JP3490356B2 - 光記録媒体、並びに、光記録媒体用原盤およびその製造方法 - Google Patents

光記録媒体、並びに、光記録媒体用原盤およびその製造方法

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JP3490356B2 JP27722599A JP27722599A JP3490356B2 JP 3490356 B2 JP3490356 B2 JP 3490356B2 JP 27722599 A JP27722599 A JP 27722599A JP 27722599 A JP27722599 A JP 27722599A JP 3490356 B2 JP3490356 B2 JP 3490356B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ランドグルーブ記
録方式の光記録媒体と、この媒体における基板の作成に
用いられる光記録媒体用原盤およびその製造方法と
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、書き換え可能な光記録媒体とし
て、光磁気記録方式の光磁気ディスクが実用化されてい
る。光磁気ディスクでは、一般的に、グルーブ領域(案
内溝の領域)およびランド領域(案内溝間の領域)が、
ディスク基板上にらせん状または同心円状に形成されて
おり、グルーブ領域あるいはランド領域のいずれかに、
記録トラックが設けられている。そして、半導体レーザ
ーから出射される光ビームを集光照射することによって
記録トラックを局部的に温度上昇させ、情報の記録・消
去を行うようになっている。また、情報が消去されない
程度の強度で光ビームを集光照射し、その反射光の偏光
状態を判別することにより、情報の再生が行われる。
【0003】また、このような光磁気ディスクにおける
アドレス情報の取得方法としては、ピット列を用いる方
法が一般的に採用されている。この方法では、光磁気デ
ィスクの記録トラックに連続してピット列を形成し、こ
のピット列からの反射光量の変化を再生することによ
り、アドレス情報を得るようになっている。
【0004】一方で、多層磁性膜を用いた磁気的超解像
再生に対する活発な研究開発により、超解像光磁気記録
方式の光磁気ディスクにおける再生分解能が大幅に向上
している。これにより、グルーブ領域とランド領域との
両方に情報を記録する方式(ランドグルーブ記録方式)
に関する研究も盛んに行われようになっている。
【0005】ところで、このランドグルーブ記録方式に
おいては、ランド領域とグルーブ領域とのそれぞれに記
録トラックが形成されるため、それぞれの領域に対応し
たアドレスピットが必要となる。
【0006】図14は、特開平7−161077号公報
に記載されている光磁気ディスク基板の構成を示す説明
図である。この図に示すように、この光磁気ディスク基
板には、らせん状に形成されたグルーブ領域Gおよびラ
ンド領域Lのそれぞれに、各領域G・Lにおける表面か
らの深さの等しいアドレスピットP1・P2が形成され
ている。これにより、グルーブ領域G・ランド領域Lの
それぞれにおけるアドレス情報を得ることが可能となっ
ている。
【0007】また、図15は、特開平6−28729号
公報に記載されている光磁気ディスク基板の構成を示す
説明図である。この光磁気ディスク基板では、らせん状
に形成されたグルーブ領域Gに連続して、グルーブ領域
Gと同じ深さのアドレスピット列P1が形成されてい
る。そして、このアドレスピット列P1の形成部分とは
異なる部分のランド領域Lに、グルーブ領域Gと同じ深
さのアドレスピット列P2が形成されている。このよう
に、アドレスピット列P1・P2を互いに異なる位置に
形成することにより、隣接するアドレスピットからのク
ロストークを低減できるため、正確なアドレス情報を得
ることが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−161077号公報の技術では、光磁気ディスク基
板にグルーブおよびアドレスピットを作成するために、
露光感度の異なる2,3種類のフォトレジストと中間層
とを用いて、複雑な露光現像プロセスを使用する必要が
ある。また、特開平6−28729号公報の光磁気ディ
スク基板においては、アドレスピットとグルーブとが同
一の深さとなっているため、アドレスピットからの再生
信号が小さくなってしまい、アドレス情報を正確に再生
できないという問題がある。
【0009】本発明は、上記のような従来の問題点を解
決するために成されたものである。そして、その目的
は、製造が容易で、アドレス情報の正確な再生を可能と
する光記録媒体と、この媒体に備えられる基板(光記録
媒体用基板)の作成、すなわち、上記記録媒体の作成
用いられる光記録媒体用原盤およびその製造方法と
供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の光記録媒体(本記録媒体)は、第1のア
ドレスピットを有するグルーブ、および、第2のアドレ
スピットを有するランドを備えており、上記グルーブお
よびランドはらせん状または同心円状に連続的に形成さ
れており、グルーブの深さdG ,第1のアドレスピット
の深さdP1および第2のアドレスピットの深さdP2が、 dG <dP1≒dP2 … (a) を満たすように設定されていることを特徴としている。
【0011】本記録媒体は、CD(Compact Disc)等の
光ディスクや光磁気ディスクなど、光ビームの照射によ
って情報の記録・再生を行うための光記録媒体である。
また、本記録媒体は、上記したように、グルーブとラン
ドとの双方にアドレスピットを備えている。このため、
グルーブおよびランドに記録トラックを有する、ランド
グルーブ記録方式の光記録媒体となっている。
【0012】そして、特に、本記録媒体では、式(a)
に示すように、グルーブに設けられている第1のアドレ
スピットと、ランドに設けられている第2のアドレスピ
ットとが、グルーブよりも深くなっている。このため、
これらアドレスピットからの再生信号を強くできるの
で、アドレス情報を、正確に、かつ、安定して再生でき
るようになっている。
【0013】また、本記録媒体では、式(a)に示すよ
うに、第1のアドレスピットと第2のアドレスピットと
の深さ(ランドの表面からの深さ)が、互いにほぼ等し
い値に設定されている。これにより、これら2種類のア
ドレスピットに対する製造工程を同一とできるので、本
記録媒体を、比較的簡単な工程から製造できるようにな
っている。
【0014】また、本記録媒体では、第1のアドレスピ
ットと第2のアドレスピットとが、互いの隣接を回避す
るように形成されていることが好ましい。これにより、
第1および第2のアドレスピットの双方を同時に再生し
てしまうこと(クロストーク)を大幅に抑制でき、アド
レス情報をより正確に再生できる。
【0015】また、本記録媒体は、上記したグルーブお
よびランドの設けられた基板(光記録媒体用基板)に、
所定の記録膜を積層することで容易に構成できる。ま
た、このように構成する場合、グルーブの深さdG ,第
1のアドレスピットの深さdP1および第2のアドレスピ
ットの深さdP2は、基板材料の屈折率n,記録再生光の
波長λd に応じて、 λd /(16.8n)≦dG ≦λd /(5.25n) … (b) dP1≒dP2≦λd /(3.1n) … (c) を満足するように設定されることが好ましい。ここで、
記録再生光とは、本記録媒体に対して記録あるいは再生
を行うための、光ビームのことである。
【0016】すなわち、グルーブ深さdG が式(b)の
範囲にない場合、グルーブ深さdG が浅過ぎる、あるい
は深過ぎるために、グルーブからの良好なトラッキング
信号を得られなくなってしまう。また、ピット深さdP1
・dP2が式(c)の範囲にない場合、ピット深さdP1
P2が深過ぎるために、トラッキング信号が乱されて、
安定したトラッキングを行えなくなってしまう。従っ
て、良好なトラッキングを実現するためには、グルーブ
深さdG およびピット深さdP1・dP2を、上記した式
(b)(c)の範囲に設定することが好ましいといえ
る。
【0017】さらに、上記のような光記録媒体用基板を
用いる場合、第1のアドレスピットの実効的深さdP1E
(グルーブ底面からの深さ;dP1E =dP1−dG )が、 dP1E ≧λd /(16.8n) … (d) を満足するように設定されていることが好ましい。
【0018】すなわち、本記録媒体では、第1のアドレ
スピットが、グルーブの内部に形成されるようになって
いる。このため、第1のアドレスピットにおける実効的
深さdP1E が式(d)の範囲にない場合、このdP1E
浅過ぎて、第1のアドレスピットからの再生出力が低下
してしまい、グルーブのアドレス情報を安定して再生で
きなくなってしまう。従って、アドレス情報を、安定し
て、かつ正確に再生するためには、第1のアドレスピッ
トにおける実効的深さdP1E を、上記した式(d)の範
囲に設定することが好ましいといえる。
【0019】また、上記の記録膜上には、この記録膜を
保護するための保護膜を備えることが好ましい。さら
に、この保護膜側から記録再生光を照射して本記録媒体
に対する記録・再生を行う場合には、記録再生光は、基
板ではなく保護膜を透過することになる。
【0020】このため、良好なトラッキングを実現する
ためのグルーブの深さdG ,ピット深さdP1・dP2、お
よび、アドレス情報を良好に再生するための第1のアド
レスピットの実効的深さdP1E の好ましい範囲は、保護
膜の屈折率na,記録再生光の波長λd を用いて、 λd /(16.8na)≦dG ≦λd /(5.25na) … (e) dP1≒dP2≦λd /(3.1na) … (f) dP1E ≧λd /(16.8na) … (g) によって設定される。
【0021】また、上記した本発明の目的を達成するた
めに、本発明における光記録媒体用原盤(本原盤)は、
第1のアドレスピットを有するグルーブ、および、第2
のアドレスピットを有するランドを備えており、上記グ
ルーブおよびランドはらせん状または同心円状に連続的
に形成されており、グルーブの深さd G ,第1のアドレ
スピットの深さd P1 および第2のアドレスピットの深さ
P2 が、 G <d P1 ≒d P2 (a) を満たすように設定されていることを特徴としている。
【0022】また、上記した本発明の目的を達成するた
めに、本発明における光記録媒体用原盤の製造方法(本
製造方法)は、本発明における上記光記録媒体用原盤の
製造方法であって、原盤用の基板にレジストを塗布する
塗布工程と、グルーブ形成領域のレジストを、第1のア
ドレスピット形成領域を除く基板表面の露出を回避する
ように一部残留させる一方、第1および第2のアドレス
ピット形成領域におけるレジストの残存を回避するよう
に、上記基板に対する露光および現像を行う露光現像工
程と、第1および第2のアドレスピット形成領域に露出
した基板表面をエッチングする第1のドライエッチング
工程と、グルーブ形成領域に基板表面露出するまで上
記原盤用の基板上のレジストの膜厚を減少させる第1の
アッシング工程と、グルーブ形成領域並びに第1および
第2のアドレスピット形成領域おける基板表面をエッ
チングする第2のドライエッチング工程とを含んでいる
ことを特徴としている。
【0023】本原盤および本製造方法は、光記録媒体に
用いられる基板、すなわち、上記光記録媒体を製造する
ための、光記録媒体用原盤(以下、単に原盤とする)
よびその製造方法である。すなわち、上記したような光
記録媒体用基板は、原盤から得られるスタンパーを型と
して、樹脂等の基板材料を出射成形することにより製造
されるものである。従って、原盤は、光記録媒体用基板
と同一の構成(グルーブ,ランドおよびアドレスピット
等)を有している。
【0024】また、本製造方法では、上記したように、
グルーブおよびランドの双方にアドレスピットを備えた
原盤を製造するように設定されている。従って、この原
盤によって製造される光記録媒体用基板は、ランドグル
