JP3422914B2 - 積層誘電体フィルタ - Google Patents

積層誘電体フィルタ

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JP3422914B2
JP3422914B2 JP26272897A JP26272897A JP3422914B2 JP 3422914 B2 JP3422914 B2 JP 3422914B2 JP 26272897 A JP26272897 A JP 26272897A JP 26272897 A JP26272897 A JP 26272897A JP 3422914 B2 JP3422914 B2 JP 3422914B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に複数の共振
器内導体が埋設されるように誘電体シートを多数積層し
て焼結した積層誘電体フィルタに関するものである。更
に詳しく述べると本発明は、共振器内導体を短絡端と開
放端とが互い違いとなるように配置し、隣接する共振器
内導体の短絡端近傍同士を導体パターンで接続すること
により、インターデジタル構造でありながら通過帯域付
近に減衰極を設定し、減衰特性を改善した積層誘電体フ
ィルタに関するものである。この積層誘電体フィルタ
は、例えばマイクロ波を利用した自動車電話や携帯電話
などの各種移動体通信機器中で使用する。
【0002】
【従来の技術】誘電体材料を使用するマイクロ波用フィ
ルタとして、共振器をストリップ線路で構成する形式が
ある。1/4波長共振器型の場合には、誘電体材料の内
部に、一端が開放端であり他端が短絡端であって、共振
波長の1/4の奇数倍の長さのストリップ線路型の共振
器内導体を設け、外表面には共振器外導体と入出力電極
を設ける。誘電体材料の内部で、このような共振器内導
体を複数個、フィルタ特性に応じた結合度となるように
並設することによって、帯域通過フィルタ特性が得られ
る。
【0003】近年の通信機器の小形化に伴い、誘電体フ
ィルタも一層の小形化が要求され、それに対応すべく一
部で積層構造が採用されている。これは、多数の未焼成
の誘電体シート(グリーンシート)を積層して加圧一体
化し焼結する方法によって製造する。例えば、内部の共
振器内導体を、導体ペーストのスクリーン印刷によって
誘電体シート上に形成し、それを含めて誘電体シートを
多数積層して圧着一体化し、外表面に共振器外導体と入
出力電極を形成して焼結する。通常、多数個取りができ
るように、大きな誘電体シートを使用して、その上に多
数の必要な導体パターンを縦横規則的に配列形成し、そ
れを圧着一体化して板状誘電体ブロックとした後に、そ
の板状誘電体ブロックを縦横に切断してチップ状に分離
する製法が採用されている。
【0004】従来の2段コムライン型フィルタの例を図
8〜10に示す。いずれも共振器内導体の容量結合手段
の位置での水平断面を示している。なお図面を分かり易
くするために、外周部分の導体層をかなり厚く描いてあ
るが、実際にはスクリーン印刷法などにより導体ペース
トを印刷し、焼き付けたものであって、極く薄い層であ
る。内部の斜線を付した部分は隣接する共振器内導体の
容量結合手段を表している。説明を簡略化するために、
それらの図において機能的に対応している部分には同一
符号を付す。
【0005】図8の例では、誘電体チップ10の内部
に、一端開放で他端短絡の2個の共振器内導体12を配
設し、誘電体チップ10の外表面に外部アース導体とな
る共振器外導体14と外部入出力電極16を形成する。
ここで、共振器内導体12は帯状のパターンであって、
誘電体チップ10の一方の側面からそれに対向する他方
の側面まで達するように互いに平行に設けられ、一端が
開放状態(共振器外導体14に接続されない)であっ
て、他端が短絡状態(共振器外導体14に接続される)
となっている。2個の共振器内導体12は、それぞれの
開放端が同じ側面にくるように設けられている。
【0006】共振器内導体12と直交するように開放端
側の位置に、該共振器内導体12とは異なる層に内挿ア
