JP3491564B2 - 重合体の製造方法、該方法によって得られた重合体を用いた硬化性組成物 - Google Patents

重合体の製造方法、該方法によって得られた重合体を用いた硬化性組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低粘度で、取り扱
い性及び保存安定性に優れた重合体、及び該重合体を含
有してなる湿分存在下で硬化する、硬化性、硬化物の機
械物性及び耐候性に優れた硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】加水分解性ケイ素基を含有する重合体を
硬化性組成物に使用する方法はこれまでにもよく知られ
ており、なかでも加水分解性ケイ素基を含有するポリオ
キシアルキレン系重合体は、常温で低粘度であり、かつ
硬化物の物性が非常に柔軟で伸び特性等に優れることか
らシーリング材や接着剤等の用途に用いられている。
【0003】しかしながら、このようなポリオキシアル
キレン重合体は、耐候性や各種基材に対する接着強度等
においては不充分な点を有していた。
【0004】これらの問題点を解決するために、例え
ば、特開昭59−122541号公報、特開昭60−3
1556号公報、特開平1−131271号公報では、
加水分解性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合
体と、加水分解性ケイ素基を有するアクリル酸アルキル
エステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステル等の
重合性単量体を重合してなる重合体とを混合することに
よって耐候性を向上させる方法が開示されている。
【0005】しかし、一般にアクリル酸エステル系重合
体は、ポリオキシアルキレン重合体と比較して凝集力が
高いため、その混合物の粘度が高くなる傾向があり、実
用化する上で大きな問題となっていた。したがって、上
記の方法において実用的な粘度を保持するためにはポリ
オキシアルキレン重合体自身に比較的低分子量の重合体
を多く含まざるを得ず、特に深部の硬化性及び破断伸度
という点において不充分であった。
【0006】また、特開平6−172631号公報で
は、加水分解性ケイ素基を有する分子量分布の狭いポリ
オキシアルキレン重合体と、加水分解性ケイ素基を有す
るアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸
アルキルエステル等の重合性単量体を重合してなる重合
体とを混合して使用する方法が開示されている。
【0007】この方法では、低分子量の重合体を特に含
有しなくても実用的な粘度レベルが実現可能であること
から、先に挙げた方法に比べて深部の硬化性や樹脂自身
の強度を改善することができる。しかし、さらに高い強
度が求められる用途に使用するにはまだ不充分であっ
た。
【0008】また、ポリオキシアルキレン重合体と、加
水分解性ケイ素基を有するアクリル酸アルキルエステル
及び/又はメタクリル酸アルキルエステル等の重合性単
量体を重合してなる重合体とを混合することによって目
的とする組成物を得る方法は、貯蔵条件によっては相分
離を起こすなど、保存安定性についてもかならずしも満
足いくものではなかった。
【0009】さらに、他の方法として、特開昭59−7
8223号公報では加水分解性ケイ素基を有するポリオ
キシアルキレン重合体の存在下に、加水分解性ケイ素基
を有するアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタク
リル酸アルキルエステル等の重合性単量体を重合して得
られる重合体、あるいは特開昭60−228516号公
報、特開昭60−228517号公報では加水分解性ケ
イ素基を有するポリオキシアルキレン重合体の存在下
に、加水分解性ケイ素基を有するラジカル重合開始剤及
び/又はラジカル連鎖移動剤を使用して、特殊な重合性
不飽和基含有単量体を重合して得られる重合体が開示さ
れているが、これらの方法においても実用的な粘度を保
持するためには、やはりポリオキシアルキレン重合体中
に比較的低分子量の重合体を多く含まざるを得ず、材料
の破断強度において改善は見られるものの、硬化性及び
破断伸度という点においては未だ不充分であった。
【0010】そして、本出願人による特開平5−194
677号公報、特開平7−62219号公報では、グリ
シジル基含有単量体を必須として、加水分解性ケイ素基
を有する分子量分布の狭いポリオキシアルキレン重合体
の存在下に、ビニル系単量体を重合して得られる重合体
が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記問題に鑑み、本発
明の目的の1つは、低粘度で、取り扱い性及び保存安定
性に優れた重合体を提供することにある。また、もう1
つの目的は、前記重合体を含有する、硬化性、硬化物の
機械物性及び耐候性に優れた硬化性組成物を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは、加水分解性ケイ素基含有ポリオキシ
アルキレン重合体の存在下でビニル系単量体を重合する
方法を検討した結果、適度に不飽和基を含有した分子量
分布の狭いポリオキシアルキレン重合体の存在下で、ア
クリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエ
ステル単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体を含
む重合性単量体を重合することによって、低粘度で、取
り扱い性及び保存安定性に優れた重合体が得られること
を見出した。さらに、硬化性組成物に該重合体を含有さ
せることにより、その硬化時の硬化特性、硬化物の機械
物性及び耐候性が改善されることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0013】 すなわち、本発明の第1は、開始剤の存
在下、複合金属シアン化物錯体を触媒として環状エーテ
ルを重合させて、下記1)〜3)の特徴を有し、さらに
下記一般式(1)で表される加水分解性ケイ素基を0.
01mmol/g以上含有するポリオキシアルキレン重
合体(A)を得た後、該ポリオキシアルキレン重合体
(A)と、重合性単量体としてアクリル酸アルキルエス
テル及びメタクリル酸アルキルエステル単量体から選ば
れた少なくとも1種の単量体(B)、又は前記単量体
(B)と他の重合性不飽和基含有単量体(C)を重合さ
せることを特徴とする重合体(以下、重合体(G)とい
う)の製造方法を提供するものである。
【0014】 1)重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)の比である分子量分布Mw/Mnが1.
7以下 2)分子量が8,000〜50,000 3)主鎖の末端及び/又は側鎖に不飽和基を0.01m
mol/g以上含有 一般式: −SiX 3−a …(1) (R :炭素数1〜20の置換又は非置換の1価の有機
基、X:水酸基又は加水分解性基、a:1〜3の整数。
ただし、R が複数個存在するときは、それらのR
同じでも異なってもよい。また、Xが複数個存在すると
きは、それらのXは同じでも異なってもよい。)
【0015】また、前記単量体(B)としては、炭素数
1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステ
ル及びメタクリル酸アルキルエステルから選ばれた少な
くとも1種の単量体(D)と、炭素数10以上のアルキ
ル基を有するアクリル酸アルキルエステル及びメタクリ
ル酸アルキルエステルから選ばれた少なくとも1種の単
量体(E)とを併用するものであることが好ましい。
【0016】
【0017】
【0018】そして、前記重合性単量体として、前記他
の重合性不飽和基含有単量体(C)を必須とし、かつ前
記他の重合性不飽和基含有単量体(C)が、上記一般式
(1)で表される加水分解性ケイ素基を含有するもので
あることが好ましい。
【0019】次に、本発明の第2は、上記製造方法によ
って得られる重合体(G)と、硬化促進触媒とを含有し
てなる硬化性組成物(以下、硬化性組成物(H)とい
う)を提供するものである。
【0020】本発明の第2において、前記硬化性組成物
(H)は、上記重合体(G)と、主鎖の末端及び/又は
側鎖に上記一般式(1)で表される加水分解性ケイ素基
を0.1mmol/g以上含有するポリオキシアルキレ
ン重合体(F)を含有していることが好ましい。
【0021】また、前記ポリオキシアルキレン重合体
(F)が、下記1)〜2)の特徴を有するものであるこ
とが好ましい。
【0022】1)重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)の比である分子量分布Mw/Mnが1.7以
下 2)分子量が8,000〜50,000 さらに、前記ポリオキシアルキレン重合体(F)が、開
始剤の存在下、複合金属シアン化物錯体を触媒として環
状エーテルを重合させて得られる重合体の誘導体である
ことが好ましい。
【0023】本発明において、重合体(G)は、不飽和
基を0.01mmol/g以上含有するポリオキシアル
キレン重合体(A)の存在下で上記重合性単量体を重合
することにより、該ポリオキシアルキレン重合体(A)
が、重合体にグラフトした形で組み込まれているものと
推定される。
【0024】これにより、ポリオキシアルキレン重合体
(A)が重合性単量体の重合体と分離せず、また、ポリ
オキシアルキレン重合体(A)と同様の構造である主鎖
の末端及び/又は側鎖に上記一般式(1)で表される加
水分解性ケイ素基を0.1mmol/g以上含有するポ
リオキシアルキレン重合体(F)等を混合した際にも、
非常に高い保存安定性を示すと考えられる。
【0025】さらに、重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)の比である分子量分布Mw/Mn(以
下、分子量分布Mw/Mnと略記する)が1.7以下
で、分子量が8,000〜50,000のポリオキシア
