JP3480451B2 - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料電池システムに
関しており、特に、蒸発器の温度が適正に保たれる範囲
内で液体原料の投入量を増減させる燃料電池システムに
関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池システムの改質反応器として、
メタノールおよび水を原料とする反応器が知られてい
る。この改質反応器で水素を主成分とする改質ガスを得
るためには、蒸発させられたメタノールおよび水の混合
ガスと空気中の酸素とを、改質反応器内の改質触媒にお
いて反応させる。このとき、改質反応器内では、部分酸
化反応および水蒸気反応の両方が進行する。水蒸気反応
に伴う吸熱分を酸化反応に伴う発熱分で補い、吸熱量と
発熱量とのバランスをとるようにしている。
【0003】以上のような改質反応器を燃料電池システ
ムに使用するには、まず、メタノールおよび水を含む液
体原料を蒸発させる必要がある。そこで、液体原料を蒸
発させる蒸発器と、この蒸発に必要な熱量を供給する燃
焼器とを使用する。燃焼器の燃料としては、燃料電池本
体での発電に使用されず未利用となった改質ガスである
排水素と酸化剤である空気とが使われ、目標とする運転
温度で燃焼器が運転される。燃焼器の温度を目標値通り
に維持するために、排水素および必要な場合にはこれを
補うメタノールのような液体の燃料の流量と空気の流量
とを調整する。
【0004】さらに、確実に原料を蒸発させるために、
蒸発器も目標の運転温度で運転される。ここで、蒸発器
に投入する原料を増減させると、蒸発器の温度は変化し
てしまう。したがって、この温度変化を打ち消す量の熱
量が燃焼器から与えられるように、燃焼器の燃焼量を調
整する必要がある。そこで、燃焼器の燃料である排水素
または燃焼用の液体メタノールの流量を蒸発器に投入さ
れる原料の量に合わせて調整する。このような燃料電池
システムの制御の例として、特開2000−17800
1号公報および特開2000−185903号公報それ
ぞれに開示の技術が挙げられる。
【0005】前者に開示の従来技術では、排水素または
メタノールのいずれか一方のみを燃焼させた場合に、蒸
発器において要求される熱量に対して蒸発器へと与えら
れる熱量が不足するか否かを検出している。そして、熱
量が不足している場合には、排水素またはメタノールの
うちの他方が追加されて燃焼させられる。このようにし
て蒸発器への液体の原料の投入量の変化に応じて蒸発器
へと与えられる熱量が制御され、蒸発器が目標の運転温
度で稼動する。
【0006】後者に開示の従来技術では、蒸発器に投入
される原料の増加に伴ってこの原料の気化に必要な熱量
が増加することに対応するために、蒸発器の目標温度を
引き上げ、燃焼器にメタノールを追加して燃やすように
している。これによって蒸発器の温度の低下が回避され
ており、この結果、この温度低下によって改質ガスが不
足してしまうという不具合が未然に防止されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示の従来
の方法の双方とも、例えば蒸発器の温度がその下限値よ
りも低下してしまった場合であっても、要求される発電
量が増加したときにはこれに応じて液体の原料の蒸発器
への投入量が増加させられる。これによって、蒸発器の
温度がさらに低下してしまう。すると、要求される発電
量に見合う量の原料ガスが生成されず、発電量が不足し
てしまう。これによってさらに液体の原料の投入量の増
加が図られるという悪循環が生じかねない。発電量が不
足すると、燃料電池システムに備えられた2次バッテリ
の負担が大きくなってしまうという問題点がある。
【0008】蒸発器の温度が低下すると、液体燃料の一
部が気化されずに液体のまま改質器に到達してしまう場
合がある。すると、改質器の改質性能が低下してしま
い、一酸化炭素の生成量が増加してしまう。これによっ
て燃料電池の被毒が生じてしまうという問題点がある。
【0009】本発明は、蒸発器の温度が適正に保たれる
範囲内で液体原料の投入量を増減させる燃料電池システ
ムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、燃料電池
本体に要求される発電量に基づいて温度を設定する発熱
器を備えて液体原料を気化させる蒸発器と、気化された
液体原料から得られる発電用燃料ガスを用いて発電を行
う燃料電池本体と、前記液体原料の前記蒸発器への投入
量から該蒸発器の温度の予測プロファイルを構成する複
数の温度を予測し、前記燃料電池本体に要求される発電
量に応じた量の前記液体原料を前記蒸発器が気化させる
ことができない温度を、前記蒸発器の臨界温度としたと
きに、前記複数の予測温度と前記蒸発器の臨界温度とを
比較して前記複数の予測温度のうちの少なくともいずれ
か1つが前記臨界温度を下回り、安定性が失われ得ると
判断した場合には、前記予測プロファイルの与える最低
の温度が前記臨界温度を下回らないように、前記液体原
料の予定されている前記投入量を変更する制御手段とを
備える。
【0011】第2の発明は、第1の発明の前記制御手段
が、前記複数の予測温度のうちの少なくともいずれか1
つが前記臨界温度を下回り、安定性が失われ得ると判断
した場合には、前記予測プロファイルの与える最低の温
度が前記臨界温度にほぼ一致するように、前記液体原料
の予定されている前記投入量を変更する。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】第3の発明は、第1の発明の前記制御手段
、前記発熱器の設定温度を要求される発電量から直接
的に求められる目標値よりも高く設定する。
【0016】第4の発明は、第1の発明の前記制御手段
が、前記蒸発器の前記予測温度と前記臨界温度との差に
応じて前記発熱器の前記設定温度の変更量を決定する。
【0017】第5の発明は、第1の発明において、前記
液体原料の気化に要する熱量を熱伝達流体を介して前記
蒸発器に与える発熱器をさらに備え、前記制御手段は、
前記液体原料の前記投入量に加えて、前記蒸発器が前記
液体原料を気化させることによって得られる原料ガスの
温度と、前記熱伝達流体の温度とのうちの少なくともい
ずれか一方を考慮して前記蒸発器の温度を予測する。
【0018】第6の発明は、第5の発明において、前記
蒸発器の前記温度を予測するために考慮される前記熱伝
達流体の前記温度は、該蒸発器へと熱交換によって前記
熱量を与える前の温度または与えた後の温度のうちの少
