JP3308769B2 - 染色性、風合いに優れたアクリル系合成繊維及びその製造法 - Google Patents

染色性、風合いに優れたアクリル系合成繊維及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は染色性、ソフトな風合い
に優れたアクリル系合成繊維及びその製造法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリル系合成繊維は最も獣毛調
風合い、光沢を有する繊維として認められ、天然毛皮を
想定したボアー、シール等のイミテーションファー分野
及びハイパイル分野に汎く使用されている。これら用途
には通常の丸(楕円)断面アクリル繊維の他に偏平断面を
有する繊維も多く使用されている。最近ではこれら用途
に使用されるアクリル繊維にはソフトな風合いを持つも
のが求められてきている。ソフトな風合いをアクリル繊
維に付与するには従来、特開昭60−21978号公報
や特開昭60−209048号公報などに記載された方
法があるが、これらの方法ではアクリル系合成繊維の水
浸透性が悪化したり、加工時の静電気発生が著しいた
め、染色性、加工性が著しく低下したり、製造が困難で
あったりする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点に鑑み、染色性に優れると同時にソフトな風合
いを併せ持つアクリル系合成繊維及びその製造法を提供
する事にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は湿式紡糸して延
伸、水洗後のゲル膨潤状態にあるアクリル系合成繊維束
に、油剤として、
【化5】 (R1 は炭素数15〜25のアルキル基、R2 は炭素数
1〜3のアルキレン基、R3 及びR4 は炭素数1〜5の
アルキル基、X- はジエチル硫酸塩である対イオン、を
表す。)で示されるカチオン界面活性剤(A)、
【化6】 (R1 は炭素数が15〜25のアルキル基を表し、nは
1〜5の整数である。)で示されるポリアミンポリアマ
イド系柔軟剤(B)、及び、ブロックポリエーテル
(C)を含み、それらの固形分組成が下記条件を満足す
る乳化液を付与した後乾燥緻密化されたものである染色
性、風合いに優れたアクリル系合成繊維である。 20≦C(A)≦70、10≦C(B)≦20、10≦
C(C)≦60、かつ、C(A)/C(B)≧2.0 ここで、C(A)、C(B)、C(C)は各々、
(A)、(B)、(C)の固形分組成(重量%)を表
す。
【0005】本発明で使用するカチオン界面活性剤
(A)は
【化7】 で示され、式中のアルキル基R1 の炭素数が15〜25
の範囲にあるものが、繊維への制電性付与の他、初期染
着速度低下作用による良好な緩染効果をもたらし、染色
斑発生を防止する効果を有する。より望ましくは炭素数
が18〜20の範囲がよい。式中のアルキル基R1 の炭
素数が15未満の場合、カチオン染料との交換反応が容
易に起こり、初期染着速度が低下せず、緩染効果が得ら
れない。逆に25を超える場合には緩染効果は得られる
ものの、長鎖アルキル基の強い疎水性により水浸透性が
著しく悪化する。
【0006】本発明で使用するポリアミンポリアマイド
系柔軟剤(B)は
【化8】 で示され、式中のアルキル基R1 の炭素数が15〜25
のものである。アルキル基R1 の炭素数が25を超える
ものは柔軟性を付与する効果はあるものの水浸透性が著
しく悪化するので好ましくない。
【0007】本発明で使用するブロックポリエーテル
(C)は分繊剤として働くものであって、その化学組成
は低級アルキレンオキシドのブロック共重合体である。
例えば、プロピレンオキシド(PO)/エチレンオ
ド(EO)のブロック共重合体の平均分子量が2000
〜15000でPO/EOのモル比率が20〜40/8
0〜60のものが分繊効果に優れている。
【0008】乳化液において成分(A)と成分(B)の
固形分換算含有量(重量%)C(A)及びC(B)は2
0≦C(A)≦70、10≦C(B)≦20の範囲が良
