JP3486431B2 - 粘着テープ基材用樹脂加工紙 - Google Patents

粘着テープ基材用樹脂加工紙

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JP3486431B2
JP3486431B2 JP15564393A JP15564393A JP3486431B2 JP 3486431 B2 JP3486431 B2 JP 3486431B2 JP 15564393 A JP15564393 A JP 15564393A JP 15564393 A JP15564393 A JP 15564393A JP 3486431 B2 JP3486431 B2 JP 3486431B2
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望 金山
明太郎 遠藤
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大福製紙株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗装マスキングや電子
部品テーピングに使用されて曲面や凹凸面に良く添って
密着する粘着テープの基材として使用する粘着テープ基
材用樹脂加工紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粘着テープ基材の一方の面に剥離材の下
地となる樹脂層を設ける技術は、従来はあまり一般的な
ものとは言えない。日本粘着テープ工業会発行「粘着ハ
ンドブック」(昭和60年発行)によれば支持体と粘着
剤との間には両者の接着を改良する下塗り剤が紹介され
ているが、支持体と剥離剤との関連では、ポリエチレン
膜やPVAをシリコーン系剥離剤の下地に使用すること
(P67,P166)及び和紙粘着テープ用として非シ
リコーン系剥離剤に対する下塗り剤としてアクリル酢ビ
共重合体、エチレン酢ビ共重合体、PVB(ポリビニル
ブチラール)、PVA(ポリビニルアルコール)、PV
A+クレー等が紹介されている。特開昭60ー1856
4においては特定けん化度のポリ酢酸ビニル加水分解物
のアルコール溶液を粘着テープ用クラフト紙の剥離剤の
目止め剤として塗布する技術が公開されている。
【0003】また、剥離剤としても、下塗りとしても使
用されるものとして、セラックが知られている。この他
には最近に到るまでたとえば「粘着製品の最新応用技
術」(1989年、(株)シーエムシー)等にも剥離剤
の下地として利用されている樹脂類に関する記載は見当
たらない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】紙粘着テープが塗装マ
スキングとして曲面や凹凸面、粗面(粗い砂地状仕上げ
の壁面等)に貼着される場合にはテープが柔軟で特に破
断強度よりもはるかに低い貼着力で曲面等に良く添って
密着することが必要である。また、電子部品の実装機に
使用される部品保持用テープとしても曲面等への添いが
良く、柔軟なテープが必要になる。これらのテープは非
シリコーン系剥離剤が使用される。この種の柔軟さは、
テープ破断の恐れ無しにテープに加えることのできる外
力によってテープが伸長しそれによって曲面、凹凸面に
良く密着することを意味する。この柔軟さはテープの原
紙が伸長しやすいこと、及び、含浸加工によって、原紙
の伸長しやすさが害されないこと、および、引張強度が
増強され、テープ破断の恐れ無しにテープに比較的大き
い外力を加えることができることが望ましい。
【0005】一般に柔軟な含浸用樹脂は2次転移点温度
が低く、剥離剤塗布前の含浸が原紙として巻き取って放
置しておくと巻重なった面が接着し、次の工程で巻き戻
す際に、張力が不均一になり、塗布等の作業に不都合を
もたらす。そして、更に進むと紙が破断する等欠点が発
生する。
【0006】このブロッキングを回避するために、従来
は酢ビ系の樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酢ビ共重合
