JP3436200B2 - エアバッグ装置用内装部材の製造方法 - Google Patents

エアバッグ装置用内装部材の製造方法

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JP3436200B2
JP3436200B2 JP26374399A JP26374399A JP3436200B2 JP 3436200 B2 JP3436200 B2 JP 3436200B2 JP 26374399 A JP26374399 A JP 26374399A JP 26374399 A JP26374399 A JP 26374399A JP 3436200 B2 JP3436200 B2 JP 3436200B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の車内の前
部に配置されるインストルメントパネル、車内側のドア
トリム、シートバック等の自動車の内装部材の製造方法
に関し、特に、内装部材の一部に、エアバッグ装置の折
り畳まれたエアバッグを覆い、エアバッグの膨張時に開
く扉部を配置させているエアバッグ装置用内装部材の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の内装部材では、特開平5
−162603号公報に記載されているインストルメン
トパネル(以下、インパネと略す)が知られており、そ
の構成は、インパネ本体と、折り畳まれたエアバッグを
覆う位置に配置される扉部と、扉部の周囲に配置されて
エアバッグの膨張時に破断する破断予定部と、破断予定
部の破断時に扉部とインパネ本体とを連結して扉部の回
転中心部位となるヒンジ部と、を備えて構成され、イン
パネ本体・扉部・破断予定部・及びヒンジ部がフィラー
入りのポリプロピレン等の同一の材質から形成されてい
た。
【0003】このようなインパネでは、インパネ本体と
しては、耐候性・耐熱性・剛性(形状保持性)・耐衝撃
性を確保する必要がある。
【0004】一方、エアバッグの膨張時に破断する破断
予定部としては、破片を生じさせない破断し易さが必要
となり、扉部とインパネ本体とを連結するヒンジ部とし
ては、展開性(扉部の開き易さ)等の性質が必要とな
る。
【0005】しかし、剛性と、上記破断し易さや展開性
とは、相反する性質となるため、両者の性質を満足する
材質の選定が、副資材やそれらの混合量等の設定も含め
て、難しかった。
【0006】また、扉部を保持するヒンジ部、あるい
は、扉部を開かせるための扉部の周囲に配置される破断
予定部、の肉厚の管理も厳格なものが要求されることと
なっていた。
【0007】そのため、これらの作業の困難性を低減す
るために、剛性を確保し易い合成樹脂材料を選定し、ヒ
ンジ部の展開性を確保するために、ヒンジ部を薄肉にす
るとともにアラミド繊維等からなる強靭で可撓性を有し
たネット等の補強材を配設させて、解決することとなっ
ていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような補
強材を利用する場合には、インパネを成形する際、作業
者が手作業でいちいち可撓性を有した補強材を成形型の
所定位置にセットする必要が生じ、インパネ等の内装部
材の製造に手間がかかることとなっていた。
【0009】本発明は、上述の課題を解決するものであ
り、内装部材に必要な剛性とエアバッグの膨張時の扉部
の開き易さとを確保して、容易に製造することができる
エアバッグ装置用内装部材の製造方法を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る製造方法
は、エアバッグ装置用内装部材が、本体と、該本体に周
囲を囲まれ、かつ、前記本体につらなって、エアバッグ
装置の折り畳まれたエアバッグを覆う蓋部と、を備えて
構成され、前記蓋部が、折り畳まれた前記エアバッグを
覆う扉部と、該扉部の周囲を凹ませて前記エアバッグの
膨張時に破断する薄肉の破断予定部と、該破断予定部の
破断時に前記扉部の回転中心部位となるヒンジ部と、を
備えて構成されるエアバッグ装置用内装部材の製造方法
であって、前記本体を、硬質合成樹脂から射出成形によ
って形成し、前記本体の成形後前記蓋部を、前記本体
の硬質合成樹脂と相溶性を有する熱可塑性エラストマー
から、射出成形によって、形成する構成とするととも
に、 前記本体を射出成形する成形型を、スライドコアを
