JP7187026B2 - 感圧転写粘着テープ - Google Patents

感圧転写粘着テープ Download PDF

Info

Publication number
JP7187026B2
JP7187026B2 JP2019022040A JP2019022040A JP7187026B2 JP 7187026 B2 JP7187026 B2 JP 7187026B2 JP 2019022040 A JP2019022040 A JP 2019022040A JP 2019022040 A JP2019022040 A JP 2019022040A JP 7187026 B2 JP7187026 B2 JP 7187026B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
resins
adhesive tape
sensitive transfer
sensitive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019022040A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020128502A (ja
Inventor
智也 棚次
一喜 吉澤
修平 佐々木
一央 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tombow Pencil Co Ltd
Original Assignee
Tombow Pencil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tombow Pencil Co Ltd filed Critical Tombow Pencil Co Ltd
Priority to JP2019022040A priority Critical patent/JP7187026B2/ja
Publication of JP2020128502A publication Critical patent/JP2020128502A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7187026B2 publication Critical patent/JP7187026B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)

Description

本発明は、手持ち型の転写具によって紙面等に押しつけられることにより粘着剤層が紙面等の被着材に転写されて、当該被着材同士を糊付けすることができる感圧転写粘着テープに関する。
両面テープの一つに、支持体(芯材)を有さず、粘着剤層を被着材に転写する無支持体両面粘着テープがあり、感圧転写粘着テープとして様々な分野・用途で使用されている。その構造は、剥離基材の片面に粘着剤層を設け、ロール状に巻いたものが多い。最近では、主に事務用途向けの紙類用接着具として、感圧転写粘着テープの原反を所定幅に裁断・小巻しパンケーキ状にした捲回体(以下、「パンケーキ」と略記する。)を転写装置に装着した転写具が「テープのり」等の名称で上市されている。
この転写具は、パンケーキを取り付ける送出リールと、この送出リールより供給される感圧転写粘着テープの粘着剤層を剥離基材から剥離しながら被着体へ転写させる転写ヘッドと、転写使用後に残った剥離基材を巻き取る巻回リールと、を片手で把持使用が可能な器体内に装備したことを特徴とする。これらは、紙の接着において従前より一般に用いられている液体のりや固形のりとは異なり、手を汚すことなく簡単に粘着剤層を被着材へと転写できること、接着するまでの乾燥時間が不要であること、被着材である紙がしわにならないこと等の利点がある。
感圧転写粘着テープを転写具に装着し紙面等の被着材に転写する場合、転写を終了して転写具を紙面から引き上げた時に、感圧転写粘着テープの粘着剤層の切れ性(以下、「のり切れ性」と記す。)が悪いと、紙面に転写された粘着剤層と、転写具側の粘着剤層との間で糸を引く現象が発生し、転写作業に支障をきたすことがあった。
そこで従来技術では感圧転写粘着テープの粘着剤層ののり切れ性を向上させるために、剥離基材上での粘着剤層をパターン状とする検討がなされている(特許文献1等参照)。しかし、パターン状の粘着剤層とした場合、剥離基材上での粘着剤層の比率が低下し、感圧転写粘着テープの諸性能(接着性、曲面接着性、転写性等)が低下する。
