JP5802368B2 - 乗物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、乗物用シートに係り、特に後面衝突時における乗員にかかる負荷の低減を図った乗物用シートに関する。
一般に、自動車などの乗物用シートの後部が追突されたり、後退走行時に大きく衝突したりするなど、いわゆる後面衝突の際には、着座している乗員の頭部が慣性力によって急激に後傾し、頸部が衝撃を受ける虞がある。
そのため、従来から自動車などの乗物用シートには、後面衝突時による衝撃から乗員の頭部や頸部を保護し、頸部への衝撃を軽減するために、シートバック上方に乗員の頭部を後方から受けるヘッドレストを設けている。
しかし、ヘッドレストを設けているだけでは、身体への衝撃を軽減できないだけでなく、後面衝突時に乗員の頭部とヘッドレストとの間の隙間を速やかに減少させないと、頸部へ加わる衝撃を十分に軽減できない場合がある。
このような問題を解消するために、乗員の荷重を受ける受圧部材が備えられたシートバックフレームにおいて、サイドフレームに対して可動式のリンク部材を配設し、さらに連結部材を介してリンク部材に受圧部材を取り付け、後面衝突時、乗員をシートバック側へ十分に沈み込ませることにより衝撃を効果的に軽減する技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2009−023517号公報
特許文献1で開示されたシートバックフレームは、後面衝突時、乗員の後方移動を受圧部材で受け、その結果リンク部材が回動することにより、乗員をシートバックフレーム側へ沈み込ませることができる。そして、リンク部材には付勢手段が取り付けられており、常時には付勢手段により受圧部材の回動が抑制されるため、着座感が損なわれることがない。
このように、特許文献1の技術では、乗員を後方へ沈み込ませ、受圧部材で乗員の上体を受けることによって後面衝突時の衝撃を軽減することが可能であるが、乗物の後方への身体の沈み込みをより大きくする(即ち、乗員の移動量をより大きくする)ことが望まれていた。すなわち、乗員の上体(特に、胴部上方、頸部から胸部付近)をより確実に、且つ効率よく沈み込ませることにより、後面衝突時の衝撃を軽減する効果を向上させる技術が望まれていた。
本発明の目的は、後面衝突時に乗物の後方への身体の沈み込みを効率的に行い、後面衝突時における身体、頸部等への衝撃を効果的に低減できる乗物用シートを提供することにある。
前記課題は、本発明の乗物用シートによれば、側方に位置するサイドフレームを備えたシートバックフレームと、該シートバックフレームに連結部材を介して連結され、乗員を支持する受圧部材と、少なくとも一方の前記サイドフレームに配設されると共に、前記連結部材と連結され、前記受圧部材に加わった所定の衝撃荷重により前記受圧部材を後方へ移動させる衝撃低減部材と、を備え、前記シートバックフレームは、乗員の腰部が後方に侵入する動きを阻止する腰部進入阻害部材を有し、前記受圧部材は、上方に係止される上方連結部材と下方に係止される下方連結部材とを介して前記シートバックフレームに連結され、前記衝撃低減部材は、前記下方連結部材と連結されてなること、により解決される。
このように、本発明の乗物用シートは後面衝突時、乗員の身体を後方に沈み込ませ、乗員の上体を受圧部材によって受ける構成を備えている。そして、シートバックフレームは、乗員の腰部が後方に侵入する動きを阻止する腰部進入阻害部材を備えていることにより、後面衝突時、腰部進入阻害部材によって乗員が後方移動する際、腰部が押し止められる。
その結果、乗員の上体は腰部(すなわち、胴部の下方)が後方移動せずに腰部進入阻害部材に保持された状態となる一方、乗員の頸部から胸部付近(すなわち、胴部上方)が後方移動し、乗員の上体が後傾する。したがって、乗員の胴部下方に対して、胴部上方は大きく後方移動するから、胴部上方の相対的な移動量が大きくなる。
一方、腰部進入阻害部材を備えておらず、リンク部材に連結された受圧部材のみを備えた乗物用シートの場合は、乗員の上体は後傾することなく、通常の着座時の姿勢とほぼ同じ姿勢で後方に移動するため、腰部を伴って後方へ沈み込む。したがって、後方移動時の荷重の大きさが等しい場合、乗員が受圧部材に作用する面積(乗員の腰部から頸部の付け根部分までの面積)が大きいと、作用する面積が小さい場合と比較して、後方への沈み込み量が比較的小さくなる。
これに対し、本発明のように、腰部進入阻害部材を備えることにより、後方へ沈み込むように作用する部分は乗員の胴部上方に制限されるため、より面積が狭く、その結果、頸部付近の沈み込み量を大きくすることができる。
したがって、乗員を効率よく沈み込ませることが可能となり、乗員の胴部上方をシートバック側に大きく入り込ませることができるため、乗員の頭部はヘッドレストに当接し易くなり、その結果頸部への負担を小さくすることができる。
また、衝撃低減部材は、受圧部材とシートバックフレームとを連結する下方連結部材と連結されているため、衝撃低減部材を移動させる構成とすることにより受圧部材を後方へ大きく沈み込ませることができ、十分な沈み込み量を確保できる。
このとき、請求項2のように、前記腰部進入阻害部材の少なくとも一部は、前記受圧部材の前端よりも前方に設けられてなる構成であると好ましい。
本発明の乗物用シートでは、乗員の後方移動によって受圧部材の後方移動が開始し、さらに受圧部材の後方移動によって衝撃低減部材の移動が開始される。そして、腰部侵入阻害部材の少なくとも一部が、受圧部材の最も前側に配置された端部、すなわち前端よりも前側に延出された構成であることにより、衝撃低減部材の移動前に(受圧部材が沈み込むよりも先に)、腰部進入阻害部材が乗員の腰部の後方移動を押し止めるように作用する。
このように、乗員の後方移動によって衝撃低減部材の移動が開始される前に、腰部侵入阻害部材によって乗員の腰部の後方移動が押し止められる構成とすると、乗員の後方移動に先だって乗員の後傾が開始される。その結果、乗員の胴部の後傾量が大きくなり、確実に胴部上方を後方へ沈み込ませることができる。その結果、頸部への負担をより一層低減することができる。
また、このとき、請求項3のように、前記腰部進入阻害部材の少なくとも一部は、前記衝撃低減部材の少なくとも一部よりも前方に設けられてなると好適である。
乗員の後方移動を押し止める腰部進入阻害部材の構成に関し、衝撃低減部材の少なくとも一部よりも前方に設けることにより、乗員の後方移動時、乗員が後方へ沈み込むよりも前に、腰部進入阻害部材によって確実に乗員の後傾が誘導されるので、胴部上方の後方移動量が大きくなり、また、乗員の頭部はヘッドレストに当接しやすくなるため、より一層頸部負担の低減効果が高くなる。
さらにまた、前記上方連結部材及び前記下方連結部材は、可撓性のワイヤからなり、前記上方連結部材を構成するワイヤは、前記下方連結部材を構成するワイヤと比較して細く形成されてなると好ましい。
このように、受圧部材とサイドフレームとの間に配設される連結部材が可撓性のワイヤによって構成されていることにより、乗員の後方移動時、受圧部材が後方への荷重を受けると、ワイヤが撓む(又は折曲されていたものが伸びる)ことによって受圧部材の後方移動量をさらに大きくすることができる。
そして、上方に取り付けられるワイヤを、下方に取り付けられるワイヤよりも細く形成することにより、上方に取り付けられるワイヤの方が、下方に取り付けられるワイヤと比較して撓みやすく(又は折曲されていたものを伸びやすく)することができる。その結果、受圧部材は、下方と比較して上方が後方に移動しやすくなるため、下方(より詳細には、下方連結部材が係止された点)を支点として、後方へ傾倒するように回動しやすくなる。したがって、乗員の後方移動時、腰部進入阻害部材によって乗員の胴部が後方へ傾倒するように誘導されると共に、受圧部材もまた、後傾(回動)する動きを追従しやすくなるため、受圧部材によって乗員の上体の後傾が阻害されず、一層頸部への負担を低減することができる。
一方、上記構成のように、下方に配設されたワイヤを太くすることにより、通常の着座時は、下方のワイヤは変形しにくくなると共に、上方の細いワイヤは撓みやすい。したがって、通常の着座時は受圧部材の下方は後方へ移動しにくく、受圧部材の上方が適度に後方への移動を許容するから、通常の着座時の着座感が良好になるという効果も奏する。
また、上述のように、通常の着座時、太いワイヤからなる下方連結部材を備えた受圧部材によって、受圧部材の下方は、後方へ沈み込む程度が小さくなり、その結果、乗員の身体が支持される。しかし、後面衝突時、受圧部材の下方もまた上方と同様に沈み込ませる必要があるため、下方連結部材を構成する太いワイヤに対して衝撃低減部材を取り付け、この衝撃低減部材を移動させる構成とすることにより、受圧部材を後方へ大きく沈み込ませることができる。
