JP3438420B2 - 部分めっき装置 - Google Patents

部分めっき装置

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JP3438420B2
JP3438420B2 JP17341795A JP17341795A JP3438420B2 JP 3438420 B2 JP3438420 B2 JP 3438420B2 JP 17341795 A JP17341795 A JP 17341795A JP 17341795 A JP17341795 A JP 17341795A JP 3438420 B2 JP3438420 B2 JP 3438420B2
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  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部分めっき技術分
野に属し、特に、半導体素子のリードフレームのワイヤ
ボンディング部等への部分電気めっきに好適な部分めっ
き装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来の部分めっき装置としては、特開平
4−346691号公報に開示されているものがある。
この装置の要部は、スパージャと、スパージャに載せら
れたゴム制御板と、ゴム制御板に載せられた被めっき材
を押圧するマスクスポンジとから構成されている。スパ
ージャの上面には開口が設けられ、この開口に面する被
めっき材にスパージャの内部よりめっき液が供給される
ようになっている。
【0003】被めっき材としては、半導体素子のリード
フレームが代表的であり、その形状は板状または略板状
である。各リードフレーム間には、スパージャの開口に
通じる貫通部が形成されている。マスクスポンジは、被
めっき材の上から押圧力をもって当接し、ゴム制御板を
被せられたスパージャとの間に被めっき材を挟持してい
る。マスクスポンジは、被めっき材の貫通部に入り込ん
でリードフレームを覆い、めっきすべきでない部分をマ
スキングしている。マスクスポンジはネオプレンゴム等
からなり、その硬度については詳細は規定されていな
い。
【0004】この装置では、スパージャの内部からめっ
き液が開口を通じて被めっき材に供給され、マスクスポ
ンジによってマスキングされていない部分にめっき層が
形成されて、部分めっき処理がなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術による
部分めっき装置では、非めっき部分に次のような不具合
が発生することがある。その不具合とは、相互に近接し
た複数のめっき部分の間に生じるめっき金属粒の発生で
ある。例えばリードフレームの部分銀めっき装置におい
ては、図4に示すように、隣合うリードF間に生じる銀
粒Gの析出がこの不具合にあたる。(図4は、従来技術
で実際に生じた銀粒の析出部分を切断して撮影された写
真に基づくスケッチである。) めっき金属粒の発生による不具合は、リードフレーム間
の短絡を招くので、半導体素子などの電子製品の小型化
および高集積化に伴うリードフレーム間隔の狭ピッチ化
を進める上で、重大な障害となっている。
【0006】また、従来の部分めっき装置では、エリア
外析出と呼ばれる不具合を生じることもある。エリア外
析出とは、図6に示すように、めっきすべきめっきエリ
アから、本来マスキングされていてめっきされないはず
の部分の一部に、めっき層Pが侵入しているものであ
る。エリア外析出があると、例えば小パッケージ化され
た半導体素子のリードフレームでは、パッケージエリア
の余裕代が無くなり、パッケージエリア外にまでめっき
部分がはみ出してしまう。その結果、長期間電圧をかけ
て使用するうちには、めっきはみ出し(エリア外析出)
部分でエレクトロマイグレーションが起きて遂には短絡
するという不都合を招く。また、めっき液の消費が増え
るので、部分めっき工程のコスト上昇を招くという不都
合も生じる。
【0007】そこで、本発明は、被めっき部分の間(貫
通部)でのめっき金属粒の発生などの部分めっき不良を
防止する部分めっき装置を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1構成は、内
