JP3395118B2 - 転写インクの活性化方法並びにその装置 - Google Patents

転写インクの活性化方法並びにその装置

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JP3395118B2 JP24872193A JP24872193A JP3395118B2 JP 3395118 B2 JP3395118 B2 JP 3395118B2 JP 24872193 A JP24872193 A JP 24872193A JP 24872193 A JP24872193 A JP 24872193A JP 3395118 B2 JP3395118 B2 JP 3395118B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば転写インクを
あらかじめ水溶性フィルムに塗着した転写フィルムを転
写槽に供給して接水させた後、転写インクを液体の液圧
によって被転写体に転写する液圧転写装置に適用できる
ものであって、特に一旦乾燥し固形状態となった転写イ
ンクに再び粘着性を持たせ転写可能の状態とする転写イ
ンクの活性化方法並びにその装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、複雑な曲面を有する立体の表
面に木目や大理石等の柄を印刷する、いわゆる曲面印刷
の分野では液圧転写による手法が用いられている。すな
わちこの手法は、水等の液体を貯溜した転写槽内の液面
上に、転写インクを塗着した転写フィルムを転写インク
側を上にして供給し、接水させ、そうした後、その上方
から被転写体をこの転写フィルムの転写インク面上に押
しつけて液中に没し、これにより生じる液圧を利用して
被転写体の表面に前記転写インクで形成された転写パタ
ーンを転写するというものである。
【0003】このような液圧による転写手法において
は、転写に先立ってあらかじめ転写インクに粘着性を付
与し転写可能な状態としておく必要があり(なお、本明
細書において「活性化」とは、転写インクをこのような
状態にすることを意味するものである)、転写インクを
このように転写可能な状態に活性化させるにあたって
は、その活性化を行う時期によって概ね次の二つの方法
に分類される。
【0004】すなわち、第一の方法は、転写フィルムが
転写槽内の液面上に供給され接水する前段階に、その転
写フィルムの転写インクを活性化するというものであ
る。この方法は、本願出願人がすでに出願に及んでいる
特開平4−122673号「液圧転写方法並びにその装
置」においても採用している方法であり、比較的伸展性
の大きな転写フィルムが使われることもあって、複雑な
曲面形状や比較的大きな曲面に対しても追従できるとい
う利点を有する。
【0005】また、第二の方法は、転写フィルムが転写
槽内の液面上に供給され、接水した後に転写インクを活
性化させるというものである。この第二の方法では、比
較的伸展性の小さな転写フィルムを使用しているので、
印刷される図柄がシャープに現われるという利点を有す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の二つ
の方法のうち、前記第一の方法にあっては、転写インク
を活性化させる手段として、周面に例えば矩形状の凹部
をドット状に多数形成したグラビアロールを使用したロ
ーラコータにより活性剤を塗着することが一般的であ
る。そのため、この活性剤塗布においては、これに使用
したグラビアロールの目により活性剤の濃淡を生じるの
か、転写した製品にグラビア目が模様として現れてしま
うという問題があった。
【0007】一方、被転写体が平面的である場合には、
前記第二の方法を用いれば、印刷される図柄がシャープ
に現れるという利点が優越点としてクローズアップされ
るわけであるが、その場合には転写フィルムを転写槽内
の液面上に浮遊状態とした後に活性剤を塗布することと
なるため、機構上前記グラビアロールを使用したローラ
コータを用いることができず、人手あるいは自動機を使