ースパターン18を設け、その端部を共振器外導体14
に接続する。この内挿アースパターン18は、共振器内
導体長さを短縮して誘電体チップのより一層の小形化を
図るためのものである。また共振器内導体12とは異な
る層で、両共振器内導体12間を連絡するように、矩形
状の容量結合用パターン20を設ける。この容量結合用
パターン20は、両方の共振器内導体間に実質的にコン
デンサを挿入したのと等価とし、それによってフィルタ
を有極化してフィルタ減衰特性を良好にする機能を果た
す。更に外部入出力電極16と導通する内挿入出力電極
22も埋設する。
【0007】誘電体フィルタの他の例としては、図9に
示すように、共振器内導体24として帯状パターン24
aの側縁に容量結合用電極24bを突出するように形成
する構成がある。容量結合用電極24bを、隣接する共
振器内導体24間で互いに接近するように配置すること
によって等価的にコンデンサが形成される。これによっ
て減衰極が形成され、フィルタ減衰特性が向上する。し
かし、同一平面内で突起状パターンを形成する場合に
は、対向間隔を極端に狭くしたり、突起状パターンを開
放端側に寄せなければならない。そこで隣接する共振器
内導体を異層に配置して突起状パターンを厚み方向で対
向するように構成し、結合容量を大きくすることも提案
されているが、対向面積によって結合容量が決まるた
め、積層ずれの影響を受けやすい。
【0008】また図8に示すような構造の積層誘電体フ
ィルタでは、隣接する共振器内導体12に対して、それ
ぞれ一部が重なるように異層に容量結合用パターン20
を配置することで、通過帯域外に減衰ピークをもたせる
ことができ、フィルタ減衰特性を良好にできるが、反
面、容量結合用パターンが1/2波長共振を起こし、そ
れぞれ基本波の2倍波、3倍波などの周波数域での特性
を悪化させる要因となっている。そこで、フィルタの高
調波特性を改善する方策として、図10に示すような結
合容量用パターンをステップインピーダンス型にする誘
電体フィルタが提案されている。この誘電体フィルタで
は、共振器内導体26は帯状パターンであり、それに対
して容量結合用パターン28は、両共振器内導体間を繋
ぐ方向に延びる中央パターンとその両端に直角に延びて
共振器内導体に重なるような側部パターンとが連続し、
全体がH型をなす形状である。このように容量結合用パ
ターン28をステップインピーダンス型にすると、図8
の従来例に見られるような単純な帯状の場合に比べて見
掛け上の電気的長さが長くなり、1/2波長共振を低周
波側にずらすことができる。しかし、この手法では、2
倍波あるいは3倍波の周波数域に問題が残る恐れがあ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】いずれにしても従来技
術では、隣接する共振器内導体同士を容量結合させて通
過帯域外に減衰極を設定するために、誘電体チップ内で
共振器内導体を同じ向きに(開放端あるいは短絡端が誘
電体チップの同一側面に位置するように)配設したコム
ライン型を基本にしている。そのようなコムライン型フ
ィルタの場合、短絡端が側面の共振器外導体(アースパ
ターン)で繋がっているために磁界結合が優勢で、通過
帯域よりも高周波数側に減衰極ができる。そこで上記の
ように、容量結合パターンを設けたり、共振器内導体同
士が容量結合するようなパターンとすることで、減衰極
の位置(減衰極の生じる周波数)を調整している。
【0010】しかし、通過帯域よりも低周波数側に減衰
極を設定する場合には、比較的大きな結合容量を必要と
し、電界エネルギーの大きな共振器内導体の開放端側で
結合させなければならないため、開放端側に導体パター
ンが集中したり、小型化のための内挿アースパターンと
干渉するなどの問題が生じる。
【0011】他方、インターデジタル型フィルタの場合
には、隣り合う共振器内導体の短絡端が離れており、容
量結合が優勢で通過帯域よりも低周波数側に減衰極があ
る。そのためコムライン型フィルタのような容量結合パ
ターンを設けたり、共振器内導体同士が容量結合するよ