ルキレン重合体(A)を用いることで、低粘度で作業性
に優れた重合体(G)を得ることができる。
【0026】 また、ポリオキシアルキレン重合体
(A)が、不飽和基と併せてさらに上記一般式(1)で
表される加水分解性ケイ素基を含有するので、得られた
重合体(G)は、それ自体が硬化性組成物(H)となり
得る。この場合、柔軟なポリオキシアルキレン重合体の
末端に加水分解性ケイ素基を有する構造となり、硬化後
優れた物性を得ることができる。さらに、これに上記ポ
リオキシアルキレン重合体(F)をブレンドした場合、
ポリオキシアルキレン重合体(A)由来の加水分解性ケ
イ素基と、ポリオキシアルキレン重合体(F)由来の加
水分解性ケイ素基の間において、硬化時に結合が生じ、
著しく優れた機械強度を得ることができる。
【0027】さらに、上記重合性単量体として、アクリ
ル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステ
ル単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体(B)を
用いることにより、耐候性が大幅に改善され、また硬化
物表面に対するアクリル系塗料の密着性についても改善
される。
【0028】
【発明の実施形態】・ポリオキシアルキレン重合体
(A) 本発明において使用される上記1)〜3)の特徴を有す
るポリオキシアルキレン重合体(A)は、以下に述べる
ように、官能基を有するポリオキシアルキレン重合体を
原料とし、その末端の一部又は全部に不飽和基を導入し
て製造されることが好ましい。
【0029】本発明において、ポリオキシアルキレン重
合体(A)が、末端又は側鎖に不飽和基を有することは
特に重要である。すなわち、ポリオキシアルキレン重合
体(A)の存在下で重合性単量体を重合した際に、この
不飽和基が重合性不飽和基として働くことにより、ポリ
オキシアルキレン重合体(A)は、マクロモノマーとし
て重合性単量体の重合体にグラフトした形で組み込ま
れ、ポリオキシアルキレン重合体(A)が重合性単量体
の重合体と分離することなく、非常に高い保存安定性を
示すと考えられる。
【0030】また、ポリオキシアルキレン重合体(A)
は、不飽和基と併せてさらに上記一般式(1)で表され
る加水分解性ケイ素基を0.01mmol/g以上含有
するものが使用できる。この場合、不飽和基及び上記一
般式(1)で表される加水分解性ケイ素基を分子中に併
有したポリオキシアルキレン重合体でもよい。
【0031】本発明において、ポリオキシアルキレン重
合体(A)の分子量は、用途に応じて適当な値を選択で
きるが、分子量が8,000〜50,000であること
が好ましく、8,000〜20,000であることがよ
り好ましく、12,000〜20,000であることが
特に好ましい。そして、柔軟性が重視されるシーラント
等の用途には、分子量8,000〜50,000である
ことが好ましく、8,000〜25,000であること
がより好ましく、12,000〜20,000であるこ
とが最も好ましい。また、強度が要求される接着剤等の
用途には、分子量8,000〜30,000の重合体が
好ましい。
【0032】分子量が、8,000より低い場合は硬化
物が脆いものとなり、30,000を超える場合は高粘
度のため作業性が著しく悪くなる。
【0033】・原料ポリオキシアルキレン重合体 上記ポリオキシアルキレン重合体(A)の原料ポリオキ
シアルキレン重合体としては、下記I)〜III)の特徴を
有するものが好ましい。
【0034】I)触媒及び開始剤の存在下、環状エーテ
ルを反応させて製造される水酸基末端のもの II)分子量が8,000〜50,000 III)分子量分布Mw/Mnが1.7以下 上記開始剤としては1つ以上の水酸基を有するヒドロキ
シ化合物等が使用できる。
【0035】また、上記触媒としては、複合金属シアン
化物錯体触媒を用いる。そして、複合金属シアン化物錯
体としては、亜鉛ヘキサシアノコバルテートを主成分と
する錯体、なかでもエーテル及び/又はアルコール錯体
が好ましく、その組成は、本質的に特公昭46−272
50号公報に記載されているものが使用できる。この場
合、エーテルとしては、エチレングリコールジメチルエ
ーテル(グライム)、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル(ジグライム)等が好ましく、錯体製造時の取り
扱いの点からグライムが特に好ましい。また、アルコー
ルとしては、t−ブタノールが好ましい。
【0036】そして、上記環状エーテルとしては、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレン
オキシド、2,3−ブチレンオキシド、ヘキシレンオキ
シド、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらは1
種又は2種以上が使用できる。
【0037】
【0038】より好ましくは、2〜6価のポリオキシプ
ロピレンポリオールであり、特にポリオキシプロピレン
ジオールとポリオキシプロピレントリオールが好まし
い。また、アリル末端ポリオキシプロピレンモノオール
等の不飽和基末端のポリオキシアルキレン重合体も使用
することができる。
【0039】そして、分子量分布Mw/Mnは、より好
ましくは1.6以下、特に1.5以下であることが好ま
しい。数平均分子量(Mn)が同じものであれば、Mw
/Mnが小さいほどポリオキシアルキレン重合体(A)
の粘度は低くなり、このポリオキシアルキレン重合体
(A)存在下で重合性単量体を重合して得られる本発明
の重合体(G)の粘度も低くなるため作業性に優れる。
【0040】また、特に硬化物特性として柔軟性を大き
くする場合には、水酸基数が2又は3、良好な接着性や
硬化性を得る場合には、水酸基数が3〜8であることが
好ましい。
【0041】・原料ポリオキシアルキレン重合体への不
飽和基の導入方法 本発明におけるポリオキシアルキレン重合体(A)は、
上述したような水酸基末端のポリオキシアルキレン重合
体を原料として、さらにその末端の一部又は全部を不飽
和基とすることにより得ることができる。
【0042】原料ポリオキシアルキレン重合体へ不飽和
基を導入する方法は、特には限定されないが、例えば、
不飽和基及び官能基を有する化合物を、水酸基を有する
ポリオキシアルキレン重合体の末端水酸基に反応させ
て、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合又はカ
ーボネート結合等により結合させる方法が挙げられる。
また、環状エーテルを重合する際に、アリルグリシジル
エーテル等の不飽和基含有エポキシ化合物を添加して共
重合させることにより側鎖に不飽和基を導入する方法も
ある。
【0043】具体的には、ポリオキシアルキレン重合体
の末端水酸基をアルカリ金属又はアルカリ金属化合物と
反応させてアルコキシド基に変換し、ついで不飽和基を
有するハロゲン化合物と反応させる方法が挙げられる。
【0044】上記不飽和基としては、アルケニル基が好
ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。ア
ルケニル基としては、アリル基、イソプロペニル基、1
−ブテニル基等の炭素数6以下のアルケニル基が好まし
く、アリル基が最も好ましい。そして、不飽和基を有す
るハロゲン化合物としては、塩化アリル等が好ましい。
またこの場合、アルケニル基はエーテル性酸素原子を介
してポリアルキレンオキシド重合体に結合する。
【0045】 ・加水分解性ケイ素基とその導入方法 ポリオキシアルキレン重合体(A)が、上記一般式
(1)で表される加水分解性ケイ素基を含有すると、
水分解性ケイ素基の含有量によっては、それ自身が硬化
性の重合体となる。この硬化性の重合体は、柔軟なポリ
オキシアルキレン重合体の末端に加水分解性ケイ素基を
有する構造となるため、硬化後の物性が優れている。
【0046】 ポリオキシアルキレン重合体(A)は、
不飽和基と共に、その分子鎖の末端又は側鎖に上記一般
式(1)で表される加水分解性ケイ素基を0.01mm
ol/g以上含有する。また、上記一般式(1)におい
て、aが2又は3で表される加水分解性ケイ素基である
ことがより好ましい。
【0047】上記一般式(1)において、aが2で表さ
れる加水分解性ケイ素基としては、Xが炭素数4以下の
アルコキシ基を有するジアルコキシアルキルシリル基が
好ましく、ジメトキシメチルシリル基が最も好ましい。
【0048】そして、上記一般式(1)において、aが
3で表される加水分解性ケイ素基としては、Xが炭素数
4以下のアルコキシ基を有するトリアルコキシシリル基
が好ましい。トリアルコキシシリル基は、アルキルジア
ルコキシシリル基又はジアルキルアルコキシシリル基と
比べてシラノール基発生反応の初期における反応速度が
きわめて速いため、トリアルコキシシリル基を有する重
合体は非常に反応性が高く、特に初期の硬化速度が非常
に速い。したがって、本発明の重合体(G)がトリアル
コキシシリル基を有する場合には、重合体(G)を含有
する硬化性組成物(H)は、短時間で充分な強度特性を
発現し、特に接着性発現に至るまでの時間が短いという
効果を有すると考えられる。さらに、トリアルコキシシ
リル基のうち、炭素数の小さいアルコキシ基を有するト
リアルコキシシリル基の方が、炭素数の大きいアルコキ
シ基を有するトリアルコキシシリル基よりもシラノール
基発生反応の初期における反応速度が速いため好まし
い。すなわち、トリメトキシシリル基、トリエトキシシ
リル基が好ましく、トリメトキシシリル基がシラノール
基発生反応の初期における反応速度がきわめて速いため
最も好ましい。
【0049】したがって、上記一般式(1)において、
aが3で表される加水分解性ケイ素基としてはトリメト
キシシリル基が最も好ましい。
【0050】また、後述するように、上記加水分解性ケ
イ素基は、通常有機基を介して原料ポリオキシアルキレ
ン重合体に導入される。
【0051】 すなわち、ポリオキシアルキレン重合体
(A)が有する加水分解性ケイ素基は下記一般式(2)
