JP2860010B2 - 積層型誘電体フィルタ - Google Patents

積層型誘電体フィルタ

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JP2860010B2
JP2860010B2 JP22849692A JP22849692A JP2860010B2 JP 2860010 B2 JP2860010 B2 JP 2860010B2 JP 22849692 A JP22849692 A JP 22849692A JP 22849692 A JP22849692 A JP 22849692A JP 2860010 B2 JP2860010 B2 JP 2860010B2
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隆己 平井
達美 杉浦
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層型誘電体フィルタに
関し、特に携帯用電話機等の高周波回路無線機器に利用
する高周波回路フィルタや、アンテナデュプレクサ等に
使用される積層型誘電体フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】図1
9、20は、それぞれ本発明者らが案出した積層型誘電
体フィルタの模式展開図および斜視図であり、図21は
図19のX−X線断面図である。
【0003】図19に示すように、後記するアース電極
70に一端部が電気的に接続されて1/4波長型ストリ
ップライン共振器を構成する共振素子21を誘電体層1
1の右側面上に形成し、さらに一端部が後記するアース
電極70に電気的に接続され、かつ他端部が共振素子2
1の開放端から所定の間隔離れて共振素子21と対向す
る電極31を誘電体層11の右側面上に形成する。共振
素子21が入力端側の共振素子である。なお、誘電体層
11の左側面上には、アース電極70および入力電極4
11が後に形成され、誘電体層11の下面には、アース
電極70および入力電極414が後に形成される。
【0004】後記するアース電極70に一端部が電気的
に接続されて1/4波長型ストリップライン共振器を構
成する共振素子22を誘電体層13の右側面上に形成
し、さらに一端部が後記するアース電極70に電気的に
接続され、かつ他端部が共振素子22の開放端から所定
の間隔離れて共振素子22と対向する電極32を誘電体
層13の右側面上に形成する。
【0005】後記するアース電極70に一端部が電気的
に接続されて1/4波長型ストリップライン共振器を構
成する共振素子23を誘電体層15の右側面上に形成
し、さらに一端部が後記するアース電極70に電気的に
接続され、かつ他端部が共振素子23の開放端から所定
の間隔離れて共振素子23と対向する電極33を誘電体
層15の右側面上に形成する。共振素子23が出力端側
の共振素子である。
【0006】誘電体層15の右側面上に、右側面にアー
ス電極70および出力電極421が形成され、下面にア
ース電極70および出力電極424が形成される誘電体
層19を積層し、誘電体層11、13、15、19を一
体に構成し、その後焼成して積層体100を形成する。
【0007】図20に示すように、積層体100の上
面、入力端子部511、出力端子部521を除く側面、
および入力端子部514、出力端子部524を除く下面
にアース電極70を形成する。さらに積層体100の側
面の入力端子部511内に、アース電極70と電気的に
絶縁され、かつ共振素子21と対向する入力電極411
を形成する。そして積層体100の下面の入力端子部5
14内にもアース電極70と電気的に絶縁され、かつ入
力電極411と接続される入力電極414を形成する。
また同様に、積層体100の側面の出力端子部521内
に、アース電極70および入力電極411、414と電
気的に絶縁され、かつ共振素子23と対向する出力電極
421を形成する。そして、積層体100の下面の出力
端子部524内にも、アース電極70および入力電極4
11、414と電気的に絶縁され、かつ出力電極421
と接続される出力電極424を形成する。
【0008】図19、21を参照すれば、共振素子21
と入力電極411間には誘電体層11を挟んで重なり部
分があって、誘電体層11を含む重なり部分において容
量結合された状態となっている。この静電容量を静電容
量811とする。共振素子23と出力電極421間にも
誘電体層19を挟んで重なり部分があって、誘電体層1
9を含む重なり部分において容量結合された状態となっ
ている。この静電容量を静電容量812とする。
【0009】さらに、共振素子21、22、23の開放
端と電極31、32、33との間には、それぞれ静電容
量61、62、63が形成されている。そして、これら
の静電容量61〜63が存在することによって、共振素
子21と共振素子22はインダクタンス851によっ
て、共振素子22と共振素子23はインダクタンス85
2によってそれぞれ結合され、コムライン型のフィルタ
を構成している。なお、並列共振回路の静電容量21
1、221、231およびインダクタンス212、22
2、232は、共振素子21、22、23をそれぞれ等
価変換したときの静電容量およびインダクタンスであ
る。
【0010】図22は、上記のように構成された積層型
誘電体フィルタの等価回路であり、バンドパスフィルタ
を形成している。
【0011】このような積層型誘電体フィルタは、共振
素子21、22、23を垂直にして並設しているから、
フィルタの横幅は大幅に小さくなり実装時の占有面積も
大幅に小さくなる構造となっており、また、このような
積層型誘電体フィルタにおいては、共振素子21〜23
各々の間の分布結合によって、帯域幅等の希望する周波
数特性を有するバンドパスフィルタを得るようにしてい
る。
【0012】しかしながら、このような構成では隣合う
共振素子21〜23間の結合しかないために、減衰ピー
クを形成して減衰特性を改善することはできなかった。
