JPH08174773A - 積層タイルカーペット用感圧性接着剤及びこの感圧性接着剤を塗設したタイルカーペット - Google Patents

積層タイルカーペット用感圧性接着剤及びこの感圧性接着剤を塗設したタイルカーペット

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JPH08174773A
JPH08174773A JP33611594A JP33611594A JPH08174773A JP H08174773 A JPH08174773 A JP H08174773A JP 33611594 A JP33611594 A JP 33611594A JP 33611594 A JP33611594 A JP 33611594A JP H08174773 A JPH08174773 A JP H08174773A
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pressure
sensitive adhesive
tile carpet
adhesive
tile
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JP33611594A
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English (en)
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Michio Satsuma
道夫 薩摩
Michio Kawanishi
道朗 川西
Takamasa Nishimura
喬昌 西村
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 二枚の粘着剤付きタイルカーペットを互いの
粘着剤面同士で貼り合わせて仮着させておいても相互の
粘着剤層にブロッキング等が生じることなく、且つ使用
時にはこれら二枚のタイルカーペットを容易に分離させ
ることができる接着剤を提供し簡便に製造することがで
きるタイルカーペットを提供せんとする。 【構成】 感圧性接着剤であって、生成ポリマーのガラ
ス転移点温度が−40℃以下、テトラヒドロフランに対
する架橋分率が85%以上、膨潤度が15倍以上である
事を特徴とする積層タイルカーペット用感圧性接着剤に
関し、更にこの感圧性接着剤を基材の片面に塗布、乾燥
して得た感圧性接着剤を塗設したタイルカーペットに関
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層タイルカーペット用
感圧性接着剤及びこの感圧性接着剤を塗設したタイルカ
ーペットに係り、より詳しくは二枚の接着剤付きタイル
カーペットを互いの接着剤面同士で貼り合わせて仮着さ
せておいても相互の接着剤層にブロッキング等が生じる
ことなく、且つ使用時にはこれら二枚のタイルカーペッ
トを容易に分離させることができる再分離力や再接着力
を特定の値とした積層タイルカーペット用として望まし
い感圧性接着剤及びこの感圧性接着剤を塗設したタイル
カーペットに関するものである。
【0002】尚、この明細書中、架橋分率及び膨潤度と
はテトラヒドロフラン(以下、THFと略す)を溶媒と
して用いて、次の測定法によって得られる値を指す。す
なわち、感圧性接着剤組成物をガラス板状に塗工し(ウ
ェット膜厚100μm)、乾燥後、塗工した組成物をナ
イフで掻き取って0.2μmの孔径のテフロン膜で包
み、THF溶媒中に20℃で2週間浸漬して生じた不溶
解分重量から、次式(数1)に基づいて算出して得られ
る値をいう。
【0003】
【数1】 A:THF中に浸漬させた乾燥接着剤組成物の重量 B:THF不溶解分の重量(乾燥重量)
【0004】
【数2】 C:THF中に浸漬後の膨潤状態での不溶解分重量
【0005】
【従来の技術】一般に、感圧性接着剤は、溶剤型等の接
着剤と較べると水や溶剤等を必要とせずに、軽い指圧の
ような極めて弱い圧力で所定の被着体面へ接着すること
ができ、また剥す際にも被着体面を汚すことがないなど
優れた利点を有している。従って、構造用又は輸送用等
の幅広い分野において使用されている。中でも、住居の
カーペット、タイルカーペット、クロスメンバー等の固
定に際しては、感圧性接着剤の使用の手軽さ、簡便さ等
から一般の消費者による需要が増加してきている。
【0006】古くは、住居でのカーペット類を固定する
際には、図2示の如き接着剤付きタイルカーペット
(a)が使用されていた。このタイルカーペット(a)
は、カーペット基材(b)の片面に感圧性接着剤層
(b)を設けてなる二枚のタイルカーペット(a−1)
を、それぞれ剥離紙(d)を介して仮着させてなるもの
で、使用の際にはそれぞれのタイルカーペット(a−
1)を剥離紙(d)から分離させて被着面へ固定させる
ものであった。図2示の如き、接着剤付きタイルカーペ
ット(a)は、使用の度に剥離紙(d)が紙屑として残
ってしまい、近年、地球的規模で環境保全、省資源化が
問題視されてきている時代状況に即応することができな
いという問題が存在した。
【0007】そこで、近年図3に示す環境保全問題に貢
献できる粘着シートとして、「ダブル粘着シート」(特
開平5−64858号)が開示されている。この開示技
術は、図3示の如く、シート(s)の裏面に接着剤被覆
部分(n)と離型剤被覆部分(r)とを市松模様状に有