用してスプレーガンにより活性剤を塗布することとして
いる。
【0008】そのため、前記第二の方法においては、前
記グラビア目の発生を防止することができるが、スプレ
ーガンを用いた活性剤の塗布によれば、転写フィルムに
一定の圧力が加わって転写フィルムにしわを発生させる
原因となる。また、そのしわの発生を抑制するためにス
プレーガンのノズル口を複数個とし、あるいは複数のス
プレーガンを用いて低圧力で活性剤を散布しようとして
も各ノズル口から散布された活性剤の重なり合わせ部分
においては活性剤が多量となるので、活性剤の塗布厚さ
のムラにより転写後の製品に濃淡差が現われてしまうと
いう問題が存在している。この発明は、このような実状
に基づいてなされたものであり、転写の仕上がりの良好
な転写インクの活性化方法並びにその装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本出願に係る第一の発明
たる転写インクの活性化方法は、被転写体の表面に所定
の転写パターンを形成するに先立ち、転写パターンが定
着され、乾燥状態となっている転写フィルムに対し、
なくともその幅方向全域に、活性剤の微細な霧滴を散布
して、転写パターンを構成する転写インクに粘着性を付
与し、転写フィルムを転写可能な状態に活性化する方法
において、前記活性剤の霧滴は、転写フィルムの上方を
覆うフード内において充満、浮遊させ、その殆ど自重沈
降的な降下により散布するものであり、 このフードに
は、その外側全域に近接して更に別のフードを併設し、
内側のフードと外側のフードとの間に微弱な空気流を形
成することによって、転写フィルム上に散布されない余
剰の活性剤の霧滴を、フード外方の空気とともに、フー
ド下端部から吸引するようにし、 また前記内側のフード
には、下端に樋状の受部を形成し、フード内面を伝う液
滴化した活性剤の転写フィルム上への流下を防止するよ
うにし、 活性剤を散布するにあたっては、転写フィルム
に、ほぼ均一に散布すべく、前 記空気流と受部とによっ
て余剰の活性剤の回収を図りながら散布するようにした
ことを特徴として成る。
【0010】また本出願に係る第二の発明たる転写イン
クの活性化方法は、前記要件に加え、前記転写フィルム
は、水溶性フィルムを担持シートとするものであり、活
性剤を散布するにあたっては、転写フィルムが接水し、
水面で支持された後、行われるようにしたことを特徴と
して成る。
【0011】更にまた本出願に係る第三の発明たる転写
インクの活性化装置は、活性剤を微細な霧滴にする霧化
器と、転写フィルムの少なくとも幅方向のほぼ全域を散
布域としてカバーするフードとを有し、転写槽液面上
に供給された転写フィルムに、活性剤の微細な霧滴を散
布して、転写フィルムに定着され、乾燥された転写イン
クの活性化を図るようにした装置において、 前記フード
前記霧化器にて得られ、充満、浮遊する活性剤の霧
滴を、その殆ど自重沈降的な降下により液面上の転写フ
ィルムに散布すべく案内するものであり、 またこのフー
ドは、外側全域に近接して更に別のフードが併設される
とともに、これら内外の両フード間に排風通路が形成さ
れ、この排風通路によって、液面上の転写フィルムに散
布されない余剰の活性剤を、フード外方の空気とともに
吸引するようにし、 また前記内側のフードは、下端に樋
状の受部が形成され、フード内面を伝う液滴化した活性
剤の転写フィルム上への流下を防止するものであり、
写フィルムに活性剤を散布するにあたっては、液面上の
転写フィルムに、ほぼ均一に散布すべく、前記排風通路
と受部とによって余剰の活性剤の回収を図りながら、散
布するようにしたことを特徴として成る。これら発明に
より前記目的を達成しようとするものである。
【0012】
【発明の作用】すなわち請求項1、2に記載する本発明
の転写インクの活性化方法にあっては、転写フィルムの
少なくとも幅方向のほぼ全域上方にて活性剤の微細な霧
滴が充満し、浮遊する雰囲気下にて、この霧滴の殆ど自
重沈降的な降下により活性剤を散布し、これによって転