減衰特性を改善するために、共振素子数を増加させる方
法を採ることも考えられるが、共振素子数を増加させた
場合は挿入損失が増加してしまうという問題点がある。
また、共振素子数を増加させた場合において挿入損失を
改善するには共振素子を大きくするしかなく、誘電体フ
ィルタが大型化してしまうという問題点がある。
【0013】さらに、周波数特性に減衰ピークを形成す
るために、隣合う共振素子間以外に、共振素子を飛び越
した結合を設けることが探索されている。例えば、特開
昭64−78001公報に示されているように、隔たっ
た共振素子を結合させることによって帯域の高域側、ま
たは低域側に減衰ピークを形成することが提案されてい
る。
【0014】しかしながら、このような方法によるとき
は共振素子の他に、共振素子間に結合のためのコイル
や、隔たった共振素子を結合させるための容量素子など
を必要とし、製作に手数がかかるという問題点に加え
て、部品点数が増加して小型化が困難となるという問題
点もあった。
【0015】従って、本発明の目的は、減衰ピークを形
成して減衰特性を改善させ、かつ実装時の占有面積が小
さい積層型誘電体フィルタを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、入力電
極が形成された誘電体層、入力端側共振素子が形成され
た誘電体層、出力端側共振素子が形成された誘電体層、
出力電極が形成された誘電体層をこの順序で備える積層
型誘電体フィルタにおいて、前記入力端側共振素子が形
成された誘電体層と前記出力端側共振素子が形成された
誘電体層との間には、前記入力端側共振素子および前記
出力端側共振素子のそれぞれと容量結合する、前記入力
電極と電気的に接続された電極(すなわち、別の入力電
極)が形成された誘電体層あるいは前記出力電極と電気
的に接続された電極(すなわち、別の出力電極)が形成
された誘電体層の少なくともいずれか一方が介在されて
いることを特徴とする積層型誘電体フィルタが得られ
る。好ましくは、前記入力電極が形成された誘電体層と
前記入力端側共振素子が形成された誘電体層との間に
は、前記入力端側共振素子と容量結合し、かつ前記入力
電極と電気的に接続された電極(すなわち、さらに別の
入力電極)が形成された誘電体層が介在され、および/
または、前記出力電極が形成された誘電体層と前記出力
端側共振素子が形成された誘電体層との間には、前記出
力端側共振素子と容量結合し、かつ前記出力電極と電気
的に接続された電極(すなわち、さらに別の出力電極)
が形成された誘電体層がさらに介在されている。
【0017】また、本発明によれば、入力電極が形成さ
れた誘電体層、入力端側共振素子が形成された誘電体
層、内部共振素子が形成された誘電体層を1つ以上、出
力端側共振素子が形成された誘電体層、出力電極が形成
された誘電体層をこの順序で備える積層型誘電体フィル
タにおいて、前記入力端側共振素子が形成された誘電体
層とこれに隣接する前記内部共振素子が形成された誘電
体層との間には、前記入力端側共振素子および前記内部
共振素子のそれぞれと容量結合し、かつ前記入力電極と
電気的に接続された電極(すなわち、別の入力電極)が
形成された誘電体層が介在され、および/または、前記
出力端側共振素子が形成された誘電体層とこれに隣接す
る前記内部共振素子が形成された誘電体層との間には、
前記出力端側共振素子および前記内部共振素子のそれぞ
れと容量結合し、かつ前記出力電極と電気的に接続され
た電極(すなわち、別の出力電極)が形成された誘電体
層が介在されていることを特徴とする積層型誘電体フィ
ルタが得られる。好ましくは、前記入力電極が形成され
た誘電体層と前記入力端側共振素子が形成された誘電体
層との間には、前記入力端側共振素子と容量結合し、か
つ前記入力電極と電気的に接続された電極(すなわち、
さらに別の入力電極)が形成された誘電体層が介在さ
れ、および/または、前記出力電極が形成された誘電体
層と前記出力端側共振素子が形成された誘電体層との間
には、前記出力端側共振素子と容量結合し、かつ前記出
力電極と電気的に接続された電極(すなわち、さらに別
の出力電極)が形成された誘電体層がさらに介在されて
いる。
【0018】
【作用】本発明においては、入力端側共振素子が形成さ
れた誘電体層と出力端側共振素子が形成された誘電体層
との間に、前記入力端側共振素子および前記出力端側共
振素子のそれぞれと容量結合する、入力電極と電気的に
接続された電極(別の入力電極)が形成された誘電体層
あるいは出力電極と電気的に接続された電極(別の出力
電極)が形成された誘電体層の少なくともいずれか一方
を介在させることにより、または、入力端側共振素子が
形成された誘電体層とこれに隣接する内部共振素子が形
成された誘電体層との間に、前記入力端側共振素子およ
び前記内部共振素子のそれぞれと容量結合し、かつ入力
電極と電気的に接続された電極(別の入力電極)が形成
された誘電体層を介在させ、および/または、出力端側
共振素子が形成された誘電体層とこれに隣接する内部共
振素子が形成された誘電体層との間に、前記出力端側共
振素子および前記内部共振素子のそれぞれと容量結合
し、かつ出力電極と電気的に接続された電極(別の出力
電極)が形成された誘電体層を介在させることにより、
入力端側共振素子または出力端側共振素子の少なくとも
いずれか一方の共振素子にインダクタンスが直列接続さ
れた状態となり、バンドパスフィルタの通過帯域の高域
側に減衰ピークを生じさせ、減衰特性を改善することが
できる。そして、前記入力電極が形成された誘電体層と
前記入力端側共振素子が形成された誘電体層との間に、
前記入力端側共振素子と容量結合し、かつ前記入力電極
と電気的に接続された電極(すなわち、さらに別の入力
電極)が形成された誘電体層を介在させ、および/また
は、前記出力電極が形成された誘電体層と前記出力端側
共振素子が形成された誘電体層との間に、前記出力端側
共振素子と容量結合し、かつ前記出力電極と電気的に接
続された電極(すなわち、さらに別の出力電極)が形成
された誘電体層を介在させることにより、これらの間の
