JP3959738B2 - 反応染料可染性架橋アクリレート系繊維及び繊維構造体並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反応染料可染性架橋アクリレート系繊維及び反応染料可染性架橋アクリレート系繊維を含有した繊維構造体並びにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
優れた吸放湿性、抗菌性、消臭性を有する架橋アクリレート系繊維と呼ばれる繊維が知られている。かかる繊維は、色相が淡桃色から淡褐色であることが知られている。また、このような架橋アクリレート系繊維は、染着座席として機能するカルボキシル基を有しており、カチオン染料で繊維に色を付けることはできるが、繊維自身の持っている水膨潤性のために、染色堅牢度が悪いことから、実用的なレベルの染色はできないものとされていた。従って、かかる繊維を単独で使用したもののみならず、混用した繊維構造体においても、染色が必要とされる分野への応用は制限されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる現状に基づきなされたものであり、吸放湿性、抗菌性、消臭性、湿潤摩擦染色堅牢度性に優れた反応染料可染性架橋アクリレート系繊維及び反応染料可染性架橋アクリレート系繊維を含有した繊維構造体並びにそれらの製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述した本発明の目的は、20℃x65%RH条件での飽和吸湿率が20重量%以上、且つ湿潤摩擦染色堅牢度が3級以上であることを特徴とする反応染料可染性架橋アクリレート系繊維により達成することが出来る。
【0005】
さらに、1分子中に水酸基及びアミノ基を有する可染化化合物が含有されてなる反応染料可染性架橋アクリレート系繊維であることにより、好適に達成することが出来る。
【0006】
また、本発明の繊維はアクリル系繊維にヒドラジン系化合物による架橋導入処理、アルカリ金属塩水溶液による加水分解処理が施された架橋アクリレート系繊維を、1分子中に水酸基及びアミノ基を有する可染化化合物水溶液にて含浸処理し、該可染化化合物を繊維に含有せしめる、20℃x65%RH条件での飽和吸湿率が20重量%以上、且つ湿潤摩擦染色堅牢度が3級以上である反応染料可染性架橋アクリレート系繊維の製造方法により製造することが出来る。
【0007】
さらに、本発明により反応染料可染性架橋アクリレート系繊維を3重量%以上含有し、20℃x65%RH条件での飽和吸湿率が5重量%以上、且つ湿潤摩擦染色堅牢度が3級以上であることを特徴とする繊維構造体が提供される。また、かかる繊維構造体は、上述の反応染料可染性架橋アクリレート系繊維を3重量%以上、残余はその他の素材で構成するという手段でも得られるが、アクリル系繊維にヒドラジン系化合物による架橋導入処理、アルカリ金属塩水溶液による加水分解処理が施された架橋アクリレート系繊維を3重量%以上含有してなる繊維基材を、1分子中に水酸基及びアミノ基を有する可染化化合物水溶液にて含浸処理し、該可染化化合物を前記架橋アクリレート系繊維に含有せしめる、20℃x65%RH条件での飽和吸湿率が5重量%以上、且つ湿潤摩擦染色堅牢度が3級以上である繊維構造体の製造方法により製造することも出来る。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳述する。本発明の採用する架橋アクリレート系繊維の出発アクリル系繊維としてはアクリロニトリル(以下、ANという)を40重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上含有するAN系重合体により形成された繊維であり、短繊維、トウ、糸、編織物、不織布等いずれの形態のものでも良く、また、製造工程中途品、廃繊維などでも構わない。AN系重合体は、AN単独重合体、ANと他の単量体との共重合体のいずれでも良いが、AN以外の共重合成分としてはメタリルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体及びその塩;スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル等の単量体など、ANと共重合可能な単量体であれば特に限定されない。
