JP3472637B2 - 中空射出成形方法及び金型 - Google Patents

中空射出成形方法及び金型

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JP3472637B2 JP31436994A JP31436994A JP3472637B2 JP 3472637 B2 JP3472637 B2 JP 3472637B2 JP 31436994 A JP31436994 A JP 31436994A JP 31436994 A JP31436994 A JP 31436994A JP 3472637 B2 JP3472637 B2 JP 3472637B2
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1704Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles
    • B29C45/1711Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles and removing excess material from the mould cavity by the introduced fluid, e.g. to an overflow cavity

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金型の金型キャビティ
内に射出した溶融樹脂中に加圧ガスを圧入することで中
空成形品を成形する射出成形方法及びそれに用いる金型
に関する。更に詳しくは、得られる中空成形品の表面状
態の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】中空射出成形は特公昭57−14968
号公報等で知られている技術であり、近年、自動車の各
種内装部品や家庭電気機器のハウジング等の成形に急速
に普及しつつある。
【0003】上記従来の中空射出成形は、概ね以下の工
程を経て行われる。
【0004】まず、加圧ガス圧入機構を有する金型(加
圧ガス圧入機構が射出ノズルに内蔵されている場合もあ
る)の金型キャビティ内に所定量の溶融樹脂を射出した
後、加圧ガス圧入機構から溶融樹脂中に所定時間加圧ガ
スの圧入を行う。圧入された加圧ガスは、溶融樹脂の内
部へと進入し、流動していくことにより、中空部が形成
される。この所定時間の加圧ガスの圧入に引き続いて、
このガス圧が成形品内で維持されるように所定時間その
まま保持し、金型キャビティ内の樹脂が冷却された後、
成形品内部の加圧ガスを放出してから金型を開いて中空
成形品を取り出す。
【0005】部分的な厚肉部を有する成形品について上
記中空射出成形を適用し、厚肉部に加圧ガスを圧入する
ようにすると、樹脂の冷却に伴う体積収縮によって当該
厚肉部に生じやすいひけを防止できる利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の中空射出成形によって得られる中空成形品には、そ
れ特有の外観不良がしばしば発生する。即ち、中空部が
形成された部位の表面に発生する光沢むらである。
【0007】上記光沢むらは、中空部に対応する表面領
域とそれ以外の表面領域との境界に発生する光沢の強い
線状又は帯状として現れる。特に裏面に突出した厚肉部
に中空部を形成した場合については、裏面形状である厚
肉部の輪郭に沿った線状又は帯状の強い光沢部が発生
し、その他の領域間との間で光沢の不均一、即ち光沢む
らとなる。この光沢むらは、特に塗装や被覆等の後加工
を行わない製品、例えば自動車の内外装部品や家庭電気
機器のハウジング等においては品質上の重要な問題とな
り、これらへの中空射出成形方法の適用が困難になる場
合もある。
