JP3368693B2 - 内燃機関の蒸発燃料処理装置 - Google Patents

内燃機関の蒸発燃料処理装置

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JP3368693B2 JP26035394A JP26035394A JP3368693B2 JP 3368693 B2 JP3368693 B2 JP 3368693B2 JP 26035394 A JP26035394 A JP 26035394A JP 26035394 A JP26035394 A JP 26035394A JP 3368693 B2 JP3368693 B2 JP 3368693B2
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    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/0025Controlling engines characterised by use of non-liquid fuels, pluralities of fuels, or non-fuel substances added to the combustible mixtures
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    • F02D41/0032Controlling the purging of the canister as a function of the engine operating conditions
    • F02D41/004Control of the valve or purge actuator, e.g. duty cycle, closed loop control of position

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の蒸発燃料処理
装置に関する。 【0002】 【従来の技術】蒸発燃料を一時的に蓄えるキャニスタと
スロットル弁下流の機関吸気通路とを連結するパージ通
路内にデューティ制御されるパージ制御弁を設け、パー
ジガスのパージ量が機関運転状態に応じて定まる目標パ
ージ量となるようにパージ制御弁の開弁割合を制御する
内燃機関の蒸発燃料処理装置が公知である(特開平5−
26118号公報参照)。このような蒸発燃料処理装置
を備えた内燃機関において、パージ作用を行った場合に
はパージ量に応じて、正確に云うとパージガス中の蒸発
燃料量に応じて燃料噴射弁からの燃料噴射量を減量し、
それによって空燃比を目標空燃比に維持するようにして
いる。この場合パージガスのパージ量がわかれば空燃比
を目標空燃比に維持するのが容易になる。そこでこの蒸
発燃料処理装置ではパージ量が目標パージ量となるよう
にパージ制御弁を制御することにより空燃比が目標空燃
比にできるだけ維持されるようにしている。 【0003】上述の蒸発燃料処理装置においてパージ制
御弁の開弁割合を例えばデューティ比でもって制御する
ことができる。このようにパージ制御弁をデューティ制
御する場合、デューティ制御の1サイクルの時間を極め
て短くすると、すなわち例えば数ms程度にするとパー
ジ制御弁の開閉弁動作を短時間で行わなければならなく
なり、その結果パージ制御弁の作動負荷が大きくなって
しまう。また、パージ制御弁の作動応答性が悪化してパ
ージ流量の制御精度が悪化してしまう。そこで通常のパ
ージ制御弁では、デューティ制御の1サイクルを比較的
長い時間、例えば100msにしてパージ制御弁の作動
負荷を低減するようにしている。一方、デューティ制御
の各サイクルを制御するためのデューティ比は通常対応
するサイクルが開始される以前にその時点における機関
運転状態に応じて算出されるようになっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、パージ作用
を行っているときに例えば機関加速運転が行われて機関
運転状態が短時間のうちに大きく変動するとそれによっ
て目標パージ量も変動する。ところが通常のデューティ
制御では、目標パージ量が変動したときのサイクルにお
けるパージ制御弁の開閉弁動作はこのサイクルが開始さ
れる以前の機関運転状態に応じて算出されたデューティ
比に基づいて制御されており、すなわちサイクル中に目
標パージ量が変動してもこのサイクルが完了するまでデ
ューティ比の更新が行われず、したがって機関運転状態
が変動すると実際のパージ量が目標パージ量からずれる
ようになる。しかしながら、パージ作用を行ったときに
目標パージ量に応じ燃料噴射量を減少するようにした内
燃機関において実際のパージ量が目標パージ量からずれ
るようになると空燃比を目標空燃比に維持することがで
きなくなるという問題点がある。上述した特開平5−2
6118号公報ではこの問題点について何ら示唆してい
ない。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明によれば、蒸発燃料を一時的に蓄えるキャニ
スタとスロットル弁下流の機関吸気通路とを連結するパ
ージ通路内にデューティ制御されるパージ制御弁を設
け、パージガスのパージ量が機関運転状態に応じて定ま
る目標パージ量となるのに必要なデューティ比を算出し
てパージ制御弁の開弁割合が該デューティ比になるよう
にパージ制御弁の開閉弁動作を制御し、デューティ比は
パージ制御弁のデューティ制御の各サイクルが開始され
る以前にその時点における機関運転状態に応じて算出さ
れる内燃機関の蒸発燃料処理装置において、パージ制御
弁のデューティ制御の各サイクル中においてその時点に
おける機関運転状態に応じてデューティ比を算出し、該
サイクルにおけるパージ制御弁の開弁割合が該デューテ
ィ比になるようにパージ制御弁の開閉弁動作を変更する
ようにする手段を設けている。 【0006】 【作用】デューティ制御の各サイクル中にその時点にお
ける機関運転状態に応じてデューティ比を算出し、この
サイクルにおけるパージ制御弁の開弁割合がこのデュー
ティ比になるようにパージ制御弁の開閉弁動作を変更す