する2枚の粘着シートを、互いに接着剤被覆部分(n)
同士が重なり合わないように貼り合わせて仮着、積層し
たダブル粘着シートである。
【0008】この既開示技術の「ダブル粘着シート」
は、粘着シート(s)の使用時に、剥離紙による紙屑が
生じず、環境保全や省資源化という時代要請に即応する
ことのできる優れた技術である。
【0009】しかしながら、反面、製造時に粘着シート
の接着剤被覆部分(n)同士が重なり合わないように位
置決めする作業が煩雑で、しかも接着剤層をシートの片
面に塗布する際には、精密な塗布精度が要求されるな
ど、粘着シートの製造にかなりの手間がかかるという課
題が存在した。さらに、この既開示技術では、接着剤被
覆部分(n)がシート(s)の片面に部分的に設けられ
る構成とされているため、被着体への固定に必要な接着
剤被覆部分(n)の面積が、被着体面積よりもかなり小
さくなり、被着体例えば床、に対する接着性が劣るとい
う課題が存在した。
【0010】しかも、このように部分的にしか接着剤被
覆部分(n)が設けられていないため、粘着シート
(s)の端部では接着力が極めて弱くなり、被着体への
固定後に、粘着シート(s)が端部から浮き上がる等の
現象が生じる、或いはシート(s)によっては、貼付け
後に接着剤が設けられている部分と、接着剤が設けられ
ていない部分とに段差が生じてしまい、張り付け固定後
のシート(s)表面の美観を損ねてしまうという課題も
存在した。
【0011】そこで、業界ではこのような実情に鑑み、
二枚の接着剤付きタイルカーペットを互いの接着剤面同
士で貼り合わせて仮着させておいても相互の接着剤層に
ブロッキング等が生じることなく、且つ使用時にはこれ
ら二枚のタイルカーペットを容易に分離させることがで
きる特定の再接着力値と再分離力値を同時に持つ接着剤
が開発されれば、市松模様等の精密な位置決めや塗布精
度等が必要とされず、簡便に製造することができる製造
性、使用性、環境保全性等に優れた接着剤付きタイルカ
ーペットの創出が望まれていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明は、感圧性接着剤であって、生成ポリマーのガラス転
移点温度が−40℃以下、テトラヒドロフランに対する
架橋分率が85%以上、膨潤度が15倍以上であること
を特徴とする積層タイルカーペット用感圧性接着剤に関
し、請求項2に記載された発明は、請求項1記載の感圧
性接着剤を基材の片面に塗布、乾燥して得た感圧性接着
剤を塗設したタイルカーペットを提供することにより、
前記従来の課題を悉く解消する。
【0013】
【作用】この様な構成とすることにより、感圧性接着剤
層同士を互いに貼り合わせて仮着させておいても、相互
の接着剤層にブロッキング等が発生することがなく、且
つ被着面への固定の際には二枚のタイルカーペットを容
易に分離させることができる積層タイルカーペット用感
圧性接着剤となる効果を奏し、この感圧性接着剤を用い
たタイルカーペットは簡便に製造することができ、しか
も感圧性接着剤層同士を互いに貼り合わせて仮着させて
おいても、相互の接着剤層にブロッキング等が発生がす
ることがなく、且つ被着面への固定の際には二枚のタイ
ルカーペットを容易に分離させることができ、使用時に
は剥離紙等の紙屑が生じず、環境保全や省資源問題に貢
献することができる効果を奏する。
【0014】
【発明の構成】以下、この発明の一実施例に係るタイル
カーペット用感圧性接着剤及びこの感圧性接着剤を塗設
したタイルカーペットを詳述する。この発明に係る感圧
性接着剤は、生成ポリマーのガラス転移点温度が−40
℃以下、テトラヒドロフランに対する架橋分率が85%
以上、膨潤度が15倍以上で、好ましくはこれらの特性
に加え、引張り変形時の初期弾性率が20g/mm2
下で伸びが7倍以上の感圧性接着剤を好適に使用する。
【0015】尚、初期弾性率及び伸び率とは、次の測定
法によって得られる値を指す。すなわち、水分散型感圧
性接着剤組成物を剥離性基材上に乾燥後の接着剤層厚さ
が50μmとなる様に塗工、乾燥する。この塗膜の2c
m幅を切取り、こより状に成型し断面積1mm2 のひも
状試料を作り、引っ張り試験機にチャック間距離が1c
mとなる様にして、23℃下で300mm/分の速度で
引っ張り変形させ、2倍に伸びた変形時の応力Pg及び
破断時の伸び倍率Q倍を求める。初期弾性率とは次の式
による値とする。 初期弾性率(g/mm2 )=P(g/mm2
【0016】この発明において使用する感圧性接着剤の
生成ポリマーのガラス転移点温度が−40℃以下と限定
する理由は、−40℃以上では再分離力値が大きくなり
作業性が悪くまた再接着性も小さくなり易く好ましくな
いからであるからである。この発明において使用する感
圧性接着剤を、その加熱乾燥後のテトラヒドロフランに
対する架橋分率を85重量%以上、カルボキシル基モル
含量が2モル%以下としたのは、架橋分率が85重量%
未満であったりカルボキシル基含量が2モル%以上であ
ると、基材へ塗布し、その乾燥直後に二枚のタイルカー
ペットの接着剤層面同士を貼り合わせると、これら二枚
のタイルカーペットが一体化してしまい、被着体への固
定時、それらを分離することができなくなるため好まし
くないからである。
【0017】その理由は、感圧性接着剤の架橋分率を8
5重量%以上かつカルボキシル基含量が2モル%以下と
することによって、塗布、乾燥直後に2枚の接着剤層同
士を貼り合わせても、互いが一体化したり、片方の接着
