JP3486002B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物

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JP3486002B2 JP10908495A JP10908495A JP3486002B2 JP 3486002 B2 JP3486002 B2 JP 3486002B2 JP 10908495 A JP10908495 A JP 10908495A JP 10908495 A JP10908495 A JP 10908495A JP 3486002 B2 JP3486002 B2 JP 3486002B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高剛性、高耐熱性で、
強度、耐衝撃性に優れ、特に高流動性のあるポリプロピ
レン系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アイソタクティックな結晶性ポリプロピ
レン(以下ポリプロピレンをPPという。)は比較的安
価であり、剛性、表面光沢、耐熱性に優れているが、通
常の結晶化条件では、結晶化度が充分に上がらない(7
0%以下)為、エンジニアリングプラスチックの代替と
しては、剛性、耐熱性が充分とは言えない。また、工業
材料等に必要な低温での耐衝撃性に劣るという欠点を有
している。
【0003】耐衝撃性を改良する方法として、PPに非
晶性のゴム状物質を、ブレンドあるいは多段重合等によ
って加える方法が広く行なわれている。しかしながらこ
のような改質は、PPの本来の特徴である剛性、表面硬
度、耐熱性等を低下させるという欠点を有している。ゴ
ムを含んだPP系材料の低下した剛性、耐熱性を改良す
る目的で、タルク、ガラス繊維等のフィラーを用いる試
みも多く行なわれているが、これらの添加は材料の密度
を上昇させ、同一サイズの成形品では重量が大となるこ
との他、外観の悪化等からフィラーとしての添加量が量
的に制限され、材料として満足するものを得ることが困
難であった。
【0004】一方、射出成形の分野においては、金型の
大型化、精密化、低温成形の方向に進んでおり、より一
層の流動性の改良(MFRの上昇)が要求されており、
また成形品のひけ、そり等をなくし、外観を良くする意
味からも、より高MFR化が望まれている。PPのMF
Rを上昇することにより、結晶化度が向上する結果、ゴ
ムを含んだPP系材料の剛性、耐熱性も向上する。しか
し、一般的に分子量を下げることは大幅な強度、耐衝撃
性の低下を招く。
【0005】従って他のトラブルを伴わずにゴムを含ん
だPP系材料の剛性、耐熱性を保ったまま耐衝撃性を向
上させるためにはできるだけ少ないゴム量で耐衝撃性を
発現させることが望ましい。これを実現させる公知の手
段としては、マトリックスPPとゴムの界面の補強とゴ
ムの微分散化を挙げることができる。PPとゴムの界面
の補強としては、グラフト反応を用いるものも提案(L
ohse et.al.,Macromolecule
s,24,561(1991))されているが、ゲルの
発生、MFRの低下等により満足な結果が得られていな
い。より少ないゴム量で耐衝撃性を向上させるもう一つ
の手段として微分散化も提案されている。Wu(Wu,
Polymer,26,1855(1985))による
と、ナイロンにゴム(EPDM)が分散した系では、ゴ
ム分散粒子間の距離に耐衝撃性が支配され、粒子壁間距
離を小さくすると耐衝撃性が改善される。PP/エチレ
ンプロピレンラバー(EPR)の系でもこのことが成り
立つことが示されている(Akiyoshi et.a
l.,Polymer Preprints,39,3
699(1990))。同じゴム量で粒子壁間距離を小
さくするためには、ゴムを微分散させる必要がある。
【0006】この場合ゴムの微分散を達成するには、押
出機中での混練り時のPPとゴムの溶融粘度が近いこと
が望ましい。またゴムの分子量は耐衝撃性を保つ視点か
ら高いことが望ましいがこの場合溶融粘度が高くなる。
一方、剛性、耐熱性、流動性の改良ためにPPのMFR
を上げる(分子量を下げる)ことは、PPに対するゴム
の溶融粘度比をかなり大きくする結果、分散の不良を招
くことになる。ゴムの分散不良は組成物の伸び、ひいて
は強度の低下も招く。上記の理由により、(特にMFR
が80g/10min.以上の)高流動で、剛性、耐熱
性と耐衝撃性(特に低温衝撃)、強度を兼ね備えたPP
系樹脂組成物を得るに適切な手段は提案されていなかっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非常に高M
FR(80g/10min.以上)でありながらPPの
低温における耐衝撃性の低下を最少限に防止し、PP本
来の高剛性、高耐熱性を維持したまま、耐衝撃性(特に
低温での耐衝撃性)、強度に優れているポリプロピレン
系樹脂組成物の開発を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)MFR
が150〜1000g/10min.であり、プロピレ
ン連鎖のアイソタクティックペンタッド分率(P)が
0.980以上であるポリプロピレン樹脂50〜90重
量%、(B)10重量%を越えるエチレンと炭素数3以