るようにしているのでデューティ制御の各サイクル中に
機関運転状態が変動したときに生ずる目標パージ量に対
する実際のパージ量のずれが低減される。 【0007】 【実施例】図1を参照すると、1は機関本体、2は吸気
枝管、3は排気マニホルド、4は各吸気枝管2にそれぞ
れ取付けられた燃料噴射弁を示す。各吸気枝管2は共通
のサージタンク5に連結され、このサージタンク5は吸
気ダクト6およびエアフローメータ7を介してエアクリ
ーナ8に連結される。吸気ダクト6内にはスロットル弁
9が配置される。また、図1に示されるように内燃機関
は活性炭10を内蔵したキャニスタ11を具備する。こ
のキャニスタ11は活性炭10の両側にそれぞれ蒸発燃
料室12と大気室13とを有する。蒸発燃料室12は一
方では導管14を介して燃料タンク15に連結され、他
方では導管16を介してサージタンク5内に連結され
る。導管16内には電子制御ユニット20の出力信号に
より制御されるパージ制御弁17が配置される。燃料タ
ンク15内で発生した蒸発燃料は導管14を介してキャ
ニスタ11内に送り込まれて活性炭10に吸着される。
パージ制御弁17が開弁すると空気が大気室13から活
性炭10内を通って導管16内に送り込まれる。空気が
活性炭10内を通過する際に活性炭10に吸着されてい
る蒸発燃料が活性炭10から脱離され、斯くして蒸発燃
料を含んだ空気、すなわちパージガスが導管16を介し
てサージタンク5内に供給され、すなわちパージ作用が
行われる。 【0008】電子制御ユニット20はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス21によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)22、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)23、CPU(マイクロプロセ
ッサ)24、入力ポート25および出力ポート26を具
備する。エアフローメータ7は吸入空気量に比例した出
力電圧を発生し、この出力電圧がAD変換器27を介し
て入力ポート25に入力される。機関本体1には機関冷
却水温に比例した出力電圧を発生する水温センサ29が
取付けられ、この水温センサ29の出力電圧がAD変換
器30を介して入力ポート25に入力される。排気マニ
ホルド3には空燃比センサ31が取付けられ、この空燃
比センサ31の出力信号がAD変換器32を介して入力
ポート25に入力される。さらに入力ポート25にはク
ランクシャフトが例えば30度回転する毎に出力パルス
を発生するクランク角センサ33が接続される。CPU
24ではこの出力パルスに基いて機関回転数が算出され
る。一方、出力ポート26は対応する駆動回路34,3
5を介して燃料噴射弁4およびパージ制御弁17に接続
される。 【0009】図1に示す内燃機関では基本的に次式に基
いて燃料噴射時間TAUが算出される。 TAU=TP・{1+KK+(FAF−1)+FPG} ここで各係数は次のものを表わしている。 TP:基本燃料噴射時間 KK:補正係数 FAF:フィードバック補正係数 FPG:パージA/F補正係数 基本燃料噴射時間TPは空燃比を目標空燃比とするのに
必要な実験により求められた噴射時間であってこの基本
燃料噴射時間TPは機関負荷Q/N(吸入空気量Q/機
関回転数N)および機関回転数Nの関数として予めRO
M22内に記憶されている。補正係数KKは暖機増量係
数や加速増量係数などを一まとめにして表したもので増
量補正する必要がない場合にはKK=0となる。またパ
ージA/F補正係数FPGはパージ作用が行われたとき
に噴射量を補正するためのものであり、したがってパー
ジ作用が行われていないときはFPG=0となる。 【0010】フィードバック補正係数FAFは空燃比セ
ンサ31の出力信号に基いて空燃比を目標空燃比に制御
するためのものである。目標空燃比としてはどのような
空燃比を用いてもよいが本発明による実施例では目標空
燃比が理論空燃比とされており、したがって以下目標空
燃比を理論空燃比とした場合について説明する。なお、
目標空燃比が理論空燃比であるときには空燃比センサ3
1として排気ガス中の酸素濃度に応じ出力電圧が変化す
るセンサが使用され、したがって以下空燃比センサ31
をO2 センサと称する。このO2 センサ31は空燃比が
過濃側のとき、すなわちリッチのとき0.9(V)程度
の出力電圧を発生し、空燃比が稀薄側のとき、すなわち
リーンのとき0.1(V)程度の出力電圧を発生する。
まずこのO2 センサ31の出力信号に基いて行われるフ
ィードバック補正係数FAFの制御について説明する。 【0011】図2はフィードバック補正係数FAFの算
出ルーチンを示しており、このルーチンは例えばメイン
ルーチン内で実行される。図2を参照するとまず初めに
ステップ40においてO2 センサ31の出力電圧Vが
0.45(V)よりも高いか否か、すなわちリッチであ
るか否かが判別される。V≧0.45(V)のとき、す
なわちリッチのときにはステップ41に進んで前回の処
理サイクル時にリーンであったか否かが判別される。前
回の処理サイクル時にリーンのとき、すなわちリーンか
らリッチに変化したときにはステップ42に進んでフィ
ードバック補正係数FAFがFAFLとされ、ステップ
43に進む。ステップ43ではフィードバック補正係数
FAFからスキップ値Sが減算され、したがってフィー
ドバック補正係数FAFはスキップ値Sだけ急激に減少
せしめられる。次いでステップ44ではFAFLとFA
FRの平均値FAFAVが算出される。一方、ステップ
41において前回の処理サイクル時にはリッチであった
と判別されたときはステップ45に進んでフィードバッ
ク補正係数FAFから積分値K(K≪S)が減算され
る。したがってフィードバック補正係数FAFは徐々に
減少せしめられる。 【0012】一方、ステップ40においてV<0.45
(V)であると判断されたとき、すなわちリーンのとき
にはステップ46に進んで前回の処理サイクル時にリッ
チであったか否かが判別される。前回の処理サイクル時
にリッチのとき、すなわちリッチからリーンに変化した
ときにはステップ47に進んでフィードバック補正係数
