JP3428619B2 - 車両用減衰力制御装置 - Google Patents

車両用減衰力制御装置

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JP3428619B2
JP3428619B2 JP30440297A JP30440297A JP3428619B2 JP 3428619 B2 JP3428619 B2 JP 3428619B2 JP 30440297 A JP30440297 A JP 30440297A JP 30440297 A JP30440297 A JP 30440297A JP 3428619 B2 JP3428619 B2 JP 3428619B2
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正博 村田
聡 鈴木
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
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    • B60G2400/252Stroke; Height; Displacement vertical
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2401/00Indexing codes relating to the type of sensors based on the principle of their operation

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両のばね上部材
とばね下部材との間に配設される液圧緩衝装置(ショッ
クアブソーバ)の減衰力を制御する車両用減衰力制御装
置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の減衰力制御装置の一例が、例えば
特開平5−294122号に開示されている。この減衰
力制御装置は、いわゆるスカイフック制御理論を採用し
て液圧緩衝装置の減衰力を制御しており、車両のばね上
部材とばね下部材との相対速度とばね上部材の上下方向
の速度とにもとづいて減衰力を制御しており、これによ
り、路面からの上下入力にもとづくばね上部材の上下振
動の抑制効果を高めている。 【0003】また、車両の乗心地を確保するためには、
液圧緩衝装置を構成するピストンロッドの変位速度が低
い領域で、減衰力は小さい方が望ましい。一方、車両の
良好な操縦安定性を確保するためには、ピストンロッド
の変位速度が高い領域で減衰力は大きい方が望ましい。
一般には、ピストンロッドの変位速度が0.1〜0.3
m/sを越えた点で、減衰力特性(ピストンロッドの変
位速度に対する減衰力の関係を示す特性)の勾配を減少
させることにより、乗心地と操縦安定性とを両立させ得
ることが知られている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】研究の結果、車両の乗
心地及び操縦安定性は、ピストンロッドの変位速度が非
常に低い領域(例えば、0.02m/s以下の領域;以
下、低速域と称す)における減衰力特性にも大きく依存
することがわかった。 【0005】しかし、このように低速域の減衰力特性に
依存して車両の乗心地や操縦安定性が大きく変化するこ
とについては、従来、認識されておらず、車両の乗心地
及び操縦安定性を向上させるうえで、この低速域におけ
る減衰力特性を如何に制御するかが重要となる。 【0006】そこで、本発明では、この低速域における
減衰力特性を制御することで、車両の乗心地及び操縦安
定性をより向上させ得る車両用減衰力制御装置を提供す
ることを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明の車両用
減衰力制御装置は、車両のばね上部材とばね下部材との
間に生じる振動を所定の減衰力で減衰させると共に、ば
ね上部材とばね下部材との相対速度が低速の領域(0.
02m/s以下の領域)で減衰力可変機能を有する液圧
緩衝手段と、液圧緩衝手段に対応して配設され、ばね上
部材とばね下部材との相対変位を検出する変位状態検出
手段と、変位状態検出手段の検出結果から得られる相対
変位方向と相対変位速度の変化状態とにもとづき、液圧
緩衝手段の減衰力を制御する制御手段とを備えて構成す
る。 【0008】変位状態検出手段の検出結果から、ばね上
部材とばね下部材との相対変位方向及び相対変位速度の
変化状態となる加速度が求められる。制御手段では、こ
れらの結果をもとに、液圧緩衝手段が伸び行程であるか
縮み行程であるかを判断するとともに、相対変位速度が
加速傾向にあるか減速傾向にあるかなどを判断し、判断
結果に応じた減衰力制御を実施する。 【0009】本発明の車両用減衰力制御装置は、さら
に、制御手段において、相対変位速度が加速状態の場合
には液圧緩衝手段の減衰力を増大させ、減速状態の場合
には液圧緩衝手段の減衰力を減少させるように制御す
る。 【0010】制御手段によって、相対変位速度が加速状
態の場合に減衰力を増大させ、減速状態の場合に減衰力
を減少させることで、ばね上部材とばね下部材との相対
変位速度の変動が抑制され、これにより車両の乗心地及
び操縦安定性を向上させる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につき、
添付図面を参照して説明する。 【0012】図1に第1の実施形態にかかる減衰力制御