なくともいずれか一方である。
【0019】第7の発明は、第1の発明ないし第6の発
のうちのいずれか1つにおいて、前記蒸発器において
前記液体燃料が気化させられることによって得られた原
料ガスを酸素を用いて改質して前記発電用燃料ガスを生
成する改質器をさらに備え、前記液体燃料は炭素および
水素を含む。
【0020】
【発明の作用および効果】第1の発明によると、液体原
料の投入量が蒸発器の予測温度に応じて増減させられ
る。これによって、液体原料の投入過剰によって蒸発器
の温度低下が許容範囲から逸脱してしまうことが未然に
回避される。これによって、蒸発器の能力が保たれる。
これに伴い、燃料電池本体に供給される発電用燃料ガス
の量が不足する期間が短くなり、燃料電池本体の発電の
安定性が保たれる。
【0021】また、液体原料の投入量が制限されること
によって、蒸発器の温度の低下が抑制される。これによ
って液体原料の気化の安定性が確保され、ひいては燃料
電池システム自体の稼動が安定する。
【0022】また、複数の予測温度に基づいて気化の不
安定化の可能性が判断される。これによって、不安定化
の可能性の判断の信頼性が向上する。
【0023】また、要求される発電量に対して液体原料
の供給量を変化させても、液体原料が気化されないで供
給される事態が未然に回避される。これによって、燃料
電池システムの安定性が十分に保たれる。
【0024】第2の発明によると、臨界温度ぎりぎりに
蒸発器を保つことによって、気化を不安定化させない範
囲で最大の投入量の液体原料を蒸発器に与えることがで
きる。これによって、液体原料が気化される総量が最大
限に保たれ、燃料電池本体の発電量の低下が抑制され
る。
【0025】第3の発明によると、原料の供給量を早急
に目標値に到達させたい場合など、発熱器の設定温度を
要求される発電量から直接的に求められる目標値よりも
高く設定することによって、蒸発器に与えられる熱量
を、設定しない場合よりも多くすることができる。
【0026】第4の発明によると、予測温度と臨界温度
との差に応じた温度に発熱器が設定される。これによっ
て、不安定化の可能性の有無に応じて発熱器の設定温度
が変更され、気化の安定性が確保される。すなわち、液
体原料の投入量の変化によって生じうる蒸発器の温度の
変化分の少なくとも一部が、発熱器によって与えられる
熱量によって打ち消される。これによって、要求される
発電量に対して十分な量の液体原料が気化される期間が
長くなり、燃料電池本体が要求通りの発電量を達成する
ことができるようになる。
【0027】第5の発明によると、原料ガスの温度また
は熱伝達流体の温度のうちの少なくともいずれか一方が
考慮されることによって、液体燃料の投入量の見積もり
の誤差が抑制される。これによって、予測温度の信頼性
が向上する。
【0028】第6の発明によると、熱交換の前後の熱伝
達流体の温度を用いて蒸発器の温度が予測される。
【0029】第7の発明においては、第1の発明ないし
第6の発明のうちのいずれかによって蒸発器の能力が保
たれることによって、液体燃料が気化されずに改質器へ
と到達してしまうことが未然に回避される。これによっ
て、液体燃料が液体のまま改質器へと到達することによ
る改質性能の低下によって一酸化炭素が発生してしまう
虞が低下する。一酸化炭素による燃料電池本体の被毒の
虞が低減されることが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】本実施の形態においては、蒸発器
の温度が適正に保たれる範囲内で液体原料の投入量を増
減させる燃料電池システムを示す。図1は、本実施の形
態の燃料電池システムの構成を例示する模式図である。
図2は、制御装置100の構成を例示する模式図であ
る。
【0031】図1の燃料電池システムは、液体の原料と
して、水原料タンク1内の水とメタノール原料タンク2
内のメタノールとを用いて発電を行う。水およびメタノ
ールはそれぞれ、インジェクタ等からなる供給装置3お
よび供給装置4によって蒸発器5内へと投入される。蒸
発器5においては、燃焼器10から与えられる熱量を用
いて液体の原料を蒸発させる。燃焼器10は、後述の燃
料電池本体8から排出される可燃成分および空気と、イ
ンジェクタである供給装置34によって燃料タンク33
から供給される燃料とを用い、蒸発に必要な熱量を発生
させる。
【0032】蒸発器5によって得られた原料蒸気は、改
質反応器6へと送られる。そして、この原料蒸気は空気
供給装置11のコンプレッサから改質反応器6へと送り
込まれる空気の中の酸素と反応し、水蒸気反応および部
分酸化反応が進行する。このようにして、水素リッチな
改質ガスが発生する。改質反応器6に空気を供給する配
管の途中には、流量センサ14および流量制御弁13が
取り付けられている。改質反応器6へと供給される空気
の流量は、制御装置100内の図示を省略された温度制
御器による流量制御弁13の開度の調節によって制御さ
れる。このようにして、改質反応器6に取り付けられて
いる温度センサ6aが目標温度になるように制御装置1
00によって制御が行われる。
【0033】改質反応器6から送り出される水素リッチ
な改質ガスには、一酸化炭素(Co)が含まれる。この
Co成分を燃焼して除去することによって後述の燃料電
池本体8の電極を被毒から保護するために、Co除去反
応器7が設置されている。本実施の形態の改質反応器6
として例えば、水蒸気反応および部分酸化反応で生じた
Coを燃焼するシフト反応一体型の反応器を用いること
ができる。このタイプの改質反応器から送り出される改
質ガスに含まれるCoは比較的低濃度であるが、この場
合にもCo除去反応器7を用いることによってCoの除
去を徹底することが可能となる。
【0034】Co除去反応器7には、制御装置100に
よる空気流量制御弁15の開度の調整によって、空気供
給装置11から所望の流量の空気が供給される。この空
気中の酸素と改質ガス中のCoとの酸化反応によって、
Coを燃焼させて除去する。空気は空気供給装置11か
ら供給する。図示は省略されているが、Co除去反応器
7を十分な量の冷却水が通過しており、Co除去反応器
7の温度は制御装置100によって管理温度に維持され
ている。
【0035】Co除去反応器7から送り出される水素リ
ッチな改質ガスは、燃料電池本体8の水素極側へ導かれ
る。一方、燃料電池本体8の酸素極側には、空気供給装
置11から空気が供給される。この空気中の酸素と水素
リッチな改質ガスとが反応に用いられ、発電が行われ
る。
【0036】ここで、空気を供給する機構の全体像につ
