JP3434716B2 - 画像処理方法および画像処理装置 - Google Patents

画像処理方法および画像処理装置

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JP3434716B2
JP3434716B2 JP32209298A JP32209298A JP3434716B2 JP 3434716 B2 JP3434716 B2 JP 3434716B2 JP 32209298 A JP32209298 A JP 32209298A JP 32209298 A JP32209298 A JP 32209298A JP 3434716 B2 JP3434716 B2 JP 3434716B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムに撮影さ
れた画像を光電的に読み取り、この画像が再現されたプ
リント(写真)を得るデジタルフォトプリンタ等におい
て、レンズ付きフィルム、安価なコンパクトカメラやデ
ジタルカメラ等で撮影された画像で発生する歪曲収差を
補正する画像処理方法、およびこの画像処理方法を利用
する画像処理装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】現在、ネガフィルム、リバーサルフィル
ム等の写真フィルム(以下、フィルムとする)に撮影さ
れた画像の感光材料(印画紙)への焼き付けは、フィル
ムの画像を感光材料に投影して感光材料を面露光する、
いわゆる直接露光(アナログ露光)によって行われてい
る。
【0003】これに対し、近年では、デジタル露光を利
用する焼付装置、すなわち、フィルムに記録された画像
を光電的に読み取って、読み取った画像をデジタル信号
とした後、種々の画像処理を施して記録用の画像データ
とし、この画像データに応じて変調した記録光によって
感光材料を走査露光して画像(潜像)を記録し、(仕上
り)プリントとするデジタルフォトプリンタが実用化さ
れた。
【0004】デジタルフォトプリンタでは、画像をデジ
タルの画像データとして、画像データ処理によって焼付
時の露光条件を決定することができるので、逆光やスト
ロボ撮影等に起因する画像の飛びやツブレの補正、シャ
ープネス(鮮鋭化)処理、カラーフェリアや濃度フェリ
アの補正、アンダー露光やオーバー露光の補正、周辺光
量不足の補正等を好適に行って、従来の直接露光では得
られなかった高品位なプリントを得ることができる。し
かも、複数画像の合成や画像分割、さらには文字の合成
等も画像データ処理によって行うことができ、用途に応
じて自由に編集/処理したプリントも出力可能である。
しかも、デジタルフォトプリンタによれば、デジタルカ
メラ等の撮像デバイスで撮影された画像(画像データ)
からもプリントを作成することができ、また、画像をプ
リント(写真)として出力するのみならず、画像データ
をコンピュータ等に供給したり、フロッピーディスク等
の記録媒体に保存しておくこともできるので、画像デー
タを、写真以外の様々な用途に利用することができる。
【0005】このようなデジタルフォトプリンタは、基
本的に、フィルムに記録された画像を光電的に読み取る
スキャナ(画像読取装置)、読み取った画像を画像処理
して記録用の画像データ(露光条件)とする画像処理装
置、および、この画像データに応じて感光材料を走査露
光して現像処理を施してプリントとするプリンタ(画像
記録装置)より構成される。
【0006】スキャナでは、光源から射出された読取光
をフィルムに入射して、フィルムに撮影された画像を担
持する投影光を得て、この投影光を結像レンズによって
CCDセンサ等のイメージセンサに結像して光電変換す
ることにより画像を読み取り、必要に応じて各種の画像
処理を施した後に、フィルムの画像データ(画像データ
信号)として画像処理装置に送る。画像処理装置は、ス
キャナによって読み取られた画像データから画像処理条
件を設定して、設定した条件に応じた画像処理を画像デ
ータに施し、画像記録のための出力画像データ(露光条
件)としてプリンタに送る。プリンタでは、例えば、光
ビーム走査露光を利用する装置であれば、画像処理装置
から送られた画像データに応じて光ビームを変調して、
感光材料を二次元的に走査露光(焼付け)して潜像を形
成し、次いで、所定の現像処理等を施して、フィルムに
撮影された画像が再生されたプリント(写真)とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フィルムに
撮影された画像やデジタルカメラ等で撮影された画像を
プリントに再生した際の画質劣化の原因として、画像を
撮影したカメラに装着されるレンズの性能に起因する歪
曲収差が挙げられる。すなわち、適正な撮影画像を得る
ためには、光軸に対して垂直な平面は、結像面でそれに
対応して結像される必要があるが、通常のレンズでは、
結像面が光軸方向にずれを生じ、結像画像に歪(ディス
トーション)すなわち歪曲収差を生じる。そのため、フ
ィルムに撮影された画像を再生すると、得られた画像が
歪んだものとなってしまう。
【0008】一眼レフ等のように、ある程度のコストを
掛けられるカメラであれば、精度の高いレンズを用い、
さらに複数のレンズを組み合わせることにより、歪曲収
差等の各種の収差を補正して、フィルムに適正画像を撮
影することができる。しかしながら、レンズ付きフィル
ムや安価なコンパクトカメラ、安価なデジタルカメラで
は、レンズにコストを掛けることができないため、フィ
ルムに撮影された画像に歪曲収差が生じてしまう。その
結果、プリントとして再生された画像が、歪を有するも
のとなってしまう。
【0009】本発明の目的は、レンズ付きフィルム、安
価なコンパクトカメラやデジタルカメラ等によって撮影
された画像であっても、画像処理によって歪曲収差を補
正して、歪のない高画質な画像を出力することを可能に
する画像処理方法、およびこの画像処理方法を利用する
