JP3393734B2 - 金属積層構造体 - Google Patents

金属積層構造体

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JP3393734B2
JP3393734B2 JP11666295A JP11666295A JP3393734B2 JP 3393734 B2 JP3393734 B2 JP 3393734B2 JP 11666295 A JP11666295 A JP 11666295A JP 11666295 A JP11666295 A JP 11666295A JP 3393734 B2 JP3393734 B2 JP 3393734B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属とポリエチレンの
積層構造体に関するものである。さらに詳しくは、厳し
い環境条件下に置かれる原油、天然ガスなどの輸送用の
鋼管の被覆などの目的に特に有用な金属積層構造体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】金属材料として最も一般的な鋼材は腐食
しやすいとの欠点があるため、通常は鋼材の使用前ある
いは使用中に各種の防食加工を施して使用している。鋼
材の防食加工としては、ポリエチレンなどからなるプラ
スチック被覆材を用いる方法が特に屋外に配設される鋼
管などの被覆に多く利用されている。
【0003】例えば、特開昭56―10537号公報に
は、特定のポリエチレン組成物を用いた鋼管被覆材料が
開示されている。
【0004】一般に、ポリエチレンなどの材料から製造
された被覆材は金属表面に対する接着性が乏しいため、
通常は、金属表面と被覆用のプラスチック被覆材との間
に接着剤層を介在させることにより接着を行い、プラス
チック被覆材の金属表面からの脱離を防いでいる。
【0005】上記の接着剤としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィンに不飽和ジカルボン酸
類をグラフトした変性ポリオレフィンで積層(接着)す
ることが知られている。
【0006】例えば、特公昭62―2871号公報に
は、線状低密度ポリエチレンを不飽和ジカルボン酸類を
グラフトした変性ポリオレフィンを接着剤として用いた
金属表面の被覆方法が開示されている。
【0007】また、特開平4―300933号公報に
は、α―オレフィンランダム共重合体の不飽和カルボン
酸による変性物とポリプロピレン樹脂とを成分とする組
成物、あるいは特開平5―50556号公報、特開平5
―50557号公報には、特定の構造と物性を有するポ
リオレフィンランダム共重合体の不飽和カルボン酸によ
る変性物を成分とする組成物を接着剤として用いる方法
が開示されている。
【0008】近年、極地でのエネルギー開発が進み、−
60℃以下の極低温でパイプラインの敷設工事が行われ
るようになってきた。施工時のパイプ同士の接触等によ
り被覆が損傷を受けることがあるので、このような極低
温ではポリエチレン被覆の耐低温衝撃性の向上が重要な
課題である。
【0009】また、採取される原油が重質油の場合は、
粘度を下げるために40℃以上に加熱して、輸送する場
合がある。そのため、極寒冷地において、高温にて操業
されるようなパイプラインなどでは、被覆の耐低温衝撃
性に加えて、高温での接着強度の確保が重要である。
【0010】しかしながら、従来の変性ポリオレフィン
は、鋼、鉄、アルミニウム等の金属に対する接着強度が
小さく、また、低温での耐衝撃性が不十分であるため改
良が望まれている。
【0011】また、従来、エチレン―α―オレフィン共
重合体で、分子量分布を狭くすると、衝撃性、引張り特
性などの機械特性の向上が見られるものの、反面、成形
加工性が悪くなりやすく、両特性を満足できるものは得
られていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属との接
着強度が大きく、耐低温衝撃性にも優れた接着性ポリエ
チレン組成物を接着剤層として用い、特定のポリエチレ
ン組成物を被覆層として用い、特に、防食を目的とした
鋼管等の被覆に際し、極低温下(−60℃以下)での耐
衝撃性に優れ、比較的高い温度(40℃以上)での接着
性能の優れた新規の金属積層構造体を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一に、金属
層(A)、線状低密度ポリエチレンに不飽和カルボン酸
類をグラフトさせた変性ポリエチレン5〜50重量%及
びエチレン―α―オレフィン共重合体95〜50重量%
からなるポリエチレン組成物接着剤層(B)、及び高中
低圧法ポリエチレン80重量%以上からなる密度が0.
