JP3426079B2 - 画像形成システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル複写機等
の画像形成装置を複数台備え、これら画像形成装置が通
信装置を介して互いに接続されている画像形成システム
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】現在商品化されている画像形成装置とし
ての例えばデジタル複写機は、原稿画像を複写する場
合、その原稿画像を画像読取り部にて読み取り、読み取
った原稿画像に対し、指定された画像処理を画像処理部
にて施し、その画像情報を記録部にてプリントアウトす
るものである。従って、このようなデジタル複写機で
は、そのデジタル複写機が備えている画像処理機能のみ
を利用して、用紙上に画像を得るものとなる。

【０００３】一方、近年においては、複数の画像記録装
置等のネットワーク化が提案されている。例えば特開昭
５３−１１６８３４号公報には、複数の画像読取り装置
と複数の画像記録装置とが１個の制御部を介して接続さ
れた構成が開示されている。この構成では、何れかの画
像読取り装置にて読み取られた原稿画像が何れかの画像
記録装置にて記録、即ちプリントアウトされる。

【０００４】また、特公平７−３６５９２号公報には、
画像読取り部と画像記録部とを備えた複写機が複数設け
られ、これら各複写機が１個の制御装置を介して接続さ
れている画像形成システムが開示されている。この画像
形成システムでは、設定された原稿複写モードに応じ
て、記録すべき画像情報が複数の複写機へ分散して供給
され、これら複写機にて複写動作が並行して行われるよ
うになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の画像
形成システムでは以下のような問題点を有している。画
像形成システムを構成する複数の例えばデジタル複写機
のうちの所定複写機にて画像処理を行う場合、画像処理
の種類、あるいは画像処理を行うべき画像情報の量によ
っては、画像処理に長時間を要することになる。

【０００６】また、上記デジタル複写機における各種の
画像処理機能はソフトウェアに依存している。一方、近
年における上記ソフトウェアの開発の進歩は目ざまし
く、デジタル複写機においては、短期間のうちに画像処
理機能が高機能化され、また従来にない機能を付加した
複写機が新たに商品化されている。このため、例えば所
望の画像処理機能を有するデジタル複写機を購入した場
合、このデジタル複写機は、購入時点においてたとえ最
高の画像処理機能を有するものであっても、短期間のう
ちに相対的に低機能のものとなってしまう。

【０００７】この場合、購入済のデジタル複写機につい
て、その複写機が備えている機能以上の機能をその複写
機に望むことはできず、さらなる高機能或いは新規の機
能を必要とする場合には、複写機の買い替えが必要とな
る。これは、ユーザにとって経済的に大きな負担を強い
られるものであり、また、メーカーにとって時代にあっ
た商品を提供していく以上、必ずつきまとう問題となっ
ている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項１の発明の画像形成システムは、複数台の
画像形成装置が通信装置を介して画像情報を送受信可能
に接続され、何れかの前記画像形成装置に入力された複
数ページ分の画像情報に対する画像処理が、複数の画像
形成装置により、前記画像情報の所定ページ単位を各画
像形成装置の担当分として並行して行われるとともに、
前記画像情報に付加され、前記画像処理を並行して行う
各画像形成装置の、前記画像情報の前記出力画像の画質
に影響を与える画像処理についての処理能力レベルは、
前記各画像形成装置間にてほぼ同等となるような許容範
囲内に設定されることを特徴としている。

【０００９】請求項１の構成によれば、画像形成システ
ムを構成する複数台の画像形成装置のうちの何れかの画
像形成装置に複数ページ分の画像情報が入力され、この
画像情報に対しての所定の画像処理の実行を指示する指
令が入力されたとき、前記画像情報に対しての画像処理
が、複数の画像形成装置により、前記画像情報の所定ペ
ージ単位を各画像形成装置の担当分として並行して行な
われ、かつ上記画像処理を並行して行なう各画像形成装
置の処理能力レベルが、各画像形成装置間でほぼ同等と
なるような許容範囲内に設定されるように構成されてい
る。

【００１０】このように、本画像形成システムでは、画
像情報に対する所定の画像処理が複数の画像形成装置に
より並行して行われるので、画像処理を迅速に行うこと
ができる。

【００１１】また、前記画像処理は、各画像形成装置間
で許容範囲内の処理能力レベル、即ち同等の処理能力レ
ベルで行われるので、画像処理済の画像情報を表示装置
にて出力した場合、あるいはプリンタ等の記録装置にて
用紙上に出力した場合に、その画像が全ページに渡って
同等レベルのものとなる。したがって、前記画像情報の
出力画像を見る人に違和感を与えることがない。

【００１２】また、請求項２の発明の画像形成システム
は、１台の第１画像形成装置と、複数台の第２画像形成
装置と、これら第１画像形成装置と第２画像形成装置と
を接続し、相互に画像情報の送受信を行わせる通信装置
と、記憶装置とを備え、前記記憶装置は、前記第２画像
形成装置での処理可能な画像処理の種類を示す画像処理
情報、および、出力画像の画質に影響を与える画像処理
についての処理能力レベルを示す画像処理能力情報を記
憶しており、前記第１画像形成装置は、画像情報に基づ
いて可視像を形成する画像出力部と、画像処理について
の指令を入力するための入力部と、この入力部により処
理の実行を指令された画像処理について、前記画像処理
情報および画像処理能力情報に基づき、前記画像情報を
画像処理を行うべき画像形成装置の台数分に分割すると
ともに、前記画像情報の出力画像が全ページに渡って同
等のレベルとなるように、複数の第２画像形成装置にて
許容範囲内にあるほぼ同等の処理能力レベルを指定し、
該指定した前記処理能力レベルと行うべき画像処理の種
類とを示す制御情報を分割した各画像情報に付加し、こ
れら画像情報を個別に各第２画像形成装置に前記通信装
置を介して転送する一方、各第２画像形成装置から返送
された画像処理済の各画像情報を前記画像出力部に供給
する制御部とを備え、前記第２画像形成装置は、画像情
報に前記制御情報により指定された複数の第２画像形成
装置にて許容範囲内にあるほぼ同等との前記処理能力レ
ベルにて行う画像処理部と、前記通信装置を介して入力
された画像情報を前記画像処理部に供給する一方、画像
処理部にて処理された画像情報を通信装置を介して第１
画像形成装置に返送する制御部とを備えていることを特
徴としている。

【００１３】請求項２の構成によれば、第１画像形成装
置において、画像処理についての指令が入力部にて入力
されると、第１画像形成装置の制御部は、記憶装置が記
憶する画像処理情報および画像処理能力情報に基づき、
複数の第２画像形成装置で共通の前記処理能力レベルの
許容範囲を指定する。また、制御部は、画像情報を複数
の第２画像形成装置の台数分に分割する。さらに制御部
は、指定した前記処理能力レベルと行うべき画像処理の
種類とを示す制御情報を分割した各画像情報に付加し、
これら画像情報を個別に各第２画像形成装置に通信装置
を介して転送する。

【００１４】第２画像形成装置は、通信装置を介して第
１画像形成装置から画像情報が入力されると、これをそ
の画像処理部に供給する。この画像処理部では、画像情
報に制御情報により指定された画像処理を指定された許
容範囲内の処理能力レベルにて行う。画像処理済の画像
情報は、制御部により通信装置を介して第１画像形成装
置に返送される。

【００１５】第１画像形成装置の制御部は、画像処理済
の画像情報を受信すると、これを画像出力部に供給す
る。これにより、第１画像形成装置の画像出力部によ
り、画像処理済の画像情報が可視像化される。

【００１６】このように、本画像形成システムでは、画
像情報に対する所定の画像処理が複数の第２画像形成装
置により並行して行われるので、画像処理を迅速に行う
ことができる。

【００１７】また、前記画像処理は、各第２画像形成装
置間で許容範囲内の処理能力レベル、即ち同等の処理能
力レベルで行われるので、画像処理済の画像情報を画像
出力装置、即ち表示装置にて出力した場合、あるいはプ
リンタ等の記録装置にて用紙上に出力した場合に、その
画像が全ページに渡って同等レベルのものとなる。した
がって、前記画像情報の出力画像を見る人に違和感を与
えることがない。

【００１８】また、操作者が所望する画像処理機能が、
操作者が使用している第１画像形成装置に無い場合であ
っても、その画像処理を他の画像形成装置、即ち第２画
像形成装置にて行うことができる。従って、画像形成シ
ステムを構成する各画像形成装置には、個々に所定の画
像処理機能を備える必要がない。これにより、画像形成
装置を使用するユーザーの経済的負担を軽減することが
できる。

【００１９】また、請求項３の発明の画像形成システム
は、１台の第１画像形成装置と、少なくとも１台の第２
画像形成装置と、これら第１画像形成装置と第２画像形
成装置とを接続し、相互に画像情報の送受信を行わせる
通信装置と、記憶装置とを備え、前記記憶装置は、前記
第１および第２画像形成装置での処理可能な画像処理の
種類を示す画像処理情報、および、出力画像の画質に影
響を与える画像処理についての処理能力レベルを示す画
像処理能力情報を記憶しており、前記第１画像形成装置
は、画像情報に制御情報にて指定された画像処理を指定
された許容範囲内の処理能力レベルで行う画像処理部
と、画像情報に基づいて可視像を形成する画像出力部
と、画像処理についての指令を入力するための入力部
と、この入力部により処理の実行を指令された画像処理
について、前記画像処理情報および画像処理能力情報に
基づき、前記画像情報を画像処理を行うべき画像形成装
置の台数分に分割するとともに、前記画像情報の出力画
像が全ページに渡って同等のレベルとなるように、第１
画像形成装置と第２画像形成装置とで許容範囲内にある
ほぼ同等の処理能力レベルを指定し、該指定した前記処
理能力レベルと行うべき画像処理の種類とを示す制御情
報を分割した各画像情報に付加し、これら画像情報の一
部を前記画像処理部に供給し、残りを第２画像形成装置
に前記通信装置を介して転送する一方、前記画像処理部
にて処理された画像情報および第２画像形成装置から返
送された画像処理済の画像情報を前記画像出力部に供給
する制御部とを備え、前記第２画像形成装置は、画像情
報に前記制御情報にて指定された画像処理を指定された
第１画像形成装置と第２画像形成装置とで許容範囲内に
あるほぼ同等の処理能力レベルで行う画像処理部と、前
記通信装置を介して入力された画像情報を前記画像処理
部に供給する一方、画像処理部にて処理された画像情報
を通信装置を介して第１画像形成装置に返送する制御部
とを備えていることを特徴としている。

【００２０】請求項３の構成によれば、第１画像形成装
置において、画像処理についての指令が入力部にて入力
されると、第１画像形成装置の制御部は、記憶装置が記
憶する画像処理情報および画像処理能力情報に基づき、
第１画像形成装置と第２画像形成装置とで共通の前記処
理能力レベルの許容範囲を指定する。また、制御部は、
画像情報を画像処理を行うべき画像形成装置の台数分に
分割する。さらに制御部は、指定した前記処理能力レベ
ルと行うべき画像処理の種類とを示す制御情報を分割し
た各画像情報に付加し、これら画像情報の一部を第１画
像形成装置の画像処理部に供給し、残りを第２画像形成
装置に通信装置を介して転送する。

【００２１】第１画像形成装置の画像処理部では、供給
された画像情報に制御情報により指定された画像処理を
指定された許容範囲内の処理能力レベルにて行う。

【００２２】第２画像形成装置は、通信装置を介して第
１画像形成装置から画像情報が入力されると、これをそ
の画像処理部に供給する。この画像処理部では、同様
に、画像情報に制御情報により指定された画像処理を指
定された許容範囲内の処理能力レベルにて行う。画像処
理済の画像情報は、制御部により通信装置を介して第１
画像形成装置に返送される。

【００２３】第１画像形成装置の制御部は、その画像処
理部で処理された画像情報、および第２画像形成装置か
ら返送された画像情報を画像出力部に供給する。これに
より、第１画像形成装置の画像出力部により、画像処理
済の画像情報が可視像化される。

【００２４】このように、本画像形成システムでは、画
像情報に対する所定の画像処理が第１画像形成装置と第
２画像形成装置との複数の画像形成装置により並行して
行われるので、画像処理を迅速に行うことができる。

【００２５】また、前記画像処理は、第１画像形成装置
と第２画像形成装置との間で許容範囲内の処理能力レベ
ル、即ち同等の処理能力レベルで行われるので、画像処
理済の画像情報を画像出力装置、即ち表示装置にて出力
した場合、あるいはプリンタ等の記録装置にて用紙上に
出力した場合に、その画像が全ページに渡って同等レベ
ルのものとなる。したがって、前記画像情報の出力画像
を見る人に違和感を与えることがない。

【００２６】また、本画像形成システムでは、画像処理
を処理依頼元装置である第１画像形成装置自身でも行っ
ているので、第１画像形成装置自身で処理する画像情報
については、他の画像形成装置との間での送信および受
信が不要である。従って、このために独立して要する時
間分だけ処理時間を短縮し得るとともに、通信動作を簡
略化することができる。

【００２７】また、請求項４の発明の画像形成システム
は、請求項２または３の発明の画像形成システムにおい
て、第１画像形成装置の制御部が、指令された画像処理
を行う画像形成装置にて許容範囲内にある処理能力レベ
ルのうち、最低レベルを前記制御情報における処理能力
レベルとして指定するものであることを特徴としてい
る。

【００２８】請求項４の構成によれば、前記最低レベル
よりも高い処理能力レベルを有する画像形成装置でも、
実行すべきものとして指定された画像処理が可能であ
る。したがって、前記画像処理については広範囲の画像
形成装置にて処理が可能となる。

【００２９】また、請求項５の発明の画像形成システム
は、請求項２または３の発明の画像形成システムにおい
て、前記第１画像形成装置の制御部が、第１画像形成装
置の画像出力部、例えばレーザプリンタ部の出力能力レ
ベル、例えば記録能力レベルに基づいて、前記制御情報
における処理能力レベルを指定するものであることを特
徴としている。

【００３０】請求項５の構成によれば、画像処理済の画
像情報を可視像化する第１画像形成装置の画像出力部の
で画像情報の扱いが容易であるとともに、良好な可視像
を得ることができる。

【００３１】即ち、前記制御情報における処理能力レベ
ルが第１画像形成装置の画像出力部の出力能力レベルに
基づいて指定されると、画像処理済の画像情報は第１画
像形成装置の画像処理部に対応したもの、即ち画像処理
部での出力に適したものとなる。この結果、この画像処
理部では前記画像情報をそのまま出力することが可能に
なるとともに、画像出力部での出力画像も良好なものと
なる。

【００３２】また、画像処理依頼元の画像形成装置の出
力能力レベルを越えた高いレベルの画像処理が長時間を
要して行われ、これが無駄になるといった事態も解消す
ることができる。

【００３３】また、請求項６の発明の画像形成システム
は、１台の第１画像形成装置と、複数台の第２画像形成
装置と、これら第１画像形成装置と第２画像形成装置と
を接続し、相互に画像情報の送受信を行わせる通信装置
と、記憶装置とを備え、前記記憶装置は、前記第２画像
形成装置での処理可能な画像処理の種類を示す画像処理
情報、および、出力画像の画質に影響を与える画像処理
についての処理能力レベルを示す画像処理能力情報を記
憶しており、前記第１画像形成装置は、画像情報に基づ
いて可視像を形成する画像出力部と、画像処理について
の指令を入力するための入力部と、前記画像処理情報お
よび画像処理能力情報に基づき、前記入力部により処理
の実行を指令された画像処理についての処理能力レベル
にて、処理能力レベルにて、画像処理が可能な複数の第
２画像形成装置を選択し、かつ、前記画像情報の出力画
像が全ページに渡って同等のレベルとなるように、複数
の第２画像形成装置にて許容範囲内にあるほぼ同等の前
記処理能力レベルを設定するとともに、選択した前記第
２画像形成装置の台数分に分割され、かつ前記処理能力
レベルが付加された各画像情報を前記通信装置を介して
個別に転送する一方、第２画像形成装置から返送された
画像処理済の各画像情報を前記画像出力部に供給する制
御部とを備え、前記第２画像形成装置は、画像情報に画
像処理を施す画像処理部と、前記通信装置を介して入力
された画像情報を前記画像処理部に供給する一方、画像
処理部にて処理された画像情報を通信装置を介して第１
画像形成装置に返送する制御部とを備えていることを特
徴としている。

【００３４】請求項６の構成によれば、第１画像形成装
置において、画像処理についての指令が入力部にて入力
されると、第１画像形成装置の制御部は、記憶装置が記
憶する画像処理情報および画像処理能力情報に基づき、
許容範囲内の処理能力レベルにて前記画像処理が可能な
複数の第２画像形成装置を選択する。また、制御部は、
選択した複数の第２画像形成装置の台数分に画像情報を
分割する。さらに制御部は、選択した第２画像形成装置
に、分割した各画像情報を前記通信装置を介して個別に
転送する。

【００３５】第１画像形成装置からの画像情報が入力さ
れた第２画像形成装置は、画像情報をその画像処理部に
供給する。この画像処理部では画像情報に所定の画像処
理を施す。画像処理済の画像情報は、制御部により通信
装置を介して第１画像形成装置に返送される。

【００３６】第１画像形成装置の制御部は、画像処理済
の画像情報を受信すると、これを画像出力部に供給す
る。これにより、第１画像形成装置の画像出力部によ
り、画像処理済の画像情報が可視像化される。

【００３７】このように、本画像形成システムでは、画
像情報に対する画像処理が複数の第２画像形成装置によ
り並行して行われるので、画像処理を迅速に行うことが
できる。