画像処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を目的を達成す
るために、本発明の画像処理方法は、光学的に撮影され
た画像から画像データを得る画像処理方法であって、
記画像を撮影したレンズ種を判別して、この判別結果を
用いて歪曲収差補正の要・不要を判定し、歪曲収差補正
が必要な場合には、複数のレンズ種のレンズ特性を記憶
する記憶手段から対応するレンズ特性を読み出し、この
レンズ特性と前記画像の位置情報とを用いて、この画像
の歪曲収差を補正すると共に、前記歪曲収差の補正によ
って生じる画欠けを相殺できる、出力画像に応じた所定
倍率よりも大きな変倍率で電子変倍処理を行うことを特
徴とする画像処理方法を提供する。
【0011】また、本発明の画像処理装置は、光学的に
撮影された画像から得られた画像データに画像処理を施
す画像処理装置であって、前記画像を撮影した撮影レン
ズの判別情報を取得する取得手段、複数の撮影レンズ種
に応じたレンズ特性を記憶する記憶手段、および、前記
取得手段が取得した判別情報に応じて、画像の歪曲収差
補正の要・不要を判定し、歪曲収差補正が不要と判定し
た場合には、出力画像に応じた所定倍率での電子変倍処
理を行い、歪曲収差補正が必要と判定した場合には、対
応する撮影レンズのレンズ特性を前記記憶手段から受け
取り、前記画像の位置情報とレンズ特性とから画像の歪
曲収差を補正すると共に、前記歪曲収差の補正によって
生じる画欠けを相殺できる、出力画像に応じた所定倍率
よりも大きな変倍率で電子変倍処理を行う、補正手段を
有することを特徴とする画像処理装置を提供する。
【0012】このような本発明において、前記歪曲収差
補正を行う場合に、撮影レンズ種に応じて電子変倍率を
調整するのが好ましく、また、前記歪曲収差補正を行う
場合に、撮影レンズ種によらず所定の電子変倍率で電子
変倍処理を行うのが好ましく、また、前記補正手段が、
歪曲収差に起因する画像位置のずれ量から各画像の適正
な位置を算出して歪曲収差を補正するものであるのが前
記補正手段が、歪曲収差に起因する画像位置のずれ量か
ら各画像の適正な位置を算出し、この適正な位置の情報
を用いて画像の電子変倍処理を行うものであるのが好ま
しく、また、前記補正手段が、前記各画像の適正な位置
の算出に先立ち、倍率色収差に起因する3原色の基準と
なる色に対する他の色の画像位置のずれ量を算出し、こ
の倍率色収差に起因するずれ量と、歪曲収差に起因する
前記基準となる色の画像位置のずれ量とを用いて、歪曲
収差に加え倍率色収差も補正した各画像の適正な位置を
算出するのが好ましく、さらに、前記電子変倍処理の変
倍率が、画像の縦と横とで異なるのが好ましい。
【0013】また、本発明においては、前記取得手段
は、フィルムに光学的もしくは磁気的に記録されている
レンズに関する情報を判別情報として取得するのが好ま
しく、さらに、画像処理を施した出力用の画像データ
を、可視像として再現したプリントを出力する装置に接
続されるのが好ましい。また、出力用の画像データを、
通信ネットワークや各種の記録媒体に出力してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の画像処理方法およ
び画像処理装置について、添付の図面に示される好適実
施例を基に詳細に説明する。
【0015】図1に、本発明の画像処理方法を実施する
本発明の画像処理装置を利用するデジタルフォトプリン
タの一例のブロック図が示される。図1に示されるデジ
タルフォトプリンタ(以下、フォトプリンタ10とす
る)は、基本的に、フィルムFに撮影された画像を光電
的に読み取るスキャナ(画像読取装置)12と、読み取
られた画像データ(画像情報)の画像処理やフォトプリ
ンタ10全体の操作および制御等を行う画像処理装置1
4と、画像処理装置14から出力された画像データに応
じて変調した光ビームで感光材料を画像露光し、現像処
理して(仕上り)プリントとして出力するプリンタ16
とを有して構成される。また、画像処理装置14には、
様々な条件の入力(設定)、処理の選択や指示、色/濃
度補正などの指示等を入力するためのキーボード18a
およびマウス18bを有する操作系18と、スキャナ1
2で読み取られた画像、各種の操作指示、様々な条件の
設定/登録画面等を表示するディスプレイ20が接続さ
れる。
【0016】スキャナ12は、フィルムF等に撮影され
た画像を1コマずつ光電的に読み取る装置で、光源22
と、可変絞り24と、画像をR(赤)、G(緑)および
B(青)の三原色に分解するためのR、GおよびBの3
枚の色フィルタを有し、回転して任意の色フィルタを光
路に作用する色フィルタ板26と、フィルムFに入射す
る読取光をフィルムFの面方向で均一にする拡散ボック
ス28と、結像レンズユニット32と、フィルムの1コ
マの画像を読み取るエリアセンサであるCCDセンサ3
4と、アンプ(増幅器)36とを有して構成される。
【0017】なお、図示例のフォトプリンタ10におい
ては、新写真システム(Advanced Photo System)や13
5サイズのネガ(あるいはリバーサル)フィルム等のフ
ィルムの種類やサイズ、ストリップスやスライド等のフ
ィルムの形態、トリミング等の処理の種類等に応じて、
スキャナ12の本体に装着自在な専用のキャリアが用意
されており、キャリアを交換することにより、各種のフ
ィルムや処理に対応することができる。フィルムに撮影
され、プリント作成に供される画像(コマ)は、このキ
ャリアによって所定の読取位置に搬送、保持される。ま
た、周知のように、新写真システムのフィルムには、磁
気記録媒体が形成され、カートリッジIDやフィルム種
等が記録されており、また、撮影時や現像時等に、撮影
日時、撮影に使用したカメラ、現像機の種類等の各種の
データが記録可能である。新写真システムのフィルム
(カートリッジ)に対応するキャリアには、この磁気情
報の読取手段が配置されており、フィルムを読取位置に
搬送する際に磁気情報を読み取り、前記各種の情報が画
像処理装置14に送られる。
【0018】このようなスキャナ12においては、光源