FAFがFAFRとされ、ステップ48に進む。ステッ
プ48ではフィードバック補正係数FAFにスキップ値
Sが加算され、したがってフィードバック補正係数FA
Fはスキップ値Sだけ急激に増大せしめられる。次いで
ステップ44ではFAFLとFAFRの平均値FAFA
Vが算出される。一方、ステップ46において前回の処
理サイクル時にはリーンであったと判別されたときはス
テップ49に進んでフィードバック補正係数FAFに積
分値Kが加算される。したがってフィードバック補正係
数FAFは徐々に増大せしめられる。 【0013】リッチとなってFAFが小さくなると燃料
噴射時間TAUが短かくなり、リーンとなってFAFが
大きくなると燃料噴射時間TAUが長くなるので空燃比
が理論空燃比に維持されることになる。なお、パージ作
用が行われていないときにはフィードバック補正係数F
AFは1.0を中心として変動する。また、ステップ4
4において算出された平均値FAFAVはフィードバッ
ク補正係数FAFの平均値を示している。 【0014】ところが例えばパージ作用中に加速運転が
行われると吸入空気量が増大し、一方サージタンク5内
の負圧が小さくなるのでパージ量が減少し、その結果吸
入空気中の蒸発燃料濃度が大巾に変動し、したがって空
燃比が大巾に変動することになる。そこでこのような過
渡運転時における空燃比の変動を阻止するために本発明
による実施例では機関運転状態により定まる基準パージ
率、例えば最大パージ率MAXPGを導入し、この最大
パージ率MAXPGに対する目標パージ率TGTPGの
割合に応じてパージ制御弁17の開弁割合を制御するこ
とによりパージ量を制御するようにしている。次にこの
パージ量の制御方法について説明する。 【0015】最大パージ率MAXPGはパージ制御弁1
7を全開にしたときのパージ量と吸入空気量との比を表
わしている。この最大パージ率MAXPGは図3(A)
に示されるように機関回転数Nを一定にしておくと機関
負荷Q/Nが高くなるのにつれて小さくなり、図3
(B)に示されるように機関負荷Q/Nを一定にしてお
くと機関回転数Nが高くなるのにつれて大きくなる。こ
の最大パージ率MAXPGと機関回転数N、機関負荷Q
/Nとの関係は図3(C)に示すようなマップの形で予
めROM22内に記憶されている。本実施例においてパ
ージ作用を行なうときには目標パージ率TGTPGを一
定値、例えば5(%)に維持し、最大パージ率MAXP
Gに対する目標パージ率TGTPGの割合に応じてパー
ジ制御弁17の開弁割合が制御される。図1に示す実施
例ではパージ制御弁17の開弁割合をデューティ比でも
って制御するようにしているのでこの場合には最大パー
ジ率MAXPGに対する目標パージ率TGTPGの割合
に応じてデューティ比が制御される。なお、上述したよ
うに最大パージ率MAXPGは機関運転状態に応じて算
出されるのでデューティ比は機関運転状態に応じて算出
されることになる。 【0016】すなわち、パージガス中の蒸発燃料の量は
わからないのでパージ制御弁17を全開にしたときに吸
入空気中の燃料蒸気濃度がどの位になるかはわからな
い。しかしながらキャニスタ11の活性炭10への燃料
蒸気の吸着量が同じ場合には吸入空気中の燃料蒸気濃度
は最大パージ率MAXPGに比例する。したがって吸入
空気中の燃料蒸気濃度を一定とするためには最大パージ
率MAXPGが小さくなるほどパージ制御弁17の開度
を大きくしてパージ量を増大させればよい。云い換える
と目標パージ率TGTPGが一定に維持されている場合
には最大パージ率MAXPGに対する目標パージ率TG
TPGの割合に応じてパージ制御弁17の開弁割合を制
御すれば、すなわち最大パージ率MAXPGが小さくな
るほどパージ制御弁17の開度を大きくすれば機関運転
状態にかかわらずに吸入空気中の燃料蒸気濃度は一定と
なり、したがって過渡運転時であっても空燃比は変動せ
ず、フィードバック補正係数FAFによるフィードバッ
ク制御によって空燃比は理論空燃比に維持され続けるこ
とになる。 【0017】パージ作用が開始されると空燃比を理論空
燃比に維持すべくフィードバック補正係数FAFは小さ
くなり、したがってフィードバック補正係数FAFの平
均値FAFAVはパージ作用が開始されると徐々に小さ
くなる。この場合、吸入空気中の燃料蒸気濃度が高いほ
どフィードバック補正係数FAFの減少量が増大し、こ
のときフィードバック補正係数FAFの減少量は吸入空
気中の燃料蒸気濃度に比例するのでフィードバック補正
係数FAFの減少量から吸入空気中の燃料蒸気濃度がわ
かることになる。この場合、上述したように燃料蒸気濃
度は過渡運転の影響を受けず、過渡運転時であっても燃
料蒸気濃度は目標パージ率TGTPGに比例し、単位目
標パージ率当りの燃料蒸気濃度と目標パージ率との積は
過渡運転が行われたとしても目標パージ率TGTPGに
比例する。したがってフィードバック補正係数FAFが
減少したときに燃料蒸気濃度、或いは単位目標パージ率
当りの燃料蒸気濃度と目標パージ率との積に基いて燃料
噴射量を補正すれば過渡運転時であろうとなかろうと空
燃比を理論空燃比に維持できることになる。 【0018】次に燃料蒸気濃度に基く噴射量の補正につ
いてより詳細に説明する。図1に示す実施例では、単位
目標パージ率当たりの蒸発燃料濃度に対応する係数FG
PGを導入している。この係数FGPGはパージ作用を
行ったときの吸入空気中の蒸発燃料濃度が零のときに
1.0であり、蒸発燃料濃度が増大するのにつれて小さ
くなり、蒸発燃料濃度が100%のときに0である係数
であり、したがって係数FGPGの変動量1−FGPG
は吸入空気中の単位パージ率当たりの蒸発燃料濃度を表
している。前述したパージA/F補正係数FPGは燃料
蒸気濃度係数FGPGの変動量と、パージ率PRGとの
積(FPG=(FGPG−1)・PRG)の形で表わさ
れ、したがって蒸発燃料濃度が増大して燃料蒸気濃度係
数FGPGが減少すると前述した燃料噴射時間TAUの
計算式からわかるように燃料噴射量が減少せしめられ
る。 【0019】次に蒸発燃料濃度係数FGPGの更新方法
について説明する。本実施例では蒸発燃料濃度係数FG
PGを次式に基づいて更新するようにしている。 FGPG=FGPG+KFGPG ここでKFGPGは蒸発燃料濃度係数FGPGの更新値