剤が他方に移ってしまうことがなく仮着され、しかも床
下地等被着面への施工時にはこれら二枚のタイルカーペ
ットがそれぞれ容易に分離できるという、この発明者ら
の鋭意研究による実験的知得に基づくものである。
【0018】この発明において使用する感圧性接着剤と
して、上記特性に加えて接着剤層の膨潤度を15倍以上
と限定するのは、接着剤層の膨潤度が15倍未満の場合
には、被着体からの引き剥がしに対する抵抗力が弱いの
で好ましくないからである。
【0019】この発明において使用する感圧性接着剤は
上記記載の特性を備えたものであれば全て好適に使用で
きるが、この発明においては、上記記載の特性に加え、
引っ張り変形時の初期弾性率が20g/mm2 以下で伸
びが7倍以上の特性を持つ感圧性接着剤とするのが望ま
しい。その理由は引っ張り変形時の初期弾性率が20g
/mm2 以下で伸びが7倍以上の特性を持つ感圧性接着
剤とすることにより、二枚のタイルカーペットを再分離
した後、被着体への接着性が好適に得られる。且つ引っ
張り変形時の初期弾性率が20g/mm2 を超え伸びが
7倍未満の場合には、被着体への接着性に劣り、しかも
ズリや浮き剥がし等の外力に対して抵抗力が弱く接着性
に劣り、再接着時に好ましくないからである。この発明
においてこの様な特性を有する感圧性接着剤は、水分散
型で加熱乾燥後の架橋分率が85重量分以上のアクリル
系架橋型水分散接着剤組成物より好適に調製される。
【0020】アクリル系架橋型水分散接着剤組成物とし
ては、例えばアクリル酸エチル、アクリル酸メチル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル系ノニル、アクリル酸ラウリル等のアクリル酸エス
テル系の1種又は混合系を主成分とし更に酢酸ビニル、
アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸グリシジルの如きグリシジル基含有(メタ)
アクリルモノマーや、Nビニルピロリドン、イソプロピ
ルマレイミド、N.N.ジメチルアクリルアミド等のN
含有モノマーを20重量%以下含んでも良く、またアク
リル酸ヒドロキシエチル、アクリルヒドロキシプロピル
等のヒドロキシル基含有モノマーを0〜10重量%以下
含有させてもよい。この発明で使用するアクリル系架橋
型水分散接着剤組成物には、カルボキシル基含有の共重
合性のモノマーを2モル%以下含有させても良く、この
カルボキシル基含有の共重合性のモノマーとしては、ア
クリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸系が例示でき
る。
【0021】この水分散接着剤には、所望により、架橋
度調節用の多官能モノマーとして、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレ
ート、ネオペンチルジアクリレート等を使用することが
できる。この架橋度調節用の多官能モノマーの配合量と
しては、水分散接着剤の架橋分率及び、膨潤度、伸び倍
率を満たすには、この多官能モノマーの官能基濃度にも
よるが0.001〜1重量部(対モノマー100重量
部)が適当である。これらの重合体からなる架橋型の接
着剤組成物であって、その加熱乾燥後の架橋分率が85
重量%以上である接着剤組成物が、いずれのものであっ
ても限定されることなく好適に使用できる。
【0022】更に、粘度調節としてノニオン系、カチオ
ン系のいずれか或いは両者の併用や、共重合性等の各種
乳化剤や安定剤としてポリビニルアルコール等を、また
消泡剤としてアルコール類等を、また粘着力や接着剤特
性の調節の為にコロイドシリカ系の無機充填剤やガラス
ビーズ等を、他に安定剤、顔料や塗料、酸化防止剤、防
錆剤等を加える事もできる。
【0023】この発明において、感圧性接着剤層を特に
水分散接着剤としたのは、タイルカーペットに塗設して
使用する際には、タイルカーペットの基材には通常裏打
ち材としてポリ塩化ビニル等の合成樹脂が被覆されてい
ることが多いが、水分散接着剤ではこのような合成樹脂
層に直接塗布しても基材を侵す恐れがなく、タイルカー
ペット片面に塗工する接着剤層として好ましい。図1は
この発明の一実施例に係る感圧性接着剤を使用し、この
感圧性接着剤を塗設したタイルカーペット(1)の断面
説明図である。図中(2)は基材、(3)は感圧性接着
剤層である。図示する如く、基材(2)の片面に感圧性
接着剤層(3)が設けられてなるタイルカーペット
(1)が二枚感圧性接着剤層(3)を相互に仮着して、
積層されて積層タイルカーペット(10)とされてい
る。
【0024】この発明において基材(3)としては、通
常のタイルカーペットにおいて使用される、天然繊維、
合成繊維またはこれらの混紡繊維がいずれのものでも特
に限定されることなく好適に使用できる。基材(3)
は、これら繊維に裏打ち材として、塩化ビニル樹脂等の
合成樹脂が被覆されていてもよく、特に限定はされな
い。基材(3)の形状、大きさ、厚みについて特に限定
はされず、いずれの形状のものであってもよい。唯、基
材(3)の厚みは、具体的には1〜10mm程度の範囲
の厚みとすることが、使用性等の点から好ましい。
【0025】感圧性接着剤層(2)は、基材(3)の片
面の全面或いは適宜任意に設定された基材(3)の片面
の一部分に前記感圧性接着剤が塗工されて形成される。
この接着剤の基材(3)への塗工方法は、特に限定はさ
