JP3424731B2 - 電子材料の洗浄方法 - Google Patents

電子材料の洗浄方法

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JP3424731B2
JP3424731B2 JP00622198A JP622198A JP3424731B2 JP 3424731 B2 JP3424731 B2 JP 3424731B2 JP 00622198 A JP00622198 A JP 00622198A JP 622198 A JP622198 A JP 622198A JP 3424731 B2 JP3424731 B2 JP 3424731B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子材料用洗浄水
に関する。さらに詳しくは、本発明は、電子材料のウェ
ット洗浄において、金属不純物や自然酸化膜とともに、
微粒子汚染も同時に除去することができる電子材料用洗
浄水に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体用シリコン基板、液晶
用ガラス基板、フォトマスク用石英基板などの洗浄は、
主として、過酸化水素水と硫酸の混合液、過酸化水素水
と塩酸と水の混合液、過酸化水素水とアンモニア水と水
の混合液など、過酸化水素をベースとする濃厚な薬液を
用いて高温で洗浄した後に超純水ですすぐ、いわゆるR
CA洗浄法によって行われてきた。RCA洗浄法は、半
導体表面の金属分を除去するために有効な方法である
が、同時に半導体表面に付着した微粒子も除去される。
しかし、このような方法では、過酸化水素水、高濃度の
酸、アルカリなどを多量に使用するために薬液コストが
高く、さらにリンス用の超純水のコスト、廃液処理コス
ト、薬品蒸気を排気し新たに清浄空気を調製する空調コ
ストなど、多大なコストを要する。これらのコストを低
減し、さらに水の大量使用、薬物の大量廃棄、排ガスの
放出といった環境への負荷低減を図るために、近年ウェ
ット洗浄工程の見直しが進められている。例えば、シリ
コン表面の自然酸化膜を除去する工程では、フッ化水素
酸系の薬液による室温処理が採用されている。特に、シ
リコンウェーハの洗浄において、希薄なフッ化水素酸に
よる洗浄で仕上げるいわゆる「フッ酸ラスト」洗浄が多
く採用されている。フッ化水素酸洗浄の主目的は、酸化
性の薬液処理工程やリンス工程で生じる、あるいは静置
中に生じるシリコン表面の自然酸化膜の除去であるが、
同時に自然酸化膜中に取り込まれた金属不純物も除去す
ることができる。しかし、フッ化水素酸洗浄では、電子
材料表面に付着した微粒子を除去することができないた
めに、必ず他の洗浄工程、例えば、アンモニアと過酸化
水素を含有する洗浄水によるいわゆるAPM洗浄などと
組み合わせて用いる必要がある。また、フッ化水素酸に
よる洗浄では、洗浄液の酸化力に限界があり、銅のよう
な酸化還元電位の高い金属不純物を完全に除去すること
は困難である。また、従来のRCA洗浄に代わる洗浄と
して、フッ化水素酸と塩酸を混合した水溶液による洗浄
プロセスが提案されている。すなわち、フッ化水素酸
(50重量%)、塩酸(35重量%)及び超純水を、重量比
0.2:1:100の割合で混合した洗浄水を用いる
と、室温においても、鉄、クロム、ニッケル、銅、アル
ミニウムなどの金属を効率よく除去することができる。
また、この際に超純水として、溶存酸素ガス濃度の低い
超純水を用いるか、フッ化水素酸の添加量を増やすと、
金属の除去と同時に自然酸化膜を除去し得ることが知ら
れている。しかし、この洗浄によっても、電子材料表面
に付着した微粒子を除去することができないために、必
ず他の洗浄工程、例えば、APM洗浄などと組み合わせ
る必要がある。また、フッ化水素酸と硝酸を混合した水
溶液を用いても、金属除去に高い効果が得られるが、こ
