JP4242738B2 - 積層型帯域通過フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は減衰極を有する高周波用積層型帯域通過フィルタに係り、特に、セラミックチップ内部またはセラミック基板内部に内部電極としてフィルタ特性を有する共振器電極パターンと入出力回路に接続する入出力電極パターンとを設けるとともに低背化(薄型化)に適した構造を有する帯域通過フィルタに関する。
近年、例えば携帯電話や無線LANなどの無線機器に使用されている部品は、小型化、高性能化、高機能化の進展が著しい。この動向に伴い、これらの無線機器に採用される帯域通過フィルタに対しても、小型化と低背化(薄型化)と高性能化への要求が強く、セラミック積層型の高周波帯域通過フィルタについても小型化と同時に低背化の要求が強くなっている。また、低温焼成のセラミック基板(LTCC基板)にフィルタを内層化し、小型化した高周波モジュールが製品化されているが、この場合もモジュール自体の低背化が要求されている。
これらのセラミック積層型帯域通過フィルタの先行技術としては、例えば下記の特許文献に開示されたものが知られている。
特許第3208967号公報 特許第3191560号公報 特開平7−312503号公報 特開平8−316101号公報
しかしながら、従来のセラミック積層型帯域通過フィルタは、図10および図11に示す構造の場合、上下のシールド層間の距離を短くして低背化しようとすると、共振器電極パターン間の磁界結合が弱くなり、通過帯域付近の減衰極を通過帯域周波数に近づけ、通過帯域付近での減衰を大きくすることが困難になるという問題がある。
本発明は上述した事情に鑑みて為されたもので、減衰極の周波数を容易に変えることができ、良好な帯域通過特性が得られるとともに、低背化(薄型化)が可能な構造を有する小型セラミック積層型帯域通過フィルタを提供することを目的とする。
本発明の積層型帯域通過フィルタは、導体電極が形成された複数の誘電体シートまたは絶縁体シートを積層して形成されたフィルタまたはモジュール基板内に、片側が短絡端、他方は開放端となっている2個のストリップ線路型共振器電極パターンが配置された積層型帯域通過フィルタであって、前記ストリップ線路型共振器電極パターンは、前記短絡端が基板側面の接地電極に接続され、前記基板側面から帯状に延伸し、直角方向に折れ曲がり、さらに前記基板側面に向けて直角方向に折れ曲がり、前記開放端を形成し、帯状のコの字型磁界結合電極パターンを、前記2個のストリップ線路型共振器電極パターンの前記基板側面から帯状に延伸し、直角方向に折れ曲がった部分に対向するように、該共振器電極パターンが形成されている層とは別層に配置し、前記コの字型磁界結合電極パターンの両端は前記共振器電極が短絡された接地電極に接続されていることを特徴とする。
これにより、磁界結合電極パターンと共振器電極パターンとの間の距離、即ち、磁界結合電極パターンと共振器電極パターンとの間の絶縁層の厚さを任意に調整することができ、両パターン間の磁界結合の強さを任意に調整することができる。従って、容易に両パターン間の磁界結合を強めることができ、低背化しても十分な磁界結合の強さが得られ、減衰極を通過帯域付近に近づけ、通過帯域付近の減衰量を大きくした設計が可能となる。即ち、上下のシールド層間を1mm以下に低背化しても、良好な減衰特性・帯域通過特性を有するセラミック積層型帯域通過フィルタが得られる。
ここで、前記共振器電極パターンの開放端側がコの字状に折り返した帯状パターンであり、帯状パターンの短絡端側が前記接地電極に接続されている。共振器電極パターンは、小型化・低背化に適したストリップライン型が好ましく、共振器電極パターンの長さは共振周波数で決定されるが、帯状の共振器電極パターンをコの字状に折り返すことにより共振器の占める面積を狭小にでき、フィルタの小型化が実現される。
また、前記共振器電極パターンの開放端側が前記共振器電極パターンの短絡端側に対して幅広のSIR(stepped Impedance Resonator)とし、共振器電極パターンをこの構造にすることにより共振器電極パターンの長さを1/4波長以下に短縮でき、フィルタの小型化が達成される。
