JP3381452B2 - クリーニングテープ - Google Patents

クリーニングテープ

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JP3381452B2 JP11437295A JP11437295A JP3381452B2 JP 3381452 B2 JP3381452 B2 JP 3381452B2 JP 11437295 A JP11437295 A JP 11437295A JP 11437295 A JP11437295 A JP 11437295A JP 3381452 B2 JP3381452 B2 JP 3381452B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッドの媒体摺動
面をクリーニングするためのクリーニングテープに関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、ビデオテープレコーダ(VT
R)の分野においては、高画質化を図るため高密度記録
化が一層強く要求されており、記録の短波長化、狭トラ
ック化が進められている。しかし、記録の短波長化、狭
トラック化が進行すると、磁気ヘッドの媒体摺動面上に
付着した異物による電磁変換特性への影響が顕著とな
る。従って、磁気ヘッドの媒体摺動面をクリーニングす
るためのクリーニングテープの使用が必要不可欠であ
り、セットのメンテナンス性から考えてもクリーニング
テープというものは必需品となる。
【0003】ここで、このようなクリーニングテープで
は、これまでクリーニング性能のみを有していれば事が
足りていてが、近年、付加価値として、クリーニングに
関する情報,例えばクリーニングの開始や終了を画像表
示する画像表示機能を有することが求められるようにな
っている。
【0004】このような要求から、磁性層をクリーニン
グ層とするクリーニングテープが提案され、商品化され
ている。このクリーニングテープは、具体的には、磁性
粉末,結合剤及び有機溶剤よりなる磁性塗料を非磁性支
持体上に塗布することで形成される、塗布型の磁性層を
有して構成される。この磁性層には、クリーニング情報
が磁気信号として記録される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、高画
質画像が得られる記録再生システムとして高画質デジタ
ルVTRシステムが提案されている。この高画質デジタ
ルVTRシステムでは、電磁変換特性の極めて高い磁気
テープが8mm幅以下と非常に狭いテープ幅で用いられ
る。
【0006】ここで、上述の塗布型の磁性層を有するク
リーニングテープは、Hi8VTRシステム程度の性能
のシステムで用いるのであれば、画像表示機能を持たせ
ることは可能である。しかし、高画質デジタルVTRシ
ステムでの使用を考えた場合、この塗布型のクリーニン
グテープは電磁変換特性が不十分であり、画像表示機能
を持たせることは非常に難しいのが実情である。
【0007】そこで、本発明は、このような従来の実情
に鑑みて提案されたものであって、クリーニング性能を
有しながら良好な電磁変換特性を発揮し、高画質デジタ
ルVTRシステムに適用した場合でもクリーニング情報
を画像表示することが可能なクリーニングテープを提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究を行った結果、磁性層とし
て所定の組成となされた金属磁性薄膜を形成するととも
に、非磁性支持体の表面に大きさの異なる2種類の表面
突起をそれぞれ所定の密度で形成することにより、クリ
ーニング性能を有しながら良好な電磁変換特性を発揮す
るクリーニングテープが実現するとに知見を得るに至っ
た。
【0009】本発明のクリーニングテープはこのような
知見に基づいて完成されたものであって、非磁性支持体
上に少なくとも金属磁性薄膜で膜厚が0.5μm以下の
磁性層を有し、上記金属磁性薄膜はCoの割合が60〜
100原子%、Niの割合が0〜40原子%、その他の