22から射出され、可変絞り24によって光量調整さ
れ、色フィルタ板26を通過して色調整され、拡散ボッ
クス28で拡散された読取光が、キャリアによって所定
の読取位置に保持されたフィルムFの1コマに入射し
て、透過することにより、フィルムFに撮影されたこの
コマの画像を担持する投影光を得る。フィルムFの投影
光は、結像レンズユニット32によってCCDセンサ3
4の受光面に結像され、CCDセンサ34によって光電
的に読み取られ、その出力信号がアンプ36で増幅され
て、画像処理装置14に送られる。CCDセンサ34
は、例えば、1380×920画素のエリアCCDセン
サである。
【0019】スキャナ12においては、このような画像
読取を、色フィルタ板26の各色フィルタを順次挿入し
て3回行うことにより、1コマの画像をR,GおよびB
の3原色に分解して読み取る。ここで、フォトプリンタ
10においては、プリントを出力するための画像読み取
り(本スキャン)に先立ち、画像処理条件等を決定する
ために、画像を低解像度で読み取るプレスキャンを行
う。従って、1コマで、合計6回の画像読み取りが行わ
れる。
【0020】スキャナ12は、エリアCCDセンサを用
い、色フィルタ板26によって投影光を3原色に分解し
て画像を読み取っているが、本発明に利用されるスキャ
ナとしては、R,GおよびBの3原色のそれぞれの読み
取りに対応する3つのラインCCDセンサを用い、フィ
ルムFをキャリアで走査搬送しつつ画像を読み取るスリ
ット走査によって画像読み取りを行うものであってもよ
い。
【0021】図示例のフォトプリンタ10は、ネガやリ
バーサル等のフィルムに撮影された画像を光電的に読み
取るスキャナ12を画像処理装置14の画像データ供給
源としているが、画像処理装置14に画像データを供給
する画像データ供給源としては、スキャナ12以外に
も、反射原稿の画像を読み取る画像読取装置、デジタル
カメラやデジタルビデオカメラ等の撮像デバイス、LA
N(Local Area Network)やコンピュータ通信ネットワー
ク等の通信手段、メモリカードやMO(光磁気記録媒
体)等のメディア(記録媒体)等の、各種の画像読取手
段や撮像手段、画像データの記憶手段等が各種使用可能
である。すなわち、本発明は、デジタルカメラ等の撮像
デバイスで光学的に撮影された画像(画像データ)にも
好適に利用可能である。
【0022】前述のように、スキャナ12からの出力信
号(画像データ)は、画像処理装置14に出力される。
図2に画像処理装置(以下、処理装置14とする)のブ
ロック図を示す。処理装置14は、データ処理部38、
プレスキャン(フレーム)メモリ40、本スキャン(フ
レーム)メモリ42、プレスキャン画像処理部44、本
スキャン画像処理部46、および条件設定部48を有し
て構成される。なお、図2は、主に画像処理関連の部位
を示すものであり、処理装置14には、これ以外にも、
処理装置14を含むフォトプリンタ10全体の制御や管
理を行うCPU、フォトプリンタ10の作動等に必要な
情報を記憶するメモリ、本スキャンの際の可変絞り24
の絞り値やCCDセンサ34の蓄積時間を決定する手段
等が配置され、また、操作系18やディスプレイ20
は、このCPU等(CPUバス)を介して各部位に接続
される。
【0023】スキャナ12から出力されたR,Gおよび
Bの各出力信号は、A/D(アナログ/デジタル)変
換、Log変換、DCオフセット補正、暗時補正、シェ
ーディング補正等を行うデータ処理部38で処理されて
デジタルの画像データとされ、プレスキャン(画像)デ
ータはプレスキャンメモリ40に、本スキャン(画像)
データは本スキャンメモリ42に、それぞれ記憶(格
納)される。なお、プレスキャンデータと本スキャンデ
ータは、解像度(画素密度)と信号レベルが異なる以外
は、基本的に同じデータである。
【0024】プレスキャンメモリ40に記憶されたプレ
スキャンデータはプレスキャン画像処理部44におい
て、本スキャンメモリ42に記憶された本スキャンデー
タは本スキャン画像処理部46において、それぞれ処理
される。プレスキャン画像処理部44は、画像処理部5
0および画像データ変換部52を有して構成される。他
方、本スキャン画像処理部46は、画像処理部54、画
像データ変換部58およびレンズ特性データ供給部60
を有して構成される。
【0025】プレスキャン画像処理部44の画像処理部
50(以下、処理部50とする)と、本スキャン画像処
理部46の画像処理部54(以下、処理部54とする)
は、共に、後述する条件設定部48が設定した画像処理
条件に応じて、スキャナ12によって読み取られた画像
(画像データ)に所定の画像処理を施す部位である。両
者は、処理する画像データの画素密度が異なり、また、
プレスキャン画像処理部44の処理部50が収差補正部
を有さない以外は、基本的に、同様の処理を行う。処理
部50および処理部54における画像処理としては、色
バランス調整、コントラスト補正(階調処理)、明るさ
補正、覆い焼き処理(濃度ダイナミックレンジの圧縮/
伸長)、彩度補正、シャープネス(鮮鋭化)処理等が例
示される。これらは、演算、LUT(ルックアップテー
ブル)による処理、マトリクス(MTX)演算、フィル
タによる処理等を適宜組み合わせた、公知の方法で行わ
れるものであり、図示例においては、色バランス調整、
明るさ補正およびコントラスト補正がLUTで行われ、
彩度補正がMTXで行われる。また、これ以外のシャー
プネス処理や覆い焼き処理等は、オペレータによる指示
や画像データ等に応じて、ブロック50Aおよびブロッ
ク54Aで行われる。
【0026】ここで、本スキャンデータを処理する処理
部54のMTXとブロック54Aとの間には、歪曲収差
および倍率色収差の補正、ならびに電子変倍処理を行
う、収差補正部56が配置される。また、収差補正部5
6には、レンズ特性データ供給部60が接続される。図
示例の処理装置14においては、必要に応じて、この収
差補正部56において、レンズ特性および画像データの
画素位置(その画像の中心からの距離)とを用いて、画