ーブ記録方式の光記録媒体に適用されるものとなる。ま
た、上記したグルーブ形成領域とは、原盤用の基板(原
盤となる基板)におけるグルーブを形成すべき部位のこ
とであり、第1および第2のアドレスピット形成領域と
は、同じく第1および第2のアドレスピットを形成すべ
き部位のことである。
【0025】そして、本製造方法では、上記した露光現
像工程が、グルーブ形成領域にレジストの一部を残存さ
せる一方、第1および第2のアドレスピット形成領域に
おけるレジストの残存を回避するように設定されてい
る。さらに、この工程の後に行われる第1のドライエッ
チング工程において、第1および第2のアドレスピット
形成領域に露出している基板表面をエッチングするよう
になっている。一方、グルーブ形成領域では、レジスト
が残存しているために、第1のドライエッチング工程に
よるエッチングは回避されるようになっている。このた
め、この第1のドライエッチング工程の終了時において
は、原盤用基板における第1および第2のアドレスピッ
ト形成領域は、エッチングされた分だけ、グルーブ形成
領域よりも深くなっている。
【0026】その後、本製造方法では、第1のアッシン
グ工程によってグルーブ形成領域に残存しているレジス
トを除去した後、第2のドライエッチング工程によっ
て、グルーブ形成領域および第1および第2のアドレス
ピット形成領域に露出している原盤用基板を同様にエッ
チングすることにより、グルーブ並びに第1および第2
アドレスピットを形成するようになっている。
【0027】以上のように、本製造方法では、第1のド
ライエッチング工程において第1および第2のアドレス
ピット形成領域のみをエッチングする一方、第2のドラ
イエッチング工程においてグルーブ形成領域および第1
および第2のアドレスピット形成領域の双方をエッチン
グするように設定されている。すなわち、本製造方法に
おいては、グルーブ形成領域を1回だけエッチングする
一方、第1および第2のアドレスピット形成領域に対す
るエッチングを2回行うようになっている。これによ
り、第1および第2のアドレスピットをグルーブよりも
深く形成することが可能となっている。
【0028】また、本製造方法では、グルーブ形成領域
および第1および第2のアドレスピット形成領域に露出
した原盤用基板をエッチングすることにより、グルーブ
並びに第1および第2のアドレスピットを形成するよう
になっている。これにより、グルーブ並びに第1および
第2のアドレスピットを平滑な矩形形状に形成できるの
で、微細な凹凸を有するレジスト面からこれらを形成す
る場合に比して、光記録媒体におけるグルーブノイズを
抑制できる原盤を製造することが可能となっている。
【0029】また、本製造方法では、原盤用基板に塗布
するレジストは1層だけであり、後に除去するような中
間層も不要となっている。このため、低コストで効率よ
く原盤を製造できる。さらに、原盤におけるグルーブ
びに第1および第2のアドレスピットの深さを、第1お
よび第2のドライエッチング工程におけるエッチング条
件のみから決定できるので、所望の形状を有する原盤
を、再現性よく製造することが可能となっている。
【0030】なお、本製造方法には、第2のドライエッ
チング工程後に、原盤用基板上に残存したレジストを除
去するための、第2のアッシング工程を含ませることが
好ましい。ここで、アッシングとは、例えば、酸素ガス
プラズマを用いたドライエッチング等、原盤用基板の表
面におけるエッチングを進行させない一方、原盤用基板
上のレジストを灰化除去するようなプロセスである。
【0031】また、本製造方法における露光現像工程
は、グルーブ形成領域を第1の光ビームによって露光す
る一方、第1および第2のピット形成領域を、第1の光
ビームよりも小さいスポット径を有する第2の光ビーム
によって露光するように設定されていることが好まし
い。
【0032】このようにすれば、原盤における第1およ
び第2のアドレスピット形成領域の露光幅を、グルーブ
形成領域よりも小さくできるため、第1および第2の
ドレスピットの幅をグルーブ幅よりも小さくできる。こ
のため、この原盤から製造される光記録媒体では、第1
および第2のアドレスピットから得られる反射光量変化
量に対し、グルーブから得られるトラッキング信号量を
大きくできるため、安定したトラッキングを実現するこ
とが可能となる。
【0033】また、本製造方法では、以下のようなカッ
ティング装置を用いることが好ましい。すなわち、この
カッティング装置は、光源から照射される光ビームを分
割して第1および第2の光ビームを生成するビームスプ
リッターと、第1および第2の光ビームを集光する対物
レンズと、第1の光ビームにおける対物レンズに対する
開口数を減少させる開口数減少部とを備えている構成で
ある。
【0034】上記露光現像工程に、このカッティング装
置を用いれば、1つの光源から第1・第2の光ビームを
生成できるとともに、開口数減少部によって、第1の光
ビームにおける対物レンズに対する開口数を減少させら
れる。光ビームのスポット径は、光ビームの波長をλ,
光ビームの開口数をNAとすると、λ/NAとなるか
ら、開口数を減少させることで光ビームのスポット径を
大きくできる。従って、上記のカッティング装置を用い
れば、スポット径の異なる第1・第2の光ビームを容易
に生成できる。なお、開口数減少部としては、例えば、
第1の光ビームにおける直径を減少させる遮光板を用い
ることができる。
【0035】また、本製造方法では、グルーブ形成領域
を露光する第1の光ビームのスポット径を、トラックピ
ッチよりも大きく設定することが好ましい。さらに、第
1のアッシング工程において、グルーブ形成領域に、ト
ラックピッチとほぼ等しい幅で、原盤用基板の表面を露
出させることが好ましい。
【0036】通常、ランドグルーブ方式の光記録媒体で
は、グルーブとランドとの幅は互いにほぼ等しくなって
おり、この幅が、光記録媒体のトラックピッチとして設
定される。そして、上記の方法では、トラックピッチ、
すなわちグルーブの幅よりも大きいスポット径を有する
第1の光ビームによって、グルーブ形成領域を露光する
ようになっている。
【0037】これは、以下のような理由による。すなわ
ち、光ビームは、通常、ガウシアン状の強度分布を有し
ている。このため、原盤用基板表面の露出を回避するた
めに、レジストを残すように露光・現像されるグルーブ
形成領域では、露光部位が、矩形ではなく、ガウシアン
分布に応じて湾曲した形状(すり鉢状に底面積の小さい
形状)を有している。従って、露光部位の底は、第1の
光ビームにおけるスポット径よりも小さくなる。また、
第1のアッシング工程は、このように湾曲した形状を有
するレジストにおける底部分の近傍に対して施される。
【0038】一方、原盤におけるグルーブの幅は、第1
のアッシング工程により露出した原盤用基板表面の幅に
より決定される。このため、第1のアッシング工程で
は、基板用原盤表面の露出幅を、トラックピッチと同程
度の大きさとすることが好ましいといえる。従って、現
像露光工程では、グルーブ形成領域に残存させるレジス
トの底部位近傍を、トラックピッチ程度の幅程度に設定
することが好ましいことがわかる。以上より、この底部
分より大きい第1の光ビームのスポット径は、トラック
ピッチよりも大きい値に設定されることが好ましいとい
える。
【0039】また、本製造方法では、第1および第2の
アドレスピット形成領域を露光する第2の光ビームのス
ポット径を、トラックピッチ以下とすることが好まし
い。レジストを残さないように露光・現像される第1お
よび第2のアドレスピット形成領域では、露光部位の形
状が、原盤用基板の表面を底部とする矩形形状となる。
また、この底部の幅は、第2の光ビームにおけるスポッ
ト径と同様となる。このため、第1および第2のアドレ
ピット形成領域では、第1・第2のドライエッチング
工程においてエッチングされる幅は、第2の光ビームに
おけるスポット径と同程度となる。従って、このスポッ
ト径をトラックピッチ以下とすることで、第1および第
2のアドレスピットの幅が、トラックピッチ、すなわち
グルーブよりも大きくなることを防止できる。
【0040】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕 本発明の第1の実施形態について説明する。図2は、本
実施の形態にかかる光磁気ディスク基板(本ディスク基
板)1の構成を示す説明図である。本ディスク基板1
は、ポリカーボネートを材料として形成されている。そ
して、図2に示すように、本ディスク基板1は、情報を
記録するためのデータ領域Dと、アドレス情報を記憶す
るプリフォーマット領域Kとが、周方向に交互に形成さ
れた構成を有している。
【0041】また、これら両領域D・Kには、らせん状
または同心円状に形成されたグルーブ領域およびランド
領域が形成されている。図1は、データ領域Dおよびプ
リフォーマット領域Kの構成を示す平面図である。ま
た、図3および図4は、それぞれ、図1におけるA−
A’線断面図およびB−B’線断面図を示している。
【0042】図1に示すように、本ディスク基板1にお
けるグルーブ領域G・ランド領域Lは、本ディスク基板
1の半径方向に連続的に設けられている。さらに、これ
らグルーブ領域G・ランド領域Lの幅は互いにほぼ等し
くなっており、この幅が、所定のトラックピッチに設定
されている。
【0043】また、図3および図4に示すグルーブ領域
Gの溝深さ(グルーブ深さ)dG は、プッシュプル法に
よるトラッキングを良好に行えるように設定されてい
る。すなわち、本ディスク基板1の屈折率をn,本ディ
スク基板1を備えた光磁気ディスクに対して記録再生を
行うためのレーザー光の波長をλとした場合、グルーブ
深さdG は、λ/(8n)近傍の深さに設定されてい
る。
【0044】また、本ディスク基板1は、プリフォーマ
ット領域Kにおけるグルーブ領域Gおよびランド領域L
に、それぞれアドレスピットP1・P2を備えている。
これらアドレスピットP1・P2は、図1に示すよう
に、周方向に区分された互いに異なる2つの領域であ
る、グルーブピット領域K1およびランドピット領域K
2にそれぞれ形成されている。すなわち、これらアドレ
スピットP1・P2は、本ディスク基板1の半径方向に
おいて、互いの隣接を回避するように設けられている。
【0045】また、図3および図4に示すように、これ
らアドレスピットP1・P2における基板表面(ランド
領域Lの表面)からの深さ(ピット深さ)は、ほぼ等し
くなっている。すなわち、本ディスク基板1では、アド
レスピットP1のピット深さdP1と、アドレスピットP
2のピット深さdP2とが、互いにほぼ等しい値に設定さ
れている(dP1≒dP2)。そこで、以下では、これらア
ドレスピットP1・P2のピット深さdP1・dP2を、ピ
ット深さdP と称する。
【0046】また、ピット深さdP は、アドレス情報を
良好に再生できるように、反射光量変化を高めるような
深さに設定されている。すなわち、ピット深さdP は、
λ/(4n)近傍の深さに設定されている。
【0047】以上のように、本ディスク基板1は、グル
ーブ領域Gの深さdG をλ/(8n)近傍の深さとする
とともに、アドレスピットP1・P2のピット深さdP
を、グルーブ領域Gの深さdG よりも深い、λ/(4
n)近傍としている。このため、アドレスピットP1・
P2からの再生信号を強くできるので、アドレス情報
を、正確に、かつ、安定して再生できるようになってい
る。
【0048】さらに、周方向に区分された互いに異なる
領域K1・K2にアドレスピットP1・P2を形成して
いるため、隣接アドレスピットからのクロストークの発
生を大幅に抑制することが可能となっている。
【0049】また、本ディスク基板1では、グルーブ領
域Gとランド領域Lとの幅が、互いにほぼ等しくなって
いるとともに、所定のトラックピッチとなっている。こ
れにより、これら両領域G・Lに記録トラックを容易に
形成できるので、ランドグルーブ記録を良好に実現する
ことが可能となっている。
【0050】なお、グルーブ深さdG およびピット深さ
P は、必ずしもλ/(8n),λ/(4n)の近傍に