うなパターンとすることでは、任意の周波数に減衰極を
設定することができない。
【0012】本発明の目的は、インターデジタル構造で
ありながら、通過帯域付近の任意の周波数に減衰極を設
定できる積層誘電体フィルタを提供することである。ま
た本発明の他の目的は、開放端側に設ける小型化のため
の内挿アースパターンなどと干渉しないような共振器間
結合構造をもつ積層誘電体フィルタを提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、多数の誘電体
シートが積層・接合されて焼結一体化されている誘電体
チップの内部に、一端開放で他端短絡の複数の共振器内
導体と、両端に位置する共振器内導体に対して積層方向
で間隔をおいて対向する内挿入出力電極が埋設され、誘
電体チップの外表面には、共振器外導体と、該共振器外
導体から独立した外部入出力電極とが設けられ、前記内
挿入出力電極の一端部が外部入出力電極に接続されてい
る構造のストリップ線路型の積層誘電体フィルタであ
る。各共振器内導体の短絡端と開放端とが互い違いとな
るように位置するインターデジタル型であり、各共振器
内導体を設けた層とは別の層に、隣接する共振器内導体
の短絡端近傍の共振器外導体間を繋ぐ短絡端接続パター
ンが埋設されており、該短絡端接続パターンの端部が共
振器内導体の短絡端と重なっている。ここで短絡端接続
パターンは、階段状でもよいし、直線状などでもよい。
【0014】減衰極の位置(減衰極の生じる周波数)
は、共振器間の電界結合と磁界結合とのバランスによっ
て変わるが、インターデジタル型フィルタの場合、短絡
端側が離れているので、磁界結合が弱く電界結合が優勢
である。そのため、通過帯域よりもかなり低い周波数に
減衰極が生じる。短絡端接続パターンを付加すると、磁
界結合が増加し、通過帯域付近に減衰極を移動できる。
その際、短絡端接続パターンの層位置、パターン幅など
のパターン形状を変えることで、磁界結合度の強弱を調
整でき、それによって減衰極が生じる周波数を任意に設
定できるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】また本発明の他の例として、前記
のストリップ線型の積層誘電体フィルタを前提とし、各
共振器内導体の短絡端と開放端とが互い違いとなるよう
に位置するインターデジタル型であって、各共振器内導
体が同一の層に形成されており、それらと同層に、隣接
する共振器内導体の短絡端近傍同士を繋ぐ共振器接続パ
ターン埋設され、該共振器接続パターンの端部が共振
器内導体に接続されている構造がある。ここでも共振器
接続パターンは、階段状でもよいし直線状などでもよ
い。
【0016】この場合にも、共振器接続パターンで磁界
エネルギーの大きな共振器内導体の短絡端近傍同士を接
続することで、磁界結合を増やし、通過帯域付近に減衰
極を設定することができる。
【0017】なお積層誘電体フィルタは、共振器内導体
とは異なる層の、共振器内導体の開放端寄りの位置に、
両端が共振器外導体に接続されるL型の内挿アースパタ
ーンを設けた構造でもよい。本発明では短絡端側を接続
するパターンを付加するだけなので、開放端側にある内
挿アースパターンと干渉することはない。
【0018】
【実施例】図1及び図2は本発明に係る積層誘電体フィ
ルタの一実施例を示しており、2段インターデジタル型
である。図1のAは実装面を上に向けた状態での外観
を、Bは内部の導体層のみの透視状態を示し、Cは短絡
端接続パターン位置での水平断面を示している。図1の
Aで斜線を付した部分は、導体層の形成された面であ
る。また図1のB及びCでは、本発明の特徴を分かりや
すくするために、短絡端接続パターンの部分に斜線を付
して示している。また図2は積層誘電体フィルタにおけ
る各誘電体シートの積層状態を示している。
【0019】誘電体チップ30の内部に一端開放で他端
短絡の2個の共振器内導体32を埋設し、誘電体チップ
30の外表面には外部アース導体となる共振器外導体3
4と外部入出力電極36を形成する。各共振器内導体3
2は、誘電体チップ30の一方の側面からそれに対向す