装置を搭載した車両を概略的に示す。車体200の左右
には、サスペンションアーム210を介して、それぞれ
車輪L、Rが連結されている。車体200と左右のサス
ペンションアーム210との間には、車体200に発生
する上下方向の振動を減衰させるショックアブソーバ1
0を配設している。このショックアブソーバ10は、後
に説明するように、アクチュエータ2を備えており、こ
のアクチュエータ2を駆動制御することで、発生させる
減衰力を調整し得る機構となっている。また、操舵ハン
ドル201に連結された操舵軸202には、操舵ハンド
ル201の操作量を検出する操舵角センサ203を配設
している。 【0013】また、各車輪に対応してストロークセンサ
220を配設しており、センサ本体を車体200に固定
し、センサ本体から延びる検出ロッド221の先端をサ
スペンションアーム210に連結している。サスペンシ
ョンアーム210の揺動に伴って検出ロッド221が揺
動し、この検出ロッド221の動きをセンサ本体に内蔵
したポテンショメータで検出する機構となっている。従
ってストロークセンサ220では、車体200に対する
車輪L、Rの相対的なストローク量が検出される。な
お、サスペンションアーム210に対する検出ロッド2
21の連結部位が、車体200の中央よりの位置となっ
ているため、実際の車輪の相対ストローク量は、ストロ
ークセンサ220の検出結果の定数倍の値となる。この
ため、ストロークセンサ220の検出結果に所定の定数
倍した値を車輪の相対ストローク量Yとして得ている。 【0014】図1では、前輪側の構成のみを概略的に示
したが、車輪L、R、ショックアブソーバ10,サスペ
ンションアーム210、ストロークセンサ220など
は、後輪側も同様な構成となっている。そして、図2に
示すように、電子制御装置(以下「ECU」と称す。)
230には、操舵角センサ203、各輪のストロークセ
ンサ220の他、車両速度を検出する車速センサ20
4、ばね上部材としての車体200に作用する上下方向
の加速度を検出する上下加速度センサ205など、各セ
ンサからの検出結果が与えられる。ECU230では、
これらの検出結果をもとに後述する演算処理を実行し、
この演算結果をもとに、各輪に対応するショックアブソ
ーバ10におけるアクチュエータ2の駆動制御を実施し
ている。 【0015】ここで、ショックアブソーバ10について
説明する。 図3に示すように、ショックアブソーバ10
は、ピストンロッド16と外筒18とを備えている。外
筒18の外周にはガイド10aが固定され、ピストンロ
ッドの上端部分にはブラケット10bが掛止されてい
る。また、ガイド10aとブラケット10bの間には、
コイルスプリング10cが配設されており、このコイル
スプリング10cにより車体が弾力的に支えられてい
る。 【0016】外筒18の内部には、内筒20が外筒18
と同軸に配設されている。外筒18と内筒20との間に
は、環状室21が形成されている。外筒18の上端に
は、ロッドガイド22が嵌挿されている。ロッドガイド
22は大径部22aと小径部22bとを有する円柱状の
剛性部材である。小径部22bの外周面は内筒20の内
周面と係合し、大径部22aの外周面は外筒18の内周
面と係合している。ロッドガイド22には、その中央部
に貫通穴が設けられている。貫通穴には、ピストンロッ
ド16が液密かつ摺動可能に挿通されている。また、外
筒18の上端には、キャップ24が、その中央をピスト
ンロッド16が貫通するように固定されている。 【0017】ピストンロッド16は、その下端部分を小
径とした円柱状の部材である。ピストンロッド16はそ
の小径部が内筒20の内部に収容されるように配置され
ている。ピストンロッド16には、内筒20の内部に収
容される位置に、リバウンドストッパ26及ぴリバウン
ドストッパプレート28が装着されている。 【0018】リバウンドストッパプレート28は環状の
剛性部材であり、ピストンロッド16の外周に固定され
ている。また、リバウンドストッパ26は弾性を有する
環状部材であり、リバウンドストッパプレート28の上
部に装着されている。ピストンロッド16が上方へ所定
距離変位すると、リバウンドストッパ26がロッドガイ
ド22と当接し、ピストンロッド16の更なる変位が規
制される。 【0019】ピストンロッド16の下端部分には、サブ
ピストン30及びメインピストン32が固定され、上側
からサブピストン30、メインピストン32の順で取り
付けられている。内筒20の内部空間は、サブピストン
30及びメインピストン32により、サブピストン30
より上方の上室34と、サブピストン30とメインピス
トン32との間の中室36と、メインピストン32より
下方の下室38とに区画されている。 【0020】サブピストン30及びメインピストン32
は、それぞれ、上室34と中室36との間、及び、中室
36と下室38との間での流体の流通を許容するオリフ
ィス及び弁機構を備えており、ピストンロッド16の進
退動に応じて減衰力を発生させる。これらサブピストン
30及びメインピストン32の構成の詳細については後
述する。 【0021】ピストンロッド16の内部には、その軸方
向に貫通する通路40が設けられている。通路40は、
大径部40aと、大径部40aの下方へ延びる小径部4
0bbとを備えている。通路40の大径部40aと小径
部40bとの境界部分は、段差40cが形成されてい
る。この通路40の大径部40aには、調整ロッド42
が挿入されている。 【0022】外筒18の下端には、べースバルブ41が