体、エチレン酢ビ共重合体、けん化、または、部分けん
化酢酸ビニル樹脂(PVAを含む)等が使用されてい
る。しかしながら、これらは室温では比較的硬くて曲面
や凹凸面に貼着する粘着テープとしては適当ではなかっ
た。また、ブロッキングは通常の気温では発生しない
が、夏季に温度調節しない倉庫内部の状態では避けられ
ない欠点となっていた。
【0007】なお、従来はクラフト紙を用いた紙粘着テ
ープや和紙粘着テープにおいては剥離剤下地を兼ねて上
記樹脂を一回含浸加工し、直ちに剥離剤および粘着剤を
塗布する工程が採用されるのが普通である。また、クレ
ープ紙は合成ゴムラテックスを用いた含浸加工紙が一般
に使用される。これに下塗り剤が塗布される場合も多い
がこれは殆ど粘着剤の下地として、粘着剤と含浸クレー
プ紙の接着剤を向上させることを目的として施される。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明では紙層内部
に主として存在する第1の樹脂Aと、紙層の一方の面に
主として層を形成して存在する第2の樹脂Bとを有する
粘着テープ基材用樹脂加工紙において、第1の樹脂Aは
その2次転移点温度積算値が−15℃以下であり、第2
の樹脂Bはその2次転移点温度積算値が第1の樹脂Aの
2次転移点温度積算値よりも高く、かつ、その2次転移
点温度積算値が−15℃以上であり、粘着テープ基材用
樹脂加工紙の見かけ初期弾性率Eが80〜130Kg/
15mmであることを要旨とする。
【0009】第2の発明では第1の樹脂Aがブタジエン
含有共重合体を含有してなることを要旨とする。第3の
発明では第1の樹脂Aはその2次転移点温度積算値が−
15℃以下であり、第2の樹脂Bはその2次転移点温度
積算値が第1の樹脂Aの2次転移点温度積算値よりも高
く、かつ、その2次転移点温度積算値が−15℃以上で
あり、第1の樹脂A及び第2の樹脂Bがブタジエン含有
共重合体を含有してなることを要旨とする。
【0010】第4の発明では第1の樹脂Aはその2次転
移点温度積算値が−15℃以下であり、第2の樹脂Bは
その2次転移点温度積算値が第1の樹脂Aの2次転移点
温度積算値よりも高く、かつ、その2次転移点温度積算
値が−15℃以上であり、第1の樹脂Aはブタジエンと
メタアクリル酸エステル及び/または、アクリル酸エス
テルから主として選ばれた単量体から成る重合体、共重
合体またはこれらの組合せから成り、第2の樹脂Bはブ
タジエンとメタアクリル酸エステル及び/またはアクリ
ル酸エステルから主として選ばれた単量体から成る重合
体、共重合体またはこれらの組合せからなり、ブタジエ
ンの含有率が第1の樹脂Aよりも少ないことを要旨とす
る。
【0011】(第1の樹脂A)この樹脂の特性としては
主として紙層内部に浸透して、紙層内の繊維間を接着し
て引張強度や紙層割れ強度を強化するとともに粘着剤と
の接着性を高度に保持し、塗布マスキングテープとして
使用した場合にテープ剥離後の「糊取残り」を阻止する
ものである。特に、アクリル系粘着剤に対しても充分に
効果がある。
【0012】更に、塗布マスキングとして曲面や凹凸面
に使用される場合に要求される柔軟さを付与する特性が
好ましい。以上の特性を得るためにブタジエンとメタア
クリル酸エステル、及び/または、アクリル酸エステル
から主として選ばれた単量体からなる重合体、共重合
体、または、これとアクリル酸エステル共重合体の混合
物が適する。
【0013】ブタジエンと他の共重合性不飽和化合物の
共重合体は他の樹脂と比較して柔軟性が良い。これは、
含浸加工紙の強度増加効果を同レベルにした場合に加工
紙が柔軟で曲面に添いがよいことを意味する。他の共重
合性不飽和化合物としてメタアクリル酸エステル、また
は、アクリル酸エステルを用いると、近年使用が増加し
ているアクリル系粘着剤との親和性が良好でテープ剥離
後の糊残り現象の防止に適する。
【0014】ブタジエンと共重合性のよい不飽和化合物
としてメタアクリル酸メチルが使用される。共重合比に
は特に限定はないが重量比でブタジエンの比率が高いと