れず、例えばフレキソ印刷、グラビア印刷、シルクスク
リーン印刷等公知の塗設方法が特に限定されることなく
好適に使用できる。また、感圧性接着剤層(2)の塗設
厚としては、特に限定はされないが、0.02〜0.2
mm程度の範囲とすることが、接着性の面から好まし
い。
【0026】以上のように構成されるこの発明の積層タ
イルカーペット(10)においては、基材(3)の片面
に接着剤組成物を塗設、乾燥して感圧性接着剤層(2)
を形成させた二枚のタイルカーペット(1)を、それぞ
れ感圧性接着剤層(2)同士貼り合わせて仮着させる。
この際、感圧性接着剤層(2)を形成する接着剤組成物
は、前記の如く共に85重量%以上という高い架橋分率
を有するため、一方の感圧性接着剤層(2)が他方へ移
ったり、或いは二枚のタイルカーペット(10)の感圧
性接着剤層(2)が一体化してしまったり、ブロッキン
グを起こしたりすることがない。しかも被着面への固定
時には、これら貼り合わされた二枚のタイルカーペット
(1)を容易に分離することができ、特に積層タイルカ
ーペット(10)を角部より分離すると、僅かな荷重で
分離することができる。さらに、基材(3)の片面に設
ける感圧性接着剤層(2)は、被着面上に固定させるに
充分な接着力を有するだけの感圧性接着剤層(2)を適
宜任意に設定して設けることができる。
【0027】
【実施例】以下、この発明に係るタイルカーペットを実
施例により詳細に説明する。但し、この発明は以下の実
施例により何ら限定されるものではない。 (実施例1〜3及び比較例1〜4)モノマー組成がアク
リル酸ブチル66重量部、アクリル酸メチル10重量
部、アクリル酸0.5部、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル20重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル4重量
部、エチレングリコールジアクリレールからなるコポリ
マーの50重量%エマルジョン組成物(共重合性ノニオ
ン系乳化剤3重量部)を水分散接着剤とし、これを表面
がナイロンのタフテットよりなるタイルカーペット基材
(厚み3mm)の裏面全体に、フレキソ印刷して乾燥さ
せ、塗工厚80μmの感圧性接着剤層が設けられたタイ
ルカーペットを作製した。同様に作製された二枚のタイ
ルカーペットをそれぞれ感圧性接着剤層同士を貼り合わ
せて圧着し、実施例1の積層タイルカーペットとした。
(表1)に示す実施例1〜3及び(表2)に示す比較例
1〜3組成の感圧性接着剤を上記の実施例1と同様にし
て調製し、これらの感圧性接着剤を表面がナイロンのタ
フテットよりなるタイルカーペット基材(厚み3mm)
の裏面全体に、フレキソ印刷して乾燥させ、塗工厚80
μmの感圧性接着剤層が設けられたタイルカーペットを
それぞれ作製した。
【0028】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1記載の発明
は感圧性接着剤であって、生成ポリマーのガラス転移点
温度が−40℃以下、テトラヒドロフランに対する架橋
分率が85%以上、膨潤度が15倍以上で(更に望まし
くは引張り変形時の初期弾性率が20g/mm2 以下で
伸びが7倍以上であり、共重合性モノマーによるカルボ
キシル基含量が2モル%以下であ)ことを特徴とする積
層タイルカーペット用水分散型感圧性接着剤であって、
請求項2記載の発明は請求項1記載の感圧性接着剤を基
材の片面に塗布、乾燥して得た感圧性接着剤を塗設した
タイルカーペットであるから簡便に製造することができ
るとともに、接着剤層同士を貼り合わせて仮着しておい
ても、相互の接着剤層にブロッキング等が生じず、しか
も使用時にはこれら二枚のタイルカーペットが容易に分
離できるとともに被接着面への再接着性に優れ、剥離紙
等の紙屑が生じず、環境保全、省資源化に貢献すること
ができるなど、製造性、使用性、環境保全性等に優れた
積層タイルカーペットであるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る感圧性接着剤を塗設
けたタイルカーペットの断面説明図である。
【図2】従来の積層タイルカーペットの一例を示す断面
説明図である。
【図3】従来の積層タイルカーペットの他の例を示す断
面説明図である。
【符号の説明】
10 積層タイルカーペット 1
タイルカーペット 2 基材 3
感圧性接着剤層
【表1】
【表2】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【実施例】以下、この発明に係るタイルカーペットを実
施例により詳細に説明する。但し、この発明は以下の実
施例により何ら限定されるものではない。 (実施例1〜3及び比較例1〜4)モノマー組成がアク
リル酸ブチル66重量部、アクリル酸メチル10重量
部、アクリル酸0.5部、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル20重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル4重量
部、エチレングリコールジアクリレールからなるコポリ
マーの50重量%エマルジョン組成物(共重合性ノニオ
ン系乳化剤3重量部)を水分散接着剤とし、これを表面
がナイロンのタフテットよりなるタイルカーペット基材
(厚み3mm)の裏面全体に、フレキソ印刷して乾燥さ
せ、塗工厚80μmの感圧性接着剤層が設けられたタイ