【0009】
該アクリル系繊維は、ヒドラジン系化合物により架橋導入処理を施され、アクリル系繊維の溶剤では最早溶解されないものとなるという意味で架橋が形成されて架橋アクリル系繊維となり、同時に結果として窒素含有量の増加が起きるが、その手段は特に限定されるものではない。この処理による窒素含有量の増加を1.0〜10重量%に調整し得る手段が好ましいが、窒素含有量の増加が0.1〜1.0重量%であっても、アクリレート系への変成を経て本発明繊維の特徴を充たす反応染料可染性架橋アクリレート系繊維が得られる手段である限り採用し得る。なお、窒素含有量の増加を1.0〜10重量%に調整し得る手段としては、ヒドラジン系化合物の濃度5〜60重量%の水溶液中、温度50〜120℃で5時間以内で処理する手段が工業的に好ましい。尚、窒素含有量の増加を低率に抑えるには、反応工学の教える処に従い、これらの条件をよりマイルドな方向にすればよい。ここで、窒素含有量の増加とは原料アクリル系繊維の窒素含有量とヒドラジン系化合物による架橋が導入された架橋アクリル系繊維の窒素含有量との差をいう。
【0010】
ここに使用するヒドラジン系化合物としては、特に限定されるものでなく、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、臭素酸ヒドラジン、ヒドラジンカーボネート等、この他エチレンジアミン、硫酸グアニジン、塩酸グアニジン、リン酸グアニジン、メラミン等のアミノ基を複数含有する化合物が例示される。
【0011】
かかるヒドラジン系化合物による架橋導入処理工程を経た繊維は、該処理で残留したヒドラジン系化合物は、十分に除去した後、酸処理を施しても良い。ここに使用する酸としては、硝酸、硫酸、塩酸等の鉱酸の水溶液、有機酸等が挙げられるが特に限定されない。該酸処理の条件としては、特に限定されないが、大概酸濃度5〜20重量%、好ましくは7〜15重量%の水溶液に、温度50〜120℃で0.5〜10時間被処理繊維を浸漬するといった例が挙げられる。
【0012】
ヒドラジン系化合物による架橋導入処理工程を経た繊維、或いはさらに酸処理を経た繊維は、続いてアクリレート系への変成の為にアルカリ性金属塩水溶液により加水分解される。この処理により、アクリル系繊維のヒドラジン系化合物処理による架橋導入処理に関与せずに残留しているCN基、又は架橋処理工程後酸処理を施した場合には残留しているCN基と一部酸処理で加水分解されて生成しているCONH2基の加水分解が進められる。これらの基は加水分解によりカルボキシル基を形成するが、使用している薬剤がアルカリ性金属塩であるので、結局金属塩型カルボキシル基を生成する。ここで使用するアルカリ性金属塩としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩等が挙げられる。採用するアルカリ性金属塩処理の条件は特に限定されないが、1〜10重量%さらに好ましくは1〜5重量%の水溶液中、温度50〜120度で1〜10時間以内で処理する手段が工業的、繊維物性的にも好ましい。
【0013】
ここで金属塩の種類即ちカルボキシル基の塩型としては、Li,Na,K等のアルカリ金属、Mg,Ca,Ba等のアルカリ土類金属を挙げることが出来る。加水分解を進める程度即ち金属塩型カルボキシル基の生成量は1〜10mmol/g、好ましくは3〜10mmol/g、より好ましくは3〜8mmol/gで好結果が得られやすく、これは上述した処理の際の薬剤の濃度や温度,処理時間の組合せで容易に行うことができる。尚、かかる加水分解工程を経た繊維は、CN基が残留していてもいなくてもよい。CN基が残留していれば、その反応性を利用して、さらなる機能を付与する可能性がある。塩型カルボキシル基の量が1mmol/g未満の場合には、充分な吸湿性が得られないことがあったり、また10mmol/gを超える場合には、実用上満足し得る繊維物性が得られないことがある。
【0014】
