JP3437142B2 - 図書保管管理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば多量の図
書を保管する大型図書館等に使用して好適する図書保管
管理装置に係り、特にその多量の図書の書庫内における
収容効率を向上させるとともに、取り出し及び返却に要
する作業の能率向上を図るようにしたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、近年、多量の蔵書を有す
る大規模図書館等にあっては、図書の取り出しや返却に
要する作業の能率向上を図るために、自動入出庫システ
ムが導入されてきている。

【０００３】この自動入出庫システムは、利用者が貸し
出しを要求した図書を書庫から取り出して利用者カウン
ターまで搬送するとともに、その図書が貸し出されたこ
とを記録する作業や、図書が返却されたことを記録しそ
の図書を書庫まで戻して収容位置を記録する作業等を自
動化して、図書の取り出し及び返却に要する作業を正確
かつ迅速に実行することができるようにしたものであ
る。

【０００４】すなわち、自動入出庫システムにおいて
は、保管されている多量の図書の管理を容易にするため
に、各図書それぞれにバーコードを付している。また、
各図書は、複数冊毎にコンテナに収容されており、書庫
に対してコンテナ単位で入出庫されるようになされてい
る。

【０００５】そして、図書の取り出しが要求された場合
には、その図書の収容されたコンテナが書庫から自動出
庫され利用者カウンターまで搬送される。図書館員は、
利用者カウンターに搬送されてきたコンテナの中から所
望の図書を取り出して利用者に渡し、ここに、図書の貸
し出しが行なわれる。

【０００６】また、図書の返却が要求された場合には、
その返却図書を収容すべきコンテナが書庫から自動出庫
され利用者カウンターに取り出される。図書館員は、利
用者カウンターに取り出されたコンテナに返却された図
書を入れた後、そのコンテナを書庫の元の位置に入庫さ
せ、ここに、図書の返却が行なわれる。

【０００７】一方、現在の図書館においては、図書の保
管管理手段として殆ど例外なく分類別固定ロケーション
配架方式が採用されている。この分類別固定ロケーショ
ン配架方式は、複数の図書を、例えば『日本文学』や
『機械工学』等の各種の分野別に分類して書庫に収容し
ておく手法であって、一般の図書館では、この分類別固
定ロケーション配架方式に上述した自動入出庫システム
が組み合わされる形態となっている。

【０００８】ところで、分類別固定ロケーション配架方
式による図書の保管管理を行なう場合、１つの分類の中
には種々の寸法の図書が混在するために、各分類毎に最
大寸法の図書（例えばＡ４版）に合わせて書棚の高さや
奥行きを設定することが必要となる。

【０００９】しかしながら、実際の図書館における蔵書
の約８０％は、Ａ５版（Ａ４版の半分）以下の寸法であ
ることから、各分類毎に最大寸法の図書にあわせて書棚
の高さや奥行きを設定するということは、取りも直さ
ず、書庫内における無駄な空間を増大させ図書の収容効
率を悪化させるという問題を招くことになる。

【００１０】また、分類別固定ロケーション配架方式に
よる図書の保管管理手段では、ある分類の図書を収容す
る書棚のスペースが満杯になった場合、超過した図書を
離れた別の書棚に収容したのでは分類別にしている効果
が低下することになり、また分類別の収容を維持するた
めに、他の分類の図書までも含めて書棚上で図書を全体
的にずらせることは、大変な労力と時間を費やすことに
なる。

【００１１】そこで、このような事態に対処するため
に、現在の図書館では、各分類毎にその分類に属する図
書を収容する本来のスペースに、その数１０％に及ぶ余
裕スペースを予め設けておくようにしている。このた
め、なお一層、書庫内における無駄な空間が増大し図書
の収容効率が悪化するという問題が生じることになる。

【００１２】さらに、分類別固定ロケーション配架方式
による図書の保管管理手段では、図書を返却する場合、
その図書の分類に対応するコンテナを書庫から利用者カ
ウンターまで取り出す必要があるため、互いに分類の異
なる複数の図書が返却されると、１冊毎に別のコンテナ
を書庫から利用者カウンターにいちいち取り出す必要が
生じる。

【００１３】このため、書庫と利用者カウンターとの相
互間でコンテナを搬送する搬送機構の稼動回数が多くな
り、自動入出庫システムを導入しているにもかかわら
ず、図書の取り出し及び返却作業の能率向上が十分に図
れないという不都合も生じている。

【００１４】そこで、近時では、多量の図書をそれらの
内容には無関係に、寸法（例えばＡ４版，Ｂ５版，Ａ５
版以下等で厚さは不問）のみによって分類して、保管す
るようにしたサイズ別フリーロケーション方式が考えら
れてきている。

【００１５】このサイズ別フリーロケーション方式は、
例えばＡ４版の図書を収容するコンテナ，Ｂ５版の図書
を収容するコンテナ及びＡ５版以下の図書を収容するコ
ンテナのように、収容する図書の寸法に応じてそれぞれ
大きさの異なる複数種類のコンテナを用意しておき、そ
れぞれのコンテナを大きさ別に分類して書庫に収容する
ようにしたものである。

【００１６】この場合、各コンテナの番号と収容されて
いる図書のコードとが対応付けられて記憶されている。
そして、この記憶内容に基づいて必要なコンテナが利用
者カウンターに取り出されるとともに、利用者カウンタ
ーで図書の取り出しや返却が行なわれたコンテナが書庫
に戻される際に、コンテナとそのコンテナに収容されて
いる図書とを対応付けた記憶内容が更新されるようにな
っている。

【００１７】このようなサイズ別フリーロケーション方
式による図書の保管管理手段を採用することにより、書
庫内における無駄な空間を極力削減し図書の収容効率を
向上させることができる。

【００１８】また、同一寸法の図書ならば、その寸法の
図書を収容するためのコンテナ内に空きのある限り任意
に返却することが可能となるので、書庫と利用者カウン
ターとの相互間でコンテナを搬送する搬送機構の稼動回
数も必然的に少なくすることができ、自動化による図書
の取り出し及び返却作業の能率を効果的に向上させるこ
とができる。

【００１９】ところで、上記のようなサイズ別フリーロ
ケーション方式による図書の保管管理手段は、まだまだ
開発途上にある段階であって、書庫内における多量の図
書の収容効率をより一層向上させるとともに、取り出し
や返却に要する作業のさらなる能率向上を図るために、
種々の点での改良が望まれている。

【００２０】これに応えて、近時では、例えば特開平７
−２８５６２１号公報等に示されるように、書庫内に設
置された書棚の、コンテナを出し入れするための間口に
対して、奥行き方向に複数のコンテナを収容することに
より、書庫内における図書の収容効率をより高めるよう
にした構成が考えられている。

【００２１】しかしながら、このように、書棚の間口に
対して奥行き方向に複数のコンテナを収容する構成で
は、書棚の間口に対して手前側にあるコンテナを取り出
す作業に比べて、奥側にあるコンテナを取り出す作業の
方が、多くの手順を必要とし長い時間を要することにな
る。

【００２２】このため、この公開公報に示されるような
図書保管管理手段を採用する場合には、特に、返却され
た図書を収容するために書棚から取り出すコンテナを決
定する場合に、返却する図書の量と、書棚に収容されて
いる各コンテナの図書充填率と、書棚の間口に対して手
前側にあるコンテナか奥側にあるコンテナかという点と
を総合的に考慮して、迅速かつ効率的な図書の返却が行
なえるように工夫を凝らすことが必要となっている。