ルカーペットを作製した。同様に作製された二枚のタイ
ルカーペットをそれぞれ感圧性接着剤層同士を貼り合わ
せて圧着し、実施例1の積層タイルカーペットとした。
(表1)に示す実施例1〜3及び(表2)に示す比較例
1〜3組成の感圧性接着剤を上記の実施例1と同様にし
て調製し、これらの感圧性接着剤を表面がナイロンのタ
フテットよりなるタイルカーペット基材(厚み3mm)
の裏面全体に、フレキソ印刷して乾燥させ、塗工厚80
μmの感圧性接着剤層が設けられたタイルカーペットを
それぞれ作製した。
【表1】
【表2】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 積層タイルカーペット用感圧
性接着剤及びこの感圧性接着剤を塗設したタイルカーペ
ット
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層タイルカーペット用
感圧性接着剤及びこの感圧性接着剤を塗設したタイルカ
ーペットに係り、より詳しくは2枚の感圧性接着剤付き
タイルカーペットを互いの感圧性接着剤層同士で貼り合
わせて仮着させておいても相互の感圧性接着剤層にブロ
ッキング等が生じることなく、且つ使用時にはこれら2
枚のタイルカーペットを容易に分離させることができる
再分離力や再接着力を特定の値とした積層タイルカーペ
ット用として望ましい感圧性接着剤及びこの感圧性接着
剤を塗設したタイルカーペットに関するものである。
【0002】尚、この明細書中、架橋分率及び膨潤度と
はテトラヒドロフラン(以下、THFと略す)を溶媒と
して用いて、次の測定法によって得られる値を指す。す
なわち、感圧性接着剤組成物をガラス板状に塗工し(ウ
ェット膜厚0.1mm)、乾燥後、塗工した組成物をナ
イフで掻き取った乾燥接着剤組成物の重量(A)と、前
記乾燥接着剤組成物を0.0002mmの孔径のテフロ
ン膜で包み、THF溶媒中に20℃で2週間浸漬して生
じた不溶解分の膨潤状態での重量(C)、及び乾燥重量
(B)から、次式(数1及び数2)に基づいて算出して
得られる値をいう。
【0003】(数1) A:THF中に浸漬させた乾燥接着剤組成物の重量 B:THF不溶解分の重量(乾燥重量)
【0004】(数2) C:THF中に浸漬後の膨潤状態での不溶解分重量
【0005】
【従来の技術】一般に、感圧性接着剤は、溶剤型等の接
着剤と較べると水や溶剤等を必要とせずに、軽い指圧の
ような極めて弱い圧力で所定の被着体面へ接着すること
ができ、また剥す際にも被着体面を汚すことがないなど
優れた利点を有している。従って、構造用又は輸送用等
の幅広い分野において使用されている。中でも、住居の
カーペット、タイルカーペット、クロスメンバー等の固
定に際しては、感圧性接着剤の使用の手軽さ、簡便さ等
から一般の消費者による需要が増加してきている。
【0006】古くは、住居でのカーペット類を固定する
際には、図2示の如き感圧性接着剤付きタイルカーペッ
ト(a)が使用されていた。このタイルカーペット
(a)は、カーペット基材(b)の片面に感圧性接着剤
層(c)を設けてなる2枚のタイルカーペット(a−
1)及び(a−2)を、それぞれ剥離紙(d)を介して
仮着させてなるもので、使用の際にはそれぞれのタイル
カーペット(a−1)及び(a−2)を剥離紙(d)か
ら分離させて被着面へ固定させるものであった。しか
し、図2示の如き感圧性接着剤付きタイルカーペット
(a)は、使用の度に剥離紙(d)が紙屑として残って
しまい、近年、地球的規模で環境保全、省資源化が問題
視されてきている時代状況に即応することができないと
いう問題が存在した。
【0007】そこで、近年図3に示す環境保全問題に貢
献できる粘着シートとして、「ダブル粘着シート」(特
開平5−64858号)が開示されている。この開示技
術は、図3示の如く、シート(s)の裏面に粘着剤被覆
部分(n)と離型剤被覆部分(r)とを市松模様状に有
する2枚の粘着シートを、互いに粘着剤被覆部分(n)
同士が重なり合わないように貼り合わせて仮着、積層し
たダブル粘着シートである。
【0008】この既開示技術の「ダブル粘着シート」
は、粘着シート(s)の使用時に、剥離紙による紙屑が
生じず、環境保全や省資源化という時代要請に即応する
ことのできる優れた技術である。
【0009】しかしながら、反面、製造時に粘着シート
の粘着剤被覆部分(n)同士が重なり合わないように位
置決めする作業が煩雑で、しかも粘着剤をシートの片面
に塗布する際には、精密な塗布精度が要求されるなど、
粘着シートの製造にかなりの手間がかかるという課題が
存在した。さらに、この既開示技術では、粘着剤被覆部
分(n)がシート(s)の片面に部分的に設けられる構
成とされているため、被着体への固定に必要な粘着剤被
覆部分(n)の面積が、被着体面積よりもかなり小さく
なり、被着体例えば床、に対する接着固定性が劣るとい
う課題が存在した。
【0010】しかも、このように部分的にしか粘着剤被
覆部分(n)が設けられていないため、粘着シート
(s)の端部では接着力が極めて弱くなり、被着体への
固定後に、粘着シート(s)が端部から浮き上がる等の
現象が生じる、或いはシート(s)によっては、貼付け
後に粘着剤が設けられている部分と、粘着剤が設けられ
ていない部分とに段差が生じてしまい、張り付け固定後
のシート(s)表面の美観を損ねてしまうという課題も