像処理によってフィルムFに撮影された画像の歪曲色収
差および倍率色収差を補正しており、これにより歪や色
ズレのない、高画質な画像が再現されたプリントを安定
して出力することを実現している。
【0027】なお、本発明においては、プレスキャン処
理部44の処理部50にも収差補正部を配置し、ディス
プレイ20に表示する画像にも、歪曲収差あるいはさら
に倍率色収差の補正を行ってもよいのはもちろんであ
る。
【0028】レンズ特性データ供給部60(以下、特性
データ供給部60とする)は、フィルムFを撮影したカ
メラを判別する判別情報を取得し、得られた判別情報に
対応する撮影カメラのレンズ特性の情報を収差補正部5
6に供給する部位である。
【0029】カメラ(すなわち撮影レンズ)を判別する
判別情報、およびその取得手段には特に限定はなく、各
種の方法が利用可能である。例えば、フィルムFが前述
の新写真システムのレンズ付きフィルムである場合に
は、フィルムFに記録された磁気情報をスキャナ12の
キャリアで読み取り、磁気記録されたカートリッジID
および/またはフィルム種をレンズ付きフィルムの機種
すなわちカメラの判別に利用してもよく、また、拡張D
Xコードの「SSU INDICATOR 」 を利用してもよい。ま
た、新写真システムに対応するカメラには、フィルムF
にカメラの機種を磁気記録する機能を有する機種もある
ので、これを利用してフィルムFを撮影したカメラを判
別してもよい。また、受け付け時に、レンズ付きフィル
ムの機種、撮影カメラの機種を顧客から聞いて、あるい
は見て判断して、カメラの機種をメモ、パトローネ、カ
ートリッジ、パッケージ等に記録しておき、プリント作
成時にオペレータがこれらを見てキーボード18aでカ
メラの機種を入力してもよい。あるいは、ファンクショ
ンキー等とカメラとの対応を決定しておき、これを用い
てカメラの機種を入力してもよい。さらに、撮影時にフ
ィルムにカメラの機種を光学的に焼き付け、これを読み
取ってもよく、カメラの機種を判別してもよい。レンズ
付きフィルムであれば、製造時等にレンズ付きフィルム
の機種をDXコードのように光学的に焼き付け、あるい
は新写真システムであれば磁気記録しておき、これを利
用して機種を判別してもよい。
【0030】特性データ供給部60はメモリを有し、こ
のメモリには、各種のカメラの機種に応じたレンズ特性
の情報、具体的には、各種のレンズの歪曲収差および倍
率色収差の特性の情報、および、歪曲収差等の情報が記
憶されているレンズに対応する電子変倍率に関する情報
が記憶されている。特性データ供給部60は、取得した
カメラの判別情報から、それに応じたレンズ特性の情報
をメモリから読み出し、これを収差補正部56に供給す
る。なお、レンズ特性は特性データ供給部60が有する
メモリに記憶されるのに限定はされず、例えば、プリン
タ10に接続されるデータベースに記憶しておき、此所
にアクセスして読み出してもよく、あるいは、フィルム
Fの読み取り時にフィルムに対応するレンズの情報とし
て外部から入力されてもよい。
【0031】レンズの歪曲収差および倍率色収差の特性
の情報としては、特に限定はないが、倍率色収差や歪曲
収差を行うための補正関数や補正係数であってもよい。
あるいは、複数のレンズ種、好ましくは、プリンタ10
で処理する主たるレンズ種に対応する、倍率色収差や歪
曲収差補正の補正関数(基本補正式)を記憶しておき、
各レンズ毎に、この基本補正式に係る(補正する)補正
関数や補正係数を設定して、これを各レンズ毎の収差の
特性の情報として記憶してもよい。また、一般的に、レ
ンズの歪曲収差の特性や倍率色収差の特性は、レンズの
光軸すなわちフィルムFに撮影された画像の中心からの
距離(例えば、x−yで示される)をパラメータとする
3次関数で、ある程度まで近似することができるので、
歪曲収差や倍率色収差の補正が必要な各種のカメラに対
応して、それに応じた歪曲収差の特性を示す関数および
倍率色収差の特性を示す関数を、収差に関する特性の情
報として記憶してもよい。
【0032】さらに、歪曲収差の補正に対応する各レン
ズの電子変倍率に関する情報は、通常の電子変倍率に乗
算や加算する補正係数を各レンズ毎に算出しておき、こ
の補正係数をレンズ特性として記憶おけばよい。この歪
曲収差の補正に対応する電子変倍率については、後に詳
述する。
【0033】収差補正部56は、特性データ供給部60
から供給されたフィルムFの撮影レンズ特性と、画像デ
ータ(画素)の位置情報、例えば、画像中心(撮影レン
ズの光軸の中心)からの座標位置(中心の画素から何画
素目か)とを用いて、歪曲収差および倍率色収差の補
正、ならびに電子変倍処理を行う。この際において、マ
スク等によって切り出された画像の中心が、ほぼ撮影時
のレンズの光軸の中心と考えられる場合には、切り出さ
れた画像の中心の画素をレンズの光軸の中心として、歪
曲収差や倍率色収差等の補正を行ってもよい。
【0034】この場合の座標は、x−y座標でも極座標
でもよい。また、画像データの位置情報は、画像の中心
を基準とするのに限定はされず、各種のものが利用可能
であり、例えば、画像の角部(左上角等)や、ある画素
(例えば、画素番号1の画素)等を基準にしてもよく、
さらに、画像の外部、例えば、フィルムFのパーフォレ
ーション等を基準としてもよい。すなわち、本発明で
は、画像(画素)の位置が相対的に検出できれば、各種
の位置情報が利用可能である。
【0035】ここで、レンズ特性と画像の位置情報(以
下、画素位置とする)とを用いた倍率色収差および歪曲
収差の補正を別々に行うと、演算に時間がかかり、ま
た、補間演算も複数回行う必要が生じるため、画質が劣
化するという問題がある。そのため、好ましくは、R、
GおよびBの3原色の基準となる色、通常はGを基準と
して、RおよびBの像倍率を変換して、RおよびBの画
像をG画像に合わせることで倍率色収差を補正し、その
後、歪曲収差を補正する。これにより、各画素の適正位
置を算出し、これを用いて、各画素の画像データを補間