【0008】本発明は、中空射出成形による中空成形品
の成形に際し、形成された中空部に沿って発生する光沢
むらを防止することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】このために請求
項1の発明では、金型の金型キャビティ内に射出した溶
融樹脂中に加圧ガスを圧入して、部分的な厚肉部を有
し、該厚肉部に中空部を有する成形体を成形する中空射
出成形方法において、金型キャビティに溶融樹脂を射出
した後、加圧ガスを圧入して金型キャビティ内の余剰の
溶融樹脂を金型キャビティ外へ押し出して前記厚肉部に
中空部を形成し、次いで瞬間的に中空部内の圧力を降下
させた後、降下した圧力下で冷却する中空射出成形方法
としているものである。
【0010】また、請求項の発明では、上記中空射出
成形方法に用いられる金型であって、金型キャビティ外
へ押し出される余剰の溶融樹脂量に比して十分大きな容
積を有しかつ大気に開放又は回収タンクに接続された樹
脂溜が、開閉弁が介在した流出路を介して金型キャビテ
ィに接続されている金型としているものである。
【0011】更に本発明を図面に基づいて説明する。
【0012】図1及び図2は、図1(a)及び図3に示
されるような金型2を用いて本発明の中空射出成形方法
を行う場合の手順を示すものである。
【0013】まず、金型2について説明すると、図1
(a)及び図3に示されるように、金型は、ほぼ方形の
板状部分の中央部を横断してリブ状の厚肉成形部3が設
けられた金型キャビティ1を有している。この金型キャ
ビティ1には、射出ノズル4からランナー5を介して溶
融樹脂が充填されると共に、ガス供給装置(図示されて
いない)に接続された加圧ガス圧入機構6から加圧ガス
が圧入されるものである。
【0014】ガス供給装置は、例えば圧縮機によって昇
圧したガスを加圧ガス圧入機構6に供給するもので、通
常、射出機と電気的に接続されていて、加圧ガスの圧入
開始のタイミングを射出機の動作に応じて制御できるよ
うになっている。また、加圧ガスを圧入している時間
や、後述する補助保圧等の制御もできるようになってい
る。
【0015】溶融樹脂の充填と加圧ガスの圧入とは、図
面上厚肉成形部3の左端部分から行われるもので、厚肉
成形部3の右端部分には金型2外に開口する流出路7が
設けられている。また、この流出路7には、流出路7を
開閉する開閉弁8が介在されている。
【0016】上記開閉弁8としては、例えば油圧によっ
て進退して、流出路7を閉鎖・開放するもの等を用いる
ことができる。この開閉弁8による開閉作動は、前記ガ
ス供給装置と電気的に接続したりタイマーを接続してお
くこと等により、自動的に制御することができる。
【0017】次に、図1及び図2に基づいて本発明の中
空射出方法を説明する。
【0018】まず、図1(a)に示されるように型締
し、しかも図1(b)に示されるように、開閉弁8を閉
鎖した状態で射出ノズル4の遮断弁9を開放して、溶融
樹脂を金型キャビティ1内へ射出する。
【0019】溶融樹脂の射出量は、金型キャビティ1内
を満たすに十分な量もしくは金型キャビティ1内を満た
すにやや足りない量である。具体的には、金型キャビテ
ィ容積の90容量%以上の量の溶融樹脂を射出すること
が好ましい。特に、得られる中空成形品の型再現性を向
上させると共に、未充填で残された金型キャビティ1部
分に、後述する加圧ガスの圧入によって溶融樹脂が押し
込まれる場合に生じやすいウエルドライン様の表面むら
の発生を防止するために、金型容積の100容量%を超
える過量の溶融樹脂を射出することが好ましい。
【0020】樹脂としては、射出成形や押し出し成形に
使用される熱可塑性樹脂を用いることができる。また、
必要に応じて熱硬化性樹脂を用いることもできる。これ
らの樹脂には、一般に使用される各種添加剤やフィラー
その他の充填材を加えることができる。