写インクの活性化を図っている。従ってスプレーガンの
ノズル口を複数個とし、あるいは複数のスプレーガンを
用いた場合に問題となる散布された活性剤の重なり合わ
せ部分は生じず、また転写フィルムが転写槽の液面上に
浮遊状態で支持されている場合であっても、その転写フ
ィルムにはこれを撓ませるような圧力は加わらない。
【0013】また請求項3に記載する本発明の転写イン
クの活性化装置は、活性剤の霧化器とフードとを有して
おり、このうち霧化器によって活性剤は微細な霧滴とな
って充満、浮遊し、自重沈降的な降下により液面上に浮
遊する転写フィルム上に散布され、一方、フードによっ
て液面上に浮遊する転写フィルムの少なくとも幅方向の
ほぼ全域にわたっての散布が行われる。更に前記フード
に近接して別途のフードを併設し、これらのフードのう
ち外側のフードに排風部を連接するとともに、これら内
側のフードと外側のフードとの間に微弱な空気流を形成
るため、活性剤の自重沈降的な降下を維持した状態
で、転写フィルム上に散布されな余剰の活性剤の霧滴
の回収が可能となり、均一な活性剤の散布をより確実な
ものとする。もちろん回収した活性剤を再利用すれば
性剤の有効利用が図られる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の転写インクの活性化方法並び
にその装置について、図面に基づいて具体的に説明す
る。なお以下の説明にあたっては液圧転写装置を例にと
り、この液圧転写装置の概要及び作動説明に併せて本発
明の転写インクの活性化方法並びにその装置についての
説明を行う。図1は液圧転写装置を概略的に示したもの
であり、符号1は液圧転写装置、2は転写フィルム、3
は転写槽、4は活性剤散布装置、5は把持装置で被転写
体6を把持するものであり、7は間欠搬送装置ともなる
チェーンコンベアである。
【0015】液圧転写装置1は、転写槽3の一方から転
写フィルム2を搬入して転写槽3の他方に移送させなが
ら被転写体6の表面に転写フィルム2の転写インク面2
aを転写するものであり、転写槽3の一方には転写フィ
ルム搬入用の傾斜板8が一例として設けられている。
【0016】転写フィルム2は、例えばゼラチン、アル
ギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール樹脂等から成
る水溶性フィルムを担持シートとするものであり、フィ
ルムの表面には、水Wにより膨潤した転写フィルム2か
ら転移し得るバインダー成分を有する転写インクをあら
かじめ塗着して転写インク面2aが形成されており、こ
の転写インク面2aには被転写体6への転写を行うべき
所要の転写パターンが形成されている。
【0017】転写槽3内部には水W等の液体が貯留され
ており、この水Wは図1に示す実施例においては循環管
路9を通じてポンプ10により液面に波立ちのない状態
でゆっくりと循環するようになっている。なお、ここで
用いる液体としては転写フィルム2の担持シートを膨潤
または溶解し得ることが条件であり、このような条件を
満たすものであるならば水W以外の液体ももちろん使用
することができる。
【0018】また、転写槽3内の水W等は必ずしも一定
の流れを生じさせる必要はなく、転写槽3内に単に水W
を貯溜しただけのものであってもよく、流れを生じさせ
る手段としても堰等を用いて液面差を利用して流れを生
じさせるもの等、他の手段を用いるものであってもよ
い。そして、この転写槽3内には、転写槽3の左右両側
の側壁近傍に一対のチェーン32を配置して後述するよ
うにチェーンコンベヤ7を形成してあり、このチェーン
コンベヤ7は上方の液面循環側においては転写フィルム
2の供給進行方向と同じ向きに駆動されるものである。
【0019】このような転写槽3には、転写インク面2
aを上向きにした状態で転写フィルム2が液面上で浮遊
するように搬入されるが、この実施例においては傾斜板
8が一例として設けられ、この傾斜板8から転写フィル
ム2が搬入され、液面上に浮遊している領域が転写フィ
ルム2を膨潤させる膨潤領域11とされている。膨潤領
