JP3448052B2 - 抗ウイルス活性をもつプロアントシアニジンポリマーおよびその製造法 - Google Patents

抗ウイルス活性をもつプロアントシアニジンポリマーおよびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 関連出願への言及 本出願は1990年10月12日出願のSerial No.07/596,89
3の部分継続出願であり、該出願は参照により本出願に
包含される。
1.技術分野 本発明は呼吸性ウイルス感染の治療における、2から
30のフラボノイド単位を有するプロアントシアニジンポ
リマーの使用に関する。さらに、6から30のフラボノイ
ド単位を有するプロアントシアニジンポリマーの使用が
一般にウイルス感染の治療に有効であることが見いださ
れた。新しく発見されたある種のプロアントシアニジン
ポリマーの化学的性質も包含する。
2.背景技術 2.1 ハズ(Croton)属の木およびカロフィラム・イノ
フィラム(Calophyllum inophylum)からの抽出物の民
族植物学的利用 南アメリカに見られるクロトン・サルタリス(Croton
salutaris)、クロトン・ゴシピフォリウス(Croton
gossypifolius)、クロトン・パラノスティマ(Croto
n palanostima)、クロトン・レチレリ(Croton lech
leri)、クロトン・エリスロチラス(Croton erythroc
hilus)およびクロトン・ドラコノイデス(Croton dra
conoides)などを含む多くの異なるハズの木の種は、サ
ングレ・デ・ドラゴ(Sangre de Drago)と呼ばれる
赤いネバネバした乳液性の樹液を産出する。これはペル
ー系アマゾンの混血および土着民によってインフルエン
ザと下痢に最もよく用いられている。扁桃炎、喉の感
染、結核、消化性潰瘍、小腸の不調、リューマチのた
め、および受胎能の増強に内服薬として用いられ、大人
にも子供にも用いられている。この樹液はまた、止血、
疱疹および傷の治療にも広く用いられている。この樹液
は抗炎症剤として、また治癒過程を促進するために傷に
直接つける。抜歯した後の患者の歯茎にもこれを適用す
る。出血多量のときには膣の洗浄液としても用いられ
る。
クロトン・デラコノイデスおよびクロトン・レチレリ
からのサングレ・デ・ドラゴは抗炎症活性を示すタスピ
ン(taspine)と同定されるアルカロイドを含むことが
示されている(Persinos et al.,1979,J.Pharm.Sci.,6
8:124)。タスピンは骨髄芽球症ウイルス、ラウシャー
白血病ウイルスおよびサル肉腫ウイルスにおけるRNA依
存性DNAポリメラーゼ活性を阻害することも示されてい
る(Sethi,1977,Canadian J.Pharm.Sci.12:7)。
カロフィラム・イノフィラムは、インド、東アフリカ
からポリネシアに生息する木である。その種子の油脂は
疥癬、白癬および皮膚病の治療に駆虫薬として、またそ
の他にも痛覚脱失などに民間薬として用いられている。
インド、中国では粉末の樹脂が潰瘍および傷の治療に用
いられている。インドネシアでは腫脹腺の治療に樹皮が
外用薬として用いられ、また利尿薬として内服されてい
る。樹液は胸の痛みの緩和薬として、また潰瘍および腫
脹に用いられている。葉の抽出物は炎症を起こした目の
洗浄液として用いられている。カンボジア人はめまいや
偏頭痛の治療用の吸入薬として葉の抽出物を用いる。サ
モア人は樹液を矢毒として用いている。
2.2 プロアントシアニジンモノマーとポリマーおよび
その用途 プロアントシアニジンおよびプロアントシアニジンポ
リマーは多くの種類の植物、特に木本性の成長をするも
の(例えばハズの種およびカロフィラム・イノフィラム
など)に見られる無色のフェノール性物質である。ポリ
マー性のプロアントシアニジンの一般的化学構造は、5,
7,3',4'−テトラヒドロキシまたは5,7,3',4',5'−ペン
タヒドロキシフラボノイド単位が次の図に示すように、
共通のC(4)−C(6)および/またはC(4)−C
(8)結合で結合した線状鎖からなる。
生合成研究はプロアントシアニジンポリマーは以下に示
すタイプのモノマー単位からなることを示した(Fletch
er et al.,1977,J.C.S.Perkin,1:1628を参照)。
ポリマー鎖のモノマー単位(一般に“ロイコアントシア
ニジン”と呼ばれている)は、C環の2および/または
4位の2つの立体化学、すなわちシス(エピカテキンと
呼ばれる)またはトランス(カテキンと呼ばれる)のい
ずれかに基づく。したがって、ポリマー鎖は異なる構造
単位に基づいており、これによって広範なポリマー性プ
ロアントシアニジンと多数の可能な異性体を作り出す
(Hemingway et al.,1982,J.C.S.Perkin,1:1217)。C13
NMRはポリマー性プロアントシアニジンの構造の同定
に用いられており、最近の研究により二、三または四量
体のプロアントシアニジンの化学が明らかとなった。ほ
とんどの植物ではフラボノイド3−オール単位のより大
きなポリマーが主なものであり、6以上の単位を含む2,
000ダルトン以上の平均分子量を有することが見いださ
れている(Newman et al.,1987,Mag.Res.Chem.,25:11
8)。
プロアントシアニジンはタンパク質結合能をもち、生
物学的役割をもつ可能性が報告されている(Newman et
al.,1987,Mag.Res.Chem.,25:118)。プロアントシアニ
ジンモノマーおよびダイマーは毛細管の脆弱性の増加と
関連する疾患の治療に用いられており、また実験動物で
抗炎症効果を有することも示された(Beladi et al.,19
77,Ann.N.Y.Acad.Sci.,284:358)。プロシアニジンモノ
マーはインビトロアッセイで単純ヘルペスウイルスに対
する抗ウイルス活性をもつことが発見された(Beladi e
t al.,前出)。Beladiらはアピゲニン(apigenin)、ペ
ラルゴニジン(pelargonidin)、ケルセチン(querceti
n)を含む多数のフラボノイドモノマーおよびプロアン
トシアニジンモノマーの単純ヘルペスウイルスに対する
殺ウイルス効果を試験した。プロアントシアニジンモノ
マーがウイルス不活性化に最も有効であり、次いでペラ
ルゴニジンとケルセチンであることがわかった。アピゲ
ニンは少しの効果を持つのみであった。HEp−2細胞に
おける単純ヘルペスウイルスの増殖に対するケルセチン
とプロシアニジンモノマーの効果も研究された。Beladi
らが結論したように、試験したモノマー性フラボノイド
は殺ウイルス活性を示したが、インビトロアッセイでは
ウイルス増殖にわずかな阻害効果を示すのみであった。
本発明以前には呼吸性ウイルス感染の治療に2または
それ以上のフラボノイド単位を含むプロアントシアニジ
ンの使用に関する開示はない。さらに、一般のウイルス
感染の治療に6以上のフラボノイド単位のプロアントシ
アニジンの使用に関する開示も何らない。
本発明の目的のためには、ハズ種から単離さたプロア
ントシアニジンポリマーを「プロアントシアニジンポリ
マーA」と呼び、カロフィラム・イノフィラムから単離
されたものを「プロアントシアニジンポリマーB」と呼
ぶ。しかし、このような命名は単に議論を単純化するた
めのものであって、これらポリマーが異なる化合物のク
ラスにあることを必ずしも示唆するものではない。プロ
アントシアニジン・ポリマーAもプロアントシアニジン
・ポリマーBも本明細書で記載するプロアントシアニジ
ン・ポリマーの言葉の範囲に入ると解されるものであ
る。
2.3 RSウイルス RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus:RSV)
はニューモウイルス属パラミクソウイルス科に属し、幼
児および子供の細気管支炎および肺炎などの下部呼吸器
感染を引き起こす原因となるものである。このウイルス
は子供の急性呼吸疾患に重要な原因となると考えられ、
幼児の50%までがその最初の冬にRSV感染に苦しむと予
期される。肺または心臓の疾患をもつ幼い子供では、RS
Vによる致死率が37%までであると報告されている。RSV
呼吸器感染は子供にはよく見られるが、このウイルスは
どの年齢の感染者の呼吸器分泌物にも見られる。高齢者
が感染すると深刻で致命的な疾患と結びつき、またRSV
感染は免疫が抑制されている成人では発熱および肺浸潤
の原因となりうる(Englund et al.,1988,Ann.Int.Me
d.,1:203)。
不活化RSVのワクチンはRSV感染には効果がないことが
明らかとなっており、また次にRSVに感染すると異常な
免疫系と肺の炎症を引き起こす。したがって、最近の研
究は有効な生ワクチンあるいは効果のある抗ウイルス化
合物の開発のいずれかに向けられている。
現在選択薬となっているリバビリン(ribavirin:1−
β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−
カルボキサミド)は、RSVまたはインフルエンザウイル
スによる急性呼吸系感染における疾患の重篤度とウイル
スの脱落(shed)の量を減少することが見いだされた。
現在ではリバビリンはエアロゾル剤形で呼吸器のRSV感
染の治療に用いられている。しかしながら、その毒性の
ために、リバビリンは系統的に使用するには好ましくな
い。さらに、リバビリンは動物に催奇性であることがわ
かった。このため女性の健康管理で全員にリバビリンを
投与したり、またこれにさらすことへの深刻な憂慮を引
き起こした(Gladu et al.,1989,J.Toxic Env.Health,2
8:1)。
2.4 中耳炎および外耳炎 中耳の炎症である中耳炎は、小さい子供に普遍的な風
邪に次いで第2位の疾患である。すべての子供の60%以
上が6歳までに中耳炎の経験をもつ。急性中耳炎の最大
の危険は、RSウイルス、ライノウイルス、インフルエン
ザAウイルスまたはアデノウイルスによる感染にある
(Henderson et al.,N.Eng.J.Med.,1982,1377;Ruuskani
n et al.,Pediatr.Infect.Dis.J.,1989,94;Sanyai et a
l.,J.Pediatr.,1980,11)。呼吸系ウイルス感染の予防
が中耳炎の発生を少なくすることがわかった(Heikkine
n et al.,AJDC,445(1991))。インフルエンザワクチ
ンの使用が有効であることが発見された。しかしなが
ら、ワクチンを毎年投与する必要があること、最初に2
回投与しなければならないこと、インフルエンザウイル
スの抗原変異性の問題が絶えずあること、また得られる
ワクチンの有効性が不安定なことやコストなどの多くの
理由によってこれは満足のいくアプローチではない。
2.5 インフルエンザウイルス インフルエンザウイルスはオルソミクソウイルス科に
属し、広く世界中に分布している。20世紀には5回の大
流行があり、1918年の突発では少なくとも2100万人が死
んだ。アメリカ合衆国では過去20年間に50万人以上がイ
ンフルエンザ禍のために死んだとされる。ほとんど毎
冬、季節的に突発し、主として呼吸器経路で伝染する。
アマンタジン(amantadine)は発熱期間を短縮し、呼吸
器系の症状をわずかに約50%だけ軽減するが、中枢神経
系のいくらかの副作用を起こすことが示された。まだ許
可されていないが、リマンチジン(rimantidine)は同
様な効果を示すが、アマンタジンに見られるような中枢
神経系の副作用は示さない。普遍的なインフルエンザ感
染の併発症である原発性インフルエンザウイルス肺炎
は、リマンチジンかアマンタジンで治療できることは示
されていない。予防的には、インフルエンザは不活化イ
ンフルエンザウイルスワクチンを用いて約80%の防御効
率でコントロールされた。