元素の割合が5原子%以下の合金よりなることを特徴と
するものである。
【0010】本発明のクリーニングテープは、非磁性支
持体上に、真空薄膜形成技術により成膜される金属磁性
薄膜を有して構成される。
【0011】この金属磁性薄膜は、Co単独よりなるC
o膜、あるいはCoとNiの合金膜である。この金属磁
性薄膜において、Coの含有率は60〜100原子%の
範囲とされる。Coの含有率が60原子%未満では、電
磁変換特性が不十分になり、高画質デジタルVTRに適
用した場合にクリーニング情報を画像表示させるのが難
しい。
【0012】また、金属磁性薄膜には、Co,Ni以外
の元素、例えばFe,C,Pが不純物として混入する場
合があるが、その元素の含有率は5原子%以下に抑えら
れていることが望ましい。Co,Ni以外の元素の含有
率が5原子%を越える場合には電磁変換特性が劣化す
る。
【0013】このような金属磁性薄膜は、真空薄膜形成
技術によって成膜されるが、この真空薄膜形成技術とし
ては真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法等がいずれも使用可能である。
【0014】一方、金属磁性薄膜が形成される非磁性支
持体としては、この種の磁気記録媒体において通常使用
されるものがいずれも使用可能であり、特に限定されな
い。
【0015】具体的に例示するならば、ポリエステル
類、ポリオレフィン類、セルロース誘導体、ビニル系樹
脂、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリカーボネート等
に代表されるような高分子材料よりなる高分子支持体等
が挙げられる。
【0016】ここで、この非磁性支持体の表面に、2種
類の大きさの異なる表面突起を所定の密度範囲で形成す
ると、その非磁性支持体の表面形状が層状作用によって
磁性層表面に浮き出す。これによって磁性層の表面性が
制御され、ヘッドに対する当たりが良好になり、クリー
ニング性能が向上する。
【0017】この非磁性支持体上に形成される大きさの
異なる2種類の表面突起は、例えば粒径が95nm±1
5nmである第1の粒子と、粒径が25nm±5nmで
ある第2の粒子によってそれぞれ形成される。
【0018】このうち第1の粒子の密度は1.0×10
4 〜4.8×104 個/mm2 、第2の粒子の密度は5
00×104 〜4000×104 個/mm2 であること
が望ましい。これら第1の粒子及び第2の粒子の密度が
この範囲から外れると、クリーニング性能あるいは電磁
変換特性のいずれかが劣化する。
【0019】また、表面突起を形成する粒子は、粒径が
65nm±15nmである第1の粒子と粒径が25nm
±5nmである第2の粒子の組み合わせであっても良
い。
【0020】この場合、上記第1の粒子の密度は1.5
×104 〜6.0×104 個/mm2 、上記第2の粒子
の密度は600×104 〜4500×104 個/mm2
であることが望ましい。これら第1の粒子及び第2の粒
子の密度がこの範囲から外れると、やはりクリーニング
性能あるいは電磁変換特性のいずれかが劣化する。
【0021】なお、粒径が大きい方の粒子、すなわち第
1の粒子を表面突起として非磁性支持体上に保持させる
方法としては、第1の粒子を上記非磁性支持体の原材料
(チップ)内に予め添加,分散させておき、作製された
非磁性支持体表面に第1の粒子を浮き出させる方法が挙
げられる。
【0022】また、粒径が小さい方の粒子、すなわち第
2の粒子を表面突起として非磁性支持体上に保持させる
方法としては、第2の粒子を上記非磁性支持体上に分散
させ、これをバインダー樹脂等により定着させる方法が
ある。
【0023】以上がクリーニングテープの基本的な構成
であるが、さらに上記金属磁性薄膜上に無機物を主体と
する保護膜を設け、当該クリーニングテープの耐久性を
改善するようにしても良い。
【0024】この保護膜の材料としては、例えばカーボ
ン等が好適であるが、これに限定されるものではなく、
この他、Ti等の金属、SiO,SiO2,MoO等の