92〜0.95g/cm3であるポリエチレン組成物被
覆層(C)からなる金属積層構造体であって、該エチレ
ン―α―オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/M
n)が2.5以下であり、かつ、メルトフロー比(MI
10/MI2.16)が5〜15の範囲(ただし、MI10は1
90℃での荷重10Kgのメルトインデックス、MI
2.16は190℃での荷重2.16Kgのメルトインデッ
クスを表す。)であることを特徴とする金属積層構造体
である。
【0014】本発明は、第二に、ポリエチレン組成物接
着剤層(B)が、請求項1の接着性ポリエチレン組成物
100重量部に対して、エチレン―プロピレン共重合体
ゴムを50重量部以下配合したものであることを特徴と
する金属積層構造体 である。
【0015】本発明の金属積層構造体の(A)金属層材
料としては各種の材料が用いられるが代表的なものは、
鉄、亜鉛、スズ、アルミニウム、銅、ニッケル等が挙げ
られる。
【0016】またこれらの金属の合金であり、また、こ
れらの金属にメッキが施されたもの、あるいはこれらの
金属によるメッキが施されているものなどが挙げられ
る。特に、鋼板、TSF鋼板が好ましい。
【0017】金属材料の形態についても特に制限はな
く、平板状、棒状、管状など任意の形状に成形された金
属材料を用いることができる。
【0018】これらの金属の表面は、従来より知られて
いるように予め、脱脂処理などの清浄化処理あるいはグ
リッドブラストなどによる粗面化処理を施しておくこと
が望ましい。
【0019】また、金属表面に、クロメート被膜とエポ
キシプライマー層からなる下地処理を施すことも、より
大きな接着力及びより優れた防食性を有する積層物が得
られて好ましい。
【0020】まず、脱脂処理などの清浄化処理あるいは
グリッドブラストなどによる粗面化処理を施した金属の
表面に、クロメート処理剤をロールや刷毛等で塗布し加
熱・焼き付けしてクロメート被膜を形成する。
【0021】クロメート処理剤は、例えば無水クロム酸
の水溶液に有機質の還元剤等を添加して加熱し水溶液中
の6価クロムの一部を3価クロムに部分還元した還元水
溶液に、シリカの微粒子を添加・分散した混合物、ある
いは無水クロム酸とリン酸の混合水溶液に有機質の還元
剤などを添加して加熱し水溶液中の6価クロムの一部を
3価クロムに部分還元した還元水溶液に、シリカの微粒
子を添加・分散した混合物などを用いる。
【0022】エポキシプライマー被膜は、金属表面のク
ロメート被膜の上にエポキシ、顔料と硬化剤の混合物か
らなるプライマーをスプレー塗装やしごき塗布などの方
法で塗布し、加熱硬化して形成する。
【0023】エポキシ樹脂としてはビスフェノールAま
たはビスフェノールFのジグリシジルエーテルの単独、
または混合物が好ましい。
【0024】顔料としては、シリカや酸化チタン等の無
機顔料を用いる。硬化剤としては、脂環式アミン、脂肪
族アミン、ジシアンジアミド、変性イミダゾール等を用
いる。
【0025】クロメート被膜は、加熱・焼き付け後の全
クロム付着量換算で1000mg/m2以下の厚みであ
ると良好な結果が得られる。
【0026】1000mg/m2を超えるとエポキシプ
ライマーと金属との密着力が低下する。エポキシプライ
マー層は200μm以下の厚みであると良好な結果が得
られる。200μmを超えると耐低温衝撃性が低下す
る。
【0027】本発明においては、上記の金属層(A)
に、線状低密度ポリエチレンに不飽和カルボン酸類をグ
ラフトさせた変性ポリエチレン5〜50重量%及びエチ
レン―α―オレフィン共重合体95〜50重量%からな
るポリエチレン組成物接着剤層(B)を形成する。
【0028】本発明における線状低密度ポリエチレンと
は、チーグラー系又はクロム系の蝕媒の存在下に、中低
圧の圧力で、エチレンとα―オレフィンとを溶液重合、
気相重合あるいはスラリー重合などの方法で共重合させ
ることによって製造できる比較的分子量分布の広いエチ
レン―α―オレフィン共重合体である。
【0029】共重合のコモノマーとしては、プロピレ
ン、ブテン―1、ペンテン―1、4―メチルペンテン―
1、オクテン―1などの炭素数3以上のα―オレフィン
が挙げられる。
【0030】線状低密度ポリエチレンのα―オレフィン
から誘導される繰り返し単位は、0.1〜10mole
%であることが好ましい。
【0031】線状低密度ポリエチレンとしては、特に下
記の物性を有するものが好ましい。190℃でのメルト
インデックスが0.1〜10g/10分以下であり、よ
り好ましくは、0.5〜5g/10分である。また、分
子量分布(Mw/Mn)は、3以上であり、より好まし
くは4〜30である。
【0032】本発明の変性ポリエチレンは上記の線状低
密度ポリエチレンに不飽和ジカルボン酸類をグラフトし
たものである。
【0033】また、不飽和カルボン酸類としては、マレ
イン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボ
ン酸、及びこれらの酸の無水物が挙げられる。
【0034】線状低密度ポリエチレンにグラフトさせる
不飽和カルボン酸類の量は、0.01〜5重量%が好ま
しく、0.04〜1重量%がより好ましい。
