JP2001172454A - プロピレン系共重合体組成物 - Google Patents

プロピレン系共重合体組成物

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JP2001172454A
JP2001172454A JP35536999A JP35536999A JP2001172454A JP 2001172454 A JP2001172454 A JP 2001172454A JP 35536999 A JP35536999 A JP 35536999A JP 35536999 A JP35536999 A JP 35536999A JP 2001172454 A JP2001172454 A JP 2001172454A
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propylene
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polymer
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JP35536999A
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English (en)
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Kenjiro Takayanagi
健二郎 高柳
Tatsumi Tsuji
龍美 辻
Shigeo Mizukami
茂雄 水上
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた柔軟性、透明性およびプロピレン単独
重合体と同等レベルの耐熱性を有し、かつ引張強度や耐
衝撃性等の機械物性に優れたプロピレン系共重合体組成
物の提供。 【解決手段】 下記の(A)成分と(B)成分とを含
み、かつ重合により(A)成分を生成した後に(B)成
分が重合によって得られてなるプロピレン系共重合体組
成物。 (A)アイソタクチックインデックスが90%以上のプ
ロピレンを主成分とする重合体成分:全重合体の10〜
60重量% (B)プロピレンとエチレンとを必須成分とする、プロ
ピレンと炭素原子数8以下の他のα−オレフィンとの共
重合体であって、その室温キシレン不溶分が全重合体中
の20重量%を超え70重量%以下、室温キシレン可溶
分が全重合体中の10重量%以上60重量%以下、かつ
この室温キシレン可溶分中のプロピレン以外のα−オレ
フィンの含有量が20重量%未満である重合体成分:全
重合体の40〜90重量%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、柔軟性及
び透明性を有し、かつ引張強度、耐衝撃性等の機械物性
に優れたプロピレン系共重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】プロピレン単独重合体は耐熱性、剛性等
が優れているため、射出成形品、シート、フィルム、容
器等の分野で幅広く利用されている。また、従来ポリ塩
化ビニルが使用されてきた例えば化粧シート等の建材分
野や、食品包装分野においても、ポリオレフィンへの代
替の検討が積極的に行われ、柔軟性、耐熱性、透明性を
併せ持つ材料が要望されている。しかしながら、プロピ
レン単独重合体は、耐熱性に優れるものの、柔軟性、透
明性に劣り、ポリエチレンおよびエチレン−α−オレフ
ィン共重合体は、柔軟性、透明性に優れるが、耐熱性が
劣ることから、その使用範囲は限られていた。
【0003】このような用途にはプロピレンに少量のエ
チレン及び/又は炭素原子数4〜6のα−オレフィンを
共重合させたランダム共重合体が従来より用いられてい
るが、この重合体は透明性に優れるものの、柔軟性は今
一つであり、また耐熱性が低下するという本質的な問題
があった。ポリプロピレンの柔軟性と透明性を改良する
方法として、例えば特開平8−100037号公報に、
二段重合により、特定の極限粘度比を有するプロピレン
単独重合体とエチレン含有量25〜65重量%の共重合
体を製造する、優れた耐熱性と柔軟性を有するプロピレ
ン・エチレンブロック共重合体の製造方法が開示されて
いる。また、特開平10−316810号公報、特開平