【００３８】また、前記画像処理は、各第２画像形成装
置間で許容範囲内の処理能力レベル、即ち同等の処理能
力レベルで行われるので、画像処理済の画像情報を画像
出力装置、即ち表示装置にて出力した場合、あるいはプ
リンタ等の記録装置にて用紙上に出力した場合に、その
画像が全ページに渡って同等レベルのものとなる。した
がって、前記画像情報の出力画像を見る人に違和感を与
えることがない。

【００３９】また、操作者が所望する画像処理機能が、
操作者が使用している第１画像形成装置に無い場合であ
っても、その画像処理を他の画像形成装置、即ち第２画
像形成装置にて行うことができる。従って、画像形成シ
ステムを構成する各画像形成装置には、個々に所定の画
像処理機能を備える必要がない。これにより、画像形成
装置を使用するユーザーの経済的負担を軽減することが
できる。

【００４０】また、本画像形成システムでは、予め処理
依頼先の第２画像形成装置を選択する動作が必要となる
一方、処理依頼先の第２画像形成装置での処理能力レベ
ル変換動作が不要となる。

【００４１】また、請求項７の発明の画像形成システム
は、１台の第１画像形成装置と、複数台の第２画像形成
装置と、これら第１画像形成装置と第２画像形成装置と
を接続し、相互に画像情報の送受信を行わせる通信装置
と、記憶装置とを備え、前記記憶装置は、前記第１およ
び第２画像形成装置での処理可能な画像処理の種類を示
す画像処理情報、および、出力画像の画質に影響を与え
る画像処理についての処理能力レベルを示す画像処理能
力情報を記憶しており、前記第１画像形成装置は、画像
情報に基づいて可視像を形成する画像出力部と、画像情
報に画像処理を行う画像処理部と、画像処理についての
指令を入力するための入力部と、前記画像処理情報およ
び画像処理能力情報に基づき、前記入力部により処理の
実行を指令された画像処理が、前記画像処理部が有する
処理能力レベルにて、画像処理が可能な第２画像形成装
置を少なくとも１台選択し、かつ、前記画像情報の出力
画像が全ページに渡って同等のレベルとなるように、第
１画像形成装置を含む選択した複数の画像形成装置にて
許容範囲内にあるほぼ同等の前記処理能力レベルを設定
するとともに、前記複数の画像形成装置の台数分に分割
され、かつ前記処理能力レベルが付加された画像情報の
一部を前記画像処理部に供給するとともに、残りを選択
した第２画像形成装置に前記転送装置を介して転送する
一方、前記画像処理部にて処理された画像情報および第
２画像形成装置から返送された画像処理済の画像情報を
前記画像出力部に供給する制御部とを備え、前記第２画
像形成装置は、画像情報に画像処理を施す画像処理部
と、前記通信装置を介して入力された画像情報を前記画
像処理部に供給する一方、画像処理部にて処理された画
像情報を通信装置を介して第１画像形成装置に返送する
制御部とを備えていることを特徴としている。

【００４２】請求項７の構成によれば、第１画像形成装
置において、画像処理についての指令が入力部にて入力
されると、第１画像形成装置の制御部は、第１画像形成
装置の画像処理部が有する処理能力レベルについての許
容範囲内にある処理能力レベルにて前記画像処理が可能
な第２画像形成装置を少なくとも１台選択する。また、
制御部は、第１画像形成装置を含む選択した複数の画像
形成装置の台数分に画像情報を分割する。さらに制御部
は、分割した画像情報の一部を第１画像形成装置の画像
処理部に供給するとともに、残りを選択した第２画像形
成装置に転送装置を介して転送する。

【００４３】第１画像形成装置の画像処理部では供給さ
れた画像情報に所定の画像処理を施す。

【００４４】第２画像形成装置は、通信装置を介して第
１画像形成装置から画像情報が入力されると、これをそ
の画像処理部に供給する。この画像処理部では、同様
に、画像情報に所定の画像処理を施す。画像処理済の画
像情報は、制御部により通信装置を介して第１画像形成
装置に返送される。

【００４５】第１画像形成装置の制御部は、その画像処
理部で処理された画像情報、および第２画像形成装置か
ら返送された画像情報を画像出力部に供給する。これに
より、第１画像形成装置の画像出力部により、画像処理
済の画像情報が可視像化される。

【００４６】このように、本画像形成システムでは、画
像情報に対する所定の画像処理が第１画像形成装置と第
２画像形成装置との複数の画像形成装置により並行して
行われるので、画像処理を迅速に行うことができる。

【００４７】また、前記画像処理は、第１画像形成装置
と第２画像形成装置との間で許容範囲内の処理能力レベ
ル、即ち同等の処理能力レベルで行われるので、画像処
理済の画像情報を画像出力装置、即ち表示装置にて出力
した場合、あるいはプリンタ等の記録装置にて用紙上に
出力した場合に、その画像が全ページに渡って同等レベ
ルのものとなる。したがって、前記画像情報の出力画像
を見る人に違和感を与えることがない。

【００４８】また、本画像形成システムでは、画像処理
を処理依頼元装置である第１画像形成装置自身でも行っ
ているので、第１画像形成装置自身で処理する画像情報
については、他の画像形成装置との間での送信および受
信が不要である。従って、このために独立して要する時
間分だけ処理時間を短縮し得るとともに、通信動作を簡
略化することができる。

【００４９】また、本画像形成システムでは、予め処理
依頼先の第２画像形成装置を選択する動作が必要となる
一方、処理依頼先の第２画像形成装置での処理能力レベ
ル変換動作が不要となる。

【００５０】請求項８の発明の画像形成システムは、１
台の第１画像形成装置と、複数台の第２画像形成装置
と、これら第１画像形成装置と第２画像形成装置とを接
続し、相互に画像情報の送受信を行わせる通信装置と、
記憶装置とを備え、前記記憶装置は、前記第１および第
２画像形成装置での処理可能な画像処理の種類を示す画
像処理情報、および、出力画像の画質に影響を与える画
像処理についての処理能力レベルを示す画像処理能力情
報を記憶しており、前記第１画像形成装置は、画像情報
に基づいて可視像を形成する画像出力部と、画像情報に
画像処理を行う画像処理部と、画像処理についての指令
を入力するための入力部と、前記画像処理情報および画
像処理能力情報に基づき、前記入力部により処理の実行
を指令された画像処理についての処理能力レベルにて、
画像処理が可能な複数の画像形成装置を第１および第２
画像形成装置のうちから選択し、かつ、前記画像情報の
出力画像が全ページに渡って同等のレベルとなるよう
に、選択した複数の画像形成装置にて許容範囲内にある
ほぼ同等の前記処理能力レベルを設定するとともに、前
記複数の画像形成装置の台数分に分割され、かつ前記処
理能力レベルが付加された各画像情報を、前記選択にて
第１および第２画像形成装置を選択した場合には、前記
各画像情報の一部を前記画像処理部に供給するととも
に、残りを第２画像形成装置に前記通信装置を介して転
送し、前記選択にて複数の第２画像形成装置のみを選択
した場合には、それら第２画像形成装置に分割した各画
像情報を前記通信装置を介して個別に転送する一方、前
記画像処理部にて処理された画像情報および第２画像形
成装置から返送された画像処理済の画像情報を前記画像
出力部に供給する制御部とを備え、前記第２画像形成装
置は、画像情報に画像処理を施す画像処理部と、前記通
信装置を介して入力された画像情報を前記画像処理部に
供給する一方、画像処理部にて処理された画像情報を通
信装置を介して第１画像形成装置に返送する制御部とを
備えていることを特徴としている。

【００５１】請求項８の構成によれば、第１画像形成装
置において、画像処理についての指令が入力部にて入力
されると、第１画像形成装置の制御部は、記憶装置が記
憶する画像処理情報および画像処理能力情報に基づき、
第１および第２画像形成装置の内から許容範囲内の処理
能力レベルにて前記画像処理が可能な複数の画像形成装
置を選択する。このときに、第２画像形成装置のみを選
択した場合の第１画像形成装置の制御部および第２画像
形成装置の動作は、前記請求項６の作用において説明し
た通りである。また、第１形成画像形成装置と第２画像
形成装置とを選択した場合の第１画像形成装置の制御部
および第２画像形成装置の動作は、前記請求項７の作用
において説明した通りである。

【００５２】このように、本画像形成システムでは、画
像情報に対する所定の画像処理が複数の画像形成装置に
より並行して行われるので、画像処理を迅速に行うこと
ができる。

【００５３】また、前記画像処理は、各画像形成装置の
間で許容範囲内の処理能力レベル、即ち同等の処理能力
レベルで行われるので、画像処理済の画像情報を画像出
力装置、即ち表示装置にて出力した場合、あるいはプリ
ンタ等の記録装置にて用紙上に出力した場合に、その画
像が全ページに渡って同等レベルのものとなる。したが
って、前記画像情報の出力画像を見る人に違和感を与え
ることがない。

【００５４】また、本画像形成システムでは、予め処理
依頼先の第２画像形成装置を選択する動作が必要となる
一方、処理依頼先の第２画像形成装置での処理能力レベ
ル変換動作が不要となる。

【００５５】請求項９の発明の画像形成システムは、請
求項６、７または８の発明の画像形成システムにおい
て、前記第１画像形成装置の制御部が、第１画像形成装
置の画像出力部の出力能力レベルに基づいて、選択した
複数の画像形成装置にて許容範囲内にあるほぼ同等の前
記処理能力レベルを設定するものであることを特徴とし
ている。

【００５６】請求項９の構成によれば、画像処理済の画
像情報を可視像化する第１画像形成装置の画像出力部の
で画像情報の扱いが容易であるとともに、良好な可視像
を得ることができる。

【００５７】即ち、前記制御情報における処理能力レベ
ルが第１画像形成装置の画像出力部の出力能力レベルに
基づいて指定されると、画像処理済の画像情報は第１画
像形成装置の画像処理部に対応したもの、即ち画像処理
部での出力に適したものとなる。この結果、この画像処
理部では前記画像情報をそのまま出力することが可能に
なるとともに、画像出力部での出力画像も良好なものと
なる。

【００５８】また、画像処理依頼元の画像形成装置の出
力能力レベルを越えた高いレベルの画像処理が長時間を
要して行われ、これが無駄になるといった事態も解消す
ることができる。

【００５９】請求項１０の発明の画像形成システムは、
請求項２、３、６、７または８の発明の画像形成システ
ムにおいて、前記第１画像形成装置には、画像情報を入
力する画像情報入力手段、例えばパーソナルコンピュー
タが接続され、前記第１画像形成装置から前記第２画像
形成装置に転送される画像データには、行うべき画像処
理の種類を示す処理情報、および画像処理済の画像デー
タを最終的に戻すべき画像形成装置を示す最終転送先情
報が付与され、前記第２画像形成装置は、画像処理が不
可能な状態であるときに、通信装置を介して入力された
画像情報をさらに他の第２画像形成装置に転送するもの
であることを特徴としている。

【００６０】請求項１０の構成によれば、画像情報入力
手段から第１画像形成装置に入力された画像情報に対し
て、画像処理が分散処理で行われる場合、画像データは
少なくとも１台の第２画像形成装置に転送される。この
とき、第１依頼先である前記第２画像形成装置が画像処
理が不可能な状態、例えばトラブル状態であれば、第１
依頼先である第２画像形成装置はさらに他の第２画像形
成装置に画像処理を依頼する。そして、例えばこの第２
依頼先である第２画像形成装置にて画像処理が行われた
場合、画像処理済の画像情報は、第１依頼先の第２画像
形成装置から第１画像形成装置への転送処理を経ること
なく、最終転送先情報に基づいて、第２依頼先の第２画
像形成装置から第１画像形成装置へ戻される。

【００６１】このように、本画像形成システムでは、第
２番目以降の処理依頼先の第２画像形成装置にて画像処
理が行われたような場合において、最終転送先への処理
済画像データの転送処理が、簡略化されかつ迅速に行わ
れる。

【００６２】また、操作者が直接に処理を指令した第１
画像形成装置に処理済画像データが確実に返送され、こ
の第１画像形成装置にて画像データの記録が行われる。
従って、操作者は出力された画像の回収が容易である。

【００６３】請求項１１の発明の画像形成システムは、
請求項１〜１０のいずれか１項に記載の発明の画像形成
システムにおいて、前記処理能力レベルは、読み取り解
像度、エッジ判別、記録解像度、濃度変換レベル、階調
性、領域分離のうちの少なくとも一つの画像処理に関す
る処理能力レベルであることを特徴としている。

【００６４】

【発明の実施の形態】〔発明の実施の形態１〕 本発明の実施の一形態を図１ないし図１６に基づいて以
下に説明する。本画像形成システムは、画像形成装置と
しての複数のデジタル複写機が通信装置を介して接続さ
れたものとなっている。図２は上記デジタル複写機の一
例となるデジタル複写機３０の全体構成を示す断面図で
ある。同図において、デジタル複写機３０は、スキャナ
部３１、画像出力部としてのレーザプリンタ部３２、お
よびソータを含む後処理装置３４を備えている。

【００６５】スキャナ部３１は、透明ガラスからなる原
稿載置台３５、原稿載置台３５上へ自動的に原稿を供給
搬送するための両面対応自動原稿送り装置（以下、「Ｒ
ＡＤＦ( Recirculating Automatic Document Feeder)」
と称する）３６、および原稿載置台３５上に載置された
原稿の画像を走査して読み取るための原稿画像読取りユ
ニット、即ちスキャナユニット４０を備えている。この
スキャナユニット４０にて読み取られた原稿画像は、画
像データとして後述する画像処理部へ送られ、ここで所
定の画像処理が施される。

【００６６】ＲＡＤＦ３６は、所定の原稿トレイ上に一
度にセットされた複数枚の原稿に対し、１枚ずつ自動的
にスキャナユニット４０の原稿載置台３５上へ送給し、
かつ回収する。このＲＡＤＦ３６は、オペレータの選択
に応じて原稿の片面又は両面をスキャナユニット４０に
読み取らせるように、片面原稿のための搬送経路、両面
原稿のための搬送経路、および搬送経路切換え機構等を
有している。

【００６７】スキャナユニット４０は、第１走査ユニッ
ト４０ａ、第２走査ユニット４０ｂ、光学レンズ体４３
およびＣＣＤ(Charge Coupled Device) ４４を備えてい
る。上記第１走査ユニット４０ａは、原稿載置台３５上
の原稿の面に光を照射して走査するランプリフレクタア
センブリ４１および第１反射ミラー４２ａを有する。

【００６８】第２走査ユニット４０ｂは、第２反射ミラ
ー４２ｂおよび第３反射ミラー４２ｃを有する。上記第
１ないし第３反射ミラー４２ａ〜４２ｃは、原稿からの
反射光をＣＣＤ４４に導くためのものである。光学レン
ズ体４３は、原稿からの反射光像をＣＣＤ４４に結像さ
せるものである。ＣＣＤ４４は、原稿からの反射光像を
電気的画像信号に変換するものである。

【００６９】スキャナ部３１は、上記ＲＡＤＦ３６とス
キャナユニット４０との連携動作により、原稿載置台３
５上に原稿を順次載置させながら、原稿載置台３５の下
面に沿ってスキャナユニット４０を移動させて原稿画像
を読み取り、画像データに変換するように構成されてい
る。

【００７０】スキャナ部３１から得られた画像データ
は、後述する画像処理部へ送られ、各種画像処理が施さ
れた後、画像処理部のメモリ７３に一旦記憶される。そ
の後、上記画像データは、出力指示に応じてレーザプリ
ンタ部３２に与えられ、用紙上に画像として記録され
る。

【００７１】レーザプリンタ部３２は、上部に、レーザ
書込みユニット４６および画像を形成するための電子写
真プロセス部４７を備え、下部に用紙収納・搬送部５５
を備えている。レーザ書込みユニット４６は、上述のメ
モリ７３から画像データに応じたレーザ光を出射する半
導体レーザ、上記レーザ光を等角速度偏向するポリゴン
ミラー、等角速度偏向されたレーザ光が電子写真プロセ
ス部４７の感光体ドラム４８上で等速度偏向されるよう
に補正するｆ−θレンズ等を有している。

【００７２】電子写真プロセス部４７は、周知の態様に
従い、感光体ドラム４８、この感光体ドラム４８の周囲
に配置された帯電器、現像器、転写器、剥離器、クリー
ニング器および定着器４９等により構成されている。画
像が形成されるべき用紙の搬送方向における定着器４９
の下流側には、搬送路５０が設けられている。この搬送
路５０は、後処理装置３４へ通じている搬送路５７と用
紙収納・搬送部５５へ通じている搬送路５８とに分岐し
ている。

【００７３】用紙収納・搬送部５５は、第１カセット５
１、第２カセット５２、両面複写ユニット５３および手
差しトレイ５４を備えている。第１カセット５１および
第２カセット５２には、用紙の束が収容されており、操
作者にて所望するサイズの用紙を収容するカセットが選
択されると、そのカセット内の用紙束の上から用紙が１
枚ずつ送り出され、電子写真プロセス部４７へ向けて順
次搬送される。両面複写ユニット５３は、電子写真プロ
セス部４７にて画像の形成された用紙を、表裏反転させ
て、或いは表裏反転させることなく再度電子写真プロセ
ス部４７に供給するためのものである。

【００７４】レーザプリンタ部３２において、上述のメ
モリ７３から読み出された画像データは、レーザ書込み
ユニット４６からレーザ光線として出射され、電子写真
プロセス部４７の感光体ドラム４８の表面に静電潜像と
して形成される。この静電潜像は可視像化されてトナー
像となり、このトナー像は、用紙収納・搬送部５５から
搬送された用紙上に静電転写された後、定着器４９によ
り用紙上に定着される。