著しく柔軟になる。ブタジエンの比率が高くなりアクリ
ル系粘着剤との密着性が低下する場合には、ポリアクリ
ル酸エステル系の樹脂を混合することにより密着性が保
持できる。この種の樹脂は極めて柔軟なものから硬いも
のまで任意に選択できる。ただし、柔軟なものは加工紙
の強度が低くなる傾向があるので最終使用の目的に応じ
て選択する。
【0015】樹脂Aのブタジエン含有率は15%〜65
%が適当である。この率は原紙の構成やテープの使用目
的により選定されるが、特に好ましいのは25〜50%
である。この中でもブタジエン低率は通常薄くて強さの
乏しい原紙に適し、高率は厚く強い原紙に適する場合が
多い。
【0016】ブタジエンとメタアクリル酸エステル、あ
るいは、アクリル酸エステルを主体とする共重合体は製
造設備等の制約から一般の入手できる品種は限定される
ので、品種の制約の少ないアクリル酸エステル共重合体
をこれと混用することが適当な場合が多い。この共重合
体はアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2エチルヘキシル等にアクリル酸、メタアクリル酸、N
−メチロールアクリルアミド、アクリロニトリル等を目
的に応じて混合した共重合体である。
【0017】ブタジエンを含む共重合体と、アクリル酸
エステル共重合体との混合比率は、含浸紙の引張強度や
紙層割れ強度と柔軟性及びブロッキング傾向等を最もバ
ランス良く保つように設定される。ここではブタジエン
の含有率だけでは柔軟性に対する尺度となりえない、ア
クリル酸エステル共重合体を混合後のTG積算値が柔軟
性およびブロッキングに関する尺度となり得ることをみ
いだした。第1の樹脂Aにおける2次転移点温度積算値
TGASは、構成する各樹脂の2次転移温度TGAiと
その重量分率WAiとの積の総和として求める。第1の
樹脂Aを構成する樹脂A1,樹脂A2の2種の混合では TGAS=WA1×TGA1+WA2×TGA2 となる。
【0018】また、第2の樹脂Bを構成する樹脂B1,
樹脂B2の2種の混合では同様にTGBSが次の式によ
り求められる。 TGBS=WB1×TGB1+WB2×TGB2 となる。
【0019】なお、TGA1もTGA2も−15℃以
下、好ましくは−20℃以下がよい。また、一方の成分
が−45℃よりも更に低いことはTGASとしてはそれ
程低くないとしても避けるのが好ましい。
【0020】樹脂Aを構成する各樹脂は、通常は乳化重
合法で製造される水分散型樹脂を使用される。共重合体
のTGは1個が観測される場合と2個以上が観測される
場合がある。特に、ブタジエンやイソプレンのような重
合してエラストマーになるジエン型モノマーとアクリル
系やメタアクリル系モノマーを含む場合には、その傾向
が強い。また、ブタジエンのようなジエン型モノマーを
含む共重合体と、含まない共重合体を混合すると、一般
に2個以上のTGが観測される場合が多い。2個以上の
TGをそのまま使用すると樹脂混合系の比較が難しくT
Gの積算値を使用することによって比較が明確になる。
【0021】本発明の中で使用するTG積算値は個々の
樹脂のTGが複数個存在したり、重量分率が不明確等で
確定されない場合には示差走査熱量分析の図上積算によ
って求めてもよい。此の方法によればTGの値や重量分
率の数値の有無に係わらず示差走査熱量分析チャート上
の位置と面積からTG積算値を求めることができる。
【0022】(第2の樹脂B)既に樹脂Aが紙層内部に
付着しているので樹脂Bはその一方の面即ち、剥離剤層
が設けられる面に層を形成する。一般に剥離剤は付着量
が多くなると弊害を生じるので付着量を極めて少量にす
る。たとえば、付着量として0.10〜0.05g/m
2 。このような少量で均一に付着するためにはその下地
を平滑に保つ必要がある。しかしながら、平滑な樹脂層
を有する加工紙は巻き取って保管あるいは輸送すると巻
き重なった面が接着し、次の工程において巻きもどす際
に紙破れの原因になる。これは樹脂層のTGが低く柔軟
な程著しくなる。この巻き重なった面が接着する現象は