設定する必要はない。これらグルーブ深さdG およびピ
ット深さdP の好ましい範囲については、後に詳細に説
明する。
【0051】また、本実施の形態では、本ディスク基板
1がポリカーボネートからなるとしているが、本ディス
ク基板1の材料はこれに限らない。本ディスク基板1の
材料としては、透光性を有する物質であれば、どのよう
なものを用いてもよい。また、本ディスク基板1の好ま
しい材料としては、透光性を有する樹脂あるいはガラス
を挙げることができる。
【0052】ところで、本ディスク基板1は、原盤を用
いた電鋳によって得られるスタンパーを型として、樹脂
を出射成形することにより製造されるものである。そし
て、本ディスク基板1では、アドレスピットP1・P2
のピット深さを、互いにほぼ等しい値(ピット深さ
P )としているため、アドレスピットP1・P2に対
する製造工程を同一に設定できるようになっている。従
って、後述する実施の形態2に示す露光プロセスやエッ
チングプロセスにより、良好な再現性をもって、本ディ
スク基板1の原盤を容易に製造できるようになってい
る。
【0053】〔実施の形態2〕 本発明の第2の実施形態について説明する。なお、実施
の形態1に示した部材と同一の機能を有する部材には同
一の符号を付し、その説明を省略する。
【0054】本実施の形態では、実施の形態1に示した
本ディスク基板1における原盤(本原盤)の製造方法
(本製造方法)について説明する。なお、本原盤は、図
1〜4に示した本ディスク基板1と同様の構成を有して
いる。そこで、以下では、説明の簡略化のために、図1
〜4を、本原盤の構成を示す図面として用いるととも
に、本原盤におけるデータ領域D,プリフォーマット領
域K,グルーブ領域G,ランド領域Lおよびアドレスピ
ットP1・P2に相当する部位を、本ディスク基板1と
同様、データ領域D,プリフォーマット領域Kグルーブ
領域G,ランド領域LおよびアドレスピットP1・P2
と称することにする。
【0055】本製造方法では、フォトレジストの塗布さ
れた原盤用ガラス基板に、露光,現像,エッチングの各
プロセスを施すことにより、本原盤を得るように設定さ
れている。まず、本製造方法における露光プロセスにつ
いて説明する。
【0056】図5(a)〜(c)は、本製造方法におけ
る露光プロセスを示す説明図である。これらの図に示す
ように、この露光プロセスは、ガラス基板(原盤用ガラ
ス基板)3に塗布されたフォトレジスト2を、光ビーム
(露光用光ビーム)LB1・LB2によって露光する工
程であり、光ビーム光源および回転テーブルを備えたカ
ッティング装置(露光装置)を用いて行うことができ
る。
【0057】すなわち、この露光プロセスでは、まず、
スピンコート法等によって、ガラス基板3の表面にフォ
トレジスト2を塗布する。その後、露光装置の回転テー
ブルに載置したガラス基板3を回転させながら、光ビー
ムLB1・LB2を集光照射してフォトレジスト2の所
定部位を露光するように設定されている。
【0058】なお、この露光プロセスでは、光ビームL
B1・LB2の照射位置を、半径方向に連続的に移動さ
せるようになっている。これにより、ガラス基板3上の
フォトレジスト2に、露光部位Fをらせん状に形成でき
る。
【0059】また、図5(b)(c)に示すように、光
ビームLB1・LB2は、互いに異なるスポット径を有
しており、これらにより、グルーブ領域Gおよびアドレ
スピットP1・P2(図2・3参照)を形成する部位を
それぞれ露光するようになっている。
【0060】すなわち、図5(a)に示すように、アド
レスピットP1・P2を設けないデータ領域D(図1参
照)では、より大きなスポット径を有する光ビームLB
1だけを、グルーブ領域Gを形成すべき部位(グルーブ
形成領域Ga)に集光照射するように設定されている。
この光ビームLB1の光強度は、グルーブ形成領域Ga
のフォトレジスト2を、完全には露光しない強度に調整
されている。すなわち、グルーブ形成領域Gaでは、フ
ォトレジスト2の底部まで(ガラス基板3の表面まで)
は露光部位Fが形成されないようになっている。
【0061】また、図5(b)に示すように、グルーブ
ピット領域K1(図1参照)に対しては、光ビームLB
1をグルーブ形成領域Gaに照射するとともに、この光
ビームLB1よりスポット径の小さな光ビームLB2
を、グルーブ形成領域GaにおけるアドレスピットP1
を形成すべき部位(第1ピット形成領域P1a)に集光
照射する。この光ビームLB2の光強度は、照射部位の
フォトレジスト2が完全に露光されるような強度に調整
されている。このため、光ビームLB2の照射により、
グルーブ形成領域Ga内では、第1ピット形成領域P1
aのみにおいて、フォトレジスト2の底部まで露光部位
Fが形成された状態となる。
【0062】また、図5(c)に示すように、ランドピ
ット領域K2(図1参照)に対しては、光ビームLB1
をグルーブ形成領域Gaに照射するとともに、ランド領
域Lとなる部位の中心に光ビームLB2を移動し、この
光ビームLB2によってアドレスピットP2を形成すべ
き部位(第2ピット形成領域P2a)を集光照射する。
これにより、第2ピット形成領域P2aのフォトレジス
ト2も、第1ピット形成領域P1aと同様に完全に露光
された状態となり、フォトレジスト2の底部まで露光部
位Fが形成される。
【0063】なお、光ビームLB2における照射位置の
移動は、カッティング装置におけるビームLB2の光路
中に光偏向器を挿入し、集光対物レンズへの入射角度を
変えることにより実現できる。
【0064】次に、現像プロセスについて説明する。こ
のプロセスは、図5(a)〜(c)に示すように露光さ
れたフォトレジスト2を有するガラス基板3を現像し、
フォトレジスト2の露光部位Fを除去する工程である。
【0065】図6(a)は、現像プロセス後のガラス基
板3を示す説明図であり、左端部,中央部および右端部
に、それぞれデータ領域D,グルーブピット領域K1,
ランドピット領域K2(全て図1参照)における現像状
態を示している。この図に示すように、現像プロセスに
より、光ビームLB2によって完全に露光されたピット
形成領域P1a・P2aでは、フォトレジスト2が完全
に除去され、ガラス基板3の平滑な表面が露出してい
る。一方、光ビームLB1によって不完全に露光された
グルーブ形成領域Gaでは、露光されていない部位(底
部の近傍部位)のフォトレジスト2が第1残存レジスト
膜4として現像されずに残り、ガラス基板3表面の露出
を回避するようになっている。
【0066】次に、本製造方法におけるエッチングプロ
セスについて、図6(a)〜(e)を用いて説明する。
なお、図6(b)〜(e)においても、図6(a)と同
様に、左端部,中央部および右端部に、それぞれガラス
基板3におけるデータ領域D,グルーブピット領域K
1,ランドピット領域K2の状態を示している。
【0067】本製造方法におけるエッチングプロセスで
は、まず、図6(a)に示した状態のガラス基板3に対
し、一般的なドライエッチング装置によって第1のドラ
イエッチング(反応性エッチング)を施し、図6(b)
に示すようなガラス基板3を得る。
【0068】この図に示すように、この第1のドライエ
ッチングによって、ピット形成領域P1a・P2aで
は、表面を露出しているガラス基板3がエッチングパワ
ーおよびエッチング時間に応じた深さにエッチングさ
れ、その厚みが減少する。また、グルーブ形成領域Ga
では、ガラス基板3はエッチングされず、物理的エッチ
ングにより第1残存レジスト膜4の膜厚が減少し、より
薄い第2残存レジスト膜5が形成された状態となる。
【0069】次に、図6(b)に示すガラス基板3に対
して、第1のアッシングを施し、図6(c)に示すよう
なガラス基板3を得る。ここで、アッシングとは、酸素
ガスプラズマを用いたドライエッチングのことである。
すなわち、第1のアッシングでは、ドライエッチング装
置内に酸素ガスを導入して、ガラス基板3に対して酸素
ガスプラズマによるドライエッチングを施すように設定
されている。
【0070】この第1のアッシングでは、ガラス基板3
のエッチングは進行せず、フォトレジスト2のみが灰化
除去され、その膜厚が均一に減少する。そして、第1の
アッシングは、グルーブ形成領域Gaの第2残存レジス
ト膜5を完全に取り除くまで行われるようになってい
る。このため、第1のアッシング後では、グルーブ形成
領域Gaは、平滑なガラス表面6(ガラス基板3の表
面)を露出させるようになる。
【0071】次に、図6(c)に示すガラス基板3に対
して第2のドライエッチングを施し、図6(d)に示す
ようなガラス基板3を得る。この第2のドライエッチン
グでは、グルーブ形成領域Gaとピット形成領域P1a
・P2aとにおいて、ガラス基板3の表面が、エッチン
グパワーおよびエッチング時間に対応して、同時に所定
深さにエッチングされる。そして、グルーブ形成領域G
aでは、平滑なガラス表面6がエッチングされることに
より、エッチング後に形成されるガラス面7も平滑とな
る。
【0072】最後に、図6(d)に示すガラス基板3に
対して第2のアッシングを施すことにより、ガラス基板
3に残存するフォトレジスト2を除去する。これによ
り、図6(e)に示すように、グルーブ領域Gおよびア
ドレスピットP1・P2を有するガラス基板3からなる
本原盤が完成する。
【0073】以上のように、本製造方法では、露光プロ
セスおよび現像プロセスにおいて、グルーブ形成領域G
aに第1残存レジスト膜4を残留させるようになってい
る。そして、第1のアッシングによって、グルーブ形成
領域Gaに残留したレジストを除去するように設定され
ている。
【0074】これにより、第1のドライエッチングにお
いてピット形成領域P1a・P2aのみをエッチングす
る一方、第2のドライエッチングにおいて、グルーブ形
成領域Gaおよびピット形成領域P1a・P2aの双方
をエッチングするように設定されている。
【0075】すなわち、本製造方法では、グルーブ形成
領域Gaを1回だけエッチングする一方、ピット形成領
域P1a・P2aに対するエッチングを2回行うように
なっている。これにより、アドレスピットP1・P2を
グルーブ領域Gよりも深く形成することが可能となって
いる。
【0076】また、本製造方法では、グルーブ形成領域
Gaおよびピット形成領域P1a・P2aに露出したガ
ラス基板3をエッチングすることにより、グルーブ領域
GおよびアドレスピットP1・P2を形成するようにな
っている。これにより、グルーブ領域Gおよびアドレス
ピットP1・P2を、所望の大きさを有する平滑な矩形
形状に容易に形成できる。
【0077】また、本製造方法では、ピット形成領域P
1a・P2aに対し、同様の処理を施すようになってい
る。これにより、アドレスピットP1・P2の深さを、
互いにほぼ等しい値とすることが可能となっている。
【0078】また、本製造方法では、ガラス基板3に塗
布するレジストをフォトレジスト2の1層だけとしてお
り、後に除去するような中間層も不要となっている。こ
のため、低コストで効率よく本盤を製造できるようにな
っている。さらに、グルーブ深さdG およびピット深さ
P を、第1および第2のドライエッチングにおけるエ
ッチング条件のみから決定できるので、所望の形状を有
する原盤を、再現性よく製造することが可能となってい
る。
【0079】なお、本製造方法のエッチングプロセスに
おける第1・第2のドライエッチングとしては、CF 4
やCHF 3 等のガスを用いた反応性ドライエッチングを
使用できる。また、第1のアッシングは、フォトレジス
ト2を均一に精度良く除去するための工程であり、アッ
シング以外の方法を用いることは困難である。しかしな
がら、第2のアッシングは、残存しているフォトレジス
ト2の除去を目的としている。このため、第2のアッシ
ングを行わず、アセトン等の溶剤を用いてフォトレジス
ト2を除去してもよい。
【0080】また、上記したように、第1のドライエッ
チングでは、ガラス基板3の反応性エッチングと同時
に、フォトレジスト2の物理的エッチングが進行する。
従って、第1残存レジスト膜4の膜厚を、第1のドライ