【００７５】このようにして画像が形成された用紙は、
定着器４９から搬送路５０を介して後処理装置３４へ送
られたり、搬送路５０・５８および両面複写ユニット５
３を介して電子写真プロセス部４７へ再度供給される。

【００７６】次に、デジタル複写機３０が備える画像処
理部について説明する。この画像処理部は、スキャナ部
３１から得られた原稿の画像データに画像処理を行うも
のである。画像処理部は、図３に示すように、画像デー
タ入力部７０、画像データ処理部７１（画像処理部）、
画像データ出力部７２、メモリ７３、並びに制御部とし
てのプリントコントロールユニット（以下、ＰＣＵと称
する）７４を備えている。

【００７７】ＰＣＵ７４は、上記デジタル複写機３０全
体の動作を制御するものであり、ＣＰＵ(Central Proce
ssing Unit) により構成されている。メモリ７３は、画
像データを記憶するものであり、ＲＡＭ(Random Access
Memory)やハードディスク等により構成されている。

【００７８】画像データ入力部７０は、ＣＣＤ部７０
ａ、ヒストグラム処理部７０ｂおよび誤差拡散処理部７
０ｃを含んでいる。この画像データ入力部７０は、ＣＣ
Ｄ４２から得られた原稿の画像データを２値化変換し、
２値のデジタル量としてヒストグラムをとりながら、誤
差拡散法により画像データを処理して、メモリ７３に一
旦記憶させるものである。

【００７９】上記ＣＣＤ部７０ａでは、画像データの各
画素濃度に応じたアナログ信号がＡ／Ｄ変換された後、
ＭＴＦ補正、白黒補正又はガンマ補正され、２５６階調
（８ビット）のデジタル信号としてヒストグラム処理部
７０ｂへ出力される。

【００８０】ヒストグラム処理部７０ｂでは、ＣＣＤ部
７０ａから出力されたデジタル信号が２５６階調の画素
濃度別に加算されることにより濃度情報（ヒストグラム
データ）が得られる。このヒストグラムデータは、画素
データとして誤差拡散処理部７０ｃへ送られ、また必要
に応じてＰＣＵ７４へ送られる。

【００８１】誤差拡散処理部７０ｃでは、疑似中間処理
の一種である誤差拡散法により、すなわち、２値化の誤
差を隣接画素の２値化判定に反映させる方法により、Ｃ
ＣＤ部７０ａから出力された８ビット／画素のデジタル
信号が１ビット（２値化）に変換され、原稿における局
所領域濃度を忠実に再現するための再配分演算が行われ
る。

【００８２】画像データ処理部７１は、多値化処理部７
１ａ・７１ｂ、合成処理部７１ｃ、濃度変換処理部７１
ｄ、変倍処理部７１ｅ、画像プロセス部７１ｆ、誤差拡
散処理部７１ｇおよび圧縮処理部７１ｈを含んでいる。
この画像データ処理部７１は、入力された画像データを
オペレータが希望する画像データに変換するものであ
る。したがって、最終的な出力画像データがメモリ７３
に記憶されるまで、この画像データ処理部７１にて処理
が行われる。ただし、画像データ処理部７１に含まれて
いる上述の各処理部は必要に応じて機能するものであ
り、機能しない場合もある。

【００８３】上記多値化処理部７１ａ・７１ｂでは、誤
差拡散処理部７０ｃにて２値化された画像データが再度
２５６階調に変換される。合成処理部７１ｃでは、画素
毎の論理演算、すなわち論理和、論理積又は排他的論理
和の演算が選択的に行われる。この演算の対象となるデ
ータは、メモリ７３に記憶されている画素データおよび
パターンジェネレータ（ＰＧ）からのビットデータであ
る。

【００８４】濃度変換処理部７１ｄでは、２５６階調の
データに対し、所定の階調変換テーブルに基づいて入力
濃度に対する出力濃度の関係が任意に設定される。変倍
処理部７１ｅでは、指定された変倍率に応じて、入力さ
れた既知データに基づいて補間処理を行うことにより、
変倍後の対象画素に対する画素データ（濃度値）が求め
られる。その後、この画素データに基づいて、副走査方
向が変倍され、次に主走査方向が変倍処理される。

【００８５】画像プロセス部７１ｆでは、入力された画
素データに対して様々な画像処理が行われる。また、特
徴抽出等の、データ列に対する情報収集が行われる。誤
差拡散処理部７１ｇでは、画像データ入力部７０の誤差
拡散処理部７０ｃと同様な処理が行われる。圧縮処理部
７１ｈでは、ランレングスという符号化により、２値デ
ータが圧縮される。なお、画像データの圧縮に関して
は、最終的な出力画像データが完成した時点で最後の処
理ループにおいて圧縮が機能する。

【００８６】画像データ出力部７２は、復元部７２ａ、
多値化処理部７２ｂ、誤差拡散処理部７２ｃおよびレー
ザ出力部７２ｄを含んでいる。画像データ出力部７２
は、圧縮状態でメモリ７３に記憶されている画像データ
を復元し、元の２５６階調に再度変換した後、２値デー
タより滑らかな中間調表現となる４値データの誤差拡散
を行い、レーザ出力部７２ｄへデータを転送するもので
ある。

【００８７】上記復元部７２ａでは、圧縮処理部７１ｈ
によって圧縮された画像データが復元される。多値化処
理部７２ｂでは、画像データ処理部７１の多値化処理部
７１ａ・７１ｂと同様な処理が行われる。誤差拡散処理
部７２ｃでは、画像データ入力部７０の誤差拡散処理部
７０ｃと同様な処理が行われる。

【００８８】レーザ出力部７２ｄでは、図示しないシー
ケンスコントローラからの制御信号に基づき、デジタル
画素データがレーザのオン／オフ信号に変換される。こ
のオン／オフ信号に基づいて前記レーザ書込みユニット
４６における半導体レーザがオン／オフ状態となり、感
光体ドラム４８上に静電潜像が書き込まれる。

【００８９】なお、画像データ入力部７０および画像デ
ータ出力部７２において扱われるデータは、メモリ７３
の容量の削減のため、基本的には２値データの形でメモ
リ７３に記憶されているが、画像データの劣化を考慮し
て４値のデータの形で処理することも可能である。

【００９０】デジタル複写機３０の動作は前記ＰＣＵ７
４により制御されており、このＰＣＵ７４による制御系
の構成は図４に示すものとなっている。

【００９１】同図において、ＰＣＵ７４には、デスク関
係負荷７５、ＲＡＤＦ関係負荷７６、操作基板ユニット
７７、ソータコントロールユニット７８、スキャナ関係
負荷７９、プリンタ関係負荷８０および前記画像データ
処理部７１が接続されている。

【００９２】ＰＣＵ７４は、上記の各部をシーケンス制
御により管理し、制御の際に各部へ制御信号を出力して
いる。デスク関係負荷７５は、デジタル複写機本体以外
の多段給紙ユニット３３および後処理装置３４のソータ
におけるモータ、クラッチ等の負荷である。ＲＡＤＦ関
係負荷７６は、ＲＡＤＦ３６におけるモータ、クラッチ
およびスイッチ等の負荷である。スキャナ関係負荷７９
は、スキャナユニット４０におけるモータおよびソレノ
イド等の負荷である。プリンタ関係負荷８０は、電子写
真プロセス部４７におけるモータ、ソレノイドおよび高
圧電源等の負荷である。

【００９３】ソータコントロールユニット７８は、ＣＰ
Ｕを備え、ＰＣＵ７４からの制御信号に基づいてソータ
の動作を制御するものである。

【００９４】操作基板ユニット７７は、デジタル複写機
３０に対しての操作者による複写モード等の各種設定や
指令等の入力部であり、ＣＰＵを備えている。この操作
基板ユニット７７は、操作者が入力により設定した例え
ば複写モードに応じた制御信号をＰＣＵ７４に転送す
る。ＰＣＵ７４は、上記制御信号に基づき、デジタル複
写機３０を上記モードに応じて動作させる。一方、ＰＣ
Ｕ７４は、操作基板ユニット７７へデジタル複写機３０
の動作状態を示す制御信号を転送する。操作基板ユニッ
ト７７は、上記制御信号に基づき、デジタル複写機３０
が現在どのような動作状態にあるのかを操作者に示すた
め、その状態を表示部により表示する。

【００９５】また、画像データ処理部７１に接続された
前記メモリ７３は、例えば半導体メモリからなるメイン
メモリ７３ａとハードディスク７３ｂとから構成されて
いる。メインメモリ７３ａには画像データ通信ユニット
８１が接続されている。この画像データ通信ユニット８
１は、他のデジタル情報機器との画像データおよび画像
制御信号等の情報通信を可能にするために設けられたも
のである。画像データ通信ユニット８１は、例えば図１
１に示すデジタル複写機９４において、インタフェース
９４ａおよび通信回線９７である。

【００９６】前記操作基板ユニット７７は、図５に示す
入力部としての操作パネル９０を備えている。操作パネ
ル９０には、中央部にタッチパネル式の表示部である液
晶表示装置１が配置されている。液晶表示装置１の画面
上の一部には、画面切換え指示エリア１ａが設けらてい
る。この画面切換え指示エリア１ａは、液晶表示装置１
の表示画面を画像編集機能選択用の画面に切り換える指
示を入力するためのものである。このエリア１ａを操作
者が指で直接押圧操作すると、後述のように、所望の機
能を選択できるように、液晶表示装置１の画面上に各種
編集機能が一覧表示される。このとき、表示された各種
編集機能の表示領域のうち、所望の編集機能の領域を操
作者が指で押圧すると、その編集機能が設定される。

【００９７】また、操作パネル９０には、図５における
左端位置に、液晶表示装置１の画面の明るさを調整する
ための明るさ調整ダイヤル２が設けられている。このダ
イヤル２と液晶表示装置１との間には、倍率自動設定キ
ー３、ズームキー４、固定倍率キー５・６および等倍キ
ー７が設けられている。倍率自動設定キー３は複写倍率
を自動的に選択するモードを設定するためのものであ
り、ズームキー４は複写倍率を１％きざみで設定するた
めのものである。固定倍率キー５・６は固定倍率を選択
するためのものであり、等倍キー７は複写倍率を標準倍
率（等倍）に戻すためのものである。

【００９８】液晶表示装置１の同図における右方位置に
は、枚数設定キー１３、クリアキー１４、プリントキー
１５、全解除キー１６、割り込みキー１７、操作ガイド
キー１８、メッセージ順送りキー１９、メモリ送信モー
ドキー２０、コピー／ファックスモード切換えキー２
１、ワンタッチダイヤルキー２２が設けられている。

【００９９】枚数設定キー１３は複写枚数を設定するた
めのものであり、クリアキー１４は、複写枚数をクリア
したり、連続コピーを途中で止める時に操作するもので
ある。プリントキー１５はコピーの開始を指示するため
のものであり、全解除キー１６は、現在設定されている
モードの全てを解除して標準状態に復帰させるためのも
のである。割り込みキー１７は連続コピー中に別の原稿
に対するコピーを行いたい時に操作するものである。操
作ガイドキー１８は、デジタル複写機３０の操作が分か
らない時に操作するものであり、これが操作されると、
デジタル複写機３０の操作方法が液晶表示装置１に表示
される。メッセージ順送りキー１９は、操作ガイドキー
１８の操作により表示されたメッセージの表示を順送り
しながら切り換えるためのものである。

【０１００】メモリ送信モードキー２０、コピー／ファ
ックスモード切換えキー２１およびワンタッチダイヤル
キー２２はファクシミリモードに関する設定キーであ
る。メモリ送信モードキー２０は送信原稿を一旦メモリ
に蓄えてから送信することを指定するものである。コピ
ー／ファックスモード切換えキー２１はデジタル複写機
３０のモードをコピーとファックスとの間で切り換える
ためのものである。ワンタッチダイヤルキー２２は、予
めデジタル複写機３０に電話番号を記憶させておいた送
信先に対し、ワンタッチ操作で電話を発信させるための
ものである。

【０１０１】なお、上記各種キーの種類および配置等に
関する上記操作パネル９０の構成は、あくまでも一例で
あり、デジタル複写機３０に搭載される各種機能に応じ
て異なったものとなる。

【０１０２】上記液晶表示装置１では、例えば、図６
（ａ）に示す基本画面、同図（ｂ）に示す第１機能設定
画面、同図（ｃ）に示す第２機能設定画面、図７（ａ）
に示す画質設定画面、同図（ｂ）に示す後処理設定画
面、図８（ａ）に示す初期設定画面、同図（ｂ）に示す
指紋登録画面、同図（ｃ）に示す部門管理設定画面、図
９（ａ）に示すリミッタ設定画面、および同図（ｂ）に
示すシミュレーション画面、並びに後述する各画面の表
示が可能となっている。

【０１０３】基本画面においては、機能設定領域、画質
設定領域、後処理設定領域、初期設定領域、設定機能確
認操作領域およびカセット設定領域が設けられる。これ
ら各領域は各設定キー１０１ａ〜１０１ｄとなる。さら
に、基本画面においては、設定カセット表示、濃度表
示、コピー枚数表示および倍率表示が行われる。上記設
定機能確認操作領域を操作した場合には、本画像形成シ
ステムにおいて設定されている機能が液晶表示装置１に
表示される。

【０１０４】第１機能設定画面においては、鏡像、斜
体、反転、影付け、トリミングおよびマスキングの各編
集機能を設定するための領域が設けられる。これら各領
域は各設定キー１０２ａ〜１０２ｆとなる。さらに、基
本画面への遷移、次頁画面への遷移のための各操作領域
が設定される。次頁キーを押圧操作すると第２機能設定
画面となる。

【０１０５】第２機能設定画面においては、合成および
独立変倍の各編集機能を設定するための領域、シャープ
ネス機能を設定するための領域、並びに翻訳機能を設定
するための領域が設けられる。これら各領域は各設定キ
ー１０３ａ〜１０３ｄとなる。さらに、基本画面への遷
移、前頁画面への遷移のための各操作領域が設定され
る。

【０１０６】上記の『シャープネス』処理とは、画像の
エッジ部分を強調する処理のことであり、強調するだけ
でなく逆にソフトにして画像全体を柔らかくする場合も
ある。『シャープネス』処理の手法は、機種毎に様々で
あり、種々の方法がある。例えば、特公平５−８０１９
２号公報には、画像処理装置におけるエッジ処理の手法
として、エッジを強調する方法が開示されている。この
方法は、対象画素がエッジ画像であるか否かを判断し、
対象画素がエッジ画像であれば対象画素の濃度レベルを
全白又は全黒レベルに２値化し、それ以外の画像領域を
ディザ処理することによりエッジを強調するものであ
る。

【０１０７】一方、画質設定画面においては、濃度、Ｈ
Ｉ−ＦＩ（高画質複写モード）、バックグランド除去モ
ード、オート変倍モード、文字モード、文字写真混在モ
ード、写真モードおよび倍率の設定のための各設定領域
が設けられる。さらに、濃度および倍率の表示が行われ
る。

【０１０８】後処理設定画面においては、原稿が片面で
あるか両面であるかの入力領域、コピーが片面であるか
両面であるかの入力領域、および製本機能の設定領域が
設けられる。さらに、ステープルソータ、ソータおよび
フィニッシュの後処理機能の設定領域、および電子ＲＤ
Ｈの設定領域が設けられる。

【０１０９】初期設定画面においては、指紋登録、部門
管理、シミュレーション、メンテ管理、新規機能登録、
および出力装置の選択の各モードの設定領域、並びに基
本画面への遷移のための操作領域が設定される。

【０１１０】指紋登録画面においては、部門コードおよ
び氏名の入力領域が設けられると共に、入力された部門
コードおよび氏名の表示が行われる。

【０１１１】部門管理画面においては、部門コードおよ
び人数等の設定入力領域が設けられると共に、入力され
た部門コードおよび人数等の表示が行われる。

【０１１２】上記各画面の遷移は、図１０に示した順序
で行われる。すなわち、上記液晶表示装置１では、ま
ず、基本画面が表示され、この表示画面において機能設
定領域、画質設定領域、後処理設定領域或いは初期設定
領域の何れかの領域が押圧操作されると、表示画面がそ
の領域に対応する画面に遷移するようになっている。

【０１１３】例えば、機能設定領域が押圧操作された場
合、第１機能設定画面に切り換わり、この画面におい
て、次頁画面への遷移のための操作領域が押圧操作され
ると、画面が第２機能設定画面（ＮＥＸＴ機能設定画
面）に遷移する。一方、基本画面への遷移のための操作
領域が押圧操作されると、画面が基本画面に戻る。さら
に、例えば第１機能設定画面において、斜体機能設定領
域および反転機能設定領域が押圧操作されると、画面は
図１２（ａ）に示すように、斜体機能設定領域および反
転機能設定領域が反転した後、図１２（ｂ）の画面に遷
移する。次いで、この画面において、実行キー１１２ａ
を押圧操作すると、画面が図１２（ｃ）に示す斜体設定
画面に遷移する。斜体設定画面においては、斜体角度の
設定領域である角度入力キー１０６ａ、および設定完了
入力領域である設定完了キー１０６ｂが設けられる。さ
らに、斜体角度の表示が行われる。

【０１１４】なお、第１および第２機能設定画面におい
て、所定の機能設定領域が押圧操作されると、それに応
じて、液晶表示装置１の画面が上記斜体設定画面のよう
に、対応するパラメータ設定画面となる。

【０１１５】ここで、上記機能設定領域の操作によって
設定可能な本画像形成システムが有する画像編集機能の
例とその処理動作を表１に示す。なお、本画像形成シス
テムに設定されている画像編集機能は、これらに限定さ
れるものではない。その他のものとしては、例えば、手
書きの文字や画像を清書する機能等が考えられる。