演算することによって、フィルムに撮影された画像の倍
率色収差および歪曲収差を補正した画像データを得るこ
とができる。従って、歪曲収差についてはG画像に対す
る演算のみを行えばよいので、演算量や補間演算を減ら
して、より好適な倍率色収差および歪曲収差の補正を行
うことができる。
【0036】また、画像処理装置では、通常、画像デー
タ処理による画像の拡大もしくは縮小、すなわち、画像
の電子変倍を行って、画像(画像データ)を出力画像に
応じたサイズにして出力する。この電子変倍処理は、通
常、画像データを補間演算することにより行われる。と
ころが、前記倍率色収差および歪曲収差の補正でも補間
演算が行われているため、結果的に、2回の補間が行わ
れる結果となり、画質が劣化してしまう場合もある。
【0037】そのため、本発明においては、より好まし
くは、前記レンズ特性と画像データの画素位置とを用い
て、倍率色収差に起因する基準色(G)に対するRおよ
びBの画素位置のずれ量と、歪曲収差に起因する基準色
の画素位置のずれ量とから、各画素毎の適正位置を算出
し、算出された各画素の適正位置の情報を用いて、画像
データを補間して画像の電子変倍処理を行う。言い換え
れば、倍率色収差および歪曲収差による画素位置のずれ
量を算出することにより、各画素が本来どの位置にある
べきであるかを知見し、この適正な位置に応じて画像デ
ータの補間演算を行って電子変倍処理を行う。これによ
り、1回の補間演算で、歪曲収差および倍率色収差の補
正と、電子変倍処理とを行うことができる。
【0038】図示例の収差補正部56は、上記方法を用
いて、倍率色収差および歪曲収差の補正と、電子変倍処
理とを行う部位であり、図3の概念図に示されるよう
に、座標変換処理部56Aと、拡大縮小処理部56Bと
を有して構成される。なお、図3において、ir,ig
およびibは、それぞれMTXから供給された画像デー
タ(入力画像データ)の画素位置(アドレス)を;I
r,IgおよびIbは、倍率色収差および歪曲収差を補
正された画像データの画素位置を;ΔrおよびΔbは、
それぞれ倍率色収差によるGの画素位置に対するRおよ
びBの画素位置のずれ量(すなわち補正量)を;Dは、
歪曲収差によるGの画素位置のずれ量を; それぞれ示
す。
【0039】収差補正部56においては、MTXから画
像データが供給されると、座標変換処理部56Aにおい
て、特性データ供給部60から供給されたレンズ特性を
用いて、RおよびBの画像データの各画素位置irおよ
びibにおける、Gの画像データigに対する倍率色収
差によるずれ量ΔrおよびΔbを算出し、さらに、Gの
入力画像データigの歪曲収差によるずれ量Dを算出す
る。
【0040】次いで、図3に示されるように、Rの入力
画像データの各画素位置irに前記ΔrとDを加えて、
倍率色収差および歪曲収差を補正されたRの画像データ
の画素位置Irを算出し、Bの入力画像データの各画素
位置ibに前記ΔbとDを加えて、倍率色収差および歪
曲収差を補正されたBの画像データの画素位置Ibを算
出し、Gの入力画像データの各画素位置igに前記Dを
加えて、倍率色収差および歪曲収差を補正されたBの画
像データの画素位置Ibを算出する。すなわち、この計
算では、G画像を基準として、R画像およびB画像の倍
率色収差を補正して、全画像をG画像に位置合わせし
て、G画像の歪曲収差によるずれ量Dを用いて、全体の
歪曲収差を補正して、R,GおよびBの各画像の倍率色
収差および歪曲収差を補正された画素位置を算出してい
る。
【0041】次いで、拡大縮小処理部56Bにおいて、
この倍率色収差および歪曲収差を補正された画素位置I
r,IgおよびIbを用いて、拡大/縮小倍率に応じた
画像データの補間処理(N倍補間)を行うことにより画
像の変倍を行い、倍率色収差および歪曲収差を補正さ
れ、かつ電子変倍処理を行われた画像データとして、ブ
ロック54Aに出力する。電子変倍処理の方法には特に
限定はなく、公知の方法が各種利用可能であり、例え
ば、バイリニア補間を用いる方法、スプライン補間を用
いる方法等が例示される。
【0042】ここで、図示例の装置においては、歪曲収
差の補正を行わない場合には、出力する画像のサイズに
応じた通常の変倍率で電子変倍処理を行い、歪曲収差の
補正を行う場合には、通常よりも高い変倍率で電子変倍
処理を行う。
【0043】すなわち、図示例の画像処理装置14にお
いては、特性データ供給部60がカメラの判別情報を取
得しなかった場合、および特性データ供給部60が取得
したカメラの判別情報に対応するレンズ特性が無かった
場合、さらに、倍率色収差および歪曲収差補正のキャン
セルが指示された場合には、収差補正部56は、歪曲収
差の補正は不要と判断して、座標変換処理部56Aでは
何の処理も行わず画像データを通過させて(あるいは、
バイパスを設けてもよい)、拡大縮小処理部56Bでの
電子変倍処理のみを行って画像データをブロック54A
に供給する。この際には、拡大縮小処理部56Bにおい
ては、出力する画像(プリント)のサイズに応じて設定
された、通常の変倍率で電子変倍処理を行う。
【0044】これに対し、上記以外の場合には、収差補
正部56は歪曲収差の補正が必要であると判断して、前
述の収差補正の処理を行う。ここで、レンズ特性として
は、前述のように、歪曲収差および倍率色収差の特性の
情報に加え、拡大縮小処理部56Bに、レンズ種に応じ
た電子変倍率の補正係数が送られ、画像サイズに応じた
通常の変倍率をこの補正係数で補正して、通常よりも大
きな変倍率で電子変倍処理を行う(画像を通常よりも大
きくする)。
【0045】図4に、収差補正部56での処理における
画像(形状およびサイズ)のイメージを示す。スキャナ
12から出力されるフィルムFに撮影された画像の画像
データは、図4(a)に示されるように、画像読取のマ
クスサイズや出力画像に対応する画像の切り出しに応じ
た矩形画像の画像データとなっている。これに対し、座
標変換処理部56Aで歪曲収差を補正された(すなわ
ち、各画素の位置を適正位置とされた)画像データは、