上のアルファオレフィン[ただしプロピレンは多くとも
80重量%]からなる部分を含む共重合体50〜10重
量%(ただしここでいうエチレンと炭素数3以上のアル
ファオレフィンとは、原料モノマーに限定されず共重合
体が構造単位として有しているものをいう。)とからな
る組成物であって、組成物全体のMFRが80g/10
min.以上のポリプロピレン系樹脂組成物を開発する
ことにより上記の目的を達成した。この場合(B)の共
重合体が、エチレンと炭素数4以上のアルファオレフィ
ンからなる部分を含む共重合体であるポリプロピレン系
樹脂組成物、また(B)の共重合体が、エチレン10〜
80重量%、プロピレン80〜10重量%、炭素数4以
上のアルファオレフィンが10〜80重量%からなるエ
チレン−プロピレン−アルファオレフィン3元共重合体
であるポリプロピレン系樹脂組成物、さらに(B)の共
重合体が、スチレンに由来する構成単位が40重量%以
下のスチレン−ブタジエンブロック共重合体またはラン
ダム共重合体の水素添加物であるポリプロピレン系樹脂
組成物、さらに(A)のポリプロピレン樹脂に分散して
いる(B)の共重合体粒子の数平均粒子径が3μm以下
であるポリプロピレン系樹脂組成物である場合において
好ましい樹脂組成物となる。
【0009】本発明に使用されるポリプロピレン樹脂
(A)は、プロピレン連鎖のアイソタクティックペンタ
ッド分率(P)が0.980以上、MFRが150〜1
000g/10min.を満足するものである。また、
本発明のポリプロピレン樹脂は、アイソタクティックポ
リプロピレン(ホモPPと略記する)、または、プロピ
レンを主体とし、少量(通常10重量部未満)のエチレ
ン、ブテン−1等のα−オレフィンとのランダム共重合
体であるが、剛性、耐熱性の視点からホモPPが望まし
い。
【0010】本発明者らは、上記の目的が少なくとも、
プロピレン連鎖のアイソタクティックペンタッド分率
(P)が0.980以上、MFRが150〜1000g
/10min.のポリプロピレン樹脂(A)を用いるこ
とが必要とされることを見出した。原料PPのアイソタ
クティックペンタッド分率(P)が0.980未満では
剛性、耐熱性が低下する。好ましくは0.985以上、
さらに好ましくは0.990以上である。MFRが15
0g/10min.以下では満足する流動性が得られな
い。またMFRが1000g/10min.以上では耐
衝撃性、強度が発現しない。好ましくは200〜800
g/10min.である。本発明の重合体のポリプロピ
レン樹脂を与える触媒系としては、メタロセン、チタン
系(マグネシウム担持型、TiCl3 型)のいずれでも
構わないが、高立体規則性のもが好ましい。また必要に
応じてブレンド、多段重合等で分子量分布を調節したも
のを用いても良い。本発明に使用される共重合体(B)
は、分子鎖中にエチレンとプロピレン、ブテン−1を初
めとする炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構造
単位を含むものである。(但し、ここでいう炭素数3以
上のα−オレフィンおよびエチレンとは、原料モノマー
に限定されず、共重合体の分子鎖中にそれらが構造単位
として有しているものをいう。)
【0011】また、本発明の目的を達成するには組成物
全体のMFRが80g/10分以上であることが必要で
ある。好ましくは90g/10分以上、より好ましくは
100g/10分以上である。さらに、この目的を達成
するために好ましい共重合体(B)は、エチレンとC4
以上のα−オレフィンの構造単位からなる連鎖を有する
共重合体であることが見出された。エチレンと炭素数4
以上のα−オレフィンの構造単位からなる部分は、PP
に相溶性を有する結果、PPとの界面に存在し、共重合
体とPPとの界面張力を減少させ、共重合体の微分散化
を達成すると同時にPPと共重合体の界面を補強する役
目も有すると思われる。この部分を有する共重合体をゴ
ムとして用い、本発明で使用する特定の高MFRのポリ
プロピレン樹脂を用いた場合、両者間の界面張力はさら
に減少する結果、ゴム成分である共重合体PP中に微分
散し、さらにPPと共重合体間の界面の補強が実現さ
れ、上記の目的が達成される。
【0012】上記のエチレンと炭素数3以上のα−オレ
フィンからなる部分を含む共重合体(B)として、具体
的には、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘ
キセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合
体、エチレン−プロピレン−炭素数4以上のα−オレフ
ィン三元共重合体(例えば、エチレン−プロピレン−ブ
テン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキセン−
1共重合体等)、水添−スチレン−ブタジエン−ランダ
ム共重合体等のランダム共重合体、エチレンブロックと
エチレン−ブテンブロックを有するブロック共重合体
(水添−ブタジエン−ブロック共重合体)、スチレンブ
ロックとエチレン−ブテンのブロックを有するブロック
共重合体(水添スチレン−ブタジエンブロック共重合
体)が挙げられる。剛性、耐熱性を保持するためにはブ
ロック共重合体、さらに好ましくは、水添−スチレン−
ブタジエンブロック共重合体を使用することが望まし