静電容量の容量値を大きくしながらリップルを小さくす
ることができる。
【0019】また、本発明においては、積層型誘電体フ
ィルタを実装基板上に実装したときに、複数の共振素子
の主面が前記実装基板に対してほぼ垂直となるように構
成されているから、実装時の占有面積を小さくできる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付の図面を参照し
て説明する。
【0021】図1は本発明の第1の実施例の模式展開図
であり、図2は本実施例の斜視図であり、図3は本実施
例の底面図である。
【0022】図1に示すように、誘電体層11の左側面
上には後にアース電極70および入力電極411が形成
される。
【0023】誘電体層12の右側面上には、後記する共
振素子21の開放端の一部に後記する誘電体層13を挟
んで重なるとともに共振素子21とほぼ直交する入力電
極412を形成する。後記するアース電極70に一端部
が電気的に接続されて1/4波長型ストリップライン共
振器を構成する共振素子21を誘電体層13の右側面上
に形成し、さらに一端部が後記するアース電極70に電
気的に接続され、かつ他端部が共振素子21の開放端か
ら所定の間隔離れて共振素子21と対向する電極31を
誘電体層13の右側面上に形成する。共振素子21が入
力端側の共振素子である。
【0024】誘電体層14の右側面上には、共振素子2
1の開放端の一部に誘電体層14を挟んで重なり、後記
する共振素子22の開放端の一部にも後記する誘電体層
15を挟んで重なるとともに共振素子21および22と
ほぼ直交する入力電極413を形成する。
【0025】後記するアース電極70に一端部が電気的
に接続されて1/4波長型ストリップライン共振器を構
成する共振素子22を誘電体層15の右側面上に形成
し、さらに一端部が後記するアース電極70に電気的に
接続され、かつ他端部が共振素子22の開放端から所定
の間隔離れて共振素子22と対向する電極32を誘電体
層15の右側面上に形成する。
【0026】誘電体層16の右側面上には、共振素子2
2の開放端の一部に誘電体層16を挟んで重なり、後記
する共振素子23の開放端の一部にも後記する誘電体層
17を挟んで重なるとともに共振素子22および23と
ほぼ直交する出力電極423を形成する。
【0027】後記するアース電極70に一端部が電気的
に接続されて1/4波長型ストリップライン共振器を構
成する共振素子23を誘電体層17の右側面上に形成
し、さらに一端部が後記するアース電極70に電気的に
接続され、かつ他端部が共振素子23の開放端から所定
の間隔離れて共振素子23と対向する電極33を誘電体
層17の右側面上に形成する。共振素子23が出力端側
の共振素子である。
【0028】誘電体層18の右側面上には、共振素子2
3の開放端の一部に誘電体層18を挟んで重なるととも
に共振素子23とほぼ直交する出力電極422を形成す
る。
【0029】誘電体層18の右側面上に、右側面にアー
ス電極70および出力電極421が形成される誘電体層
19を積層し、誘電体層11〜19を一体に構成し、そ
の後焼成して積層体100を形成する。
【0030】図2、3に示すように、積層体100の上
面、入力端子部511、出力端子部521を除く側面、
および入力端子部514、出力端子部524を除く下面
にアース電極70を形成する。さらに積層体100の側
面の入力端子部511内に、アース電極70と電気的に
絶縁され、入力電極412と対向する入力電極411を
形成する。そして積層体100の下面の入力端子部51
4内にはアース電極70と電気的に絶縁され、かつ入力
電極411、412、413と接続される入力電極41
4を形成する。また同様に、積層体100の側面の出力
端子部521内に、アース電極70と電気的に絶縁さ
れ、出力電極422と対向する出力電極421を形成す
る。そして積層体100の下面の出力端子部524内に
はアース電極70と電気的に絶縁され、かつ出力電極4
21、422、423と接続される出力電極424を形
成する。
【0031】本実施例においては共振素子21、22、
23を垂直にして並設しているから、フィルタの横幅は
大幅に小さくなり、実装時の占有面積も大幅に小さくな
る。
【0032】また、本実施例において、入力電極412
および出力電極422を積層体100の内部に設けてい
るのは次の理由による。すなわち、両端の共振素子2
1、23とアース電極70との間の誘電体層が薄いと、
フィルタのQが低下して、フィルタの挿入損失が増加す
るから、両端の共振素子21、23とアース電極70と
の距離はある程度大きくする必要がある。そして、この
ような状態で、入力電極411、出力電極421を積層
体の表面にのみ設けた構造とすると、入力電極411、
出力電極421と両端の共振素子21、23との距離が
大きくなり、これらの間に形成される静電容量の容量値
が小さくなり、リップルが大きくなってしまう。そこ
で、入力電極412、出力電極422を積層体100の
内部に設け、これらの電極と両端の共振素子21、23
との距離を小さくすることによって、これらの間に形成
される静電容量の容量値を大きくすることができ、リッ
プルを小さくすることができる。
【0033】また、本実施例において、入力電極41
2、出力電極422を積層体100の内部に設けている
にもかかわらず、積層体100の表面に、これらの入力
電極412および出力電極422とそれぞれ電気的に接
続される入力電極411、出力電極421を設けている
のは、次の理由による。すなわち、これらの入力電極4
11、出力電極421を積層体の側面に設けることによ
り、実装時に半田がこれらの入力電極411、出力電極
421に沿って這い上がり、フィルタの実装がより確実
なものとなるからである。
【0034】以上のように構成した本実施例において、
共振素子21〜23、電極31〜33、入力電極411
〜414、出力電極421〜424およびアース電極7
0の空間的な構成を右側面図およびそのX−X線断面図
