JP3454061B2 - 自動変速機のロックアップ制御装置 - Google Patents

自動変速機のロックアップ制御装置

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JP3454061B2
JP3454061B2 JP34328396A JP34328396A JP3454061B2 JP 3454061 B2 JP3454061 B2 JP 3454061B2 JP 34328396 A JP34328396 A JP 34328396A JP 34328396 A JP34328396 A JP 34328396A JP 3454061 B2 JP3454061 B2 JP 3454061B2
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秀策 片倉
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Nissan Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の減速時にお
ける自動変速機の伝動系に挿入されたトルクコンバータ
入出力間要素間のロックアップ締結容量(締結力)を、
エンジンストリールが発生しないよう制御する自動変速
機のロックアップ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような自動変速機のロックア
ップ制御装置は、例えば特開平5-223164号公報に開示さ
れている。このような自動変速機のロックアップ制御装
置では、エンジン回転速度の吹け上がりを検知したとき
から所定の遅れ時間分だけ前の時点に対応して記憶され
ているロックアップ制御量に基づいて、ロックアップク
ラッチがスリップしないような最低の締結力に対応する
ロックアップ制御量を学習している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】減速ロックアップ時の
急減速によるエンジンストールを回避するための有効な
手段として、減速時ロックアップ締結容量低下制御があ
る。これは、ロックアップ締結容量を低下させることに
より、ロックアップクラッチ、トルクコンバータカバー
等の変形を抑え、ロックアップ締結解除応答を向上させ
るものである。
【0004】しかし、ロックアップ締結容量を低下させ
すぎれば、スリップ回転が発生し、減速ロックアップに
よる燃費効果を減じることとなる。このため、減速時ロ
ックアップ締結容量制御においては、減速時のロックア
ップ締結容量を、低締結容量側をスリップ発生領域によ
って区切るとともに高締結容量側をエンジンストール回
避不能領域によってそれぞれ区切った所定の範囲に収め
なければならない。
【0005】しかし、ロックアップ制御指令値−締結容
量特性は、一般に固体ばらつきが大きく、何らかの調整
手段なしで減速時のロックアップ締結容量を所定の範囲
に収めることは困難である。
【0006】スリップ発生領域である低締結容量側への
漸近を検知することは、スリップの発生を監視すること
によって容易に実現できる。しかし、エンジンストール
の発生は1度でも許容することができないので、エンジ
ンストール回避不能領域である高締結容量側への漸近を
検知することは困難である。したがって、リアルタイム
なフィードバック制御や、高締結容量側での学習制御は
不可能である。
【0007】したがって、ロックアップ締結容量の初期
値を、スリップ発生側においてスリップ発生を検知する
ことにより学習制御することとなるが、経年変化等によ
って学習結果が高締結容量側に漸近している可能性は否
定できない。その結果、エンジンストール回避のための
ロックアップ締結学習制御は、減速時ロックアップ締結
容量を徐々に下げることにより、学習が可能となるスリ
ップ発生近傍、すなわち低締結容量側にて学習すること
となる。この際、スリップの発生が頻発するようでは、
燃費の悪化、違和感等問題が多い。
【0008】請求項1及び4に記載の自動変速機のロッ
クアップ制御装置は、エンジンストール回避のためのロ
ックアップ締結学習制御における減速時ロックアップ締
結容量を低締結容量側に学習補正する際にスリップが頻
発に発生するという課題を解決するものである。
【0009】請求項2及び5に記載の自動変速機のロッ
クアップ制御装置は、減速時ロックアップ締結容量学習
条件が整っていない場合にはロックアップ締結容量の学
習補正を禁止する必要があるという課題を解決するもの
である。
【0010】請求項3及び7に記載の自動変速機のロッ
クアップ制御装置は、ロックアップクラッチのスリップ
を正確に確認する必要があるという課題を解決するもの
である。
【0011】請求項6に記載の自動変速機のロックアッ
プ制御装置は、元の減速走行状態のロックアップ締結容
量が不足していた場合、次回の減速走行状態でのロック
アップ締結容量をより適切に学習補正する必要があると
いう課題を解決するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による請求項1記
載の自動変速機のロックアップ制御装置は、ロックアッ
プクラッチにより入出力間を直結したロックアップ状態
にすることができるトルクコンバータを伝動系に有する
自動変速機のロックアップ制御装置において、ロックア
ップクラッチの締結容量を任意に設定できるロックアッ
プクラッチ締結容量制御手段と、ロックアップクラッチ
のスリップを検知するスリップ検知手段と、車両の運動
状態を検知する運動状態検知手段と、車両の運動状態に
応じてロックアップの締結又は解除を判断するロックア
ップ締結/解除判断手段とを有し、前記運動状態検知手
段によって車両の運動状態が減速走行状態であることが
検出されるとともに前記ロックアップ締結/解除手段に
よってロックアップを解除すべき状態であることが検出
され、かつ、前記スリップ検知手段により、前記ロック
アップクラッチのスリップが確認されない場合、通常の
ロックアップ解除制御を開始する前に、所定の量だけロ
ックアップ締結容量を低下させる制御を行い、そのロッ
クアップ締結容量低下制御の結果として、前記スリップ