【０１１６】

【表１】

【０１１７】一方、本画像形成システムは、例えば、図
１１に示すように、オフィス内に設けられたディジタル
情報機器によって構成されている。同図に示す画像形成
システムは、画像形成装置としてのデジタル複写機９１
〜９４、スキャナ９５およびプリンタ９６とを備えてい
る。

【０１１８】上記デジタル複写機９１は、メモリレスの
低機能廉価版のものであり、基本的な編集機能のみをも
っている。なお、ここでいうメモリレスとは、多量の画
像データを格納可能なページメモリは備えていないもの
の、デジタル複写機での画像データに対する通常の作業
を行うのに必要なラインメモリは最低限備えていること
を示す。また、基本的な編集機能とは、例えば白黒反転
など、ページメモリがなくても実行できるものである。
また、デジタル複写機９１は、図２に示したスキャナユ
ニット４０によるスキャナ機能がモノクロで解像度４０
０ＤＰＩとなっている。また、コピー速度が２０ＣＰＭ
（２０枚／分）であり、低速クラスのものである。さら
に、デジタル複写機９１は、前記レーザプリンタ部３２
によるプリンタ機能がモノクロで解像度４００ＤＰＩで
あり、インタフェース（Ｉ／Ｆ）９１ａを備えている。

【０１１９】デジタル複写機９２は、スキャナ機能がモ
ノクロで解像度４００ＤＰＩ、プリンタ機能がモノクロ
で解像度４００ＤＰＩ、コピー速度が４０ＣＰＭの中級
クラスのものである。また、各種編集機能、およびペー
ジメモリとして６４Ｍバイト（解像度４００ＤＰＩ、８
ｂｉｔ／画素でＡ４サイズ４ページ相当の容量）のメモ
リ、並びにインタフェース９２ａをそれぞれ備えてい
る。上記メモリは、図４に示したメインメモリ７３ａに
相当する。

【０１２０】デジタル複写機９３は、スキャナ機能がモ
ノクロで解像度４００ＤＰＩ、プリンタ機能がモノクロ
で解像度４００ＤＰＩ、コピー速度が高速の６０ＣＰＭ
である。

【０１２１】デジタル複写機９４は、スキャナ機能がモ
ノクロで解像度６００ＤＰＩ、プリンタ機能としてモノ
クロで解像度４００ＤＰＩまたは６００ＤＰＩを選択可
能であり、コピー速度が高速の６０ＣＰＭである。

【０１２２】また、デジタル複写機９３・９４は、各種
編集機能、文字認識機能、ビットデータのコード化機能
およびページメモリとして５００Ｍバイトの大容量（解
像度４００ＤＰＩ、８ｂｉｔ／画素、圧縮率１／４でＡ
４サイズ１００ページ相当の容量）のメモリを備え、上
級クラスのものとなっている。したがって、画像データ
のページ順を変更する処理や、各種フォーマットの原稿
データを記憶しておくことも可能である。上記メモリ
は、図４に示すメインメモリ７３ａおよびハードディス
ク７３ｂを含んだものに相当する。さらにデジタル複写
機９３・９４は、インタフェース９３ａ・９４ａを備え
ている。

【０１２３】また、スキャナ９５は、カラー画像の読み
取りが可能であり、解像度６００ＤＰＩとなっている。
プリンタ９６は、カラー画像のプリントが可能であり、
記録密度６００ＤＰＩとなっている。これらスキャナ９
５およびプリンタ９６は、それぞれのインタフェース９
５ａ・９６ａを備えている。

【０１２４】上記デジタル複写機９４とデジタル複写機
９１〜９３、スキャナ９５およびプリンタ９６とは、そ
れぞれのインタフェース９１ａ〜９６ａおよび通信回線
９７により接続され、相互にデータの送受信が可能とな
っている。したがって、インタフェース９１ａ〜９６
ａ、通信回線９７およびＰＣＵ７４により、通信装置が
構成される。

【０１２５】この通信装置が扱うデータの種類は、例え
ばイメージデータなどのビットデータ（１画素単位の階
調データ、例えば８ビット；２５６階調）や、コマンド
コードである。通信装置は自然画などの高階調画像を高
精細に伝送可能である。また、通信装置は、文字などの
テキストデータをコード化により少ないデータ量とし、
高速に伝送することも可能である。特に、自然画などの
階調を有する画像データは、一般的にデータ量の圧縮を
目的とした面積階調手法の１つであるディザ法や誤差拡
散法で処理した後、転送することもある。この誤差拡散
法による処理は各機器内で事前に行われる。また、伝送
データの形式は、各デジタル複写機９１〜９４又はプリ
ンタ９６にて処理可能な形式に応じて設定される。した
がって、用紙上に出力すべき画像データを受信した例え
ばデジタル複写機では、画像データが、レーザプリンタ
部３２に入力され、画像処理部にて書き込み時に必要と
なるデータ列に変換された後、出力される。

【０１２６】また、各インタフェース９１ａ〜９６ａ
は、それぞれにおいて規定されたプロトコルおよび通信
速度により定義されており、伝送するデータの内容、例
えばデータ量や、それぞれの機器の位置関係、例えば距
離などにより適当な規格が選択される。さらに、本画像
形成システムにおいては、機器同士が１対１で接続され
ている状態ばかりではなく、デイジーチェーン（Daisy
Chain)のように共通の通信回線９７に複数の機器が接続
されている状態も存在する。したがって、各機器には、
各インタフェース９１ａ〜９６ａが画像データの伝送相
手先を判別できるように、アドレスが設定されている。
インタフェース９１ａ〜９６ａの規格は、例えば、高速
での画像データの転送が可能なネットワークであるイー
サネットである。さらに、インタフェース９１ａ〜９６
ａは、ＳＣＳＩ（Small Computer System Interface)、
およびＲＳ−２３２Ｃといった汎用の規格にも対応可能
となっている。

【０１２７】また、デジタル複写機９１〜９４は、電話
回線によりデータを送受信することが可能なＦＡＸ機能
や、パソコン、ワープロなどからの文書データをプリン
トアウトするプリンタモードを有している。

【０１２８】なお、一般に、各オフィスに備えられてい
るデジタル複写機は、価格的な問題および画像メモリの
容量等によりその機能が大きく左右され、また、各オフ
ィスでの使用目的、および機能に対する要求度合いに応
じて種々のものがある。したがって、オフィスに備えら
れるデジタル複写機としては、上記デジタル複写機９１
〜９４に限定されることなく、多種の商品ラインアップ
が考えられる。

【０１２９】ここで、本実施の形態において、上記デジ
タル複写機９１〜９４が備える画像編集機能の一例を表
２に示す。

【０１３０】

【表２】

【０１３１】これら機能情報は、各デジタル複写機９１
〜９４のメモリにそれぞれに格納される。この格納は、
画像形成システムの電源が投入された時点において、各
デジタル複写機９１〜９４間で上記機能情報を通信装置
を介して交換することにより行われる。あるいは、各デ
ジタル複写機がその電源の投入時に、他のデジタル複写
機に対して、自機が有する上記画像処理機能を通信装置
を介して送信することにより行われる。

【０１３２】本画像形成システムでは、図１１に示すよ
うに、最も多くの画像処理機能を備え、かつ大容量のメ
モリ７３を備えたデジタル複写機９４を主デジタル複写
機とし、このデジタル複写機９４に対して、他のデジタ
ル複写機９１〜９３とスキャナ９５およびプリンタ９６
とが接続されている。

【０１３３】上記の構成において、本画像形成システム
では、任意のデジタル複写機が保持する画像データ、例
えばスキャナ部３１の動作により得られた原稿の画像デ
ータが複数のデジタル複写機の画像データ処理部７１に
より並行して処理、即ち分散処理される。また、処理済
の画像データは処理依頼元のデジタル複写機に戻され、
レーザプリンタ部３２により記録される。この動作を図
１５のフローチャートにより説明する。

【０１３４】ここでは、デジタル複写機９１からデジタ
ル複写機９２・９３に分散処理が依頼されるものとす
る。依頼される画像処理は、画像を強調させるための
『シャープネス』処理である。なお、本画像形成システ
ムでは、任意のデジタル複写機における液晶表示装置１
の機能設定画面において、他のデジタル複写機が備える
機能が表示されるようになっている。

【０１３５】まず、図６（ａ）に示す液晶表示装置１の
基本画面において、機能設定キー１０１ａが押圧操作さ
れると、液晶表示装置１の画面が同図（ｂ）に示す第１
機能設定画面に遷移する。この状態において次頁キーが
押圧操作されると、液晶表示装置１の画面が、同図
（ｃ）に示す第２機能設定画面に遷移する。この画面に
て『シャープネス』機能を選択すべくシャープネスキー
１０３ｃが押圧操作されると（Ｓ１）、図１３（ａ）に
示すように、シャープネス機能設定領域が反転表示さ
れ、これによって、『シャープネス』機能が選択された
ことが分かる。

【０１３６】次に、デジタル複写機９１のＰＣＵ７４
は、画像形成システム内にデジタル複写機９１〜９４の
うちから、『シャープネス』機能を備えたもの、および
各デジタル複写機９１〜９４の画像処理能力を判別する
（Ｓ２）。

【０１３７】この場合、デジタル複写機９１は、表２に
示したように、『シャープネス』機能を有していないの
で（Ｓ３）、ＰＣＵ７４は、液晶表示装置１にて『シャ
ープネス』機能が本機にはない旨を表示するとともに、
この表示において、本機以外のシステム内の他のデジタ
ル複写機にて処理を行うか否かの選択を促す（Ｓ４）。
このための表示画面は、図１３（ｂ）に示す通りであ
る。

【０１３８】画像データに対する『シャープネス』処理
の指令がデジタル複写機９１において入力された場合、
デジタル複写機９１は『シャープネス』機能を備えてい
ないので、『シャープネス』機能は必然的に他のデジタ
ル複写機９２〜９４にされることになる。しかしなが
ら、ここでは、他のデジタル複写機９２〜９４への処理
依頼の可否をＳ４の動作により操作者に確認している。

【０１３９】ここで、操作者により、デジタル複写機９
２〜９４による処理が拒否され、上記表示画面における
取消しキー１２２ｂが押圧操作されると（Ｓ５）、ＰＣ
Ｕ７４は上記画像処理依頼の設定モードをキャンセルす
る（Ｓ６）。

【０１４０】一方、操作者により、システム選択キー１
２２ａが押圧操作されると（Ｓ５）、ＰＣＵ７４は、Ｓ
２に動作に基づいて、『シャープネス』処理を依頼する
デジタル複写機を決定する（Ｓ７）。ここでは、デジタ
ル複写機９２・９３が選択される。これにより、液晶表
示装置１の画面が図１３（ｃ）に示したシャープネス機
能設定画面に遷移する。

【０１４１】次に、上記表示画面において、操作者によ
りシャープネス入力キー１１６ａが操作され、『シャー
プネス』の強調レベルが入力される。その後、操作者に
よりさらに設定完了キー１１６ｂが押圧操作されると、
ＰＣＵ７４は、画像データを処理依頼先のデジタル複写
機の台数に応じて分割する。ここでは、デジタル複写機
９２・９３に処理を依頼するので、画像情報は２分割さ
れる。この分割は、例えばページ単位で行われる。即
ち、画像データが１０ページ分の量である場合、例えば
５ページ分ずつに分割される。次に、ＰＣＵ７４は、分
割した画像データ毎に制御情報を付与し、後述するスク
ランブル処理を行った後、上記画像データをデジタル複
写機９２・９３へ転送する（Ｓ８）。

【０１４２】上記制御情報は、『シャープネス』処理を
指令する処理情報、および処理済画像情報の最終転送先
を示す最終転送先情報を含んでいる。画像データの送信
は、図１１に示すインタフェース９１ａ、通信回線９
７、インタフェース９２ａ・９３ａを介して行われる。

【０１４３】ここで、処理の対象となる画像データは、
前記のように例えばスキャナ部３１にて読み取られた原
稿の画像データである。また、デジタル複写機９１は、
ページメモリを備えておらず、ラインメモリのみ備えて
いる。したがって、読み取られたライン毎の画像データ
は、ライン毎に順次転送される。

【０１４４】また、上記の転送に際して、汎用のネット
ワークを使用する場合には、外部に画像データが漏洩す
る恐れがある。例えば、汎用のネットワークとなると不
特定多数の人が任意にアクセス可能であり、ハッカー
（Hacker) 等の犯罪のように、ネットワーク上を走るデ
ータを盗視する者が出現する可能性がある。そこで、盗
視されても内容が分からないようにするため、ネットワ
ークに流すデータにはスクランブル(Scramble)処理等の
データ変換を施しておくことが好ましい。このようなこ
とから、本画像形成システムにおいても上記のようにス
クランブル処理を行っている。

【０１４５】上記の画像データを受信したデジタル複写
機９２・９３は、スクランブル処理を解除するととも
に、画像データと依頼された制御情報とを確認する。そ
して、依頼内容にしたがって受信データに対し画像デー
タ処理部７１にて『シャープネス』処理を行う（Ｓ
９）。

【０１４６】その後、デジタル複写機９２・９３から処
理済の画像データがデジタル複写機９１に返送される。
この場合の処理済画像データの返送は、画像データの返
送が可能となった時点にて直ぐに行われるのではなく、
デジタル複写機９１からの返送要求に基づいて行われる
（Ｓ１０）。

【０１４７】上記返送要求は、デジタル複写機９１がレ
ーザプリンタ部３２にて処理可能となったときに送信さ
れる。これは、例えば、デジタル複写機９１がデジタル
複写機９２・９３から返送されて来た処理済の画像デー
タを記憶するだけのページメモリを備えていないことに
よる。

【０１４８】Ｓ１０にてデジタル複写機９１から画像返
送要求があると、デジタル複写機９２・９３は、処理済
の画像データにスクランブル処理を施し、この画像デー
タを前記最終転送先情報に基づいて先程とは逆の経路で
デジタル複写機９１に返送する（Ｓ１１）。

【０１４９】デジタル複写機９１では、処理済の画像デ
ータを受信すると、この画像データのスクランブル処理
を解除し（Ｓ１２）、順次レーザプリンタ部３２に供給
する。これにより、レーザプリンタ部３２では、画像デ
ータを用紙上に画像として出力する（Ｓ１３）。この場
合の記録動作は、前述のデジタル複写機３０において説
明した通りである。

【０１５０】一方、上記Ｓ３において、本機が『シャー
プネス』機能を備えている場合には、図１４に示すよう
に、液晶表示装置１にて『シャープネス』機能が本機に
備わっている旨を表示するとともに、この表示におい
て、本機以外のデジタル複写機９２〜９４を使用して処
理を行うか否かの選択を促す（Ｓ１４）。なお、このよ
うな場合、本機は『シャープネス』機能を有するデジタ
ル複写機、例えばデジタル複写機９２である。

【０１５１】次に、図１４に示す表示画面において、操
作者によりシステム選択キー１３１ｂが押圧操作される
と（Ｓ１５）、デジタル複写機９２のＰＣＵ７４は、Ｓ
７に移行してそれ以下の動作を行う。なお、ここでは、
処理依頼先がデジタル複写機９３・９４となる。また、
デジタル複写機９２は、容量の大きいメモリ７３を有し
ているので、デジタル複写機９３・９４から返送された
処理済画像データを一旦メモリ７３に記憶した後、これ
を呼び出しながら記録することも可能である。

【０１５２】一方、図１４に示す表示画面において、操
作者により本機選択キー１３１ａが押圧操作されると
（Ｓ１５）、デジタル複写機９２のＰＣＵ７４は、画像
データの『シャープネス』処理を他のデジタル複写機に
依頼することなく、本機のみで行う（Ｓ１６）。その
後、本機のレーザプリンタ部３２にて画像を記録する
（Ｓ１３）。

【０１５３】また、操作者により取消しキー１３１ｃが
押圧操作されると、ＰＣＵ７４は『シャープネス』につ
いての一連の画像処理動作を終了する。

【０１５４】上記のように、本画像形成システムでは、
デジタル複写機９１が備えていない画像処理機能が選択
された場合、他の複数のデジタル複写機に分散依頼し
て、その画像処理を行うことができる。したがって、画
像形成システム内の全てのデジタル複写機が高い画像処
理機能を備えている必要がない。しかも、画像処理を複
数のデジタル複写機にて並行処理するようになっている
ので、迅速な処理が可能となる。

【０１５５】なお、図１５に示した例では、処理済の画
像データを依頼元のデジタル複写機９１に返送し、その
デジタル複写機９１にて画像を出力するものとしている
が、これに代えて、処理済画像データの返送先を種々の
条件に応じて選択し、その選択したデジタル複写機或い
はプリンタにて画像を出力することも可能である。

【０１５６】また、処理依頼先として２台のデジタル複
写機を設定しているが、この台数は複数台であれば特に
限定されない。例えば、画像データの量に応じて台数を
設定するようにしてもよい。

【０１５７】また、以上の説明においては、デジタル複
写機９１〜９４を対象としているが、スキャナ９５とプ
リンタ９６とを組み合わせたものもデジタル複写機とし
ての機能を備えることができるので、これらをデジタル
複写機同様の対象とすることができる。この場合、例え
ばスキャナ９５での読み取りにて得られた解像度６００
ＤＰＩのカラー画像データをデジタル複写機９３に転送
して画像処理を行い、処理済の画像データを記録解像度
６００ＤＰＩのプリンタ９６に返送して印刷することに
なる。これにより、上記のデジタル複写機と同様のこと
が行える。