また、前記共振器電極パターンと入出力電極パターンとが別層に配置され、容量結合により結合するようにしてもよい。また、このセラミック積層型帯域通過フィルタは、単品のチップ部品としてもよく、高周波モジュール基板に内層する電極パターンとしても用いることができる。
本発明によれば、良好なフィルタ特性が得られると共に、低背化した構造を有する小型セラミック積層型帯域通過フィルタが提供される。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、各図中、同一の機能を有する電極または誘電体シートには同一の符号を付して、その重複した説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態のセラミック積層型帯域通過フィルタの外観図である。図2は、本発明の第1実施例であるセラミック積層型帯域通過フィルタの各グリーンシートに配置された内部電極パターン例を示す分解斜視図であり、図3はその要部の電極パターンを示す平面図であり、図4はその積層状態を示す断面図である。
これらの図に示すように、複数のグリーンシートS1,S2,S3,S4,S5…を積み重ねて、圧着した後にチップ状に切断して、焼成することで、セラミックチップ5が得られる。ここで、セラミックグリーンシートがセラミック層の焼結体となり、印刷により形成された内部電極ペーストパターンが金属の内部電極層となる。次に、焼結した直方体状のセラミックチップ5の外側面等に、印刷法、またはスパッタリングなどにより下地電極を形成して、その上にNiめっきおよびSnめっき等を行い、これにより、入出力電極1,2と接地電極3,4を形成する。
図2および図3に示すように、グリーンシートS1,S3,S5,S7,S9は、内部電極パターンが形成されないブランク層である。グリーンシートS2,S8には、例えば、H形状のシールド電極パターンP21,P81が銀系(例えば銀、銀−パラジウム等)のペーストでスクリーン印刷により形成され、焼結後にはシールド層となる。但し、該シールド電極パターンP21やP81の形状は、グリーンシートS4の共振器電極パターンP41,P42を覆うような構造であれば、形状に限定されることはない。シールド電極パターンP21,P81はグリーンシートS2,S8の端部まで延伸して、チップ5の外側面に設けられた接地電極3,4に電気的に接続される。なお、図示はしないが内部電極パターンが形成された各グリーンシート間の間隔(厚み)は、その調整のために、内部電極が形成されていないブランク層のグリーンシートを所要枚数だけ積層して、その厚みを調整することができる。
グリーンシートS4に一対の共振器電極パターンP41,P42がその開放端D,Eを向かい合うように並列に配置され、前記共振器電極パターンの他方側(短絡端)C,Fが接地電極3に接続されている。即ち、共振器電極パターンP41,P42は、その開放端D,E側がコの字状に折り返した帯状パターンであり、帯状パターンの短絡端C,Fが接地電極3に接続された片側短絡ストリップ線路共振器となり、通過域周波数で約4分の1波長(λ)の長さに調整されている。また、この2個の共振器は開放端側D,Eが向かい合うように配置されているので、通過帯域での結合は磁界結合よりも電界結合の方が強くなっている。そして、共振器電極パターンP41,P42に、入出力電極パターンP41a,P42aの一端が接続され、その他端が入出力電極1,2にそれぞれ接続されている。
グリーンシートS6には、コの字型形状の帯状磁界結合電極パターンP61が配置されている。磁界結合電極パターンP61は、グリーンシートS4の一対の共振器電極パターンP41,P42の中央部に対面するように別層のグリーンシートS6上に、平行に配置される。コの字型形状の磁界結合電極パターンP61の両端は、チップの端部まで延伸して接地電極3に電気的に接続される。この磁界結合電極パターンP61の寸法aとパターン幅w、および共振器電極パターンとの間隔tを変えることにより(図3,4参照)、一対の共振器電極パターンP41,P42との磁界結合の結合度を変えることが出来る。