検知手段によってロックアップのスリップが検知された
場合、ロックアップ締結容量低下制御前のロックアップ
締結容量を記憶し、それに対して、前記スリップ検知手
段によってロックアップのスリップが検知されない場
合、ロックアップ締結容量低下制御後のロックアップ締
結容量を記憶して、次回の減速走行状態でのロックアッ
プ締結容量を学習補正するように構成したことを特徴と
するものである。
【0013】本発明による請求項2記載の自動変速機の
ロックアップ制御装置は、減速時ロックアップ締結容量
学習条件を判断し、この減速時ロックアップ締結容量学
習条件が整っていない場合には上記ロックアップ締結容
量の学習補正を禁止する減速時ロックアップ締結容量学
習条件判断手段を設けたことを特徴とするものである。
【0014】本発明による請求項3記載の自動変速機の
ロックアップ制御装置は、前記スリップ検知手段は、前
記ロックアップクラッチのスリップ量が所定の閾値より
大きく、かつ、前記ロックアップクラッチのスリップ量
が所定の閾値を下回ってから経過した時間が所定の待ち
時間を超えた場合に前記ロックアップクラッチのスリッ
プを検出するようにしたことを特徴とするものである。
【0015】本発明による請求項4記載の自動変速機の
ロックアップ制御装置は、ロックアップクラッチにより
入出力間を直結したロックアップ状態にすることができ
るトルクコンバータを伝動系に有する自動変速機のロッ
クアップ制御装置において、ロックアップクラッチの締
結容量を任意に設定できるロックアップクラッチ締結容
量制御手段と、ロックアップクラッチのスリップを検知
するスリップ検知手段と、車両の運動状態を検知する運
動状態検知手段と、車両の運動状態に応じてロックアッ
プの締結又は解除を判断するロックアップ締結/解除判
断手段とを有し、前記運動状態検知手段によって車両の
運動状態が減速走行走行状態に移行することが検出され
るとともに前記ロックアップ締結/解除手段によってロ
ックアップを締結すべき状態であることが検出され、か
つ、前記スリップ検知手段により、減速時ロックアップ
移行制御終了後から所定の時間経過後に前記ロックアッ
プクラッチのスリップが確認されない場合、所定の量だ
けロックアップ締結容量を低下させる制御を行い、その
ロックアップ締結容量低下制御の結果として、前記スリ
ップ検知手段によってロックアップのスリップが検知さ
れた場合、ロックアップ締結容量低下制御前のロックア
ップ締結容量を記憶し、それに対して、前記スリップ検
知手段によってロックアップのスリップが検知されない
場合、ロックアップ締結容量低下制御後のロックアップ
締結容量を記憶して、次回の減速走行状態でのロックア
ップ締結容量を学習補正するように構成したことを特徴
とするものである。
【0016】本発明による請求項5記載の自動変速機の
ロックアップ制御装置は、減速時ロックアップ締結容量
学習条件を判断し、この減速時ロックアップ締結容量学
習条件が整っていない場合には上記ロックアップ締結容
量の学習補正を禁止する減速時ロックアップ締結容量学
習条件判断手段を設けたことを特徴とするものである。
【0017】本発明による請求項6記載の自動変速機の
ロックアップ制御装置は、前記スリップ検知手段によ
り、前記減速時ロックアップ移行制御終了後から所定の
時間経過前に前記ロックアップクラッチのスリップが確
認され、かつ、減速時ロックアップ締結容量学習条件判
断手段により減速時ロックアップ締結容量学習条件が整
っていると判断された場合、所定の量だけロックアップ
締結容量を増大させる制御を行い、次回の減速走行状態
でのロックアップ締結容量を学習補正するとともに、前
記ロックアップ締結/解除判断手段により減速時ロック
アップを解除するように構成したことを特徴とするもの
である。
【0018】本発明による請求項7記載の自動変速機の
ロックアップ制御装置は、前記ロックアップクラッチの
スリップ量が所定の閾値より大きく、かつ、前記ロック
アップクラッチのスリップ量が所定の閾値を下回ってか
ら経過した時間が所定の待ち時間を超えた場合に前記ロ
ックアップクラッチのスリップを検出するようにしたこ
とを特徴とするものである。
【0019】
【発明の効果】本発明による請求項1記載の自動変速機
のロックアップ制御装置によれば、車両の運動状態が減
速走行状態であるとともにロックアップを解除すべき状
態であることが検出され、かつ、ロックアップクラッチ
のスリップが確認されない場合、通常のロックアップ解
除制御を開始する前に、所定の量だけロックアップ締結
容量を低下させる制御を行う。そのロックアップ締結容
量低下制御の結果として、ロックアップのスリップが検
知された場合、ロックアップ締結容量低下制御前のロッ
クアップ締結容量を記憶する。それに対して、ロックア
ップのスリップが検知されない場合、ロックアップ締結
容量低下制御後のロックアップ締結容量を記憶する。こ
れら記憶されたロックアップ締結容量に基づいて、次回
の減速走行状態でのロックアップ締結容量を学習補正す
る。
【0020】このように車両の運動状態が減速走行状態
であるとともにロックアップを解除すべき状態であるこ
とが検出され、かつ、ロックアップクラッチのスリップ
が確認されない場合、かかるロックアップ締結容量を学
習補正することにより、ロックアップ締結容量を低下さ
せたために発生する惰性走行(コースト)状態のロック
アップ時のスリップを大幅に抑制することができる。
【0021】本発明による請求項2記載の自動変速機の
ロックアップ制御装置によれば、減速時ロックアップ締
結容量学習条件を判断し、この減速時ロックアップ締結
容量学習条件が整っていない場合にはロックアップ締結
容量の学習補正を禁止する。このように、減速時ロック
アップ締結容量学習条件に基づいて、ロックアップ締結
容量の学習補正を行うか否かを判断することにより、好
適な減速時ロックアップ締結容量の学習を行うことがで
きる。
【0022】本発明による請求項3記載の自動変速機の
ロックアップ制御装置によれば、ロックアップクラッチ
のスリップ量が所定の閾値より大きく、かつ、ロックア
ップクラッチのスリップ量が所定の閾値を下回ってから
経過した時間が所定の待ち時間を超えた場合にロックア
ップクラッチのスリップを検出する。このようにしてロ
