JP3436019B2 - ワイヤ放電加工装置 - Google Patents

ワイヤ放電加工装置

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JP3436019B2
JP3436019B2 JP27238096A JP27238096A JP3436019B2 JP 3436019 B2 JP3436019 B2 JP 3436019B2 JP 27238096 A JP27238096 A JP 27238096A JP 27238096 A JP27238096 A JP 27238096A JP 3436019 B2 JP3436019 B2 JP 3436019B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工液を介して対
向させた被加工物と電極との間に電圧を印加して被加工
物の加工を行うワイヤ放電加工装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ワイヤ放電加工方法は、加工液を介して
電極であるワイヤと被加工物とを対向させ、両者の間
(以下、極間という。)に電圧を印加して放電させ、発
生する放電エネルギを利用して被加工物を加工する方法
であり、通常、電源として直流電源を使用し、被加工物
を正極、電極を負極として加工をする。しかし、直流で
加工をする場合、極間電圧の平均値がゼロではなく、極
性を持つため、加工液を介して電解電流が流れ、被加工
物表面が軟質化する。この問題点を解決し、さらに主放
電電流波形をピーク電流値が高く、パルス幅が狭い高電
流密度の波形にすることにより加工効率を向上させたワ
イヤ放電加工装置が特公平4−8165号公報に開示さ
れている。これを、図8,9により説明する。
【0003】図8は従来のワイヤ放電加工装置の回路構
成図である。この図で、1は電極、2は被加工物であ
る。3は第1のスイッチで、半導体のスイッチング素子
で構成され、一方の端子は出力電圧E1が200〜30
0Vの第1の直流電源4の負極に、他方の端子は通電チ
ップ5を介して電極1に接続されている。第1の直流電
源4の正極は被加工物2に接続されている。6はサージ
電圧吸収回路で、正極側はダイオード7のカソードに、
負極側は被加工物2に接続され、ダイオード7と被加工
物2間の電圧を50〜100Vに維持する。そして、電
極1、第1のスイッチ3、第1の直流電源4、および被
加工物2で主放電回路を構成している。
【0004】8は第2のスイッチで、半導体のスイッチ
ング素子で構成され、一方の端子は出力電圧E2が70
〜150Vの第2の直流電源9の負極に、他方の端子は
減流用の抵抗器10の一方の端子に接続されている。ま
た、第2の直流電源9の正極は放電開始(絶縁破壊)を
検出するための電流検出器11を介して電極1に接続さ
れている。そして、電極1、第2の直流電源9、第2の
スイッチ8、抵抗器10および被加工物2で絶縁破壊用
放電回路を構成している。12はコンデンサで、一方の
端子は抵抗器10の他方の端子に、他方の端子は第2の
直流電源9の正極に接続されている。ここで、コンデン
サ12の容量は、第2の直流電源9の通電路のインダク
タンス13および抵抗14とで振動条件を満たす値に設
定されている。15は制御回路で、電流検出器11の出
力信号を処理すると共に、第1のスイッチ3および第2
のスイッチ8を駆動する駆動回路16、17にオン・オ
フ信号を出力する。なお、被加工物が正極、電極が負極
になる極性を正極性と呼び、被加工物が負極、電極が正
極になる極性を負極性と呼ぶことにする。
【0005】以下、図8に示す回路の動作を図9を参照
して説明する。図9は加工時の極間電圧と極間電流の波
形および各スイッチの駆動信号を示す図であろ。図9の
(a)は極間電圧を、(b)は極間電流を、(c)は第
2のスイッチ8のオン・オフ信号を、(d)は第1のス
イッチ3のオン・オフ信号を示している。いま、第1の
スイッチ3をオフにした状態で、第2のスイッチ8をオ
ンする(時刻T1)と、極間には第2の直流電源9によ
り電圧−E2が印加され、コンデンサ12の充電が開始
される。両極1、2間に放電が発生すると(時刻T
2)、極間に放電電流が流れ、極間の電圧は上昇する。
また、上記放電が発生すると同時にコンデンサ12、イ
ンダクタンス13および抵抗14で構成されるいわゆる
RLC回路の振動電流が上記放電電流に重畳される。電
流検出器11は極間に流れる電流を検出すると、検出信
号を制御回路15に出力する。すると、制御回路15は