11−92619号公報等には、ランダムポリプロピレ
ンをマトリックスとした柔軟性と透明性が良好なプロピ
レン系ブロック共重合体が開示されている。しかしなが
ら、耐熱性、透明性、柔軟性をバランス良く改良したプ
ロピレン系の重合体組成物はまだ得られてはいない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術に鑑みてなされたものであり、優れた柔軟性、透明
性およびプロピレン単独重合体と同等レベルの耐熱性を
有し、かつ引張強度や耐衝撃性等の機械物性に優れたプ
ロピレン系共重合体組成物を提供することを目的として
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
(A)成分と(B)成分とを含み、かつ重合により
(A)成分を生成した後に(B)成分が重合によって得
られてなるプロピレン系共重合体組成物に存している。 (A)アイソタクチックインデックスが90%以上のプ
ロピレンを主成分とする重合体成分:全重合体の10〜
60重量% (B)プロピレンとエチレンとを必須成分とする、プロ
ピレンと炭素原子数8以下の他のα−オレフィンとの共
重合体であって、その室温キシレン不溶分が全重合体中
の20重量%を超え70重量%以下、室温キシレン可溶
分が全重合体中の10重量%以上60重量%以下、かつ
この室温キシレン可溶分中のプロピレン以外のα−オレ
フィンの含有量が20重量%未満である重合体成分:全
重合体の40〜90重量%
【0006】本発明の別の要旨は、(A)成分がプロピ
レン単独重合体である上記のプロピレン系共重合体組成
物、及び(B)成分中の炭素原子数8以下の他のα−オ
レフィンがエチレンである上記のプロピレン系共重合体
組成物、にも存している。本発明の他の要旨は、曲げ弾
性率100〜600MPa、厚さ2mmのシートのヘイ
ズ70%以下、かつ引張破断点強度30MPa以上の上
述のプロピレン系共重合体組成物、にも存している。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のプロピレン系共重合体組
成物を構成する一方の(A)成分は、アイソタクチック
インデックスが90%以上のプロピレンを主成分とする
重合体であり、通常、室温のキシレンに不溶性の結晶性
成分と、室温のキシレンに可溶性の非晶性成分とからな
り、前者の不溶性成分の含有割合がアイソタクチックイ
ンデックスに実質的に対応する。
【0008】ここでプロピレンを主成分とする重合体と
は、重合体中にプロピレン由来の構成単位が70重量%
以上含有されている重合体を意味する。好ましいプロピ
レン由来の構成単位の含有割合は、90重量%以上、よ
り好ましくは95重量%以上であり、もっとも好ましい
のはプロピレン単独重合体である。(A)成分のアイソ
タクチックインデックスが90%未満では、組成物の耐
熱性が劣る傾向となる。
【0009】本発明のプロピレン系共重合体組成物を構
成する一方の(B)成分は、プロピレンとエチレンとを
必須成分とする、プロピレンと、炭素原子数2〜8の他
のα−オレフィンとの共重合体である。ここで用いるこ
とができる他のα−オレフィンとしては、必須成分であ
るエチレンの他に、例えば、1−ブテン、3−メチル−
1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。特に
好ましい共重合体は、プロピレンとエチレンのみからな
るものである。
【0010】本発明においては、前記(B)成分の共重
合体の室温キシレン不溶分が全重合体中の20重量%を
超え70重量%以下で、室温キシレン可溶分が全重合体
中の10重量%以上60重量%以下で、かつ、この室温
キシレン可溶分中のプロピレン以外のα−オレフィンの
含有量が20重量%未満であることが必要である。室温
キシレン不溶分が全重合体の25〜60重量%で、室温
キシレン可溶分が全重合体中の15〜60重量%、かつ
室温キシレン可溶分中のプロピレン以外のα−オレフィ
ンの含有量が10〜18重量%であるのが、より好まし
い。
【0011】なお、ここで全重合体というのは、上記の
(A)成分及び(B)成分の重合体の合計のことを言
う。この(B)成分中の室温キシレン不溶分が20重量
%以下では、透明性が劣る傾向となり、一方室温キシレ
ン不溶分が70重量%を超えて多い場合は、柔軟性が劣