酸化物、TiN,NbN等の窒化物等、従来公知の保護
膜材料がいずれも使用可能である。
【0025】これら保護膜は、例えばスパッタリング法
等に代表されるPVD法、ガスからの反応を利用するC
VD法等がいずれも使用可能である。ここで、保護膜の
膜厚は、1〜30nmとするのが望ましい。保護膜の膜
厚が30nmを越えると、電磁変換特性が不十分にな
り、クリーニング情報を画像表示させるのが難しい。
【0026】また、本発明のクリーニングテープには、
必要に応じて上記非磁性支持体上に下塗り膜や金属下地
層を設けたり、金属磁性薄膜表面に潤滑剤等よりなるト
ップコート層や金属表面防錆層を設けるようにしても良
い。さらに、非磁性支持体の磁性層が形成されている側
とは反対側に面に帯電防止剤等よりなるバックコート層
を形成するようにしても良い。これら各層の材料は、例
えば金属磁性薄膜型の磁気記録媒体の分野で用いられる
ものを転用して差し支えない。
【0027】
【作用】本発明のクリーニングテープは、非磁性支持体
上に、Coの割合が60〜100原子%、Niの割合が
0〜40原子%、その他の元素の割合が5原子%以下の
金属磁性薄膜が形成されてなっている。
【0028】このような組成の金属磁性薄膜が形成され
たクリーニングテープは、クリーニング性能を有しなが
ら良好な電磁変換特性を発揮し、高画質デジタルVTR
システムに適用した場合でもクリーニング情報を画像表
示させることが可能である。
【0029】非磁性支持体の表面には、粒径が95nm
±15nmあるいは粒径が65nm±15nmの第1の
粒子により形成される第1の表面突起と、粒径が25n
m±5nmの第2の粒子により形成される第2の表面突
起とが所定の密度範囲で設けられる。すると、膜厚が
0.5μm以下の金属磁性薄膜表面には、層状作用によ
って、その非磁性支持体の表面形状が反映される。これ
により、金属磁性薄膜の磁気ヘッドに対する当たりが良
好になり、クリーニング性能が向上する。
【0030】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明がこの実施例に限定されるものでないこと
は言うまでもない。
【0031】本実施例で評価に用いたクリーニングテー
プの構成を図1に示す。
【0032】このクリーニングテープは、ポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルムからなる非磁性支持
体1上に膜厚0.5μm以下の金属磁性薄膜からなる磁
性層2が設けられてなっている。
【0033】上記金属磁性薄膜は、真空蒸着法によって
成膜されるCo−Ni合金膜である。なお、ここでは膜
厚を0.25μmに設定した。
【0034】上記第1の表面突起3は、粒径95nm±
15nmあるいは65nm±15nmなる第1の粒子5
により形成されるものである。すなわち、この第1の表
面突起3は、上記非磁性支持体1内に内添されるかたち
で存在する上記第1の粒子5の粒子形状が上記非磁性支
持体1の表面に反映されたかたちで形成されている。こ
こでは、この第1の粒子5として、SiO2 粒子を使用
した。
【0035】一方、上記第2の表面突起4は、粒径25
nm±5nmなる第2の粒子6により形成されるもので
ある。すなわち、この第2の表面突起は、上記非磁性支
持体1上に上記第2の粒子が分散され、バインダー樹脂
等により定着されることで形成されている。ここでは、
この第2の粒子6として、SiO2 粒子を使用した。
【0036】以上がクリーニングテープの基本的な構成
である。以下の実験では、このようなクリーニングテー
プについて第1の粒子及び第2の粒子の密度、さらに金
属磁性薄膜の組成比を各種変化させながら特性評価を行
い、その最適値を検討した。
【0037】第1の粒子及び第2の粒子の密度の検討 図1に示すクリーニングテープであって、第1の粒子の
粒径,密度が異なる各種クリーニングテープを用意し
た。なお、金属磁性薄膜の組成比は、Co含有率が90
原子%、Ni含有率が9.9原子%、Fe含有率が0.