いて説明を行う。図1の例では、燃料電池システム全体
で必要とする空気を単一の空気供給装置11によってま
かなう構成となっている。空気供給装置11からの空気
の供給対象は、改質反応器6と、Co除去反応器7と、
燃料電池本体8の空気極側(燃焼器10を含む)とな
り、合計3経路となる。空気供給装置11のコンプレッ
サの吐出流量の総量は、流量センサ12によって計測さ
れる。既述のように、改質反応器6およびCo除去反応
器7に供給される空気の流量はそれぞれ、流量センサ1
4および流量センサ16によって計測される。
【0037】制御装置100は、改質反応器6およびC
o除去反応器7それぞれへと、流量制御弁13および流
量制御弁15の開度を独立に制御することによって必要
な流量の空気を分岐させて供給する。そして、制御装置
100は、改質反応器6、Co除去反応器7および燃料
電池本体8(燃焼器10)において要求される空気流量
の総和と流量センサ12の計測値とが等しくなるよう
に、図2の総空気流量制御器26を用いて図1の空気供
給装置11のコンプレッサの回転数を調整する。すると
結果的に、燃料電池本体8(燃焼器10)に供給される
空気の流量は、燃料電池本体8(燃焼器10)の要求量
に見合ったものとなる。
【0038】燃料電池本体8からは、発電には利用され
なかった酸素および水素をそれぞれ含む、空気(「排空
気」と以下呼ぶ)および改質ガス(「排水素」と以下呼
ぶ)が排出される。排空気および排水素の配管にはそれ
ぞれ圧力調整弁19および圧力調整弁20が取り付けら
れている。制御装置100は、圧力センサ17および圧
力センサ18によって改質ガスおよび空気の圧力をそれ
ぞれ計測しながら、圧力調整弁19および圧力調整弁2
0の開度を図2の空気圧力制御器29および改質ガス圧
力制御器28それぞれを用いて独立に調整する。このよ
うにして、燃料電池本体8の空気極側および水素極側そ
れぞれの圧力がそれぞれの目標の圧力に一致するように
制御がなされる。ここで既述のように、図1の例の場
合、単一の空気供給装置11によって燃料電池システム
全体が必要とする空気を供給する構成が採用されてい
る。したがって、燃料電池本体8の空気極側の圧力は、
燃料電池システム全体における空気の通過経路の圧力と
なる。
【0039】燃料電池本体8の排空気は配管24を通じ
て、排水素は配管23を通じて、それぞれ燃焼器10へ
供給される。既述のように、燃焼器10においては、配
管23からの排水素およびこの排水素では熱量が不足す
る場合の補償用の燃料タンク33から補給される追加用
の液体の燃料(例えばメタノール)を、配管24からの
排空気中の酸素を用いて燃焼させる。したがって、排空
気中の酸素の量が排水素および追加用の液体燃料の量に
見合うように、制御装置100内の総空気流量制御器2
6は空燃比(A/F比)を用いて空気供給装置11の送
り出す空気量を調整する。燃焼器10における燃焼によ
って、蒸発器5が原料を蒸発させるのに必要な熱量が与
えられる。蒸発器5において蒸発が順調に進行している
か否かは、蒸発器5の出口側に設けられた温度センサ2
2によって計測された温度が一定の管理温度範囲に収ま
っているかいないかに基づいて、制御装置100によっ
て判断される。
【0040】ここで、燃焼器10に液体の燃料をいくら
供給すれば良いかは、蒸発器5に投入される原料の流量
と、燃料電池本体8からの排水素の流量と、に基づいて
定めることが可能である。原料となるメタノールおよび
水それぞれの供給量の目標値は、燃料電池本体8に要求
される発電量に基づいて制御装置100によって算出さ
れる。そして、供給装置4および供給装置3によって送
出されるメタノールおよび水の流量は、流量センサ31
および流量センサ30によって、制御装置100へと入
力される。制御装置100に備わる図示を省略された制
御器は、これらの流量がそれぞれの目標値と一致するよ
うにそれぞれの供給装置4および供給装置3の送出強度
を調節する。
【0041】例えば、本実施の形態の燃料電池システム
を車両に適用した場合には、要求電力量はドライバのア
クセル踏み込み量に基づいて算出される。燃料電池本体
8には、バッテリまたはインバータのような負荷9が接
続されている。インバータからの電力量をモータに供給
して車両走行の動力として使うことができる。本実施の
形態では、負荷9の消費する発電量に応じて燃料電池本
体8の発電を制御するようにしている。制御装置100
に備わる図2の負荷制御器27からの指令で負荷9の消
費電力量が制御され、一方で燃料電池本体8での発電量
が消費量に対応して調節される。制御装置100は、C
PUおよび周辺インターフェースを有するマイクロコン
ピュータによって実現することが可能である。
【0042】以上のように設定される発電量を実現する
ように、原料(水およびメタノール)の供給量が決定さ
れる。そして、この供給量分の原料を十分蒸発させるこ
とが出来るように燃焼器10の目標温度が設定され、こ
れに応じて燃焼器10への燃焼用燃料の供給量が定ま
る。
【0043】以上のようにして、要求される発電量に応
じて、燃焼器10の温度およびこの温度を実現するため
の燃焼用燃料の供給量と、原料の蒸発器5への供給量と
が決定される。しかし、例えば、要求される発電量の大
幅な増加に伴って蒸発器5および燃焼器10にそれぞれ
投入される原料および燃焼用燃料の流量を一気に増大さ
せても、すぐに要求通りの発電量が得られるとは限らな
い。なぜならば、燃焼用燃料の供給量の増加に遅れて燃
焼器10の温度が上昇を開始するからであり、原料の供
給量の増加によって低下してしまう蒸発器5の温度がす
ぐには引き上げられないからである。特に、蒸発器5の
温度が下限値を下回ってしまう場合には、原料ガスの生
成量が不足してしまい、要求される発電量を実現するこ
とが困難となってしまう。ここで、下限値とは、この値
よりも温度が下がってしまうと蒸発器5の気化性能が低
下してしまい、発電量の要求値に相当する量の原料を気
化することができない温度値をいう。
【0044】そこで、蒸発器5の温度が今後如何に変化
するかを予測しつつ原料の供給量をいくら変化させるか
を決定することが必要となる。さらに、原料の供給量に
合わせて燃焼器10の温度を変化させることも必要とな
る。制御装置100内の蒸発器温度制御器25が、蒸発
器5に投入される液体の原料の流量を調整する。そし
て、燃焼器温度制御器35が、蒸発器温度制御器25か
らの指示を受けて燃焼器10の温度を調整する。これら
の点が、本実施の形態の燃料電池システムの特徴となっ
ている。
【0045】蒸発器5への原料の実際の供給流量は、流