域11は、前記のようにして搬入された転写フィルム2
が膨潤できるように転写フィルム2を所定時間水になじ
ませるための領域である。なおこの領域及びこの領域で
待機される時間は、使用する転写フィルムの特性及び転
写インクの活性化特性等に大きく左右されるものであ
る。また前記傾斜板8は転写フィルム2を転写槽3に搬
入する際の案内部材として作用するものであり、同様の
作用が期待できるものであれば他の手法を用いてもよ
く、特にこのような傾斜板8を設けずとも転写フィルム
2の搬入が充分に円滑な場合には傾斜板8の設置を省略
してもよい。
【0020】前記膨潤領域11の直後の下流側は、膨潤
させた転写フィルム2の転写インク面2aに活性剤を散
布する活性剤散布領域12とされ、更にこの活性剤散布
領域12の下流側は、転写フィルム2の転写インク面2
aに被転写体6を押圧させて転写を行う転写領域13と
されている。
【0021】活性剤散布領域12においては、その上方
に本発明の転写インクの活性化装置である活性剤散布装
置4が配設されている。この活性剤散布装置4は、活性
剤タンク14に貯溜されている液状の活性剤を例えば遠
心式または超音波式の霧化器15で霧化し、その霧状に
なった活性剤をフード16内の充満、浮遊する雰囲気下
に置き、霧滴の自重沈降的な降下により担持シート上の
転写インク面2a上に散布するというものである。な
お、前記活性剤としては、溶剤成分、樹脂成分、体質顔
料等の混合物や、その他シンナー等の溶剤成分のみから
成るものをも包含するものであるが、因みに前記霧化器
15が遠心式である場合には、(添加)沈降成分を有す
るタイプの活性剤でも対応できるが、一方、超音波式の
霧化器15の場合には沈降成分を有するタイプの活性剤
の霧化には支障があるため、溶剤成分のみから成るタイ
プの活性剤の霧化に適する。
【0022】また前記霧化器15として遠心式の霧化器
を用いる場合には、一例として図3(a)に示すように
活性剤タンク14内の液状の活性剤を遠心力を利用して
吸上部15aから吸い上げ、放散部15bによりこの活
性剤の液滴を外方に向かって拡散放出し、その外周に位
置するフィン部15cに衝突させることによって活性剤
の微細な霧滴を得るものが使用できる。一方、前記霧化
器15として超音波式の霧化器を用いる場合には、一例
として図3(b)に示すように励振装置15eと、内部
に圧電素子を収納して成る本体15fとから成る超音波
振動部15dに活性剤タンク14内の液状の活性剤を供
給し、これを超音波振動によって微細な霧滴とするもの
が使用できる。そしてこのような霧化器15の近傍に
は、この霧化器15によって放出される活性剤の微細な
霧滴を転写槽3内の液面上を浮遊する転写フィルム2の
散布域に導くためのフード16が設けられる。このフー
ド16は図4に示すように一例として開口部の形状を矩
形状とした漏斗様の形状を成し、インナーフード16I
とアウターフード16O とにより構成されている。これ
ら両フード16I 、16O との間には、排風通路17a
が形成されており、またこの排風通路17aの下流側に
は排風ファン17bが設けられ、この排風ファン17b
及び前記排風通路17aにより排風部17を構成し、余
剰の活性剤の回収及び霧滴化した活性剤の案内が図られ
ている。
【0023】また霧化器15の取付個所としては、図4
(a)に示すようにフード16内に配置するもののほ
か、図4(b)に示すように霧化器15をフード16外
に配置し、これら霧化器15とフード16との間をダク
ト19で接続して連通を図る構成とすることも可能であ
る。因みに図4(b)において符号20に示すものは、
整流板であり、ダクト19内を送られる活性剤の霧滴が
均一にそして満遍なく転写フィルム2における散布域に
至るように、その沈降方向を決定する役割を担ってい
る。
【0024】すなわち上述した遠心式または超音波式の
霧化器15により霧滴化した活性剤は、正にその発生時
の微弱な拡散力が流下の力となり、これが図4(a)の
実施例のようにフード16内で生じればそのままフード
16内に充満し、図4(b)の実施例のようにフード1