存在した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、業界ではこの
ような実情に鑑み、2枚の感圧性接着剤付きタイルカー
ペットを互いの感圧性接着剤層同士で貼り合わせて仮着
させておいても相互の感圧性接着剤層にブロッキング等
が生じることなく、且つ使用時にはこれら2枚のタイル
カーペットを容易に分離させることができる特定の再接
着力値と再分離力値を同時に持つ感圧性接着剤の創出、
更に市松模様等の精密な位置決めや塗布精度等が必要と
されず、簡便に製造することができる製造性、使用性、
環境保全性等に優れた感圧性接着剤付きタイルカーペッ
トの創出が望まれていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明は、感圧性接着剤であって、生成ポリマーのガラス転
移点温度が−40℃以下、テトラヒドロフランに対する
架橋分率が85%以上、膨潤度が15倍以上であること
を特徴とする積層タイルカーペット用感圧性接着剤であ
り、請求項2に記載された発明は、請求項1記載の感圧
性接着剤を基材の片面に塗布、乾燥して得た感圧性接着
剤を塗設したタイルカーペットである。
【0013】
【作用】請求項1に記載の積層タイルカーペット用感圧
性接着剤は、この感圧性接着剤を基材に塗布してタイル
カーペットとした際、感圧性接着剤層同士を互いに貼り
合わせて仮着させておいても、相互の感圧性接着剤層に
ブロッキング等が発生することがなく、且つ被着面への
固定の際には2枚のタイルカーペットを容易に分離させ
ることができる積層タイルカーペット用感圧性接着剤と
なる作用を有する。請求項2に記載の感圧性接着剤を用
いたタイルカーペットは簡便に製造することができ、し
かも感圧性接着剤層同士を互いに貼り合わせて仮着させ
ておいても、相互の感圧性接着剤層にブロッキング等が
発生することがなく、且つ被着面への固定の際には2枚
のタイルカーペットを容易に分離させることができ、使
用時には剥離紙等の紙屑が生じず、環境保全や省資源問
題に貢献することができる作用を有する。
【0014】
【発明の構成】以下、この発明の一実施例に係るタイル
カーペット用感圧性接着剤及びこの感圧性接着剤を塗設
したタイルカーペットを詳述する。まず、タイルカーペ
ット用感圧性接着剤について説明する。この発明に係る
感圧性接着剤としては、生成ポリマーのガラス転移点温
度が−40℃以下、テトラヒドロフランに対する架橋分
率が85%以上、膨潤度が15倍以上で、好ましくはこ
れらの特性に加え、引張り変形時の初期弾性率が20g
/mm2 以下、伸びが7倍以上、または共重合モノマー
によるカルボキシル基含量が2モル%以下である感圧性
接着剤が好適に使用される。
【0015】尚、初期弾性率及び伸び率とは、次の測定
法によって得られる値を指す。すなわち、水分散型感圧
性接着剤組成物を剥離性基材上に乾燥後の接着剤層厚さ
が0.05mmとなる様に塗工、乾燥する。この塗膜の
2cm幅を切取り、こより状に成型し断面積1mm2
ひも状試料を作り、引っ張り試験機にチャック間距離が
1cmとなる様にして、23℃下で300mm/分の速
度で引っ張り変形させ、2倍に伸びた変形時の応力Pg
及び破断時の伸び倍率Q倍を求める。初期弾性率とは次
の式による値とする。 初期弾性率(g/mm2 )=P(g/mm2
【0016】この発明において使用する感圧性接着剤の
生成ポリマーのガラス転移点温度を−40℃以下と限定
する理由は−40℃を超えると再分離力値が大きくな
り、作業性が悪くまた再接着性も小さくなり易く好まし
くないからである。
【0017】この発明において使用する感圧性接着剤
は、その加熱乾燥後のテトラヒドロフランに対する架橋
分率を85重量%以上とされる。この限定は、感圧性接
着剤の架橋分率を85重量%以上とすることによって、
塗布、乾燥直後に2枚の感圧性接着剤付きタイルカーペ
ットを互いの感圧性接着剤層同士で貼り合わせても、互
いが一体化したり、片方の感圧性接着剤が他方に移って
しまうことがなく仮着され、しかも床下地等被着面への
施工時にはこれら2枚のタイルカーペットがそれぞれ容
易に分離できるという、この発明者らの鋭意研究による
実験的知得に基づくものである。即ち、架橋分率が85
重量%未満であると、基材へ塗布し、その乾燥直後に2
枚のタイルカーペットの感圧性接着剤層同士を貼り合わ
せると、これら2枚のタイルカーペットが一体化してし
まい、被着体への固定時、それらを分離することができ
なくなるため好ましくない。
【0018】この発明において使用する感圧性接着剤と
して、上記特性に加えて接着剤の膨潤度を15倍以上と
限定するのは、接着剤の膨潤度が15倍未満の場合に
は、被着体からの引き剥がしに対する抵抗力が弱いので
好ましくないからである。
【0019】この発明において使用する感圧性接着剤は
上記記載の特性を備えたものであれば全て好適に使用で
きるが、この発明においては、上記記載の特性に加え、
引っ張り変形時の初期弾性率が20g/mm2 以下、伸
びが7倍以上、または共重合モノマーによるカルボキシ
ル基含量が2モル%以下という特性を持つ感圧性接着剤
とするのが望ましい。その理由は引っ張り変形時の初期
弾性率が20g/mm2 以下で伸びが7倍以上の特性を
持つ感圧性接着剤とすることにより、2枚のタイルカー
ペットを再分離した後、被着体への接着性が好適に得ら
れる。即ち引っ張り変形時の初期弾性率が20g/mm
2 以下であり伸びが7倍以上の場合には、ズレや浮き剥