い。ゴム成分としてブロック共重合体を用いた取り組み
はこれまでも数多くなされている。
【0013】伸び(強度)、面衝撃を向上させるには、
エチレン−プロピレン−炭素数4以上のα−オレフィン
三元共重合体、水添−スチレン−ブタジエン−ランダム
共重合体を用いることが望ましい。これらのランダム共
重合を用いた場合、組成物の透明性も向上する。エチレ
ン−プロピレン−炭素数4以上のα−オレフィン三元共
重合体を用いる場合は、エチレンが10〜80wt%、
プロピレンが80〜10wt%、炭素数4以上のα−オ
レフィンが10〜80wt%である必要がある。好まし
くは、エチレンが15〜50wt%、プロピレンが70
〜15wt%、炭素数4以上のα−オレフィンが15〜
50wt%である。
【0014】共重合体(B)としてスチレンに由来する
構造単位を含む共重合体を用いる場合、目的の性能を得
るにはスチレンが40wt%以下である必要がある。4
0wt%以上では耐衝撃性が悪化する。共重合体(B)
の量が10wt%未満では耐衝撃性が発現しない。50
wt%を超える量では、剛性、耐熱性の低下を招く。好
ましくは20〜40wt%である。共重合体(B)のM
FRが2g/10min.以下では組成物のMFRが低
下し、(特にメカニカルブレンドで組成物を作製する場
合に)微分散が達成されない。本発明のポリプロピレン
系樹脂組成物を得るための手法は特に限定しないが、ブ
レンドの手法を用いる場合、単軸、2軸いずれの押出機
を用いて行なっても構わないが、練りが充分な2軸押出
機を用いるのが好ましい。特に共重合体(B)が成分
(A)のポリプロピレン樹脂に3μm以下の数平均粒子
径で微分散しているときは、共重合体(B)の量が少な
くとも耐衝撃性、特に低温衝撃性の優れたポリプロピレ
ン系樹脂組成物が得られる。
【0015】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に
は、必要に応じて通常のポリプロピレン系樹脂組成物に
配合される熱酸化安定剤、増核剤、光安定剤、帯電防止
剤、滑剤等全ての添加剤を使用できる。また、関係式を
満たす範囲で過酸化剤等のラジカル開始剤や不飽和カル
ボン酸等の変性剤を用いて部分的に変性して良い。さら
に、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に各種ポリエ
チレン、ポリブテン、エチレン−ブテン共重合体等のオ
レフィン系共重合体、タルク、炭酸カルシウム、炭酸リ
チウム、マイカ、グラスファイバー等の無機充填剤を混
合して使用することもできる。特に剛性、耐熱性の向上
のためには、核剤並びに充填剤を用いることが望まし
い。
【0016】
【作用】PPの剛性、表面光沢、耐熱性を低下させずに
耐衝撃性、特に低温耐衝撃性の改善のために多くの提案
がなされ、そのいくつかは効果のあるものであり、実施
化され、経済的に成立しているものも見受けられる。例
えば、特開平4−323238、特開平2−17314
0に示されているように、本発明の如くゴム成分として
ブロック共重合体を用いた例も多数提案されてはいる
が、PPのMFRが高すぎると強度、耐衝撃性は大幅に
悪化し、非常にハイフローでかつ耐衝撃性のあるポリプ
ロピレン系樹脂組成物は得られなかった。これに対し、
本発明はPPとしてMFRが150〜1000g/10
min.であり、プロピレン連鎖のアイソタクティック
ペンタッド分率(P)が0.980以上であるポリプロ
ピレンを用い、これにゴム成分として分子鎖中にエチレ
ンと炭素数3以上のα−オレフィンからなる部分を含む
共重合体という特有の組合せを用いたときは、機構を完
全に解明できなかったが、非常に高MFRでありなが
ら、PP本来の高剛性、高耐熱性を維持したまま耐衝撃
性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物の開発に成功し
たものである。
【0017】
【実施例】
(実施例)以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。 [測定法]諸物性の測定は、以下の方法によって行なっ
た。 (1)アイソタクティックペンタッド分率(P)の測定13 C−NMRにより求められたデータを用い、A.Za
mbelliらの方法(Macromolecule
s,,925(1973))によって算出した。 (2)エチレン−プロピレン−α−オレフィン共重合体
の組成13 C−NMRにより求められたデータを用い算出した。 (3)MFR JIS K−7210 表1、条件14(試験温度23
0℃、試験荷重2.16kgf)により測定した。 (4)アイゾット衝撃強度 ASTM D256に準じノッチ付試験片を用いて行な
った。 (5)曲げ弾性率 ASTM D790により測定した。 (6)HDT ASTM D648により測定した。 (7)伸び JIS K−SK7113により測定した。 (8)光沢 東芝製射出成形機(1S170F2)を用いて作製(温
度:230℃、射出速度:25mm/分、射出時間:3
0秒)した平板(金型:フィルムゲート;サイズ:2m
m×110mm×150mm)を用い、日本電色工業
(株)社製のVG−1D型グロスメーターにて、60度
の光源入射角度および受光角度で測定した。 (9)外観(フローマーク観察) 光沢の評価に用いたものと同じ平板を用い目視判定を行
