JP5027348B1 - 転写フィルムの液面活性化方法並びにこれを適用した液圧転写方法並びに液圧転写装置 - Google Patents

転写フィルムの液面活性化方法並びにこれを適用した液圧転写方法並びに液圧転写装置 Download PDF

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Abstract

[課題]転写フィルムを転写液面上に供給してから活性化することを前提としながらも、精緻な転写が継続して行えるようにした新規な活性化方法並びに液圧転写手法の開発を課題とする。
[解決手段]本発明は、転写槽の上方から被転写体を押し付けて、被転写体の表面に適宜の転写パターンを形成するにあたり、転写槽には、転写槽中央とセンター位置を合わせて供給した転写フィルムを、転写槽の左右均等位置でフィルム両サイドを保持し活性化エリアへと案内する活性化前ガイド機構を設け、これにより転写フィルムを保持している間は、フィルムに厚み方向への膨潤を促すようにし、また活性化エリアでは、活性化前ガイド機構による転写フィルムのガイド作用を解除した状態で転写フィルムに活性剤を塗布するようにしたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、予め転写インクによって適宜の転写パターン(表面インク層)が施されて成る転写フィルムを、転写液面上(水面上)で浮遊支持し、ここに被転写体を押し当てて転写液中(水中)に没入させることにより、その液圧を利用してフィルム上の転写パターンを被転写体に転写する液圧転写(水圧転写)に関するものであって、転写パターンのインクや硬化性樹脂層を活性化するにあたり、転写フィルムを液面上に供給してから活性化することを前提としながらも、精緻な転写が継続して行えるようにした新規な活性化方法並びに液圧転写手法に係るものである。
液圧転写は、例えば水溶性フィルム(担持シート)の上に、所定の非水溶性の転写パターンや硬化性樹脂層が施されて成る転写フィルムを、転写槽内の転写液上に順次供給して浮かばせ、被転写体をこの転写フィルムに接触させながら転写槽内で浸漬し、液圧を利用して転写フィルム上の転写パターンを被転写体の表面に転写する手法である。なお、転写フィルムには、上述したように、水溶性フィルム上に転写パターンがインクによって事前に形成(印刷)されており、転写パターンのインクは乾燥状態にある。このため転写に際しては、転写フィルム上の転写パターンに活性剤やシンナー類を塗布して、転写パターンを印刷直後と同様の湿潤状態つまり付着性を発現させた状態に戻す必要があり、これは活性化と称される。
ここで転写フィルムを活性化する一般的な手法としては、グラビアロールコータやキスタッチロールコータまたはスプレーノズル(スプレーガン)を用いた活性剤塗布手法が知られている。このうちグラビアロールコータやキスタッチロールコータは、転写フィルムが転写槽内に誘導(供給)される前にインクを活性化するのに用いられ、一方、スプレーガンは、転写フィルムを転写槽内の液面に浮かばせた状態、つまり転写フィルムを転写槽内に誘導した後、液面上でインクを活性化するのに用いられる。以下、各手法の欠点(問題点)について説明する。
まずグラビアロールコータを用いた活性剤塗布手法では、グラビアのセル目(凹凸)が転写製品の装飾層に現れて装飾層の品質を低下させるという問題があった。またキスタッチロールコータでは、グラビアロールのセル目は解消できるものの、より高価な装置となる欠点があった。また、コータを使用するこれらの手法は、いずれも転写フィルムを転写槽内の液面に浮かべる前に活性化するため(活性剤が塗布されるため)、フィルムは着液直後から吸水し、短時間で収縮と膨張が発生する。このためフィルムの膨潤幅を規制するガイド機構(ガイドチェーン)が用いられ、更にフィルム下方より気泡を供給しながら送風機でフィルム面に風を当て、シワの発生を防ぐ必要があり、また送風機の風により発生した風や水面上の波の影響を緩和させるために、防風板や波消し装置を併せて設置する必要があり、高コストの転写装置となっていた。
一方、スプレーガンを用いた活性剤塗布手法、すなわち転写パターンがまだ乾燥状態にある転写フィルムを転写槽内に浮かべてから活性化する手法では、着液によって水溶性フィルムは、水を含んで膨潤しようとしても、乾燥状態にあるインクが転写フィルムの膨潤、拡大を抑制するように作用するため、転写フィルムは着液後もそれほど膨潤拡大することはない。そして、本手法では、このようなフィルムの状態でスプレーガンから活性剤を転写パターンに塗布するため、上記グラビアロールコータによるセル目の発生は生じない。また、乾燥インクによる膨潤、拡大の規制は、活性剤塗布直後から解除され、転写フィルムがガイドチェーン幅まで広がりつつ転写に適したインクの湿潤状態になる。
ここで活性剤のスプレー方式としては、フィルム上方での低圧霧化方式やフード内で微細な霧滴を発生させての自重沈降的な活性化方式(特許文献1参照)、あるいは高塗着効率を提案した静電スプレー塗装方式(特許文献2参照)等がある。しかし、スプレーガンを用いた手法では、上述したように、乾燥状態にあるインクが転写フィルムの膨潤、拡大を抑制するように作用するため、転写フィルムは着液後もそれほど膨潤拡大することはなく、このため本手法では、活性化前の転写フィルムは、両サイドがガイドされない非規制状態で液面上を浮遊移送することになり、この状態で活性剤が塗布される(活性化される)ものであった。
もちろん、たとえ活性化前から転写フィルムの両サイドを保持するガイドチェーンを設けたとしても、必ずしも転写フィルムが確実にガイドチェーンに保持されるとは限らないものである。それは上述したように転写フィルムは着液によって下側の水溶性フィルムだけが膨潤しようとするため、上側のインク層との伸び差によって、フィルム両端部分が全体的に上方にカールする傾向(水面から浮き上がるようにカールする傾向)にあるためである。
また、転写フィルムとガイドチェーンとの間の液面上に、活性剤成分が浮遊・滞留した場合には、この活性剤成分が転写フィルムの伸展を阻害するように働き、転写フィルムはますますガイドチェーンに接触し難くなるものであった。
このようなことから、活性化前の転写フィルムがガイドチェーンの中央を走行し、活性化後に左右均等に伸展することは極めて稀で、通常は左右いずれかのガイドチェーンに寄ったり、接触したりした状態で活性化を受け、伸展して行くのが一般的であった。このため活性化後の転写フィルムは、左右での伸展倍率が微妙に異なり、転写パターンの曲がりが発生したり、転写フィルムがガイドチェーンに乗り上げ、転写不可能となる等の問題があった。
また、転写槽の側壁付近に活性剤成分が浮遊・滞留すれば、フィルムの伸展が阻害されるため、転写に適した位置が変わる等の問題があった。
さらに、作業環境を適正に保つために、フード内の活性剤を排気ダクトより排気しても排気気体中から活性剤成分を分離回収したり、臭気を除去する脱臭装置が高価であるばかりでなく、分離回収したとしても極少量のため、活性剤成分再調整の経済的メリットがない等の問題があった。
また被転写体に転写されなかった残留フィルムは、転写槽下流のオーバーフロー部で回収溶解され、インク等の固形分を沈殿させるものであり、このようにして浄化した回収液(転写液)は、温度調整を行った後、転写槽上流部より循環再利用される。これは、連続式転写方式やバッチ式転写方式においてもほぼ同様な構成となっている。
ここで転写液が真水に近く、水溶性フィルム(例えばPVA:ポリビニルアルコール)の濃度が500ppm以下のときは、転写フィルムが硬く、付き回り性が劣り転写不良が起き易いものであった。しかし、液圧転写の継続により、水溶性フィルムの濃度が約3000ppm以上に上昇すると、今度は転写フィルムが柔らかくなり過ぎて、やはり転写不良が起き易くなるという問題があった。
なお、転写後の被転写体は、脱膜洗浄装置で水溶性フィルムを洗浄・リンスした後、乾燥されるが、洗浄排水は、排水処理後に排水もしくは高度処理後に工水として再利用されるのが一般的であった。
特開平7−76067号公報 特開2005−81619号公報
本発明は、このような背景を認識してなされたものであって、転写フィルムを転写液面上で活性化することを前提としながら、前述のような転写パターンの左右不均衡の伸展を抑制でき、また転写フィルムの転写パターンに短時間で均一に且つ効率良く活性剤を塗布することができ、なお且つ精緻な転写が継続して行えるようにした新規な転写フィルムの活性化方法並びにこれを適用した液圧転写手法の開発を試みたものである。
まず請求項1記載の、転写フィルムの活性化方法は、
水溶性フィルムに少なくとも転写パターンを乾燥状態で形成して成る転写フィルムを、転写パターンを上に向けた状態で転写槽内の液面上に供給し、その後、転写フィルムの上方から活性剤を塗布して転写フィルム上の転写パターンを活性化させる方法において、
前記転写槽には、転写槽中央の液面上に供給した転写フィルムから左右均等位置でフィルムの両サイドを保持し活性化エリアへと案内する活性化前ガイド機構を設け、この活性化前ガイド機構が転写フィルムを保持している間は、転写フィルムに厚み方向への膨潤を促すようにし、
また活性化エリアでは、活性化前ガイド機構による転写フィルムのガイド作用を解除した状態で転写フィルムに活性剤を塗布するようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項2記載の、転写フィルムの活性化方法は、前記請求項1記載の要件に加え、
前記活性化エリアにおける転写フィルムの活性化は、
活性化前ガイド機構により活性化前の転写フィルムに対し厚み方向に膨潤を促しておくことと、
活性化エリアの直前において活性化前ガイド機構による転写フィルムの両サイド保持を解除し、この状態で活性剤を塗布することとにより、
乾燥状態にあるインクの伸展抑制状態を一気に解除し、転写フィルムを幅方向に歪無く左右均等に膨潤させるものであることを特徴として成るものである。
また請求項3記載の、転写フィルムの活性化方法は、前記請求項1または2記載の要件に加え、
前記活性化エリアの後段には、転写槽中央から左右均等位置で、活性化により幅方向に伸展する転写フィルムの両サイドを保持し転写エリアへと案内する活性化後ガイド機構を設けるようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項4記載の、転写フィルムの活性化方法は、前記請求項1、2または3記載の要件に加え、
前記活性化エリアにおいて転写液面上の転写フィルムに活性剤を塗布するにあたっては、活性剤を噴出するスプレーガンが、転写フィルムの幅方向に往復動しながら転写フィルムの両サイド外方まで、はみ出て活性剤を塗布するものであり、
また活性化エリアにおける転写フィルムの両サイド外方部分には、転写液面上で塗布され液面上に浮遊する不要な活性剤成分を転写液とともに排水し、且つ活性化エリアを覆うフード内で浮遊飛散する活性剤をも同時に吸引し転写液と混合排出する除去手段を設けるようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項5記載の、転写フィルムの活性化方法は、前記請求項4記載の要件に加え、
前記活性化により幅方向に伸展する転写フィルムが活性化後ガイド機構に接触する直前の位置には、活性化後ガイド機構と転写フィルムとの間の転写液面上に浮遊する活性剤成分を、活性化エリアの両サイドにおいて不要な活性剤成分を転写液とともに排水する部位、または転写槽の側壁と活性化後ガイド機構との間に送り込む除去手段を設けるようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項6記載の、転写フィルムの活性化方法は、前記請求項1、2、3、4または5記載の要件に加え、
前記転写フィルムを転写液面上に供給するにあたっては、転写フィルムを転写槽に供給する以前の段階で、転写フィルムの両サイド部分に、フィルム幅方向へのカールに抗する筋状のカール防止用凹凸を形成するようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項7記載の液圧転写方法は、
水溶性フィルムに少なくとも転写パターンを乾燥状態で形成して成る転写フィルムを、転写槽内の液面上に浮遊支持し、その上方から被転写体を押し付け、これによって生じる液圧によって、主に被転写体の意匠面に転写パターンを転写する方法において、
前記転写フィルムを活性化するにあたっては、前記請求項1、2、3、4、5または6記載の活性化方法によって活性化するようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項8記載の液圧転写方法は、前記請求項7記載の要件に加え、
前記転写槽の下流側にはオーバーフロー部が設けられ、ここで回収した液体から残留フィルム等の夾雑物を沈殿・除去し、またこの回収液を温度調整してから転写槽の上流側から循環供給するものであり、
且つ前記転写槽から引き上げた被転写体は、その後、脱膜洗浄工程に送られ、ここで表面の水溶性フィルムが溶解洗浄されるものであり、当該工程で生じる、溶解した水溶性フィルムを含む洗浄排水を、前記転写槽のオーバーフロー部の直前に循環供給するようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項9記載の液圧転写方法は、前記請求項7または8記載の要件に加え、
前記転写槽には、被転写体を転写液中から引き上げる出液エリアに、
出液中の被転写体の意匠面から離れる意匠面離反流を形成し、転写液面上の泡や液中に滞留する夾雑物を、出液中の被転写体の意匠面から遠ざけ、転写槽外に排出するようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項10記載の液圧転写方法は、前記請求項9記載の要件に加え、
前記オーバーフロー部の前段には、出液中の被転写体の意匠面に臨むオーバーフロー槽を更に設けるものであり、このオーバーフロー槽によって前記意匠面離反流を形成するようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項11記載の液圧転写装置は、
転写液を貯留する転写槽と、
この転写槽に転写フィルムを供給する転写フィルム供給装置と、
転写槽の液面上に供給された転写フィルムに活性剤を塗布し転写可能な状態とする活性剤塗布装置と、
活性剤により転写槽の液面上で活性化状態となった転写フィルムに対して上方から被転写体を押し付ける被転写体搬送装置とを具え、
水溶性フィルムに少なくとも転写パターンが乾燥状態で形成されて成る転写フィルムを、転写槽内の液面上で浮遊支持し、その上方から被転写体を押し付け、これによって生じる液圧によって、主に被転写体の意匠面に転写パターンを転写する装置において、
前記転写槽には、転写槽中央の液面上に供給した転写フィルムから左右均等位置でフィルムの両サイドを保持し活性化エリアへと案内する活性化前ガイド機構が設けられ、この活性化前ガイド機構が転写フィルムを保持している間は、転写フィルムに厚み方向への膨潤を促すようにし、