1原子%である。そして、これら各種クリーニングテー
プについて、以下のようにしてRF特性、クリーニング
時間及びレベルダウンを測定した。
【0038】RF出力:ドラム径27mm、相対速度1
0m/秒の記録再生アンプを20MHz帯域に拡大した
8mm改造セットを使用して記録再生特性を調べた。
【0039】クリーニング時間(クロッグ回復時間):
トップコートが施されていない蒸着型磁気テープ(粉落
ちテープ)を、ヘッドに対して10秒間走行させ、意図
的にRF出力が完全に出なくなる状態、すなわちクロッ
グ状態とした。次に、このクロッグ状態となされたヘッ
ドに対して、クリーニングテープを走行させ、クロッグ
状態から回復する時間を測定した。このクロッグ状態か
らの回復時間がクリーニング時間である。
【0040】レベルダウン:クリーニングテープを1パ
ス(1時間)走行させ、その走行後のRF出力を理想状
態でのRF出力から差し引くことでレベルダウンを求め
た。
【0041】第1の粒子密度とRF特性の関係を図2
に、第1の粒子密度とレベルダウンの関係を図3に、第
1の粒子密度とクリーニング時間の関係を図4にそれぞ
れ示す。
【0042】まず、図2に示すように、第1の粒子とし
て粒径が65nm±15nmのものを用いた場合、粒径
が95nm±15nmのものを用いた場合及び粒径が1
25nm±15nmのものを用いた場合のいずれについ
ても、第1の粒子の密度が高くなるほどRF特性は低下
する傾向がある。
【0043】ここで、デジタルVTRにおいて画像表示
が可能なS/N比のレベルは0dB以上である。これを
指標に見ると、0dB以上の出力が得られるのは、第1
の粒子の粒径が65nm±15nmの場合で6.0×1
4 個/mm2 以下、粒径が95nm±15nmの場合
で4.8×104 個/mm2 以下、粒径が125nm±
15nmの場合で2.5×104 個/mm2 以下である
のがわかる。
【0044】なお、図3は第1の粒子密度とレベルダウ
ンの関係であるが、これを見ると、第1の粒子の粒径を
125nm±15nmとした場合には、この測定範囲内
のいずれの密度においてもレベルダウンが大きく使用不
可能であると判断された。また、第1の粒子の粒径を3
5nm±15nmとした場合についてもレベルダウンを
測定したが、この場合にも出力が不安定になり、やはり
使用不可能である。
【0045】一方、第1の粒子の粒径が65nm±15
nm場合及び95nm±15nmの場合では、この測定
範囲内において十分にレベルダウンが抑えられる。この
ことから、第1の粒子としては、粒径が65nm±15
nmあるいは95nm±15nmのものが適当であるこ
とがわかる。
【0046】さらに、図4には、第1の粒子として粒径
が65nm±15nmあるいは95nm±15nmを用
いた場合のクリーニング特性を示すが、これを見ると、
第1の粒子として粒径が65nm±15nmのものを用
いた場合、粒径が95nm±15nmのものを用いた場
合、125nm±15nmのものを用いた場合のいずれ
についても、第1の粒子の密度が高くなるほどクロッグ
回復時間(クリーニング時間)が短くなり、クリーニン
グ効果が高くなる傾向が見られた。
【0047】ここで、常識的なクリーニングテープの走
行時間は15秒が上限であると考えられる。図4から、
クリーニング時間が15秒以下となるのは、第1の粒子
の粒径が95nm±15nmの場合で1.0×104
/mm2 以上、粒径が65nm±15nmの場合で1.
5×104 個/mm2 以上であるのがわかる。
【0048】したがって図2〜図4の結果から、良好な
電磁変換特性を維持しながら十分なクリーニング効果を
得るには、第1の粒子の粒径が95nm±15nmの場
合で1.0×104〜4.8×104 個/mm2 、65
nm±15nmの場合で1.5×104〜6.0×10
4 個/mm2 とする必要があることがわかる。なお、粒
径が125nm±15nmの場合では、0.7×104
個/mm2以上とすることで実用的なクリーニング効果
が得られることが確認されているが、この粒径の粒子は
上述の如くレベルダウンが大きいことから、第1の粒子
としては不適当である。
【0049】次に、第2の粒子の密度が異なる各種クリ
ーニングテープを用意した。そして、これら各種クリー
ニングテープについて、スチル時間及びRF出力を測定
した。なお、一般に、クリーニングテープではスチル走
行が行われるのは希であるが、多少なりとも実使用でス
チル走行が行われる可能性があるため、このスチル特性
を検討した。スチル時間の測定方法は以下の通りであ