【0035】線状低密度ポリエチレンに不飽和カルボン
酸類をグラフトさせる方法としては、例えば、該組成物
及び不飽和ジカルボン酸類を反応開始剤の存在下に溶融
混練することにより製造できる。
【0036】反応開始剤としては、t―ブチル―ハイド
ロパーオキサイドなどの有機過酸化物系の反応開始剤が
使用できる。また、2,3―ジメチル―2,3―ジフェ
ニルブタンなどのクメンの二量体およびその誘導体が使
用できる。
【0037】本発明におけるエチレン―α―オレフィン
共重合体とは、シングルサイト触媒の存在下にエチレン
とα―オレフィンを共重合することによって得られたも
のである。
【0038】また、本発明のエチレン―α―オレフィン
共重合体は、分子量分布(Mw/Mn)が、好ましくは
2.5以下であり、より好ましくは、1.9〜2.3で
ある。また、メルトフロー比(MI10/MI2.16)が5
〜15の範囲、好ましくは6.8〜11.5の範囲(た
だし、MI10は190℃での荷重10Kgのメルトイン
デックス、MI2.16は190℃での荷重2.16Kgの
メルトインデックスを表す。)である。
【0039】エチレン―α―オレフィン共重合体を構成
するα―オレフィンとしては、プロピレン、ブテン―
1、ペンテン―1、ヘキセン―1、4―メチルペンテン
―1、オクテン―1などが挙げられるが、炭素数4以上
のα―オレフィンが好ましく、炭素数5〜10のα―オ
レフィンがより好ましい。
【0040】この場合、タイ分子結合数の増加が考えら
れ、機械強度の向上などが見込まれる。例えば、オクテ
ン―1が好適に用いることができる。
【0041】エチレン―α―オレフィン共重合体中のα
―オレフィンから誘導される繰り返し単位は、通常、3
0wt%以下含まれている。α―オレフィンは、エチレ
ン―α―オレフィン共重合体中に単独であっても、2種
以上含まれていてもよい。
【0042】本発明のエチレン―α―オレフィン共重合
体としては、特に次の物性を有するものが好ましい。1
90℃での荷重2.16Kgのメルトインデックスが1
0g/10分以下であり、より好ましくは0.5〜5g
/10分である。密度が0.94g/cm3以下であ
り、より好ましくは0.86〜0.92g/cm3 であ
る。分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下であり、よ
り好ましくは、1.9〜2.3である。
【0043】本発明のエチレン―α―オレフィン共重合
体はシングルサィト系触媒によって製造できる。シング
ルサイト系触媒としては、周期律表第IV又はV族遷移
金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウム化合物及
び/又はイオン性化合物の組合せが用いられる。
【0044】周期律表第IV又はV族遷移金属として
は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウ
ム(Hf)、バナジウム(V)などが好ましい。
【0045】そのメタロセン化合物とは、少なくとも一
個のシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニ
ル基(例えば、メチル、ジメチル、ペンタメチルなどの
アルキル置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、
フルオレニル基)を配位子とするもの、あるいはそれら
のシクロペンタジエニル基がヒドロカルビル基(例え
ば、アルキレン基、置換アルキレン基)、ヒドロカルビ
ル珪素(例えば、シラニレン基、置換シラニレン基、シ
ラアルキレン基、置換シラアルキレン)などによって架
橋されたもの、さらにシクロペンタジエニル基が酸素、
窒素、燐原子に架橋されたもの(例えば、オキサシラニ
レン基、置換オキサシラニレン基、オキサシラアルキレ
ン基、置換オキサシラアルキレン基、アミノシリル基、
モノ置換アミノシリル基、ホスフィノシリル基、モノ置
換ホスフィノシリル基)を配位子とする、いわゆる公知
のメタロセン化合物をいずれも使用できる。
【0046】それらの具体例としては、特開昭58―1
9309号公報、同60―35006号公報、同61―
130314号公報、同61−264010号公報、同
61―296008号公報、同63―222177号公
報、同63―251405号公報、特開平1―6621
4号公報、同1―74202号公報、同1―27560
9号公報、同1―301704号公報、同1―3194
89号公報、同2―41303号公報、同2―1314
88号公報、同3―12406号公報、同3―1395
04号公報、同3―179006号公報、同3―185
005号公報、同3―188092号公報、同3―19
7514号公報、同3―207703号公報、同5―2
09013号公報、特表平1―501950号公報、同
1―502036号公報、及び同5―505593号公
報に記載されたものを挙げることができる。
【0047】本発明においては、上記以外のシングルサ
イト系触媒として、特開昭61―130314号公報、
同61―264010号公報、同63―142004号
公報、特開平1―129004号公報、同1―3017
04号公報、同2―75605号公報、同3―1240