【０１５８】また、一般に、相対的に機能の高いデジタ
ル複写機と機能の低いデジタル複写機とにより画像形成
システムを構成した場合、これらデジタル複写機間にお
いては、画像処理レベルや記録解像度等が異なってい
る。したがって、このように機能の異なる複数のデジタ
ル複写機により前述した画像処理の分散処理を例えばペ
ージ単位で行った場合、最終的に用紙上に記録された画
像、あるいは表示画面に表示された画像等は、ページに
よって画質等のレベルが異なったものになるという不都
合を招来する。このような不都合を解消するために、本
画像形成システムでは、複数のデジタル複写機により前
述した画像処理の分散処理を行った場合であっても、用
紙上に記録された画像、あるいは表示画面に表示された
画像等が各ページに渡って画質等が同一レベルの状態と
なるようにしている。これは、画像処理済の画像を見る
人に違和感を与えないためである。以下、このための具
体的な動作について説明する。

【０１５９】図１１に示した画像形成システムにおい
て、各デジタル複写機９１〜９４の機能は、表３に示す
ように、同一となっていない。即ち、スキャナ部３１で
の読み取り解像度は、デジタル複写機９１〜９３が４０
０ＤＰＩであるのに対し、デジタル複写機９４は６００
ＤＰＩとなっている。また、画像処理レベルは、ソフト
ウェアのバージョンにおいて、デジタル複写機９２・９
３がバージョン１．２であるのに対し、デジタル複写機
９４がバージョン２．０である。また、レーザプリンタ
部３２での記録解像度は、デジタル複写機９１〜９３が
４００ＤＰＩの固定であるのに対し、デジタル複写機９
４は４００ＤＰＩと６００ＤＰＩとの選択が可能となっ
ている。

【０１６０】

【表３】

【０１６１】まず、所定のデジタル複写機から他の複数
のデジタル複写機に画像処理を依頼する場合について説
明する。ここではさらに、処理の依頼を受けたデジタル
複写機が指定された処理能力レベルにて処理を行うもの
とする。この動作は、例えば、デジタル複写機９１にお
いて、そのスキャナ部３１にて読み取られた原稿の画像
データに対し、操作者がデジタル複写機９１の行えない
『シャープネス』処理を指令した場合のものである。
尚、この動作においては、画像処理の分散処理を、操作
者による可否の判断を問うことなく、画像形成システム
側において自動的に行うものとなっている。

【０１６２】まず、図１に示すように、デジタル複写機
９１において、操作者により処理モード、例えば『シャ
ープネス』処理が設定され（Ｓ２１）、プリントキー１
５がＯＮされると（Ｓ２２）、スキャナ部３１による原
稿画像の読み取りが行われる（Ｓ２３）。

【０１６３】次に、ＰＣＵ７４は、機能情報に基づいて
デジタル複写機９２〜９４のうちから、『シャープネ
ス』処理の可能な依頼先を選択する（Ｓ２４）。『シャ
ープネス』処理については、表２によりデジタル複写機
９２〜９４の何れも可能である。ここでは、例えばデジ
タル複写機９３・９４を処理依頼先として選択する。な
お、処理依頼先として台数は特に限定されず、デジタル
複写機９２〜９４の全てを選択してもよい。

【０１６４】次に、ＰＣＵ７４は、デジタル複写機９３
・９４の機能情報から、処理レベルを決定する（Ｓ２
５）。この処理レベルは、デジタル複写機９３・９４が
有する所定の処理能力レベルに相当する。この場合に決
定する処理レベルは、ある許容範囲での幅すなわち偏差
を持っていてもよい。即ち、処理依頼先として選択した
複数のデジタル複写機が全く同一の処理能力レベルを有
していなくても、ほぼ同等の処理レベルでの処理が可能
であれば、これを上記処理レベルとして設定することが
できる。

【０１６５】次に、画像に関する情報をデジタル複写機
９３・９４に転送する（Ｓ２６）。この情報は、画像デ
ータに、行うべき画像処理の種類と処理レベルとを示す
処理情報、および最終転送先情報、即ち処理済の画像デ
ータをデジタル複写機９１に戻すことを指令する情報を
付加したものである。この転送に際しては、前記Ｓ８の
動作にて説明したように、画像データが依頼先のデジタ
ル複写機の台数分に例えばページ単位で分割され、これ
らが個別に転送される。

【０１６６】上記画像データはデジタル複写機９３・９
４により受信され（Ｓ２７）、デジタル複写機９３・９
４では、上記処理情報に基づいて、画像データに対して
指定された画像処理を指定された処理レベルで行う（Ｓ
２８）。この処理は画像データ処理部７１にて行われ
る。

【０１６７】次に、デジタル複写機９３・９４は処理済
の画像データを上記最終転送先情報に基づいてデジタル
複写機９１に転送する（Ｓ２９）。

【０１６８】上記処理済の画像データはデジタル複写機
９１にて受信され（Ｓ３０）、デジタル複写機９１で
は、出力順序を制御して（Ｓ３１）、上記画像データを
用紙上に記録する（Ｓ３２）。なお、この場合、デジタ
ル複写機９１はページメモリを備えていないので、上記
出力順序を制御するために、画像データがページ順に並
ぶように、デジタル複写機９３・９４から送信してもら
うことになる。一方、最終転送先のデジタル複写機が例
えばデジタル複写機９２等、処理済の画像データを一旦
記憶可能なページメモリを有するものであれば、このよ
うな処理は不要となる。

【０１６９】なお、Ｓ２５において設定される上記処理
レベルは、デジタル複写機９３・９４が有する処理レベ
ルの最低レベルに合わせて設定するのが好ましい。即
ち、仮に表３に示したバージョン２．０での処理が依頼
された場合、これに対応できるのはデジタル複写機９４
のみである。一方、バージョン１．２での処理が依頼さ
れた場合、デジタル複写機９２・９３およびデジタル複
写機９４で対応可能となる。この場合、デジタル複写機
９４のバージョン２．０はバージョン１．２よりも上位
のものであり、上位のバージョンのものは下位のバージ
ョンにも対応可能となっている。したがって、処理レベ
ルを上記最低レベルにて設定する方が、広範囲のデジタ
ル複写機にて対応可能となる。

【０１７０】さらに、上記処理レベルは、処理済画像デ
ータを用紙上に記録するデジタル複写機９１の記録能力
レベル、例えば記録解像度に応じて設定するのが、良好
な記録画像を得る上で好ましい。

【０１７１】即ち、デジタル複写機９３の記録解像度は
４００ＤＰＩであり、デジタル複写機９４の記録解像度
は４００ＤＰＩと６００ＤＰＩとに切り換え可能であ
る。したがって、デジタル複写機９３にて画像処理され
た画像データは、４００ＤＰＩにて記録可能なデータと
して処理される。同様に、デジタル複写機９４での画像
処理において、画像データが４００ＤＰＩで記録される
ものと指定しておけば、４００ＤＰＩにて記録可能なデ
ータとして処理される。これにより、これら両者での画
像処理済の画像データは、デジタル複写機９１におい
て、クロック周波数等の変更を行うことなく、そのまま
４００ＤＰＩにて記録することが可能となり、良好な画
像となる。

【０１７２】ここで、バージョン２．０のソフトウェア
を搭載しているデジタル複写機９４が、下位のバージョ
ン１．２の処理レベルにて画像処理を行うために、処理
レベルを変更する動作について説明する。

【０１７３】例として画像のエッジ判別動作を上げる。
このエッジ判別動作は、公知の技術であり、前記特公平
５−８０１９２号公報にも開示されている。エッジ判別
のために各画素と周辺画素との濃度差を判別する差分・
孤立点検出回路が使用される。この検出回路において
は、主走査方向と副走査方向との両方向について、孤立
点の出現頻度または出現パターンの判定を行えば、さら
に確度の高い判定を行うことができるとされている。こ
のため、処理速度の高い画像処理装置では、この第１の
方法をとることができる。この第１の方法は、前記バー
ジョン２．０での処理に相当する。

【０１７４】一方、上記第１の方法に対して、主査方向
のみについて判定する第２の方法であれば、判定の確度
が低下するものの、第１の方法よりも短時間での判定が
可能である。この第２の方法は、処理速度が低い画像処
理装置に適しており、前記バージョン１．２での処理に
相当する。

【０１７５】したがって、上記の例において、バージョ
ン２．０の装置がバージョン１．２の処理を行うには、
上記第１の方法、即ち主および副走査方向について処理
を行う方法を、上記第２の方法、即ち例えば副走査方向
についてのみ処理を行う方法に変更すればよく、またこ
の変更は容易である。このように、一般に処理レベルが
上位の装置は、下位の処理レベルに容易に対応可能であ
る。

【０１７６】処理レベルの変更に伴って変更されるもの
の他の例としては、画像の濃度変換レベルがある。画像
の濃度変換を行うための濃度変換回路には、画像の濃度
データを変換するための濃度変換テーブルが複数設けら
れている。この濃度変換テーブルをいかに細かい段階で
備えているか、さらに写真、文字およびこれらの混在画
像等の種類に応じた濃度変換テーブルをいかに細かい段
階で備えているかにより、様々な処理レベルが設定され
る。即ち、上位のバージョンでは下位のバージョンより
も濃度変換テーブルが細かい段階で備えられている。し
たがって、上位のバージョンのデジタル複写機において
は、下位のバージョンに応じて使用する濃度変換テーブ
ルを減らせば、処理レベルを下位のバージョンのデジタ
ル複写機とほぼ同等とすることができる。

【０１７７】濃度変換テーブルを活用した濃度変換方法
には種々のものがある。その一例として、特公平６−６
９２１１号公報に開示された方法が知られている。この
濃度変換方法では、入力画像の濃度データを補正して出
力画像の補正濃度データに変換する濃度変換テーブルを
使用する。濃度変換テーブルは書換え可能なメモリにて
構成している。そして、入力画像の種別、例えば文字、
写真又はイラスト等に応じて補正濃度データを生成する
ようになっている。

【０１７８】なお、濃度変換テーブルを多く備えるため
にはメモリ容量が大きくなり、この結果、装置が高コス
トとなる。また、メモリ容量の増大を回避するために
は、濃度変換テーブルをその都度演算させることも可能
である。しかしながら、この方法は、演算が必要な分だ
け処理速度が低くなるので、高速機には適さない。一
方、メモリは年々価格が低下するとともに容量が大きく
なってきている。したがって、複写機では新たに商品化
される度に濃度変換機能等の画像処理レベルが高くなっ
てきている。

【０１７９】処理レベルの変更に伴って変更されるもの
のさらに他の例としては、階調性がある。階調性は画像
データの誤差拡散処理によって付与される。誤差拡散法
での画像データの処理が、拡散領域を適正な範囲まで広
げて行われた場合、画像を見る人には、その画像が鮮明
な中間調画像として写る。しかしながら、１画素毎に誤
差拡散のための演算を繰り返し行うには高い演算速度を
備えた演算回路が必要となり、その複写機は高価なもの
となる。この複写機は上記バージョン２．０のものに相
当する。一方、上記の場合よりも誤差拡散処理を狭い範
囲で行うようにすれば、演算速度が低くてもよく、複写
機は低価格のものとなる。この複写機は、上記バージョ
ン１．２のものに相当する。したがって、上位のバージ
ョンのデジタル複写機においては、下位のバージョンに
応じて誤差拡散処理での処理領域を狭くすれば、処理レ
ベルを下位のバージョンのデジタル複写機とほぼ同等と
することができる。

【０１８０】また、他の画像処理技術には、文字、写
真、またはこれら混在画像等に対応して、画像の特徴を
領域毎に識別し、画像の特徴に応じた画像処理を行う、
いわゆる領域分離によるもの等がある。そして、上記処
理レベルの変更は、これらに対しても同様に行うことが
できる。

【０１８１】次に、デジタル複写機９４における解像度
の変換方法について説明する。通常、スキャナ部３１
は、原稿画像に照射された光の反射光である光像を読み
取るための１ラインのラインセンサを備えている。この
ラインセンサは光電変換素子がｌ列に並んで配置されて
いる。このラインセンサでは、原稿に照射された光の反
射光として得られる光像を、主走査方向に走査しなが
ら、また副走査方向に移動しながら読み取っている。こ
れにより、例えば４００ＤＰＩまたは６００ＤＰＩの解
像度にて画像が読み取られ、これがランイセンサから画
像データとして出力される。

【０１８２】例えば、原稿Ａ４サイズ幅の原稿載置台に
対応するラインセンサであれば、主走査方向の長さが２
９７ｍｍとなる。この幅では、２９７ｍｍを１インチす
なわち２５．４ｍｍにより除して解像度４００ＤＰＩを
乗算すると、ＣＣＤの必要画素数が求められる。この計
算からすると、ＣＣＤの必要画素数は４６７７画素で十
分である。しかし、実際にはマージンを考慮して５００
０画素程度のＣＣＤを使用する。なお、解像度６００Ｄ
ＰＩであれば７５００画素程度のＣＣＤを使用する。

【０１８３】解像度を変換する際に、例えば、解像度を
４００ＤＰＩから６００ＤＰＩに変換するためには、２
００ＤＰＩ分の補間処理が前後の画素データにより行わ
れる。すなわち、２個の画素データを３個の画素データ
に変換することにより６００ＤＰＩ相当の画像データを
得ることが可能である。補間の手法には従来より様々な
方法が知られている。例えば２個の対象画素の濃度差
と、補間画素の補間位置データから補間画素の濃度を確
定する方法等である。逆に、解像度を６００ＤＰＩから
４００ＤＰＩに変換する場合には、上記説明とは逆に、
３個分の画素データを２個の画素画索データに変換する
演算を行うことにより可能である。

【０１８４】次に、所定のデジタル複写機にて画像処理
を行うとともに、画像データの一部の画像処理を他のデ
ジタル複写機に依頼する場合を図１６に基づいて以下に
説明する。ここでは、図１に示した動作と同様、処理の
依頼を受けたデジタル複写機が指定された処理能力レベ
ルにて処理を行うものとする。この動作は、例えば、デ
ジタル複写機９２において、そのスキャナ部３１にて読
み取られた原稿の画像データに対し、操作者が『シャー
プネス』処理を指令した場合のものである。なお、この
動作においては、前記の場合と同様、画像処理の分散処
理を、操作者による可否の判断を問うことなく、画像形
成システム側において自動的に行うものとなっている。

【０１８５】まず、デジタル複写機９２において、操作
者により処理モード、例えば『シャープネス』処理が設
定され（Ｓ４１）、プリントキー１５がＯＮされると
（Ｓ４２）、スキャナ部３１による原稿画像の読み取り
が行われる（Ｓ４３）。

【０１８６】次に、ＰＣＵ７４は、機能情報に基づいて
デジタル複写機９１〜９４のうちから、『シャープネ
ス』処理の可能な依頼先を選択する（Ｓ４４）。『シャ
ープネス』処理については、表２によりデジタル複写機
９２〜９４が可能である。ここでは、例えばデジタル複
写機９２自身とデジタル複写機９４を処理依頼先として
選択する。なお、処理依頼先としての台数は特に限定さ
れず、デジタル複写機９２〜９４の全てを選択してもよ
い。

【０１８７】次に、ＰＣＵ７４は、デジタル複写機９２
・９４の機能情報から、前記のようにして処理レベルを
決定する（Ｓ４５）。

【０１８８】次に、画像に関する前記情報を本機の画像
データ処理部７１に供給するとともに、デジタル複写機
９４に転送する（Ｓ４６）。この動作は、前記Ｓ２６の
動作と同様にして行われる。

【０１８９】デジタル複写機９２の画像データ処理部７
１では、上記処理情報に基づいて、画像データに対して
指定された画像処理を指定された処理レベルで行う（Ｓ
４７）。また、デジタル複写機９４では、上記画像デー
タを受信し（Ｓ４８）、同様に、上記処理情報に基づ
き、画像データ処理部７１にて、画像データに対して指
定された画像処理を指定された処理レベルで行う（Ｓ４
９）。これらデジタル複写機９２とデジタル複写機９４
とでの処理は並行して行われる。

【０１９０】次に、デジタル複写機９４は処理済の画像
データを上記最終転送先情報に基づいてデジタル複写機
９２に転送する（Ｓ５０）。

【０１９１】デジタル複写機９２では、デジタル複写機
９４から処理済の画像データが転送されると（Ｓ５
１）、これを受信する（Ｓ５２）。また、デジタル複写
機９２の場合、メモリ７３としてページメモリを備えて
いるので、受信した画像データを順次メモリ７３に格納
していく。また、デジタル複写機９２自身の画像データ
処理部７１にて処理された画像データも同様にメモリ７
３に格納していく。

【０１９２】その後、デジタル複写機９２では、出力順
序を制御して、即ち画像データをページ番号順となるよ
うにレーザプリンタ部３２に供給し（Ｓ５３）、画像デ
ータを用紙上に記録する（Ｓ５４）。

【０１９３】上記の動作では、画像処理を処理依頼機で
あるデジタル複写機９２自身でも行っているので、デジ
タル複写機９２自身で処理する画像データについては、
他のデジタル複写機との間での送信および受信が不要で
ある。従って、このために独立して要する時間分だけ処
理時間を短縮し得るとともに、通信動作を簡略化するこ
とができる。

【０１９４】なお、上記処理レベルをデジタル複写機９
２・９４が有する処理レベルの最低レベルに合わせて設
定するのが好ましい点、あるいは上記処理レベルをデジ
タル複写機９２の記録能力レベル、例えば記録解像度に
応じて設定するのが好ましい点は、前記の場合と同様で
ある。

【０１９５】〔発明の実施の形態２〕 本発明の実施の他の形態を図１１、図１７ないし図２０
に基づいて以下に説明する。本画像形成システムでは、
機能の異なる複数のデジタル複写機により前述の画像処
理の分散処理を行った場合に、最終的に用紙上に記録さ
れた画像、あるいは表示画面に表示された画像の画質等
が各ページに渡ってほぼ同一レベルの状態となるように
するため、以下の動作を行っている。