したがって、後面衝突時、腰部進入阻害部材によって乗員の胴部が後方へ傾倒するように誘導された際、受圧部材の全体が十分に沈み込む。すなわち、後面衝突による乗員の後方移動時、腰部進入阻害部材によって乗員の胴部が後方へ傾倒するように誘導されると共に、受圧部材によって、乗員の後方への傾倒が阻害されることがない。その結果、十分な沈み込み量を確保し、一層頸部への負担を低減することができる。
請求項1の発明によれば、後面衝突時、乗員の胴部上方を効率的にシートバック側に沈み込ませることにより、乗員の頸部にかかる負担を低減させることができる乗物用シートを提供することができる。また、後面衝突時、乗員の後傾を阻害することなく、受圧部材の後方移動量をより一層大きくして十分な沈み込み量を確保できるため、頸部への負担を軽減できると共に、通常の着座時の着座感が良好な乗物用シートを提供することができる。
請求項2の発明によれば、乗員の胴部上方を確実に後方移動(後傾)させることができると共に、乗員の胴部上方の後方移動量を大きくすることができるため、後面衝突時の頸部への負荷を軽減することが可能な乗物用シートとすることができる。
請求項3の発明によれば、後面衝突時に乗員が後傾する動きを確実に誘導するため、より一層頸部への負荷を抑制する乗物用シートを提供することができる
本発明の実施形態1に係るシートの概略斜視図である。 本発明の実施形態1に係るシートフレームの概略斜視図である。 本発明の実施形態1に係る衝撃低減部材の回動前のシートバックフレームの概略断面説明図である。 本発明の実施形態1に係る衝撃低減部材の回動後のシートバックフレームの概略断面説明図である。 本発明の実施形態1に係る衝撃低減部材とサイドフレームとの関係を示す拡大説明図である。 本発明の実施形態1に係る衝撃低減部材と付勢手段との分解説明図である。 本発明の実施形態1に係る衝撃低減部材の説明図である。 本発明の実施形態1に係る後面衝突前後での衝撃低減部材と付勢手段の状態を示す説明図である。 本発明の実施形態1に係るシートバックフレームの概略斜視図である。 本発明の実施形態1に係る腰部進入阻害部材の概略斜視図である。 本発明の実施形態2に係るシートバックフレームの概略斜視図である。 本発明の実施形態2に係る腰部進入阻害部材の概略斜視図である。 本発明の実施形態3に係るシートバックフレームの概略斜視図である。 本発明の実施形態4に係るシートバックフレームの概略斜視図である。 従来技術における乗員の動きに関する説明図である。 本発明の実施形態における乗員の動きに関する説明図である。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることはもちろんである。また、本明細書において、乗物とは、自動車・鉄道など車輪を有する地上走行用乗物、地上以外を移動する航空機や船舶など、シートを装着できる移動用のものをいうものとする。また通常の着座荷重とは、着座するときに生じる着座衝撃、乗物の急発進によって生じる加速時の荷重などを含むものである。また後面衝突時の荷重とは、後面衝突によって生じる大きな荷重であって、後方側からの乗物による大きな追突、後退走行時における大きな衝突などを指すものであり、通常の着座時に生じる荷重と同様な荷重領域のものは含まないものである。さらに、「胴部上方」とは、胸部に対応する位置を指すものである。
図1乃至図10は本発明の実施形態1に係るもので、図1はシートの概略斜視図、図2はシートフレームの概略斜視図、図3は衝撃低減部材の回動前のシートバックフレームの概略断面説明図、図4は衝撃低減部材の回動後のシートバックフレームの概略断面説明図、図5は衝撃低減部材とサイドフレームとの関係を示す拡大説明図、図6は衝撃低減部材と付勢手段との分解説明図、図7は衝撃低減部材の説明図、図8は後面衝突前後での衝撃低減部材と付勢手段の状態を示す説明図、図9はシートバックフレームの概略斜視図、図10は腰部進入阻害部材の概略斜視図であり、図11及び図12は本発明の実施形態2に係るもので、図11はシートバックフレームの概略斜視図、図12は腰部進入阻害部材の概略斜視図であり、図13実施形態3に係るもので、シートバックフレームの概略斜視図であり、図14は実施形態4に係るもので、シートバックフレームの概略斜視図であり、図15は従来技術における乗員の動きに関する説明図であり、図16は本発明の実施形態における乗員の動きに関する説明図である。
[実施形態1]
図1乃至図10を参照して、実施形態1に係る乗物用シートSについて説明する。
乗物用シートSは、図1で示すように、シートバックS1(背部)、着座部S2、ヘッドレストS3より構成されており、シートバックS1(背部)及び着座部S2はシートフレームFにクッションパッド1a,2aを載置して、表皮材1b,2bで被覆されている。なお、ヘッドレストS3は、頭部の芯材(不図示)にパッド材3aを配して、表皮材3bで被覆して形成される。また符号19は、ヘッドレストS3を支持するヘッドレストピラーである。
乗物用シートSのシートフレームFは、図2で示すように、シートバックS1を構成するシートバックフレーム1、着座部S2を構成する着座フレーム2から構成されている。
着座フレーム2は、上述のようにクッションパッド2aを載置して、クッションパッド2aの上から表皮材2bによって覆われており、乗員を下部から支持する構成となっている。着座フレーム2は脚部で支持されており、この脚部には、図示しないインナレールが取り付けられ、車体フロアに設置されるアウタレールとの間で、前後に位置調整可能なスライド式に組み立てられている。
また着座フレーム2の後端部は、リクライニング機構11を介してシートバックフレーム1と連結されている。
リクライニング機構11は、少なくともリクライニング機構11の回動軸に沿ったリクライニングシャフト11aを備えており、リクライニングシャフト11aは、下部フレーム17の延長部17aに設けられた孔(不図示)からシートフレームFの側部に突出するように嵌通して配設されている。
シートバックS1は、シートバックフレーム1に、上述のようにクッションパッド1aを載置して、クッションパッド1aの上から表皮材1bにより覆われており、乗員の背中を後方から支持するものである。本実施の形態において、シートバックフレーム1は、図2で示すように、略矩形状の枠体となっており、サイドフレーム15と上部フレーム16と下部フレーム17とを備えている。
2本(一対)のサイドフレーム15は、シートバック幅を構成するため、左右方向に離間して配設され、上下方向に延在するように配設されている。そして、一対のサイドフレーム15の上端部側を連結する上部フレーム16が、サイドフレーム15から上方に延出している。なお、上部フレーム16は、一方のサイドフレーム15から上方に延設された後、屈曲し、他方のサイドフレーム15まで延設されている。
シートバックフレーム1の下部フレーム17は、サイドフレーム15の下端部側を連結するように形成されている。下部フレーム17は、サイドフレーム15の下側に連結され下方に延長した延長部17aと、両側を連結する中間部17bを有しており、延長部17aは、着座フレーム2との関係で、支障のない範囲で延長されている。
なお、本実施形態のシートバックフレーム1は、サイドフレーム15と上部フレーム16と下部フレーム17とが別部材で形成されているが、一体のパイプフレーム、一体の板状フレーム等で形成することもできる。また、下部フレーム17の延長部17aと後述の腰部進入阻害部材50の端部との間に、アクチュエーター(リクライニングモーター)等の装置を取り付けた構成としても良い。
そして下部フレーム17には、乗員の腰部の後方位置に相当する部分が腰部側に膨出して、すなわちシートフレームFの前方に向かって、頸部負担低減手段としての腰部進入阻害部材50が配設されている。腰部進入阻害部材50は、下部フレーム17の中間部17bと固着接合されて、中空の筒状、或いは角柱状に設計されている。腰部進入阻害部材50の中空の内部には、リクライニングシャフト11aが貫通して配設されるため、リクライニングシャフト11aに腰部進入阻害部材50が当接してリクライニングシャフト11aの移動(回動)を阻害することがない。
このように、シートバックフレーム1の下方に配設されるリクライニング機構11を更に備え、腰部進入阻害部材50は、リクライニング機構11の回動軸よりも前方に膨出して配設されている。なお、腰部進入阻害部材50の詳細な構成、作用は後述する。
図2で示すように、閉断面形状(たとえば、断面が円形、矩形等)の部材からなる上部フレーム16は、略U字状に屈曲されている。そして、上部フレーム16の側面部16aは、サイドフレーム15の側板15aに対して上下方向に沿って一部が重なるように配設され、この重なり部分においてサイドフレーム15に固着接合される(図5参照)。なお、本実施形態1では上部フレーム16は断面円形の管状部材によって形成されているが、断面が矩形の管状部材としても良い。