【0021】次いで、図1(c)に示されるように、加
圧ガスの逆流を防止するために射出ノズル4の遮断弁9
を閉鎖して、加圧ガス圧入機構6を介して金型キャビテ
ィ1中の溶融樹脂に所定時間加圧ガスを圧入し、圧入完
了後はそのままの状態を維持する。また、加圧ガスの圧
入開始前、圧入開始と同時、又は圧入開始後圧入完了ま
でに開閉弁8を開放する。
【0022】ところで、本発明者等は、前述した光沢む
らの発生原因を、加圧ガスの圧入時に、その圧入経路に
沿って加圧ガスの過大な圧力が作用するためと考えてい
る。加圧ガスの圧力を低くすれば過大な圧力の作用は防
止できるが、それでは十分な加圧ガスの圧入ができなく
なる。そこで本発明では、十分な圧力の加圧ガスを圧入
すると共に、上記のように開閉弁8を開放しているもの
である。
【0023】即ち、開閉弁8が開放されると、加圧ガス
の圧入に伴って余剰となった溶融樹脂は、図1(c)に
示されるように、流出路7を介して金型キャビティ1外
へと押し出されることになる。従って、加圧ガスは大き
な抵抗なく短時間で深部にまで侵入することができ、圧
入経路に沿って加圧ガスの過大な圧力が長時間作用する
ことが防止されることで光沢むらの発生が防止されるも
のである。また、余剰の溶融樹脂が押し出されてしまう
ことは、中空部11が形成された箇所の樹脂量が減らさ
れることであり、樹脂量が減ることによってひけの発生
が押えられることにもなる。
【0024】加圧ガスの圧入を継続する時間は、通常の
中空射出成形における圧入時間と同様である。開閉弁8
を開放するタイミングは、上記のように、加圧ガスの圧
入開始前、圧入開始と同時、又は圧入開始後で圧入完了
までのいずれでもよいが、確実なひけ防止を図るため
に、加圧ガスの圧入を開始してから所定の短時間経過後
圧入完了までが好ましい。この所定の短時間とは、成形
すべき中空成形品の大きさやそれに形成する中空部11
の長さ等によっても相違するが、加圧ガスの圧入時間の
1/2〜1/10程度である。開閉弁8の開放が早過ぎ
ると、成形品の大きさや形状等によってはひけを生じる
恐れがあり、逆に加圧ガスの圧入完了より開閉弁8の開
放が遅くなると、加圧ガスの高い圧力が作用する時間が
長くなって、光沢むらが生じやすくなる。
【0025】圧入された加圧ガスの流動方向は、余剰の
溶融樹脂の流出方向、即ち流出路7の方向に向かう傾向
が強い。従って、流出路7を設ける位置は、加圧ガスの
圧入位置から見て、加圧ガスの圧入によって形成すべき
中空部11の末端部分に設けることが好ましい。このよ
うにすることによって、中空部11を予定の経路で形成
しやすくなる。図示される金型2の場合、加圧ガス圧入
機構6から圧入された加圧ガスを流出路7へと導くこと
で、厚肉成形部3に沿って中空部11を形成することが
できる。
【0026】図示される金型2においては、流出路7は
1箇所のみとなっているが、流出路7は1箇所に限られ
ず、1つの金型キャビティ1に対して複数箇所設けるこ
ともできる。例えば厚肉成形部3が十字形に存在する場
合には、厚肉成形部3の1つの端部に対して加圧ガス圧
入機構6を設けると共に、厚肉成形部3の残りの3つの
端部に夫々開閉弁8が介在した流出路7を設けることが
できる。また、複数の流出路7を設けた場合、各流出路
7における開閉弁8の開閉タイミングをずらすことで、
加圧ガスの流動方向を制御することもできる。
【0027】図示される加圧ガス圧入機構6は金型キャ
ビティ1に開口したもので、通常、加圧ガスは通過させ
るが溶融樹脂の侵入は阻止できる狭い開口部を有するノ
ズル状の部材によって構成される。また、溶融樹脂の射
出時に閉鎖され、加圧ガスの圧入時に開放される開閉機
構を有するノズル状の部材で構成される場合や、図示さ
れる加圧ガス圧入機構6のように直接金型キャビティ1
に対して設けるのではなく、スプルー10やランナー5
に対して設ける場合もある。更には、加圧ガス圧入機構