6号公報、同3―12407号公報、同4―22770
8号公報、同4―268308号公報、同4―3008
87号公報、同6―25343号公報などに記載されて
いるようなメタロセン化合物を挙げることができる。
【0048】また、特開平3―163088号公報など
記載されている拘束幾何型触媒を用いることができる。
【0049】これらのメタロセン化合物の具体例として
は、ジメチルシリル(2,4―ジメチルシクロペンタジ
エニル)(3’,5’―ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリル(2,
4―ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’―ジ
メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド
などのケイ素架橋型メタロセン化合物、エチレンビスイ
ンデニルジルコニウムジクロライド、エチレンビスイン
デニルハフニウムジクロライド、エチレンビス(メチル
インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス
(メチルインデニル)ハフニウムジクロライドなどのイ
ンデニル系架橋型メタロセン化合物を挙げることができ
る。
【0050】本発明でメタロセン化合物との組合せで用
いられる有機アルミニウム化合物としては、一般式、
(―Al(R)O―)nで示される直鎖状、あるいは環
状重合体(Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、一
部ハロゲン原子及び/又はRO基で置換されたものも含
む。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上で
ある)であり、具体例としてRがそれぞれメチル、エチ
ル、イソブチル基である、メチルアルモキサン、エチル
アルモキサン、イソブチルエチルアルモキサンなどが挙
げられる。
【0051】さらに、その他の有機アルミニウム化合物
としては、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロ
ゲノアルミニウム、セスキアルキルハロゲノアルミニウ
ム、アルケニルアルミニウム、ジアルキルハイドロアル
ミニウム、セスキアルキルハイドロアルミニウムなどが
挙げられる。
【0052】その具体例としては、トリメチルアルミニ
ウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミ
ニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジメチルア
ルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライ
ドなどのジアルキルハロゲノアルミニウム、セスキメチ
ルアルミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウム
クロライドなどのセスキアルキルハロゲノアルミニウ
ム、エチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミ
ニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウムハイド
ライドを挙げることができる。
【0053】これらの有機アルミニウム化合物は、前記
の有機アルミニウムオキシ化合物と併用することができ
る。
【0054】イオン性化合物としては、一般式、C+-
で示され、C+は有機化合物、有機金属化合物、あるい
は無機化合物の酸化性のカチオン、又はルイス塩基とプ
ロトンからなるレンステッド酸であり、メタロセン配
位子のアニオンと反応してメタロセンのカチオンを生成
することができる。
【0055】A-は嵩高く、非配位性のアニオンであ
り、メタロセンに配位せずにメタロセンカチオンを安定
化することができるものである。
【0056】それらの具体例としては、特開平4―25
3711号公報、同4―305585号公報、特公表平
5―507756号公報、同5―502906号公報に
記載されたようなものを用いることができる。
【0057】特に、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートアニオンとトリフェニルカルボニウムカチ
オンあるいはジアルキルアニリニウムカチオンとのイオ
ン化合物が好ましい。
【0058】これらのイオン化合物は、前記の有機アル
ミニウム化合物と併用することができる。
【0059】シングルサイト系触媒を用いて行うエチレ
ンとα―オレフィンの共重合方法としては、良く知られ
た各種の方法を採用でき、不活性ガス中での流動床式気
相重合あるいは撹拌式気相重合、不活性溶媒中でのスラ
リー重合、モノマーを溶媒とするバルク重合などが挙げ
られる。
【0060】重合温度は、通常、10〜150℃、好ま
しくは20〜90℃であり、重合時間は、通常0.1〜
10時間である。
【0061】本発明のシングルサイト系重合触媒とし
て、メタロセン化合物と有機アルミニウム化合物を用い
る場合、有機アルミニウム化合物のアルミニウム(A
l)原子とメタロセン化合物の遷移金属原子のモル比