設けて構成し、 前記スライドコアとともに前記成形型を
型締めして前記本体を射出成形し、前記本体の射出成形
後、前記スライドコアを後退させて、後退させて生じた
スペースを使用して、前記蓋部を射出成形して形成する
ことを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】本発明に係る内装部材の製造方法では、
内装部材が、本体と、本体に周囲を囲まれ、かつ、本体
につらなって、エアバッグ装置の折り畳まれたエアバッ
グを覆う蓋部と、を備えて構成され、本体が、硬質合成
樹脂製として、蓋部が、本体の硬質合成樹脂と相溶性を
有する熱可塑性エラストマーから形成されている。
【0012】すなわち、内装部材本体が、硬質合成樹脂
製であるため、剛性を確保し易く、また、蓋部が、熱可
塑性エラストマー製であるため、本体より弾力性を有
し、ヒンジ部の展開性を確保し易い。そして、蓋部の破
断予定部は、蓋部を凹ませて薄肉として形成しているた
め、支障無く破断させることができる。
【0013】なお、破断予定部を形成するための凹部
は、蓋部の成形後、超音波ウエルダ等で形成したり、蓋
部の成形時に成形型の凸形状で形成する。
【0014】そしてまた、内装部材の製造時には、本体
を成形した後に蓋部を成形する2色成形で済み、従来の
可撓性を有した補強材を所定位置にセットして製造する
方法に比べ、本体が剛性を有していることから、蓋部の
成形時に所定位置に配置させる作業を手作業で行なわな
くとも、自動化し易く、容易に製造することが可能とな
る。
【0015】したがって、本発明に係るエアバッグ装置
用内装部材の製造方法では、内装部材に必要な剛性とエ
アバッグの膨張時の扉部の開き易さとを確保して、容易
に製造することができる。
【0016】そして、本体と蓋部との表面側に、連続す
る表皮層を配設すれば、内装部材の外観意匠を良好にす
ることができる。
【0017】なお、上記表皮層には、その裏面側におけ
る破断予定部の配置位置に、凹部を形成しておけば、破
断予定部を破断させて扉部を開かせる際、応力集中を生
じさせて表皮層を円滑に破断させることができ、扉部の
展開を良好にさせることができる。
【0018】さらに、蓋部の裏面側の外周縁に、エアバ
ッグ装置と連結されるブラケットを突設させておき、そ
のブラケットをエアバッグ装置と連結させれば、扉部と
エアバッグ装置との位置決めが容易に行なえることとな
り、エアバッグの膨張時に、適確に扉部を開かせること
とができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0020】第1実施形態の内装部材は、図1〜3に示
すように、インパネ10であり、本体11と、本体11
に周囲を囲まれ、かつ、本体11と表面側を面一とする
ようにつらなって、エアバッグ装置1の折り畳まれたエ
アバッグ2を覆う蓋部12と、を備えて構成されてい
る。
【0021】エアバッグ装置1について説明すると、エ
アバッグ装置1は、折り畳まれて収納される袋状のエア
バッグ2と、エアバッグ2に膨張用のガスを供給するシ
リンダタイプのインフレーター3と、インフレーター3
からのガスを拡散させてエアバッグ2内に流入させる筒
状のディフューザー4と、エアバッグ2・インフレータ
ー3・ディフューザー4の周囲を覆う箱形状のケース5
と、を備えて構成されている。
【0022】なお、4aは、インフレーター3からのガ
スをエアバッグ2内へ拡散させて流入させるガス流通孔
であり、4bは、ディフューザー4から複数突設される
ボルトであり、これらのボルト4bは、ナット6止めす
ることにより、ケース5、エアバッグ2、ディフューザ
ー4を一体化するとともに、車両のフレームから突設さ
れるブラケット7にエアバッグ装置1を取付固定するも
のである。
【0023】また、ケース5は、側壁部位が、インナー
パネル5aとアウターパネル5bとの二重構造として構
成され、アウターパネル5bには、切り起こされてイン
ナーパネル5a側に延びる所定数の爪5cが形成されて
いる。これらの爪5cは、後述するブラケット16を係
止するものである。
【0024】蓋部12には、折り畳まれたエアバッグ2
を覆う扉部13と、扉部13の周囲の裏面側を凹ませて
エアバッグ2の膨張時に破断する薄肉の破断予定部14
と、破断予定部14の破断時に扉部13と本体11とを
連結して扉部13の回転中心部位となるヒンジ部15
と、を備えて構成されている。