また、入出力電極パターンP41a,P42aと共振器電極パターンP41,P42、(または少なくとも共振器電極パターンP41,P42)は、縦断面(図4参照)において、上下の各シールドパターンP21,P81間の距離のほぼ中間に位置するように、グリーンシートS3,S5,S7の厚みを調整もしくは設定することが望ましい。
図4に示すように、共振器電極パターンP41,P42と磁界結合電極パターンP61との間隔tにより、これらのパターン間の磁界結合の結合度が大きく影響される。この間隔tの調整は、グリーンシートS4とS6の間に挿入するグリーンシートS5の枚数、或いは厚みを変えることにより行うことができる。具体的には、間隔tを小さくすると、共振器電極パターンと磁界結合電極パターンの磁界結合が大きくなり、結果として一対の共振器電極間の磁界結合が大きくなり、減衰極周波数が上昇する。これに反して、間隔tを大きくすれば、結果として一対の共振器電極間の磁界結合が小さくなり、減衰極周波数を下げることが出来る。
セラミック積層型帯域通過フィルタを低背化すると、シールド電極パターンP21,P61間距離が小さくなり、共振器電極パターンP41とP42の短絡部分の磁界結合が弱くなる。これにより、2個の共振器電極の開放端側間で生じている容量結合と短絡端側間で生じている磁界結合による減衰極の共振周波数を制御するのが困難となる。しかしながら、この実施形態の場合、低背化しても共振器電極パターンP41,P42とは別層に設けた磁界結合電極パターンP61と共振器電極パターンP41,P42の距離tを小さくすることにより、容易に磁界結合を強くすることが出来るので、減衰極周波数を通過帯域に近づけ通過帯域近傍の減衰を大きくすることが出来る。このため、磁界結合電極パターンP61の存在により低背化しても磁界結合と静電結合による通過帯域の低域側に生じる減衰極を通過帯域に近づけることが容易である。従って、通過帯域の低域側に急峻な減衰特性を有する良好な帯域通過特性を有する帯域通過型フィルタを実現できる。
図5は、本発明の第2実施例である積層型帯域通過フィルタの各グリーンシートに配置された内部電極パターン例を示す。入出力電極パターンを共振器電極パターンの形成された層と別の層に形成した実施例である。即ち、グリーンシートS54上に入出力電極パターンP541,P542を形成して、入出力電極パターンP541,P542の一対の開放端がグリーンシートS55上に形成される一対のコの字型共振器電極パターンP551,P552の開放端に対面して配置され、両者は容量結合する。
その他の点は、第2実施例と第1実施例とは同じである。即ち、グリーンシートS55上の一対のコの字型共振器電極パターンP551,P552はその一対の開放端が対向するように並列に配置して形成される。グリーンシートS57上にコの字状の磁界結合電極パターンP571をグリーンシートS55の一対の共振器電極パターンP551,P552の中央部と対向するように配置して形成する。この磁界結合電極パターンP571の両端はグリーンシートS57の端部まで延伸して接地電極3に電気的に接続される。ここで、共振器電極パターンP551,P552は、縦断面視において、上下の各シールド電極パターンP521とP591との間の距離のほぼ中間に位置するように、グリーンシートS53,S56,S58の厚みを調整もしくは設定し、配設することが望ましい。このため、低背化しても共振器電極間の磁界結合と容量結合による通過帯域の低域側に生じる減衰極を通過帯域に近づけることが容易であり、通過帯域の低域側に急峻な減衰特性を有する良好な帯域通過特性を有する帯域通過型フィルタを実現できる点も同様である。
図6は、本発明の第3実施例であるセラミック積層型帯域通過フィルタの各グリーンシートに配置された内部電極パターン例を示す分解斜視図である。本発明の第3実施例は、SIR(Stepped Impedance Resonator)型共振器を用いた帯域通過フィルタであり、図7(a)はその要部の電極パターンを示す平面図であり、図7(b)はその積層状態を示す断面図である。