加水分解を施された繊維は、必要に応じ塩型調整処理を行っても良い。かかる塩型調整処理に採用される金属塩の金属種類としては、Li、Na、K、Ca、Mg、Ba、Alから選ばれるが、Na、K、Ca、Mg等が特に推奨される。又塩型調整に用いる塩の種類としては、これらの金属の水溶性塩であれば良く、例えば水酸化物,ハロゲン化物,硝酸塩,硫酸塩,炭酸塩等が挙げられる。具体的には、夫々の金属で代表的なものとして、Na塩としてはNaOH、Na2CO3、K塩としてはKOH、Ca塩としてはCa(OH)2、Ca(NO3)2、CaCl2が好適である。
【0015】
なお、本発明に採用される架橋アクリレート系繊維としては、本発明の反応染料可染性架橋アクリレート系繊維の性能を阻害しない限り、上述した架橋導入処理、酸処理、加水分解処理、塩型調整処理以外の処理を施したものであってもかまわない。
【0016】
本発明の反応染料可染性架橋アクリレート系繊維は、かかる架橋アクリレート系繊維であって、既述の条件下の飽和吸湿率が20重量%以上であり、しかも反応染料による染色が施された場合の湿潤摩擦染色堅牢度が3級以上を示すものである。このような発明の繊維の具体例は、架橋アクリレート系繊維で、さらに反応染料の活性基と反応して結合し得る水酸基及び/又はアミノ基を有するものであり、かかる繊維は水酸基及び/又はアミノ基を備えている可染化化合物を上述のごとくして得られる架橋アクリレート系繊維に含有せしめることによって得られる。
【0017】
かかる水酸基及び/又はアミノ基を有する可染化化合物を、架橋アクリレート系繊維に含有せしめる方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、(1)可染化化合物を、1分子中に可染化化合物の有する官能基及び架橋アクリレート系繊維の有するカルボキシル基と夫々反応しうる官能基を有する化合物即ち、同一種又は異なる種の少なくとも2個の官能基を有する架橋性化合物によって、架橋アクリレート系繊維に含有させる方法、(2)水酸基及び/又はアミノ基を有し、且つ架橋アクリレート系繊維のカルボキシル基と反応しうる官能基を有する可染化化合物を架橋アクリレート系繊維に含有させる方法等が挙げられるが、(1)の方法は、可染化プロセスが複雑となり、またコストも高いものとなるため(2)の方法が推奨される。
【0018】
従って、可染化化合物としては、1分子中に(A)反応染料の活性基と反応して結合し得る官能基、(B)架橋アクリレート系繊維のカルボキシル基と反応しうる官能基、の両方の官能基を含むものであることが好ましい。ここで、(A)の官能基としては水酸基であることが望ましい。アミノ基の場合は、架橋アクリレート系繊維のカルボキシル基との反応によって消費されてしまう場合がある。一方(B)の官能基としては、アミノ基が望ましい。従って、可染化化合物としては、1分子中に水酸基とアミノ基を有するものであることが最も好ましい。尚、1分子中の水酸基あるいはアミノ基の数は複数であっても構わない。
【0019】
かかる可染化化合物としては、キトサン、ポリガラクトサミン等が例示されるが、1分子中に水酸基とアミノ基を有し、反応染料によって染色されるものであればよく、これらの化合物に限定されるものではない。
【0020】
かかる可染化化合物の架橋アクリレート系繊維に含有せしめる量は、染色を施した繊維の、必要とされる色の濃淡程度に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではないが、含有量が0.1重量%未満では、非常に淡い色にしか染色できなかったり、8.0%重量を超えると、濃色にも染色できるが、繊維が硬くなり風合い低下を招いたりすることがあるため、架橋アクリレート系繊維に対し0.1〜8.0重量%含有されていることが好ましく、より好ましくは0.1〜6.0重量%である。
【0021】
上述した架橋アクリレート系繊維に1分子中に水酸基とアミノ基を有する可染化化合物を含有せしめる方法としては、該架橋アクリレート系繊維に、該可染化化合物水溶液を、噴霧、浸漬、塗布等の方法により含浸処理する方法が例示される。
【0022】