量センサ30および流量センサ31によって測定され蒸
発器温度制御器25へと入力される。さらに、蒸発器5
の出口には温度センサ40が取り付けられており、この
温度センサ40による実測値が蒸発器5の実際の温度と
みなされる。なお、温度センサ40による実測値の他
に、温度センサ21または温度センサ22の実測値から
蒸発器5の温度を推定する構成を採用することも可能で
ある。
【0046】蒸発器温度制御器25は、これらのセンサ
30、31および40のデータを用いて制御を行う。同
様に、燃焼器10への燃料の実際の供給流量は流量セン
サ32によって、燃焼器10温度は出口に取り付けられ
た温度センサ21によって計測される。図2の燃焼器温
度制御器35は、温度センサ21のデータを用いて制御
を行う。以下、制御の様子を図3を用いて説明する。
【0047】図3は、燃料電池システムの運転に関する
複数のパラメータのプロファイルを例示する模式図であ
る。詳細には、図3(A)は燃焼器10への燃焼用燃料
の供給量を、図3(B)は燃焼器10の温度を、図3
(C)は蒸発器5への原料の供給量を、図3(D)は蒸
発器5の温度をそれぞれ表している。
【0048】時刻t0において、図1の燃料電池本体8
に要求される発電量が増加したと考える。要求される発
電量に相当する蒸発器5への原料の供給量の目標値は、
図3(C)において点線によって例示されるように、時
刻t0において増加する。原料の供給量を増加後の目標
供給量にまで一気に増加させても蒸発器5の温度が下限
値を下回らないならば、特に問題が生じることは無い。
しかし、一気に増加させると図3(D)の矢印によって
示されるように蒸発器5の温度が下限値よりも下回って
しまう場合には、蒸発器5の安定的な稼動の観点から問
題がある。このような場合には、蒸発器5の温度を下限
値以上に保つために、原料の供給量の増加を制限しなけ
ればならない。
【0049】ここで、蒸発器5の温度の管理を考える際
には、蒸発器5に熱量を与える燃焼器10の存在を忘れ
ることはできない。燃焼器10への燃焼用燃料の供給量
は発電量の要求値が増加されることに応じて、プロファ
イルPR1によって示されるように、時刻t0において
引き上げられる。これに遅延して、燃焼器10の温度の
上昇は時刻t1に開始する。燃焼器10の温度の上昇に
よって、蒸発器5に与えられる熱量は増加する。この熱
量の増加による温度の上昇分と、蒸発器5への原料の供
給量の増加による温度の下降分とがちょうど相殺される
ように、図3(C)のプロファイルPR4の如く原料の
供給量の増加を時刻t2に開始する。時刻t2とは、時
刻t1に開始した燃焼器10の温度上昇による熱量の増
加分が蒸発器5へと与えられ始める時刻である。
【0050】すると、図3(D)のプロファイルPR5
のように、蒸発器5の温度は一定のまま変化しない。こ
のようにして、蒸発器5の温度の低下を回避することが
可能となり、蒸発器の性能が安定する。もちろん、この
ように厳密な制御を行わなければならないというもので
はない。要は、原料の供給量の増加による温度の低下分
を燃焼器10の温度の上昇によって補うことによって温
度を下限値以上に保てば足りる。また、原料の供給量を
目標値にまで増加させても蒸発器5の温度が下限値を下
回らない場合には、必ずしも燃焼器10の温度を変化さ
せる必要は無い。
【0051】そこで、短時間により多くの原料を蒸発器
5に供給するために、図5(D)のプロファイルPR6
の如く蒸発器5の温度を遷移させるように原料の供給量
を調節することも可能である。時刻t0においては、図
3(C)のプロファイルPR3によって例示されるよう
に、原料の供給量が増やされる。この時の供給量の増加
分は、蒸発器5の温度をプロファイルPR6のようにち
ょうど下限値に一致させるように計算されている。この
供給量は、時刻t2まで維持される。
【0052】燃焼器10において増加した熱量が実際に
蒸発器5に与えられるようになる時刻t2以降におい
て、付与される熱量の増加分と原料の供給量の増加分と
がちょうど相殺し合うように供給量が増加させられる
(プロファイルPR3)。すると、蒸発器5の温度は下
限値のまま推移する(プロファイルPR6)。そして、
供給量が発電量の要求値の増加後の目標値に到達して供
給量の増加が停止される時刻t3以降において、与えら
れる熱量の増加によって蒸発器5の温度は上昇し、下限
値に余裕を持たせた値(図3(D)の例においては当初
の温度値)に最終的に到達する。プロファイルPR3に
例示されるように供給量を制御することによって、プロ
ファイルPR4の場合よりも早く供給量を増加後の目標
値に到達させることが可能となり、供給量の増加の迅速
性という点において勝る。勿論、蒸発器5の安定性の点
では、プロファイルPR5のように蒸発器5の温度が下
限値から離れた状態で維持されるプロファイルPR3の
ような供給量の増加の方法が優れる。
【0053】以上のような制御は、図4の蒸発器温度制
御器25によって行われる。制御器25の温度予測手段
25aは、要求される発電量に応じて算出された水流量
目標値およびメタノール流量目標値を受け、これらの値
をそのまま実現させた場合に蒸発器5の温度がいくらに
なるかを予測する。具体的には、これらの目標値と流量
センサ30および31によって得られる水およびメタノ
ールそれぞれの実際の流量値とを比較して水およびメタ
ノールそれぞれの流量の操作量(変化量)を求める。そ
して、この2つの操作量を用い、温度センサ40によっ
て得られる蒸発器5の温度の実測値に基づいて蒸発器5
の温度を予測する。この後、この予測温度と下限値とを
比較し、予測温度が下限値を下回るか否かを判断する。
下回ると判断された場合には、温度予測手段25aから
原料供給量制限手段25bおよび燃焼器設定温度算出手
段25cへとこの判断結果が伝えられる。
【0054】原料供給量制限手段25bはこの判断結果
に基づき、発電量の要求値に呼応する水およびメタノー
ルそれぞれの流量目標値よりも実際の流量を制限して図
1の供給装置3および供給装置4を操作し、蒸発器5の
温度が下限値を下回ることを回避する。一方、燃焼器設
定温度算出手段25cは、温度予測手段25aの判断結
果を受け、発電量の要求値に基づいて燃焼器10の温度
の設定値を算出する。この設定値は図2に例示されるよ
うに燃焼器温度制御器35に入力され、燃焼器10の温
度が設定値に到達するように供給装置34が操作され
る。
【0055】以上のような蒸発器温度制御器25による
制御は、一定のインターバルが経過した時刻毎に繰り返
される。ここで、蒸発器温度制御器25による蒸発器5