なった(○:フローマークが殆ど無い。◎:全く無
い)。 (10)平均粒子径 画像処理装置に東芝製TOSPIX−U(商品名)を用
い、電子顕微鏡から得られた実画像から求めた。
【0018】[重合体の作成]固体触媒成分の調製 (工程1) 窒素雰囲気下、無水塩化マグネシウム47.6g(50
0mmol)、デカン259mlおよび2−エチルヘキ
シルアルコール234ml(1.5mol)を130℃
で2時間加熱反応を行ない均一溶液とした後、この溶液
中に無水フタル酸11.1g(75mmol)を添加
し、130℃にてさらに1時間撹拌混合を行ない、無水
フタル酸を該均一溶液に溶解させた。得られた均一溶液
を室温に冷却した後、−20℃に保持された四塩化チタ
ン2.0L(18mol)中に1時間にわたって全量滴
下した。滴下終了後混合溶液の温度を4時間かけて11
0℃に昇温し、110℃に到達したところでフタル酸ジ
イソブチル26.8ml(125mmol)を添加し、
2時間、110℃で撹拌反応させた。反応終了後、熱時
濾過にて固体成分を採取した。その後、この反応物を四
塩化チタン2.0L(18mol)に懸濁させた後、1
10℃で2時間反応させた。反応終了後、再度、熱時濾
過にて固体成分を採取し、110℃のデカン2.0Lで
7回、室温のヘキサン2.0Lで3回洗浄した。
【0019】TiCl4 [C64 (COO−iso−
492 ]の調製(工程2) 四塩化チタン19g(100mmol)を含むヘキサン
1.0Lに、フタル酸ジイソブチル27.8g(100
mmol)を0℃を維持しながら約30分間かけて滴下
した。滴下終了後、40℃に昇温し30分間反応させ
た。反応終了後、固体成分を採取しヘキサン500ml
で5回洗浄し目的物を得た。
【0020】TiCl4 [C64 (COO−iso−
492 ]による処理(工程3) 上記で得られた固体触媒40gをトルエン600mlに
懸濁させ、25℃でTiCl4 [C64 (COO−i
so−C492 ]10.3g(22mmol)と1
時間反応させた。反応終了後、四塩化チタン200ml
(1.8mol)を加えて、110℃で2時間反応させ
た。反応終了後、熱時濾過にて固体成分を採取し、その
後、この反応物をトルエン600ml、四塩化チタン2
00ml(1.8mol)に懸濁させた後、110℃で
2時間反応させた。反応終了後、再度熱時濾過にて固体
成分を採取し、110℃のトルエン1.0Lで7回、室
温のヘキサン1.0Lで3回洗浄した。
【0021】予備重合触媒成分 窒素雰囲気下のもと内容積3Lのオートクレーブ中に、
n−ヘプタン500ml、トリエチルアルミニウム6.
0g(0.053mol)、t−ブチルトリメトキシシ
ラン3.1g(0.017mol)および上記で得られ
た固体触媒成分100gを投入し、0〜5℃の温度範囲
で5分間撹拌した。次に固体成分1gあたり10gのプ
ロピレンが重合するようにプロピレンをオートクレーブ
中に供給し、0〜5℃の温度範囲で1時間予重合した。
得られた予重合触媒は、n−ヘプタン500mlで3回
洗浄を行ない、以下の重合に使用した。
【0022】ポリプロピレン樹脂成分(A)の作製プロピレンの重合 (高MFRポリプロピレン樹脂:PP−1)窒素雰囲気
下、内容積60Lの撹拌機付きオートクレーブ1機を用
いて重合を行なった。上記の方法で調製された予備重合
触媒成分2.0g、トリエチルアルミニウム11.4g
(100mmol)、t−ブチルトリメトキシシラン
5.9g(33mmol)を入れ、次いでプロピレン1
8kgおよびポリマーのMFRが300になるように水
素を供給し、70℃で30分間重合を行なった。未反応
ガスをパージして目的のプロピレンを得た。得られたP
PはMFRが335g/10min.、アイソタクティ
ックペンタッド分率は0.994であった。
【0023】(高MFRポリプロピレン樹脂:PP−
1’)窒素雰囲気下、内容積60Lの撹拌機付きオート
クレーブ1機を用いて重合を行なった。上記の方法で調
製された予備重合触媒成分2.0g、トリエチルアルミ
ニウム11.4g(100mmol)、t−ブチルトリ
メトキシシラン5.9g(33mmol)を入れ、次い
でプロピレン18kgおよびポリマーのMFRが200
g/10min.になるように水素を供給し、70℃で
30分間重合を行なった。未反応ガスをパージして目的
のプロピレンを得た。得られたPPはMFRが220g
/10min.、アイソタクティックペンタッド分率は
0.994であった。
【0024】エチレン−プロピレン−α−オレフィン三
元共重合体の重合 (エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体:EPB
R)内容積60Lのオートクレーブを30℃以下に保っ
た後、PPの重合に用いたものと同様の予重合触媒50
0mgとトリエチルアルミニウム11.4g(100m
mol)、ジイソプロピルメトキシシラン5.8g(3
3mmol)をプロピレンおよびブテン−1と共に圧入
した後、速やかに50℃まで昇温した。50℃に到達し
た後、所定の全圧となるようにエチレンを連続的に供給
し重合を行なった。各段の重合時間を変えることで目的
の共重合体を得た。所定時間経過後、オートクレーブ中
にメタノールを圧入し重合を停止させた。全てのガスを