グリーンシートS61,S63,S65,S67,S69は、内部電極パターンが形成されないブランク層である。グリーンシートS62,S68には、シールド電極パターンP621,P681が銀系または銅系の厚膜ペーストのスクリーン印刷で形成され、シールド層となる。グリーンシートS64上に入出力電極パターンP641a,P642aと共振器電極パターンP641,P642が形成される。共振器電極パターンP641,P642は、幅狭で特性インピーダンスが高い第1伝送路パターンP641b,P642bと第1伝送路パターンより幅広で特性インピーダンスが低い第2伝送路パターンP641c,P642cをそれぞれ縦続接続したものである。その全線路長は積層型帯域通過フィルタの中心周波数の付近で共振するように調整されており、その一端の短絡端I、Lはチップ側端面に露出して接地電極3に接続されている。他端J,Kは幅広の開放端となり、この開放端J,Kが向かい合うように配置されて一対の共振器電極パターンが形成されている。そして、コの字状の帯状磁界結合電極パターンP661がそれぞれの前記共振器電極パターンP641,P642の中央部と対面するように別層であるグリーンシートS66上に配置されている。
図8(a)は、本発明の第1乃至第3実施例であるセラミック積層型帯域通過フィルタの等価回路を示す。Cpは、共振器電極パターンが有する分布容量を集中定数の容量で表したものであり、Lpは、共振器電極パターンが有する分布インダクタンスを集中定数のインダクタンスで表したものである。共振器電極は、その長さが通過帯域の中心周波数付近で共振するように調整されていて、CpとLpとでその共振回路を構成している。また、Cmは一対の共振器電極の開放端側が向かい合うことによる電界結合によって生じる等価容量を示し、Mは共振器電極と磁界結合電極との間の磁界結合を集中定数のインダクタンスで表したものである。磁界結合によるMと、電界結合によるCmとで、通過帯域外に減衰極が生じ、その減衰極の周波数は、MとCmにより決定される。ここで、入出力電極は、等価インダクタンスLpの中間より取り出されている。ただし、第2の実施例の場合は、入出力は容量結合である。
図8(b)は、図10,11に示す従来例のセラミック積層型帯域通過フィルタの等価回路を示す。Cpは、共振器電極パターンが有する分布容量を集中定数の容量で表したものであり、Lpは、共振器電極パターンが有する分布インダクタンスを集中定数のインダクタンスで表したものである。共振器電極は、その長さが通過帯域の中心周波数付近で共振するように調整されていて、CpとLpとでその共振回路を構成している。また、Cmは一対の共振器電極の開放端側が向かい合うことによる電界結合によって生じる等価容量を示し、Mは一対の共振器電極間の磁界結合を集中定数のインダクタンスで表したものである。磁界結合によるMと、電界結合によるCmとで、通過帯域外に減衰極が生じ、その減衰極の周波数は、MとCmにより決定される。
この帯域通過フィルタでは、通過帯域付近の周波数において共振器電極パターンの開放端J,Kで生じている容量結合が短絡側I,Lで生じている磁界結合より強くなるように共振器電極パターンを配置している。これにより、通過帯域での結合は容量性となり、通過帯域の低域側に磁気結合と容量結合による減衰極が形成される。二つの共振器電極パターンの結合度は開放端間距離d32と短絡端間距離d31により決定される(図7参照)。距離d32を狭くすると容量結合が強くなり、距離d31を狭くすると磁界結合Mが強くなる。結合度はこの容量結合度と磁界結合度の差によりほぼ決まる。また、フィルタの入出力インピーダンス整合は共振器電極パターンからの入出力引き出し電極の位置b3によりほぼ決定される。また、磁界結合Mと静電結合Cmにより通過帯域外に減衰極を生じ、その減衰極の周波数はこの磁界結合Mと静電結合Cmによる関係式によりほぼ決定される。
上述したように、通過帯域の結合が容量性の場合は通過帯域より低域側に減衰極が形成され、磁界結合と静電結合の強さを調整することにより、減衰極周波数を調整し、通過帯域近傍の減衰量を大きくし、優れた減衰特性を得る事が出来る。通過帯域近傍の減衰量を大きくするために、減衰極を通過帯域付近に近づけるには磁界結合を大きくする必要があるので、従来技術においては図11における共振器電極間距離fを小さくしなければならない。しかしながら、低背化するために上下のシールド電極間距離を短くすると、磁界が著しく弱くなり、距離fをかなり小さくする必要があり製造プロセスの限界により制限されてしまう。