の洗浄液も微粒子を除去する能力が乏しく、AMP洗浄
などと組み合わせて使われている。このために、電子材
料表面の金属不純物や自然酸化膜を除去するとともに、
表面に付着した微粒子も同時に除去することができる電
子材料用洗浄水が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電子材料の
ウェット洗浄において、金属不純物や自然酸化膜ととも
に、微粒子汚染も同時に除去することができる電子材料
用洗浄水を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、フッ化水素の水
溶液又はフッ化水素と塩化水素若しくは硝酸の水溶液に
水素ガス又は酸素ガスを溶解した洗浄水が、電子材料表
面に付着した微粒子を効果的に除去すると同時に、さら
に金属汚染の除去、自然酸化膜の除去、完全水素終端の
達成など、種々の洗浄機能を発揮することを見いだし、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、 (1)脱気した水に水素ガスを0.4mg/リットル以上
溶解するとともにフッ化水素を溶解して得た洗浄水に、
超音波を伝達しつつ洗浄を行うことを特徴とする電子材
料の洗浄方法、 (2)洗浄水が塩化水素若しくは硝酸を溶解してなる第
1項記載の電子材料の洗浄方法、 (3)フッ化水素及び12mg/リットル以上の濃度の酸
素ガスを溶解した水溶液からなる洗浄水に、超音波を伝
達しつつ洗浄を行うことを特徴とする電子材料の洗浄方
法、及び (4)洗浄水が塩化水素若しくは硝酸を溶解している第
3項記載の電子材料の洗浄方法、を提供するものであ
る。さらに、本発明の好ましい態様として、 (5)フッ化水素の濃度が、0.05〜5重量%である
第(1)項又は第(3)項記載の電子材料用洗浄水、 (6)フッ化水素の濃度が0.05〜5重量%であり、
塩化水素若しくは硝酸の濃度が0.01〜5重量%であ
る第(2)項又は第(4)項記載の電子材料用洗浄水、 (7)被洗浄物である電子材料が、半導体用シリコン基
板、液晶用ガラス基板又はフォトマスク用石英基板であ
る第(1)項〜第(6)項のいずれかに記載の電子材料用洗
浄水、 (8)第(1)項〜第(7)項のいずれかに記載の電子材料
用洗浄水に、超音波振動を伝達しつつ洗浄を行うことを
特徴とする電子材料の洗浄方法、及び、 (9)超音波振動の周波数が400kHz以上である第
(1)項〜第(8)項記載の電子材料の洗浄方法、を挙げる
ことができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の電子材料用洗浄水の第一
の態様は、フッ化水素及び水素ガスを溶解した水溶液か
らなるものである。本態様の電子材料用洗浄水を用いる
ことにより、電子材料表面に付着した微粒子を効果的に
除去すると同時に、シリコン表面の自然酸化膜を除去
し、さらに最表面シリコンの水素終端を完全に達成する
ことができる。本態様の洗浄水において、フッ化水素の
濃度に特に制限はないが、フッ化水素の濃度が0.05
〜5重量%であることが好ましく、0.1〜1重量%で
あることがより好ましい。フッ化水素の濃度が0.05
重量%未満であると、自然酸化膜の除去効果が不十分と
なるおそれがある。フッ化水素の濃度は通常は5重量%
以下で十分な洗浄効果が発揮され、フッ化水素の濃度が
5重量%を超えると、リンス水の必要量が過大となるお
それがある。本態様の洗浄水においては、フッ化水素に
加えてさらにフッ化アンモニウムを溶解し、いわゆるバ
ッファードフッ酸とすることができる。バッファードフ
ッ酸とすることにより、シリコン表面の自然酸化膜のエ
ッチングレートと均一性を改善することができる。本態
様の洗浄水においては、水素ガスの濃度が0.4mg/リ
ットル以上であることが好ましく、0.7mg/リットル
以上であることがより好ましく、1.0mg/リットル以
上であることがさらに好ましい。水素ガスの濃度が0.