を表しており、この更新値KFGPGは次のように算出
される。すなわち本実施例ではパージ作用を行ったとき
のフィードバック補正係数FAFの平均値FAFAVが
予め定められた設定範囲内にある場合には、すなわち1
−Z≦FAFAV≦1+Zの場合には更新値KFGPG
を零とする。ここでZは小さな一定値である。これに対
し、フィードバック補正係数平均値FAFAVが設定範
囲から逸脱した場合には、すなわち1−Z>FAFAV
またはFAFAV>1+Zの場合には更新値KFGPG
を次式に基づいて算出するようにしている。 KFGPG=(1−FAFAV)/PRG ここでPRGは目標パージ率TGTPGに対応するパー
ジ率であり、後述するようにこのパージ率PRGは目標
パージ率TGTPGに原則として一致する。したがって
1−Z≦FAFAV≦1+Zの場合には蒸発燃料濃度係
数FGPGは更新される以前の値に維持され、これに対
し1−Z>FAFAVまたはFAFAV>1+Zの場合
にはパージ率PRG当たりのフィードバック補正係数平
均値FAFAVの変動量が蒸発燃料濃度係数FGPGに
加算される。 【0020】パージ作用が行われるとフィードバック補
正係数FAFが減少する。一方、フィードバック補正係
数FAFが減少すると蒸発燃料濃度係数FGPGが低下
し、したがってパージA/F補正係数FPGが減少する
ので噴射量が減量せしめられる。その結果フィードバッ
ク補正係数FAFを基準値から大きく変動させることな
く噴射量を減少させることができる。 【0021】前述したようにフィードバック補正係数F
AFの減少量は吸入空気中の燃料蒸気濃度に比例してお
り、フィードバック補正係数FAFが減少すべき分だけ
蒸発燃料係数の変動量(1−FGPG)が増大するので
蒸発燃料濃度係数FGPGの変動量(1−FGPG)と
パージ率PRGとの積で表されるパージA/F補正係数
FPGと、フィードバック補正係数FAFの減少量との
和は吸入空気中の燃料蒸気濃度を表わしていることにな
る。したがって前述した燃料噴射時間TAUの計算式に
示すようにフィードバック補正係数FAFの減少量(1
−FAF)とパージA/F補正係数FPGの和によって
基本燃料噴射時間TPを補正すれば空燃比が理論空燃比
に維持されることになる。なお、フィードバック補正係
数FAFが1.0になればFPGで表わされる燃料蒸気
濃度は吸入空気中の燃料蒸気濃度を正確に表わしている
ことになる。 【0022】なお、パージ率PRGが目標パージ率TG
TPGに一致しているときに加速運転が行われて吸入空
気量が増大しても基本的にはパージ率PRGが一定に維
持された状態でデューティ比が増大せしめられるので空
燃比が変動することはない。ところが加速運転が行われ
る前にデューティ比が100%近くに、すなわちDが1
00近くになっている場合に加速運転が行われるとデュ
ーティ比Dが100に達してしまう。しかしながらこの
場合には目標パージ率TGTPGが一定に維持されてい
たとしてもパージ率PRGが減少せしめられ、それに伴
なってパージA/F補正係数FPGが増大せしめられ
る。このときには吸入空気中の燃料蒸気濃度が低下する
がこの燃料蒸気濃度の低下量に対応した分だけパージA
/F補正係数FPGが増大せしめられるので空燃比は変
動することなく理論空燃比に維持されることになる。な
お、パージ率PRGと目標パージ率TGTPGとが同じ
場合デューティ比Dが100を越えない限りパージ率P
RGと目標パージ率TGTPGとは一致する。 【0023】次に図4から図6を参照してパージ制御弁
17のデューティ制御方法について説明する。図4
(A)は、本実施例におけるデューティ比の変化を示す
タイムチャートである。図4(A)においてA,B,
C,Dはそれぞれ時刻a,b,c,dから開始されるデ
ューティ制御のサイクルを示している。本実施例ではデ
ューティ制御の各サイクルにおいて、図5の(i)に示
すように時刻fからサイクルが開始されるとまずパージ
制御弁17が開弁せしめられ、次いでそのサイクルのデ
ューティ比DIに対応した時間だけ経過するとパージ制
御弁17が閉弁せしめられる。なおこのサイクルは時刻
gにおいて終了する。さらに図5の(i)に示すように
各サイクルにおいてパージ制御弁17の開弁動作は基本
的に1回だけ行われる。さらに本実施例では、デューテ
ィ制御のサイクル時間tC、すなわち例えばd−cは1
00msと定められており、したがってデューティ制御
のサイクルが100ms毎に繰り返される。本実施例に
おけるようにサイクル時間tCを100msと定めるこ
とによってパージ制御弁17の作動負荷を低減すること
ができる。 【0024】一方、例えば時刻cから開始されるサイク
ルCを制御するデューティ比Dcは、当然のことなが
ら、時刻cよりも以前にすでに算出されている。図4
(A)に示す例ではデューティ比Dcは図4(A)にお
いて実線の矢印で示す時刻c0において、すなわちサイ
クルCが開始される時刻cよりも4msだけ前にその時
点における機関運転状態に応じて算出される。このデュ
ーティ比Dcは次いで時刻cになると出力され、斯くし
てデューティ比DcでもってサイクルCにおけるパージ
制御弁17の開閉弁動作が制御される。 【0025】これに対し好ましくない従来例を示す図4
(B)を参照すると、例えば時刻c′から始まるサイク
ルC′を制御するデューティ比Dc′は実線の矢印c
0′で示される時刻にその時刻における機関運転状態に
基づいて算出される。パージ制御作用を備えた通常の内
燃機関において、パージ制御弁17をデューティ制御す
る場合のデューティ比は例えばメインルーチン内で算出
され、この場合サイクルC′の直前のサイクルB′が開
始された後、すなわち時刻b′の後初めてメインルーチ
ン内のデューティ比を算出する部分に到るとその時点に
おける機関運転状態に応じてデューティ比Dc′が算出
されるようになっている。したがって図4(B)に示す
例では、デューティ比が算出される時刻はサイクルが開
始される時刻に対して一定ではなく、しかしながらそれ
ぞれ対応するサイクルが開始されてから20ms程度経
過した時刻である。 【0026】ところで、デューティ制御の各サイクル中
であっても機関運転状態が変動し、それに伴って最大パ