る他方の側面まで達するように、互いに平行に設けら
れ、一端が開放状態(共振器外導体34に接続されてい
ない)であって、他方が短絡状態(共振器外導体34に
接続されている)となっている。2個の共振器内導体3
2は、それぞれの開放端が異なる側面(従って短絡端も
異なる側面)となるように互い違いに設けられる。外部
入出力電極36は、共振器外導体34から独立した(電
気的に絶縁された)構成であり、前記開放端あるいは短
絡端のある側面とは異なる端面に形成され、そこから一
方の主表面(図1のAでは上面)まで延設されている。
【0020】誘電体チップ30の内部には、共振器内導
体32の片面側(図1のA,Bでは下方)に間隔をおい
て内挿入出力電極38を設ける。また共振器内導体32
の反対面側(図1のA,Bでは上方)に間隔をおいて短
絡端接続パターン40及び内挿アースパターン42を設
ける。短絡端接続パターン40は、その一端が一方の共
振器内導体32の短絡端近傍の共振器外導体34に接続
され、他端が他方の共振器内導体32の短絡端近傍の共
振器外導体34に接続される導体パターンであり、イン
ターデジタル型フィルタにおいて、そのような短絡端接
続パターン40を設けた点に本発明の特徴がある。ここ
では共振器内導体の短絡端側の半分と重なるような線状
パターンとそれらの中央寄りの端部間を直角に結ぶ線状
パターンとからなる階段状のパターンを採用している。
【0021】なお内挿入出力電極38は、それらの一端
が誘電体チップの端面で露出して前記の外部入出力電極
36に接続され、共振器内導体32に対しては大面積で
近接対向するようなT型パターンであり、これによって
入出力結合容量を増大させ、初段結合(両端に位置する
共振器内導体と外部入出力電極との結合)を強くする機
能を果たす。内挿アースパターン42は、その両端が共
振器内導体32の開放端寄りの位置で、誘電体チップ3
0の側面と端面で露出するようなL型パターンであり、
それぞれ共振器外導体34に接続される。この内挿アー
スパターン42は、共振器内導体長さを短縮して誘電体
チップ30のより一層の小形化を図るためのものであ
る。
【0022】このような積層誘電体フィルタは、例えば
図2に示すような積層手順で製造することができる。ま
ず多数の未焼成の誘電体シート(グリーンシート)を用
意する。それらはマイクロ波用誘電体材料(例えば、B
aO−TiO2 −Nd2 3系高誘電率材料にガラス材
料を添加した低温焼結材料)に有機バインダを加えてシ
ート状に成形したものであって、通常数十μm程度の厚
さである。単なる誘電体シート(導体パターンを形成し
ていない誘電体シート)50の他に、導体ペースト(例
えば銀ペーストなど)を用いてスクリーン印刷法により
表面に必要な導体パターンを形成した誘電体シートを用
意する。それらには、全面に外面アースパターンを印刷
した誘電体シート51、内挿入出力電極を印刷した誘電
体シート52、共振器内導体を印刷した誘電体シート5
3、短絡端接続パターン及び内挿アースパターンを印刷
した誘電体シート54、及び外面アースパターンとそれ
とは絶縁されている2個の外部入出力電極パターンを両
端部に印刷した誘電体シート55がある。
【0023】最下部に外面アースパターンとそれとは絶
縁されている2個の外部入出力電極パターンを両端部に
印刷した誘電体シート55を配置し、その上に短絡端接
続パターン及び内挿アースパターンを印刷した誘電体シ
ート54、共振器内導体を印刷した誘電体シート53、
内挿入出力電極を印刷した誘電体シート52を、その順
序で積み重ね、最上部には全面に外面アースパターンを
印刷した誘電体シート51を配置する。なお、上記の各
誘電体シートの間には、必要に応じて単なる誘電体シー
ト(導体パターンを形成していない誘電体シート)50
を必要枚数積層介在させる。但し、最下部の誘電体シー
ト55は、外側面(図2では下面)に外面アースパター
ンと外部入出力電極パターンが現れる向きで積層する。
そして、全体を加圧することにより圧着一体化する。そ
の後、誘電体チップの側面及び端面に共振器外導体と外