2.6 単純ヘルペスウイルス 単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus:HS
V)はヘルピトウイルス科に属し、広く世界中に分布し
ている。ウイルスの伝染は人から人への直接接触を介し
て起こり、主としてHSV−1は口腔から入り、HSV−2の
感染は生殖器を介してである。HSV抗体の普及は社会経
済的な地位と反比例し、発展途上国の成人では100%近
くがHSVポジティブであり、開発国では30−50%であ
る。アシクロビル(acyclovir)、イドクスリジン(ido
xuridine:IDUまたは2−デオキシ−5−ヨードウリジ
ン)、トリフルリジン(trofluridine)およびビダラビ
ン(vidarabine:アデニンアラビノシド、Ara−A)が多
様なHSV感染の治療に有効であり、このうちトリフルリ
ジンとアシクロビルが選択薬である。目の感染症の選択
薬であるビダラビンは***匐行疹またはその他の皮膚/
生殖器感染に対して局所投与で効果がない。アシクロビ
ルは再発生生殖器感染に対して局所投与で効果がない。
しかしながら、静脈内投与および経口投与では効果があ
る。神経節潜伏期がまだ存在し、治療を止めた後に再発
するので、アシクロビルを再発性HSV生殖器感染の治療
に日常的に使用することは推奨できない。
3. 発明の要約 本発明は、温血動物に、治療上効果的な量のプロアン
トシアニジンポリマーを含む抗ウイルス剤を投与するこ
とから成る、呼吸器ウイルス感染症の治療方法に関する
ものである。プロアントシアニジンポリマーは2−30個
のフラボノイド単位を含むものが好ましく、2−15個の
フラボノイド単位を含むものがより好ましく、2−11個
のフラボノイド単位を含むものが最も好ましい。フラボ
ノイド単位としてはカテキン、エピカテキン、ガロカテ
キン、ガロエピカテキン、フラバノール、フラボノー
ル、フラバンジオール、ロイコシアニジン、アントシア
ニジン、またはその組合せが含まれるが、これらに限定
されない。フラボノイド単位は単一にまたは二重に互い
と結合することができる。より詳細には、本発明の方法
は、RS(respiratory syncytial)ウイルス並びにパラ
インフルエンザウイルス3、インフルエンザAウイル
ス、インフルエンザBウイルス、および中耳炎や外耳炎
と関連したウイルスにより引き起こされる呼吸器感染症
を治療するために使用される。プロアントシアニジンポ
リマーは静脈内に、腹腔内に、皮下に、筋肉内に、経口
的に、局所的に、もしくは吸入により投与することがで
きる。
プロアントシアニジンポリマーは中耳炎と関連したウ
イルスの大部分に対して効果的である。それらは水溶液
中に溶けやすく、非経口、経口、局所(すなわち耳や
鼻)投与用に簡単に処方することができ、かくして中耳
炎を予防または治療するのに非常に適している。
同様に、プロアントシアニジンポリマーは外耳炎と関
連したウイルスに対しても効果的である。このようなウ
イルスは鼓膜の外側に存在しているので、プロアントシ
アニジンポリマーを適当な処方物として耳に局所投与し
て、ウイルスと直接接触させることができる。
呼吸器ウイルス感染症を治療するのに有用なプロアン
トシアニジンは、I、IIおよびIII: 〔式中、a、b=1−3、x=0または1、n=0−2
8、好ましくは0−13、より好ましくは0−9〕および
それらのエステル、またはエーテルもしくは対応するオ
キソニウム塩から選ばれた構造を有する。
呼吸器ウイルス感染症を治療するのに有用なプロアン
トシアニジンは、構造IV: 〔式中、x、y=1−3、z=1または2〕を有する単
量体フラボノイド単位、そのエステル、エーテルまたは
対応するオキソニウム塩を2−30個、好ましくは2−15
個、より好ましくは2−11個含み得る。
さらに、本発明の他の態様は、温血動物に、治療上効
果的な量の、6−30個のフラボノイド単位、好ましくは
6−15個のフラボノイド単位、より好ましくは6−11個
のフラボノイド単位を含むプロアントシアニジンポリマ
ーを含む抗ウイルス剤を投与することから成る、ウイル
ス感染症の治療方法に関するものである。フラボノイド
単位としてはカテキン、エピカテキン、ガロカテキン、
ガロエピカテキン、フラバノール、フラボノール、フラ
バンジオール、ロイコシアニジン、アントシアニジン、
またはその組合せが含まれるが、これらに限定されな
い。フラボノイド単位は単一にまたは二重に互いと結合
することができる。当該方法はパラミクソウイルス、オ
ルソミクソウイルス、またはヘルペスウイルスによって
引き起こされるウイルス感染症を治療するために使用さ
れる。プロアントシアニジンポリマーは静脈内に、腹腔
内に、皮下に、筋肉内に、経口的に、局所的に、もしく
は吸入により投与することができる。
本発明はまた、上記のI、IIおよびIII〔式中、n=
4−28、好ましくは4−13、より好ましくは4−9〕か
ら選ばれた構造を有する、一般にウイルス感染症を治療
するのに有用なプロアントシアニジン類、およびそれら
のエステル、エーテル並びに対応するオキソニウム塩に
関するものである。
本発明はまた、クロトン(Croton)種およびカロフィ
ラム・イノフィラム(Calophyllum inophylum)種から
得られる新規なプロアントシアニジン類、およびそれら
のエステル、エーテル並びにオキソニウム誘導体に関す
るものである。この種のプロアントシアニジンは植物全
体、樹皮、葉、根またはラテックスから単離することが
できる。好ましい態様では、クロトン・レクレリ(Crot
on lechleri)とカロフィラム・イノフィラムからプロ
アントシアニジンが得られる。これらの新規プロアント
シアニジンポリマーはIR、UV−可視、および/または13
C NMR分光分析により同定される。
4. 図面の簡単な説明 図1 クロトンの木から単離されたプロアントシアニジ
ンポリマーAのフーリエ変換赤外スペクトル。
図2 クロトンの木から単離されたプロアントシアニジ
ンポリマーAの1H核磁気共鳴スペクトル。D2O中にて400
MHzで測定。
図3 100MHzでのD2O中のプロアントシアニジンポリマ
ーAの幅広バンドデカップリング13C核磁気共鳴スペク
トル。
図4 D2O中で100MHzにて得られた、カロフィラム・イ
ノフィラムから単離されたプロアントシアニジンポリマ
ーBの13C NMRスペクトル。
図5 カロフィラム・イノフィラムから単離されたプロ
アントシアニジンポリマーBのフーリエ変換赤外スペク
トル。
図6 インフルエンザA(HIN1)ウイルスに感染したマ
ウス(早期治療開始)における肺硬化に対するプロアン
トシアニジンポリマーAとアマンタジン(Amantadine)
の効果。
図7 インフルエンザA(HIN1)ウイルスに感染したマ
ウス(早期治療開始)における肺ウイルス力価に対する
プロアントシアニジンポリマーAとアマンタジンの効
果。
図8 インフルエンザA(HIN1)ウイルスに感染した雄
マウス(早期治療開始)における動脈の酸素飽和(Sa
O2)に対するプロアントシアニジンポリマーAとアマン
タジンの効果。
図9 インフルエンザA(HIN1)ウイルスに感染した雌
マウス(早期治療開始)における動脈の酸素飽和(Sa
O2)に対するプロアントシアニジンポリマーAとアマン
タジンの効果。
図10 インフルエンザA(HIN1)ウイルスに感染したマ
ウス(晩期治療開始)における肺硬化に対するプロアン
トシアニジンポリマーAとアマンタジンの効果。
図11 インフルエンザA(HIN1)ウイルスに感染したマ
ウス(晩期治療開始)における肺ウイスル力価に対する
プロアントシアニジンポリマーAの効果。
図12 インフルエンザA(HIN1)ウイルスに感染した雄
マウス(晩期治療開始)における動脈の酸素飽和(Sa
O2)に対するプロアントシアニジンポリマーAとアマン
タジンの効果。
図13 インフルエンザA(HIN1)ウイルスに感染した雌
マウス(晩期治療開始)における動脈の酸素飽和(Sa
O2)に対するプロアントシアニジンポリマーAとアマン
タジンの効果。
図14 インフルエンザA(HIN1)ウイルスに感染したマ
ウスにおける肺ウイルス力価に対するリバビリン(Riba
virin)の効果。
図15 インフルエンザA(HIN1)ウイルス感染マウスに
おける肺硬化に対する腹腔内リバビリン治療の効果。
図16 インフルエンザA(HIN1)ウイルス感染マウスに
おける血中SaO2%に対する腹腔内リバビリン治療の効
果。
図17 マウスにおけるHSV−2膣障害に対するプロアン
トシアニジンポリマーAとガンシクロビル(Ganciclovi
r)の効果。
図18 5%局所処方物中のアシクロビル(acyclovir)
およびプラシーボと比較した、5%および10%局所処方
物中のプロアントシアニジンポリマーAの効果。
5. 発明の詳細な説明 5.1. 有用なプロアントシアニジンポリマー類 本発明の抗ウイルス法において有用なプロアントシア
ニジンオリゴマーまたはポリマーは、ロイコアントシア
ニジンのモノマー単位から構成される。ロイコアントシ
アニジンは一般に単量体のフラボノイドであり、フラボ
ノイドにはカテキン、エピカテキン、ガロカテキン、ガ
ロエピカテキン、フラバノール、フラボノール、フラバ
ン−3,4−ジオール、ロイコシアニジン、アントシアニ
ジンが含まれる。呼吸器ウイルス感染症の治療に有用な
プロアントシアニジンポリマーは2−30個のフラボノイ
ド単位を有し、2−15個のフラボノイド単位をもつもの
が好ましく、2−11個のフラボノイド単位をもつものが
最も好ましい。一般にインフルエンザウイルス、パライ
ンフルエンザウイルス、パラミクソウイルス、オルソミ
クソウイルス、またはヘルペスウイルスに関連した感染
症を含むがこれらに限定されないウイルス感染症の治療
に有用なプロアントシアニジンポリマーは6−30個のフ
ラボノイド単位を有し、6−15個のフラボノイド単位を
もつものが好ましく、6−11個のフラボノイド単位をも
つものが最も好ましい。
いろいろな数のフラボノイド単位をもつプロアントシ
アニジンポリマーが知られており、例えばW.L.Mattice,
et al.,Phytochemistry,23,p.1309−1311(1984);Z.Cz
ochanska,et al.,J.C.S.Chem.Comm.,375(1979);W.T.J
ones,et al.,Photochemistry,15,p.1407−1409(197
6);E.Haslam,Plant Polyphenols,p.75(1989)に報告
されている(これらの文献は全て参照によりここに引用
するものとする)。これらの文献に記載された範囲のフ
ラボノイド単位を有するポリマーは本発明の方法にとっ
て有用である。
5.2. 有用なプロアントシアニジンポリマーを得る方法 5.2.1. 単離 有用なプロアントシアニジンポリマーは、例えばシダ
目(Filices)、球果植物類(Coniferae)、単子葉植物
および双子葉植物を含むがこれらに限定されない、種々
の植物から得られる(J.B.Harborne,THE FLAVONOIDS,AD
VANCES IN RESEARCH SINCE 1980(1988))。それらは
木または植物全体、樹皮、幹、根またはラテックスから
得ることができる。
これらの植物原料は水および/または水混和性溶媒を
使って抽出する。好適な溶媒は1−3個の炭素原子を有
するアルコールまたはアセトンである。水性抽出物は直
接使用するか、あるいは溶媒の除去後に使用する。溶媒
を除去する場合は、固体残留物を溶媒(好ましくは、低
級アルコールまたはアセトン)に再溶解し、不溶性の物
質を除く。可溶性画分はゲル濾過(例えば、セファデッ
クス)、逆相カラムクロマトグラフィー(例えば、C−
8)、またはPL−GELのようなゲル透過クロマトグラフ
ィー(例えば、ジビニルベンゼン架橋ゲル)、もしくは
膜(例えば、アミコン膜)にかけ、移動相として水また
は水と水混和性溶媒を、場合により緩衝液と共に、使用
する。水混和性溶媒としては1−3個の炭素原子のアル
コール、アセトンまたはアセトニトリルが好ましい。