の温度の予測の精度が高いことは当然に望まれることで
あるが、制御器25を実現するCPU等の演算ユニット
の処理負担を低減させることも必要である。したがっ
て、予測が行われる対象となる時刻の個数をある程度制
限することが要求される。原料の供給量に対して蒸発器
5の温度がいくらになるかという反応特性は、燃料電池
システムの運転状態に応じて変わる。したがって、温度
の予測を行わなければならない範囲は、燃料電池システ
ムの運転状態に応じて適宜変更する必要が生ずる。
【0056】そこで、整数である変数P(P>1)およ
び変数R(R≧0)を用い、現在の時刻を“t”と考え
て、予測の行われる時刻の個数をP個に限定して時刻t
+R+1から時刻t+R+Pまで予測が行われるように
設定するものとする。運転状態の変化に応じて、変数P
および変数Rの値を適宜変更してやれば良い。
【0057】さらに、上記の期間中の蒸発器5の温度を
予測する際には、時刻t以後に予定されている原料の操
作量に加え、時刻tよりも前の操作量も必要となる。既
に投入された原料のうち時刻tの時点で液体のまま残存
するものが、時刻t以降に気化させられて温度低下の原
因となるからである。
【0058】そこで、整数である変数S(S≧0)およ
び変数M(R+P≧M>1)を用い、原料の操作量に関
して温度予測に考慮される時刻の個数を、既に投入され
た原料についてはS個、投入が予定されている原料につ
いてはM個に限定する。したがって、時刻t−Sから時
刻t−1までの間に投入された原料と、時刻tから時刻
t+M−1までの間に投入が予定されている原料とが、
温度予測に反映される。
【0059】変数Sおよび変数Mも、変数Pおよび変数
Rと同様に、燃料電池システムの運転状態に応じて最適
な値が変化する。そこで、これらの変数S,Pも運転状
態に応じて適宜変更する必要が生ずる。例えば、様々な
運転状態に対して最適なモデルパラメータの組合せを予
め実験的に調べておいて表にまとめておき、実際の運転
時にはこの表を用いて実際に使用するモデルパラメータ
を決定することが可能である。
【0060】図5は、運転状態とモデルパラメータとの
関係を例示する図である。複数の運転状態の各々につい
て、適切なモデルパラメータR,P,MおよびSの組合
せが規定されている。図1の蒸発器温度制御器25は燃
料電池システムの運転状態を、各センサを用いて、また
は制御装置100が指示している燃料電池本体8等の出
力設定に基づいて把握する。そして、現在の運転状態が
図5の表の中のどの運転状態に相当するかを判断し、選
択された運転状態に対応するモデルパラメータR,P,
MおよびSの組合せを採用する。
【0061】あるいは、運転状態からモデルパラメータ
R,P,MおよびSが求まる計算式を予め蒸発器温度制
御器25に与えておき、現在の運転状態から最適なモデ
ルパラメータR,P,MおよびSを計算によって求めて
も良い。
【0062】既述のように、図4の温度予測手段25a
を用いて温度予測を行うことが本実施の形態の燃料電池
システムの特徴となっている。温度予測の方法として
は、例えばモデル予測制御理論を用いることが可能であ
る。モデル予測制御理論を燃料電池システムに適用する
と、図6の数式が得られる。図6は、モデル予測制御理
論に基づいて得られる、蒸発器5の温度の予測式である
数式1を例示する図である。数式1に用いられている変
数は行列式であり、その内容は数式2〜数式5に記載さ
れている。モデル予測制御理論は周知であるので、この
理論自体については詳細な説明を省く。
【0063】数式2に記載されるように、予測温度“y
p”は時刻t+R+1〜時刻t+PまでのP個の予測温
度を要素とするP行1列の行列である。実測温度“y”
は、数式3に記載されるように、図1の温度センサ40
によって計測される蒸発器5の現在(時刻t)の温度
(実測値)を要素とするP行1列の行列である。予定操
作量“Δuf”は、時刻t〜時刻t+M−1のうちの個
々の時刻に対して予定されている原料の操作量を要素と
するM行1列の行列である。既操作量“Δuo”は、時
刻t−1〜時刻t−Sの間に既に蒸発器5へと投入され
た原料の操作量を要素とする行列である。
【0064】モデル係数“Af”は、P行M列の行列で
あり、予定操作量Δufが予測温度ypにどの程度反映
されるかを表す係数である。同様に、モデル係数“A
o”はP行S列の行列であり、既操作量Δuoが予測温
度ypにどの程度反映されるかを表す係数である。モデ
ル係数Afおよびモデル係数Aoは、変数であるモデル
パラメータR,P,MおよびSに応じて構成される。
【0065】なお、時刻tの単位は、オペレータが希望
するものを用いれば良い。本実施の形態の例において
は、時刻tの単位を温度制御器25による制御の周期1
つ分とする。したがって、制御周期が例えば0.1秒の
場合には、時刻t+Rとは、現在からR×0.1秒後の
時刻を指す。
【0066】予測の目的対象である図6の予測温度yp
を得るためには、既知の既操作量Δuoおよび実測温度
yの他に、予定操作量Δufが必要である。予定操作量
Δufを求める式は、図7に記載されている。
【0067】図7は、予定操作量Δufの求め方を表す
数式6を示す図である。数式6は、図6の数式1をΔu
fについて解いた式である。詳細には、蒸発器5の目標
温度spと時刻t+R+1〜時刻t+R+Pのうちの各
々の時刻の予測温度ypとの差の合計が最小となるよう
に、数式6は設定されている(すなわち、(sp−y
p)2の微分形となっている)。予定操作量Δufを求
めるには、このように最小2乗法を使う他に、線形計画
法等の他の理論を用いても良い。図7を参照すると理解
できるように、予定操作量Δufを求めるには、既述の
モデル係数Afおよびモデル係数Aoの他に、いくつか
のパラメータが必要となる。その1つである目標温度s
pは、燃料電池本体8に要求される発電量に対応する蒸
発器5の目標温度を要素とする行列である。重み係数Φ
および重み係数λについては、図8を用いて説明を行
う。
【0068】図8は、重み係数λを説明するための模式
図である。重み係数λは、図7の数式8から理解される
ように、目標温度spと予測温度ypとの間の偏差に対
する重み付けを規定する係数λ1〜λPを要素とする対
角行列である。図8に例示されるように、係数λi(i
は1≦i≦Pである任意の自然数)は、時刻t+R+i
における目標温度spと予測温度yp(t+R+i)と
の間の偏差e1〜ePに対する重みを表す。偏差に重み
付けを行う理由について以下に説明する。
【0069】蒸発器5への原料の供給量の操作量が大き