本発明では、共振器電極パターンと別層に磁界結合電極が追加され、グリーンシートS66上に磁界結合電極パターンP661が形成されている。この磁界結合電極パターンはコの字型をしており、図6に示す様に2つの共振器電極パターンP641,P642の中央部と対向する位置に形成されている。また、磁界結合電極パターンP661の両端はチップ端部に露出しており接地電極3に接続されている。図7に示すように、この磁界結合電極パターンP661の線幅w3の方が共振器電極パターンP641,P642の幅に対して狭くなっているが、これは積層ズレによるフィルタ特性の変化を抑える為である。
図6の帯域通過フィルタでは通過帯域付近の周波数において共振器電極の開放端側で生じている静電結合が短絡側で生じている磁界結合より強くなるように共振器電極パターンを配置している。これにより、通過帯域での結合は容量性となっており、通過帯域より低域側に磁気結合Mと容量(電界)結合Cmによる減衰極が形成される。
次に、本発明の帯域通過フィルタにおける磁界結合Mおよび電界結合Cmの調整方法について説明する。電界結合Cmの調整は、従来の帯域通過フィルタと同様に共振器電極パターンの開放端間距離d32(図7)を変更することにより行う。距離d32を小さくすれば電界結合が強くなり、逆に大きくすれば弱くなる。さらに電界結合を強くする場合には図示してないが、共振器電極パターンの開放端部電極面に対面するように容量結合電極パターンを別層に設けても良い。
磁界結合Mの調整は、磁界結合電極パターンP661と共振器電極パターンP641,P642の層間距離t3(図7(b))を変更することにより行う。t3を小さくすれば磁界結合が強くなり、大きくすれば弱くなる。この磁界結合Mの調整が従来の帯域通過フィルタと大きく異なる箇所であり、本発明の帯域通過フィルタの特徴とするところである。即ち、磁界結合電極パターンを共振器電極パターンと別層に設け、この層間距離t3を調整するようにしたものである。この構成であれば、低背によりシールド電極間距離が短くなったとしても、t3を調整することにより磁界結合を強くすることが可能となるので、磁界結合Mと静電結合Cmで生じている低域側減衰極を通過帯域付近に近づけることが容易となり、低背化しても低域側減衰特性が優れた帯域通過フィルタを設計することが出来る。
図9(a)に本発明の帯域通過フィルタと従来の帯域通過フィルタの特性比較を示す。両帯域通過フィルタの高さ、およびシールド電極間距離は同じである。同図より判るとおり、本発明の帯域通過フィルタでは減衰極が通過帯域付近に近づいており、通過帯域近傍の減衰特性が優れている。更に、低背化しようとすると従来型はさらに減衰極が通過帯域から離れてしまい通過帯域付近での減衰量を大きくすることは困難であるが、本発明の帯域通過フィルタであれば、層間距離t3を調整すれば容易に減衰極周波数を通過帯域に近づけることが可能である。
本発明の第1実施例の積層型帯域通過フィルタに関して、グリーンシートS5として、3種の厚さの異なるグリーンシート(t=270μm、320μm、420μm)を使用して、層間距離tを変えて共振器電極パターンP41,P42と磁界結合電極パターンP61との磁界結合Mの結合度を変えた時の電磁界シミュレーションによる伝送特性を図9(b)に示す。この結果によれば、層間距離tが減少すると減衰極周波数が通過帯域の周波数に近づき、通過帯域近傍の周波数特性が改善されていることが判る。
なお、上記のようなセラミック積層型帯域通過フィルタの3つの実施例を示したが、本発明は上記実施例に限定するものでなく、例えば、低温焼成セラミック基板に積層型フィルタを内層化した高周波モジュールにも適用できる。このように、本発明の趣旨を逸脱することなく、種々の変形実施例が可能なことは勿論である。