い。前記C(A)が20未満だと染着速度低下効果が得
られないばかりか、静電気も高くなる。逆に70を超え
ると他成分が少なくなり柔軟性、工程通過性が悪化す
る。一方、C(B)が10未満だと柔軟性が不足し、2
0を超えると水浸透性、静電気が著しく悪化する。ま
た、C(A)とC(B)の関係はC(A)/C(B)≧
2.0であることが望ましい。2.0未満であると制電
性、染着速度低下効果が得られない。
【0009】ブロックポリエーテル(C)は乳化液での
固形分換算含有量(重量%)C(C)が10≦C(C)
≦60の範囲に有ることが望ましい。C(C)が10未
満であると分繊性が不足し、工程通過性が悪化する。C
(C)が60を超えると他成分が少なくなり、柔軟性、
染着速度低下効果が得られない。
【0010】本発明で油剤として使用する乳化液の使用
量は通常のアクリル系合成繊維用油剤と同量で良いが、
望ましくは前記油剤組成で繊維重量に対して偏平繊維で
は0.2〜0.7%、丸断面繊維では0.1〜0.5%
の範囲になる様に付着させる。この範囲外であると柔軟
性、染着速度低下効果と操業性を共に満足する事が出来
ない。
【0011】本発明に使用するアクリル系合成繊維を構
成するアクリロニトリル共重合成分としては少なくとも
40重量%以上のアクリロニトリルを含有するもので繊
維形成能を有するものが望ましい。すなわち、アクリロ
ニトリルを40重量%以上と他のビニル系モノマー、例
えばアクリル酸、メタクリル酸、或いはこれらのアルキ
ルエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、アリルスルホン酸ソーダ、メタリルスルホン酸ソー
ダ、ビニルスルホン酸ソーダ、スチレンスルホン酸ソー
ダ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸ソーダなどを適宜組み合わせたものを60重量%未満
の割合で共重合せしめたものが挙げられる。
【0012】紡糸は通常のアクリル系合成繊維と同様な
条件で行えば良く、数段の浴槽を通し、順次延伸、水洗
を行い、ゲル膨潤状態の繊維を得る。
【0013】尚、繊維断面は丸型、偏平、その他の異型
等どの様な断面でもかまわないが、特に偏平、異型断面
に本発明に係る前記の油剤は効果的に作用する。本発明
はこの様に得られた繊維に対して前記の乳化液を付与
し、その後乾燥緻密化する。その際、120〜160℃
のローラー式乾燥機及び/又は120〜160℃の熱風
乾燥機を用いて処理することが望ましい。処理温度が1
20℃未満だと繊維が緻密化せず、一方、180℃を超
えると繊維の着色、脆化の面で好ましくない。次いで制
電成分を主成分とする紡績油剤を付与し、クリンプ、カ
ット等の後処理を行う。
【0014】
【発明の効果】本発明によって得られた繊維はソフトな
風合いを有し、染色斑を発生する事無く、緩染剤使用量
を低下することができ、染色時間の短縮も同時に可能で
ある。又、本発明の製造法は上記アクリル系合成繊維を
工業的に容易にかつ安価に製造出来る方法である。
【0015】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中「%」とあるのは「重量%」を意味
する。油剤付着量についてはソックスレー抽出器を用い
て還流、抽出して求めた。乾燥緻密化工程とカードで発
生する静電気の量は春日電機(株)集電式電位測定器で
測定した。水浸透性は良く開繊された1gの綿を直径2
cmに丸め、20℃の水道水に浮かべ、これが完全に水
没する時間とする。原綿の風合いは5名の有識判定者に
より良好なものから順に◎、○、△、×の4段階で判定
した。染着速度はカチオン染料を用いて浴比1:20
0、pH4.5で測定し、染着速度低下の程度を効果が
大きいものから順に○、△、×の3段階で判断した。
【0016】実施例1〜3、比較例1〜3 アクリロニトリル(AN)/塩化ビニリデン(VCl
2)/2−アクリルアミド−2−メチルロパンスルホ
ン酸ソーダ(SAM)=56/40/4(重量%)から
なるアクリル系共重合体を重合体濃度28%になる様に
ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した紡糸原液を
作成した。次いでこの紡糸原液に酸化チタンをDMF分
散液状で1.2重量%添加し0.336mm×0.05
6mm、25000ホールの偏平型口金を通してDMF
/水=55/45(重量%)、20℃の凝固浴に紡出し
5.5倍延伸した後、水洗してゲル膨潤状態の繊維を得
た。
【0017】上記方法にて得られた繊維にC18カチオン
界面活性剤(A)(R1 の炭素数18、R2 の炭素数
2、R3 、R4 の各炭素数4)、C18ポリアミンポリア
マイド系柔軟剤(B)(R1 の炭素数18、nは2):
ブロックポリエーテル(C)(竹本油脂株式会社製、商
品名:KXT−499)の混合乳化物を表1の通り付与
し表面温度140℃のローラー式乾燥機で緻密化した。
その後、紡績用の2次油剤として防電剤:ポリエーテル
=70:30の油剤を噴霧してクリンプ、カット、乾燥
を行い7d×51mmの本発明の偏平繊維を得た。ま
た、C18カチオン界面活性剤:C18ポリアミンポリアマ
イド系柔軟剤:ブロックポリエーテルの比率が本発明の
範囲を超えたものを比較例1、カチオン界面活性剤とし
てアルキル基炭素数12のを用いたものを比較例2、カ
チオン界面活性剤としてアルキル基炭素数28を用いた
ものを比較例3とした。これらの評価結果を表1に、
又、染着速度測定結果を図1に示す。
【0018】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例に係るアクリル系合
成繊維の染着速度を示すグラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿式紡糸して延伸、水洗後のゲル膨潤状
    態にあるアクリル系合成繊維束に、油剤として、 【化1】 (R1 は炭素数15〜25のアルキル基、R2 は炭素数
    1〜3のアルキレン基、R3 及びR4 は炭素数1〜5の
    アルキル基、X- はジエチル硫酸塩である対イオン、を
    表す。)で示されるカチオン界面活性剤(A)、 【化2】 (R1 は炭素数が15〜25のアルキル基を表し、nは
    1〜5の整数である。)で示されるポリアミンポリアマ
    イド系柔軟剤(B)、及び、ブロックポリエーテル
    (C)を含み、それらの固形分組成が下記条件を満足す
    る乳化液を付与した後乾燥緻密化されたものである染色
    性、風合いに優れたアクリル系合成繊維。 20≦C(A)≦70、10≦C(B)≦20、10≦
    C(C)≦60、かつ、C(A)/C(B)≧2.0 ここで、C(A)、C(B)、C(C)は各々、
    (A)、(B)、(C)の固形分組成(重量%)を表
    す。
  2. 【請求項2】 湿式紡糸して延伸、水洗後のゲル膨潤状
    態にあるアクリル系合成繊維束に、油剤として 【化3】 (R1 は炭素数15〜25のアルキル基、R2 は炭素数
    1〜3のアルキレン基、R3 及びR4 は炭素数1〜5の
    アルキル基、X- はジエチル硫酸塩である対イオン、を
    表す。)で示されるカチオン界面活性剤(A)、 【化4】 (R1 は炭素数が15〜25のアルキル基を表し、nは
    1〜5の整数である。)で示されるポリアミンポリアマ
    イド系柔軟剤(B)、及び、ブロックポリエーテル
    (C)を含み、それらの固形分組成が下記条件を満足す
    る乳化液を繊維乾燥重量に対して0.1〜0.7重量%
    付与した後乾燥緻密化することを特徴とする染色性、風
    合いに優れたアクリル系合成繊維の製造方法。 20≦C(A)≦70、10≦C(B)≦20、10≦
    C(C)≦60、かつ、C(A)/C(B)≧2.0 ここで、C(A)、C(B)、C(C)は各々、
    (A)、(B)、(C)の固形分組成(重量%)を表
    す。
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