本発明の有用なプロアントシアニジンポリマーは紫外
線(uv)によって検出された画分である。これらは約20
0−350nmの間に主要な最大UV吸収を有し、一般に200−2
10nmと275−285nmにピークがある。
本発明の土台の一部を構成する新規なプロアントシア
ニジンポリマー組成物に関して、かかるポリマーは上記
の抽出法を用いてクロトン(Croton)の木またはカロフ
ィラム(Calophyllum)種から得られる。可溶性画分を
ゲル濾過、逆相カラムクロマトグラフィー、ゲル透過ク
ロマトグラフィーまたは膜にかける。移動相としては水
または水と水混和性溶媒を、場合により緩衝液と共に、
使用する。ポリマーを含む関連画分は約200−350nmの範
囲のuvにより検出される。
本発明の好ましい態様によれば、新規なプロアントシ
アニジンポリマーを次のようにして調製できる:クロト
ンの木(例えば、Croton lechleri)またはCalophyllum
inophylumから得られたラテックスを直接使用するか、
あるいは水を除去して濃縮する(例えば、凍結乾燥す
る)。これを水、約1−3個の炭素原子のアルコール、
またはアセトンで抽出し、水性の可溶性画分を得る。凍
結乾燥した、あるは他の方法で濃縮した原料の水性可溶
性画分を酢酸エチル/水の溶液により分配し、そして移
動相として水および/または水とアルコールおよび/ま
たは水とアセトンを、場合により緩衝液と共に、使用し
て、ゲル濾過(例えば、セファデックス)にかける。発
色バンドを含む画分を紫外線(uv)により検出し(λma
x 約200−350nm)、集めて濃縮し、必要ならば再度ゲ
ル濾過にかけて、プロアントシアニジンポリマーを得
る。別法として、上記の水性可溶性画分を凍結乾燥する
か、濃縮するか、または直接使用し、移動相として水お
よび/または水とアルコールおよび/または水とアセト
ンを用いて逆相カラムクロマトグラフィー(RP HPLC)
にかける。uv(λmax 約200−350nm)により検出され
た発色バンドを含む画分を集めて濃縮し、必要ならば再
度RP HPLCにかけて、プロアントシアニジンポリマーを
得る。さらに、別の方法としては、上記の水性可溶性画
分を凍結乾燥するか、濃縮するか、または移動相として
水および/または水とアルコールおよび/または水とア
セトニトリルを、場合により緩衝液と共に、使用して、
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)に直接かける。λm
ax 約195−350nmでuvにより検出された発色バンドを含
む画分を集めて濃縮し、必要ならば再度GPCにかけて、
プロアントシアニジンポリマーを得る。下記の第6.1.−
6.3.節に記載した実施例を参照されたい。
第6.2.節で述べるように、Polymer Labs PL−gel 5m
500 A,300 x 7.5mmおよびTHF−水(95:5v/v)系を用い
てPerkin Elmer LC−620で1ml/分の流速でクロマトグラ
フィーにかけたとき、プロアントシアニジンAは7.2分
の保持時間を有し、プロアントシアニジンBは6.5分の
保持時間を有する。プロアントシアニジンポリマーの典
型的なスペクトルを図1および図5に示してある。
5.2.2. 有用なプロアントシアニジンポリマーおよびそ
れらの誘導体の合成 ロイコアントシアニジンは温和なアルカリ性または酸
性溶液中で縮合してプロアントシアニジンを形成し得る
ことが知られている。例えば、L.Y.Foo and R.W.Heming
way,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,85(1984)では、フラ
バノール単量体から三量体を合成することができた。J.
A.Delcoun,et al.,J.Chem.Soc.Perkin Trans.I.,1711
(1983)には、温和な低pH条件下で過剰量の(+)−カ
テキンを用いると縮合反応が起こり、高級の、主に直鎖
の〔4,8〕−結合オリゴマーが形成されたと教示されて
いる。とりわけ、フラボノイド類似体の二量体、三量体
および四量体が合成され、NMRスペクトルにより同定さ
れた。このような縮合反応を用いると、最高30個のフラ
ボノイド単位をもつプロアントシアニジンポリマーを合
成することができ、本発明方法において使用することが
できる。上記の合成法に代わるものとして、有用なプロ
アントシアニジンポリマーを製造するために酵素的合成
法も使用される。ここに例示される本発明の新規なプロ
アントシアニジンポリマー組成物もこのような反応によ
って合成することができる。
プロアントシアニジンポリマーのエステルは、標準的
なアシル化法により、例えば塩基の存在下でのポリマー
と酸塩化物または酸無水物との反応により、製造し得
る。ピリジン中で酸無水物と反応させる製造法は特に有
用であり、この方法はThompson,et al.,JCS,1387(197
2);Fletcher,et al.,JCS,1628(1977)およびHemingwa
y,JCS,1299(1982)によって幾つかの他の低分子量フラ
ボノイドのアシル化に利用された。
エーテルは標準的なエーテル化法により、例えば塩基
中でのポリマーとアルキルハライドまたはアルキルトシ
レートとの反応により、製造し得る。メチルエーテルは
ジアゾメタンの使用により簡単に製造することができ、
この方法はThompson,et al.,JCS,1387(1972);Hemingw
ay,JCS,1299(1982)によって幾つかの他の低分子量フ
ラボノイドのエーテル化に利用された。
オキソニウム塩(ピリリウム塩やアントシアニジンと
も呼ばれる)は、いわゆるBate−Smith反応(Chemistry
and Industry,1953,377)により、水性またはアルコー
ル性酸と共に温めることにより製造し得る(Thompson,e
t al.,JCS,1387(1972)およびHaslam,PLANT POLYPHENO
LS,1989,p.28,Cambridge Press中で引用された文献も参
照されたい)。この反応では鉄が有利に触媒作用を果た
す(Porter et al.,Phytochemistry,25,223(198
6))。
5.3. 新規なプロアントシアニジンポリマーの性状決定 本発明により製造された新規なプロアントシアニジン
ポリマーはメタノールと水に溶ける。これらのポリマー
は少なくとも約10mg/mlの程度で水や水溶液(アルコー
ル溶液を含む)に可溶である。
プロアントシアニジンポリマーは、分子量や他の化学
的・物理的性質を調べるために多くの方法で分析され
た。プロアントシアニジンポリマーの種々の立体異性体
が得られており、これらも本発明の範囲内に含まれる。
カラムクロマトグラフィーを用いて、平均分子量が約
700ダルトンから約3000ダルトン(それぞれ2−3から
9−11個の平均フラボノイド単位に対応する)の間で変
化する新規なプロアントシアニジンポリマーを含む水溶
性画分を単離した。
13C−NMR分光分析法によると、プロアントシアニジン
ポリマーはフラボノイド成分を含み、個々のフラボノイ
ド環単位が様々な立体化学をもつことがわかる。
UV−可視分光分析法は、幾つかのプロアントシアニジ
ンポリマー内に1以上のフラビリウム成分が存在しうる
ことと一致している。
プロアントシアニジンポリマーAおよびプロアントシ
アニジンポリマーBの特性決定は、第6.3.および6.5.節
の実施例でさらに論じることにする。これらのポリマー
の機能的誘導体も製造され、有用なプロアントシアニジ
ンポリマーの製造用中間体として使用できよう。
5.4. プロアントシアニジンポリマーの予防および治療
用途 プロアントシアニジンポリマーは広範なウイルスに対
してin vitroおよびin vivoで活性であることが見いだ
され、かかるウイルスにより誘発される疾患の予防・治
療用途に有利に使用することができる。
プロアントシアニジンポリマーは、パラミクソウイル
ス(例えば、RSウイルス)、オルソミクソウイルス(例
えば、インフルエンザA、BおよびC)、ヘルペスウイ
ルス(例えば、ヘルペス・シンプレックスウイルス)を
含むがこれらに限定されないウイルスにより誘発される
疾患、あるいはこれらのウイルス感染症により悪化する
疾患を予防および/または治療するために、単独でもし
くは他の抗ウイルス剤や抗菌剤との組合せで、使用され
よう。
プロアントシアニジンポリマーはウイルス感染症の治
療において以下のような、しかしこれらに限らない利点
を有する: 1)広範な抗ウイルス活性; 2)極めて低い毒性; 3)催奇形性がない;および 4)全身および局所の両方に適用できる。
5.5. 投与経路 本発明のプロアントシアニジンポリマーは、いろいろ
な経路で、例えば経口的に、注射(静脈内、腹腔内、皮
下、筋肉内を含むがこれらに限定されない)により、
鼻、鼻咽頭、耳などへの局所適用により、あるいは気道
へのエーロゾル投与による吸入などによって、予防およ
び治療のために投与し得る。
本発明に従ってウイルスに対して使用する場合、プロ
アントシアニジンポリマーの効果的な投与量範囲は、経
口投与(P.O.)の場合が約5.0−約30mg/kgで、腹腔内投
与(I.P.)の場合が約0.1−約10mg/kgで、エーロゾル投
与の場合が約5−約30mg/kg/日である。局所投与の場合
は、適当なビヒクル中約5−約15%の濃度のプロアント
シアニジンポリマーを適用する。
ヒトを含む温血動物に投与する場合は、プロアントシ
アニジンを水、水溶液または生理学的に許容される担体
もしくはビヒクルと組み合わせることができる。
以下の実施例は本発明を例示するためのものであっ
て、いかなる場合も本発明の範囲を制限するものではな
い。
6. 実施例 6.1. クロトン・レクレリ種からの新規プロアントシア
ニジンポリマーの単離(プロアントシアニジンポリマー
A) 一連の実験において、新規プロアントシアニジンポリ
マーを以下のようにして得た。
ペルーのイキトスから100キロメーターの地点にある
ナネイ川流域にあるサンパブロ・デ・クヤナの村の近く
で、クロトン・レクレリの木のラテックスを採り、木を
切り倒した。ラテックスは木に溝をつけることによって
24時間かけて採集した。
クロトン・レクレリから得たラテックス(1リット
ル)を、ラテックス1部に対してイソプロパノール3部
(3リットル)の比となるようイソプロパノールで希釈
し、10℃で15時間放置した。得られるイソプロパノール
希釈したラテックスを遠心し、デカンテーションによっ
て不溶性物質を除去し、母液(3.7リットル)を得た。
母液を33℃でロータリーエバポレーターで濃縮、乾燥
し、深い赤茶色粉末240gを得た。この濃縮物質(980g)
を移動相として水(20リットル)を用いるセファデック
スCM−50のゲル濾過に付した。赤い色素を含む初期の溶
出分画をλ200−350nmで検出するか、または透明カラム
から溶出する赤いバンドを目で検出した。プロアントシ
アニジンポリマーを単離するには、初期溶出分画を回収
して、ゲル濾過カラムクロマトグラフィーおよび/また
は以下に記載するHPLCに付した。
HPLCは5μlの濃縮サンプルを、IC−200自動サンプ
ラー、LC600ポンプおよびLC−235ダイオードアレー検出
器を備えたPerkin−Elmer LC Analyst液体クロマトグ
ラフシステムに注入して、Waters Ultrahydogel 500
GPCカラムを用いて、周囲温度中、Burdick and Jac
ksonのHPLCグレードの水を0.8ml/分で流し、λ280およ
び195nmで検出することによって実施した。プロアント
シアニジンポリマーはサンプルの濃度、カラム状態およ
び温度により4.6−5.6分の保持時間を有することが明ら
かとなった。
セファデックスCM−50から単離した分画を含む赤色色
素を集めて、水、10%アセトン/水、20%アセトン/
水、そして最終的には40%アセトン/水を段階的グラジ