ブロッキングとよばれ、樹脂の選定において最も難しい
問題である。
【0023】柔軟さとブロッキング防止の双方を達成す
る樹脂Bとして、2次転移点温度積算値TGBSが−1
5℃よりも高く、更に、樹脂Aよりも好ましくは10℃
以上高いものがよいことを見出した。
【0024】しかしながら、ブロッキングの発生は温度
だけではなく、湿度の影響も大きい。乳化重合で製造さ
れた樹脂のブロッキング特性は乳化剤の種類によっても
大きく変化する。たとえば、ポリビニルアルコールを保
護コロイドとして乳化剤の代替使用するポリ酢酸ビニル
はTGが20℃と高いが本発明の樹脂Bとして適当とは
いえないブロッキング性を有する。
【0025】樹脂Bとしては、メタアクリル酸エステル
とアクリル酸エステルから選ばれたモノマーを主体とす
る重合体、共重合体およびこれらのモノマーとブタジエ
ンと主体とする共重合体、あるいはこれらの重合体およ
び共重合体の混合物である。これらは樹脂Aと共通した
モノマーから選ばれる。ただし、ブタジエン共重合体で
はブタジエンの比率を低くすることによって適合するも
のが得られる。混用するアクリル酸エステル共重合体は
アクリル酸ブチルやアクリル酸2エチルヘキシルの比率
を下げアクリル酸エチルやメタアクリル酸メチル等の比
率を高めることによって適合するものが得られる。
【0026】また、場合によってはブタジエン共重合体
の重量分率を下げること、あるいは、含有しないものも
使用する剥離剤との組合せによっては許容される。ブタ
ジエンは樹脂の成分の一種として含有されることにより
内部柔軟剤として作用し、柔軟効果が大きいわりにブロ
ッキングへの悪影響が少ない利点がある。従って、樹脂
Aおよび樹脂Bの双方にブタジエンを含有すると、強度
的に秀でて、柔軟でブロッキング傾向の少ない加工紙が
えられる。
【0027】この好ましい性質の得られる樹脂Bの2次
転移点温度積算値TGBSは−15℃〜+30℃であ
る。平滑な紙の平滑面に樹脂B層を設ける場合には付着
量を充分に少なく、たとえば、3〜5g/m2 とするこ
とができるのでTGBSは+10〜+30℃と高くする
ことができる。クレープ紙のように表面に凹凸の存在す
る紙では付着量を5〜10g/m2 とすることが好まし
いのでTGBSがより低い値の樹脂を選択する。樹脂B
ではブタジエン含有率は25%〜0%好ましくは15%
〜5%の範囲にある。
【0028】樹脂Bを構成する各共重合体は通常は乳化
重合の方法で製造されラテックスあるいはエマルジョン
として供給されるものを使用する。 (原紙)曲面に添いのよい粘着テープを得るためには長
手方向に伸びが大で一定伸長に対する応力が低い原紙が
望ましい。この条件を満たす原紙としては通常はクレー
プ紙が用いられる。クレープ紙には抄紙時に湿紙にクレ
ープ付けされたもの、ドライヤー上でクレープ付けされ
たもの、及び乾燥巻取後に、クレープ加工されたものが
あるが、どれでも良い。なかでも、最も好ましいのは湿
紙にクレープ付けされたものであり、また、乾燥後に与
湿されてクレープ加工されたものである。
【0029】これらのクレープ紙は通常は天然植物パル
プ繊維で構成されている。最も普通には木材パルプから
製造される。破断伸度8%以上、好ましくは12%〜2
5%である。坪量に20〜80g/m2 、好ましくは3
0〜60g/m2 の間で選択される。
【0030】本発明の実施例では木材パルプを原料と
し、坪量40〜45g/m2 、破断伸度20〜25%の
クレープ紙を使用した。 (含浸加工)樹脂Aを原紙の主として紙層内部に付着さ
せる含浸加工は公知の含浸加工装置を使用して実施され
る。適切な濃度に調整された樹脂Aおよび消泡剤等を含
む水性液を浸漬、あるいは、塗布によって原紙に付着さ
せ内部まで浸透させて、過剰分を脱液し、乾燥する。各
種装置並びに操作の概要は例えば「原崎勇次著、コーテ
ィング方式、槇書店 1979年10月30日 発行」
に記載されている。クレープ紙の含浸加工にあたっては
加工中の張力を低く保持し、管理することが柔軟で曲面
に添いの良い加工紙を得るために必要である。