ックアップクラッチのスリップを検出することにより、
ロックアップクラッチのスリップを正確に確認すること
ができる。
【0023】本発明による請求項4記載の自動変速機の
ロックアップ制御装置によれば、車両の運動状態が減速
走行状態に移行するともにロックアップを締結すべき状
態であることが検出され、かつ、減速時ロックアップ移
行制御終了後から所定の時間経過後にロックアップクラ
ッチのスリップが確認されない場合、所定の量だけロッ
クアップ締結容量を低下させる制御を行う。そのロック
アップ締結容量低下制御の結果としてロックアップのス
リップが検知された場合、ロックアップ締結容量低下制
御前のロックアップ締結容量を記憶する。それに対し
て、ロックアップのスリップが検知されない場合、ロッ
クアップ締結容量低下制御後のロックアップ締結容量を
記憶する。これら記憶されたロックアップ締結容量に基
づいて、次回の減速走行状態でのロックアップ締結容量
を学習補正する。
【0024】このように車両の運動状態が減速走行状態
に移行するとともにロックアップを締結すべき状態であ
ることが検出され、かつ、減速時ロックアップ移行制御
終了後から所定の時間経過後にロックアップクラッチの
スリップが確認されない場合、かかるロックアップ締結
容量を学習補正することにより、ロックアップ締結容量
を低下させたために発生する惰性走行(コースト)状態
のロックアップ時のスリップを大幅に抑制することがで
きる。
【0025】本発明による請求項5記載の自動変速機の
ロックアップ制御装置によれば、減速時ロックアップ締
結容量学習条件を判断し、この減速時ロックアップ締結
容量学習条件が整っていない場合にはロックアップ締結
容量の学習補正を禁止する。このように、減速時ロック
アップ締結容量学習条件に基づいて、ロックアップ締結
容量の学習補正を行うか否かを判断することにより、好
適な減速時ロックアップ締結容量の学習を行うことがで
きる。
【0026】本発明による請求項6記載の自動変速機の
ロックアップ制御装置によれば、減速時ロックアップ移
行制御終了後から所定の時間経過前にロックアップクラ
ッチのスリップが確認され、かつ、減速時ロックアップ
締結容量学習条件が整っていると判断された場合、所定
の量だけロックアップ締結容量を増大させる制御を行
い、次回の減速走行状態でのロックアップ締結容量を学
習補正するとともに、減速時ロックアップを解除する。
かかる制御により、元の減速走行状態のロックアップ締
結容量が不足していた場合、次回の減速走行状態でのロ
ックアップ締結容量をより適切に学習補正することがで
き、これにより、ロックアップ締結容量を低下させたた
めに発生する惰性走行状態のロックアップ時のスリップ
を更に大幅に抑制することができる。
【0027】本発明による請求項7記載の自動変速機の
ロックアップ制御装置によれば、ロックアップクラッチ
のスリップ量が所定の閾値より大きく、かつ、ロックア
ップクラッチのスリップ量が所定の閾値を下回ってから
経過した時間が所定の待ち時間を超えた場合にロックア
ップクラッチのスリップを検出する。このようにしてロ
ックアップクラッチのスリップを検出することにより、
ロックアップクラッチのスリップを正確に確認すること
ができる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明による自動変速機のロック
アップ制御装置の実施の形態を、図面を参照して詳細に
説明する。図1は、本発明による自動変速機のロックア
ップ制御装置の一実施の形態を示す図である。図におい
て、自動変速機1は、トルクコンバータ2を経てエンジ
ン3の動力が入力され、選択変速段に応じたギヤ比で入
力回転を変速し、出力軸4にその動力を伝達するものと
する。
【0029】ここで、自動変速機1は、各種バルブ等を
具えて作動油圧となるライン圧を調圧し、又はそのライ
ン圧を基に変速制御やロックアップ制御の用に供する一
定圧力(パイロット圧)を生成する等を行うことができ
るコントロールバルブ5を有する。コントロールバルブ
5内におけるシフトソレノイド6,7のON,OFFの
組合せにより選択変速段を決定され、トルクコンバータ
2は、同じくコントロールバルブ5内におけるロックア
ップソレノイド8のデューティ(Duty)制御によ
り、入出力要素間をロックアップクラッチ(図示せず)
により直結されて、両者間の相対回転(スリップ量)を
制限され得るものとする。
【0030】なお、ロックアップソレノイド8は、駆動
デューティ(D)が0%のとき、ロックアップクラッチ
の締結力(締結容量)を零にしてトルクコンバータ2
を、上記スリップ量が最大にされたコンバータ状態と
し、駆動デューティ(D)が100%のとき、ロックア
ップクラッチを最大締結力発生状態にしてトルクコンバ
ータ2を、スリップ量が零のロックアップ状態にするも
のとする。これらの制御に用いられるコントロールバル
ブ5内のロックアップコントロールバルブは、駆動デュ
ーティ0%では開放側に、また駆動デューティ100%
では締結側に切り換わる油圧制御バルブ(制御弁)で、
その間の範囲のデューティ値による中間容量制御では、
そのデューティ比に応じてロックアップクラッチの締結
容量を任意に設定できる。この場合、自動変速機制御系
のロックアップ制御系統を、これらロックアップソレノ
イド8、ロックアップコントロールバルブやロックアッ
プクラッチの油圧制御系、及び次のコントローラの一部
を含んで構成することができる。
【0031】シフトソレノイド6,7のON,OFF、
及びロックアップソレノイド8の駆動デューティD(ロ
ックアップクラッチ締結圧指令値)は、変速機コントロ
ーラ9によりこれらを制御し、この変速機コントローラ
9には、エンジン3のスロットル開度TVOを検出する
スロットル開度センサ10からの信号と、エンジン3の
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ11
からの信号と、自動変速機1の入力回転数(タービン回
転数)Ntを検出するタービン回転センサ12からの信
号と、変速機出力軸4の出力回転数No を検出する変速
機出力回転センサ13からの信号と、変速機作動油温を
検出する油温センサ14からの信号とを入力する。