6を射出ノズル4に内蔵させ、溶融樹脂と同じ経路で金
型キャビティ1へ加圧ガスを圧入することもできる。
【0028】圧入する加圧ガスとしては、射出成形時の
温度及び圧力下で使用樹脂と反応しないものが使用され
る。例えば空気、炭酸ガス、窒素等が使用されるが、窒
素を初めとする不活性ガスが好ましい。
【0029】開閉弁8が開放されることにより、加圧ガ
スの圧入時に形成された中空部11が更に成長して流出
路7中にまで伸び、ついには図2(a)に示されるよう
に、流出路7先端の樹脂層を破るに至る。つまり、中空
部11を囲む樹脂壁の一部が破れ、中空部11内の加圧
ガスが外部に放出されることで、中空部11内の圧力が
瞬間的に降下する。そして、これによって、中空部11
を形成した後に高い加圧ガスの圧力が作用して光沢むら
を発生させてしまうことが防止される。
【0030】上記中空部11内の圧力の瞬間的な降下
は、中空部11内を大気圧まで降下させるものでもよい
が、中空部11内を大気圧まで降下させてその後の冷却
を行った場合、中空成形品の形状等によっては若干のひ
けを生じる可能性がある。従って、これを防止するため
に、中空部11内に大気圧を超える補助保圧圧力を残存
させることが好ましい。
【0031】上記補助保圧圧力は、中空部11を形成す
るために圧入された加圧ガスの圧力の1%〜50%の圧
力であることが好ましい。補助保圧圧力が低過ぎると上
記ひけを十分防止しにくく、逆に高過ぎると光沢むらを
発生させる原因となる。
【0032】補助保圧圧力は、図2(b)に示されるよ
うに、中空部11内の圧力が大気圧まで降下する前に開
閉弁8を閉鎖することで得ることができる。また、開閉
弁8の閉鎖後に圧力の低い加圧ガスを加圧ガス圧入機構
6を介して補充することで保圧圧力を得ることもでき
る。
【0033】中空部11内の圧力の瞬間的な降下は、例
えば加圧ガス圧入機構6を回収タンク(図示されていな
い)を有する回収系に接続し、中空部11内の加圧ガス
を加圧ガス圧入機構6を介して急激に逆流させることで
行うこともできる。また、成形品の一部を剪断機構(図
示されていない)を用いて切断したり、中空針状のピン
を中空部11に向けて貫通させること等でも行うことが
できる。しかし、これらを作動させて圧力を降下させる
タイミングを的確に合わせにくいことから、上記のよう
ないわば中空成形品の破裂によることが好ましい。
【0034】上述のようにして、中空部11内の圧力を
大気圧もしくは補助保圧圧力とした後、必要な冷却時間
をおいてから中空成形品を取り出す。中空部11内の圧
力を大気圧まで降下させている場合にはそのまま金型2
を開くことで中空成形品を取り出せるが、中空部11内
に補助保圧圧力を持たせている場合には、例えば加圧ガ
ス圧入機構6を介して中空部11内を大気に開放してか
ら金型1を開くことが好ましい。
【0035】図4は、本発明の中空射出成形方法に用い
る他の金型2を示すもので、ほぼ図1〜図3で説明した
金型2と同様であるが、流出路7が樹脂溜12に接続さ
れており、この樹脂溜12から排気路13が金型2外へ
伸びている点が図1〜図3で説明した金型2とは相違し
ている。樹脂溜12は、加圧ガスの圧入によって押し出
される樹脂量に比して十分大きな容積を有しているもの
である。尚、図4に示される金型2の状態は、図2
(a)の金型2の状態に対応する。
【0036】この金型2による中空射出成形方法は図1
及び図2の説明と全く同様であるが、中空部11を囲む
樹脂壁の破れが樹脂溜12内で発生し、中空部11内の
加圧ガスが樹脂溜12から排気路13を介して大気に放
出される点が相違する。
【0037】即ち、加圧ガスの圧入と開閉弁8の開放に
より、余剰の溶融樹脂が流出路7を介して樹脂溜12内
に押し出されるて来ると共に、加圧ガスもこの樹脂溜1
2中の溶融樹脂内に進出し、樹脂溜12中で過剰に中空