固定されている。べ一スバルブ41は、下室38と環状
室21との流体の流通を許容するように構成されてい
る。外筒18の内部には、作動流体が、内筒20の内部
空間を充満すると共に、環状室21を所定の高さまで満
たすように収容されている。 【0023】調整ロッド42の上端は、ピストンロッド
16の上部へ達しており、車体200に取り付けられた
アクチュエータ2と係合している。アクチュエータ2
は、駆動源として、例えばステッピングモータを備えて
おり、ECU230からの信号に応じて調整ロッド42
を回転させる。 【0024】次に、図4を参照して、サブピストン3
0、メインピストン32、及びその周辺部分の構成につ
いて説明する。図4は、サブピストン30、メインピス
トン32、及びその周辺部分の拡大図である。なお、図
4の左半分には、上室34側から下室38側への流体の
流通を許容する構成部分を示し、また、図4の右半分に
は下室38側から上室34側への流体の流通を許容する
構成部分を示す。 【0025】図4に示すように、調整ロッド42は、減
衰力可変機構の一つであり、通路40の大径部40aの
内径よりも小さな外径を有する小径部42aと、小径部
42aの下端部分に形成された円錐部42bとを備えて
いる。調整ロッド42は、円錐部42bの先端が通路4
0の小径部40bへ進入するように配置されている。円
錐部42bの外周面と、通路40の段差40cとの間に
はクリアランスCが形成されている。 【0026】調整ロッド42の外周の小径部42aより
上方の部位にはOリング43が装着されている。Oリン
グ43により、調整ロッド42の小径部42aの外周と
通路40の大径部40aの内周との間に、環状の連通空
間44が画成されている。この連通空間44は、クリア
ランスCを介して、通路40の小径部40bの内部空間
と連通している。 【0027】ピストンロッド16には、その径方向に延
びて、上室34と連通空間44とを連通する連通路46
が設けられている。更に、ピストンロッド16には、そ
の径方向に延びて、通路40の小径部40bの内部空間
と中室36とを連通する連通路47が設けられている。 【0028】調整ロッド42は、図示しないネジ部にお
いて、通路40の大径部4Oaと螺合しており、その上
端部がアクチュエータ2と係合している。このため、ア
クチュエータ2により調整ロッド42を回転操作し、こ
れにより調整ロッド42の開度位置(上下位置)を変化
させることで、クリアランスCを調整することができ
る。 【0029】ピストンロッド16の小径部分の外周に
は、大径部16a側(図4では上側)から順に、ストッ
パプレート48、リーフシート49、リーフバルブ5
0、サブピストン30、リーフバルブ54、及びリーフ
シート56が嵌着されている。 【0030】リーフバルブ50、54は、薄板材より構
成された低い曲げ剛性を有する部材である。サブピスト
ン30の上端面及び下端面には、それぞれ、環状溝58
及び60が設けられている。リーフバルブ50及び54
は、それぞれ、環状溝58及び60を閉塞するように配
設されている。また、サブピストン30には、環状溝5
8の内部空間と中室36とを連通する貫通通路62、及
び、環状溝60の内部空間と上室34とを連通する貫通
通路64が設けられている。 【0031】リーフバルブ50は、中室36の液圧が上
室34の液圧に比して所定の開弁圧P1だけ高圧となっ
た場合に撓み変形することで開弁し、中室36から上室
34へ向かう作動流体の流れを許容する。また、リーフ
バルブ54は、上室34の液圧が中室36の液圧に比し
て所定の開弁圧P2だけ高圧となった場合に撓み変形す
ることで開弁し、上室34から中室36へ向かう作動流
体の流れを許容する。 【0032】サブピストン30の外周には、ピストンリ
ング66が装着されている。ピストンリング66により
サブピストン30と内筒20との間のシール性が確保さ
れている。ピストンロッド16の外周のリーフシート5
6の更に下方には、上側から順に、連通部材68、リー
フシート70、スペーサ72、スプリングシート74、
及びスペーサ76が嵌着されている。 【0033】連通部材68は、その径方向を貫通し、ピ
ストンロッド16の連通路47と連通する連通路77を
備えている。また、スペーサ76の外周には、スプリン
グシート78が軸方向に摺動可能に嵌着されている。ス
プリングシート74とスプリングシート78との間に
は、スプリング80が配設されている。 【0034】ピストンロッド16の外周のスペーサ76
の更に下方には、上側から順に、リーフバルブ82、メ
インピストン32、及び、リーフバルブ86が嵌着され
ている。メインピストン32の上端面には、複数のシー
ト面92が設けられている。また、メインピストン32
の下端面には、複数のシート面94が、シート面92に
対応しない位置に設けられている。リーフバルブ82及
び86は複数枚の薄板材を重ねてなる部材であり、それ
ぞれシート面92及び94の頂面に当接するように配設
されている。また、メインピストン32の外周にはピス
トンリング95が装着されている。ピストンリング95
により、メインピストン32と内筒20との間のシール
性が確保されている。 【0035】メインピストン32には、その軸方向を貫
通する貫通通路96及び98が設けられている。貫通通
路96は、その上端部においてシート面92の間の凹部
に開口し、その下端部においてシート面94の頂面に開
口するように構成されている。また、貫通通路98は、
その上端部においてシート面92の頂面に開口し、その
下端部においてシート面94の間の凹部に開口するよう