また活性化エリアでは、活性化前ガイド機構による転写フィルムのガイド作用を解除した状態で転写フィルムに活性剤を塗布するようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項12記載の液圧転写装置は、前記請求項11記載の要件に加え、
前記活性化エリアの後段には、転写槽中央から左右均等位置で、活性化により幅方向に伸展する転写フィルムの両サイドを保持し転写エリアへと案内する活性化後ガイド機構が設けられることを特徴として成るものである。
また請求項13記載の液圧転写装置は、前記請求項11または12記載の要件に加え、
前記活性剤塗布装置は、活性剤を噴出するスプレーガンを具え、このスプレーガンが活性化エリアで転写フィルムの幅方向に往復動しながら転写フィルムの両サイド外方まで、はみ出て活性剤を塗布するものであり、
また活性化エリアにおける転写フィルムの両サイド外方部分には、転写液面上で塗布され液面上に浮遊する不要な活性剤成分を転写液とともに排水し、且つ活性化エリアを覆うフード内で浮遊飛散する活性剤をも同時に吸引し転写液と混合排出する除去手段が設けられることを特徴として成るものである。
また請求項14記載の液圧転写装置は、前記請求項13記載の要件に加え、
前記活性化エリアの両サイドにおいて、不要な活性剤成分を転写液とともに排水・回収する除去手段の吸い込み口には、不要な活性剤成分を含む空気と回収液との気液接触を促進させる充填材が設けられ、更に当該手段の回収液の排水側後段には、不要な活性剤成分を含む空気と回収液との気液接触を促進させる充填材及びデミスターを内蔵したミストセパレータが設けられ、更にその後段に排気ファンが設けられるものであり、
かかる構成により、不要な活性剤成分を含む空気は、活性剤成分を回収液に溶け込ませて浄化した後、排気ファンから外部に放出されるようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項15記載の液圧転写装置は、前記請求項13または14記載の要件に加え、
前記活性化により幅方向に伸展する転写フィルムが活性化後ガイド機構に接触する直前の位置には、活性化後ガイド機構と転写フィルムとの間の転写液面上に浮遊する活性剤成分を、活性化エリアの両サイドにおいて不要な活性剤成分を転写液とともに排水する部位、または転写槽の側壁と活性化後ガイド機構との間に送り込む除去手段が設けられることを特徴として成るものである。
また請求項16記載の液圧転写装置は、前記請求項11、12、13、14または15記載の要件に加え、
前記転写フィルム供給装置は、転写槽に供給する以前の転写フィルムの両サイド部分に、フィルム幅方向へのカールに抗する筋状のカール防止用凹凸を形成する凹凸成形ローラ、もしくはカール防止用凹凸を微視的凹凸として形成するレーザーマーカを具えることを特徴として成るものである。
また請求項17記載の液圧転写装置は、前記請求項11、12、13、14、15または16記載の要件に加え、
前記活性化前ガイド機構は、プーリに無端状のベルトを巻回して成るコンベヤによって構成されるものであり、
またプーリの回転軸はほぼ鉛直方向に設定され、ここに巻回されたベルトの幅方向が転写液面の高さ方向になるように設定されることを特徴として成るものである。
また請求項18記載の液圧転写装置は、前記請求項12、13、14、15、16または17記載の要件に加え、
前記活性化後ガイド機構は、活性化前ガイド機構においてフィルム両サイドを保持していたガイド部材が活性化エリアを避けるように転写エリア以降まで取り回され、活性化により伸展する転写フィルムの両サイドを、活性化前ガイド機構と同じガイド部材によって保持するようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項19記載の液圧転写装置は、前記請求項11、12、13、14、15、16、17または18記載の要件に加え、
前記転写槽の下流側にはオーバーフロー部が設けられ、ここで回収した液体から残留フィルム等の夾雑物を沈殿・除去し、またこの回収液を温度調整してから循環管路によって転写槽の上流側から循環供給するものであり、
且つまた前記転写槽の後段には、転写槽から引き上げた被転写体の表面を洗浄する脱膜洗浄装置を具え、当該装置によって、被転写体表面に付着した水溶性フィルムを溶解洗浄して取り除くものであり、
また、この脱膜洗浄装置は、前記転写槽に対し循環排水管路で接続されて成り、
脱膜洗浄工程で生じる、溶解した水溶性フィルムを含む洗浄排水を、前記転写槽のオーバーフロー部の直前に循環供給するようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項20記載の液圧転写装置は、前記請求項11、12、13、14、15、16、17、18または19記載の要件に加え、
前記被転写体を転写液中から引き上げる出液エリアには、転写液中から浮上中の被転写体の意匠面に作用する離反流形成手段を設け、出液中の被転写体の意匠面から離れる意匠面離反流を形成するものであり、これにより転写液面上の泡や液中に滞留する夾雑物を、出液中の被転写体の意匠面から遠ざけ、転写槽外に排出するようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項21記載の液圧転写装置は、前記請求項20記載の要件に加え、
前記オーバーフロー部の前段には、出液中の被転写体の意匠面に臨むオーバーフロー槽を更に設けるものであり、このオーバーフロー槽によって前記意匠面離反流を形成するようにしたことを特徴として成るものである。
これら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
まず請求項1、7または11記載の発明によれば、転写フィルムは、活性化前に両サイドが活性化前ガイド機構によって保持されながら活性化エリアに送られるため、活性化前の転写フィルムに偏りや位置ズレ、あるいは蛇行等が発生することを防止できる。また、両サイドが活性化前ガイド機構に保持(規制)された転写フィルムは、特に転写パターンを担持する水溶性フィルムの膨潤が厚み方向に促されることになり、その後の活性剤塗布によって、乾燥状態にあるインクの伸展抑制状態を一気に解除し、幅方向に膨潤する準備(態勢)が整えられる。すなわち転写パターン(インク)は、一気の活性化によって均等に伸展する傾向があり、このため活性化前に水溶性フィルムを転写パターンの伸びに追従できる程度にまで柔らかく(膨潤)させておく必要があり、本発明では、これを活性化前ガイド機構によって厚み方向膨潤促進として実現できる。
また活性剤の散布効率が高く、作業環境の改善とイニシャルコスト・ランニングコストを低減した装置を実現でき、量産性を向上させることができる。
また請求項2または7記載の発明によれば、転写フィルムは、活性化エリアに至るまでの間に厚み方向に充分膨潤した状態となり、また活性化時には、両サイドの保持が解除された状態で活性剤が塗布されるため、乾燥状態にあるインクの伸展抑制状態が一気に解除され、転写フィルムを幅方向に歪無く左右均等に伸展・拡大させることができる。
また請求項3、7または12記載の発明によれば、転写液面上に供給された転写フィルムは、まず活性化前ガイド機構により転写槽中央部で保持・移送された後、活性化エリアにおいてこの保持が解除され転写槽中央部で活性化され(活性剤が塗布され)、幅方向に左右均等に膨潤し、その後、活性化後ガイド機構による保持・移送を受ける。つまり転写フィルムは、活性化エリアを挟んで二段階にわたる位置ズレ防止や偏り防止等の制御を受けるものであり、このため転写フィルムは、活性化エリアではフィルム両サイドの保持が解除された状態で活性化されながらも、活性化後も所望通りの位置や伸展度合いで転写エリアに送られる(フィルムの幅方向がほぼ均等に伸展した状態で転写エリアに供給される)。また、これにより連続的な転写を繰り返し行っても、精緻な転写が継続して行えるものである。
また請求項4、7または13記載の発明によれば、活性剤は、転写フィルムの両サイド外方まではみ出て塗布されるため、転写フィルムを左右(幅方向)に均等に伸展させることができる。また、活性化エリアの両サイドには、転写液面上の不要な活性剤成分を転写液とともに排水し、且つ活性化エリアを覆うフード内で浮遊飛散する活性剤をも同時に吸引し転写液と混合排出する除去手段を設けるため、確実に転写フィルムの伸展低下を防止することができ、活性化後の転写フィルムを活性化後ガイド機構に安定して接触させる(保持させる)ことができる。
また請求項5、7または15記載の発明によれば、活性化後ガイド機構に転写フィルムが接触する直前の位置で滞留・浮遊する活性剤成分を、除去手段によって活性化後ガイド機構との間(ガイド裏側)等に送り込むため、活性化後の転写フィルムの伸展低下を防止することができ、活性化後の転写フィルムを活性化後ガイド機構に安定して接触させる(保持させる)ことができる。
また請求項6、7または16記載の発明によれば、供給前の転写フィルムの両サイド部分に、筋状のカール防止用凹凸を形成するため、着液後に転写フィルムに生じるカール現象を防止することができる。また、これにより転写フィルムを活性化前ガイド機構に安定して接触させることができ、転写フィルムの確実な保持が図れる。更にフィルム有効使用幅を広げることができ、幅方向の伸展率を抑制することもできるため、柄伸び感を緩和でき、高精細な転写意匠を表現することができる。
また請求項8または19記載の発明によれば、脱膜洗浄工程からの排水(溶解した水溶性フィルムを含む洗浄排水)を転写槽に導き循環利用するものであり、当該工程で洗い落とした水溶性フィルムも転写槽のオーバーフロー部で沈殿・回収するため、転写槽の水溶性フィルム濃度を一定範囲内に収め、転写性能の安定化を図り、転写液の入替えをほぼ不要にすることができる。
また請求項9または20記載の発明によれば、出液中の被転写体に対し、意匠面から離れる方向の意匠面離反流を形成するため、泡やフィルムカス等の夾雑物が意匠面に付着し難く、綺麗な転写製品(被転写体)が得られる。また、意匠面に泡や夾雑物が付着し難いことから、転写パターンそのものを精緻に転写することができ、柄歪みや変形が生じ難いものとなる。
また請求項10または21記載の発明によれば、転写槽の末端部でフィルムカス等を転写液とともに回収するオーバーフロー部(2段目OF槽)の前段に、意匠面離反流形成用のオーバーフロー槽(1段目OF槽)を更に設け、2段オーバーフロー構造とするため、転写槽内の液体の流れを以下のように制御することができる。まず、ほぼ1段目OF槽が設けられる高さ(深さ)の中層流は、1段目OF槽が液流抵抗となるため、該OF槽の下をくぐり抜けるような流れとなる。つまり、中層流は1段目OF槽直前では該OF槽の下方にもぐり込むような下向き流れとなり、1段目OF槽の通過後は上向き流れとなる。一方、中層流よりも高位置(液レベル)を流れる上層流(転写槽中の表面流)は、1段目OF槽でそのまま回収される。また中層流よりも低位置を流れる下層流(転写槽の底部を流れる液流)も、1段目OF槽に左右されず、そのまま水平に流れるため、中層流に含まれる夾雑物を、転写槽の底部に沈降・滞留させ難くするカーテン効果を生じる。また1段目OF槽の通過後、中層流が上向き流れとなることによって、下層流が上側に引き上げられ、これら中層流・下層流による上向き流れによって転写液中の特に中層流の下面に多く含まれると考えられる夾雑物を2段目OF槽に送り、ここで能率的に回収することができる。
また請求項14記載の発明によれば、不要な活性剤成分を含む空気を、回収液(転写液)に充分溶け込ませて処理するため、活性剤(溶剤)を含む空気の浄化が安価に且つ容易に行え、しかも溶剤ミストの転写室への飛散をほとんど防止することができる。なお、不要な活性剤成分を含む空気を溶け込ませた回収液は、下水道・排水処理槽等に送られるのが一般的である。
また請求項17記載の発明によれば、活性化前ガイド機構はプーリの回転軸がほぼ鉛直方向に設定され、プーリに巻回されるベルトの幅方向が転写液面の深さ(高さ)方向に相当するように設定されるため、例えば転写を繰り返し行っている間に転写槽内の液レベルが変わっても、ベルトの幅寸法で対応することができ、コンベヤ全体の高さ調整をしなくて済み、能率的に液圧転写が行える。
また請求項18記載の発明によれば、活性化前ガイド機構と活性化後ガイド機構とにおいて、フィルム両サイドを保持するガイド部材が共通して用いられるため、活性化の前後において同じ速度で転写フィルムを送ることができ、活性化エリアと転写エリアとにおいてフィルム速度を合致させて転写を行いたい場合に能率的に転写が行える。
本発明の液圧転写装置の一例を示す斜視図である。 同上液圧転写装置における転写槽と脱膜洗浄装置とを主に示す側面図である。 同上液圧転写装置における被転写体搬送装置を主として示す側面図である。 同上液圧転写装置における活性化後ガイド機構(及び活性化前ガイド機構)の態様を一部変更した状態で示す平面図及び側面図である。 排水枡によって活性化エリアのフード内に生じる空気流の様子と、これによって回収された不要な活性剤成分を含む空気を、転写液(回収液)に溶け込ませて浄化するようにした様子とを示す平面図(a)、並びに側面図(b)である。 転写フィルムにカール防止用凹凸を形成する凹凸成形ローラの他の実施例を示す説明図(側面図)(a)、並びにレーザーマーカによってカール防止用凹凸を形成するようにした更に他の実施例を示す説明図(側面図)(b)、並びに側面から視てカール防止用凹凸を鍵状の凹凸に形成した様子を示す説明図(端面図)(c)である。 活性化前ガイド機構や伸展低下防止機構等の他の実施例を示す平面図である。 活性化前ガイド機構や活性化後ガイド機構において、転写フィルムの両サイドを保持・規制する幅寸法(ガイド幅寸法)を適宜変更できるようにした実施例を示す斜視図である。 従来の液圧転写手法における週間転写量と転写水の交換水量とPVA濃度との変化を示す表、並びにこの際の転写槽水のPVA濃度とPHとの関係を示すグラフである。 意匠面浄化機構を具えた転写槽を、被転写体搬送装置としてのコンベヤ(三角コンベヤ)とともに併せ示す骨格的斜視図(a)、並びに出液中の被転写体に作用する意匠面離反流の様子を拡大して示す説明図(b)・(c)である。 被転写体を一定の傾斜姿勢・出液角度で引き上げても、被転写体の湾曲状態や凹凸度合い等によって、意匠面が意匠面離反流形成用のオーバーフロー槽から徐々に遠ざかってしまうことを示す説明図である。 液圧転写をバッチ処理で行った場合、つまり被転写体を一定の傾斜姿勢で真上に引き上げた場合に、意匠面離反流形成用のオーバーフロー槽の好ましい作動状況を段階的に示す説明図である。 フィルムカス等を転写液とともに回収するオーバーフロー部(2段目OF槽)の前段に、意匠面離反流形成用のオーバーフロー槽(1段目OF槽)を更に設けた2段OF構造における転写槽内の液流態様を概略的に示す説明図である。
1 液圧転写装置
2 転写槽
3 転写フィルム供給装置
4 活性剤塗布装置
5 被転写体搬送装置
6 活性化前ガイド機構
7 活性化後ガイド機構
8 伸展低下防止機構
9 脱膜洗浄装置
10 意匠面浄化機構