エッチング後のグルーブ形成領域Ga内に第2残存レジ
スト膜5が残るように、設定することが好ましい。この
第1残存レジスト膜4の膜厚は、露光プロセスにおける
光ビームLB1の強度を調整することで制御できる。
【0081】また、図6(a)に示すように、現像プロ
セス後のガラス基板3は、本ディスク基板1の構造と同
様のレジストパターンを有している。従って、この状態
のガラス基板3を原盤として使用することもできる。
【0082】しかしながら、図6(a)に示すような、
フォトレジスト2を有するガラス基板3を原盤として本
ディスク基板1を製造すると、以下に示すような問題が
ある。すなわち、このように製造された本ディスク基板
1を備えた光磁気ディスクでは、グルーブに対する記録
再生の際のノイズ(グルーブノイズ)が増大して記録再
生特性が悪化してしまい、高密度記録を行えなくなって
しまうという問題がある。
【0083】ここで、このグルーブノイズの増大につい
て説明する。すなわち、図5(a)〜(c)において
は、説明の便宜上、グルーブ形成領域Gaの露光部位F
をほぼ矩形で示している。しかしながら、集光照射され
る光ビームLB1は、ガウシアン状の強度分布を有して
いるため、実際には、グルーブ形成領域Gaの露光部位
Fは矩形ではなく、ガウシアン分布に応じて湾曲した形
状を有している。
【0084】さらに、グルーブ形成領域Gaに対する露
光は不完全に行われるので、現像後のグルーブ形成領域
Gaには、ガラス基板3の平滑な表面が露出されず、表
面に微細な凹凸を有する第1残存レジスト膜4が形成さ
れる。従って、図6(a)に示すガラス基板3を原盤と
して用いると、平滑でない第1残存レジスト膜4によっ
てグルーブ領域Gを作成することになるため、大きなグ
ルーブノイズを発生させてしまうのである。
【0085】これに対し、本願発明者らは、光記録媒体
用原盤の製造に関する研究の結果、本製造方法に上記し
たエッチングプロセスを含めることにより、グルーブ形
成領域Gaにおける第1残存レジスト膜4の湾曲、およ
び、グルーブノイズの上昇という問題を解決できること
を新たに発見したのである。
【0086】以下に、光ビームLB1における実際の強
度分布を考慮して、図7(a)〜(d)を用いて本製造
方法を再度説明する。なお、以下では、ガラス基板3に
おけるグルーブ形成領域Gaおよび第2ピット形成領域
P2aに対する露光,現像,エッチングプロセスについ
て説明する。
【0087】図7(a)は、光ビームLB1・LB2の
集光照射によりフォトレジスト2を露光する、本製造方
法の露光プロセスを示す説明図である。上記したよう
に、光ビームLB1はガウシアン分布状の強度分布を有
しており、その光強度は、フォトレジスト2を完全に露
光しない程度に弱く設定されている。このため、図7
(a)に示すように、グルーブ形成領域Gaの露光部位
Fは、湾曲した形状を有しているとともに、ガラス基板
3まで到達しないようになっている。
【0088】一方、光ビームLB2の光強度は、フォト
レジスト2を完全に露光する程度に強く設定されている
ため、第2ピット形成領域P2aの露光部位Fは、ガラ
ス基板3まで到達している。すなわち、フォトレジスト
2は、露光プロセスによって、グルーブ形成領域Gaと
第2ピット形成領域P2aとにおいて部分的に異なった
露光状態となる。
【0089】そして、図7(b)に示すように、現像プ
ロセスにおいて、このようなフォトレジスト2を現像す
ることにより、露光部位Fのフォトレジスト2が取り除
かれる。そして、この図に示すように、この現像プロセ
スによって、第2ピット形成領域P2aでは、フォトレ
ジスト2が完全に除去され、ガラス基板3の平滑な表面
が露出した状態となる。
【0090】一方、グルーブ形成領域Gaには、湾曲し
た露光部位Fに応じた形状を有し、表面に微細な凹凸を
有する第1残存レジスト膜4が形成される。このため、
現像プロセス直後のグルーブ形成領域Gaは、良好なラ
ンドグルーブ記録を行うために好ましい形状、すなわ
ち、平滑な矩形形状とはなっていない。そこで、本製造
方法では、このガラス基板3に対し、図6(a)〜
(e)を用いて示したエッチングプロセスを施すように
なっている。これにより、図7(b)〜(d)に示すよ
うに、平滑な矩形形状を有するグルーブ形成領域Gaを
得ることが可能となっている。
【0091】すなわち、まず、現像直後のガラス基板3
に対して第1のドライエッチングを施すことにより、第
2ピット形成領域P2aに露出しているガラス表面をエ
ッチングし、図7(b)に示すようなガラス基板3を得
る。また、この図に示すように、第1のドライエッチン
グによって、グルーブ形成領域Gaには、第1残存レジ
スト膜4と同様に湾曲したパターンを有する第2残存レ
ジスト膜5が形成されている。
【0092】次に、図7(b)に示すガラス基板3に対
して第1のアッシングを行い、フォトレジスト2の全体
を、均一の厚さ分だけ除去する。これにより、図7
(c)に示すように、第2残存レジスト膜5が完全に除
去され、グルーブ形成領域Gaに平滑なガラス表面6が
露出する。
【0093】次に、図7(c)に示すガラス基板3に対
して、第2のドライエッチングを施し、図7(d)に示
すガラス基板3を得る。この図に示すように、グルーブ
形成領域Gaおよび第2ピット形成領域P2aのガラス
表面をエッチングすることにより、平滑なガラス面7を
有するグルーブ形成領域Gaと、グルーブ形成領域Ga
より深くエッチングされた第2ピット形成領域P2aと
を形成できる。最後に、第2のアッシングによって、ガ
ラス基板3上に残ったフォトレジスト2が完全に除去さ
れ、本原盤(エッチング原盤)が完成する。
【0094】このようにして作成された本原盤を電鋳す
ることにより得られるスタンパー、および、このスタン
パーを用いて射出成形により作成される樹脂製の本ディ
スク基板1は、本原盤と同様に、平滑な矩形形状(矩形
パターン)を有するグルーブ領域Gと、グルーブ領域G
より深く、かつ、ランド領域Lの表面からの深さのほぼ
等しいアドレスピットP1・P2を有している。従っ
て、本ディスク基板1を用いれば、グルーブノイズの小
さい良好な記録再生特性を有するとともに、良好なアド
レス情報を得ることが可能な光磁気ディスクを作成でき
る。
【0095】なお、第1のアッシングは、グルーブ形成
領域Gaに露出するガラス表面6の幅が、所定のトラッ
クピッチと等しくなるまで行うことが好ましい。これに
より、グルーブ形成領域Gaの位置を適切に設定するこ
とで、グルーブ領域Gとランド領域Lとの幅を、互いに
ほぼ等しくすることが容易となる。
【0096】次に、本製造方法の露光プロセスにおける
光ビームLB1のスポット径について説明する。本製造
方法では、露光プロセスにおいてピット形成領域P1a
・P2aを完全に露光するため、アドレスピットP1・
P2の幅(直径)は、光ビームLB2におけるスポット
径とほぼ同じ値となる。一方、グルーブ領域Gの幅は、
図7(c)(d)に示したように、第1のアッシングに
より露出したガラス表面6の幅により決定される。
【0097】また、図7(c)に示したように、残存レ
ジスト膜4・5は湾曲しているため、第1のアッシング
後に露出するガラス表面6の幅は、光ビームLB1のス
ポット径より狭くなる。従って、本製造方法によって特
定幅のグルーブ領域Gを得るためには、光ビームLB1
のスポット径を、グルーブ領域Gの幅、すなわちトラッ
クピッチよりも大きくすることが好ましいといえる。
【0098】従って、トラックピッチをWp ,光ビーム
LB1の波長をλLB1 ,光ビームLB1を絞り込む対物
レンズの開口数をNALB1 とすると、光ビームLB1の
スポット径dLB1 は(λLB1 /NALB1 )となるから、
これらWp ,λLB1 ,NALB1 ,dLB1 は、 Wp <dLB1 =(λLB1 /NALB1 ) … (1) を満たすように設定されることが好ましい。
【0099】次に、本ディスク基板1におけるアドレス
ピットP1・P2の位置および大きさについて説明す
る。図8および図9は、本ディスク基板1のアドレスピ
ットP1・P2に、記録再生に使用される光ビームスポ
ットSが、互いに異なる4つの位置(R1〜R4)に集
光照射された状態を示す説明図である。
【0100】記録再生時、光ビームスポットSは、本デ
ィスク基板1の回転に伴い、グルーブ領域G上またはラ
ンド領域L上を走査するようにトラッキングされる。そ
して、図8において、光ビームスポットSがグルーブ領
域GのR1に位置する場合、アドレスピットP1による
反射光量変化が検出され、グルーブ領域Gのアドレス情
報が読み出される。また、グルーブ領域GのR2に位置
する場合、隣接するランド領域LのアドレスピットP2
による反射光量変化が検出されるが、この変化は微小で
あるため無視される。
【0101】同様に、光ビームスポットSがランド領域
LにおけるR4に位置する場合、アドレスピットP2に
よる反射光量変化が検出され、ランド領域Lのアドレス
情報が読み出される。また、R3に位置する場合には、
隣接するグルーブ領域GのアドレスピットP1による反
射光量変化が検出されるが、この変化は微小であるため
無視される。
【0102】このように、本ディスク基板1では、グル
ーブ領域GにアドレスピットP1を形成するグルーブピ
ット領域K1と、ランド領域LにアドレスピットP2を
形成するランドピット領域K2とが互いに異なる領域と
なっている。これにより、グルーブ領域Gとランド領域
Lとのアドレス情報を安定して再生することが可能とな
る。なお、アドレスピットP1・P2を同じ領域に形成
すると、これらアドレスピットP1・P2による反射光
量変化がクロストークにより混ざり合い、個々のアドレ
ス情報を再生できなくなる。
【0103】図9は、アドレスピットP1・P2の直径
を、図8に示すピットよりも大きく、ほぼグルーブ領域
Gおよびランド領域Lの幅、すなわち、トラックピッチ
とほぼ等しくした場合について示す説明図である。
【0104】このように、アドレスピットP1・P2を
大きく設定することにより、その反射光量変化をより大
きくできる。従って、アドレス情報の再生をより安定化
させることが可能となる。また、図8と同様、このよう
にアドレスピットP1・P2を大きくしても、これらを
異なる領域K1・K2にそれぞれ形成することにより、
各々の反射光量変化のクロストークを防止でき、個々の
アドレス情報を確実に再生できるように設定できる。
【0105】なお、本ディスク基板1では、アドレスピ
ットP1・P2が深いため、その面積を拡大し過ぎてし
まうと、プッシュプル信号(トラッキング信号)の乱れ
が大きくなり、正確なトラッキングを行えなくなってし
まう。
【0106】すなわち、アドレスピットP1・P2の反
射光量変化は、トラッキングのためのプッシュプル信号
を乱す原因となるが、本ディスク基板1は、約λ/(8
n)の深さを有する矩形で平滑なグルーブ領域Gが連続
的に形成されているため、優れたトラッキング特性を有
している。従って、図9に示すように、アドレスピット
P1・P2の直径がトラックピッチと等しい程度であれ
ば、アドレスピットP1・P2の設けられていない領域
から得られるプッシュプル信号を検出することにより、
安定したトラッキングを行える。
【0107】ところが、アドレスピットP1・P2の直
径をトラックピッチよりも大きくすると、アドレスピッ
トP1・P2の反射光量変化が大きくなり過ぎて、プッ
シュプル信号が大きく乱され、安定したトラッキングを
実現できなくなってしまう。従って、本ディスク基板1
におけるアドレスピットP1・P2の直径は、トラック
ピッチ以下、すなわち、グルーブ領域G・ランド領域L
の幅以下であることが好ましいといえる。
【0108】以上のことを考慮して本製造方法を再検討
すると、以下のことが明らかとなる。すなわち、アドレ
スピットP1・P2を形成するための光ビームLB2の
波長をλLB2 、光ビームLB2を集光する対物レンズの
開口数をNALB2 とすると、光ビームLB2のスポット
径dLB2 を(λLB2 /NALB2 )で表すことができる。
そして、このスポット径dLB2 は、アドレスピットP1