エントにして用いるToyopearl HW−40Sのゲル濾過クロ
マトグラフィー(2.5リットル)に付した。λmax340nm
での紫外−可視光線によって検出された後期溶出の赤色
分画を集めて、上記HPLC上で濃縮してさらに精製した。
HPLCから単離して集めた分画を再度Toyopearl HW−40S
のゲル濾過クロマトグラフィーに付し、プロアントシア
ニジンポリマーAと命名されるプロアントシアニジンポ
リマーを得た。
別のシリーズの実験では、以下のようにして新規プロ
アントシアニジンポリマーを得た。
クロトン・レクレリからの冷たい粗ラテックス4リッ
トル(または水に含浸した全植物体、樹皮または根)を
イソプロパノール12リットルで希釈し、撹拌して15時間
5℃に貯蔵した。残渣を濾過により除去して、溶液を減
圧濃縮して乾燥し、固形物約970gを得た。
この固形物を水6リットルとn−ブタノール3.6リッ
トル中に撹拌しながら加えた。水相を分離して、濃縮乾
固し700gの物質を得、これを撹拌しながらメタノール2
リットル中に加え、次いで酢酸エチル12リットルを加え
た。溶液を15時間、15℃に保ち、固形物を濾過により除
去して捨てた。溶液を濃縮乾固し、約390gの粗プロアン
トシアニジンポリマーAを得た。
プロアントシアニジンポリマーA分画を以下に記載す
るように、陽イオン交換、吸着およびサイズ排除クロマ
トグラフィーによって濃縮した:450−600gの粗プロアン
トシアニジンポリマーAを脱イオン水を溶離剤とするCM
−セファデックスC−50プレカラムに通した。橙色と暗
赤色の分画を回収して、次いで460nmにセットしたUV検
出器を備えた別のセファデックスC−50カラム上で脱イ
オン水を用いてクロマトグラフィーに付し、1−2リッ
トルの分画を回収した。最初のピンクのバンドを捨て
て、その後の流出液を広い赤茶色の幅広バンドが溶出さ
れるまでセファデックスG−50を含むカラムに通した。
溶出物が無色になるまで15%水性アセトンをG−50カラ
ムに通した。溶出分画を第6.2節に記載するHPLCにより
試験し、プロアントシアニジンポリマーAを含む分画を
集めて蒸発乾固し、約210gのプロアントシアニジンポリ
マーAを得た。
6.2 プロアントシアニジンポリマーAの精製 上記第6.1節に記載の方法で得た粗プロアントシアニ
ジンポリマーA約150gを20%水性アセトン300ml中に溶
解し、混合型ゲル透過/吸着カラム(Toyopearl HW40
S、粒子サイズ40μmの球状メチルメタクリレートポリ
マー)でクロマトグラフィーに付した。16リットルを回
収して、次いで溶出溶媒を40%水性アセトンに変えてさ
らに8リットルを回収し、その後60%水性アセトンで溶
出した。HPLCによって示したプロアントシアニジンポリ
マーA分画(第6.3節参照)を集めて、減圧で溶媒を除
去し、固形物約57gを得た。
最終的精製は吸着クロマトグラフィーとサイズ排除ク
ロマトグラフィーによって以下のように行った:上記固
形物50−75gを90%エタノール中に溶解して、セファデ
ックスLH−20(ヒドロキシプロピル基がエーテル結合に
よってデキストラン鎖のグルコース単位に結合している
架橋デキストランゲル)を含むカラム上にのせた。90%
水性エタノール10リットル、次いで20%水性アセトン15
リットル、40%水性アセトン5リットル、50%水性アセ
トン5リットル、次いで60%水性アセトン5リットルで
溶出した。2リットルずつの分画を回収し、HPLCでアッ
セイした。プロアントシアニジンポリマーAを含む分画
を集めて、35℃で蒸発乾固し、35gの精製プロアントシ
アニジンポリマーAを得た。
HPLCは、30cmの非水性の移動相用ゲル透過カラムを用
い、固定相にはPolymer Laboratories PL−Gel 5m
500Å(ジビニルベンゼン−ポリスチレンポリマー、5
μ粒子、孔サイズ500Å)を用いた。HPLCシステムはUV
スペクトルを発生するダイオードアレー検出器を備えて
おり、検出器は280nmにセットした。
サンプルを95%水性THFに溶解し、展開溶媒にもこれ
を用いた。1ml/分の流速でプロアントシアニジンポリマ
ーAの最大ピークは保持時間が7.2±0.5分であり、プロ
アントシアニジンポリマーBの保持時間は6.5±0.5分で
あった。これはプロアントシアニジンポリマーBがプロ
アントシアニジンポリマーAよりも大きい分子量を有す
ることを示唆する。
6.3 プロアントシアニジンポリマーAの化学的同定並
びに構造的特徴 第6.1節で記載の方法により得た本発明のプロアント
シアニジンポリマーAは、赤外スペクトルで3550−2500
に幅広の強いピークを示し、その他のピークは1612、14
49、1348、1202、1144、1107、1068および1027cm-1であ
った。図1参照。
1H NMRスペクトル(D2O中、400MHz、24℃)では、δ
7.1、6.9、6.1、4.7および2.8ppmに非常に幅広のピーク
を示した。図2参照。
H2O中のUV−可視スペクトルでは、λ202、235(ショ
ルダー)、275、305(ショルダー)、460に幅広のピー
クを示し、600nm以上までダラダラと吸収があった。本
発明のポリマーのUVデータはその他の既知のプロアント
シアニジンと極めてよく似ているが、可視のデータはは
っきりと異なる。既知のプロアントシアニジンモノマー
およびポリマーは無色で(λ205、240、275nm)、可視
領域に全く吸収を示さないが、本発明で単離された新規
プロアントシアニジンポリマーAのいくつかは着色して
おり、460nmに可視吸収をもつ。プロアントシアニジン
ポリマーの色はプロアントシアニジンポリマー中に1以
上のフラビリウム(flavylium)成分の存在を示唆す
る。これは、フラビリウム成分を近縁のモノマー性アン
トシアニンについて報告されている可視スペクトルデー
タと一致する(λ460−560nm)。
D2O中、100MHzでプロアントシアニジンポリマーの13C
NMRスペクトルをとった。この実験では幅広バンドが
デカップリングされた。図3に示すように、D2O中での1
3C NMRスペクトルは、δ155(C−5、C−7、C−
9)、145(C−3'、C−5')、143(C−3'、C−
4)、130(C−1'、C'−1'、C−4')、128(C−
1')、121(C−6)、116(C−2'、C−5')、109
(C−8、C−2'、C−6')、97(C−6)、82
(C−2)、76(C−2)、73(C−3)および38(C
−4)ppm(はプロデルフィニジンB環のもの)に非
常に幅広のピークを示した。13C NMRスペクトルデータ
は本発明の新規抗ウイルス性プロアントシアニジンポリ
マーと既知のプロアントシアニジンポリマーとの構造的
相違のキーポイントを示唆する。最も顕著な相違点は文
献公知のその他のプロアントシアニジンポリマーの13C
NMRスペクトルと比較して、本発明のプロアントシア
ニジンポリマーには109ppmの領域に実質的により大きな
ピークがあることである[Czochenska et al.,1979,J.
C.S.Chem.Comm.,p.375−77;Harborne,J.B.and Mabry,T.
J.編集、The Flavonoids:Advances in Research,Chapma
n and Hall,NY,1982,p.51−132(本明細書中に参照とし
て包含される)に記載のスペクトルと比較されたい]。
ポリマーの13C NMRスペクトルデータはポリマーがプロ
アントシアニジンクラスであることを示唆する。特に、
単離したプロアントシアニジンポリマーの13C NMRのケ
ミカルシフトのデータ(C−6'=132ppm、C−2'=115p
pm、C−3'およびC−4'=145ppm、C−5'=116ppm、C
−6'=107ppm、C−3'およびC−5'=146ppm、C−4'=
133ppm)は、個々のフラボノールC環単位が、2,3−ト
ランスおよび3,4−トランス[(+)−カテキンと類似;
C−2=83ppm、C−3=73ppm、C−4=38ppm]並びに
2,3−シス−3,4−トランス[(−)−エピカテキンと類
似;C−2=77ppm、C−3=73ppm、C−4=73ppm]の
両方の立体化学を有するプロシアニジンB環分子からな
るポリマーと一致する。今回の実験データは、プロアン
トシアニジンポリマーAがカテキン、エピカテキン、ガ
ロカテキンおよびガロエピカテキンからなることを示唆
する。HPLCデータは平均のフラボノイド単位数が約7で
あることを示唆する。HPLCデータはまた、フラボノイド
単位の数が2から11の範囲であることを示唆している。
プロアントシアニジンポリマーAはメタノール、水お
よび水溶液に可溶である。プロアントシアニジンポリマ
ーAは少なくとも約10mg/mlの濃度で水に可溶である。
このポリマーは生理食塩水およびその他の塩溶液にはよ
り低い溶解性をもつ。マススペクトル分析はプロアント
シアニジンポリマーAが約2,100ダルトンの平均分子量
をもつことを示唆する。
6.4 カロフィラム・イノフィラムからのプロアントシ
アニジンポリマーの単離(プロアントシアニジンポリマ
ーB) 第6.1節に記載した方法と同様の方法によって、カロ
フィラム・イノフィラムの全含浸植物体、樹皮、葉、根
またはラテックスから本発明による新規なプロアントシ
アニジンポリマーを単離することができる。好ましい方
法によると、好ましい抽出溶媒として水を用いる以外
は、第6.1節記載の方法によってプロアントシアニジン
ポリマーが得られる。
一連の実験では、プロアントシアニジンポリマーBと
命名される新規プロアントシアニジンポリマーがカロフ
ィラム・イノフィラムのラテックスから得られた。
カロフィラム・イノフィラムからのラテックス2,849g
をイソプロパノールと水の1:1混合物12.4リットルと混
合し、撹拌して36時間室温に保存した。濾過により残渣
を除去し、溶液を減圧下で蒸発乾固し、固形物133.5gを
得た。
この固形物をメタノール30gに撹拌しながら加えた。
次いで溶液を固形物から濾過し去り、水と酢酸エチルの
1:1混合物を加えた。水分画を分離し、n−ブチルアル
コールを加えた。水分画をアルコール分画から分離し、
減圧濃縮して乾燥し、約10.4gの粗プロアントシアニジ
ンポリマーBを得た。
粗プロアントシアニジンポリマーBをCM−50セファデ
ックスCCカラムに通し、溶出溶媒として脱イオン水を用
いた。赤色バンドを回収して、70%水性エタノール溶液
次いで20%、50%および70%水性アセトン溶液で溶出す
るLH−20 CCカラムで分画化し、プロアントシアニジン
ポリマーBを得た。低濃度ではプロアントシアニジンポ
リマーBの溶液は本質的には無色である。高濃度ではプ
ロアントシアニジンポリマーBの溶液は黄褐色である。
6.5 プロアントシアニジンポリマーBの化学的同定並
びに構造的特徴 プロアントシアニジンポリマーBの13C NMRスペクト
ル(図4)により、このポリマーがプロアントシアニジ
ンポリマーのクラスに属し、主としてカテキンおよびエ
ピカテキンのモノマーフラボノイド単位からなることを
確認した。ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)は、プ
ロアントシアニジンポリマーBがプロアントシアニジン
ポリマーAよりも大きい分子量を有することを示唆す
る。GPCデータと一致して、プロアントシアニジンポリ
マーBのHPLC−GPC保持時間は同じ条件下ではプロアン
トシアニジンポリマーAよりも短く、これもプロアント
シアニジンポリマーBの分子サイズが大きいことを示唆
する。HPLCは、ポリマーBが平均約3,000ダルトンの分
子量をもつことを示唆し、これは平均で約10のフラボノ
イド単位数と対応する。HPLCデータはまた、フラボノイ
ド単位数が5から16で変化することを示唆する。マスス
ペクトル分析はプロアントシアニジンポリマーAが平均
2,100ダルトンの分子量であることを示唆する。