4mg/リットル未満であると、微粒子の除去効果が不十
分となるおそれがある。
【0006】本発明の電子材料用洗浄水の第二の態様
は、フッ化水素及び酸素ガスを溶解した水溶液からなる
ものである。本態様の電子材料用洗浄水を用いることに
より、電子材料表面に付着した微粒子を効果的に除去す
ると同時に、シリコン表面の自然酸化膜を除去し、さら
に表面に付着した銅などの金属汚染をも除去することが
できる。本態様の洗浄水により、銅などの金属汚染の除
去が可能となるのは、酸素ガスが洗浄液の酸化還元電位
を高めるためと考えられる。本態様の洗浄水では、第一
の態様で示した洗浄水の場合と異なり、最表面シリコン
の水素終端を完全にすることはできない。本態様の洗浄
水において、フッ化水素の濃度に特に制限はないが、フ
ッ化水素の濃度が0.05〜5重量%であることが好ま
しく、0.1〜1重量%であることがより好ましい。フ
ッ化水素の濃度が0.05重量%未満であると、自然酸
化膜及び金属の除去効果が不十分となるおそれがある。
フッ化水素の濃度は通常は5重量%以下で十分な洗浄効
果が発揮され、フッ化水素の濃度が5重量%を超える
と、リンス水の必要量が過大となるおそれがある。本態
様の洗浄水においては、酸素ガスの濃度が12mg/リッ
トル以上であることが好ましく、20mg/リットル以上
であることがより好ましく、30mg/リットル以上であ
ることがさらに好ましい。酸素ガスの濃度が12mg/リ
ットル未満であると、微粒子及び金属の除去効果が不十
分となるおそれがある。
【0007】本発明の電子材料用洗浄水の第三の態様
は、フッ化水素、塩化水素若しくは硝酸及び水素ガスを
溶解した水溶液からなるものである。本態様の電子材料
用洗浄水を用いることにより、電子材料表面に付着した
微粒子を効果的に除去すると同時に、表面に付着した銅
などの金属汚染を除去し、さらに自然酸化膜をも除去
し、最表面シリコンの水素終端を完全にすることができ
る。本態様の洗浄水により、微粒子、金属汚染及び自然
酸化膜を同時に除去することができるのは、金属汚染と
自然酸化膜の同時除去に効果を発揮するフッ化水素酸、
塩化水素若しくは硝酸の混合水溶液と、微粒子除去効果
を発揮し、自然酸化膜除去を補助する水素ガス溶解水の
両方の長所が発現するためと考えられる。本態様の洗浄
水において、フッ化水素の濃度には特に制限はないが、
フッ化水素の濃度が0.05〜5重量%であることが好
ましく、0.1〜1重量%であることがより好ましい。
フッ化水素の濃度が0.05重量%未満であると、自然
酸化膜及び金属の除去効果が不十分となるおそれがあ
る。フッ化水素の濃度は通常は5重量%以下で十分な洗
浄効果が発揮され、フッ化水素の濃度が5重量%を超え
ると、リンス水の必要量が過大となるおそれがある。本
態様の洗浄水において、塩化水素若しくは硝酸の濃度に
は特に制限はないが、塩化水素若しくは硝酸の濃度が
0.01〜5重量%であることが好ましく、0.1〜1重
量%であることがより好ましい。塩化水素若しくは硝酸
の濃度が0.01重量%未満であると、金属の除去効果
が不十分となるおそれがある。塩化水素若しくは硝酸の
濃度は通常は5重量%以下で十分な洗浄効果が発揮さ
れ、塩化水素若しくは硝酸の濃度が5重量%を超える
と、リンス水の必要量が過大となるおそれがある。本態
様の洗浄水においては、水素ガスの濃度が0.4mg/リ
ットル以上であることが好ましく、0.7mg/リットル
以上であることがより好ましく、1.0mg/リットル以
上であることがさらに好ましい。水素ガスの濃度が0.