ることが多い。また(B)成分中の室温キシレン可溶分
が10重量%未満では、柔軟性が不十分となりやすく、
一方室温キシレン可溶分が60重量%を超過する場合
は、耐熱性が劣る傾向となる。室温キシレン可溶分中の
プロピレン以外のα−オレフィンの含有量が20重量%
以上となると、透明性が悪化する。
【0012】本発明のプロピレン系共重合体組成物は、
(A)成分を10〜60重量%、(B)成分を40〜9
0重量%含むものであるが、(A)成分が20〜50重
量%、(B)成分が50〜80重量%であるのが、より
好ましい。(A)成分が10重量%未満で(B)成分が
90重量%を超える場合は、組成物の耐熱性が劣る傾向
となり、一方(A)成分が60重量%を超え、(B)成
分が40重量%未満になると、柔軟性と透明性を有する
組成物が得にくくなる。
【0013】このようなプロピレン系共重合体組成物
は、一般にJIS K7203に準拠して温度23℃で
測定した曲げ弾性率が100〜600MPa、代表的に
は、150〜500MPa、JIS K7113に準拠
して温度23℃で測定した引張破断点強度が30MPa
以上、JIS K6717に準拠して測定した厚さ2m
mのシートのヘイズは70%以下となる。
【0014】本発明のプロピレン系共重合体組成物は、
重合により(A)成分を生成した後に、(B)成分が重
合によって得られてなる組成物からなるものである。こ
の逐次重合に用いられる触媒は、特に限定されるもので
はないが、有機アルミニウム化合物と、チタン原子、マ
グネシウム原子、ハロゲン原子及び電子供与性化合物を
必須とする固体成分とからなるものが好ましい。
【0015】ここで、有機アルミニウム化合物として
は、一般式R1 mAlX(3-m)(式中、R 1は炭素原子数1
〜12の炭化水素残基、Xはハロゲン原子を示し、mは
1〜3の数である)で表される化合物、例えば、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム等のトリア
ルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、
ジエチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニ
ウムハライド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エ
チルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニ
ウムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド、
エチルアルミニウムジクロリド等のアルキルアルミニウ
ムジハライド、ジエチルアルミニウムハイドライド等の
アルキルアルミニウムハイドライド等が挙げられる。
【0016】チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン
原子、及び電子供与性化合物を必須とする固体成分の、
チタン原子の供給源となるチタン化合物としては、一般
式Ti(OR2(4-n)n(式中、R2は炭素原子数1〜
10の炭化水素残基、Xはハロゲン原子を示し、nは0
〜4の数である)で表される化合物が挙げられ、中でも
四塩化チタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシ
チタン等が好ましい。マグネシウム原子の供給源となる
マグネシウム化合物としては、例えば、ジアルキルマグ
ネシウム、マグネシウムジハライド、ジアルコキシマグ
ネシウム、アルコキシマグネシウムハライド等が挙げら
れ、中でもマグネシウムジハライド等が好ましい。ハロ
ゲン原子としては、弗素、塩素、臭素、沃素が挙げら
れ、この内では塩素が好ましい。ハロゲン原子は通常、
前記のチタン化合物やマグネシウム化合物から供給され
るが、アルミニウムのハロゲン化物、珪素のハロゲン化
物、タングステンのハロゲン化物等の他のハロゲン供給
源から供給されてもよい。
【0017】電子供与性化合物としては、アルコール
類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン
酸類、有機酸又は無機酸及びその誘導体等の含酸素化合
物、アンモニア、アミン類、ニトリル類、イソシアネー