る。
【0050】スチル時間:8個の磁気ヘッドに対してク
リーニングテープを走行させ、クロッグを起こすまでの
平均時間(分)を測定した。
【0051】第2の粒子密度とスチル時間の関係を図5
に、第2の粒子粒径とRF特性の関係を図6に示す。な
お、図5、図6中、○は第1の粒子として粒径が95n
m±15nmのものを組み合わせた場合、□は第1の粒
子として粒径が65nm±15nmのものを組み合わせ
た場合である。
【0052】まず、図5を見ると、実用的なスチル特性
が得られるようになるのは、第2の粒子の密度を、第1
の粒子として粒径が65nm±15nmのものを組み合
わせた場合で600×104 個/mm2 以上さらに好ま
しくは650×104 個/mm2 以上としたときであ
る。また、第1の粒子として粒径が95nm±15nm
のものを組み合わせた場合で500×104 個/mm2
以上としたときである。
【0053】一方、図6に示すように、デジタルVTR
において画像表示が可能が出力レベル、すなわち0dB
以上のRF出力を得るには、第2の粒子の密度は、第1
の粒子として粒径が65nm±15nmのものを組み合
わせた場合で4500×104 個/mm2 以下、第1の
粒子として粒径が95nm±15nmのものを組み合わ
せた場合で4000×104 個/mm2 以下に抑えなけ
ればならない。
【0054】以上、図5及び図6の結果から、電磁変換
特性と耐久性を両立させるには、第2の粒子の密度は、
第1の粒子の粒径が65nm±15nmである場合で6
00×104 〜4500×104 個/mm2 、第1の粒
子の粒径が95nm±15nmである場合で500×1
4 〜4000×104 個/mm2 とする必要があるこ
とがわかった。
【0055】金属磁性薄膜の組成比の検討 図1に示すクリーニングテープであって、金属磁性薄膜
(構成元素:Co単独あるいはCo,Ni)のCo含有
率を100〜50原子%の範囲で各種変化させたクリー
ニングテープを用意した。なお、第1の粒子としては粒
径が95nmのものを用い、密度は1.0×104 個/
mm2とした。また、第2の粒子としては粒径が25n
mのものを用い、密度は500×104 個/mm2とし
た。
【0056】そして、そのクリーニングテープについて
RF出力を測定した。Co含有率とRF出力の関係を図
7に示す。
【0057】図7に示すように、RF出力は、金属磁性
薄膜のCoの含有率を60原子%以上とすることで0d
B以上の値になる。このことからデジタルVTRで画像
表示が可能なものにするには、金属磁性薄膜のCo含有
率は60原子%以上とする必要があることがわかった。
【0058】次に、金属磁性薄膜(構成元素:Co,F
e)のFe添加量を各種変化させたクリーニングテープ
を用意した。そして、そのクリーニングテープについ
て、最適記録電流を測定した。Fe含有率と最適記録電
流での出力の関係を図8に示す。
【0059】図8に示すように、最適記録電流での出力
はFeの含有率によって変化する。ここで、この出力が
0dBを越えるのは、Feの含有量が5原子%以下の場
合である。
【0060】このことから、金属磁性薄膜中のFe等の
他元素の割合は、5原子%以下に抑える必要があること
わかる。
【0061】保護膜の検討 クリーニングテープには、耐久性を付与するために、金
属磁性薄膜表面に保護膜を設けるのが望ましい。そこ
で、ここでは、この保護膜の最適膜厚の検討を行った。
【0062】すなわち、図1に示すクリーニングテープ
において、金属磁性薄膜表面にスパッタリングにより各
種膜厚でカーボン保護膜が設けられたクリーニングテー
プを用意した。なお、金属磁性薄膜の組成比は、Co含
有率が90原子%、Ni含有率が9.9原子%、Fe含
有率が0.1原子%である。また、第1の粒子としては
粒径が65nm±15nmのものを用い、その密度は
1.5×104 個/mm2とした。第2の粒子としては
粒径が18nm±5nmのものを用い、その密度は82
0×104 個/mm2とした。
【0063】そして、これら各種クリーニングテープに
ついて、RF出力およびクリーニング時間を測定した。
保護膜の膜厚とRF出力の関係を図9に、保護膜の膜厚
とクリーニング時間の関係を図10にそれぞれ示す。
【0064】図9に示すように、保護膜の膜厚が厚くな
る程、RF出力が小さくなる。そして、0dB以上のR
F出力が得られるのは保護膜の膜厚が30nm以下の場
合である。一方、図10を見ると、保護膜の厚みが4n
mまではクリーニング効果が減少するが、それ以上の厚