プロアントシアニジンポリマーBのフーリエ変換赤外
スペクトルは、プロアントシアニジンポリマーAと極め
てよく似ている(図5および図1参照)。
同様に、プロアントシアニジンポリマーBのUV−可視
スペクトルは、460nmのピークを欠く以外はプロアント
シアニジンポリマーAのそれとよく似ている。
7. プロアントシアニジンポリマーAの抗ウイルス活性
に関するスクリーニング 一連の実験では、以下のウイルスに対するプロアント
シアニジンポリマーAの抗ウイルス活性を試験した:RS
ウイルスサブタイプ変異体であるA2−Tracey、A−Lon
g、B−46791、B−47063およびB−18537;パラインフ
ルエンザウイルス、タイプ3(PIV−3);アデノウイ
ルス、タイプ5および7;インフルエンザ、A−Taiwan
(HIN1);A−Leningrad(H3N2);A−Japan;A−Port Ch
almbers;A−NWS33;B−USSR;B−Tama;B−RF;ハシカウイ
ルス、およびEdmonston株。
ATCCから得たハシカウイルス以外のすべてのウイルス
はテキサス、ヒューストンにあるBaylor College of
Medicineのインフルエンザリサーチセンターから得
た。比較のため、リバビリンをスクリーニングアッセイ
に加えた。
抗ウイルス活性のアッセイには次の方法を用いた。ア
ッセイは96ウエルの組織培養プレートで実施した。すべ
て希釈液および組織培養懸濁液は、抗生物質ペニシリン
とストレプトマイシンおよび2%ウシ胎児血清を含む最
小必須培地(2%FCS−MEM)で調製した。試験化合物
(0.05ml)を、準集密的細胞単層のHEp2細胞(およそ3x
103細胞)を含む試験プレートのウエルに四重試験で加
えた。通常は1mg/mlの最終濃度で始める連続2倍希釈に
より化合物を希釈した。0.05ml中に適当な試験ウイルス
を約100の50%組織培養感染価(TCID50)で加えた。組
織対照ウエルは、ウイルスまたは抗ウイルス化合物を含
まない培地を含み、そして抗ウイルス対照ウエルはウイ
ルスなしの抗ウイルス化合物を含んでいた。リバビリン
が抗ウイルス活性を示さないアデノウイルスを除いて、
ポジティブな抗ウイルス対照として各アッセイにリバビ
リンを加えた。各試験ウイルスのバック滴定も各アッセ
イに含めた。すべてのプレートを5%CO2インキュベー
ター中、37℃でインキュベートした。ウイルス対照ウエ
ルを毎日観察した。これらのウエルが80−100%の細胞
変性効果(CPE)を示したときに、すべてのウエルのCPE
を観察した。目視および顕微鏡でCPEを観察するのに加
えて、合胞体形成の阻害をRSVに対する活性を確認する
ために用いた。
各抗ウイルスアッセイにおいて、50%最小阻止濃度
(ED50)を測定した。ED50は、ウイルス対照ウエルと比
較してCPEを50%阻止するウエル中で試験した化合物の5
0%阻止濃度を決定することにより計算した。ED50値の
実際の計算はコンピュータープログラム“マイクロコン
ピューターによる用量−効果分析”(Chou et al.,198
4,Adv.Enz.Regul.,22:27−55)を用いて行った。
迅速な成長を促すために低密度で接種した非感染組織
培養細胞の成長に及ぼす各化合物の効果も評価した。こ
のアッセイから50%最小毒性濃度(ID50)を決定した。
細胞毒性アッセイまたは細胞成長の阻止は以下の手法に
よる。試験化合物(0.1ml/ウエル)を連続的に2倍希釈
した。適当なウエルに0.1mlのヒトHeLa、A549またはHEp
2細胞、0.1mlのマウスL929細胞、0.1mlのサルVero細
胞、または0.1mlのイヌMDCK細胞を加えた。各ウエルに
約3×103個の細胞を加えた。対照ウエルは抗ウイルス
化合物を含まない培地中に、各種細胞濃度(例えば3×
103細胞、この数の1:2、1:4、1:8および1:16希釈)を含
むウエルからなる。特定化合物のためにどのような賦形
剤を使用する場合にも(例えば10% DMSO、50%メタノ
ール)、連続的希釈からなる賦形剤対照を各アッセイに
二重試験で含めた。すべてのプレートを5% CO2イン
キュベーター中、37℃でインキュベートした。細胞を含
むが試験化合物を含まない対照ウエルが集密に達した
後、すべてのウエルに3−[4,5−ジメチルチアゾール
−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミ
ド(MTT)を加えた。3時間後に、各ウエルに生じた沈
殿物を溶かすために各ウエルに酸アルコール(イソプロ
ピルアルコール中、0.1mlの0.4N HCl)を加えた。プレ
ートリーダー(UV MAX、Molecular Devices)でプレ
ートを読んで各ウエルの吸光度を測定した。吸光度を50
%減少させる最後のウエル中の抗ウイルス化合物の中央
濃度を決定して「ID50」と命名した。アッセイしたすべ
てのウエルの細胞成長の阻止を顕微鏡で観察した。得ら
れた結果を表1に示す。
表1の最初の試験において、RSVに対するプロアント
シアニジンポリマーAのED50は8.5μg/mlであると測定
された。この活性はRSVに対して4.0μg/mlの測定ED50
もつリバビリンとよく匹敵するものである。プロアント
シアニジンポリマーAのID50(細胞毒性指数)は94μg/
mlであった。表1の第2の試験では、RSVに対するプロ
アントシアニジンポリマーAのED50は17.2μg(リバビ
リンは24.2μg/ml)であり、ID50は250μg/mlであっ
た。表1の第3の試験では、プロアントシアニジンポリ
マーAのED50は12μg/mlで、ID50は250μg/mlよりも高
かった。
各アッセイにおけるリバビリンと比較したプロアント
シアニジンポリマーAの抗ウイルス活性の結果は、ID50
/ED50の比率として定義される薬剤選択指数(SI)を計
算することにより決定した。RSVに対するプロアントシ
アニジンポリマーAの選択指数は3つの試験において1
1、14.5および21であった。
ウイルス評価(VR)は各化合物濃度で治療、感染した
単層に与えられたCPE値(CPEなしは0;100%CPEは4)の
合計を平均することにより算出した。この平均を、同じ
数のウイルス対照ウエルにおけるCPE値の合計の平均か
ら引く。さらに肉眼で観察したすべての細胞毒性を反映
するように調整を行った。VR値は以下のように定めた:
完全に抗ウイルス活性のときはVRが1以上;中程度から
疑わしい活性のときはVRが0.5−0.9;やや活性のときはV
Rが0.1−0.5。やや活性というのは化合物自体の細胞毒
性または細胞変性効果によるものである可能性がある。
RSVに対するプロアントシアニジンポリマーAのVRは1.5
であり、これはインビトロアッセイにおける完全な抗ウ
イルス活性を示す。また、3つの試験すべてにおいてプ
ロアントシアニジンポリマーAはパラインフルエンザ及
びインフルエンザAウイルスに対して実質的な抗ウイル
ス活性を示した。
別の一連の試験において、RSV、タイプAおよびB、
インフルエンザタイプA(Flu−A)および(Flu−
B)、およびパラインフルエンザタイプ1(PIV−1)
および3(PIV−3)に対するポリマーAの抗ウイルス
活性を試験した。
使用した細胞系はヒトHeLa、A549およびHEp−2細
胞、マウスL929細胞、サルVero細胞、イヌMDCK細胞であ
った。
細胞の生存率および成長に及ぼすプロアントシアニジ
ンポリマーAの効果をミトコンドリアの呼吸測定により
判定し、50%最小毒性濃度(ID50)として表した。この
アッセイでは、ED50アッセイと同様に、96ウエルのミク
ロタイタープレート上で連続2倍希釈、四重試験でアッ
セイした。再び、迅速な成長を促すためにウエル当たり
3×103個の低密度で細胞をウエルに接種した。賦形剤
(プロアントシアニジンポリマーAの場合は水)の連続
希釈物からなる賦形剤対照を二重試験で各アッセイに含
めた。培地のみ、および培地プラス薬剤からなるブラン
クも含めた。コントロールウエルの細胞の先端濃度が集
密に達するまで(通常3日)すべてのプレートを5%
CO2中、37℃でインキュベートした。各アッセイのすべ
てのウエルの細胞毒性を顕微鏡で観察した。次いで、す
べてのウエルに0.05mlのMTT(3−[4,5−ジメチルチア
ゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウム
ブロミド)(PBS中、5mg/ml)を加え、インキュベーシ
ョンを続けた。3時間後に、各ウエルに酸アルコール
(イソプロピルアルコール中、0.05mlの1N HCl)を加
えた。プレートリーダー(UV MAX、Molecular Device
s)を用いて490nmで各ウエルの吸光度(O.D.)を測定し
た。薬剤処理したウエルの吸光度(薬剤ブランクの平均
を引いたもの)の平均を対照ウエルの吸光度(ブランク
の平均を引いたもの)の平均で割って100を掛けること
により、薬剤の各濃度における細胞の生存率(%)を計
算した。賦形剤の細胞生存率に対する効果を同様に計算
した。プロアントシアニジンポリマーAの毒性の用量応
答曲線を作成してID50を決定した。
抗ウイルス活性のアッセイには以下の方法を用いた。
アッセイは96ウエルの組織培養プレートで行った。すべ
て希釈液および組織培養懸濁液は、抗生物質ペニシリン
とストレプトマイシンおよび2%ウシ胎児血清を含む最
小必須培地(2%FCS−MEM)で調製した。試験化合物
(0.05ml)を、準集密的細胞単層のHEp2細胞(およそ3
×103細胞)を含む試験プレートのウエルに四重試験で
加えた。通常は1mg/mlの最終濃度で始める連続2倍希釈
物を用いて化合物を希釈した。0.05ml中に適当な試験ウ
イルスを約100の50%組織培養感染投与量(TCID50)で
加えた。組織対照ウエルは、ウイルスか抗ウイルス化合
物なしの培地をふくみ、抗ウイルス対照ウエルは、ウイ
ルスなしの抗ウイルス化合物を含んでいた。リバビリン
が抗ウイルス活性を示さないアデノウイルスを除いて、
ポジティブな抗ウイルスコントロールとして各アッセイ
にリバビリンを加えた。各試験ウイルスのバック滴定も
各アッセイに含めた。すべてのプレートをCO2インキュ
ベーター中、37℃でインキュベートした。ウイルス対照
ウエルを毎日観察した。これらのウエルが80−100%の
細胞変性効果(CPE)を示したときに、すべてのウエル
のCPEを観察した。目視および顕微鏡でCPEを観察するの
に加えて、合胞体形成の阻害をRSVに対する活性を確認
するために用いた。
各抗ウイルスアッセイにおいて、50%最小阻止濃度
(ED50)を測定した。ED50は、ウイルス対照ウエルと比
較してCPEを50%阻止するウエル中で試験した化合物の5
0%阻止濃度を決定することにより計算した。ED50値の
実際の計算はコンピュータープログラム“マイクロコン
ピューターによる投量効果分析”(Chou et al.,1984,A
dv.Enz.Regul.,22:27−55)を用いて行った。
次いでプロアントシアニジンポリマーAの選択指数を
ID50のED50に対する比として計算した。
結果を表2−6に示す。この結果は、プロアントシア
ニジンポリマーAがRSV−AおよびB、PIV−1、PIV−
3、FLU−AおよびFLU−Bのインビトロでの成長阻害に
おいてリバビリンと同等に効果的であることを示すもの
である。選択指数値はプロアントシアニジンポリマーA
の低い細胞毒性を示している。
GPCカラムとスタンダードを用いるHPLCによりプロア
ントシアニジンポリマーA分画をさらに精製した。特
に、2分画を単離した:そのうちの1分画は平均分子量
700ダルトン(2から3のフラボノイドモノマー単位に
対応する)で、第2の分画は平均分子量3000ダルトン
(9から11のフラボノイドモノマー単位に対応する)で
ある。これら2分画は13Cおよび1H NMRスペクトルで未
分画プロアントシアニジンポリマーAと実質的に同じ化
学シフトを示す。