4mg/リットル未満であると、微粒子の除去効果が不十
分となるおそれがある。
【0008】本発明の電子材料用洗浄水の第四の態様
は、フッ化水素、塩化水素若しくは硝酸及び酸素ガスを
溶解した水溶液からなるものである。本態様の電子材料
用洗浄水を用いることにより、電子材料表面に付着した
微粒子を効果的に除去すると同時に、表面に付着した銅
などの金属汚染と自然酸化膜をも効果的に除去すること
ができる。本態様の洗浄水では、第三の態様で示した洗
浄水に比べ、より高い金属除去効果が得られるが、最表
面シリコンの水素終端を完全にすることはできない。本
態様の洗浄水において、フッ化水素の濃度には特に制限
はないが、フッ化水素の濃度が0.05〜5重量%であ
ることが好ましく、0.1〜1重量%であることがより
好ましい。フッ化水素の濃度が0.05重量%未満であ
ると、自然酸化膜と金属の除去効果が不十分となるおそ
れがある。フッ化水素の濃度は通常は5重量%以下で十
分な洗浄効果が発揮され、フッ化水素の濃度が5重量%
を超えると、リンス水の必要量が過大となるおそれがあ
る。本態様の洗浄水において、塩化水素若しくは硝酸の
濃度には特に制限はないが、塩化水素若しくは硝酸の濃
度が0.01〜5重量%であることが好ましく、0.1〜
1重量%であることがより好ましい。塩化水素若しくは
硝酸の濃度が0.01重量%未満であると、金属の除去
効果が不十分となるおそれがある。塩化水素若しくは硝
酸の濃度は通常は5重量%以下で十分な洗浄効果が発揮
され、塩化水素若しくは硝酸の濃度が5重量%を超える
と、リンス水の必要量が過大となるおそれがある。本態
様の洗浄水においては、酸素ガスの濃度が12mg/リッ
トル以上であることが好ましく、20mg/リットル以上
であることがより好ましく、30mg/リットル以上であ
ることがさらに好ましい。酸素ガスの濃度が12mg/リ
ットル未満であると、微粒子の除去効果が不十分となる
おそれがある。
【0009】本発明の電子材料用洗浄水の製造に用いる
水の純度には特に制限はなく、被洗浄物に要求される表
面清浄度に応じて選択することができる。すなわち、被
洗浄物の表面清浄度の要求レベルに比して、実質的に汚
染されていない純度を有する水に、フッ化水素又はフッ
化水素と塩化水素若しくは硝酸及び水素ガス又は酸素ガ
スを溶解して電子材料用洗浄水を調製し、この電子材料
用洗浄水を被洗浄物と接触させて、被洗浄物表面の汚染
を除去することができる。したがって、被洗浄物が特に
厳密な清浄度を必要としない簡易な部材などである場合
には、工業用のフッ化水素酸、塩酸、水素ガス、酸素ガ
スを水道水などに溶解して、電子材料用洗浄水とするこ
とができる。しかし、半導体用シリコン基板、液晶用ガ
ラス基板、フォトマスク用石英基板、その他精密電子部
品などの電子材料の表面を洗浄する場合には、十分な高
純度を有する超純水に、高純度のフッ化水素酸、塩酸、
高純度の水素ガス、酸素ガスを溶解することが好まし
い。超純水は、25℃における電気抵抗率が18MΩ・c
m以上であり、有機体炭素が10μg/リットル以下で
あり、微粒子が10,000個/リットル以下であるこ
とが好ましい。さらに、必要に応じて、電子材料用洗浄
水中の極微細な異物をフィルターにより除去することも
できる。
【0010】本発明の電子材料用洗浄水の製造方法には
特に制限はなく、例えば、所定濃度のフッ化水素又はフ
ッ化水素と塩化水素若しくは硝酸を溶解した水に、水素
ガス又は酸素ガスをバブリングして製造することができ
る。しかし、フッ化水素又は酸成分の揮発を防ぐために
は、あらかじめ所定濃度の水素ガス又は酸素ガスを溶解
した水に、フッ化水素酸又はフッ化水素酸と塩酸若しく
は硝酸を添加することが好ましい。水素ガス又は酸素ガ
スを溶解した水の量に比較すると、添加するフッ化水素
酸と塩酸若しくは硝酸の量は圧倒的に少ないので、フッ
化水素酸と塩酸若しくは硝酸を添加する前の水素ガス又
は酸素ガスの濃度が、ほぼそのまま得られる電子材料用
洗浄水の溶存気体濃度となる。水への水素ガス又は酸素
ガスの溶解は、水を脱気して溶存気体の飽和度を低下し
たのち、水素ガス又は酸素ガスを供給して水に水素ガス
又は酸素ガスを溶解させる方法が好ましい。ここに、気
体の飽和度とは、水中に溶解している気体の量を、圧力
105Pa、温度20℃における気体の溶解量で除した
値である。例えば、水が圧力105Pa、温度20℃の
窒素ガスと接して平衡状態にあるとき、水への窒素ガス
の溶解量は19.2mg/リットルであるので、水中に溶
解している気体が窒素ガスのみであって、その溶解量が
19.2mg/リットルである水の飽和度は1.0倍であ
り、水中に溶解している気体が窒素ガスのみであって、
その溶解量が9.6mg/リットルである水の飽和度は0.