また、感圧転写粘着テープは、ロール状態であるため、粘着剤層と一周内側の基材の背面側の剥離層とが接触している。感圧転写粘着テープは、粘着剤部も基材の剥離層の表面上に設けられているため、基材の粘着剤部側に剥離性のない一般的な粘着テープと違い、ロール状態から高速で転写粘着テープを巻き出すと、背面側の剥離層に粘着剤が移行(以下、「ブロッキング」と記す。)することがある。特に粘着剤層を不連続なパターン状の粘着剤層とした場合、ブロッキングが生じやすくなる。
特開2006-206657号公報
本発明は上記の問題点に鑑み、パターン状の粘着剤層によってのり切れ性向上を図りつつ、接着性、耐ブロッキング性、転写性を損なうことなく、曲面接着性に優れる感圧転写粘着テープを提供することを課題とする。
本発明者らは、感圧転写粘着テープの粘着剤層について鋭意研究した結果、パターン状の粘着剤層とした場合においても、粘着剤層にアクリル系共重合体と軟化点が120~170℃の範囲の粘着付与樹脂及び架橋剤としてイソシアネート化合物と金属キレート化合物を用いることにより、上記課題を解決し得る感圧転写粘着テープが得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
1)紙またはプラスチックフィルムの両面に離型層を設けた剥離基材上に、粘着剤層がパターン形成されてなる感圧転写粘着テ-プであって、
前記粘着剤層を形成する粘着剤が、アクリル系共重合体、軟化点が120~170℃の粘着付与樹脂、架橋剤としてイソシアネート系化合物及び金属キレート化合物を混合した粘着剤であることを特徴とする感圧転写粘着テープ。
2)金属キレート化合物が、アルミキレート化合物またはチタンキレート化合物である前記1)に記載の感圧転写粘着テープ。
3)粘着剤のゲル分率が、35~60%である前記1)または2)に記載の感圧転写粘着テープ。
4)架橋剤の混合量が、アクリル系共重合体100重量部に対して0.5重量部未満である前記1)~3)のいずれかに記載の感圧転写粘着テープ。
5)粘着付与樹脂が、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂水素化物、ロジンエステル樹脂、重合ロジンエステル樹脂、水素化石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族・芳香族共重合系石油樹脂、クマロン-インデン系樹脂、ロジン変性キシレン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂及びアクリル系樹脂から選ばれる1種または2種以上の樹脂からなる前記1)~4)のいずれかに記載の感圧転写粘着テープ。
6)剥離基材上での単位面積当たりの粘着剤部面積率が、15~98%である前記1)~5)のいずれかに記載の感圧転写粘着テープ。
本発明によれば、パターン状の粘着剤層によってのり切れ性向上を図りつつ、接着性、耐ブロッキング性、転写性を損なうことなく、曲面接着性に優れる感圧転写粘着テープを提供することができる。
粘着剤層を円形ドット状に配した不連続塗工パターンの一例。 粘着剤層を長方形ブロック状に配した不連続塗工パターンの一例。 粘着剤層を菱形ドット状に配した不連続塗工パターンの一例。 粘着剤層を波線の縞状に配した不連続塗工パターンの一例。 粘着剤層を斜線の縞状に配した不連続塗工パターンの一例。 粘着剤層を網目状に配した連続塗工パターンの一例。 粘着剤層を網目状に配した連続塗工パターンの一例。 粘着剤層を網目状に配した連続塗工パターンの一例。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における感圧転写粘着テープは、剥離基材上に粘着剤層が連続もしくは不連続にパターン形成されてなる感圧転写粘着テープである。前記の剥離基材は、紙またはプラスチックフィルム(基材)の両面上に離型剤を塗工して離型層を形成したものであり、離型剤としては、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーン樹脂等が用いられる。
剥離基材に使用される基材としては、自動巻取り機構をもつ転写具に適合する曲げ剛性を有する紙またはプラスチックフィルムが用いられる。紙としては、グラシン紙等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等が挙げられる。これら基材の厚さは、転写性及びコスト面より3~50μmが好ましい。
本発明の感圧転写粘着テープは、剥離基材上に粘着剤をパターン塗工することにより得られる。剥離基材上での単位面積当たりの粘着剤部面積率は、接着性とのり切れ性を両立させる観点より、15~98%の範囲に設定することが好ましい。15%未満では紙類を止着する力が弱くなり、一方、98%を超えるとのり切れ性が悪化する。接着性とのり切れ性のバランスを考慮すると、単位面積当たりの粘着剤部面積率は、より好ましくは30~90%、さらに好ましくは50~90%に設定することが望ましい。