部よりめっき液が供給される開口を有するスパージャ
と、該スパージャと共に貫通部を有する板状の被めっき
材を挟持し、該貫通部を覆うマスクスポンジとを有する
部分めっき装置であって、前記マスクスポンジは、発泡
シリコンゴムで形成され、かつ、前記被めっき材に当接
する前記マスクスポンジの当接面の付近に含まれる導電
性不純物のうち、SiおよびPbは、該当接面から厚み
1cmまでの部分について、該当接面の単位面積あたり
それぞれ0.3〔mg/cm 2 〕以下および0.01
〔mg/cm 2 〕以下である、ことを特徴とする部分め
っき装置である。
【0009】本発明の第2構成は、上記第1構成におい
て更に、前記マスクスポンジは、12度以上16度以下
のゴム硬度をもっていることを特徴とする。ここで、硬
度の基準は、ゴム業界およびスポンジ業界で標準的に使
用されている硬度基準(日本ゴム協会規格 SRIS
0101、JIS S 6050に準拠のアスカーC型
硬度計)による。
【0010】
【0011】
【作用および発明の効果】本発明の第1構成では、マス
クスポンジが電気絶縁性の高い発泡シリコンゴムで形成
されているので、めっき液中の金属イオンを引きつける
負の電荷がマスクスポンジ表面に発生または滞留するこ
とがない(または極めて少ない)。したがって、本構成
によれば、リードフレーム等の被めっき部分の間のマス
クスポンジ表面にめっき金属粒が析出することは防止さ
れる。それゆえ、被めっき部分の間の短絡が起きにくく
なるので、より微細な部分めっきが可能になるという効
果がある。さらに、マスクスポンジの当接面付近の導電
性不純物の含有量が定量的に制限されているので、より
電気絶縁性の高いマスクスポンジの当接面が形成され
る。 したがって、本構成によれば、よりいっそうめっき
金属粒の発生が抑制され、さらに良好かつ微細な部分め
っきが可能になるという効果がある。
【0012】本発明の第2構成では、さらにマスクスポ
ンジのゴム硬度が12度以上16度以下に限定されてい
るので、被めっき材としての狭ピッチのリードフレーム
間にマスクスポンジが適正に充填される。すなわち、マ
スクスポンジが硬すぎてリードフレーム間に充分に充填
されず、隙間を生じてマスキングが十分でなくなるとい
う不具合が回避される。逆に、マスクスポンジが柔らか
すぎてリードフレーム間を潜って反対側にまで大きく出
っ張り、めっきされるべき部分の一部までマスキングさ
れて十分なめっき皮膜が形成されないという不具合(表
面部分未着)も、同時に回避される。
【0013】したがって、本構成によれば、エリア外析
出および表面部分未着の不具合は防止されるという効果
がある。その結果、より精度が高い部分めっきが可能と
なるばかりではなく、余分なめっき液の消費がないの
で、コストダウンにも貢献がある。
【0014】
【0015】
〔実施例1〕
(実施例1の装置構成)本発明の実施例1としての部分
めっき装置は、図1に示すように、基台(図示せず)に
固定された下半部Bと、その上方の支持部材(図示せ
ず)から上下に摺動可能に保持された上半部Aとからな
る。
【0016】下半部Bの要部は、その上端部にスパージ
ャ1と、スパージャ1の上端に形成された長方形の水平
面11の上に載せられたシリコンゴム製のゴム制御板2
とからなっている。スパージャ1の水平面11の長辺に
沿う中心線上には、長方形の開口10が複数個、一定間
隔で形成されている。ゴム制御板2にも、スパージャ1
の開口10と一致して複数の長方形の開口20が形成さ
れている。
【0017】上半部Aの要部は、下半部Bの上面を形成
するゴム制御板2の水平面21に対向する当接面31を
もつマスクスポンジ3と、マスクスポンジ3の当接面3
1と背向する上平面でマスクスポンジ3を固定保持する
上型4とからなる。上半部Aは、さらに、上型4を上方
から固定保持する昇降板5と、昇降板5を上下に摺動可
能に保持する支持コラム51とから構成されている。
【0018】被めっき材としてのリードフレームF(図
示せず)は、1個もしくは複数個が直列に繋げられた状
態で、スパージャ1上のゴム制御板2の水平面21の上
に載せられる。その際、スパージャ1の水平面11から
突出した少なくとも1本の位置決めピン12が、リード
フレームFに設けられた位置決め穴(図示せず)に嵌合