5倍である。圧力105Pa、温度20℃で空気と接し
て平衡状態にある水は、窒素ガス15.4mg/リットル
及び酸素ガス8.8mg/リットルを溶解して飽和度1.0
倍の状態となっているので、脱気により気体の溶解量を
窒素ガス1.5mg/リットル、酸素ガス0.9mg/リット
ルとした水の飽和度は0.1倍である。また、水が圧力
105Pa、温度20℃の水素ガスと接して平衡状態に
あるとき、水への水素ガスの溶解量は1.6mg/リット
ルであるので、水中に溶解している気体が水素ガスのみ
であり、その溶解量が0.8mg/リットルである水の飽
和度は0.5倍である。さらに、水が圧力105Pa、温
度20℃の酸素ガスと接して平衡状態にあるとき、水へ
の酸素ガスの溶解量は44.0mg/リットルであるの
で、水中に溶解している気体が酸素ガスのみであり、そ
の溶解量が22.0mg/リットルである水の飽和度は0.
5倍である。
【0011】本発明において、水素ガス又は酸素ガスを
水に溶解するに際しては、あらかじめ水を脱気して飽和
度を下げ、水中の気体溶解キャパシティーに空きを作っ
たのち、水素ガス又は酸素ガスを溶解することが好まし
い。本発明においては、気体透過膜モジュールを多段に
用いて溶存気体の除去及び水素ガス又は酸素ガスの溶解
を行うことができる。例えば、気体透過膜モジュールを
2段に設け、前段の気体透過膜モジュールを用いて全溶
存気体を対象とする減圧膜脱気を行い、後段の気体透過
膜モジュールを用いて水素ガス又は酸素ガスを溶解する
ことができる。気体透過膜モジュールを2段に設けて、
全溶存気体を対象とする減圧膜脱気と水素ガス又は酸素
ガスの溶解を行うことにより、水素ガス又は酸素ガスを
無駄に放出することなく、ほぼ定量的に水に溶解するこ
とができる。本発明の電子材料用洗浄水を、電子材料、
特に、微粒子などで汚染された電子材料と接触させる方
法には特に制限はなく、微粒子などの種類、粒度、付着
量などに応じて適宜選択することができる。例えば、微
粒子などで汚染された電子材料を電子材料用洗浄水に浸
漬してバッチ洗浄することができ、あるいは、1枚ずつ
処理する枚葉式洗浄を行うこともできる。枚葉式洗浄の
方法としては、微粒子などで汚染された電子材料を回転
させつつ電子材料用洗浄水を流しかけるスピン洗浄など
を挙げることができる。
【0012】本発明の電子材料用洗浄水を用いて、微粒
子などで汚染された電子材料を洗浄するに際して、電子
材料用洗浄水に超音波振動を伝達することが好ましい。
電子材料用洗浄水に超音波振動を伝達することにより、
微粒子などの除去を効果的に行うことができる。電子材
料用洗浄水に超音波振動を伝達する方法には特に制限は
なく、例えば、バッチ洗浄においては、電子材料用洗浄
水を貯留した槽に超音波振動を伝達することができ、ス
ピン洗浄においては、流しかける電子材料用洗浄水のノ
ズル部において、超音波振動を伝達することができる。
伝達する超音波振動の周波数は、400kHz以上である
ことが好ましく、1MHz以上であることがより好まし
い。超音波振動の周波数が、従来用いられている数十kH
z程度であると、特に微細な微粒子で汚染された電子材
料からの微粒子の除去が不十分となるおそれがあるのみ
ならず、超音波振動がもたらすキャビテーション効果に
より、被洗浄物に損傷を与えるおそれがある。本発明の
電子材料用洗浄水は、室温において優れた微粒子除去効
果を示し、高い微粒子除去率で電子材料の表面を洗浄す
るとともに、各態様の電子材料用洗浄水を目的に応じて
選択することにより、表面に付着した金属汚染の除去、
自然酸化膜の除去、あるいは、完全水素終端の達成を、
微粒子の除去と同時に行うことができる。このために、
本発明の電子材料用洗浄水を採用することにより、半導
体用シリコン基板、液晶用ガラス基板、フォトマスク用