【0032】ここで、変速機出力回転センサ13からの
入力情報は、変速制御に適用されるとともに、車両の運
動状態が減速状態か否かを判断する場合その他の状況判
断にも用いるパラメータとすることができる。
【0033】変速機コントローラ9は、上記の各種入力
情報に基づき、図示しない変速制御プログラムを実行し
てシフトソレノイド6,7を介した自動変速機1の変速
制御を行うとともに、図2〜4に示すプログラムを実行
して、ロックアップソレノイド8を介して、本発明によ
るトルクコンバータ2のロックアップ制御を、後に説明
するようにして行う。
【0034】ロックアップ制御については、例えば特定
変速段又は各変速段ごとにスロットル開度TVOと、出
力回転数No とから、トルクコンバータ2によるトルク
増大機能やトルク変動吸収機能が不要なロックアップ領
域での運転中か、これら機能が必要なコンバータ領域で
の運転中か等の制御領域の判定をし、制御要求に応じ、
ロックアップソレノイド8の駆動制御により、ロックア
ップ領域の場合にはトルクコンバータ2をロックアップ
状態にするように、コンバータ領域の場合にはこれを解
除してトルクコンバータ3をコンバータ状態にするよう
に制御する。
【0035】また、ロックアップクラッチのスリップ発
生の検知については、例えばエンジン回転数Ne とター
ビン回転数Nt との差分、エンジン回転数Ne とタービ
ン回転数Nt との比、又はそれらに相当する量を用いる
ことができ、ここでは、変速機コントローラ9は、この
変速機コントローラ9に入力されるエンジン回転数Ne
とタービン回転数Nt との差分を監視し、これに関して
の上記L/Uの締結を確認し得る値近傍になったか否か
のチェックを実行するものとする。
【0036】また、車両の運転状態を示すものとして、
出力回転数No から演算して求まる車速Vの他に、スロ
ットル開度TVO、エンジン回転数Ne 、エンジン吸入
空気量、エンジン吸入負圧、補機駆動状態、制動装置差
動状態又はそれらから求められる変化速度、車両走行負
荷、及びエンジントルクのいずれかを用いる。
【0037】図2は、本発明による自動変速機のロック
アップ制御装置の第1の実施の形態を説明するフローチ
ャートである。このルーチンは、車両の運動状態が減速
走行状態であるとともにロックアップオフ制御であると
判断され、かつ、スリップ回転が発生しない場合にロッ
クアップ締結力を学習補正するものである。先ず、ステ
ップS1において、ロックアップオフ制御を行うべきか
否かの判断を行う。ロックアップオフ制御を行う場合に
は、ステップS2において、減速時ロックアップ締結力
学習フラグがONされているか否か、すなわち減速時ロ
ックアップクラッチ締結力の学習制御を行うか否かを判
断する。
【0038】減速時ロックアップ締結力学習フラグがO
Nされている場合、ステップS3において、減速時ロッ
クアップ締結力学習条件が成立しているか否か確認す
る。本形態では、減速時ロックアップ締結力学習条件を
示すものとして、油温センサ14(図1)からの信号に
よって得られる変速機作動油温と、そのライン圧と、パ
イロット圧と、コントロール電源電圧とのうちのいずれ
かを用いる。
【0039】減速時ロックアップ締結力学習条件が成立
している場合、ステップS4において、学習制御が開始
されていることを示す学習開始フラグがONされている
か否か、すなわち、所定の量だけロックアップ締結力が
低下されたか否かを判断する。学習開始フラグがONさ
れていない、すなわちOFFである場合、ステップS5
において、現在の減速時ロックアップ締結力学習値か
ら、減速時ロックアップ締結力低下学習幅を引いた差
を、新しい減速時ロックアップ締結力学習値として、減
速時ロックアップ締結力学習値の更新を行う。すなわ
ち、ロックアップ締結力を、所定の補正幅(減速時ロッ
クアップ締結力低下学習幅)で1回だけ低下させる制御
を行う。
【0040】次いで、ステップS6において、スリップ
発生確認制御(これを、後にステップS14で説明す
る。)を行うまでに経過すべき学習待ち時間(これは、
後のステップS11で用いられる。)を読み込む。この
場合、学習待ち時間を、減速時ロックアップ締結力を開
放側に減少学習分補正した後の自動変速機1(図1)の
油圧系の油圧変化の遅れを見込んだ所定時間とする。そ
の後、ステップS7において、後のステップS14(よ
り詳しくは、図4のステップS61で説明する。)で用
いられるスリップ発生確認閾値を読み込む。次いで、ス
テップS8において、現在の学習待ち時間を計測する学
習待ち時間タイマ(図示せず)を初期化する。すなわち
学習制御開始のための初期化を行う。その後、ステップ
S9において、学習開始フラグをONにする。
【0041】ステップS4において学習開始フラグがO
Nであると判断され、又は、ステップS9において学習
開始フラグをONにした後、すなわち、ステップS1〜
S9において学習制御を開始することが決心され、その
ためのデータ処理が済んだ後、新たに更新された学習値
を用いて、ステップS10において、学習のための減速
時ロックアップ制御を行う。
【0042】以上学習のための減速時ロックアップ制御
が終了した後、ステップS11において、学習待ち時間
タイマ(図示せず)で計測された学習待ち時間がステッ
プS6で読み出された学習待ち時間を経過したか否か判
断する。すなわち、減速時ロックアップ締結力を開放側
に減少学習分補正した後の自動変速機1(図1)の油圧
系の油圧変化の遅れを見込んだ所定時間が経過したか否
か判断する。
【0043】学習待ち時間タイマ(図示せず)で計測さ
れた学習待ち時間がステップS6で読み出された学習待
ち時間を経過していない場合には、ステップS12にお
いて、学習待ち時間タイマ(図示せず)をインクリメン
トする。それに対して、学習待ち時間を経過した場合に
は、ステップS13において、後のステップS14(よ
り詳しくは、図4のステップS63及びS65で説明す
る。)でスリップ発生確認の待ち状態であることを表す
スリップ発生確認待ちフラグがONされているか否か判
断する。
【0044】ステップS12終了後又はステップS13
においてスリップ発生確認待ちフラグがONされている
と判断された場合、ステップS14において、スリップ