【0031】(塗布加工)樹脂Bは通常は樹脂Aを含浸
加工後にその一方の面に層を形成するように塗布され
る。使用される塗布材は含浸材と同様に上記「コーティ
ング方式」に記載されている。
【0032】(加工紙の構成)木材パルプを使用したク
レープ紙を原紙とする場合、樹脂Aの付着量は原紙重量
の30〜50%、好ましくは30〜45%、樹脂Bの付
着量は原紙重量の10〜30%、好ましくは10〜25
%である。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば
柔軟で曲面に添いがよく密着する粘着テープが得られ、
基紙を巻取ロールで保管してもブロッキング欠点が発生
しない樹脂を備えた粘着テープ基材用樹脂加工紙が得ら
れるという優れた効果がある。
【0034】
【実施例】以下本発明の実施例を示す。実施例1、2、
3においては、各樹脂の混合比率を表1、2に記載の通
りとし、樹脂Aを原紙の紙層内部に付着させる含浸加工
を行った。その後、樹脂Bを原紙の一方の面に層を形成
するように塗布加工を行った。
【0035】比較例1、2、3においては、各樹脂の混
合比率を表2、3に記載の通りとし、実施例1、2、3
と同様に含浸加工、塗布加工を行った。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】表1、2に示すように、実施例1、2、3
の樹脂Aはブタジエン共重合体とアクリル酸エステル共
重合体を含む。また、樹脂Bはブタジエン共重合体を含
む。樹脂Bの2次転移点温度積算値はそれぞれ9℃、−
9℃、−8℃とすべて−15℃以上である。更に、樹脂
Aの2次転移点温度積算値よりも樹脂Bの2次転移点温
度積算値はすべて少なくとも18℃以上高いものとなっ
ている。これらの実施例ではブロッキング判定の結果も
実用化可能の範囲となった。
【0040】一方、樹脂BのTGBSが−15℃より高
いとブロッキングが避けられるが、−15℃より低いと
避けられない。比較例1の2次転移点温度積算値は−2
7℃で、ブロッキング判定の結果は実用化不能となっ
た。
【0041】また、硬さ60〜70g/m2 の樹脂加工
紙を基材とした粘着テープでは基材の見かけ初期弾性
率”E”が130Kg/15mmを越えると曲面への添
いが不充分になる。すなわち、テープが曲面に添う際に
は曲面との非接触面が伸び易いものがテープ事態が曲面
を形成しやすいので、伸び易い基材の使用が曲面への添
いに好ましい結果を与える。比較例2は樹脂AのTGA
Sが−15℃よりも高いので、伸び応力が高く、見かけ
初期弾性率”E”が200Kg/15mmを越え,また
剛軟度も大で曲面を形成し難い。
【0042】酢酸ビニル樹脂使用の比較例3では最大の
問題点として、40℃を越えた場合の加工紙のブロッキ
ング特性の悪いことがあげられる。ブロッキング特性が
悪いと紙の加工中の作業性に悪い影響を及ぼし、最悪の
場合は紙の破断を生じて作業が停止する。また、紙の柔
軟性の指標である剛軟度の値が他の例よりも高い。これ
は酢ビ樹脂を使用すると加工紙が硬くなることを示し、
本用途に要求されている曲面への添いが良いことという
特性に対しては不利な結果となる。
【0043】なお、本実施例では見かけ初期弾性率”
E”の測定法とブロッキング判定法は次の通りとした。 (1)見かけ初期弾性率”E” 見かけ初期弾性率”E”の測定は、室温20±2℃相対
湿度65±2%の恒温恒湿室に12時間以上放置した試
料について、幅15mm、長さ25cm以上の試験片を
切り取る。記録計を併設した引張試験機(東洋精機ST
ROGRAPHR)にて、チャック間隔100mmとし
て強伸度曲線を求める。得られた強伸度曲線の0〜3%
伸び領域における勾配を読み取り、100%伸び時の張
力に換算する。この換算値を見かけ初期弾性率”E”と
しE値と表記する。測定はn=2で行い、その平均値を
試料のE値とする。実施例の仕様の原紙を用いた時の加
工紙のE値の目標値は80〜130Kg/15mmにな
る。 (2)ブロッキング判定法 紙を幅50mm×長さ100mmに切り取り試料にす