除去後、目的の共重合体を得た。得られた共重合体はM
FR=5.5g/10min.、エチレン含量が28w
t%、プロピレンが39wt%、ブテン−1が33wt
%であった。
【0025】(実施例1)成分(A)として上記の高M
FRポリプロピレン樹脂(PP−1)70wt%に成分
(B)としてMFR=8.1g/10min.、エチレ
ン含量が68wt%のエチレン−プロピレン共重合体
(三井石油化学製のEPR、タフマーP−0180:E
PR−1)30wt%からなる樹脂組成物100重量部
に対して、核剤としてナトリウム−2、2’−メチレン
−ビス−(4、6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフ
ェート(旭電化のNAll)を0.4重量部、さらに市
販の安定剤であるBHT0.08重量部、イルガノック
ス1010を0.05重量部、カルシウムステアレート
0.1重量部を加え、2軸押出機(KTX−37)を使
用して200℃で溶融混練りし組成物を作製した。得ら
れた組成物を用いて試験片を作製し物性を測定した。結
果を表1に示した。
【0026】(実施例2)成分(A)として実施例1で
用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)75wt%に成
分(B)としてMFR=12g/10min.、スチレ
ン含量が20wt%の水添−スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体(旭化成社製のSEBS、タフテックH1
052:SEBS−1)25wt%からなる樹脂組成物
100重量部に対して、核剤としてナトリウム−2、
2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェ
ニル)フォスフェート(旭電化のNAll)を0.4重
量部、さらに市販の安定剤であるBHT0.08重量
部、イルガノックス1010を0.05重量部、カルシ
ウムステアレート0.1重量部を加え、2軸押出機(K
TX−37)を使用して200℃で溶融混練りし組成物
を作製した。得られた組成物を用いて試験片を作製し物
性を測定した。結果を表1に示した。
【0027】(実施例3)成分(A)として実施例1で
用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)70wt%に成
分(B)として実施例2で用いた水添−スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体(SEBS−1)30wt%か
らなる樹脂組成物100重量部に対して、実施例1で用
いた核剤を0.4重量部、さらに市販の酸化防止剤であ
るBHT0.08重量部、イルガノックス1010を
0.05重量部、カルシウムステアレート0.1重量部
を加え、2軸押出機(KTX−37)を使用して200
℃で溶融混練りし組成物を作製した。得られた組成物を
用いて試験片を作製し物性を測定した。結果を表1に示
した。
【0028】(実施例4)成分(A)として実施例1で
用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)65wt%に成
分(B)として実施例2で用いた水添−スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体(SEBS−1)35wt%か
らなる樹脂組成物100重量部に対して、実施例1で用
いた核剤を0.4重量部、さらに市販の酸化防止剤であ
るBHT0.08重量部、イルガノックス1010を
0.05重量部、カルシウムステアレート0.1重量部
を加え、2軸押出機(KTX−37)を使用して200
℃で溶融混練りし組成物を作製した。得られた組成物を
用いて試験片を作製し物性を測定した。結果を表1に示
した。
【0029】(実施例5)成分(A)として実施例1で
用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)70wt%に成
分(B)としてMFR=30g/10min.、スチレ
ン含量が20wt%の水添−スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体(旭化成社製のSEBS、タフテックH1
042:SEBS−2)30wt%からなる樹脂組成物
100重量部に対して、実施例1で用いた核剤を0.4
重量部、さらに市販の酸化防止剤であるBHT0.08
重量部、イルガノックス1010を0.05重量部、カ
ルシウムステアレート0.1重量部を加え、2軸押出機
(KTX−37)を使用して200℃で溶融混練りし組
成物を作製した。得られた組成物を用いて試験片を作製
し物性を測定した。結果を表1に示した。
【0030】(実施例6)成分(A)として実施例1で
用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)70wt%に成
分(B)としてMFR=160g/10min.、スチ
レン含量が30wt%の水添−スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体(旭化成社製のSEBS、タフテックH
1031:SEBS−3)30wt%からなる樹脂組成
物100重量部に対して、実施例1で用いた核剤を0.