セラミック積層型帯域通過フィルタの外観図である。 本発明の第1実施例であるセラミック積層型帯域通過フィルタの各グリーンシートに配置された内部電極パターン例を示す分解斜視図である。 本発明の第1実施例であるセラミック積層型帯域通過フィルタの共振器電極パターンと入出力電極パターンに対して磁界結合電極パターンの相対位置を示す平面図である。 本発明の第1実施例であるセラミック積層型帯域通過フィルタの図3に示すA−A線による断面図である。 本発明の第2実施例であるセラミック積層型帯域通過フィルタの各グリーンシートに配置された内部電極パターン例を示す分解斜視図である。 本発明の第3実施例であるセラミック積層型帯域通過フィルタの各グリーンシートに配置された内部電極パターン例を示す分解斜視図である。 本発明の第3実施例であるセラミック積層型帯域通過フィルタの共振器電極パターンと入出力電極パターンに対して磁界結合電極パターンの相対位置を示す(a)平面図と(b)図7(a)に示すH−H線による断面図である。 本発明の(a)第1実施例と(b)従来例のセラミック積層型帯域通過フィルタの等価回路図である。 本発明の第1実施例と従来例のセラミック積層型帯域通過フィルタの伝送特性図であり、(a)は第1実施例の伝送特性(点線)と従来例の伝送特性(実線)であり、(b)は、本発明の第1実施例に関してグリーンシート厚を変えた時の伝送特性を示す。 従来例の各グリーンシートに配置された内部電極パターン例を示す分解斜視図である。 従来例の共振器電極パターンと入出力電極パターンを示す平面図である。
符号の説明
1,2 入出力電極
3,4 接地電極
5 セラミックチップ
S1〜S9,S51〜S60,S61〜S69 グリーンシート
S101〜S107 グリーンシート
P21,P81,P521,P591,P621,P681 シールドパターン
P1021,P1061 シールドパターン
P41,P42,P551,P552 共振器電極パターン
P641,P642,P1041,P1042 共振器電極パターン
P41a,P42a,P541,P542 入出力電極パターン
P641a,P642a,P1041a,P1042a 入出力電極パターン
P61,P571,P661 磁界結合電極パターン

Claims (7)

  1. 導体電極が形成された複数の誘電体シートまたは絶縁体シートを積層して形成されたフィルタまたはモジュール基板内に、片側が短絡端、他方は開放端となっている2個のストリップ線路型共振器電極パターンが配置された積層型帯域通過フィルタであって、
    前記ストリップ線路型共振器電極パターンは、前記短絡端が基板側面の接地電極に接続され、前記基板側面から帯状に延伸し、直角方向に折れ曲がり、さらに前記基板側面に向けて直角方向に折れ曲がり、前記開放端を形成し、
    帯状のコの字型磁界結合電極パターンを、前記2個のストリップ線路型共振器電極パターンの前記基板側面から帯状に延伸し、直角方向に折れ曲がった部分に対向するように、該共振器電極パターンが形成されている層とは別層に配置し、
    前記コの字型磁界結合電極パターンの両端は前記共振器電極が短絡された接地電極に接続されていることを特徴とする積層型帯域通過フィルタ。
  2. 前記ストリップ線路型共振器電極パターンと上下シールド電極間との距離が1mm以下の低背であることを特徴とする請求項1記載の積層型帯域通過フィルタ。
  3. 前記帯域通過フィルタにおいて、前記共振器電極パターンがコの字型であり、前記コの字型共振器電極パターンの開放端側が向かい合うように配置されたことを特徴とする請求項1記載の積層型帯域通過フィルタ。
  4. 前記帯域通過フィルタにおいて、前記共振器電極パターンの開放端側が、前記共振器電極パターンの短絡端側に対して幅広のSIR(stepped Impedance Resonator)となっていることを特徴とする請求項1記載の積層型帯域通過フィルタ。
  5. 入出力電極パターンが前記共振器電極パターンの途中より取り出されていることを特徴とする請求項1、3、または4記載の積層型帯域通過フィルタ。
  6. 入出力電極パターンが前記共振器電極とは別層に、前記共振器電極パターンの一部と対向するように形成され、容量結合により取り出されていることを特徴とする請求項1、3、または4記載の積層型帯域通過フィルタ。
  7. 前記帯状のコの字型磁界結合電極パターンの幅が、前記ストリップ線路型共振器電極パターンの幅よりも狭く、且つ前記ストリップ線路型共振器電極パターンの幅の範囲内に配置されたことを特徴とする請求項1記載の積層型帯域通過フィルタ。
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