る。その2枚を表面と裏面が接するように重ねて、同一
寸法のガラス板の間にテフロンシートを介してはさみ、
恒温度恒湿槽中に水平に置き、底面の平滑な1Kgの重
りを一個のせて温度40℃、又は、60℃、湿度90%
RHにて24時間放置する。
【0044】放置後に試料を取り出し、放冷して後に一
端を剥がして3.3gの荷重をはさみ、他端を持ち上げ
てはがれ落ちるか否かを判定する。はがれなければ荷重
を追加する。
【0045】 荷重 判定 3.3g以下(持ち上げずにはがれる) ◎ 3.3g ○ 6.6g △ 9.9g ×
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−190092(JP,A) 特開 昭61−47900(JP,A) 特開 平3−252486(JP,A) 特開 平5−140207(JP,A) 特公 昭36−15781(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 7/00 - 7/04 D21H 27/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙層内部に主として存在する第1の樹脂
    (A)と、紙層の一方の面に主として層を形成して存在
    する第2の樹脂(B)とを有する粘着テープ基材用樹脂
    加工紙において、第1の樹脂(A)はその2次転移点温度積算値が−15
    ℃以下であり、 第2の樹脂(B)はその2次転移点温度積算値が第1の
    樹脂(A)の2次転移点温度積算値よりも高く、かつ、
    その2次転移点温度積算値が−15℃以上であり、 粘着テープ基材用樹脂加工紙の見かけ初期弾性率Eが8
    0〜130Kg/15mmであ ることを特徴とする粘着
    テープ基材用樹脂加工紙。
  2. 【請求項2】第1の樹脂(A)がブタジエン含有共重合
    体を含有してなる請求項1の粘着テープ基材用樹脂加工
    紙。
  3. 【請求項3】 紙層内部に主として存在する第1の樹脂
    (A)と、紙層の一方の面に主として層を形成して存在
    する第2の樹脂(B)とを有する粘着テープ基材用樹脂
    加工紙において、 第1の樹脂(A)はその2次転移点温度積算値が−15
    ℃以下であり、 第2の樹脂(B)はその2次転移点温度積算値が第1の
    樹脂(A)の2次転移点温度積算値よりも高く、かつ、
    その2次転移点温度積算値が−15℃以上であり、 第1の樹脂(A)及び第2の樹脂(B)がブタジエン含
    有共重合体を含有してなる粘着テープ基材用樹脂加工
    紙。
  4. 【請求項4】 紙層内部に主として存在する第1の樹脂
    (A)と、紙層の一方の面に主として層を形成して存在
    する第2の樹脂(B)とを有する粘着テープ基材用樹脂
    加工紙において、 第1の樹脂(A)はその2次転移点温度積算値が−15
    ℃以下であり、 第2の樹脂(B)はその2次転移点温度積算値が第1の
    樹脂(A)の2次転移点温度積算値よりも高く、かつ、
    その2次転移点温度積算値が−15℃以上であり、 第1の樹脂(A)はブタジエンとメタアクリル酸エステ
    ル及び/または、アクリル酸エステルから主として選ば
    れた単量体から成る重合体、共重合体またはこれらの組
    合せから成り、第2の樹脂(B)はブタジエンとメタア
    クリル酸エステル及び/またはアクリル酸エステルから
    主として選ばれた単量体から成る重合体、共重合体また
    はこれらの組合せからなり、ブタジエンの含有率が第1
    の樹脂(A)よりも少ない粘着テープ基材用樹脂加工
    紙。
JP15564393A 1993-06-25 1993-06-25 粘着テープ基材用樹脂加工紙 Expired - Lifetime JP3486431B2 (ja)

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