含浸処理条件としては特に限定されるものではなく、可染化化合物水溶液の可染化化合物濃度、処理温度、処理時間は架橋アクリレート系繊維に対し、必要量の可染化化合物が含有されるよう、また該水溶液の粘度等を考慮して適宜設定すればよいが、可染化化合物濃度としては、キトサンの場合であれば、0.01重量%〜8.0重量%、好ましくは0.01〜5.0重量%、より好ましくは0.1〜3.0重量%である。可染化化合物濃度が0.01重量%未満の場合は、必要量の可染化合物を繊維に含有せしめるために長時間必要であったり、必要量の可染化化合物を含有せしめることができなかったりすることがある。濃度が8.0重量%を超える場合は、可染化化合物水溶液の粘度が高くなり、取り扱いにくくなったり、必要量以上の可染化化合物が含有され、繊維の風合いを損ねたりすることがある。なお、含浸処理後は、必要に応じて、適宜水洗、乾燥を行う。可染化化合物の含有量は、発明の繊維を製造する際には含浸処理前後の重量変化で把握されるし、構造体に含有せしめる場合も含浸処理前後の繊維基材の重量変化で把握できる。
【0023】
上述したように、1分子中に水酸基とアミノ基を有する可染化化合物の一例はキトサンであり、かかるキトサンは、グルコサミン単位を主構成とする多糖であり、カニ、エビ等の甲殻に存在するキチンを脱アセチル化して得られるものである。かかる脱アセチル化度は特に限定されるものではないが、85%以上が水溶液を形成し易い点で好ましい。キトサンは水に難溶であるため、塩酸、硫酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、乳酸、酒石酸、などの有機酸の稀薄な水溶液に溶解し使用する。
【0024】
ここで、キトサンを溶解させるための水溶液中の酸の濃度としては、キトサンが水に溶解する濃度であればよく、塩酸の場合を例に挙げればキトサンの0.1〜5重量%に相当する酸が存在すれば良い。酸の使用量が少なければキトサンが溶解できないか、また、溶解に長時間を要する。
また、キトサンの分子量も特に限定されるものではないが、分子量1万〜100万程度のものが好ましく、溶液とした際、取り扱い易い粘度の水溶液が得られやすい5万〜80万のものが好ましく用いられる。
【0025】
本発明の反応染料可染性架橋アクリレート系繊維は、20℃x65%RH条件での飽和吸湿率が20%重量以上、且つ湿潤摩擦染色堅牢度が3級以上という性能を有するものである。20℃x65%RH条件での飽和吸湿率が20%重量未満の場合には、吸湿性をうたう繊維としての吸湿性能に欠け、湿潤摩擦染色堅牢度が3級未満の場合は、実用的な堅牢性を有しているとは言えず採用できない。なお、好ましくは4級以上である。
【0026】
本発明の繊維構造体は、反応染料可染性架橋アクリレート系繊維を3重量%以上含有し、20℃x65%RH条件での飽和吸湿率が5重量%以上、且つ湿潤摩擦染色堅牢度が3級以上であることを特徴とするものである。20℃x65%RH条件での飽和吸湿率が5%重量未満の場合には、吸湿性をうたう繊維構造体としての吸湿性能に欠け、湿潤摩擦染色堅牢度が3級未満の場合は、実用的な堅牢性を有しているとは言えず採用できない。なお、好ましくは4級以上である。
【0027】
かかる構造体は、例えば上述してきた反応染料可染性架橋アクリレート系繊維3重量%以上と、残余の他の素材とを混紡して糸とすることでも形成することが出来る。本発明の繊維構造体の外観形態としては、糸、ヤーン(ラップヤーンも含む)、フィラメント、織物、編物、不織布、紙状物、シート状物、積層体、綿状体(球状や塊状のものを含む)等があり、さらにはそれらに外被を設けたものもある。該構造体内における反応染料可染性架橋アクリレート系繊維の含有形態としては、残余の97重量%以下を担う他素材との混合により、実質的に均一に分布したもの、複数の層を有する構造の場合には、いずれかの層(単数でも複数でも良い)に集中して存在せしめたものや、夫々の層に特定比率で分布せしめるもの等がある。
【0028】
従って本発明の繊維構造体は、上記に例示した外観形態及び含有形態の組合せとして、無数のものが存在する。いかなる構造体とするかは、最終製品の使用態様(例えばシーズン性、運動性や内衣か中衣か外衣か、カーテンやカーペット、寝具やクッション、インソールや空調器等としての利用の仕方など)、要求される機能、かかる機能を発現することへの反応染料可染性架橋アクリレート系繊維の寄与の仕方等を勘案して適宜決定される。