4重量部、さらに市販の酸化防止剤であるBHT0.0
8重量部、イルガノックス1010を0.05重量部、
カルシウムステアレート0.1重量部を加え、2軸押出
機(KTX−37)を使用して200℃で溶融混練りし
組成物を作製した。得られた組成物を用いて試験片を作
製し物性を測定した。結果を表1に示した。
【0031】(実施例7)成分(A)として実施例1で
用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)70wt%に成
分(B)としてMFR=7.3g/10min.のエチ
レン−ブテン共重合体(三井石油化学社製のEBR、A
4085)30wt%からなる樹脂組成物100重量部
に対して、実施例1で用いた核剤を0.4重量部、さら
に市販の酸化防止剤であるBHT0.08重量部、イル
ガノックス1010を0.05重量部、カルシウムステ
アレート0.1重量部を加え、2軸押出機(KTX−3
7)を使用して200℃で溶融混練りし組成物を作製し
た。得られた組成物を用いて試験片を作製し物性を測定
した。結果を表1に示した。
【0032】(実施例8)成分(A)として実施例1で
用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)70wt%に成
分(B)としてMFR=7.3g/10min.のエチ
レン−ブテン共重合体(三井石油化学社製のEBR、A
4085)15wt%およびMFRが1.8g/10m
in.、エチレン含量が70wt%のエチレン−プロピ
レン共重合体(三井石油化学社製のEBR、タフマーP
−0480:EPR−2)15wt%からなる樹脂組成
物100重量部に対して、実施例1で用いた核剤を0.
4重量部、さらに市販の酸化防止剤であるBHT0.0
8重量部、イルガノックス1010を0.05重量部、
カルシウムステアレート0.1重量部を加え、2軸押出
機(KTX−37)を使用して200℃で溶融混練りし
組成物を作製した。得られた組成物を用いて試験片を作
製し物性を測定した。結果を表1に示した。
【0033】(実施例9)成分(A)として実施例1で
用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)75wt%に成
分(B)としてMFR=10g/10min.、スチレ
ン含量が10wt%の水添−スチレン−ブタジエンラン
ダム共重合体(日本合成ゴム社製のダイヤロン1320
P:HSBR)25wt%からなる樹脂組成物100重
量部に対して、実施例1で用いた核剤を0.4重量部、
さらに市販の酸化防止剤であるBHT0.08重量部、
イルガノックス1010を0.05重量部、カルシウム
ステアレート0.1重量部を加え、2軸押出機(KTX
−37)を使用して200℃で溶融混練りし組成物を作
製した。得られた組成物を用いて試験片を作製し物性を
測定した。結果を表1に示した。
【0034】(実施例10)成分(A)として実施例1
で用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)70wt%に
成分(B)として上記のエチレン−プロピレン−α−オ
レフィン三元共重合体(EPBR)30wt%からなる
樹脂組成物100重量部に対して、実施例1で用いた核
剤を0.4重量部、さらに市販の酸化防止剤であるBH
T0.08重量部、イルガノックス1010を0.05
重量部、カルシウムステアレート0.1重量部を加え、
2軸押出機(KTX−37)を使用して200℃で溶融
混練りし組成物を作製した。得られた組成物を用いて試
験片を作製し物性を測定した。結果を表1に示した。
【0035】(実施例11)成分(A)として実施例1
で用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)70wt%に
成分(B)としてMFR=7.3g/10min.のエ
チレン−ブテン共重合体(三井石油化学社製のEBR、
A4085)25wt%およびMFR=12g/10m
in.、スチレン含量が20wt%の水添−スチレン−
ブタジエンブロック共重合体(旭化成社製のSEBS、
タフテックH1052:SEBS−1)5wt%からな
る樹脂組成物100重量部に対して、核剤としてナトリ
ウム−2、2’−メチレン−ビス−(4、6−ジ−t−
ブチルフェニル)フォスフェート(旭電化のNAll)
を0.4重量部、さらに市販の安定剤であるBHT0.
08重量部、イルガノックス1010を0.05重量
部、カルシウムステアレート0.1重量部を加え、2軸
押出機(KTX−37)を使用して200℃で溶融混練
りし組成物を作製した。得られた組成物を用いて試験片
を作製し物性を測定した。結果を表1に示した。
【0036】(実施例12)成分(A)として実施例1
で用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)70wt%に
成分(B)としてMFR=7.3g/10min.のエ
チレン−ブテン共重合体(三井石油化学社製のEBR、
A4085)20wt%およびMFR=12g/10m
in.、スチレン含量が20wt%の水添−スチレン−
ブタジエンブロック共重合体(旭化成社製のSEBS、
タフテックH1052:SEBS−1)10wt%から
なる樹脂組成物100重量部に対して、核剤としてナト
リウム−2、2’−メチレン−ビス−(4、6−ジ−t
−ブチルフェニル)フォスフェート(旭電化のNAl
l)を0.4重量部、さらに市販の安定剤であるBHT
0.08重量部、イルガノックス1010を0.05重
量部、カルシウムステアレート0.1重量部を加え、2
軸押出機(KTX−37)を使用して200℃で溶融混
練りし組成物を作製した。得られた組成物を用いて試験
片を作製し物性を測定した。結果を表1に示した。
【0037】(実施例13)成分(A)として実施例1
で用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)70wt%に
成分(B)としてMFR=7.3g/10min.のエ