ージ率MAXPGが変動するので実際のパージ率を目標
パージ率TGTPGに一致させるためのデューティ比は
図4(A)および(B)において破線でもって示すよう
に時間の経過に従って変動する。図4(B)に示す好ま
しくない例では、上述したように例えばサイクルC′が
開始される時刻c′よりも約80msだけ前の機関運転
状態に応じてサイクルC′のためのデューティ比Dc′
を算出するようにしており、その結果サイクルC′にお
いてデューティ比Dc′が、実際のパージ率を目標パー
ジ率に一致させるためのデューティ比からずれることと
なり、したがっていわゆるデューティ制御の応答遅れが
生ずることとなる。 【0027】このような応答遅れが生ずる場合、デュー
ティ制御のサイクル時間を短くすれば応答遅れを低減す
ることができる。ところが、サイクル時間を短くする
と、すなわち例えば数msにするとパージ制御弁17の
開閉弁動作を短時間で行わなければならなくなるので結
果パージ制御弁17の作動負荷が大きくなってしまう。
そこで本実施例では、サイクル時間を100msに維持
しつつ、上述したように各サイクルが開始される時刻の
4msだけ前においてその時刻における機関運転状態に
応じて対応するデューティ比を算出するようにしてい
る。その結果、パージ制御弁17の作動負荷を低減しつ
つデューティ比の応答遅れを低減することができる。な
お、このように各サイクルが開始される以前に1回ずつ
行われるデューティ比の算出作用をデューティ比の更新
作用と称し、このデューティ比を更新デューティ比と称
する。 【0028】また、図4(B)に示す例のように通常の
デューティ制御では、各サイクルを制御するためのデュ
ーティ比は各サイクル中において更新デューティ比に一
定に維持される。ところが、上述したように各サイクル
中であっても機関運転状態が変動し、それに伴って実際
のパージ率を目標パージ率に維持するためのデューティ
比が変動するので各サイクル中においてデューティ比を
一定に維持するようにした場合に機関運転状態が変動す
ると実際のパージ率が目標パージ率からずれるようにな
ってしまう。一方、パージ作用を行ったときには上述し
たように目標パージ率に対応するパージ率PRGに応じ
て燃料噴射量を減量するようにしており、したがって実
際のパージ率が目標パージ率からずれるともはや空燃比
を理論空燃比に維持することができなくなる。そこで本
実施例では、各サイクル中においてその時刻における機
関運転状態に応じてデューティ比(変更デューティ比と
称する)を算出し、パージ制御弁17の開弁割合が変更
デューティ比になるようにパージ制御弁17の開閉弁動
作を変更するようにしている。その結果、デューティ制
御のサイクル中に機関運転状態が変動してもこのサイク
ルを制御するためのデューティ比と、実際のパージ率を
目標パージ率に維持するためのデューティ比間のずれを
低減することができ、したがって変更デューティ比に基
づいてパージ制御弁17の開閉弁動作を行えば実際のパ
ージ率と目標パージ率間のずれを低減することができる
ことになり、この場合変更されたパージ率に応じて燃料
噴射量を減量することによって空燃比を理論空燃比に維
持することができることになる。 【0029】図4(A)に示す例では、例えばサイクル
Cの間に破線の矢印C1,C2,C3,C4,C5でも
って示される時刻においてデューティ比の変更作用を行
うようにしている。すなわちサイクルCが開始されてか
ら16ms毎にその時刻における機関運転状態に応じて
変更デューティ比を順次算出し、デューティ比の変更作
用を順次行うようにしている。その結果実際のパージ率
を目標パージ率に維持するためのデューティ比間のずれ
をさらに低減することができるので空燃比を理論空燃比
にさらに良好に維持することができる。次に、図5およ
び図6を参照してデューティ比の変更作用が行われたと
きのパージ制御弁17の開閉弁動作変更作用について説
明する。 【0030】図5の(i)または図6の(i)に示すよ
うに時刻fまたはhから始まるサイクルを制御するため
のデューティ比がDIである場合、すなわち先のデュー
ティ比算出作用において算出されたデューティ比がDI
である場合のパージ制御弁17の開閉弁動作変更作用に
ついて説明する。なお、本実施例ではデューティ制御の
サイクル時間tCが100msと定められており、した
がってデューティ比をパーセントで表した場合にはサイ
クルの開始と同時にパージ制御弁17を開弁してデュー
ティ比の数値×1msだけパージ制御弁17を開弁すれ
ばパージ制御弁17の開弁割合がデューティ比に一致す
ることになる。したがって図5の(i)の場合、パージ
制御弁17の閉弁時刻はf+DIとなる。この閉弁時刻
はタイマーに予約され、時刻がこの閉弁時刻になるとパ
ージ制御弁17が閉弁されるようになっている。 【0031】まず図5の(ii)から(iv)を参照し
て、更新デューティ比DCが現在のデューティ比DIよ
りもDDだけ大きい場合、すなわちパージ制御弁17の
開弁時間をDDだけ延長する場合について説明する。図
5の(ii)は、デューティ比変更作用が時刻f2に行
われた場合を示している。時刻f2においてパージ制御
弁17は未だ開弁状態にあり、したがってパージ制御弁
閉弁時刻をf+DC、すなわちf+DI+DDに書き換
え、この閉弁時刻をタイマーに予約することによってこ
のサイクルにおけるパージ制御弁17の開弁時間を変更
デューティ比DCに一致させることができる。 【0032】図5の(iii)は、デューティ比変更作
用が時刻f3に行われた場合を示している。時刻f3に
おいてパージ制御弁17はすでに閉弁状態にあり、この
場合時刻f3において直ちにパージ制御弁17を開弁さ
せる。したがってこの場合のパージ制御弁閉弁時刻はf
3+DDとなる。その結果このサイクルにおけるパージ
制御弁17の開弁時間を変更デューティ比DCに一致さ
せることができる。 【0033】デューティ比変更作用が時刻f4に行われ
た場合も時刻f4においてパージ制御弁17を開弁し、
パージ制御弁閉弁時刻をf4+DDとすればよい。とこ
ろが、時刻f4がサイクルの末期であったり、或いはデ
ューティ比の増大分DDが大きい場合には閉弁時刻f4