【0029】
本発明の繊維構造体において併用しうる他素材としては特に限定されず、公用されている天然繊維、有機繊維、半合成繊維、合成繊維が用いられ、さらには無機繊維、ガラス繊維等も用途によっては採用し得る。また併用し得る素材は繊維に限らず、フィルムとラミネートする、あるいはフィルムに埋設して構造体とするなど、プラスチック、ゴム等も採用し得る。特に好ましい他の繊維を例示すれば、羊毛やコットン等の天然繊維、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル繊維等の合成繊維あるいはレーヨン、ポリノジック繊維等である。
【0030】
なお、本発明の繊維構造体は前記した通り、反応染料可染性架橋アクリレート系繊維を3重量%以上含有したものである。したがって他の素材例えば繊維、ラバー、ゴム、樹脂、プラスチック等は、全体の97重量%以下の割合で併用されるが、該構造体が反応染料可染性架橋アクリレート系繊維単独、即ち100重量%でなる場合は、他の素材の併用はない。通常他の繊維との混紡によって構造体とする場合、反応染料可染性架橋アクリレート系繊維の使用量は3重量%以上100重量%未満、好ましくは5重量%〜50重量%である。3重量%未満では、構造体として十分なレベルの機能を発現させるに至らない。使用形態は、肌着では他の繊維と混紡して紡績糸として織編地の形の繊維構造体として用いるのが好ましい。スポーツ衣料等では、本発明の反応染料可染性架橋アクリレート系繊維単独又は他の繊維と混用してウェッブシートとなし、該シートを他の繊維シート又は織編物と積層して用いることが好ましい。
【0031】
本発明の繊維構造体は、上述のごとくして作成された本発明の反応染料可染性架橋アクリレート系繊維を用いて、他の素材と例えば単に混紡して製造することが出来るほか、架橋アクリレート系繊維を3重量%以上含有する繊維基材を、1分子中に水酸基及びアミノ基を有する可染化化合物水溶液にて含浸処理し、該可染化化合物を前記架橋アクリレート系繊維に上述の方法で含有せしめ、20℃x65%RH条件での飽和吸湿率が5%重量以上、且つ湿潤摩擦染色堅牢度が3級以上の繊維構造体とする方法によっても製造することが出来る。
【0032】
この方法においても、可染化化合物の選択、該化合物の架橋アクリレート系繊維に含有せしめる量、含浸処理条件については、反応性染料可染性アクリレート系繊維で既述した事項が適用され、得られた構造体の諸特性についても然りである。ところでこの方法においては、当然のことながら繊維基材中の架橋アクリレート系繊維は、繊維構造体中では反応染料可染性架橋アクリレート系繊維となっており、本方法は反応染料可染性架橋アクリレート系繊維の製造方法としても採用しうるものである。また、本方法において、架橋アクリレート系繊維だけでなく、繊維構造体を構成するその他の素材にも可染化化合物が含有されても構わない。なお、繊維構造体の可染化化合物の含有量は、架橋アクリレート系繊維に対する好ましい含有量が0.1〜8.0重量%であることから、0.003重量%〜8.0重量%であることが好ましい。
【0033】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明する。実施例中の部及び百分率は、断りのない限り重量基準で示す。実施例中の評価条件および評価方法は以下のとおりである。
【0034】
(1)金属塩型カルボキシル基量(mmol/g)
十分乾燥した架橋アクリレート系繊維約1gを精秤し(Xg)、これに200mlの水を加えた後、50℃に加温しながら1mol/l塩酸水溶液を添加してpH2にし、次いで0.1mol/l苛性ソーダ水溶液で常法に従って滴定曲線を求めた。該滴定曲線からカルボキシル基に消費された苛性ソーダ水溶液消費量(Yml)を求め、次式によってカルボキシル基量(mmol/g)を算出した。
(カルボキシル基量)=0.1Y/X
別途、上述のカルボキシル基量測定操作中の1mol/l塩酸水溶液の添加によるpH2への調整をすることなく同様に滴定曲線を求めH型カルボキシル基量(mmol/g)を求めた。これらの結果から次式により金属塩型カルボキシル基量を算出した。