に構成されている。 【0036】リーフバルブ82を構成する最もメインピ
ストン32側の薄板材には、リーフバルブ82がシート
面92に当接した状態で、貫通通路98と中室36とを
連通させる第1オリフィス(図示せず)が形成されてい
る。また、リーフバルブ86を構成する最もメインピス
トン32側の薄板材には、リーフバルブ86がシート面
94に当接した状態で、貫通通路96と下室38とを連
通させる第2オリフィス(図示せず)が形成されてい
る。 【0037】ピストンロッド16の外周のリーフバルブ
86の更に下方には、スペーサ99が嵌着されている。
また、ピストンロッド16の下端部にはネジ部16cが
形成されており、このネジ部16cにはスプリングシー
ト100が螺着されている。スペーサ99の外周にはス
プリングシート102が軸方向に摺動可能に嵌着されて
いる。スプリングシート102とスプリングシート10
0との間にはスプリング104が配設されている。 【0038】ピストンロッド16の小径部分の下端に
は、通路40を塞ぐスクリュー105が装着されてい
る。このため、通路40と下室38との連通は遮断さ
れ、通路40は上室34及び中室36とのみ連通してい
る。 【0039】ピストンロッド16の下部の小径部分の外
周に配設された部材は、スプリングシート100によ
り、大径部16aと小径部分との境界の段差面に向けて
押圧されることで、ピストンロッド16に一体に固定さ
れている。 【0040】リーフバルブ82及び86は、スプリング
80及び104の付勢力により、メインピストン32の
シート面92及び94の頂面に向けて押圧されている。
リーフバルブ82は、下室38の液圧が中室36の液圧
に比して所定の開弁圧P3以上の高圧になると、スプリ
ング80の付勢力に抗して上向きに撓み変形することで
開弁し、下室38から中室36へ向かう作動流体の流れ
を許容する。また、リーフバルブ86は、中室36の液
圧が下室38の液圧に比して所定の開弁圧P4以上の高
圧になると、スプリング104の付勢力に抗して下向き
に撓み変形することで開弁し、中室36から下室38へ
向かう作動流体の流れを許容する。 【0041】本実施形態において、リーフバルブ50及
び54が低剛性の薄板部材より構成されていることで、
これらの開弁圧P1、P2は非常に小さな値に設定され
ている。一方、リーフバルブ82、86がそれぞれスプ
リング80、104により押圧されていることで、これ
らの開弁圧P3及びP4は比較的大きな値に設定されて
いる。 【0042】次に、ショックアブソーバ10の動作につ
いて説明する。図5はショックアブソーバ10により実
現される減衰力特性を示す。図5において、横軸はピス
トンロッド16の変位速度Vを示し、また、縦軸は、シ
ョックアブソーバ10が発生する減衰力Fを示してい
る。なお、図5において、ピストンロッド16が内筒2
0から退出する方向、すなわち、伸長方向に変位する場
合の減衰力Fを正として示している。 【0043】ピストンロッド16が伸長方向に変位する
と、上室34の容積が減少すると共に、下室38の容積
は増加する。これらの容積変化を補償するために、作動
流体が上室34から中室36を経て下室38へ流入す
る。更に、ピストンロッド16が内筒20から退出する
ことで、内筒20の容積が増加する。この内筒20の容
積の増加を補償するため、作動流体が環状室21からべ
一スバルブ41を介して下室38へ流入する。 【0044】ピストンロッド16の変位速度Vが十分に
低速である場合、上室34と中室36との間の差圧、及
び、中室36と下室38との間の差圧は小さく、リーフ
バルブ54、及び、リーフバルブ86は何れも閉弁状態
に保持される。このため、上室34内の作動流体は、ピ
ストンロッド16の連通路46、連通空間44、クリア
ランスC、通路40の小径部40b、連通路47、及
び、連通部材68の連通路77からなる流路(以下、バ
イパス通路と称す)を通って、中室36へ流入する。ま
た、中室36内の作動流体は、メインピストン32の貫
通通路96及び第2オリフィスを通って下室38へ流入
する。 【0045】この場合、作動流体がバイパス通路及び第
2オリフィスを経由して流通する際に、流通抵抗に伴う
減衰力が発生する。ショックアブソーバ10が発揮する
減衰力Fは、作動流体が上室34から中室36へ流通す
る際の流通抵抗R1に応じて発生する減衰力Faと、作
動流体が中室36から下室38へ流通する際の流通抵抗
R2に応じて発生する減衰力Fbとの和となる。このた
め。図5に符号A1で示すように、減衰力Fは変位速度
Vの増加に伴って大きな勾配で立ち上がる。 【0046】作動流体が上室34から中室36へ流通す
る際の流通抵抗R1が増加すると、上室34と中室36
との間の差圧が上昇する。また、作動流体が中室36か
ら下室38へ流通する際の流通抵抗R2が増加すると、
中室36と下室38との間の差圧が上昇する。そして、
上室34と中室36との間の差圧がリーフバルブ54の
開弁圧P2に達するまで変位速度Vが上昇すると、リー
フバルブ54が開弁する。以下、リーフバルブ54が開
弁する際のピストンロッド16の変位速度V及びショッ
クアブソーバ10が発生する減衰力Fを、それぞれ第1
開弁速度V1及び第1開弁減衰力F1と称する。上述の
如く、第1開弁減衰力F1が非常に小さな値、例えば、
3〜5kgfとなるように、リーフバルブ54の開弁圧
P2を十分に小さく設定している。このようにリーフバ
ルブ54の開弁圧P2が設定された場合、第1開弁速度
V1は0.05m/s以下の非常に低い速度となる。 【0047】リーフバルブ54が開弁すると、上室34