先ず第2のスイッチ8をオフし(時刻T3)、放電発生
から時間t1が経過して振動電流の流れる方向が被加工
物2から電極1に向かう方向になったことを検出してス
イッチ3をオンする(時刻T4)。これにより、上記振
動電流に第1の直流電源4から極性が同一の電流が重畳
され、加工が行われる。制御回路15はスイッチ3のオ
ンから時間t2経過後スイッチ3をオフする(時刻T
5)。なお、スイッチ3をオフした後も通電路のインダ
クタンスに蓄えられた電磁エネルギが消費されるまで放
電が継続する。そして、スイッチ3をオフしてから時間
t3経過後、制御回路15は再び第2のスイッチ8をオ
ンし、以後、上記の動作を加工が終了するまでくり返
す。
【0006】上記構成および動作では、時刻T1から上
記振動電流が上昇に転じるまでの間、極間電圧は負極性
であるから、被加工物2が電解されることはない。ま
た、第1の直流電源4から供給される主放電電流すなわ
ち加工電流の立上りは、第1の直流電源4の電圧E1、
極間の逆起電力に相当する放電電圧Ea、主放電回路の
通電路のインダクタンス、およびスイッチ3のオン時間
t2によりほぼ決まる。また、スイッチ3をオフする
と、主放電回路の通電路のインダクタンスに蓄えられた
電磁エネルギによる放電電流がダイオード7、サージ電
圧吸収回路6を通るが、サージ電圧吸収回路6の極性が
放電電流の極性と逆であるため、放電電流は急速に立ち
下がる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術によれ
ば、電解による被加工物2表面の軟質化を防止でき、ま
た、加工電流の波形をピーク電流値が高く、パルス幅が
狭い高電流密度の波形にすることにより加工速度を向上
させることができる。しかし、極間の平均電圧が負極側
に大きく片寄ると、電極1の一部が被加工物2の表面に
付着し、被加工物2の表面品位が低下するだけでなく、
短絡や後述する持続アーク放電が発生しやすくなる。そ
して、短絡や持続アーク放電が発生すると、コンデンサ
12が充電されず、上記振動電流は流れない。このた
め、時刻T4において負極性の放電電流に正極性の大電
流を重畳することになり、第1のスイッチ3をオンした
瞬間に放電が停止して第1の直流電源4の電圧E1が極
間に印加される。このような状態が続いて起きると、放
電の発生場所が1個所に集中し、電極1が断線しやすく
なる。そして、電極1が断線すると修復に時間がかか
り、加工能率が低下した。
【0008】本発明の目的は、上記従来技術における課
題を解決し、極間の平均電圧をゼロに近付けることによ
り被加工物2の表面品質を向上させ、さらに加工を安定
にすると共に加工能率を向上させることができるワイヤ
放電加工装置を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明は、第1のスイッチと第1の直流電
源を直列に接続し、前記第1の直流電源の正極側を被加
工物に、負極側を電極に接続した主放電回路と、第2の
スイッチと第2の直流電源を直列に接続し、前記第2の
直流電源の正極側を前記電極に、負極側を前記被加工物
に接続した負極性の絶縁破壊用放電回路と、前記電極と
前記被加工物との間に接続され、容量を前記第2の直流
電源の通電路のインダクタンスおよび抵抗とで振動条件
を満たす値に設定されたコンデンサとからなり、前記負
極性の絶縁破壊用放電回路により前記コンデンサを充電
すると共に前記被加工物と前記電極間の絶縁を破壊し、
前記コンデンサに充電された電荷により前記被加工物と
前記電極間を流れる正極性の放電電流に前記主放電回路
による主放電電流を重畳するようにしたワイヤ放電加工
装置において、第3のスイッチと第3の直流電源を直列
に接続し、前記第3の直流電源の正極側を前記被加工物
に、負極側を前記電極に接続する正極性の絶縁破壊用放
電回路を設け、前記正極性および負極性の絶縁破壊用放
電回路を交互に閉じると共に、いずれの場合も前記第1
のスイッチをオンすることにより前記被加工物と前記電
極間を流れる正極性の放電電流に前記主放電回路による
主放電電流を重畳することを特徴とする。
【0010】また、請求項2の発明は、請求項1に加え
て、前記負極性の絶縁破壊用放電回路を閉じたときに前
記被加工物と前記電極間に持続アーク放電または短絡が
発生している場合、前記負極性の絶縁破壊用放電回路を
開くと共に前記正極性の絶縁破壊用放電回路を閉じ、前
記正極性の絶縁破壊用放電回路を閉じてから第1の時間
経過後に a.持続アーク放電または短絡が発生している場合は、
前記主放電回路を閉じた後、前記正極性の絶縁破壊用放