6外で生じればダクト19にてフード16内に誘導し、
そしてその力だけでは不足する場合には図4(b)に示
すような小型の送風器21による搬送流にのせてフード
16内に充満、浮遊させるのである。
【0025】更に転写領域13の上方には、把持装置5
が配設されている。この把持装置5は一例として被転写
体6を把持するハンド30と、ハンド30を上下方向に
昇降させる昇降装置31とを具えて成るものであって、
被転写体6を円滑な転写がなされる角度に把持し、転写
槽3内の液中の一定の深さに被転写体6を沈降させる役
割を担うものである。
【0026】そして、このような転写槽3内部にはチェ
ーンコンベヤ7が設けられている。一例としてこのチェ
ーンコンベヤ7は、左右一対のチェーン32と、各々の
チェーン32を張る一対のスプロケット33、33と、
左右一対のチェーン32、32のチェーンリンク同士を
連結する規制杆34及びスプロケット33、33を駆動
する不図示のモータとを具えたものである。この一対の
スプロケット33、33は転写槽3の一方の端部と他方
の端部に配設されており、これらの間にチェーン32が
巻装されている。
【0027】そして、このようなチェーン32及びスプ
ロケット33は、前記転写槽3内の両側に沿って一対が
配置されており、これにより転写フィルム2の幅方向の
伸展が規制されている。これらのチェーン32の間には
転写フィルム2の長手方向の位置を規制するための規制
杆34が一定間隔で、両側のチェーン32のリンクピン
あるいはチェーンリンクを図5に示すように利用し、ま
たは代替して対向する位置にあるチェーンリンク間を接
続するように設けられ、チェーンコンベヤ7は形成され
ている。
【0028】このチェーンコンベヤ7は、上方の液面循
環側で上述したように転写フィルム2の供給進行方向と
同じ方向に駆動するようになっており、一例として間欠
運転されるがもちろん連続運転とすることも可能であ
る。また、規制杆34の形状は、図5(a)に示すよう
に棒状のほか図5(b)に示すように板状のもの等、そ
の他の形状のものも採用することができる。
【0029】このように両側のチェーン32と規制杆3
4とで区画された液面上には転写フィルム2が順次供給
されるわけであるが望ましくは図6(a)に示すよう
なカットシート状の転写フィルム2が一枚ずつ供給され
るものである。なお、このようなカットシート状の転写
フィルム2を使用する場合には図示を省略するが転写フ
ィルム2のカット装置が別途必要となる。
【0030】また、このような液圧転写装置1において
は、前記転写フィルム2はカットシート状でなく、いわ
ゆる図6(b)に示すように連続シート状のものを用い
てもよい。なお連続シート状のものを用いるときには、
長さ方向での転写フィルム2の伸びを吸収ないし緩和す
る機構を別途付設するか、規制杆34の間隔を長くした
り、これを取り外す等の対策をする。この実施例の液圧
転写装置1において、チェーンコンベヤ7を間欠運転と
した場合には、転写フィルム2が前記膨潤領域11に搬
入された後、所定時間はチェーンコンベヤ7は駆動され
ない。因みにこの時間は膨潤、活性剤散布、被転写体
の降下(転写)の各工程の所要時間との関係で決定され
る。
【0031】この所定時間の経過後、チェーンコンベヤ
7は活性剤散布領域12にまで移動して前記と同様に所
定時間だけ停止する。この活性剤散布領域12において
は、霧化器15により微細な霧滴となった活性剤がイン
ナーフード16I 内で充満、浮遊状態となっているか
ら、その自重沈降的な降下によりインナーフード16I
によって覆われている部分における転写フィルム2は、
これを撓ませるような圧力が加えられることなく、活性
剤の散布、すなわち転写フィルム2の活性化が行われる
のである。
【0032】また転写フィルム2上に散布されな余剰
の活性剤の霧滴は、アウターフード16O の外方の空気
と共に排風ファン17bにより排風通路17aを通って
吸引され回収されるほか、インナーフード16I の内壁
面を伝い液滴化した活性剤については、インナーフード