発生確認制御を行い、その後、ステップS15におい
て、、ステップS14でスリップ回転が発生したことを
示すスリップ発生確認フラグ(より詳しくは、図4のス
テップS67で説明する。)がONであるか否か判断す
る。すなわち、ステップS15において、S5における
減速時ロックアップ締結力学習値の更新、すなわち減速
時ロックアップ締結力低下学習の結果、スリップ回転が
発生したか否かを判断する。なお、このステップS14
を、後に図4のルーチンを用いて詳細に説明する。
【0045】スリップ発生確認フラグがOFFである、
すなわちスリップ回転の発生が確認されない場合、本ロ
ジックを終了する。それに対して、スリップ発生確認フ
ラグがONである場合には、ステップS5で減速時ロッ
クアップ締結力学習値の更新を行ったためにスリップ回
転が発生したと見なし、次のステップS16において、
ステップS5で更新した減速時ロックアップ締結力学習
値に減速時ロックアップ締結力低下学習幅を加えた和
(すなわち、更新前の減速時ロックアップ締結力学習
値)を、次回の減速時ロックアップ締結力学習値とする
ことによって、今回の減速時ロックアップ締結力低下学
習の結果(すなわち、ステップS5で更新した減速時ロ
ックアップ締結力学習値)を棄却する。
【0046】ステップS13においてスリップ発生確認
待ちフラグがOFFである、すなわちスリップ発生確認
の待ち状態にないと判断された場合、スリップ回転が発
生しなかったと判断して、減速時ロックアップ締結力学
習の結果(すなわち、ステップS5で更新した減速時ロ
ックアップ締結力学習値)を、次回の減速時ロックアッ
プ締結力学習値として次回の減速時ロックアップ制御に
使用する。
【0047】ステップS13においてスリップ発生確認
待ちフラグがOFFであると判断された場合又はステッ
プS16の処理の後、ステップS17〜S20の本学習
制御終了処理に入る。この場合、先ずステップS17に
おいて、減速時ロックアップ締結力学習フラグをOFF
にし、次いで、ステップS18において、スリップ発生
確認待ちフラグをOFFにし、次いで、ステップS19
において、スリップ発生確認フラグをOFFにし、次い
で、ステップS20において、学習開始フラグをOFF
にし、その後本ロジックを終了する。
【0048】ステップS2において減速時ロックアップ
締結力学習フラグがOFFである場合又はステップS3
において減速時ロックアップ締結力学習条件が成立しな
い場合(この場合は、減速時ロックアップ締結力学習フ
ラグがONであるとき、すなわち車両の運動状態が減速
状態で、かつ、ロックアップオフ制御を行う場合で
も)、本学習制御を行わないと判断し、ステップS21
で減速時ロックアップ締結力学習フラグをOFFにし、
その後、ステップS22において、学習開始フラグがO
Nであるか否か判断する。
【0049】学習開始フラグかONである場合、ステッ
プS23において、ステップS16と同様に、ステップ
S5で更新した減速時ロックアップ締結力学習値に減速
時ロックアップ締結力低下学習幅を加えた和を、次回の
減速時ロックアップ締結力学習値とすることによって、
今回の減速時ロックアップ締結力低下学習の結果を棄却
し、その後ステップS24において、学習開始フラグを
OFFにして、学習制御を中断させる。
【0050】ステップS22において学習開始フラグが
OFFであると判断した場合、ステップS23及びS2
4をスキップする。ステップS22において学習開始フ
ラグがOFFであると判断した後又はステップS24の
処理の後、ステップS25において、ロックアップオフ
制御を行い、その後本ロジックを終了する。
【0051】ステップS1において、ロックアップオフ
制御を行わないと判断した場合、ステップS26におい
て、減速時ロックアップ制御を行うか否か判断する。減
速時ロックアップ制御を行うと判断した場合、ステップ
S27において減速時ロックアップ締結力学習フラグを
ONにするとともに、ステップS28においてスリップ
発生確認フラグをOFFにして、ロックアップオフ制御
に切り替わったときに備える。次いで、ステップS29
において、減速時ロックアップ制御を行い、その後本ロ
ジックを終了する。
【0052】ステップS26において減速時ロックアッ
プ制御を行わないと判断された場合、ステップS30で
その他のロックアップ制御を行う。
【0053】本形態によれば、車両の運動状態が減速走
行状態であるとともにロックアップオフ制御であると判
断され、かつ、スリップ回転が発生しない場合、現在の
減速時ロックアップ締結力学習値から、減速時ロックア
ップ締結力低下学習幅を引いた差を、新しい減速時ロッ
クアップ締結力学習値として、減速時ロックアップ締結
力学習値の更新を行うことにより、ロックアップ締結力
を低下させたために発生する惰性走行状態のロックアッ
プ時のスリップを大幅に抑制することができる。
【0054】また、減速時ロックアップ締結力学習条件
を判断し、この減速時ロックアップ締結容量学習条件が
整っていない場合にはロックアップ締結力の学習補正を
禁止することにより、好適な減速時ロックアップ締結力
の学習を行うことができる。
【0055】図3は、本発明による自動変速機のロック
アップ制御装置の第2の実施の形態を説明するフローチ
ャートである。このルーチンは、車両の運動状態が減速
走行状態であるとともにロックアップ制御であると判断
され、かつ、スリップ回転が発生しない場合にロックア
ップ締結力を学習補正するものである。また、これは、
減速時ロックアップ移行制御終了後から所定の時間経過
前にスリップ回転の発生が確認され、かつ、減速時ロッ
クアップ締結力学習条件が整っていると判断された場
合、所定の量だけロックアップ締結力を増大させる制御
を行い、次回の減速走行状態でのロックアップ締結容量
を学習補正し、減速時ロックアップオフするものであ
る。
【0056】先ず、ステップS31において、現在減速
時ロックアップ制御を行うべきか否か判断する。減速時
ロックアップ制御を行うべきと判断した場合、ステップ
S32において、今回のルーチンが減速時ロックアップ
制御を開始してから1回目であるか否かを確認する。1
回目である場合には、ステップS33において、(後に