電回路を開き、前記主放電回路を閉じた時点から第2の
時間経過後に前記主放電回路を開き、前記主放電回路を
開いてから第3の時間経過後に、 b.また、持続アーク放電または短絡が発生していない
場合は前記正極性の絶縁破壊用放電回路を開いた後に、
再び負極性の絶縁破壊用放電回路を閉じることを特徴と
する。
【0011】さらに、請求項3の発明は、請求項1に加
えて、前記負極性の絶縁破壊用放電回路を閉じたときに
前記被加工物と前記電極間に短絡が発生している場合、
前記負極性の絶縁破壊用放電回路を開くと共に前記主放
電回路を閉じ、前記主放電回路を閉じてから第4の時間
経過後に前記主放電回路を開き、前記主放電回路を開い
てから第5の時間経過後に再び前記負極性の絶縁破壊用
放電回路を閉じることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態に係
るワイヤ放電加工装置の回路構成図である。この図で、
図8と同一又は同一機能のものは、同一符号を付して説
明を省略する。20は第3のスイッチで、半導体のスイ
ッチング素子で構成され、一方の端子は出力電圧E3が
100〜170Vの第3の直流電源21の負極に、他方
の端子は抵抗器22の一方の端子に接続されている。ま
た、第3の直流電源21の正極はコンデンサ12の被加
工物2側の端子に、抵抗器22の他方の端子はコンデン
サ12の電極1側の端子にそれぞれ接続されている。電
極1、抵抗器22、第3のスイッチ20、第3の直流電
源21および被加工物2で正極性の絶縁破壊用放電回路
を構成している。これに対して電極1、第2の直流電源
9、第2のスイッチ8、抵抗器10および被加工物2で
構成される絶縁破壊用放電回路を負極性の絶縁破壊用放
電回路と呼び、正極性の絶縁破壊用放電回路と区別す
る。23は第3のスイッチ20を駆動する駆動回路、2
4、25、26は電流逆流防止用のダイオードである。
27、28は信号線で、電極1と被加工物2の電圧を制
御回路15に入力する。
【0013】以下、図1に示す回路の動作を、図2,3
を参照して説明する。図2は制御回路15の制御手順を
示すフローチャート、図3は極間電圧と極間電流を示す
波形および各スイッチの駆動信号を示す図である。図3
中(a)は極間電圧を、(b)は極間電流を、(c)は
第2のスイッチ8のオン・オフ信号を、(d)は第3の
スイッチ20のオン・オフ信号を、(e)は第1のスイ
ッチ3のオン・オフ信号を、(f)はコンデンサ12に
よる振動電流を、(g)は第2のスイッチ8に流れる電
流を、(h)は第3のスイッチ20に流れる電流を示し
ている。
【0014】動作指令が与えられると(図2に示す手順
S100)、制御回路15は第2のスイッチ8をオンす
る(手順S110)。次に、スイッチ8をオンした時点
からの経過時間tが予め定められている時間t4以上に
なったかどうかを確認し(手順S120)、t<t4の
場合は手順S120に戻り、t≧t4の場合は極間の電
圧eと予め定められている電圧−e1とを比較する(手
順S130)。そして、e<−e1の場合は、さらに電
圧eと予め定められている電圧−e2とを比較し(手順
S140)、e<−e2の場合は放電の発生を待つ(手
順S150)。なお、手順S130においてe≧−e1
の場合はBの処理を、また、手順S140においてe≧
−e2の場合はAの処理をするが、これらについては後
述する。
【0015】放電が開始すると、極間には第2の直流電
源9から供給される電流−ip3とコンデンサ12から
供給される振動電流とが流れる。このときコンデンサ1
2から極間に供給される電流は、図3の(f)に示すよ
うに第1半波が負極性、第2半波が正極性となる振動電
流で、第1半波のピーク電流は−ip1、第2半波のピ
ーク電流はip2である。制御回路15は信号線27、
28の入力信号に基づき放電開始を確認したら、第2の
スイッチ8を直ちにオフする(手順S160)。次に、
放電開始からの経過時間tが予め定められている時間t
1以上になったかどうかを確認し(手順S170)、t
<t1の場合は手順S170に戻り、t≧t1の場合は
第1のスイッチ3をオンする(手順S180)。これに
より、図3の(b)に示すように上記振動電流の第2半
波に第1の直流電源4からの大電流が重畳される。次
に、スイッチ3をオンした時点からの経過時間tが予め
定められている時間t2以上になったかどうかを確認し
(手順S190)、t<t2の場合は手順S190に戻
り、t≧t2の場合はスイッチ3をオフする(手順S2
00)。
【0016】引き続き、スイッチ3をオフした時点から
の経過時間tが予め定められている時間t3以上になっ