2 転写槽
21 処理槽
22 側壁
23 オーバーフロー部
23A オーバーフロー槽(2段目OF槽)
24 循環管路
25 傾斜板
26 傾斜部

3 転写フィルム供給装置
31 フィルムロール
32 凹凸成形ローラ
33 ゴム平滑ローラ
34 セレーションローラ
35 ギヤ(波形の歯)
36 ギヤ(波形の歯)
37 レーザーマーカ

4 活性剤塗布装置
41 スプレーガン
42 フード

5 被転写体搬送装置
51 コンベヤ
52 治具(転写用治具)
53 リンクチェーン

6 活性化前ガイド機構
61 コンベヤ
62 プーリ
62A 駆動プーリ
62B 従動プーリ
63 ベルト
64 回転軸
65 アームバー
66 クランプ

7 活性化後ガイド機構
71 チェーンコンベヤ
72 スプロケット
73 チェーン
74 回転軸

8 伸展低下防止機構
81 除去手段
82 排水枡
83 ミストセパレータ
84 排気ファン
85 圧縮空気吹出ノズル

9 脱膜洗浄装置
91 コンベヤ
92 温水シャワー
92a 供給管路
93 リンス水シャワー
93a 供給管路
94 貯留槽
95 循環排水管路

10 意匠面浄化機構
101 離反流形成手段
102 オーバーフロー槽(1段目OF槽)
103 排出口
104 流速増強用ツバ
105 吸い込みノズル

F 転写フィルム
L 転写液
W 被転写体
R カール防止用凹凸
S1 意匠面
Z1 着液地点
Z2 活性化エリア
Z3 転写エリア
Z4 出液エリア
本発明を実施するための形態は、以下の実施例に述べるものをその一つとするとともに、更にその技術思想内において改良し得る種々の手法を含むものである。
なお、説明にあたっては、まず本発明に用いられる転写フィルムFについて説明し、その後、液圧転写装置1の全体構成について説明した後、次いで液圧転写装置の作動態様について説明しながら、転写フィルムの活性化方法について併せて説明する。
転写フィルムFは、水溶性フィルム(例えばPVA;ポリビニルアルコール)を担持シートとして、ここに転写インクによる転写パターンのみが形成されたフィルムが一般的であるが、水溶性フィルムと転写パターンとの間に硬化性樹脂層が形成されたフィルムも適用することができる。ここで硬化性樹脂層の意義について説明する。通常の転写では、一般的な転写フィルムFが適用され、この場合には、転写後に被転写体Wにトップコートの形成を行い、装飾層の表面保護を図る。これに対し硬化性樹脂層が形成された転写フィルムFを適用した転写では、転写後の被転写体Wに、例えば紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射することにより、液圧転写によって形成した転写パターンを硬化させ、表面保護を図ることができ、トップコートの形成を行わなくて済むものである。つまり、硬化性樹脂層が表面保護層機能を有するものである。
また転写パターンとしては、木目模様のパターン、金属(光沢)模様のパターン、大理石模様などの岩石の表面を模した石目模様のパターン、布目や布状の模様を模した布地模様のパターン、タイル張り模様・レンガ積み模様などのパターン、幾何学模様、ホログラム効果を有するパターン等の各種パターンが挙げられ、更にはこれらを適宜複合したものでも構わない。なお、上記幾何学模様については、図形はもちろん文字や写真を施したパターンも含むものである。
次に液圧転写装置1について説明する。液圧転写装置1は、一例として図1〜図3に示すように、転写液Lを貯留する転写槽2と、この転写槽2に転写フィルムFを供給する転写フィルム供給装置3と、転写槽2に供給された転写フィルムFを液面上で活性化し転写可能な状態とする活性剤塗布装置4と、転写槽2に浮遊支持された転写フィルムFの上方から適宜の姿勢で被転写体Wを投入(没入)させ、且つ出液させる(引き上げる)被転写体搬送装置5とを具えて成るものである。
また転写槽2は、着液した転写フィルムFの両サイドを保持し活性化エリアZ2に移送する活性化前ガイド機構6と、活性剤塗布後の転写フィルムFの両サイドを保持し転写エリアZ3に移送する活性化後ガイド機構7と、転写液面上の活性剤成分を除去することにより転写フィルムFの伸展低下を防止する伸展低下防止機構8とを具えて成るものである。
なお、図2に示す実施例では、転写槽2の後段に更に脱膜洗浄装置9を具えるものであり、このものは転写時に被転写体Wの表面に付着した半溶解状の水溶性フィルムを溶解洗浄する工程を担うものである。
また本明細書では、転写フィルムFが転写槽2内の転写液Lに着液する地点(領域)を着液地点Z1とし、活性剤が塗布される領域を活性化エリアZ2とし、転写が行われる領域を転写エリアZ3とし、転写後の被転写体Wを転写液L中から引き上げる領域を出液エリアZ4(Z4については図10参照)と称するものである。因みに転写は被転写体Wの没入と同時にほぼ完了するため、転写エリアZ3は没入エリアとも言える。また、本明細書では、「活性剤」と「活性剤成分」という用語を用いるが、主に「活性剤成分」とは転写フィルムFや転写液面上に塗布された活性剤が、その後、転写液面上で浮遊・滞留し、転写フィルムFの伸展を低下させるものの名称とする。以下、各構成部について説明する。
まず転写槽2の説明に先立ち、転写フィルム供給装置3から説明する。転写フィルム供給装置3は、一例として図1に示すように、ロール巻きされた転写フィルムFから成るフィルムロール31と、ここから引き出された転写フィルムFを転写槽2に誘導する際、フィルムの両サイド部に筋状の凹凸をフィルム幅方向に形成する凹凸成形ローラ32とを具えて成る。ここで転写フィルムFに筋状の凹凸を形成するのは、着液後、水溶性フィルムが水分を吸収してフィルム両サイドに生じ得るカールを防止するためのものであり、この凹凸をカール防止用凹凸Rとする。つまり転写フィルムFは、転写槽2への供給時、両サイド部分にほぼ一定の幅寸法でカール防止用凹凸Rが形成された状態で転写液面上に供給(誘導)されるものである。
また、凹凸成形ローラ32は、一例として上記図1に併せ示すように、外接状態に設置されるゴム平滑ローラ33とセレーションローラ34との組み合わせによって構成され、このためカール防止用凹凸Rは、フィルムの幅方向に沿った折り目ないしはスジ(筋)として形成される。
なお、転写フィルムFにカール防止用凹凸Rを形成し易くするために、事前に転写フィルムFを加熱してもよく、例えばその一手法としてセレーションローラ34に加熱ヒータを内蔵する手法が挙げられる。
以下、カール防止用凹凸Rがカール現象を防止する経緯(理由)について説明する。カール防止用凹凸Rは、フィルムの幅方向に沿って形成される折れ線(スジ)であり、単純にこのようなスジが形成されたフィルムは幅方向に曲がりにくくなるが(スジが曲げを阻止するコシや強度を有する)、単に幅方向に沿って形成された折れ線(スジ)がカールに抗する強度を有するというのではなく、カール防止用凹凸Rが、上下方向にある程度の高低差を有することも重要だと思われる。すなわち高低差を有したカール防止用凹凸R(スジ)は、下側の部位から徐々に着液して行き、凹凸全体が着液するまでに、ある程度の時間を有する。つまり凹凸の最下部が転写液Lに漬かり始めてから、凹凸の最上部が漬かるまでには時間差があり、この時間差によって着液していない凹凸上部が、カールに抗する強度を有し、これが転写フィルムFの着液後のカール防止として機能するものと考えられる。
また、このようなことから、カール防止用凹凸Rは、コシを維持するため、折り目程度が良く、個々の凹凸が完全に切断されるスリット状は好ましくないと考えられる。因みに、上記ゴム平滑ローラ33とセレーションローラ34の組み合わせは、この点(個々の凹凸を完全に切断しないという点)でも好ましい構成である。
なお、転写フィルムFの供給つまり転写フィルムFを繰り出しながら、上記のようなカール防止用凹凸Rをフィルムに形成することが難しい場合等には、上述したように、まず繰り出す際にフィルム両サイド部を加熱してから(フィルムを変形し易くしておいてから)、凹凸成形ローラ32によりカール防止用凹凸Rを形成することが可能である。
またカール防止用凹凸Rは、カールに対抗できるコシを有すればよいため、フィルムを側面から視た状態で完全な折れ線(ジグザグ線)である必要はなく、例えば図6(a)に示すようなウエーブ状(波形)でも構わない。その場合、凹凸成形ローラ32は、同図6(a)に併せ示すように、互いに噛合する波形の一対のギヤ35、36で構成されるのが一般的である。
また、カール防止用凹凸Rを形成する手段としては、必ずしも接触タイプの凹凸成形ローラ32に限定されるものではなく、例えば図6(b)に示すような非接触タイプのレーザーマーカ37を適用することも可能であり、この場合には、凹凸成形ローラ32に比べて特に微視的なカール防止用凹凸Rが形成し得るものである。もちろんレーザーマーカ37は、転写フィルムFの左右両サイドに一基づつ設けられるものである。
更に、カール防止用凹凸Rは、側面から視て折れ線状(ジグザグ状)やウエーブ状(波形)の他にも、例えば図6(c)に示すような角ジグザグ状(鍵状)の凹凸に形成することも可能である。
なお、カール防止用凹凸Rは、幅方向に巻き上がろうとするカールに対するコシ(強度)を有すればよいため、必ずしもフィルムの幅方向に沿って形成される必要はなく、フィルム幅方向に対して斜めに形成されても構わない。
因みに、転写フィルムFを転写槽2に供給するにあたっては、転写フィルムFを確実に着液させるため、また着液地点Z1を一定の位置に維持・安定させるために、着液地点Z1では転写フィルムFを液面側に押すようなエア(幅方向にわたるエア)を吹き付けることが好ましい。また、転写フィルムFの凹凸成形ローラ32から転写槽2への誘導を安定的に行うべく、滑り台のような傾斜ガイドを設けることが好ましく、これは必ずしもフィルムの幅方向に連続したものである必要はない(非連続の短冊状のものを幅方向に部分的に設けても構わない)。
次に活性剤塗布装置4について説明する。活性剤塗布装置4は、転写フィルムFを転写可能な状態に活性化するものであり、本発明では転写フィルムFを転写液面上に誘導(供給)した状態、換言すれば転写フィルムFが液面上に浮遊した状態で活性剤を塗布することが大きな特徴の一つである。
活性剤を塗布する手法としては、一例として本出願人が既に特許取得に至っている特許第3845078号の静電スプレーによる手法が適用できる。この手法は、例えば図1に示すように、転写液面上の転写フィルムF(転写パターン)に対し、スプレーガン(スプレーノズル)41から活性剤を散布する塗布手法であって、転写液面上を移送される転写フィルムFに対し、スプレーガン41が転写フィルムFを横切るように往復動(いわゆるトラバース)しながら活性剤をスプレーするものである。その際、スプレーガン41の噴出口で活性剤を帯電させるとともに、転写液面上に浮遊する転写フィルムFを、転写液L及び転写槽2を介して接地するものであり、これにより活性剤を転写フィルムFに均一に塗布するものである。なお、スプレーガン41は活性剤をほぼ一定の範囲に放射状に散布することから、スプレーガン41が往復動するトラバース軌跡は、活性化エリアZ2のほぼ中央に相当するものである(図5(b)参照)。
また、スプレーガン41は、転写フィルムFの幅寸法よりも大きなストロークで往復動し、活性剤を転写フィルムFの幅寸法を越えて散布するように構成される。これは、活性剤が散布されない部位が、転写フィルムFに存在しないようにし、転写フィルムFを均等に伸展させるためである。従って、転写フィルムFの外方には、余剰もしくは不要な活性剤(転写フィルムFのインクを活性化する本来の目的として使用されなかった活性剤)が必然的に転写液面上に散布される(浮遊する)ものである。
このようなことから、本手法では往復動するスプレーガン(噴出口)41の前後と両側部とがフード42で覆われ、特に余剰/不要な活性剤が活性化エリアZ2の外部に飛び散るのを防止し、作業環境を悪化させないようにするものである。もちろんフード42は、液面上の転写フィルムFから幾らかの隙間をあけて設けられるため、この隙間からも極力、活性剤が漏出しないようにすることが好ましい。なお、液面上の余剰/不要な活性剤成分は、伸展低下防止機構8(後述する排水枡82や小型の水中ポンプ等)により転写液Lとともに排水(回収)され、またフード42内を浮遊飛散する余剰/不要な活性剤も、上記排水によってフード42内に生じる空気流により同時に吸引され、転写液Lと混合排出される。また、回収された転写液Lは、不要な活性剤成分を含む空気と混合処理された後、廃棄されるものである。