・P2の直径とほぼ一致することから、本製造方法にお
ける露光プロセスでは、本ディスク基板1のトラックピ
ッチをWp とすると、これらλLB2 ,NALB2
LB2 ,Wp を、 (λLB2 /NALB2 )=dLB2 ≦Wp … (2) を満たすように設定することが好ましいといえる。
【0109】また、この式(2)、および上記した式
(1)より、λLB1 ,dLB1 ,NALB1 ,λLB2 ,NA
LB2 ,dLB2 は、 dLB1 =(λLB1 /NALB1 )>dLB2 =(λLB2 /NALB2 )… (3) を満たすように設定されることが好ましいといえる。
【0110】なお、実施の形態1・2において参照した
図1および図8・9では、アドレスピットP1・P2を
円形のピットとして示している。しかしながら、図10
に示すように、グルーブ領域Gより深く、かつ、基板表
面からの深さのほぼ等しいアドレスピットP1・P2
に、周方向に長く延びた長円形のピットを含めてもよ
い。この場合、長円形のピットの幅をトラックピッチよ
りも狭くすることにより、安定したトラッキングと安定
したアドレス情報の再生とを実現できる。
【0111】次に、本製造方法による本ディスク基板1
の具体的な製造例を、実施例として示す。
【0112】〔実施例〕 本実施例では、図11に示すカッティング装置31を用
いた本ディスク基板1を製造例と、本ディスク基板1に
おける適切なグルーブ深さdG およびピット深さdP
を確認するための測定について説明する。
【0113】図11は、カッティング装置31の構成を
示す説明図である。この図に示すように、カッティング
装置31は、光源8,第1の光学変調素子9,全反射ミ
ラー10,第1のビームスプリッター11,全反射ミラ
ー12,第2の光学変調素子13,第1のビームエキス
パンダー14,遮光板15,第2のビームスプリッター
16,全反射ミラー17、対物レンズ18,第3の光学
変調素子19,光学偏向素子20,第2のビームエキス
パンダー21,全反射ミラー22,回転テーブル30を
備えている。
【0114】光源8は、Krガスレーザーを有するレー
ザー光源である。光学変調素子9は、光源8から出射さ
れる光ビームのパワーを制御するものである。第1のビ
ームスプリッター11は、光源8の光ビームを、グルー
ブ形成領域Gaを露光するための光ビームLB1と、ピ
ット形成領域P1a・P2aを露光するための光ビーム
LB2とに分割するものである。
【0115】光学変調素子13・19は、光ビームLB
1・LB2のパワーをそれぞれ制御するものである。第
1のビームエキスパンダー14は、光ビームLB1のビ
ーム径を、所定の大きさに拡大するものである。遮光板
(開口数減少部)15は、光ビームLB1の中心部だけ
を透過させることにより、光ビームLB1のビーム径を
所望の大きさに制限し、その開口数を減少させるもので
ある。なお、この遮光板15の詳細な構成については後
述する。
【0116】また、光学偏向素子20は、第2の光ビー
ムLB2の集光位置を、第1ピット形成領域P1a(グ
ルーブ形成領域Gaの中心)と第2ピット形成領域P2
aとの間で移動させるものである。第2のビームエキス
パンダー21は、光ビームLB2のビーム径を、所定の
大きさに拡大するものである。さらに、第2のビームス
プリッター16は、光ビームLB1と光ビームLB2と
を合成するものである。回転テーブル30は、本原盤の
材料であるガラス基板3を設置するための回転台であ
る。
【0117】すなわち、このカッティング装置31で
は、光源8のレーザー光は、第1の光学変調素子9によ
りパワー制御されて全反射ミラー10により光路を変更
された後、第1のビームスプリッター11により、光ビ
ームLB1・LB2に分割される。
【0118】第1のビームスプリッター11を透過した
光ビームLB1は、全反射ミラー12により反射された
後、第2の光学変調素子13により再度パワー制御さ
れ、第1のビームエキスパンダー14を通過して所定の
ビーム径に拡大される。その後、遮光板15により光ビ
ーム径を制限された後、第2のビームスプリッター16
を通過し、全反射ミラー17・対物レンズ18を介し
て、回転テーブル30上のガラス基板3に集光照射され
るようになっている。
【0119】一方、第1のビームスプリッター11に反
射された光ビームLB2は、第3の光学変調素子19に
よりパワー制御され、光学偏向素子20・第2のビーム
エキスパンダー21を透過して、所定の光ビーム径に拡
大される。その後、全反射ミラー22・第2のビームス
プリッター16に反射されて第1の光ビームLB1と合
成された後、全反射ミラー17・対物レンズ18を介し
てガラス基板3に集光照射されるようになっている。
【0120】ここで、遮光板15の構成について説明す
る。図12(a)(b)は、遮光板15の平面図および
断面図である。図12(b)に示すように、この遮光板
15は、入射光ビーム25における端部分を反射(ある
いは吸収)する一方、中心部分を透過させて透過光ビー
ム26を出射するものである。そして、透光性を有する
ガラス基板23上に、光の透過を防止する金属膜24を
備えた構成を有している。
【0121】このように、遮光板15から出射される透
過光ビーム26の直径は、入射光ビーム25より小さく
なる。従って、遮光板15を透過する光ビームLB1に
対する対物レンズ18の実効的な開口数をNALB1
し、遮光板15を透過しない光ビームLB2に対する対
物レンズ18の実効的な開口数をNALB2 とすると、N
LB1 <NALB2 となる。
【0122】ここで、光ビームの波長をλとすると、光
ビームLB1・LB2のスポット径dLB1 ・dLB2 は、
それぞれ、dLB1 =λ/NALB1 ,dLB2 =λ/NA
LB2 となる。このため、カッティング装置31のよう
に、光ビームLB1の光路中に遮光板15を設けること
により、上記(3)式に示したdLB1 >dLB2 なる条件
を満足する2つの光ビームLB1・LB2を形成できる
ことがわかる。
【0123】また、ここで、光ビームLB1・LB2の
開口数NALB1 ・NALB2 について説明する。図13
(a)(b)に示すように、開口数NALB1 ・NALB2
は、対物レンズ18からガラス基板3への光ビームLB
1・LB2の絞り込み角度θ1 ・θ2 の正弦(signθ1
・signθ2 )である。従って、遮光板15によって光ビ
ームLB1の光路を狭めることによりθ1 <θ2 とでき
るので、NALB1 <NALB2 の関係を実現することが可
能となる。
【0124】次に、カッティング装置31を用いた本原
盤の作成について説明する。まず、本実施例では、高精
度に研磨した石英ガラスからなるガラス基板3上に、膜
厚300nmのフォトレジスト2(シプレー社のマイク
ロポジットS1400)をスピンコート法により塗布し
た。その後、このガラス基板3を、95℃で30分間プ
リベークした。
【0125】次に、このガラス基板3を回転テーブル3
0に配置し、光ビームLB1・LB2のスポット径がそ
れぞれ0.6μm,0.37μmとなるように、カッテ
ィング装置31の各部材を設定した。そして、トラック
ピッチが0.5μmとなる条件で、フォトレジスト2の
露光を行った。
【0126】その結果、現像後、グルーブ形成領域Ga
において、表面の溝幅0.62μm,最も深い部分での
溝深さ200nmの湾曲したフォトレジストパターンで
ある、第1残存レジスト膜4(図7(a)参照)が形成
された。一方、ピット形成領域P1a・P2aには、ガ
ラス基板3の表面を直径0.3μmだけ露出するような
フォトレジストパターンが形成された。なお、このと
き、第1ピット形成領域P1aに対する露光量を、第2
ピット形成領域P2aに対する露光量より小さく設定し
た。
【0127】次に、現像後のガラス基板3を、95℃で
30分間ポストベークし、平行平板型のドライエッチン
グ装置内(図示せず)に配置した。そして、このドライ
エッチング装置を真空排気した後、CF4ガスを導入
し、ガス圧5mTorrの条件で、400Wの高周波電
力を投入して第1のドライエッチングを行った。この第
1のドライエッチングによって、ピット形成領域P1a
・P2aにおけるガラス表面が、それぞれ、52.5n
mの深さにエッチングされた。また、グルーブ形成領域
Gaには、膜厚50nmの第2残存レジスト膜5(図7
(b)参照)が残った。
【0128】次に、このドライエッチング装置を再度真
空排気した後、酸素ガスを導入し、ガス圧70mTor
rの条件で、200Wの高周波電力を投入して第1のア
ッシングを行った。この第1のアッシングにおいては、
ガラス基板3は全くエッチングされず、フォトレジスト
2のみが均一に除去された。また、この第1のアッシン
グは、グルーブ形成領域Gaに、トラックピッチと同様
の0.5μmの幅を有するガラス表面6(図7(c)参
照)を露出させるまで行った。
【0129】次に、ドライエッチング装置を再度真空排
気した後、CF4ガスを導入し、ガス圧5mTorrの
条件で、400Wの高周波電力を投入して第2のドライ
エッチングを行った。この第2のドライエッチングによ
って、グルーブ形成領域Gaに新たに露出したガラス面
7(図7(d)参照)と、ピット形成領域P1a・P2
aにおけるガラス面とが、それぞれ52.5nmだけエ
ッチングされた。
【0130】次に、再度、ドライエッチング装置を真空
排気し、酸素ガスを導入し、ガス圧70mTorrの条
件で、200Wの高周波電力を投入して第2のアッシン
グを行い、ガラス基板3上に残ったフォトレジストを除
去することにより、石英ガラスからなる本原盤を完成さ
せた。
【0131】このように作成された本原盤は、グルーブ
領域Gおよびランド領域Lの幅が0.5μm、グルーブ
領域Gの溝深さが52.5nmであった。また、アドレ
スピットP1・P2は、直径0.3μm、ランド領域L
の表面からの深さ105nmに形成された。
【0132】なお、以上のようにして形成された本原盤
(石英エッチング原盤)を用いて本ディスク基板1を作
成するためには、以下のような工程を経る。すなわち、
本原盤上にNiからなる電鋳膜を形成し、このNi電鋳
膜を本原盤から剥離することにより、本原盤に形成され
ている凹凸パターンをNi電鋳膜の表面に転写する。そ
の後、このNi電鋳膜をスタンパーとして用い、ポリカ
ーボネート等の樹脂を射出成形することにより、樹脂製
の本ディスク基板1を製造できる。また、この本ディス
ク基板1の凹凸のある側(グルーブ領域Gおよびランド
領域Lの形成されている側)に記録膜を形成することに
より、光磁気ディスク等の光記録媒体を得ることができ
る。
【0133】次に、本ディスク基板1を備えた光磁気デ
ィスクに対し、アドレス情報の再生特性、および、トラ
ッキングの安定性を測定した結果について説明する。本
実施例では、本ディスク基板1に、特開平9−3201
34号公報に記載されている超解像光磁気記録方式の記
録膜を積層し、表1に示すような、光磁気ディスクのサ
ンプル♯1〜♯13を作成した。そして、これらサンプ
ル♯1〜♯13を光磁気ドライブによって再生し、特性
の評価を行った。なお、この再生は、各サンプルに対
し、記録再生用の光ビームを本ディスク基板1側から照
射することにより行った。
【0134】なお、この表1に示すように、各サンプル
♯1〜♯13は、グルーブ深さdG 、および、ピット深
さdP が、互いに異なる光磁気ディスクである。
【0135】
【表1】
【0136】また、この表には、各サンプル♯1〜♯1
3におけるアドレスピットP1・P2からの再生出力
(P1再生出力・P2再生出力)およびトラッキングの
可否を記載している。なお、トラッキング欄における
「不可」とは、全くトラッキングを行えなかったことを
意味している。また、「NG」とは、トラッキングは行
えるものの、アドレスピットP1・P2部分においてト
ラッキングが不安定となり、予期せぬトラックジャンプ
の発生が確認されたことを意味している。
【0137】さらに、P1・P2再生出力の値は、サン
プル♯8(dG ;52.5nm、dP ;105nm)の
P2再生出力を100%として、規格化したものであ