たかどうかを確認し(手順S210)、t<t3の場合
は手順S210に戻り、t≧t3の場合はスイッチ20
をオンし(手順S220)、放電の発生を待つ(手順S
230)。放電が開始すると、極間には第3の直流電源
21から供給される電流ip6とコンデンサ12から供
給される振動電流が流れる。このときコンデンサ12か
ら極間に供給される電流は、図3の(f)に示すように
第1半波が正極性、第2半波が負極性となる振動電流
で、第1半波のピーク電流はip4、第2半波のピーク
電流は−ip5である。なお、ピーク電流−ip5の絶
対値は電流ip6の絶対値よりも小さい。
【0017】手順S230の処理により放電開始を確認
したら、放電開始からの経過時間tが予め定められてい
る時間t1以上になったかどうかを確認し(手順S24
0)、t<t1の場合は手順S240に戻り、t≧t1
の場合は第1のスイッチ3をオンしてから(手順S25
0)、第3のスイッチ20をオフする(手順S26
0)。これにより、図3の(b)に示すように上記電流
ip6および上記コンデンサ12から供給される振動電
流に第1の直流電源4からの大電流が重畳される。上記
したように電流ip6とピーク電流−ip5の和は正で
あり、極間には正極性の放電電流が流れているから、第
1の直流電源4からの電流重畳は円滑に行われる。 次
に、スイッチ20をオフしてからの経過時間tが予め定
められている時間t2以上になったかどうかを確認し
(手順S270)、t<t2の場合は手順S270に戻
り、t≧t2の場合は第1のスイッチ3をオフする(手
順S280)。引き続き、手順S280からの経過時間
tが予め定められている時間t3以上になったかどうか
を確認し(手順S290)、t<t3の場合は手順S2
90に戻り、t≧t3の場合は手順S110に戻る。以
下、加工が終了するまで、上記の動作をくり返す。
【0018】次に、持続アーク放電または短絡が発生し
たときの回路の動作を説明する。ここで、持続アーク放
電は極間の絶縁回復が不十分な時に発生し、第2のスイ
ッチ8または第3のスイッチ20をオンすると直ちに発
生する放電を言い、正極性、負極性のいずれであっても
発生する。持続アーク放電が発生すると、コンデンサ1
2は充電されず、上記の手順S170,S240の処理
で参照される時間t1の期間において振動電流は流れな
い。また、短絡が発生したときも持続アーク放電の場合
と同様に、極間には振動電流が流れない。ここで、正極
性で絶縁破壊するときは、第1の直流電源4から供給さ
れる電流と持続アーク放電の放電電流の極性が同じであ
るため、電流の重畳は円滑、かつ確実におこなうことが
できる。しかし、負極性で絶縁破壊したときは、上記し
たように、負極性の電流に正極性の大電流を重畳するこ
とになり、電極1が断線しやすくなる。以下、持続アー
ク放電が発生した場合の制御回路15の処理を図4、図
5を参照して、又、短絡が発生した場合の処理を図6、
図7を参照して説明する。
【0019】図4は持続アーク放電が発生したときの制
御手順を示すフローチャートで、図2における手順14
0の処理で、e≧−e2と判断された場合の処理を示
す。又、図5は極間電圧と極間電流を示す波形および各
スイッチの駆動信号を示す図である。図5の(a)は極
間電圧を、(b)は極間電流を、(c)は第3のスイッ
チ20のオン・オフ信号を、(d)は第2のスイッチ8
のオン・オフ信号を、(e)は第1のスイッチ3のオン
・オフ信号を示している。
【0020】持続アーク放電が発生が発生すると、図5
の(a)に示す時刻Tjにおけるように極間電圧は実線
で示すものとなり、2点鎖線で示す波形にはならない。
そこで、手順S140においてe≧−e2の場合は、直
ちに第2のスイッチ8をオフし(手順S400)、第3
のスイッチ20をオンする(手順S410)。次に、ス
イッチ20をオンした時点からの経過時間tが予め定め
られている時間t5以上になったかどうかを確認し(手
順S420)、t<t5の場合は手順S420に戻り、
t≧t5の場合は極間の電圧eと予め定められている電
圧e3とを比較する(手順S430)。そして、e≦e
3の場合は持続アーク放電が発生しているので、第1の
スイッチ3をオンし(手順S450)、第3のスイッチ
20をオフする(手順S460)。引き続き、スイッチ
20をオフした時点からの経過時間tが予め定められて
いる時間t6以上になったかどうかを確認し(手順S4
70)、t<t6の場合は手順S470に戻り、t≧t
6の場合は第1のスイッチ3をオフする(手順S48
0)。なお、時間t6は時間t2よりも短い時間であ