また、上部フレーム16の上方には、ヘッドレストS3が配設されている。ヘッドレストS3は、前述のように芯材(不図示)の外周部にパッド材3aを設け、パッド材3aの外周に表皮材3bを被覆して構成している。上部フレーム16には、ピラー支持部18が配設されている。このピラー支持部18には、ヘッドレストS3を支持するヘッドレストピラー19(図1参照)がガイドロック(不図示)を介して取り付けられて、ヘッドレストS3が取り付けられるようになっている。なお、本実施形態1ではシートバックS1とヘッドレストS3が別体となって形成されている例を示したが、シートバックS1とヘッドレストS3が一体となって形成されたバケットタイプとしても良い。
シートバックフレーム1の一部を構成するサイドフレーム15は、図2で示すように、シートバックフレーム1の側面を構成する延伸部材であり、平板状の側板15aと、この側板15aの前端部(乗物前方側に位置する端部)からU字型に内側へ屈曲し、折り返した前縁部15bと、後端部からL字型に内側へ屈曲した後縁部15cとを有している(図5参照)。
本実施形態の前縁部15bには、後縁部15c側へ張り出した突起部15dが形成されており、この突起部15dには、ばねを係止するための係止部としての係止孔33が形成されている。
また、前縁部15bの突起部15dから付勢手段としての引張りコイルばね35が配設される位置には、乗物前方側に切り欠いて幅を少なくした切り欠き部が形成されていてもよい。この切り欠き部により、サイドフレーム15は、引張りコイルばね35との干渉を防止することができる。
そして、本実施形態のサイドフレーム15には、後述の移動部材30が係止されている。なお、移動部材30の詳細な構成、作用は後述する。
シートバックフレーム1内(両側のサイドフレーム15の間)でシートバックフレーム1の内側領域には、クッションパッド1aを後方から支える受圧部材としての受圧部材20が配設されている。
本実施形態の受圧部材20は、樹脂を板状の略矩形状に形成した部材であり、クッションパッド1aと接する側の表面には滑らかな凹凸が形成されている。受圧部材20の裏側の上部側と下部側には、図2で示されるように、上方連結部材としてのワイヤ21及び下方連結部材としてのワイヤ22を係止するための爪部が形成されている。
本実施形態の受圧部材20は、連結部材に支持されている。すなわち、連結部材としての2本のワイヤ21,22が両側のサイドフレーム15間に架設され、受圧部材20の裏側の上部側と下部側で、所定位置に形成された爪部によって受圧部材20と係合し、受圧部材20をクッションパッド1aの背面で、支持している。ワイヤ21,22は、ばね性を有するスチール線材から形成され、屈曲部である凹凸部が形成されている。
特に本実施形態の受圧部材20に係止された2本のワイヤ21,22のうち、上方に位置するワイヤ21は、下方に位置するワイヤ22よりも細いワイヤで構成されている。これにより、受圧部材20は下方と比較して上方が後方へより移動しやすくなっている。したがって、後述の腰部進入阻害部材50によって乗員の後傾が誘導された際、受圧部材20も後傾する動きに追従しやすくなるため、受圧部材20によって乗員の後傾する動きが阻害されることがない。その結果、乗員の後方移動量を大きくすることができる。
また、ワイヤ22は太い線材で構成されるため、剛性が高く、通常の着座時は変形しにくい。したがって、通常の着座時、細い線材からなるワイヤ21によって支持される受圧部材20の上方は後方へ移動しやすく、太い線材からなるワイヤ22によって支持される受圧部材20の下方は大きく後方へ移動しない。その結果、通常の着座時においては受圧部材20の上方は適度に後方へ沈み込み、下方は乗員の身体を支持するため、着座感が損なわれることがない。
さらに、ワイヤ21,22は凹凸部が形成されていることによって、所定以上の荷重(後述する衝撃低減部材の可動又は回動の荷重より大きな荷重)によって大きく変形し、受圧部材20が、より多くの移動量をもって後方へ動くように構成されている。
図3及び図4で示すように、本実施形態の受圧部材20に係止された2本のワイヤ21,22のうち、上部側に係止されたワイヤ21の両端部は、両側のサイドフレーム15に設けられた軸支部37に掛着されている。一方、下部側に係止されたワイヤ22の両端部は、左右のサイドフレーム15に装着された移動部材30の係止部31に掛着されている。
ワイヤ21よりも太い線材で構成されたワイヤ22は、上述のように変形しにくく、通常の着座時、受圧部材20の下方部分は後方へ移動しにくい。したがって、後面衝突時には十分な沈み込み量を確保するため、ワイヤ22の端部に移動部材30が取り付けられる。
衝撃低減部材としての移動部材30は、後面衝突等により所定以上の衝撃荷重が受圧部材20に加わったときに、連結部材(ワイヤ22)を介して伝わる衝撃荷重により乗物後方に移動すると共に受圧部材20を後方へ移動させ、乗員を後方へ移動するものである。なお、「移動」とは、水平移動、回動等の動きを指す。本実施形態では、軸部32を回動軸として回動する移動部材30について説明する。この移動部材30の乗物後方への移動により受圧部材20を乗物後方へ大きく移動させることができ、その結果、乗員を後方へ移動させるため、乗員にかかる衝撃を低減することができる。
本実施形態の移動部材30は、図5、図6で示すように、両側のサイドフレーム15の側板15aの内側に、回動軸としての軸部32を介して回動自在に軸支され、連結部材としての下方位置のワイヤ22を係止すると共に、ワイヤ22を付勢する付勢手段としてのばね(引張りコイルばね35)と連結されるものである。つまり、移動部材30は、付勢手段35と連結しており、連結部材22を介して受圧部材20をシートバックフレーム1の前方側に付勢するように構成されている。(なお、図5では説明のため、引張りコイルばね35を省略して図示している。)
そして、本実施形態の移動部材30は、回動可能な軸部32によって、サイドフレーム15の内側に配設されている。
軸部32は、図6で示すように、軸部材32aと、移動部材30に設けられた軸孔32bと、サイドフレーム15の側板15aに設けられた孔部32cと、嵌め合わせ部材32dとから構成されており、軸部材32aを軸孔32bに挿通して孔部32cに嵌着し、軸部材32aの先端側から嵌め合わせ部材32dを嵌合して、移動部材30を回転自在に軸支している。なお、サイドフレーム15の側板15aには、軸部32が配設される位置、より詳細には、軸部32が移動(回動)する範囲において内側に向かって膨出した凸部15eが形成されている。
本実施形態の移動部材30は、回動可能な軸部32と、この軸部32から所定距離の位置に形成された連結部材の係止部31と、付勢手段の係止部(係止凹部31a)と、移動(回動)を阻止する移動阻止部39と、を備えている。
本実施形態の連結部材(ワイヤ22)を掛着して係止するための係止部31は、連結部材であるワイヤ22の折れ曲がった鈎状端部(鈎部22a)が挿通される。そして、鈎部22aの取り付けを容易とするために、係止部31は長孔によって形成されている。さらに、係止部31は、後述の付勢手段(引張りコイルばね35)を係止するための係止凹部31aが一体に連続して形成されている。
係止部31の形成部30cは、移動部材30を構成するベース部30aの外周側に連続して立ち上がるように形成された立上り部30bから外周方向に延出して形成されている。第1立上り部30bは、軸部32を中心とした場合に、移動阻止部39の位置から概略90°離れた位置に形成されている。
係止部31に掛着されたワイヤ22は、係止部31に挿通された端部が屈曲されることにより鈎部22aが形成されている。この鈎部22aを形成することにより、移動部材30の移動(回動)時、大きな荷重がワイヤ22にかかった場合であっても、移動部材30から脱離しにくい構成となっている。
そして、さらにワイヤ22を移動部材30から脱落しにくくするため、移動部材30の係止部31が形成された形成部30cには、係止部31よりも乗物後方側に、鈎状の回転抑制部34が凸設されている。
回転抑制部34は、形成部30cから延出して一体に形成された突片であり、この突片は、ワイヤ22の端部(鈎部22a)が配設される側に屈曲している。したがって、後面衝突時等、移動部材30が移動(回動)し、ワイヤ22に対して乗物後方側への荷重がかかると共にワイヤ22が回転した場合、回転抑制部34と鈎部22aとが当接する。
このように、回転抑制部34はシート内側からサイドフレーム15側に向かって挿通されるワイヤ22の端部と当接しやすい位置に形成されることにより、ワイヤ22の脱離を抑制するものである。