する。さらに、スパージャ1の水平面11から垂直に突
出した複数のガイドピン13によって、リードフレーム
Fの正確な位置決めがなされる。
【0019】その結果、連結されているリードフレーム
Fは、図1中の破線F’で示された位置へ精密に設置さ
れる。同時に、部分めっきされるべきリードフレームF
およびその貫通部は、開口10,20上に正確に設置さ
れて、部分めっき処理に備えられる。上半部Aは、リー
ドフレームFを載せたスパージャ1上のゴム制御板2の
上方から、ガイドピン13および位置決めピン12の内
側に垂直に下降し、マスクスポンジ3下面の当接面31
は、適正な押圧力をもってリードフレームFおよびその
周囲のゴム制御板2上の水平面21に当接する。その結
果、リードフレームFは、その貫通部がマスクスポンジ
3に覆われると共に、マスクスポンジ3とゴム制御板2
との間に正確な位置で挟持され、めっき処理が可能な状
態になる。
【0020】その際、マスクスポンジ3による押圧力
は、当接面31の単位面積当たりの平均値にして3.0
〔kgf/cm2 〕であった。 (実施例1の部分めっき処理)次に、本実施例の部分め
っき装置による部分めっき処理について、その構成を模
式的に示した図2を参照して説明する。
【0021】本発明の部分めっき装置は、基本的には、
内部よりめっき液Lが供給されるスパージャ1と、被め
っき材としてのリードフレームFを押圧挟持するゴム制
御板2およびマスクスポンジ3とからなる。スパージャ
1の開口10には、内部より銀イオンを含むめっき液L
が、ポンプ(図示せず)により循環して吹きつけられて
いる。すなわち、めっき液Lは、中央部に貫通孔が形成
されている陽極6により、正の電荷を持った銀イオンを
含んで開口10に面したリードフレームFに吹きつけら
れている。そののち、めっき液Lは、濾過器8で汚染物
質を除去されたのち、循環して再びリードフレームFに
吹きつけられる。
【0022】一方、リードフレームFの背面側(スパー
ジャ1と背向する側)には、電線7が接続されていて、
リードフレームF自体が負極を形成している。したがっ
て、正の電荷を持つ銀イオンは、リードフレームFのゴ
ム制御板2およびマスクスポンジ3にマスキングされて
いない部分に析出して部分めっき処理が行われる。 (実施例1のマスクスポンジ)本実施例の部分めっき装
置において、マスクスポンジ3は、厚み10mmの平面
形が長方形の板材で、発泡シリコンゴムで形成されてお
り、その硬度は12度から16度までである。
【0023】また、マスクスポンジ3の当接面31付近
に含まれる導電性不純物のうち、SiおよびPbは、十
分に少ないことが確認された。すなわち、マスクスポン
ジ3をKOH水溶液(1リットルあたり50g)中でも
み洗いし、その液を原子吸光で分析した結果、主たる不
純物はSiおよびPbであった。その含有量は、当接面
31の単位面積あたり、Siは0.3〔mg/cm2
以下であり、Pbは0.01〔mg/cm2 〕以下であ
ることが、明らかにされた。
【0024】なお、本明細書中で用いる導電性不純物の
含有量は、上記のようにKOH水溶液(1リットルあた
り50g)中でもみ洗いし、その液を原子吸光で分析し
た分析結果をもって、これに代えている。前述の発泡シ
リコンゴム製のマスクスポンジ3について、その硬度を
12度から16度まで1度きざみで変更したものを用意
した。そして、それぞれの硬度のマスクスポンジ3につ
いて、少なくとも3個以上のマスクスポンジ3で各々1
00個以上の試料(リードフレーム)に対し、前述の部
分めっき装置で部分めっき処理を施した。
【0025】その結果、銀粒析出不良ゼロ%、エリア外
成長不良ゼロ%と、極めて良好な成績を記録している。
したがって、本実施例の部分めっき装置によれば、めっ
き金属粒としての銀粒の析出による不具合と、めっき層
のエリア外成長による不具合とを、有効に防止すること
が可能である。参考のため、被めっき材としてのリード
フレームFの平面図を図3に示す。図中の数カ所の黒塗
りの部分(長方形の領域内)が、リードフレームのめっ
きされるべき部分である。図3から、部分めっきされる
べき各リードフレームの間に貫通部が形成されているこ
とと、位置合わせ穴F0が、リードフレームFの周縁部
に複数個形成されていることがわかる。
