JP3492754B2 - 浴用剤組成物 - Google Patents
浴用剤組成物Info
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Description
体の温まり感に優れた浴用剤組成物に関する。
身体を清潔にし、手足のみならず身体を芯まで温め、精
神的にもリラックスさせる等の種々の効果があり、日常
生活上欠くことのできない行為である。一方、入浴によ
る肌からの油分の喪失、特に冬期における入浴後の肌の
かさつきを訴える人が多い。そして、このような人は入
浴後の肌のかさつきを抑制するために、通常、入浴後に
ローションやクリーム等の各種のスキンケア商品を使用
しているのが現状である。しかし、スキンケア商品を使
用する場合、その塗布等に労力を要し、特に高齢者にと
っては身体の隅々まで十分にスキンケア商品を塗り込む
ことは困難である。そこで、浴用剤に油分を配合するこ
とにより、浴後の肌のかさつきを防止しようとする試み
がなされ、また、温泉成分である種々の無機塩等を主成
分とした浴用剤が、疲労回復や温まり感の向上等の温浴
効果の向上を目的として開発されてきた。
分を配合した入浴剤の肌のしっとり感及び身体の温まり
感は必ずしも十分とはいえず、更に肌のしっとり感及び
身体の温まり感に優れた浴用剤が望まれていた。
て、本発明者らは鋭意研究を行った結果、キサンチン誘
導体を配合した浴用剤組成物が、肌のしっとり感及び身
体の温まり感に優れていることを見出し、本発明を完成
した。
の濃度が0.1〜200ppmになる量のアミノフィリ
ン、テオフィリン及びカフェインからなる群から選ばれ
るキサンチン誘導体の1種又は2種以上(但し、茶葉の
粉砕物及び茶葉の抽出物又はその乾燥エキスを除く)、
及び有機酸と炭酸塩又は油性成分を配合したことを特徴
とする浴用剤組成物を提供するものである。
0.05重量%(以下、単に「%」で示す)以上である
ことが好ましく、特に0.1〜20%とすることが望ま
しい。また、これらのキサンチン誘導体は、合成又は茶
葉等の植物から実質的に純粋に単離されたものを使用す
る。例えば、茶葉にはカフェイン、微量のテオブロミ
ン、テオフィリン、キサンチン等が含有されているが、
充分な浴用効果が得られる量の茶葉又はその抽出物を配
合すると、使用量が大量となるため浴湯が茶葉臭のある
ものとなると共に、1回の使用量が多いために嵩ばって
使用に不便であるなどの問題がある。
サンチン誘導体に無機塩類を併用することにより、肌の
しっとり感及び身体の温まり感がより高まる。本発明に
用いる無機塩類としては、塩化ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、硫酸ナトリウム、
硫化ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウ
ム、チオ硫酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、リン
酸ナトリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩化カリウム、硫化
カリウム等が例示される。本発明においては、このうち
塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、硫酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、酸化マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムを使用す
ることが好ましい。無機塩類の含有量は、浴用剤組成物
全量中5%以上、特に10%以上とすることが好まし
く、かつ上記キサンチン誘導体に対する量が重量比で
0.25〜2,000倍、特に0.5〜1,000倍と
なる量とすることが好ましい。
上記キサンチン誘導体に有機酸と炭酸塩とを併用するこ
とにより、肌のしっとり感及び身体の温まり感がより高
まる。本発明に用いる有機酸としては、例えばコハク
酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸
等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わ
せて使用できる。本発明に用いる炭酸塩としては、例え
ば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、セスキ炭酸
ナトリウム等が挙げられる。これらは単独又は2種以上
を組み合わせて使用できる。本発明においては、炭酸塩
として炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭
酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、有機酸としてコハク
酸、フマル酸を使用することが好ましい。炭酸塩の含有
量は、組成物全量中5〜80%、特に10〜50%とす
ることが好ましい。有機酸の含有量は、当該炭酸塩の1
0〜300%、特に30〜150%とすることが好まし
い。また、炭酸塩とキサンチン誘導体の配合比は、キサ
ンチン誘導体に対する炭酸塩の重量比が0.25〜1,
600倍、特に0.5〜500倍とすることが好まし
い。なお、本発明浴用剤組成物に有機酸と炭酸塩を併用
した場合には、浴湯中で発生する二酸化炭素を浴湯中に
溶解せしめ、当該溶存二酸化炭素による血行促進効果を
得るために、必要に応じて浴用剤組成物中に浴湯を弱酸
性(好ましくはpH5〜7)にするための酸成分を配合す
るのが好ましい。このような酸成分としては、特に制限
されないが、前記有機酸を過剰に配合するのが好まし
い。
上記キサンチン誘導体に油性成分を併用することによ
り、肌のしっとり感及び身体の温まり感がより高まる。