で示せば図4および図5に示すようになる。
【0035】共振素子21と入力電極412との間には
誘電体層13を挟んで重なり部分があって、誘電体層1
3を含む重なり部分において容量結合された状態となっ
ている。この静電容量を静電容量301とする。共振素
子21と入力電極413との間には誘電体層14を挟ん
で重なり部分があって、誘電体層14を含む重なり部分
において容量結合された状態となっている。この静電容
量を静電容量302とする。共振素子22と入力電極4
13との間には誘電体層15を挟んで重なり部分があっ
て、誘電体層15を含む重なり部分において容量結合さ
れた状態となっている。この静電容量を静電容量303
とする。共振素子22と出力電極423との間には誘電
体層16を挟んで重なり部分があって、誘電体層16を
含む重なり部分において容量結合された状態となってい
る。この静電容量を静電容量304とする。共振素子2
3と出力電極423との間には誘電体層17を挟んで重
なり部分があって、誘電体層17を含む重なり部分にお
いて容量結合された状態となっている。この静電容量を
静電容量305とする。共振素子23と出力電極422
との間には誘電体層18を挟んで重なり部分があって、
誘電体層18を含む重なり部分において容量結合された
状態となっている。この静電容量を静電容量306とす
る。
【0036】さらに、共振素子21、22、23の開放
端と電極31、32、33との間には、それぞれ静電容
量61、62、63が形成されている。そして、これら
の静電容量61、62、63が存在することによって、
共振素子21と共振素子22はインダクタンス351に
よって、共振素子22と共振素子23はインダクタンス
352によってそれぞれ結合され、コムライン型のフィ
ルタを構成している。
【0037】上記のように構成されるフィルタの電気的
な等価回路は図6に示すようになる。図6におけるイン
ダクタンス351、静電容量301〜303をΔ−Y変
換すれば図7における入力側静電容量81、結合静電容
量82および共振素子21と直列接続されるインダクタ
ンス801となり、同様にインダクタンス352、静電
容量304〜306をΔ−Y変換すれば、図7における
出力側静電容量84、結合静電容量83および共振素子
23と直列接続されるインダクタンス802となる。従
って、図6の等価回路は図7の等価回路となり、バンド
パス特性を呈する。
【0038】このように、上記構成のフィルタは、等価
的に、共振素子21に直列にインダクタンス801が接
続された状態および共振素子23に直列にインダクタン
ス802が接続された状態となって、バンドパスフィル
タの通過帯域の高域側に減衰のピークを生じさせる。
【0039】なお、この減衰のピークが生ずる周波数は
静電容量303、静電容量304によって変動する。
【0040】しかしながら、静電容量303は、誘電体
層15の厚さを一定とすれば、誘電体層15を挟んで共
振素子22と入力電極413との対向面積によって設定
され、静電容量304は、誘電体層16を挟んで共振素
子22と出力電極423との対向面積によって設定され
る一方、共振素子22の幅および入力電極413、出力
電極423の幅の設定は比較的容易であるから、共振素
子22と入力電極413との対向面積および共振素子2
2と出力電極423との対向面積をばらつきなく設定す
ることも容易である。従って、これらの対向面積をばら
つきなく設定することによって減衰のピークが生ずる周
波数のばらつきを抑制することができる。
【0041】なお、本実施例においては、図8(A)に
示すように入力電極413、出力電極423の幅を一定
のものとしたが、図8(B)に示すように入力電極41
3、出力電極423の幅を共振素子21〜23と対向す
る部分を含む所定長にわたって狭く設定してすれば、共
振素子21〜23との間に位置ずれが生じても共振素子
21〜23と入力電極41、出力電極43との対向面積
のばらつきは殆どなく、この結果静電容量303、30
4の変化は少なくて済み、その結果、減衰ピークが生ず
る周波数の変動がより少なくなる。
【0042】また、インダクタンス351および352
は共振素子21、22、23間の誘導結合で得られ、静
電容量301〜306は誘電体層13〜18、共振素子
21〜23、入力電極412、413および出力電極4
22、423を利用して得られるから、別途部品を必要
とせず、小型化が可能となる。
【0043】次に、第1の実施例の積層型誘電体フィル
タの製造方法について説明する。
【0044】本積層型誘電体フィルタは共振素子21〜
23、電極31〜33、入力電極412、413および
出力電極422、423を完全に誘電体中に内蔵するこ
とから、共振素子21〜23、電極31〜33、入力電
極412、413および出力電極422、423には損
失の少ない比抵抗の低いものを用いることが望ましく、
低抵抗のAg系、若しくはCu系の導体を用いることが
好ましい。 使用する誘電体としては、信頼性が高く比
誘電率εγが大きいため、小型化が可能となるセラミッ
クス誘電体が好ましい。
【0045】また、製造方法としては、セラミックス粉
末の成形体に導体ペーストを塗布して電極パターンを形
成した後、各々の成形体を積層しさらに焼成して緻密化
し、導体がその内部に積層された状態でセラミックス誘
電体と一体化することが望ましい。
【0046】Ag系やCu系の導体を使用する場合に
は、それらの導体の融点が低く、通常の誘電体材料と同
時焼成することは困難であるところから、それらの融点
(1100℃以下)よりも低い温度で焼成され得る誘電
体材料を用いる必要がある。また、マイクロ波フィルタ
としてのデバイスの性格上、形成される並列共振回路の
共振周波数の温度特性(温度係数)が±50ppm/℃
以下になるような誘電体材料が好ましい。このような誘
電体材料としては、例えば、コージェライト系ガラス粉
末とTiO2 粉末およびNd2 Ti2 7 粉末との混合
物等のガラス系のものや、BaO−TiO2 −Re2
3 −Bi2 3 系組成(Re:レアアース成分)に若干