部11が成長して、ついには樹脂壁の一部が破れて、中
空部11内の加圧ガスが排気路13から大気に放出され
ることになる。
【0038】この図4に示される金型2を用いた場合、
余剰の溶融樹脂は樹脂溜12内に留まり、中空成形品の
取り出し時に金型2から取り出されることになるので、
その回収が容易となる。また、図4では樹脂溜12を大
気に開放しているが、回収タンク(図示されていない)
を有する回収系に接続しておくことで、中空部11から
放出される加圧ガスを回収することもできる。更に、1
つの金型キャビティ1に対して複数の樹脂溜12を、夫
々異なる金型キャビティ1の位置に接続して設けること
もできる。
【0039】図5は本発明の中空射出成形方法に用いる
金型2の更に他の例を示すもので、互いに連通して直列
に設けられた2つの樹脂溜12を有するものとなってい
る。一方の樹脂溜12は、開閉弁8が介在した流出路7
によって金型キャビティ1に接続されており、他方の樹
脂溜12には金型2外に通じる排気路13が接続されて
いる。樹脂溜12は、図4の金型のように1つでもよい
が、このように2つ直列に設けると、種々の大きさの中
空部11の形成に対応でき、しかも中空部11内の加圧
ガスの放出時に、樹脂が金型2外に飛び出すのを防止し
やすくなる。
【0040】排気路13には、フィルター14、圧力セ
ンサー15、ガス放出弁16が順次介在された配管17
が接続されている。18はタイマーで、圧力センサー1
5によって検知される圧力が前述した保圧圧力となった
時にガス放出弁16を閉鎖し、設定された保圧時間経過
後に再びガス放出弁16を開放するものである。
【0041】尚、図5に示される金型2の状態は、図2
(a)の金型2の状態に対応する。また、19は中空部
11から放出される加圧ガスの漏れを防ぐためのシール
材である。
【0042】この図5の金型2では、開閉弁8と同時に
ガス放出弁16が開放されるもので、加圧ガスの圧入と
開閉弁8及びガス放出弁16の開放に伴い、余剰の溶融
樹脂はまず流出路7側の樹脂溜12内に留まり、中空部
11の成長と共に、この樹脂溜12a内もしくは更にも
う1つの樹脂溜12b中で樹脂壁の一部が破れ、中空部
11内の加圧ガスが流出する。樹脂溜12a,12b
は、この流出した加圧ガスは、配管17に導かれて、フ
ィルター14及びガス放出弁16を通って大気に放出さ
れる。
【0043】フィルター14は、流出する加圧ガスの流
れに随伴する樹脂片を除去するためのものである。ま
た、圧力センサー15が配管17内が、予め設定された
保圧圧力になったことを検知すると、タイマー18で設
定された時間ガス放出弁16を閉じ、保圧を行う。保圧
時間経過後は、再びガス放出弁16が開放されて、中空
部11及び配管17内に残存する加圧ガスが放出され、
金型2が開放されて中空成形品が取り出されるものであ
る。
【0044】図5において、配管17の先端は大気に開
放されているが、これを例えば回収タンク(図示されて
いない)を有する回収系に接続し、中空部11内から放
出される加圧ガスを回収して循環利用することもでき
る。また、直列された樹脂溜12を複数組設け、夫々異
なる金型キャビティ1の位置に接続することもできる。
【0045】
【実施例】
実施例1 図5に示されるような金型2を用いて中空射出成形を行
った。
【0046】まず、金型キャビティ1に対して、製品形
状を成形するに十分な量(金型キャビティ1の容積の1
00容量%の量)のポリプロピレン樹脂(タルク20重
量%配合、黒色)を射出ノズル4から射出した。この
時、開閉弁8及びガス放出弁16は閉鎖状態にあり、金
型キャビティ1内は溶融樹脂で満たされた。
【0047】次に、上記溶融樹脂の射出完了後、射出ノ
ズル4の遮断弁9を閉じ、これと同時に加圧ガス圧入機
構6から厚肉成形部3内の溶融樹脂中へ200kg/c
2の圧力の窒素ガスを4秒間圧入した。これによって