部入出力電極となる導体ペーストを印刷し、焼結するこ
とによって、積層誘電体フィルタが得られる。実際に
は、大きな誘電体シートを用いて多数個取り方式で製造
し、圧着一体化後に縦横に切断して焼結することにな
る。
【0024】誘電体フィルタとしての基本的な動作は、
通常のインターデジタル型フィルタと同様である。誘電
体フィルタのフィルタ中心周波数は、ほぼ共振器内導体
の長さによって決まる。誘電体材料の内部で、このよう
な共振器内導体が複数個、フィルタ特性に対応した結合
度が得られるように所定の間隔で並設することで、帯域
通過フィルタが得られる。
【0025】インターデジタル型フィルタの隣り合う共
振器内導体の短絡端をパターンで接続すると、コムライ
ン型フィルタと同様に通過帯域外に減衰極をもたせるこ
とができる。減衰極ができる周波数は共振器間の電界結
合と磁界結合のバランスによって変わる。インターデジ
タル型フィルタの場合、短絡端側が離れているので磁界
結合が弱く電界結合が優勢であので、通過帯域よりもか
なり低い周波数に減衰極ができる。短絡端接続パターン
を付加して磁界結合を増やすと、通過帯域付近に減衰極
を設定することが可能となる。そして、減衰極の位置
は、短絡端接続パターンの層位置あるいは形状を変える
ことで任意に調整できる。また図1からも明らかなよう
に、この短絡端接続パターンは短絡端同士を接続するも
のであるため、開放端側の内挿アースパターンとは干渉
しないように配置できる。
【0026】図1に示す実施例の階段状の短絡端接続パ
ターン40を設けたインターデジタル型2段積層誘電体
フィルタについて、該短絡端接続パターン40の層位置
に対する減衰極の位置の関係を図3に示す。誘電体フィ
ルタ各部の寸法は次の通りである。誘電体チップ寸法は
縦4.5mm、横3.2mmであり、各導体パターンは、共
振器内導体の幅1.0mm、隣り合う共振器内導体の間隔
0.5mm、内挿アースパターン幅0.3mm、短絡端接続
パターン幅0.4mmである。図3において、短絡端接続
パターンと共振器内導体の層間隔は、それぞれ、Aが1
60μm、Bが120μm、Cが100μm、Dが60
μmの場合である。短絡端接続パターンと共振器内導体
の層間隔が広いほど磁界結合が弱く減衰極は低周波数側
となり、層間隔が狭くなると磁界結合が強くなって減衰
極は高周波数側へ変位していることが分かる。このデー
タでは層間隔を変えているが、短絡端接続パターン幅を
変えても減衰極の位置は変化する。短絡端接続パターン
の幅を広くすると、積極的に電流が流れる方向となるた
め磁界結合度が強くなり、逆に短絡端接続パターンの幅
を狭くすると、電流が流れ難い方向となるため磁界結合
度は弱くなる。
【0027】図4は本発明の他の実施例を示している。
短絡端接続パターンの形状以外の基本的な構成は図1と
同様なるので、対応する部分には同一符号を付し、それ
らについての説明は省略する。ここでは短絡端接続パタ
ーン44は、隣接する共振器内導体32の短絡端近傍の
共振器外導体34間を直線的に斜めに繋ぐようなパター
ンとしてある。この場合も、短絡端接続パターン44の
層位置や幅を変えることで減衰極の位置を調整できる。
【0028】図5は本発明の更に他の実施例を示してお
り、やはりインターデジタル型2段フィルタの例であ
る。Aは内部の導体層のみの透視状態を示し、Bは共振
器接続パターン位置での水平断面を示している。図5に
おいても分かりやすくするために、本発明の特徴となる
共振器接続パターンの部分には斜線を施す。なお、外観
は図1のAと同様となる。
【0029】誘電体チップ60の内部に一端開放で他端
短絡の2個の共振器内導体62を埋設し、誘電体チップ
60の外表面には外部アース導体となる共振器外導体6
4と外部入出力電極66を形成する。ここで共振器内導
体62は、誘電体チップ60の一方の側面からそれに対
向する他方の側面まで達するように、互いに平行に設け
られ、一端が開放状態であって他方が短絡状態となって
いる。2個の共振器内導体62は、それぞれの開放端が
異なる側面(従って短絡端も異なる側面)となるように