のガラス形成成分やガラス粉末を添加したもの、酸化バ
リウム−酸化チタン−酸化ネオジウム系誘電体磁気組成
物粉末に若干のガラス粉末を添加したものがある。
【0047】一例として、MgO:18wt%−Al2
3 :37wt%−SiO2 :37wt%−B2 3
5wt%−TiO2 :3wt%なる組成のガラス粉末の
73wt%と、市販のTiO2 粉末の17wt%と、N
2 Ti2 7 粉末の10wt%を充分に混合し、混合
粉末を得た。なお、Nd2 Ti2 7 粉末は、Nd2
3 粉末とTiO2 粉末を1200℃で仮焼した後、粉砕
して得たものを使用した。次いで、この混合粉末に、ア
クリル系有機バインダー、可塑剤、トルエンおよびアル
コール系の溶剤を加え、アルミナ玉石で充分に混合して
スラリーとした。そして、このスラリーを用いて、ドク
ターブレード法により、0.2mm〜0.5mmの厚み
のグリーンシートを作製した。
【0048】次に、上記第1の実施例の場合は、銀ペー
ストを導体ペーストとして図1に示した導体パターンを
それぞれ印刷し、次いで、これら導体パターンが印刷さ
れたグリーンシートの厚みを調整するため必要なグリー
ンシートを重ねて図1の構造となるように重ね、積層し
た後、900℃で焼成して、積層体100を形成した。
【0049】上記のように構成した積層体100の上
面、入力端子部511、出力端子部521を除く側面、
および入力端子部514、出力端子部524を除く下面
に図2、3に示すように銀電極からなるアース電極70
を印刷し、さらにアース電極70から電気的に絶縁する
銀電極を入力端子部511、出力端子部521内に入力
電極411、出力電極421として印刷し、さらに、ま
た、アース電極70から電気的に絶縁し、かつ入力電極
411〜413に接続する銀電極414を入力端子部5
14内に入力電極414として印刷し、アース電極70
から電気的に絶縁し、かつ出力電極421〜423に接
続する銀電極424を出力端子部524内に出力電極4
24として印刷し、印刷した電極を850℃で焼きつけ
た。
【0050】次に、本発明の第2の実施例を説明する。
第1の実施例は共振素子が3個の場合を例示したが、本
実施例においては共振素子は2個である。
【0051】図9は本発明の第2の実施例の模式展開図
であり、図10は本実施例の斜視図である。
【0052】図9に示すように、誘電体層11の左側面
上には後にアース電極70および入力電極411が形成
される。
【0053】誘電体層12の右側面上には、後記する共
振素子21の開放端の一部に後記する誘電体層13を挟
んで重なるとともに共振素子21とほぼ直交する入力電
極412を誘電体層12の下面より上方に延在して形成
する。
【0054】後記するアース電極70に一端部が電気的
に接続されて1/4波長型ストリップライン共振器を構
成する共振素子21を誘電体層13の右側面上に形成
し、さらに一端部が後記するアース電極70に電気的に
接続され、かつ他端部が共振素子21の開放端から所定
の間隔離れて共振素子21と対向する電極31を誘電体
層13の右側面上に形成する。共振素子21が入力端側
の共振素子である。
【0055】誘電体層16の右側面上には、共振素子2
1の開放端の一部に誘電体層16を挟んで重なり、後記
する共振素子23の開放端の一部にも後記する誘電体層
14、17を挟んで重なるとともに共振素子21および
23とほぼ直交する出力電極423を誘電体層16の上
面より下方に延在して形成する。
【0056】誘電体層14の右側面上には、共振素子2
1の開放端の一部に誘電体層16、14を挟んで重な
り、後記する共振素子23の開放端の一部にも後記する
誘電体層17を挟んで重なるとともに共振素子21およ
び23とほぼ直交する入力電極413を誘電体層14の
下面より上方に延在して形成する。
【0057】後記するアース電極70に一端部が電気的
に接続されて1/4波長型ストリップライン共振器を構
成する共振素子23を誘電体層17の右側面上に形成
し、さらに一端部が後記するアース電極70に電気的に
接続され、かつ他端部が共振素子23の開放端から所定
の間隔離れて共振素子23と対向する電極33を誘電体
層17の右側面上に形成する。共振素子23が出力端側
の共振素子である。
【0058】誘電体層18の右側面上には、共振素子2
3の開放端の一部に誘電体層18を挟んで重なるととも
に共振素子23とほぼ直交する出力電極422を誘電体
層18の上面より下方に延在して形成する。
【0059】誘電体層18の右側面上に、右側面にアー
ス電極70および出力電極421が形成される誘電体層
19を積層し、誘電体層11、12、13、16、1
4、1718、19を一体に構成し、その後焼成して積
層体100を形成する。
【0060】図10に示すように、入力端子部515、
出力端子部524を除く積層体100の上面、入力端子
部511、出力端子部521を除く側面、および入力端
子部514、出力端子部525を除く下面にアース電極
70を形成する。さらに積層体100の側面の入力端子
部511内に、アース電極70と電気的に絶縁された入
力電極411を形成し、積層体100の上面の入力端子
部515内に、アース電極70と電気的に絶縁された入
力電極415を形成する。そして積層体100の下面の
入力端子部514内にはアース電極70と電気的に絶縁
され、かつ入力電極411、412、413と接続され
る入力電極414を形成する。また同様に、積層体10
0の側面の出力端子部521内に、アース電極70と電
気的に絶縁された出力電極421を形成し、積層体10
0の下面の入力端子部525内に、アース電極70と電
気的に絶縁された出力電極425を形成する。そして積
層体100の上面の出力端子部524内にはアース電極
70と電気的に絶縁され、かつ出力電極421、42
2、423と接続される出力電極424を形成する。
【0061】本実施例においても共振素子21、23を
垂直にして並設しているから、フィルタの横幅は大幅に
小さくなり、実装時の占有面積も大幅に小さくなる。