+DDがf+100、すなわちサイクル終了時刻gより
も大きくなってしまう。そこでf4+DD≧f+tCの
場合には、図5の(iv)に示すようにパージ制御弁閉
弁時刻をf+100、すなわちgとするようにしてい
る。したがってこの場合の変更デューティ比はDI+D
E、すなわちDI+(g−f4)となる。 【0034】次に図6の(ii)および(iii)を参
照して、更新デューティ比DCが現在のデューティ比D
Iよりも小さい場合について説明する。図6の(ii)
は、デューティ比変更作用が時刻h2に行われた場合を
示している。時刻h2においてパージ制御弁17は未だ
開弁状態にあり、しかも更新デューティ比DCに基づく
パージ制御弁閉弁時刻h+DCは時刻h2よりも先であ
るのでパージ制御弁閉弁時刻をh+DCに書き換え、こ
の閉弁時刻をタイマーに予約することによってこのサイ
クルにおけるパージ制御弁17の開弁時間を変更デュー
ティ比DCに一致させることができる。 【0035】図6の(iii)は、デューティ比変更作
用が時刻h3に行われた場合を示している。時刻h3に
おいてパージ制御弁17は未だに開弁状態にあり、しか
しながら更新デューティ比DCに基づくパージ制御弁閉
弁時刻h+DCは時刻h3よりも以前であるのでこの場
合には直ちにパージ制御弁17を閉弁する。したがって
この場合のパージ制御弁閉弁時刻はh3となり、一方こ
のサイクルのデューティ比はDF、すなわちh3−hと
なる。 【0036】一方、デューティ比変更作用が時刻h4に
行われた場合、時刻h4においてパージ制御弁17はす
でに閉弁状態にあり、したがってデューティ比を減少さ
せることができない。 【0037】次に図7から図12を参照してパージ制御
方法について詳細に説明する。図7はイグニッションス
イッチ(図示せず)がオンにされたときに実行されるパ
ージ制御のイニシャライズ処理ルーチンを示している。
図7を参照すると、まず初めにステップ60においてパ
ージ作用を行うべきときにセットされるパージフラグが
リセットされる。次いでステップ61ではデューティ比
の更新作用または変更作用が行われたときにセットされ
る算出フラグがリセットされる。次いでステップ62で
は第1のタイマカウント値T1がクリアされ、次いでス
テップ63では第2のタイマカウント値T2がクリアさ
れる。次いでステップ64ではパージ制御弁17の開弁
時刻TSがクリアされ、次いでステップ65ではパージ
制御弁17の閉弁時刻TEがクリアされる。次いでステ
ップ66ではパージ制御弁17を駆動するためのデュー
ティ比DIが零とされ、次いでステップ67では更新デ
ューティ比DCが零とされる。次いでステップ68では
パージ率PRGが零とされ、次いでステップ69では蒸
発燃料濃度係数FGPGが1とされる。次いでステップ
70ではパージ制御弁17が閉弁せしめられ、次いで処
理サイクルを完了する。 【0038】図8から図11はパージ制御ルーチンを示
しており、このルーチンは4ms毎の割込みによって実
行される。図8を参照すると、まず初めにステップ71
においてパージフラグがセットされているか否かが判別
される。イグニッションスイッチがオンにされた後に初
めてステップ71に進んだときにはパージフラグはリセ
ットされているので次いでステップ72に進む。ステッ
プ72ではパージ制御を開始すべき条件が成立したか否
かが判別される。機関冷却水温70℃以上でありかつ空
燃比のフィードバック制御が開始されておりかつフィー
ドバック補正係数FAFのスキップ処理(図2のS)が
5回以上行われたときはパージ制御を開始すべき条件が
成立したと判断される。パージ制御を開始すべき条件が
成立していないときは処理サイクルを完了する。これに
対してパージ制御を開始すべき条件が成立したときはス
テップ73に進んでパージフラグをセットする。次いで
ステップ74に進んで第1タイマカウント値T1を24
としてステップ78にジャンプする。 【0039】ステップ78では図12に示すルーチン
(後述する)を用い、この時点における機関運転状態に
応じてデューティ比Dが算出される。このデューティ比
Dは更新デューティ比に相当するものである。次いでス
テップ79に進み、ステップ78において算出されたデ
ューティ比DがDXに代入される。次いで処理サイクル
を終了する。 【0040】次の処理サイクルにおいて、パージフラグ
がセットされているのでステップ71からステップ75
に進む。ステップ75では第1タイマカウント値T1が
1だけインクリメントされる。次いでステップ76に進
む。パージフラグがセットされてから初めてステップ7
6に進んだときにはT1=25であるので次いで図9の
ステップ80に進む。ステップ80では第1タイマカウ
ント値T1が25であるか否かが判別される。ステップ
74に進んだ後に初めてステップ80に進んだときには
T1=25であるので次いでステップ81に進み、パー
ジ制御弁17が開弁される。したがってこの時刻がデュ
ーティ制御のサイクルの開始時刻であることがわかる。
次いでステップ82に進み、パージ制御弁17の開弁時
刻TSが現在時刻timeとされる。本実施例ではデュ
ーティ制御の各サイクルが開始されると同時にパージ制
御弁17が開弁されるようになっており、したがってパ
ージ制御弁17の開弁時刻TSは対応するサイクルの開
始時刻に一致する。次いでステップ83に進み、ステッ
プ83では現在のサイクルの開始時刻TSにステップ7
9において算出されたDXを加算することによってパー
ジ制御弁17の閉弁時刻TEが算出される。この閉弁時
刻TEはタイマーに予約され、時刻がTEになるとパー
ジ制御弁17が閉弁される。上述したように本実施例で
はデューティ制御のサイクル時間は100msと定めら
れており、したがってデューティ比をパーセントで表し
た場合にはその数値×1msだけパージ制御弁17を開
弁すればパージ制御弁17の開弁割合がデューティ比に
一致することになる。したがってパージ制御弁17の開
弁割合がデューティ比DIとなるようにパージ制御弁1
7の開閉弁動作が行われることになる。 【0041】次いでステップ84に進み、現在のサイク
ルを制御するデューティ比DIがDXとされる。なお、
このDXはT1=24のときの機関運転状態、すなわち