石英基板などの電子材料のウェット洗浄工程の簡略化を
図ることができる。
【0013】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、洗浄効果は下記の方法により評価した。 (1)被洗浄物A(実施例1、2及び比較例1に用いた
もの)直径6インチのシリコン基板を、直径1μm以下
のアルミナ微粒子を分散した塩化銅水溶液に3分間浸漬
したのち超純水でリンスして、被洗浄物である汚染シリ
コン基板を調製した。この汚染シリコン基板には、自然
酸化膜があり、微粒子22,000個/基板と銅1.5×
1013原子/cm2により汚染されていた。 (2)被洗浄物B(実施例3、4及び比較例2に用いた
もの)直径6インチのシリコン基板を、直径1μm以下
のアルミナ微粒子を分散した塩化銅と塩化第1鉄を含む
水溶液に3分間浸漬したのち、超純水でリンスして、被
洗浄物である汚染シリコン基板を調製した。この汚染シ
リコン基板には、自然酸化膜があり、微粒子22,00
0個/基板、銅1.5×1013原子/cm2及び鉄1.5×
1013原子/cm2により汚染されていた。 (3)洗浄操作 1.6MHzの超音波発振器を内蔵した超音波照射ノズル
[プレテック社、Fine Jet]から超音波の伝達
を受けた洗浄水を、汚染シリコン基板上に噴出する枚葉
式スピン洗浄装置を用いた。洗浄水の流量は800ml/
分、基板の回転速度は500rpmであり、洗浄時間は1
分間とした。洗浄後30秒間超純水でリンスし、回転速
度を1,500rpmに上げて20秒間保持し、乾燥した。 (4)評価 (4−1)微粒子 レーザー散乱方式による基板上異物検査装置を用いて、
基板上の微粒子を計測した。 (4−2)銅濃度 全反射蛍光X線分析法により、表面の銅濃度を測定し
た。 (4−3)鉄濃度 全反射蛍光X線分析法により、表面の鉄濃度を測定し
た。 (4−4)自然酸化膜 XPS(X線光電子分光)分析法により、表面の自然酸
化膜を測定した。 (4−5)水素終端 FT−IR(フーリエ変換赤外分光)分析法により、表
面の水素終端を測定した。 実施例1 水素ガス1.2mg/リットルを溶解した超純水100重
量部と、50重量%フッ化水素酸1重量部を混合して、
電子材料用洗浄水を調製し、汚染シリコン基板を洗浄し
た。洗浄後のシリコン基板は、微粒子は100個/基板
以下であり、銅は9×10 11原子/cm2であり、自然酸
化膜はなく、水素終端は完全であった。 実施例2 酸素ガス30mg/リットルを溶解した超純水100重量
部と、50重量%フッ化水素酸1重量部を混合して、電
子材料用洗浄水を調製し、汚染シリコン基板を洗浄し
た。洗浄後のシリコン基板は、微粒子は100個/基板
以下であり、銅は1×10 10原子/cm2以下であり、自
然酸化膜はなく、水素終端は不完全であった。 比較例1 大気と平衡状態にある超純水100重量部と、50重量
%フッ化水素酸1重量部を混合して、電子材料用洗浄水
を調製し、汚染シリコン基板を洗浄した。洗浄後のシリ
コン基板は、微粒子は11,000個/基板であり、銅
は7×1011原子/cm2であり、自然酸化膜はなく、水
素終端は不完全であった。実施例1〜2と比較例1の結
果を、第1表に示す。
【0014】
【表1】
【0015】第1表の結果から、本発明の水素ガス又は
酸素ガスとフッ化水素を溶解した水溶液からなる電子材
料用洗浄水を用いると、汚染シリコン基板の自然酸化膜
と同時に、表面に付着した微粒子も除去し得ることが分
かる。また、水素ガスを溶解した実施例1の洗浄水で
は、完全水素終端が達成され、酸素ガスを溶解した実施
例2の洗浄水では、表面に付着した銅汚染も十分低いレ
ベルまで除去されている。これに対して、水素ガス又は
酸素ガスを溶解していないフッ化水素の水溶液からなる
比較例1の洗浄水では、自然酸化膜は除去されている