因みに活性化エリアZ2は、通常、転写フィルムFを転写槽2に供給する着液地点Z1よりも幾らか離れた位置に設定されるものであり、これはこの間に(着液〜活性化までの間に)、フィルム下側の水溶性フィルムが水を含んで柔らかくなり、その後の活性化の際にフィルム全体が歪無く均等に伸展できるようにするための準備段階と言える。つまりフィルム上側の乾燥状態にあるインクは、活性剤の塗布により伸展抑制状態が一気に解除され、応力の逃げ道として確保されている幅方向に歪無く左右均等に伸展するものであり、着液〜活性化までの区間は、その伸展にフィルム下側の水溶性フィルムを追従させるための膨潤化区間(柔軟化区間)と言える。
なお、活性剤としては、転写フィルムF(転写パターン)の乾燥状態のインクを印刷直後と同等の湿潤状態に戻して転写可能な状態にすることができればよいものであり、例えば樹脂分に、顔料、溶剤、可塑剤等を適宜の割合で配合して成るものが適用されるが、単にインクに可塑性を付与することができるシンナー等の溶剤を用いることも可能である。
次に転写槽2について説明する。転写槽2は、液圧転写の際に転写フィルムFを浮遊支持するものであり、転写液Lをほぼ一定の液レベル(水位)で貯留できる処理槽21を主な構成部材とする。このため処理槽21は天面が開口され、前後左右が壁面で囲まれた有底状を成し、特に処理槽21の左右両サイドを構成する両側壁に符号22を付すものである。なお、転写槽2(処理槽21)は、液圧転写を行なうに当たり被転写体Wを移動させる没入から出液方向が長手方向となるように、つまり転写エリアZ3から出液エリアZ4に向けて長手方向となるように形成される。
また、液圧転写を連続して行なう場合には(いわゆる連続処理)、処理槽21の液面部分に、転写液Lを着液地点Z1(上流側)から転写エリアZ3(下流側)に送る液流が形成されのが一般的である。具体的には、例えば図2に示すように、転写槽2の下流端部にオーバーフロー部23が形成され、ここで回収した転写液Lを循環管路24を通して、主に転写槽2の上流部分から循環供給することにより転写液Lの液面付近に上記液流を形成するものである。もちろん、オーバーフロー部23や循環管路24には、沈殿槽やフィルタリング等の浄化設備が設けられ、転写液L中に分散・滞留する余剰フィルムやフィルムカス等の夾雑物を回収液(懸濁液)から除去して再利用し得るものである。また再利用にあたっては上記図2に併せ示すように、オーバーフロー部23で回収した懸濁液からインク等の固形分を沈殿させた後、これを更に温度センサーやヒータ等の温度調節装置で水温調整をしてから再利用に供する(転写槽2の上流側に送る)ことが好ましい。ここで図中符号「23A」は、オーバーフロー部23の主要部材となるオーバーフロー槽であり、このものはフィルムカス等を含む転写液Lを回収することで、転写槽2の液面レベルをほぼ一定に維持するとともに、転写液Lの循環使用に寄与するものであり、従来の転写槽に多く設けられているものである。
なお、転写槽2は、活性化エリアZ2以降、特に転写エリアZ3が深くなるように形成されている。
また転写槽2には、上述したように転写槽2に供給された転写フィルムFを活性化エリアZ2まで案内する活性化前ガイド機構6、活性剤塗布後の転写フィルムFを転写エリアZ3まで案内する活性化後ガイド機構7、転写液面上の活性剤成分を除去して転写フィルムFの伸展を促進させる伸展低下防止機構8が設けられ、以下、これらについて説明する。
まず活性化前ガイド機構6について説明する。活性化前ガイド機構6は、活性化エリアZ2の前段において転写槽2の両側壁22の内側に設けられ、転写槽2の中央の液面上に供給された転写フィルムFから左右均等位置でフィルムの両サイドを保持しながら、転写フィルムFを活性化エリアZ2まで案内するものである。
活性化前ガイド機構6は、一例として図1に示すように、プーリ62に無端状のベルト63を巻回して成るコンベヤ61によって構成されるものである。ここでプーリ62としては、モータ等によって直接駆動されるものと、ベルト63を介して回転が伝達されるものとがあり、これを区別したい場合には、前者を駆動プーリ62Aとし、後者を従動プーリ62Bとするものである。なお、図1に示す実施例では、プーリ62の回転軸64がほぼ鉛直方向に設定され、ベルト63そのものの幅方向が転写液面の深さ(高さ)方向になるように形成されており、これは転写槽2内の液レベルが変わっても、ベルト63の幅寸法で対応でき、コンベヤ61全体の高さを変更しなくて済むためである。
このような活性化前ガイド機構6(コンベヤ61)によって、転写槽2の中央の液面上に供給された転写フィルムFは、左右均等位置の両サイドが規制された状態で活性化エリアZ2へと移送されるため、移送中の転写フィルムFに、偏りや位置ズレあるいは蛇行等が生じないものである。端的には活性化前ガイド機構6は、活性化前の転写フィルムFの幅方向の位置ズレ防止もしくはセンター合わせと言える。
なお、活性化前ガイド機構6による転写フィルムFの両サイド保持は、幅方向規制と見ることもでき、その場合には、活性化前ガイド機構6がフィルム下側の水溶性フィルムに、厚み方向への膨潤・拡大を促し、結果的にフィルム幅方向への膨潤・拡大を制限(規制)していると考えることができる。もちろん、転写フィルムFは着液してもフィルム上側のインクが硬いままであるため、そもそもインクによる幅方向膨潤規制が働くものであるが、活性化前ガイド機構6も幅方向膨潤規制の作用を担う、もしくはこの作用を強化していると考えられる。また活性化前の転写フィルムFを厚み方向に膨潤(促進)させるのは、上述したように、活性化段階で転写フィルムFを幅方向に歪無く左右均等に伸展させるためである。このように活性化前ガイド機構6は、本来、位置合わせの作用を担うが、活性化直前まで転写フィルムFに、厚み方向への膨潤を促進しつつ幅方向の伸展抑制も行いながら、活性化エリアZ2へと供給するものと言える。
また、活性化前ガイド機構6による転写フィルムFの両サイド保持は、活性化エリアZ2の直前で解除(開放)されるものである。すなわち活性剤が塗布されるフィルム両サイドはフリーな状態であり、これは活性剤塗布による伸展を、活性化前ガイド機構6によって阻害しないためである。もちろん転写フィルムFは、着液地点Z1から活性化エリアZ2(ひいては転写エリアZ3まで)つながった状態で送られるため、活性化エリアZ2の直前から両サイド保持が解除されても、上流側の部位には活性化前ガイド機構6によるガイド作用が働いており、フィルム全体でみれば、活性化エリアZ2でも位置合わせ機能は作用しているものである。
なお転写フィルムFは、活性化前ガイド機構6から開放された直後に活性化エリアZ2に至るため、活性剤未塗布の状態でも活性化前ガイド機構6から開放されると同時に、多少の伸展を始めるものである(もちろん活性剤塗布による伸展に比べれば伸展度は低い)。
また、このような活性化前ガイド機構6(コンベヤ61)は、種々異なる幅寸法の転写フィルムFに対応すべく、左右のベルト63の間隔が自由に調整できるような構成が好ましく、以下このような実施例について説明する。このような構成(幅寸法調整機能)としては、例えば図8(a)に示すように、先端部分にプーリ62(従動プーリ62B)を回転自在に支持したアームバー65を、転写槽2の側壁22から伸縮自在(突出自在)に設けておく手法が挙げられる(いわゆる伸縮式)。なお、アームバー65は、クランプ66等により任意の位置で(突出寸法で)固定できるようにしておくものである。
また、図8(b)に示すように、プーリ62を支持するアームバー65を、転写槽2の側壁22に対し回動自在に設けておき、このアームバー65をクランプ66等により任意の回動位置で固定する手法も考えられる(いわゆるスイング式)。もちろん、このような伸縮式とスイング式とを随所に組み合わせて用いることも何ら構わないものである。
なお、本実施例では、活性化前ガイド機構6は、ベルト63により構成したが、チェーンや比較的太いロープ・ワイヤ等を適用することも可能である。
また、本実施例では左右のベルト63がほぼ平行になるように活性化前ガイド機構6を設けたが、活性化前ガイド機構6による転写フィルムFの位置合わせは、転写フィルムFが活性化エリアZ2に送られるまでに行えばよいので、例えば図7に示すように、活性化前ガイド機構6(コンベヤ61)は、着液地点Z1から活性化エリアZ2に向かって徐々に左右のベルト間隔が狭まるように、つまり平面視状態で「ハ」の字状に設けることが可能である。
次に、活性化後ガイド機構7について説明する。活性化後ガイド機構7は、活性化エリアZ2の後段において転写槽2の両側壁22の内側に設けられ、活性化後の転写フィルムFの両サイドを保持しながら、転写フィルムFを転写エリアZ3まで案内するものである。もちろん、活性剤が塗布された転写フィルムFは、唯一規制のない幅方向に歪無く左右均等に伸展(延展)し、上記活性化後ガイド機構7(チェーンコンベヤ71)に到達して伸展が終了するため、該機構は、このフィルムの伸びを両サイドから規制する作用も担うものである。すなわち、活性化後ガイド機構7(チェーンコンベヤ71)は、転写フィルムFの伸びをほぼ一定に維持した状態で、転写フィルムFを転写エリアZ3まで移送するものでもあり、これにより転写エリアZ3では転写フィルムFの伸びが常に同じ程度に維持され、連続して精緻な転写が行えるものである。
活性化後ガイド機構7としては、一例として図1に示すように、チェーンコンベヤ71が適用されるものであり、このものはスプロケット72にチェーン73が巻回されて成り、スプロケット72の回転軸74が水平になるように設定される。つまりチェーン73は液面と液中とを循環走行するように上下に配され、液面付近ではチェーン73の中心が液面レベルに合致するように設定される。このためチェーン73の最上面は、液面レベルよりも幾らか上方に出現(突出)するものであり、これによりチェーン73が液面上の転写フィルムFの両サイドに比較的強固に接触・保持するように構成される。
ここで活性化後ガイド機構7は、活性化エリアZ2の後段に設けられるため、本機構によって転写フィルムFの両サイドを保持・規制する幅寸法(チェーンコンベヤ71の間隔)は、活性化前ガイド機構6によって転写フィルムFの両サイドを保持する幅寸法(コンベヤ61の間隔)よりも当然大きく設定される。因みに、活性化後ガイド機構7も、必ずしもチェーンコンベヤ71で構成される必要はなく、ベルトや比較的太いロープ・ワイヤ等により構成することが可能である。
また活性化後ガイド機構7(チェーンコンベヤ71)においても幅寸法は必ずしも一定に維持される必要はなく、活性化エリアZ2から転写エリアZ3に向かって(つまり下流に向けて)徐々に左右の幅寸法を狭めるようにチェーンコンベヤ71を設けることが可能である。これにより活性化後の転写フィルムFの転写パターンを引き締めて(柄伸びを抑えて)、転写パターン(柄)をよりシャープに転写することができるものである。
なお上記図1に示した実施例では、活性化前ガイド機構6と活性化後ガイド機構7とを完全に独立させて構成したが(一例としてベルト63によるコンベヤ61とチェーンコンベヤ71とによる分離構成)、例えば図4に示すように、活性化前ガイド機構6でフィルム両サイドを保持していたガイド部材(ここではベルト63)を活性化エリアZ2以降にも取り回し(活性化後ガイド機構7としても適用し)、活性化により伸展する転写フィルムFを同じガイド部材で保持することが可能である。この場合、活性化エリアZ2では、もちろんガイド部材(ベルト63)が活性化エリアZ2を避けるような配置、例えば側壁22付近に退避させたり(図5(a)参照)、液中深くに潜らせたりするものである。因みに、このような形態(活性化前ガイド機構6と活性化後ガイド機構7とにおいてフィルム両サイドを保持するガイド部材を共通化させる形態)では、活性化の前後において同じ速度で転写フィルムFを移送することができ、活性化エリアZ2と転写エリアZ3とにおいてフィルム速度を合致させて転写を行いたい場合に能率的に転写が行えるものである。
一方、これに対し上記図1のように、活性化前ガイド機構6と活性化後ガイド機構7とを完全に独立させて形成した場合には、活性化の前後において転写フィルムFの移送速度を変更することができるため、活性化エリアZ2と転写エリアZ3とにおいてフィルム速度を異ならせたい場合に能率的に転写が行えるものである。
また、活性化前ガイド機構6や活性化後ガイド機構7は、活性剤塗布装置4も含め、活性化タイミングや転写タイミングが適宜設定できるように、転写槽2に対し前後動自在(上流側を前とする)に設けられることが好ましい。
次に、伸展低下防止機構8について説明する。