チレン−ブテン共重合体(三井石油化学社製のEBR、
A4085)15wt%およびMFR=12g/10m
in.、スチレン含量が20wt%の水添−スチレン−
ブタジエンブロック共重合体(旭化成社製のSEBS、
タフテックH1052:SEBS−1)15wt%から
なる樹脂組成物100重量部に対して、核剤としてナト
リウム−2、2’−メチレン−ビス−(4、6−ジ−t
−ブチルフェニル)フォスフェート(旭電化のNAl
l)を0.4重量部、さらに市販の安定剤であるBHT
0.08重量部、イルガノックス1010を0.05重
量部、カルシウムステアレート0.1重量部を加え、2
軸押出機(KTX−37)を使用して200℃で溶融混
練りし組成物を作製した。得られた組成物を用いて試験
片を作製し物性を測定した。結果を表1に示した。
【0038】(実施例14)成分(A)として上記の高
MFRポリプロピレン樹脂(PP−1’)75wt%に
成分(B)として実施例1で用いた水添−スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体(SEBS−1)25wt%
からなる樹脂組成物100重量部に対して、核剤として
ナトリウム−2、2’−メチレン−ビス−(4、6−ジ
−t−ブチルフェニル)フォスフェート(旭電化のNA
ll)を0.4重量部、さらに市販の安定剤であるBH
T0.08重量部、イルガノックス1010を0.05
重量部、カルシウムステアレート0.1重量部を加え、
2軸押出機(KTX−37)を使用して200℃で溶融
混練りし組成物を作製した。得られた組成物を用いて試
験片を作製し物性を測定した。結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】[比較例] ポリプロピレン樹脂成分(A)の作製プロピレンの重合 (中MFRポリプロピレン樹脂:PP−2)窒素雰囲気
下、内容積60Lの撹拌機付きオートクレーブ1機を用
いて、以下のように重合を行なった。実施例と同様の方
法で調製された予備重合触媒成分2.0g、トリエチル
アルミニウム11.4g(100mmol)、t−ブチ
ルトリメトキシシラン5.9g(33mmol)を入
れ、次いでプロピレン18kg、ポリマーのMFRが3
0になるように水素を供給し、70℃で30分間重合を
行なった。未反応ガスをパージして目的のポリプロピレ
ンを得た。得られたPPのMFRは31.4g/10m
in.、アイソタクティックペンタッド分率は0.99
4であった。
【0041】(比較例1)成分(A)として実施例で用
いたポリプロピレン樹脂(PP−1)の代わりに、中M
FR成分(PP−2)75wt%、成分(B)として実
施例2で用いた水添−スチレン−ブタジエンブロック共
重合体(SEBS−1)25wt%からなる樹脂組成物
100重量部に対して、実施例1で用いた核剤を0.4
重量部、さらに市販の酸化防止剤であるBHT0.08
重量部、イルガノックス1010を0.05重量部、カ
ルシウムステアレート0.1重量部を加え、2軸押出機
(KTX−37)を使用して200℃で溶融混練りし組
成物を作製した。得られた組成物を用いて試験片を作製
し物性を測定した。結果を表2に示した。
【0042】(比較例2)成分(A)として実施例で用
いたポリプロピレン樹脂(PP−1)の代わりに、中M
FR成分(PP−2)70wt%、成分(B)として実
施例2で用いた水添−スチレン−ブタジエンブロック共
重合体(SEBS−1)30wt%からなる樹脂組成物
100重量部に対して、実施例1で用いた核剤を0.4
重量部、さらに市販の酸化防止剤であるBHT0.08
重量部、イルガノックス1010を0.05重量部、カ
ルシウムステアレート0.1重量部を加え、2軸押出機
(KTX−37)を使用して200℃で溶融混練りし組
成物を作製した。得られた組成物を用いて試験片を作製
し物性を測定した。結果を表2に示した。
【0043】(比較例3)成分(A)として実施例で用
いたポリプロピレン樹脂(PP−1)の代わりに、中M
FR成分(PP−2)65wt%、成分(B)として実
施例2で用いた水添−スチレン−ブタジエンブロック共
重合体(SEBS−1)35wt%からなる樹脂組成物
100重量部に対して、実施例1で用いた核剤を0.4
重量部、さらに市販の酸化防止剤であるBHT0.08
重量部、イルガノックス1010を0.05重量部、カ
ルシウムステアレート0.1重量部を加え、2軸押出機
(KTX−37)を使用して200℃で溶融混練りし組
成物を作製した。得られた組成物を用いて試験片を作製
し物性を測定した。結果を表2に示した。
【0044】(比較例4)成分(A)として実施例1で
用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)60wt%に成
分(B)として実施例で用いた共重合体成分の代わりに
MFRが1.8g/10min.、エチレン含量が70
wt%のエチレン−プロピレン共重合体(三井石油化学
製のEPR、タフマーP−0480:EPR−2)40
wt%からなる樹脂組成物100重量部に対して、実施
例1で用いた核剤を0.4重量部、さらに市販の酸化防
止剤であるBHT0.08重量部、イルガノックス10
10を0.05重量部、カルシウムステアレート0.1
重量部を加え、2軸押出機(KTX−37)を使用して
200℃で溶融混練りし組成物を作製した。得られた組
成物を用いて試験片を作製し物性を測定した。結果を表
2に示した。
【0045】(比較例5)成分(A)として実施例1で
用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)の代わりに中M
FR成分(PP−2)60wt%、成分(B)として実
施例で用いた共重合体成分MFRが1.8g/10mi
n.、エチレン含量が70wt%のエチレン−プロピレ
ン共重合体(三井石油化学製のEPR、タフマーP−0
480:EPR−2)40wt%からなる樹脂組成物1
00重量部に対して、実施例1で用いた核剤を0.4重
量部、さらに市販の酸化防止剤であるBHT0.08重