【００２３】

【発明が解決しようとする課題】以上のように、サイズ
別フリーロケーション方式が採用され、書棚の間口に対
して奥行き方向に複数のコンテナを収容する形態の図書
保管管理手段では、図書の返却時に迅速かつ効率的な返
却作業が実行されるように、返却図書の量、コンテナの
図書充填率ならびに書棚上での収容位置等を考慮して、
書棚から取り出すコンテナを選定することが強く要望さ
れている。

【００２４】そこで、この発明は上記事情を考慮してな
されたもので、書庫内における図書の収容効率の向上を
図るとともに、特に図書の返却時に書棚から取り出すコ
ンテナを効率的に選定して、図書返却の作業能率を効果
的に向上させ得る極めて良好な図書保管管理装置を提供
することを目的とする。

【００２５】

【課題を解決するための手段】この発明に係る図書保管
管理装置は、収容する図書の寸法別に用意された複数の
コンテナと、この複数のコンテナを、収容している図書
の寸法別に分類して収容する複数の棚領域を有し、該複
数の棚領域には、それぞれコンテナを出し入れする間口
に対して奥行き方向に少なくとも２つのコンテナが収容
される書庫と、複数のコンテナの書庫内における収容位
置と、各コンテナに収容された複数の図書の各図書コー
ドと、各コンテナの図書充填率とを記憶する記憶手段
と、取り出しが要求された図書の図書コードを入力する
ことにより、記憶手段の記憶内容に基づいて、該要求図
書が収容されているコンテナを書庫から取り出してステ
ーションに搬送するとともに、返却が要求された図書の
寸法情報を入力することにより、記憶手段の記憶内容に
基づいて、該返却図書の寸法に対応する複数のコンテナ
の中から空きのあるコンテナを書庫から取り出してステ
ーションに搬送する搬送手段と、この搬送手段によりス
テーションに搬送されて、要求図書が取り出されたコン
テナまたは返却図書が返却されたコンテナに対して、記
憶手段の記憶内容を更新する更新手段とを備えたものを
対象としている。

【００２６】そして、書庫の各棚領域に収容されたコン
テナのうち、該棚領域の間口に対して手前側に位置する
コンテナに対して、外部操作によって基準充填率を入力
設定する入力手段と、返却が要求された図書の寸法情報
を入力することにより、該返却図書の寸法に対応するコ
ンテナが収容されている棚領域から、その間口に対して
手前側に位置する複数のコンテナのうち、最も図書充填
率の低いコンテナを検索し、この検索されたコンテナの
図書充填率が、入力手段で入力設定された基準充填率よ
りも実質的に低い状態で、検索されたコンテナを搬送手
段によってステーションに取り出すように制御するとと
もに、検索されたコンテナの図書充填率が、入力手段で
入力設定された図書充填率よりも実質的に高い状態で、
返却図書の寸法に対応するコンテナが収容されている棚
領域から、その間口に対して奥側に位置する複数のコン
テナのうち、最も図書充填率の低いコンテナを検索して
搬送手段によってステーションに取り出すように制御す
る制御手段とを備えるようにしたものである。

【００２７】上記のような構成によれば、書庫に設置さ
れた棚領域のコンテナを出し入れするための間口に対し
て、奥行き方向に少なくとも２つのコンテナを収容する
ようにし、その手前側に収容されているコンテナに対し
て、外部操作によって基準充填率を入力設定できるよう
にする。そして、図書の返却時に、手前側のコンテナか
ら基準充填率よりも図書充填率の低い、つまり、空きの
多いコンテナを検索して図書の返却に供させるように
し、手前側に基準充填率よりも図書充填率の低いコンテ
ナがない場合に、奥側のコンテナから最も図書充填率の
低いコンテナを検索して図書の返却に供させるようにし
ている。

【００２８】このため、書庫内における図書の収容効率
の向上を図ることができるとともに、取り出しに時間の
かかる奥側のコンテナを取り出す可能性を減らすため
に、図書をできる限り手前側のコンテナに集中させるこ
とにより、作業能率を向上させることができる。

【００２９】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して詳細に説明する。まず、図１は、こ
の実施の形態で説明する図書の自動入出庫システムの全
体的な構成を示している。

【００３０】すなわち、図中符号１１は、例えば図書館
の地階の書庫内に設置された書棚群で、互いに一定間隔
をあけて対向するように設置された複数対（図示の場合
は３対）の書棚（１１ａ，１１ｂ）、（１１ｃ，１１
ｄ）、（１１ｅ，１１ｆ）から構成されている。これら
各書棚１１ａ〜１１ｆには、それぞれに複数の図書（図
１では図示せず）が収容された、複数のコンテナ１２が
収容されている。

【００３１】ここで、上記書棚１１ａ，１１ｂ相互間に
は、スタッカークレーン１３が設置されている。このス
タッカークレーン１３は、書棚１１ａ，１１ｂ相互間に
形成された空間内を移動し、いずれかの書棚１１ａ，１
１ｂから所望のコンテナ１２を取り出して出庫用ラック
ステーション１４に移送する。

【００３２】この出庫用ラックステーション１４に移送
されたコンテナ１２は、搬送コンベア１５を介してコン
テナ搬出口１６に移送された後、図示しない垂直搬送機
を介して、１階向コンテナ搬入口１７または２階向コン
テナ搬入口１８に選択的に搬送される。

【００３３】このうち、１階向コンテナ搬入口１７に搬
送されたコンテナ１２は、搬送コンベア１９を介して利
用者カウンターである１階ステーション２０のコンテナ
受入部２０ａに搬送される。また、２階向コンテナ搬入
口１８に搬送されたコンテナ１２は、搬送コンベア２１
を介して利用者カウンターである２階ステーション２２
のコンテナ受入部２２ａに搬送される。

【００３４】一方、１階ステーション２０のコンテナ受
入部２０ａに搬送されたコンテナ１２は、コンテナ排出
部２０ｂに移送され、搬送コンベア２３を介して１階向
コンテナ搬出口２４に搬送される。また、２階ステーシ
ョン２２のコンテナ受入部２２ａに搬送されたコンテナ
１２は、コンテナ排出部２２ｂに移送され、搬送コンベ
ア２５を介して２階向コンテナ搬出口２６に搬送され
る。

【００３５】そして、１階向コンテナ搬出口２４または
２階向コンテナ搬出口２６に搬送されたコンテナ１２
は、上記垂直搬送機を介して地階のコンテナ搬入口２７
に移送され、搬送コンベア２８を介して入庫用ラックス
テーション２９に移送された後、スタッカークレーン１
３により書棚１１ａまたは１１ｂに入庫される。

【００３６】なお、他の書棚１１ｃ，１１ｄ相互間及び
書棚１１ｅ，１１ｆ相互間にも、それぞれスタッカーク
レーン（図示せず）が設置されている。そして、上記と
略同様の動作により、各書棚１１ｃ〜１１ｆと１階また
は２階ステーション２０，２２との間で、コンテナ１２
を搬送することができる。

【００３７】ここで、図２（ａ）は、上記コンテナ１２
の詳細な構成を示している。すなわち、このコンテナ１
２は、その内部が略直交する仕切り板１２ａ，１２ｂに
よって、４つのブロックＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄに分割されてい
る。そして、各ブロックＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄ内には、図２
（ｂ）に示すように、それぞれ複数の図書３０が厚み方
向に１列に並んで収容されるようになっている。

【００３８】つまり、コンテナ１２内には、ブロック
Ａ，Ｂに収容された図書３０の列と、ブロックＣ，Ｄに
収容された図書３０の列とが、２列に並んで収容される
ようになっている。