16I の下端に設けた樋状の受部16aにより転写フィ
ルム2上への流下の防止が図られる。
【0033】その後、チェーンコンベヤ7は次の転写領
域13にまで間欠運転され、転写フィルム2は転写領域
13に移送される。この転写領域13では転写フィルム
2の転写インク面2aが活性化しているので、ハンド3
0に把持された被転写体6を転写インク面2aに向かっ
て押し下げると、被転写体6の表面に転写インク面2a
が液圧により押圧され転写が行われる。
【0034】
【発明の効果】すなわち請求項1、2に記載する本発明
の転写インクの活性化方法にあっては、転写フィルム2
の少なくとも幅方向のほぼ全域上方にて活性剤の微細な
霧滴が充満し、浮遊する雰囲気下にて、この霧滴の殆ど
自重沈降的な降下により活性剤を散布し、これによって
転写インクの活性化を図っている。従ってスプレーガン
のノズル口を複数個とし、あるいは複数のスプレーガン
を用いた場合に問題となる散布された活性剤の重なり合
わせ部分は生じず、また転写フィルム2が転写槽3の液
面上に浮遊状態で支持されている場合であっても、その
転写フィルム2にはこれを撓ませるような圧力は加わら
ない。よって転写フィルム2が液面上を浮遊するという
極めて安定性の悪い状態にあっても転写フィルム2に皺
を生じさせず、転写ムラのない均一な活性剤の散布が可
能となり、良好な転写の仕上がりが実現できる。また当
然グラビアロールを使用した場合に生ずるグラビア目も
起こらないから、この点でも製品の高意匠化に寄与す
る。
【0035】また請求項に記載する本発明の転写イン
クの活性化装置は、活性剤の霧化器15とフード16と
を有しており、このうち霧化器15によって活性剤は微
細な霧滴となって充満、浮遊し、自重沈降的な降下によ
り液面上に浮遊する転写フィルム2上に散布され、一
方、フード16によって液面上に浮遊する転写フィルム
2の少なくとも幅方向のほぼ全域にわたっての散布が行
われる。更に前記フード16に近接して別途のフード1
6を併設し、これらのフード16のうち外側のアウター
フード16O に排風部17を連接するととものに、これ
ら内側のインナーフード16I と外側のアウターフード
16O との間に微弱な空気流を形成するため、活性剤の
自重沈降的な降下を維持した状態で、転写フィルム2上
に散布されない余剰の活性剤の霧滴の回収が可能とな
り、均一な活性剤の散布がより確実に行える。もちろん
回収した活性剤を再利用した場合には、活性剤の有効利
用が図られる。よって前記フード16による案内作用に
より転写フィルム2における活性剤の散布域が一定とな
り、また外気との接触を断つことにより、フード16内
に活性剤の霧滴を充満、浮遊し、自重降下による圧力の
みを転写フィルム2にかけるようにしている。また余剰
の活性剤の有効利用が図られれば生産コスト削減にも寄
与し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を液圧転写装置に適用した実施例を示す
概略図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】遠心式の霧化器並びに超音波式の霧化器の構造
の一例を示す縦断面図並びに模式図である。
【図4】本発明の転写インクの活性化装置たる活性剤散
布装置の二種の実施例を示す縦断側面図である。
【図5】チェーンと規制杆との接続部の構造並びに規制
杆の形状を異ならせた二種の実施例を併せ示す分解斜視
図である。
【図6】転写フィルムの二種の態様を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