くなると蒸発器5の温度が大きく変化し、図1の温度セ
ンサ40がこの温度変化に追随できなくなる。これによ
って温度の実測値の信頼性が低下すると、制御そのもの
がうまくいかなくなってしまう。そこで、重み係数λを
用いて偏差に対する重み付けを行い、原料の供給量の操
作量が温度センサ40の反応速度を超過しないようにし
ておく。なお、重み係数λは、予め実験またはシミュレ
ーションによって求めておいて温度制御器25に入力し
ておけば良い。
【0070】一方、重み係数Φは、図7に例示されるよ
うに、算出した操作量に対する重み付けを規定する係数
Φ1〜ΦMを要素とする対角行列である。すなわち、図
8に例示されるように、係数Φj(jは1≦j≦Mであ
る任意の自然数)は、算出した操作量に対する重み付け
を行う。
【0071】例えば、重み係数λをdiag[1,0,0,…,0]に
設定すると、時刻t+R+1における温度の予測値yp
(t+R+1)が目標温度spとなるような原料の操作
量Δufを計算によって得ることが可能となる。一方、
diag[λ1,λ2,λ3,…,λP]に関してλj>0と設定した
場合には、時刻t+R+1から時刻t+R+PまでのP
個の予測温度すべてが目標温度となるように原料の操作
量Δufを計算していることになる。このように計算し
ても構わない。
【0072】数式6を解くことによって得られる操作量
Δufは、図6に例示されるように、時刻tから時刻t
+M−1までに予定される操作量を要素として含む。こ
の操作量Δufを図6の数式1に代入することによっ
て、この操作量Δufによって指示される通りの原料の
供給が行われた場合の蒸発器5の温度を予測することが
可能となる。
【0073】次に、図6および図7の数式を用いて行わ
れる図1の温度制御器25の制御の処理手順について説
明を行う。図9は、温度制御器25の処理手順を例示す
るフローチャートである。現在の時刻t=0と考え、説
明を以下に行う。
【0074】図9を参照すれば理解されるように、ステ
ップS1からステップS15までの処理はループとなっ
ており、同じ処理が制御処理の周期毎に繰り返される。
従って、ステップS1の時点では、前回の制御処理のル
ープにおいて求められた予定操作量Δufが既知となっ
ている。
【0075】まず、ステップS1において、燃料電池シ
ステムの運転状態の変化によってモデルパラメータR,
P,MおよびSを変更する必要が生じたか否かが判断さ
れる。変更する必要がある(YES)と判断された場合
には、ステップS2において、図5の表を用いて新たに
モデルパラメータR,P,MおよびSを設定し直す。さ
らに、モデルパラメータR,P,MおよびSの内容に応
じて構成されるモデル係数行列AfおよびAoを、これ
らのパラメータの変更に伴い構成し直す。一方、変更す
る必要がない(NO)と判断された場合にはステップS
2の処理が飛ばされ、以前のモデルパラメータがそのま
ま用いられる。
【0076】ステップS1およびステップS2に引き続
くステップS3においては、現在の原料の供給量が維持
された場合に到達すると予測される、時刻R+Pにおけ
る蒸発器5の温度yp(R+P)を、図6の数式から予
測する。詳細には、既知の既操作量Δuoおよび現時点
での実測温度yが数式1に代入され、予測温度ypが求
まる。
【0077】引き続くステップS4においては、ステッ
プS3の予測温度yp(R+P)と、要求される発電量
に応じて定まる目標温度spとに応じて、この差が埋ま
るように原料の新たな予定操作量Δufを図7の数式6
を用いて計算する。
【0078】ステップS4までの処理によって今回の予
定操作量Δufが求まるが、この予定操作量Δufが適
切であるか否かを蒸発器5の温度を予測することによっ
て判定する必要が生ずる。そして、不適であると判定さ
れた場合にはこの予定操作量Δufを制限する必要が生
ずる。以下の処理においては、予定操作量Δufが不適
な場合にはこれを用いず、原料の供給量がそのまま維持
される。以下、詳細を説明する。
【0079】ステップS4に引き続くステップS5にお
いては、ステップS4において新たに求められた今回の
処理ループの予定操作量Δufを図6の数式1に代入し
直し、蒸発器5の温度を時刻R+1〜R+Pまで予測す
る。これによって、図3(C)のプロファイルPR3ま
たはプロファイルPR4に例示されるような形をしてい
る、複数の予測温度によって構成される温度プロファイ
ルが得られる。
【0080】引き続くステップS6においては、ステッ
プS5の温度プロファイル中の予測温度値のうちの少な
くとも1つでも蒸発器5の温度の下限値を下回るか否か
が判断される。下回らない場合(NO)には、今回の処
理ループにおいて求められた予定操作量Δufを用いて
も不都合が生じることはない。従って、この場合にはス
テップS8に移行する。
【0081】一方、ステップS6において下回る(YE
S)と判断された場合には、原料の過剰投入による温度
の下がり過ぎを防ぐために、ステップS7Aに移行す
る。ステップS7Aにおいては、原料の供給量の増加を
制限して予定操作量Δuf(0)=0に設定する。これ
によって、現状の供給量がそのまま維持される。さら
に、供給量が制限されたことを示すために、初期状態で
は“0”に設定されていたフラグが“1”に設定され
る。
【0082】ステップS8においては、燃焼器10の設
定温度を図4の算出手段25cが算出する。設定温度
は、燃料電池本体8に要求される発電量に基づいて算出
すれば良い。このように計算することによって、原料の
供給量が目標値にまで引き上げられても、最終的には十
分な熱量が蒸発器5へと与えられることになる。また、
原料の供給量を早急に目標値に到達させたい場合には、
燃焼器5の設定温度を要求される発電量から直接的に求
められる目標値よりも高くしても良い。このように設定
することによって、蒸発器5に与えられる熱量を、設定
しない場合よりも多くすることができる。すると、原料
の供給量の操作量を、設定しない場合よりも多くするこ
とが可能となる。
【0083】目標値よりも設定温度を高く設定する場合
には、例えば蒸発器5の予測温度と温度の下限値との差
が大きい場合には目標値と設定温度との差を大きく取
り、小さい場合には小さく取ると良い。このように設定
温度を算出することによって、蒸発器5の温度を引き上
げることが可能となる。算出手段としては、例えばフィ
ードバック制御器を用いれば良い。蒸発器5の予測温度
と温度の下限値との差が“0”となるようにフィードバ
ック制御器を設定することによって、設定温度を算出さ
せることが可能となる。そして、ステップS8に引き続