【００３９】そして、コンテナ１２内で２列に並んだ各
図書３０同士は、互いに背表紙３０ａを外側に向けるよ
うにして収容される。なお、コンテナ１２は、その側面
にバーコードラベル１２ｃが付されており、書棚１１
ａ，１１ｂ上における収容位置が固定されているものと
する。

【００４０】また、各図書３０にも、図示しないが、そ
れぞれ固有のバーコードが付されている。さらに、この
コンテナ１２の両端面には、それぞれ２つづつのＬ字型
係合片１２ｄ，１２ｅ（図２ではコンテナ１２の一端面
のみを示す）が上下に設置されている。

【００４１】一方、図３（ａ），（ｂ）は、上記１階ス
テーション２０の詳細な構成を示している。なお、２階
ステーション２２については、１階ステーション２０と
同様な構成であるため、その説明を省略する。すなわ
ち、この１階ステーション２０には、カウンター台３１
が設置されている。

【００４２】このカウンター台３１の裏側には、前記コ
ンテナ受入部２０ａとコンテナ排出部２０ｂとが配置さ
れている。そして、搬送コンベア１９を介して１階ステ
ーション２０に搬送されてきたコンテナ１２は、コンテ
ナ受入部２０ａで受け入れられた後、コンテナ排出部２
０ｂに移送されて保持される。

【００４３】また、上記カウンター台３１には、コンテ
ナ排出部２０ｂに対応する部分に開口部３１ａが形成さ
れている。そして、図書館員は、この開口部３１ａを介
することにより、コンテナ排出部２０ｂに保持されたコ
ンテナ１２に対して、図書３０の取り出しや返却を行な
うことができる。

【００４４】この場合、カウンター台３１の開口部３１
ａからは、コンテナ１２内に厚み方向に２列になって収
容されている図書３０のうち、一方側の列の図書３０が
それらの背表紙３０ａを含めて、外部に露出されること
になる。そして、このコンテナ排出部２０ｂに保持され
たコンテナ１２は、搬送コンベア２３を介して１階向コ
ンテナ排出口２４に搬送される。

【００４５】さらに、上記カウンター台３１上には、図
書館員が図書３０の入出庫に関する種々の操作を行なう
とともに、コンテナ排出部２０ｂに保持されたコンテナ
１２の中から、取り出すべき図書３０の図書名や図書番
号、及びその図書３０の含まれるブロック番号等を表示
するための、入力タッチパネル式の表示装置３２と、図
書３０に付されたバーコードを読み取るためのバーコー
ドリーダ３３とが設置されている。

【００４６】ここで、上記書棚１１ａ，１１ｂは、それ
ぞれ図４に示すように、複数（図示の場合は１１枚）の
コンテナ受け１１ａ１，１１ｂ１を、垂直方向に一定間
隔で配置した構造となっている。これらの各コンテナ受
け１１ａ１，１１ｂ１には、書棚１１ａ，１１ｂ相互間
に設置されたスタッカークレーン１３から見て、つま
り、書棚１１ａ，１１ｂのコンテナ１２を出し入れする
ための間口に対して、奥行き方向にそれぞれ２つづつの
コンテナ１２が収容されるようになっている。

【００４７】そして、上記スタッカークレーン１３は、
各コンテナ受け１１ａ１，１１ｂ１上にそれぞれ収容さ
れたコンテナ１２の中から、スタッカークレーン１３に
対して手前側にあるか奥側にあるかを問わず、取り出し
要求されたコンテナ１２を取り出して、図５に示すよう
に、出庫用ラックステーション１４に移送し、搬送コン
ベア１５による出庫に供させる動作や、搬送コンベア２
８を介して入庫用ラックステーション２９に搬送されて
きたコンテナ１２を、書棚１１ａまたは１１ｂの元の位
置に入庫する動作を行なうものである。

【００４８】このスタッカークレーン１３は、書棚１１
ａ，１１ｂ相互間に形成された空間を、書庫の床面と天
井とに敷設されたレールＲ１，Ｒ２（図４参照）に支持
されて、書棚１１ａ，１１ｂの奥行き方向つまり矢印
ａ，ｂ方向に移動可能なスタッカーマスト１３ａと、こ
のスタッカーマスト１３ａに支持されて垂直方向に昇降
可能な昇降フレーム１３ｂと、この昇降フレーム１３ｂ
に回転自在に支持され、書棚１１ａ，１１ｂに対してコ
ンテナ１２の取り出しや返却を行なう回転荷台１３ｃと
から構成されている。

【００４９】このため、スタッカーマスト１３ａ及び昇
降フレーム１３ｂを適宜移動させることにより、回転荷
台１３ｃを書棚１１ａ，１１ｂ上の所望の位置に移動さ
せることができ、その位置でのコンテナ１２の取り出し
や返却を行なうことが可能となる。

【００５０】この回転荷台１３ｃは、図６（ａ），
（ｂ）に示すように、昇降フレーム１３ｂに旋回ベアリ
ング１３ｄを介して回転自在に支持されている。この回
転荷台１３ｃは、その一側部から突出する支持片１３ｅ
に支持されたモータ１３ｆの回転プーリ１３ｇと、旋回
ベアリング１３ｄと同軸的に設けられ昇降フレーム１３
ｂに固定されたスプロケットホイル１３ｈとが、ベルト
１３ｉによって連結されており、モータ１３ｆの回転力
によって昇降フレーム１３ｂ上を所望の方向に回転駆動
される。また、回転荷台１３ｃには、コンテナ１２の底
面両側部を支持する一対の受け部１３ｊが形成されてい
る。

【００５１】さらに、回転荷台１３ｃの一対の受け部１
３ｊ相互間に挟まれた中央部底面１３ｋには、書棚１１
ａ，１１ｂに対してコンテナ１２の出し入れを行なうた
めの移載装置３４が設置されている。

【００５２】この移載装置３４は、図７（ａ），（ｂ）
に示すように、回転荷台１３ｃ上を受け部１３ｊに沿っ
て矢印ｃ，ｄ方向に伸縮する伸縮機構３５と、この伸縮
機構３５上に搭載され該伸縮機構３５とは無関係に矢印
ｃ，ｄ方向に移動するフック３６とから構成されてい
る。

【００５３】このうち、伸縮機構３５は、図８（ａ）に
示すように、回転荷台１３ｃの中央部底面１３ｋ上に、
２枚のスライド板体３５ａ，３５ｂを矢印ｃ，ｄ方向に
スライド自在となるように、重ね合わせて設置したもの
である。

【００５４】そして、スライド板体３５ａ及び中央部底
面１３ｋの各一端部にそれぞれ突設されたピン３５ｃ，
３５ｄに、チェーン３５ｅの両端部が支持されており、
このチェーン３５ｅの中間部分が、スライド板体３５ｂ
の一端部に回転自在に支持されたスプロケットホイル３
５ｆに歯合されている。

【００５５】また、スライド板体３５ａ及び中央部底面
１３ｋの各他端部にそれぞれ突設されたピン３５ｇ，３
５ｈに、チェーン３５ｉの両端部が支持されており、こ
のチェーン３５ｉの中間部分が、スライド板体３５ｂの
他端部に回転自在に支持されたスプロケットホイル３５
ｊに歯合されている。

【００５６】そして、スライド板体３５ｂの下面には、
そのスライド方向に沿ってラックギア３５ｋが形成され
ており、このラックギア３５ｋには、モータ３５ｌによ
って回転駆動される歯車３５ｍが歯合されている。