本発明では、活性剤を液面上で塗布(散布)することや、転写フィルムFを均等に伸展させるために転写フィルムFの両サイドを越えた外側部位にまで活性剤を塗布すること等から、転写液面上にはどうしても余剰/不要な活性剤が、液面上に浮遊・滞留し易い状況となる。このような活性剤成分は、転写フィルムFの伸展を阻害するように作用するため、本実施例では活性化エリアZ2や、活性化によって伸展する転写フィルムFが活性化後ガイド機構7に接触する直前の位置で(以下、単に「接触直前位置」とする)活性剤成分を除去手段81により回収・除去するものであり、これが伸展低下防止機構8である。
このため、伸展低下防止機構8(除去手段81)は、液面上に浮遊する活性剤成分を、回収・除去し、活性化により拡大しようとする転写フィルムFの伸展を促進させ、転写フィルムFをガイド機構、特に活性化後ガイド機構7に確実に且つ安定して接触させるための機構と言える。また、このために繰り返し転写を行っても、活性化により歪無く左右均等に伸展した転写フィルムFは、ガイド機構(活性化後ガイド機構7)に安定して接触し続け(伸展促進が継続され)、精緻な転写が継続して行えるものである。
ここで転写液面上に浮遊・滞留する活性剤成分が転写フィルムFの伸展を阻害する経緯について説明する。
活性化エリアZ2では、活性化前ガイド機構6によるフィルム両サイドの保持(規制)が解除されるため、活性化エリアZ2から活性化後ガイド機構7までの間は、液面の流れが弱まる傾向にあり、特に活性化エリアZ2でフィルムからはみ出して塗布された活性剤は、ここに滞留し易くなる。そのため、このまま液圧転写を繰り返し行っていると、活性剤成分は、活性化エリアZ2の転写液面上で次第に増えて行き、転写フィルムFとガイド機構(活性化後ガイド機構7)との間に入り込み、転写フィルムFの伸展(広がり)を拒むように作用する。このような状況になると、転写フィルムFは、ガイド機構に到達しなくなり、左右均等な伸展が得られないばかりか、フィルムの移送も不均質になり、柄曲がり・柄歪み等の様々な不具合も生じ得るものである。
なお、本実施例では上述したように、伸展低下防止機構8(除去手段81)を、活性化エリアZ2と、接触直前位置との双方に設けるものである。このうち活性化エリアZ2に設ける除去手段81は、主として転写フィルムFの外側にはみ出て液面上にスプレーされた活性剤(活性剤成分)を除去・回収するものであり、これには排水枡82が適用される。
排水枡82は、一例として吸い込み口(回収口)が水面下(例えば液面から4mm程度、潜った位置)で上向きに設けられるものである。ここで排水枡82による回収は、液面上の活性剤成分を転写液Lとともに積極的に吸い込むバキューム手法が好ましいが、液面上の活性剤成分を転写液Lとともに自然落水させる回収形態(いわゆるオーバーフロー)でも構わない。因みに、液面上の活性剤成分を転写液Lとともに積極的に吸引するバキューム手法であれば、例えば図5に示すように、フード42内のエアも一緒に吸引・排気することができ、これによりフード42内にはフード42と転写フィルムFとの隙間や、スプレーガン41が往復動できるようにフード42の上部に形成された開口部から排水枡82に向かって流れる空気の流れが生じ、この空気流が活性剤(フード42内に漂う余剰/不要な活性剤)の排出にも寄与し、スプレー活性化装置(活性剤塗布装置4)周辺の溶剤臭の低減にも効果を発揮する。なお、排水枡82はスプレーガン41が往復動するフィルムの両外側(両サイド部)に一対設けられるのが好ましい。
また、図5(特に図5(b))に示すように、排水枡82(吸い込み口)の内側には気液接触を促進させる充填材を設けることが好ましく、更には、このような排水枡82の排水側後段に充填材及びデミスターを内蔵したミストセパレータ83を設けることが一層好ましく、これにより不要な活性剤成分を含む空気と転写液(回収液)とを一層効果的に気液混合させて排水することができる。このため本実施例では、不要な活性剤成分を含む空気を転写液(回収液)に完全に溶け込ますことができ、溶け込ませた回収液は水中ポンプで循環再利用もしくは排水(排気)するものである。また、これにより排気ファン84から放出される排気(空気)については、活性剤・溶剤臭がほぼ完全に除去されるものであり、別途高価な溶剤回収装置を設置する必要がなく、効果的に活性剤・溶剤成分の排気・排水処理が行えるものである。
このように本実施例では排水枡82によって、活性化エリアZ2の両サイドに滞留しようとする活性剤成分を効果的に回収するため、活性化後の転写フィルムFが左右均等に伸展し易くなるものである。もちろん、排水枡82に向かって流れる液流によっても、活性化後の転写フィルムFを左右均等に伸展させる効果も期待できる。
なお、活性化エリアZ2に設ける除去手段81としては、排水枡82(自然落水のオーバーフロー手法を含む)だけでなく、小型の水中ポンプ(バキュームポンプ)なども適用することができる。
一方、接触直前位置に設ける除去手段81は、活性化後ガイド機構7(チェーンコンベヤ71)と転写フィルムFとの間の転写液面上に液膜となって広がろうとする活性剤成分を除去するものであり、ここではブロー手法を採用する。すなわち、活性化エリアZ2では、上述したように活性剤成分が停滞し易いと考えられ、このため活性剤成分を除去するためのエアは、一例として図1に示すように、活性化エリアZ2から接触直前位置において停滞しがちな活性剤成分を、ガイド裏側つまり活性化後ガイド機構7と側壁22との間に押しやる(送る)ように送風するものである。因みに、上記ガイド裏側は、活性化後ガイド機構7の上面が転写液面よりも高い位置に設定されること等から、実質的に転写に影響を及ぼさない、もしくは転写に与える影響が極めて少ない部位である。
なお、活性化エリアZ2から接触直前位置において停滞しがちな活性剤成分を押しやる部位は、ガイド裏側だけに限らず、活性化エリアZ2の両サイドに設けられる排水枡82(または水中ポンプ)に追いやり、ここで回収することも可能である。
接触直前位置の活性剤成分を除去する除去手段81の具体的構成について更に説明すると、一例として図1に示すように、二基の圧縮空気吹出ノズル85を適用するものである。この圧縮空気吹出ノズル85は、図示するように多関節ジョイントタイプのフレキシブルホースを具えることが好まく、これはノズルの位置や送風方向等の微調整が行い易いためである。
因みに、活性剤成分を除去するための送風は、転写フィルムF自体に風を作用させる(当てる)のではなく、フィルムが存在しない転写液面のみに風を作用させることが好ましく、これは転写液面を安定的に維持し、転写フィルムFを極力波立ちのない状態で転写エリアZ3に移送するためである。また、その点では、圧縮空気吹出ノズル85としては、吐出口に向かって先窄まり状に形成されるノズルを用い、狙った液面にピンポイントでエアを作用させることが望ましい。
また、図1に示す実施例では、二基の圧縮空気吹出ノズル85からの送風が、多少、転写液流に逆行するような送風形態であるが、二基の圧縮空気吹出ノズル85は、液面上の活性剤成分(液膜)を排水枡82や小型の水中ポンプあるいはガイド裏側に追いやる程度の小さい能力(送風力)を持てばよいため、圧縮空気吹出ノズル85による送風が転写液Lの液流そのものを阻害する心配はない。もちろん、圧縮空気吹出ノズル85による送風は、例えば図7に示すように、転写液Lの液流にほぼ沿って(下流側に向けて)送風することも可能である。
また、図1の実施例では、上述したように活性化エリアZ2と接触直前位置との双方に伸展低下防止機構8(除去手段81)を設ける形態を基本とし、排水枡82と圧縮空気吹出ノズル85との双方を設けたが、いずれか一方の除去手段81でも、転写フィルムFの伸展が継続して行える程度に活性剤成分が除去できれば、どちらか一方で構わない。このため、例えば上流側の活性化エリアZ2で作用させる排水枡82を除去手段81のメインと考え、この排水枡82の除去能力が不足する場合に、圧縮空気吹出ノズル85を作動させ(もしくは設け)、活性剤成分が転写フィルムFと活性化後ガイド機構7(チェーンコンベヤ71)との間に入り込むのを防止するという形態が採り得る。また、左右で異なった除去手段81を設けることも可能であり、例えば図7では、平面から視て液流の左側の側壁22付近に排水枡82を設け、逆側の側壁22付近に圧縮空気吹出ノズル85を設けたものである。
次に、被転写体搬送装置5について説明する。被転写体搬送装置5は、被転写体Wを適宜の姿勢で転写液L中に没入させ、また転写液L中から引き上げるものであり、通常は転写用治具52(以下、単に治具52とする)を介して被転写体Wの取付けを図るものである。すなわち、液圧転写を行うにあたっては、予め被転写体Wを治具52に取り付けておき、この治具52を治具ホルダに着脱してコンベヤ51へのセッティングを行うものである。以下、コンベヤ51について更に説明する。
コンベヤ51は、一例として図3に示すように、平行に配置された一対のリンクチェーン53にリンクバーを横架するとともに、このリンクバーに所定の間隔で治具ホルダを配設して成り、被転写体Wを治具52とともに連続的に転写液L中に没入・出液させるものである。なお、没入側における被転写体W(治具52)のコンベヤ51への取り付けや、転写後の出液側における被転写体W(治具52)のコンベヤ51からの取り外しは、ロボットにより自動で行うことも可能であるし、作業者による手作業で行うことも可能である。また、コンベヤ51による被転写体Wの搬送速度(特に没入エリアにおける速度)は、転写フィルムFの液面上の移送速度とほぼ同調するように設定されるのが一般的である。
またコンベヤ51は、一例として図3に示すように、側面から視て逆三角形の搬送軌道を描く通常の三角コンベヤであり、被転写体Wの没入つまり転写が、下部の頂点部分で行われ、言わば短時間または瞬間的な没入・転写となる。なお、三角コンベヤ(コンベヤ51)は、全体的に傾倒自在に構成され、これにより被転写体Wの没入角が適宜変更できるように構成されることが好ましい。
また被転写体搬送装置5は、必ずしも上述したコンベヤ51に限定されるものではなく、例えばロボットを適用することも可能である(多関節形ロボットであり、いわゆるマニピュレータ)。
次に脱膜洗浄装置9について説明する。脱膜洗浄装置9は、転写液L中から引き上げた被転写体Wの表面に、膜状になって付着・残留する半溶解状の水溶性フィルムを洗い流すもの(被転写体Wの表面に転写された転写パターンのみを残留させるもの)であり、一例として図2に示すように、転写槽2(転写エリアZ3)から取り出した被転写体Wを載置・搬送するコンベヤ91と、このコンベヤ91上で搬送される被転写体Wに水(温水)を散水する温水シャワー92と、水洗浄後の被転写体Wにリンス水を散水するリンス水シャワー93と、脱膜洗浄後の温水やリンス水(溶解した水溶性フィルムを含む洗浄排水)を貯留する貯留槽94とを具えて成るものである。また、貯留槽94には、オーバーフロー部23が形成されるとともに前記転写槽2に対し循環排水管路95で接続されており、貯留槽94でオーバーフローさせた洗浄排水(水溶性フィルムを含む脱膜洗浄排水)を、前記転写槽2のオーバーフロー部23の直前に導き、ここで脱膜洗浄工程で洗い落とした水溶性フィルムも沈殿・回収するものである。
もちろん、循環排水管路95の途中には、フィルタを設けることが好ましく、ここでも脱膜洗浄工程で生じた水溶性フィルム等の夾雑物を除去することが好ましい。また、このように水を極力循環利用したい場合には、温水シャワー92用の水やリンス水シャワー93用の水も貯留槽94から再利用することができ、その場合には温水シャワー92用及びリンス水シャワー93用の供給管路92a、93aにも夾雑物を除去するフィルタを設けることが好ましい。
ここで水を極力循環利用した場合(脱膜洗浄後の排水を転写槽2に再供給した場合)の効果について説明する。
〔比較例〕
まず従来の液圧転写手法つまり脱膜洗浄後の排水を転写槽2に再供給しないシステムにおいて、週間転写量と転写水の交換水量とPVA濃度の変化は、図9に示す表及びグラフの通りであり、PVA濃度が500ppm以下の時は、転写フィルムFが硬く、付き回り性が劣り、その後は良好なフィルム状態が続き、PVA濃度が3000ppmに上昇し始めると転写フィルムFが柔らかくなり過ぎ、転写不良の発生が増える傾向が発生した。なお、この一週間に交換・補充した転写槽水量は23トンであった。
〔実施例〕
一方、脱膜洗浄後の排水を転写槽2に再供給する本システムにおいて、脱膜洗浄装置9は二つの貯留槽94と循環ポンプによる温水シャワー92と20L/分のリンス水シャワー93を施し、貯留槽94の末端中層部より転写槽2に15L/分の脱膜水を導入した(図2参照)。脱膜水のPVA濃度は3時間後に600ppm、8時間後に1200ppmであった。