【0062】以上のように構成した本実施例において、
図9のX−X線断面図は図11に示すようになる。
【0063】共振素子21と入力電極412との間には
誘電体層13を挟んで重なり部分があって、誘電体層1
3を含む重なり部分において容量結合された状態となっ
ている。この静電容量を静電容量301とする。共振素
子21と入力電極413との間には誘電体層16、14
を挟んで重なり部分があって、誘電体層16、14を含
む重なり部分において容量結合された状態となってい
る。この静電容量を静電容量302とする。共振素子2
1と出力電極423との間には誘電体層16を挟んで重
なり部分があって、誘電体層16を含む重なり部分にお
いて容量結合された状態となっている。この静電容量を
静電容量307とする。共振素子23と入力電極413
との間には誘電体層17を挟んで重なり部分があって、
誘電体層17を含む重なり部分において容量結合された
状態となっている。この静電容量を静電容量308とす
る。共振素子23と出力電極423との間には誘電体層
14、17を挟んで重なり部分があって、誘電体層1
4、17を含む重なり部分において容量結合された状態
となっている。この静電容量を静電容量305とする。
共振素子23と出力電極422との間には誘電体層18
を挟んで重なり部分があって、誘電体層18を含む重な
り部分において容量結合された状態となっている。この
静電容量を静電容量306とする。
【0064】さらに、共振素子21、23の開放端と電
極31、33との間には、それぞれ静電容量61、63
が形成されている。そして、これらの静電容量61、6
3が存在することによって、共振素子21と共振素子2
3はインダクタンス353によって結合され、コムライ
ン型のフィルタを構成している。
【0065】上記のように構成されるフィルタの電気的
な等価回路は図12に示すようになり、この場合におい
ても上記した第1の実施例と同様の作用をし、バンドパ
スフィルタの通過帯域の高域側に減衰のピークを生じさ
せる。
【0066】次に、本実施例の積層型誘電体フィルタの
製造方法について説明する。本実施例においても、第1
の実施例において使用したグリーンシートを用い、銀ペ
ーストを導体ペーストとして図9に示した導体パターン
をそれぞれ印刷し、次いで、これら導体パターンが印刷
されたグリーンシートの厚みを調整するため必要なグリ
ーンシートを重ねて図10の構造となるように重ね、積
層した後、900℃で焼成して、積層体100を作成し
た。
【0067】上記のように構成した積層体100の入力
端子部515、出力端子部524を除く上面、入力端子
部511、出力端子部521を除く側面、および入力端
子部514、出力端子部525を除く下面に図10に示
すように銀電極からなるアース電極70を印刷し、さら
にアース電極70から電気的に絶縁する銀電極を入力端
子部511、出力端子部521内に入力電極411、出
力電極421として印刷し、アース電極70から電気的
に絶縁する銀電極を入力端子部515、出力端子部52
5内に入力電極415、出力電極425として印刷し、
さらに、また、アース電極70から電気的に絶縁し、か
つ入力電極411〜413に接続する銀電極414を入
力端子部514内に入力電極414として印刷し、アー
ス電極70から電気的に絶縁し、かつ出力電極421〜
423に接続する銀電極424を出力端子部524内に
出力電極424として印刷し、印刷した電極を850℃
で焼きつけた。
【0068】次に本発明の第3の実施例について説明す
る。図13は本発明の第3の実施例の模式展開図であ
り、図14は本実施例の主要部の構成を示す右側面図、
図15、図16はそれぞれ図14のX−X線断面図、Y
−Y線断面図である。
【0069】上記第1の実施例においては、誘電体層1
2〜18上には共振素子、21〜23、電極31〜3
3、入力電極412、413、出力電極422、423
のみを設けているが、本実施例においては、誘電体層1
2と誘電体層13との間に積層される誘電体層111の
右側面上に内部アース電極91を設け、誘電体層13と
誘電体層14との間に積層される誘電体層112の右側
面上に内部アース電極92を設け、誘電体層14の右側
面上には入力電極413に加え、内部アース電極93を
設け、誘電体層16の右側面上には出力電極423に加
え、内部アース電極94を設け、誘電体層16と誘電体
層17との間に積層される誘電体層113の右側面上に
内部アース電極95を設け、誘電体層17と誘電体層1
8との間に積層される誘電体層114の右側面上に内部
アース電極96を設けている点が第1の実施例と異なる
が、他の構成は第1の実施例と同様である。
【0070】内部アース電極91は共振素子21の開放
端の一部に誘電体層13を挟んで重なり、その端部はア
ース電極70と接続される。内部アース電極92は共振
素子21の開放端側の一部に誘電体層112を挟んで重
なり、その端部はアース電極70と電気的に接続され
る。内部アース電極93は共振素子22の開放端側の一
部に誘電体層15を挟んで重なり、その端部はアース電
極70と電気的に接続される。内部アース94は共振素
子22の開放端の一部に誘電体層16を挟んで重なり、
その端部はアース電極70と接続される。内部アース電
極95は共振素子23の開放端側の一部に誘電体層17
を挟んで重なり、その端部はアース電極70と電気的に
接続される。内部アース電極96は共振素子23の開放
端側の一部に誘電体層114を挟んで重なり、その端部
はアース電極70と電気的に接続される。
【0071】図16を参照すれば、共振素子21と内部
アース電極91、92との間には静電容量901、90
2がそれぞれ形成され、共振素子22と内部アース電極
93、94との間には静電容量903、904がそれぞ
れ形成され、共振素子23と内部アース電極95、96
との間には静電容量905、906がそれぞれ形成され
ている。
【0072】また、共振素子21、22および22の開
放端と電極31、32および33との間には、図13に
示すように、それぞれ静電容量61、62および63が