窒素ガスが厚肉成形部3内の溶融樹脂中に進入し、中空
部11が形成される。
【0048】窒素ガスの圧入開始から3秒後(窒素ガス
の圧入が終了する1秒前)に開閉弁8を開放し、同時に
ガス放出弁16を開放した。窒素ガスは流出路7が開放
されることにより、余剰の溶融樹脂を樹脂溜12へと押
し出し、樹脂溜12において樹脂壁を突き破って、配管
17を介して大気中に放出された。
【0049】上記樹脂壁の破裂から約2秒後に、配管1
7内の圧力が設定された20kg/cm2 となったこと
を圧力センサー15が検知し、ガス放出弁16が閉鎖さ
れて、予めタイマー18に設定された15秒間当該状態
を保った。この15秒経過後、再びガス放出弁16を開
放し、中空部11内を大気に開放してから金型2を開い
て中空成形品を取り出した。
【0050】尚、本実施例におけるタイムチャートを図
6に示す。
【0051】得られた中空成形品の表面には、中空射出
成形における問題点であった光沢むらは見られず、ひけ
の発生も認められなかった。
【0052】実施例2 圧入する窒素ガスの圧力を150kg/cm2 、その圧
入時間を5秒間、開閉弁8とガス放出弁16の開放タイ
ミングを窒素ガスの圧入開始から4秒後(窒素ガスの圧
入が終了する1秒前)、補助保圧圧力を30kg/cm
2 、補助保圧時間を20秒とした以外は実施例と同様に
して中空射出成形を行った。
【0053】得られた中空成形品の表面には、中空射出
成形における問題点であった光沢むらは見られず、ひけ
の発生も認められなかった。
【0054】実施例3 圧入する窒素ガスの圧力を100kg/cm2 、その圧
入時間を5秒間、開閉弁8とガス放出弁16の開放タイ
ミングを窒素ガスの圧入開始から5秒後(窒素ガスの圧
入が終了するのと同時)、補助保圧圧力を30kg/c
2 、補助保圧時間を20秒とした以外は実施例と同様
にして中空射出成形を行った。
【0055】得られた中空成形品の表面には、中空射出
成形における問題点であった光沢むらは見られず、ひけ
の発生も認められなかった。
【0056】比較例1 実施例1と同様の材料を同様に金型キャビティ1に射出
した後、100kg/cm2 の窒素ガスを5秒間実施例
1と同様にして圧入した。この窒素ガスの圧入完了に引
き続き、実施例1のような開閉弁8とガス放出弁16の
開放を行わずに、圧入した窒素ガスを22秒間そのまま
封入した。
【0057】得られた中空成形品の表面には、ひけの発
生は認められなかったものの、中空射出成形における問
題点である光沢むらが見られた。
【0058】比較例2 実施例1と同様の材料を同様に金型キャビティ1に射出
した後、200kg/cm2 の窒素ガスを4秒間実施例
1と同様にして圧入した。この窒素ガスの圧入完了に引
き続き、実施例1のような開閉弁8とガス放出弁16の
開放を行わずに、圧入した窒素ガスを16秒間そのまま
封入保持した。
【0059】得られた中空成形品の表面には、ひけの発
生は認められなかったものの、中空射出成形における問
題点である光沢むらが見られた。
【0060】
【発明の効果】本発明は、以上説明した通りのものであ
り、中空射出成形による中空成形品の成形に際し、形成
された中空部に沿って発生する光沢むらを防止すること
ができ、特に塗装や被覆等の後加工を行わない製品、例
えば自動車の内外装部品や家庭電気機器のハウジング等
への中空射出成形の適用を容易にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る中空射出成形の手順を示す図であ
る。
【図2】本発明に係る中空射出成形の手順を示す図であ
る。
【図3】本発明に係る中空射出成形に用いる金型の一例
を示す図である。
【図4】本発明に係る中空射出成形に用いる金型の他の
例を示す図である。
【図5】本発明に係る中空射出成形に用いる金型の更に