転写槽2の初期のPVA濃度は500ppmに調整し、前述の脱膜水を導入しつつ転写加工を継続した結果、8時間後の転写水のPVA濃度は1350ppm、16時間後は1700ppm、80時間後は2000ppm、160時間後でも2040ppmとなり、転写フィルム特性も安定し、転写フィルムFに起因した不良は見られなくなった。
この間に排出した転写槽水は沈殿槽の底に溜まったインク残渣を含んだ底水を2日に一度200L程度、一週間に600L程度であった。2週間における転写槽水の交換作業工数が削減できるばかりか、交換水量45トンも削減でき、転写不良の削減ばかりでなく、水資源が貴重な地域では特に有用な効果を得たものである。
液圧転写装置1は以上のように構成されるものであり、以下、この液圧転写装置1の作動態様(液圧転写方法)について説明しながら、転写フィルムの活性化方法について併せて説明する。
(1)活性化前:転写フィルムの供給(液面に浮かべる前)
液圧転写を行うにあたり、まず転写液Lを貯留した転写槽2に転写フィルムFを供給する。ここでは上述したように水上活性であるため、転写フィルムFは活性化せずに転写槽2に供給される。その際、転写フィルムFは、凹凸成形ローラ32を通過しながら転写槽2に供給されるものであり、これにより転写フィルムFは、両サイド部にカール防止用凹凸Rが形成された状態で転写液面上に繰り出される。
(2)活性化前:カール防止
転写液面上に供給された転写フィルムFは、両サイドに形成されたカール防止用凹凸Rが幅方向の反りに対抗する充分なコシ(強度)を有するように形成されること等からカール現象が防止される。このため転写液面上に供給された転写フィルムFは、両サイドが液面から離反するようなカールが発生せず、活性化前ガイド機構6(コンベヤ61のベルト63)に確実に接触し、両サイドが正確に保持される。また、これにより転写フィルムFは、いずれか一方の側壁22に偏ることなく、また位置ズレや蛇行も起こすことなく、活性化エリアZ2に移送されるものである。更にフィルム有効使用幅を広げることができ、幅方向の伸展率を抑制することもできるため、柄伸び感を緩和でき、高精細な転写意匠を表現することができるものである。なお、カール防止用凹凸Rを形成するには、必ずしも凹凸成形ローラ32だけでなく、レーザーマーカ37を適用することも可能であり、この場合には、凹凸成形ローラ32よりも微細なカール防止用凹凸Rを形成し得るものである。
(3)活性化前:活性化前ガイドに保持されている間の転写フィルムの状況
活性化前ガイド機構6に接触し、両サイドが保持された転写フィルムFは、この保持によりフィルム幅方向の位置が規制されるため、厚み方向への膨潤・拡大が促される。すなわち着液後の転写フィルムFは、特にフィルム下側の水溶性フィルムが、活性化エリアZ2に至るまで厚み方向に膨潤・拡大するものであり、結果的に幅方向への膨潤・拡大が規制された状態となる。なお、このように活性化前の転写フィルムF(水溶性フィルム)を厚み方向に膨潤させておくのは、その後の活性化段階で転写フィルムFを幅方向に歪無く左右均等に伸展させるためである。
(4)活性化:活性化前ガイド機構によるガイド作用の解除
その後、転写フィルムFが活性化エリアZ2に至ると活性剤が塗布されるが、その直前でまず活性化前ガイド機構6によるガイド作用(保持作用)が解除される。つまり、転写フィルムFは、活性化エリアZ2では、両サイド部分が、何も保持・規制されないフリー状態で活性剤が塗布されるものである。もちろん転写フィルムFは、着液地点Z1から活性化エリアZ2まで(更には転写エリアZ3まで)連続した状態で送られるため、活性化エリアZ2での両サイド保持が解除されても、上流側の部分には活性化前ガイド機構6によるガイド作用が働いており、フィルム全体でみれば、活性化エリアZ2でも位置ズレ防止機能が作用しているものである。
(5)活性化:転写フィルムの幅方向への伸展
このように転写フィルムFは、活性化エリアZ2ではフィルム両サイドの保持・規制が解除された状態で活性剤が塗布されるものであり、これにより転写フィルムFは幅方向に歪無く左右均等に伸展するものである。もちろん、このような伸展は、活性剤そのものの作用だけでなく、活性化エリアZ2に至るまでの間に(事前に)フィルム下側の水溶性フィルムを、活性化による伸展に追従し得る程度にまで厚み方向に膨潤・拡大させておいたことも起因する。すなわち活性剤塗布により転写フィルムFは、それまで膨潤・拡大していた厚み寸法を薄くするように唯一規制のない幅方向に伸びるものである。
(6)活性化:活性化エリアでの活性剤成分の除去
また活性化エリアZ2では、転写フィルムFの側部外方にはみ出して活性剤が塗布されるものであり、このため活性化エリアZ2では、除去手段81(排水枡82)によってフィルム外方に塗布された活性剤を転写液Lとともに回収するものである。これにより活性化エリアZ2の両サイドに滞留しようとする活性剤成分が回収され、活性化により拡大する転写フィルムFは左右均等に伸展するものである。なお、排水枡82に向かって流れる液流によっても、活性化後の転写フィルムFを左右均等に伸展させる効果が期待できるものである。
また排水枡82によって液面上の活性剤成分を転写液Lとともに吸い込むこと(回収・排水)は、上述したようにフード42内のエアも一緒に吸引・排気し得るものであり、例えば排水枡82(吸い込み口)に充填材を設けたり、排水枡82から吸い込んだ回収液を充填材及びデミスターを内蔵したミストセパレータ83に通すことで、フード42内に漂う余剰の活性剤を回収液(転写液)に溶け込ませ、活性剤塗布装置4周辺の溶剤臭を著しく低減することができるものである。
(7)活性化後:接触直前位置での活性剤成分の回収
活性化エリアZ2で活性剤成分が塗布された転写フィルムFは、幅方向に歪無く左右均等に伸展し、活性化後ガイド機構7に接触するものであるが、例えば上記排水枡82で活性剤成分が回収し切れない場合等には、接触直前位置に作用する圧縮空気吹出ノズル85によって、活性化後ガイド機構7と転写フィルムFとの間に入り込もうとする活性剤成分を排水枡82(水中ポンプ)やガイド裏等に追いやることが好ましい。これにより転写フィルムFは、より一層、伸展低下が防止され、繰り返し転写を行っても確実に活性化後ガイド機構7に接触するものである。
その後、転写フィルムFは、活性化後ガイド機構7に両サイドが保持・規制されながら転写エリアZ3まで移送される。すなわち、転写フィルムFは、活性化後も位置ズレ防止またはセンター合わせが成された状態で、なお且つ一定の伸展度合いに維持された状態で、転写エリアZ3まで移送されるものである。
(8)転写:被転写体の没入
活性化後ガイド機構7に保持・規制された転写フィルムFが転写エリアZ3に至ると、例えばコンベヤ51等の被転写体搬送装置5に保持された被転写体Wが、順次適宜の姿勢で(没入角で)転写液Lに投入され、転写が行われる。もちろん、この没入角は被転写体Wの形状や凹凸などによって適宜変更可能である。
なお活性化後ガイド機構7(チェーンコンベヤ71)の幅寸法を、活性化エリアZ2から転写エリアZ3に向かって徐々に狭めるようにした場合には、活性化後の転写フィルムFの転写パターンを引き締めて(柄伸びを抑えて)、転写パターン(柄)をよりシャープに転写することができる。
(9)転写後:脱膜洗浄工程
転写終了後、液面上に出液した被転写体Wは、被転写体搬送装置5から取り外され、脱膜洗浄装置9のコンベヤ91に載せられ、温水シャワー92、リンス水シャワー93を受け、これにより表面の水溶性フィルムが除去されるものである。
なお、脱膜洗浄工程後の脱膜洗浄排水は、溶解した水溶性フィルム等の夾雑物を含むが、このような夾雑物は、脱膜洗浄排水が循環排水管路95によって転写槽2のオーバーフロー部23の直前に導かれるため、このオーバーフロー部23で併せて沈殿・回収されるものである。もちろん、脱膜洗浄排水に含まれる水溶性フィルム等の夾雑物は、循環排水管路95中に適宜設けられるフィルタでも回収されることが好ましい。
その後、被転写体Wは、適宜、乾燥、トップコート等が施され製品となる。
〔他の実施例〕
本発明は以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
すなわち上述した実施例では、転写液L中に分散・滞留するフィルムカス等の夾雑物は、転写槽2の末端部に設けられたオーバーフロー槽23A(オーバーフロー部23)で回収するものであったが、液圧転写をより綺麗に行なうためには、一例として図10に示すように意匠面浄化機構10を具え、転写液L中から引き上げられる被転写体Wの意匠面S1に夾雑物を寄せ付けないようにしながら被転写体Wを出液させることが好ましい。このように意匠面浄化機構10は、出液エリアZ4において浮上してくる被転写体Wの意匠面S1側の浄化を図るものであり、以下、この意匠面浄化機構10について説明するが、まず意匠面S1から説明する。
意匠面S1は、被転写体Wにおいて装飾層が形成される面であり、精緻な転写が要求される面とも言え、没入の際には転写液面上に浮かべた転写フィルムF(転写パターン)に対向する面となる。特に表面保護機能も有する転写パターンを液圧転写時に形成する場合には、この意匠面S1に残留フィルム、余剰フィルム、フィルムカス、泡などを極力付着させないようにすることが好ましい。
一方、被転写体Wにおいて装飾層が形成されない面(液圧転写を要しない面)が装飾不要面であり、ここには上記フィルムカス、泡などが付着しても構わないものである(例えば意匠面S1側から回り込んだ転写パターンが歪んだ状態で転写されても構わないものである)。
このため換言すれば、意匠面S1は、完成品として被転写体W(液圧転写品)を最終的にアッセンブリ等として組み付けた状態において外観的に目視される部分となり、装飾不要面は、組み付け状態で外観的に目視されない部分であり意匠面S1の裏側となることが多いものである。
次に、出液エリアZ4(意匠面S1側)に生じる泡について説明する。出液エリアZ4では被転写体W(治具52)が液面から次々に斜め上方に引き上げられて行くため、出液中の被転写体Wの上方には、既に液面上方に引き上げられた被転写体Wや治具52が位置するものである(これを先行して引き上げられた被転写体Wや治具52とする)。その際、例えば先行して引き上げられた被転写体Wや治具52から転写液Lが雫となって転写槽2の液面に滴り落ちることがあり、落下した雫は例えば液面上で跳ねて泡となり、これが出液中の被転写体Wの意匠面S1に付着することがある。その後、この状態のまま被転写体Wに紫外線等を照射すると、泡の応力や紫外線の屈折等が原因で、泡の付着した部分は転写パターン(装飾層)の柄歪み不良や、柄が抜け落ちてしまう不良となる(いわゆるピンホール)。従って、上記図10に示す実施例では、出液エリアZ4において転写液L中から浮上する被転写体Wの意匠面S1の浄化と(主に後述する新水による作用)、意匠面S1側の液面上に生じる泡の除去、また転写液中・液面上の夾雑物の排除等を目的として意匠面浄化機構10を具えるものである。
以下、意匠面浄化機構10について詳細に説明する。意匠面浄化機構10は、出液中の被転写体Wの意匠面S1から離れる液流(下流に向かう流れ)を形成するものであり、これを意匠面離反流とする。その目的は、上述したように転写液L中に分散・滞留する夾雑物を極力、意匠面S1に寄せ付けない(付着させない)ことであり、また先行して引き上げられた被転写体Wなどから落下した雫によって生じた液面上の泡や夾雑物を、意匠面S1から遠ざけ槽外に排出すること等である。このため、意匠面離反流は、夾雑物を含まない綺麗な水、あるいは回収液から夾雑物を除去した浄化水(これらを総称して新水とする)を適用して形成することが好ましい。
このようなことから意匠面浄化機構10は、例えば図10(a)に示すように、離反流形成手段101としてのオーバーフロー槽102を、出液エリアZ4において出液してくる被転写体Wの意匠面S1側に具えて成るものである。より詳細には、本実施例では、被転写体Wが出液エリアZ4において意匠面S1を下方に向けた傾斜状態で浮上してくるため、被転写体Wの意匠面S1に臨むように(対向するように)オーバーフロー槽102を設け、出液中の被転写体W(意匠面S1)の下側から上側に向かう意匠面離反流を形成するものである。ここでオーバーフロー槽102において、主に新水を転写液Lとともに導入する回収口を排出口103とする。
次に、意匠面浄化機構10がない場合、意匠面S1に夾雑物が付着し易いことについて説明する。通常、液流が形成された転写槽2から引き上げられる被転写体Wは、少なからず上流から下流へと向かう転写液Lの流れをせき止めるような状態で浮上してくるものである。この際、せき止められた転写液Lは、被転写体Wの下側または側方を回り込むようにして流れ、これが下流側を向いた意匠面S1に向かう流れ(回り込む流れ)となる。