(Al/遷移金属原子モル比)として、通常、10〜1
00,000、好ましくは10〜1,000である。
【0062】本発明のシングルサイト系重合触媒として
有機アルミニウム化合物に代えて、イオン性化合物を単
独で又は有機アルミニウム化合物と混合して用いてもよ
い。イオン性化合物/遷移金属原子モル比は、通常、
0.1〜50、好ましくは0.5〜5である。
【0063】本発明における線状低密度ポリエチレンに
不飽和カルボン酸類をグラフトさせた変性ポリエチレン
とエチレン―α―オレフィン共重合体との配合割合は、
変性ポリエチレン5〜50重量%、好ましくは、10〜
40重量%であり、エチレン―α―オレフィン共重合体
95〜50重量%、好ましくは、90〜60重量%であ
る。本発明の接着性ポリエチレン組成物は、上記の割合
で各成分を含有することにより、接着性及び低温特性が
一層向上する。
【0064】本発明の接着性ポリエチレン組成物は、さ
らに、エチレン―プロピレン共重合体ゴムを配合して用
いてもよい。エチレン―プロピレン共重合体ゴムの配合
量は、接着性ポリエチレン組成物100重量部に対し
て、通常、50重量部以下であり、より好ましくは、4
0重量部以下である。
【0065】エチレン―プロピレン共重合体ゴムを配合
することにより、接着性ポリエチレン組成物の低温特性
がより向上する。
【0066】本発明の接着性ポリエチレン組成物は、用
途に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機・
有機充填剤、顔料、帯電防止剤などを添加することがで
きる。
【0067】本発明の接着性ポリエチレン組成物は、通
常のポリエチレンと同様な方法により、粉末状、ペレッ
ト状、フィルム状又はシート状に任意の形態に成形し
て、金属層(A)に積層して、加熱融着あるいは金属表
面に与えられている予熱を利用して融着が行われる。こ
のように形成されるポリエチレン組成物接着剤層(B)
の層厚には特に限定はないが、通常は、50〜500μ
mである。
【0068】ポリエチレン組成物接着剤層(B)の表面
には、次いで高中低圧法ポリエチレン80重量%以上か
らなる密度が0.92〜0.95g/cm3であるポリ
エチレン組成物被覆層(C)を形成する。
【0069】該高圧法ポリエチレンとしては、重合圧力
1000気圧以上および重合温度100〜300℃でフ
リーラジカルを発生する触媒の存在下において、エチレ
ンを重合させて得られるエチレンポリマーあるいはエチ
レンとコモノマーを重合させて得られるエチレンコポリ
マーが挙げられる。
【0070】エチレンコポリマーとしては、エチレン―
プロピレンコポリマー、エチレン―ブテン―1コポリマ
ー、エチレン―酢酸ビニルコポリマー、エチレン―アク
リル酸エステルコポリマー、エチレン―メタクリル酸エ
ステルコポリマーなどが挙げられるが、エチレン―酢酸
ビニルコポリマーが好適に用いられる。
【0071】エチレン―酢酸ビニルコポリマーの酢酸ビ
ニルから誘導される繰り返し単位は、好ましくは、0.
5〜30重量%である。
【0072】該中低圧法ポリエチレンとしては、チーグ
ラー系又はクロム系の触媒の存在下に、中低圧の圧力
で、エチレンとα―オレフィンを溶液重合、気相重合あ
るいはスラリー重合などの方法で共重合させることによ
って製造できる分子量分布(Mw/Mn)3〜30のポ
リエチレンである。
【0073】本発明で用いるポリエチレン組成物被覆層
(C)としては、上記の高中低圧法ポリエチレン以外
に、用途に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、
無機・有機充填剤、顔料、帯電防止剤などを添加するこ
とができる。
【0074】例えば、カーボンブラックを0.5〜10
重量%、酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤、
スルフィド系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤な
どを、0.01〜2重量%配合することができる。
【0075】本発明においては被覆層を形成するポリエ
チレン組成物は、上記の高中低圧法ポリエチレンを80
重量%以上配合されている組成物である。前記の配合割
合が80重量%よりすくないとポリエチレンの特性が低
下し好ましくない。
【0076】本発明においては、ポリエチレン組成物の
密度が0.92〜0.95g/cm3であることが必要
である。密度が上記の範囲以外であると、耐変形性、成
形加工性などの特性が低下し好ましくない。
【0077】ポリエチレン組成物接着剤層(B)へのポ
リエチレン組成物被覆層(C)の積層は、粉末状、ペレ
ット状、フィルム状又はシート状に任意の形態に成形し
て、加熱融着あるいは金属表面に与えられている予熱を
利用して融着が行われる。
【0078】このように形成されるポリエチレン組成物
被覆層(C)の層厚には特に限定はないが、通常は、5
00〜5000μmである。
【0079】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0080】
【実施例】
(A)低温衝撃試験 (1)金属積層構造体(低温衝撃試験片)の調製 グリッドブラストして除錆した鋼板(SS―41:10