ステップS46で説明する)スリップ発生確認制御を行
うまでに経過すべき学習待ち時間(これは、後のステッ
プS35で用いられる。)を読み込む。この場合も、学
習待ち時間を、減速時ロックアップ締結力を開放側に減
少学習分補正した後の自動変速機1(図1)の油圧系の
油圧変化の遅れを見込んだ所定時間とする。その後、ス
テップS34において、現在の学習待ち時間を計測する
学習待ち時間タイマ(図示せず)を初期化して、学習制
御開始のための初期化を行う。
【0057】ステップS32において1回目でない、す
なわち減速時ロックアップ制御を開始してから2回目以
降であると判断された場合には、ステップS3及びS4
をスキップする。したがって、学習待ち時間の読み込み
及び学習待ち時間タイマ(図示せず)の初期化は行われ
ない。
【0058】ステップS32において1回目でないと判
断された場合又はステップS34で学習待ち時間タイマ
(図示せず)を初期化した後、ステップS35におい
て、学習待ち時間タイマ(図示せず)で計測された学習
待ち時間がステップS33で読み出された学習待ち時間
を経過したか否か判断する。すなわち、減速時ロックア
ップ締結力を開放側に減少学習分補正した後の自動変速
機1(図1)の油圧系の油圧変化の遅れを見込んだ所定
時間が経過したか否か判断する。
【0059】学習待ち時間タイマ(図示せず)で計測さ
れた学習待ち時間がステップS33で読み出された学習
待ち時間を経過していない場合には、ステップS36に
おいて、学習待ち時間タイマ(図示せず)をインクリメ
ントして時間の経過を待つ。それに対して、学習待ち時
間を経過した場合には、ステップS37において、減速
時ロックアップ締結力学習条件が成立しているか否か確
認する。本形態でも、減速時ロックアップ締結力学習条
件を示すものとして、油温センサ14(図1)からの信
号によって得られる変速機作動油温と、そのライン圧
と、パイロット圧と、コントロール電源電圧とのうちの
いずれかを用いる。
【0060】減速時ロックアップ締結力学習条件が成立
していない場合、ステップS38において、減速時のロ
ックアップクラッチの締結力の学習を行うか否かを示す
減速時ロックアップ締結力学習フラグをOFFにして、
以降の学習制御をキャンセルする。それに対して減速時
ロックアップ締結力学習条件が成立している場合、ステ
ップS39において、学習制御が開始されていることを
示す学習開始フラグがONされているか否か、すなわ
ち、所定の量だけロックアップ締結力が低下されたか否
かを判断する。学習開始フラグがONされていない、す
なわちOFFである場合、ステップS40において、現
在の減速時ロックアップ締結力学習値から、減速時ロッ
クアップ締結力低下学習幅を引いた差を、新しい減速時
ロックアップ締結力学習値として、減速時ロックアップ
締結力学習値の更新を行う。すなわち、ロックアップ締
結力を、所定の補正幅(減速時ロックアップ締結力低下
学習幅)で1回だけ低下させる制御を行う。
【0061】次いで、ステップS41において、後のス
テップS46(より詳しくは、図4のステップS61で
説明する。)で用いられるスリップ発生確認閾値を読み
込み、ステップS42において、減速時ロックアップ締
結力学習フラグをONにし、ステップ43において、学
習開始フラグをONにして、学習制御開始のための初期
化とフラグのセットを行う。なお、ステップS39にお
いて学習開始フラグがOFFであると判断された場合に
は、ステップS40〜S43までの処理は行われない。
【0062】ステップS31〜S43までの初期化が終
了した後、すなわち、ステップS36において学習待ち
時間タイマ(図示せず)をインクリメントした後、ステ
ップS38において減速時ロックアップ締結力フラグを
OFFにした後、ステップS39で学習開始フラグがO
FFであると判断された後、又はステップS43におい
て学習開始フラグがONされた後、ステップS44にお
いて、減速時ロックアップ制御を行う。
【0063】その後、ステップS45において、減速時
ロックアップ締結力学習フラグがONであるか否か確認
し、減速時ロックアップ締結力学習を実施するか否か判
断する。減速時ロックアップ締結力フラグがOFFであ
る場合、後に説明するステップS51〜53の学習制御
終了処理を行わず、次回も減速時ロックアップ制御を継
続する。それに対してONである、すなわち減速時ロッ
クアップていけつりょ学習を実施すると判断された場合
には、ステップS46において、スリップ発生確認制御
を行い、現在スリップ回転が発生しているか否かを判断
する。なお、このステップS46を、後に図4のルーチ
ンを用いて詳細に説明する。
【0064】その後、ステップS47において、ステッ
プS46においてスリップ回転が発生したことを示すス
リップ発生確認フラグ(より詳しくは、図4のステップ
S67で説明する。)がONであるか否か判断する。ス
リップ発生確認フラグがOFFである場合にも、後に説
明するステップS51〜53の学習制御終了処理を行わ
ず、次回も減速時ロックアップ制御を継続する。
【0065】それに対してスリップ発生確認フラグがO
Nである場合には、現在スリップ回転が発生していると
判断して、ステップS48において、学習開始フラグが
ONであるか否か判断する。
【0066】学習開始フラグがONである場合、ステッ
プS49において、S40で減速時ロックアップ締結力
学習値の更新を行ったためにスリップ回転が発生したと
見なし、ステップS40で更新した減速時ロックアップ
締結力学習値に減速時ロックアップ締結力低下学習幅を
加えた和(すなわち、更新前の減速時ロックアップ締結
力学習値)を、次回の減速時ロックアップ締結力学習値
とすることによって、今回の減速時ロックアップ締結力
低下学習の結果(すなわち、ステップS40で更新した
減速時ロックアップ締結力学習値)を棄却する。
【0067】それに対して、学習開始フラグがOFFで
ある場合、ステップS50において、元の減速時ロック
アップ締結力学習値に不足があったと判断し、元の減速
時ロックアップ締結力学習値に減速時ロックアップ締結
力増加学習幅を加えた和を、次回の減速時ロックアップ
締結力学習値とすることによって、減速時ロックアップ
締結力増加学習を行う。