(金属塩型カルボキシル基量)=(カルボキシル基量)−(H型カルボキシル基量)
【0035】
(2)飽和吸湿率(重量%)
繊維又は構造体試料約5.0gを熱風乾燥機で105℃、16時間乾燥して重量を測定する(W1g)。次に試料を温度20℃で65%RHの恒湿槽に24時間入れておく。このようにして吸湿した試料の重量を測定する(W2g)。以上の測定結果から、次式によって算出した。
(飽和吸湿率 重量%)={(W2−W1)/W1}×100
【0036】
(3)湿潤摩擦染色堅牢度(級)
繊維試料を、常法に従って紡績して綿番手40/1の紡績糸を作成し、該紡績糸を16ゲージ2プライでゴム編みして、目付が約200g/m2の編み地に編成(構造体)した後、反応性染料の通常処方を用いて染色を行い、湿潤摩擦染色堅牢度を以下の方法で評価した。なお、構造体はそのまま、反応性染料の通常処方を用いて染色を行ったものを評価試料とした。
染色編み地と摩擦布(水分率100%の白綿布)を200g/25cm2の摩擦圧で押圧しつつ30往復/分で100回互いに摩擦し、摩擦布の着色程度を汚染用グレースケールを用いて視感で比較判定する。
なお、染料は反応染料であるSumifix Supra Blue BRF(住友化学製)を用いた。
【0037】
実施例1、比較例1
AN90重量%、酢酸ビニル10重量%からなるAN系重合体(30℃ジメチルホルムアミド中での極限粘度[η]:1.2)10部を48%のロダンソーダ水溶液90部に溶解した紡糸原液を、常法に従って紡糸、延伸(全延伸倍率:10倍)した後、乾球/湿球=120℃/60℃の雰囲気下で乾燥、湿熱処理して単繊維繊度0.9dtexの原料繊維を得た。
【0038】
該原料繊維に、水加ヒドラジンの20重量%水溶液中で、98℃×5Hr架橋導入処理を行い、洗浄した。本処理による窒素含有量の増加は、5.0重量%であった。次に、硝酸の3重量%水溶液中、90℃×2Hr酸処理を行った。続いて苛性ソーダの3重量%水溶液中で、90℃×2Hr加水分解処理を行い、純水で洗浄した。この処理により、繊維にNa型カルボキシル基が5.5mmol/g生成していた。以上の工程を経た繊維を、水洗、油剤付与、脱水、乾燥し、架橋アクリレート系繊維を得、これを比較例1とした。
【0039】
可染化化合物として1分子中に水酸基及びアミノ基を共に有するキトサンを採用した。先ず、塩酸1.0重量%水溶液にコーヨーキトサンSK−50(甲陽ケミカル社製)0.5重量%を溶解し、キトサン水溶液を作成した。前述した比較例1の架橋アクリレート系繊維を該キトサン水溶液に浴比1/20、温度25℃で15分間浸漬し、繊維を取り出し流水で5分間洗浄し、105℃の熱風乾燥機で乾燥し、実施例1の反応染料可染性架橋アクリレート系繊維を得た。得られた繊維の評価を行ない、その結果を、架橋アクリレート系繊維の金属塩型カルボキシル基量と共に表1に示した。
【0040】
実施例2
加水分解処理における苛性ソーダの濃度を2重量%、温度及び時間を90℃×1Hrとした以外は、実施例1と同様の方法により、架橋アクリレート系繊維を得た。該繊維はNa型力ルボキシル基を、3.2mmol/g有していた。該架橋アクリレート系繊維を用い、塩酸1.0重量%水溶液にコーヨーキトサンSK−50(甲陽ケミカル社製)0.05重量%を溶解したキトサン水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして実施例2の反応染料可染性架橋アクリレート系繊維を得た。得られた繊維の評価を行い、その結果を表1に併記した。
【0041】
実施例3
加水分解処理における苛性ソーダの濃度を8重量%、温度及び時間を98℃×2Hrとした以外は、実施例1と同様の方法により、架橋アクリレート系繊維を得た。該繊維はNa型力ルボキシル基を、8.5mmol/g有していた。該架橋アクリレート系繊維を用い、塩酸3.0重量%水溶液にコーヨーキトサンSK−50(甲陽ケミカル社製)1.5重量%を溶解したキトサン水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして実施例3の反応染料可染性架橋アクリレート系繊維を得た。得られた繊維の評価を行い、その結果を表1に併記した。
