部を支持してその後方移動を制限する骨盤上部支持
    手段と、 を有し、前記胸部支持手段は乗員の胸部に対応するシー
    トバッククッション上部とシートバックフレームの胸部
    支持部との間に設けられた胸部衝撃吸収体であり、前記
    骨盤上部支持手段は乗員の骨盤上部に対応するシートバ
    ッククッション下部とシートバックフレームの骨盤上部
    支持部との間に設けられた骨盤上部衝撃吸収体であり、
    前記胸部衝撃吸収体の潰れ荷重が前記骨盤上部衝撃吸収
    体の潰れ荷重より低いことを特徴とする車両用シート。
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