粘着剤層の厚みは、被着材の貼り合せ経時後に十分な接着性を確保するためには、5~50μmの範囲であることが好ましい。より好ましくは、5~40μmの範囲である。この粘着剤層は、連続パターンとして形成しても良いし、不連続パターンとして形成しても良い。尚、連続パターンとは、剥離基材上に粘着剤層を途切れないように粘着剤部面積率15~98%の範囲で配するパターンを言う。不連続パターンとは、粘着剤部面積率15~98%の範囲で粘着剤層を剥離基材上に間隔を開けて配する、独立した粘着剤部を有するパターンを言う。
具体的な塗工パターンとしては、例えば、
a)粘着剤層を、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、菱形、六角形等を細かいドット状あるいはブロック状に配した不連続パターン(例えば図1、図2、図3)、
b)粘着剤層を、直線や波線等の線を間隔を開けて縦、横もしくは斜めの縞状に配した不連続パターン(例えば図4、図5)、
c)粘着剤層を、網目状に配した連続パターン(例えば図6、図7、図8)、
及びこれらの変形パターン等が挙げられる。各種パターンの大きさ(面積)、長さ及び幅は特に限定されない。前記の各図において、1は感圧転写粘着テープ、2は剥離基材、3は粘着剤層(粘着剤部)、4は非粘着剤部である。
また、パターンの組合せ方法は任意であり、例えば、大きさ(面積)が異なる同一形状パターンの粘着剤層の組み合わせ、円形をドット状あるいはブロック状に配した粘着剤層と縞状に配した粘着剤層の組み合わせ等が挙げられる。
本発明においては、塗布面積率を高く設定しても良好なのり切れ性を実現できる観点より、上記a)群の塗工パターン及びc)群の塗工パターンが好ましい。上記a)群の塗工パターンの場合は、一つのドット(ブロック)の面積が8mm以下であることが好ましく、より好ましくは6mm以下、さらに好ましくは4mm以下である。c)群の塗工パターンの場合は、網目の交点部分が網目の線部分よりも面積が大きいことが好ましく、その交点部分の面積は8mm以下であることが好ましく、より好ましくは6mm以下、さらに好ましくは4mm以下である。網目の交点部分の粘着剤層の厚みは網目の線部分の厚みよりも大きくて良い。
上記の粘着剤層を形成する粘着剤としては、塗工適性に優れる観点より、アクリル系粘着剤が用いられる。アクリル系粘着剤としては、各種アクリル酸エステルモノマーと所要によって配合される共重合性のモノマーとの共重合によって得られるアクリル系共重合体を主成分とするものが好適に用いられる。
アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルアクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステルが用いられ、これらのアクリル酸エステルモノマーは単独あるいは2種以上が併用される。
アクリル酸エステルモノマーと共重合される共重合性モノマーとしては、官能基を有するモノマーが好適に用いられる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマー;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N-メチロールアクリルアミド、アリルアルコール等のヒドロキシル基含有モノマー;ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基含有モノマー;アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-オクチルアクリルアミド等のN-置換アミド基含有モノマー;グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有モノマー;等が挙げられる。また、官能基を有しないモノマーを適宜共重合することもでき、これらの官能基を有しないモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
上記アクリル系共重合体の市販品としては、日本カーバイド工業(株)製「ニッセツ」、トーヨーケム(株)製「オリバイン」、東亞合成(株)製「アロンタック」、サイデン化学(株)製「サイビノール」、綜研化学(株)製「SKダイン」、日本触媒(株)製「アクリセット」、ライオンスペシャリティケミカルズ(株)製「AS」、昭和電工(株)製「ビニロール」等を挙げることができる。
上記のアクリル系共重合体に所定の粘着付与樹脂及び架橋剤を混合した粘着剤を、剥離基材上にパターン塗工することにより、本発明の粘着剤層が形成される。