図4(b)に示されるように、歪曲収差に応じて変形
し、図中に斜線で示される領域は、画像データの無い画
欠け、いわゆるケラレを生じた状態となってしまう。従
って、このまま通常の変倍率(例えば、拡大k1 倍,縮
小k2 倍)で電子変倍を掛けると、図4(d)に示され
るように、出力される画像(プリント)Pは、斜線で示
される領域がシロ抜けした画像となる。
【0046】通常から大きな電子変倍率を設定してある
装置であれば、画像データが歪曲収差に対して十分なサ
イズを持つので、このような不都合は起きない。しかし
ながら、フィルムに撮影された画像は可能な限りプリン
トに再生するのが好ましいので、より高品位なプリント
を目的とするフォトプリンタでは、スキャナで読み取る
画像のサイズと出力画像のサイズとに応じてギリギリの
電子変倍率を設定してあるので、上記歪曲収差の補正を
行うと、収差の程度によっては周囲にケラレが生じてし
まう。
【0047】これに対し、本発明においては、歪曲収差
を補正した場合には、歪曲収差の補正によるケラレが画
像出力用の画像データに生じないように前記ケラレの分
だけ電子変倍処理の変倍率を大きくして、すなわち収差
補正によるケラレを相殺する電子変倍率として(例え
ば、拡大n1 倍、縮小n2 倍 但し、k1 <n1 ,k2
<n2 )、図4(c)に示されるように、歪曲収差の補
正によってケラレを生じた部分より内側の画像領域、好
ましくは内接する画像領域が、出力画像のサイズとなる
ように電子変倍処理を行う。図示例においては、レンズ
特性として、歪曲収差を行うレンズ毎に、変倍率の補正
係数を決めて記憶しておき、歪曲収差補正を行った場合
には、通常の変倍率にこの補正係数を乗算もしくは加算
することにより、通常よりも大きな変倍率で電子変倍処
理を行う。これにより、通常はフィルムに撮影された画
像を可能な限り再生するように変倍率が設定された装置
であっても、歪曲収差がある場合にはこれを補正して、
しかもケラレの無い高画質な画像を出力でき、歪曲収差
の補正と、顧客が撮影した画像の好適な再生とを両立す
ることができる。
【0048】このような補正係数の決定方法には特に限
定はなく、例えば、実験的に決定する方法、レンズ設計
に基づくシュミレーションで決定する方法、画像データ
の解像度(サイズ)とレンズ特性、電子変倍率から計算
によって求める方法等が例示される。なお、歪曲収差の
量は、画像の縦、横で異なる場合があるので、その際に
は、それに応じて、縦と横で電子変倍率(補正係数)を
変えるのが好ましい。
【0049】なお、本発明においては、電子変倍率の補
正係数は、レンズ毎に算出するのに限定はされず、歪曲
収差を補正する全レンズに共通な補正係数を一つだけ記
憶してもよい。なお、この場合は、通常に比して、0.
1%〜5%程度大きくすればよい。あるいは、補正係数
ではなく、歪曲収差を行った場合の変倍率を、プリント
サイズ毎に算出(各レンズ毎もしくは全レンズ共通)し
て記憶してもよい。この場合にも、縦と横とで歪曲収差
が異なる場合には、変倍率を変えるのが好ましいのはも
ちろんである。
【0050】図示例の装置においては、好ましい態様と
して、収差補正部56において歪曲収差および倍率色収
差の両者を補正しているが、本発明はこれに限定はされ
ず、レンズ特性として歪曲収差の特性のみを記憶してお
き、これと画素位置とを用いて、歪曲収差のみを補正し
てもよい。この場合は、例えば、歪曲収差に起因するズ
レ量を補正した適正位置を算出し、これを用いて歪曲収
差を補正した後に、公知の方法で電子変倍処理を行って
もよいが、好ましくは、前述の方法と同様に、歪曲収差
に起因するズレ量を補正した適正位置を算出し、この適
正位置の情報を用いて画像データの補間を行って電子変
倍処理を行い、歪曲収差の補正と電子変倍とを行うのが
好ましい。これにより、同様に、補間演算を減らし、補
間に起因する画質の劣化を低減できる。
【0051】さらに、歪曲収差や倍率色収差のみなら
ず、レンズに起因するピントボケ(PSF:Point Sprea
d Function)や周辺光量低下の情報も記憶しておき、歪
曲収差、あるいはさらに倍率色収差の補正に加え、ピン
トボケ補正や周辺光量補正も行うようにしてもよい。
【0052】処理部50および54で処理された画像デ
ータは、画像データ変換部52および58に送られる。
プレスキャン画像処理部44の画像データ変換部52
は、処理部50によって処理された画像データを、3D
(三次元)−LUT等を用いて変換して、ディスプレイ
20による表示に対応する画像データにする。他方、本
スキャン画像処理部46の画像データ変換部58は、同
様に、処理部54によって処理された画像データを3D
−LUTを用いて変換し、プリンタ16による画像記録
に対応する画像データとしてプリンタ16に供給する部
位である。
【0053】なお、本発明においては、画像処理を施し
た画像データを、プリンタ16以外にも、フロッピーデ
ィスクやMO等の記録媒体、コンピュータ、通信ネット
ワーク等に出力することも可能である。また、プレスキ
ャン画像処理部44にも収差補正部を設け、収差補正を
施した画像をディスプレイ20に表示してもよいのは前
述のとおりであり、あるいは、本スキャン画像処理部4
6で処理した収差補正を施した画像データを、必要に応
じて間引いてディスプレイ20あるいは他の表示手段に
表示してもよい。
【0054】プレスキャン画像処理部44および本スキ
ャン画像処理部46による各種の処理条件は、条件設定
部48によって設定される。この条件設定部48は、画
像処理条件設定部72、キー補正部74およびパラメー
タ統合部76を有して構成される。
【0055】画像処理条件設定部72(以下、設定部7
2とする)は、施す画像処理を選択すると共に、プレス
キャンデータを用いて、処理部50および54における
画像処理条件を設定し、パラメータ統合部76に供給す
る。具体的には、設定部72は、プレスキャンデータか
ら、濃度ヒストグラムの作成や、平均濃度、LATD
(大面積透過濃度)、ハイライト(最低濃度)、シャド