から中室36への流体の移動は、バイパス通路と共に貫
通通路64を介して行なわれるようになる。このため、
作動流体が上室34から中室36へ向けて流通する際の
流通抵抗R1が減少する。そして、流通抵抗R1が減少
することで、図5に符号A2を付して示すように、変位
速度Vが第1開弁速度V1を上回った領域では、減衰力
Fの増加勾配が減少する。 【0048】変位速度Vが更に増加し、中室36と下室
38との間の差圧がリーフバルブ86の開弁圧P4に達
すると、リーフバルブ86が開弁する。以下、リーフバ
ルブ86が開弁する際の変位速度V及び減衰力Fを、そ
れぞれ、第2開弁速度V2、及び、第2開弁減衰力F2
と称する。本実施形態では第2開弁減衰力F2が例えば
50kgf程度になるように、リーフバルブ86の開弁
圧P4を設定している。この場合、第2開弁速度V2は
0.2m/s程度の値となる。 【0049】リーフバルブ86が開弁すると、中室36
から下室38へ至る流路の流路面積が増大することで、
作動流体が中室36から下室38へ向けて流通する際の
流通抵抗R2は小さくなる。このため、図5に符号A3
で示すように、変位速度Vが第2開弁速度V2を上回っ
た領域では、減衰力Fの増加勾配は更に減少する。 【0050】一方、ピストンロッド16が内筒20へ進
入する方向、すなわち、収縮方向に変位する場合には、
上室34の容積が増加すると共に、下室38の容積が減
少する。これらの容積変化を補償するために、作動流体
が、下室38から、中室36を経て、上室34へ流入す
る。また、ピストンロッド16が内筒20へ進入するこ
とで、内筒20の容積が減少する。かかる内筒20の容
積減少を補償するため、作動流体が下室38からベース
バルブ41を介して環状室21へ流出する。 【0051】本実施形態において、リーフバルブ50の
開弁圧P1は、リーフバルブ54の開弁圧P2とほぼ一
致するように設けられている。このため、変位速度Vが
第1開弁速度V1にほぼ等しいv1に達し、減衰力Fが
第1開弁減衰力F1にほぼ等しいf1となった時点で、
リーフバルブ50が開弁する。また、リーフバルブ82
の開弁圧P3は、リーフバルブ86の開弁圧P4に比し
て若干小さくなるように設けられている。このため、変
位速度Vが第2開弁速度V2より小さいv2(例えば
0.15m/s程度)に達し、減衰力Fが第2開弁減衰
力F2より小さいf2(例えば30kgf程度)となっ
た時点で、リーフバルブ82が開弁する。なお、以下、
リーフバルブ50及び82が開弁する際のピストンロッ
ド16の変位速度であるv1及びv2をも、それぞれ第
1開弁速度及び第2開弁速度と称し、また、リーフバル
ブ50及び82が開弁する際の減衰力Fであるf1及び
f2をも、それぞれ、第1開弁減衰力、及び第2開弁減
衰力と称する。 【0052】従って、ピストンロッド16が収縮方向に
変位する場合においても、ピストンロッド16が伸長方
向へ変位する場合と同様に、ピストンロッド16の変位
速度Vが第1開弁速度v1に達するまでは、図5に符号
B1を付して示すように、減衰力Fは比較的大きな勾配
で立ち上がる。そして、変位速度Vが第1開弁速度v1
に達すると、リーフバルブ50が開弁することで、図5
に符号B2を付して示すように、減衰力Fの増加勾配は
減少する。更に、変位速度Vが第2開弁速度v2に達す
ると、リーフバルブ82が開弁することで、図5に符号
B3を付して示すように、減衰力Fの増加勾配は更に減
少する。 【0053】このようにショックアブソーバ10によれ
ば、ピストンロッド16の変位速度Vが、低速域(第1
開弁速度V1、v1以下の領域)から、高速域(第1開
弁速度V1、v1を超える領域)へと遷移するのに応じ
て、順次、減衰力Fの増加勾配が減少するような減衰力
特性が実現される。 【0054】ところで、バイパス通路の開度は、クリア
ランスCの大きさに応じて変化する。バイパス通路の開
度が大きいほど、作動流体がバイパス通路を流通する際
の流通抵抗は小さくなる。バイパス通路を流通する際の
流通抵抗が小さくなると、一定の変位速度Vに対して生
ずる上室34と中室36と間の差圧が小さくなり、減衰
力Fが小さくなる。すなわち、図5に符号a1、b1を
付して破線で示すように、減衰力特性の勾配は小さいも
のとなる。 【0055】従って、クリアランスCを調整すること
で、ピストンロッド16の変位速度Vが第1開弁速度V
1、v1よりも大きい領域、すなわち、高速域における
減衰力特性をほぼ一定に維持しつつ、第1開弁速度V
1、v1以下における減衰力特性を変化させることがで
きる。上述の如く、第1開弁速度V1、v1は0.05
m/s以下の低い値に設けられている。従って、本実施
形態に係るショックアブソーバ10によれば、クリアラ
ンスCを変化させることによって、高速域における減衰
力特性に影響を与えることなく、0.05m/s以下の
低速域におけるショックアブソーバ10の減衰力特性の
みを調整することができる。また、アクチュエータ2の
駆動を制御してクリアランスCを段階的に変化させるこ
とにより、ピストンロッド16の低速域においてショッ
クアブソーバ10の減衰力特性の勾配を段階的に可変す
ることも可能となる。 【0056】本実施形態に係るショックアブソーバ10
を用いて行なった実験によれば、低速域における減衰力
特性に依存して、車両の乗り心地及び操縦安定性が大き
く変化することがわかっている。例えば、クリアランス
Cを減少させて低速域における減衰力特性の勾配を増加
させると、旋回走行時のステアリングの保舵力が大きく