くステップS9においては、ステップS8の設定温度の
値に基づいて、燃焼用燃料の操作量を算出する。
【0084】以上の説明のステップS8およびステップ
S9においては、フィードバック制御器を用いて燃焼器
10の設定温度値および燃焼用燃料の操作量を算出して
いる。しかし、フィードバック制御器を用いる代わり
に、燃焼用燃料の操作量と蒸発器5の温度の変化量とを
対応付けるモデルを用いて計算を行っても良い。
【0085】図10は、燃焼用燃料の操作量Δuaと蒸
発器5の温度変化量Δyaとを対応付ける式を例示する
図である。ステップ応答試験によってプロセスゲインK
および傾きaと求めて伝達関数モデルG(s)を予め定
めておき、図1の温度制御器25に入力しておく。シス
テム同定理論に基づく図10の数式9においてΔya=
(蒸発器5の目標温度)−(蒸発器5の現在の温度)と
して操作量Δuaについて解く。すると、蒸発器5の温
度を下限値ちょうどにする燃焼用燃料の操作量Δuaが
求まる。
【0086】ステップS9に引き続くステップS10に
おいては、フラグの値が“1”であるか否かを確認する
ことによって、原料の供給量の増加が制限されているか
否かを判断する。フラグの値が“1”である(YES)
と判断された場合には、ステップS11において、原料
の供給量の増加が制限され始めた時の燃焼器10の温度
と現在の燃焼器10の温度とを比較し、燃焼器10の温
度が上昇したか否かが判断される。
【0087】上昇した(YES)と判断された場合に
は、ステップS12において、原料の供給量の増加が制
限され始めた時の蒸発器5の温度と現在の蒸発器5の温
度とを比較し、蒸発器5の温度が上昇したか否かが判断
される。温度が上昇した(YES)と判断された場合に
は、原料の供給量を増加させても良い。そこで、ステッ
プS13において、原料の供給量の増加の制限を解除す
る。解除されたことの認知を可能とするために、フラグ
は“0”に設定しなおされる。
【0088】制限が解除された後の原料の供給量の操作
量は、燃焼器10における温度増加によって引き起こさ
れる蒸発器5の温度の上昇分をちょうど打ち消す原料の
供給量の操作量と同じか、またはこれよりも小さくする
と良い。このように操作量を設定することによって、蒸
発器5の温度低下を防止することが可能となる。
【0089】ステップS14の処理は、ステップ13の
処理の後、またはステップS10〜ステップS12にお
いて“NO”と判断された後に行われる。ここで、これ
らのステップS10〜S12において“NO”と判断さ
れるのは、増加が制限されていない、または温度が上昇
していないと判断される場合である。ステップS14に
おいては、原料の供給量の操作量および燃焼用燃料の操
作量が電圧値に変換されて、アクチュエータへと出力さ
れる。
【0090】燃焼用燃料に付いては、ステップS9にて
算出された操作量に相当する電圧値が出力され、図1の
供給装置34がこの電圧値に基づいて燃焼用燃料の流量
を変化させる。原料の供給量の操作量は、具体的には以
下のようになる。ステップS7Aにおいて行われた原料
の供給量の制限が解除されていない場合には、操作量
“0”に相当する電圧値が出力される。制限がなされな
かった場合には、ステップS4において求められた予定
操作量Δuf中の予定操作量Δuf(0)に相当する電
圧値が出力される。そして、ステップS7Aにおいてい
ったん制限がなされたがステップS13において解除さ
れた場合には、ステップS13において設定された操作
量に相当する電圧値が出力される。そして、この電圧値
に応じて供給装置3および供給装置4が水およびメタノ
ールの流量を変化させる。
【0091】引き続くステップS10においては、燃料
電池システムの運転が停止されるか否かが判断される。
停止されない(NO)の場合には、ステップS1へと戻
ってループ処理が続行される。一方、停止される(YE
S)場合には、処理は終了する。
【0092】図9の例のポイントを以下にまとめてお
く。新たに計算された予定操作量Δuf(ステップS
4)によって蒸発器5の予測温度値が下限値を下回る場
合には、予定操作量を制限する(ステップS7A)こと
によって原料の供給量の増加を制限して温度低下を抑え
ている。そして、処理ループが繰り返される間に燃焼器
10の実際の温度が上昇し(ステップS10)、かつそ
の温度上昇の影響を蒸発器5が受けるようになってから
(ステップS12)、操作量を“0”より大きくして原
料の供給量を増加させるようにしている(ステップS1
3)。以上のような制御によって、原料の供給量が増加
されても予測温度が下限値を下回らないようになる。
【0093】図9の例のステップS7Aにおいては、蒸
発器5の温度が下限値を下回る虞がある場合(ステップ
S6)には操作量を“0”に設定し、原料の供給量を現
状のまま維持するようにしている。これは、図3(C)
のプロファイルPR4のタイプの制御に相当する。次
に、同図のプロファイルPR3のタイプのように、原料
の供給量をなるべく早く目標値に到達させる制御が行わ
れる例を示す。
【0094】図11は、図9の処理手順に一部変更が加
えられた処理手順を例示するフローチャートである。図
11の処理手順は、図9のステップS7Aの処理がステ
ップS7Bの処理に置き換えられており、他の部分はそ
のままとなっている。ステップS7Bにおいては、蒸発
器5の予測温度が温度の下限値に一致するように原料の
供給量の操作量を定める。例えば、ステップS5におい
て求まる温度予測プロファイル中の最低の予測温度が下
限値に一致するように原料の供給量の予定操作量Δuf
を書き換える。すなわち、ステップS4においてなされ
た予定操作量Δufの計算と同じ計算を、目標温度sp
を温度の下限値に設定してステップS7Bにおいても行
う。あるいは、図10に例示される式と同様の式を用
い、原料の供給量の操作量の変化と蒸発器5の温度の変
化とを対応付ける、システム同定理論に基づく特性関数
を使ってもよい。
【0095】温度の変化の概略は、以下のようになる。
蒸発器5に対する液体原料の供給量の増加による温度低
下は、燃焼器10に対する燃焼用燃料の増加によって打
ち消され、蒸発器5の温度はほぼ下限値のまま推移して
いく。燃焼器10の温度がその目標温度に近づくにつれ
て、液体原料の操作量も増加していく。このようにして
液体原料の供給量が蒸発器5の目標温度に相当する分量
にまで増加して供給量の増加が終了した時点では、蒸発
器5の温度はほぼ下限値に一致している。そして、燃焼
器10の温度上昇によって、最後に蒸発器5の温度は本
来の目標温度にまで上昇する。