【０１９６】まず、所定のデジタル複写機から他の複数
のデジタル複写機に画像処理を依頼する場合について説
明する。この場合に、上記所定のデジタル複写機が指定
された画像処理についてほぼ同等の処理レベルでの画像
処理が可能な他の複数のデジタル複写機を処理依頼先と
して選択するものとする。この動作は、例えば、デジタ
ル複写機９１において、そのスキャナ部３１にて読み取
られた原稿の画像データに対し、操作者がデジタル複写
機９１の行えない『シャープネス』処理を指令した場合
のものである。尚、この動作においては、画像処理の分
散処理を、操作者による可否の判断を問うことなく、画
像形成システム側において自動的に行うものとなってい
る。

【０１９７】まず、図１７に示すように、デジタル複写
機９１において、操作者により処理モード、例えば『シ
ャープネス』処理が設定され（Ｓ６１）、プリントキー
１５がＯＮされると（Ｓ６２）、スキャナ部３１による
原稿画像の読み取りが行われる（Ｓ６３）。

【０１９８】次に、ＰＣＵ７４は、機能情報に基づいて
デジタル複写機９２〜９４のうちから、『シャープネ
ス』処理が可能であり、かつこの処理を前記したほぼ同
等の処理レベルで処理可能な依頼先を前記機能情報に基
づいて選択する（Ｓ６４）。『シャープネス』処理につ
いては、表２によりデジタル複写機９２〜９４の何れも
可能である。また、デジタル複写機９２〜９４の何れも
上記画像処理をほぼ同等の処理レベルで行うことができ
る。しかしながら、デジタル複写機９４については、前
述した処理レベルの変更動作が必要となる。そこで、こ
こでは、処理依頼先としてデジタル複写機９２・９３を
選択する。なお、処理依頼先として台数は特に限定され
ない。

【０１９９】次に、ＰＣＵ７４は、デジタル複写機９２
・９３の機能情報から、処理レベルを決定する（Ｓ６
５）。

【０２００】以下、Ｓ６６〜Ｓ７２の動作については、
図１に示した前記Ｓ２６〜Ｓ３２の動作と同様である。

【０２０１】上記の動作では、図１に示した動作に対し
て、予めぼぼ同一の処理レベルのデジタル複写機を選択
する動作が必要となる一方、処理依頼先のデジタル複写
機での処理レベル変換動作が不要となる。

【０２０２】なお、上記処理レベルをデジタル複写機９
２・９３が有する処理レベルの最低レベルに合わせて設
定するのが好ましい点、あるいは上記処理レベルをデジ
タル複写機９１の記録能力レベル、例えば記録解像度に
応じて設定するのが好ましい点は、前記の場合と同様で
ある。

【０２０３】ここで、前記Ｓ６４における処理依頼先の
選択動作が、デジタル複写機９１の記録能力レベルに基
づいて行われる場合の動作を図１８に基づいて説明す
る。この動作においては、まず、デジタル複写機９１自
身のレーザプリンタ部３２における記録能力レベル（プ
リンタレベル）、即ち記録解像度を確認する（Ｓ８
１）。

【０２０４】次に、デジタル複写機９２〜９４のレーザ
プリンタ部３２の記録能力レベル、並びに前記画像処理
についての処理レベルを把握する（Ｓ８２）。

【０２０５】次に、Ｓ８１およびＳ８２の動作により得
られた情報に基づいて、レーザプリンタ部３２での記録
能力レベルがデジタル複写機９１のものとほぼ同一であ
り、かつこの記録能力レベルに応じた処理レベルでの処
理が可能な複写機をデジタル複写機９２〜９４のうちか
ら選択する（Ｓ８３）。

【０２０６】また、前記Ｓ６５における処理レベルの決
定動作が、デジタル複写機９１の記録能力レベルに基づ
いて行われる場合の動作を図１９に基づいて説明する。
この動作においては、まず、デジタル複写機９１自身の
レーザプリンタ部３２における記録能力レベル（プリン
タレベル）、即ち記録解像度を確認する（Ｓ９１）。

【０２０７】次に、デジタル複写機９２〜９４のレーザ
プリンタ部３２の記録能力レベル、並びに前記画像処理
についての処理レベルを把握する（Ｓ９２）。

【０２０８】次に、Ｓ９１およびＳ９２の動作により得
られた情報に基づいて、前記処理レベルを決定する（Ｓ
９３）。

【０２０９】上記図１８および図１９での処理依頼元、
即ち最終的に画像の記録動作を行うデジタル複写機９１
でのレーザプリンタ部３２の記録能力レベルに応じて、
処理依頼先のデジタル複写機、あるいは処理レベルを決
定するように構成されているのは、さらに以下の理由に
よる。

【０２１０】処理依頼元のレーザプリンタ部３２の記録
能力レベルに応じて処理レベルが設定されている場合、
処理済の画像データは、レーザプリンタ部３２にて記録
できるようにするための処理が不要である。したがって
記録動作が容易となる。また、処理依頼元のレーザプリ
ンタ部３２の記録能力を越えた高い処理レベルでの画像
処理が長い時間を要して行われ、その処理が無駄になる
といった事態も生じない。

【０２１１】上記図１８および図１９での各決定動作
は、具体的には表３において、デジタル複写機９１と同
一の記録解像度のレーザプリンタ部３２を有するデジタ
ル複写機を選択すること、即ちデジタル複写機９２・９
３を選択するものとなる。これにより、デジタル複写機
９２・９３での処理済の画像データは、デジタル複写機
９１での記録能力レベルである４００ＤＰＩに対応した
ものとなる。

【０２１２】次に、所定のデジタル複写機にて画像処理
を行うとともに、画像データの一部の画像処理を他のデ
ジタル複写機に依頼する場合を図２０に基づいて以下に
説明する。ここでは、図１７に示した動作と同様、上記
所定のデジタル複写機が指定された画像処理についてほ
ぼ同等の処理レベルでの画像処理が可能な複数のデジタ
ル複写機を自機も含めて処理依頼先として選択するもの
とする。この動作は、例えば、デジタル複写機９２にお
いて、そのスキャナ部３１にて読み取られた原稿の画像
データに対し、操作者が『シャープネス』処理を指令し
た場合のものである。

【０２１３】まず、デジタル複写機９２において、操作
者により処理モード、例えば『シャープネス』処理が設
定され（Ｓ１０１）、プリントキー１５がＯＮされると
（Ｓ１０２）、スキャナ部３１による原稿画像の読み取
りが行われる（Ｓ１０３）。

【０２１４】次に、ＰＣＵ７４は、機能情報に基づき、
自機も含めて、即ちデジタル複写機９１〜９４のうちか
ら、『シャープネス』処理が可能であり、かつこの処理
を前記したほぼ同等の処理レベルで処理可能な依頼先を
前記機能情報に基づいて選択する（Ｓ１０４）。ここで
は、処理依頼先としてデジタル複写機９２・９３を選択
する。なお、処理依頼先としての台数は特に限定されな
い。

【０２１５】次に、ＰＣＵ７４は、デジタル複写機９２
・９３の機能情報から、処理レベルを決定する（Ｓ１０
５）。

【０２１６】以下、Ｓ１０６〜Ｓ１１４の動作について
は、図１に示した前記Ｓ２６〜Ｓ３２の動作と同様であ
る。

【０２１７】上記の動作では、図２に示した動作に対し
て、予めぼぼ同一の処理レベルのデジタル複写機を選択
する動作が必要となる一方、処理依頼先のデジタル複写
機での処理レベル変換動作が不要となる。

【０２１８】また、画像処理を処理依頼元であるデジタ
ル複写機９２自身でも行っているので、デジタル複写機
９２自身で処理する画像データについては、他のデジタ
ル複写機との間での送信および受信が不要である。従っ
て、このために独立して要する時間分だけ処理時間を短
縮し得るとともに、通信動作を簡略化することができ
る。

【０２１９】なお、上記処理レベルをデジタル複写機９
２・９３が有する処理レベルの最低レベルに合わせて設
定するのが好ましい点、あるいは上記処理レベルをデジ
タル複写機９２の記録能力レベル、例えば記録解像度に
応じて設定するのが好ましい点は、前記の場合と同様で
ある。

【０２２０】上記の図１７および図２０に示した例で
は、画像処理を選択した他の複数のデジタル複写機に依
頼して並行処理する構成、および画像処理を自機にて行
うとともに、選択した他のデジタル複写機にも依頼して
並行処理する構成について説明している。しかしなが
ら、さらに自機を含む複数のデジタル複写機のうちから
画像処理を行うべき複数のデジタル複写機を選択し、こ
れらデジタル複写機にて画像処理を行う構成としてもよ
い。この場合には、図１７に示したＳ６４の動作、およ
び図２０に示したＳ１０４の動作において、自機を含む
複数のデジタル複写機のうちから画像処理を行うべき複
数のデジタル複写機を選択する動作を行う。この結果、
選択されたデジタル複写機が自機以外の複数のものであ
れば、図１７におけるそれ以下の動作を行う。一方、選
択されたデジタル複写機が自機も含む複数のものであれ
ば、図２０におけるそれ以下の動作を行うものとなる。

【０２２１】なお、以上の説明においては、画像処理と
して『シャープネス』処理を例に上げて説明したが、他
の画像処理の場合にも同様に対応可能である。

【０２２２】〔発明の実施の形態３〕 本発明の実施のさらに他の形態を図１１、図２１および
図２２に基づいて以下に説明する。本画像形成システム
は、例えば図１１に示す構成となっており、所定のデジ
タル複写機において画像処理が指令された場合、前述の
各例において示したように、その画像処理を複数のデジ
タル複写機にて分散処理するようになっている。また、
各デジタル複写機９１〜９４は、他のデジタル複写機か
ら画像処理を依頼されたときに、何らかの理由でその画
像処理の実行が不可能状態であるとき、さらに他のデジ
タル複写機にその画像処理を依頼することができるよう
になっている。

【０２２３】上記画像処理の実行が不可能な状態とは、
そのデジタル複写機において何らかのトラブルが発生し
ている状態、あるいは既に他の画像処理を実行中の状態
等である。上記画像処理の実行が不可能な状態は、画像
形成システムでの設定や、処理についての優先条件の設
定等に基づいて生じることにもなる。

【０２２４】次に、本画像形成システムの動作を図２１
および図２２に基づいて説明する。例えば、図２１に示
すデジタル複写機９２に対し、画像情報入力手段として
の画像入力装置１５１から画像データが入力され、所定
の画像処理を行うよう指令が入力された場合、本画像形
成システムでは、上記画像処理のために、前述した何れ
かの動作が行われる。なお、上記画像入力装置１５１
は、デジタル複写機９２に接続されたマイクロコンピュ
ータ、ワードプロセッサあるいはデジタル複写機９２自
身が備えるスキャナ部３１である。

【０２２５】上記画像形成システムの動作において、デ
ジタル複写機９２へ入力された画像データの少なくとも
一部は、他のデジタル複写機に転送される。この場合、
転送される画像データには、図２２に示すように、行う
べき画像処理の種類を示す処理情報、および処理済の画
像データを最終的に転送すべきデジタル複写機を示す最
終転送先情報が付与されている。

【０２２６】ここで、上記画像処理を依頼されたデジタ
ル複写機、即ちデジタル複写機９３は、画像処理の実行
が不可能な状態である場合、その画像処理をさらに他の
デジタル複写機であるデジタル複写機９４に依頼する。
デジタル複写機９４は、画像処理の実行が不可能な状態
でない場合、処理情報に基づいて、画像データに対して
指令された画像処理を行う。その後、デジタル複写機９
４は、最終転送先情報に基づいて、処理済の画像データ
を処理依頼元、即ち処理済画像データに基づいて記録動
作を行うデジタル複写機９２に転送する。

【０２２７】このような構成では、デジタル複写機９４
で処理された画像データは、デジタル複写機９４にとっ
ての処理依頼元であるデジタル複写機９３からデジタル
複写機９２への転送処理を経ることなく、デジタル複写
機９２に戻すことができる。従って、上記のように第２
番目以降の処理依頼先にて画像処理が行われたような場
合において、最終転送先への処理済画像データの転送処
理が、簡略化されかつ迅速に行われる。

【０２２８】また、操作者が直接に処理を指令したデジ
タル複写機９２に処理済画像データが確実に返送され、
このデジタル複写機９２にて画像データの記録が行われ
る。従って、操作者は出力された画像の回収が容易であ
る。

【０２２９】〔発明の実施の形態４〕 本発明の実施のさらに他の形態を図２３および図２４に
基づいて以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記の
実施の形態１の図面に示した手段と同一の機能を有する
手段については、同一の符号を付し、その説明を省略す
る。

【０２３０】本画像形成システムは、図２３に示すよう
に、例えば６台のデジタル複写機２０１〜２０６を備
え、これらデジタル複写機２０１〜２０６は、互いに通
信を行うためのインタフェース２０１ａ〜２０６ａを有
している。最も大容量のメモリ７３を有するデジタル複
写機２０１と最も多くの画像処理機能を有するデジタル
複写機２０２とは本画像形成システムにおける主画像形
成装置としての主デジタル複写機となっている。

【０２３１】第２主画像形成装置としてのデジタル複写
機２０１と第１主画像形成装置としてのデジタル複写機
２０２とは、両者のインタフェース２０１ａ・２０２ａ
と通信回線９７とにより通信可能に接続され、デジタル
複写機２０３〜２０６は、同様に、インタフェース２０
１ａ・２０３ａ〜２０６ａと通信回線９７とによりそれ
ぞれデジタル複写機２０１と通信可能に接続されてい
る。また、デジタル複写機２０２〜２０６は、デジタル
複写機２０１を介して、デジタル複写機２０１以外の他
のデジタル複写機とも通信可能となっている。

【０２３２】本画像形成システムでは、前述した他の画
像形成システムと同様の動作を行うことができる。ま
た、例えば、デジタル複写機２０２の機能は図１１に示
したデジタル複写機９４に相当し、デジタル複写機２０
１の機能はデジタル複写機９３に相当する画像処理機能
を有し、メモリ容量がデジタル複写機９３よりも大きい
ものである。また、デジタル複写機２０３・２０４の機
能はデジタル複写機９２に相当し、デジタル複写機２０
５・２０６の機能はデジタル複写機９１に相当するもの
である。

【０２３３】主デジタル複写機を構成するデジタル複写
機２０１・２０２においては、デジタル複写機２０１
が、主に大容量のメモリ７３を必要とする画像データの
管理を担当し、デジタル複写機２０２が、画像処理を担
当するというように、役割を分担している。すなわち、
例えばデジタル複写機２０３から画像処理が依頼された
場合、デジタル複写機２０２から送信された画像データ
はデジタル複写機２０１のメモリ７３にて記憶され、順
次デジタル複写機２０２に送られて画像処理される。

【０２３４】処理後の画像データは、再びデジタル複写
機２０１のメモリ７３に格納された後、デジタル複写機
２０１からデジタル複写機２０３に返送される。このよ
うな制御は、例えばデジタル複写機２０１のＰＣＵ７４
にて行われる。

【０２３５】このような複数のデジタル複写機の役割分
担にて主デジタル複写機を構成することにより、高機能
が必要となる主デジタル複写機を１台のデジタル複写機
にて構成する場合と比較して、コストダウンが可能であ
ると共に、画像形成システムの効率を向上することがで
きる。

【０２３６】また、主デジタル複写機を構成するデジタ
ル複写機２０１・２０２と他のデジタル複写機とで画像
処理を並行して行う場合、上記主デジタル複写機は、記
憶容量が多く効率の良い処理が可能となるので、上記主
デジタル複写機への処理すべき画像データの分配比率を
高めることができる。

【０２３７】なお、本実施の形態の画像形成システムに
おいては、以下のように構成することも可能である。

【０２３８】すなわち、図２４に示すように、例えば５
台のデジタル複写機２１１〜２１５を備え、これらデジ
タル複写機２１１〜２１５は、互いに通信を行うための
インタフェース２１１ａ〜２１５ａを有しており、これ
らデジタル複写機２１１〜２１５は、ループ状のネット
ワークを構成するように、各インタフェース２１１ａ〜
２１５ａおよび通信回線９７により接続されている。各
デジタル複写機２１１〜２１５は、例えば前記デジタル
複写機３０に相当する構成となっている。

【０２３９】本画像形成システムでは、各デジタル複写
機２１１〜２１５自身が所望の画像処理機能を有してい
ない場合、他のデジタル複写機に依頼して画像データに
画像処理を行うようになっている。このために、各デジ
タル複写機２１１〜２１５は、他のデジタル複写機が有
する画像処理機能やメモリ容量等の情報を保持してい
る。上記画像処理の依頼動作においては、各デジタル複
写機が自動的に依頼先のデジタル複写機を選択するも
の、或いは各々の液晶表示装置１に処理可能なデジタル
複写機を表示し、操作者が選択するものとすることがで
きる。

【０２４０】本画像形成システムでは、前述した他の画
像形成システムと同様の各動作を行い得るようになって
いる。

【０２４１】なお、以上の説明において、画像処理済の
画像情報を出力する画像出力手段は、画像を記録するレ
ーザプリンタ部３２としているが、例えば画像情報を表
示する液晶表示装置等の表示装置であってもよい。

【０２４２】

【発明の効果】以上のように、請求項１の発明の画像形
成システムは、複数台の画像形成装置が通信装置を介し
て画像情報を送受信可能に接続され、何れかの前記画像
形成装置に入力された複数ページ分の画像情報に対する
画像処理が、複数の画像形成装置により、前記画像情報
の所定ページ単位を各画像形成装置の担当分として並行
して行われるとともに、前記画像情報に付加され、前記
画像処理を並行して行う各画像形成装置の、前記画像情
報の前記出力画像の画質に影響を与える画像処理につい
ての処理能力レベルは、前記各画像形成装置間にてほぼ
同等となるような許容範囲内に設定される。