なることで、ステアリングの手応え感が増加する。ま
た、低速域における減衰力特性の変化に対して、旋回走
行時の車両のローリング速度、及び、操舵時における車
両のヨーイング変化の応答性は敏感に変化する。従っ
て、本実施形態に係るショックアブソーバ10によれ
ば、クリアランスCを調整し、低速域における減衰力特
性を変化させることで、より最適な乗り心地及び操縦安
定性を得ることができる。以下に説明する各実施形態で
は、ECU230において、主にこの低速域における減
衰力特性を制御する。 【0057】ここで、ECU230において実施され
る、ショックアブソーバ10の減衰力変更制御(減衰力
変更ルーチン)について、図6のフローチャートをもと
に説明する。なお、図6のフローチャートは、図1にお
ける車輪Lに対応するショックアブソーバ10の減衰力
変更制御を代表的に示しており、他の3輪に対してもそ
れぞれ同様な減衰力制御が実施される。 【0058】図6に示すルーチンは、図示しないイグニ
ションスイッチがオンされてからオフされるまでの間に
繰り返し実施される。 【0059】まず、ステップ100(以下、ステップを
「S」と記す)では、ショックアブソーバ10で発生さ
せる減衰力を定める制御ステップ数stepを仮設定する
が、このS100で実行する各処理を図7に示すフロー
チャートにもとづいて説明する。 【0060】まず、S102に進み、操舵角センサ20
3,ストロークセンサ220、上下加速度センサ20
4、車速センサ205など、車両の走行状態を示す各セ
ンサの検出結果を読み込む。 【0061】続くS104では、ストロークセンサ22
0で検出された車輪Lの相対ストローク量Yをもとに、
車輪Lの相対ストローク速度(以下、ストローク速度と
称す)Viを演算すると共に、車体200に搭載した上
下加速度センサ205の検出結果より車体200の上下
方向の速度となるばね上速度Zdを演算する。 【0062】続くS106では、S104で演算された
ストローク速度Viとばね上速度Zdとの速度比Zd/
Viと、S102で読み込んだ車速とをもとに、スカイ
フック制御理論にもとづいて制御ステップ数stepを設定
する。この制御ステップ数stepは、ショックアブソーバ
10におけるアクチュエータ2の駆動源となるステッピ
ングモータの停止位置をどの位置にするかを設定するも
のであり、この制御ステップ数がショックアブソーバ1
0内における調整ロッド42の上下位置に対応してい
る。そして、その制御ステップ数が大きいほど調整ロッ
ド42によって形成される油路のクリアランスCが小さ
くなって減衰力が増加し(減衰力がハード側へ推移)、
制御ステップ数が小さいほど油路のクリアランスCが大
きくなって減衰力が低下(減衰力がソフト側へ推移)す
る機構となっている。 【0063】続くS108では、S102で読み込まれ
た操舵角センサ203の検出結果から、車両が旋回状態
であるかを判断する。例えば、検出された操舵角をθと
すると、|θ|が所定の旋回判定定数θsより大の場合
に、旋回状態であると判定する。 【0064】S108で「No」の場合(車両が直進状
態)には、S106で設定された制御ステップ数stepが
維持され、このままS100を終了する。 【0065】S108で「Yes」の場合には、S11
0に進み、ストローク速度ViがVi>0であるかを判
定する。S110で「Yes」と判定された場合には、
ショックアブソーバ10のピストンロッド16が伸び側
に変位する伸び行程であり、この場合にはS112に進
み、S106で設定された制御ステップ数stepに1step
増加した値を、新たな制御ステップ数stepとして更新す
る。 【0066】一方、S110で「No」と判定された場
合には、S114に進み、ストローク速度ViがVi<
0であるかを判定する。S114で「No」と判定され
た場合には、S106で設定された制御ステップ数step
がそのまま維持され、S100を終了する。S114で
「Yes」と判定された場合には、ショックアブソーバ
10のピストンロッド16が縮み側に変位する縮み行程
であり、この場合にはS116に進み、S106で設定
された制御ステップ数stepに1step減じた値を、新たな
制御ステップ数stepとして更新する。 【0067】車両の旋回時には、荷重移動によって、旋
回外輪側のショックアブソーバ10が縮み行程となり、
旋回内輪側のショックアブソーバ10が伸び行程とな
る。従って、S100では、伸び行程となる旋回内輪側
のショックアブソーバ10に対しては、S112におい
て減衰力が増加するように、縮み行程となる旋回外輪側
のショックアブソーバ10に対しては、S116におい
て減衰力が減少するように、それぞれ制御ステップ数st
epが設定される。このように制御ステップ数stepが変更
されることで、旋回内輪側のショックアブソーバ10の
伸び量が抑制され、旋回外輪側のショックアブソーバ1
0の縮み量が増大する。このような作用によって、旋回
時に車体200の重心高が低下し、旋回時の操縦性を向
上させることができる。 【0068】以上説明したようにS100が実施された
後、図6のS202に進み、ストローク速度Viに応じ
て判定フラグFcがセットされる。Viが速度判定定数
Vs以上のときはFc=1にセットされ、Viが速度判
定定数−Vs以下のときはFc=−1にセットされ、−
Vs<Vi<VsのときはFc=0にセットされる。 【0069】続くS204では、車輪Lの加速度dVi
/dtを演算する。なお、演算される加速度dVi/d
tは、車体200と車輪Lとの間の相対的な加速度とな