パターン塗工を行う塗工装置としては、グラビアコーター、スクリーン塗工機、ロータリースクリーン塗工機、オフセット塗工機などが挙げられるが、これらに限らず、最終的に剥離基材上にパターン状の粘着剤層を形成できるものであれば、従来公知の装置・塗工方法を適宜使用できる。
粘着付与樹脂としては、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂水素化物等のテルペン系樹脂、ロジンエステル樹脂、重合ロジンエステル樹脂等のロジン系樹脂、水素化石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族・芳香族共重合系石油樹脂等の石油樹脂、クマロン-インデン系樹脂、ロジン変性キシレン樹脂等のキシレン系樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等のフェノール系樹脂及びアクリル系樹脂等の樹脂が好ましい。これらの樹脂は、アクリル系重合体に対する相溶性に優れている。粘着付与樹脂は単独で用いても良く、同一または異なる系統から選ばれる2種類以上を併用しても良い。
上記粘着付与樹脂のなかでも、凝集力の得やすさの観点より、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂がより好ましく、テルペン系樹脂がさらに好ましい。
粘着付与樹脂の軟化点は120~170℃であり、好ましくは125~165℃、さらに好ましくは125~160℃である。ここで、粘着付与樹脂の軟化点はJIS K 5601-2-2記載の環球法により求めた値である。粘着付与樹脂の軟化点が、120℃未満の場合は、満足する凝集力が得られず、ブロッキングが生じやすくなり、170℃を超える場合は、剛性が高くなり、転写性ならびに接着性、曲面接着性が低下する。
粘着付与樹脂を2種類以上併用する場合は、軟化点が異なる粘着付与樹脂を併用しても良い。例えば、軟化点が120~170℃の粘着付与樹脂と軟化点が120℃未満の粘着付与樹脂との併用、軟化点が120~170℃の粘着付与樹脂と軟化点が170℃超の粘着付与樹脂との併用、軟化点が120~170℃の粘着付与樹脂同士の併用などが挙げられる。すなわち、粘着付与樹脂を併用する場合は、粘着付与樹脂Aの軟化点a(℃)と、粘着付与樹脂Bの軟化点b(℃)が、下記式を満たせば良い。
軟化点a×A/(A+B)+軟化点b×B/(A+B)=120~170
(上記式のAは粘着付与樹脂Aの重量、Bは粘着付与樹脂Bの重量を示す。)
粘着付与樹脂は、アクリル系共重合体100重量部(固形分換算)に対して5~35重量部(固形分換算)を配合することが好ましく、より好ましくは15~30重量部である。粘着付与樹脂の配合量が、5重量部未満の場合は、満足する凝集力が得られず、ブロッキングが生じやすくなり、一方、35重量部より多い場合は、粘着剤層の剛性が高くなり、転写性ならびに接着性、曲面接着性が低下する。
架橋剤としては、イソシアネート系、エポキシ系、金属キレート化合物系、アミン化合物系、メラミン系等があるが、本発明では、粘着剤の架橋剤として、イソシアネート系架橋剤と金属キレート系架橋剤を併用する。これにより、曲面接着性が相乗的に向上する。曲面接着性は、曲面箇所の貼着や、封筒の様に使用上、容易に変形し得る被着材を止着する際の接着性であり、アクリル系共重合体、架橋剤によって形成されるネットワークポリマーならびに粘着付与剤を主体とする粘着層の凝集力と応力緩和性のバランスによって整えられる。そのため、架橋後のネットワークポリマーの構造の影響を大きく受ける。
一方、イソシアネート系架橋剤のみを混合した場合は耐ブロッキング性が劣り、金属キレート系架橋剤のみを混合した場合は曲面接着性及び転写性が劣るため、曲面接着性、耐ブロッキング性及び転写性を満足する粘着剤が得られない。
イソシアネート系の架橋剤としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。イソシアネート系架橋剤は単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
金属キレート系架橋剤としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属に、アルコキシド、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル等が配位した化合物が挙げられる。これらのなかでも、アルミキレート化合物またはチタンキレート化合物が好ましい。金属キレート系架橋剤は単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