【０２４３】これにより、本画像形成システムでは、画
像情報に対する所定の画像処理が複数の画像形成装置に
より並行して行われるので、画像処理を迅速に行うこと
ができる。

【０２４４】また、前記画像処理は、各画像形成装置間
で許容範囲内の処理能力レベル、即ち同等の処理能力レ
ベルで行われるので、画像処理済の画像情報を表示装置
にて出力した場合、あるいはプリンタ等の記録装置にて
用紙上に出力した場合に、その画像が全ページに渡って
同等レベルのものとなる。したがって、前記画像情報の
出力画像を見る人に違和感を与えることがない等の効果
を奏する。

【０２４５】請求項２の発明の画像形成システムは、１
台の第１画像形成装置と、複数台の第２画像形成装置
と、これら第１画像形成装置と第２画像形成装置とを接
続し、相互に画像情報の送受信を行わせる通信装置と、
記憶装置とを備え、前記記憶装置は、前記第２画像形成
装置での処理可能な画像処理の種類を示す画像処理情
報、および、出力画像の画質に影響を与える画像処理に
ついての処理能力レベルを示す画像処理能力情報を記憶
しており、前記第１画像形成装置は、画像情報に基づい
て可視像を形成する画像出力部と、画像処理についての
指令を入力するための入力部と、この入力部により処理
の実行を指令された画像処理について、前記画像処理情
報および画像処理能力情報に基づき、前記画像情報を画
像処理を行うべき画像形成装置の台数分に分割するとと
もに、前記画像情報の出力画像が全ページに渡って同等
のレベルとなるように、複数の第２画像形成装置にて許
容範囲内にあるほぼ同等の処理能力レベルを指定し、該
指定した前記処理能力レベルと行うべき画像処理の種類
とを示す制御情報を分割した各画像情報に付加し、これ
ら画像情報を個別に各第２画像形成装置に前記通信装置
を介して転送する一方、各第２画像形成装置から返送さ
れた画像処理済の各画像情報を前記画像出力部に供給す
る制御部とを備え、前記第２画像形成装置は、画像情報
に前記制御情報により指定された画像処理を指定された
複数の第２画像形成装置にて許容範囲内にあるほぼ同等
の前記処理能力レベルにて行う画像処理部と、前記通信
装置を介して入力された画像情報を前記画像処理部に供
給する一方、画像処理部にて処理された画像情報を通信
装置を介して第１画像形成装置に返送する制御部とを備
えている構成である。

【０２４６】これにより、本画像形成システムでは、画
像情報に対する所定の画像処理が複数の第２画像形成装
置により並行して行われるので、画像処理を迅速に行う
ことができる。

【０２４７】また、前記画像処理は、各第２画像形成装
置間で許容範囲内の処理能力レベル、即ち同等の処理能
力レベルで行われるので、画像処理済の画像情報を画像
出力装置、即ち表示装置にて出力した場合、あるいはプ
リンタ等の記録装置にて用紙上に出力した場合に、その
画像が全ページに渡って同等レベルのものとなる。した
がって、前記画像情報の出力画像を見る人に違和感を与
えることがない。

【０２４８】また、操作者が所望する画像処理機能が、
操作者が使用している第１画像形成装置に無い場合であ
っても、その画像処理を他の画像形成装置、即ち第２画
像形成装置にて行うことができる。従って、画像形成シ
ステムを構成する各画像形成装置には、個々に所定の画
像処理機能を備える必要がない。これにより、画像形成
装置を使用するユーザーの経済的負担を軽減することが
できる等の効果を奏する。

【０２４９】請求項３の発明の画像形成システムは、１
台の第１画像形成装置と、少なくとも１台の第２画像形
成装置と、これら第１画像形成装置と第２画像形成装置
とを接続し、相互に画像情報の送受信を行わせる通信装
置と、記憶装置とを備え、前記記憶装置は、前記第１お
よび第２画像形成装置での処理可能な画像処理の種類を
示す画像処理情報、および、出力画像の画質に影響を与
える画像処理についての処理能力レベルを示す画像処理
能力情報を記憶しており、前記第１画像形成装置は、画
像情報に制御情報にて指定された画像処理を指定された
許容範囲内の処理能力レベルで行う画像処理部と、画像
情報に基づいて可視像を形成する画像出力部と、画像処
理についての指令を入力するための入力部と、この入力
部により処理の実行を指令された画像処理について、前
記画像処理情報および画像処理能力情報に基づき、前記
画像情報を画像処理を行うべき画像形成装置の台数分に
分割するとともに、前記画像情報の出力画像が全ページ
に渡って同等のレベルとなるように、第１画像形成装置
と第２画像形成装置とで許容範囲内にあるほぼ同等の処
理能力レベルを指定し、該指定した前記処理能力レベル
と行うべき画像処理の種類とを示す制御情報を分割した
各画像情報に付加し、これら画像情報の一部を前記画像
処理部に供給し、残りを第２画像形成装置に前記通信装
置を介して転送する一方、前記画像処理部にて処理され
た画像情報および第２画像形成装置から返送された画像
処理済の画像情報を前記画像出力部に供給する制御部と
を備え、前記第２画像形成装置は、画像情報に前記制御
情報にて指定された画像処理を指定された第１画像形成
装置と第２画像形成装置とで許容範囲内にあるほぼ同等
の処理能力レベルで行う画像処理部と、前記通信装置を
介して入力された画像情報を前記画像処理部に供給する
一方、画像処理部にて処理された画像情報を通信装置を
介して第１画像形成装置に返送する制御部とを備えてい
る構成である。

【０２５０】これにより、本画像形成システムでは、画
像情報に対する所定の画像処理が第１画像形成装置と第
２画像形成装置との複数の画像形成装置により並行して
行われるので、画像処理を迅速に行うことができる。

【０２５１】また、前記画像処理は、第１画像形成装置
と第２画像形成装置との間で許容範囲内の処理能力レベ
ル、即ち同等の処理能力レベルで行われるので、画像処
理済の画像情報を画像出力装置、即ち表示装置にて出力
した場合、あるいはプリンタ等の記録装置にて用紙上に
出力した場合に、その画像が全ページに渡って同等レベ
ルのものとなる。したがって、前記画像情報の出力画像
を見る人に違和感を与えることがない。

【０２５２】また、本画像形成システムでは、画像処理
を処理依頼元装置である第１画像形成装置自身でも行っ
ているので、第１画像形成装置自身で処理する画像情報
については、他の画像形成装置との間での送信および受
信が不要である。従って、このために独立して要する時
間分だけ処理時間を短縮し得るとともに、通信動作を簡
略化することができる等の効果を奏する。

【０２５３】請求項４の発明の画像形成システムは、請
求項２または３の発明の画像形成システムにおいて、第
１画像形成装置の制御部が、指令された画像処理を行う
画像形成装置にて許容範囲内にある処理能力レベルのう
ち、最低レベルを前記制御情報における処理能力レベル
として指定する構成である。

【０２５４】これにより、本画像形成システムでは、請
求項２または３の発明の効果に加えて、前記最低レベル
よりも高い処理能力レベルを有する画像形成装置でも、
実行すべきものとして指定された画像処理が可能である
ので、前記画像処理については広範囲の画像形成装置に
て処理が可能になるという効果を奏する。

【０２５５】請求項５の発明の画像形成システムは、請
求項２または３の発明の画像形成システムにおいて、前
記第１画像形成装置の制御部が、第１画像形成装置の画
像出力部、例えばレーザプリンタ部の出力能力レベル、
例えば記録能力レベルに基づいて、前記制御情報におけ
る処理能力レベルを指定する構成である。

【０２５６】これにより、本画像形成システムでは、請
求項２または３の発明の効果に加えて、画像処理済の画
像情報を可視像化する第１画像形成装置の画像出力部の
で画像情報の扱いが容易であるとともに、良好な可視像
を得ることができる。

【０２５７】また、画像処理依頼元の画像形成装置の出
力能力レベルを越えた高いレベルの画像処理が長時間を
要して行われ、これが無駄になるといった事態も解消す
ることができる等の効果を奏する。

【０２５８】請求項６の発明の画像形成システムは、１
台の第１画像形成装置と、複数台の第２画像形成装置
と、これら第１画像形成装置と第２画像形成装置とを接
続し、相互に画像情報の送受信を行わせる通信装置と、
記憶装置とを備え、前記記憶装置は、前記第２画像形成
装置での処理可能な画像処理の種類を示す画像処理情
報、および、出力画像の画質に影響を与える画像処理に
ついての処理能力レベルを示す画像処理能力情報を記憶
しており、前記第１画像形成装置は、画像情報に基づい
て可視像を形成する画像出力部と、画像処理についての
指令を入力するための入力部と、前記画像処理情報およ
び画像処理能力情報に基づき、前記入力部により処理の
実行を指令された画像処理についての処理能力レベルに
て、処理能力レベルにて、画像処理が可能な複数の第２
画像形成装置を選択し、かつ、前記画像情報の出力画像
が全ページに渡って同等のレベルとなるように、複数の
第２画像形成装置にて許容範囲内にあるほぼ同等の前記
処理能力レベルを設定するとともに、選択した前記第２
画像形成装置の台数分に分割され、かつ前記処理能力レ
ベルが付加された各画像情報を前記通信装置を介して個
別に転送する一方、第２画像形成装置から返送された画
像処理済の各画像情報を前記画像出力部に供給する制御
部とを備え、前記第２画像形成装置は、画像情報に画像
処理を施す画像処理部と、前記通信装置を介して入力さ
れた画像情報を前記画像処理部に供給する一方、画像処
理部にて処理された画像情報を通信装置を介して第１画
像形成装置に返送する制御部とを備えている構成であ
る。

【０２５９】これにより、本画像形成システムでは、画
像情報に対する画像処理が複数の第２画像形成装置によ
り並行して行われるので、画像処理を迅速に行うことが
できる。

【０２６０】また、前記画像処理は、各第２画像形成装
置間で許容範囲内の処理能力レベル、即ち同等の処理能
力レベルで行われるので、画像処理済の画像情報を画像
出力装置、即ち表示装置にて出力した場合、あるいはプ
リンタ等の記録装置にて用紙上に出力した場合に、その
画像が全ページに渡って同等レベルのものとなる。した
がって、前記画像情報の出力画像を見る人に違和感を与
えることがない。

【０２６１】また、操作者が所望する画像処理機能が、
操作者が使用している第１画像形成装置に無い場合であ
っても、その画像処理を他の画像形成装置、即ち第２画
像形成装置にて行うことができる。従って、画像形成シ
ステムを構成する各画像形成装置には、個々に所定の画
像処理機能を備える必要がない。これにより、画像形成
装置を使用するユーザーの経済的負担を軽減することが
できる等の効果を奏する。

【０２６２】請求項７の発明の画像形成システムは、１
台の第１画像形成装置と、複数台の第２画像形成装置
と、これら第１画像形成装置と第２画像形成装置とを接
続し、相互に画像情報の送受信を行わせる通信装置と、
記憶装置とを備え、前記記憶装置は、前記第１および第
２画像形成装置での処理可能な画像処理の種類を示す画
像処理情報、および、出力画像の画質に影響を与える画
像処理についての処理能力レベルを示す画像処理能力情
報を記憶しており、前記第１画像形成装置は、画像情報
に基づいて可視像を形成する画像出力部と、画像情報に
画像処理を行う画像処理部と、画像処理についての指令
を入力するための入力部と、前記画像処理情報および画
像処理能力情報に基づき、前記入力部により処理の実行
を指令された画像処理が、前記画像処理部が有する処理
能力レベルにて、画像処理が可能な第２画像形成装置を
少なくとも１台選択し、かつ、前記画像情報の出力画像
が全ページに渡って同等のレベルとなるように、第１画
像形成装置を含む選択した複数の画像形成装置にて許容
範囲内にあるほぼ同等の前記処理能力レベルを設定する
とともに、前記複数の画像形成装置の台数分に分割さ
れ、かつ前記処理能力レベルが付加された画像情報の一
部を前記画像処理部に供給するとともに、残りを選択し
た第２画像形成装置に前記転送装置を介して転送する一
方、前記画像処理部にて処理された画像情報および第２
画像形成装置から返送された画像処理済の画像情報を前
記画像出力部に供給する制御部とを備え、前記第２画像
形成装置は、画像情報に画像処理を施す画像処理部と、
前記通信装置を介して入力された画像情報を前記画像処
理部に供給する一方、画像処理部にて処理された画像情
報を通信装置を介して第１画像形成装置に返送する制御
部とを備えている構成である。

【０２６３】これにより、本画像形成システムでは、画
像情報に対する所定の画像処理が第１画像形成装置と第
２画像形成装置との複数の画像形成装置により並行して
行われるので、画像処理を迅速に行うことができる。

【０２６４】また、前記画像処理は、第１画像形成装置
と第２画像形成装置との間で許容範囲内の処理能力レベ
ル、即ち同等の処理能力レベルで行われるので、画像処
理済の画像情報を画像出力装置、即ち表示装置にて出力
した場合、あるいはプリンタ等の記録装置にて用紙上に
出力した場合に、その画像が全ページに渡って同等レベ
ルのものとなる。したがって、前記画像情報の出力画像
を見る人に違和感を与えることがない。

【０２６５】また、本画像形成システムでは、画像処理
を処理依頼元装置である第１画像形成装置自身でも行っ
ているので、第１画像形成装置自身で処理する画像情報
については、他の画像形成装置との間での送信および受
信が不要である。従って、このために独立して要する時
間分だけ処理時間を短縮し得るとともに、通信動作を簡
略化することができる等の効果を奏する。

【０２６６】請求項８の発明の画像形成システムは、１
台の第１画像形成装置と、複数台の第２画像形成装置
と、これら第１画像形成装置と第２画像形成装置とを接
続し、相互に画像情報の送受信を行わせる通信装置と、
記憶装置とを備え、前記記憶装置は、前記第１および第
２画像形成装置での処理可能な画像処理の種類を示す画
像処理情報、および、出力画像の画質に影響を与える画
像処理についての処理能力レベルを示す画像処理能力情
報を記憶しており、前記第１画像形成装置は、画像情報
に基づいて可視像を形成する画像出力部と、画像情報に
画像処理を行う画像処理部と、画像処理についての指令
を入力するための入力部と、前記画像処理情報および画
像処理能力情報に基づき、前記入力部により処理の実行
を指令された画像処理についての処理能力レベルにて、
画像処理が可能な複数の画像形成装置を第１および第２
画像形成装置のうちから選択し、かつ、前記画像情報の
出力画像が全ページに渡って同等のレベルとなるよう
に、選択した複数の画像形成装置にて許容範囲内にある
ほぼ同等の前記処理能力レベルを設定するとともに、前
記複数の画像形成装置の台数分に分割され、かつ前記処
理能力レベルが付加された各画像情報を、前記選択にて
第１および第２画像形成装置を選択した場合には、前記
各画像情報の一部を前記画像処理部に供給するととも
に、残りを第２画像形成装置に前記通信装置を介して転
送し、前記選択にて複数の第２画像形成装置のみを選択
した場合には、それら第２画像形成装置に分割した各画
像情報を前記通信装置を介して個別に転送する一方、前
記画像処理部にて処理された画像情報および第２画像形
成装置から返送された画像処理済の画像情報を前記画像
出力部に供給する制御部とを備え、前記第２画像形成装
置は、画像情報に画像処理を施す画像処理部と、前記通
信装置を介して入力された画像情報を前記画像処理部に
供給する一方、画像処理部にて処理された画像情報を通
信装置を介して第１画像形成装置に返送する制御部とを
備えている構成である。

【０２６７】これにより、本画像形成システムでは、画
像情報に対する所定の画像処理が複数の画像形成装置に
より並行して行われるので、画像処理を迅速に行うこと
ができる。

【０２６８】また、前記画像処理は、各画像形成装置の
間で許容範囲内の処理能力レベル、即ち同等の処理能力
レベルで行われるので、画像処理済の画像情報を画像出
力装置、即ち表示装置にて出力した場合、あるいはプリ
ンタ等の記録装置にて用紙上に出力した場合に、その画
像が全ページに渡って同等レベルのものとなる。したが
って、前記画像情報の出力画像を見る人に違和感を与え
ることがない。

【０２６９】また、本画像形成システムでは、予め処理
依頼先の第２画像形成装置を選択する動作が必要となる
一方、処理依頼先の第２画像形成装置での処理能力レベ
ル変換動作が不要となる等の効果を奏する。

【０２７０】請求項９の発明の画像形成システムは、請
求項６、７または８の発明の画像形成システムにおい
て、前記第１画像形成装置の制御部が、第１画像形成装
置の画像出力部の出力能力レベルに基づいて、選択した
複数の画像形成装置にて許容範囲内にあるほぼ同等の前
記処理能力レベルを設定するものである。

【０２７１】これにより、本画像形成システムでは、請
求項６、７または８の発明の効果に加えて、画像処理済
の画像情報を可視像化する第１画像形成装置の画像出力
部ので画像情報の扱いが容易であるとともに、良好な可
視像を得ることができる。

【０２７２】また、画像処理依頼元の画像形成装置の出
力能力レベルを越えた高いレベルの画像処理が長時間を
要して行われ、これが無駄になるといった事態も解消す
ることができる等の効果を奏する。