る。 【0070】続くS206では、判定フラグFcが1で
あるか、すなわちショックアブソーバ10が伸び行程で
あるかを判定し、「Yes」と判定された場合にはS2
08に進み、S204で演算した車輪Lの加速度dVi
/dtが0以上であるかを判定する。 【0071】S208で「Yes」と判定された場合に
は、ショックアブソーバ10の伸び方向側へ向かうスト
ローク速度Viが加速状態にあるため、このような場合
には、まずS210に進んで、今回のルーチンで仮設定
されている制御ステップ数stepと、前回のルーチンで設
定された制御ステップ数step oldとを比較する。S21
0で、制御ステップ数stepが制御ステップ数step oldよ
り大であれば(S210で「Yes」)、S212に進
み、今回のルーチンで仮設定されている制御ステップ数
stepを、制御ステップ数stepとして本設定する。この
後、S214に進んで、今回のルーチンで設定された制
御ステップ数stepの値をstep oldとして記憶する。一
方、S210で「No」と判定された場合、すなわち、
今回のルーチンで仮設定されている制御ステップ数step
が前回のルーチンで設定された制御ステップ数step old
以下の場合には、S216に進み、仮設定された制御ス
テップ数stepの値を、今回値以上の値となる前回の制御
ステップ数step oldに置き換え、この後、前述したS2
14を実行する。 【0072】これに対し、S208で「No」と判定さ
れた場合には、ショックアブソーバ10の伸び方向側へ
向かうストローク速度Viが減速状態にあるため、この
ような場合には、S218に進んで、今回のルーチンで
仮設定されている制御ステップ数stepと、前回のルーチ
ンで設定された制御ステップ数step oldとを比較する。
S218で、制御ステップ数stepが制御ステップ数step
oldより小であれば(S218で「Yes」)、S21
2に進み、今回のルーチンで仮設定されている制御ステ
ップ数stepを、制御ステップ数stepとして本設定する。
この後、S214に進んで、今回のルーチンで設定され
た制御ステップ数stepの値をstep oldとして記憶する。
一方、S218で「No」と判定された場合、すなわ
ち、今回のルーチンで仮設定されている制御ステップ数
stepが前回のルーチンで設定された制御ステップ数step
old以上の場合には、S216に進み、仮設定された制
御ステップ数stepの値を、今回値以下の値となる前回の
制御ステップ数step oldに置き換え、この後、前述した
S214を実行する。 【0073】このようにしてS208〜S218を実行
することで、ショックアブソーバ10が伸び行程の際、
ストローク速度Viが加速状態にある場合には制御ステ
ップ数stepが増大してストローク速度Viの加速傾向が
抑制され、また、ストローク速度Viが減速状態にある
場合には制御ステップ数stepが減少してストローク速度
Viの減速傾向が抑制される。このため、ストローク速
度Viの変動が抑制されると共に、ばね上部材としての
車体200の上下動の振幅も抑制されるため、車両の乗
心地と操縦安定性とを共に向上させることができる。 【0074】これに対し、先のS206で「No」と判
定された場合には、S220に進み、判定フラグFcが
−1であるか、すなわちショックアブソーバ10が縮み
行程であるかを判定する。S220で「Yes」と判定
された場合にはS222に進み、S204で演算した車
輪Lの加速度dVi/dtが0以下であるかを判定す
る。 【0075】S222で「Yes」と判定された場合に
は、ショックアブソーバ10の縮み方向側へ向かうスト
ローク速度Viが加速状態にあるため、このような場合
には、まずS224に進んで、今回のルーチンで仮設定
されている制御ステップ数stepと、前回のルーチンで設
定された制御ステップ数step oldとを比較する。S22
4で、制御ステップ数stepが制御ステップ数step oldよ
り大であれば(S224で「Yes」)、S226に進
み、今回のルーチンで仮設定されている制御ステップ数
stepを、制御ステップ数stepとして本設定する。この
後、S228に進んで、今回のルーチンで設定された制
御ステップ数stepの値をstep oldとして記憶する。一
方、S222で「No」と判定された場合、すなわち、
今回のルーチンで仮設定されている制御ステップ数step
が前回のルーチンで設定された制御ステップ数step old
以下の場合には、S230に進み、仮設定された制御ス
テップ数stepの値を、今回値以上の値となる前回の制御
ステップ数step oldに置き換え、この後、前述したS2
28を実行する。 【0076】一方、S222で「No」と判定された場
合には、ショックアブソーバ10の縮み方向側へ向かう
ストローク速度Viが減速状態にあるため、このような
場合には、S232に進んで、今回のルーチンで仮設定
されている制御ステップ数stepと、前回のルーチンで設
定された制御ステップ数step oldとを比較する。S23
2で、制御ステップ数stepが制御ステップ数step oldよ
り小であれば(S232で「Yes」)、S226に進
み、今回のルーチンで仮設定されている制御ステップ数
stepを、制御ステップ数stepとして本設定する。この
後、S228に進んで、今回のルーチンで設定された制
御ステップ数stepの値をstep oldとして記憶する。一
方、S232で「No」と判定された場合、すなわち、