図7で示すように、回転抑制部34は、形成部30cから延出された鈎状の突片からなり、この突片はサイドフレーム15側に向かって略垂直に形成されている。そして、図8に示すように、移動部材30の移動(回動)時、ワイヤ22の鈎部22aと係合し、ワイヤ22が回転するのを抑制する構成である。
すなわち、回転抑制部34は、鈎部22aに対し、移動部材30の移動(回動)時に鈎部22aが回転する方向側に形成されている。
後面衝突時、ワイヤ22に対して後方への荷重がかかった場合、移動部材30が後方へ移動(回動)する。この時、ワイヤ22には後方への張力が加わり、ワイヤ22が回転し、長孔状に形成された係止部31から、鈎状端部22aが脱落する虞がある。しかし、本発明のように、移動部材30の移動(回動)時、回転抑制部34がワイヤ22の鈎部22aの回転する方向側に形成された構成とし、鈎部22aと回転抑制部34とが係合することにより、ワイヤ22の回転を抑制することができ、ワイヤ22が移動部材30の係止部31から脱離するのを抑制することができる。
本実施形態の付勢手段の係止凹部31aは、付勢手段である引張りコイルばね35の端部を係止するものであり、上記係止部31が形成される形成部30cの、係止部31の一部を乗物後方へ切り欠くように形成されている。そして、図5に示すように、係止凹部31aは、軸部32の中心と係止部31のワイヤ22が掛着される位置を結ぶ線Yより乗物前方の位置に形成されている。なお、図5では説明のため、引張りコイルばね35を省略して図示している。
本実施形態における付勢手段としての引張りコイルばね35は、図6で示すように、ばね線材をコイリング成形することによって形成されており、その両端部には、それぞれフック35aが半円状に成形されている。そして、引張りコイルばね35のフック35aは、移動部材30の係止凹部31aとサイドフレーム15の突起部15dの係止孔33とに係止されている。このような構成により、引張りコイルばね35によって、移動部材30がシートバックフレーム1の前方側へ付勢されている(図8参照)。
上述した移動部材30は、両側のサイドフレーム15に取り付けられており、両側のそれぞれの移動部材30の係止部31に、ワイヤ22の両端部である鈎部22aが掛着されており、各々の移動部材30が個別に作動するように構成されている。
本実施形態では、移動部材30が、両側のサイドフレーム15に取り付けられているが、これら両側に取り付けられた移動部材30は、互いに独立して移動(回動)するように構成されている。このため、荷重が偏って生じた場合において、荷重に合わせて両側のサイドフレーム15に取り付けられた移動部材30が、各々独立して移動(回動)することになり、衝撃荷重の大きさに応じて、乗員の身体を沈み込ませることができる。
乗員が着座した通常の着座時において、シートバックS1内のクッションパッド1a、受圧部材20、ワイヤ22を介して、移動部材30を後方移動(回動)させる張力が生じるが、一方、引張りコイルばね35が移動部材30をシートバックフレーム1の前方側へ移動(回動)させるように付勢している。ここで、移動部材30に連結されている引張りコイルばね35は、通常の着座時において生じる荷重領域ではたわまない荷重特性を有しているため、移動部材30は常に初期位置に制止されている。つまり、移動部材30を移動(回動)させる力に抗して初期状態に復帰させる力が、通常の着座時に最も大きくなるように構成している。
そして、移動部材30には、引張りコイルばね35の付勢力による移動(回動)範囲を制御するための突片部38が一体に形成されている。突片部38は、図5に示すように、側板15aに形成された凸部15eと摺接するベース部30aの外周側に連続してベース部30aより一部が突出することにより形成されている。突片部38はベース部30aから垂直な面がシート外側方向、すなわちサイドフレーム15の側板15a方向に折曲されている。そして、上記構成の突片部38は、移動部材30において、軸部32が配設される位置よりも乗物前方側に形成されている。
突片部38は、サイドフレーム15の凸部15eに下方から当接して係合する構成である。これにより、引張りコイルばね35の付勢力により移動部材30が与えられる上方向への力を押し止めることができる。
傾斜部15fは、サイドフレーム15の側板15aからシート内側方向へ立ち上がるように形成された傾斜面であり、平面部15iと共に凸部15eを構成している。
そして、傾斜部15fは、移動部材30が摺接する部分から、サイドフレーム15の前縁部15bまで連続して形成されている。なお、本実施形態において傾斜部15fは、前縁部15bまで延設されているが、後縁部15cまで延設された構成としても良い。すなわち、サイドフレーム15において、傾斜部15fは、軸部32及び軸部32の周囲に配設されるベース部30aを包囲する位置に平面視略円形状に形成され、さらにその一部が前縁部15b又は後縁部15cに向かって延出するように形成されている。
そして、傾斜部15fは前縁部15b又は後縁部15c等の剛性が高い部分に形成され、さらに前縁部15b又は後縁部15cに向かって延設された凸部15eに対して突片部38が当接する。したがって、剛性の高い凸部15eに対して突片部38が当接するため、後面衝突により大きな荷重が加わった場合であっても、変形を防止することができる。
そして、凸部15e(より詳細には、傾斜部15fの一部)は、その一部が長孔状に切り欠かれることにより、ストッパ部15gが形成されている。このストッパ部15gを形成することにより、突片部38の端部はストッパ部15gに引っ掛かりやすく、その結果、突片部38に対して引張りコイルばね35により上方向の力が加わっても、凸部15e上に突片部38が乗り上げるのを防ぐことができる。なお、鈎上に形成された突片部38は、ストッパ部15gに嵌合される構成ではなく、その開放端は側板15aと面一となるように形成されている。
さらに、ストッパ部15gと対向する位置に、所定距離で離間して長孔状に切り欠かれた孔15hが形成されている。この孔15hは、ストッパ部15gと略同形、同大で形成されており、さらにその長孔の長軸が、ストッパ部15gの長軸方向に対して平行になるように形成されている。
この孔15hを形成することにより、移動部材30を取り付ける凸部15e(より詳細には、傾斜部15f、平面部15i)が形成しやすくなる。また、サイドフレーム15の一部をさらに切り欠くことにより、より軽量な乗物用シートSとすることができる。
また、凸部15eを構成する平面部15iは、移動部材30の移動範囲(回動軸)に対して略直交するように形成されている。したがって、平面状のベース部30aに対して、凸部15eが広い面積で当接する構成となる。その結果、平面部15iとベース部30aとが摺接する際、大きな摩擦力が生じるため、移動部材30の移動(回動)時、ストッパ機能が向上し、移動部材30の移動(回動)範囲を制御しやすくなる。また、平面部15iとベース部30aとが摺接するため、移動部材30は、サイドフレーム15に対して安定して移動(回動)することができる。
本実施形態の移動阻止部39は、移動部材30が移動(回動)したときに、移動(回動)を阻止するためのものである。図3、図4に示すように、軸部32を中心に回動した時に側板15aに形成された凸部15eと摺接するベース部30aの外周側に連続してベース部30aより一部が突出して第2立上り部30dが形成され、さらに第2立上り部30dから垂直な面が回動軸(軸部32)の外側方向に向かって延出されることにより、移動阻止部39が形成されている。そして、上記構成の移動阻止部39は、移動部材30において、軸部32が配設される位置よりも、乗物後方側に形成されている。
第2立上り部30dは、側板15aから離間する方向、すなわちベース部30aに対し、略垂直に立ち上がるようにして形成されており、第2立上り部30dに対して略垂直な面によって構成される移動阻止部39は、サイドフレーム15の側板15aに対して略平行に形成されている。この移動阻止部39がサイドフレーム15の後縁部15cと当接することにより、移動部材30の移動(回動)範囲の規制を行うものである。
すなわち、図5に示すように、第2立上り部30dはサイドフレーム15の後縁部15cと平行且つ側板15aから離間する方向に屈曲して立ち上がる屈曲部を形成しており、移動阻止部39がこの屈曲部からさらに連続して後縁部15cに対して垂直な方向に折り曲げられている。
移動阻止部39はそれぞれ移動部材30の移動(回動)後にサイドフレーム15の後縁部15cと当接して移動(回動)を阻止する当接部である。そして、移動部材30が移動(回動)した後、サイドフレーム15と当接する移動阻止部39の厚さ方向の面は、当接時に後縁部15cと面一になるように形成されている。