デューティ制御のサイクルを開始する4ms前の機関運
転状態に応じて算出されたデューティ比であり、したが
ってデューティ制御の応答遅れを低減することができ
る。次いでステップ85に進んで算出フラグをセットし
た後にステップ86に進み、第1タイマカウント値T1
をクリアして処理サイクルを終了する。したがってステ
ップ81からステップ86までの部分は100ms毎に
実行されることがわかる。 【0042】一方、ステップ76においてT1=24の
ときには次いでステップ77に進み、第2タイマカウン
ト値T2がクリアされる。次いでステップ78およびス
テップ79に進んで処理サイクルを終了する。したがっ
て、ステップ74においてT1=24とされてステップ
78およびステップ79に進んだ場合を除いて、ステッ
プ77からステップ79の部分にはデューティ制御の各
サイクルが開始されてから96ms経過すると進むこと
がわかる。 【0043】これに対し、ステップ80においてT1≠
25のときには、すなわち第1タイマカウント値T1が
1から23の場合には次いで図10に示すステップ87
に進む。ステップ87では第2タイマカウント値T2が
1だけインクリメントされる。次いでステップ88に進
み、第2タイマカウント値T2が4であるか否かが判別
される。T2≠4のときには、すなわちT2が1から3
のときには処理サイクルを終了する。一方T2=4のと
きには次いでステップ89に進み、図12のルーチンを
用いてこの時点における機関運転状態に応じてデューテ
ィ比Dが算出される。次いでステップ90に進み、変更
デューティ比DCがステップ89において算出されたデ
ューティ比Dとされる。次いでステップ91に進み、変
更デューティ比DCが現在のデューティ比DIよりも大
きいか否かが判別される。DC>DIのときには次いで
ステップ92に進み、パージ制御弁17が閉弁状態にあ
るか否かが判別される。ステップ92においてパージ制
御弁17が閉弁状態にあるときには次いでステップ93
に進み、パージ制御弁17が開弁される。次いでステッ
プ94に進み、パージ制御弁17の閉弁時刻を表すTE
Xが次式に基づいて算出される。 TEX=time+(DC−DI) すなわち現在時刻timeにデューティ比の増大分(D
C−DI)が加算される。次いでステップ95に進み、
TEXがTS+100よりも大きいか否かが判別され
る。TEX≧TS+100の場合にはパージ制御弁17
の閉弁時刻がサイクル終了時刻よりも先になってしまう
ので次いでステップ96に進んでTEXをTS+100
とする。次いで図11のステップ97に進む。一方ステ
ップ95においてTEX<TS+100の場合には図1
1のステップ97にジャンプする。 【0044】図11のステップ97ではパージ制御弁1
7の閉弁時刻TEがTEXに書き換えられ、このTEが
タイマーに予約される。次いでステップ98に進み、デ
ューティ比DIが次式に基づいて変更される。 DI=DI+(TE−time) すなわち現在のデューティ比DIにデューティ比の増大
分(TE−time)が加算される。次いでステップ9
9に進む。 【0045】一方、ステップ92においてパージ制御弁
17が開弁状態にある場合には次いでステップ101に
進む。ステップ101では、現在のサイクルの開始時刻
TSに変更デューティ比DCを加算することによってT
EXが算出される。次いで図11のステップ102に進
み、ステップ102ではパージ制御弁17の閉弁時刻T
EがTEXに書き換えられ、このTEがタイマーに予約
される。次いでステップ103に進み、パージ制御弁1
7を駆動するためのデューティ比DIがDCとされる。
次いでステップ99に進む。 【0046】一方、ステップ91においてDC≦DIの
ときには次いでステップ104に進む。ステップ104
ではパージ制御弁17が開弁状態にあるか否かが判別さ
れる。パージ制御弁17が閉弁状態にあるときには次い
で処理サイクルを終了する。これに対しステップ104
においてパージ制御弁17が開弁状態にあるときには次
いでステップ105に進み、現在時刻timeが、デュ
ーティ比をステップ90で得られたDCとした場合の閉
弁時刻TS+DCよりも先であるか否かが判別される。
time≧TS+DCの場合には次いでステップ106
に進んでパージ制御弁17を閉弁した後に図11のステ
ップ107に進む。一方ステップ106においてtim
e<TS+DCの場合には次いでステップ101,10
2,103に進んだ後にステップ99に進む。 【0047】図11のステップ107ではパージ制御弁
17の閉弁時刻TEが現在時刻timeに書き換えら
れ、このTEがタイマーに予約される。次いでステップ
108に進み、ステップ108では現在時刻timeか
ら現在のサイクルの開始時刻TSが減算されることによ
りデューティ比DIが算出される。次いでステップ99
に進む。 【0048】ステップ99では算出フラグがセットされ
る。次いでステップ100に進み、第2タイマカウント
値T2がクリアされる。したがって、ステップ89から
ステップ108の部分にはデューティ制御の各サイクル
が開始されてから16ms毎に進むことになる。次いで
処理サイクルを終了する。 【0049】図12はデューティ比Dの算出ルーチンを
示しており、このルーチンは図8のステップ78、図1
0のステップ89に相当する。図12を参照すると、ま
ずステップ110において現在の機関回転数Nおよび吸
入空気量Qが読込まれる。次いでステップ111に進
み、ROM22内に記憶された図3(C)のマップから
機関負荷Q/Nおよび機関回転数Nに応じた最大パージ
率MAXPGが算出される。次いでステップ112に進
み、ステップ112ではデューティ比Dが次式に基づい
て算出される。 D=(TGTPG/MAXPG)・100 次いでステップ113に進み、ステップ113ではデュ
ーティ比Dが100以上、すなわち100%以上か否か
が判別される。D<100のときは処理サイクルを終了
し、D≧100のときはステップ114に進んでDを1
00とした後に処理サイクルを終了する。 【0050】図13は蒸発燃料濃度係数FGPGの算出
ルーチンを示しており、このルーチンは例えばメインル
ーチン内で実行される。図13を参照すると、まずステ