また、被転写体Wを液中から引き上げるとき、被転写体Wの引き上げ速度と、留まっている液面との速度差により、被転写体Wの液面近傍から被転写体Wに向かって流れる力が働くことになる。
このようなことから、出液中の被転写体Wに対しては、自ずと意匠面S1に回り込む流れ(意匠面S1に向かう流れ)が形成されるものであり、従って、そのままでは転写液L中に分散・滞留する夾雑物が意匠面S1に寄せ付けられて付着することがある。このため、本実施例では意匠面浄化機構10による意匠面離反流によって、意匠面S1に向かう転写液Lの流れを打ち消す、もしくは極力抑えるようにしたものである。
また、意匠面離反流形成用のオーバーフロー槽102においては、一例として図10(b)に示すように、排出口103に流速増強用ツバ104を形成するものであり、これはオーバーフロー槽102に導入する転写液Lの流速を速めるためである。
なお、意匠面浄化機構10における離反流形成手段101としては、必ずしも上記オーバーフロー構造だけでなく、他の排出手法も採り得るものであり、例えば図10(c)に示すように、夾雑物を含む転写液Lと新水を主に液面付近で吸い込むバキューム手法が挙げられる。すなわち、この場合には、離反流形成手段101として吸い込みノズル105が適用されるものである。
また、出液開始から出液終了までにわたって被転写体Wの意匠面S1に、確実に且つ均一に意匠面離反流を作用させるには、出液動作中、離反流形成手段101としてのオーバーフロー槽102(排出口103)と、被転写体W(意匠面S1)との距離をほぼ一定に維持することが好ましい(一例として10〜200mm程度)。しかしながら、例えば図11に示すように、被転写体W(意匠面S1)の湾曲状態や凹凸度合い等によっては、被転写体Wを一定の傾斜姿勢・出液角度で引き上げても、意匠面S1がオーバーフロー槽102(排出口103)から徐々に遠ざかってしまうことが考えられる(図中の「D1」が出液初期の両者間距離であり、「D2」が出液終期の両者間距離)。このため、オーバーフロー槽102は、転写槽2の長手方向(液流方向/転写エリアZ3〜出液エリアZ4の方向)に対して移動できるように、つまり出液中の被転写体Wに対して接近・離反自在の構成が好ましい。もちろん、オーバーフロー槽102における転写液Lの排出力(回収力)、端的には意匠面離反流そのものの強さが適宜変更できるものであれば、出液中に被転写体Wが相対的に遠ざかってしまっても、転写液Lの回収力(転写液Lの吸引力)を高めることで同様の効果が達成され得る。因みに回収力を増加させる他の手法としては、オーバーフロー槽102を下げることでも可能である。
また、特にバッチ式の液圧転写においてはオーバーフロー槽102を転写槽2の長手方向(転写エリアZ3〜出液エリアZ4の方向)に移動させ、オーバーフロー槽102に対する被転写体Wの出液位置(つまり被転写体Wとオーバーフロー槽102との距離)を一定に保つことが望ましい。ここでバッチ式の液圧転写とは、例えば図12に示すように、被転写体Wを適宜傾倒させることはあるものの、没入方向及び出液方向は鉛直方向(垂直方向)であること、つまり被転写体Wを転写槽2に対して真上から没入させ、真っ直ぐ上に出液させるのが一般的である。なお、上記図12に示す実施例は、適宜の傾倒姿勢で没入させた被転写体Wを転写槽2から徐々に引き上げる様子を段階的に示したものである。そして、バッチ式の液圧転写では、本図に示すように、出液に伴い、そのままでは被転写体W(意匠面S1)と、意匠面離反流形成用のオーバーフロー槽102との間隔が次第に大きくなってしまうため、出液動作中、オーバーフロー槽102を被転写体Wに徐々に接近させ、被転写体Wとオーバーフロー槽102との距離(図中の「D」)をほぼ一定に維持することが好ましい(例えば100mm程度)。
なお、意匠面離反流形成用のオーバーフロー槽102を設けることは、転写槽2の末端部にオーバーフロー槽を2段階で設けることになる。すなわち、上記図10に示す実施例では、転写槽2の終端部でフィルムカス等の夾雑物を転写液Lとともに回収するオーバーフロー槽23A(オーバーフロー部23)の前段に(上流側に)、意匠面離反流形成用のオーバーフロー槽102を設ける二段階構成となる。このようにオーバーフロー槽を2段並列状に設ける構造を「2段OF構造」とするものであり(「OF」はオーバーフローを示す)、各オーバーフロー槽102・23Aをより簡略的に示す場合には、意匠面離反流形成用のオーバーフロー槽102を「1段目OF槽」とし、その下流側(後段側)のオーバーフロー槽23Aを「2段目OF槽」とする。
以下、2段OF構造の作用効果(転写液中の液流)について説明する。
2段OF構造によって、転写槽2内の液流は概ね以下のように制御され得る。まず転写槽2内の液流を、例えば図13に示すように、液中の深さ(高さ)によって次の3種に区分した。
上層付近(上層流):図中の破線
中層付近(中層流):図中の実線
下層付近(下層流):図中の一点鎖線
ここで、中層流とは、1段目OF槽102とほぼ同じ高さを流れ、該OF槽102が液流に対し邪魔板(立ち壁)のように作用して液流抵抗となり、主に、当該OF槽102の下方をくぐり抜けて行く流れを想定したものである。一方、このような中層流に対し、その上下には、液流抵抗になるものがない(もしくは1段目OF槽102の抵抗の影響が極めて少ない)と考え、従ってこれら上層流及び下層流は、液流に沿ってほぼ水平に流れると想定したものである。
もちろん、ここでの「層」とは、転写液中の深さ(高さ)を区別するために便宜的に使用した文言であり、中層(中層流)に代表されるように、実際の流れが全体的に層を成すものではない(層状態で平行に流れるものではない)。
このような観点から転写液中の流れを整理すると以下のようになると考えられる(図13参照)。
まず、1段目OF槽102の手前まで(1段目OF槽102が液流抵抗となるまで)は、上層流、中層流、下層流とも、同じ水平方向にほぼ同速度で流れる。
そして1段目OF槽102付近で(直前で)、上述したように液面付近の上層流のみが意匠面離反流形成用の1段目OF槽102に回収される。この際、該OF槽102に流速増強用ツバ104が形成されていれば、該OF槽102に回収される上層流は、水平方向に加速される。
また、中層流は、1段目OF槽102が液流抵抗となるため、これをくぐり抜けるように、主に1段目OF槽102の下方にもぐり込む液流(これを下向き流れとする)となる。この下向き流れは、1段目OF槽102が液流抵抗となるため、低速化すると考えられる。このようにして1段目OF槽102の下方にもぐり込んだ中層流は、該OF槽102をくぐり抜けた後、今度は上に向かう流れとなる(これを上向き流れとする)。この上向き流れは、液流抵抗が開放された後であるため低速化すると考えられる。また、この中層流の上向き流れは、下層流を、上向きに引き上げるように作用すると考えられる。その後、中層流・下層流の上向き流れは、2段目OF槽23Aに回収されるが、この回収は転写槽2の末端の壁面全体で回収することも可能である。
ここで中層流が1段目OF槽102の下方にもぐり込む流れ(図中符号「P1」)の作用効果について説明する。
被転写体Wを転写液Lから引き上げる際には、上述したように、そのままでは下流側を向いた意匠面S1に、夾雑物を含む転写液Lが回り込むように流れるものであるが、このような衝突流(回り込み流)は上層付近だけでなく、被転写体Wが液流をせき止めるように作用する中層流付近でも発生すると考えられる。しかしながら、本実施例では、中層流が1段目OF槽102の下方にもぐり込むように下向きに流れるため、これが中層付近に形成される衝突流を打ち消すように作用し、中層流自体の意匠面S1への寄りつきを防ぎ、ひいては中層流中に含まれる夾雑物の意匠面S1への付着を防止するものである。
また、本実施例では、中層流と下層流との間に境界が形成(想定)されるため(特に1段目OF槽102の下方であり図中符号「P2」)、この作用効果について説明する。
中層流が1段目OF槽102の抵抗により低速化し下向き流れを形成するなか、下層流は、速度・方向を維持した状態でそのまま下流に流れる(安定した液流状態を保つ)と考えられる。このため中層流中の夾雑物は、下層流の上面で落下・沈降が抑制される(これを下層流の安定した液流によるカーテン効果とする)。加えて、1段目OF槽102の下方では、該OF槽102と転写槽2底部との間隔(転写槽2の深さ)が最も狭くなるため、中層流は高速化する。これらにより、中層流中に含まれる夾雑物は、下層流との境界部分で、転写槽底部への落下・滞留が抑制されるものである(転写付近への夾雑物の沈降防止として機能する)。
次に、中層流が上向き流れとなる部位(図中符号「P3」)の作用効果について説明する。
中層流は、1段目OF槽102の下方をくぐり抜けると、液流抵抗がなくなり上側開放となるため、低速化し上向き流れが促進される。また、これに伴い下層流が低速化するものであり、これにより夾雑物への粉砕影響に起因し易い撹拌現象が抑えられ、中層流と下層流との境界付近の夾雑物を破壊分散させないように作用する。従って転写槽2の中層・下層付近では、夾雑物の回収が促進され、ますます夾雑物が転写槽2の底部に沈殿しにくいものとなる。
また本実施例では、2段目OF槽23Aの下方(転写槽2の隅角部)に傾斜板25を設けるものであり、以下この作用効果について説明する。
傾斜板25は、下層流を末端部分で上向きに流す作用を担うものであるが、中層流が1段目OF槽102の下方をくぐり抜けた後、上向き流れとなって夾雑物を上方に移送する際に、これに併せて下層流を上向きに流すことで、上向き流れとなった中層流の後段(下流側)が粗にならないように補助することが主な役割である。これにより中層流・下層流に含まれる夾雑物がより能率的に回収できるものである。
因みに、従来もこのような傾斜板は存在し得るが、それは液収容量を低減させるための転写槽末端のテーパ処理が主な目的であった。もちろん、従来の転写槽においても、このような転写槽末端の傾斜板によって転写液L(下層流)を上側に誘導(案内)する現象が多少生じたとしても、従来は1段目OF槽102が存在しないため、該OF槽102による中層流の回り込み(もぐり込みからの上向き流れ)がなく、当然この流れによる下層流の引き上げも生じない。加えて、1段目OF槽102がないために、中層流の流れは水平方向となり、いくら傾斜板による転写液の上昇が期待できるとはいっても、中層流の水平流れが下層流の上昇を妨げるように働き、結果的に中層流のみが引き上げられ、本実施例と同程度の下層流中の夾雑物の引き上げは望めないものであった。
なお、転写槽2内に収容する転写液Lは、コスト、処理効率、環境面で可能な限り少量とする必要性が高まっている(廃棄する夾雑物分離負担、循環させる液濾過負担の両面で)。
また液圧転写は液圧を利用した転写手法であることから、転写槽2は、被転写体Wを転写液L中に完全に没入(埋没)させるだけの深さ(MAX深さ)が必要になるが、この深さは、転写槽2の全体(全長)にわたって必須のものではなく、例えば転写エリアZ3(没入エリア)から出液エリアZ4までの転写必要区間で確保できればよいものである。逆に言えば、フィルム供給端などの転写不要区間では、この深さを必ずしも確保する必要はなく、上記のように転写槽2内の容量を低減させる観点から、本実施例では、転写不要区間で転写槽2の深さを浅く形成したものである。具体的には、例えば図2・10・13に示すように、転写槽2のフィルム供給側(上流側)を適宜の長さにわたって浅く形成しておき、これに続く中流域部分で槽底部を傾斜状に形成し、徐々に深さを増して行くように形成するものであり、転写槽2全体を側面から視た際に、下窄まりの略台形状となるように形成するものである。ここで図中符号「26」は、転写槽2の中流域部分で傾斜状態に形成された傾斜部である。なお、転写エリアZ3(没入エリア)と出液エリアZ4とが幾らか離れている場合(例えば上記図10の実施例参照)、この転写エリアZ3から出液エリアZ4までの区間(被転写体Wが没入している区間)が転写必要区間となるが、転写必要区間とは必ずしも明確な区間(適宜の距離を有した区間)になるとは限らず、例えば転写エリアZ3と出液エリアZ4がほぼ一致するような液圧転写では、転写エリアZ3のみが転写必要区間となる。
以上述べたように1段目OF槽102は、中層流がここをくぐり抜けることで、上向き流れを形成し、且つこの上向き流れが下層流の引き上げや、夾雑物の沈降防止・回収(2段目OF槽23Aへの移送)等に寄与する。このため、例えば図13(b)に示すように、1段目OF槽102を液流方向(転写槽2の長手方向)に伸縮自在の構成とすれば、これら中層流の上向き流れや下層流の引き上げ等を適宜制御することもできる。