【００５７】このため、モータ３５ｌの回転力によりス
ライド板体３５ｂが矢印ｃ，ｄ方向に選択的にスライド
されると、スライド板体３５ａがスライド板体３５ｂ上
を矢印ｃ，ｄ方向にスライドするようになり、ここに、
伸縮動作が行なわれることになる。

【００５８】また、上記フック３６は、図８（ｂ）に示
すように、スライド板体３５ａにそのスライド方向に沿
って架設された回転ベルト３５ｎの一部に固定されてお
り、この回転ベルト３５ｎがモータ３５ｏによって走行
されることで、スライド板体３５ａ上をそのスライド方
向に沿って移動されるようになされている。

【００５９】このため、再び図７（ａ），（ｂ）に示す
ように、例えばコンテナ受け１１ｂ１に収容された２つ
のコンテナ１２のうち、スタッカークレーン１３から見
て手前側にあるコンテナ１２を取り出す場合には、伸縮
機構３５を縮状態とし、フック３６をコンテナ１２の下
側のＬ字型係合片１２ｅに係合させるようにスタッカー
クレーン１３を制御した後、フック３６を矢印ｄ方向に
移動させることで、コンテナ受け１１ｂ１上のコンテナ
１２を回転荷台１３ｃ上に引き出し、一対の受け部１３
ｊ間に支持させることができる。

【００６０】また、この状態で、フック３６を矢印ｃ方
向に移動させることで、回転荷台１３ｃ上の受け部１３
ｊに支持されたコンテナ１２を、コンテナ受け１１ｂ１
上に戻すことができる。

【００６１】一方、例えばコンテナ受け１１ｂ１に収容
された２つのコンテナ１２のうち、スタッカークレーン
１３から見て奥側にあるコンテナ１２を取り出す場合に
は、まず、上記のようにして手前側のコンテナ１２を取
り出して所定の仮置き場所に置いた状態で、図９
（ａ），（ｂ）に示すように、伸縮機構３５を伸状態と
し、フック３６を奥側のコンテナ１２の上側のＬ字型係
合片１２ｄに係合させるようにスタッカークレーン１３
を制御する。

【００６２】その後、フック３６を矢印ｄ方向に移動さ
せるとともに、伸縮機構３５を縮状態とすることで、コ
ンテナ受け１１ｂ１上の奥側にあるコンテナ１２を回転
荷台１３ｃ上に引き出し、受け部１３ｊに支持させるこ
とができる。

【００６３】また、この状態で、伸縮機構３５を伸状態
とするとともに、フック３６を矢印ｃ方向に移動させる
ことで、回転荷台１３ｃ上の受け部１３ｊに支持された
コンテナ１２を、コンテナ受け１１ｂ１上の奥側に戻す
ことができる。

【００６４】次に、書棚１１ａ，１１ｂに返却されるコ
ンテナ１２を搬送する搬送コンベア２８の搬送経路途中
には、図１０に示すように、コンテナ１２の側面に付さ
れたバーコードラベル１２ｃを自動的に読み取るための
バーコードリーダ３７が設置されている。

【００６５】また、この搬送コンベア２８の搬送経路途
中には、搬送コンベア２８で搬送されるコンテナ１２
が、その内部を通過する枠体３８が設置されている。こ
の枠体３８の上部には、コンテナ１２内に２列に収容さ
れる図書３０の各収容領域に対応して、それぞれ図書３
０の充填率を検出するためのセンサ３８ａ，３８ｂが設
置されている。

【００６６】これらセンサ３８ａ，３８ｂは、それぞれ
コンテナ１２内の対応する列における図書３０の有無を
検出しているもので、その検出出力は、コンテナ１２が
センサ３８ａ，３８ｂの下側を通過する時間内に、図書
３０の有状態が検出された時間がどれだけあるかによっ
て、コンテナ１２内における図書３０の充填率を算出す
るのに供される。

【００６７】次に、この実施の形態で説明する図書の自
動入出庫システムは、多量の図書３０をそれらの内容に
は無関係に、寸法（例えばＡ４版，Ｂ５版，Ａ５版以下
等で厚さは不問）のみによって分類しており、１つのコ
ンテナ１２には同一寸法の図書３０のみが収容されるよ
うになっている。

【００６８】換言すれば、例えばＡ４版の図書３０を収
容するコンテナ１２，Ｂ５版の図書３０を収容するコン
テナ１２，Ａ５版以下の図書３０を収容するコンテナ１
２等が用意されており、それぞれのコンテナ１２は、収
容する図書３０の寸法に応じて分類されて、書棚群１１
に収容されている。

【００６９】すなわち、例えば書棚１１ａについて言え
ば、図１１に示すように、出庫用及び入庫用ラックステ
ーション１４，２９に近い側から、スタッカークレーン
１３のスタッカーマスト１３ａの走行方向に沿って、順
次、Ａ４版の図書３０を収容したコンテナ１２が収容さ
れる棚領域１１Ａ４と、Ｂ５版の図書３０を収容したコ
ンテナ１２が収容される棚領域１１Ｂ５と、Ａ５版以下
の図書３０を収容したコンテナ１２が収容される棚領域
１１Ａ５とに分類されている。、なお、このような棚領
域１１Ａ４，１１Ｂ５，１１Ａ５の分類は、他の書棚１
１ｂ〜１１ｆについても同様に行なわれている。

【００７０】この場合、図１２に示すように、コンテナ
１２の長さをＬ，幅をＷ，高さをＨとすると、Ａ４版の
図書３０を収容するコンテナ１２の大きさは、Ｌ＝６０
０ｍｍ，Ｗ＝５０９ｍｍ，Ｈ＝３１３ｍｍとなり、Ｂ５
版の図書３０を収容するコンテナ１２の大きさは、Ｌ＝
６００ｍｍ，Ｗ＝４５３ｍｍ，Ｈ＝２７７ｍｍとなり、
Ａ５版以下の図書３０を収容するコンテナ１２の大きさ
は、Ｌ＝６００ｍｍ，Ｗ＝３８５ｍｍ，Ｈ＝２３０ｍｍ
となる。

【００７１】図１３は、上記のような図書の自動入出庫
システムの制御システムを示している。すなわち、符号
３９は中央処理装置である。この中央処理装置３９は、
例えばマイクロプロセッサ等を内蔵している。そして、
この中央処理装置３９には、バスライン４０を介して無
停電電源装置４１が接続されている。

【００７２】また、この中央処理装置３９には、バスラ
イン４０からファイルアダプタ４２を経て、フロッピー
ディスク４３と、システムの制御プログラムの記憶され
たハードディスク４４及びカートリッジテープ４５とが
接続されている。

【００７３】さらに、この中央処理装置３９には、バス
ライン４０からファイルアダプタ４６を経て、図書情報
の記憶されたハードディスク４７が接続されている。ま
た、この中央処理装置３９には、バスライン４０からフ
ァイルアダプタ４８を経て、バックアップ情報の記憶さ
れたハードディスク４９が接続されている。

【００７４】一方、上記中央処理装置３９には、バスラ
イン４０からシリアルインターフェースアダプタ５０を
経て、統括制御盤５１と定置式検出器５２とが接続され
ている。この統括制御盤５１は、詳細は後述するが、前
記スタッカークレーン１３，垂直搬送機，搬送コンベア
１５，１９，２１，２３，２５，２８及び移載装置３４
等の動作を統括的に制御するもので、コンテナ１２の位
置を検出する定置式検出器５２の検出結果に基づいて制
御動作を行なっている。