で表される基を有することが好ましい。
【0052】 一般式: −R0−SiXa1 3-a …(2) (R0:2価の有機基、R1、X、a:一般式(1)と同
じ。)
【0053】ここで、上記一般式(2)のR1は、炭素
数1〜20の置換又は非置換の1価の有機基であり、好
ましくは炭素数8以下のアルキル基、フェニル基又はフ
ルオロアルキル基であり、特に好ましくは、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基等である。また、R1が複数個
存在するときは、それらは同じでも異なってもよい。
【0054】また、Xにおける加水分解性基としては、
例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ
基、アルケニルオキシ基、カルバモイル基、アミノ基、
アミノオキシ基、ケトキシメート基等が挙げられる。こ
れらのうち、炭素原子を有する加水分解性基の炭素数
は、6以下であることが好ましく、4以下であることが
特に好ましい。すなわち、好ましいXとしては、炭素数
4以下のアルコキシ基やアルケニルオキシ基、特にメト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基又はプロペニルオキ
シ基が例示できる。また、Xが複数個存在するときは、
それらは同じでも異なってもよい。
【0055】本発明において、ポリオキシアルキレン重
合体1分子中における上記加水分解性ケイ素基の数は1
〜8であることが好ましく、2〜6であることが特に好
ましい。加水分解性ケイ素基の数が上記範囲外である
と、硬化物の柔軟性が低減するため好ましくない。
【0056】 ・原料ポリオキシアルキレン重合体へ
の加水分解性ケイ素基の導入方法原料 ポリオキシアルキレン重合体へ上記加水分解性ケイ
素基を導入する方法は特に限定されないが、例えば、以
下の(イ)〜(ニ)の方法で導入できる。
【0057】(イ)水酸基を有するポリオキシアルキレ
ン重合体の末端に、エチレン性不飽和基を導入した後、
下記一般式(3)で表されるヒドロシリル化合物を反応
させる方法。
【0058】一般式: HSiXa1 3-a …(3) (R1、X、a:一般式(1)と同じ。)
【0059】上記ヒドロシリル化合物を反応させる際に
は、白金系触媒、ロジウム系触媒、コバルト系触媒、パ
ラジウム系触媒、ニッケル系触媒等の触媒を使用できる
が、塩化白金酸、白金金属、塩化白金、白金オレフィン
錯体等の白金系触媒が好ましい。また、上記ヒドロシリ
ル化合物を反応させる反応は、30〜150℃、好まし
くは60〜120℃で数時間行うことが好ましい。
【0060】(ロ)水酸基を有するポリオキシアルキレ
ン重合体の末端に下記一般式(4)で表される化合物を
反応させる方法。
【0061】 一般式: R1 3-a−SiXa−R2NCO …(4) (R1、X、a:一般式(1)と同じ。R2:炭素数1〜
17の2価炭化水素基。)
【0062】上記反応の際には、公知のウレタン化触媒
を用いてもよく、上記反応は20〜200℃、好ましく
は50〜150℃で数時間行うことが好ましい。
【0063】(ハ)水酸基を有するポリオキシアルキレ
ン重合体の末端にトリレンジイソシアネート等のポリイ
ソシアネート化合物を反応させてイソシアネート基末端
とした後、該イソシアネート基に下記一般式(5)で表
されるケイ素化合物のW基を反応させる方法。
【0064】 一般式: R1 3-a−SiXa−R2W …(5) (R1、R2、X、a:一般式(1)と同じ。W:水酸
基、カルボキシル基、メルカプト基及びアミノ基(1級
又は2級)から選ばれる活性水素含有基。)
【0065】(ニ)水酸基を有するポリオキシアルキレ
ン重合体の末端に、上述した方法で不飽和基を導入した
後、そのオレフィン基と、上記一般式(5)において、
Wがメルカプト基で表されるケイ素化合物のメルカプト
基を反応させる方法。
【0066】上記一般式(5)において、Wがメルカプ
ト基で表されるケイ素化合物としては、3−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル
メチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメ
チルメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエト
キシシラン等が挙げられる。
【0067】上記反応の際には、ラジカル発生剤等の重
合開始剤を用いてもよく、また、場合によっては重合開
始剤を用いることなく放射線や熱により反応させてもよ
い。
【0068】上記重合開始剤としては、例えば、ペルオ
キシド系、アゾ系、又はレドックス系の重合開始剤や金
属化合物触媒等が挙げられ、具体的には、2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−
メチルブチロニトリル)、ベンゾイルペルオキシド、t
−ブチルペルオキシド、アセチルペルオキシド、ジイソ
プロピルペルオキシジカーボネート等が挙げられる。ま
た、上記反応は20〜200℃、好ましくは50〜15
0℃で数時間〜数十時間行うことが好ましい。
【0069】上述した方法において、不飽和基と加水分
解性ケイ素基の導入の順序は特に限定されないが、
(イ)及び(ニ)の方法では、水酸基を有するポリオキ
シアルキレン重合体の末端に不飽和基を導入した後、そ
れら不飽和基の一部を加水分解性ケイ素基に変換するこ
とで容易に導入することができる。また、(ロ)及び
(ハ)の方法では、必要に応じて水酸基を有するポリオ
キシアルキレン重合体の水酸基の一部を不飽和基に変換
し、残りの水酸基を利用して加水分解性ケイ素基を導入
する方法等が挙げられる。
【0070】・重合性単量体本発明において、重合性単
量体としては、アクリル酸アルキルエステル及びメタク
リル酸アルキルエステル(以下、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルと略記する)単量体から選ばれた少なく
とも1種の単量体(B)が用いられる。上記単量体
(B)としては、下記一般式(6)で示される化合物が
好ましい。
【0071】 一般式: CH2=CR4COOR3 …(6) (R4:水素原子又はメチル基、R3:水素原子又は1価
の有機基)
【0072】そして、R3としては、水素原子又は炭素
数1以上のアルキル基を有するものが好ましい。
【0073】すなわち、前記単量体(B)としては、R
3として炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルから選ばれた少なくとも1種
の単量体(D)、及びR3として炭素数10以上のアル
キル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルか
ら選ばれた少なくとも1種の単量体(E)を使用するこ
とが好ましい。
【0074】さらに、上記単量体(D)としては、炭素
数1〜4のアルキル基を有するものが特に好ましい。具
体的には(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル
等が挙げられるが、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸ブチルが特に好ましい。上記単量体
(D)は単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよ
い。
【0075】また、上記単量体(E)としては、炭素数
10〜30のアルキル基を有するものがより好ましく、
炭素数10〜20のアルキル基を有するものが特に好ま
しい。具体的には(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸セチ
ル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。上
記単量体(E)は単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0076】本発明において、上記単量体(D)と
(E)を併用する場合、その割合は任意に調整できる
が、保存安定性、硬化物の機械物性の観点から、重量比
で単量体(D)/単量体(E)が、95/5〜40/6
0であることが好ましく、90/10〜40/60であ
ることがさらに好ましい。
【0077】次に、重合性不飽和基含有単量体(C)と
しては、下記一般式(7)で示される化合物が好まし
い。なお、この重合性不飽和基含有単量体(C)は、ポ
リオキシアルキレン重合体(A)以外の化合物である。
【0078】一般式: CRR7=CR56 …(7) (R、R5、R6、R7:それぞれ独立に、水素原子、ハ
ロゲン原子又は1価の有機基。)
【0079】そして、R、R7における有機基としては
炭素数1〜10の1価の置換、又は非置換の炭化水素基
であることが好ましく、R、R7はそれぞれ水素原子で
あることがより好ましい。
【0080】また、R5、R6における有機基としては炭
素数1〜10の1価の置換、又は非置換の炭化水素基、
アルコキシ基、シアノ基、シアノ基含有基、アルケニル
基、アシルオキシ基、カルバモイル基、ピリジル基、グ
リシジルオキシ基又はグリシジルオキシカルボニル基で
あることが好ましい。特に、R5は水素原子、ハロゲン
原子又は炭素数1〜10の1価の置換、又は非置換の炭
化水素基であることが好ましい。
【0081】すなわち、具体的には、スチレン、α−メ
チルスチレン、クロロスチレン等のスチレン系単量体;
アクリロニトリル、2,4−ジシアノブテン−1等のシ
アノ基含有単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等
のビニルエステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、
クロロプレン等のジエン系単量体;ビニルグリシジルエ
ーテル、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジ
ルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート等のグリシジル基含有単量体、及びこれら以
外のオレフィン、不飽和エステル類、ハロゲン化オレフ
ィン、ビニルエーテル;等が挙げられるが、シアノ基含
有単量体、グリシジル基含有単量体又はスチレン系単量
体が好ましい。特に、アクリロニトリル、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート又はスチレンを
用いた場合は、さらに優れた接着性や機械物性を発現す
るため好ましい。
【0082】また、上記重合性不飽和基含有単量体
(C)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0083】本発明において、重合性単量体が、上記単
量体(B)と(C)からなる場合、高い耐候性や硬化物
表面に対するアクリル系塗料の良好な密着性等(メタ)
アクリル酸アルキルエステル単量体の重合体としての特
長を強く反映させるために、単量体(B)の割合は、単
量体合計量((B)と(C)の和)の50重量%以上で
あることが好ましく、70重量%以上であることがさら
に好ましい。
【0084】・重合体(G)の製造方法 本発明の重合体(G)は、上述したようなポリオキシア
ルキレン重合体(A)の存在下で、任意に溶剤の存在
下、上記重合性単量体を重合させ、必要に応じて溶剤の
一部又は全部を留去等して除去することにより得ること
ができる。
【0085】また、ポリキシアルキレン重合体(A)と
ともに不飽和基を有さないポリオキシアルキレン重合体
(例えば、末端に加水分解性ケイ素基を有するポリオキ
シアルキレン重合体など)の存在下、重合を行ってもよ
い。
【0086】溶剤は任意に選択出来るが、例えば、炭化
水素類、エーテル類、酢酸エステル類等が挙げられ、具
体的にはキシレン、トルエン、2−メトキシ−2−メチ
ルプロパン等である。
【0087】また、重合は公知の方法で行うことがで
き、ラジカル発生剤等の重合開始剤を用いてもよく、場
合によっては重合開始剤を用いることなく放射線や熱に
よって重合させてもよい。重合開始剤、重合温度、重合
時間等については、前記(ニ)で述べた条件と同様であ
ることが好ましい。
【0088】本発明において、ポリオキシアルキレン重
合体(A)と、上記重合性単量体((B)+(C))の
割合は、重量比でポリオキシアルキレン重合体(A)/
重合性単量体が、100/1〜1/300となる範囲で
使用されることが好ましく、作業性等の点から100/
1〜1/100、さらには100/1〜1/10の範囲
で使用されることが特に好ましい。
【0089】そして、重合体(G)の状態は、ポリオキ
シアルキレン重合体(A)中に、重合体微粒子状に均一
に分散した状態でも、また、均一に溶解した状態でもよ
い。
【0090】 ・重合体(G) 本発明の重合体(G)は、加水分解性ケイ素基を含有し
ている加水分解性ケイ素基を含有する重合体(G)
は、ポリオキシアルキレン重合体(A)として加水分解
性ケイ素基を有する重合体を使用することにより得るこ
とができる。また、ポリオキシアルキレン重合体(A)
が加水分解性ケイ素基を有していない場合は、以下の
(ホ)〜(リ)の方法により、さらに変性させることで
加水分解性ケイ素基を含有する重合体(G)を得ること
ができる。
【0091】(ホ)不飽和基を含有するポリオキシアル
キレン重合体(A)の存在下において、単量体(B)、
又は単量体(B)と重合性不飽和基含有単量体(C)を
重合した後、得られた重合体中の残存する不飽和基を上
記一般式(1)で表される加水分解性ケイ素基に変換す
る方法。
【0092】上記変換方法は、不飽和基に上記一般式
(3)で表されるヒドロシリル化合物を反応させる方法
が好ましい。
【0093】(ヘ)単量体(B)、又は単量体(B)と
重合性不飽和基含有単量体(C)を重合する際に、さら
に加水分解性ケイ素基を有する重合性単量体を共重合す
る方法。
【0094】上記加水分解性ケイ素基を有する重合性単
量体としては、上記一般式(1)で表される加水分解性
ケイ素基を有する重合性単量体が好ましく、特に下記一
般式(8)で表される化合物が好ましい。
【0095】 一般式: R9−SiYb8 3-b …(8) (R9:重合性不飽和基を有する1価の有機基、R8:炭
素数1〜20の置換、又は非置換の1価の有機基、Y:
水酸基又は加水分解性基、b:1〜3の整数。ただし、
8が複数個存在するときはそれらのR8は同じでも異な
ってもよい。また、Yが複数個存在するときはそれらの
Yは同じでも異なってもよい。)
【0096】すなわち、上記加水分解性ケイ素基を有す
る重合性単量体としては、加水分解性ケイ素基を有する
ビニル単量体、加水分解性ケイ素基を有するアクリル単
量体等が挙げられる。具体的には、ビニルメチルジメト
キシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメ
チルジクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、トリ
ス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン等のビニルシ
ラン類;3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアクリロイル
オキシシラン類;メタクリロイルオキシシラン類;等が
挙げられるが、特に3−アクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン3−メタクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシランが好ましい。
【0097】その他、上記加水分解性ケイ素基を有する
重合性単量体としては、例えば、ケイ素原子を2〜30
個有するポリシロキサン化合物であって炭素−炭素2重
結合及び加水分解性基と結合したケイ素原子を併有する
化合物も使用することができる。
【0098】これらの加水分解性ケイ素基を有する重合
性単量体は1種のみを使用してもよく、2種以上を併用
してもよいが、その場合、全重合性単量体100重量部
中、0.01〜20重量部用いるのが好ましい。上記範
囲外であると、硬化物の物性改良効果に劣るため好まし
くない。
【0099】(ト)重合性不飽和基含有単量体(C)と
して、反応性官能基を有する重合性単量体を使用して重
合を行った後、得られた重合体中の反応性官能基に、こ
の官能基と反応しうる加水分解性ケイ素基を有する化合
物を反応させる方法。
【0100】上記反応性官能基を有する重合性単量体と
しては、水酸基や不飽和基を有するものが好ましく、加
水分解性ケイ素基を有する化合物としては、上記一般式
(1)で表される加水分解性ケイ素基を有するものが好
ましい。
【0101】(チ)加水分解性ケイ素基を有するラジカ
ル重合開始剤を用いて重合を行う方法。
【0102】上記加水分解性ケイ素基を有するラジカル
重合開始剤としては、特に上記一般式(1)で表される
基を有するアゾ系や過酸化物系の化合物が好ましい。
【0103】(リ)加水分解性ケイ素基を有する連鎖移
動剤を用いて重合を行う方法。 上記加水分解性ケイ素基を有する連鎖移動剤としては、
特に上記一般式(1)で表される基を有するものが好ま
しく、具体的には上記一般式(1)で表される基を有す
るメルカプト化合物、アミノ化合物、臭素化合物等が挙
げられる。
【0104】また、本発明の重合体(G)は、加水分解
性ケイ素基と共に水酸基を含有してもよい。この場合、
水酸基は硬化触媒の存在下で加水分解性ケイ素基と反応
して、アルコキシシリル結合で架橋することから硬化反
応に寄与する。
【0105】本発明の重合体(G)に水酸基を導入する
方法としては、ポリオキシアルキレン重合体(A)とし
て不飽和基の他に末端に水酸基を有するものを用いる方
法や、重合性単量体として水酸基を有する重合性単量体
を用いる方法等が挙げられる。
【0106】上記不飽和基の他に末端に水酸基を有する
ポリオキシアルキレン重合体(A)は、例えば、上述し
た水酸基を有する原料ポリオキシアルキレン重合体に不
飽和基を導入する際に、水酸基の一部が残るように不飽
和基をエーテル結合、エステル結合、ウレタン結合又は
カーボネート結合等により結合させるなどして導入する
ことにより簡単に得ることができる。また、重合性単量
体を重合する際に、水酸基を有する重合性単量体をさら
に加えて共重合してもよい。
【0107】上記水酸基を有する重合性単量体として
は、水酸基を有するビニル単量体、水酸基を有するアク
リル単量体等が挙げられる。具体的には、ヒドロキシブ
チルビニルエーテル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエ
チル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ポリエ
チレングリコール、メタクリル酸ポリプロピレングリコ
ール等が挙げられる。
【0108】上記水酸基を有する重合性単量体は1種の
みを使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、そ
の場合、全重合性単量体100重量部中、0.01〜2
0重量部用いるのが好ましい。上記範囲外であると、硬
化物の物性改良効果に劣るため好ましくない。
【0109】 ・硬化性組成物(H) 次に、本発明のもう1つである硬化性組成物(H)につ
いて説明する。本発明の硬化性組成物(H)は、上記重
合体(G)のうち、加水分解性ケイ素基を含有する重合
体(G)を含有するもの、または、重合体(G)と、
鎖の末端及び/又は側鎖に上記一般式(1)で表される
加水分解性ケイ素基を0.1mmol/g以上含有する
ポリオキシアルキレン重合体(F)と、硬化促進触媒と
を含有するものである。
【0110】・ポリオキシアルキレン重合体(F) 上記ポリオキシアルキレン重合体(F)は、室温で硬化
可能で、その硬化物が柔軟なゴム弾性を有するため、接
着剤や防水材等の用途に広く用いられるものである。
【0111】ポリオキシアルキレン重合体(F)は、多