Claims (21)

  1. 水溶性フィルムに少なくとも転写パターンを乾燥状態で形成して成る転写フィルムを、転写パターンを上に向けた状態で転写槽内の液面上に供給し、その後、転写フィルムの上方から活性剤を塗布して転写フィルム上の転写パターンを活性化させる方法において、
    前記転写槽には、転写槽中央の液面上に供給した転写フィルムから左右均等位置でフィルムの両サイドを保持し活性化エリアへと案内する活性化前ガイド機構を設け、この活性化前ガイド機構が転写フィルムを保持している間は、転写フィルムに厚み方向への膨潤を促すようにし、
    また活性化エリアでは、活性化前ガイド機構による転写フィルムのガイド作用を解除した状態で転写フィルムに活性剤を塗布するようにしたことを特徴とする、転写フィルムの活性化方法。
  2. 前記活性化エリアにおける転写フィルムの活性化は、
    活性化前ガイド機構により活性化前の転写フィルムに対し厚み方向に膨潤を促しておくことと、
    活性化エリアの直前において活性化前ガイド機構による転写フィルムの両サイド保持を解除し、この状態で活性剤を塗布することとにより、
    乾燥状態にあるインクの伸展抑制状態を一気に解除し、転写フィルムを幅方向に歪無く左右均等に膨潤させるものであることを特徴とする請求項1記載の、転写フィルムの活性化方法。
  3. 前記活性化エリアの後段には、転写槽中央から左右均等位置で、活性化により幅方向に伸展する転写フィルムの両サイドを保持し転写エリアへと案内する活性化後ガイド機構を設けるようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の、転写フィルムの活性化方法。
  4. 前記活性化エリアにおいて転写液面上の転写フィルムに活性剤を塗布するにあたっては、活性剤を噴出するスプレーガンが、転写フィルムの幅方向に往復動しながら転写フィルムの両サイド外方まで、はみ出て活性剤を塗布するものであり、
    また活性化エリアにおける転写フィルムの両サイド外方部分には、転写液面上で塗布され液面上に浮遊する不要な活性剤成分を転写液とともに排水し、且つ活性化エリアを覆うフード内で浮遊飛散する活性剤をも同時に吸引し転写液と混合排出する除去手段を設けるようにしたことを特徴とする請求項1、2または3記載の、転写フィルムの活性化方法。
  5. 前記活性化により幅方向に伸展する転写フィルムが活性化後ガイド機構に接触する直前の位置には、活性化後ガイド機構と転写フィルムとの間の転写液面上に浮遊する活性剤成分を、活性化エリアの両サイドにおいて不要な活性剤成分を転写液とともに排水する部位、または転写槽の側壁と活性化後ガイド機構との間に送り込む除去手段を設けるようにしたことを特徴とする請求項4記載の、転写フィルムの活性化方法。
  6. 前記転写フィルムを転写液面上に供給するにあたっては、転写フィルムを転写槽に供給する以前の段階で、転写フィルムの両サイド部分に、フィルム幅方向へのカールに抗する筋状のカール防止用凹凸を形成するようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の、転写フィルムの活性化方法。
  7. 水溶性フィルムに少なくとも転写パターンを乾燥状態で形成して成る転写フィルムを、転写槽内の液面上に浮遊支持し、その上方から被転写体を押し付け、これによって生じる液圧によって、主に被転写体の意匠面側に転写パターンを転写する方法において、
    前記転写フィルムを活性化するにあたっては、前記請求項1、2、3、4、5または6記載の活性化方法によって活性化するようにしたことを特徴とする液圧転写方法。
  8. 前記転写槽の下流側にはオーバーフロー部が設けられ、ここで回収した液体から残留フィルム等の夾雑物を沈殿・除去し、またこの回収液を温度調整してから転写槽の上流側から循環供給するものであり、
    且つ前記転写槽から引き上げた被転写体は、その後、脱膜洗浄工程に送られ、ここで表面の水溶性フィルムが溶解洗浄されるものであり、当該工程で生じる、溶解した水溶性フィルムを含む洗浄排水を、前記転写槽のオーバーフロー部の直前に循環供給するようにしたことを特徴とする請求項7記載の液圧転写方法。
  9. 前記転写槽には、被転写体を転写液中から引き上げる出液エリアに、
    出液中の被転写体の意匠面から離れる意匠面離反流を形成し、転写液面上の泡や液中に滞留する夾雑物を、出液中の被転写体の意匠面から遠ざけ、転写槽外に排出するようにしたことを特徴とする請求項7または8記載の液圧転写方法。
  10. 前記オーバーフロー部の前段には、出液中の被転写体の意匠面に臨むオーバーフロー槽を更に設けるものであり、このオーバーフロー槽によって前記意匠面離反流を形成するようにしたことを特徴とする請求項9記載の液圧転写方法。
  11. 転写液を貯留する転写槽と、
    この転写槽に転写フィルムを供給する転写フィルム供給装置と、
    転写槽の液面上に供給された転写フィルムに活性剤を塗布し転写可能な状態とする活性剤塗布装置と、
    活性剤により転写槽の液面上で活性化状態となった転写フィルムに対して上方から被転写体を押し付ける被転写体搬送装置とを具え、
    水溶性フィルムに少なくとも転写パターンが乾燥状態で形成されて成る転写フィルムを、転写槽内の液面上で浮遊支持し、その上方から被転写体を押し付け、これによって生じる液圧によって、主に被転写体の意匠面側に転写パターンを転写する装置において、
    前記転写槽には、転写槽中央の液面上に供給した転写フィルムから左右均等位置でフィルムの両サイドを保持し活性化エリアへと案内する活性化前ガイド機構が設けられ、この活性化前ガイド機構が転写フィルムを保持している間は、転写フィルムに厚み方向への膨潤を促すようにし、
    また活性化エリアでは、活性化前ガイド機構による転写フィルムのガイド作用を解除した状態で転写フィルムに活性剤を塗布するようにしたことを特徴とする液圧転写装置。
  12. 前記活性化エリアの後段には、転写槽中央から左右均等位置で、活性化により幅方向に伸展する転写フィルムの両サイドを保持し転写エリアへと案内する活性化後ガイド機構が設けられることを特徴とする請求項11記載の液圧転写装置。
  13. 前記活性剤塗布装置は、活性剤を噴出するスプレーガンを具え、このスプレーガンが活性化エリアで転写フィルムの幅方向に往復動しながら転写フィルムの両サイド外方まで、はみ出て活性剤を塗布するものであり、
    また活性化エリアにおける転写フィルムの両サイド外方部分には、転写液面上で塗布され液面上に浮遊する不要な活性剤成分を転写液とともに排水し、且つ活性化エリアを覆うフード内で浮遊飛散する活性剤をも同時に吸引し転写液と混合排出する除去手段が設けられることを特徴とする請求項11または12記載の液圧転写装置。
  14. 前記活性化エリアの両サイドにおいて、不要な活性剤成分を転写液とともに排水・回収する除去手段の吸い込み口には、不要な活性剤成分を含む空気と回収液との気液接触を促進させる充填材が設けられ、更に当該手段の回収液の排水側後段には、不要な活性剤成分を含む空気と回収液との気液接触を促進させる充填材及びデミスターを内蔵したミストセパレータが設けられ、更にその後段に排気ファンが設けられるものであり、
    かかる構成により、不要な活性剤成分を含む空気は、活性剤成分を回収液に溶け込ませて浄化した後、排気ファンから外部に放出されるようにしたことを特徴とする請求項13記載の液圧転写装置。
  15. 前記活性化により幅方向に伸展する転写フィルムが活性化後ガイド機構に接触する直前の位置には、活性化後ガイド機構と転写フィルムとの間の転写液面上に浮遊する活性剤成分を、活性化エリアの両サイドにおいて不要な活性剤成分を転写液とともに排水する部位、または転写槽の側壁と活性化後ガイド機構との間に送り込む除去手段が設けられることを特徴とする請求項13または14記載の液圧転写装置。
  16. 前記転写フィルム供給装置は、転写槽に供給する以前の転写フィルムの両サイド部分に、フィルム幅方向へのカールに抗する筋状のカール防止用凹凸を形成する凹凸成形ローラ、もしくはカール防止用凹凸を微視的凹凸として形成するレーザーマーカを具えることを特徴とする請求項11、12、13、14または15記載の液圧転写装置。
  17. 前記活性化前ガイド機構は、プーリに無端状のベルトを巻回して成るコンベヤによって構成されるものであり、
    またプーリの回転軸はほぼ鉛直方向に設定され、ここに巻回されたベルトの幅方向が転写液面の高さ方向になるように設定されることを特徴とする請求項11、12、13、14、15または16記載の液圧転写装置。
  18. 前記活性化後ガイド機構は、活性化前ガイド機構においてフィルム両サイドを保持していたガイド部材が活性化エリアを避けるように転写エリア以降まで取り回され、活性化により伸展する転写フィルムの両サイドを、活性化前ガイド機構と同じガイド部材によって保持するようにしたことを特徴とする請求項12、13、14、15、16または17記載の液圧転写装置。
  19. 前記転写槽の下流側にはオーバーフロー部が設けられ、ここで回収した液体から残留フィルム等の夾雑物を沈殿・除去し、またこの回収液を温度調整してから循環管路によって転写槽の上流側から循環供給するものであり、
    且つまた前記転写槽の後段には、転写槽から引き上げた被転写体の表面を洗浄する脱膜洗浄装置を具え、当該装置によって、被転写体表面に付着した水溶性フィルムを溶解洗浄して取り除くものであり、
    また、この脱膜洗浄装置は、前記転写槽に対し循環排水管路で接続されて成り、
    脱膜洗浄工程で生じる、溶解した水溶性フィルムを含む洗浄排水を、前記転写槽のオーバーフロー部の直前に循環供給するようにしたことを特徴とする請求項11、12、13、14、15、16、17または18記載の液圧転写装置。
  20. 前記被転写体を転写液中から引き上げる出液エリアには、転写液中から浮上中の被転写体の意匠面に作用する離反流形成手段を設け、出液中の被転写体の意匠面から離れる意匠面離反流を形成するものであり、これにより転写液面上の泡や液中に滞留する夾雑物を、出液中の被転写体の意匠面から遠ざけ、転写槽外に排出するようにしたことを特徴とする請求項11、12、13、14、15、16、17、18または19記載の液圧転写装置。
  21. 前記オーバーフロー部の前段には、出液中の被転写体の意匠面に臨むオーバーフロー槽を更に設けるものであり、このオーバーフロー槽によって前記意匠面離反流を形成するようにしたことを特徴とする請求項20記載の液圧転写装置。
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