移動阻止部39は、移動部材30の移動(回動)設定範囲を規制するため設けられ、後面衝突時、乗員の荷重によって移動部材30が移動(回動)したときに、移動阻止部39が上部フレーム16に当接して移動(回動)が止まるように設定されている。つまり、移動部材30の移動(回動)後の停止位置を設定する移動阻止部39が形成されている。
このように、移動部材30の移動阻止部39は移動部材30を外周方向に延出させて一体に形成されており、その当接面が移動(回動)後においてサイドフレーム15と当接するので、部品点数を少なくすることができ、簡単且つ強度を確保した構成で、移動部材30の移動(回動)を安定して確実に停止させることができる。
この移動阻止部39は、後述する付勢手段(引張りコイルばね35)や連結部材(ワイヤ22)と干渉しない位置に形成される。
なお、本実施形態においては、移動部材30の移動阻止部39がサイドフレーム15に直接当接して移動(回動)を阻止するように構成されているが、移動阻止部39とサイドフレーム15との間に、当接時に発生する異音を消すために、移動部材30の移動(回動)停止の安定を阻害しない程度の厚さを有するラバーなどの消音部材を取り付けることもでき、このように構成すると、安定した移動(回動)阻止ができるとともに、消音効果が期待できる。
上記のように、本発明の移動部材30は、突片部38及び移動阻止部39を備えることにより、その移動(回動)範囲が制御されている。後面衝突時の移動部材30の動きについて、以下、図面を参照して説明する。
図3は衝撃低減部材の回動前、図4は衝撃低減部材の回動後を示し、図5は回動前の衝撃低減部材とサイドフレームとの関係を示し、図8において鎖線は後面衝突前、実線は後面衝突後の状態を示している。
常時において突片部38は、サイドフレーム15に設けられたストッパ部15gが形成された位置において凸部15eに当接し、引張りコイルばね35による上方向に加わる力を押し止め、移動部材30が前方に移動(回動)しすぎることがないように移動(回動)範囲を制限している。
そして、後面衝突時においては、図8で示すように、後方から衝撃を受けて慣性で乗員が後方に移動しようとすると、この荷重が受圧部材20(図8では不図示)と、受圧部材20に係止されたワイヤ22を介して、移動部材30を後方(図8では左側)に移動(回動)させる方向に張力がかかる。このときの張力は、移動部材30を初期位置に留めている引張りコイルばね35を伸長させ、移動部材30を後方に移動(回動)させるのに十分な荷重となる。
移動部材30が移動(回動)を始める力の閾値は、通常の着座荷重よりも大きな値に設定されている。
ここで、移動部材30が移動(回動)を始める力の閾値について、通常着座している状態(ここでは、着座衝撃や乗物の急発進によって生じる小さな衝撃は除いている)でシートバックS1にかかる荷重は150N程度であるので、閾値は150Nより大きい値が好ましい。この値より小さいと、通常の着座時に移動してしまい、安定性に欠けるため、好ましくない。
また、通常の着座時に生じる着座衝撃や、乗物の急発進等によって生じる加速時の荷重を考慮して、250Nより大きな値に設定することが好ましく、このようにすると、後面衝突以外では移動部材30が作動せず、安定した状態を維持することができる。
上述のように、移動部材30を後方に移動(回動)させることで、係止部31に掛着されているワイヤ22が後方に移動し、それと共にワイヤ22に係止されている受圧部材20と、受圧部材20に支持されているクッションパッド1aが後方に移動し、乗員をシートバックS1内に沈み込ませることができる。
以下に、後面衝突時の移動部材30の移動(回動)特性について、図8を参照してさらに詳しく説明する。
移動部材30の移動(回動)前の初期位置においては、ワイヤ22を係止する係止部31と引張りコイルばね35の下端部を係止する係止凹部31aは、軸部32よりも乗物前方に位置するように配置されており、引張りコイルばね35の上端部は移動部材30の上方に位置するサイドフレーム15の突起部15dに形成された係止孔33に係止されている。
後面衝突により、ワイヤ22に所定以上の張力が生じ、引張りコイルばね35に抗して移動部材30が移動(回動)を始めると、引張りコイルばね35が伸びて、移動部材30に設けられた係止凹部31aは、軸部32の回動中心を軸として回動しつつ後方へ移動することになる。そして、図8で示すように、移動部材30は、移動阻止部39が、サイドフレーム15と当接して、移動部材30の移動(回動)を阻止するまで移動(回動)する。これにより、図3で示す状態から図4で示す状態に、受圧部材20はシートフレーム1の後方へ大きく移動して、沈み込み量が大きくなる。
本実施形態では、移動部材30が移動(回動)して受圧部材20が移動するとき、引張りコイルばね35の上端部は、移動部材30よりも上方に形成された係止孔33に固定されているため、係止凹部31aの移動方向と、引張りコイルばね35が伸長する方向が一致しない構成となっている。
すなわち、移動部材30の移動(回動)量と、引張りコイルばね35の引張り荷重(たわみ量)は比例しない構成となっており、さらに換言すれば、移動部材30の回動角度と、引張りコイルばね35により与えられる前方回動方向のトルク(回転力)は単純に比例しない関係となっている。
つまり、引張りコイルばね35の下端部を係止する係止凹部31aは、軸部32を回転中心とした円弧状の軌跡を描くのに対し、引張りコイルばね35の上端部を係止する係止孔33は、移動部材30の上方に固着接合されている固定端として形成されている。
移動部材30は、ワイヤ22を介して生じる張力に対し、上述したような移動(回動)特性を有しているために、後面衝突が生じた場合は確実に、且つ効率よく乗員をシートバックS1のクッションパッドに沈み込ませることができる。
このとき、乗員の背部がシートバックS1に沈み込むことで後方に移動しているが、ヘッドレストS3の位置は相対的に変わらないため、ヘッドレストS3と頭部の隙間が縮まり、ヘッドレストS3で頭部を支持することができるため、頸部へ加わる衝撃を効果的に軽減する効果を奏する。
上記実施形態では、移動部材30を左右両側のサイドフレーム15に設けた例を示しているが、一方のサイドフレーム15のみに設ける構成としてもよい。この場合には、移動部材30が設けられていない側のサイドフレーム15には、連結部材(ワイヤ)21,22を直接係止するように構成することができる。
このように、本発明の乗物用シートSは、衝撃低減部材としての移動部材30がサイドフレーム15に配設されており、後面衝突時、乗員の身体を後方に沈み込ませることができる。そして、さらに乗員の身体をより後方へ沈み込ませ易くするため、本発明の乗物用シートSは、腰部進入阻害部材50を備えている。
上述のように、下部フレーム17には、乗員の腰部の後方位置に相当する部分において、腰部進入阻害部材50が備えられている。腰部進入阻害部材50は、乗員の腰部側に膨出するように形成されており、後面衝突時等、乗員が急激に後方へ移動する際、乗員の腰部を押し止めるために配設されるものである。
腰部進入阻害部材50は、図9に示すように、中空の角柱状に形成されており、その内部にリクライニングシャフト11aが挿通されている。
このように、リクライニング機構11の回動軸、すなわちリクライニングシャフト11aに相当する位置よりも前方に腰部進入阻害部材50を設けることにより、乗員が後方移動した際、より早く乗員の腰部が腰部進入阻害部材50に当接する。
なお、腰部進入阻害部材50上にはクッション材(クッションパッド1a)が配設されており、腰部進入阻害部材50はクッションパッド1a及び表皮材1bを介して乗員の腰部に相当する位置に配設される。このように前方に膨出した腰部進入阻害部材50が、クッションパッド1a及び表皮材1bを介し、乗員の腰部がシートバックS1に沈み込む動きを押し止める。その結果、後面衝突時に乗員の上体全体を後方に傾倒(回転)させ、上体がシートバックS1側へ沈み込む動きを誘導する。したがって、頭部の急激な後方移動を防ぐことが可能となる。
以下に、実施形態1の腰部進入阻害部材50と下部フレーム17との接合方法、及び腰部進入阻害部材50の構成に関し、図3、図4、図9及び図10を用いて詳細に説明する。
図9に示すように、腰部進入阻害部材50はシートバックフレーム1の前方、すなわち乗員の着座側に向かって突出するように、下部フレーム17に接合される。このとき、リクライニングシャフト11aは腰部進入阻害部材50の内部を貫通するように配設されると共に、腰部進入阻害部材50とは当接しない位置に配設される。したがって、リクライニングシャフト11aの回動時、腰部進入阻害部材50によってその動きが阻害されることがなく、リクライニング機能を損なうことがない。