る。
【0138】また、使用した光磁気ドライブは、波長6
30nmの半導体レーザー光源と、0.60のNAを有
する対物レンズとを備えた光ピックアップを搭載したも
のである。また、本ディスク基板1の材料としては、屈
折率1.5のポリカーボネートを用いた。
【0139】表1に示すように、グルーブ深さdG が1
8nm,100nmのサンプル♯1・♯13では、良好
なP1・P2再生出力を得られないとともに、トラッキ
ングを行えなかった。これは、グルーブ深さdG が浅過
ぎる、あるいは深過ぎるために、良好なプッシュプル信
号を得られなくなってしまうことに原因がある。
【0140】また、サンプル♯6・♯12(dG ;25
nm,80nm、dP ;150nm)では、良好なP1
・P2再生出力を得られないとともに、トラッキングが
不安定となってしまった。これは、ピット深さdP が深
過ぎるため、グルーブ領域Gからのプッシュプル信号が
乱されたためである。
【0141】一方、25〜80nmのグルーブ深さ
G 、および、135nm以下のピット深さdP を有す
るサンプル♯2〜♯5・♯7〜♯11では、良好なトラ
ッキングを実現できた。従って、トラッキングを良好に
行うためには、グルーブ深さdG およびピット深さdP
を、 25nm≦dG ≦80nm … (4) dP ≦135nm … (5) を満たすように設定することが好ましいといえる。
【0142】また、サンプル♯2(dG ;25nm、d
P ;40nm)およびサンプル♯9(dG ;80nm、
P ;95nm)では、それぞれ60%,65%のP2
再生出力を得られ、アドレスピットP2におけるアドレ
ス情報を正確に再生できた。しかしながら、P1再生出
力が15%,20%と極めて小さくなり、アドレスピッ
トP1のアドレス情報を再生できなかった。
【0143】これは、アドレスピットP1がグルーブ領
域Gの内部に形成されているため、P1再生出力が減少
したことが原因である。すなわち、サンプル♯2・♯9
におけるアドレスピットP1の実効的な深さdP1E (グ
ルーブ領域Gの底面からの深さ;dP1E =dP1−dG
は、15nmとなっており、この浅すぎるdP1E のため
にP1再生出力が小さくなり、アドレス情報を安定して
再生できないのである。
【0144】一方、アドレスピットP1の実効的な深さ
P1E が25nm以上のサンプル♯3〜♯5(dG ;2
5nm、dP ;50nm,105nm,135nm)に
おいては、P2再生出力よりもP1再生出力が小さくな
る傾向のあるものの、いずれの場合も50%以上のP1
・P2再生出力を得られ、アドレス情報を正確に再生で
きた。また、サンプル♯7(dG ;40nm、dP ;1
05nm)、および、サンプル♯10・♯11(dG
80nm、dP ;105nm,135nm)において
も、サンプル♯3〜♯5と同様に、アドレス情報の正確
な再生を実現できた。
【0145】従って、安定したトラッキングに加えて、
アドレス情報の正確な再生を実現するためには、上記し
た式(4)(5)に示した設定に加えて、アドレスピッ
トP1の実効的な深さdP1E を、 25nm≦dP1E … (6) を満たすように設定することが好ましいといえる。
【0146】なお、表1および式(4)〜(6)に示し
た結果は、波長630nmの光源を持つ光磁気ドライブ
と、屈折率1.5のポリカーボネート基板からなる本デ
ィスク基板1を用いて得られた結果である。従って、光
源波長の異なる光磁気ドライブを用いる場合や、他の材
料を用いて本ディスク基板1を作成する場合、これら波
長および材料に対応して、グルーブ深さdG およびピッ
ト深さdP を適切に設定することが好ましい。
【0147】すなわち、グルーブ深さdG は、光源の波
長λd ,基板材料の屈折率nおよび任意の正数kによっ
て、dG =λd /(k・n)と表現できる。また、同様
に、ピット深さdP は、上記した波長λd ,屈折率nお
よび任意の正数kによって、dP =λd /(k・n)と
表現できる。
【0148】従って、式(4)(5)より、安定したト
ラッキングを実現するためには、 λd /(16.8n)≦dG ≦λd /(5.25n) … (7) dP ≦λd /(3.1n) … (8) を満足するように、グルーブ深さdG およびピット深さ
P を設定することが好ましいといえる。
【0149】また、安定したトラッキングに加えて、ア
ドレス情報の正確な再生を実現するためには、上記した
式(7)(8)の設定に加えて、式(6)より、アドレ
スピットP1の実効的深さdP1E を、 λd /(16.8n)≦dP1E … (9) を満たすように設定することが好ましい。なお、式
(7)〜(9)におけるλd ,nに630nm,1.5
をそれぞれ代入すれば、式(4)〜(6)を求めること
ができる。
【0150】また、本実施例では、記録再生を行うため
の光ビームを、本ディスク基板1側から照射する場合に
ついて説明している。しかしながら、これに限らず、光
ビームが記録膜側から照射される場合においても、本デ
ィスク基板1を用いることが可能である。
【0151】例えば、本ディスク基板1上に、記録膜お
よび紫外線硬化樹脂保護層(保護膜)を形成し、この保
護膜側から光ビームを照射して記録再生を行うこともで
きる。なお、この場合、記録再生光は、本ディスク基板
1ではなく、保護膜を透過することになる。
【0152】このため、良好なトラッキングを実現する
ためのグルーブの深さdG ,ピット深さdP1・dP2、お
よび、アドレス情報を良好に再生するための第アドレス
ピットP1の実効的な深さdP1E の好ましい範囲は、保
護膜の屈折率をnとして、上記した(7)〜(9)式に
よって設定される。
【0153】また、本ディスク基板1上に記録膜のみを
形成し、記録膜側から光ビームを照射して記録再生を行
うこともできる。なお、このように構成する場合、グル
ーブの深さdG ,ピット深さdP1・dP2、および、第1
のアドレスピットの実効的深さdP1E の好ましい範囲
は、空気の屈折率をnとして、上記した(7)〜(9)
式によって設定される。
【0154】また、本実施の形態では、第1および第2
のアッシングとして、酸素ガスプラズマを用いたドライ
エッチングを挙げている。しかしながら、本製造方法に
おけるアッシングは、これに限らず、ガラス基板3の表
面におけるエッチングを進行させない一方、フォトレジ
スト2を灰化除去するような工程であれば、どのような
プロセスであってもかまわない。
【0155】また、本実施の形態では、本製造方法にお
ける露光プロセスにおいて、ガラス基板3上のフォトレ
ジスト2に、露光部位Fをらせん状に形成するとしてい
るが、これに限らず、露光部位Fを同心円状に形成して
もよい。このようにすれば、同心円状のグルーブ領域G
およびランド領域Lを有する光記録媒体用原盤を製造で
きる。
【0156】また、本実施の形態に示したように、本デ
ィスク基板1における凹凸のある側、すなわち、グルー
ブ領域Gおよびランド領域Lに記録膜を設けることによ
り、光記録媒体を形成することができる。また、一方、
本ディスク基板1における凹凸のない側に記録膜を形成
することによっても、光記録媒体を得ることは可能であ
る。
【0157】また、実施の形態1・2では、本発明の光
記録媒体用基板として、本ディスク基板1を示してい
る。しかしながら、本発明の光記録媒体用基板は、光磁
気ディスクに限らず、他の光ディスクや光カード等の基
板に対しても、容易に応用できるものである。
【0158】また、実施の形態2に示した本製造方法の
エッチングプロセスによれば、原理的には、アドレスピ
ットP1・P2の深さdP1・dP2を完全に同一の深さに
設定できる。しかしながら、これらの深さdP1・d
P2は、エッチング分布による若干の深さ分布のために、
僅かに異なる可能性がある。このため、実施の形態2で
は、アドレスピットP1・P2の深さdP1,dP2が互い
にほぼ等しい深さとなる、と表現している。
【0159】また、実施の形態1・2では、本発明の光
記録媒体が、図1に示したグルーブ領域G,ランド領域
LおよびアドレスピットP1・P2の設けられた本ディ
スク基板1備えており、このために、アドレス情報を、
正確に、かつ、安定して再生できるようになっていると
している。
【0160】しかしながら、これに限らず、ほぼ面一の
基板上に、樹脂等によってグルーブ領域G,ランド領域
LおよびアドレスピットP1・P2を形成するようにし
てもよい。このように構成しても、本ディスク基板1を
用いる場合と同様の効果を得ることができる。
【0161】また、光ビームLB1の光強度を、グルー
ブ形成領域Gaのフォトレジストの露光が不十分な状態
となるような強度としてもよい。この場合、図7(a)
に示したように、湾曲した形状を有する第1残存レジス
ト膜4の形成されたグルーブ形成領域Gaでは、露光現
像が不十分であるため、平滑な表面を得ることができな
い。すなわち、このようなレジストパターン(第1残存
レジスト膜4)では、ランドグルーブ記録に必要な、矩
形でありかつ平滑なグルーブ領域Gを得ることができな
い。
【0162】また、図11に示すカッティング装置31
における光学偏向素子20は、第2の光ビームLB2の
集光位置を、グルーブ形成領域Gaの中心とランド領域
Lが形成されるべき部位の中心との間で移動させる機能
を有するものである、と表現できる。
【0163】また、図9に示すように、アドレスピット
P1・P2の直径がグルーブ領域Gまたはランド領域L
の幅とほぼ等しい場合、アドレスピットP1・P2の存
在しない領域において得られるプッシュプル信号を検出
することにより、アドレスピットP1・P2によりプッ
シュプル信号の乱れが観測されるものの安定したトラッ
キングが可能であったが、アドレスピットP1・P2の
直径がさらに大きくなり、グルーブ領域Gまたはランド
領域Lの幅よりも広くなると、該プッシュプル信号が大
きく乱され、トラッキングができなくなってしまう。以
上のことより、本ディスク基板1において、アドレスピ
ットP1・P2の直径は、トラックピッチ以下、すなわ
ち、グルーブ領域Gまたはランド領域Lの幅以下である
ことが好ましいといえる。
【0164】また、光ディスク基板上に記録膜、およ
び、紫外線硬化樹脂保護層を形成し、この保護層側から
光ビームを照射し記録再生を行う場合においては、実施
例に記載の基板材料の屈折率nを紫外線硬化樹脂保護層
の屈折率とすればよい。また、光ディスク基板上に記録
膜のみを形成し、記録膜側から光ビームを照射して記録
再生を行う場合においては、実施例に記載の基板材料の
屈折率nを、空気の屈折率とすればよい。
【0165】また、本発明の光記録媒体用原盤を、第1
のアドレスピットを有するグルーブ、および、第2のア
ドレスピットを有するランドの設けられた基板を備えて
おり、この基板におけるグルーブの深さdG ,第1のア
ドレスピットの深さdP1および第2のアドレスピットの
深さdP2が、dG <dP1≒dP2を満たすように設定され
ている構成である、と表現することもできる。
【0166】また、本発明の本記録媒体用基板を、第1
のアドレスピットを有するグルーブ、および、第2のア
ドレスピットを有するランドを備えており、グルーブの
深さdG ,第1のアドレスピットの深さdP1および第2
のアドレスピットの深さdP2が、dG <dP1≒dP2を満
たすように設定されている構成である、と表現すること
もできる。
【0167】また、本発明の光記録媒体を、記録膜と、
第1のアドレスピットを有するグルーブ、および、第2
のアドレスピットを有するランドを備えた基板とを有し
ており、この基板におけるグルーブの深さdG ,第1の
アドレスピットの深さdP1および第2のアドレスピット
の深さdP2が、dG <dP1≒dP2を満たすように設定さ
れているものである、と表現することもできる。
【0168】また、本発明は、高密度な情報記録を可能
とする光記録再生装置に適用される光記録媒体およびそ
の製造方法等に関するものであり、以下に示す第1〜4
の光記録媒体,第1〜4の光記録媒体用原盤の製造方
法,第1のカッティング装置,第1の光記録媒体用原