ト類等の含窒素化合物等が挙げられる。この中で、無機
酸エステル、有機酸エステル、有機酸ハライド等が好ま
しく、珪酸エステル、フタル酸エステル、酢酸セロソル
ブエステル、フタル酸ハライド等が更に好ましい。
【0018】上記の珪酸エステルとしては、一般式R3
4 (3-p)Si(OR5p(式中、R3は炭素原子数3〜
20、好ましくは4〜10の分岐脂肪族炭化水素残基又
は炭素原子数5〜20、好ましくは6〜10の環状脂肪
族炭化水素残基を示し、R4は炭素原子数1〜20、好
ましくは1〜10の分岐又は直鎖脂肪族炭化水素残基を
示し、R5は炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4の
脂肪族炭化水素残基を示し、pは1〜3の数である)で
表される有機珪素化合物、例えばt−ブチル−メチル−
ジメトキシシラン、t−ブチル−メチル−ジエトキシシ
ラン、シクロヘキシル−メチル−ジメトキシシラン、シ
クロヘキシル−メチル−ジエトキシシラン等が特に好ま
しい。
【0019】本発明のプロピレン系共重合体組成物の製
造は、第一段階でプロピレン又はプロピレンと炭素原子
数2〜8の他のα−オレフィンを供給して、前記の触媒
の存在下に温度50〜150℃、好ましくは50〜10
0℃、プロピレンの分圧0.5〜4.5MPa、好まし
くは1.0〜3.5MPaの条件で、プロピレンを主成
分とするα−オレフィンの重合を実施して(A)成分を
生成させ、続いて第二段階で、プロピレンとエチレン、
又はプロピレンとエチレンと炭素原子数4〜8のα−オ
レフィンとを供給して、前記触媒の存在下に温度50〜
150℃、好ましくは50〜100℃、プロピレン及び
エチレンの分圧各0.3〜4.5MPa、好ましくは
0.5〜3.5MPaの条件で、プロピレン−エチレン
共重合又はプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重
合を実施して(B)成分を生成させることにより行うこ
とができる。
【0020】この重合は、回分式、連続式、半回分式の
いずれによってもよく、第一段階の重合は気相又は液相
中、また第二段階以降の重合も気相又は液相中、特には
気相中で実施するのが好ましく、各段階の滞留時間は各
々0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間とするのが
よい。この方法において、(A)成分及び(B)成分の
含有量は、各段階において重合させる単量体の量によ
り、また(A)成分のアイソタクチックインデックスは
用いる触媒の種類や重合条件(温度、圧力等)や仕込単
量体の組成により、それぞれ調整できる。(B)成分の
室温キシレン不溶分や室温キシレン可溶分は、各重合段
階において仕込む単量体の組成や各段階における重合体
の生成量、及び例えば水素供給量で調節される分子量に
より調整することができる。また、触媒の種類の選択に
よっても調整が可能である。
【0021】前記の方法により製造される重合体の粉体
粒子にベタツキ等の問題が生じる際は、粉体粒子の流動
性を付与するため、第一段階での重合後、第二段階での
重合開始前又は重合途中に、活性水素含有化合物を、触
媒の固体成分中のチタン原子に対して100〜1000
倍モルで、かつ触媒の有機アルミニウム化合物に対して
2〜5倍モルの範囲で添加することが好ましい。ここ
で、活性水素含有化合物としては、例えば、水、アルコ
ール類、フェノール類、アルデヒド類、カルボン酸類、
酸アミド類、アンモニア、アミン類等が挙げられる。
【0022】本発明のプロピレン共重合体には、その透
明性を損なわない範囲でエチレン−α−オレフィン共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン系重
合体や、プロピレン−α-オレフィン共重合体、シンジ
オタクチックポリプロピレン等のプロピレン系重合体、
及びスチレンとブタジエン、イソプレン等の共役ジエン
とのブロック共重合体の水素添加物等を配合してもよ
く、またプロピレン系重合体の透明性向上に常用される
α晶結晶核剤を添加しても良い。更に柔軟性等を付与す
るためにゴム用軟化剤が配合されてもよい。
【0023】また本発明のプロピレン系共重合体組成物
には、本発明の効果を損なわない範囲で上記以外のその
他の各種樹脂やゴム、ガラス繊維、炭酸カルシウム、シ