類、ロウ類、炭化水素類、高級脂肪酸類、高級アルコー
ル類、エステル類、シリコーン油類などを挙げることが
できる。油脂類としては、例えば大豆油、ヌカ油、ホホ
バ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ
脂、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク
油、牛脂、豚脂等の天然油脂、これらの天然油脂を水素
添加して得られる硬化油及びミリスチン酸グリセリド、
2−エチルヘキサン酸トリグリセリド等の合成トリグリ
セリド等が挙げられる。ロウ類としてはカルナバロウ、
鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン等が挙げられる。炭化水素
類としては流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、マ
イクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、
ブリスタン等が挙げられる。高級脂肪酸類としてはラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラ
ノリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。高級アル
コール類の例としてはラウリルアルコール、セチルアル
コール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、
ラノリンアルコール、コレステロール、2−ヘキシルデ
カノール等が挙げられる。また、エステル類としてはオ
クタン酸セチル、オクタン酸トリグリセライド、乳酸ミ
リスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミ
リスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシ
ル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピ
ル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステ
アリン酸コレステロール、POEソルビット脂肪酸エス
テル等が挙げられる。精油類としてはハッカ油、ジャス
ミン油、ショウ脳油、ヒノキ油、トウヒ油、リュウ油、
テレピン油、ケイ皮油、ベルガモット油、ミカン油、シ
ョウブ油、パイン油、ラベンダー油、ベイ油、クローブ
油、ヒバ油、バラ油、ユーカリ油、レモン油、タイム
油、ペパーミント油、ローズ油、セージ油、メントー
ル、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネ
ラール、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、カ
ンファー、チモール、スピラントール、ピネン、リモネ
ン、テルペン系化合物等が挙げられる。シリコーン油類
としてはジメチルポリシロキサン等が挙げられる。これ
ら上述の油性成分は1種又は2種以上を組み合わせて使
用することができる。本発明においては、このうち特に
ミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン酸トリグ
リセリド、ラノリン、流動パラフィン、ワセリン、パラ
フィン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、リノール
酸、リノレン酸、イソステアリン酸、セチルアルコー
ル、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、コレ
ステロール、オクタン酸セチル、オクタン酸トリグリセ
ライド、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オク
チルドデシル、イソステアリン酸コレステロール、PO
Eソルビット脂肪酸エステル、ハッカ油、トウヒ油、ケ
イ皮油、ローズ油、メントール、シネオール、オイゲノ
ール、シトラール、シトロネラール、ゲラニオール、ピ
ネン、リモネン、ジメチルポリシロキサンを使用するこ
とが好ましい。油性成分の浴用剤組成物中における含有
量は浴用剤の剤型(形態)に応じて適宜選定することが
でき、通常、組成物全量中0.1〜95%とすることが
できる。また、油性成分とキサンチン誘導体の配合比
は、キサンチン誘導体に対する油性成分の配合量が重量
比で0.005〜1,900倍、特に0.005〜95
0倍となる量とすることが好ましい。また、本発明の浴
用剤組成物には、必要に応じて油性成分の分散・乳化剤
を加えることができる。分散・乳化剤は浴用剤を浴湯に
投入した時、浴用剤中の油性成分が水面に浮き上がらな
いようにする働きをし、且つ浴湯を白濁させ、0.01
%の水溶液の透明度が40cm以下、好ましくは20cm以
下とし、牛乳風呂のごとく高級なイメージを醸しだすこ
ともできる。このような分散・乳化剤としては水溶性高
分子化合物、界面活性剤などが挙げられる。このうち水
溶性高分子化合物としてはアルギン酸ナトリウム、アル
ギン酸プロピレングリコールエステル、アラビアガム、
キサンタンガム、ペクチン、トラガント、カルボキシメ
チルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボ
キシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、乳タンパク
質、大豆タンパク質、ゼラチン、卵タンパク質、カゼイ
ンナトリウム、ホエータンパク質等が挙げられ、このう
ちアラビアガム、キサンタンガム等のガム剤及びカゼイ