【0025】破断予定部14は、実施形態の場合、上方
から見て、U字形に形成され、「U」の字の上端の間の
部位に、ヒンジ部15が配設される構成としている。な
お、破断予定部14を形成する凹部14aは、連続的に
形成しても断続的に形成しても良い。
【0026】また、実施形態のインパネ10には、蓋部
12の裏面側の外周縁に、四角筒形状に延びるブラケッ
ト16が突設され、ブラケット16には、エアバッグ装
置1のケース5におけるアウターパネル5bの爪5cを
挿入係止させる取付孔16aが形成されている。
【0027】そして、インパネ本体11は、フィラー入
りのポリプロピレン(PPF)から形成され、蓋部12
は、PPFと相溶性のあるオレフィン系熱可塑性エラス
トマー(TPO)から形成されている。なお、この蓋部
12は、PPFと相溶性のあるスチレン系熱可塑性エラ
ストマー(SBC)から形成しても良い。SBCとして
は、スチレン・エチレン・ブチレン・ブロックコポリマ
ー(SEBS)、スチレン・イソプレン・ブロックコポ
リマー(SIS)、スチレン・ブタジエン・ブロックコ
ポリマー(SBS)、スチレン・エチレン・プロピレン
・ブロックコポリマー(SEPS)がある。
【0028】インパネ本体11としての機械的性質とし
ては、剛性を確保するため、曲げ弾性率を2000MPa
以上とするものを使用する。
【0029】また、蓋部12の機械的性質としては、破
断予定部14として、破片を生じさせない破断し易さが
必要となり、ヒンジ部15として、展開性(扉部の開き
易さ)が必要となるため、引張破断応力を50〜100
Kgf/cm2 の範囲のものを使用する。
【0030】さらに、実施形態のインパネ10には、イ
ンパネ本体11と蓋部12との表面側に、意匠性を高め
るために、表皮層17が配設されている。この表皮層1
7は、表面側に配置されて感触の良好な軟質塩化ビニル
から形成されるスキン層17aと、スキン層17aの裏
面側に配置されて発泡ポリプロピレンからなる発泡層1
7bと、発泡層17bの裏面側に配置されてポリプロピ
レンやオレフィン系熱可塑性エラストマーからなるバリ
ア層17cと、から構成されている。バリア層17c
は、本体11や蓋部12を射出成形で形成する場合の、
その射出材料の圧力や熱から、発泡層17bを保護する
ために設けられるものである。そして、この表皮層17
自体は、予め三層構造のシート状として形成されてい
る。
【0031】なお、表皮層17の厚さは、0.8〜6.
2mmとして、スキン層17aの厚さが0.4〜0.7m
m、発泡層17bの厚さが0〜4.0mm、バリア層17
cの厚さが0.4〜1.5mm、としている。また、蓋部
12の近傍のインパネ本体11の厚さは、3.5mm、蓋
部12の扉部13やヒンジ部15の厚さは、3.5mmと
している。
【0032】第1実施形態のインパネ10の製造につい
て述べると、図4に示すように、まず、予め真空成形に
より所定形状に賦形しておいた表皮層17を成形型18
の割型18aにセットした後(図4の上段参照)、型締
めして、インパネ本体11を射出成形で形成する(図4
の中段参照)。なお、この成形型18は、本体11と蓋
部12とを成形可能な2段スライドコア仕様の射出成形
型であり、割型18a・18bとを備えるとともに、割
型18bには、蓋部12を成形可能な四角筒形状のスラ
イドコア18cと四角柱形状のスライドコア18dとが
配設されている。そして、本体11の成形時には、割型
18b内に配置された四角筒形状のスライドコア18c
と四角柱形状のスライドコア18dとを表皮層17に押
し付けておく。
【0033】インパネ本体11を成形したならばスラ
イドコア18cを大きく戻すように下げて後退させると
ともに、スライドコア18dを少し下げて後退させ、ス
ライドコア18c・18dを後退させて生じたスペース
を使用して、ブラケット16を備えた蓋部12(この成
形時には、破断予定部14の凹部14aや取付孔16a
は形成されていない)を射出成形により形成する(図4
の下段参照)。
【0034】そして、蓋部12が固化すれば、型開きさ
せて離型させ、破断予定部14の凹部14aと取付孔1
6aとを超音波ウエルダ等で形成すれば、インパネ10
を製造することができる。なお、破断予定部14の凹部
14aを形成する際には、表皮層17にも、破断予定部
14の配置位置に、連続的若しくは断続的に凹部17d
を形成しておく。
【0035】このように製造したインパネ10は、車両