1 液圧転写装置 2 転写フィルム 2a 転写インク面 3 転写槽 4 活性剤散布装置 5 把持装置 6 被転写体 7 チェーンコンベヤ 8 傾斜板 9 循環管路 10 ポンプ 11 膨潤領域 12 活性剤散布領域 13 転写領域 14 活性剤タンク 15 霧化器 15a 吸上部 15b 放散部 15c フィン部 15d 超音波振動部 15e 励振装置 15f 本体 16 フード 16O アウターフード 16I インナーフード 16a 受部 17 排風部 17a 排風通路 17b 排風ファン 19 ダクト 20 整流板 21 送風器 30 ハンド 31 昇降装置 32 チェーン 33 スプロケット 34 規制杆 W 水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−27665(JP,A) 特開 平2−147060(JP,A) 特開 昭61−249567(JP,A) 特開 昭57−197063(JP,A) 実開 昭60−5456(JP,U) 特公 平2−32160(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41F 16/00 B05D 1/02,1/22 B05B 15/04,17/00 B65C 5/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被転写体の表面に所定の転写パターンを
    形成するに先立ち、転写パターンが定着され、乾燥状態
    となっている転写フィルムに対し、少なくともその幅方
    向全域に、活性剤の微細な霧滴を散布して、転写パター
    ンを構成する転写インクに粘着性を付与し、転写フィル
    ムを転写可能な状態に活性化する方法において、前記活性剤の霧滴は、転写フィルムの上方を覆うフード
    内において充満、浮遊させ、その 殆ど自重沈降的な降下
    により散布するものであり、 このフードには、その外側全域に近接して更に別のフー
    ドを併設し、内側のフードと外側のフードとの間に微弱
    な空気流を形成することによって、転写フィルム上に散
    布されない余剰の活性剤の霧滴を、フード外方の空気と
    ともに、フード下端部から吸引するようにし、 また前記内側のフードには、下端に樋状の受部を形成
    し、フード内面を伝う液滴化した活性剤の転写フィルム
    上への流下を防止するようにし、 活性剤を散布するにあたっては、転写フィルムに、ほぼ
    均一に散布すべく、前記空気流と受部とによって余剰の
    活性剤の回収を図りながら散布するようにした ことを特
    徴とする転写インクの活性化方法。
  2. 【請求項2】 前記転写フィルムは、水溶性フィルムを
    担持シートとするものであり、活性剤を散布するにあた
    っては、転写フィルムが接水し、水面で支持された後、
    行われるようにしたことを特徴とする請求項1記載の転
    写インクの活性化方法。
  3. 【請求項3】 活性剤を微細な霧滴にする霧化器と、転
    写フィルムの少なくとも幅方向のほぼ全域を散布域とし
    てカバーするフードとを有し、転写槽液面上に供給さ
    れた転写フィルムに、活性剤の微細な霧滴を散布して、
    転写フィルムに定着され、乾燥された転写インクの活性
    化を図るようにした装置において、 前記 フードは前記霧化器にて得られ、充満、浮遊する
    活性剤の霧滴を、その殆ど自重沈降的な降下により液面
    上の転写フィルムに散布すべく案内するものであり、 またこのフードは、外側全域に近接して更に別のフード
    が併設されるとともに、これら内外の両フード間に排風
    通路が形成され、この排風通路によって、液面上の転写
    フィルムに散布されない余剰の活性剤を、フード外方の
    空気とともに吸引するようにし、 また前記内側のフードは、下端に樋状の受部が形成さ
    れ、フード内面を伝う液滴化した活性剤の転写フィルム
    上への流下を防止するものであり、 転写フィルムに活性剤を散布するにあたっては、液面上
    の転写フィルムに、ほぼ均一に散布すべく、前記排風通
    路と受部とによって余剰の活性剤の回収を図りながら、
    散布するようにした ことを特徴とする転写インクの活性
    化装置。
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