【0068】ステップS49において減速時ロックアッ
プ締結力低下学習結果を棄却した後又はステップS50
において減速時ロックアップ締結力増加学習を行った
後、ステップS51〜S53の本学習制御終了処理に入
る。この場合、先ずステップS51において、スリップ
発生確認フラグをOFFにし、次いで、ステップS52
において、学習開始フラグをOFFにし、次いで、ステ
ップS53において、減速時ロックアップ制御を減速時
ロックアップオフ制御に切り換えて減速時ロックアップ
制御時にスリップ回転が発生するのを回避した後、本ロ
ジックを終了する。
【0069】ステップS31において、減速時ロックア
ップ制御を行わないと判断した場合、ステップS54に
おいてその他のロックアップ制御を行い、その後ステッ
プS55においてスリップ発生確認フラグをOFFにし
て、次回の減速時学習制御に備える。
【0070】本ロジックによれば、車両の運動状態が減
速走行状態であるとともにロックアップ制御であると判
断され、かつ、減速時ロックアップ移行制御終了後から
所定の時間経過後にスリップ回転が発生しない場合、現
在の減速時ロックアップ締結力学習値から、減速時ロッ
クアップ締結力低下学習幅を引いた差を、新しい減速時
ロックアップ締結力学習値として、減速時ロックアップ
締結力学習値の更新を行うことにより、ロックアップ締
結力を低下させたために発生する惰性走行状態のロック
アップ時のスリップを大幅に抑制することができる。
【0071】また、減速時ロックアップ締結力学習条件
を判断し、この減速時ロックアップ締結容量学習条件が
整っていない場合にはロックアップ締結力の学習補正を
禁止することにより、好適な減速時ロックアップ締結力
学習を行うことができる。
【0072】さらに、減速時ロックアップ移行制御終了
後から所定の時間経過前にスリップ回転の発生が確認さ
れ、かつ、減速時ロックアップ締結容量学習条件が整っ
ていると判断された場合、元の減速時ロックアップ締結
力学習値に減速時ロックアップ締結力増加学習幅を加え
た和を、次回の減速時ロックアップ締結力学習値とする
とともに、減速時ロックアップオフ制御に切り換えるこ
とより、次回の減速走行状態でのロックアップ締結容量
をより適切に学習補正することができ、これにより、ロ
ックアップ締結力を低下させたために発生する惰性走行
状態のロックアップ時のスリップを更に大幅に抑制する
ことができる。
【0073】図4は、図2及び3のフローチャートのス
リップ発生確認制御を説明するフローチャートである。
このロジックは、図2のステップS14及び図3のステ
ップS46において実行されるものであり、スリップ回
転数がスリップ発生確認閾値より大きく、かつ、スリッ
プ回転数がスリップ発生確認閾値を下回ってから経過し
た時間がスリップ発生確認待ち時間を経過した場合にス
リップ回転を検出するようにしたものである。
【0074】先ず、ステップS61において、現在のス
リップ回転数が、スリップ回転の目安となるスリップ発
生確認閾値よりも大きいか否か判断し、スリップ回転の
発生の有無を調べる。現在のスリップ回転数がスリップ
発生確認閾値より大きい場合には、スリップ回転が発生
していると判断し、ステップS62において、スリップ
発生の確認を待つためのスリップ発生確認待ち時間を読
み込み、その後ステップS63において、図2のステッ
プS13で用いられるスリップ発生確認待ちフラグをO
Nにして、スリップ発生確認待ち状態に制御を移行す
る。
【0075】ステップS61において現在のスリップ回
転数がスリップ発生確認閾値よりも小さい場合、スリッ
プ回転が発生していないと判断し、ステップS64にお
いて、スリップ発生確認待ちタイマ(図示せず)を初期
化し、その後ステップS65において、スリップ発生確
認待ちフラグをOFFにして、スリップ回転の発生に備
える。
【0076】ステップS63でスリップ発生確認待ちフ
ラグをONにした後、スリップ発生確認待ち時間タイマ
(図示せず)によって計測された時間をスリップ発生待
ち時間と比較して、スリップ回転発生の継続時間を確認
する。スリップ発生確認待ち時間タイマ(図示せず)に
よって計測された時間がスリップ発生確認待ち時間より
長く、スリップ回転発生が十分継続されたと判断された
場合、ステップS67において、スリップ発生確認フラ
グをONにして、スリップ回転の発生を確認したものと
する。
【0077】ステップS66において、スリップ発生確
認待ち時間タイマ(図示せず)によって計測された時間
がスリップ発生確認待ち時間より短く、スリップ回転発
生が十分に継続されていないと判断された場合、ステッ
プS68において、スリップ発生確認待ち時間タイマ
(図示せず)をインクリメントして、継続時間を計測す
る。以上の制御が終了すると、図2又は3のメインルー
チンに戻る。
【0078】このルーチンによれば、スリップ回転数が
スリップ発生確認閾値より大きく、かつ、スリップ発生
確認待ち時間タイマ(図示せず)が計測した時間がスリ
ップ発生確認待ち時間を超えた場合にスリップ回転の発
生を確認することにより、スリップ回転の発生を正確に
確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動変速機のロックアップ制御装
置の実施の形態を示す図である。
【図2】本発明による自動変速機のロックアップ制御装
置の第1の実施の形態を説明するフローチャートであ
る。
【図3】本発明による自動変速機のロックアップ制御装
置の第2の実施の形態を説明するフローチャートであ
る。
【図4】図2及び3のフローチャートのスリップ発生確
認制御を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 自動変速機 2 トルクコンバータ(T/C) 3 エンジン 4 出力軸 5 コントロールバルブ 6,7 シフトソレノイド 8 ロックアップソレノイド 9 変速機コントローラ 10 スロットル開度センサ 11 エンジン回転センサ 12 タービン回転センサ 13 変速機出力回転センサ 14 油温センサ D デューティソレノイド Ne エンジン回転数 No 出力軸回転数 Nt タービン回転数 TVO スロットル開度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロックアップクラッチにより入出力間を