【0042】
【表1】
【0043】
実施例4
実施例1で得られた反応染料可染性架橋アクリレート系繊維を30重量%、東洋紡績株式会社製ポリエステル繊維2T38を70重量%混綿し、常法に従って紡績して綿番手40/1の反応染料可染性アクリレート系繊維を含有するポリエステル混紡品である紡績糸を作成した。該紡績糸を16ゲージ2プライでゴム編みして、目付が約200g/m2の繊維構造体(編物)を作成した。得られた繊維構造体の評価を行い、その結果を表2に示した。
【0044】
比較例2
比較例1の架橋アクリレート系繊維を用いること以外は、実施例4と同様にして繊維構造体(編物)を作成した。得られた繊維構造体の評価を行い、その結果を表2に示した。
【0045】
実施例5
比較例1の架橋アクリレート系繊維を30重量%、東洋紡績株式会社製ポリエステル繊維2T38を70重量%混綿し、常法に従って紡績して綿番手40/1の架橋アクリレート系繊維を含有するポリエステル混紡品である紡績糸を作成した。該紡績糸を16ゲージ2プライでゴム編みして、目付が約200g/m2の繊維基材である編物試料を作成した。塩酸1.0重量%水溶液にコーヨーキトサンSK−10(甲陽ケミカル社製)0.5重量%を溶解し、キトサン水溶液を作成した。先の編物試料を該キトサン水溶液に浴比1/20、温度25℃で15分間浸漬し、編物試料を取り出し流水で5分間洗浄し、105℃の熱風乾燥機で乾燥し、反応染料可染性架橋アクリレート系繊維を含有する繊維構造体(編物)を得た。得られた繊維構造体の評価を行ない、その結果を、表2に示した。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】
本発明の、反応染料可染性架橋アクリレート系繊維及び反応染料可染性架橋アクリレート系繊維を含有した繊維構造体は、従来の架橋アクリレート系繊維及び該繊維を含有する繊維構造体の優れた吸湿性等の機能を維持し、且つ反応染料可染性基を備えているので、従来不可能であった反応染料による染色が可能な、湿潤摩擦染色堅牢度の優れた繊維又は構造体である。本発明による繊維は架橋アクリレート系繊維のように用途が限定されることなく、染色が必要とされる分野にも好適に使用できるものである。
Claims (4)
- アクリル系繊維にヒドラジン系化合物による架橋導入処理、アルカリ金属塩水溶液による加水分解処理が施された架橋アクリレート系繊維に、1分子中に水酸基及びアミノ基を有する可染化化合物が含有されてなり、20℃x65%RH条件での飽和吸湿率が20重量%以上、且つ湿潤摩擦染色堅牢度が3級以上であることを特徴とする反応染料可染性架橋アクリレート系繊維。
- アクリル系繊維にヒドラジン系化合物による架橋導入処理、アルカリ金属塩水溶液による加水分解処理が施された架橋アクリレート系繊維を、1分子中に水酸基及びアミノ基を有する可染化化合物水溶液にて含浸処理し、該可染化化合物を繊維に含有せしめる、20℃x65%RH条件での飽和吸湿率が20重量%以上、且つ湿潤摩擦染色堅牢度が3級以上である反応染料可染性架橋アクリレート系繊維の製造方法。
- アクリル系繊維にヒドラジン系化合物による架橋導入処理、アルカリ金属塩水溶液による加水分解処理が施された架橋アクリレート系繊維に、1分子中に水酸基及びアミノ基を有する可染化化合物が含有されてなる繊維を3重量%以上含有し、20℃x65%RH条件での飽和吸湿率が5重量%以上、且つ湿潤摩擦染色堅牢度が3級以上であることを特徴とする繊維構造体。
- アクリル系繊維にヒドラジン系化合物による架橋導入処理、アルカリ金属塩水溶液による加水分解処理が施された架橋アクリレート系繊維を3重量%以上含有してなる繊維基材を、1分子中に水酸基及びアミノ基を有する可染化化合物水溶液にて含浸処理し、該可染化化合物を前記架橋アクリレート系繊維に含有せしめる、20℃x65%RH条件での飽和吸湿率が5重量%以上、且つ湿潤摩擦染色堅牢度が3級以上である繊維構造体の製造方法。
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