形成されている。
【0073】そして、これらの静電容量61〜63、9
01〜906が存在することによって、共振素子21、
22はインダクタンス351で結合され、共振素子2
2、23はインダクタンス352で結合されてコムライ
ン型のフィルタが構成されている。
【0074】図17には、上記のようにして構成された
本実施例の積層型誘電体フィルタの等価回路を示す。共
振素子21に静電容量901、902が並列に接続さ
れ、共振素子22に静電容量903、904が並列に接
続され、共振素子23に静電容量905、906が並列
に接続されている点が第1の実施例の等価回路である図
6と異なるが他の構成は同一である。そして、この場合
も、図17におけるインダクタンス351、静電容量3
01〜303をΔ−Y変換すれば図18における入力側
静電容量81、結合静電容量82および共振素子21と
直列接続されるインダクタンス801となり、同様にイ
ンダクタンス352、静電容量304〜306をΔ−Y
変換すれば、図18における出力側静電容量84、結合
静電容量83および共振素子23と直列接続されるイン
ダクタンス802となる。従って、図17の等価回路は
図18の等価回路となり、バンドパス特性を呈する。
【0075】このように、上記構成のフィルタは、等価
的に、共振素子21に直列にインダクタンス801が接
続された状態および共振素子23に直列にインダクタン
ス802が接続された状態となって、本実施例において
もバンドパスフィルタの通過帯域の高域側に減衰のピー
クを生じさせる。
【0076】また、本実施例のように、内部アース電極
92、93を共振素子21、22の開放端側に追加し、
内部アース電極94、95を共振素子22、23の開放
端側に追加することにより、共振素子21、22の開放
端側であって、内部アース電極92、93と重なった部
分および共振素子22、23の開放端側であって、内部
アース電極94、95と重なった部分はよりアースに近
くなり、アースとの結合が強くなるから、内部アース電
極92、93と重なった部分の共振素子21、22同士
の結合および内部アース電極94、95と重なった部分
の共振素子22、23同士の結合が弱くなる。従って、
共振素子21、22同士の結合は内部アース電極92、
93と重ならない部分で主として行われるようになり、
共振素子22、23同士の結合は内部アース電極94、
95と重ならない部分で主として行われるようになる。
このことは、共振素子21、22の結合電気長θが、実
質的には内部アース電極92、93と重ならない部分の
長さと等しくなり、共振素子22、23の結合電気長θ
が、実質的には内部アース電極94、95と重ならない
部分の長さと等しくなることを意味する。このように共
振素子21、22の結合電気長θが短くなれば、共振素
子21、22同士を結合する分布定数素子のリアクタン
スも小さくなり、共振素子22、23同士を結合する分
布定数素子のリアクタンスも小さくなるから、共振素子
21〜23同士がより強く結合するようになり、フィル
タ特性の広帯域化が図られるようになる。
【0077】また、電極31〜33を設けているから共
振素子21〜23とアースとの間には静電容量61〜6
3がそれぞれ加わっているが、さらに、内部アース電極
91〜96を設けることにより、共振素子21と内部ア
ース電極91、92との間には静電容量901および9
02が、共振素子22と内部アース電極93、94との
間には静電容量903および904が、共振素子23と
内部アース電極95、96との間には静電容量905お
よび906がそれぞれ形成され、これらの静電容量も共
振素子21〜23とアースとの間に付加されることにな
る。従って、図18に示す並列共振回路の静電容量は共
振素子21〜23を等価交換したときの静電容量61〜
63と、これらの付加された静電容量901〜906と
の和からなる合成静電容量となって、共振周波数を同一
とすれば、並列共振回路のインダクタンスはより小さく
て済むことになる。従って、共振素子21〜23の長さ
もより短くなり、積層型誘電体フィルタの全体の長さも
短くなる。
【0078】
【発明の効果】本発明においては、入力端側共振素子が
形成された誘電体層と出力端側共振素子が形成された誘
電体層との間に、前記入力端側共振素子および前記出力
端側共振素子のそれぞれと容量結合する、入力電極と電
気的に接続された電極(別の入力電極)が形成された誘
電体層あるいは出力電極と電気的に接続された電極(別
の出力電極)が形成された誘電体層の少なくともいずれ
か一方を介在させることにより、または、入力端側共振
素子が形成された誘電体層とこれに隣接する内部共振素
子が形成された誘電体層との間に、前記入力端側共振素
子および前記内部共振素子のそれぞれと容量結合し、か
つ入力電極と電気的に接続された電極(別の入力電極)
が形成された誘電体層を介在させ、および/または、出
力端側共振素子が形成された誘電体層とこれに隣接する
内部共振素子が形成された誘電体層との間に、前記出力
端側共振素子および前記内部共振素子のそれぞれと容量
結合し、かつ出力電極と電気的に接続された電極(別の
出力電極)が形成された誘電体層を介在させることによ
り、入力端側共振素子または出力端側共振素子の少なく
ともいずれか一方の共振素子にインダクタンスが直列接
続された状態となり、バンドパスフィルタの通過帯域の
高域側に減衰ピークを生じさせ、減衰特性を改善するこ
とができる。そして、前記入力電極が形成された誘電体
層と前記入力端側共振素子が形成された誘電体層との間
に、前記入力端側共振素子と容量結合し、かつ前記入力
電極と電気的に接続された電極(さらに別の入力電極)
が形成された誘電体層を介在させ、および/または、前
記出力電極が形成された誘電体層と前記出力端側共振素
子が形成された誘電体層との間に、前記出力端側共振素
子と容量結合し、かつ前記出力電極と電気的に接続され
た電極(さらに別の出力電極)が形成された誘電体層を
介在させることにより、これらの間の静電容量の容量値