実施形態1において、腰部進入阻害部材50は、図10に示すように、中空の略角柱状に形成されており、その側面の一部が切り欠かれている。そして腰部進入阻害部材50は、上方に上方面51、下方に下方面52、シートフレームF(シートバックフレーム1)の前方、すなわち、乗員の着座側に前方面53が配設されるように、下部フレーム17に接合される。上方面51及び下方面52は、それぞれ下部フレーム17と接合する上方接合面51a、下方接合面52aを備えている。この上方接合面51a、下方接合面52aは、それぞれ、上方面51の端部を下方に、下方面52の端部を上方にそれぞれ折曲した形状をとっている。
そして、上方接合面51aは下部フレーム17の上端(より詳細には、中間部17bの上端)と重なって接合され、下方接合面52aは、下部フレーム17の下端(より詳細には、中間部17bの下端)と接合(面接合)されている。この時、上方面51、下方面52は、それぞれ上方接合面51a、下方接合面52aを、中間部17bがシートフレームFの前方に曲折した部分と重なるようにして固着接合されている。固着接合の手段としては溶接、リベット止め、ボルト止め、若しくはスポット溶接などが挙げられる。
なお、本実施形態1では、上方面51及び下方面52の端部を折り曲げた形状の上方接合面51a及び下方接合面52aを、それぞれ中間部17bの上方端部及び下方端部に重ねた形状としているが、腰部進入阻害部材50の上方面51及び下方面52の端部を折り曲げた形状とする必要はなく、中間部17bの表面に直接上方面51及び下方面52の端部または縁辺を接合しても良い。
このように、腰部進入阻害部材50に接合面を形成し、これら二つの接合面に下部フレーム17の端部を重ねて接合させることにより、面接合の強度が向上する。この構成により、特に上方向からの荷重に対し、腰部進入阻害部材50だけでなく、下部フレーム17の上端部でさらに荷重を受けることができるため、より強固な腰部進入阻害部材50を備えた乗物用シートSとすることができる。
また、上方面51と前方面53との境界部分に形成される角部54は、上方に凸の滑らかな膨出曲線(円弧状)となるように形成されており、この構成により、乗員の後傾を誘導しやすくなる。この角部54は、後面衝突時、乗員の腰部が後方に沈み込まないように押し止める部分であるから、円弧の半径が大きく設計されているとより確実に乗員の後傾を誘導することができるため好ましい。
上述の腰部進入阻害部材50の取り付け順序として、特に制限はないが、下部フレーム17と接合して一体の部材としてからリクライニングシャフト11aを腰部進入阻害部材50の中空部分に挿通させ、シートフレームFの組立てを行っても良いし、また、シートバックフレーム1と着座フレーム2を、リクライニング機構11を介して連結させてシートフレームFを組み立てた後、シートフレームFの前方から、腰部進入阻害部材50を下部フレーム17に嵌め込んで接合しても良い。
なお、中間部17bの略中央部に腰部進入阻害部材50が配設される構成であれば、一定の(一種類の)大きさの腰部進入阻害部材50を用いることができるため、様々な大きさのシートバックフレーム1に対応可能であり、汎用性が高い。すなわち、様々な大きさのシートバックフレーム1であっても、乗員の腰部を支持可能な大きさ、配置とすることができれば、一種類の腰部進入阻害部材50を成形するだけでよい。
また、腰部進入阻害部材50は、下部フレーム17の中間部17bの長手方向に沿って接合されており、腰部進入阻害部材50の左右方向の寸法は、左右の端部がサイドフレーム15(より詳しくは、下部フレーム17の両側の延長部17a)とはいずれも所定距離離間して配置可能な長さに調整されている。このような構成とすると、腰部進入阻害部材50と下部フレーム17の両側の延長部17aとの間にアクチュエーター(リクライニングモーター)等の部材を設置することができ、好適である。
腰部進入阻害部材50が左右の延長部17aの内側から僅かに離間して配置されることの効果について説明する。
本発明のシートバックフレーム1において、後面衝突を受けた際、乗員の腰部は後方に移動するが、腰部進入阻害部材50に押し止められる。そして、腰部進入阻害部材50が下部フレーム17の延長部17aと連続して設けられていた場合、乗員からの衝撃が延長部17aを介してサイドフレーム15に伝達される。その結果、シートバックフレーム1が腰部進入阻害部材50を伴って後傾してしまい、シートバックフレーム1の内部に備えられた受圧部材20に対して、乗員を十分に沈み込ませることが難しい。
一方、本発明のように、腰部進入阻害部材50が延長部17aの内側から僅かに離間して配置されることにより、後面衝突時、乗員の腰部が急激に後方へ移動しても、その衝撃はサイドフレーム15に伝播する程度が小さい。したがって、シートバックフレーム1の後傾を防止することができ、乗員の上体を後方へ十分に沈み込ませることができ、乗員の頸部にかかる負荷を緩和することができる。
図3、図4、図9及び図10に示すように、腰部進入阻害部材50は、中空の角柱となるように成形されており、さらにその側面の一部を切り欠くような形状となっており、側面が歪んだ略コ字状に形成されている。
このように中空形状とすることで、乗員の腰部の進入を抑えるだけでなく、特に側面衝突の際においても側方から受けた荷重(側面衝突時の荷重)によってサイドフレーム15や延長部17aが内側方向に変形した場合には、左右の延長部17aが腰部進入阻害部材50の側方の端部に当接する。
また、図3及び図4のように、腰部進入阻害部材50は、少なくとも前方に配設される前方面53を備え、前方面53の下方は、前方面53の上方よりも前方に膨出して配設されると好ましい。すなわち、腰部進入阻害部材50の前方面53が、角部54の位置(図3中の線A)よりも前方に膨出して形成されていると好ましい。このように、前方面53の下方が前方へ傾倒する構成とすることにより、前方面53が傾斜していない腰部進入阻害部材50と比較して、後面衝突時、乗員の上体が後方へより傾倒し易くなるものである。その結果、乗員の上体の後方回転を促進すると共に、受圧部材20に対して沈み込みやすくなるため、乗員の頸部にかかる負荷を小さくすることができる。
さらに、本発明の乗物用シートSにおいて、腰部進入阻害部材50は、その少なくとも一部が、サイドフレーム15の間に配設された受圧部材20の前端よりも前方に膨出して配設されると好ましい。すなわち、上方面51又は前方面53は、受圧部材20の最も前方側に位置する前端(図3中の線B)よりも前方に延出して形成されている。このように、乗員の身体(背中)を支持するための受圧部材20よりも前方に腰部進入阻害部材50が膨出した構成とすることにより、乗員の背中が受圧部材20に沈み込み、移動部材30が移動(回動)するよりも早く、乗員の腰部を腰部進入阻害部材50に当接させることができる。その結果、後面衝突時、乗員の後傾(後方への沈み込み)が早くなると共に乗員の沈み込み量を大きくすることができ、頸部への負荷を小さくすることができる。
さらに、腰部進入阻害部材50の少なくとも一部、すなわち上方面51又は前方面53は、移動部材30の少なくとも一部よりも前方に配設されている。より詳細には、移動部材30の軸部32、さらに詳細には軸部32を構成する軸部材32a及び嵌め合わせ部材32d(図3中の線C)よりも前方に延出して形成されている。このように、移動部材30の軸部32よりも腰部進入阻害部材の一部が前方に形成されていることにより、乗員の後方移動時、確実に乗員の後傾を誘導することができ、その結果、乗員の後方移動量を大きくすることができる。
この構成とすることにより、乗員の腰部が沈み込む動きをした場合、乗員の身体(腰部より上方、胴部における上部)の後方移動量を増やし、上体を後傾させるため、受圧部材20への沈み込みが大きくなり、頸部及び頭部が上体に連動して動くことを誘導することができる。
この腰部進入阻害部材50は、所定の厚さの板材からなる金属で形成されており、この時、用いる金属は、後面衝突時の荷重に耐えうる強度、硬度を備えたものとする。なお、下部フレーム17に好適に固着接合することができ、乗物後方側からの衝撃が加わった時に乗員により生じる荷重以上の剛性を有するもの、すなわち後面衝突時の荷重に耐えうる強度を備えたものであれば、腰部進入阻害部材50を構成する材料として他の材料を用いても良いのは勿論である。
また、板厚、材質等を適宜選定することにより、腰部進入阻害部材50の強度を調整することができる。例えば、腰部進入阻害部材50の板厚を厚くすることで、後面衝突時、乗員の腰部が激しく後方へ移動した場合であっても、十分な強度を有する腰部進入阻害部材50により、腰部の沈み込みを防止することができる。
[実施形態2]
以下に、実施形態2の腰部進入阻害部材60と下部フレーム17との接合方法、及び腰部進入阻害部材60の構成に関し、図11及び図12を用いて詳細に説明する。