に装着した後、エアバッグ装置1と連結させる際には、
各ボルト4bを利用して一体化したエアバッグ装置1の
ケース5におけるインナーパネル5aとアウターパネル
5bとの間にブラケット16を挿入して、各爪5cを取
付孔16aに挿入係止させ、インパネ10とエアバッグ
装置1とを連結させるとともに、ブラケット7を各ボル
ト4bにナット6止めし、ブラケット7の他端を図示し
ないフレームに固定させれば、インパネ10と連結させ
てエアバッグ装置1を車両に装着することができる。な
お、インパネ10には、車両に装着する際、所定の計器
等を配設させることとなる。
【0036】そして、所定時、インフレーター3からガ
スが吐出されれば、そのガスがディフューザー4のガス
流通孔4aを経てエアバッグ2内に流入され、エアバッ
グ2は、破断予定部14と表皮層17の凹部17dの部
位とを破断させて、ヒンジ部15を回転中心として扉部
13を開かせ、大きく膨張することとなる。
【0037】以上のように、この第1実施形態のインパ
ネ10では、インパネ本体10が、硬質合成樹脂製であ
るため、剛性を確保し易く、また、蓋部12が、熱可塑
性エラストマー製であるため、本体11より弾力性を有
し、ヒンジ部15の展開性を確保し易い。そして、蓋部
12の破断予定部14は、蓋部12の裏面側を凹ませて
薄肉として形成しているため、支障無く破断させること
ができる。また、本体11と蓋部12とは、蓋部12が
本体11と相溶性を有した材質から形成されているた
め、接合力が高く、剥れ等は生じない。
【0038】そしてまた、インパネ10の製造時には、
本体11を成形した後に蓋部12を成形する2色成形で
済み、従来の可撓性を有した補強材を所定位置にセット
して製造する方法に比べ、本体11が剛性を有している
ことから、蓋部12の成形時に所定位置に配置させる作
業を手作業で行なわなくとも、2段スライドコア仕様の
成形型18を使用して、自動化して成形できることか
ら、容易に製造することが可能となる。
【0039】なお、実施形態の成形型18を使用するこ
となく、本体11を成形した後、蓋部12を成形する成
形型に本体11をセットしてインサート成形してインパ
ネ10を製造しても良く、その場合でも、本体11が剛
性を有しているため、容易にロボット等で本体11を把
持して移送できるため、容易に製造できる効果を得るこ
とができる。
【0040】したがって、第1実施形態のインパネ10
では、インパネ本体11に必要な剛性とエアバッグ2の
膨張時の扉部13の開き易さとを確保して、容易に製造
することができる。
【0041】さらに、第1実施形態のインパネ10で
は、本体11と蓋部12との表面側に、連続する表皮層
17が配設されているため、外観意匠を良好にすること
ができる。そして、表皮層17には、その裏面側におけ
る破断予定部14の配置位置に、凹部17dが形成され
ているため、破断予定部14を破断させて扉部13を開
かせる際、凹部17dの部位に応力集中を生じさせて表
皮層17を円滑に破断させることができ、扉部13の展
開を良好にさせることができる。
【0042】さらにまた、第1実施形態のインパネ10
では、蓋部12の裏面側の外周縁に、エアバッグ装置1
と連結されるブラケット16が突設されているため、ブ
ラケット16を利用して、インパネ10とエアバッグ装
置1と連結させれば、扉部13とエアバッグ装置1との
位置決めが容易に行なえることとなり、エアバッグ2の
膨張時に、適確に扉部13を開かせることとができる。
【0043】図5・6に示す第2実施形態のインパネ2
0は、表皮層17を設けない点を除いて、第1実施形態
と同様に、本体21がPPFから形成され、蓋部12が
TPOから形成されており、表皮層17を設けた効果を
除いて、第1実施形態と同様な効果を得ることができ
る。
【0044】そして、表皮層17を設けていないが、第
2実施形態のインパネ20では、本体21と蓋部22と
が表面側を面一とするようにつらなって形成されるとと
もに、蓋部22の材料が本体21の材料と相溶性を有し
ており、さらに、破断予定部24が、裏面側を凹ませて
形成されているだけであるため、本体21と蓋部22と
の境界の表面側に切れ目や分れ目等が発生せず、外観を
良好にすることができる。
【0045】また、第2実施形態のインパネ20では、
蓋部22に設ける破断予定部24が、上方から見て
「H」字形状に形成されており、エアバッグ2の膨張時