リカ、タルク、マイカ、クレー等の充填材、酸化防止
剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、分散剤、中和剤、難
燃剤等の各種添加剤、等を必要に応じて添加して用いて
もよい。本発明のプロピレン共重合体は、ポリオレフィ
ンに適用されている押出成形、射出成形、圧縮成形等の
各種の成形法により、単体として又は他の材料との積層
体等として、所望の形状に賦形されて成形体とされる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて、更に具体的
に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の
実施例によって限定されるものではない。 <プロピレン系共重合体組成物の製造>以下の実施例及
び比較例で用いるプロピレン共重合体組成物は下記のよ
うにして製造した。 (1)固体成分触媒の製造 窒素置換した内容積50リットルの攪拌機付反応槽に脱
水及び脱酸素したn−ヘプタン20リットルを導入し、
次いで塩化マグネシウム4モルとテトラブトキシチタン
8モルとを導入して95℃で2時間反応させた後、温度
を40℃に下げ、メチルヒドロポリシロキサン(粘度2
0センチストークス)480ミリリットルを添加して更
に3時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固
体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
【0025】続いて、前記と同様の攪拌機付反応槽に脱
水及び脱酸素したn−ヘプタン15リットルを導入し、
次いで得られた固体成分をマグネシウム原子換算で3モ
ルを加え、更に四塩化珪素8モルをn−ヘプタン25ミ
リリットルに加えた混合液を30℃で30分間かけて導
入して、温度を90℃に昇温して、1時間反応させた
後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタ
ンで洗浄した。
【0026】更に、前記と同様の攪拌機付反応槽に脱水
及び脱酸素したn−ヘプタン5リットルを導入し、次い
で上で得られた四塩化珪素処理したチタン含有固体成分
250グラムと、1,5−ヘキサジエン750グラム、
t−ブチル−メチル−ジメトキシシラン130ミリリッ
トル、ジビニルジメチルシラン10ミリリットル、トリ
エチルアルミニウム225グラムをそれぞれ導入して3
0℃で2時間接触させた後、反応液を取り出し、n−ヘ
プタンで洗浄して固体成分触媒を得た。
【0027】得られた固体成分触媒は、1,5−ヘキサ
ジエンの予備重合量がチタン含有固体成分あたり、2.
97グラムであった。 (2)プロピレン/プロピレン−エチレンの二段重合 内容積550リットルの第一段反応器に、温度70℃で
加圧下(70℃においては約3.2MPaになる)にお
いて、プロピレンとトリエチルアルミニウム及び、重合
体生成速度が20kg/時間となるような量の前記固体
成分触媒とを連続的に供給し、更に分子量調整剤として
水素をやはり連続的に供給して液相中で第1段階の重合
を実施した。
【0028】続いて、プロピレンパージ槽を経由して、
生成重合体を内容積1900リットルの第二段反応器に
導入し、温度60℃で、圧力3.0MPaになるよう
に、目的とする共重合体の組成割合に応じたプロピレン
とエチレンとを連続的に供給し、更に分子量調整剤とし
て水素を連続的に供給するとともに、活性水素化合物
(エタノール)を、第一段階で供給した固体成分触媒中
のチタン原子に対して200倍モルで、トリエチルアル
ミニウムに対して2.5倍モルになるように供給して気
相中で重合を実施し、生成重合体を連続的にベッセルに
移した後、水分を含んだ窒素ガスを導入して反応を停止
させた(第二段階重合)。
【0029】<実施例1〜6、比較例1〜4>前記の方
法に従い、主に原料モノマー(プロピレン等)の仕込量
を調節して、種々の室温キシレン可溶分(以下「CX
S」と記す)、室温キシレン不溶分(以下「CXIS」と
記す)等の重合体組成物を製造した。組成分析 これら各実施例及び比較例の重合体からなる組成物につ
いて、以下に示す方法で、(A)成分及び(B)成分の
全重合体中の重量割合、(A)成分および(B)成分中
の室温キシレン不溶分及び可溶分の全重合体中の重量割