【００７５】また、上記中央処理装置３９には、バスラ
イン４０からシリアルインターフェースアダプタ５３を
経て、コンソール５４，ディスプレイ５５，バーコード
リーダ５６（これらは図３に示した表示装置３２及びバ
ーコードリーダ３３や、図１０に示したバーコードリー
ダ３７等に相当）及びシリアルプリンタ５７が接続され
ている。これら、コンソール５４，ディスプレイ５５，
バーコードリーダ５６及びシリアルプリンタ５７は、１
階ステーション２０に設置されている。

【００７６】さらに、上記中央処理装置３９には、バス
ライン４０からシリアルインターフェースアダプタ５８
を経て、ディスプレイ５９，バーコードリーダ６０，シ
リアルプリンタ６１及びバーコードプリンタ６２が接続
されている。これらディスプレイ５９，バーコードリー
ダ６０，シリアルプリンタ６１及びバーコードプリンタ
６２は、２階ステーション２２にそれぞれ設置されてい
るものとする。

【００７７】図１４は、上記統括制御盤５１の詳細な構
成を示している。すなわち、前記バスライン４０は、入
出力回路６３を介して制御回路６４に接続されている。
この制御回路６４は、各制御対象であるスタッカークレ
ーン１３，垂直搬送機（図１４では符号６５で示す），
搬送コンベア１５，１９，２１，２３，２５，２８及び
移載装置３４毎に、それぞれ入出力回路６６，６７，６
８，６９及び駆動回路７０，７１，７２，７３を介して
制御信号を生成し、送出するようにしている。

【００７８】また、スタッカークレーン１３，垂直搬送
機６５，搬送コンベア１５，１９，２１，２３，２５，
２８及び移載装置３４に設けられ、それぞれがコンテナ
１２の位置を検出する定置式検出器５２ａ，５２ｂ，５
２ｃ，５２ｄからの検出信号は、それぞれ対応する入出
力回路６６，６７，６８，６９に供給されて、制御信号
の生成に供されている。

【００７９】さらに、バーコードリーダ５６，６０の各
出力は、制御回路６４に供給されて統括制御盤５１の駆
動、つまり、スタッカークレーン１３，垂直搬送機６
５，搬送コンベア１５，１９，２１，２３，２５，２８
及び移載装置３４の駆動に供される。また、センサ３８
ａ，３８ｂの各出力は、制御回路６４に供給されて中央
処理装置３９における図書充填率の算出に供される。

【００８０】上記のような構成となされた自動入出庫シ
ステムにおいて、以下、その動作を説明する。図１５
は、図書３０の返却動作を説明するためのフローチャー
トを示している。この図書３０の返却動作は、利用者が
返却する図書３０を、例えば１階ステーション２０の図
書館員に渡すことから開始（ステップＳ１）される。

【００８１】まず、１階ステーション２０の図書館員
は、ステップＳ２で、コンソール５４を介して、返却図
書３０を入庫するための指示を中央処理装置３９に入力
する。この場合、図書館員は、コンソール５４を操作し
て、返却する図書３０の寸法（Ａ４版，Ｂ５版またはＡ
５版以下等）も中央処理装置３９に入力する。

【００８２】すると、中央処理装置３９は、詳細は後述
するが、ステップＳ３で、例えば書棚１１ａのうち、入
力された寸法の図書３０を収容している棚領域１１Ａ
４，１１Ｂ５または１１Ａ５の中から空きのあるコンテ
ナ１２を検索し、その空きコンテナ１２を取り出すため
の指示を統括制御盤５１に出力する。

【００８３】この場合、中央処理装置３９は、空きコン
テナ１２の書棚１１ａ上における収容位置（ロケーショ
ン）を示すデータを、統括制御盤５１に出力する。この
ため、統括制御盤５１は、ステップＳ４で、スタッカー
クレーン１３をその空きコンテナ１２の収容位置に移動
させ、移載装置３４により空きコンテナ１２を書棚１１
ａから回転荷台１３ｃ上に移載させた後、出庫用ラック
ステーション１４を介して搬送コンベア１５上に送り出
すように制御する。

【００８４】そして、統括制御盤５１は、ステップＳ５
で、搬送コンベア１５，垂直搬送機６５及び搬送コンベ
ア１９を制御することにより、搬送コンベア１５上のコ
ンテナ１２を１階ステーション２０まで搬送し、そのコ
ンテナ排出部２０ｂに保持させる。その後、図書館員
は、ステップＳ６で、返却すべき図書３０に付されたバ
ーコードをバーコードリーダ３３で読み取り、その図書
３０をカウンター台３１の開口部３１ａを介してコンテ
ナ１２内に収容する。

【００８５】そして、図書館員がコンソール５４を操作
して返却完了の指示を中央処理装置３９に入力すると、
中央処理装置３９は、既に読み取られている返却図書３
０のバーコードから得られたその図書固有の図書コード
と、コンテナ排出部２０ｂに保持されているコンテナ１
２固有のコンテナ番号とを組み合わせ、その組み合わせ
たデータを在庫ファイルとして、例えば前記したハード
ディスク４７等に登録する。

【００８６】次に、中央処理装置３９は、ステップＳ７
で、統括制御盤５１を介して搬送コンベア２３及び垂直
搬送機６５等を制御することにより、１階ステーション
２０のコンテナ１２をコンテナ搬入口２７まで搬送す
る。

【００８７】その後、中央処理装置３９は、ステップＳ
８で、統括制御盤５１を介して搬送コンベア２８を制御
することにより、コンテナ搬入口２７のコンテナ１２を
入庫用ラックステーション２９に搬送する際に、前記セ
ンサ３８ａ，３８ｂからの検出出力に基づいて、コンテ
ナ１２内における図書３０の充填率を算出し、上記在庫
ファイルとともにハードディスク４７に登録する。

【００８８】そして、中央処理装置３９は、ステップＳ
９で、統括制御盤５１を介してスタッカークレーン１３
及び移載装置３４を制御することにより、入庫用ラック
ステーション２９上のコンテナ１２を書棚１１ａの元の
位置に戻し、ここに、図書３０の返却作業が終了（ステ
ップＳ１０）される。

【００８９】次に、図１６は、図書３０の取り出し動作
を説明するためのフローチャートを示している。この図
書３０の取り出し動作は、利用者が取り出しを要求する
図書３０を、例えば１階ステーション２０の図書館員に
伝えることから開始（ステップＳ１１）される。

【００９０】このとき、１階ステーション２０の図書館
員は、ステップＳ１２で、コンソール５４を操作して、
図書３０を出庫するための指示を中央処理装置３９に入
力する。この場合、図書館員は、コンソール５４を操作
することにより、取り出し要求された図書３０の図書コ
ードを中央処理装置３９に入力する。

【００９１】すると、中央処理装置３９は、図書コード
を受信して上述した在庫ファイルを検索し、取り出し要
求された図書３０の収容されたコンテナ１２の収容位置
（ロケーション）を示すデータを統括制御盤５１に出力
する。このため、統括制御盤５１は、ステップＳ１３
で、スタッカークレーン１３をそのコンテナ１２の収容
位置に移動させ、移載装置３４によりコンテナ１２を例
えば書棚１１ａから回転荷台１３ｃ上に移載させる。

【００９２】ここで、中央処理装置３９は、ステップＳ
１４で、回転荷台１３ｃ上に移載されたコンテナ１２
が、１階ステーション２０のコンテナ排出部２０ｂまで
搬送されたときに、コンテナ１２内の取り出し要求され
た図書３０を含む列が、カウンター台３１の開口部３１
ａに対向するように、回転荷台１３ｃを回転させてコン
テナ１２の向きを調整した後、搬送コンベア１５，垂直
搬送機６５及び搬送コンベア１９を制御することによ
り、コンテナ１２を１階ステーション２０まで搬送し、
そのコンテナ排出部２０ｂに保持させる。