様な構造をとりうるが、用途や目的とする物性に応じた
構造のものを選択し、組み合わせることで、硬化性組成
物としての特性を手軽に調整することができる。
【0112】また、上述したように、本発明の重合体
(G)は、ポリオキシアルキレン重合体(A)がマクロ
モノマーとして重合性単量体にグラフトした形で組み込
まれたものと考えられるが、ポリオキシアルキレン重合
体(F)は、このグラフトポリマーであるポリオキシア
ルキレン重合体(A)と同様の構造を有することから、
重合体(G)とブレンドしても分離しにくく、高い保存
安定性を示す。
【0113】このようなポリオキシアルキレン重合体
(F)としては、例えば、特開平3−47825号公
報、特開平3−72527号公報、特開平3−7962
7号公報等に記載されているものが挙げられる。
【0114】また、ポリオキシアルキレン重合体(F)
は、官能基を有するポリオキシアルキレン重合体を原料
とし、その末端又は側鎖に有機基を介して又は介さずし
て加水分解性ケイ素基を導入して製造されることが好ま
しい。
【0115】上記原料ポリオキシアルキレン重合体とし
ては、分子量、分子量分布等、特に限定されるものでは
ないが、上述したポリオキシアルキレン重合体(A)の
原料ポリオキシアルキレン重合体と同様の方法で得られ
る、分子量8,000〜50,000、分子量分布Mw
/Mnが1.7以下、好ましくは1.6以下、さらに好
ましくは1.5以下である高分子量ポリオキシアルキレ
ン重合体を使用することが好ましい。
【0116】原料ポリオキシアルキレン重合体は、数平
均分子量(Mn)が同じものであれば、Mw/Mnが小
さいほど、それを原料として得られるポリオキシアルキ
レン重合体(F)の粘度は低くなり作業性に優れ、かつ
硬化させたときに弾性率が同じものでも硬化物の伸びが
大きく高強度になるため、重合体(G)に含有させた場
合、優れた物性と作業性を有する硬化性組成物(H)を
得ることができる。
【0117】また、原料ポリオキシアルキレン重合体の
末端又は側鎖に加水分解性ケイ素基を導入する方法など
の詳細については、上記ポリオキシアルキレン重合体
(A)で説明した方法と同様である。
【0118】本発明において、ポリオキシアルキレン重
合体(F)の分子量は、用途に応じて適当な値を選択で
きるが、分子量が8,000〜50,000であること
が好ましく、8,000〜20,000であることがよ
り好ましく、12,000〜20,000であることが
特に好ましい。そして、柔軟性が重視されるシーラント
等の用途には、分子量8,000〜50,000である
ことが好ましく、8,000〜25,000であること
がより好ましく、12,000〜20,000であるこ
とが最も好ましい。また、強度が要求される接着剤等の
用途には、分子量8,000〜30,000の重合体が
好ましい。
【0119】分子量が、8,000より低い場合は硬化
物が脆いものとなり、30,000を超える場合は高粘
度のため作業性が著しく悪くなる。
【0120】そして、硬化組成物(H)がポリオキシア
ルキレン重合体(F)と重合体(G)とを含有するもの
である場合、その混合割合は、重量比でポリオキシアル
キレン重合体(F)/重合体(G)が、1/10〜10
/1の範囲であることが好ましい。
【0121】さらに、本発明の硬化性組成物(H)は
化促進触媒を含む。さらに、以下に示すような充填剤、
可塑剤接着性付与剤、溶剤、脱水剤、チキソ性付与
剤、老化防止剤及びその他の添加剤を含んでいてもよ
い。
【0122】(充填剤)充填剤としては公知の充填剤が
使用でき、具体的には、表面を脂肪酸又は樹脂酸系有機
物で表面処理した炭酸カルシウム、該炭酸カルシウムを
さらに微粉末化した平均粒径1μm以下の膠質炭酸カル
シウム、沈降法により製造した平均粒径1〜3μmの軽
質炭酸カルシウム、平均粒径1〜20μmの重質炭酸カ
ルシウム等の炭酸カルシウム類、フュームシリカ、沈降
性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸及びカーボンブラッ
ク、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレ
ー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナ
イト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバル
ーン、ガラスバルーン、木粉、パルプ、木綿チップ、マ
イカ、くるみ穀粉、もみ穀粉、グラファイト、アルミニ
ウム微粉末、フリント粉末等の粉体状充填剤;石綿、ガ
ラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊
維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填剤;等が挙
げられ、それらを単独で用いてもよく、2種以上併用し
てもよい。
【0123】充填剤を使用する場合、その使用量は、重
合体(G)又は重合体(G)とポリオキシアルキレン重
合体(F)の合計100重量部に対して0.001〜
1,000重量部、特に50〜250重量部であること
が好ましい。
【0124】(可塑剤)可塑剤としては公知の可塑剤が
使用でき、具体的には、フタル酸ジオクチル、フタル酸
ジブチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソノ
ニル等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、
コハク酸ビス(2−メチルノニル)、セバシン酸ジブチ
ル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル;
ペンタエリスリトールエステル等のアルコールエステル
類;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン
酸エステル類;エポキシ化大豆油、4,5−エポキシヘ
キサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシステアリン酸
ベンジル等のエポキシ可塑剤;塩素化パラフィン;2塩
基酸と2価アルコールとを反応させてなるポリエステル
類等のポリエステル系可塑剤;ポリオキシプロピレング
リコールやその誘導体等のポリエーテル類、ポリ−α−
メチルスチレン、ポリスチレン等のスチレン系のオリゴ
マー類、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリ
ブテン、水添ポリブテン、エポキシ化ポリブタジエン等
のオリゴマー類等の高分子可塑剤;等が挙げられるが、
用途や目的に応じて適宜選択することができる。例え
ば、耐候性を向上させたい場合は、分子量の大きいポリ
オキシアルキレンポリオール及び/又はそれらの水酸基
をアルキルエーテル化したものなど、いわゆる高分子可
塑剤を使用し、接着剤用途の場合は、可塑剤は必ずしも
必要ではなく、むしろ可塑剤を使用しない無可塑配合と
することで接着性を向上することができる。
【0125】可塑剤を使用する場合、その使用量は、重
合体(G)又は重合体(G)とポリオキシアルキレン重
合体(F)の合計100重量部に対して0.001〜
1,000重量部であることが好ましい。
【0126】(硬化促進触媒) 本発明において、硬化性組成物を硬化させる際には硬化
促進触媒を使用する。具体的には、アルキルチタン酸
塩、有機ケイ素チタン酸塩、ビスマストリス(2−エチ
ルヘキサノエート)等の金属塩;リン酸、p−トルエン
スルホン酸、フタル酸等の酸性化合物;ブチルアミン、
ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデ
シルアミン等の脂肪族モノアミン;エチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン等の脂肪族ポリアミン類;ピペリジン、ピ
ペラジン等の複素環式アミン類;m−フェニレンジアミ
ン等の芳香族アミン類;エタノールアミン類;トリエチ
ルアミン、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種
変性アミン等のアミン化合物;2−エチルヘキサン酸ス
ズ、ナフテン酸スズ、ステアリン酸スズ等の2価のスズ
化合物と上記アミン類の混合物;ジブチルスズジアセテ
ート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラ
ウレート、下記のカルボン酸型有機スズ化合物及びこれ
らのカルボン酸型有機スズ化合物と上記のアミン類との
混合物; (n−C492Sn(OCOCH=CHCOOCH3
2 (n−C492Sn(OCOCH=CHCOOC49
−n)2 (n−C8172Sn(OCOCH=CHCOOC
32 (n−C8172Sn(OCOCH=CHCOOC49
−n)2 (n−C8172Sn(OCOCH=CHCOOC8
17−iso)2 下記の含硫黄型有機スズ化合物; (n−C492Sn(SCH2COO) (n−C8172Sn(SCH2COO) (n−C8172Sn(SCH2CH2COO) (n−C8172Sn(SCH2COOCH2CH2OC
OCH2S) (n−C492Sn(SCH2COOC817−is
o)2 (n−C8172Sn(SCH2COOC817−is
o)2 (n−C8172Sn(SCH2COOC817−n)2 (n−C492SnS (n−C492SnO、(n−C8172SnO等の
有機スズオキシド、及びこれらの有機スズオキシドと、
エチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジ
エチル、マレイン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フ
タル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル等のエステル化合
物との反応生成物;下記のキレートスズ化合物及びこれ
らのスズ化合物とアルコキシシランとの反応生成物(た