ンナトリウム、ホエータンパク質の水溶性タンパク質が
好ましい。
性、カチオン性、非イオン性、天然、合成のいずれの界
面活性剤も使用できるが、皮膚に対する刺激性を考慮す
ると非イオン性のものを使用することが好ましい。非イ
オン性界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸
エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレ
ンソルビット、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエー
テル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
を組み合わせて用いることができ、その配合量は前記油
性成分に対して5〜100%とすることが好ましい。
いられている公知の下記浴用剤原料を配合することがで
きるが、配合できる浴用剤原料は例示されたものに限定
されることはない。 (a)無機酸類;ホウ酸、メタケイ酸、無水ケイ酸等。 (b)生薬類;ウイキョウ、カミツレ、イチョウ、オウ
バク、桂皮、紅花、芍薬、ショウキョウ、菖蒲、センキ
ュウ、トウキ、チンピ、ソウジュツ、カノコソウ、ビャ
クシ、トウヒ、ハッカ、ブクリョウ、人参等。 (c)色素類;黄色4号、青色1号、黄色202号の
(1)等の厚生省令に定められたタール系色素別表I及
びIIの色素、クロロフィル、リボフラビン、クロシン、
紅花、アントラキノン等の食品添加物で認められている
天然色素等。 (d)ビタミン類;ビタミンA、ビタミンC、ビタミン
D、ビタミンE等。 (e)香料。 (f)その他;硫黄、湯の花、鉱砂、雲母末、中性白
土、いり糠、殺菌剤、防腐剤、その他製剤上必要な成分
等。
必要に応じて前記任意成分を加えて製造することができ
る。これらの任意成分の配合量は製剤中に0〜99%の
範囲で配合される。また、上記のようにして調製された
本発明の浴用剤組成物に0.01〜90%の範囲で適当
量の水を加えて製剤の安定性を増したり、製剤を乳化さ
せた形態とすることもできる。なお、本発明の浴用剤組
成物は、公知の浴用剤と同様に粉末、顆粒、錠剤、液体
等様々な剤型(形態)にできることはいうまでもない。
に投入して使用されるものであるが、1回の使用量はキ
サンチン誘導体の濃度が0.1〜200ppm となる量と
することが好ましい。この濃度が0.1ppm 未満では、
肌のしっとり感及び身体の温まり感を与えることができ
ず、また200ppm を超えても肌のしっとり感及び身体
の温まり感がより向上するものでもない。
っとり感及び身体の温まり感を与えるものである。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
し、下記試験方法により、肌のしっとり感及び身体の温
まり感について調べた。結果を表1に示す。
の使用量の浴用剤組成物を40℃、150lの湯で満た
された浴槽に投入する。投入10分後、湯を十分攪拌し
た後、各被験者(n=5)を5分間入浴させ、肌のしっ
とり感を以下の基準により判定し、その平均点で示し
た。 5点:非常にしっとりする。 4点:よくしっとりする。 3点:しっとりする。 2点:ややしっとりする。 1点:さら湯と同等である。 ・身体の温まり感:上記の各被験者の身体の温まり感を
以下の基準により判定し、その平均点で示した。 5点:非常に温まる。 4点:よく温まる。 3点:温まる。 2点:やや温まる。 1点:さら湯と同等である。
考例1〜4の浴用剤組成物は、キサンチン誘導体を配合
しない比較例1の浴用剤組成物と比べて、肌のしっとり
感及び身体の温まり感が優れていることがわかる。
製し、参考例1と同様の試験方法により、肌のしっとり
感及び身体の温まり感について調べた。結果を表2に示
す。
物において、キサンチン誘導体を配合した参考例5〜8
の組成物は、比較例2、3の組成物よりも肌のしっとり
感及び身体の温まり感が優れていることがわかる。
製し、参考例1と同様の試験方法により、肌のしっとり
感及び身体の温まり感を調べた。結果を表3に示す。
用剤組成物において、キサンチン誘導体を配合した実施
例1〜4の組成物は、比較例4の組成物よりも肌のしっ
とり感及び身体の温まり感が優れていることがわかる。
し、参考例1と同様の試験方法により、肌のしっとり感
及び身体の温まり感を調べた。結果を表4に示す。
物において、キサンチン誘導体を配合した実施例5〜8
の組成物は、比較例5の組成物よりも肌のしっとり感及
び身体の温まり感が優れていることがわかる。
製し、参考例1と同様の方法により肌のしっとり感、身
体の温まり感を、また、5人の被験者中、不快臭を感じ
た人の数で入浴時の不快臭を評価した。
が得られる量を配合した場合、入浴時に不快臭があり、
好ましくないことがわかる。
Claims (2)
- 【請求項1】 浴湯に投入したときの濃度が0.1〜2
00ppmになる量のアミノフィリン、テオフィリン及び
カフェインからなる群から選ばれるキサンチン誘導体の
1種又は2種以上(但し、茶葉の粉砕物及び茶葉の抽出
物又はその乾燥エキスを除く)、及び有機酸と炭酸塩を
配合したことを特徴とする浴用剤組成物。 - 【請求項2】 浴湯に投入したときの濃度が0.1〜2
00ppmになる量のアミノフィリン、テオフィリン及び
カフェインからなる群から選ばれるキサンチン誘導体の
1種又は2種以上(但し、茶葉の粉砕物及び茶葉の抽出
物又はその乾燥エキスを除く)、及び油性成分を配合し
たことを特徴とする浴用剤組成物。
Priority Applications (2)
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1994
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