ー(最高濃度)等の画像特徴量の算出等を行い、加え
て、必要に応じて行われるオペレータによる指示に応じ
て、前述のグレイバランス調整等のテーブル(LUT)
や彩度補正を行うマトリクス演算の作成等の画像処理条
件を決定する。なお、歪曲収差を補正する場合には、電
子変倍処理の変倍率が通常と異なるので、それに応じて
各種の画像処理条件、例えば、シャープネス処理の係数
や各種のフィルタに掛ける係数、各種の補正係数等を変
更してもよい。
【0056】キー補正部74は、キーボード18aに設
定された明るさ、色、コントラスト、シャープネス、彩
度調等を調整するキーやマウス18bで入力された各種
の指示等に応じて、画像処理条件の調整量(例えば、L
UTの補正量等)を算出し、パラメータ統合部76に供
給するものである。パラメータ統合部76は、設定部7
2が設定した画像処理条件を受け取り、供給された画像
処理条件をプレスキャン画像処理部44の処理部50お
よび本スキャン画像処理部46の処理部54に設定し、
さらに、キー補正部74で算出された調整量に応じて、
各部位に設定した画像処理条件を補正(調整)し、ある
いは画像処理条件を再設定する。
【0057】以下、処理装置14の作用を説明する。前
述のように、プレスキャンメモリ40にプレスキャンデ
ータが記憶されると、設定部72がこれを読み出し、濃
度ヒストグラムの作成や画像特徴量の算出等を行い、こ
れを用いて、画像処理条件を設定(LUTやMTXの作
成)してパラメータ統合部76に送る。これと平行し
て、可変絞り24の絞り値決定等の本スキャンの読取条
件が設定されてスキャナ12が調整され、次いで、スキ
ャナ12では本スキャンが行われ、本スキャンデータ
が、順次、本スキャンメモリ40に転送・記憶される。
【0058】また、処理装置14には、キーボード18
aやマウス18bによって入力された各種の指示や情
報、スキャナ12(キャリア)で読み取られたフィルム
Fの磁気情報が送られており、前述のようにしてカメラ
の判別情報が入力された場合には、これが特性データ供
給部60に送られる。
【0059】画像処理条件を受け取ったパラメータ統合
部76は、これを、プレスキャン画像処理部44の処理
部50、および本スキャン画像処理部46の処理部54
の所定部位(ハードウエア)に設定する。次いで、プレ
スキャンメモリ40からプレスキャンデータが読み出さ
れ、処理部50において設定された画像処理条件で処理
されて、画像データ変換部52で変換されて、所定の処
理を施されたプレスキャン画像が、ディスプレイ20に
表示される。なお、この際、ディスプレイ20に表示す
る画像も前述と同様に歪曲収差や倍率色収差の補正を施
してもよい。
【0060】オペレータは、ディスプレイ20の表示を
見て、画像すなわち処理結果の確認(検定)を行い、必
要に応じて、キーボード18aに設定された前記各キー
等を用いて色/濃度、階調等を調整する。この調整の入
力は、キー補正部74に送られ、キー補正部74は調整
入力に応じた画像処理条件の補正量を算出し、これをパ
ラメータ統合部76に送る。パラメータ統合部76は、
送られた補正量に応じて、前述のように、処理部50お
よび処理部54のLUTやMTXを補正し、この補正す
なわちオペレータによる調整入力に応じて、ディスプレ
イ20に表示される画像も変化する。
【0061】オペレータは、ディスプレイ20に表示さ
れる画像が適正である判定(検定OK)すると、キーボ
ード18a等を用いてプリント開始を指示する。これに
より、画像処理条件が確定し、本スキャンメモリ42か
ら本スキャンデータが読み出され、本スキャン画像処理
部46の処理部54送られる。
【0062】処理部54において、画像データは、LU
TおよびMTXで処理された後、収差補正部56に送ら
れる。一方、特性データ供給部60は、取得したカメラ
の判別情報から、対応するレンズ特性を読み出し、これ
を収差補正部56に送る。収差補正部56は、レンズ特
性と画像データの画素位置とから、前述のようにして、
座標変換処理部56Aにおいて、倍率色収差および歪曲
収差を補正した画素位置Ir,IgおよびIbを算出し
て、拡大縮小処理部56Bにおくる。拡大縮小処理部5
6Bでは、送られたレンズ特性すなわち変倍率の補正係
数を用いて、出力画像のサイズに応じた通常の変倍率を
補正し、画素位置Ir,IgおよびIbを用いて、補正
した拡大/縮小率に応じた画像データのN倍補間を行っ
て画像の電子変倍を行い、倍率色収差および歪曲収差の
補正、ならびに電子変倍処理を施された画像データとし
てブロック54Aに出力する。なお、座標変換処理部5
6Aでの画素位置Ir,IgおよびIbの算出、ならび
に電子変倍率の算出は、画像データの供給に先立ち、特
性データ供給部60からレンズ特性の情報を受けた時点
で行ってもよい。
【0063】また、前述のようにして、収差補正部56
が歪曲収差の補正が不要であると判断した場合には、座
標変換処理部56Aでは何の処理も行われず、拡大縮小
処理部56Bにおいて出力画像のサイズに応じた、通常
の変倍率での電子変倍処理が行われる。
【0064】画像データは、さらに、ブロック54Aに
おいてシャープネス処理や覆い焼き処理等の必要な画像
処理を施され、画像データ変換部58に送られ、画像デ
ータ変換部58においてプリンタ16による画像記録に
応じた画像データに変換され、プリンタ16に送られ
る。なお、検定を行わない場合には、パラメータ統合部
76による本スキャン画像処理部46の処理部54への
画像処理条件の設定を終了した時点で画像処理条件が確
定し、自動的に本スキャンデータの処理を行って、プリ
ンタ16に送る。これらは、作業モード等で選択できる
ようにするのが好ましい。
【0065】前述のように、処理装置14で処理された
画像データは、プリンタ16に送られる。プリンタ16
は、感光材料(印画紙)を画像データに応じて露光して
潜像を記録し、感光材料に応じた現像処理を施して(仕
上り)プリントとして出力するものである。例えば、感
光材料をプリントに応じた所定長に切断した後に、バッ