0mm×150mm×9mm(t))をアセトンに浸漬
し、30分間、超音波洗浄して脱脂する。
【0081】エアーで風乾後、クロメート処理剤(水溶
液中の全クロムに対する3価クロムの重量比が0.4、
シリカの重量比が2.0、リン酸の重量比が1.0)を
全クロム付着量が550mg/m2となるように刷毛で
塗布し乾燥する。
【0082】クロメート処理した鋼板を140℃のオー
ブンに入れ、30分以上保持し、その後、180℃に加
熱した熱板上に乗せ、エポキシプライマー(ビスフェノ
ールAのジグリシジルエーテル100重量部、微粒子シ
リカ3重量部と脂環族アミン系硬化剤50重量部の混合
物)をバーコーターを用いて厚みが50μmになるよう
に塗布し、30秒間養生・硬化させる。
【0083】次に、接着性ポリエチレン組成物のTダイ
成形シート(100mm×150mm×0.2mm
(t))を貼り合わせ、1分間養生・溶融し、続いて、
被覆層として高中低圧法ポリエチレン組成物のTダイ成
形シート(100mm×150mm×2.5mm
(t))を貼り付ける。
【0084】さらに、ポリエステルフィルム(マイラー
フィルム)、160℃に予熱された上記のグリッドブラ
スト鋼板、10kgの重りを順に乗せ3分間圧着したの
ち、水中に投入し、冷却して金属積層構造体を作製し
た。この金属積層構造体を低温衝撃試験用の試験片とし
た。
【0085】上記の被覆層に用いた高中低圧法ポリエチ
レン組成物としては、エチレン―酢酸ビニルコポリマー
にカーボンブラック2重量%を含有する密度0.935
g/cm3の高圧法ポリエチレン組成物を用いた。
【0086】(2)金属積層構造体の低温衝撃試験 ドライアイス・エタノールにより、−60℃に保持され
た低温槽に上記(1)の試験片を入れ、30分以上経過
後、試験片の被覆ポリエチレン層を上に向け、水平に設
置する。
【0087】この時、試験片の上部より10mm以上エ
タノールがある様に、エタノール量を調整する。
【0088】R=19mmφの付いた先端部を持つ鋼鉄
製のポンチを試験片の上に置き、4kgの重りを所定の
高さ(重りの底面からポンチの上部までの距離)から自
由落下させ、ポンチ上部に衝突させる。
【0089】試験片を取り出し、貫通、割れの有無を調
べる(10回試験を行い、貫通、割れの有無を表記す
る)。
【0090】(3)ポリエチレン被覆鋼管の製作 鋼管(SGP200A×5500mm長さ×5.8mm
厚み)の外面をグリッドブラストして除錆し、クロメー
ト処理剤(水溶液中の全クロムに対する3価クロムの重
量比が0.4、シリカの重量比が2.0、リン酸の重量
比1.0)を全クロム付着量が550mg/m2となる
ように刷毛で塗布し乾燥する。
【0091】このクロメート処理した鋼管の外面に、エ
ポキシプライマー(ビスフェノールAのジグリシジルエ
ーテル100重量部、微粒子シリカ3重量部と脂環族ア
ミン系硬化剤50重量部の混合物)を厚みが50μmに
なるようにスプレー塗装し、鋼管を高周波誘導加熱で表
面温度が220℃になるように加熱し硬化させる。
【0092】その表面に接着性ポリエチレン組成物と高
中低圧法ポリエチレン組成物を二層一体でTダイから押
出し、接着性ポリエチレン組成物層の厚みは250μ
m、高中低圧法ポリエチレン組成物層の厚みは2.5m
mになるようにらせん状に被覆して、冷却し、ポリエチ
レン被覆鋼管を製造した。
【0093】上記の被覆層に用いた高中低圧法ポリエチ
レン組成物としては、エチレン―酢酸ビニルコポリマー
にカーボンブラック2重量%を含有する密度0.935
g/cm3の高圧法ポリエチレン組成物を用いた。
【0094】(4)ポリエチレン被覆鋼管の低温衝撃試
験 ASTM G14の規格に準じて実施した。
【0095】(B)接着強度試験 (1)金属積層構造体(接着強度測定用試験片)の調製 接着性ポリエチレン組成物のTダイ成形シート(100
mm×150mm×0.2mm(t))を積層するま
で、A―(1)と同様に行い、次に、接着性ポリエチレ
ン組成物シートと高中低圧法ポリエチレン組成物シート
(100mm×150mm×2.5mm(t))の一部
未接着の部分を形成するため、長て方向に、先端から5
0mmの部分までマイラーを積層し、その後、A―
(1)と同様に高中低圧法ポリエチレン組成物シートを
積層して、接着強度測定用試験片を調製する。
【0096】(2)金属積層構造体の接着強度の測定 B―(1)で調製した試験片を10mm間隔で長て方向
にカッターナイフにより亀裂を入れ、恒温槽を備えた引
張強度試験機を用いて、未接着の部分のポリエチレン層
をチャックに挟み、90度剥離用のジグに装着し、試験
片が充分に40℃になった後、剥離速度50mm/mi
nにて90度剥離試験を行い、接着強度を測定した。
【0097】(3)ポリエチレン被覆鋼管の接着強度の
測定 DIN 30670の規格に準じてA―(3)で製作し
たポリエチレン被覆鋼管の接着強度を測定した。
【0098】
【実施例1】チーグラー系触媒を用いて製造したメルト
インデックス(MI)1.9g/10分、密度0.91
9g/cm3、分子量分布(Mw/Mn)4.2、ブテ
ン―1含量8wt%の線状低密度ポリエチレンに、1.
0重量%の無水マレイン酸とラジカル発生剤として0.