合、(A)成分のアイソタクチックインデックス、及び
室温キシレン可溶分中のプロピレン以外のα−オレフィ
ン(エチレン)の含有量をそれぞれ測定した。結果を表
1及び表2に示す。
【0030】(1)(A)成分及び(B)成分の組成物
全体に対する重量割合 (B)成分の全重合体中の重量割合(これをB(%)と
する)を、得られた全重合体の重量と、第二段階の重合
で供給したプロピレンとエチレンの重量とから算出し
た。これより、(A)成分の全重合体中の重量割合(こ
れをA(%)とする)を、「100−B」として算出し
た。 (2)室温でキシレンに可溶な非結晶成分の重量割合
(CXS) 第一段階の重合後に生成した重合体をサンプリングし、
その試料1gを油浴中のキシレン300ミリリットル中
に入れ、キシレンの沸点である140℃で撹拌下に溶解
してそのまま1時間攪拌を続ける。続いて撹拌しながら
1時間以内で100℃まで降温した後、急冷用油浴に移
して撹拌を継続しながら23±2℃まで急冷してポリマ
ーを析出させ、20分間以上放置した。析出物を濾紙で
自然濾過し、濾液をエバポレータを用いて蒸発乾固し
て、120℃で2時間減圧乾燥した後、常温まで放冷し
てその重量を測定して、(A)成分中の室温キシレン可
溶分を求め、これと当初の試料量と比較することによ
り、(A)成分中の室温キシレン可溶分の重量割合(こ
れをAs(重量%)とする)を算出した。同様にして生
成した全重合体中の室温キシレン可溶分を測定し、その
重量割合(これをCXS(P)(%)とする)を算出し
た。
【0031】次いで(A)成分中の室温キシレン可溶分
の全重合体中の重量割合(これをCXS(A)(重量
%)とする)を「As×A/100」として、また
(B)成分中の室温キシレン可溶分の全重合体中の重量
割合(これをCXS(B)(重量%)とする)を、「C
XS(P)−CXS(A)」として、それぞれ算出し
た。 (3)(A)成分のアイソタクチックインデックス 上記(2)と同様にして、第一段階の重合後に生成した
重合体((A)成分)をサンプリングし、これについて
n−ヘプタンによるソックスレー抽出を行い、その残渣
重量を測定し、試料重量に対する重量%として算出し
た。
【0032】(4)(B)成分の室温キシレン可溶分中
のエチレン含有量 上記(2)において得られた第一段階の重合後に生成し
た重合体の室温キシレン可溶分及び全重合体中の室温キ
シレン可溶分について、13C−NMRスペクトル法によ
りKang−Bong Lee et.al,Poly
mer J.,28,696−702ページ(1996
年)に記載の方法に従って、各キシレン可溶分中のエチ
レン含有量(それぞれE(A)、E(P)とする。単
位:重量%)を測定し、下式によって測定した。
【0033】[E(P)−E(A)×(CXS(A)/
CXS(P))]/[CXS(B)/CXS(P)]重合体の評価 得られたプロピレン共重合体組成物のメルトフローレー
ト(MFR)、密度は下記(1)、(2)の方法で測定
した。また、得られたプロピレン共重合体組成物の硬
度、機械物性、ヘイズ等は以下の方法で作成したサンプ
ルを用いて、下記(3)〜(8)に従って測定した。即
ち、得られたプロピレン共重合体組成物に、酸化防止剤
としてテトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−
t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン(日本チバガイギー社製「IRGANOX
1010」)とトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト(日本チバガイギー社製「IRGAF
OS 168」)とを、中和剤としてステアリン酸亜鉛
を、それぞれプロピレン共重合体組成物100重量部に
対して0.05重量部ずつ添加し、シリンダー径45m
mの二軸押出機(池貝社製「PCM45」)を用いて設
定温度200℃にて溶融混練してペレット化した後、型
締め圧100tの射出成形機(日本製鋼所社製「N−1
00」)を用いて、ホッパー下温度175℃、シリンダ
ー温度220℃、ノズル温度210℃、金型温度40℃
にて、試験片サンプルを射出成形し、以下に示す方法
で、メルトフローレート、密度、硬度、曲げ弾性率、及
び、引張特性、衝撃強度、ヘイズ、融点ピーク温度を測