を大きくしながらリップルを小さくすることができる。
【0079】また、本発明においては、積層型誘電体フ
ィルタを実装基板上に実装したときに、複数の共振素子
の主面が前記実装基板に対してほぼ垂直となるように構
成されているから、実装時の占有面積を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の積層型誘電体フィルタ
を説明するための模式展開図である。
【図2】本発明の第1の実施例の積層型誘電体フィルタ
を説明するための斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例の積層型誘電体フィルタ
を説明するための底面図である。
【図4】本発明の第1の実施例の積層型誘電体フィルタ
の主要部の構成を示す右側面図である。
【図5】図4のX−X線断面図である。
【図6】本発明の第1の実施例の積層型誘電体フィルタ
の等価回路図である。
【図7】図6の回路の等価回路図である。
【図8】本発明の第1の実施例の積層型誘電体フィルタ
の変形例を説明するための右側面図である。
【図9】本発明の第2の実施例の積層型誘電体フィルタ
を説明するための模式展開図である。
【図10】本発明の第2の実施例の積層型誘電体フィル
タを説明するための斜視図である。
【図11】図9のX−X線断面図である。
【図12】本発明の第2の実施例の積層型誘電体フィル
タの等価回路図である。
【図13】本発明の第3の実施例の積層型誘電体フィル
タを説明するための模式展開図である。
【図14】本発明の第3の実施例の積層型誘電体フィル
タの主要部の構成を示す右側面図である。
【図15】図14のX−X線断面図である。
【図16】図14のY−Y線断面図である。
【図17】本発明の第3の実施例の積層型誘電体フィル
タの等価回路図である。
【図18】図17の回路の等価回路図である。
【図19】本発明者らが案出した従来の積層型誘電体フ
ィルタの模式展開図である。
【図20】本発明者らが案出した従来の積層型誘電体フ
ィルタの斜視図である。
【図21】図19のX−X線断面図である。
【図22】本発明者らが案出した従来の積層型誘電体フ
ィルタの等価回路図である。
【符号の説明】
11〜19,111〜114…誘電体層 21〜23…共振素子 31〜33…電極 91〜96…内部アース電極 411〜414…入力電極 421〜424…出力電極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−64404(JP,A) 特開 昭62−51803(JP,A) 実開 平3−113502(JP,U) 実開 平2−106701(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01P 1/203 H01P 1/205

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力電極が形成された誘電体層、入力端側
    共振素子が形成された誘電体層、出力端側共振素子が形
    成された誘電体層、出力電極が形成された誘電体層をこ
    の順序で備える積層型誘電体フィルタにおいて、 前記入力端側共振素子が形成された誘電体層と前記出力
    端側共振素子が形成された誘電体層との間には、前記入
    力端側共振素子および前記出力端側共振素子のそれぞれ
    と容量結合する、前記入力電極と電気的に接続された電
    極が形成された誘電体層あるいは前記出力電極と電気的
    に接続された電極が形成された誘電体層の少なくともい
    ずれか一方が介在されている ことを特徴とする積層型誘
    電体フィルタ。
  2. 【請求項2】入力電極が形成された誘電体層、入力端側
    共振素子が形成された誘電体層、内部共振素子が形成さ
    れた誘電体層を1つ以上、出力端側共振素子が形成され
    た誘電体層、出力電極が形成された誘電体層をこの順序
    で備える積層型誘電体フィルタにおいて、 前記入力端側共振素子が形成された誘電体層とこれに隣
    接する前記内部共振素子が形成された誘電体層との間に
    は、前記入力端側共振素子および前記内部共振素子のそ
    れぞれと容量結合し、かつ前記入力電極と電気的に接続
    された電極が形成された誘電体層が介在され、および/
    または、 前記出力端側共振素子が形成された誘電体層とこれに隣
    接する前記内部共振素子が形成された誘電体層との間に
    は、前記出力端側共振素子および前記内部共振素子のそ
    れぞれと容量結合し、かつ前記出力電極と電気的に接続
    された電極が形成された誘電体層が介在されている こと
    を特徴とする積層型誘電体フィルタ。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の積層型誘電体フィ
    ルタにおいて、前記入力電極が形成された誘電体層と前記入力端側共振
    素子が形成された誘電体層との間には、前記入力端側共
    振素子と容量結合し、かつ前記入力電極と電気的に接続
    された電極が形成された誘電体層がさらに介在され、お
    よび/または、 前記出力電極が形成された誘電体層と前
    記出力端側共振素子が形成された誘電体層との間には、
    前記出力端側共振素子と容量結合し、かつ前記出力電極
    と電気的に接続された電極が形成された誘電体層がさら
    に介在されている ことを特徴とする積層型誘電体フィル
    タ。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の積層型
    誘電体フィルタにおいて、前記積層型誘電体フィルタの
    構成が、このフィルタを実装基板上に実装した際、前記
    各誘電体層の主面が前記実装基板に対してほぼ垂直とな
    構成であることを特徴とする積層型誘電体フィルタ。
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