だし、acacはアセチルアセトナト配位子を表す); (n−C492Sn(acac)2 (n−C8172Sn(acac)2 (n−C492(C817O)Sn(acac) 下記のスズ化合物; (n−C492(CH3COO)SnOSn(OCOC
3)(C49−n)2 (n−C492(CH3O)SnOSn(OCH3
(C49−n)2 等が挙げられるが、それらの1種又は2種以上が使用さ
れる。
【0127】硬化促進触媒の使用量は、重合体(G)又
は重合体(G)とポリオキシアルキレン重合体(F)の
合計100重量部に対して0.0001〜10重量部で
あることが好ましい
【0128】(接着性付与剤)接着性を改良する目的で
接着性付与剤が用いられる。これらの接着性付与剤とし
ては、シランカップリング剤やエポキシ樹脂を添加して
もよく、必要に応じてエポキシ樹脂硬化剤を併用しても
よい。
【0129】シランカップリング剤としては、3−メタ
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−ア
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メ
タクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等
の(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類;3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル
トリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、
N−(N−ビニルベンジル−2−アミノエチル)−3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロ
ピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;3
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカ
プトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピル
メチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン
類;3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン等のエポキシ基含有シラン類;2−カルボキシエチル
トリエトキシシラン、2−カルボキシエチルフェニルビ
ス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(N−カルボ
キシルメチル−2−アミノエチル)−3−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン等のカルボキシル基含有シラン
類;等が挙げられる。
【0130】また、上記シランカップリング剤を2種以
上反応させて得られる反応物を用いてもよく、例えば、
アミノ基含有シラン類とエポキシ基含有シラン類との反
応物、アミノ基含有シラン類と(メタ)アクリロイルオ
キシ基含有シラン類との反応物、エポキシ基含有シラン
類とメルカプト基含有シラン類の反応物、メルカプト基
含有シラン類どうしの反応物等が挙げられる。これらの
反応物は、上記シランカップリング剤を混合し、室温〜
150℃で1〜8時間撹拌することにより、容易に得る
ことができる。上記反応物は単独で使用してもよく、2
種類以上併用してもよい。
【0131】シランカップリング剤又は上記反応物を使
用する場合、その使用量は、重合体(G)又は重合体
(G)とポリオキシアルキレン重合体(F)の合計10
0重量部に対して0.001〜30重量部であることが
好ましい。
【0132】また、エポキシ樹脂としては、一般のエポ
キシ樹脂が用いられ、具体的には、ビスフェノールA−
ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ビスフェノール
F−ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;テトラブロ
モビスフェノールA−グリシジルエーテル型エポキシ樹
脂等の難燃型エポキシ樹脂;ノボラック型エポキシ樹
脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノ
ールA/プロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテ
ル型エポキシ樹脂;4−グリシジルオキシ安息香酸グリ
シジル、フタル酸ジグリシジル、テトラヒドロフタル酸
ジグリシジル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジル等の
ジグリシジルエステル系エポキシ樹脂;m−アミノフェ
ノール系エポキシ樹脂;ジアミノジフェニルメタン系エ
ポキシ樹脂;ウレタン変性エポキシ樹脂;各種脂環式エ
ポキシ樹脂;N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−
ジグリシジル−o−トルイジン、トリグリシジルイソシ
アヌレート、ポリアルキレングリコールジグリシジルエ
ーテル、グリセリン等の多価アルコールのグリシジルエ
ーテル;ヒダントイン型エポキシ樹脂;石油樹脂等の不
飽和重合体のエポキシ化物;等の一般に使用されている
エポキシ樹脂やエポキシ基を含有するビニル系重合体が
挙げられる。
【0133】エポキシ樹脂やエポキシ基を含有するビニ
ル系重合体を使用する場合、その使用量は、重合体
(G)又は重合体(G)とポリオキシアルキレン重合体
(F)の合計100重量部に対して0〜100重量部で
あることが好ましい。
【0134】また、エポキシ樹脂の硬化剤(又は硬化触
媒)を併用する場合、硬化剤としては一般に用いられる
エポキシ樹脂用硬化剤が挙げられる。具体的には、トリ
エチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエ
チルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジ
ン、m−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルス
ルホン、イソホロンジアミン、2,4,6−トリス(ジ
メチルアミノメチル)フェノール等のアミン類又はそれ
らの塩類;ケチミン化合物等のブロックドアミン類;ポ
リアミド樹脂;イミダゾール類;ジシアンジアミド類;
三フッ化ホウ素錯化合物類;無水フタル酸、ヘキサヒド
ロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ドデ
セニルコハク酸無水物、ピロメリット酸無水物等のカル
ボン酸無水物;フェノキシ樹脂;カルボン酸類;アルコ
ール類;エポキシ基と反応しうる基を平均して分子内に
少なくとも1個有するポリアルキレンオキシド系重合体
(末端アミノ化ポリオキシプロピレングリコール、末端
カルボキシル化ポリオキシプロピレングリコール等);
末端が水酸基、カルボキシル基、アミノ基等で修飾され
たポリブタジエン、水添ポリブタジエン、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体、アクリル系重合体等の液状
末端官能基含有重合体;ケチミン化合物;等が挙げられ
る。
【0135】エポキシ樹脂の硬化剤(又は硬化触媒)を
併用する場合、その使用量は、エポキシ樹脂に対して
0.1〜300重量部であることが好ましい。
【0136】(溶剤)粘度の調整、組成物の保存安定性
向上を目的として、溶剤を添加することができる。
【0137】溶剤としては脂肪族炭化水素類、芳香族炭
化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、ケト
ン類、エステル類、エーテル類、エステルアルコール
類、ケトンアルコール類、エーテルアルコール類、ケト
ンエーテル類、ケトンエステル類、エステルエーテル類
を使用できる。
【0138】特にアルコール類は、それを添加すること
により、本発明の硬化性組成物(H)の保存安定性が向
上するため好ましい。アルコール類としては、炭素数1
〜10のアルキルアルコールが好ましく、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、イソペンチルアルコー
ル、ヘキシルアルコール等が特に好ましい。
【0139】溶剤を使用する場合、その使用量は、重合
体(G)又は重合体(G)とポリオキシアルキレン重合
体(F)の合計100重量部に対して0.001〜50
0重量部であることが好ましい。
【0140】(脱水剤)本発明の硬化性組成物(H)の
貯蔵安定性をさらに改良するために、硬化性や柔軟性に
悪影響を及ぼさない範囲で少量の脱水剤を添加できる。
【0141】具体的には、オルトギ酸メチル、オルトギ
酸エチル等のオルトギ酸アルキル;オルト酢酸メチル、
オルト酢酸エチル等のオルト酢酸アルキル;メチルトリ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン等の加水分解性有
機シリコン化合物;加水分解性有機チタン化合物;等が
挙げられるが、ビニルトリメトキシシラン、テトラエト
キシシランがコスト及び効果の点から特に好ましい。
【0142】脱水剤を使用する場合、その使用量は、重
合体(G)又は重合体(G)とポリオキシアルキレン重
合体(F)の合計100重量部に対して0.001〜3
0重量部であることが好ましい。
【0143】(チキソ性付与剤)垂れ性の改善のために
チキソ性付与剤を使用してもよい。このようなチキソ性
付与剤としては、水添ひまし油、脂肪酸アミド等が用い
られる。
【0144】チキソ性付与剤を使用する場合、その使用
量は、重合体(G)又は重合体(G)とポリオキシアル
キレン重合体(F)の合計100重量部に対して、0〜
30重量部であることが好ましい。
【0145】(老化防止剤)老化防止剤としては、一般