定した。結果を表1及び表2に示す。
【0034】(1)メルトフローレート JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重2
1.18Nにて測定した。 (2)密度 JIS K7112に準拠し、水中置換法にて測定し
た。 (3)硬度 JIS K7215に準拠し、タイプDのデュロメータ
硬さを測定した。 (4)熱的特性(融解ピーク温度) 示差操作熱量計(セイコーインスツルメンツ社製DS
C)を用いて、JISK7121に準拠して、昇温速度
10℃/分で融解ピーク温度を測定した。 (5)曲げ弾性率・曲げ応力 JIS K7203に準拠し、温度23℃にて測定し
た。 (6)引張特性 JIS K7113に準拠し、2号形試験片を用いて、
温度23℃、引張速度50mm/分にて、引張降伏点強
度、引張破断点強度、及び引張破断点伸びを測定した。 (7)衝撃強度 JIS K7110に準拠し、温度23℃及び0℃に
て、ノッチ付きのアイゾット衝撃強度を測定した。 (8)ヘイズ 上記の機械物性測定用に作成した試験片を用いて、JI
S K6717に準拠し、厚さ2mmの射出成形シート
のヘイズを測定した。
【0035】<結果の評価>表1に示す結果から、次の
諸点が判明する。 (1)(B)成分中のキシレン不溶分の含有割合と、キ
シレン可溶分中のエチレン含有量が本発明の範囲を外れ
る、比較例1〜3では、いずれもヘイズ値が高く、透明
性が不十分である。 (2)(A)、(B)成分の含有割合及び(B)成分中
のCXISが本発明の範囲外となる比較例4では、耐衝
撃性が不十分となる。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明のプロピレン重合体は、耐熱性と
柔軟性、透明性が良好であり、かつ引張破断点強度や耐
衝撃性等の機械物性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水上 茂雄 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社プロセス開発センター内 Fターム(参考) 4J002 BP021 BP031 FD010 4J026 HA04 HA27 HA39 HB03 HB04 HB27 HB39 HE01 4J100 AA02Q AA03P AA04Q AA04R AA07Q AA07R AA09Q AA09R AA16Q AA16R AA17Q AA17R AA19Q AA19R CA04 CA05 CA11 DA40 DA49 DA51 DA62 FA35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)成分と(B)成分とを含
    み、かつ重合により(A)成分を生成した後に(B)成
    分が重合によって得られてなるプロピレン系共重合体組
    成物。 (A)アイソタクチックインデックスが90%以上のプ
    ロピレンを主成分とする重合体成分:全重合体の10〜
    60重量% (B)プロピレンとエチレンとを必須成分とする、プロ
    ピレンと炭素原子数8以下の他のα−オレフィンとの共
    重合体であって、その室温キシレン不溶分が全重合体中
    の20重量%を超え70重量%以下、室温キシレン可溶
    分が全重合体中の10重量%以上60重量%以下、かつ
    この室温キシレン可溶分中のプロピレン以外のα−オレ
    フィンの含有量が20重量%未満である重合体成分:全
    重合体の40〜90重量%
  2. 【請求項2】 (A)成分がプロピレン単独重合体であ
    る請求項1に記載のプロピレン系共重合体組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分中の炭素原子数8以下の他の
    α−オレフィンがエチレンである請求項1又は2に記載
    のプロピレン系共重合体組成物。
  4. 【請求項4】 曲げ弾性率100〜600MPa、厚さ
    2mmのシートのヘイズ70%以下、かつ引張破断点強
    度30MPa以上の請求項1〜3のいずれか1項に記載
    のプロピレン系共重合体組成物。
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