【００９３】その後、中央処理装置３９は、ステップＳ
１５で、１階ステーション２０のカウンター台３１上の
表示装置３２に、取り出し要求された図書３０の図書名
または図書コードを表示させる。すると、図書館員は、
ステップＳ１６で、コンテナ排出部２０ｂに保持された
コンテナ１２の中から、表示装置３２に表示させた図書
名または図書コードの図書３０を検索して取り出す。

【００９４】そして、図書館員は、ステップＳ１７で、
取り出した図書３０に付されたバーコードをバーコード
リーダ３３で読み取ることにより、取り出した図書３０
の図書コードが、先にステップＳ１２で入力した図書コ
ードに対応することを確認する。

【００９５】ここで、図書館員がコンソール５４を操作
して取り出し完了の指示を中央処理装置３９に入力する
と、中央処理装置３９は、取り出した図書３０のバーコ
ードから得られたその図書固有の図書コードに基づい
て、在庫ファイルの内容を更新する。

【００９６】次に、中央処理装置３９は、ステップＳ１
８で、統括制御盤５１を介して搬送コンベア２３及び垂
直搬送機６５等を制御することにより、１階ステーショ
ン２０のコンテナ１２をコンテナ搬入口２７まで搬送す
る。

【００９７】その後、中央処理装置３９は、ステップＳ
１９で、統括制御盤５１を介して搬送コンベア２８を制
御することにより、コンテナ搬入口２７のコンテナ１２
を入庫用ラックステーション２９に搬送する際に、前記
センサ３８ａ，３８ｂからの検出出力に基づいて、コン
テナ１２内における図書３０の充填率を算出し、上記在
庫ファイルとともにハードディスク４７に登録する。

【００９８】そして、中央処理装置３９は、ステップＳ
２０で、統括制御盤５１を介してスタッカークレーン１
３及び移載装置３４を制御することにより、入庫用ラッ
クステーション２９上のコンテナ１２を書棚１１ａの元
の位置に戻し、ここに、図書３０の取り出し作業が終了
（ステップＳ２１）される。

【００９９】次に、図１７は、上述したステップＳ４，
Ｓ１３において、書棚１１ａ上でスタッカークレーン１
３に対して手前側及び奥側にあるコンテナ１２を、選択
的にスタッカークレーン１３の回転荷台１３ｃに取り出
す動作を説明するためのフローチャートを示している。

【０１００】すなわち、開始（ステップＳ２２）され、
中央処理装置３９が、ステップＳ２３で、取り出し要求
されたコンテナ１２の収容位置を統括制御盤５１に指示
すると、統括制御盤５１は、ステップＳ２４で、指示さ
れたコンテナ１２の収容位置にスタッカークレーン１３
を移動させる。

【０１０１】この場合、統括制御盤５１は、指示位置の
コンテナ受け１１ａ１に載置された２つのコンテナ１２
のうち手前側のコンテナ１２のＬ字型係合片１２ｅに、
フック３６を係合させるようにスタッカークレーン１３
の位置を制御している。そして、統括制御盤５１は、ス
テップＳ２５で、移載装置３４を制御して、手前側のコ
ンテナ１２をスタッカークレーン１３の回転荷台１３ｃ
に取り出す。

【０１０２】ここで、中央処理装置３９は、ステップＳ
２６で、取り出しが要求されているのは手前側のコンテ
ナ１２か否かを判別する。そして、取り出しが要求され
ているのが手前側のコンテナ１２であると判断された場
合（ＹＥＳ）、中央処理装置３９は、ステップＳ２７
で、統括制御盤５１を介してスタッカークレーン１３を
制御することにより、回転荷台１３ｃ上のコンテナ１２
を出庫用ラックステーション１４に搬送し、さらに、ス
テップＳ２８で、出庫用ラックステーション１４のコン
テナ１２を搬送コンベア１５に送り出し、ここに、書棚
１１ａからのコンテナ１２の取り出しが終了（ステップ
Ｓ２９）される。

【０１０３】また、ステップＳ２６で取り出しが要求さ
れているのが手前側のコンテナ１２でないと判断された
場合（ＮＯ）、中央処理装置３９は、ステップＳ３０
で、統括制御盤５１を介してスタッカークレーン１３を
制御することにより、回転荷台１３ｃ上のコンテナ１２
を所定の図示しない仮置き場所に移動させ、ステップＳ
３１で、移載装置３４を制御してコンテナ１２を仮置き
場所に仮置きする。

【０１０４】その後、中央処理装置３９は、ステップＳ
３２で、統括制御盤５１を制御することにより、ステッ
プＳ２３で指示された位置に再びスタッカークレーン１
３を移動させる。この場合、統括制御盤５１は、指示位
置のコンテナ受け１１ａ１に載置された奥側のコンテナ
１２のＬ字型係合片１２ｄに、フック３６を係合させる
ようにスタッカークレーン１３及び移載装置３４を制御
している。

【０１０５】そして、統括制御盤５１は、ステップＳ３
３で、移載装置３４を制御して、奥側のコンテナ１２を
手前側に移動させる。その後、統括制御盤５１は、ステ
ップＳ３４で、手前側に移動されたコンテナ１２のＬ字
型係合片１２ｅに、フック３６を係合させるようにスタ
ッカークレーン１３の位置を制御し、ステップＳ３５
で、移載装置３４を制御して、コンテナ１２をスタッカ
ークレーン１３の回転荷台１３ｃに取り出す。

【０１０６】次に、中央処理装置３９は、ステップＳ３
６で、統括制御盤５１を介してスタッカークレーン１３
を制御することにより、回転荷台１３ｃ上のコンテナ１
２を出庫用ラックステーション１４に搬送する。その
後、中央処理装置３９は、ステップＳ３７で、統括制御
盤５１を介してスタッカークレーン１３を仮置き場所に
移動させ、ステップＳ３８で、仮置き場所に置かれたコ
ンテナ１２を回転荷台１３ｃに移載する。

【０１０７】そして、統括制御盤５１は、ステップＳ３
９で、スタッカークレーン１３をステップＳ２３で指示
された位置に再び移動させ、ステップＳ４０で、コンテ
ナ１２をその位置に返却し、ここに、書棚１１ａからの
もう１つのコンテナ１２の取り出しが終了（ステップＳ
２９）される。

【０１０８】次に、図１８は、上述したステップＳ９，
Ｓ２０において、スタッカークレーン１３によりコンテ
ナ１２を書棚１１ａに返却する動作を説明するためのフ
ローチャートを示している。すなわち、開始（ステップ
Ｓ４１）され、中央処理装置３９が、ステップＳ４２
で、コンテナ１２の返却位置を統括制御盤５１に指示す
ると、統括制御盤５１は、ステップＳ４３で、入庫用ラ
ックステーション２９にスタッカークレーン１３を移動
させる。

【０１０９】そして、統括制御盤５１は、ステップＳ４
４で、移載装置３４を制御して、入庫用ラックステーシ
ョン２９のコンテナ１２を回転荷台１３ｃに移載する。
その後、統括制御盤５１は、ステップＳ４５で、スタッ
カークレーン１３を書棚１１ａ上の返却位置まで移動さ
せ、ステップＳ４６で、移載装置３４を制御して、回転
荷台１３ｃ上のコンテナ１２を返却位置に戻し、ここ
に、書棚１１ａへのコンテナ１２の返却が終了（ステッ
プＳ４７）される。