みの領域では変化がない。
【0065】したがって、保護層の厚みは、上述のRF
出力を確保する観点から設定され、30nm以下の領域
とするのが適当である。
【0066】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明のクリーニングテープは、非磁性支持体上に少なくと
も金属磁性薄膜よりなる磁性層を有して構成され、上記
金属磁性薄膜のCoの割合が60〜100原子%、Ni
の割合が0〜40原子%、その他の元素の割合が5原子
%以下となされている。また、このクリーニングテープ
は、非磁性支持体の表面に、粒径が95nm±15nm
あるいは粒径が65nm±15nmの第1の粒子により
形成される第1の表面突起と、粒径が25nm±5nm
の第2の粒子により形成される第2の表面突起とが所定
の密度範囲で設けられ、膜厚が0.5μm以下の金属磁
性薄膜表面には、層状作用によって、その非磁性支持体
の表面形状が反映される。したがって、本発明では、金
属磁性薄膜の磁気ヘッドに対する当たりが良好になり、
クリーニング性能を向上させることができる。また、ク
リーニング性能を有しながら良好な電磁変換特性を発揮
することができる。これにより、本発明は、高画質デジ
タルVTRに適用した場合でも、クリーニングを行いな
がらクリーニングに関する情報を画像表示することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したクリーニングテープの一構成
例を示す断面図である。
【図2】第1の粒子の密度とRF特性の関係を示す特性
図である。
【図3】第1の粒子の密度とレベルダウンの関係を示す
特性図である。
【図4】第1の粒子の密度とクリーニング時間の関係を
示す特性図である。
【図5】第2の粒子の密度とスティル時間の関係を示す
特性図である。
【図6】第2の粒子の密度とRF特性の関係を示す特性
図である。
【図7】Coの含有率とRF特性の関係を示す特性図で
ある。
【図8】Feの含有率と最適記録電流での出力の関係を
示す特性図である。
【図9】保護膜の膜厚とRF特性の関係を示す特性図で
ある。
【図10】保護膜の膜厚とクリーニング時間の関係を示
す特性図である。
【符号の説明】
1 非磁性支持体 2 磁性層 3 第1の表面突起 4 第2の表面突起 5 第1の粒子 6 第2の粒子

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に少なくとも金属磁性薄
    膜で膜厚が0.5μm以下の磁性層を有し、上記金属磁
    性薄膜はCoの割合が60〜100原子%、Niの割合
    が0〜40原子%、その他の元素の割合が5原子%以下
    の合金よりなり、 上記非磁性支持体の表面には、粒径が95nm±15n
    mの第1の粒子により形成される第1の表面突起と、粒
    径が25nm±5nmの第2の粒子により形成される第
    2の表面突起とが設けられ、 上記第1の粒子の密度は、1.0×10〜4.8×1
    個/mmであり、上記第2の粒子の密度は、50
    0×10〜4000×10個/mmであることを
    特徴とするクリーニングテープ。
  2. 【請求項2】 上記磁性層上には、無機物を主体とする
    保護膜が形成され、上記保護膜の膜厚は、1〜30nm
    であることを特徴とする請求項1記載のクリーニングテ
    ープ。
  3. 【請求項3】 非磁性支持体上に少なくとも金属磁性薄
    膜で膜厚が0.5μm以下の磁性層を有し、上記金属磁
    性薄膜はCoの割合が60〜100原子%、Niの割合
    が0〜40原子%、その他の元素の割合が5原子%以下
    の合金よりなり、 上記非磁性支持体の表面には、粒径が65nm±15n
    mの第1の粒子により形成される第1の表面突起と、粒
    径が25nm±5nmの第2の粒子により形成される第
    2の表面突起とが設けられ、 上記第1の粒子の密度は、1.5×10〜6.0×1
    個/mmであり、上記第2の粒子の密度は、60
    0×10〜4500×10個/mmであることを
    特徴とするクリーニングテープ。
  4. 【請求項4】 上記磁性層上には、無機物を主体とする
    保護膜が形成され、上記保護膜の膜厚は、1〜30nm
    であることを特徴とする請求項3記載のクリーニングテ
    ープ。
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