が、微粒子の除去率は50%程度にしか達していない。 実施例3 水素ガス1.0mg/リットルを溶解した超純水100重
量部、50重量%フッ化水素酸0.2重量部及び35重
量%塩酸1重量部を混合して、電子材料用洗浄水を調製
し、汚染シリコン基板を洗浄した。洗浄後のシリコン基
板は、微粒子は100個/基板以下であり、銅は2×1
10原子/cm2であり、鉄は1×1010原子/cm2以下で
あり、自然酸化膜は除去されていた。 実施例4 酸素ガス30mg/リットルを溶解した超純水100重量
部、50重量%フッ化水素酸0.5重量部及び35重量
%塩酸1重量部を混合して、電子材料用洗浄水を調製
し、汚染シリコン基板を洗浄した。洗浄後のシリコン基
板は、微粒子は100個/基板以下であり、銅は1×1
10原子/cm2以下であり、鉄は1×1010以下であ
り、自然酸化膜は除去されていた。 比較例2 大気と平衡状態にある超純水100重量部、50重量%
フッ化水素酸0.2重量部及び35重量%塩酸1重量部
を混合して、電子材料用洗浄水を調製し、汚染シリコン
基板を洗浄した。洗浄後のシリコン基板は、微粒子は1
3,000個/基板であり、銅は1×1010原子/cm2
あり、鉄は1×1010原子/cm2以下であり、自然酸化
膜は除去されていた。実施例3〜4と比較例2の結果
を、第2表に示す。
【0016】
【表2】
【0017】第2表の結果から、本発明の水素ガス又は
酸素ガスとフッ化水素と塩化水素を溶解した水溶液から
なる電子材料用洗浄水を用いると、汚染シリコン基板に
付着した銅及び鉄と同時に、微粒子も除去し得ることが
分かる。また、実施例3、4の洗浄水では、自然酸化膜
も除去されている。これに対して、水素ガス又は酸素ガ
スを溶解していないフッ化水素と塩化水素の水溶液から
なる比較例2の洗浄水では、表面に付着した銅と鉄及び
自然酸化膜は除去されているが、微粒子の除去率は40
%程度にしか達していない。
【0018】
【発明の効果】本発明の電子材料用洗浄水を用いること
により、電子材料表面に付着した微粒子を効果的に除去
することができる。さらに、本発明の電子材料用洗浄水
を目的に応じて選択することにより、表面に付着した金
属汚染の除去、自然酸化膜の除去、あるいは、完全水素
終端の達成を、微粒子の除去と同時に行うことができ
る。このために、本発明の電子材料用洗浄水を採用する
ことにより、電子材料のウェット洗浄工程の簡略化を図
ることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−211707(JP,A) 特開 平8−78376(JP,A) 特開 平3−228327(JP,A) 特開 平7−312359(JP,A) 特開 平6−69303(JP,A) 特開 平7−81902(JP,A) 特開 平9−64146(JP,A) 特表 平8−502148(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱気した水に水素ガスを0.4mg/リット
    ル以上溶解するとともにフッ化水素を溶解して得た洗浄
    水に、超音波を伝達しつつ洗浄を行うことを特徴とする
    電子材料の洗浄方法。
  2. 【請求項2】洗浄水が塩化水素若しくは硝酸を溶解して
    なる請求項1記載の電子材料の洗浄方法。
  3. 【請求項3】フッ化水素及び12mg/リットル以上の濃
    度の酸素ガスを溶解した水溶液からなる洗浄水に、超音
    波を伝達しつつ洗浄を行うことを特徴とする電子材料の
    洗浄方法。
  4. 【請求項4】洗浄水が塩化水素若しくは硝酸を溶解して
    いる請求項3記載の電子材料の洗浄方法。
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