盤,第1の光記録媒体用スタンパーおよび第1の光記録
媒体用樹脂基板として表現することもできる。
【0169】すなわち、第1の光記録媒体は、らせん状
または同心円状のグルーブとグルーブ間のランドとを有
し、グルーブおよびランドのそれぞれにおいて記録再生
が行われる光記録媒体において、グルーブに第1のアド
レスピットが設けられ、ランドに第2のアドレスピット
が設けられており、グルーブの深さをdG 、第1のアド
レスピットの深さをdP1、第2のアドレスピットの深さ
をdP2としたとき、dG <dP1≒dP2である構成であ
る。
【0170】従って、グルーブ深さより深いアドレスピ
ットを有することにより、正確にアドレス情報を再生す
ることが可能となる。また、第1のアドレスピットの深
さと第2のアドレスピットの深さとをほぼ等しくするこ
とにより、後述する第1の光記録媒体用原盤の製造方法
を用いて、本発明のグルーブおよびアドレスピットを再
現性良く形成することが可能となる。
【0171】第2の光記録媒体は、第1の光記録媒体に
おいて、グルーブに設けられた第1のアドレスピット
と、ランドに設けられた第2のアドレスピットとが、互
いに半径方向に隣接しないように形成されている構成で
ある。従って、グルーブに設けられた第1のアドレスピ
ットと、ランドに設けられた第2のアドレスピットとの
間のクロストークがなくなり、アドレス情報を正確に再
生することが可能となる。
【0172】第3の光記録媒体は、第1の光記録媒体に
おいて、該光記録媒体に対して記録再生を行う光の波長
をλd とし、該光記録媒体の基板屈折率をnとして、グ
ルーブの深さdG ,グルーブ底面からの第1のアドレス
ピットの実効的深さdP1E ,第1のアドレスピットの深
さdP1および第2のアドレスピットの深さdP2が、(λ
d /16.8n)≦dG ≦(λd /5.25n)、d
P1E ≧(λd /16.8n)、dP1≒dP2≦(λd
3.1n)である構成である。
【0173】従って、グルーブの深さと、グルーブ底面
からの第1のアドレスピットの実効的深さと、第1のア
ドレスピットの深さと、第2のアドレスピットの深さと
が最適化される。これにより、安定したトラッキングと
正確なアドレス情報の再生とが可能となる。
【0174】第1の光記録媒体用原盤の製造方法は、第
1〜3の光記録媒体の基板を作成するための原盤が、原
盤用基板上にフォトレジストを塗布され、グルーブ露光
用の第1の光ビームとアドレスピット露光用の第2の光
ビームとがフォトレジストに照射され、第1の光ビーム
と第2の光ビームとの強度を調整することにより、グル
ーブ領域においてフォトレジストが残り原盤基板表面が
露出せず、アドレスピット領域においてフォトレジスト
が完全に除去され原盤表面が露出するように、フォトレ
ジストの現像が行われ、第1のドライエッチングによ
り、アドレスピット領域のみの原盤表面がエッチングさ
れ、第1のアッシングにより、グルーブ領域の原盤表面
が露出させられ、第2のドライエッチングにより、グル
ーブ領域とアドレスピット領域との原盤表面がエッチン
グされ、最後に、残ったフォトレジストが除去されるこ
とにより作成される方法である。
【0175】従って、アドレスピットの深さよりも浅
い、平滑で矩形のグルーブを形成することが可能とな
る。また、グルーブの深さとアドレスピットの深さと
を、第1のエッチングプロセスと第2のエッチングプロ
セスとにおけるエッチング条件のみにより決定すること
ができ、再現性良く、所望の深さのグルーブとアドレス
ピットとを形成することが可能となる。
【0176】第2の光記録媒体用原盤の製造方法は、第
1の光記録媒体用原盤の製造方法において、グルーブ露
光用の第1の光ビームのビームスポットの直径をdLB1
とし、アドレスピット露光用の第2の光ビームのビーム
スポットの直径をdLB2 とした場合、dLB1 >dLB2
ある方法である。従って、トラックピッチよりも直径ま
たは幅の小さなアドレスピットを形成することが可能と
なり、安定したトラッキングと安定したアドレス情報の
再生とを行うことが可能となる。
【0177】第3の光記録媒体用原盤の製造方法は、第
1の光記録媒体用原盤の製造方法において、グルーブ露
光用の第1の光ビームのビームスポットの直径を
LB1 ,トラックピッチをWp ,グルーブ領域の幅をW
G ,ランド領域の幅をWL とした場合、Wp とWG とW
L とがそれぞれほぼ等しく、さらに、dLB1 >Wp であ
る方法である。
【0178】従って、本発明のエッチングプロセスにお
いて、グルーブ領域の幅とランド領域の幅とをほぼ等し
く形成することが可能となり、グルーブ領域における記
録再生特性とランド領域における記録再生特性とがほぼ
等しい、ランドグルーブ記録用の光記録媒体を得ること
が可能となる。
【0179】第4の光記録媒体用原盤の製造方法は、第
1の光記録媒体用原盤の製造方法において、アドレスピ
ット露光用の第2の光ビームのビームスポットの直径を
LB2 ,トラックピッチをWp ,グルーブ領域の幅をW
G ,ランド領域の幅をWL とした場合、Wp とWG とW
L とがそれぞれほぼ等しく、さらに、dLB2 ≦Wp であ
る方法である。
【0180】従って、トラックピッチよりも直径または
幅の小さなアドレスピットを形成することが可能とな
り、安定したトラッキングと安定したアドレス情報の再
生とを行うことが可能となる。
【0181】また、第1のカッティング装置は、第1の
光記録媒体用原盤の製造方法において、原盤基板上に塗
布されたフォトレジストの露光を行うカッティング装置
が、グルーブ露光用の第1の光ビームとアドレスピット
露光用の第2の光ビームとを有しており、第1の光ビー
ムの光路中に、光ビームをフォトレジスト面に集光照射
するための対物レンズに対する開口数(NA)を小さく
することが可能な遮光板が挿入されている構成である。
【0182】従って、グルーブ露光用の第1の光ビーム
に対する開口数をアドレスピット露光用の第2の光ビー
ムに対する開口数よりも小さくすることが可能となり、
グルーブ露光用の第1の光ビームのビームスポット直径
をアドレスピット露光用の第2の光ビームのビームスポ
ットの直径より大きくできる。
【0183】また、第1の光記録媒体用原盤は、第1の
光記録媒体用原盤の製造方法により製造された構成であ
る。さらに、第1の光記録媒体用スタンパーは、第1の
光記録媒体用原盤から電鋳により製造された構成であ
る。また、第1の光記録媒体用樹脂基板は、第1の光記
録媒体用スタンパーを用いて製造された構成である。さ
らに、第4の光記録媒体は、第1の光記録媒体用樹脂基
板を用いて製造された構成である。
【0184】
【発明の効果】以上のように、本発明の光記録媒体(本
記録媒体)は、第1のアドレスピットを有するグルー
ブ、および、第2のアドレスピットを有するランドを備
えており、上記グルーブおよびランドはらせん状または
同心円状に連続的に形成されており、グルーブの深さd
G ,第1のアドレスピットの深さdP1および第2のアド
レスピットの深さdP2が、 dG <dP1≒dP2 … (a) を満たすように設定されている構成である。
【0185】本記録媒体では、式(a)に示すように、
第1および第2のアドレスピットが、グルーブよりも深
くなっている。このため、これらアドレスピットからの
再生信号を強くできるので、アドレス情報を、正確に、
かつ、安定して再生できるようになっている。
【0186】また、本記録媒体では、式(a)に示すよ
うに、第1および第2のアドレスピットとの深さが、互
いにほぼ等しくなっている。これにより、これら2種類
のアドレスピットに対する製造工程を同一とできるの
で、本記録媒体を、比較的簡単な工程から製造できるよ
うになっている。
【0187】また、本記録媒体では、第1のアドレスピ
ットと第2のアドレスピットとが、互いの隣接を回避す
るように形成されていることが好ましい。これにより、
クロストークの発生を大幅に抑制できるため、アドレス
情報のより正確な再生が可能となる。
【0188】また、本記録媒体は、上記したグルーブお
よびランドの設けられた基板(光記録媒体用基板)に、
所定の記録膜を積層することで容易に構成できる。ま
た、このように構成する場合、グルーブの深さdG ,第
1のアドレスピットの深さdP1および第2のアドレスピ
ットの深さdP2は、基板材料の屈折率n,記録再生光の
波長λd に応じて、 λd /(16.8n)≦dG ≦λd /(5.25n) … (b) dP1≒dP2≦λd /(3.1n) … (c) を満足するように設定されていることが好ましい。グル
ーブ深さdG およびピット深さdP1・dP2を式(b)
(c)の範囲に設定することで、良好なトラッキングを
実現することが可能となる。
【0189】さらに、上記のような光記録媒体用基板を
用いる場合、第1のアドレスピットの実効的深さdP1E
は、 dP1E ≧λd /(16.8n) … (d) を満足するように設定されていることが好ましい。第1
のアドレスピットの実効的深さdP1E を式(d)の範囲
に設定することで、アドレス情報を、安定して、かつ正
確に再生することが可能となる。
【0190】また、上記の記録膜上には、この記録膜を
保護するための保護膜を備えることが好ましい。さら
に、この保護膜側から記録再生光を照射して本記録媒体
に対する記録・再生を行う場合には、記録再生光は、基
板ではなく保護膜を透過することになる。
【0191】このため、良好なトラッキングを実現する
ためのグルーブの深さdG ,ピット深さdP1・dP2、お
よび、アドレス情報を良好に再生するための第1のアド
レスピットの実効的深さdP1E の好ましい範囲は、保護
膜の屈折率na,記録再生光の波長λd を用いて、 λd /(16.8na)≦dG ≦λd /(5.25na) … (e) dP1≒dP2≦λd /(3.1na) … (f) dP1E ≧λd /(16.8na) … (g) によって設定される。
【0192】また、本発明における光記録媒体用原盤
(本原盤)は、第1のアドレスピットを有するグルー
ブ、および、第2のアドレスピットを有するランドを備
えており、上記グルーブおよびランドはらせん状または
同心円状に連続的に形成されており、グルーブの深さd
G ,第1のアドレスピットの深さd P1 および第2のアド
レスピットの深さd P2 が、 G <d P1 ≒d P2 (a) を満たすように設定されている構成である。
【0193】本原盤は、光記録媒体に用いられる光記録
媒体用基板と同一の構成(グルーブ,ランドおよびアド
レスピット等)を有している。本原盤によって製造され
る光記録媒体用基板は、ランドグルーブ記録方式の上記
光記録媒体に適用されるものとなる。本原盤を用いれ
ば、式(a)に示すように、第1および第2のアドレス
ピットが、グルーブよりも深く、これらアドレスピット
からの再生信号を強くでき、アドレス情報を、正確に、
かつ、安定して再生できる上記光記録媒体に用いられる
基板、すなわち、上記構成を有する本発明にかかる上記
光記録媒体を製造することができる
【0194】また、本発明における光記録媒体用原盤の
製造方法(本製造方法)は、本発明における上記光記録
媒体用原盤の製造方法であって、原盤用の基板にレジス
トを塗布する塗布工程と、グルーブ形成領域のレジスト
を、第1のアドレスピット形成領域を除く基板表面の露
出を回避するように一部残留させる一方、第1および第
2のアドレスピット形成領域におけるレジストの残存を
回避するように、上記基板に対する露光および現像を行
う露光現像工程と、第1および第2のアドレスピット形
成領域に露出した基板表面をエッチングする第1のドラ
イエッチング工程と、グルーブ形成領域に基板表面
するまで上記原盤用の基板上のレジストの膜厚を減少
させる第1のアッシング工程と、グルーブ形成領域並び
に第1および第2のアドレスピット形成領域おける基
板表面をエッチングする第2のドライエッチング工程と
を含んでいる方法である。
【0195】本製造方法では、第1のドライエッチング
工程において第1および第2のアドレスピット形成領域
のみをエッチングする一方、第2のドライエッチング工