ップ120では図8のステップ73でセットされるパー
ジフラグがセットされているか否かが判別される。パー
ジフラグがリセットされているときには処理サイクルを
終了する。これに対しパージフラグがセットされている
ときには次いでステップ121に進み、フィードバック
補正係数平均値FAFAVが設定範囲内にあるか否か、
すなわち1−Z≦FAFAV≦1+Zであるか否かが判
別される。1−Z≦FAFAV≦1+Zのときには次い
でステップ122に進み、蒸発燃料濃度係数FGPGの
更新値KFGPGを零とした後にステップ124に進
む。一方、ステップ121において1−Z>FAFAV
またはFAFAV>1+Zのときには次いでステップ1
23に進み、更新値KFGPGが次式に基づいて算出さ
れる。 KFGPG=(1−FAFAV)/PRG すなわち単位パージ率当たりのフィードバック補正係数
平均値FAFAVの変動量が更新値KFGPGとされ
る。次いでステップ124に進む。ステップ124では
現在の蒸発燃料濃度係数FGPGに更新値KFGPGを
加算することによって蒸発燃料濃度係数FGPGが更新
される。次いで処理サイクルを終了する。 【0051】ステップ108では次式に基いてパージ率
PRGが算出される。 パージ率PRG=(最大パージ率MAXPG・デューテ
ィ比PGDUTY)/100 【0052】図14は燃料噴射時間の算出ルーチンを示
しており、このルーチンは一定クランク角度毎の割込み
によって実行される。図14を参照すると、まず初めに
ステップ130において算出フラグがセットされている
か否かが判別される。算出フラグがセットされていない
ときはステップ133にジャンプする。算出フラグがセ
ットされているときにはステップ131に進んで次式に
基いてパージ率PRGが算出される。 PRG=MAXPG・DI/100 すなわち、図12のステップ112におけるデューティ
比Dの計算において最大パージ率MAXPGが小さくな
って(TGTPG/MAXPG)・100が100を越
えるとデューティ比Dは100に固定されるのでこの場
合にはパージ率PRGは目標パージ率TGTPGよりも
小さくなる。すなわち、パージ制御弁17が全開状態に
あるときに最大パージ率MAXPGが小さくなるとそれ
に伴ってパージ率PRGが低下することになる。なお、
(TGTPG/MAXPG)・100が100を越えな
い限りパージ率PRGは目標パージ率TGTPGに一致
する。次いでステップ132に進み、算出フラグをリセ
ットした後にステップ133に進む。 【0053】次いでステップ133では次式に基いてパ
ージA/F補正係数FPGが算出される。 FPG=(FGPG−1)・PRG 次いでステップ134では基本燃料噴射時間TPが算出
され、次いでステップ135では補正係数KKが算出さ
れ、次いでステップ136では次式に基いて燃料噴射時
間TAUが算出される。 TAU=TP・{1+KK+(FAF−1)+FPG} 燃料噴射弁4からはこの燃料噴射時間TAUに基いて燃
料が噴射される。 【0054】 【発明の効果】デューティ制御の各サイクル中にその時
点における機関運転状態に応じてデューティ比を算出
し、このサイクルにおけるパージ制御弁の開弁割合がこ
のデューティ比になるようにパージ制御弁の開閉弁動作
を変更するようにしているのでデューティ制御の各サイ
クル中に機関運転状態が変動したときに生ずる目標パー
ジ量に対する実際のパージ量のずれを低減することがで
きる。その結果、パージ量に応じて燃料噴射量を減量す
るようにした場合に空燃比を目標空燃比に容易に維持す
ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】内燃機関の全体図である。 【図2】フィードバック補正係数を算出するためのフロ
ーチャートである。 【図3】最大パージ率を示す線図である。 【図4】(A)本実施例におけるパージ制御中のタイム
チャートであり、(B)好ましくない例におけるパージ
制御中のタイムチャートである。 【図5】パージ制御弁の開閉弁動作変更作用を説明する
タイムチャートである。 【図6】パージ制御弁の開閉弁動作変更作用を説明する
タイムチャートである。 【図7】パージ制御のイニシャライズ処理を行うための
フローチャートである。 【図8】パージ制御を行うためのフローチャートであ
る。 【図9】パージ制御を行うためのフローチャートであ
る。 【図10】パージ制御を行うためのフローチャートであ
る。 【図11】パージ制御を行うためのフローチャートであ
る。 【図12】デューティ比を算出するためのフローチャー
トである。 【図13】蒸発燃料濃度を算出するためのフローチャー
トである。 【図14】燃料噴射時間を算出するためのフローチャー
トである。 【符号の説明】 4…燃料噴射弁 9…スロットル弁 11…キャニスタ 17…パージ制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 25/08 301 F02D 41/14 310

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 蒸発燃料を一時的に蓄えるキャニスタと
    スロットル弁下流の機関吸気通路とを連結するパージ通
    路内にデューティ制御されるパージ制御弁を設け、パー
    ジガスのパージ量が機関運転状態に応じて定まる目標パ
    ージ量となるのに必要なデューティ比を算出してパージ
    制御弁の開弁割合が該デューティ比になるようにパージ
    制御弁の開閉弁動作を制御し、デューティ比はパージ制
    御弁のデューティ制御の各サイクルが開始される以前に
    その時点における機関運転状態に応じて算出される内燃
    機関の蒸発燃料処理装置において、パージ制御弁のデュ
    ーティ制御の各サイクル中においてその時点における機
    関運転状態に応じてデューティ比を算出し、該サイクル
    におけるパージ制御弁の開弁割合が該デューティ比にな
    るようにパージ制御弁の開閉弁動作を変更するようにす
    る手段を設けた内燃機関の蒸発燃料処理装置。
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