る。そして、スイッチ3をオフした時点からの経過時間
tが予め定められている時間t7以上になったかどうか
を確認し(手順S490)、t<t7の場合は手順S4
90に戻り、t≧t7の場合は、図2に示す手順S11
0の処理に移る。そして、再び持続アーク放電が発生し
ているときには上記手順S110〜手順S140および
手順S400〜手順S420の処理を行い、例えば、図
5に示す時刻Tkで、図4に示す手順S430の処理に
よりe>e3であると判断されれば、持続アーク放電が
発生していないから、第3のスイッチ20をオフして
(手順S440)、図2に示す手順S110の処理に移
る。また、手順S430の処理において、e≦e3と判
断されれば、手順S450〜手順S490の処理を実行
する。
【0021】ところで、いったん短絡が発生すると、短
絡状態は数10〜数100μs程度継続する。そこで、
短絡が発生した場合は第2のスイッチ8をオフ、第1の
スイッチ3をオンして極間に直流電源4からの電流を流
することにより、短絡状態を解消させてもよい。以下、
短絡が発生したときの回路の動作を、図6,図7を参照
して説明する。図6は短絡が発生したときの制御手順を
示すフローチャートであり、図2における手順130の
処理で、e≧−e1と判断された場合の処理を示す。
又、図7は極間電圧と極間電流を示す波形および各スイ
ッチの駆動信号を示す図である。図7の(a)は極間電
圧を、(b)は極間電流を、(c)は第2のスイッチ8
のオン・オフ信号を、(d)は第1のスイッチ3のオン
・オフ信号を示している。
【0022】短絡が発生すると、図7の(a)に示すよ
うに時刻Tmにおいて極間電圧は実線で示すものとな
り、2点鎖線で示す波形にはならない。そこで、手順S
130においてe≧−e1の場合は、直ちに第2のスイ
ッチ8をオフし(手順S500)、第1のスイッチ3を
オンする(手順S510)。これにより、図7の(b)
に示すように第1の直流電源4からの電流が短絡部に流
れる。次に、スイッチ3をオンした時点からの経過時間
tが予め定められている時間t9以上になったかどうか
を確認し(手順S520)、t<t9の場合は手順S5
20に戻り、t≧t9の場合は第1のスイッチ3をオフ
する(手順S530)。なお、時間t9は図7に示すよ
うに非常に短い時間である。そして、手順S530から
の経過時間tが予め定められている時間t10以上にな
ったかどうかを確認し(手順S540)、t<t10の
場合は手順S540に戻り、t≧t10の場合は図2に
示す手順S110の処理に移る。そして、短絡が終了し
ていれば、第2のスイッチ8をオンして(手順S11
0)、図7に示すようにt4時間後の時刻Tnに示すよ
うに、極間に第2の直流電源9の電圧−E2が印加され
る。
【0023】上記したように、持続アーク放電および短
絡が発生した場合、時間は短いが極間に大電流を流し、
ジュール熱あるいは放電エネルギにより被加工物2に付
着した電極1の溶融物を除去するから、悪化した加工状
態を速やかに改善できる。
【0024】なお、図5の時刻Tpに示すように、正極
性で絶縁破壊する場合、手順240における時間t1
を、時間t1よりも短い時間t11としてもよい。この
ようにすると、時間t1と時間t11の差だけ加工効率
を向上させることができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
負極性の絶縁破壊用放電回路に加えて正極性の絶縁破壊
用放電回路を設け、前記正極性および負極性の絶縁破壊
用放電回路を交互に閉じると共に、いずれの場合も前記
第1のスイッチをオンすることにより前記被加工物と前
記電極間を流れる放電電流に前記主放電回路による主放
電電流を重畳するようにしたので、主放電電流を重畳す
る時間比率が高くなり、加工効率が向上する。また、極
間の平均電圧の絶対値をゼロに近付けることができ、電
解による被加工物表面の軟質化および電極の付着は発生
せず、被加工物表面の品質を向上させることができる。
さらに、短絡や持続アーク放電を減らすことができるか
ら、加工が安定になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るワイヤ放電加工装
置の回路構成図である。
【図2】図1に示す制御回路の制御手順を示すフローチ
ャートである。
【図3】図1に示す回路の各部の波形を示す図である。
【図4】持続アーク放電または短絡が発生したときの制
御回路の制御手順を示すフローチャートである。
【図5】図4に示す制御による図1に示す回路の各部の
波形を示す図である。