互い違いに設けられる。外部入出力電極66は、共振器
外導体64から独立した構成であり、前記開放端あるい
は短絡端のある側面とは異なる端面に形成され、そこか
ら一方の主表面まで延設されている。誘電体チップ60
の内部には、共振器内導体62の片面側に間隔をおいて
内挿入出力電極68を設ける。また共振器内導体62の
反対面側には間隔をおいて内挿アースパターン72を設
ける。
【0030】両共振器内導体62は同層に設けられてお
り、更にそれらと同層に、隣接する共振器内導体62の
短絡端近傍同士を繋ぐ共振器接続パターン70が設けら
れている。インターデジタル型フィルタにおいて、その
ような共振器接続パターン70を設けた点に本発明の特
徴がある。ここでは共振器内導体の短絡端寄りの位置か
ら隣り合う共振器内導体の方向に直角に延びる線状パタ
ーンとそれらの中央寄りの端部間を直角に結ぶ線状パタ
ーンとからなる階段状のパターンを採用している。
【0031】なお内挿入出力電極68及び内挿アースパ
ターン72の形状及び機能は、前記実施例と同様である
ので、それらについての説明は省略する。このような積
層誘電体フィルタも、例えば図2に示したのとほぼ同様
の積層手順で製造することができる。但し、共振器内導
体パターンと共に共振器接続パターンを同じ誘電体シー
トに形成することになる点は異なる。
【0032】インターデジタル型フィルタの隣り合う共
振器内導体の短絡端近傍をパターンで接続すると、コム
ライン型フィルタと同様に通過帯域外に減衰極をもたせ
ることができる。減衰極のできる周波数は、共振器間の
電界結合と磁界結合のバランスによって変わるが、イン
ターデジタル型フィルタの場合、短絡端側が離れている
ので磁界結合が弱く電界結合が優勢である。そのため、
通過帯域よりもかなり低い周波数に減衰極ができるの
で、共振器接続パターンを付加して磁界結合を増やすこ
とで、通過帯域付近に減衰極を設定することが可能とな
る。そして減衰極の位置は、共振器接続パターンの共振
器内導体との接続位置あるいは形状を変えることで任意
に調整できる。また図5からも明らかなように、この共
振器接続パターンは短絡端近傍同士を接続するものであ
るため、開放端側の内挿アースパターンとは干渉しない
ように配置できる。また共振器接続パターンは共振器内
導体と同層に設けられるため、スクリーン印刷によって
精度よく形成できる。
【0033】このような階段状の共振器接続パターンを
設けたインターデジタル型2段積層誘電体フィルタの減
衰特性の一例を図6に示す。
【0034】図7は本発明の更に他の実施例を示してい
る。共振器接続パターンの形状以外の基本的な構成は図
5と同様であるので、対応する部分には同一符号を付
し、それらについての説明は省略する。ここでは共振器
接続パターン74は、隣接する共振器内導体72の短絡
端近傍の間を直線的に斜めに繋ぐようなパターンとして
ある。この場合も、共振器接続パターン74の共振器内
導体72との接続位置や幅を変えることで減衰極の位置
を任意に調整できる。
【0035】上記の各実施例は2段フィルタであるが、
本発明は3段以上のフィルタにも適用できる。短絡端接
続パターンは、共振器内導体の片面側にのみ設けている
が、両側に設けることも可能である。内挿アースパター
ンは無くてもよい。短絡端接続パターンを設ける構成の
場合、各共振器内導体は必ずしも全て同層に設けなくて
もよい。また短絡端接続パターンと内挿アースパターン
は同層でもよいし異層でもよい。
【0036】
【発明の効果】本発明は上記のように短絡端接続パター
ン又は共振器接続パターンを埋設した積層誘電体フィル
タであるから、インターデジタル構造でありながら、通
過帯域付近の任意の周波数に減衰極を設定することがで
きる。また本発明によれば、開放端側に設ける小型化の
ための内挿アースパターンなどと干渉しないため、パタ
ーン形成の自由度が高く、製造し易い利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層誘電体フィルタの一実施例を
示す説明図。
【図2】その誘電体シートの積層状態を示す説明図。