に用いられている酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤
が適宜用いられる。ヒンダードアミン系、ベンゾトリア
ゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノ
アクリレート系、アクリレート系、ヒンダードフェノー
ル系、リン系、硫黄系の各化合物を適宜使用できる。
【0146】老化防止剤を使用する場合、その使用量
は、重合体(G)又は重合体(G)とポリオキシアルキ
レン重合体(F)の合計100重量部に対して、0〜1
0重量部であることが好ましい。
【0147】(その他の添加剤)塗料の密着性や表面タ
ックを長期にわたり改善する目的で、空気酸化硬化性化
合物や光硬化性化合物を添加してもよい。それらを使用
する場合、その使用量は、重合体(G)又は重合体
(G)とポリオキシアルキレン重合体(F)の合計10
0重量部に対して0.001〜50重量部であることが
好ましい。
【0148】このような空気酸化硬化性化合物としては
桐油、アマニ油等に代表される乾性油や、該化合物を変
性して得られる各種アルキッド樹脂、乾性油により変性
されたアクリル系重合体、シリコーン樹脂、ポリブタジ
エン、炭素数5〜8のジエンの重合体や共重合体等のジ
エン系重合体、さらには該重合体や共重合体の各種変性
物(マレイン化変性、ボイル油変性等)等が挙げられ
る。光硬化性化合物としては、多官能アクリレート類が
通常用いられる。
【0149】また、硬化物のモジュラスと表面のべとつ
きの調整の目的で、分子内に1個のシラノール基を有す
る化合物、又は分子内に1個のシラノール基を有する化
合物を生成しうる化合物を添加することができる。これ
らの化合物の添加により、表面のべとつきを悪化させる
ことなく、モジュラスを低減する効果が得られる。
【0150】上記分子内に1個のシラノール基を有する
化合物としては、トリメチルシラノール、トリエチルシ
ラノール、トリフェニルシラノール等が挙げられる。
【0151】また、上記分子内に1個のシラノール基を
有する化合物を生成しうる化合物としては、ヘキサメチ
ルジシラザン、フェニルオキシトリメチルシラン、2−
エチルヘキシルオキシトリメチルシラン、1,4−ブタ
ンジオールのトリメチルシリルエーテル、トリメチロー
ルプロパントリストリメチルシリルエーテル等が挙げら
れる。
【0152】シラノール基を有する化合物を使用する場
合、その使用量は、重合体(G)又は重合体(G)とポ
リオキシアルキレン重合体(F)の合計100重量部に
対して0〜10重量部であることが好ましい。
【0153】また、顔料として酸化鉄、酸化クロム、酸
化チタン等の無機顔料及びフタロシアニンブルー、フタ
ロシアニングリーン等の有機顔料を使用することができ
る。
【0154】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明する。
【0155】なお、部とは重量部を示し、水酸基価換算
分子量とは、原料である水酸基を有するポリオキシアル
キレン重合体の水酸基価から換算した分子量を示す。ま
た、分子量分布Mw/Mnはゲルパーミエーションクロ
マトグラフにより溶媒としてテトラヒドロフランを用い
て測定した値である。検量線はポリオキシアルキレンポ
リオールを用いて作成した。
【0156】(製造例1)グリセリンを開始剤とし、亜
鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在
下、プロピレンオキシドを反応させて得られた水酸基価
換算分子量17,000、かつ分子量分布Mw/Mn=
1.3のポリオキシプロピレントリオールに、ナトリウ
ムメトキシドのメタノール溶液を添加し、加熱減圧下メ
タノールを留去してポリオキシプロピレントリオールの
末端水酸基をナトリウムアルコキシドに変換した。次に
塩化アリルを反応させて、未反応の塩化アリルを除去
し、精製して、末端にアリル基を0.20mmol/g
有するポリプロピレンオキシド(以下、P1という)を
得た。
【0157】(製造例2)プロピレングリコールを開始
剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体
触媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させて得られ
た水酸基価換算分子量17,000、かつ分子量分布M
w/Mn=1.3のポリオキシプロピレングリコールを
用い、製造例1と同様の方法で末端にアリル基を0.1
5mmol/g有するポリプロピレンオキシド(以下、
P2という)を得た。
【0158】(製造例3)製造例1で得られた重合体P
1に対し、ヒドロシリル化合物であるメチルジメトキシ
シランを白金触媒の存在下反応させ、末端にメチルジメ
トキシシリル基を0.14mmol/g、アリル基を
0.06mmol/g有するポリプロピレンオキシド
(以下、P3という)を得た。
【0159】(製造例4)製造例1で得られた重合体P
1に対し、ヒドロシリル化合物であるトリメトキシシラ
ンを白金触媒の存在下反応させ、末端にトリメトキシシ
リル基を0.14mmol/g、アリル基を0.06m
mol/g有するポリプロピレンオキシド(以下、P4
という)を得た。
【0160】(製造例5)製造例1で得られた重合体P
1に対し、シリル化合物である3−メルカプトプロピル
トリメトキシシランを重合剤である2,2’−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)を用いて反応させ、末端
にトリメトキシシリル基を0.14mmol/g、アリ
ル基を0.06mmol/g有するポリプロピレンオキ
シド(以下、P5という)を得た。
【0161】(製造例6)製造例1で得られた重合体P
1に対し、ヒドロシリル化合物であるメチルジメトキシ
シランとトリメトキシシランとをモル比にして30対7
0の割合に混合した混合物を白金触媒の存在下反応さ
せ、末端にメチルジメトキシシリル基とトリメトキシシ
リル基を合計0.14mmol/g、アリル基を0.0
6mmol/g有するポリプロピレンオキシド(以下、
P6という)を得た。
【0162】(製造例7)製造例2で得られた重合体P
2に対し、ヒドロシリル化合物であるメチルジメトキシ
シランを白金触媒の存在下反応させ、末端にメチルジメ
トキシシリル基を0.12mmol/g、アリル基を
0.03mmol/g有するポリプロピレンオキシド
(以下、P7という)を得た。
【0163】(製造例8)グリセリンを開始剤とし、亜
鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在
下、プロピレンオキシドの重合を行い、水酸基価換算分
子量10,000、かつ分子量分布Mw/Mn=1.3
のポリオキシプロピレントリオールを得た後、精製し
た。これにγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシ
ランを加え、ウレタン化反応を行い、末端にトリメトキ
シシリル基を0.28mmol/g、アリル基を0.0
5mmol/g有するポリプロピレンオキシド(以下、
P8という)を得た。
【0164】(製造例9)水酸化カリウム触媒を用いて
得られた水酸基価換算分子量3,000のポリオキシプ
ロピレンジオールに、ナトリウムメトキシドのメタノー
ル溶液を添加し、加熱減圧下メタノールを留去して、末
端水酸基をナトリウムアルコキシドに変換した。次にク
ロロブロモメタンと反応させて高分子量化を行った後、
続いて塩化アリルを反応させて、末端にアリルオキシ基
を有するポリプロピレンオキシド(分子量分布Mw/M
n=2.0)を得た。これにヒドロシリル化合物である
メチルジメトキシシランを白金触媒の存在下反応させ、
末端にメチルジメトキシシリル基を0.14mmol/
g、アリル基を0.08mmol/g有する分子量9,
000のポリプロピレンオキシド(以下、P9という)
を得た。
【0165】 (参考例1、2、実施例3、4) グラフトポリマーとして、表1に示すポリプロピレンオ
キシド60gを撹拌機付きの反応器に入れ、トルエン1
20gを加えて希釈し、この混合物を100℃に加熱し
ながら均一に混合した。これに表1に示す重量比の重合
性単量体を合計で40gとなるよう混合し、さらに2,
2'−アゾビスイソブチロニトリル0.4gを溶解した
溶液を窒素雰囲気下で撹拌しながら3時間かけて滴下し
た。滴下終了後さらに2,2'−アゾビスイソブチロニ
トリル0.3gのトルエン溶液を30分かけて滴下した
後、同温度で3時間加熱撹拌した。得られた混合物から
100℃減圧下でトルエンを留去して、重合体を得た。
【0166】(実施例5〜8)グラフトポリマーとし
て、表2に示すポリプロピレンオキシド60gのうち3
0gを撹拌機付きの反応器に入れ、110℃に保ちなが
ら、これに表1に示す重量比の重合性単量体を合計で4
0gとなるよう混合し、さらに2,2'−アゾビスイソ
ブチロニトリル0.8gを溶解した溶液とポリプロピレ
ンオキシドの残り30gとの混合物を窒素雰囲気下で撹
拌しながら3時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度
で1時間加熱撹拌した。反応終了後、未反応単量体を1
00℃減圧下で除去して、重合体を得た。なお、実施例
8は、P3:P4(重量比)=1:1の混合物を使用し
た。
【0167】 (参考例9、10、実施例11参考例1、2、実施例3 でそれぞれ得られた重合体と、
ブレンドポリマーとして表3に示すポリプロピレンオキ
シドを、参考例9、10については重量比で40:6
0、実施例11については重量比で50:50となるよ
うに混合して組成物を得た。
【0168】(比較例1)グラフトポリマーとして、表
4に示すポリプロピレンオキシド60gを撹拌機付きの
反応器に入れ、110℃に保ちながら、これに表4に示
す重量比の重合性単量体を合計で40gとなるよう混合
し、さらに2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.