【図6】短絡が発生したときの制御回路の制御手順を示
すフローチャートである。
【図7】図6に示す制御による図1に示す回路の各部の
波形を示す図である。
【図8】従来のワイヤ放電加工装置の回路構成図であ
る。
【図9】図8に示す回路の各部の波形を示す図である。
【符号の説明】
1 電極 2 被加工物 3 第1のスイッチ 4 第1の直流電源 8 第2のスイッチ 9 第2の直流電源 12 コンデンサ 13 インダクタンス 14 抵抗 20 第3のスイッチ 21 第3の直流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山家 正俊 神奈川県海老名市上今泉2100番地 日立 精工株式会社内 (72)発明者 大久保弥市 神奈川県海老名市上今泉2100番地 日立 精工株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−290317(JP,A) 特開 平7−116923(JP,A) 特開 昭56−56341(JP,A) 特開 昭60−146624(JP,A) 特公 平4−8165(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23H 1/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のスイッチと第1の直流電源を直列
    に接続し、前記第1の直流電源の正極側を被加工物に、
    負極側を電極に接続した主放電回路と、第2のスイッチ
    と第2の直流電源を直列に接続し、前記第2の直流電源
    の正極側を前記電極に、負極側を前記被加工物に接続し
    た負極性の絶縁破壊用放電回路と、前記電極と前記被加
    工物との間に接続され、容量を前記第2の直流電源の通
    電路のインダクタンスおよび抵抗とで振動条件を満たす
    値に設定されたコンデンサとからなり、前記負極性の絶
    縁破壊用放電回路により前記コンデンサを充電すると共
    に前記被加工物と前記電極間の絶縁を破壊し、前記コン
    デンサに充電された電荷により前記被加工物と前記電極
    間を流れる正極性の放電電流に前記主放電回路による主
    放電電流を重畳するようにしたワイヤ放電加工装置にお
    いて、 第3のスイッチと第3の直流電源を直列に接続し、前記
    第3の直流電源の正極側を前記被加工物に、負極側を前
    記電極に接続する正極性の絶縁破壊用放電回路を設け、 前記正極性および負極性の絶縁破壊用放電回路を交互に
    閉じると共に、いずれの場合も前記第1のスイッチをオ
    ンすることにより前記被加工物と前記電極間を流れる正
    極性の放電電流に前記主放電回路による主放電電流を重
    畳することを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  2. 【請求項2】 前記負極性の絶縁破壊用放電回路を閉じ
    たときに前記被加工物と前記電極間に持続アーク放電ま
    たは短絡が発生している場合、前記負極性の絶縁破壊用
    放電回路を開くと共に前記正極性の絶縁破壊用放電回路
    を閉じ、前記正極性の絶縁破壊用放電回路を閉じてから
    第1の時間経過後に a.持続アーク放電または短絡が発生している場合は、
    前記主放電回路を閉じた後、前記正極性の絶縁破壊用放
    電回路を開き、前記主放電回路を閉じた時点から第2の
    時間経過後に前記主放電回路を開き、前記主放電回路を
    開いてから第3の時間経過後に、 b.また、持続アーク放電または短絡が発生していない
    場合は前記正極性の絶縁破壊用放電回路を開いた後に、
    再び負極性の絶縁破壊用放電回路を閉じることを特徴と
    する請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  3. 【請求項3】 前記負極性の絶縁破壊用放電回路を閉じ
    たときに前記被加工物と前記電極間に短絡が発生してい
    る場合、前記負極性の絶縁破壊用放電回路を開くと共に
    前記主放電回路を閉じ、前記主放電回路を閉じてから第
    4の時間経過後に前記主放電回路を開き、前記主放電回
    路を開いてから第5の時間経過後に再び前記負極性の絶
    縁破壊用放電回路を閉じることを特徴とする請求項1に
    記載のワイヤ放電加工装置。
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