インビトロ実験ではいずれの分画もRSVに対して活性
であることが示されている。平均2から3のフラボノイ
ド単位をもつ分画はインビトロでED50=10μg/mlのRSV
抗ウイルス活性を有し、平均9から11のフラボノイド単
位をもつ第2分画はED50=40μg/mlを有する。
8. RSVの治療に対するプロアントシアニジンポリマー
Aの有効性 インビトロおよびインビトロのアッセイは、本発明の
新規なプロアントシアニジンポリマーAがRSV感染の治
療のための有用な治療剤であることを示している。本発
明は、RSV感染の治療に現在承認されているリバビリン
に関連する毒性効果のない、RSV感染のより安全な治療
的処置を提供する。
ヒスピッドコットン(Hispid Cotton)ラットに、第
1日目にRSV A2を経鼻的に接種し、第2、3および4
日目に蒸留水中に調製したプロアントシアニジンポリマ
ーA0.1−30.0mg/kgを腹腔内投与した。対照の動物には
等量の蒸留水を投与した。1つの試験では、比較として
リバビリン10−90mg/kgの投与量を用いた。すべての動
物を5日目に殺した。肺を除去して経胸膜洗浄した。回
収した液体をHEp2細胞を用いるミクロタイターアッセイ
でRSV力価を評価した。
アッセイは96ウエルの組織培養プレートで行った。す
べての希釈物および組織培養懸濁液は、抗生物質と5%
ウシ胎児血清を含む最小必須培地(5% FCS−MEM)中
に調製した。準集密的細胞単層(およそ3×103細胞)
を含む試験プレートのウエルに肺洗浄液を四重試験で加
えた。0.05ml中に適当な試験ウイルスを約100の50%組
織培養感染投与量(TCID50)で加えた。組織対照ウエル
は、培地を含むが、ウイルスを含まないものであった。
すべてのプレートをCO2インキュベーター中、37℃でイ
ンキュベートした。ウイルス対照ウエルを毎日観察し
た。これらのウエルが80−100%のCPEを示したときに、
すべてのウエルのCPEを観察した。目視および顕微鏡でC
PEを観察するのに加えて、合胞体形成の阻害をRSVに対
する活性を確認するために用いた。肺RSV力価log10は、
Duboviら(1983,1984)に記載の方法で計算した。結果
を表7、8に示す。
表7に示すように、すべての試験において、プロアン
トシアニジンポリマーAは対照と比較してRSV力価の用
量依存減少を示した。これはプロアントシアニジンポリ
マーAがインビボでRSVに対して有効な抗ウイルス活性
を有することを示すものである。表8に示すように、プ
ロアントシアニジンポリマーAとリバビリンとの抗ウイ
ルス効果の直接比較(腹腔内投与)は、本発明のポリマ
ー組成物が、現在RSV感染の治療に用いられている薬剤
であるリバビリンよりも有意に有効であることを示して
いる。
第1日目にヒスピッドコットンラットにRSV A2を経
鼻的に接種し、第2、3および4日目にプロアントシア
ニジンポリマーAを1.0−10.0mg/kg経口投与した。すべ
ての動物を第5日目に殺し、肺組織を回収した。肺を除
去して経胸膜洗浄した。上記したHEp2細胞を用いるミク
ロタイターアッセイによって回収した液体のRSV力価を
評価した。結果を表9に示す。
表9に示すように、経口投与したプロアントシアニジ
ンポリマーは対照と比較して10mg/kgで有意にRSV力価を
低くした。これはプロアントシアニジンポリマーの経口
投与がRSVに対して有効な抗ウイルス活性を有し、かつ
リバビリンよりも活性であることを示唆する。
さらに上記の方法で実施した別の一連の試験におい
て、ポリマーAのRSVに対するインビボ活性が確認され
た。
プロアントシアニジンポリマーAは、3日間の腹腔内
投与により1.52±0.62mg/kg、3日間の経口投与により
3.6±1.66mg/kgの平均ED50値を示した。表10を参照。比
較として用いた抗ウイルス剤であるリバビリンは、腹腔
内投与および経口投与でそれぞれ40±6、および>90mg
/kgのED50を示した。経口投与による10mg/kgの用量でプ
ロアントシアニジンポリマーAは肺のRSV力価を68−92
%減少し、腹腔内投与では21−80%減少した。リバビリ
ン(40mg/kg)は経口投与で肺力価を>90%減少し、腹
腔内投与で50%減少した。
アフリカミドリザルの呼吸合胞体ウイルス感染におけ
るプロアントシアニジンポリマーAの効果を調べるため
に、インビボ試験も実施した。
プロアントシアニジンポリマーAは25mgアリコートに
秤量し、使用時まで乾燥粉末として冷凍保存した。グル
コースの0.5%溶液を調製し凍結した。プロアントシア
ニジンポリマーAの25mgサンプルを0.5%グルコース50m
lに毎日溶解し、得られる溶液を0.22μmの膜フィルタ
ーで濾過することにより滅菌した。次いで0.5mg/ml溶液
を0.5%グルコースで1:2および1:5の希釈を行い、それ
ぞれ0.25mg/mlおよび0.1mg/mlの濃度の溶液を得た。
3匹ずつのサルの群にプロアントシアニジンポリマー
Aを、体重1kg当たり1mlで静脈内注射することにより、
0.5mg/kg、0.25mg/kgまたは0.1mg/kgを投与した。各サ
ルへの薬剤注入の投与時間は約1分であった。3匹のサ
ルからなるコントロール群には0.5%グルコース溶液1ml
を投与した。
プロアントシアニジンポリマーAで最初の処置をした
4時間後に、各サルに貯蔵呼吸合胞体ウイルス(10-2
釈液)を感染させた。貯蔵ウイルスの力価は1×105 T
CID50/mlであった。各サルには10-2ウイルス希釈液1ml
を気管内接種し、1mlは外鼻孔に滴下して接種した。し
たがって、全ウイルス投与量は2×103 TCID50/サルで
あった。プロアントシアニジンポリマーAによる処置を
8時間後に再開し、1群当たり3匹のサルにプロアント
シアニジンポリマーA1.0、0.5および0.2mg/kg/日の用量
で投与した。午前8時と午後8時の1日2回の処置を合
計7日間続けた。
ウイルス脱落を検定するために、毎朝プロアントシア
ニジンポリマーAで処置する前に、ダクロン製の鼻咽頭
綿棒で喉の分泌物を毎日採集した。綿棒を組織培養培地
(10%ウシ胎児血清およびペニシリン、ストレプトマイ
シン、ファンギソンを含む最小必須培地)1.0ml中に置
いた。24ウエルのプレート中に成長させたBSC−40細胞
のウエルに二重試験で接種しておいた10倍希釈物を調製
することによって、喉分泌物溶液の滴定を行った。CO2
インキュベーター中、37℃でインキュベートした後、顕
微鏡試験により各標品のウイルスの細胞変性を観察し、
1ml当たりのTCID50のlog10として力価を表現した。毎朝
の標品採集のときに、各サルの咳、クシャミおよび呼吸
困難を含む鼻漏、その他の呼吸症状の有無を観察した。
動物飼育者はサルの日常飼育における咳やクシャミがあ
れば記録した。ウイルス接種の14日後に各サルから血液
を採集し、呼吸合胞体ウイルスの約100 TCID50に対す
る中和アッセイにより、血清の抗体力価を試験した。
プロアントシアニジンポリマーAの静脈内投与の結果
を表11にまとめた。3匹の対照群の各サルは呼吸合胞体
ウイルスに感染し、口腔咽頭に7から10日間またはそれ
以上の期間ウイルスを落屑した。3匹の対照のうちの2
匹は、ウイルス力価が5および6log10に達し、3匹目で
は3.5log10であった。最高用量(1mg/kg/日)でプロア
ントシアニジンポリマーAを投与されたサルではウイル
ス脱落の期間およびウイルス脱落の力価ははるかに低か
った。1匹目のサルはウイルスを1日、2匹目は3日
間、3匹目は4日間脱落した。あるサルでは最大ウイル
ス力価は2logであった。中程度の用量(0.5mg/kg/日)
でも2匹のサルに脱落期間の短縮が見られ、3匹目のサ
ルは口腔咽頭に9日間ウイルスを分泌した。3匹のうち
の2匹で最大力価は4logであり、3匹目では3logであっ
たが、ウイルス力価は一般に低かった。最も低い用量
(0.2mg/kg/日)では最小の効果が観察された。ウイル
ス脱落は6または7日間見られ、2匹のサルでは3log10
の最大力価で、3匹目のサルでは5logであった。呼吸合
胞体ウイルスに対する抗体力価を14日目にすべてのサル
で測定し、力価は1:40から1:160であった。
各処理群に対する毎日の平均log10力価を表す(表1
2)。サンプリングした各日において、3つの処置群の
それぞれにおける平均力価はコントロール群の平均力価
と比較してより低かった。平均力価は1mg/kg/日処置群
においてかなり低く、他の2群でも用量相関の低下が見
られた。
プロアントシアニジンポリマーAで処置したサルより
も対照群のサルに臨床的症状が多く観察された(表13参
照)。鼻漏が最もよく観察される症状であり、3匹のコ
ントロールのそれぞれに見られた。サンプリング期間お
よび研究実施期間におけるサルの毎日の観察において毒
性は何ら観察されなかった。
要約すると、プロアントシアニジンポリマーAはアフ
リカミドリザルの呼吸合胞体ウイルス感染に対して顕著
に有利な効果が見られた。用量1.0mg/kgを1日2回で静
脈内注射すると、口腔咽頭からのウイルス脱落期間を短
縮し、ウイルス脱落の力価を低下させ、また臨床的症状
を軽減させた。用量0.5mg/kgを1日2回で投与しても上
記した感染の3つのパラメーターすべてにおいて有効に
低下させた。ただし、高用量のときよりもその程度は少
ないことが観察された。
9. インフルエンザA治療のためのプロアントシアニジ
ン・ポリマーAの効果性 雄または雌のBALB/cマウスをインビボ試験に用いて、
インフルエンザAに対するプロアントシアニジンポリマ
ーAの効果性を研究した。マウスは13〜16gの体重で、
シモンセン・ラボラトリーズ(Gilroy、カリフォルニア
州)から入手した。マウスは、使用に先立って24時間隔
離され、Wayne Lab Bloxと水道水で飼育された。動物を
一度感染させたら、0.006%オキシテトラサイクリン
(ファイザー、ニューヨーク、ニューヨーク州)を、起
こりうる細菌の二次感染を抑えるために、飲用水に添加
した。
インフルエンザA/NWS/33(HIN1)は、ミシガン大学
(Ann Arbor、ミシガン州)のK.W.Cochranより得られ
た。ウイルスのプールは、マジン・ダービー犬腎臓(MD
CK)細胞の集密的細胞単層を感染させ、5%CO2中、37
℃で細胞を培養し、ウイルスの細胞変性効果が90〜100
%となる3〜5日目に細胞を採取することにより調製し
た。ウイルス株をアンプルに入れて、使用するまで−80
℃に保存した。
プロアントシアニジンポリマーAは、毎日適当な濃度
で、注射用滅菌水(WFI)に溶解して直ぐに使用した。
1−アダマンタナミンHCl(アマンタジン)は、シグマ
(セントルイス、ミズーリ州)から購入し、滅菌生理食
塩水に溶解した。1−β−D−リボフラノシル−1,2,4
−トリアゾール−3−カルボキサミド(リバビリン)
は、ICN Pharmaceuticals,Inc.(コスタメーサ、カリフ
ォルニア州)から購入して、滅菌生理食塩水に溶解し
た。
耳探針を備えたOhmeda Blox 3740パルス酸素計(Ohme
da、ルイスビリ、オハイオ州)を用いた。
「マウスにおけるインフルエンザAおよびBウイルス
の感染に対するセレナゾフリンの効果」(“Effect of
Selenazofurin on Influenza A and B Virus Infection
s in Mice")Antiviral Res.,6:343−53(1986)で、Si
dwell,RW,Huffman JH,Call E.W.,Alghamandan H.,Cook
P.D.,Robins,R.K.により記載されたように、それぞれの
マウスの肺をホモジナイズし、異なる希釈の試料をMDCK
細胞中の感染性ウイルスについて三反復実験で検定し
た。
2種類の実験を以下のように行なった。
実験1:17匹の雄マウスと17匹の雌マウスに、約90%致死
量のウイルス(0.06ml)を鼻内[(intranasally(i.