他の例を示す図である。
【図6】実施例1のタイムチャートである。
【符号の説明】
1 金型キャビティ 2 金型 3 厚肉成形部 4 射出ノズル 5 ランナー 6 加圧ガス圧入機構 7 流出路 8 開閉弁 9 遮断弁 10 スプルー 11 中空部 12 樹脂溜 13 排気路 14 フィルター 15 圧力センサー 16 ガス放出弁 17 配管 18 タイマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−62118(JP,A) 特開 平2−215516(JP,A) 特開 平4−89221(JP,A) 特開 平5−309726(JP,A) 特開 平5−111938(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型の金型キャビティ内に射出した溶融
    樹脂中に加圧ガスを圧入して、部分的な厚肉部を有し、
    該厚肉部に中空部を有する成形体を成形する中空射出成
    形方法において、金型キャビティに溶融樹脂を射出した
    後、加圧ガスを圧入して金型キャビティ内の余剰の溶融
    樹脂を金型キャビティ外へ押し出して前記厚肉部に中空
    部を形成し、次いで瞬間的に中空部内の圧力を降下させ
    た後、降下した圧力下で冷却することを特徴とする中空
    射出成形方法。
  2. 【請求項2】 中空部内の圧力を、瞬間的に降下させた
    後、所要の補助保圧圧力を維持することを特徴とする請
    求項1の中空射出成形方法。
  3. 【請求項3】 中空部内の圧力の瞬間的な降下を、中空
    部の成長による、中空部を囲む樹脂壁の一部の破れによ
    って中空部内の加圧ガスを放出させることで行なうこと
    を特徴とする請求項1又は2の中空射出成形方法。
  4. 【請求項4】 中空部内の加圧ガスを回収系へ放出させ
    ることを特徴とする請求項3の中空射出成形方法。
  5. 【請求項5】 金型キャビティにおける中空部を形成す
    べき位置の末端部分に開閉弁を有する流出路を設けてお
    き、開閉弁を閉鎖した状態で金型キャビティ内に溶融樹
    脂を射出して金型キャビティを満たした後、加圧ガスの
    圧入時に開閉弁を開放することにより、金型キャビティ
    内の余剰の溶融樹脂を流出路から押し出すことを特徴と
    する請求項1又は2の中空射出成形方法。
  6. 【請求項6】 金型キャビティにおける中空部を形成す
    べき位置の末端部分に、樹脂溜に接続され、しかも開閉
    弁を有する流出路を設けておき、開閉弁を閉鎖した状態
    で金型キャビティ内に溶融樹脂を射出して金型キャビテ
    ィを満たした後、加圧ガスの圧入時に開閉弁を開放する
    ことにより、金型キャビティ内の余剰の樹脂を樹脂溜中
    に押し出すと共に加圧ガスも樹脂溜中に流出させ、樹脂
    溜中で過大な中空部の形成によって樹脂壁を破り、中空
    部内の加圧ガスを放出させることで、瞬間的に中空部内
    の圧力を降下させることを特徴とする請求項1又は2の
    中空射出成形方法。
  7. 【請求項7】 金型キャビティに溶融樹脂を射出した
    後、加圧ガスを圧入して中空部を形成すると共に、金型
    キャビティ内の余剰の溶融樹脂を金型キャビティ外へ押
    し出し、次いで瞬間的に中空部内の圧力を降下させる中
    空射出成形方法に用いられる金型であって、金型キャビ
    ティ外へ押し出される余剰の溶融樹脂量に比して十分大
    きな容積を有しかつ大気に開放又は回収タンクに接続さ
    れた樹脂溜が、開閉弁が介在した流出路を介して金型キ
    ャビティに接続されていることを特徴とする金型。
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