【0096】ここで、予測温度spを下限値と完全に一
致させるように設定すると、収束する途中での温度低下
によって蒸発器5の温度がこの下限値を下回ってしまう
期間が生じてしまうおそれがある。そこで、一致させる
際の基準となる下限値として、プラントを停止に至らせ
るシステム的な下限値ではなく、このシステム的な下限
値に適度な余裕が加えられた制御上の下限値を用いると
良い。この制御上の下限値に予測温度spを一致させる
予定操作量Δufを計算させることによって、下限値を
下回る期間がシステム的な下限値を用いる場合よりも短
縮化されることが期待できる。さらに、予測温度spと
システム的な下限値とを比較することによって予想され
る蒸発器5の温度がシステム的な下限値を下回り続ける
期間が、予め設定された基準の期間よりも長い場合にの
みプラントを停止させるようにすると良い。これによっ
て、プラントの停止をなるべく回避することが可能とな
る。
【0097】以上のような制御によって、蒸発器5の温
度がシステム的な下限値以上に保たれることが期待され
る。これによって蒸発器5の気化性能が安定し、要求さ
れる発電量に足る原料ガスが生成される。これによっ
て、図1の負荷9として取りつけられる2次電池の負担
が軽減される。さらに、改質効率が保たれることによっ
て燃料電池本体8の被毒が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 燃料電池システムの構成を例示する模式図で
ある。
【図2】 図1の制御装置100の内容を例示する模式
図である。
【図3】 原料供給量の変化の例を示す模式図である。
【図4】 温度制御器25の構成を例示する模式図であ
る。
【図5】 運転状態の変化に応じたモデルパラメータの
組み合わせを例示する図である。
【図6】 蒸発器5の予測温度ypを求める式を例示す
る図である。
【図7】 原料の供給量の操作量Δufを求める式を例
示する図である。
【図8】 重み係数Φおよび重み係数λの意味を示す模
式図である。
【図9】 蒸発器温度制御器25の第1の処理手順を例
示するフローチャートである。
【図10】 燃焼用燃料の操作量Δuaと蒸発器5の温
度変化量とを対応付ける式を例示する図である。
【図11】 蒸発器温度制御器25の第2の処理手順を
例示するフローチャートである。
【符号の説明】
5 蒸発器 6 改質反応器 8 燃料電池本体 10 燃焼器 25 蒸発器温度制御器 25a 温度予測手段 25b 原料供給量制限手段 25c 燃焼器設定温度算出手段 100 制御装置 sp 蒸発器5の目標温度 y 蒸発器5の実測温度 yp 蒸発器5の予測温度 Δuf 原料の供給量の予定操作量 Δuo 原料の供給量の既操作量

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池本体に要求される発電量に基づ
    いて温度を設定する発熱器を備えて液体原料を気化させ
    る蒸発器と、 気化された液体原料から得られる発電用燃料ガスを用い
    て発電を行う燃料電池本体と、 前記液体原料の前記蒸発器への投入量から該蒸発器の温
    度の予測プロファイルを構成する複数の温度を予測し、前記燃料電池本体に要求される発電量に応じた量の前記
    液体原料を前記蒸発器が気化させることができない温度
    を、前記蒸発器の臨界温度としたときに、 前記複数の予測温度と前記蒸発器の臨界温度とを比較し
    て前記複数の予測温度のうちの少なくともいずれか1つ
    が前記臨界温度を下回り、安定性が失われ得ると判断し
    た場合には、 前記予測プロファイルの与える最低の温度が前記臨界温
    度を下回らないように、前記液体原料の予定されている
    前記投入量を変更する 制御手段とを備えることを特徴と
    する燃料電池システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の燃料電池システムであ
    って、 前記制御手段は、前記複数の予測温度のうちの少なくと
    もいずれか1つが前記臨界温度を下回り、安定性が失わ
    れ得ると判断した場合には、前記予測プロファイルの与
    える最低の温度が前記臨界温度にほぼ一致するように、
    前記液体原料の予定されている前記投入量を変更する燃
    料電池システム。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の燃料電池システムであ
    って、前記制御手段は、前記発熱器の設定温度を要求される発
    電量から直接的に求められる目標値よりも高く設定する
    燃料電池システム。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の燃料電池システムであ
    って、 前記制御手段は、前記蒸発器の前記予測温度と前記臨界
    温度との差に応じて前記発熱器の前記設定温度の変更量
    を決定する燃料電池システム。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の燃料電池システムであ
    って、 前記液体原料の気化に要する熱量を熱伝達流体を介して
    前記蒸発器に与える発熱器をさらに備え、 前記制御手段は、前記液体原料の前記投入量に加えて、
    前記蒸発器が前記液体原料を気化させることによって得
    られる原料ガスの温度と、前記熱伝達流体の温度とのう
    ちの少なくともいずれか一方を考慮して前記蒸発器の温
    度を予測する燃料電池システム。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の燃料電池システムであ
    って、 前記蒸発器の前記温度を予測するために考慮される前記
    熱伝達流体の前記温度は、該蒸発器へと熱交換によって
    前記熱量を与える前の温度または与えた後の温度のうち
    の少なくともいずれか一方である燃料電池システム。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のうちのいずれ
    か1つに記載の燃料電池システムであって、 前記蒸発器において前記液体燃料が気化させられること
    によって得られた原料ガスを酸素を用いて改質して前記
    発電用燃料ガスを生成する改質器をさらに備え、前記液
    体燃料は炭素および水素を含む燃料電池システム。
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