アルミキレート化合物の具体例としては、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムセカンダリーブチレート、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等が挙げられる。なかでも、架橋反応の制御し易さの観点より、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)が好ましい。
チタンキレート化合物の具体例としては、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(メチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)チタン、ジブトキシビス(エチルアセトアセトネート)チタン、ジメトキシビス(エチルアセトアセトネート)チタン等が挙げられる。なかでも架橋反応の制御し易さの観点より、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタンが好ましい。
イソシアネート系架橋剤及び金属キレート系架橋剤の合計の配合量は、アクリル系共重合体100重量部(固形分換算)に対して、0.5重量部未満とすることが好ましい。架橋剤の配合量を増やすことにより、タック性(初期密着性)が低下し、転写性の低下等の不都合が生じるためである。また、前記の架橋剤の合計配合量は、紙面等に対する接着性及び曲面接着性を確保するために、0.2重量部以上とすることが好ましい。架橋剤の配合量は、アクリル系共重合体の成分の種類、被着材の種類等に応じて、適宜変更することができる。
金属キレート系架橋剤は、凝集力と応力緩和性のバランス調整のしやすさの観点より、イソシアネート系架橋剤100重量部(固形分換算)に対して、5~50重量部用いることが好ましく、より好ましくは10~45重量部、さらに好ましくは15~35重量部である。
なお、粘着剤層には、上記の化合物の他に、本発明による効果を阻害しない範囲内で、色材、湿潤剤、粘度調整剤、滑剤、溶剤、架橋遅延剤、レベリング剤、可塑剤、軟化剤、充填剤(フィラー)、帯電防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の添加剤を含むことができる。これらの添加剤は、本発明による効果を阻害しない範囲内であれば、含有量も特に制限されない。
剥離基材上に粘着剤層をパターン形成する方法は特に限定されず、例えば、粘着剤層を構成するアクリル系共重合体、粘着付与樹脂、架橋剤及び溶媒を混合した塗工液を、剥離基材上にグラビアコーターでパターン塗工し、乾燥して粘着剤層を形成する。前記の溶媒としては、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;トルエン、キシレン、n-ヘキサン等の炭化水素類等が挙げられ、これらの溶媒を混合して用いても良い。粘着剤の塗布量(乾燥後の量)は、剥離基材(粘着剤部と非粘着剤部を合わせた面積)に対して、通常10~50g/m、より好ましくは10~30g/mである。
本発明の感圧転写粘着テープは、自動巻取り機構を有する転写具に装着することで感圧転写粘着テープ転写具に使用できる。前記転写具は、感圧転写粘着テープを巻回した送出リールと、これより供給される感圧転写粘着テープの粘着剤層を剥離基材から剥離しながら被着材へ転写させる転着ヘッドと、転写後に残った感圧転写粘着テープ基材を巻き取る巻回リールとを片手で把持使用が可能な器体内に装備したもの等を利用できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例等において、特に言及する場合を除き「%」、「部」は重量基準である。
(実施例1)
<アクリル系感圧粘着組成物(塗工液)の調製>
アクリル系共重合体からなる粘着剤(固形分40%、トーヨーケム(株)製)100部に対して、粘着付与樹脂であるテルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル(株)製、YSポリスターU130、軟化点130℃)10部とイソシネート系架橋剤(固形分75%、東ソー(株)製、コロネートL)0.20部、アルミキレート化合物:アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)(川研ファインケミカル(株)製、アルミキレートA(W))0.047部、トルエン50部を混合して、アクリル系感圧粘着組成物塗工液を得た。
<感圧転写粘着テープの製造>