実施形態2に係る腰部進入阻害部材60は、後方面の一部が切り欠かれている実施形態1の腰部進入阻害部材50とは異なり、後方面65を有している点を特徴としている。そして、腰部進入阻害部材60の構成及び下部フレーム17に対する取り付け方法以外の構成(例えば、移動部材30に関する構成)、作用は実施形態1の腰部進入阻害部材50と同様であるため、説明を省略する。
実施形態2において、腰部進入阻害部材60は、図11に示すように、中空の略角柱状に形成されている。そして腰部進入阻害部材60は、上方に上方面61、下方に下方面62、シートフレームF(シートバックフレーム1)の前方に前方面63、後方に後方面65が配設されるように、下部フレーム17に接合される。
この時、切り欠かれた部分に下部フレーム17を嵌入して接合する実施形態1とは異なり、実施形態2では下部フレーム17の中間部17bの一部を切断して取り外し、後方面65の縁端(側面側の辺)65aの一部、若しくは全部を中間部17bの切断面と接合する。すなわち、腰部進入阻害部材60は下部フレーム17の中間部17bと一体となるように成形されている。
図11においては、縁端65a(図12参照)の一部を接合した場合を示したが、縁端65aの全部を中間部17bの切断面と接合する場合は、腰部進入阻害部材60が、リクライニングシャフト11aと当接しない配置となるように、腰部進入阻害部材60の形状、又は中間部17bの形状を変更し、調整する。また、下部フレーム17の形状を変更しても良い。
なお、中間部17bがシートフレームFの前方に曲折した部分と、上方面61が一体となるように接合されると、後方接合面65bの接合強度が高くなるため好ましい。
また、実施形態1と同様に、上方面61と前方面63によって形成される角部64は、上方に凸の滑らかな膨出曲線(円弧状)となるように形成されている。
さらにまた、実施形態2において前方面63は略垂直方向に面が形成され、下部フレーム17と略平行に形成されているが、実施形態1と同様に、腰部進入阻害部材60の前方面63は傾斜した構成としてもよい。
腰部進入阻害部材60の取り付け順序として、はじめに、下部フレーム17の中間部17bにおいて、その略中央部に腰部進入阻害部材60が嵌入されるように、後方面65が嵌入する長さ分だけ切除した後、その切断面と腰部進入阻害部材60を接合して一体の部材とする。次に、リクライニングシャフト11aを腰部進入阻害部材60の中空部分に挿通させ、シートフレームFの組立てを行う。この時、下部フレーム17のみを単独で扱って腰部進入阻害部材60を取り付けても良いし、下部フレーム17の延長部17aを予めサイドフレーム15に固着させてから腰部進入阻害部材60を取り付けても良い。
腰部進入阻害部材60は、下部フレーム17の中間部17b及び後方面65が連続して取り付けられている。すなわち腰部進入阻害部材60は、後方面65の端部である後方接合面65bによって下部フレーム17に溶接されて接合されている。また、腰部進入阻害部材60においても、左右方向の寸法は、左右の端部が下部フレーム17の両側の延長部17aとはいずれも離間して配置可能な長さに調整されている。
図11及び図12に示すように、腰部進入阻害部材60は、側面が略矩形状で、中空の角柱となるように成形されている。そして図11に示すように、腰部進入阻害部材60の後方面65は下部フレーム17の中間部17bと固着接合されて一体となっている。なお、図11及び図12では、腰部進入阻害部材60が略矩形状に形成された例を示したが、下部フレーム17に接合し、且つリクライニングシャフト11a等の他の構成部材と接触しない形状であれば、側面が略円形、略楕円形となるように形成されていても良い。
この腰部進入阻害部材60は、所定の厚さの板材からなる金属で形成されており、この時、用いる金属は、後面衝突時の荷重に耐えうる強度、硬度を備えたものとする。なお、下部フレーム17に好適に固着接合することができ、乗物後方側からの衝撃が加わった時に乗員により生じる荷重以上の剛性を有するもの、すなわち後面衝突時の荷重に耐えうる強度を備えたものであれば、腰部進入阻害部材60は他の材料を用いてもよいのは勿論である。
また、板厚、材質等を適宜選定することにより、腰部進入阻害部材60の強度を調整することができる。例えば、腰部進入阻害部材60の板厚を厚くすることで、後面衝突時、乗員の腰部が激しく後方へ移動した場合であっても、十分な強度を有する腰部進入阻害部材60により、腰部の沈み込みを防止することができる。
本実施形態2において、中空の柱状に形成された腰部進入阻害部材60は、下部フレーム17の切断面に固着接合されているが、下部フレーム17を切断することなく、後方面65を下部フレーム17の中間部17bに重ねて固着接合する構成としても良い。
[実施形態3]
以下に、実施形態3の腰部進入阻害部材70の構成に関し、図13を用いて詳細に説明する。
実施形態3に係る腰部進入阻害部材70は、上方面51、下方面52、前方面53が連続した板材によって形成されている実施形態1の腰部進入阻害部材50とは異なり、上方面71、下方面72、前方面73が中央部分で分割されて形成されている点を特徴としている。そして、この腰部進入阻害部材70を分割した以外の構成(例えば、移動部材30に関する構成)、作用は実施形態1の腰部進入阻害部材50と同様であるため、説明を省略する。
実施形態3において、腰部進入阻害部材70は、図13に示すように、略中央部分に逃げ部73aを備えるように形成されている。この逃げ部73aは、腰部進入阻害部材70の略中央において、上下方向に沿って板材が備えられないように設計され、例えば、腰部進入阻害部材70を分割するようにして形成される。このような構成とすることにより、乗員の腰部が後方へ沈み込んだ時、乗員の脊柱は逃げ部73aに進入することができるため、脊柱が腰部進入阻害部材70に外接することがない。その結果、乗員の腰部が後方、すなわち腰部進入阻害部材70の方向へ移動した場合であっても、腰部進入阻害部材70によって脊柱にかかる負荷を抑えることができると共に、逃げ部73a以外の部分で乗員の上体を後傾させることができる。
なお、本実施形態3においては略中央部分のみが分割された構成の腰部進入阻害部材70を示したが、略中央部分が空間となるような構成であれば、さらにその他の位置において分割された構成としても良い。分割された部分が多いほど、腰部進入阻害部材70の形成に用いる板材を削減することが可能なため、より軽量なシートバックフレーム1とすることができる。
また、本実施形態3では、腰部進入阻害部材70の略中央部分が分割された例を示したが、腰部進入阻害部材70において、乗員の脊柱に相当する位置の近傍が、それ以外の位置よりも後方、又は下方へ一段下がった構成とし、逃げ部を形成する構成としても良い。すなわち、上方面71において、及び前方面73において、腰部進入阻害部材70の縁端に平行に延設された凹部を設ける構成としても良い。
さらに、上方面71及び前方面73の、乗員の背骨に対応する位置の近傍の一部を切り欠くことにより、逃げ部73aを形成する構成としても良い。
[実施形態4]
以下に、実施形態4の腰部進入阻害部材80の構成に関し、図14を用いて詳細に説明する。
実施形態4に係る腰部進入阻害部材80は、上方面51が平滑な板材によって形成されている実施形態1の腰部進入阻害部材50とは異なり、上方面81に溝状の衝撃吸収部81cが形成されている点を特徴としている。そして、衝撃吸収部81cを備えた構成とした以外、その他の構成、作用は実施形態1の腰部進入阻害部材80と同様であるため、説明を省略する。
実施形態4において、腰部進入阻害部材80は、図14に示すように、上方面81が部分的に凹んだ衝撃吸収部81cを備えている。この衝撃吸収部81cはシートバックフレーム1の左右方向に連続して、角部84又はリクライニングシャフト11aと略平行に延設される溝(凹部)が形成されている。
この衝撃吸収部81cは、後面衝突時、設定以上の衝撃により、乗員の荷重が腰部進入阻害部材80にかかった時に衝撃吸収部81cが変形し、腰部進入阻害部材80が歪むことにより、衝撃を吸収することができる。本実施形態4では、上方面81のみに衝撃吸収部81cを備えた構成を例示したが、上方面81及び下方面82の両方に設けても良く、また、下方面82のみに設けても良い。
ただし、この衝撃吸収部81cは、上方面81のみに形成されていると好ましい。このような構成とすると、後面衝突時、衝撃吸収部81cが変形することにより、前方面83の傾斜をより大きくすることができる。すなわち、衝撃吸収部81cが変形することにより、前方面83の下方がさらに前方に延出して傾斜がより大きくなるため、乗員が後方へ傾倒する動きを誘導し易くすることができる。その結果、乗員の上体は受圧部材20に対して沈み込む動きが誘導される。