【0026】なお、リードフレームFのリード単線の厚
みは250μm程度、リード単線の幅は最狭部で約20
0μm、隣合うリード同士の間隔は最狭部で約200μ
mである。ちなみに、リードフレームFのスパージャ1
の開口10に面した被めっき面での銀めっき層の厚み
は、標準で5μm程度であった。さらに、検出可能な銀
粒の最小径は10μm程度、エリア外析出の判定基準と
なるめっきエリアから最大めっきエリアまでの許容幅
は、400μm程度であった。
【0027】また、上記の硬度範囲ですでにリードフレ
ームFの量産が行われていて、すでに万の単位で生産さ
れているが、銀粒析出不良およびエリア外成長不良の報
告は今のところ1件もない。したがって、本発明は、も
はや実験室レベルにはなく、量産に適用できる技術とし
て完成していると言える。ところで、本実施例の部分め
っき装置と、他の実施例および従来技術による部分めっ
き装置との違いを鮮明にする目的で、材質や硬度が本実
施例とは異なるマスクスポンジを複数個、製作した。そ
して、これらのマスクスポンジを備えた部分めっき装置
により、本実施例での被めっき材と同一のリードフレー
ムFに部分めっき処理を施して評価したので、以下に説
明する。
【0028】(実施例2)マスクスポンジの材料は、実
施例1と同様に発泡シリコンゴムであるが、その硬度は
17度のマスクスポンジを製作した。その他の部分は実
施例1と同一の部分めっき装置で、同様のリードフレー
ムFを被めっき材として同一条件で部分めっき処理を施
し、複数の比較試料を得た。
【0029】その結果、銀粒不良は全く無かったが、エ
リア外析出不良は1%程度の率で発生していた。したが
って、発泡シリコンゴムでマスクスポンジを形成するこ
とにより、銀粒の析出による不良は完全に防止される
が、マスクスポンジの硬度が16度を越えていると、エ
リア外析出不良の防止は完全でないことが明らかになっ
た。
【0030】(実施例3)材料は同様に発泡シリコンゴ
ムであるが、その硬度は11度のマスクスポンジを製作
した。そして、実施例2と同様に部分めっき処理を施
し、複数の比較試料を得た。その結果、銀粒不良および
エリア外析出不良は全く無かったが、めっき部分未着不
良が1%程度の率で発生していた。ここで、めっき部分
未着不良とは、めっきされるべき部分の少なくとも一部
に、めっき層が形成されていないことを言う。
【0031】したがって、硬度が11度の発泡シリコン
ゴムで形成されたマスクスポンジの使用により、銀粒の
析出による不良とエリア外析出不良とは、完全に防止さ
れる。しかしながら、マスクスポンジの硬度が12度を
下回っていると、めっき部分未着不良が起こり得るの
で、不都合であることが明らかになった。 (比較例1)硬度が12度〜16度の範囲で1度刻みに
異なる天然ゴム発泡体でできたマスクスポンジを使用し
て、同様に部分めっき処理を施し、複数の比較試料を得
た。このマスクスポンジの当接面付近に含まれるSiお
よびPbは、実施例1と同様の導電性不純物の含有量測
定方法により、それぞれ0.3〔mg/cm2 〕以下お
よび0.01〔mg/cm2 〕以下であった。
【0032】その結果、銀粒不良およびエリア外析出不
良は全く無く、導電性不純物の少ないスポンジ材料の効
果が確認された。しかし、低電流で部分めっき処理がな
された場合には、めっきの変色が発生した。めっきの変
色は、後工程で行うICチップとリードフレームとの電
気的接合を取る目的で行うワイヤボンドの密着性を低下
させるなどの不具合を発生させるので、めっき不良の一
つであり好ましいことではない。
【0033】したがって、導電性不純物含有量の少ない
天然発泡ゴムからなる適正な硬度のマスクスポンジによ
れば、銀粒の析出による不良とエリア外析出不良とは防
止されるが、めっきの変色という不良が起こることが明
らかになった。なお、発明者らは、めっき変色の原因
は、マスクスポンジに含有されている有機物の溶解およ
び付着による着色と推測している。
【0034】(比較例2)比較例1と同様の硬度および
導電性不純物含有量のマスクスポンジを使用して、同様
に部分めっき処理を施し、複数の比較試料を得た。ただ
し、このマスクスポンジの材料は、発泡ウレタンであ
る。その結果、比較例1と同様に、銀粒不良およびエリ
ア外析出不良は全く無いものの、めっきの変色が発生し