【図3】そのフィルタ特性の変化を示す説明図。
【図4】本発明に係る積層誘電体フィルタの他の実施例
を示す説明図。
【図5】本発明に係る積層誘電体フィルタの更に他の実
施例を示す説明図。
【図6】そのフィルタ特性を示す説明図。
【図7】本発明に係る積層誘電体フィルタの更に他の実
施例を示す説明図。
【図8】従来技術の一例を示す説明図。
【図9】従来技術の他の例を示す説明図。
【図10】従来技術の他の例を示す説明図。
【符号の説明】
30 誘電体チップ 32 共振器内導体 34 共振器外導体 36 外部入出力電極 38 内挿入出力電極 40,44 短絡端接続パターン 42 内挿アースパターン 70,74 共振器接続パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 和久 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電 気化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−335805(JP,A) 特開 平8−237004(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/20 - 1/219 H01P 7/00 - 7/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の誘電体シートが積層・接合されて
    焼結一体化されている誘電体チップの内部に、一端開放
    で他端短絡の複数の共振器内導体と、両端に位置する共
    振器内導体に対して積層方向で間隔をおいて対向する内
    挿入出力電極が埋設され、誘電体チップの外表面には、
    共振器外導体と、該共振器外導体から独立した外部入出
    力電極とが設けられ、前記内挿入出力電極の一端部が外
    部入出力電極に接続される構造のストリップ線路型の積
    層誘電体フィルタにおいて、 各共振器内導体の短絡端と開放端とが互い違いとなるよ
    うに位置するインターデジタル型であり、各共振器内導
    体を設けた層とは別の層に、隣接する共振器内導体の短
    絡端近傍の共振器外導体間を繋ぐ短絡端接続パターンが
    埋設され、該短絡端接続パターンの端部が共振器内導体
    の短絡端と重なっていることを特徴とする積層誘電体フ
    ィルタ。
  2. 【請求項2】 短絡端接続パターンが階段状もしくは直
    線状をなしている請求項1記載の積層誘電体フィルタ。
  3. 【請求項3】 多数の誘電体シートが積層・接合されて
    焼結一体化されている誘電体チップの内部に、一端開放
    で他端短絡の複数の共振器内導体と、両端に位置する共
    振器内導体に対して積層方向で間隔をおいて対向する内
    挿入出力電極が埋設され、誘電体チップの外表面には、
    共振器外導体と、該共振器外導体から独立した外部入出
    力電極とが設けられ、前記内挿入出力電極の一端部が外
    部入出力電極に接続される構造のストリップ線路型の積
    層誘電体フィルタにおいて、 各共振器内導体の短絡端と開放端とが互い違いとなるよ
    うに位置するインターデジタル型であり、各共振器内導
    体は同一の層に形成されており、それらと同層に、隣接
    する共振器内導体の短絡端近傍同士を繋ぐ共振器接続パ
    ターンが埋設され、該共振器接続パターンの端部が共振
    器内導体に接続されていることを特徴とする積層誘電体
    フィルタ。
  4. 【請求項4】 共振器接続パターンが階段状もしくは直
    線状をなしている請求項3記載の積層誘電体フィルタ。
  5. 【請求項5】 共振器内導体とは異なる層の、共振器内
    導体の開放端寄りの位置に、両端が共振器外導体に接続
    されるL型の内挿アースパターンを設けた請求項1乃至
    4に記載の積層誘電体フィルタ。
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