アクリル系感圧粘着組成物塗工液を、剥離基材(材料:ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ12μm)の粘着剤層側剥離層(重剥離面)上にグラビアコーターでパターン塗工した後、乾燥し、粘着剤の塗布量15g/mの円形ドット状パターンの粘着剤層を形成させた。次いで、紙管に巻取り、40℃で7日間養生(エージング)し、感圧転写粘着テープ原反を得た。円形ドット1つの面積は2mmで、粘着剤部面積率は約75%であった。
<スリット加工>
上記の方法で得られた原反を、粘着剤層の背面側剥離層への移行(ブロッキング)が起こらない速度にて繰り出しつつ、例えば、8.4mm幅に切断し、16m長を直径20mmの紙管に巻き付け、パンケーキを得た。
(実施例2)
実施例1で用いたアクリル系共重合体からなる粘着剤の代わりに、別のアクリル系共重合体からなる粘着剤(固形分41.5%、ライオンスペシャリティケミカルズ(株)製)95部を使用した以外は、実施例1と同様にして、感圧転写粘着テープを得た。
(実施例3)
粘着付与樹脂として、テルペンフェノール樹脂(YSポリスターU130)の代わりに重合ロジンエステル樹脂(荒川化学工業(株)製、ペンセルD-160、軟化点159℃)10部を使用した以外は、実施例1と同様にして、感圧転写粘着テープを得た。
(実施例4)
粘着付与樹脂として、テルペンフェノール樹脂(YSポリスターU130)の代わりに芳香族炭化水素樹脂(東ソー(株)製、ペトコール130、軟化点125℃)10部を使用した以外は、実施例1と同様にして、感圧転写粘着テープを得た。
(実施例5)
粘着付与樹脂として、テルペンフェノール樹脂(YSポリスターU130)の代わりに芳香族炭化水素樹脂(東ソー(株)製、ペトコール140、軟化点136℃)8部、ロジンエステル樹脂(荒川化学工業(株)製、スーパーエステルA-100、軟化点99℃)2部を使用した以外は、実施例1と同様にして、感圧転写粘着テープを得た。
(実施例6)
金属キレート系架橋剤として、アルミキレート化合物の代わりにチタンキレート化合物:ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン(固形分63%、マツモトファインケミカル(株)製、オルガチックスTC-710)0.045部を使用した以外は、実施例1と同様にして、感圧転写粘着テープを得た。
(比較例1)
金属キレート系架橋剤を配合せず、イソシアネート系架橋剤(東ソー(株)製、コロネートL)配合量を0.20部より0.25部に変更した以外は、実施例1と同様にして、感圧転写粘着テープを得た。
(比較例2)
イソシアネート系架橋剤を配合せず、金属キレート系架橋剤(川研ファインケミカル(株)製、アルミキレートA(W))配合量を0.060部に配合した以外は、実施例1と同様にして、感圧転写粘着テープを得た。
(比較例3)
粘着付与樹脂(YSポリスターU130)の代わりにテルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル(株)製、YSポリスターT100、軟化点99℃)10部を使用した以外は、実施例1と同様にして、感圧転写粘着テープを得た。
(比較例4)
粘着付与樹脂(YSポリスターU130)の代わりに重合ロジンエステル樹脂(ハリマ化成(株)製、ハリエスターKT-3、軟化点179℃)10部を使用した以外は、実施例1と同様にして、感圧転写粘着テープを得た。
(ゲル分率の測定)
感圧転写粘着テープ原反を所定の大きさに切り取り、剥離基材よりはぎ取った粘着剤層を試料とする。まず、この試料の重量を測定する。次に、この試料を40℃の条件下で酢酸エチル中に24時間浸漬した後、200メッシュの金網で不溶分を濾別してその重量を測定し、先に測定した試料の重量に対する割合(%)を算出、これをゲル分率とした。
(感圧転写粘着テープの評価)
得られた感圧転写粘着テープを下記の方法により評価した
(1)曲面接着性(耐反発性)の評価
クラフト紙を巻き付けたφ70mmの円柱側面に、下記方法で作製した試験片を長手方向が円柱の円周方向となる向きに貼着し、試験片の上から1kgのローラーを1往復させた。温度23℃湿度60%RHの環境下において24時間経過後、試験片が円柱から剥離した部分の長さ(mm)を測定した。両端が剥がれていた場合はその合計の長さとした。
(試験片の作製)
前記スリット加工により得られたパンケーキを市販の転写具(PN-MS(株)トンボ鉛筆製)に装填し、幅20mm、長さ150mmに切断したレイアウトシート(商品名:レイアウトシート エコノミー (株)レター製)に、粘着剤層をレイアウトシートの長手方向に転写し、試験片を作製した。
◎:0(未剥離)~10mm未満剥離
○:10~20mm未満剥離