n.)]に感染させた。このウイルス接種物は、MDCK細胞
において約105細胞培養物50%感染投与量に等しいもの
であった。30、10または3mg/kg/日のプロアントシアニ
ジンポリマーA、または125mg/kg/日のアマンタジンを
用いる治療は、ウイルスにさらす2日前に始めて、毎日
1回8日間続けた。動脈酸素飽和(SaO2)のパルス酸素
計の読みは、ウイルスにさらした後の10日間を通して、
5匹の雄マウスと5匹の雌マウスについて毎日測定し、
14日目と21日目に再び測定した。感染の2、4、6、
8、10、14および21日目に、3匹のマウス(2匹の雄と
1匹の雌、または2匹の雌と1匹の雄)を殺し、それら
の肺を取出し、肺硬化の評定を行い、ウイルス力価のレ
ーザーアッセイのために凍結した。硬化は、0(正常)
から4(100%硬化)まで評価した。SaO2の測定に用い
た同じ動物を21日間飼育し、死んだときに死(deaths)
と記録した。毒性対照として、3匹の雄と3匹の雌の偽
感染マウスを、試験化合物のそれぞれの投与量にて同時
に処置した。これらの動物は、正常な未処置のマウスと
ともに、処置の前と最終処置の18時間後ただちに体重の
測定を行なった。
実験2:この実験は、治療をウイルスにさらした4時間後
に始めた以外は、実験1と同じであった。
統計学的評価:生存マウス数の増加は、カイ二乗分析を
用い、Yateの補正を行なって評価した。平均生存時間の
増加、ウイルス力価およびSaO2値の差異は、t−試験に
より分析した。肺硬化評点は、評定された合計分析によ
り評価した。マッキントッシュIIコンピューター上で動
くExstatix(登録商標)プログラムを用いて、±標準誤
差(S.E.)を決定した。
これら実験の結果の概要は、表14と表15に示す。この
二つの実験の概要は、検定が行なわれたすべての時間点
から集めた平均データを示す。これらの実験の毒性対照
は、30mg/kg/日の用量のプロアントシアニジンポリマー
Aがマウスに対して毒性があることを示した。
実験1(早期治療開始):実験1の要約(表14)は、肺
硬化の減少に基づいて30および10mg/kg/日の投与量のプ
ロアントシアニジンポリマーAがインフルエンザ病を顕
著に抑制することを示している。10および3mg/kg/日の
投与量を受けた感染雌マウスでは、SaO2%が顕著に増加
した。
アマンタジンは、これらの実験では、ポジティブ対照
として用いられた。アマンタジンは、この実験において
著しく効果的とは思われなかった。しかし、この特別な
インフルエンザウイルスは、アマンタジンに抵抗性があ
ることがその後わかった。
これらのパラメーターのより詳細な検査は、実験1の
図6〜図9に見ることができる。肺の硬化(第6図)
は、初期の試料採取日に特に抑制された;硬化は、残り
の実験を通して、すべてのグループで徐々に増加した
が、ウイルス対照のレベルに達することはなかった。
肺ウイルス力価(第10図)は、研究初期には減少しな
かったが、8日目と10日目までに、プロアントシアニジ
ポリマーAを10および3mg/kg/日の投与量で治療したマ
ウスにおいて有意な減少が見られた。
SaO2のデータは雄および雌マウスのために分けたが、
これは、それぞれの性別の5匹の動物をこれらの測定に
用いたためである。。基本的に、SaO2の減少の抑制は、
いずれかの化合物で処置した雄マウスにおいては見られ
なかった(第12図)。しかし、雌マウスは比較的よく応
答するように思われ、10および3mg/kg/日の投与量のプ
ロアントシアニジンポリマーAはSaO2の減少を約10%だ
け阻害した(第13図)。注目すべきことは、この実験に
おいて、治療は6日目で止め、処置された動物のSaO2は
その翌日までに急速に減少し始めたことである。このこ
とは、治療をさらに2〜3日間続ける必要性を示唆して
いる。
実験2(晩期治療開始):この実験の結果の要約は表15
に見られる。注目すべきことは、この遅延治療実験にお
いて、毒性対照のすべての雄マウスは、高投与量のプロ
アントシアニジンポリマーA処置に耐えて生き延びた
が、これらマウスは顕著に体重を失ったことである。こ
れらの動物は、実験1で用いたものよりもわずかに年齢
が高く、平均1g多い体重を持っていた。実験1に見られ
るように、感染させて、治療したグループにおいて、生
存マウスの有意な増加は見られなかったが、10および3m
g/kg/日のプロアントシアニジンポリマーAで処置した
雌マウスにおいて、平均生存時間の有意な増加が観察さ
れた(表15)。全体的な平均肺評点は再度減少した。
1日おきの肺硬化の所見は第10図に示す。プロアント
シアニジンポリマーA治療は再び硬化の抑制をもたらし
たが、早期に開始した治療の場合よりも程度は低かっ
た。
肺ウイルス力価(第11図)は、プロアントシアニジン
ポリマーA治療によって、わずかな程度減少しただけで
あった。
雄と雌マウスのSaO2データを図12と図13に要約する。
実験1で観察されたように、雌マウスは、雄よりもプロ
アントシアニジンポリマーA治療に対し良く応答する傾
向があり、やや変動するが、SaO2減少の用量−応答抑制
を有していた。本物質はネズミインフルエンザ感染症に
対して中程度の効果を有しているというのが、我々の結
論である。
アマンタジンに活性がないことを鑑みて、インフルエ
ンザウイルス感染症に対して高い活性を持つことが知ら
れているリバビリンを75mg/kg/日の投与量で用いて実験
を行なった(Sidwell,R.W.,Huffman,J.H.,Hare,G.P.,Al
len,L.B.,Witkowski,J.T.,Robins,R.,“Broad−Spectru
m Antiviral Activity of Virazole:1−β−D−ribofu
ranosyl−1,2,4−triazole−3−carboxamide",Sience,
177:705−6(1972))。該薬物をウイルス接種後の4
時間目から始めて、腹腔内に毎日2回5日間投与した。
本実験に用いられた同じ病気のパラメータをリバビリン
の実験にも用いた。
このリバビリン実験の全体的な結果を表16に示す。こ
の薬物は、致死毒性はなかったが、宿主に対して中程度
の体重減少を引き起した。感染させ、リバビリンで処置
したすべてのマウスは、その感染に耐えて生き残った。
肺硬化と肺ウイルス力価は著しく減少し、平均SaO2減少
が抑制された。肺硬化、ウイルス力価、およびSaO2デー
タをさらに詳しく図14〜図16に示す。
従って、この実験において、リバビリンは顕著なイン
フルエンザ抑制を示した。
プロアントシアニジンポリマーAは、インフルエンザ
A(H1N1)で感染させたマウスに腹腔内に毎日1回8日
間投与するときに、感染の中程度の抑制を示した。本物
質は、ウイルスにさらす2日前に治療を始めたときに最
も効能があったが、治療をウイルス接種の4時間後まで
遅らせたときにも有意な抑制が見られた。毒性対照のマ
ウスは、約30mg/kg/日の投与量に耐えて生き残ることは
なかった。病気の抑制効果は、主として10mg/kg/日に限
定された。アマンタジンは、このインフルエンザウイル
ス株に対して効果的ではなかった。リバビリンはウイル
ス感染症に対して抑制的であった。プロアントシアニジ
ンポリマーAは、抗インフルエンザウイルス活性をもつ
と結論付けられる。
10. プロアントシアニジン・ポリマーAのパラインフル
エンザウイルス治療の効果性 プロアントシアニジン・ポリマーAの抗ウイルス活性
を決定する実験に、タイプ3のパラインフルエンザウイ
ルス(PIV−3)に対する抗体を持たない12匹のアフリ
カミドリサルを用いた。それらのサルはそれぞれ3匹の
サルの4グループに無作為に分割した。プロアントシア
ニジンポリマーAを0.5%グルコースに溶解して、10、
3.3、または1.0mg/kg/日の投与量でそれぞれのグループ
に該薬物を投与した。3匹のサルの対照グループには、
該薬物を含まない0.5%グルコースを与えた。それぞれ
のサルは、毎日2回午前8時に7日間、分割用量として
静脈内ボーラス注射による治療を受けた。鎮静させたサ
ルの伏在静脈内に注射した。表17を参照。
治療はウイルス接種の4時間前に始めた。4時間後
に、PIV−3の10-2希釈液を調製し、1ml容量物を気管内
に接種し、1ml容量物を外鼻孔に置いた。接種されたウ
イルスの力価は、mlあたり103.5TCID50であった。
咽喉スワブを毎日取り、1mlの組織培養培地に置い
た。液体をスワブからしぼり出し、この組織培養液体を
ウイルスに対して滴定した。咽喉スワブの10倍希釈物を
調製して、Vero細胞を播いた24ウェル組織培養皿のウェ
ル中に2通りずつ接種した。力価は、ウイルス細胞病理
学のために培養物の顕微鏡検査により決定した。鼻漏、
くしゃみおよび咳を含む臨床的症状について、サルの観
察を毎日行なった。感染後の14日目と21日目に、血清中
和検定法を用いるPIV−3に対する抗体の検出のために
血液を取った。
12匹のサルそれぞれをPIV−3で感染させたが、ウイ
ルス接種後の24時間以内にその大部分からウイルスが脱
落した。ウイルスの脱落は、すべてのサルにおいて感染
後8日目まで続き、一部のサルは9日目の10日目を通し
てウイルスが脱落した。表18を参照。
それぞれのグループの平均ウイルス力価を表19に示
す。10mg/kg/日のプロアントシアニジンポリマーAは、
感染後のすべての日において、1logもしくはそれよりも
良く平均力価を減少させるように思われる。3.3mg/kg/
日の投与量は、10mg/kg/日の投与量よりも若干低い効果
を有しているように思われたが、再度すべての力価は対
照よりも低かった。認めうる効果は、1.0mg/kg/日では
見られなかった。
呼吸器感染の症状は、プロアントシアニジンポリマー
Aで処置した3グループのいずれのグループよりも、対
照のサルにおいてより共通していた。1グループにつき
3匹のサルの11日間の観察において、症状は合計33日間
おこりうる。プロアントシアニジンポリマーAを10mg/k
g/日で受けたグループにおいて、これら33日のうち7日
のみに、症状のあるサルが観察された。3.3mg/kg/日の
投与量の結果は、わずかに2日であり、1.0mg/kg/日の
投与量の結果は7日であった。観察された主要な症状
は、鼻漏であった(表20を参照)。
ウイルス接種後の14日目と21日目のPIV−3に対する
抗体力価を報告する。すべてのサルは、未処置の対照と
比較するときに、処置したサルにおいてわずかに高い力
価を有すると思われる抗体を発現することが観察され
た。表21を参照。
従って、プロアントシアニジンポリマーAは、10およ
び3.3mg/kg/日のプロアントシアニジンポリマーAで処
置したアフリカミドリサルにおいて、タイプ3のパライ
ンフルエンザウイルスの経過に有利な効果を持つように
思えた。プロアントシアニジンポリマーAは、感染サル
の咽喉において脱落したウイルスの力価を減少させるよ
うに見え、この感染で見られた症状を軽減したようだ。
10. 1単純ヘルペスウイルスのタイプ2の膣炎の治療の
ためのプロアントシアニジポリマーAの効果性 プロアントシアニジンポリマーAの効果性を研究する
ために、単純ヘルペスウイルス・タイプ2に対するガン
シクロビルと比較させて、インビボ実験を行なった。ガ
ンシクロビルは、単純ヘルペスウイルス・タイプ2に対
して効果的であることが知られている。
一連の実験において、両組成物は腹腔内注入のために
生理食塩水に溶解することによって処方した。
実験の開始時にそれぞれおよそ20グラムの体重のスイ