【０２７３】請求項１０の発明の画像形成システムは、
請求項２、３、６、７または８の発明の画像形成システ
ムにおいて、前記第１画像形成装置には、画像情報を入
力する画像情報入力手段、例えばパーソナルコンピュー
タが接続され、前記第１画像形成装置から前記第２画像
形成装置に転送される画像データには、行うべき画像処
理の種類を示す処理情報、および画像処理済の画像デー
タを最終的に戻すべき画像形成装置を示す最終転送先情
報が付与され、前記第２画像形成装置は、画像処理が不
可能な状態であるときに、通信装置を介して入力された
画像情報をさらに他の第２画像形成装置に転送する構成
である。

【０２７４】これにより、本画像形成システムでは、請
求項２、３、６、７または８の発明の効果に加えて、第
２番目以降の処理依頼先の第２画像形成装置にて画像処
理が行われたような場合において、最終転送先への処理
済画像データの転送処理が、簡略化されかつ迅速に行わ
れる。

【０２７５】また、操作者が直接に処理を指令した第１
画像形成装置に処理済画像データが確実に返送され、こ
の第１画像形成装置にて画像データの記録が行われる。
従って、操作者は出力された画像の回収が容易である等
の効果を奏する。

【０２７６】請求項１１の発明の画像形成システムは、
請求項１〜１０のいずれか１項に記載の発明の画像形成
システムにおいて、前記処理能力レベルは、読み取り解
像度、エッジ判別、記録解像度、濃度変換レベル、階調
性、領域分離のうちの少なくとも一つの画像処理に関す
る処理能力レベルである構成である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態における画像形成システ
ムの動作を示すものであって、画像処理を指令された複
写機が画像処理を複数の他の複写機に依頼する場合の動
作を示すフローチャートである。

【図２】図１に示した動作を行う画像形成システムが備
えるデジタル複写機の縦断面図である。

【図３】図２に示したデジタル複写機が備える画像処理
部の構成を示すブロック図である。

【図４】図２に示したデジタル複写機が備える制御系の
構成を示すブロック図である。

【図５】図２に示したデジタル複写機が備える操作パネ
ルの正面図である。

【図６】同図（ａ）は、図５に示した操作パネルの液晶
表示装置における基本画面を示す正面図、同図（ｂ）は
同第１機能設定画面を示す正面図、同図（ｃ）は同第２
機能設定画面を示す正面図である。

【図７】同図（ａ）は、図５に示した操作パネルの液晶
表示装置における画質設定画面を示す正面図、同図
（ｂ）は同後処理設定画面を示す正面図である。

【図８】同図（ａ）は、図５に示した操作パネルの液晶
表示装置における初期設定画面を示す正面図、同図
（ｂ）は同指紋登録画面を示す正面図、同図（ｃ）は同
部門管理設定画面を示す正面図である。

【図９】同図（ａ）は、図５に示した操作パネルの液晶
表示装置におけるリミッタ設定画面を示す正面図、
（ｂ）は同シミュレーション画面を示す正面図である。

【図１０】図５に示した操作パネルの液晶表示装置にお
ける各画面が遷移する過程を示す説明図である。

【図１１】図１に示した動作を行う画像形成システムの
概略構成を示す説明図である。

【図１２】同図（ａ）は、図５に示した操作パネルの液
晶表示装置における、図６（ｂ）に示した第１機能設定
画面での画像編集機能の選択状態を示す正面図、図１２
（ｂ）は同液晶表示装置における斜体機能動作に対応し
た表示状態を示す正面図、同図（ｃ）は同斜体設定画面
を示す正面図である。

【図１３】同図（ａ）は、図５に示した操作パネルの液
晶表示装置における、図６（ｃ）に示した第２機能設定
画面での画像編集機能の選択状態を示す正面図、図１３
（ｂ）は図１に示すＳ３の動作に対応した液晶表示装置
の表示状態を示す正面図、同図（ｃ）は同シャープネス
設定画面を示す正面図である。

【図１４】図５に示した操作パネルの液晶表示装置にお
ける、図１５に示すＳ１４の動作に対応した表示状態を
示す正面図である。

【図１５】図１１に示した画像形成システムにおける画
像処理の分散動作を示すフローチャートである。

【図１６】図１１に示した画像形成システムの図１に示
した動作の他の例を示すものであって、画像処理を指令
された複写機が画像処理を自機を含む他の複写機に依頼
する場合の動作を示すフローチャートである。

【図１７】本発明の実施の他の形態における画像形成シ
ステムの動作を示すものであって、画像処理を指令され
た複写機が画像処理を複数の他の複写機に依頼する場合
の動作を示すフローチャートである。

【図１８】図１７に示したＳ６４の動作を説明するフロ
ーチャートである。

【図１９】図１７に示したＳ６５の動作を説明するフロ
ーチャートである。

【図２０】図１１に示した画像形成システムの図１７に
示した動作の他の例を示すものであって、画像処理を指
令された複写機が画像処理を自機を含む他の複写機に依
頼する場合の動作を示すフローチャートである。

【図２１】本発明の実施のさらに他の形態における画像
形成システムの動作を説明するブロック図である。

【図２２】図２１に示した画像形成システムの動作にお
いて使用される情報の構造を示す説明図である。

【図２３】本発明のさらに他の実施の形態における画像
形成システムの概略構成を示す説明図である。

【図２４】図２３に示した画像形成システムの他の例を
示す説明図である。

【符号の説明】

３２ レーザプリンタ部（画像出力部） ３１ スキャナ部（画像情報入力手段） ７１ 画像データ処理部（画像処理部） ７３ メモリ（記憶装置） ７４ ＰＣＵ（制御部） ９０ 操作パネル（入力部） ９１ デジタル複写機（画像形成装置） ９２ デジタル複写機（画像形成装置） ９３ デジタル複写機（画像形成装置） ９４ デジタル複写機（画像形成装置） ９６ プリンタ（画像形成装置） 91a 〜96a インタフェース（通信装置） ９７ 通信回線（通信装置） １５１ 画像入力装置（画像情報入力手段）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平５−324227（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−16766（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−297967（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−274608（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−324974（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−311839（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H04N 1/00

Claims (11)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数台の画像形成装置が通信装置を介して
   画像情報を送受信可能に接続され、何れかの前記画像形
   成装置に入力された複数ページ分の画像情報に対する画
   像処理が、複数の画像形成装置により、前記画像情報の
   所定ページ単位を各画像形成装置の担当分として並行し
   て行われるとともに、前記画像情報に付加され、前記画
   像処理を並行して行う各画像形成装置の、前記画像情報
   の前記出力画像の画質に影響を与える画像処理について
   の処理能力レベルは、前記各画像形成装置間にてほぼ同
   等となるような許容範囲内に設定されることを特徴とす
   る画像形成システム。
2. 【請求項２】１台の第１画像形成装置と、複数台の第２
   画像形成装置と、これら第１画像形成装置と第２画像形
   成装置とを接続し、相互に画像情報の送受信を行わせる
   通信装置と、記憶装置とを備え、 前記記憶装置は、前記第２画像形成装置での処理可能な
   画像処理の種類を示す画像処理情報、および、出力画像
   の画質に影響を与える画像処理についての処理能力レベ
   ルを示す画像処理能力情報を記憶しており、 前記第１画像形成装置は、 画像情報に基づいて可視像を形成する画像出力部と、 画像処理についての指令を入力するための入力部と、 この入力部により処理の実行を指令された画像処理につ
   いて、前記画像処理情報および画像処理能力情報に基づ
   き、前記画像情報を画像処理を行うべき画像形成装置の
   台数分に分割するとともに、前記画像情報の出力画像が
   全ページに渡って同等のレベルとなるように、複数の第
   ２画像形成装置にて許容範囲内にあるほぼ同等の処理能
   力レベルを指定し、該指定した前記処理能力レベルと行
   うべき画像処理の種類とを示す制御情報を分割した各画
   像情報に付加し、これら画像情報を個別に各第２画像形
   成装置に前記通信装置を介して転送する一方、各第２画
   像形成装置から返送された画像処理済の各画像情報を前
   記画像出力部に供給する制御部とを備え、 前記第２画像形成装置は、 画像情報に前記制御情報により指定された画像処理を指
   定された複数の第２画像形成装置にて許容範囲内にある
   ほぼ同等の前記処理能力レベルにて行う画像処理部と、 前記通信装置を介して入力された画像情報を前記画像処
   理部に供給する一方、画像処理部にて処理された画像情
   報を通信装置を介して第１画像形成装置に返送する制御
   部とを備えていることを特徴とする画像形成システム。
3. 【請求項３】１台の第１画像形成装置と、少なくとも１
   台の第２画像形成装置と、これら第１画像形成装置と第
   ２画像形成装置とを接続し、相互に画像情報の送受信を
   行わせる通信装置と、記憶装置とを備え、 前記記憶装置は、前記第１および第２画像形成装置での
   処理可能な画像処理の種類を示す画像処理情報、およ
   び、出力画像の画質に影響を与える画像処理についての
   処理能力レベルを示す画像処理能力情報を記憶してお
   り、 前記第１画像形成装置は、 画像情報に制御情報にて指定された画像処理を指定され
   た許容範囲内の処理能力レベルで行う画像処理部と、 画像情報に基づいて可視像を形成する画像出力部と、 画像処理についての指令を入力するための入力部と、 この入力部により処理の実行を指令された画像処理につ
   いて、前記画像処理情報および画像処理能力情報に基づ
   き、前記画像情報を画像処理を行うべき画像形成装置の
   台数分に分割するとともに、前記画像情報の出力画像が
   全ページに渡って同等のレベルとなるように、第１画像
   形成装置と第２画像形成装置とで許容範囲内にあるほぼ
   同等の処理能力レベルを指定し、該指定した前記処理能
   力レベルと行うべき画像処理の種類とを示す制御情報を
   分割した各画像情報に付加し、これら画像情報の一部を
   前記画像処理部に供給し、残りを第２画像形成装置に前
   記通信装置を介して転送する一方、前記画像処理部にて
   処理された画像情報および第２画像形成装置から返送さ
   れた画像処理済の画像情報を前記画像出力部に供給する
   制御部とを備え、 前記第２画像形成装置は、 画像情報に前記制御情報にて指定された画像処理を指定
   された第１画像形成装置と第２画像形成装置とで許容範
   囲内にあるほぼ同等の処理能力レベルで行う画像処理部
   と、 前記通信装置を介して入力された画像情報を前記画像処
   理部に供給する一方、画像処理部にて処理された画像情
   報を通信装置を介して第１画像形成装置に返送する制御
   部とを備えていることを特徴とする画像形成システム。
4. 【請求項４】前記第１画像形成装置の制御部は、指令さ
   れた画像処理を行う画像形成装置にて許容範囲内にある
   処理能力レベルのうち、最低レベルを前記制御情報にお
   ける処理能力レベルとして指定するものであることを特
   徴とする請求項２または３に記載の画像形成システム。
5. 【請求項５】前記第１画像形成装置の制御部は、第１画
   像形成装置の画像出力部の出力能力レベルに基づいて、
   前記制御情報における処理能力レベルを指定するもので
   あることを特徴とする請求項２または３に記載の画像形
   成システム。
6. 【請求項６】１台の第１画像形成装置と、複数台の第２
   画像形成装置と、これら第１画像形成装置と第２画像形
   成装置とを接続し、相互に画像情報の送受信を行わせる
   通信装置と、記憶装置とを備え、 前記記憶装置は、前記第２画像形成装置での処理可能な
   画像処理の種類を示す画像処理情報、および、出力画像
   の画質に影響を与える画像処理についての処理能力レベ
   ルを示す画像処理能力情報を記憶しており、 前記第１画像形成装置は、 画像情報に基づいて可視像を形成する画像出力部と、 画像処理についての指令を入力するための入力部と、 前記画像処理情報および画像処理能力情報に基づき、前
   記入力部により処理の実行を指令された画像処理につい
   ての処理能力レベルにて、処理能力レベルにて、画像処
   理が可能な複数の第２画像形成装置を選択し、かつ、前
   記画像情報の出力画像が全ページに渡って同等のレベル
   となるように、複数の第２画像形成装置にて許容範囲内
   にあるほぼ同等の前記処理能力レベルを設定するととも
   に、選択した前記第２画像形成装置の台数分に分割さ
   れ、かつ前記処理能力レベルが付加された各画像情報を
   前記通信装置を介して個別に転送する一方、第２画像形
   成装置から返送された画像処理済の各画像情報を前記画
   像出力部に供給する制御部とを備え、 前記第２画像形成装置は、 画像情報に画像処理を施す画像処理部と、 前記通信装置を介して入力された画像情報を前記画像処
   理部に供給する一方、画像処理部にて処理された画像情
   報を通信装置を介して第１画像形成装置に返送する制御
   部とを備えていることを特徴とする画像形成システム。
7. 【請求項７】１台の第１画像形成装置と、複数台の第２
   画像形成装置と、これら第１画像形成装置と第２画像形
   成装置とを接続し、相互に画像情報の送受信を行わせる
   通信装置と、記憶装置とを備え、 前記記憶装置は、前記第１および第２画像形成装置での
   処理可能な画像処理の種類を示す画像処理情報、およ
   び、出力画像の画質に影響を与える画像処理についての
   処理能力レベルを示す画像処理能力情報を記憶してお
   り、 前記第１画像形成装置は、 画像情報に基づいて可視像を形成する画像出力部と、 画像情報に画像処理を行う画像処理部と、 画像処理についての指令を入力するための入力部と、 前記画像処理情報および画像処理能力情報に基づき、前
   記入力部により処理の実行を指令された画像処理が、前
   記画像処理部が有する処理能力レベルにて、画像処理が
   可能な第２画像形成装置を少なくとも１台選択し、か
   つ、前記画像情報の出力画像が全ページに渡って同等の
   レベルとなるように、第１画像形成装置を含む選択した
   複数の画像形成装置にて許容範囲内にあるほぼ同等の前
   記処理能力レベルを設定するとともに、前記複数の画像
   形成装置の台数分に分割され、かつ前記処理能力レベル
   が付加された画像情報の一部を前記画像処理部に供給す
   るとともに、残りを選択した第２画像形成装置に前記転
   送装置を介して転送する一方、前記画像処理部にて処理
   された画像情報および第２画像形成装置から返送された
   画像処理済の画像情報を前記画像出力部に供給する制御
   部とを備え、 前記第２画像形成装置は、 画像情報に画像処理を施す画像処理部と、 前記通信装置を介して入力された画像情報を前記画像処
   理部に供給する一方、画像処理部にて処理された画像情
   報を通信装置を介して第１画像形成装置に返送する制御
   部とを備えていることを特徴とする画像形成システム。
8. 【請求項８】１台の第１画像形成装置と、複数台の第２
   画像形成装置と、これら第１画像形成装置と第２画像形
   成装置とを接続し、相互に画像情報の送受信を行わせる
   通信装置と、記憶装置とを備え、 前記記憶装置は、前記第１および第２画像形成装置での
   処理可能な画像処理の種類を示す画像処理情報、およ
   び、画像情報の出力画像の画質に影響を与える画像処理
   についての処理能力レベルを示す画像処理能力情報を記
   憶しており、 前記第１画像形成装置は、 画像情報に基づいて可視像を形成する画像出力部と、 画像情報に画像処理を行う画像処理部と、 画像処理についての指令を入力するための入力部と、 前記画像処理情報および画像処理能力情報に基づき、前
   記入力部により処理の実行を指令された画像処理につい
   ての処理能力レベルにて、画像処理が可能な複数の画像
   形成装置を第１および第２画像形成装置のうちから選択
   し、かつ、前記画像情報の出力画像が全ページに渡って
   同等のレベルとなるように、選択した複数の画像形成装
   置にて許容範囲内にあるほぼ同等の前記処理能力レベル
   を設定するとともに、前記複数の画像形成装置の台数分
   に分割され、かつ前記処理能力レベルが付加された各画
   像情報を、前記選択にて第１および第２画像形成装置を
   選択した場合には、前記各画像情報の一部を前記画像処
   理部に供給するとともに、残りを第２画像形成装置に前
   記通信装置を介して転送し、前記選択にて複数の第２画
   像形成装置のみを選択した場合には、それら第２画像形
   成装置に分割した各画像情報を前記通信装置を介して個
   別に転送する一方、前記画像処理部にて処理された画像
   情報および第２画像形成装置から返送された画像処理済
   の画像情報を前記画像出力部に供給する制御部とを備
   え、 前記第２画像形成装置は、 画像情報に画像処理を施す画像処理部と、 前記通信装置を介して入力された画像情報を前記画像処
   理部に供給する一方、画像処理部にて処理された画像情
   報を通信装置を介して第１画像形成装置に返送する制御
   部とを備えていることを特徴とする画像形成システム。
9. 【請求項９】前記第１画像形成装置の制御部は、第１画
   像形成装置の画像出力部の出力能力レベルに基づいて、
   選択した複数の画像形成装置にて許容範囲内にあるほぼ
   同等の前記処理能力レベルを設定するものであることを
   特徴とする請求項６、７または８に記載の画像形成シス
   テム。
10. 【請求項１０】前記第１画像形成装置には、画像情報を
    入力する画像情報入力手段が接続され、 前記第１画像形成装置から前記第２画像形成装置に転送
    される画像データには、行うべき画像処理の種類を示す
    処理情報、および画像処理済の画像データを最終的に戻
    すべき画像形成装置を示す最終転送先情報が付与され、 前記第２画像形成装置は、画像処理が不可能な状態であ
    るときに、通信装置を介して入力された画像情報をさら
    に他の第２画像形成装置に転送するものであることを特
    徴とする請求項２、３、６、７または８に記載の画像形
    成システム。
11. 【請求項１１】前記処理能力レベルは、読み取り解像
    度、エッジ判別、記録解像度、濃度変換レベル、階調
    性、領域分離のうちの少なくとも一つの画像処理に関す
    る処理能力レベルであることを特徴とする請求項１ない
    し１０のいずれか１項に記載の画像形成システム。