△:20~30mm未満剥離
×:30mm以上剥離
(2)耐ブロッキング性の評価
感圧転写粘着テープ原反を、ラインスピードを10m/min、20m/min、30m/minと変更しながら巻出し、粘着剤層の背面側剥離層へのブロッキング有無を観察した。
◎:30m/minの速度で粘着剤層のブロッキングなし
○:20m/minの速度で粘着剤層のブロッキングなし
△:10m/minの速度で粘着剤層のブロッキングなし
×:10m/minの速度で粘着剤層のブロッキングあり
(3)転写性の評価
前記スリット加工により得られたパンケーキを市販の転写具(PN-MS(株)トンボ鉛筆製)に装填し、温度23℃湿度60%RHの環境下において10cm/sec、20cm/sec、30cm/secの速度でPPC用紙上を走行させ、粘着剤層の転写性を観察した。
◎:30cm/secの速度で粘着剤層の欠けや抜けが無く転写されている
○:20cm/secの速度で粘着剤層の欠けや抜けが無く転写されている
△:10cm/secの速度で粘着剤層の欠けや抜けが無く転写されている
×:10cm/secの速度で粘着剤層の一部に欠けや抜けが生じている
実施例及び比較例の評価結果を表1、表2に示した。
Figure 0007187026000001
Figure 0007187026000002
表1から明らかなように、アクリル系共重合体に、軟化点が120~170℃の粘着付与樹脂を配合し、さらに架橋剤としてイソシアネート化合物及び金属キレート化合物を配合した粘着剤を塗工した感圧転写粘着テープは、転写性、耐ブロッキング性及び曲面接着性に優れていた。のり切れ性も良好であった。アクリル系共重合体の種類による影響はほとんど見られなかった。
一方、表2から明らかなように、架橋剤を単体で配合した比較例1~2の感圧転写粘着テープ、ならびに、軟化点が120~170℃の範囲外である粘着付与樹脂を配合した比較例3~4の感圧転写粘着テープは、いずれも曲面接着性が劣っていた。
本発明の感圧転写粘着テープは、紙類、フィルム、発泡体、金属等の被着材の表面に、基材から離型させた粘着剤層を転写して、他の被着材と接着する用途に好適であり、被着材が紙類であることが特に好ましい。
1 感圧転写粘着テープ
2 剥離基材
3 粘着剤層(粘着剤部)
4 非粘着剤部

Claims (6)

  1. 紙またはプラスチックフィルムの両面に離型層を設けた剥離基材上に、粘着剤層がパターン形成されてなる感圧転写粘着テ-プであって、
    前記粘着剤層を形成する粘着剤が、アクリル系共重合体、軟化点が120~170℃の粘着付与樹脂、架橋剤としてイソシアネート系化合物及び金属キレート化合物を混合した粘着剤であることを特徴とする感圧転写粘着テープ。
  2. 金属キレート化合物が、アルミキレート化合物またはチタンキレート化合物である請求項1に記載の感圧転写粘着テープ。
  3. 粘着剤のゲル分率が、35~60%である請求項1または2に記載の感圧転写粘着テープ。
  4. 架橋剤の混合量が、アクリル系共重合体100重量部に対して0.5重量部未満である請求項1~3のいずれかに記載の感圧転写粘着テープ。
  5. 粘着付与樹脂が、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂水素化物、ロジンエステル樹脂、重合ロジンエステル樹脂、水素化石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族・芳香族共重合系石油樹脂、クマロン-インデン系樹脂、ロジン変性キシレン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂及びアクリル系樹脂から選ばれる1種または2種以上の樹脂からなる請求項1~4のいずれかに記載の感圧転写粘着テープ。
  6. 剥離基材上での単位面積当たりの粘着剤部面積率が、15~98%である請求項1~5のいずれかに記載の感圧転写粘着テープ。
JP2019022040A 2019-02-08 2019-02-08 感圧転写粘着テープ Active JP7187026B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019022040A JP7187026B2 (ja) 2019-02-08 2019-02-08 感圧転写粘着テープ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019022040A JP7187026B2 (ja) 2019-02-08 2019-02-08 感圧転写粘着テープ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020128502A JP2020128502A (ja) 2020-08-27