程においてグルーブ形成領域および第1および第2のア
ドレスピット形成領域の双方をエッチングするように設
定されている。すなわち、本製造方法では、グルーブ形
成領域を1回だけエッチングする一方、第1および第2
のアドレスピット形成領域に対するエッチングを2回行
うようになっている。これにより、第1および第2の
ドレスピットをグルーブよりも深く形成することが可能
となっている。
【0196】また、本製造方法では、グルーブ形成領域
および第1および第2のアドレスピット形成領域に露出
した原盤用基板をエッチングすることにより、グルーブ
並びに第1および第2のアドレスピットを形成するよう
になっている。これにより、グルーブ並びに第1および
第2のアドレスピットを平滑な矩形形状に形成できるの
で、微細な凹凸を有するレジスト面からこれらを形成す
る場合に比して、光記録媒体におけるグルーブノイズを
抑制できる原盤を製造することが可能となっている。
【0197】また、本製造方法では、原盤用基板に塗布
するレジストは1層だけであり、後に除去するような中
間層も不要となっている。このため、低コストで効率よ
く原盤を製造できる。さらに、原盤におけるグルーブ
びに第1および第2のアドレスピットの深さを、第1お
よび第2のドライエッチング工程におけるエッチング条
件のみから決定できるので、所望の形状を有する原盤
を、再現性よく製造することが可能となっている。
【0198】なお、本製造方法には、第2のドライエッ
チング工程後において、原盤用基板上に残存したレジス
トを除去するための、第2のアッシング工程を含ませる
ことが好ましい。
【0199】また、本製造方法における露光現像工程
は、グルーブ形成領域を第1の光ビームによって露光す
る一方、第1および第2のアドレスピット形成領域を、
第1の光ビームよりも小さいスポット径を有する第2の
光ビームによって露光するように設定されていることが
好ましい。このようにすれば、第1および第2のアドレ
スピットの幅をグルーブ幅よりも小さくできる。このた
め、この原盤から製造される光記録媒体では、第1およ
び第2のアドレスピットから得られる反射光量変化量に
対し、グルーブから得られるトラッキング信号量を大き
くできるため、安定したトラッキングを実現することが
可能となる。
【0200】また、本製造方法では、上記露光現像工程
において以下に示すようなカッティング装置を用いるこ
とが好ましい。すなわち、このカッティング装置は、光
源から照射される光ビームを分割して第1および第2の
光ビームを生成するビームスプリッターと、第1および
第2の光ビームを集光する対物レンズと、第1の光ビー
ムにおける対物レンズに対する開口数を減少させる開口
数減少部とを備えている構成である。
【0201】このカッティング装置を用いれば、1つの
光源から第1・第2の光ビームを生成できるとともに、
開口数減少部によって、第1の光ビームにおける対物レ
ンズに対する開口数を減少させられる。従って、スポッ
ト径の異なる第1・第2の光ビームを容易に生成でき
る。
【0202】また、本製造方法では、グルーブ形成領域
を露光する第1の光ビームのスポット径を、トラックピ
ッチよりも大きく設定することが好ましい。さらに、第
1のアッシング工程において、グルーブ形成領域に、ト
ラックピッチとほぼ等しい幅で、原盤用基板の表面を露
出させることが好ましい。これにより、原盤におけるグ
ルーブの幅を適切に設定できる。
【0203】また、本製造方法では、第1および第2の
アドレスピット形成領域を露光する第2の光ビームのス
ポット径を、トラックピッチ以下とすることが好まし
い。これにより、第1および第2のアドレスピットの幅
が、トラックピッチ、すなわちグルーブの幅よりも大き
くなることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる光磁気ディス
ク基板における、プリフォーマット領域およびデータ領
域の構成を示す説明図である。
【図2】上記光ディスク基板の構成を示す説明図であ
る。
【図3】図1に示したディスク基板におけるA−A’線
断面図である。
【図4】図1に示したディスク基板におけるB−B’線
断面図である。
【図5】図1に示したディスク基板の原盤を製造するた
めの製造方法における露光プロセスを示す説明図であ
る。
【図6】図6(a)〜(e)は、上記製造方法における
エッチングプロセスを示す説明図である。
【図7】図7(a)〜(d)は、光ビームにおける実際
の強度分布を考慮して、上記エッチングプロセスを示す
ための説明図である。
【図8】図1に示した光磁気ディスク基板を備えた光磁
気ディスクに、光ビームスポットを集光照射した状態を
示す説明図である。
【図9】グルーブ領域と同様の幅を有するアドレスピッ
トを備えた光磁気ディスクに、光ビームスポットを集光
照射した状態を示す説明図である。
【図10】図1に示したディスク基板に形成可能な、長
円形のアドレスピットを示す説明図である。
【図11】図5に示した露光プロセスを実行可能なカッ
ティング装置の構成を示す説明図である。
【図12】図12(a)は、図11に示したカッティン
グ装置に備えられた遮光板の構成を示す平面図であり、
図12(b)は同じく断面図である。
【図13】図13(a)(b)は、図11に示したカッ
ティング装置において生成される2つの光ビームの開口
数を示す説明図である。
【図14】従来の光磁気ディスクの構成を示す説明図で
ある。
【図15】従来の光磁気ディスクにおける他の構成を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク基板(光記録媒体用基板) 2 フォトレジスト(レジスト) 3 ガラス基板(原盤用の基板) 4 第1残存レジスト膜 5 第2残存レジスト膜 8 光源 11 第1のビームスプリッター(ビームスプ
リッター) 15 遮光板(開口数減少部) 18 対物レンズ 31 カッティング装置 G グルーブ領域(グルーブ) L ランド領域(ランド) P1・P2 アドレスピット Ga グルーブ形成領域 P1a 第1ピット形成領域 P2a 第2ピット形成領域 F 露光部位 dG グルーブ深さ dP1,dP2 アドレスピットの深さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G11B 11/105 546 G11B 11/105 546D

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のアドレスピットを有するグルーブ、
    および、第2のアドレスピットを有 するランド
    を備えており、上記グルーブおよびランドはらせん状または同心円状に
    連続的に形成されており、 グルーブの深さdG ,第1のアドレスピットの深さdP1
    および第2のアドレスピットの深さdP2が、 dG <dP1≒dP2 を満たすように設定されていることを特徴とする光記録
    媒体。
  2. 【請求項2】上記の第1のアドレスピットと第2のアド
    レスピットとが、互いの隣接を回避するように形成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】上記グルーブおよびランドの設けられた基
    板と記録膜とからなり、 グルーブの深さdG ,第1のアドレスピットの深さdP1
    および第2のアドレスピットの深さdP2が、 上記基板の材料における屈折率n,記録再生光の波長λ
    d に応じて、 λd /(16.8n)≦dG ≦λd /(5.25n) dP1≒dP2≦λd /(3.1n) を満足するように設定されていることを特徴とする請求
    項1に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】上記第1のアドレスピットにおけるグルー
    ブ底面からの深さdP1E が、 dP1E ≧λd /(16.8n) を満足するように設定されていることを特徴とする請求
    項3に記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】上記グルーブおよびランドの設けられた基
    板と、記録膜と、保護膜との積層構造を有しているとと
    もに、保護膜側から記録再生光が照射されるようになっ
    ており、 さらに、グルーブの深さdG ,第1のアドレスピットの
    深さdP1および第2のアドレスピットの深さdP2が、 上記保護膜の屈折率na,記録再生光の波長λd に応じ
    て、 λd /(16.8na)≦dG ≦λd /(5.25na) dP1≒dP2≦λd /(3.1na) を満足するように設定されていることを特徴とする請求
    項1に記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】第1のアドレスピットを有するグルーブ、
    および、第2のアドレスピットを有するランドを備えて
    おり、 上記グルーブおよびランドはらせん状または同心円状に
    連続的に形成されており、 グルーブの深さd G ,第1のアドレスピットの深さd P1
    および第2のアドレスピットの深さd P2 が、 G <d P1 ≒d P2 を満たすように設定されていることを特徴とする光記録
    媒体用原盤。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の光記録媒体用原盤の製造
    方法であって、 原盤用の基板にレジストを塗布する塗布工程と、 グルーブ形成領域のレジストを、第1のアドレスピット
    形成領域を除く基板表面の露出を回避するように一部残
    留させる一方、第1および第2のアドレスピット形成領
    域におけるレジストの残存を回避するように、上記基板
    に対する露光および現像を行う露光現像工程と、 第1お
    よび第2のアドレスピット形成領域に露出した基板表面
    をエッチングする第1のドライエッチング工程と、 グルーブ形成領域に基板表面が露出するまで上記原盤用
    の基板上のレジストの膜厚を減少させる第1のアッシン
    グ工程と、 グルーブ形成領域並びに第1および第2のアドレスピッ
    ト形成領域における基板表面をエッチングする第2のド
    ライエッチング工程とを含んでいることを特徴とする光
    記録媒体用原盤の製造方法。
  8. 【請求項8】上記露光現像工程は、 グルーブ形成領域を第1の光ビームによって露光する一
    方、 第1および第2のアドレスピット形成領域を、第1の光
    ビームよりも小さいスポット径を有する第2の光ビーム
    によって露光するように設定されていることを特徴とす
    る請求項7に記載の光記録媒体用原盤の製造方法。
  9. 【請求項9】光源から照射される光ビームを分割して第
    1および第2の光ビームを生成するビームスプリッター
    と、第1および第2の光ビームを集光する対物レンズ
    と、第1の光ビームにおける対物レンズに対する開口数
    を減少させる開口数減少部とを備えたカッティング装置
    を用いて上記露光現像工程を行うことを特徴とする請求
    項8に記載の光記録媒体用原盤の製造方法
  10. 【請求項10】上記露光現像工程は、 トラックピッチよりも大きいスポット径を有する第1の
    光ビームによってグルーブ形成領域を露光するように設
    定されており、 上記第1のアッシング工程は、グルーブ形成領域に、ト
    ラックピッチとほぼ等しい幅で基板表面を露出させるよ
    うに設定されていることを特徴とする請求項7に記載の
    光記録媒体用原盤の製造方法。
  11. 【請求項11】上記露光現像工程は、 トラックピッチ以下のスポット径を有する第2の光ビー
    ムによって第1および第2のアドレスピット形成領域を
    露光するように設定されていることを特徴とする請求項
    10に記載の光記録媒体用原盤の製造方法。
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