に開く扉部23を2つとしており、このように構成して
も良い。ちなみに、各扉部23のヒンジ部25は、破断
予定部24の端部に設けられることとなる。
【0046】なお、このインパネ20の成形に使用する
成形型28は、図7に示すように、割型28a・28b
を備えて、割型28bに、蓋部22を成形するための四
角筒形状のスライドコア28cと、略四角柱形状のスラ
イドコア28dと、スライドコア28d内に配設されて
破断予定部24の裏面側の凹部24aを形成するスライ
ドコア28eと、を備えて構成されている。
【0047】そして、成形時には、スライドコア28c
・28dの先端を割型28aに当接させるようにして、
型締めし、本体21を成形する(図7の上段参照)。
【0048】ついでスライドコア28cを大きく戻す
ように下げて後退させるとともに、スライドコア28d
を少し下げて後退させ、さらに、スライドコア28eを
スライドコア28dから突出させて、スライドコア28
c・28dを後退させて生じたスペースを使用して、ブ
ラケット26を備えた蓋部22を成形し(図7の下段参
照)、蓋部22が固化すれば、型開きさせて離型させ、
ブラケット26の取付孔26aを超音波ウエルダ等で形
成すれば、インパネ20を簡単に製造することができ
る。
【0049】さらに、第2実施形態のインパネ20で
は、ブラケット26をエアバッグ装置1のケース5と連
結させる手段として、両者の取付孔5d・26aを挿通
させるリベット27を利用しており、このように、リベ
ット27や他のボルト・ナットを利用して、ブラケット
26をケース5と連結させるようにしても良い。
【0050】さらにまた、第1・2実施形態のインパネ
10・20では、エアバッグ装置1と連結させるため
に、四角筒形状のブラケット16・26を設けたものを
示したが、これらのブラケット16・26は、エアバッ
グ装置1のエアバッグ2の周囲を囲むケース5に連結さ
れれば、筒形状に形成する必要はなく、単に、板状のブ
ラケットとして、ケース5に連結させても良い。
【0051】そして、エアバッグ装置1を蓋部12・2
2の裏面側に精度良く配置できれば、ブラケット16・
26は不要となり、図8〜10に示す第3・4・5実施
形態のインパネ30・40・50のように構成しても良
い。
【0052】図8に示す第3実施形態のインパネ30
は、本体31がPPFから形成され、2つの扉部33・
上方から見て「H」字形状に配設される破断予定部34
・ヒンジ部35を備えた蓋部32が、SEBSから形成
されて、本体31と蓋部32との表面側に表皮層17が
配設されて構成されており、ブラケット16の無い点を
除いて、第1実施形態のインパネ10と同様な効果を奏
する。
【0053】図9に示す第4実施形態のインパネ40
は、本体41がPPFから形成され、2つの扉部43・
上方から見て「H」字形状に配設される破断予定部44
・ヒンジ部45を備えた蓋部42が、TPOから形成さ
れて、本体41と蓋部42との表面側に軟質塩化ビニル
製の表皮層47が配設されて構成されており、ブラケッ
ト16の無い点と、表皮層47に発泡層が配設されてお
らず、ソフトな感触が若干低下する点を除いて、第1実
施形態のインパネ10と同様な効果を奏する。
【0054】図10に示す第5実施形態のインパネ50
は、本体51がPPFから形成され、2つの扉部53・
上方から見て「H」字形状に配設される破断予定部54
・ヒンジ部55を備えた蓋部52が、TPOから形成さ
れて構成されており、ブラケット26の無い点を除い
て、第2実施形態のインパネ20と同様な効果を奏す
る。
【0055】なお、第1〜5実施形態では、インパネ1
0・20・30・40・50について説明したが、勿
論、本発明は、インパネ以外のエアバッグ装置のエアバ
ッグを覆うように配設されるドアトリム・シートバック
等の自動車内装部材に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の使用態様を示す断面図
である。
【図2】同実施形態の斜視図である。
【図3】同実施形態とエアバッグ装置との連結構造を示
す斜視図である。
【図4】同実施形態の成形工程を示す断面図である。
【図5】第2実施形態の使用態様を示す断面図である。
【図6】同実施形態の斜視図である。
【図7】同実施形態の成形工程を示す断面図である。
【図8】第3実施形態の使用態様を示す断面図である。
【図9】第4実施形態の使用態様を示す断面図である。