JP7187026B2 true JP7187026B2 (ja) 2022-12-12

Family

ID=72174227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019022040A Active JP7187026B2 (ja) 2019-02-08 2019-02-08 感圧転写粘着テープ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7187026B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013181054A (ja) 2012-02-29 2013-09-12 Nitto Denko Corp 粘着製品
JP2015030772A (ja) 2013-08-01 2015-02-16 株式会社トンボ鉛筆 感圧転写粘着テープ
JP2017218556A (ja) 2016-06-10 2017-12-14 Dic株式会社 粘着テープ、放熱シート、物品及び粘着テープの製造方法
JP2018177902A (ja) 2017-04-07 2018-11-15 綜研化学株式会社 粘着剤組成物および粘着シート

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013181054A (ja) 2012-02-29 2013-09-12 Nitto Denko Corp 粘着製品
JP2015030772A (ja) 2013-08-01 2015-02-16 株式会社トンボ鉛筆 感圧転写粘着テープ
JP2017218556A (ja) 2016-06-10 2017-12-14 Dic株式会社 粘着テープ、放熱シート、物品及び粘着テープの製造方法
JP2018177902A (ja) 2017-04-07 2018-11-15 綜研化学株式会社 粘着剤組成物および粘着シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020128502A (ja) 2020-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5539630B2 (ja) 両面粘着シート、発泡体の固定方法および積層体
JP5631586B2 (ja) 剥離シートおよび粘着体
EP1580245B1 (en) Acrylic pressure sensitive adhesive composition and pressure sensitive adhesive tape
JP5305595B2 (ja) 熱接着シート
JP2009263593A (ja) スピーカー化粧用シート固定用両面接着テープ及びスピーカー化粧用シートの筐体への貼付方法
JP2015165023A (ja) 粘着剤組成物および粘着シート
JP2010285524A (ja) 粘着シート
JP7275650B2 (ja) 難接着被着体用粘着剤組成物、難接着被着体用粘着剤および難接着被着体用粘着テープ
KR20110116146A (ko) 점착 제품, 전사 도구
CN114555747A (zh) 热熔胶组合物、胶带以及胶带的制造方法
JP5379453B2 (ja) 感温性粘着テープおよびこれを用いたチップ型電子部品の製造方法
JP5684341B2 (ja) 感圧転写粘着テープ
JP7187026B2 (ja) 感圧転写粘着テープ
JP6511317B2 (ja) 剥離シートおよび粘着シート
JP3205388U (ja) 粘着テープ積層体
JP5810490B2 (ja) 接着シートおよび接着積層シート
JP6082773B2 (ja) 感圧転写粘着テープ
JP2019156986A (ja) 粘着シートおよび粘着シートの製造方法
JPH10292162A (ja) マスキング用紙粘着テープ
JP7445667B2 (ja) 粘着テープ
JPH09143436A (ja) マスキング用紙粘着テープ
JPH04161477A (ja) 感圧接着剤組成物
JP3486431B2 (ja) 粘着テープ基材用樹脂加工紙
JPH10158596A (ja) 粘着テープ
JP2000129224A (ja) 装飾用粘着シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7187026

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150