スのウェブスター雌マウス(Simonsen Labs,Gilroy,カ
リフォルニア州)に、単純ヘルペスウイルス・タイプ2
(HSV−2)のE194株を膣内へ感染させた。これは3段
階の方法で達成した。最初に、それぞれのマウスの膣を
0.1NのNaOHに漬けた綿棒アプリケーターで5秒間消毒し
た。この処理は感染にうまくかかるように膣部分を刺激
する。約1時間後、それぞれの膣を5秒間、湿されてい
ないアプリケーターで拭く。次に、ウイルス培地に浸し
たアプリケーターを使い、それをそれぞれのマウスに約
20秒間塗りつけた。該綿棒を、それが適所にある間、穏
やかにかつゆっくりと前後に捻った。
ウイルス感染の6時間後、プロアントシアニジンポリ
マーA、ガンシクロビル、またはプラシーボを腹腔内
(i.p.)投与した。治療はさらにウイルス感染後1〜7
日目まで毎日2階腹腔内に行なった。それぞれの化合物
の毎日の投与量は、30mg/kg/日であり、1回の注入に15
mg/kgを投与する。感染の0日目は、1回の投与がなさ
れるだけなので、その日の投与量は15mg/kg/日であっ
た。
5匹のマウスのグループを、ウイルス感染について既
に記載した方法を用いて偽装感染させた。ただし、最終
的にウイルスを存在させなかった、これらマウスは、上
記と同じ方法で、同じ回数処置した。マウスは毎日その
生存がチェックされ、最初の治療(0日目)前と最後の
治療(8日目)後に、その体重を記録した。
感染マウスの病変評価は、感染の3〜14日間、毎日決
定した。1+の評価は、膣のまわりに接した赤みを示
す。2+は、肛門に向かって病変の広がりを示す。3+
は、膣から肛門までの(通常は腫脹を伴う)病変を示
す。これには、一部のマウスが膣病変とさらに尾の病変
を有することもあるために、バリエーションがある。多
くのマウスは死につつあるために、死期に近い病変評価
は、14日間の終わりで終了させた。もし、このことがな
されないとしたならば、大部分の冒されたマウスが次々
と死ぬにつれて、プラシーボ群の病変評価が下がったで
あろうと思われる。一部の動物は、後肢麻痺を現した
(そしてその後に死んだ)。この状態は病変評価に加え
なかった。
死亡は21日間毎日記録した。平均死亡日数の計算は、
死んだマウスのみを考慮に入れた。膣ウイルスの力価
は、ウイルス接種の3日後に膣スワブより得られたウイ
ルスを滴定することにより行なわれた。これらの滴定
は、Vero細胞中で、96ウェルプレート中で行なった。ウ
イルス力価の計算は、Reed,L.J.およびMeunch,M.,Am.J.
Hyg.,27:493−498(1938)の50%終点希釈法で行なっ
た。
生存の統計学的解釈(フィッシャー精密試験)、死ま
での平均日数(スチューデントt試験)およびウイルス
・力価(スチューデントt試験)は、両側(two−taile
d)分析により行なった。
以下の表22は、標準偏差を伴う平均病変評点とこの実
験の統計的分析を示す。
プロアントシアニジンポリマーAは、プラシーボ群に
比較して、平均病変評点の統計学的に有意な減少を示し
た。ガンシクロビルも効果的であった。第17図は、プラ
シーボ群とガンシクロビルに比較して、kgあたり30mgの
プロアントシアニジンポリマーAにより示される病変抑
制程度の視覚的印象を提供するものである。表23は処置
したマウスの生存を示す。
プロアントシアニジンポリマーAは、増加した生存
(プラジーボ群の15%に比べて40%生存)を示した。ガ
ンシクロビル群は、100%の生存を有した。表23もプロ
アントシアニジンポリマーAで処置したマウスが、プラ
シーボ群よりも少ないウイルスを持っていたことを示し
ているが、この結果は統計学的に有意ではなかった。ガ
ンシクロビルは、ウイルス力価の有意な減少をもたらし
た。
毒性対照マウスの結果は、マウスはプロアントシアニ
ジンポリマーAに対してよく耐性があり、プロアントシ
アニジンポリマーAは用いられる投与量で副作用を引き
起こさないことを示した。アンシクロビルで処理したマ
ウスは、プラシーボ群よりも体重増加が少なかった。
従って、30mg/kg/日の投与量で腹腔内に投与されたプ
ロアントシアニジンポリマーAは、このモデルにおい
て、中程度の抗ウイルス活性を有した。マウスに対する
プロアントシアニジンポリマーA製剤の明らかな毒性は
存在しなかった。
プロアントシアニジンポリマーA組成物が経口投与さ
れる別の一連の予備実験は、いくらかの抗HSV−2活性
を示したが、これは最も高い投与量、すなわち270mg/kg
/日においてのみであった。
別の一連の実験において、プロアントシアニジンポリ
マーA組成物は、HSV−2に対する局所投与のために処
方された。プロアントシアニジンポリマーAの効能をガ
ンシクロビルおよびアシクロビルと比較する。ガンシク
ロビル粉末とアシクロビルクリームの両方ともに、市販
されたものを入手した。賦形薬として、そして局所プラ
シーボ群として用いられるスクイブ・クリーム基剤#8
も、市販されているものを入手した。
マウスの感染方法は、感染を評価するために測定され
る毒性対照およびパラメーターの設定方法は、腹腔内試
験について既に記載したものと同じであった。感染日で
の局所処置は、+6時間で行なった。この処置は、さら
に7日間以上、毎日2回行なった。
プロアントシアニジンポリマーAの2回投与による7.
5日間の処置の結果、10%用量についての評価期間の病
変評点は統計学的に有意に減少した。このことは、第18
図並びに表24にグラフで紹介されている。5%用量もプ
ラシーボ群に比べて病変の進展を減少させたが、その結
果は統計学的に有意ではなかった。アシクロビル・クリ
ームは、感染動物において、病変の形成をほとんど完全
に妨げた。5%および10%の用量のプロアントシアニジ
ンポリマーAで処置したマウスは、プラシーボ対照より
も数多くのマウスが感染に耐えて生き延び(表25)、膣
のウイルス力価は、10%用量で減少した。さらに、14日
目に病変を持たないマウスの数は、プラシーボ群におけ
るよりも多かった。非感染の毒性対照マウスは、クリー
ム製剤による治療の結果として、体重が減少したり、死
ぬことはなかった(表25)。
局所的に投与されたプロアントシアニジンポリマーA
は、10%クリームとして活性があったことを結論付ける
ことができる。わずかに3匹のマウスが膣の病変を発現
したが、病変はすべて最大重症度までに進行した。プロ
アントシアニジンポリマーAクリーム処方物は、いくぶ
ん乾燥した感触があったが、これは、該組成物がスクイ
ブ・クリーム基剤からの水の一部を水和して、吸収する
ためであった。このことは、プロアントシアニジンポリ
マーAクリームの効能に影響を与えたかもしれない。当
物質をクリーム基剤と混合する前に水中で部分的に水和
することは、より水性で生体に使用可能な局所投与用製
品を提供することができよう。
11. RSVの治療のためのプロアントシアニジンポリマー
Bの効果性 プロアントシアニジンポリマーAの試験と同じ手順で
行なったRSV抗ウイルス活性のインビトロ試験の結果
は、プロアントシアニジンポリマーBが効果的であり、
6μg/mlのED50を有することを示すものである。
ここに記載され、特許請求された発明は、ここに開示
された具体的な実施態様の範囲に限定されるものではな
いが、これは、これら実施態様が本発明の幾つかの側面
の記載を意図するものであるからである。どんな同等な
実施態様も本発明の範囲内に入ることが意図される。実
際、発明の多様な実施態様が、ここに示され記載された
ものに加えて、前述の記載に基づいて当業者に明白とな
るであろう。そのような改良や修飾も、本特許請求の範
囲に入ることが意図されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 31/22 A61P 31/22 (56)参考文献 特開 平3−200781(JP,A) 特開 昭61−16982(JP,A) 特開 昭63−267774(JP,A) 特開 昭63−162685(JP,A) 特開 昭63−20321(JP,A) Chemincal Abstrac ts,82:164748 Phytochemistry (1991),30(6),2033−40 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 311/62 A61K 31/35 A61K 31/765 A61K 35/78

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の性質: (a)水および/または水溶液中で溶解する能力; (b)動物やヒトにin vivo投与した場合に抗ウイルス
    効果を発揮する能力; (c)カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、ガロエ
    ピカテキンおよびこれらの組み合わせより成る群から選
    ばれるフラボノイド単位を含む構造をもつこと;および (d)δ154.2、145.1、143.7、132.8、131.2、130.3、
    120.9−118.6(幅広のピークの連続)、116.1、115.4、
    114.3、108.0、106.3、96.6、95.3、81.8、77.6、75.
    3、72.6、71.5、65.6、37.1、35.3、および27.7にピー
    ク位置を有する13C NMRスペクトル; により特徴づけられる、クロトン(Croton)種から得ら
    れるプロアントシアニジンポリマー組成物。
  2. 【請求項2】6〜11個のフラボノイド単位を有する、請
    求項1記載のプロアントシアニジンポリマー組成物。
  3. 【請求項3】平均7個のフラボノイド単位を有する、請
    求項1記載のプロアントシアニジンポリマー組成物。
  4. 【請求項4】クロトン・レクレリ(Croton lechleri)
    から得られる、請求項1記載のプロアントシアニジンポ
    リマー組成物。
  5. 【請求項5】次の性質: (a)3350−2500の範囲に強いピークを、1612、1449、
    1348、1202、1144、1107、1068および1027cm-1に他のピ
    ークを示す赤外分光分析;および (b)波長202、235(肩)、275、および305(肩)に幅
    広のピークを示す紫外分光分析; により特徴づけられる、請求項1記載のプロアントシア
    ニジンポリマー組成物。
  6. 【請求項6】さらに次の性質: (c)約460nmの波長での可視スペクトル吸収; により特徴づけられる、請求項5記載のプロアントシア
    ニジンポリマー組成物。
  7. 【請求項7】活性成分として有効量の請求項1〜6のい
    ずれか一項に記載の組成物を、製剤学的に許容される担
    体と組み合わせて含むことを特徴とする、ウイルス感染
    を治療するための医薬組成物。
  8. 【請求項8】製剤学的に許容される担体が静脈内、腹腔
    内、皮下、筋肉内、経口的、局所的またはエーロゾルで
    投与するのに適したものである、請求項7記載の医薬組
    成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロ
    アントシアニジンポリマー組成物を含む、抗ウイルス
    剤。
  10. 【請求項10】抗ヘルペスウイルス剤である、請求項9
    に記載の抗ウイルス剤。
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