    直結したロックアップ状態にすることができるトルクコ
    ンバータを伝動系に有する自動変速機のロックアップ制
    御装置において、 ロックアップクラッチの締結容量を任意に設定できるロ
    ックアップクラッチ締結容量制御手段と、 ロックアップクラッチのスリップを検知するスリップ検
    知手段と、 車両の運動状態を検知する運動状態検知手段と、 車両の運動状態に応じてロックアップの締結又は解除を
    判断するロックアップ締結/解除判断手段とを有し、 前記運動状態検知手段によって車両の運動状態が減速走
    行状態であることが検出されるとともに前記ロックアッ
    プ締結/解除手段によってロックアップを解除すべき状
    態であることが検出され、かつ、前記スリップ検知手段
    により、前記ロックアップクラッチのスリップが確認さ
    れない場合、通常のロックアップ解除制御を開始する前
    に、所定の量だけロックアップ締結容量を低下させる制
    御を行い、そのロックアップ締結容量低下制御の結果と
    して、前記スリップ検知手段によってロックアップのス
    リップが検知された場合、ロックアップ締結容量低下制
    御前のロックアップ締結容量を記憶し、それに対して、
    前記スリップ検知手段によってロックアップのスリップ
    が検知されない場合、ロックアップ締結容量低下制御後
    のロックアップ締結容量を記憶して、次回の減速走行状
    態でのロックアップ締結容量を学習補正するように構成
    したことを特徴とする自動変速機のロックアップ制御装
    置。
  2. 【請求項2】 減速時ロックアップ締結容量学習条件を
    判断し、この減速時ロックアップ締結容量学習条件が整
    っていない場合には上記ロックアップ締結容量の学習補
    正を禁止する減速時ロックアップ締結容量学習条件判断
    手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の自動変速
    機のロックアップ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記スリップ検知手段は、前記ロックア
    ップクラッチのスリップ量が所定の閾値より大きく、か
    つ、前記ロックアップクラッチのスリップ量が所定の閾
    値を下回ってから経過した時間が所定の待ち時間を超え
    た場合に前記ロックアップクラッチのスリップを検出す
    るようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の自
    動変速機のロックアップ制御装置。
  4. 【請求項4】 ロックアップクラッチにより入出力間を
    直結したロックアップ状態にすることができるトルクコ
    ンバータを伝動系に有する自動変速機のロックアップ制
    御装置において、 ロックアップクラッチの締結容量を任意に設定できるロ
    ックアップクラッチ締結容量制御手段と、 ロックアップクラッチのスリップを検知するスリップ検
    知手段と、 車両の運動状態を検知する運動状態検知手段と、 車両の運動状態に応じてロックアップの締結又は解除を
    判断するロックアップ締結/解除判断手段とを有し、 前記運動状態検知手段によって車両の運動状態が減速走
    行走行状態に移行することが検出されるとともに前記ロ
    ックアップ締結/解除手段によってロックアップを締結
    すべき状態であることが検出され、かつ、前記スリップ
    検知手段により、減速時ロックアップ移行制御終了後か
    ら所定の時間経過後に前記ロックアップクラッチのスリ
    ップが確認されない場合、所定の量だけロックアップ締
    結容量を低下させる制御を行い、そのロックアップ締結
    容量低下制御の結果として、前記スリップ検知手段によ
    ってロックアップのスリップが検知された場合、ロック
    アップ締結容量低下制御前のロックアップ締結容量を記
    憶し、それに対して、前記スリップ検知手段によってロ
    ックアップのスリップが検知されない場合、ロックアッ
    プ締結容量低下制御後のロックアップ締結容量を記憶し
    て、次回の減速走行状態でのロックアップ締結容量を学
    習補正するように構成したことを特徴とする自動変速機
    のロックアップ制御装置。
  5. 【請求項5】 減速時ロックアップ締結容量学習条件を
    判断し、この減速時ロックアップ締結容量学習条件が整
    っていない場合には上記ロックアップ締結容量の学習補
    正を禁止する減速時ロックアップ締結容量学習条件判断
    手段を設けたことを特徴とする請求項4記載の自動変速
    機のロックアップ制御装置。
  6. 【請求項6】 前記スリップ検知手段により、前記減速
    時ロックアップ移行制御終了後から所定の時間経過前に
    前記ロックアップクラッチのスリップが確認され、か
    つ、減速時ロックアップ締結容量学習条件判断手段によ
    り減速時ロックアップ締結容量学習条件が整っていると
    判断された場合、所定の量だけロックアップ締結容量を
    増大させる制御を行い、次回の減速走行状態でのロック
    アップ締結容量を学習補正するとともに、前記ロックア
    ップ締結/解除判断手段により減速時ロックアップを解
    除するように構成したことを特徴とする請求項5記載の
    自動変速機のロックアップ制御装置。
  7. 【請求項7】 前記ロックアップクラッチのスリップ量
    が所定の閾値より大きく、かつ、前記ロックアップクラ
    ッチのスリップ量が所定の閾値を下回ってから経過した
    時間が所定の待ち時間を超えた場合に前記ロックアップ
    クラッチのスリップを検出するようにしたことを特徴と
    する請求項4から6のうちのいずれかに記載の自動変速
    機のロックアップ制御装置。
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