クプリントの記録、感光材料(印画紙)の分光感度特性
に応じた、赤(R)露光、緑(G)露光および青(B)
露光Gの3種の光ビームを画像データ(記録画像)に応
じて変調すると共に、主走査方向に偏向し、主走査方向
と直交する副走査方向に感光材料を搬送することによる
潜像の記録等を行い、潜像を記録した感光材料に、発色
現像、漂白定着、水洗等の所定の湿式現像処理を行い、
乾燥してプリントとした後に、仕分けして集積する。
【0066】以上、本発明の画像処理方法および画像処
理装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例
に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろん
である。
【0067】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、レンズ付きフィルム、安価なコンパクトカメラ
やデジタルカメラ等で撮影された画像であっても、画像
処理によって撮影画像の歪曲収差を補正することができ
るので、歪のない高画質な画像を安定して出力すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像処理装置を利用するデジタルフ
ォトプリンタの一例のブロック図である。
【図2】 図1に示されるデジタルフォトプリンタの画
像処理装置の一例のブロック図である。
【図3】 図2に示される画像処理装置の収差補正部の
概念図である。
【図4】 (a),(b),(c)および(d)は、本
発明における歪曲収差の補正および電子変倍処理を説明
するための概念図である。
【符号の説明】
10 (デジタル)フォトプリンタ 12 スキャナ 14 (画像)処理装置 16 プリンタ 18 操作系 18a キーボード 18b マウス 20 ディスプレイ 22 光源 24 可変絞り 26 色フィルタ板 28 拡散ボックス 32 結像レンズユニット 34 CCDセンサ 36 アンプ 38 データ処理部 40 プレスキャン(フレーム)メモリ 42 本スキャン(フレーム)メモリ 44 プレスキャン画像処理部 46 本スキャン画像処理部 48 条件設定部 50,54 (画像)処理部 52,58 画像データ変換部 56 収差補正部 56A 座標変換処理部 56B 拡大縮小処理部 60 (レンズ)特性データ供給部 72 (画像処理条件)設定部 74 キー補正部 76 パラメータ統合部

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学的に撮影された画像から画像データを
    得る画像処理方法であって、前記画像を撮影したレンズ種を判別して、この判別結果
    を用いて歪曲収差補正の要・不要を判定し、歪曲収差補
    正が必要な場合には、複数のレンズ種のレンズ特性を記
    憶する記憶手段から対応するレンズ特性を読み出し、こ
    のレンズ特性 と前記画像の位置情報とを用いて、この画
    像の歪曲収差を補正すると共に、前記歪曲収差の補正に
    よって生じる画欠けを相殺できる、出力画像に応じた所
    定倍率よりも大きな変倍率で電子変倍処理を行うことを
    特徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】光学的に撮影された画像から得られた画像
    データに画像処理を施す画像処理装置であって、 前記画像を撮影した撮影レンズの判別情報を取得する取
    得手段、複数の 撮影レンズ種に応じたレンズ特性を記憶する記憶
    手段、 および、前記取得手段が取得した判別情報に応じて、画
    像の歪曲収差補正の要・不要を判定し、歪曲収差補正が
    不要と判定した場合には、出力画像に応じた所定倍率で
    の電子変倍処理を行い、歪曲収差補正が必要と判定した
    場合には、対応する撮影レンズのレンズ特性を前記記憶
    手段から受け取り、前記画像の位置情報とレンズ特性と
    から画像の歪曲収差を補正すると共に、前記歪曲収差の
    補正によって生じる画欠けを相殺できる、出力画像に応
    じた所定倍率よりも大きな変倍率で電子変倍処理を行
    、補正手段を有することを特徴とする画像処理装置。
  3. 【請求項3】前記歪曲収差補正を行う場合に、撮影レン
    ズ種に応じて電子変倍率を調整する請求項2に記載の画
    像処理装置。
  4. 【請求項4】前記歪曲収差補正を行う場合に、撮影レン
    ズ種によらず所定の電子変倍率で電子変倍処理を行う
    求項2に記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】前記補正手段が、歪曲収差に起因する画像
    位置のずれ量から各画像の適正な位置を算出して歪曲収
    差を補正するものである請求項2〜4のいずれかに記載
    の画像処理装置。
  6. 【請求項6】前記補正手段が、歪曲収差に起因する画像
    位置のずれ量から各画像の適正な位置を算出し、この適
    正な位置の情報を用いて画像の電子変倍処理を行うもの
    である請求項2〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】前記補正手段が、前記各画像の適正な位置
    の算出に先立ち、倍率色収差に起因する3原色の基準と
    なる色に対する他の色の画像位置のずれ量を算出し、こ
    の倍率色収差に起因するずれ量と、歪曲収差に起因する
    前記基準となる色の画像位置のずれ量とを用いて、歪曲
    収差に加え倍率色収差も補正した各画像の適正な位置を
    算出する請求項2〜4のいずれかに記載の画像処理装
    置。
  8. 【請求項8】前記電子変倍処理の変倍率が、画像の縦と
    横とで異なる請求項2〜7のいずれかに記載の画像処理
    装置。
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