【０１１０】なお、上記したコンテナ１２の書棚１１ａ
への返却動作においては、コンテナ１２は、スタッカー
クレーン１３に対して常に手前側となる位置に返却され
る。このため、同じコンテナ受け１１ａ１に対して２つ
のコンテナ１２が入庫される際には、後から入庫される
コンテナ１２によって、先に入庫されているコンテナ１
２が奥側に押し込まれることになる。

【０１１１】この場合、上述した各フローチャートでは
示していないが、コンテナ１２の書棚１１ａ，１１ｂに
対する取り出しや返却が行なわれることによって、各コ
ンテナ受け１１ａ１，１１ｂ１上でコンテナ１２の手前
側と奥側との位置が入れ替わった場合には、その都度、
コンテナ１２の書棚１１ａ，１１ｂ上におけるロケーシ
ョンが更新されることになる。

【０１１２】このとき、書棚１１ａ，１１ｂ上における
コンテナ１２の収容位置とコンテナ番号とを固定しな
い、いわゆるフリーロケーション方式でコンテナ収納位
置の管理を行なえば、奥側のコンテナ１２を取り出す場
合、手前側のコンテナ１２を仮置き場所でなく書棚１１
ａ，１１ｂの空きのある場所に移し、そのコンテナ１２
のロケーションを更新することにより、該コンテナ１２
を再び元の収容位置に戻す必要がなくなるので、作業能
率をさらに向上させることができる。

【０１１３】次に、図１９は、先に図１５で説明したス
テップＳ３において、図書３０を返却する際に、その返
却図書３０の寸法に対応した複数のコンテナ１２の中か
ら、返却図書３０を収容するために書棚１１ａ，１１ｂ
から取り出すべき空きコンテナ１２を検索する動作を説
明するためのフローチャートを示している。

【０１１４】すなわち、開始（ステップＳ４８）される
と、図書館員は、ステップＳ４９で、コンソール５４を
操作することにより、書棚１１ａ，１１ｂ上でスタッカ
ークレーン１３から見て手前側に位置する各コンテナ１
２に対して、そこに収容されている図書３０に対する基
準充填率Ａを設定し、中央処理装置３９に入力する。

【０１１５】この基準充填率Ａは、図書館員の判断で任
意に設定することが可能なもので、全ての寸法のコンテ
ナ１２に対して一律に設定しても良いし、コンテナ１２
の寸法別にそれぞれ設定するようにしても良い。また、
書庫全体の図書充填率から自動的に算出して設定するこ
ともできる。

【０１１６】このような状態で、図書館員は、図書３０
の返却が要求されると、ステップＳ５０で、コンソール
５４を操作することにより、返却する図書３０の寸法を
示す情報と、寸法毎に返却する図書３０の量を示す情報
（例えば総厚み情報）とを中央処理装置３９に入力す
る。

【０１１７】すると、中央処理装置３９は、ステップＳ
５１で、前記ハードディスク４７に登録されている各コ
ンテナ１２の図書充填率を参照することにより、まず、
1種類の寸法の返却図書３０に対して、それを収容する
コンテナ１２のうち、書棚１１ａ，１１ｂ上でスタッカ
ークレーン１３から見て手前側に位置するコンテナ１２
の中で、最も低い図書充填率Ｂを有するコンテナ１２を
検索する。

【０１１８】その後、中央処理装置３９は、ステップＳ
５２で、先に設定した基準充填率Ａと、スタッカークレ
ーン１３から見て手前側に位置するコンテナ１２の中で
最も低い図書充填率Ｂとを比較し、Ａ＞Ｂであるか否
か、つまり、設定した基準充填率Ａよりも低い図書充填
率Ｂを有するコンテナ１２が、書棚１１ａ，１１ｂ上で
スタッカークレーン１３から見て手前側に存在するか否
かを判別する。

【０１１９】そして、基準充填率Ａよりも低い図書充填
率Ｂのコンテナ１２が手前側に存在すると判断された場
合（ＹＥＳ）、中央処理装置３９は、ステップＳ５３
で、そのコンテナ１２を、図書３０の返却を要求した図
書館員のいる１階または２階ステーション２０，２２に
取り出すように統括制御盤５１を制御する。

【０１２０】このため、図書館員は、ステーション２
０，２２に取り出されたコンテナ１２に対して図書３０
を返却し、その後、前述したように、コンテナ１２が書
棚１１ａ，１１ｂの元の位置に戻されることになる。

【０１２１】この場合、返却する図書３０の量によって
は、上記の条件Ａ＞Ｂを満たすコンテナ１２を書棚１１
ａ，１１ｂ上で複数個選定しておき、それらのコンテナ
１２を順次ステーションに取り出して図書３０を返却す
るようにすれば、返却作業に要する時間の短縮を図るこ
とが可能となる。

【０１２２】その後、中央処理装置３９は、ステップＳ
５４で、現在返却作業を行なっている寸法の図書３０に
対して、全ての返却が完了したか否かを判別し、完了し
ていない場合（ＮＯ）、ステップＳ５１の処理に戻され
る。

【０１２３】また、現在返却作業を行なっている寸法の
図書３０に対して、全ての返却が完了したと判断された
場合（ＹＥＳ）、図書館員は、ステップＳ５５で、返却
が要求された全ての寸法の図書３０に対して返却が完了
したか否かを判別し、完了していない場合（ＮＯ）、ス
テップＳ５０の処理に戻され、返却が完了した場合（Ｙ
ＥＳ）、終了（ステップＳ５６）される。

【０１２４】一方、上記ステップＳ５２で、基準充填率
Ａよりも低い図書充填率Ｂのコンテナ１２が手前側に存
在しないと判断された場合（ＮＯ）、中央処理装置３９
は、ステップＳ５７で、同じ寸法の返却図書３０を収容
するコンテナ１２のうち、書棚１１ａ，１１ｂ上でスタ
ッカークレーン１３から見て奥側に位置するコンテナ１
２の中で、最も図書充填率の低いコンテナ１２を検索
し、以後、ステップＳ５３の処理に移行される。

【０１２５】上記した実施の形態によれば、書庫に設置
された書棚１１ａ，１１ｂの、コンテナ１２を出し入れ
するための間口に対して、奥行き方向に２つのコンテナ
１２を収容するようにし、その手前側に収容されている
コンテナ１２に対して基準充填率Ａを設定する。

【０１２６】そして、図書３０の返却時に、まず、手前
側のコンテナ１２から基準充填率Ａよりも図書充填率の
低い、つまり、空きの多いコンテナ１２を検索して図書
３０の返却に供させるようにし、手前側に基準充填率Ａ
よりも図書充填率の低いコンテナ１２がない場合に、奥
側のコンテナ１２から最も図書充填率の低いコンテナ１
２を検索して図書３０の返却に供させるようにしてい
る。

【０１２７】このため、書庫内における図書３０の収容
効率の向上を図ることができるとともに、特に、図書３
０の返却時に、書棚１１ａ，１１ｂから取り出すコンテ
ナ１２を効率的に選定することができるようになる。

【０１２８】また、基準充填率Ａは、図書館員が任意に
設定することができ、例えば高く設定すると手前側のコ
ンテナ１２に図書３０が返却される確立が高くなり、逆
に低く設定すると奥側のコンテナ１２に図書３０が返却
される確立が高くなるというように、設定値に応じて手
前側のコンテナ１２と奥側のコンテナ１２との稼働率を
制御することができるようになる。このため、図書３０
の返却状況に応じた対応が可能となるので、このような
点でも、図書返却の作業能率を効果的に向上させること
ができるようになる。