したがって、衝撃吸収部81cを構成する板材は、過大な衝撃荷重が加わった際に衝撃吸収部81cを変形させることができるため、衝撃吸収部81c以外の面(上方面81)を構成する板材よりも薄い板材で形成されていると好ましい。
また、衝撃吸収部81cを他の面(上方面81)と同等の厚さの板材で構成した場合は、側方荷重に対する剛性が向上する。すなわち、左右方向に延設された溝状(凹状の)の衝撃吸収部81cを腰部進入阻害部材80に設けることにより、その稜線部分によって左右方向の荷重を受け止めることができる。したがって、側面衝突時等、側方から大きな応力が加わった場合であっても、腰部進入阻害部材80によって荷重を受け止め、両側に対向して配置されたサイドフレーム15の間の空間を確保することができる。
なお、上記実施形態1乃至実施形態4において、腰部進入阻害部材50,70,80の側面が歪んだ略コ字状に形成された例、及び腰部進入阻害部材60の側面が略矩形状に形成された例を示したが、下部フレーム17に接合し、且つリクライニングシャフト11a等の他の構成部材と接触しない形状であれば、上面部のみからなる(すなわち、一枚の板材からなる)腰部進入阻害部材としてもよい。さらに、側面が矩形、略円形、略楕円形となるように形成されていても良い。
ただし、腰部進入阻害部材50,60,70,80のように、その断面が略コ字形状又は矩形状である構成の方が、上面部のみからなる腰部進入阻害部材とするよりも、構造的に左右方向の強度が高い。したがって、側面衝突の際などの左右方向から作用する応力に対しては変形抵抗が大きく、シートフレームFの変形を防ぐことができる。
以下に、後面衝突時の腰部進入阻害部材50,60,70,80の作用について、図15、16に基づき詳しく説明する。図15(a)は従来技術による通常着座時における乗員の着座時の説明図、図15(b)は従来技術による受圧部材及びリンク部材を備えた乗物用シートに着座した後面衝突時における乗員の説明図の説明図、図16(a)は実施形態1乃至実施形態4による通常着座時における乗員の着座時の説明図、図16(b)は本発明の実施形態1乃至実施形態4による乗物用シートSに着座した後面衝突時における乗員の説明図である。なお、図15(b)、図16(b)において、点線は通常時の乗員の位置を表している。また、図15において、シートバックS1内の太い実線は受圧部材20を模式的に示したものであり、図16において、シートバックS1内の上方の太い実線は、受圧部材20を模式的に示したものであり、下方の太い実線は腰部進入阻害部材50,60,70,80、より詳細には前方面53,63,73,83を模式的に示したものである。
図15(a)及び図16(a)のように、一般に乗員が乗物用シートSに着座する際、腰部を含む背中をシートバックS1に当接させて着座している。このように、通常の着座荷重においては、荷重方向は一般に乗物用シートSの後方側に加わっている。
そして、乗物後方から大きな衝撃を受けると、通常の着座荷重よりも大きな衝撃荷重により乗員の上体が前方に押し出され、その後、肩から下の上体(胴部)がシートバックS1に沈み込む速度よりも速い速度で頭部が急激に後方へ傾倒する。その結果、頸部の付け根、すなわち頸部と胴部の連結点を軸として頸部が後方へ傾倒し、この動きによって頸部が後方(下後方)へ折れ曲がるような動きを生じ、頸部は大きな負荷を受けることになる。
このような乗員の動作に対し、図15(b)のように、通常の着座時の姿勢を保持した状態で、乗員の上体を後方へ沈み込ませて乗員頭部をヘッドレストに当接させる技術では、頭部をヘッドレストS3で押し止めるため、頭部の後方移動は軽減される。しかしながら、乗員の上体が後方へ移動する際、その移動量を大きくし、ヘッドレストS3によって乗員の頭部をより早く、確実に保持することが望まれる。
一方、図16(b)のように、本発明の腰部進入阻害部材50,60,70,80を備えた乗物用シートSは、腰部の後方移動が押し止められる構成、及び乗員を後方へ沈み込ませる構成を備えている。この構成を備えた乗物用シートSにおいては、乗員の上体が後方へ沈み込もうとすると、腰部進入阻害部材50,60,70,80によって腰部が前方へ押し戻される。
その結果、後面衝突時、乗員の胴部上方(胴部における胸付近の部分)の沈み込み量が相対的に大きくなり、上体が後傾する(臀部付近を軸として後方へ回転する)ことにより、頸部及び頭部が上体に連動して後方へ移動する。その結果、乗員の胴部上方を確実に、且つ十分な移動量(腰部に対する胴部上方の相対的な移動量)を伴って後方へ傾倒させることができ、頭部がヘッドレストS3で確実に保持される。
なお、「胴部上方」とは、好ましくは胸部に対応する位置を指し、この部分をシートバックS1方向へ沈み込ませることが好ましい。さらに詳細には、「胸部」とは乗員の第1胸椎から第6胸椎までを指し、第4胸椎の位置を最も後方へ沈み込ませるとさらに好適である。
上述のように本発明では、腰部進入阻害部材50,60,70,80を備えることにより、後面衝突時、胴部下方の後方移動量よりも、胴部上方の後方移動量を相対的に大きくすることができる。したがって、胴部上方を確実に、且つ効率よくシートバックS1に沈み込ませることができ、頸部への衝撃を低減する効果がさらに向上する。
そして、頸部負担低減手段は乗員の腰部後方に配設され、腰部の後方移動を抑制する移動量抑制部材である。このように腰部を押し止める構成とすることにより、安定して腰部を支持することができるため、頸部負担軽減効果を向上させることができる。
なお、上記各実施形態では、具体例として、自動車のフロントシートのシートバックS1について説明したが、これに限らず、後部座席のシートバックについても、同様の構成を適用可能であることは勿論である。
S 乗物用シート
S1 シートバック
S2 着座部
S3 ヘッドレスト
F シートフレーム
1 シートバックフレーム
2 着座フレーム
1a,2a,3a クッションパッド(パッド材)
1b,2b,3b 表皮材
11 リクライニング機構
11a リクライニングシャフト
15 サイドフレーム
15a 側板
15b 前縁部
15c 後縁部
15d 突起部
15e 凸部
15f 傾斜部
15g ストッパ部
15h 孔
15i 平面部
16 上部フレーム
16a 側面部
17 下部フレーム
17a 延長部
17b 中間部
18 ピラー支持部
19 ヘッドレストピラー
20 受圧部材
21 ワイヤ(連結部材、上方連結部材)
22 ワイヤ(連結部材、下方連結部材)
22a 鈎部(鈎状端部)
30 移動部材(衝撃低減部材)
30a ベース部
30b 第1立上り部
30c 形成部
30d 第2立上り部
31 係止部
31a 係止凹部
32 軸部
32a 軸部材
32b 軸孔
32c 孔部
32d 嵌め合わせ部材
33 係止孔
34 回転抑制部
35 引張りコイルばね(付勢手段)
35a フック
37 軸支部
38 突片部
39 移動阻止部
50,60,70,80 腰部進入阻害部材(頸部負担低減手段)
51,61,71,81 上方面
51a 上方接合面
81c 衝撃吸収部
52,62,72,82 下方面
52a 下方接合面
53,63,73,83 前方面
73a 逃げ部
54,64,74,84 角部
65 後方面
65a 縁端
65b 後方接合面

Claims (3)

  1. 側方に位置するサイドフレームを備えたシートバックフレームと、
    該シートバックフレームに連結部材を介して連結され、乗員を支持する受圧部材と、
    少なくとも一方の前記サイドフレームに配設されると共に、前記連結部材と連結され、前記受圧部材に加わった所定の衝撃荷重により前記受圧部材を後方へ移動させる衝撃低減部材と、を備え、
    前記シートバックフレームは、乗員の腰部が後方に侵入する動きを阻止する腰部進入阻害部材を有し、
    前記受圧部材は、上方に係止される上方連結部材と下方に係止される下方連結部材とを介して前記シートバックフレームに連結され、
    前記上方連結部材及び前記下方連結部材は、可撓性のワイヤからなり、
    前記上方連結部材を構成するワイヤは、前記下方連結部材を構成するワイヤと比較して細く形成されてなり、
    前記衝撃低減部材は、前記下方連結部材と連結されてなることを特徴とする乗物用シート。
  2. 前記腰部進入阻害部材の少なくとも一部は、前記受圧部材の前端よりも前方に設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記腰部進入阻害部材の少なくとも一部は、前記衝撃低減部材の少なくとも一部よりも前方に設けられてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の乗物用シート。
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