量部、イルガノックス1010を0.05重量部、カル
シウムステアレート0.1重量部を加え、2軸押出機
(KTX−37)を使用して200℃で溶融混練りし組
成物を作製した。得られた組成物を用いて試験片を作製
し物性を測定した。結果を表2に示した。
【0046】(比較例6)成分(A)として実施例1で
用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)70wt%に成
分(B)として実施例で用いた共重合体成分の代わりに
MFR=1.0g/10min.、スチレン含量が40
wt%の水添−スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(旭化成社製のSEBS、タフテックH1051:SE
BS−4)30wt%に、さらに市販の酸化防止剤であ
るBHT0.08重量部、イルガノックス1010を
0.05重量部、カルシウムステアレート0.1重量部
を加え、2軸押出機(KTX−37)を使用して200
℃で溶融混練りし組成物を作製した。得られた組成物を
用いて試験片を作製し物性を測定した。結果を表2に示
した。
【0047】(比較例7)成分(A)として実施例1で
用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)70wt%に成
分(B)として比較例4で用いたEPR(EPR−2)
30wt%に、さらに市販の酸化防止剤であるBHT
0.08重量部、イルガノックス1010を0.05重
量部、カルシウムステアレート0.1重量部を加え、2
軸押出機(KTX−37)を使用して200℃で溶融混
練りし組成物を作製した。得られた組成物を用いて試験
片を作製し物性を測定した。結果を表2に示した。
【0048】(比較例8)成分(A)として実施例1で
用いたポリプロピレン樹脂(PP−1)65wt%に成
分(B)として比較例4で用いたEPR(EPR−2)
35wt%に、さらに市販の酸化防止剤であるBHT
0.08重量部、イルガノックス1010を0.05重
量部、カルシウムステアレート0.1重量部を加え、2
軸押出機(KTX−37)を使用して200℃で溶融混
練りし組成物を作製した。得られた組成物を用いて試験
片を作製し物性を測定した。結果を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明の組成物は非常に流動性に優れる
(MFRが高い)ことから、特に射出成形、シート成形
用材料として優れている。特に最近の成形の精密化、ハ
イサイクル化の要求に適している。また、本発明のポリ
プロピレン系樹脂組成物は従来のものと比較して、剛
性、耐熱性に優れている。さらに、本発明のポリプロピ
レン系樹脂組成物の特徴として、MFRがあまり高くな
い従来の組成物に比較して、常温の耐衝撃性の割に低温
での耐衝撃性が相対的に維持されていることが挙げられ
る。この理由は定かではないが、PPの破壊靭性の分子
量依存性が温度によって異なるためと考えられる。低温
になるほど分子量の破壊靭性に及ぼす効果が小さく、理
想的なゴム成分の分散、界面の補強を達成することによ
り、分子量低下により耐衝撃低下が最小限に抑えられる
と思われる。上記のように、本発明の組成物は成形性に
優れるのみならず、剛性、耐熱性と(特に低温の)耐衝
撃性、強度のバランスに優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−41277(JP,A) 特開 平7−330828(JP,A) 特開 平7−33920(JP,A) 特開 平7−26083(JP,A) 特開 平5−222254(JP,A) 特開 平5−9219(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)MFRが150〜1000g/1
    0min.であり、プロピレン連鎖のアイソタクティッ
    クペンタッド分率(P)が0.980以上であるポリプ
    ロピレン樹脂50〜90重量%、(B)10重量%を越
    えるエチレンと炭素数3以上のアルファオレフィン[た
    だしプロピレンは多くとも80重量%]からなる部分を
    含む共重合体50〜10重量%(ただしここでいうエチ
    レンと炭素数3以上のアルファオレフィンとは、原料モ
    ノマーに限定されず共重合体が構造単位として有してい
    るものをいう。)とを含む組成物であって、組成物全体
    のMFR(JIS K−7210、表1、条件14によ
    り測定されたメルトフローレートである。)が80g/
    10min.以上のポリプロピレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (B)の共重合体が、エチレンと炭素数
    4以上のアルファオレフィンからなる部分を含む共重合
    体である請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)の共重合体が、エチレン10〜8
    0重量%、プロピレン80〜10重量%、炭素数4以上
    のアルファオレフィンが10〜80重量%からなるエチ
    レン−プロピレン−アルファオレフィン3元共重合体で
    ある請求項1〜2記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)の共重合体が、スチレンに由来す
    る構成単位が40重量%以下のスチレン−ブタジエンブ
    ロック共重合体またはランダム共重合体の水素添加物で
    ある請求項1〜2記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A)のポリプロピレン樹脂に分散して
    いる(B)の共重合体粒子の数平均粒子径が3μm以下
    である請求項1〜4記載のポリプロピレン系樹脂組成
    物。
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