【０１２９】さらに、先に図１８で説明したように、コ
ンテナ１２の書棚１１ａへの返却動作において、コンテ
ナ１２はスタッカークレーン１３に対して常に手前側と
なる位置に返却され、同じコンテナ受け１１ａ１に対し
て２つのコンテナ１２が入庫される際には、後から入庫
されるコンテナ１２によって、先に入庫されているコン
テナ１２が奥側に押し込まれることになる。

【０１３０】すなわち、手前側及び奥側のいずれから取
り出したコンテナ１２であっても、入庫される際には必
ず手前側となるので、このような動作をも考慮して基準
充填率Ａを設定するようにすれば、図書返却の作業能率
をより一層向上させることが可能となる。

【０１３１】なお、この発明は上記した実施の形態に限
定されるものではなく、この外その要旨を逸脱しない範
囲で種々変形して実施することができる。

【０１３２】

【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
書庫内における図書の収容効率の向上を図るとともに、
取り出しに時間のかかる奥側のコンテナを取り出す可能
性を減らすために、図書をできる限り手前側のコンテナ
に集中させることにより作業能率を効果的に向上させ得
る極めて良好な図書保管管理装置を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る図書保管管理装置の実施の形態
を示すもので、図書の自動入出庫システムの全体的な構
成を説明するために示す斜視図。

【図２】同自動入出庫システムにおけるコンテナの詳細
な構成を説明するために示す斜視図。

【図３】同自動入出庫システムにおける１階ステーショ
ンの詳細な構成を説明するために示す斜視図。

【図４】同自動入出庫システムにおける書棚へのコンテ
ナの収容形態を説明するために示す正面図。

【図５】同自動入出庫システムにおける書棚とスタッカ
ークレーンとの関係を説明するために示す平面図。

【図６】同自動入出庫システムにおけるスタッカークレ
ーンの回転荷台の詳細な構成を説明するために示す図。

【図７】同自動入出庫システムにおける回転荷台上に設
置された移載装置を説明するために示す図。

【図８】同自動入出庫システムにおける移載装置の詳細
な構成を説明するために示す斜視図。

【図９】同自動入出庫システムにおける移載装置による
コンテナの移載動作を説明するために示す図。

【図１０】同自動入出庫システムにおけるコンテナ内の
図書充填率の検出手段を説明するために示す斜視図。

【図１１】同自動入出庫システムにおけるコンテナの大
きさに対応した書棚の分類を説明するために示す図。

【図１２】同自動入出庫システムにおける書棚に収容さ
れるコンテナの大きさを説明するために示す斜視図。

【図１３】同自動入出庫システムにおける制御システム
を説明するために示すブロック構成図。

【図１４】同自動入出庫システムにおける制御システム
の統括制御盤の詳細を説明するために示すブロック構成
図。

【図１５】同自動入出庫システムにおける図書の返却動
作を説明するために示すフローチャート。

【図１６】同自動入出庫システムにおける図書の取り出
し動作を説明するために示すフローチャート。

【図１７】同自動入出庫システムにおけるスタッカーク
レーンのコンテナ取り出し動作を説明するために示すフ
ローチャート。

【図１８】同自動入出庫システムにおけるスタッカーク
レーンのコンテナ返却動作を説明するために示すフロー
チャート。

【図１９】同自動入出庫システムにおける図書返却時に
取り出すべき空きコンテナを検索する動作を説明するた
めに示すフローチャート。

【符号の説明】

１１…書棚群、 １２…コンテナ、 １３…スタッカークレーン、 １４…出庫用ラックステーション、 １５…搬送コンベア、 １６…コンテナ搬出口、 １７…１階向コンテナ搬入口、 １８…２階向コンテナ搬入口、 １９…搬送コンベア、 ２０…１階ステーション、 ２１…搬送コンベア、 ２２…２階ステーション、 ２３…搬送コンベア、 ２４…１階向コンテナ搬出口、 ２５…搬送コンベア、 ２６…２階向コンテナ搬出口、 ２７…コンテナ搬入口、 ２８…搬送コンベア、 ２９…入庫用ラックステーション、 ３０…図書、 ３１…カウンター台、 ３２…表示装置、 ３３…バーコードリーダ、 ３４…移載装置、 ３５…伸縮機構、 ３６…フック、 ３７…バーコードリーダ、 ３８…枠体。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 収容する図書の寸法別に用意された複数
   のコンテナと、 この複数のコンテナを、収容している図書の寸法別に分
   類して収容する複数の棚領域を有し、該複数の棚領域に
   は、それぞれ前記コンテナを出し入れする間口に対して
   奥行き方向に少なくとも２つのコンテナが収容される書
   庫と、 前記複数のコンテナの前記書庫内における収容位置と、
   各コンテナに収容された複数の図書の各図書コードと、
   各コンテナの図書充填率とを記憶する記憶手段と、 取り出しが要求された図書の図書コードを入力すること
   により、前記記憶手段の記憶内容に基づいて、該要求図
   書が収容されているコンテナを前記書庫から取り出して
   ステーションに搬送するとともに、返却が要求された図
   書の寸法情報を入力することにより、前記記憶手段の記
   憶内容に基づいて、該返却図書の寸法に対応する複数の
   前記コンテナの中から空きのあるコンテナを前記書庫か
   ら取り出して前記ステーションに搬送する搬送手段と、 この搬送手段により前記ステーションに搬送されて、前
   記要求図書が取り出されたコンテナまたは前記返却図書
   が返却されたコンテナに対して、前記記憶手段の記憶内
   容を更新する更新手段とを備えた図書保管管理装置にお
   いて、 前記書庫の各棚領域に収容されたコンテナのうち、該棚
   領域の間口に対して手前側に位置するコンテナに対し
   て、外部操作によって基準充填率を入力設定する入力手
   段と、 返却が要求された図書の寸法情報を入力することによ
   り、該返却図書の寸法に対応するコンテナが収容されて
   いる棚領域から、その間口に対して手前側に位置する複
   数のコンテナのうち、最も図書充填率の低いコンテナを
   検索し、この検索されたコンテナの図書充填率が、前記
   入力手段で入力設定された基準充填率よりも実質的に低
   い状態で、前記検索されたコンテナを前記搬送手段によ
   って前記ステーションに取り出すように制御するととも
   に、前記検索されたコンテナの図書充填率が、前記入力
   手段で入力設定された図書充填率よりも実質的に高い状
   態で、前記返却図書の寸法に対応するコンテナが収容さ
   れている棚領域から、その間口に対して奥側に位置する
   複数のコンテナのうち、最も図書充填率の低いコンテナ
   を検索して前記搬送手段によって前記ステーションに取
   り出すように制御する制御手段とを具備してなることを
   特徴とする図書保管管理装置。
2. 【請求項２】 前記入力手段は、前記書庫の各棚領域に
   収容されたコンテナのうち、該棚領域の間口に対して手
   前側に位置する全てのコンテナに対して、外部操作によ
   って基準充填率を一律に入力設定可能であることを特徴
   とする請求項１記載の図書保管管理装置。
3. 【請求項３】 前記入力手段は、前記書庫の各棚領域に
   収容されたコンテナのうち、該棚領域の間口に対して手
   前側に位置するコンテナに対し、収容している図書の寸
   法別に分類されるコンテナ毎にそれぞれ、外部操作によ
   って基準充填率を入力設定可能であることを特徴とする
   請求項１記載の図書保管管理装置。