がし等の外力に対して抵抗力が強く接着性がさらに優れ
たものとなり、再接着時に好ましいからである。また、
共重合モノマーによる、カルボキシル基含量は2モル%
以下であると好ましい。この理由は、この感圧性接着剤
を基材へ塗布し、その乾燥直後に2枚のタイルカーペッ
トの感圧性接着剤層同士を貼り合わせた場合、カルボキ
シル基含量が2モル%以下であると、被着体への固定時
にそれらを分離することがより容易になるためである。
この発明においてこの様な特性を有する感圧性接着剤
は、水分散型で加熱乾燥後の架橋分率が85重量分以上
のアクリル系架橋型水分散型感圧性接着剤組成物より好
適に調製される。
【0020】アクリル系架橋型水分散型感圧性接着剤組
成物としては、例えばアクリル酸エチル、アクリル酸メ
チル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ノニル、アクリル酸ラウリル等のアクリ
ル酸エステル系の1種又は混合系を主成分とし更に酢酸
ビニル、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸グリシジルの如きグリシジル基含有
(メタ)アクリルモノマーや、Nビニルピロリドン、イ
ソプロピルマレイミド、N.N.ジメチルアクリルアミ
ド等のN含有モノマーを20重量%以下含んでも良く、
またアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリルヒドロキシ
プロピル等のヒドロキシル基含有モノマーを10重量%
以下含有させてもよい。この発明で使用するアクリル系
架橋型水分散型感圧性接着剤組成物には、カルボキシル
基含有の共重合性のモノマーを2モル%以下含有させて
も良く、このカルボキシル基含有の共重合性のモノマー
としては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸
系が例示できる。
【0021】この水分散型感圧性接着剤には、所望によ
り、架橋度調節用の多官能モノマーとして、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジ
アクリレート、ネオペンチルジアクリレート等を使用す
ることができる。この架橋度調節用の多官能モノマーの
配合量としては、水分散型感圧性接着剤の架橋分率及
び、膨潤度、伸び倍率を満たすには、この多官能モノマ
ーの官能基濃度にもよるが0.001〜1重量部(対モ
ノマー100重量部)が適当である。これらの重合体か
らなる架橋型の感圧性接着剤組成物であって、その加熱
乾燥後の架橋分率が85重量%以上である感圧性接着剤
組成物が、いずれのものであっても限定されることなく
好適に使用できる。
【0022】更に、粘度調節剤としてノニオン系、カチ
オン系のいずれか或いは両者の併用や、共重合性等の各
種乳化剤や安定剤としてポリビニルアルコール等を、ま
た消泡剤としてアルコール類等を、また粘着力や接着剤
特性の調節の為にコロイドシリカ系の無機充填剤やガラ
スビーズ等を、他に安定剤、顔料や染料、酸化防止剤、
防錆剤等を加える事もできる。
【0023】この発明において、感圧性接着剤層を特に
水分散型感圧性接着剤としたのは、タイルカーペットに
塗設して使用する際には、タイルカーペットの基材には
通常裏打ち材としてポリ塩化ビニル等の合成樹脂が被覆
されていることが多いが、水分散型感圧性接着剤ではこ
のような合成樹脂層に直接塗布しても基材を侵す恐れが
なく、タイルカーペット片面に塗工する感圧性接着剤と
して好ましい。
【0024】以下この発明の感圧性接着剤を塗設したタ
イルカーペットを図面に基づいて説明する。図1はこの
発明の一実施例に係る感圧性接着剤を使用し、この感圧
性接着剤を塗設したタイルカーペット(1)の断面説明
図である。図中(2)は基材、(3)は感圧性接着剤層
である。図示する如く、基材(2)の片面に感圧性接着
剤層(3)が設けられてなるタイルカーペット(1)2
枚が感圧性接着剤層(3)を相互に仮着して、積層され
て積層タイルカーペット(10)とされている。
【0025】この発明において基材(2)としては、通
常のタイルカーペットにおいて使用される、天然繊維、
合成繊維またはこれらの混紡繊維がいずれのものでも特
に限定されることなく好適に使用できる。基材(2)
は、これら繊維に裏打ち材として、塩化ビニル樹脂等の
合成樹脂が被覆されていてもよく、特に限定はされな
い。基材(2)の形状、大きさ、厚みについて特に限定
はされず、いずれの形状のものであってもよい。唯、基
材(2)の厚みは、具体的には1〜10mm程度の範囲
の厚みとすることが、使用性等の点から好ましい。
【0026】感圧性接着剤層(3)は、基材(2)の片
面の全面或いは適宜任意に設定された基材(2)の片面
の一部分に前記感圧性接着剤が塗工されて形成される。
この感圧性接着剤の基材(2)への塗工方法は、特に限
定はされず、例えばフレキソ印刷、グラビア印刷、シル
クスクリーン印刷等公知の塗設方法が特に限定されるこ
となく好適に使用できる。また、感圧性接着剤層(3)
の塗設厚としては、特に限定はされないが、0.02〜
0.2mm程度の範囲とすることが、接着性の面から好
ましい。
【0027】以上のように構成されるこの発明の積層タ
イルカーペット(10)においては、基材(2)の片面
に感圧性接着剤組成物を塗設、乾燥して感圧性接着剤層
(3)を形成させた2枚のタイルカーペット(1)を、