て不都合であった。
【0035】(実施例1の結論)以上の実施例1の試験
結果および実績と、実施例2,3および比較例1,2の
試験結果とを比較することにより、次の結論が導き出さ
れる。すなわち、実施例1の発泡シリコンゴムを使用し
た部分めっき装置では、リード間の銀粒析出によるめっ
き不良、エリア外析出不良、ならびにめっきの変色のう
ち、いずれの不具合も起きなかった。したがって、本実
施例の部分めっき装置によれば、リードフレームFのよ
うに細密な被めっき材に対し、極めて良好な部分めっき
を施すことができるようになった。
【0036】その結果、本発明により、リードフレーム
F等の狭ピッチ化が可能になり、半導体素子等を含む電
子部品のさらなる小型化・微細化に十分対応した部分め
っき装置を提供することができる。さらに、本実施例の
部分めっき装置によれば、銀の無駄な消費が無くなり、
めっき不良による不良品率が減るので、コストダウンに
なるという効果もある。
【0037】(銀粒析出不良に関する考察)発明者ら
は、前述の実施例1〜3および比較例1,2を詳細に比
較検討することにより、従来の部分めっき装置で起こっ
ていた銀粒析出不良の原因について考察した。その結
果、図5(a)および図5(b)に示すように、マスク
スポンジ3の導電性に原因があるものと推定された。
【0038】すなわち、マスクスポンジ3中に導電性の
不純物が含有される等の原因で、マスクスポンジ3が僅
かながら導電性を有すると、図5(a)に示すように、
陽極6に電気的に吸引されて、当接面31の表面付近に
負の電荷が集中する。(陽極6と導線71との間には所
定の電位差が与えられているので、負の電荷は導線71
から供給される。)すると、めっき液L中の正電荷を帯
びた銀イオンAgが、当接面31に吸着して析出する。
【0039】そして、部分めっき処理が終了する頃に
は、図5(b)に示すように、銀めっき層Pが形成され
たリードF間のマスクスポンジ3の当接面31の表面
に、銀の粒Gが成長して銀粒発生によるめっき不良が起
こるものと推定されている。したがって、極めて優れた
絶縁性をもつ発泡シリコンゴムでマスクスポンジ3が形
成されていると、負の電荷がその当接面31に集合する
ことがなく、銀粒発生不良が防止されるものと考えられ
る。
【0040】同様に、天然ゴムまたはウレタンの発泡材
でマスクスポンジ3を形成する場合にも、SiやPbな
どの導電性不純物の含有量が所定量以下に抑えられてい
れば、ある程度で同様の効果が得られるものと考えられ
る。ただし、シリコンゴム以外でマスクスポンジが形成
されている場合には、めっきの変色などのめっき不良を
起こす傾向があるので、本発明の発泡シリコンゴム製の
マスクスポンジ3を使用した部分めっき装置には及ばな
い。
【0041】なお、前述のようにマスクスポンジ3の導
電性によって銀粒発生不良が起こるとする考えのほかに
も、銀粒発生不良の原因として考えられるものもある。
例えば、マスクスポンジ3の当接面31のもつ各種特性
(撥水性や細かな凹凸、銀との親和性など)によって、
銀粒の析出が始まるか否かが影響される可能性も考えら
れる。
【0042】すなわち、銀粒発生不良の原因としては、
当接面31の表面特性が支配的であるとする考えもある
が、いまだ明確ではない。(当接面31の表面特性のう
ち撥水性が支配的な要因である場合には、撥水剤の塗布
などの撥水処理が施された当接面31を有するマスクス
ポンジ3の採用が、有効な銀粒発生不良防止手段となる
可能性もある。) (エリア外成長不良に関する考察)エリア外析出は、図
6に示すように、めっきされるべきめっきエリアを越
え、さらにめっきが許容される最大範囲である最大めっ
きエリアをも越えて、めっき層が形成される現象であ
る。
【0043】その原因は、マスクスポンジ3の硬度が過
大であり、所定の押圧力によっては、図7(c)の下半
部に示すように、スパージャ1開口部以外のめっきエリ
ア外においても、マスクスポンジ3がリードFの間に十
分に回り込まないためである。すなわち、マスクスポン
ジ3の当接面31とスパージャ1上のゴム制御板2との
間に、隙間gが生じてめっき液の浸入を許すので、エリ
ア外析出が起こる。
【0044】逆に、マスクスポンジ3の硬度が過小であ
ると、図7(a)の上半部に示すように、当接面31の