25重量%の2,3―ジメチル―2,3―ジフェニルブ
タンをヘンシェルミキサーにて混合して、二軸押出機に
て、窒素気流下、260℃で溶融混練を行い、0.95
重量%の無水マレイン酸がグラフト重合して変性ポリエ
チレンを得た。
【0099】エチレン―α―オレフィン共重合体とし
て、シングルサイト系触媒を用いて製造したメルトイン
デックス(MI)1.1g/10分、密度0.902g
/cm3、分子量分布(Mw/Mn)2.1、メルトフ
ロー比(MI10/MI2.16)7.6、オクテン―1含量
12wt%であるエチレンとオクテン―1の共重合体を
用いた。
【0100】上記の変性ポリエチレン30重量%とエチ
レン―α―オレフィン共重合体70重量%を混合し、二
軸押出機で溶融混練して接着性ポリエチレン組成物を得
た。
【0101】この接着性ポリエチレン組成物をTダイ成
形機を用いて成形した、幅150mm、厚さ0.2mm
のシートを用いて、金属積層構造体を作製した。
【0102】これを用いて、低温衝撃試験A―(2)、
及び接着強度試験B―(2)の測定に供した。低温衝撃
試験では、−60℃、5kg・mの衝撃エネルギーの条
件で10回試験を行った。
【0103】ポリエチレン被覆層は貫通し、割れは発生
しなかった。また、40℃での接着強度は、16kg/
cmであった。
【0104】
【実施例2】接着剤層として用いるポリエチレン組成物
として、実施例1の変性ポリエチレン20重量%と実施
例1のエチレン―α―オレフィン共重合体80重量%の
混合物100重量部に、230℃でのメルトフローレー
ト0.7g/10分、プロピレン含量27wt%のエチ
レン―プロピレン共重合ゴム10重量部を配合した以外
は、実施例1と同様に行い金属積層構造体を作製した。
【0105】これを用いて、低温衝撃試験A―(2)、
及び接着強度試験B―(2)の測定に供した。低温衝撃
試験では、−60℃、5kg・mの衝撃エネルギーの条
件で10回試験を行った。ポリエチレン被覆層は貫通
し、割れは発生しなかった。また、40℃での接着強度
は、15kg/cmであった。
【0106】
【実施例3】実施例1で用いた接着性ポリエチレン組成
物を用いてポリエチレン被覆鋼管を作製した。
【0107】この被覆鋼管を低温衝撃試験A―(4)、
及び接着強度試験B―(3)の測定に供した。衝撃試験
は−60℃で20回行った。
【0108】被覆層を貫通するに要する衝撃エネルギー
は、4.8kg・mであり、ポリエチレン被覆層に割れ
は1度も発生しなかった。また、40℃での接着強度
は、16kg/cmであった。
【0109】
【比較例1】チーグラー系触媒を用いて製造したメルト
インデックス(MI)1.9g/10分、密度0.91
9g/cm3、分子量分布(Mw/Mn)4.2、メル
トフロー比(MI10/MI2.16)7.1、ブテン―1含
量8wt%の線状低密度ポリエチレンに、0.1重量%
の無水マレイン酸とラジカル発生剤として0.04重量
%のt―ブチルハイドロパーオキサイドをヘンシェルミ
キサーにて混合して、二軸押出機にて、窒素気流下、2
20℃で溶融混練を行い、0.09重量%の無水マレイ
ン酸がグラフト重合して変性ポリエチレンを得た。
【0110】該変性ポリエチレンを接着剤層として用い
て、実施例1と同様に行い金属積層構造体を作製した。
【0111】これを用いて、低温衝撃試験A―(2)、
及び接着強度試験B―(2)の測定に供した。低温衝撃
試験では、−60℃、5kg・mの衝撃エネルギーの条
件で10回試験を行った。
【0112】ポリエチレン被覆層は貫通し、割れは6回
発生した。40℃での接着強度は、19kg/cmであ
った。
【0113】
【比較例2】チーグラー系触媒を用いて製造したメルト
インデックス(MI)1.9g/10分、密度0.91
9g/cm3、分子量分布(Mw/Mn)4.2、ブテ
ン―1含量8wt%の線状低密度ポリエチレンに、1.
0重量%の無水マレイン酸とラジカル発生剤として0.
25重量%の2,3―ジメチル―2,3―ジフェニルブ
タンをヘンシェルミキサーにて混合して、二軸押出機に
て、窒素気流下、260℃で溶融混練を行い、0.95
重量%の無水マレイン酸がグラフト重合した変性ポリエ
チレン30重量%と、実施例1のエチレン―α―オレフ
ィン共重合体に替えて、チーグラー系触媒を用いて製造
したメルトインデックス(MI)0.9g/10分、密
度0.920g/cm3、分子量分布(Mw/Mn)
3.9、メルトフロー比(MI10/MI2.16)7.0、
ブテン―1含量8wt%の線状低密度ポリエチレン70
重量%との混合物100重量部に実施例2で用いたエチ
レン―プロピレン共重合ゴム20重量部を配合し、二軸
押出機で溶融混練して接着性ポリエチレン組成物を得
た。
【0114】この接着性ポリエチレン組成物を接着剤層
として用いて、実施例1と同様に行い金属積層構造体を
作製した。
【0115】これを用いて、低温衝撃試験A―(2)、
及び接着強度試験B―(2)の測定に供した。
【0116】低温衝撃試験では、−60℃、5kg・m
の衝撃エネルギーの条件で10回試験を行った。ポリエ
チレン被覆層は貫通し、割れは2回発生した。40℃で
の接着強度は、17kg/cmであった。
【0117】
【比較例3】チーグラー系触媒を用いて製造したメルト
インデックス(MI)1.9g/10分、密度0.91
9g/cm3、分子量分布(Mw/Mn)4.2、ブテ
ン―1含量8wt%の線状低密度ポリエチレンに、1.