それぞれ感圧性接着剤層(3)同士貼り合わせて仮着さ
せる。この際、感圧性接着剤層(3)を形成する感圧性
接着剤組成物は、前記の如く、共に85重量%以上とい
う高い架橋分率を有するため、一方の感圧性接着剤層
(3)が他方へ移ったり、或いは2枚のタイルカーペッ
ト(1)の感圧性接着剤層(3)が一体化してしまった
り、ブロッキングを起こしたりすることがない。しかも
被着面への固定時には、これら貼り合わされた2枚のタ
イルカーペット(1)を容易に分離することができ、特
に積層タイルカーペット(10)を角部より分離する
と、僅かな荷重で分離することができる。さらに、基材
(2)の片面に設ける感圧性接着剤層(3)は、被着面
上に固定させるに充分な接着力を有するだけの感圧性接
着剤層(3)を適宜任意に設定して設けることができ
る。
【0028】
【実施例】以下、この発明に係るタイルカーペットを実
施例により詳細に説明する。但し、この発明は以下の実
施例により何ら限定されるものではない。 (実施例1〜3及び比較例1〜3)モノマー組成がアク
リル酸ブチル66重量部、アクリル酸メチル10重量
部、アクリル酸0.5部、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル20重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル4重量
部、エチレングリコールジアクリレート0.01重量部
からなるコポリマーの50重量%エマルジョン組成物
(共重合性ノニオン系乳化剤3重量部)を水分散型感圧
性接着剤とし、これを表面がナイロンのタフテットより
なるタイルカーペット基材(厚み3mm)の裏面全体
に、フレキソ印刷して乾燥させ、塗工厚0.08mmの
感圧性接着剤層が設けられたタイルカーペットを作製し
た。同様に作製された2枚のタイルカーペットをそれぞ
れ感圧性接着剤層同士を貼り合わせて圧着し、実施例1
の積層タイルカーペットとした。(表1)に示す実施例
1〜3及び(表2)に示す比較例1〜3組成の感圧性接
着剤を上記の実施例1と同様にして調製し、これらの感
圧性接着剤を表面がナイロンのタフテットよりなるタイ
ルカーペット基材(厚み3mm)の裏面全体に、フレキ
ソ印刷して乾燥させ、塗工厚0.08mmの感圧性接着
剤層が設けられたタイルカーペットをそれぞれ作製し
た。この実施例1〜3の感圧性接着剤の特性及びタイル
カーペットの特性を表1に、同じく比較例1〜3で調製
した感圧性接着剤の特性及びタイルカーペットの特性を
表2にそれぞれまとめて記載した。
【表1】
【表2】
【0029】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1記載の発明
は感圧性接着剤であって、生成ポリマーのガラス転移点
温度が−40℃以下、テトラヒドロフランに対する架橋
分率が85%以上、膨潤度が15倍以上(更に望ましく
は引張り変形時の初期弾性率が20g/mm2 以下で伸
びが7倍以上であり、共重合性モノマーによるカルボキ
シル基含量が2モル%以下)であることを特徴とする積
層タイルカーペット用水分散型感圧性接着剤であって、
請求項2記載の発明は請求項1記載の感圧性接着剤を基
材の片面に塗布、乾燥して得た感圧性接着剤を塗設した
タイルカーペットであるから簡便に製造することができ
るとともに、感圧性接着剤層同士を貼り合わせて仮着し
ておいても、相互の感圧性接着剤層にブロッキング等が
生じず、しかも使用時にはこれら2枚のタイルカーペッ
トが容易に分離できるとともに被接着面への再接着性に
優れ、剥離紙等の紙屑が生じず、環境保全、省資源化に
貢献することができるなど、製造性、使用性、環境保全
性等に優れた積層タイルカーペットであるという優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る感圧性接着剤を塗設
したタイルカーペットの断面説明図である。
【図2】従来の積層タイルカーペットの一例を示す断面
説明図である。
【図3】従来の積層タイルカーペットの他の例を示す断
面説明図である。
【符号の説明】 10 積層タイルカーペット 1
タイルカーペット 2 基材 3
感圧性接着剤層
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 133/08 JDE // A47G 27/02 Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系水分散型感圧性接着剤であっ
    て、生成ポリマーのガラス転移点温度が−40℃以下、
    テトラヒドロフランに対する架橋分率が85%以上、膨
    潤度が15倍以上であることを特徴とする積層タイルカ
    ーペット用感圧性接着剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の感圧性接着剤を基材の片
    面に塗布、乾燥して得た感圧性接着剤を塗設したタイル
    カーペット。
JP33611594A 1994-12-22 1994-12-22 積層タイルカーペット用感圧性接着剤及びこの感圧性接着剤を塗設したタイルカーペット Pending JPH08174773A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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