一部32が図中横に突出してめっきすべきリードFの面
を覆ってしまう。その結果、リードFの覆われた部分に
はめっき液が循環せず、めっき層が形成されないという
めっき部分未着不良が起こり、不都合である。したがっ
て、マスクスポンジ3の硬度の上限は、エリア外析出に
よって決まり、逆に下限は、めっき部分未着不良によっ
て決まる。こうして、自ずからマスクスポンジ3の適正
な硬度は12度以上16度以下に制限される。マスクス
ポンジ3の硬度が適正範囲にある場合には、図7(b)
に示すように、適切なマスキングが行われて、エリア外
析出もめっき部分未着不良も防止される。
【0045】(実施例1の変形態様)本実施例では、リ
ードフレームFに部分銀めっきを施すための部分めっき
装置を説明したが、本発明の部分めっき装置はこれに限
定されるものではない。すなわち、めっき液は、銀めっ
きに限定されず、金、白金、その他の金属または合金な
どを含む公知のめっき液とすることが可能である。ま
た、被めっき材もリードフレームFに限定されるもので
はなく、あらゆる部分めっきを必要とする被めっき材へ
の本発明の適用が可能である。さらに、電気めっきに限
定されるものでもなく、マスキングを必要とする部分め
っきであれば、化学めっき、気相めっきなどにも本発明
の適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の部分めっき装置の構造を示す要部
斜視図
【図2】 実施例1の部分めっき装置の作用を示す模式
図。
【図3】 被めっき材としてのリードフレーム(部分め
っき処理後の状態)の形状を示す平面図
【図4】 リード間に発生した銀粒不良を示す端面図
【図5】 銀粒不良の発生機構を模式的に示す端面図 (a)部分めっき処理の初期状態 (b)部分めっき処理の終了状態
【図6】 リードに生じたエリア外析出不良を模式的に
示す斜視図
【図7】 マスクスポンジの硬度とマスキング状態を示
す模式図 (a)マスクスポンジの硬度が過小である場合 (b)マスクスポンジの硬度が適正である場合 (c)マスクスポンジの硬度が過大である場合
【符号の説明】 1:スパージャ 10:開口 11:水平面 2:ゴム制御板 20:開口 21:水平面 3:マスクスポンジ 31:当接面 32:張出し 4:上型 6:陽極 7,71:電線,導線(陰極
側) F:リードフレーム,リード(被めっき材) G:銀
粒 L:めっき液 P:銀めっき層
フロントページの続き (72)発明者 水谷 義彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 小野 久美子 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−263992(JP,A) 特開 昭62−163353(JP,A) 特開 昭60−255992(JP,A) 特開 昭59−85888(JP,A) 特開 昭59−85887(JP,A) 特開 昭52−71343(JP,A) 実開 昭62−135446(JP,U) 実開 昭62−75066(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 5/02 H01L 23/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部よりめっき液が供給される開口を有
    するスパージャと、該スパージャと共に貫通部を有する
    板状の被めっき材を挟持し、該貫通部を覆うマスクスポ
    ンジとを有する部分めっき装置であって、 前記マスクスポンジは、発泡シリコンゴムで形成され、
    かつ、前記被めっき材に当接する前記マスクスポンジの
    当接面の付近に含まれる導電性不純物のうち、Siおよ
    びPbは、該当接面から厚み1cmまでの部分につい
    て、該当接面の単位面積あたりそれぞれ0.3〔mg/
    cm 2 〕以下および0.01〔mg/cm 2 〕以下であ
    る、ことを特徴とする部分めっき装置。
  2. 【請求項2】 前記マスクスポンジは、12度以上16
    度以下のゴム硬度をもっている請求項1記載の部分めっ
    き装置。
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