4gを溶解した溶液を窒素雰囲気下で撹拌しながら3時
間かけて滴下した。滴下終了後さらに2,2'−アゾビ
スイソブチロニトリル0.3gのトルエン溶液を30分
かけて滴下した後、同温度で3時間加熱撹拌して重合体
を得た。
【0169】(比較例2〜4)撹拌機付きの反応器にキ
シレン50gを入れ、110℃に保ちながら、これに表
4に示す重量比の重合性単量体を合計で120gとなる
よう混合し、さらに2,2'−アゾビスイソブチロニト
リル3gを溶解した溶液を窒素雰囲気下で撹拌しながら
3時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で2時間加
熱撹拌した。得られた共重合体と、ブレンドポリマーと
して表4に示すポリプロピレンオキシドとを樹脂固形分
比が40:60となるように混合した後、100℃減圧
下でキシレンを留去して、組成物を得た。なお、比較例
3は、P8:P9(重量比)=1:1の混合物を使用し
た。また、上記樹脂固形分とは、溶剤を除いたものをい
う。
【0170】 (試験1) 上記各実施例、参考例、及び比較例で得られた重合体及
び組成物の粘度及び保存安定性を以下のようにして測定
した。
【0171】粘度:各重合体及び組成物を100ccの
ガラス製のサンプル瓶に入れ、B型粘度型を用いて25
℃における粘度の測定を行った。
【0172】保存安定性:各重合体及び組成物を100
ccのガラス製のサンプル瓶に入れ、70℃にて2ヶ月
間貯蔵後の外観をみた。
【0173】 また、実施例3〜8、参考例9、10、
実施例11及び比較例1〜4で得られた重合体及び組成
物100部に対して、膠質炭酸カルシウム100部、重
質炭酸カルシウム50部、ジオクチルフタレート50
部、脂肪族アマイミド系チキソ性付与剤3部、N−(2
−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン2部、ビニルトリメトキシシラン1部、ベンゾトリ
アゾール系光安定剤1部、3級ヒンダードアミン系光安
定剤1部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤1部、及
びジブチルスズビスアセチルアセトナート2部を添加し
て均一に混合し、湿分を遮ることができるシーリング材
用カートリッジに充填して硬化性組成物を得、この硬化
性組成物について、次の方法で耐候性を調べた。
【0174】硬化性組成物を厚さ5mmとなるように1
mm厚のアルミニウム板上に塗布し、20℃、65%湿
度下に7日、50℃、60%湿度下に7日養生した後、
スガ試験機株式会社製サンシャインスーパーロングライ
フウェザーメーターにて曝露試験を行い、1000時間
後の表面状態を観察した。これらの結果を表1〜4に示
す。
【0175】
【表1】
【0176】
【表2】
【0177】
【表3】
【0178】
【表4】
【0179】 表1〜4から、グラフトポリマーとして
ポリオキシアルキレン重合体を用いた実施例3〜8、1
の重合体及び硬化性組成物は、ブレンドポリマーとし
てポリオキシアルキレン重合体を用いた比較例2〜4の
重合体及び硬化性組成物に比べて、保存安定性が高いこ
とが分かる。また、分子量分布Mw/Mnの小さいポリ
オキシアルキレン重合体を用いた実施例3〜8、11
重合体及び組成物は、分子量分布Mw/Mnの大きいポ
リオキシアルキレン重合体を用いた比較例1の重合体及
び組成物に比べて、粘度が低いことが分かる。
【0180】(試験2)ポリオキシアルキレン重合体の
存在下で、重合性単量体を重合する方法において、分子
量分布Mw/Mnの異なるポリオキシアルキレン重合体
の存在下で、重合して得られた同一のモノマー組成を有
する実施例7及び比較例1の重合体について、以下の要
領で硬化性の比較を行った。
【0181】耐候性の評価と同様にして、シーリング材
用カートリッジに充填した硬化性組成物を、円筒形(直
径4cm)のカップの中に、4cmの厚みになるように
流し込み、20℃で65%湿度の雰囲気に6時間放置し
た。その後、JIS K2530に準拠した針入度計を
用い、アスファルト用1.25gの針を使用して表面か
ら深さ方向への硬化の様子を鉛直方向上方から下方への
5秒間の針の針入度(単位:cm)として測定した。針
入度が大きい方が表面からの硬化が進んでいないことを
表している。その結果を表5に示す。
【0182】
【表5】
【0183】表5の結果から、実施例7の分子量分布M
w/Mnが1.7以下のポリオキシアルキレン重合体を
用いた硬化性組成物は、比較例1の分子量分布Mw/M
nが2.2のポリオキシアルキレン重合体を用いた硬化
性組成物に比べ、低粘度で硬化性に優れていることが分
かる。
【0184】(試験3)ポリオキシアルキレン重合体の
存在下で、重合性単量体を重合して得られた実施例3の
重合体と、同一のポリオキシアルキレン重合体を重合性
単量体の重合体と混合して得られた比較例4の組成物
(モノマー組成は同一)について、以下の要領で剪断接
着試験を行った。
【0185】実施例3の重合体及び比較例4の組成物各
々100部に対して、ジブチルスズラウリレート2部、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン2部を配合して硬化性組成物を得た。
【0186】この硬化性組成物を、23℃、50%湿度
下において、巾25mm、長さ100mm、厚み3mm
のアルミニウム板に、接着面積25mm×25mm、厚
み0.2mm程度となるように塗布し、30秒後、もう
1片のアルミニウム板を互い違いに重ね合わせて密着さ
せ、同条件で7日間養生後、引張剪断接着強さ(kg/
cm2、引張速度:5mm/分)を測定した。その結果
を表6に示す。
【0187】
【表6】
【0188】表6の結果から、ポリオキシアルキレン重
合体がグラフトされた実施例3の重合体を用いた硬化性
組成物は、比較例4の組成物を用いた硬化性組成物に比
べて、接着強さが向上することが分かる。
【0189】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低粘度で、取り扱い性及び保存安定性に優れた重合体を
得ることができる。また、該重合体を硬化性組成物に含
有させることにより、硬化性、硬化物の機械物性及び耐
候性に優れた硬化性組成物を得ることができる。
【0190】本発明の硬化性組成物は、シーラント、防
水材、接着剤、コーティング剤、コーキング剤、サイジ
ング剤等に使用でき、特に硬化物自体の充分な凝集力と
被着体への動的追従性が要求される用途に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−161420(JP,A) 特開 平6−172631(JP,A) 特開 平5−65403(JP,A) 特開 平7−258535(JP,A) 特開 平4−283258(JP,A) 特開 平4−283259(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 290/00 - 290/14 C08L 55/00 C09J 155/00 C09K 3/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開始剤の存在下、複合金属シアン化物錯
    体を触媒として環状エーテルを重合させて、下記1)〜
    3)の特徴を有し、さらに下記一般式(1)で表される
    加水分解性ケイ素基を0.01mmol/g以上含有す
    ポリオキシアルキレン重合体(A)を得た後、該ポリ
    オキシアルキレン重合体(A)と、重合性単量体として
    アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキル
    エステル単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体
    (B)、又は前記単量体(B)と他の重合性不飽和基含
    有単量体(C)を重合させることを特徴とする重合体の
    製造方法。 1)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の
    比である分子量分布Mw/Mnが1.7以下 2)分子量8,000〜50,000 3)主鎖の末端及び/又は側鎖に不飽和基を0.01m
    mol/g以上含有一般式: −SiX 3−a …(1)(R :炭
    素数1〜20の置換又は非置換の1価の有機基、X:水
    酸基又は加水分解性基、a:1〜3の整数。ただし、R
    が複数個存在するときは、それらのR は同じでも異
    なってもよい。また、Xが複数個存在するときは、それ
    らのXは同じでも異なってもよい。)
  2. 【請求項2】 前記単量体(B)として、 炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキル
    エステル及びメタクリル酸アルキルエステルから選ばれ
    た少なくとも1種の単量体(D)と、 炭素数10以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキ
    ルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルから選ば
    れた少なくとも1種の単量体(E)とを併用する請求項
    1に記載の重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記重合性単量体として、前記他の重合
    性不飽和基含有単量体(C)を必須とし、かつ前記他の
    重合性不飽和基含有単量体(C)が下記一般式(1)で
    表される加水分解性ケイ素基を含有するものである請求
    1又は2に記載の重合体の製造方法。 一般式: −SiX 3−a …(1) (R:炭素数1〜20の置換又は非置換の1価の有機
    基、X:水酸基又は加水分解性基、a:1〜3の整数。
    ただし、Rが複数個存在するときは、それらのR
    同じでも異なってもよい。また、Xが複数個存在すると
    きは、それらのXは同じでも異なってもよい。)
  4. 【請求項4】 請求項1〜のいずれか1つに記載の製
    造方法によって得られる重合体と、硬化促進触媒とを含
    有してなる硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 さらに、主鎖の末端及び/又は側鎖に下
    記一般式(1)で表される加水分解性ケイ素基を0.1
    mmol/g以上含有するポリオキシアルキレン重合体
    (F)とを含有してなる請求項に記載の硬化性組成
    物。 一般式: −SiX 3−a …(1) (R:炭素数1〜20の置換又は非置換の1価の有機
    基、X:水酸基又は加水分解性基、a:1〜3の整数。
    ただし、Rが複数個存在するときは、それらのR
    同じでも異なってもよい。また、Xが複数個存在すると
    きは、それらのXは同じでも異なってもよい。)
  6. 【請求項6】 前記ポリオキシアルキレン重合体(F)
    が、下記1)〜2)の特徴を有するものである請求項
    記載の硬化性組成物。 1)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の
    比である分子量分布Mw/Mnが1.7以下 2)分子量8,000〜50,000
  7. 【請求項7】 前記ポリオキシアルキレン重合体(F)
    が、開始剤の存在下、複合金属シアン化物錯体を触媒と
    して環状エーテルを重合させて得られる重合体の誘導体
    である請求項6に記載の硬化性組成物。
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