【図10】第5実施形態の使用態様を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…エアバッグ装置、 2…エアバッグ、 10・20・30・40・50…(内装部材)インパ
ネ、 11・21・31・41・51…本体、 12・22・32・42・52…蓋部、 13・23・33・43・53…扉部、 14・24・34・44・54…破断予定部、 14a・24a…凹部、 15・25・35・45・55…ヒンジ部、 16・26…ブラケット、 17・27…表皮層、 17d…凹部、 18・28…成形型、 18c・18d・28c・28d…スライドコア。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永野 昭義 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 藤井 哲也 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 奥村 勝廣 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 堀内 範之 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 笹島 宗昭 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 片桐 勝広 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 堀場 幸彦 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−156175(JP,A) 特開 平7−52741(JP,A) 特開 平9−2187(JP,A) 特開 平8−192666(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/20 B60K 37/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアバッグ装置用内装部材が、本体と、
    該本体に周囲を囲まれ、かつ、前記本体につらなって、
    エアバッグ装置の折り畳まれたエアバッグを覆う蓋部
    と、を備えて構成され、 前記蓋部が、折り畳まれた前記エアバッグを覆う扉部
    と、該扉部の周囲を凹ませて前記エアバッグの膨張時に
    破断する薄肉の破断予定部と、該破断予定部の破断時に
    前記扉部の回転中心部位となるヒンジ部と、を備えて構
    成されるエアバッグ装置用内装部材の製造方法であっ
    て、 前記本体を、硬質合成樹脂から射出成形によって形成
    し、前記本体の成形後前記蓋部を、前記本体の硬質合
    成樹脂と相溶性を有する熱可塑性エラストマーから、射
    出成形によって、形成する構成とするとともに、 前記本体を射出成形する成形型を、スライドコアを設け
    て構成し、 前記スライドコアとともに前記成形型を型締めして前記
    本体を射出成形し、前記本体の射出成形後、前記スライ
    ドコアを後退させて、後退させて生じたスペースを使用
    して、前記蓋部を射出成形して 形成することを特徴とす
    るエアバッグ装置用内装部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記蓋部が前記エアバッグ装置と連結さ
    れるブラケットを備えて構成され、 該ブラケットを、前記蓋部の射出成形時に同時に射出成
    形して形成することを特徴とする請求項1に記載のエア
    バッグ装置用内装部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記内装部材が、前記本体と前記蓋部と
    の表面側に、連続する表皮層を配設させて構成され、 前記表皮層を、前記本体の射出成形前に、前記本体を射
    出成形する成形型にセットし、セット後、型締めして前
    記本体を射出成形し、前記本体の射出成形後、前記蓋部
    を射出成形して形成することを特徴とする請求項1乃至
    請求項のいずれかに記載のエアバッグ装置用内装部材
    の製造方法。
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