今回のルーチンで仮設定されている制御ステップ数step
が前回のルーチンで設定された制御ステップ数step old
以上の場合には、S230に進み、仮設定された制御ス
テップ数stepの値を、今回値以下の値となる前回の制御
ステップ数step oldに置き換え、この後、前述したS2
28を実行する。 【0077】このようにしてS222〜S232を実行
することで、ショックアブソーバ10が縮み行程の際、
ストローク速度Viが加速状態にある場合には制御ステ
ップ数stepが増大してストローク速度Viの加速傾向が
抑制され、また、ストローク速度Viが減速状態にある
場合には制御ステップ数stepが減少してストローク速度
Viの減速傾向が抑制される。このため、ストローク速
度Viの変動が抑制されると共に、ばね上部材としての
車体200の上下動の振幅も抑制されるため、車両の乗
心地と操縦安定性とを共に向上させることができる。 【0078】なお、S220で「No」と判定された場
合、すなわちFc=0の場合には、S234に進んで、
仮設定されている制御ステップ数stepを制御ステップ数
stepとして本設定し、S236に進んで、今回のルーチ
ンで設定された制御ステップ数stepの値をstep oldとし
て記憶する。 【0079】このようにしてショックアブソーバ10の
減衰力変更制御を実施することで、図8に示すグラフに
おいて、伸び・縮み行程ともに、ストローク速度Viが
加速するハッチングで示す領域ではショックアブソーバ
10の減衰力が増大され、ストローク速度Viが減速す
る梨地で示す領域では制御ステップ数が減少されること
になる。 【0080】以上説明した実施形態のうち、図7に示す
フローチャートでは、S112或いはS116におい
て、増加或いは減少させるステップ数として1stepを例
示したが、この例に限定するものではなく、例えば、伸
び行程、縮み行程で、予めそれぞれ定めた複数ステップ
数を増減させてもよく、また、増減させるステップ数
を、ストローク速度Viの大きさに応じて設定すること
も可能である。 【0081】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両用減
衰力制御装置によれば、相対変位方向と相対変位速度の
変化状態とにもとづき液圧緩衝手段の減衰力を制御する
制御手段を備えることで、液圧緩衝手段の伸び・縮みの
それぞれの行程毎に、最適な制御を実施することが可能
となる。 【0082】また、本発明の車両用減衰力制御装置で
は、さらに、制御手段によって、相対変位速度が加速状
態の場合には減衰力を増大させ、減速状態の場合には減
衰力を減少させるように制御を実施するので、ばね上部
材とばね下部材との相対変位速度の変動が抑制されて、
急激な車高変化が抑えられ、これにより車両の乗心地及
び操縦安定性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】第1の実施形態にかかる減衰力制御装置を搭載
した車両を概略的に示す正面図である。 【図2】減衰力変更制御における入出力の対象と、制御
演算を行うECUとを示すブロック図である。 【図3】各実施形態で用いられるショックアブソーバの
縦断面図である。 【図4】ショックアブソーバの要部を示す拡大断面図で
ある。 【図5】ピストンロッドの変位速度Vと発生する減衰力
Fとの関係を示すグラフである。 【図6】減衰力変更制御を示すフローチャートである。 【図7】図6におけるS100を示すフローチャートで
ある。 【図8】ストローク速度、車高、ストローク速度の速度
微分の推移の例を示すグラフである。 【符号の説明】 2…アクチュエータ、10…ショックアブソーバ、20
0…車体、201…操舵ハンドル、203…操舵角セン
サ、210…サスペンションアーム、220…ストロー
クセンサ、230…電子制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 正博 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 鈴木 聡 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 橋本 佳幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−147963(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 1/00 - 25/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 車両のばね上部材とばね下部材との間に
    生じる振動を所定の減衰力で減衰させると共に、前記ば
    ね上部材とばね下部材との相対速度が0.02m/s以
    の領域で減衰力可変機能を有する液圧緩衝手段と、 前記液圧緩衝手段に対応して配設され、前記ばね上部材
    とばね下部材との相対変位を検出する変位状態検出手段
    と、 前記変位状態検出手段の検出結果から得られる相対変位
    方向と相対変位速度の変化状態とにもとづき、前記液圧
    緩衝手段の減衰力を制御する制御手段とを備え前記制御手段では、相対変位速度が加速状態の場合には
    前記液圧緩衝手段の減衰力を増大させ、減速状態の場合
    には前記液圧緩衝手段の減衰力を減少させる ことを特徴
    とする車両用減衰力制御装置。
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