0重量%の無水マレイン酸とラジカル発生剤として0.
25重量%の2,3―ジメチル―2,3―ジフェニルブ
タンをヘンシェルミキサーにて混合して、二軸押出機に
て、窒素気流下、260℃で溶融混練を行い、0.95
重量%の無水マレイン酸がグラフト重合した変性ポリエ
チレン30重量%と、実施例1のエチレン―α―オレフ
ィン共重合体に替えて、チーグラー系触媒を用いて製造
したメルトインデックス(MI)1.5g/10分、密
度0.905g/cm3、分子量分布(Mw/Mn)
4.4、メルトフロー比(MI 10/MI2.16)7.2、
ブテン―1含量15wt%の線状低密度ポリエチレン7
0重量%との混合物100重量部に実施例2で用いたエ
チレン―プロピレン共重合ゴム20重量部を配合し、二
軸押出機で溶融混練して接着性ポリエチレン組成物を得
た。
【0118】この接着性ポリエチレン組成物を接着剤層
として用いて、実施例1と同様に行い金属積層構造体を
作製した。
【0119】これを用いて、低温衝撃試験A―(2)、
及び接着強度試験B―(2)の測定に供した。低温衝撃
試験では、−60℃、5kg・mの衝撃エネルギーの条
件で10回試験を行った。ポリエチレン被覆層は貫通
し、割れは2回発生した。40℃での接着強度試験は、
8kg/cmであった。
【0120】
【比較例4】比較例1で用いた接着性ポリエチレン組成
物を用いてポリエチレン被覆鋼管を製作した。
【0121】この被覆鋼管を低温衝撃試験A―(4)、
及び接着強度試験B―(3)の測定に供した。衝撃試験
は―60℃で20回行った。
【0122】被覆層を貫通するに要する衝撃エネルギー
は、4.1kg・mであり、ポリエチレン被覆層に割れ
が5回発生した。また、40℃での接着強度は、17k
g/cmであった。
【0123】
【発明の効果】本発明の金属積層構造体は、従来の金属
積層構造体よりも、金属と被覆層の接着強度が大きく、
優れた耐低温衝撃性を示すため、広い温度範囲において
従来にない優れた防食性を発現する。そのため、特に、
極低温下で使用されるケーブル、金属板、金属管内外面
の被覆に好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三村 博幸 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社 君津製鐵所内 (72)発明者 浦和 正太郎 千葉県市原市五井南海岸8番の1 宇部 興産株式会社千葉工場内 (72)発明者 亀井 康央 千葉県市原市五井南海岸8番の1 宇部 興産株式会社千葉工場内 (56)参考文献 特開 昭62−119245(JP,A) 特開 昭57−165413(JP,A) 特開 昭57−53578(JP,A) 特開 平7−186326(JP,A) 特開 平7−186325(JP,A) 特開 平7−102133(JP,A) 特公 昭62−2871(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08 C09J 151/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属層(A)、線状低密度ポリエチレン
    に不飽和カルボン酸類をグラフトさせた変性ポリエチレ
    ン5〜50重量%及びエチレン―α―オレフィン共重合
    体95〜50重量%からなるポリエチレン組成物接着剤
    層(B)、及び高中低圧法ポリエチレン80重量%以上
    からなる密度が0.92〜0.95g/cm3であるポ
    リエチレン組成物被覆層(C)からなる金属積層構造体
    であって、該エチレン―α―オレフィン共重合体の分子
    量分布(Mw/Mn)が2.5以下であり、かつ、メル
    トフロー比(MI10/MI2.16)が5〜15の範囲(た
    だし、MI10は190℃での荷重10Kgのメルトイン
    デックス、MI2.16は190℃での荷重2.16Kgの
    メルトインデックスを表す。)であることを特徴とする
    金属積層構造体。
  2. 【請求項2】 ポリエチレン組成物接着剤層(B)が、
    請求項1の接着性ポリエチレン組成物100重量部に対
    して、エチレン―プロピレン共重合体ゴムを50重量部
    以下配合したものであることを特徴とする金属積層構造
    体。
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